JP2014132101A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャッタの開放後にガスの噴射状態が安定するまでの期間を短くすることが可能な成膜装置を提供する。また、シャッタの開放後にガスの噴射状態が安定するまでの期間を短くすることが可能な成膜方法を提供する。
【解決手段】成膜装置10は、蒸着ヘッド12、及び、シャッタ14を備える。蒸着ヘッドは、蒸着材料の気体分子を含むガスを噴射する噴射口を有する。シャッタは、蒸着ヘッドの噴射口からのガスを遮る位置に配置可能である。このシャッタは、当該シャッタを冷却するための冷却部を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、成膜装置及び成膜方法に関するものである。
特許文献1には、有機材料の成膜装置が記載されている。特許文献1に記載された装置は、有機材料の気体分子を含むガスを噴射する蒸着ヘッドを備えている。この装置では、蒸着ヘッドから噴射されたガスが被処理基体に付着することにより、被処理基体上に有機材料が成膜される。
特開2008−88490号公報
上述したような成膜装置においては、蒸着ヘッドからのガスの噴射状態が安定してから成膜を行うために、蒸着ヘッドからは成膜プロセス前からガスを噴射させておく必要がある。このため、本願発明者は、成膜プロセス前に噴射されるガスを遮るためにシャッタを設けた成膜装置の研究を行っている。この研究において、本願発明者は、シャッタの開放後においてガスの噴射状態が安定するまでの間に時間を要するという課題を見出している。
そこで、本発明は、一側面においては、シャッタの開放後にガスの噴射状態が安定するまでの期間を短くすることが可能な成膜装置を提供することを目的としている。また、本発明は、別の側面においては、シャッタの開放後にガスの噴射状態が安定するまでの期間を短くすることが可能な成膜方法を提供することを目的としている。
本願発明者は、上述した課題が生ずる要因は、シャッタを閉じている間にシャッタと噴射口との間において圧力が上昇することにあることを見出している。この圧力の上昇は、シャッタによって反射されたガスが噴射口から噴射されるガスと衝突することにより、発生しているものと推測される。
本発明の一側面に係る成膜装置は、蒸着ヘッド、及び、シャッタを備える。蒸着ヘッドは、蒸着材料の気体分子を含むガスを噴射する噴射口を有する。シャッタは、蒸着ヘッドの噴射口からのガスを遮る位置(以下、「閉位置」という)に配置可能である。このシャッタは、当該シャッタを冷却するための冷却部を有する。
この成膜装置では、シャッタが冷却されるので、蒸着材料の気体分子がシャッタにおいて吸着される。したがって、シャッタと噴射口との間の圧力の上昇が低減され得る。その結果、この成膜装置によれば、シャッタの開放後にガスの噴射状態が安定するまでの期間を短くすることが可能である。
一実施形態においては、成膜装置は、被処理基体を搭載するステージと、ステージを蒸着ヘッドの噴射口からのガスの噴射方向に対して交差する方向に移動させる移動機構を更に備え得る。蒸着ヘッドは、複数の噴射口を有していてもよく、当該複数の噴射口は、ステージの移動方向に交差する方向に配列され得る。この実施形態の蒸着ヘッドは一方向に配列された噴射口を有するものであり、所謂リニアソース型の蒸着ヘッドである。リニアソース型の蒸着ヘッドと被処理基体との間の距離は、一般的に、ポイントソース型の蒸着ヘッドと被処理基体との間の距離より短く設定される。したがって、リニアソース型の蒸着ヘッドとシャッタとの距離は必然的に短くなる。故に、冷却部を有するシャッタは、リニアソース型の蒸着ヘッドに有効である。
一実施形態においては、シャッタが閉位置に配置されているときに、冷却部は、蒸着ヘッドと被処理基体を成膜するための空間との間に介在し得る。一般的に蒸着ヘッドは使用時に加熱される。この実施形態によれば、蒸着ヘッドから放射される熱による上記空間への影響を低減し得る。
一実施形態においては、冷却部は、冷媒流路を含み得る。この形態においては、成膜装置は、流路において冷媒が流れる方向を一方向と該一方向と反対の他方向とに切替えるための手段を更に備えていてもよい。この実施形態によれば、シャッタをより均一に冷却することが可能となる。
一実施形態においては、シャッタは、当該シャッタを加熱するための加熱部を更に有していてもよい。加熱部を用いてシャッタを加熱することにより、例えば成膜プロセスの期間以外の時間に、シャッタに付着した蒸着材料を除去することが可能となる。
一実施形態においては、シャッタは、ガスが吹き付けられる部分において櫛歯構造を有していてもよい。この実施形態によれば、櫛歯構造により気体分子をより効率良く吸着することが可能である。
一実施形態においては、シャッタは、ガスが吹き付けられる部分において、噴射口の中心線に対して傾斜した面を含んでいてもよい。この実施形態によれば、例えば、蒸着材料の気体分子と共に上記ガスに混合されるアルゴンガスといったキャリアガスを、噴射口に向かう方向とは異なる方向に反射することが可能となる。一実施形態においては、上記の傾斜した面は、波状の面を含み得る。
