JP2014131707A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技への注目度を良好に高めることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】主制御装置81では、遊技領域に設けられた作動口に遊技球が入賞した場合に保留情報を取得する。そして、その取得した保留情報に対して当否判定が行われたことに基づいて、メイン表示部43における絵柄の変動表示が開始されるとともに、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始される。この場合に、複数の保留情報が保留記憶されている状況において、当否判定対象となっていない保留情報の内容を報知する保留予告が図柄表示装置41にて行われることがある。また、保留予告を実行する上では当否判定において参照される大当たり数値情報と保留情報とが一致しているかの判定が行われるが、当該保留予告用の確認処理は通常処理の残余処理の範囲内で実行される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。また、抽選結果がいわゆる当たり遊技状態への移行当選である場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後などにおいて、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動入球部に入球した場合、当たり抽選に用いる情報が予め定められた所定数(例えば4個)を上限として保留記憶されるようになっているパチンコ遊技機がある。保留記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、前記保留記憶された情報を用いて当たり抽選が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される(例えば特許文献1参照)。
特開2004−81853号公報
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて先特定する先特定手段と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段と、
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技への注目度を良好に高めることが可能となる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図。 遊技盤の構成を示す正面図。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための説明図。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図。 当否テーブルを説明するための説明図。 主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャート。 読み込み処理を示すフローチャート。 作動口用の入賞処理を示すフローチャート。 通常処理を示すフローチャート。 遊技回制御処理を示すフローチャート。 データ設定処理を示すフローチャート。 変動開始処理を示すフローチャート。 当否判定処理を示すフローチャート。 変動表示時間の設定処理を示すフローチャート。 遊技状態移行処理を示すフローチャート。 音声ランプ制御装置及び表示制御装置の電気的構成を示すブロック図。 主制御装置のMPUにおける保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 表示制御装置のMPUにおける保留予告制御処理を示すフローチャート。 図柄表示装置の保留表示領域にて行われる保留予告の様子を説明するための説明図。 主制御装置のMPUにおける制限解除処理を示すフローチャート。 保留予告用の確認処理の実行が制限される様子を説明するためのタイミングチャート。 第2の実施の形態における作動口用の入賞処理を示すフローチャート。 保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 待機用処理を示すフローチャート。 表示制御装置のMPUにおける保留予告制御処理を示すフローチャート。 第3の実施の形態における保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 第4の実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャート。 保留予告用の確認処理の実行が制限される様子を説明するためのタイミングチャート。 第5の実施の形態におけるメイン処理を示すフローチャート。 タイマ割込み処理を示すフローチャート。 遊技回制御処理を示すフローチャート。 第6の実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャート。 第7の実施の形態におけるタイマ割込み処理を示すフローチャート。 遊技回制御処理を示すフローチャート。 第8の実施の形態における通常処理を示すフローチャート。 (a)タイマ割込み処理を示すフローチャート、(b)タイマ割込み処理を定期的に実行するための電気的構成を示すブロック図。 読み込み処理を示すフローチャート。 作動口用の入賞処理を示すフローチャート。 取得時の設定処理を示すフローチャート。 遊技回制御処理を示すフローチャート。 保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 保留予告制御処理を示すフローチャート。 第9の実施の形態におけるメイン処理を示すフローチャート。 タイマ割込み処理を示すフローチャート。 第10の実施の形態における取得時の設定処理を示すフローチャート。 第11の実施の形態における遊技盤の構成を示す正面図。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図。 (a)低確率モード用の当否テーブルを説明するための説明図、(b)高確率モード用の当否テーブルを説明するための説明図。 (a)第1結果表示部用の振分テーブルを説明するための説明図、(b)第2結果表示部用の振分テーブルを説明するための説明図。 各種遊技結果の内容を説明するための説明図。 作動口用の入賞処理を示すフローチャート。 情報取得処理を示すフローチャート。 通常処理を示すフローチャート。 遊技回制御処理を示すフローチャート。 データ設定処理を示すフローチャート。 取得時の設定処理を示すフローチャート。 上側保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 下側保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 上側保留予告制御処理を示すフローチャート。 下側保留予告制御処理を示すフローチャート。 図柄表示装置の保留表示領域にて行われる保留予告の様子を説明するための説明図。 第12の実施の形態におけるメイン処理を示すフローチャート。 第13の実施の形態におけるメイン処理を示すフローチャート。 タイマ割込み処理を示すフローチャート。 (a)第14の実施の形態における保留判定用エリアを説明するための説明図、(b)取得時の設定処理を示すフローチャート。 遊技回制御処理を示すフローチャート。 保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 第15の実施の形態における読み込み処理を示すフローチャート。 第16の実施の形態における通常処理を示すフローチャート。 第17の実施の形態における通常処理を示すフローチャート。 第18の実施の形態における電気的構成を示すブロック図である。 主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される停電情報記憶処理を示すフローチャートである。 停電発生の確認が行われる様子を説明するためのタイミングチャートである。 主側MPUに設けられた入力ポートの電気的な構成を示すブロック図である。 (a)主側MPUにて実行される入賞検知処理を示すフローチャートであり、(b)第1入賞判定エリア,第2入賞判定エリア,第1演算後エリア及び第2演算後エリアの構成を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される入賞判定処理を示すフローチャートである。 (A)各入賞情報を監視するタイミングを説明するためのタイミングチャートであり、(B)入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。 主側RAMに設けられたタイマ領域を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行されるタイマ更新処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される不正検知処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される電波検知用処理を示すフローチャートである。 音声発光制御装置にて実行される報知及び演出制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される遊技停止判定処理を示すフローチャートである。 電波が検知されたことに基づいて遊技停止状態が設定される様子を説明するためのタイミングチャートである。 主側MPUにて実行される発射制御処理を示すフローチャートである。 (a)大入賞口検知センサと入賞用ICとの電気的な接続に関する構成を説明するためのブロック図であり、(b)入賞用ICへの信号入力の様子を説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される入力状態監視処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図特電制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される保留情報の取得処理を示すフローチャートである。 特図特電アドレステーブルを説明するための説明図である。 主側MPUにて実行される特図変動開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図変動中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特図確定中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電開始処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電開放中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電閉鎖中処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される特電終了処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行されるデモ表示用処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される普図普電制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される払出状態受信処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される払出出力処理を示すフローチャートである。 払出側MPUにて実行される払出制御処理を示すフローチャートである。 主側MPUにて実行される断線確認処理を示すフローチャートである。 賞球の払出が実行される様子及び第1の信号経路の断線確認が行われる様子を説明するためのタイミングチャートである。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態である場合には下作動口34への入賞が不可となり、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄として数字が付された図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する電断監視基板を具備しており、これら主制御基板及び電断監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一電断が発生した際でも電断時の状態を保持し、電断からの復帰の際には電断時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた電断監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、電断監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には電断監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に対して1対1で対応させて設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、電断監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
電断監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、主制御基板201から出力された発射許可信号に基づいて遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45,46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、音声ランプ制御装置82は、表示制御装置212を制御する。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図6に基づいて説明する。図6は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の変動表示領域が設定されている。具体的には、複数の変動表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。
詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄の種類は上記のように数字が付された図柄に限定されることはなく、例えば、数字そのものが変動表示される構成としてもよく、図柄そのものが変動表示される構成としてもよい。
表示画面Gの下部には、保留表示領域Gaが設定されている。保留表示領域Gaは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
<各種カウンタ及び保留球格納エリアについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図8を用いて説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
ここで、本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。例えば、「0〜99」がリーチ発生当選に対応した数値情報となるようにリーチ用テーブルが設定されている。
ちなみに、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSのバッファ値は、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。なお、変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて上記変動表示時間を決定する場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶された変動表示時間テーブルが参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板201のMPU202にて各遊技回の遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。
なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行されるとともに、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断監視基板205からの電断信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、図10のフローチャートに示すように、先ずステップS201にて、上作動口33に対応した検知センサからMPU202の入力ポート(入力部)に入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて上作動口33の入賞信号を入力しているか否かを判定する。
具体的には、上作動口33に対応した検知センサは、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる上作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの上作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS201では、上記上作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
上作動口33の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS202にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における上作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、上作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS206に進む。
一方、上作動口33の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS203にて、上作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS204では、上作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS206に進む。「0」となっている場合には、ステップS205にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における上作動口入賞フラグ格納エリアに上作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS206に進む。
ステップS206では、下作動口34に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて下作動口34の入賞信号を入力しているか否かを判定する。
具体的には、下作動口34に対応した検知センサは、上作動口33に対応した検知センサと同様に、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる下作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの下作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS206では、上記下作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
下作動口34の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS207にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における下作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、下作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS211に進む。
一方、下作動口34の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS208にて、下作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS209では、下作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS211に進む。「0」となっている場合には、ステップS210にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における下作動口入賞フラグ格納エリアに下作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS211に進む。
ステップS211では、その他の読み込み処理として、一般入賞口31に対応した検知センサや、可変入賞装置32に対応した検知センサなどからの検知結果を確認し、その確認結果に応じた処理を実行する。
以上のとおり、本パチンコ機10では、MPU202において上作動口33や下作動口34の入賞信号の入力を確認したとしても即座に入賞の発生と特定するのではなく、複数回として設定された入賞基準回数の確認タイミングに亘って継続して上記入賞信号の入力を確認した場合に、入賞が発生したと特定する。これにより、電気的なノイズ等の原因で入賞信号を単発的に入力したとしても、それに対して入賞の発生と特定してしまうことを抑制することができる。なお、上記入賞基準回数の具体的な値は「2」に限定されることはなく、複数であれば任意であり、例えば「3」又は「4」以上としてもよい。
タイマ割込み処理(図9)の説明に戻り、ステップS101にて読み込み処理を実行した後は、ステップS102に進む。ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
作動口用の入賞処理について図11のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS302〜ステップS306の処理を実行することなくステップS307に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS302に進む。
ステップS302では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS303では、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている始動保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS307に進む。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、ステップS304に進み、始動保留記憶数Nを1加算する。
続くステップS305では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS304にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS306では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留コマンドの設定処理を実行する。当該処理については、後に詳細に説明する。
なお、保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは音声ランプ制御装置82に送信されることとなるが、音声ランプ制御装置82では、当該保留コマンドを受信することで、第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
ステップS301にて否定判定した場合、ステップS303にて否定判定した場合又はステップS306の処理を実行した後には、ステップS307にて、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS308にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS303〜ステップS306の処理を実行する。この場合、ステップS303〜ステップS306の処理後におけるステップS307の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが設けられ両作動口33,34への入賞が同時に発生し得る構成において、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞が発生したか否か及び下作動口34への入賞が発生したか否かが判定されるとともに、両作動口33,34への入賞が同時に発生している場合には、それぞれの入賞に対して、ステップS303〜ステップS305の情報取得処理と、ステップS306の処理とが実行される。これにより、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合であっても、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得及び下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得を正確に行うことができるとともに、保留予告用の処理を早いタイミングで実行することができる。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図12のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS401〜ステップS409の処理が4msec周期の処理として実行され、その残余時間でステップS410及びステップS411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS401では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
続くステップS402では、制限解除処理を実行する。当該制限解除処理はタイマ割込み処理(図9)におけるステップS306において保留予告用の所定の確認処理が制限されている状況においてそれを解除するための処理であるが詳細については後に説明する。
続くステップS403では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS404では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部43の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS405では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS406では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリアに格納されている情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、電動役物34aの開閉処理及び役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS407では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS408では、RAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。電断フラグは、電断監視基板205において電断の発生が確認され当該電断監視基板205からMPU202のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
電断フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS409にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS410では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S407の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS408にて、電断フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS412以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS412では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS413にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS414にてRAM204のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
ここで、NMI割込み処理において電断の発生を特定したとしても即座に電断時処理を実行するのではなく、RAM204に電断フラグを格納するようにし、さらに電断フラグが格納されているか否かの判定を通常処理においてステップS401〜ステップS407の処理を実行した後に行うことにより、復電後に通常処理が実行される場合、常に最初の処理から実行されることとなる。これにより、電断発生時に実行していた処理の番地をスタック情報としてRAM204に記憶しなくても、電断前の状態に復帰することが可能となる。
なお、ステップS409において4msecが経過したか否かを判定する構成は必須のものではなく、例えば、タイマ割込み処理が所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS404の遊技回制御処理を図13〜図17のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS506の遊技回開始用処理及びステップS507〜ステップS511の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部43において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS506の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、始動保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS504にて保留球格納エリア232の保留用エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。
その後、ステップS506にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動開始フラグ格納エリア(開始実行情報記憶手段)に変動開始フラグ(開始実行情報)を格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。当該変動開始フラグは、変動表示が開始された直後であることをMPU202において特定するためのフラグであり、通常処理(図12)のステップS402における制限解除処理にて消去される。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、ステップS504のデータ設定処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、始動保留記憶数Nを1減算する。続くステップS602にて、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS603にて、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS604では、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップ604にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、ステップS505の変動開始処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。
当否判定処理では、図16のフローチャートに示すように、先ずステップS801にて、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS802では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
低確率モードである場合には、ステップS803にて、ROM203の当否テーブルとして設定された各種大当たり数値情報のうち、今回当否判定を行う上で参照する大当たり数値情報の数を設定すべく、確認個数を「1」に設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233には、確認個数記憶手段(又は当否判定用計測手段)として確認個数カウンタエリアが設けられており、ステップS803では、当該確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新する。一方、高確率モードである場合には、ステップS804にて、確認個数を「10」に設定する。具体的には、上記確認個数カウンタエリアの情報を「10」の情報に更新する。
ステップS803又はステップS804の後は、ステップS805にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「1」である場合には、当否テーブルにおいて「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」の情報を取得する。また、例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「10」である場合には、当否テーブルにおいて「10」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「272」の情報を取得する。
続くステップS806では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS801にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS805にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS807にて、ステップS806にて比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS808にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS809にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS805に戻り、次の大当たり数値情報を参照して当否判定を行う。
つまり、当否抽選モードが高確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS804にて確認個数として「10」を設定する。この場合においてステップS801にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選とならない情報である場合には、先ず「10」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「272」を参照して比較処理を行い、次に「9」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「241」を参照して比較処理を行い、さらに「8」〜「2」のそれぞれのアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行い、最後に「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」を参照して当否判定を行うように、ステップS805〜ステップS809の処理を繰り返し実行する。そして、「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行った後に、本当否判定処理を終了する。
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS803にて確認個数として「1」が設定されるため、比較処理の結果が不一致でありステップS807にて否定判定をした場合には、ステップS808にて確認個数を1減算することに伴って当該確認個数が「0」となり、ステップS809にて否定判定されることで、ステップS805〜ステップS809の処理を繰り返すことなく、本当否判定処理を終了する。
一方、ステップS801にて把握した大当たり判定用の情報がいずれかの大当たり数値情報と一致する場合には、かかる大当たり数値情報をステップS805にて取得した場合に、ステップS806における比較処理にて比較対象の両情報が一致し、ステップS807にて肯定判定をする。この場合、ステップS810にてMPU202のレジスタに大当たり情報を記憶する。その後、本当否判定処理を終了する。
変動開始処理(図15)の説明に戻り、ステップS701にて当否判定処理を実行した後は、ステップS702にて大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、MPU202のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合には、ステップS703にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM203の振分テーブルから確変大当たり情報に対応した情報を取得する。そして、両情報を比較し、確変大当たり情報に対応しているか否かを特定する。
続くステップS704では、ステップS703における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS705にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS706にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS702にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS707にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS705〜ステップS707の各停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS705及びステップS706では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア234に格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。具体的には、ステップS705では確変大当たりフラグを格納し、ステップS706では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理を実行した後は、ステップS708にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて、RAM204の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶させる。続くステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。
ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS904にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア233に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS905にて変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留記憶数Nの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、始動保留記憶数Nやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図15)の説明に戻り、ステップS708にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS709にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS709にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS710にてメイン表示部43において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図13)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS507〜ステップS511の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS507にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図17)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS509にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部43にて表示されるように当該メイン表示部43を表示制御する。
続くステップS510では、変動終了コマンドを設定する。ここで設定された変動終了コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
その後、ステップS511にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における制限フラグ格納エリア(制限情報記憶手段)に制限フラグ(制限情報)を格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。当該制限フラグは、後述する保留予告用の確認処理の実行が制限されている状況であることをMPU202において特定するためのフラグであり、通常処理(図12)のステップS402における制限解除処理にて消去される。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS405の遊技状態移行処理を図18のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1001では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1002に進み、1の遊技回のメイン表示部43における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1003にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1004にて、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、「15」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1001にて肯定判定をし、ステップS1005に進む。ステップS1005では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から所定時間が経過していること又は所定個数の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。
続くステップS1006では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合には、ステップS1007にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、RAM204に確変大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。また、RAM204に通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了され、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
その後、ステップS1008にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのうち、格納されているフラグを消去する。
<保留予告について>
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。かかる保留予告は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて表示制御装置212にて所定の制御が実行されることにより行われる。当該保留予告に係る電気的構成及び処理構成を以下に説明する。
<保留予告に係る電気的構成について>
先ず、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図19のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフト時コマンド及び後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45,46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。この場合に、上記各種コマンドは、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化された素子であるMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。なお、MPU252に対してプログラムROM253及びワークRAM254が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU252は、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。上記固定値データの一部は、プログラムROM253の抽選用テーブル記憶エリア261に予め記憶されている。かかるエリア261の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリア262〜263に記憶される。これらのエリア262〜263の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。キャラクタROM256には、上記データの一部として、図柄表示装置41の保留表示領域Gaに表示させるための画像データが格納された保留用画像データ記憶エリア269が設定されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。ビデオRAM257には、保留表示領域Gaに対応した保留表示用エリア271が設定されている。
保留表示用エリア271には、保留表示領域Gaにおける第1〜第4単位保留表示領域Ga1〜Ga4と1対1で対応するように、第1単位エリア272、第2単位エリア273、第3単位エリア274、第4単位エリア275が設定されている。保留表示領域Gaの各単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、各単位エリア272〜275に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア272〜275に対応した単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面における背景画像が表示される。
<保留予告に係る処理について>
次に、主制御装置81のMPU202及び表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告に係る処理について説明する。ここで、本パチンコ機10では、保留予告用の確認処理の実行が制限されることがあるとともに、当該制限が開始された場合には所定の解除条件が成立するまで継続される。以下の説明では、先ず保留予告用の確認処理の実行が制限されていない場合について説明し、その後に、保留予告用の確認処理の実行が制限される場合及び当該制限が解除される場合について説明する。