一実施形態においては、噴射口が設けられている蒸着ヘッドの先端部分が、テーパー状の面で構成されていてもよい。この形態によれば、シャッタから反射されたガスが蒸着ヘッドの先端部分の方向に反射されても、テーパー面によって当該ガスが逸らされる。したがって、ガスのシャッタの方向への更なる反射を低減することができる。
本発明の別の側面の成膜方法は、(a)蒸着ヘッドの噴射口からの蒸着材料の気体分子を含むガスを遮る位置(以下、「閉位置」というにシャッタを配置している期間においてシャッタを冷却する工程と、(b)シャッタを閉位置から退避させる工程と、(c)蒸着ヘッドからのガスにより被処理基体上に蒸着材料を成膜する工程と、を含む。この成膜方法では、シャッタが閉位置にある期間に当該シャッタが冷却され、蒸着材料の気体分子がシャッタにおいて吸着される。したがって、シャッタと噴射口との間の圧力の上昇が低減され得る。その結果、この成膜方法によれば、シャッタの開放後にガスの噴射状態が安定するまでの期間を短くすることが可能である。
一実施形態においては、成膜方法は、成膜する工程の後に、シャッタを加熱する工程を更に含んでいてもよい。この実施形態の成膜方法によれば、成膜プロセスの期間とは異なる期間に、シャッタを加熱してシャッタに付着した蒸着材料を除去することが可能である。
以上説明したように、本発明の一側面及び別の側面によれば、シャッタの開放後にガスの噴射状態が安定するまでの期間を短くすることが可能な成膜装置及び成膜方法が提供される。
一実施形態に係る成膜装置を含む成膜システムの一例を示す図である。 一実施形態に係る成膜システムによって製造され得る有機EL素子の一例を示す図である。 一実施形態に係る成膜装置を概略的に示す図である。 一実施形態に係る成膜装置を概略的に示す図である。 一実施形態に係る蒸着ヘッド、シャッタ、及びシャッタ移動機構を示す斜視図である。 一実施形態に係る蒸着ヘッド及びシャッタを側方から見た平面図である。 一実施形態に係るシャッタを示す図である。 一実施形態に係る成膜装置における冷媒用の配管系統を示す図である。 一実施形態に係る制御部を示す図である。 一実施形態に係る成膜方法における各工程のシーケンスを示す図である。 別の実施形態に係る成膜装置を概略的に示す図である。 別の実施形態に係るシャッタを示す斜視図である。 図12に示すシャッタの変形例を示す図である。 別の実施形態に係るシャッタ移動機構を示す斜視図である。 別の実施形態に係る冷媒用の流路を有するシャッタを示す図である。 別の実施形態に係る冷媒用の流路を有するシャッタを示す図である。 別の実施形態に係る配管系統を示す図である。 更に別の実施形態に係るシャッタ移動機構を示す斜視図である。 シャッタ又は蒸着ヘッドの種々の変形例を示す図である。 成膜システムの別の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1は、一実施形態に係る成膜装置を含む成膜システムの一例を示す図である。図1に示す成膜システム100は、一実施形態の成膜装置10を備えている。成膜システム100は、例えば、図2に示す有機EL(Electro Luminescence)素子を製造するシステムとして用いられ得る。
図2は、一実施形態に係る成膜システムによって製造され得る有機EL素子の一例を示す図である。図2に示す有機EL素子Dは、基板Sub、第1層D1、第2層D2、第3層D3、第4層D4、及び、第5層D5を備え得る。基板Subは、ガラス基板のような光学的に透明な基板である。
基板Subの一主面上には、第1層D1が設けられている。第1層D1は、陽極層として用いられ得る。この第1層D1は、光学的に透明な電極層であり、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)のような導電性材料により構成され得る。第1層D1は、例えば、スパッタリング法により形成される。
第1層D1上には、第2層D2、第3層D3、及び第4層D4が順に積層されている。第2層D2、第3層D3、及び第4層D4は、有機層である。第2層D2は、ホール輸送層で有り得る。第3層D3は、発光層であり、例えば、非発光層D3a、青発光層D3b、赤発光層D3c、緑発光層D3dを含み得る。また、第4層D4は、電子輸送層であり得る。
第4層D4上には、第5層D5が設けられている。第5層D5は、陰極層であり、例えば、Ag、Al等により構成され得る。第5層D5は、スパッタリング法等により形成され得る。このような構成の素子Dは、更に、マイクロ波プラズマCVD等により形成されるSiNといった材料の絶縁性の封止膜によって封止され得る。
図1に戻り、このような有機EL素子Dを製造し得る成膜システム100は、ローダ102、搬送室104、及び、マスクストッカ106を更に備え得る。成膜システム100では、ローダ102と当該ローダ102の次のモジュールの間、搬送室104と当該搬送質104の前のモジュールとの間、搬送室104と成膜装置10の成膜室との間、マスクストッカ106と成膜装置10の成膜室の間のように、各モジュール間にはゲートバルブGが設けられている。これにより、各モジュール内の空間が密閉されるようになっている。なお、成膜システム100は、ゲートバルブGに限定されることなく、各モジュール内の空間を隔離することが可能な手段であれば、任意の隔離手段を含み得る。