<主制御装置81のMPU202にて実行される保留コマンドの設定処理ついて>
主制御装置81のMPU202にて実行される保留コマンドの設定処理について説明する。ここで、保留コマンドの設定処理は既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図9)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図11)のステップS306において実行される。かかるステップS306の保留コマンドの設定処理は上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したタイミングで実行される。そして、当該保留コマンドの設定処理では、今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。この場合に、大当たり当選の情報が含まれているか否かの確認に際しては、上記当否判定処理(図16)において当否判定を行う上で用いられたROM203の当否テーブル及びRAM204の各種カウンタエリア233における確認個数カウンタエリアが用いられる。
図20は保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。当該確認処理においてステップS1101では、保留予告用の確認処理の実行を制限すべき一の条件が成立していることを示す制限フラグがRAM204に格納されているか否かを判定する。また、ステップS1102にて、始動保留記憶数Nが「1」であるか否かを判定する。また、ステップS1103にて、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。
制限フラグが格納されており(ステップS1101:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)には、ステップS1104〜ステップS1113の保留予告用の確認処理の実行が制限される。また、制限フラグが格納されていない場合(ステップS1101:NO)であっても、始動保留記憶数Nが「1」である場合すなわち複数の保留情報が記憶されてない場合(ステップS1102:YES)であって当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)には、ステップS1104〜ステップS1113の保留予告用の確認処理の実行が制限される。
今回は、保留予告用の確認処理の実行が制限されない場合の処理であるため、上記制限条件のいずれにも該当しない。つまり、制限フラグが格納されていない場合(ステップS1101:NO)であって複数の保留情報が記憶されている場合(ステップS1102:NO)には、当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれであるかに関係なく保留予告用の確認処理が開始される。また、制限フラグが格納されている場合(ステップS1101:YES)又は複数の保留情報が記憶されていない場合(ステップS1102:YES)のいずれかに該当する状況であっても、当否抽選モードが低確率モードである場合(ステップS1103:YES)には、保留予告用の確認処理が開始される。
保留予告用の確認処理では先ずステップS1104にて、今回の入賞に基づきステップS305にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。その後、ステップS1105〜ステップS1112にて、当否判定処理(図16)におけるステップS802〜ステップS809と同一の処理を実行する。
すなわち、ステップS1105では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS1106にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新することで、確認個数を「1」に設定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS1107にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「10」の情報に更新することで、確認個数を「10」に設定する。
ステップS1106又はステップS1107の後は、ステップS1108にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1109では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS1104にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS1108にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS1110にて、ステップS1109において比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1111にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1112にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1108に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1110にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1113にて一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。一方、ステップS1106又はステップS1107にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1112の処理にて否定判定をする。この場合、ステップS1114にて不一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。
ステップS1113にて設定された一致保留コマンド及びステップS1114にて設定された不一致保留コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音声ランプ制御装置82では、保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した保留コマンドに基づいて保留予告用の処理を実行する。
<表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理を、図21のフローチャートを参照しながら説明する。保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。なお、以下の説明では、図22(a),(b)を適宜参照する。図22(a),(b)は保留予告の様子を説明するための説明図である。
保留予告制御処理では、先ずステップS1201にて、音声ランプ制御装置82からいずれかの保留コマンドを受信したか否かを判定する。いずれかの保留コマンドを受信している場合には、ステップS1202にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に保留記憶されている表示側保留記憶数SNを1加算する。当該表示側保留記憶数SNは、ビデオRAM257の保留表示用エリア271に対応しており、保留コマンドの受信に対して保留表示情報の設定を行う場合には、保留表示用エリア271における表示側保留記憶数SNに対応した単位エリア272〜275に対して保留表示情報の設定が行われる。
続くステップS1203では、今回受信した保留コマンドが一致保留コマンドであるか否かを判定する。一致保留コマンドである場合には、ステップS1204にて、保留予告を実行するか否かの抽選を行うための報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理では、先ず、ワークRAM254の抽選用カウンタエリア262から報知発生抽選用のカウンタ値を読み出す。
ここで、抽選用カウンタエリア262は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、例えば2msec周期といった所定の周期で1加算される構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、報知発生抽選処理では、プログラムROM253の抽選用テーブル記憶エリア261に記憶されている報知発生抽選用テーブルを参照して、上記読み出した報知発生抽選用のカウンタ値が報知発生当選に対応しているか否かを判定する。
報知発生当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、低確率モード及び高確率モードのいずれであっても1/5の確率で報知発生当選となるように報知発生抽選用テーブルが設定されている。ちなみに、主制御装置81は当否抽選モードが低確率モードから高確率モードに移行する場合に高確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信するとともに、高確率モードから低確率モードに移行する場合に低確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信する構成であり、表示制御装置212では音声ランプ制御装置82を経由して受信する高確移行コマンド及び低確移行コマンドによって高確率モード及び低確率モードのいずれであるかを特定する。なお、報知発生抽選の当選確率は上記のものに限定されることはなく、低確率モードと高確率モードとで当選確率が異なっていてもよい。
ステップS1204にて報知発生抽選処理を実行した後は、ステップS1205にて上記報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選である場合には、ステップS1206にて当たり情報の設定処理を実行する。具体的には、保留表示用エリア271における単位エリア272〜275のうち、上記ステップS1202にて1加算した表示側保留記憶数SNに対応した単位エリアに対して当たり情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
例えば、表示側保留記憶数SNが「1」であれば、第1単位エリア272に対して当たり情報が格納されるように内部コマンドを出力し、表示側保留記憶数SNが「4」であれば、第4単位エリア275に対して当たり情報が格納されるように内部コマンドを出力する。単位エリアに当たり情報が格納されることにより、図22(a)に示すように、保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「当」の画像が表示される。この場合、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、大当たり当選となることを把握することができる。このように保留予告が行われることにより、遊技者にとっては、図柄表示装置41にて実行される各遊技回の変動表示だけでなく、保留表示領域Gaにも注目することとなる。
一方、今回受信した保留コマンドが不一致保留コマンドである場合(ステップS1203:NO)又は今回受信した保留コマンドが一致保留コマンドであったが報知発生抽選処理にて報知発生当選とならなかった場合(ステップS1205:NO)には、ステップS1207にて、外れ情報の設定処理を実行する。
具体的には、保留表示用エリア271における第1単位エリア272〜第4単位エリア275のうち、上記ステップS1202にて1加算した表示側保留記憶数SNに対応した単位エリアに対して外れ情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに外れ情報が格納されることにより、図22(b)に示すように、保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「●」の画像が表示される。
ステップS1201にて否定判定をした場合、ステップS1206の処理を実行した場合又はステップS1207の処理を実行した場合には、ステップS1208にて、音声ランプ制御装置82からシフト時コマンドを受信したか否かを判定する。シフト時コマンドを受信していない場合にはそのまま本保留予告制御処理を終了する。
シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS1209にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に保留記憶されている表示側保留記憶数SNを1減算する。続くステップS1210では、シフト処理を実行する。当該シフト処理は、保留表示用エリア271の第1単位エリア272〜第4単位エリア275に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
具体的には、第1単位エリア272の保留表示情報をクリアするとともに、第2単位エリア273→第1単位エリア272、第3単位エリア274→第2単位エリア273、第4単位エリア275→第3単位エリア274といった具合に各単位エリア272〜275内の保留表示情報がシフトされる。その後、本保留予告制御処理を終了する。
<保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について>
次に、主制御装置81のMPU202において保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
図20のフローチャートを用いて既に説明したように、ステップS1104〜ステップS1113にて示す保留予告用の確認処理の実行が制限される場合とは、
(I)制限フラグが格納されており(ステップS1101:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)
(II)制限フラグが格納されていない場合であっても、複数の保留情報が記憶されておらず(ステップS1102:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)
である。
先ず上記(I)の条件で保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
制限フラグは、既に説明したように、主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理(図13)にて、ステップS510において変動終了コマンドを設定した後に、ステップS511にて格納される。
当該制限フラグは、主制御装置81のMPU202における通常処理(図12)にてステップS402の制限解除処理において消去される。制限解除処理について、図23のフローチャートを用いて説明すると、先ずステップS1301にて、RAM204に変動開始フラグが格納されているか否かを判定する。変動開始フラグは、既に説明したように、主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理(図13)にて、ステップS505において変動開始処理を実行した後に、ステップS506にて格納される。つまり、変動開始フラグは、任意の一の遊技回が開始される場合に常に格納される。
変動開始フラグが格納されていない場合には、そのまま本制限解除処理を終了する。変動開始フラグが格納されている場合には、ステップS1302にてRAM204から制限フラグを消去するとともに、ステップS1303にてRAM204から変動開始フラグを消去した後に、本制限解除処理を終了する。
ここで、遊技回制御処理(図13)は通常処理(図12)が1回実行される場合に1回実行される構成であるとともに、変動開始処理及び変動終了処理のうち変動終了処理を1回の遊技回制御処理にて実行した場合にはかかる処理回の遊技回制御処理にて変動開始処理が実行されることがない。また、1回の通常処理において制限解除処理は遊技回制御処理よりも早いタイミングで実行されるため、所定の処理回の通常処理における遊技回制御処理にて変動開始フラグが格納された場合、当該処理回の通常処理にて制限解除処理のステップS1302が実行されることはなく、次の処理回の通常処理にて制限解除処理のステップS1302が実行される。
つまり、制限フラグは、任意の一の遊技回が終了される場合に常に格納されるとともに、かかる遊技回の終了処理が実行された処理回の通常処理よりも後の処理回の通常処理にて新たな遊技回の変動開始処理が実行され、さらに当該変動開始処理が実行された処理回の通常処理の次に実行される処理回の通常処理にて消去される。
制限フラグが格納されており、上記(I)の条件が成立している場合には、保留コマンドの設定処理(図20)におけるステップS1103にて否定判定をすることで、ステップS1104〜ステップS1113に示す保留予告用の確認処理を実行することなくステップS1114に進む。ステップS1114では、既に説明したように不一致保留コマンドを設定し、その後、保留コマンドの設定処理を終了する。
上記(I)の条件が設定されていることによる作用について、図24のタイミングチャートを用いて以下に説明する。
図24(a)は通常処理の最初の処理が実行されるタイミングを示し、図24(b)は変動開始処理が実行されるタイミングを示し、図24(c)は遊技回が行われているタイミングを示し、図24(d)は制限フラグが格納されているタイミングを示し、図24(e)は保留情報が取得されるタイミングを示し、図24(f)は保留予告用の確認処理が実行されるタイミングを示している。また、図24では、当否抽選モードが高確率モードである場合を示している。
なお、図24において、t2のタイミングからt4のタイミングまでの期間、t4のタイミングからt8のタイミングまでの期間、t8のタイミングからt11のタイミングまでの期間、t12のタイミングからt13のタイミングまでの期間、及びt13のタイミングからt16のタイミングまでの期間が、それぞれ通常処理の1処理回分の期間を示している。
先ず、図24(A)の範囲にて示す遊技回が連続して実行される場合について説明する。
所定の遊技回が実行されている状況において作動口33,34への入賞が発生することで、t1のタイミングでタイマ割込み処理(図9)における作動口用の入賞処理にて保留情報が取得されるとともに、この取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。
その後、t2のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t3のタイミングで上記所定の遊技回について変動終了処理が実行される。この場合、t3のタイミングにて制限フラグが格納される。
その後、t4のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t6のタイミングで変動開始処理が実行され新たな遊技回が開始される。この場合、t4のタイミング以降であって、t6のタイミングに前後したt5のタイミング及びt7のタイミングにて保留情報が新たに取得されているが、当否抽選モードが高確率モードである状況で制限フラグが格納されているため保留予告用の確認処理の実行が制限される。
その後、t8のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t9のタイミングにて制限解除処理(図23)が実行されることで制限フラグが消去される。その後、t10のタイミングにて保留情報が新たに取得されるとともに、この取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。その後、t11のタイミングにて通常処理の新たな処理が開始される。
次に、図24(B)の範囲にて示す保留情報が記憶されておらず且つ遊技回及び開閉実行モードが実行されていない状況で保留情報が取得されかかる保留情報について遊技回が開始される場合について説明する。
前回の遊技回の終了に際して制限フラグが格納された状態が維持された状況において、t12のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。その後、保留情報が新たに取得されることなくt13のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。
その後、t14のタイミングにて保留情報が新たに取得される。但し、当否抽選モードが高確率モードである状況で制限フラグが格納されているため保留予告用の確認処理の実行が制限される。その後、t15のタイミングにて、t14のタイミングで取得した保留情報に対して変動開始処理が実行され、遊技回が開始される。
その後、t16のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t17のタイミングにて制限解除処理(図23)が実行されることで制限フラグが消去される。その後、t18のタイミングにて保留情報が新たに取得されるとともに、その取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。
上記のように保留予告用の確認処理の実行が制限されることにより、当否抽選モードが高確率モードである状況では、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。
ここで、高確率モードである状況における変動開始処理の当否判定処理(図16)及び保留予告用の確認処理(ステップS1104〜ステップS1113)では、大当たり数値情報の確認個数が「10」に設定され、少なくとも確認対象の情報が大当たり当選に対応していない場合には、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理が実行される。
さらにまた、本パチンコ機10では、遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが並設されていて両作動口33,34への入賞が同時に発生し得るとともに、各作動口33,34への入賞が発生したか否かの判定及びそれぞれの入賞に対する情報取得処理がタイマ割込み処理にて実行される構成であるため、通常処理の1処理回において、上作動口33への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されるとともに、下作動口34への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されることがある。この場合に、当否抽選モードが高確率モードである状況において変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでの範囲内で保留予告用の確認処理の実行が制限されない構成を想定すると、1処理回の通常処理が完了するまでの範囲内で大当たり数値情報との比較処理を30回行う必要が生じ得る。
上記想定した構成の場合、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることとなる。そうすると、遊技回の進行、遊技状態の移行、及び遊技球の発射制御などを良好に行えなくなってしまうことが懸念される。また、上記想定した構成の場合、本パチンコ機10では、通常処理においてステップS401〜ステップS408の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過している状態となることが起こり得る。そうすると、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限されるため、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることが抑えられる。
ちなみに、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理の実行を担保する上では、通常処理において第1番目の処理が実行される周期を4msecよりも長くする構成も考えられるが、この場合、ステップS401〜ステップS408の各処理が実行される周期が遅くなり好ましくない。
また、上記処理時間を短くするという点では、高確率モードにおける大当たり数値情報の数を減らす構成も考えられるが、この場合、高確率モードにおける当選確率がそれだけ低くなり、高確率モードに滞在する期間が必要以上に長くなってしまい好ましくない。また、大当たり乱数カウンタC1の数値範囲を狭くすることで、高確率モードにおける当選確率を低下させることなく、上記処理時間を短くする構成も考えられるが、この場合、低確率モードにおける当選確率がそれに影響されてしまい、好ましくない。
さらにまた、保留コマンドの設定処理において比較処理を行った結果、大当たり当選に対応している場合には、保留情報に含まれる当否情報として「1」を格納し、大当たり当選に対応していない場合には、保留情報に含まれる当否情報として「0」を格納し、当否判定処理では、当否情報が「0」又は「1」のいずれであるかを判定する構成も考えられる。この場合、当否判定処理の処理時間を短縮することが可能となる。しかしながら、4個の保留情報が記憶されている状況においては、各保留情報に係る遊技回のリーチ発生の有無などによって4個目の保留情報が当否判定処理の対象となるまでに長時間を要することがある。そうすると、電気的なノイズなどの原因により「0」の当否情報が「1」に書き換えられてしまう可能性が高まり、書き換えられてしまうと大当たり当選が発生してしまうため、好ましくない。
上記のように例示した各構成に対して、本パチンコ機10では変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることを制限する構成であるため、上記のような不都合を生じさせることなく、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じてしまうことが抑えられる。
ちなみに、1遊技回の平均消化時間は約10secとなっており、当該10secの間に4msec周期の通常処理が実行される回数は約2500回となる。つまり、1遊技回単位で見た場合に、2500回の処理回の通常処理のうち変動開始処理は1回の処理回の通常処理に対してのみ実行されるため、保留予告用の確認処理の実行が制限されるのも2500回に1回となる。また、遊技ホールの1営業日単位で見た場合、本パチンコ機10の遊技を終日行ったとしても、保留予告用の確認処理の実行が制限されるのは1,2回あるかないかといった程度となる。したがって、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることを制限する構成としたとしても、保留予告用の確認処理の実行が実際に制限されることは稀であり、保留予告の演出に対する実質的な影響はないものと考えられる。
次に上記(II)の条件で保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
既に説明したとおり制限フラグは、任意の一の遊技回が終了される場合に常に格納されるとともに、かかる遊技回の終了処理が実行された処理回の通常処理よりも後の処理回の通常処理にて新たな遊技回の変動開始処理が実行され、さらに当該変動開始処理が実行された処理回の通常処理の次に実行される処理回の通常処理にて消去される。したがって、保留情報が記憶されていない状況では基本的に制限フラグが格納されており、当否抽選モードが高確率モードである状況では上記(I)の条件が成立することとなる。
但し、ノイズの発生などにより制限フラグが消去された直後においては、制限フラグが格納されていない状況で保留情報が記憶されていない状況となる。これに対して、このような状況では上記(II)の条件が成立する。そうすると、保留コマンドの設定処理(図20)では、ステップS1103にて否定判定をすることで、ステップS1104〜ステップS1113に示す保留予告用の確認処理を実行することなくステップS1114に進む。ステップS1114では、既に説明したように不一致保留コマンドを設定し、その後、保留コマンドの設定処理を終了する。
これにより、ノイズの発生などにより制限フラグが消去された直後において保留情報が取得された状況であっても、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留球格納エリア232に記憶されている保留情報に応じた保留予告が、当該保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、上作動口33又は下作動口34への入賞を発生させる遊技と、当該入賞に基づき取得された保留情報の当否判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の保留情報が保留記憶されている場合には当否判定の対象となる順番が後の保留情報について当否判定の対象となった場合の結果を保留予告の内容に応じて確認するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、参照すべき大当たり数値情報の数が多く設定されている高確率モードでは、当否判定処理が実行される処理回の通常処理の範囲内では保留予告用の確認処理の実行が行われないように制限される。これにより、通常処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、通常処理の良好な実行を担保しつつ、保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特に、当否判定処理は、遊技者の利益に直結するものであるため、通常処理の1処理回の実行が完了するまでの処理時間に関係なく、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てを参照する必要があるのに対して、保留予告用の確認処理は、保留予告という演出を行うための処理であるため、その実行が制限されたとしても遊技者の利益に影響を及ぼさない。
また、保留予告用の確認処理の実行を制限する場合、当該保留予告用の確認処理が実行されないようにされる。これにより、制限に係る処理構成の簡素化が図られる。
また、低確率モードにおいては上記制限は行われない。これにより、低確率モードにおいては保留予告用の確認処理が確実に実行されることとなり、当該保留予告用の確認処理が実行される機会が極端に低減されてしまうことが抑えられる。
また、遊技回を終了させる処理が実行された処理回の通常処理では当否判定処理が実行されることはなく、当該処理回よりも後の処理回にて当否判定処理が実行され得る構成において、遊技回を終了させる処理が実行された場合に制限が開始される。これにより、通常処理の1処理回の範囲内で当否判定処理よりも先に保留予告用の確認処理が行われ得る構成であっても、当否判定処理が行われる場合における通常処理の処理回の範囲内では保留予告用の確認処理の実行を制限することができる。
また、上記制限が行われている状況では、当否判定処理が実行された範囲内の通常処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において制限が解除される。これにより、通常処理の1処理回の範囲内で当否判定処理よりも後に保留予告用の確認処理が行われ得る構成であっても、当否判定処理が行われる場合における通常処理の処理回の範囲内では保留予告用の確認処理の実行を制限することができる。
また、本構成によれば、当否判定処理の実行が阻止されていない状況であって保留情報が記憶されていない状況において保留情報が新たに取得された場合、当該保留情報について保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。よって、かかる状況において通常処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、保留予告用の確認処理の実行が制限される構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
先ず、本実施の形態における作動口用の入賞処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1401では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS1402〜ステップS1407の処理を実行することなくステップS1408に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS1402に進む。
ステップS1402では、上作動口入賞フラグを消去する。その後、ステップS1403にて、始動保留記憶数Nが上限値未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS1408に進む。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、ステップS1404に進み、始動保留記憶数Nを1加算する。
続くステップS1405では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS304にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS1406では、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた待機フラグ格納エリア(待機情報記憶手段)に待機フラグ(待機情報)が格納されている場合には当該待機フラグを消去する。待機フラグは保留予告用の確認処理の実行が回避された場合に格納され、後述する待機用処理の待機状態であることをMPU202にて特定するための情報である。その後、ステップS1407にて保留コマンドの設定処理を実行する。
ここで、保留コマンドの設定処理について図26のフローチャートを参照して説明する。
保留コマンドの設定処理ではステップS1501〜ステップS1514にて、上記第1の実施の形態におけるステップS1101〜ステップS1114と同様の処理を実行する。したがって、本実施の形態であっても、
(I)制限フラグが格納されており(ステップS1501:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1503:NO)
(II)制限フラグが格納されていない場合であっても、複数の保留情報が記憶されておらず(ステップS1502:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1503:NO)
のいずれかの条件が成立している場合には、ステップS1504〜ステップS1513にて示す保留予告用の確認処理の実行が制限される。
上記(I)の条件又は上記(II)の条件が成立している場合にはステップS1503にて否定判定をし、ステップS1515に進む。ステップS1515では、始動保留記憶数Nが「1」を超えているか否かを判定し、「1」以下である場合にはステップS1514にて不一致保留コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。「1」を超えている場合にはステップS1511にてRAM204に待機フラグを格納するとともに、ステップS1514にて不一致保留コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。
作動口用の入賞処理(図25)の説明に戻り、ステップS1408では、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのままステップS1410に進む。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS1409にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS1404〜ステップS1407の処理を実行する。この場合、ステップS1404〜ステップS1407の処理後におけるステップS1408の処理にて否定判定をすることで、ステップS1410に進む。
ステップS1410では、RAM204に制限フラグが格納されているか否かを判定する。制限フラグが格納されている場合にはそのまま本入賞処理を終了する。制限フラグが格納されていない場合には、ステップS1411にてRAM204に待機フラグが格納されているか否かを判定し、待機フラグが格納されていない場合にはそのまま本入賞処理を終了する。
待機フラグが格納されている場合にはステップS1412にて待機フラグを消去するとともにステップS1413にて待機用処理を実行した後に、本入賞処理を終了する。待機用処理は、保留予告用の確認処理の実行が制限され大当たり数値情報に対応しているか否かに関係なく不一致保留コマンドが送信されている保留情報について、修正可能な状況であることを条件として、保留予告用の確認処理を実行し、大当たり数値情報に対応している場合にはその旨を示す修正用コマンドを送信するための処理である。
当該待機用処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。なお、本パチンコ機10では保留予告用の確認処理の実行が制限されるのは低確率モード及び高確率モードのうち高確率モードのときのみであるため、当該待機用処理も高確率モードにおいてのみ実行される。
ステップS1601では、前回取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS1602では、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を、高確率モード用の大当たり数値情報の数である「10」の情報に更新することで、確認個数を「10」に設定する。
その後、ステップS1603では、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1604では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS1601にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS1603にて取得した取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS1605にて、ステップS1604において比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1606にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1607にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1603に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1605にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1608にて修正用コマンドを設定した後に本待機用処理を終了する。一方、ステップS1602にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1607の処理にて否定判定をする。この場合、そのまま本待機用処理を終了する。
ステップS1608にて設定された修正用コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる修正用コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、修正用コマンドを受信している場合、保留予告制御処理にてそれに対応した処理を実行する。
ここで、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1701〜ステップS1710の各処理は、上記第1の実施の形態における保留予告制御処理(図21)のステップS1201〜ステップS1210の各処理と同一である。
本保留予告制御処理では、ステップS1708にて否定判定をした場合又はステップS1710の処理を実行した場合には、ステップS1711にて修正用コマンドを受信しているか否かを判定する。修正用コマンドを受信していない場合には、そのまま本保留予告制御処理を終了する。修正用コマンドを受信している場合には、ステップS1712にて報知発生抽選処理を実行する。当該報知発生抽選処理の処理内容は、ステップS1204と同様である。
続くステップS1713では、上記報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選でない場合には、そのまま本保留予告制御処理を終了する。報知発生当選である場合には、ステップS1714にて修正処理を実行した後に、本保留予告制御処理を終了する。
修正処理では、保留表示用エリア271における単位エリア272〜275のうち、現状の表示側保留記憶数SNに対応した単位エリアに対して外れ情報に代えて当たり情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、実際には大当たり数値情報に対応した保留情報であるにも関わらず、保留報知用の確認処理の実行が制限されたことに伴って外れ情報が表示されていた単位保留表示領域Ga1〜Ga4の対応する領域において当たり情報が表示されることとなる。
以上詳述した本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に当否抽選モードが高確率モードである状況では、当否判定処理が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。よって、かかる制限に基づく、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、保留予告用の確認処理の実行が制限されたとしても所定の条件を満たしている場合には、その制限に係る保留情報について後から保留予告用の確認処理が実行される。これにより、当否判定処理が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることを制限しながら、各保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行される機会を上記第1の実施の形態よりも高められる。
特に、保留予告用の確認処理の実行が制限された場合には、制限対象となった保留情報が大当たり数値情報に対応しているか否かに関係なく当該保留情報が大当たり数値情報に対応していないとする特定結果を導出し、その後に当該制限対象となった保留情報について保留予告用の確認処理が実行され大当たり数値情報に対応していると判定された場合にはそれに対応した修正結果が導出される。特定結果が導出されることで保留予告用の確認処理の実行が制限されたとしても保留予告に係る処理を円滑に行うことができるとともに、修正結果が導出されることで、一旦は保留予告の実行が制限されたとしても、その後に保留予告を実行することが可能となり、保留予告が実行される機会が高められる。
また、保留予告用の確認処理の実行が制限された後であって当該制限対象となった保留情報について保留予告用の確認処理が実行される前のタイミングで保留情報が新たに取得された場合、当該制限対象となっている保留情報について保留予告用の確認処理が実行されない。これにより、保留予告用の確認処理をいずれの保留情報について行うべきかの特定を行うための処理が煩雑なものとなってしまうことを抑えながら、上記のような優れた効果を奏することができる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、保留予告用の確認処理の実行が制限される構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図29は、本実施の形態における保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。
保留コマンドの設定処理ではステップS1801〜ステップS1803にて、上記第1の実施の形態におけるステップS1101〜ステップS1103と同様の処理を実行する。したがって、本実施の形態であっても、
(I)制限フラグが格納されており(ステップS1801:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1803:NO)
(II)制限フラグが格納されていない場合であっても、複数の保留情報が記憶されておらず(ステップS1802:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1803:NO)
のいずれかの条件が成立している場合には、ステップS1804における通常時の確認処理の実行が制限される。なお、当該通常時の確認処理では、上記第1の実施の形態におけるステップS1104〜ステップS1114と同様の処理を実行する。
上記(I)の条件又は上記(II)の条件が成立している場合にはステップS1803にて否定判定をし、ステップS1805に進む。ステップS1805では、今回の入賞に基づきステップS305にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS1806では、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を一部判定個数の情報である「4」の情報に更新することで、確認個数を「4」に設定する。
ステップS1806の後は、ステップS1807〜ステップS1813において上記第1の実施の形態におけるステップS1108〜ステップS1114と同様の処理を実行する。すなわち、ステップS1807にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1808では、ステップS1805にて取得した大当たり判定用の情報とステップS1807にて取得した大当たり数値情報との比較処理を実行する。その後、ステップS1809では、比較処理にて両情報が一致していると判定されたか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1810にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1811にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1807に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1809にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1812にて一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。一方、ステップS1806にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1811の処理にて否定判定をする。この場合、ステップS1813にて不一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。
以上のとおり、本実施の形態では、保留予告用の確認に係る通常時の確認処理の実行が制限される場合であっても、高確率モード用に設定されている複数の大当たり数値情報のうちの一部を確認対象として保留予告用の確認処理が実行される。これにより、通常処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始処理と保留情報の取得処理とが重なり、保留予告用の確認処理が制限される場合であったとしても、その取得に係る保留情報の内容をある程度は反映した状態で保留コマンドの設定が行われることとなり、制限に係る保留情報であっても保留予告を行うことが可能となる。
また、上記制限に係る確認処理では、高確率モード用に設定されている複数の大当たり数値情報の全てを確認対象とするのではなく一部を確認対象とする構成であるため、全てを確認対象とする構成に比べ、通常処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始処理と保留情報の取得処理とが重なったとしても、かかる処理回が完了するのに要する時間の短縮化は図られる。
なお、一部判定個数は「4」に限定されることはなく、高確率モード用に設定されている大当たり数値情報の数よりも少なく且つ1以上であれば任意であり、例えば、「2」又は「3」であってもよく、「5」以上であってもよい。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、遊技回制御処理の処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図30は、本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、先ずステップS1901にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS1902〜ステップS1907の遊技回進行用処理に進む。