成膜システム100においては、以下に説明するように、被処理基体が処理され得る。即ち、まず、基板Subがローダ102上に搭載される。そして、被処理基体として基板Subがスパッタリング装置(図示せず)に搬送され、当該スパッタリング装置内において基板Sub上にパターン化された第1層D1が形成される。これにより、基板Sub上に第1層D1を有する被処理基体が作成される。
次いで、被処理基体は搬送室104を介して成膜装置10の成膜室内に搬送され、当該成膜室内において、第1層D1上に、有機層である第2層D2、第3層D3、及び第4層D4が順次形成される。これにより、第1層D1上に有機層を有する被処理基体が作成される。
次いで、被処理基体は別のスパッタリング装置(図示せず)に搬送され、当該スパッタリング装置内において第4層D4上に第5層D5が形成される。これにより、第4層D4上に第5層D5を有する被処理基体が作成される。更に、被処理基体はプラズマCVD装置に搬送され、当該プラズマCVD装置内において封止膜が形成される。なお、成膜システム100は、図2に示す有機EL素子Dに限定されず、有機層を含む太陽電池素子、又は、有機半導体素子といった任意の有機素子の生成に用いられ得る。
図3及び図4は、一実施形態の成膜装置を概略的に示す図である。図3は、ステージの移動方向に直交する方向(側方)から見た一実施形態の成膜装置を概略的に示しており、図4は、ステージの移動方向から見た一実施形態の成膜装置を概略的に示している。なお、以下の説明では、図3及び図4に示すように、フェースアップ状態において成膜を行う成膜装置10について説明する。即ち、成膜装置10では、成膜面を上に向けた被処理基体Wの当該成膜面に対して上方からガスが噴射される。なお、本発明の思想は、フェースダウン状態や基板を垂直に立てた状態において成膜を行う成膜装置にも適用され得る。
図3及び図4に示すように、成膜装置10は、一以上の蒸着ヘッド12、及び、一以上のシャッタ14を備えている。一以上のシャッタ14はそれぞれ、対応する蒸着ヘッド12からのガスを遮るように配置可能である。また、一実施形態においては、成膜装置10は、チャンバ壁16、及びチャンバ壁18を更に備え得る。
チャンバ壁16は、上述した成膜室C1を画成しており、チャンバ壁18はチャンバC2を画成している。成膜室C1には、配管d1を介して排気装置P1が接続されている。この配管d1には、弁V1が設けられている。排気装置P1は、成膜室C1内のガスの排気を行い、成膜室C1を実質的に真空に維持する。
一以上の蒸着ヘッド12は、成膜室C1とチャンバC2にまたがるように設けられている。図3には、有機EL素子Dを製造するために、六つの蒸着ヘッド12が成膜室C1に対して設けられている。蒸着ヘッド12の個数は、製造する素子の有機層の数に応じて蒸着ヘッド12の数は任意に変更され得る。また、一つの成膜室に一以上の任意の個数の蒸着ヘッド12が設けられていてもよい。なお、六つの蒸着ヘッド12は、実質的に同様の構成を有するので、以下の説明では、一つの蒸着ヘッド12の構成について説明する。
蒸着ヘッド12は、蒸着材料の気体分子を含むガスを噴射する。蒸着ヘッド12には、配管d2を介して蒸着ガス供給源20が接続されている。配管d2には、弁V2が設けられている。弁V2は、蒸着ガス供給源20からの蒸着ヘッド12へのガスの供給及び供給停止を切替える。蒸着ガス供給源20によって発生されて供給されるガスは、蒸着材料(有機材料)の気体分子、及びキャリアガスを含む。キャリアガスには、Arといった不活性ガスが用いられる。
また、蒸着ヘッド12は、配管d3を介して排気装置P2に接続されている。この配管d3には、弁v3が設けられている。弁V3は、蒸着ヘッド12内のガスの排気及び排気停止を切替える。
また、弁V2と蒸着ガス供給源20との間において上述した配管d2からは配管d4が分岐しており、当該配管d4は、弁V3と排気装置P2との間において配管d3に接続している。この配管d4には、弁V4が設けられている。配管d4は、蒸着ガス供給源20からのガスを蒸着ヘッド12に対して供給しないときに、当該ガスを排気装置P2に迂回させる経路を構成している。即ち、蒸着ヘッド12へのガスの非供給時には、弁V2及びV3が閉じられ、弁V4が開けられる。これにより、蒸着ガス供給源20からのガスは、配管d4を介して排気される。一方、蒸着ヘッド12へのガス供給時には弁V4が閉じられ、弁V2が開けられる。これにより、蒸着ヘッド12に蒸着ガス供給源20からガスが供給される。
なお、弁V2、弁V3、及び弁V4は、チャンバ壁18によって画成されたチャンバC2内に設けられている。また、配管d2、配管d3及び配管d4は、部分的にチャンバC2内に設けられている。このチャンバC2内は、排気装置P2によって排気され得る。