遊技回進行用処理では、先ずステップS1902にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過している場合には、ステップS1903にて変動終了処理を実行するとともにステップS1904にて変動終了コマンドを設定する。これらステップS1903及びステップS1904の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS509の処理及びステップS510の処理と同様である。
変動表示時間が経過しておらずステップS1902にて否定判定をした場合には、ステップS1905にて変動表示用処理を実行する。かかる処理は上記第1の実施の形態におけるステップS508の処理と同様である。続くステップS1906では、保留予告用の確認処理の制限開始タイミングであるか否かを判定する。
ここで、制限開始タイミングとは、実行されている遊技回について変動終了処理が実行されることとなる通常処理の処理回に対して制限開始回数分だけ前の処理回となっているタイミングのことである。本パチンコ機10では、上記制限開始回数が1回として設定されているが、これに限定されることはなく複数回として設定されていてもよい。但し、保留予告用の確認処理が制限される期間を極力抑える上では、上記制限開始回数を1回として設定することが好ましい。
また、制限開始タイミングを特定するための具体的な構成は任意であるが、本パチンコ機10では、遊技回の開始に際して遊技回の終了タイミングを特定するために変動表示時間情報が格納されることとなる変動表示時間カウンタエリアの情報が制限開始回数に対応した値となっているか否かを判定することにより行われる。
なお、変動表示時間カウンタエリアへの変動表示時間情報の格納に係る構成や減算に係る構成は上記第1の実施の形態と同様である。また、変動表示カウンタエリアの更新が減算式で行われるのではなく加算式で行われる構成においては、加算後の値が制限開始回数に対応した値であるか否かを判定する構成としてもよい。
制限開始タイミングでない場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。制限開始タイミングである場合には、ステップS1907にてRAM204の各種フラグ格納エリア234における制限フラグ格納エリアに制限フラグを格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS1901にて、メイン表示部43が変動表示中ではないと判定した場合、又はステップS1904の処理を実行した後は、ステップS1908〜ステップS1912の遊技回開始用処理に進む。
遊技回開始用処理では、先ずステップS1908にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中である場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了する。開閉実行モード中でない場合には、ステップS1909にて、始動保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。
始動保留記憶数Nが「0」である場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS1910にてデータ設定処理を実行し、ステップS1911にて変動開始処理を実行し、さらにステップS1912にてRAM204の各種フラグ格納エリア234における変動開始フラグ格納エリアに変動開始フラグを格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。これらステップS1910〜ステップS1912の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS504〜ステップS506の処理と同様である。
以上のとおり本実施の形態における遊技回制御処理では、遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に、遊技回開始用処理が行われる。これにより、例えば、一の遊技回が実行されている状況において保留情報が保留記憶されている場合には、当該遊技回の終了処理を実行した処理回の通常処理の範囲内で次の遊技回が開始されることとなるため、1の遊技回の終了から次の遊技回が開始されるまでの期間の短縮化が図られる。
本実施の形態では、上記のとおり、遊技回制御処理の構成が上記第1の実施の形態と異なっているが、その他の処理構成は同一となっている。保留予告に係る処理について具体的には、通常処理(図12)では、遊技回制御処理よりも前のタイミングで制限解除処理が実行されるとともに、当該制限解除処理の処理構成は上記第1の実施の形態における処理構成(具体的には、図23にて示す処理構成)と同一となっている。また、保留コマンドの設定処理の処理構成や、表示制御装置212における保留予告制御処理の処理構成も上記第1の実施の形態における処理構成(具体的には、前者については図20にて示す処理構成、後者については図21にて示す処理構成)と同一となっている。
次に、保留予告用の確認処理の実行が制限される様子について、図31のタイミングチャートを用いて説明する。
図31(a)は通常処理の最初の処理が実行されるタイミングを示し、図31(b)は変動開始処理が実行されるタイミングを示し、図31(c)は遊技回が行われているタイミングを示し、図31(d)は制限フラグが格納されているタイミングを示し、図31(e)は保留情報が取得されるタイミングを示し、図31(f)は保留予告用の確認処理が実行されるタイミングを示している。また、図31では、当否抽選モードが高確率モードである場合を示している。
所定の遊技回が実行されている状況であるt1のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。当該処理回の通常処理は、現在実行されている遊技回について変動終了処理が実行される処理回の通常処理に対して1回前の処理回に係る通常処理である。したがって、当該処理回の通常処理についてt2のタイミングにて遊技回制御処理が実行されることにより、制限フラグが格納される。
その後、t3のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。そして、t4のタイミングにて現在行われている遊技回について変動終了処理が実行されるとともに、t5のタイミングにて変動開始処理が実行され新たな遊技回が開始される。その後、t3のタイミングにて開始された処理回の通常処理が完了するタイミングよりも前のタイミングであるt6のタイミングにて保留情報が新たに取得されているが、当否抽選モードが高確率モードである状況で制限フラグが格納されているため、保留予告用の確認処理の実行が制限される。
その後、t7のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t8のタイミングにて制限解除処理(図23)が実行されることで制限フラグが消去される。その後、t9のタイミングにて保留情報が新たに取得されるとともに、この取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。その後、t10のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。
以上のとおり、遊技回制御処理において遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に同一の処理回の遊技回制御処理にて遊技回開始用処理が実行される構成であったとしても、制限フラグの格納タイミング及び消去タイミングを上記のように設定したことで、通常処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始処理と通常の保留予告用の確認処理との両方が実行されてしまうことが制限される。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81において遊技を進行させるための処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における処理構成について説明する。
図32は、主制御装置81のMPU202にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理はパチンコ機10の電源が立ち上げられた場合に実行される処理である。
先ずステップS2001では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。続くステップS2002では、RAM204のアクセスを許可する。その後、ステップS2003では、電源及び発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS2004ではRAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS2005ではRAM判定値を算出し、続くステップS2006では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
RAM消去スイッチがオンされておらず、さらに電断フラグが格納されているとともにRAM判定値が正常である場合には、ステップS2007にてRAM204から電断フラグを消去するとともに、ステップS2008にてRAM判定値を消去する。その後、ステップS2009にて割込み許可を設定し、ステップS2010にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、ステップS2011にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS2009〜ステップS2011の処理を実行した後は、ステップS2009に戻り、ステップS2009〜ステップS2011の処理を繰り返す。
なお、ステップS2009にて割込み許可の設定を行った直後に割込み禁止の設定を行う構成としてもよい。この場合、後述するタイマ割込み処理は、割込み禁止の設定が行われている状況において起動タイミングとなった場合には、次回の割込み許可の設定が行われるまでその実行が待機される構成としてもよい。
一方、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS2012〜ステップS2013の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS2012〜ステップS2013の処理に移行する。
ステップS2012では、RAM204の使用領域を「0」にクリアし(初期化し)、ステップS2013では、RAM204の初期設定を実行する。その後、ステップS2009〜ステップS2011の処理に移行する。
図33は、主制御装置81のMPU202にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、ステップS2101〜ステップS2105にて、上記第1の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図9)のステップS101〜ステップS105と同様の処理を実行する。
その後、ステップS2106にて、変動種別カウンタCSの更新処理を実行し、ステップS2107にて遊技回制御処理を実行し、ステップS2108にて遊技状態移行処理を実行し、ステップS2109にて電役サポート用処理を実行し、ステップS2110にて遊技球発射制御処理を実行し、ステップS2111にて外部出力処理を実行する。上記ステップS2106〜ステップS2111のうち、ステップS2107の遊技回制御処理以外の各処理は、上記第1の実施の形態における通常処理(図12)のステップS401〜ステップS407において対応する処理と同様である。
以下、図34のフローチャートを用いて本実施の形態における遊技回制御処理について説明する。
遊技回制御処理では、ステップS2201〜ステップS2205にて、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS501〜ステップS505と同様の処理を実行する。そして、ステップS2205にて変動開始処理を実行した後に、ステップS2206にてRAM204に制限フラグが格納されている場合には当該制限フラグを消去する。
また、ステップS2207〜ステップS2211では、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS507〜ステップS511と同様の処理を実行する。したがって、ステップS2210にて変動終了コマンドを設定した後に、ステップS2211にてRAM204に制限フラグを格納する。
つまり、本実施の形態における遊技回制御処理では、制限フラグの格納タイミングは上記第1の実施の形態と同様となっているが、制限フラグの消去タイミングは異なっており、変動開始処理が実行された場合に制限フラグが消去される。
ここで、本実施の形態では、通常処理とそれに割り込んで起動されるタイマ割込み処理とのうち一方に遊技回制御処理が設定されているとともに他方に保留コマンドの設定処理が設定されているのではなく、通常処理及びタイマ割込み処理のうちいずれか一方、具体的にはタイマ割込み処理の一連の処理として、保留コマンドの設定処理と遊技回制御処理とが設定されている。また、1処理回のタイマ割込み処理において保留コマンドの設定処理が実行される順番は、遊技回制御処理よりも先となっている。さらに、遊技回制御処理では、1処理回において変動終了処理が実行された場合には、保留情報が保留記憶されている場合であっても当該処理回において変動開始処理が実行されることはなく、当該保留情報に係る変動開始処理は次の処理回の遊技回制御処理にて実行される。そして、変動終了処理が実行された場合に制限フラグが格納され、当該制限フラグは変動開始処理が実行された場合に消去される。
上記構成であることにより、例えば、1遊技回の変動終了処理が実行されて制限フラグが格納された場合には、少なくとも次の処理回のタイマ割込み処理において保留コマンドの設定処理における保留予告用の確認処理の実行が制限される。そして、その後に変動開始処理が実行される場合には、当該変動開始処理が実行される処理回のタイマ割込み処理において保留予告用の確認処理の実行が制限された後に、制限フラグが消去される。よって、1処理回のタイマ割込み処理の範囲内において通常の保留予告用の確認処理と当否判定処理とが共に実行されてしまうことを防止することができる。
特に、定期的に起動されるタイマ割込み処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長時間化する状況が生じるとすると、複数のタイマ割込み処理が重複して起動されてしまうことを防止すべく、タイマ割込み処理が起動される周期を長くせざるをえなくなる。そうすると、遊技を進行させる上での処理速度が遅くなってしまい好ましくない。これに対して、上記のように保留予告用の確認処理の実行が制限されることで、上記不都合の発生が抑えられる。
<第6の実施の形態>
本実施の形態では、遊技回制御処理の処理構成が上記第5の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図35は、本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、先ずステップS2301にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS2302〜ステップS2307の遊技回進行用処理に進む。
遊技回進行用処理では、先ずステップS2302にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過している場合には、ステップS2303にて変動終了処理を実行するとともにステップS2304にて変動終了コマンドを設定する。これらステップS2303及びステップS2304の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS509の処理及びステップS510の処理と同様である。
変動表示時間が経過しておらずステップS2302にて否定判定をした場合には、ステップS2305にて変動表示用処理を実行する。かかる処理は上記第1の実施の形態におけるステップS508の処理と同様である。続くステップS2306では、保留予告用の確認処理の制限開始タイミングであるか否かを判定する。かかる制限開始タイミングの内容及び制限開始タイミングを特定するための具体的な構成は、上記第4の実施の形態と同様である。
制限開始タイミングでない場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。制限開始タイミングである場合には、ステップS2307にてRAM204に制限フラグを格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS2301にて、メイン表示部43が変動表示中ではないと判定した場合、又はステップS2304の処理を実行した後は、ステップS2308〜ステップS2312の遊技回開始用処理に進む。
遊技回開始用処理では、先ずステップS2308にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中である場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了する。開閉実行モード中でない場合には、ステップS2309にて、始動保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。
始動保留記憶数Nが「0」である場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS2310にてデータ設定処理を実行し、ステップS2311にて変動開始処理を実行し、さらにステップS2312にてRAM204から制限フラグを消去した後に、本遊技回制御処理を終了する。これらステップS2310〜ステップS2312の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS504〜ステップS506の処理と同様である。
以上のとおり本実施の形態における遊技回制御処理では、遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に、遊技回開始用処理が行われる。これにより、例えば、1遊技回が実行されている状況において保留情報が保留記憶されている場合には、当該遊技回の終了処理を実行した処理回の通常処理の範囲内で次の遊技回が開始されることとなるため、1遊技回の終了から次の遊技回が開始されるまでの期間の短縮化が図られる。
本実施の形態では、上記のとおり、遊技回制御処理の構成が上記第5の実施の形態と異なっているが、その他の処理構成は同一となっている。保留予告に係る処理について具体的には、タイマ割込み処理(図33)では、遊技回制御処理よりも前のタイミングで、保留予告用の確認処理を含む保留コマンドの設定処理が実行される。また、保留コマンドの設定処理の処理構成や、表示制御装置212における保留予告制御処理の処理構成も上記第5の実施の形態における処理構成(すなわち、上記第1の実施の形態における処理構成)と同一となっている。
上記構成であることにより、遊技回制御処理において遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に同一の処理回の遊技回制御処理にて遊技回開始用処理が実行される構成であったとしても、1遊技回の終了に係る処理回よりも前の処理回のタイマ割込み処理にて制限フラグが格納され、当該制限フラグは次の遊技回の開始に係る処理回であって保留予告用の確認処理の実行が制限された後に消去される。したがって、タイマ割込み処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始に係る当否判定処理と通常の保留予告用の確認処理との両方が実行されてしまうことが制限される。
<第7の実施の形態>
本実施の形態では、タイマ割込み処理の処理構成が上記第5の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図36は、本実施の形態におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、先ずステップS2401にて、RAM204に制限フラグが格納されているか否かを判定する。制限フラグが格納されている場合にはステップS2402にて制限フラグを消去した後にステップS2403に進み、制限フラグが格納されていない場合にはステップS2402の処理を実行することなくステップS2403に進む。
その後、ステップS2403では遊技回制御処理を実行し、ステップS2404にて遊技状態移行処理を実行し、ステップS2405にて電役サポート用処理を実行し、ステップS2406にて遊技球発射制御処理を実行し、ステップS2407にて読み込み処理を実行し、ステップS2408にて各種カウンタの更新処理を実行し、ステップS2409にてスルー用の入賞処理を実行し、ステップS2410にて作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
図37は、本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、ステップS2501〜ステップS2505にて、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS501〜ステップS505と同様の処理を実行する。そして、ステップS2505にて変動開始処理を実行した後に、ステップS2506にてRAM204に制限フラグを格納する。また、ステップS2507〜ステップS2510では、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS507〜ステップS510と同様の処理を実行する。
つまり、本実施の形態では、1処理回のタイマ割込み処理において保留予告用の確認処理を含む保留コマンドの設定処理が実行される順番は、遊技回制御処理よりも後となっている。また、制限フラグは、変動開始処理が実行された場合に格納され、当該変動開始処理の実行に係る処理回よりも後、具体的には当該処理回の次の処理回のタイマ割込み処理において消去される。
上記構成であることにより、例えば、1遊技回の変動開始処理が実行されて制限フラグが格納された場合には、その変動開始処理が実行された処理回に係るタイマ割込み処理では通常の保留予告用の確認処理が実行されることが制限され、次の処理回のタイマ割込み処理において制限フラグが消去される。よって、1処理回のタイマ割込み処理の範囲内において通常の保留予告用の確認処理と当否判定処理とが共に実行されてしまうことを防止することができる。
<第8の実施の形態>
本実施の形態では、保留予告を行うための処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
先ず、主制御基板201のMPU202にて実行される本実施の形態における処理構成について説明する。
<通常処理>
図38は、本実施の形態における通常処理を示すフローチャートである。
通常処理は上記第1の実施の形態と同様に、電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS2601〜ステップS2606の処理が4msec周期で行われる一連の処理として実行され、その残余時間用の処理としてステップS2607〜ステップS2614の処理が実行される。
通常処理において、先ずステップS2601では、外部出力処理を実行する。具体的には、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。続くステップS2602では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