一実施形態においては、成膜装置10は、ステージS及び移動機構22を更に備え得る。ステージS上には、搬送室104の搬送装置によって搬送された被処理基体Wが載置される。ステージSは、例えば、静電チャックを有し、当該静電チャックによる静電力により、被処理基体Wを吸着し得る。このステージSは、移動機構22によって所定方向に移動可能に支持されている。
移動機構22は、成膜室C1内の空間においてステージSをX方向に移動させる。この空間は、蒸着ヘッド12のガスの噴射方向(Y方向)において蒸着ヘッド12の下方に位置する。また、X方向は、蒸着ヘッド12からのガスの噴射方向(Y方向)に交差する方向であり、例えば、Y方向に直交する方向である。この移動機構22によりステージSがX方向に移動されると、ステージS上に載置された被処理基体Wが蒸着ヘッド12の下方を通過する。その結果、被処理基体Wに有機層が蒸着により成膜される。なお、この移動機構22には、リニアモータを用いたリニアステージが採用され得る。また、移動機構22には、ステージSをX方向に移動させる機構であれば、任意の機構を用いることが可能である。
また、一実施形態においては、成膜装置10は、マスクアライナ24を更に備え得る。マスクストッカ106に格納されているマスクMは、当該マスクストッカ106内の搬送装置によって成膜室C1内に搬送される。成膜室C1によって搬送されたマスクMは、マスクアライナ24によって被処理基体W上に位置合わせされる。成膜装置10では、上述した有機層は、マスクMに対応したパターンで被処理基体W上に形成され得る。
上述の移動機構22に案内されてステージSが通過する移動空間と蒸着ヘッド12との間には、対応のシャッタ14が設けられている。シャッタ14は、蒸着ヘッド12からのガスを一時的に遮るために用いられる。以下、図3及び図4と共に、図5及び図6を参照する。図5は、一実施形態に係る蒸着ヘッド、シャッタ、及びシャッタ移動機構を示す斜視図である。図5においては、蒸着ヘッド12とシャッタ14とが、図3及び図4に示す蒸着ヘッド12とシャッタ14とのY方向の位置関係から反転した位置関係で示されている。図6は、一実施形態に係る蒸着ヘッド及びシャッタを側方(Z方向)から見て示す平面図である。
蒸着ヘッド12は、一実施形態においては、複数の噴射口12aを有し得る。複数の噴射口12aからは、蒸着ガス供給源20によって供給されたガスがY方向軸中心に噴射される。これら噴射口12aは、ステージSの移動方向(X方向)に交差する方向に配列され得る。例えば、複数の噴射口12aは、X方向及びY方向に直交するZ方向に配列され得る。
シャッタ14は、複数の噴射口12aが配列された方向(Z方向)に延在している。シャッタ14は、蒸着ヘッド12の噴射口12aからのガスを遮る位置(以下、「閉位置」という)に配置可能である。また、シャッタ14は、開位置から退避して、蒸着ヘッド12の噴射口12aからのガスを遮らない位置(以下、「開位置」という)にも移動可能である。
一実施形態においては、各シャッタ14は、図3〜図5に示すように、対応するシャッタ移動機構28によってY方向に移動される。一実施形態においては、シャッタ移動機構28は、レール28a、及び駆動装置28bを含む。レール28aは、シャッタ14のZ方向の両縁部を支持するようにX方向に延在しており、シャッタ14をX方向に案内する。駆動装置28bは、シャッタ14のX方向への移動のための駆動力を発生する。例えば、駆動装置28bは、シャッタ14に結合され、当該シャッタ14にX方向への駆動力を与えるエアシリンダで有り得る。
一実施形態においては、シャッタ14は、対向部14a及び冷却部14bを有している。対向部14aは、閉位置にシャッタ14が位置するときに、噴射口12aに対向する部分である。噴射口12aからのガスは、主として、この対向部14aに照射され、当該対向部によって遮られる。一実施形態においては、対向部14aは、図6に示すように、櫛歯構造を有している。この櫛歯構造は、シャッタ14による蒸着材料の吸着効率を高める。なお、シャッタ14は、例えば、ステンレスといった熱伝導率に優れる部材により構成され得る。また、シャッタ14の表面又は対向部14aの表面には、蒸着材料の吸着効率を高めるために、粗面化処理がなされていてもよい。また、シャッタ14の表面又は対向部14aの表面には、熱伝導性を高めるためにCu膜が形成されていてもよい。
冷却部14bは、シャッタ14を冷却する部分である。一実施形態においては、図6に示すように、冷却部14bは、Z方向に延在する空洞14hを画成する壁を含んでいる。空洞14hは、例えば、断面矩形形状の空洞で有り得る。この空洞14hは、冷却用のエア又は冷却水といった冷媒が流れる流路Fを構成している。
ここで、図7及び図8を参照する。図7は、一実施形態のシャッタを示す図である。図7の(a)には、シャッタ14をX方向から見た平面図が示されており、図7の(b)には、冷却部14bをY方向から見た平面図が示されている。図8は、一実施形態の成膜装置における冷媒用の配管系統を示す図である。
図7及び図8に示すように、空洞14hの一端14e1は、流路Fの一端F1を構成しており、可撓性の配管da1を介して、チャンバ壁16に接続された配管da2に接続し得る。この配管da2には、弁Vaが設けられている。また、空洞14hの他端14e2は、流路Fの他端F2を構成しており、可撓性の配管db1を介して、チャンバ壁16に接続された配管db2に接続し得る。この配管db2には、弁Vbが設けられている。図7及び図8に示す例では、供給源から供給された冷媒は、配管da2及びda1を介して一端F1から流路F内に供給される。流路F内に供給された冷媒は、他端F2から配管db1及びdb2を介して排出される。かかる冷却部14bによれば、シャッタ14の対向部14aが冷却され、当該対向部14aにおける蒸着材料の吸着効率が高められる。
また、冷却部14bは、図6に示すように、シャッタ14が閉位置にあるときに、ステージSが移動する移動空間と蒸着ヘッド12との間に位置するように設けられ得る。蒸着ヘッド12は、一般にヒーターを有し、加熱された状態で用いられ得る。したがって、ステージSが移動する移動空間と蒸着ヘッド12との間に冷却部14bが存在することにより、蒸着ヘッド12から当該移動空間に伝わる熱量を低減することができる。したがって、当該移動空間内に配置される成膜装置10の構成部品、又は、被処理基体W等に対する熱による影響が抑制される。
一実施形態においては、図6及び図7に示すように、シャッタ14は、加熱部14cを有し得る。加熱部14cは、例えば、冷却部14bを構成する壁の内部に埋め込まれている。加熱部14cは、冷却部14bの壁の内部において蛇行するように設けられた電熱線であってもよい。かかる加熱部14cによれば、成膜プロセスの期間以外の期間に対向部14aに付着した蒸着材料を加熱により除去することが可能となる。なお、シャッタ14はレール28aから取り外し可能であってもよく、レール28aからシャッタ14を取り外して当該シャッタ14に対する洗浄等のメンテナンスが行われてもよい。
以下、図9を参照して、成膜システム100の一部又は成膜装置10の一部として用いられ得る制御部について説明する。図9は、一実施形態の制御部を示す図である。また、図9と共に図10を参照して、制御部による制御シーケンスと共に、一実施形態に係る成膜方法についても説明する。図10は、一実施形態に係る成膜方法における各工程のシーケンスを示す図である。
図9に示す制御部30は、例えば、CPU(中央処理装置)及びメモリを有する計算装置で有り得る。制御部30は、メモリに格納されたプログラムやデータ等に従って成膜装置10の各要素に対する制御信号を送出する。具体的には、制御部30は、図10に示す複数の工程の一部又は全てを成膜装置10の各要素に実行させるための制御信号を送出する。例えば、制御部30によって送出される制御信号は、以下の制御信号を含み得る。
・移動機構22によるステージSの走査を制御するための制御信号
・マスクアライナ24を制御する制御信号
・ゲートバルブGの開閉を制御する制御信号
・弁(V1〜V4、Va、及びVb等)の開閉を制御する制御信号
・シャッタ移動機構28(例えば、駆動装置28b)を制御する制御信号
・加熱部14cへの電源供給を制御する制御信号
なお、制御部30は、単一の計算装置であってもよく、又は、各工程の制御を個別に担い且つ互いに連携する複数の計算装置であってもよい。
以下、図10を参照する。図10においては、横軸に時間がとられており、縦軸に各工程が示されている。図10においては、各工程が行われている期間は、その工程を示すラベルから横方向に延びる二重線で示されている。図10に示すように、一実施形態の成膜方法では、まず、蒸着ヘッド12の加熱が開始される(時刻t1に開始。工程S1)。その後、シャッタ14の冷却が開始される(時刻t2に開始。工程S2)。この時点では、シャッタ14は閉位置にある。
次いで、被処理基体WがステージS上に載置される(時刻t3に開始。工程S3)。その後、マスクアライナ24を用いて被処理基体W上にマスクMが位置合わせさて載置される(時刻t4に開始。工程S4)。その後、成膜のために、シャッタ14が開位置に移動される(時刻t5に開始。工程S5)。次いで、マスクアライナ24の下方の位置からX方向にステージSが移動される(時刻t6に開始。工程S6)。そして、ステージSが蒸着ヘッド12の下方を通過すると、被処理基体S上の成膜面に有機層の成膜が行われる(時刻t7に開始。工程S7)。
次いで、成膜プロセスの終了後(時刻t8)、マスクMが除去され(工程S8)、成膜室内C1から被処理基体Wが取り出される(時刻t9に開始。工程S9)。また、成膜プロセスの終了後(時刻t8)、シャッタ14は、閉位置に移動される。また、成膜プロセスの終了後、シャッタ14が加熱され、シャッタ14に付着した蒸着材料が除去される(工程S10)。この加熱が時刻t8〜t10までの間継続した後、シャッタ14の冷却が再び開始される(時刻t11に開始。工程S11)。