その後、ステップS2603にて遊技回制御処理を実行し、ステップS2604にて遊技状態移行処理を実行し、ステップS2605にて電役サポート用処理を実行し、ステップS2606にて遊技球発射制御処理を実行する。これら各処理のうち、ステップS2604の遊技状態移行処理、ステップS2605の電役サポート用処理及びステップS2606の遊技球発射制御処理は上記第1の実施の形態と同様である。一方、ステップS2603の遊技回制御処理は一部の処理内容が上記第1の実施の形態と相違している。かかる処理内容については後に説明する。
ステップS2606の処理を実行した後は、ステップS2607にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の開始タイミングに至っていない場合にはステップS2608〜ステップS2614の処理を実行する。
具体的には、先ずステップS2608にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS2609では、保留予告用の確認処理及び保留コマンドを出力対象として設定する処理を含む保留コマンドの設定処理を実行する。なお、保留コマンドの設定処理の処理内容については後に説明する。そしてステップS2610にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS2611にて再度、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS2612にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともにステップS2613にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そしてステップS2614にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS2607に戻り、ステップS2607にて肯定判定をするまで、ステップS2608〜ステップS2614の処理を繰り返す。
つまり、残余処理では、複数種の処理が設定されているとともに、それら複数種の処理のうち一部の処理を挟んで割込み禁止及び割込み許可の処理が設定されているとともに、他の一部の処理を挟んで割込み禁止及び割込み許可の処理が設定されている。すなわち、割込み禁止の処理から割込み許可の処理までを1単位の処理とした場合に、残余処理には1単位の処理が複数含まれている。
また、複数の1単位の処理において、所定の1単位の処理と他の1単位の処理とで制御対象の数が相違している。つまり、ステップS2607にて否定判定をしてから相対的に早いタイミングで実行される1単位の処理では、保留コマンドの設定という1種類の制御対象のみが含まれているのに対して、相対的に後のタイミングで実行される1単位の処理では、乱数初期値カウンタCINIの更新及び変動種別カウンタCSの更新という2種類の制御対象が含まれている。但し、各1単位の処理に要する最長の処理時間は先側の1単位の処理の方が後側の1単位の処理よりも長くなっている。
なお、各1単位の処理における最長の処理時間が相違している構成に限定されることはなく、各1単位の処理における最長の処理時間が同一となるように、各1単位の処理の処理配分が行われていてもよい。この場合、割込みが許可される周期が同一、略同一又は同様となるようにすることができる。また、ステップS2607において4msecが経過したか否かを判定する構成は必須のものではなく、例えば、タイマ割込み処理が所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。
<タイマ割込み処理>
図39(a)は本実施の形態におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
本実施の形態においてもタイマ割込み処理は2msecといった比較的短い周期により定期的に実行される。ここで、MPU202にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について、図39(b)を参照しながら説明する。主制御基板201には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路301が設けられており、当該クロック回路301はMPU202と電気的に接続されている。また、クロック回路301とMPU202とを繋ぐ所定の信号経路上にはパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として分周回路302が設けられている。
当該分周回路302はタイマ割込み処理の起動タイミングをMPU202にて特定するためのパルス信号を出力するように設けられている。つまり、分周回路302からMPU202に対して2msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。MPU202では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合に、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、MPU202における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから2.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから1.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路302からのパルス信号の出力はMPU202における処理の経過内容に関係なく2msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は当該特定周期で起動される。さらにまた、MPU202の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。なお、上記のタイマ割込み処理の起動に係る構成は当該第8の実施の形態とは異なる実施の形態においても同様である。
さて、本実施の形態におけるタイマ割込み処理では、先ずステップS2701にて戻りアドレスをMPU202のレジスタに記憶する処理を実行する。つまり、タイマ割込み処理は通常処理(図38)に対して割り込んで起動されることとなるが、この割込みに係る処理回のタイマ割込み処理が終了した場合には通常処理において割込み前に実行していた処理に復帰する必要がある。ステップS2701にて通常処理における戻りアドレスを記憶するための処理を実行することで、通常処理の割込み前の処理への復帰が可能となる。
続くステップS2702ではMPU202の現状のレジスタに記憶されている情報をRAM204に退避する処理を実行する。これにより、通常処理に復帰した場合においてそれまで利用していたデータなども復帰させることが可能となる。
続くステップS2703では電断用処理を実行する。本実施の形態では電断監視基板205からの電断信号がNMI端子ではなくMPU202の入力ポートに入力されるようになっており、ステップS2703ではこの入力ポートにおける電断信号の入力状況を監視する。そして、電断の発生を確認した場合には電断時処理を実行する。電断時処理では、RAM204に対して電断フラグを格納し、さらにRAM判定値の算出及び保存を行うとともに、RAM204へのアクセスを禁止した後に無限ループを継続する。
続くステップS2704では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、図40のフローチャートに示すように、先ずステップS2801にて、上作動口33に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、上作動口33の入賞信号を入力しているか否かを判定する。かかる処理の具体的な内容は、上記第1の実施の形態におけるステップS201と同様である。
上作動口33の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS2802にて、RAM204の上作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、上作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS2803にて、上作動口の検知済み状態を解除した後に、ステップS2809に進む。上作動口の検知済み状態とは、上作動口33への1個の遊技球の入賞を確認した場合においてその入賞については既に確認済みであることをMPU202にて特定するための状態であり、例えばフラグの有無により検知済み状態であるか否かが判定される。
一方、上作動口33の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS2804にて、上作動口の検知済み状態であるか否かを判定する。上作動口の検知済み状態である場合には、今回入力している入賞信号について上作動口33への入賞発生に係る処理の実行が完了していることを意味するため、そのままステップS2809に進む。
上作動口の検知済み状態ではない場合には、ステップS2805にて、上作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS2806では、上作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS2809に進む。「0」となっている場合には、ステップS2807にて、RAM204に上作動口入賞フラグを格納するとともに、ステップS2808にて、上作動口の検知済み状態に設定した後に、ステップS2809に進む。
ステップS2809では、下作動口34に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、下作動口34の入賞信号を入力しているか否かを判定する。かかる処理の具体的な内容は、上記第1の実施の形態におけるステップS206と同様である。
下作動口34の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS2810にて、RAM204の下作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、下作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS2811にて、下作動口の検知済み状態を解除した後に、ステップS2817に進む。下作動口の検知済み状態とは、下作動口34への1個の遊技球の入賞を確認した場合においてその入賞については既に確認済みであることをMPU202にて特定するための状態であり、例えばフラグの有無により検知済み状態であるか否かが判定される。
一方、下作動口34の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS2812にて、下作動口の検知済み状態であるか否かを判定する。下作動口の検知済み状態である場合には、今回入力している入賞信号について下作動口34への入賞発生に係る処理の実行が完了していることを意味するため、そのままステップS2817に進む。
下作動口の検知済み状態ではない場合には、ステップS2813にて、下作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS2814では、下作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS2817に進む。「0」となっている場合には、ステップS2815にて、RAM204に下作動口入賞フラグを格納するとともに、ステップS2816にて、下作動口の検知済み状態に設定した後に、ステップS2817に進む。
ステップS2817では、その他の読み込み処理として、一般入賞口31に対応した検知センサや、可変入賞装置32に対応した検知センサなどからの検知結果を確認し、その確認結果に応じた処理を実行する。
以上のとおり、本実施の形態では、MPU202において上作動口33や下作動口34への入賞の有無を判定する場合、先ず入賞が発生していないことを示す信号を受信していることを確認し、次に入賞が発生していることを示す信号を受信していることを複数回、具体的には2回に亘って連続したか否かを確認する。この場合に、各確認はタイマ割込み処理の1回の処理回において1回ずつ行われる。つまり、上作動口33への1個の入賞が発生したと確認してから次の入賞が発生したと確認するまでに、タイマ割込み処理が複数回、具体的には3回実行される必要がある。また、同様に下作動口34への1個の入賞が発生したと確認してから次の入賞が発生したと確認するまでに、タイマ割込み処理が複数回、具体的には3回実行される必要がある。
但し、上作動口33と下作動口34とのそれぞれに対して個別に検知センサが設けられているとともに、上作動口33への入賞の監視に係る処理と下作動口34への入賞の監視に係る処理との両方が1回のタイマ割込み処理内にて行われるため、タイマ割込み処理の1回の処理回において両作動口33,34への入賞の発生が確認される場合が生じ得る。また、上作動口33への入賞の発生が確認された処理回に対して次の処理回で下作動口34への入賞の発生が確認される場合が生じ得る。
タイマ割込み処理(図39)の説明に戻り、ステップS2704にて読み込み処理を実行した後は、ステップS2705に進む。ステップS2705では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。続くステップS2706では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。
その後、ステップS2707にてスルー用の入賞処理を実行するとともに、ステップS2708にて作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS2709にてレジスタの復帰処理を実行するとともにステップS2710にて戻りアドレスを参照した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS2707におけるスルー用の入賞処理は上記第1の実施の形態におけるステップS104と同様である。また、ステップS2709では、ステップS2702にてRAM204に退避させたデータをMPU202のレジスタに復帰させるとともに、ステップS2710では、ステップS2701にてMPU202のレジスタに記憶させた戻りアドレスを参照し、今回のタイマ割込み処理が終了した後に復帰することとなる通常処理のアドレスを把握する。これにより、タイマ割込み処理が終了した後は、当該タイマ割込み処理が起動される前に実行されていた処理に復帰することが可能となる。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ステップS2708の作動口用の入賞処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2901では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS2902〜ステップS2906の処理を実行することなくステップS2907に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS2902に進む。
ステップS2902では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS2903では、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている始動保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS2907に進む。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、ステップS2904に進み、始動保留記憶数Nを1加算する。
続くステップS2905では、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS2904にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。ここで、上記第1の実施の形態では、上作動口33又は下作動口34への入賞の発生に対して保留情報を取得する場合には、上記各値のうち変動種別カウンタCSの値を取得することなく、当該変動種別カウンタCSの値は変動開始処理にて取得する構成としたが、本実施の形態では当該変動種別カウンタCSの値も保留情報として取得する。
続くステップS2906では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに保留予告を実行させるために必要な処理である取得時の設定処理を実行する。当該処理については、後に説明する。
ステップS2901にて否定判定をした場合、ステップS2903にて否定判定をした場合又はステップS2906の処理を実行した後は、ステップS2907にて、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS2908にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS2903〜ステップS2906の処理を実行する。この場合、ステップS2903〜ステップS2906の処理後におけるステップS2907の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが設けられ両作動口33,34への入賞が同時に発生し得る構成において、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞が発生したか否か及び下作動口34への入賞が発生したか否かが判定されるとともに、両作動口33,34への入賞が同時に発生している場合には、それぞれの入賞に対して、ステップS2903〜ステップS2905の情報取得処理と、ステップS2906の処理とが実行される。これにより、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合であっても、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得及び下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得を遅延なく行うことができるとともに、保留情報が増加したことをサブ側に認識させるための処理を遅延なく行うことができる。
<取得時の設定処理>
次に、ステップS2906の取得時の設定処理について、図42のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS3001では、保留数の把握処理を実行する。具体的には、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出す。続くステップS3002では、ステップS3001にて把握した保留数の情報を含む取得時コマンドをROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
取得時コマンドは、保留情報が新たに取得されたことを示すとともに、その保留情報が現状の何個目の保留情報に係るものであるかを示すコマンドである。ここで設定された取得時コマンドは、通常処理(図38)におけるステップS2601にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる取得時コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定し、保留ランプ部45の発光制御を行う。また、音声ランプ制御装置82では、取得時コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該取得時コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
続くステップS3003では、RAM204に処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。処理待ちフラグとは、保留情報の取得が既に発生している場合においてその保留情報について保留予告用の確認処理を実行すべき状態の待機状態であるか否かをMPU202にて特定するための情報である。処理待ちフラグが格納されている場合には、そのまま本設定処理を終了し、処理待ちフラグが格納されていない場合には、ステップS3004に進む。
ステップS3004では、RAM204に処理待ちフラグを格納する。その後、ステップS3005にて、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、RAM204に設けられた保留判定用エリアに格納する。ちなみに、ステップS2905の処理とステップS3005との処理の間に上記各カウンタC1〜C3,CSを更新する処理が存在しないため、ステップS3005にて格納される各数値情報は、直前のステップS2905にて保留用エリアREに格納された各数値情報と同一である。
なお、直前の保留情報の取得処理にて取得された各数値情報と同一の数値情報を保留判定用エリアに格納するための処理は、上記処理に限定されることはなく、例えば直前のステップS2905にて保留用エリアREに格納した各数値情報を当該保留用エリアREから読み出して保留判定用エリアに書き込む構成としてもよい。また、保留判定用エリアに各数値情報を書き込む処理の代わりに、今回の保留情報が保留用エリアREのいずれの保留エリアRE1〜RE4に格納されたかをMPU202にて認識可能とし、当該保留情報について後述する保留コマンドの設定処理にて参照する場合には保留用エリアREから情報を読み出す構成としてもよい。
続くステップS3006では、保留数カウンタの更新処理を実行する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた保留数カウンタエリアに対して、ステップS3001にて把握した保留数を、保留数カウンタエリアに上書きする。例えば、ステップS3001にて保留数が「1」であると把握した場合には、ステップS3006にて保留数カウンタエリアの情報は「1」となり、ステップS3001にて保留数が「4」であると把握した場合には、ステップS3006にて保留数カウンタエリアの情報は「4」となる。上記保留数カウンタエリアとは、後述する保留コマンドの設定処理において、保留予告用の確認処理を実行する場合に、その確認処理の実行対象となっている保留情報が保留用エリアREのいずれの保留情報に対応しているのかをMPU202にて把握するために利用される。ステップS3006の処理を実行した後に本設定処理を終了する。
ここで、既に説明したとおり、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得が行われるとともに、下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得が行われることがある。これに対して、一の保留情報が保留予告用の確認処理の対象として設定された場合には処理待ちフラグをRAM204に格納するとともに、処理待ちフラグが格納されている状況ではステップS3003にて否定判定をする構成としたことで、一の保留情報が保留予告用の確認処理の対象として設定されている状況で新たに保留情報が取得された場合にはその保留情報は保留予告用の確認処理の対象から除外される。
また、新たに取得された保留情報が保留予告用の確認処理の対象から除外される状況は、保留予告用の確認処理の対象となる保留情報が取得されてから後述する保留コマンドの設定処理が実行されるまでに、タイマ割込み処理が新たに起動されてそのタイマ割込み処理にて新たに保留情報が取得された場合にも発生する。但し、保留予告用の確認処理の対象から除外されるとしても、その保留情報についてサブ側の制御装置に対して取得時コマンドの出力は行われるため、保留情報の数の認識についてサブ側の制御装置との間で相違してしまうことはない。
上記のように所定の条件下では一部の保留情報を保留予告用の確認処理の対象から除外することにより、全ての保留情報を保留予告用の確認処理の対象とする場合に比べて、MPU202の処理負荷の軽減を図りながら、保留予告に係る処理を実行することが可能となる。
<遊技回制御処理>