以上説明した成膜方法によれば、シャッタ14が閉位置にある間(例えば、時刻t2〜時刻t5の期間)、シャッタ14が冷却される。したがって、シャッタ14における蒸着材料の吸着効率が高められる。これにより、シャッタ14と噴射口12aとの間における空間の圧力が低減される。その結果、シャッタ14を開放した後(時刻t5以降)に噴射口12aからのガスの噴射状態が安定するまでの期間(時刻t5から時刻t7の期間)を短縮することが可能となる。故に、スループットが向上される。また、成膜プロセスの後に、シャッタ14が加熱されるので、成膜プロセスに影響を与えることなく、シャッタ14に付着した蒸着材料を除去することができる。
以下、別の種々の実施形態について説明する。図11は、別の実施形態に係る成膜装置を概略的に示す図である。図11は、ステージの移動方向(X方向)から見た一実施形態の成膜装置を概略的に示している。図11に示す成膜装置10Aは、シャッタ移動機構28に代わるシャッタ移動機構28Aを備えている点で、成膜装置10と異なっている。
成膜装置10Aでは、シャッタ14は、上下方向(Y方向)に移動可能になっている。そのため、成膜装置10Aでは、シャッタ移動機構28Aは、シャッタ14をY方向に移動させる。シャッタ移動機構28Aは、例えば、Y方向にシャッタ14を移動させるエアシリンダで有り得る。シャッタ移動機構28Aは、チャンバ壁16の下方に設けられた支持台32に支持され得る。また、シャッタ移動機構28Aのロッドは、シャッタ14のZ方向における両縁部に接続され得る。
シャッタ移動機構28Aは、シャッタ14により蒸着ヘッド12からのガスを遮るときには、ステージSの移動空間よりも上方に当該シャッタ14を移動させる。これにより、シャッタ14は、蒸着ヘッド12の噴射口と対向する。この状態では、シャッタ14は、閉位置にある。一方、シャッタ移動機構28Aは、ステージSの移動空間よりも下方にシャッタ14を移動させることにより、シャッタ14を開位置に移動させる。これにより、シャッタ14によって蒸着ヘッド12からのガスが遮られることなく、蒸着ヘッド12からのガスは、被処理基体Wに吹き付けられる。
図12は、別の実施形態に係るシャッタを示す斜視図である。図12に示すシャッタ14Aは、シャッタ14の冷却部14bとは異なる構造の冷却部14Abを有している。冷却部14Abには、Z方向に延びる三つの孔が設けられている。これら三つの孔のうち、X方向において中央に位置する孔14iは、冷媒が流れる流路Fを構成している。また、三つの孔のうち孔14iの両側の二つの孔14nには、例えば、カートリッジ型のヒーターである加熱部14cが挿入され得る。このように、カートリッジ型のヒーターを用いることができるので、シャッタ14Aの製造はより容易なものとなっている。
シャッタ14Aでは、図12に示すように孔14iに冷媒が流されてもよいが、図13に示すように、孔14iに配管14dを挿入し、当該配管14d内の流路Fに冷媒を流してもよい。
また、一実施形態においては、配管14dは、一部分において、孔14iを画成する冷却部14Abの内壁面に接触していてもよい。図13に示す例では、配管14dは、第1の部分14d1、第2の部分14d2、第3の部分14d3を含んでいる。第2の部分14d2は、配管14dの長手方向(Z方向)において、第1の部分14d1と第3の部分14d3の間に設けられている。この第2の部分14d2の外径は、第1の部分14d1及び第3の部分14d3の外径よりも大きくなっている。図13に示すように、第2の部分14d2は、シャッタ14AのZ方向における中央領域において、孔14iを画成する内壁面に接している。一方、第1の部分14d1及び第3の部分14d3は、孔14iを画成する内壁面には接していない。このように冷媒が流れる配管を孔14iの内壁面に部分的に接するように構成することによって、シャッタ14の熱分布を調整することが可能となる。
図14は、別の実施形態に係るシャッタ移動機構を示す斜視図である。図14に示すシャッタ移動機構28Bは、シャッタ14の一端に結合されており、Y方向に延びる軸線中心にシャッタ14を揺動させる。このシャッタ移動機構28Bは、ロータリエアシリンダであってもよい。このように、シャッタ14をその一端を中心に揺動させることにより、当該シャッタ14を閉位置と開位置との間で移動させてもよい。
図15は、別の実施形態に係る冷媒用の流路を有するシャッタを示す図である。図15の(a)には、Y方向に見たシャッタの冷却部が示されており、図15の(b)にはZ方向から見たシャッタが示されている。図15に示すシャッタでは、冷却部14bの空洞14h内に、Z方向に延びる壁14pが設けられている。この壁14pは、空洞14hにおいてU字状の流路Fを形成する。即ち、図15に示す流路Fでは、冷却部14bの一端に、流路Fの一端F1及び他端F2が設けられている。
U字状の流路Fは、図16に示すように、配管14gによって構成されていてもよい。図16は、別の実施形態に係る冷媒用の流路を有するシャッタを示す図であり、図16の(a)には、Y方向に見たシャッタの冷却部が示されており、図16の(b)にはZ方向から見たシャッタが示されている。図16に示すシャッタでは、冷却部14bの空洞14h内に、配管14gが設けられている。配管14gは、例えば、その長手方向(Z方向)に平行な平面において切断されてU字状に折り曲げられている。この切断によって作られた配管14gの切断端面は、空洞14hを画成する壁のうち対向部14a側の壁に接合され得る。これにより、対向部14a側の壁に対する冷媒の接触面積が大きくなり、対向部14aを効率良く冷却することが可能となる。