次に、通常処理(図38)のステップS2603にて実行される遊技回制御処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS3101にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS3102以降の処理を実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS3102にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS3103〜ステップS3109の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS3103にて、始動保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS3104にてデータ設定処理を実行するとともに、ステップS3105にて変動開始処理を実行する。ステップS3104のデータ設定処理は上記第1の実施の形態におけるステップS504と同様である。
また、ステップS3105の変動開始処理は、変動表示時間の設定処理(図17)において上記第1の実施の形態では変動種別カウンタCSからその時点の数値情報を取得するようにした構成に代えて、今回の変動開始に係る保留情報に含まれる変動種別カウンタCSの数値情報を利用する点で相違する。
また、変動表示時間テーブルとして、通常大当たり結果用のテーブルと、確変大当たり結果用のテーブルと、外れリーチ用のテーブルと、完全外れ用のテーブルとが用意されており、変動表示時間の設定処理では該当遊技回の遊技結果に対応したテーブルを選択するとともに当該選択したテーブルと変動種別カウンタCSの値とを照合し、変動表示時間を決定する。この場合に、完全外れ用のテーブルを参照する場合には変動種別カウンタCSの値だけでなくその時点の保留情報の数が参照されて保留情報の数が多いほど短い変動表示時間が選択されるように構成されているが、完全外れ用のテーブル以外のテーブルを参照する場合には保留情報の数は参照されない。また、通常大当たり結果用のテーブルと、確変大当たり結果用のテーブルと、外れリーチ用のテーブルとで、複数種類設定されているスーパーリーチのそれぞれに対応した変動表示時間の各選択率が相違しており、例えば特定のスーパーリーチに対応した変動表示時間の選択率は確変大当たり結果用のテーブル>通常大当たり結果用のテーブル>外れリーチ用のテーブルとなるように設定されている。ステップS3105の変動開始処理において上記変動表示時間の設定処理以外の処理は、上記第1の実施の形態と同様である。
続くステップS3106では、保留数カウンタエリアの更新処理として、RAM204に設けられた保留数カウンタエリアの数値情報が「1」以上であることを条件に、当該保留数カウンタエリアの数値情報を1減算する処理を実行する。これにより、所定の保留情報が保留予告用の確認処理の対象となった後であって当該保留予告用の確認処理が実行される前に新たな変動開始が発生したとしても、保留予告用の確認処理に際して、消化順序がいずれの保留情報について当該確認処理を実行しているのかをMPU202にて把握することが可能となる。
続くステップS3107では、更新後の保留数カウンタエリアの情報が「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了し、「0」である場合にはステップS3108に進む。ステップS3108では、RAM204に格納されている処理待ちフラグを消去し、続くステップS3109にてRAM204の保留判定用エリアの初期化を行い、本遊技回制御処理を終了する。
上記のようにステップS3107〜ステップS3109の処理が実行されることにより、変動開始用として既に消化された保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行されてしまうことが防止できる。かかる処理が実行される状況は、例えば保留情報が0個の状況であって遊技回及び開閉実行モードのいずれも実行されていない状況で保留情報の新たな取得が行われ、さらに当該保留情報について後述する保留コマンドの設定処理が実行されるよりも前に遊技回制御処理が実行された場合に発生する。
一方、ステップS3102にてメイン表示部43が変動表示中であると判定した場合には、ステップS3110にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップS3111にて変動表示用処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。変動表示時間が経過している場合には、ステップS3112にて、変動終了処理を実行するとともに、ステップS3113にて、変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。
なお、上記第1の実施の形態では、変動開始フラグを格納する処理や、制限フラグを格納する処理が遊技回制御処理にて実行される構成としたが、本実施の形態ではこれら変動開始フラグや制限フラグが存在しておらず、これらフラグの設定に係る処理は遊技回制御処理に存在していない。
<保留コマンドの設定処理>
次に、通常処理(図38)のステップS2609にて実行される保留コマンドの設定処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。保留コマンドの設定処理では、ステップS3201〜ステップS3218,ステップS3222〜ステップS3224にて、保留予告用の確認処理を実行するとともに、ステップS3219〜ステップS3220にて、保留コマンドを出力対象として設定する処理を実行する。
当該保留コマンドの設定処理について詳細には、先ずステップS3201にて、RAM204に処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。処理待ちフラグが格納されていない場合には、保留予告用の確認処理を実行すべき保留情報が存在していないことを意味するため、そのまま本設定処理を終了する。
処理待ちフラグが格納されている場合には、ステップS3202にて処理待ちフラグを消去した後に、ステップS3203に進む。ステップS3203では、RAM204の保留判定用エリアから大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報を読み出す。
続くステップS3204では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS3205にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新することで、確認個数を「1」に設定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS3206にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「10」の情報に更新することで、確認個数を「10」に設定する。
ステップS3205又はステップS3206の後は、ステップS3207にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS3208では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS3203にて読み出した大当たり判定用の情報と、ステップS3207にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS3209にて、ステップS3208において比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS3210にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS3211にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS3207に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS3205又はステップS3206にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS3211の処理にて否定判定をする。この場合、ステップS3212に進む。
ステップS3212ではMPU202のレジスタに外れ情報を記憶する。続くステップS3213では、RAM204の保留判定用エリアからリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報を読み出す。続くステップS3214では、ステップS3213にて読み出したリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ちなみに、リーチ発生に対応している数値情報は、リーチ乱数カウンタC3に係る所定範囲の数値情報のうち連続する数値情報の一部範囲として設定されている。したがって、当該ステップS3214における処理では、ステップS3213にて読み出した数値情報と上記一部範囲の最小値とを照合するとともに、上記一部範囲の最大値とを照合することで、当該一部範囲に上記読み出した数値情報が含まれているか否かの判定を行う。
リーチ発生に対応していない場合には、そのままステップS3221に進む。リーチ発生に対応している場合には、ステップS3215に進み、MPU202のレジスタに外れリーチ情報を記憶する。続くステップS3216では、RAM204の保留判定用エリアから変動種別カウンタCSに係る数値情報を読み出す。その後、ステップS3217にて、変動種別の把握処理を実行する。具体的には、変動表示時間テーブルとして、外れリーチ用のテーブルを読み出すとともに、ステップS3216にて読み出した変動種別カウンタCSに係る数値情報を外れリーチ用のテーブルに対して照合する。
ちなみに、変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSにおける所定範囲の数値情報が、連続する複数の数値情報の単位で区分されている。ステップS3217では、各区分の最小値及び最大値と、ステップS3216で読み出した数値情報とを照合することで、いずれの変動種別に対応しているのかを判定する。
続くステップS3218では、変動種別の情報をMPU202のレジスタに記憶する。具体的には、ステップS3217の照合結果から導出した変動表示時間に対応した情報をレジスタに記憶する。
その後、ステップS3219にてRAM204の保留数カウンタエリアに格納されている情報を読み出す。そして、ステップS3220にて、保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS3215にて記憶した外れリーチ情報と、ステップS3218にて記憶した変動種別の情報と、ステップS3219にて読み出した保留数の情報と、に対応した保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
保留コマンドは、サブ側の制御装置において保留予告を開始すべきか否かのトリガとして機能するとともに、保留予告を開始すると決定した場合においてその保留予告の内容をサブ側の制御装置にて認識するために利用されるコマンドである。ここで設定された保留コマンドは、通常処理(図38)におけるステップS2601にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該保留コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
その後、ステップS3221にて、RAM204の保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
一方、ステップS3209にて比較結果が一致したと判定した場合には、ステップS3222に進む。ステップS3222では、RAM204の保留判定用エリアから大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を読み出す。
続くステップS3223では、種別判定処理を実行する。種別判定処理では、ROM203の振分テーブルから確変大当たり情報に対応した数値情報を取得する。そして、ステップS3222にて読み出した数値情報と確変大当たり情報に対応した数値情報とを比較し、確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。
ちなみに、振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2における所定範囲の数値情報が、連続する複数の数値情報の単位で区分けされている。ステップS3222では、各区分の最小値及び最大値と、ステップS3222で読み出した数値情報とを照合することで、いずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する。
その後、ステップS3224にて、ステップS3223の処理結果に対応した大当たり種別の情報をMPU202のレジスタに記憶する。続くステップS3216では、既に説明したとおり、RAM204の保留判定用エリアから変動種別カウンタCSに係る数値情報を読み出す。その後、ステップS3217にて、変動種別の把握処理を把握する。この場合、変動表示時間テーブルとして、ステップS3224にて記憶した大当たり種別の情報に対応したテーブルを読み出す。つまり、通常大当たり結果の情報を記憶した場合には通常大当たり結果用のテーブルを読み出して変動種別を把握し、確変大当たり結果の情報を記憶した場合には確変大当たり結果用のテーブルを読み出して変動種別を把握する。続くステップS3218では、既に説明したとおり、変動種別の情報をMPU202のレジスタに記憶する。
その後、ステップS3219にてRAM204の保留数カウンタエリアに格納されている情報を読み出し、ステップS3220にて保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS3224にて記憶した大当たり種別の情報と、ステップS3218にて記憶した変動種別の情報と、ステップS3219にて読み出した保留数の情報と、に対応した保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。その後、ステップS3221にて、RAM204の保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
以上のとおり、本実施の形態では、保留コマンドには大当たり結果となるか否かの情報だけでなく、外れリーチが発生するか否かの情報と、大当たり結果となる場合は大当たり種別の情報と、変動種別の情報と、その保留コマンドが現状の保留情報のうちいずれに対応しているかを示す情報と、が含まれることとなる。これにより、上記第1の実施の形態に比べて保留予告において遊技者に対して報知する内容のバリエーションが増加する。
<表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理を、図45のフローチャートを参照しながら説明する。保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうち一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
保留予告制御処理では、先ずステップS3301にて、音声ランプ制御装置82から取得時コマンドを受信しているか否かを判定する。取得時コマンドを受信している場合には、ステップS3302にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に記憶されている表示側保留記憶数SNを1加算する。当該表示側保留記憶数SNは、上記第1の実施の形態と同様に、ビデオRAM257の保留表示用エリア271に対応している。
続くステップS3303では、保留表示用エリアの設定処理を実行する。当該設定処理では、保留表示用エリア271のうち、ステップS3302にて加算した結果の表示側保留記憶数SNに対応した単位エリア272〜275に対して外れ情報を設定するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。
但し、当該設定処理が実行されたタイミングでは、単位エリア272〜275に対して設定した情報は表示画面Gの保留表示領域Gaに反映されない。つまり、ビデオRAM257のフレームバッファに設定されたデータが図柄表示装置41に出力されて、そのデータに対応した画像が表示画面Gにて表示されることとなるが、ステップS3303の処理を実行したタイミングではフレームバッファに対するデータの反映は行われないため、保留表示領域Gaに反映されない。
ステップS3301にて否定判定をした場合又はステップS3303の処理を実行した後は、ステップS3304にて、音声ランプ制御装置82からシフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS3305にて、保留カウンタエリア263に記憶されている表示側保留記憶数SNを1減算する。続くステップS3306では、シフト処理を実行する。当該シフト処理は、保留表示用エリア271の第1単位エリア272〜第4単位エリア275に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
但し、ステップS3303の場合と同様に、当該設定処理が実行されたタイミングでは、単位エリア272〜275に対して設定した情報は表示画面Gの保留表示領域Gaに反映されない。
ステップS3304にて否定判定をした場合又はステップS3306の処理を実行した後は、ステップS3307にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。本実施の形態では、主制御基板201のMPU202は開閉実行モードに移行する場合に開始コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信するとともに、開閉実行モードが終了する場合に終了コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信する構成となっており、表示制御装置212ではそれらコマンドを音声ランプ制御装置82から受信することで開閉実行モード中であるか否かを判定できる構成となっている。
開閉実行モード中ではない場合には、ステップS3308にて出力設定処理を実行する。当該出力設定処理では、保留表示用エリア271の第1単位エリア272〜第4単位エリア275に現状設定されている保留表示情報をフレームバッファに対して反映するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、現状の保留表示情報が表示画面Gの保留表示領域Gaにおいて反映される。
続くステップS3309では、音声ランプ制御装置82から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。保留コマンドを受信していない場合には、そのまま本保留予告制御処理を終了する。保留コマンドを受信している場合には、ステップS3310に進む。
ステップS3310では、保留予告を実行するか否かの抽選を行うための報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理では、保留コマンドの種類に関係なく1/3の確率で報知発生当選となるように当選確率が設定されている。但し、当選確率は1/3に限定されることはなく任意であり、保留コマンドの種類に応じて当選確率が相違している構成としてもよい。
続くステップS3311では、ステップS3310の抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選ではない場合には、そのまま本保留予告制御処理を終了する。
報知発生当選である場合には、ステップS3312にて、保留コマンドの内容把握処理を実行する。具体的には、大当たり結果の有無の情報と、大当たり結果である場合に大当たり種別の情報と、外れ結果である場合にリーチ発生の有無の情報と、変動種別の情報とを今回受信した保留コマンドの内容から把握する。
続くステップS3313では、表示内容の選択処理を実行する。当該選択処理では、ステップS3312にて把握した内容に応じた保留予告用の情報を選択する。但し、当該選択処理では、ステップS3312にて把握した内容に対して一義的に保留予告用の情報の選択を行うのではなく、当該把握した内容に応じた選択対象の中から所定の選択率で選択を行う。例えば、確変大当たり結果に対応している場合には「確変確定」、「大当たり」、「大当たり?」、「リーチ!」、「チャンス」といった保留予告用の情報の中から選択するのに対して、外れリーチに対応している場合には「大当たり?」、「リーチ!」、「チャンス」といった保留予告用の情報の中から選択する。
続くステップS3314では、保留数の把握処理を実行する。保留数の把握処理では、今回受信した保留コマンドが消化順序で何番目の保留情報に対応しているかを把握する。
続くステップS3315では、保留表示用エリアの修正処理を実行する。具体的には、ステップS3314にて把握した順番に対応した単位エリア272〜275の情報を、外れ情報から、ステップS3313にて選択した保留予告用の情報に上書きする。
その後、ステップS3316にて出力設定処理を実行する。当該出力設定処理の処理内容は、ステップS3308と同様であり、かかる処理が実行されることで、今回受信した保留コマンドの内容に対応した保留予告が行われる。ステップS3316の処理を実行した後に、本保留予告制御処理を終了する。
一方、ステップS3307にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS3317にて、保留予告の解除処理を実行する。保留予告の解除処理では、保留表示用エリア271の各単位エリア272〜275のうち、現状の表示側保留記憶数SN分のエリアに設定されている情報を全て外れ情報に設定するとともに、フレームバッファに対して各単位エリア272〜275の情報が反映されないようにする。これにより、開閉実行モードを契機として保留予告を終了させることができるとともに、開閉実行モード中に保留予告が行われないようにすることができる。さらに、開閉実行モードが終了した後は、保留予告の再開を阻止しながら、保留情報の個数の報知は再開されるようにすることができる。ステップS3317の処理を実行した後は、本保留予告制御処理を終了する。
なお、ステップS3317の処理を実行した場合に、保留表示領域Ga自体が表示画面Gから消去される構成としてもよい。この場合、次回の出力設定処理を実行した際に、表示画面Gにおける保留表示領域Gaの表示が再開されるようにすればよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留球格納エリア232に記憶されている保留情報に応じた保留予告が、当該保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、上記第1の実施の形態と同様に、遊技の多様化が図られ遊技の注目度が高められる。
この場合に、主制御基板201のMPU202では、定期的に実行される定期処理の一部を構成するタイマ割込み処理の範囲内で保留情報の取得処理を行いながら、非定期的に実行される所定の処理である残余処理(具体的には、ステップS2607〜ステップS2614)にて保留予告用の確認処理や保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、保留予告に係る処理ともいう)を実行する。タイマ割込み処理にて保留予告に係る処理の全てを行う構成を想定した場合、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定され、そうすると上作動口33や下作動口34への入賞の有無を監視する処理や保留情報を取得するための処理を定期的に行えない状況が発生し、これらの処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上記のように保留予告に係る処理は残余処理にて実行されるため、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、タイマ割込み処理の良好な実行を担保しつつ、保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、タイマ割込み処理は残余処理の途中であっても割り込んで起動され、その割り込まれる側である残余処理に上記保留予告に係る処理が設定されている。これにより、タイマ割込み処理の開始タイミングへの影響を抑えながら、保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、定期的に実行される定期処理の一部を構成する通常処理のステップS2601〜ステップS2606にて上記保留予告に係る処理を実行するのではなく、上記残余処理にてこれらの処理を実行する。例えば高確率モード及び高頻度サポートモードである状況でステップS2603の遊技回制御処理にて変動開始処理が実行されるとともに、ステップS2605の電役サポート用処理にて電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選や電動役物34aを開放状態とする処理が実行されて、ステップS2606の処理を完了したタイミングで既に4msecが経過している場合には保留予告に係る処理を実行することなくステップS2601の処理に復帰することができる。これにより、通常処理のステップS2601〜ステップS2606の定期的な実行を担保し易くなる。