なお、これら図15及び図16に示す流路Fを有するシャッタは、本明細書に説明する任意のシャッタ移動機構と共に用いることができる。また、図15及び図16に示す流路Fを含む冷媒用の配管系統は、図8にて説明した配管系統と同様であってもよい。即ち、一端F1から供給された冷媒が流路Fを一方向に流れて他端F2から排出されてもよい。
一実施形態においては、流路Fを含む配管系統として、図17に示す配管系統が採用されてもよい。図17は、別の実施形態に係る配管系統を示す図である。図17に示す配管系統では、流路Fに流れる冷媒の方向を一方向と他方向とに切替えることができる。具体的には、配管da1と弁Vaとの間において配管da2からは配管dcが分岐している。配管dcには弁Vcが設けられている。配管dcは、配管db2の排出口と弁Vbとの間において配管db2に接続している。また、配管db1と弁Vbとの間において配管db2からは配管ddが分岐している。この配管ddには弁Vdが設けられている。配管ddは、配管da2の供給口と弁Vaとの間において配管da2に接続している。
図17に示す配管系統においては、弁Vaと弁Vbとが同時に開放される。弁Vaと弁Vbとが開放されているときには、弁Vcと弁Vdが閉じられる。一方、弁Vcと弁Vdが同時に開放されているときには、弁Vaと弁Vbとが閉じられる。
弁Vaと弁Vbとが同時に開放されているときには、配管da2に供給された冷媒は配管da1を介して流路Fを一方向に流れる。流路Fを一方向に流れ得た冷媒は、配管db1及び配管db2を流れて排出される。一方、弁Vcと弁Vdとが同時に開放されているときには、配管da2に供給された冷媒は配管ddを介して流路Fを、上記一方向とは反対の他方向に流れる。流路Fを他方向に流れ得た冷媒は、配管da1、配管dc、及び配管db2を流れて排出される。このように、図17に示す配管系統によれば、冷媒が流路F内において流れる方向を一方向と当該一方向と反対の他方向との間で切替えることができる。かかる構成によって冷媒が流れる方向が交互に切替えられるので、シャッタはより均一に冷却される。
図18は、更に別の実施形態に係るシャッタ移動機構を示す斜視図である。図18に示すシャッタ移動機構28Cは、Z方向に延びる軸線中心にシャッタ14Cの対向部14Caを回転させ、当該対向部14Caを開位置(図18の(a)参照)と閉位置(図18の(b)参照)の間で移動させる。
シャッタ移動機構28Cは、回転駆動装置28Ca及び軸28Cbを含み得る。回転駆動装置28Caは、例えば、ロータリエアシリンダであり得る。軸28Cbは、Z方向に延在しており、その一端において回転駆動装置28Caに結合されている。シャッタ14Cの冷却部14Cbは軸28Cbを挿入するための空間を画成する壁によって構成されている。この冷却部14Cbの壁によって軸28Cbは保持される。軸28Cbの内部は空洞になっている。この空洞は、冷媒用の流路Fを画成している。このシャッタ移動機構28Cは、一軸駆動の移動機構であるので、成膜装置内において容易に構成し得る。
以下、図19を参照する。図19の(a)〜(f)には、シャッタ及び/又は蒸着ヘッドの種々の変形形態が示されている。図19の(a)に示すように、シャッタの対向部14aは、噴射口12aのY方向に延びる中心線Y1に対して傾斜した面によって構成されていてもよい。具体的に、図19の(a)に示す対向部14aは、Z方向に延び中心線Y1に交差する頂片から下方に傾斜する二つの面によって構成されている。この二つの面は、図19の(b)に示すように、曲面であってもよい。また、上記頂辺は、図19の(c)に示すように、中心線Y1に対してX方向に偏位していてもよい。
また、シャッタの対向部14aは、図19の(d)に示すように、波状の面によって構成されていてもよい。また、シャッタの対向部14aは、図19の(e)に示すように、Y方向に直交する平面によって構成されていてもよい。この場合には、噴射口の中心線Y2には、Y方向に対して傾斜が与えられている。
図19の(a)〜(e)に示す実施形態の対向部14aは、当該対向部14aに吸着されないガスを噴射口12aから逸れる方向に反射する。したがって、これら実施形態によれば、噴射口12aと対向部14aとの間の空間における圧力をより効果的に低減することができる。なお、対向部14aに吸着されないガスは、主としてキャリアガスであり、その残部として蒸着材料の気体も含み得る。
また、図19の(f)に示すように、噴射口12aが設けられている蒸着ヘッド12の先端部分は、テーパー状の面によって構成されていてもよい。この場合には、図19の(f)に示すテーパー角αは、例えば35度程度であってもよく、蒸着ヘッド12の先端の幅Wは、6mm程度であってもよい。図19の(f)に示す実施形態によれば、対向部14aは、当該対向部14aに吸着されないガスを噴射口12aの側に反射するが、テーパー面によって当該ガスの対向部14a方向への更なる反射を低減することが可能である。
なお、図19の(a)〜(f)に示す何れの実施形態においても、シャッタ又は対向部14aの表面に、粗面化処理がなされていてもよく、また、熱伝導性が良好なCu等による金属膜が形成されていてもよい。また、噴射口12aと対向部14aとの間の空間の圧力を低減するために、噴射口12aと対向部14aとは、10mm以上離されていてもよい。
次に、図20を参照する。図20は、成膜システムの別の一例を示す図である。図20に示す成膜システム100Dでは、Z方向において搬送室104Dの両側にゲートバルブGを介してマスクストッカ106D及びアライメント室108がそれぞれ設けられている。搬送室104Dは、搬送装置を有する。この搬送装置は、マスクストッカ106DからマスクMを受け取り、アライメント室108に被処理基体W及びマスクMを搬送する。アライメント室108では、マスクMの位置合わせが行われ、被処理基体W上に載置される。また、このアライメント室108は、アライメント室108においてその上にマスクMが載置された被処理基体Wを成膜装置10DのステージS上に搬送する。この成膜装置10Dは、マスクアライナ24を有していない点で成膜装置10とは異なる。
成膜システム100Dは、成膜システム100と比較して、小型の被処理基体W用の成膜に適し得る。一方、成膜システム100は、マスクMを成膜装置10内で位置合わせするので、搬送室104の搬送装置に求められる搬送能力が比較的低い。したがって、成膜システム100は、大型の被処理基体Wに適し得る。また、成膜システム100は、成膜システム100Dよりも低コストに製造し得る。
以上、種々の実施形態について説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、説明した種々の実施形態の要素又は構成は、任意に他の実施形態の対応の要素又は構成と置き換えることができる。
10…成膜装置、12…蒸着ヘッド、12a…噴射口、14…シャッタ、16…チャンバ壁、C1…成膜室、20…蒸着ガス供給源、22…移動機構、28…シャッタ移動機構、30…制御部、100…成膜システム、F…冷媒用の流路、S…ステージ、W…被処理基体。

Claims (11)

  1. 蒸着材料の気体分子を含むガスを噴射する噴射口を有する蒸着ヘッドと、
    前記ガスを遮る位置に配置可能なシャッタと、
    を備え、
    前記シャッタは、該シャッタを冷却するための冷却部を有する、
    成膜装置。
  2. 被処理基体を搭載するステージと、
    前記ステージを前記蒸着ヘッドの前記噴射口からのガスの噴射方向に対して交差する方向に移動させる移動機構を更に備え、
    前記蒸着ヘッドは、前記噴射口を含む複数の噴射口を有しており、該複数の噴射口は、前記ステージの移動方向に交差する方向に配列されている、
    請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記シャッタが前記位置に配置されているときに、前記冷却部は、前記蒸着ヘッドと被処理基体を成膜するための空間との間に介在する、請求項1又は2の何れか一項に記載の成膜装置。
  4. 前記冷却部は、冷媒流路を含んでおり、
    前記冷媒流路において冷媒が流れる方向を一方向と該一方向と反対の他方向とに切替えるための手段を更に備える、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の成膜装置。
  5. 前記シャッタは、該シャッタを加熱するための加熱部を更に有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の成膜装置。
  6. 前記シャッタは、前記ガスが吹き付けられる部分に櫛歯構造を有する、請求項1〜5の何れか一項に記載の成膜装置。
  7. 前記シャッタは、前記ガスが吹き付けられる部分に前記噴射口の中心線に対して傾斜した面を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の成膜装置。
  8. 前記面は、波状の面を含む、請求項7に記載の成膜装置。
  9. 前記噴射口が設けられている前記蒸着ヘッドの先端部分は、テーパー状の面で構成されている、請求項1〜8の何れか一項に記載の成膜装置。
  10. 蒸着ヘッドの噴射口からの蒸着材料の気体分子を含むガスを遮る位置にシャッタを配置している期間において前記シャッタを冷却する工程と、
    前記シャッタを前記位置から退避させる工程と、
    前記蒸着ヘッドからの前記ガスにより被処理基体上に蒸着材料を成膜する工程と、
    を含む成膜方法。
  11. 前記成膜する工程の後に、前記シャッタを加熱する工程を更に含む、請求項10に記載の成膜方法。
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