残余処理では、上記保留予告に係る処理が開始される場合にタイマ割込み処理の実行が禁止されることにより、タイマ割込み処理の優先的な実行が上記保留予告に係る処理の実行を完全に阻害してしまうことを抑えることができる。また、当該割込み禁止の設定は上記保留予告に係る処理が終了するまで継続されるため、当該処理を開始した場合にはその処理を良好に完了することができる。
また、残余処理では、上記保留予告に係る処理だけでなく、各種カウンタCINI,CSを更新するための処理が実行されるが、当該更新用の処理が実行されている間はタイマ割込み処理の実行が禁止される。これにより、当該更新用の処理を開始した場合にはその処理を良好に完了することができる。
また、上記保留予告に係る処理と、各種カウンタCINI,CSを更新するための処理とが残余処理にて実行される構成において、これら各処理のうち一方の処理が終了したタイミングで一旦、タイマ割込み処理の割込みが許可される。これにより、タイマ割込み処理の開始タイミングが極端に遅れてしまうことを抑制することができる。
<第9の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81において遊技を進行させるための処理構成が上記第8の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における処理構成について説明する。
図46は、主制御装置81のMPU202にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理はパチンコ機10の電源が立ち上げられた場合に実行される処理である。
先ずステップS3401では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。続くステップS3402では、RAM204のアクセスを許可する。その後、ステップS3403では、電源及び発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS3404ではRAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS3405ではRAM判定値を算出し、続くステップS3406では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
RAM消去スイッチがオンされておらず、さらに電断フラグが格納されているとともにRAM判定値が正常である場合には、ステップS3407にてRAM204から電断フラグを消去するとともに、ステップS3408にてRAM判定値を消去する。その後、ステップS3411〜ステップS3417の残余処理に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS3409〜ステップS3410の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS3409〜ステップS3410の処理に移行する。
ステップS3409では、RAM204の使用領域を「0」にクリアし(初期化し)、ステップS3410では、RAM204の初期設定を実行する。その後、ステップS3411〜ステップS3417の残余処理に進む。
残余処理では、先ずステップS3411にて割込み禁止の設定を行い、続くステップS3412では保留コマンドの設定処理を実行する。保留コマンドの設定処理の処理内容は上記第8の実施の形態におけるステップS2609と同様である。そして、ステップS3413にて割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS3414にて再度、割込み禁止の設定を行い、続くステップS3415にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともにステップS3416にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS3417にて割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS3411に戻り、ステップS3411〜ステップS3417の処理を繰り返す。
図47は、主制御装置81のMPU202にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、先ずステップS3501にて戻りアドレスをMPU202のレジスタに記憶する処理を実行する。続くステップS3502ではMPU202の現状のレジスタに記憶されている情報をRAM204に退避する処理を実行する。
その後、ステップS3503〜ステップS3508にて、上記第8の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図39)のステップS2703〜ステップS2708と同様の処理を実行するとともに、ステップS3509〜ステップS3513にて、上記第8の実施の形態における通常処理(図38)のステップS2602〜ステップS2606と同様の処理を実行する。
続くステップS3514では外部出力処理を実行する。またステップS3515ではステップS3502にてRAM204に退避させたデータをMPU202のレジスタに復帰させるとともに、ステップS3516では、ステップS3501にてMPU202のレジスタに記憶させた戻りアドレスを参照し、今回のタイマ割込み処理が終了した後に復帰することとなる通常処理のアドレスを把握する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
以上のとおり、本実施の形態では、遊技回の開始に際して当否判定処理が実行される遊技回制御処理と、保留情報の取得を行う作動口用の入賞処理とが、通常処理及びタイマ割込み処理に分けて設定されているのではなく、タイマ割込み処理の一連の処理としてこれらの処理が設定されている。
この場合に、タイマ割込み処理にて、保留予告用の確認処理や保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、保留予告に係る処理ともいう)の全てを行う構成を想定した場合、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定される。特に、高確率モードにおいては低確率モードに比べて参照すべき数値情報の数が増加するため、1回のタイマ割込み処理の範囲内で遊技回の開始に係る当否判定処理と保留情報の取得に係る当否判定処理とが行われる構成を想定すると、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまう。そうすると上作動口33や下作動口34への入賞の有無を監視する処理、保留情報を取得するための処理、遊技回の開始に係る処理及び可変入賞装置32や電動役物34aを開閉制御する処理などを定期的に行えない状況が発生し、これらの処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上記保留予告に係る処理は一のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間にて実行される残余処理にて実行されるため、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、タイマ割込み処理の良好な実行を担保しつつ、保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
<第10の実施の形態>
本実施の形態では主制御基板201のMPU202にて実行される取得時の設定処理の処理構成が異なっている。本実施の形態における取得時の設定処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。なお、取得時の設定処理は、上記第8の実施の形態と同様に、保留情報が新たに取得された場合にそれに続けて実行される。
先ずステップS3601では、保留数の把握処理を実行する。続くステップS3602では、ステップS3601にて把握した保留数の情報を含む取得時コマンドを出力対象として設定する。
続くステップS3603では、RAM204に処理待ちフラグを格納し、ステップS3604にて、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、RAM204に設けられた保留判定用エリアに上書きする。その後、本設定処理を終了する。
上記第8の実施の形態では、既に保留予告用の確認処理の対象となっている保留情報が存在している状況で保留情報が新たに取得された場合には、既に確認処理の対象となっている保留情報がそのまま確認処理の対象として維持され、新たに取得された保留情報は確認処理の対象から除外される構成とした。これに対して、本実施の形態における取得時の設定処理では、上記第8の実施の形態におけるステップS3003に対応した処理が実行されないため、既に保留予告用の確認処理の対象となっている保留情報が存在している状況で保留情報が新たに取得された場合には、先に対象となっていた保留情報が確認処理の対象から除外されて、新たに取得された保留情報が確認処理の対象となる。
以上より、複数の保留情報の取得が保留予告用の確認処理を間に挟むことなく連続して発生したとしても、保留予告用の確認処理が実行される対象は、常に消化順序が後側の保留情報となるため、保留数カウンタエリアをRAM204に設ける必要がなく、さらに当該保留数カウンタエリアを更新するための処理を設ける必要もない。よって、保留予告用の確認処理を行う対象をMPU202にて把握するための処理の簡素化が図られる。
<第11の実施の形態>
本実施の形態では、内部抽選に係る構成及び保留予告に係る構成が上記第1の実施の形態と異なっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図49は、本実施の形態における遊技盤24の正面図である。
図49に示すように、本実施の形態ではメイン表示部305の構成が上記第1の実施の形態におけるメイン表示部43と異なっている。詳細には、メイン表示部43には、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。また、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。また、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。
なお、メイン表示部305は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部305にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
上記のように第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSが設けられていることに対応させて、センターフレーム42には複数の保留ランプ部306,307が設けられている。詳細には、センターフレーム42の前面側における左下部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1結果用の保留ランプ部306が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1結果用の保留ランプ部306の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右下部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2結果用の保留ランプ部307が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2結果用の保留ランプ部307の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図50は、本実施の形態における内部抽選に係る構成を説明するための説明図である。
図50に示すように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別カウンタC2と、リーチ乱数カウンタC3と、変動種別カウンタCSと、乱数初期値カウンタCINIと、電動役物開放カウンタC4と、が設けられている。これら各カウンタC1〜C4,CS,CINIの更新に係る構成は上記第1の実施の形態と同様である。但し、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞に基づき取得される保留情報に、上記第1の実施の形態では上記各カウンタ値のうち大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3のみが含まれる構成としたが、本実施の形態ではこれらカウンタ値に加えて、変動種別カウンタCSが含まれている。
本実施の形態における保留球格納エリア232には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域と、が設けられている。
第1取得情報記憶手段として設けられた第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3及び第4エリアRa4を備えており、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値が時系列的に格納される。なお、当該第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの1組の組み合わせが、上作動口33に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本実施の形態における第1特別情報に相当する。
第1エリアRa1〜第4エリアRa4には、上作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアRa1〜Ra4が設けられていることにより、上作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
第2取得情報記憶手段として設けられた第2結果表示部用保留エリアRbは、第1エリアRb1、第2エリアRb2、第3エリアRb3及び第4エリアRb4を備えており、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの1組の組み合わせが、下作動口34に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本実施の形態における第2特別情報に相当する。
第1エリアRb1〜第4エリアRb4には、下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRb1→第2エリアRb2→第3エリアRb3→第4エリアRb4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアRb1〜Rb4が設けられていることにより、下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。
次に、図51を参照しながら本実施の形態における当否テーブルを説明する。
図51(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図51(a−1)は上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について当否判定処理を実行する場合に参照される当否テーブルであり、図51(a−2)は下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について当否判定処理を実行する場合に参照される当否テーブルである。また、図51(b)は高確率モード用の当否テーブルを示し、図51(b−1)は上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について当否判定処理を実行する場合に参照される当否テーブルであり、図51(b−2)は下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について当否判定処理を実行する場合に参照される当否テーブルである。
低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図51(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は1個である。一方、高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図51(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は10個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値に含まれている。
また、各当否抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本実施の形態においては、外れ結果として、特別外れ結果(小当たり結果)と、通常外れ結果との2種類が設定されている。特別外れ結果及び通常外れ結果はいずれも当否抽選モードやサポートモードの移行契機とはならないが、特別外れ結果が開閉実行モードへの移行契機となるのに対して、通常外れ結果は開閉実行モードへの移行契機とはならない。
なお、詳細は後述するが、特別外れ結果を契機とした開閉実行モードは実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しないモードであり、当該開閉実行モードは遊技球の付与率への影響を抑えながら、可変入賞装置32の動作を演出として利用するモードである。
図51(a−1)及び図51(b−1)に示すように、上作動口33に係る保留情報が当否判定処理の対象となった場合には特別外れ結果が選択対象に含まれるが、図51(a−2)及び図51(b−2)に示すように、下作動口34に係る保留情報が当否判定処理の対象となった場合には特別外れ結果が選択対象に含まれない。下作動口34に係る保留情報の取得は、サポートモードが低頻度サポートモードである場合は発生しづらいのに対して、サポートモードが高頻度サポートである場合は発生し易い。高頻度サポートモードはいわゆる時短状態と称されるように遊技回の消化に要する時間が短縮化される状態に相当し、このような状態では特別外れ結果が発生しづらいようにすることで、開閉実行モードの演出としての利用を抑えて時間の短縮化を優先させることができる。
次に、図52を参照しながら本実施の形態における振分テーブルを説明する。
図52(a)は上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について種別判定処理を実行する場合に参照される振分テーブルであり、図52(b)は下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について種別判定処理を実行する場合に参照される振分テーブルである。
本実施の形態において当否判定処理にて大当たり当選となったことに基づき選択される大当たり結果として、低確大当たり結果と、最有利大当たり結果と、ジャンプアップ大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、非明示高確大当たり結果とが設定されている。これら各大当たり結果は、(1)開閉実行モードに係る内容、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選モードに係る内容、及び(3)開閉実行モード終了後のサポートモードに係る内容という3つの内容のうち、少なくとも1の内容が相違している。
ここで、開閉実行モードへの移行の契機となる各種遊技結果の内容について、図53を参照しながら説明する。図53は各種遊技結果の内容を説明するための説明図である。
図53に示す各種遊技結果のうち、各種大当たり結果は当否抽選において大当たり当選となった場合に選択される遊技結果であり、特別外れ結果は当否抽選において大当たり当選とならなかった場合に選択される遊技結果である。
当否抽選モード及びサポートモードの移行態様について説明すると、特別外れ結果となった場合には、既に説明したとおり、開閉実行モードの前後で当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。低確大当たり結果となった場合には、開閉実行モード後に、当否抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
最有利大当たり結果、ジャンプアップ大当たり結果及び明示高確大当たり結果となった場合には、開閉実行モード後に、当否抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる。当該高頻度サポートモードは、少なくとも次に大当たり結果が発生するまで継続する。非明示高確大当たり結果となった場合には、開閉実行モード後に、当否抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、サポートモードは開閉実行モード前のモードが維持される。この場合に高頻度サポートモードに設定された場合には、当該高頻度サポートモードは少なくとも次に大当たり結果が発生するまで継続する。
次に、開閉実行モードの内容を説明する。
本実施の形態では、開閉実行モードとして、ラウンド数規定モードと開閉数規定モードとが設定されている。
ラウンド数規定モードとは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるモードである。また、ラウンド遊技とは、当該ラウンド遊技に対応させて設定された上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、及び当該ラウンド遊技に対応させて設定された上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。但し、これに限定されることはなく、ラウンド遊技が、当該ラウンド遊技に対応させて設定されたラウンド遊技用の上限回数の開閉が可変入賞装置32にて行われること、及び当該ラウンド遊技に対応させて設定された上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技である構成としてもよい。ちなみに、ラウンド遊技の一の終了条件である上限個数は9個に設定されているが、これに限定されることはなく1個又は他の複数であってもよく、ラウンド遊技の種類ごとにその数が相違している構成としてもよい。
いずれかの大当たり結果となったことに基づいて、ラウンド数規定モードに移行することとなるが、いずれの大当たり結果を契機とした場合であってもランド遊技の上限回数は共通回数(具体的には15回)で同一となっている。このようにラウンド遊技の上限回数が共通していることにより、ラウンド遊技の上限回数を報知する専用の表示部は設けられていない。
一方、開閉数規定モードとは、ラウンド遊技が設定されておらず、可変入賞装置32の開閉回数が上限回数となること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされることに基づき終了されるモードである。ちなみに、開閉数規定モードの上限個数はラウンド遊技の上限個数と同一の9個に設定されているが、これに限定されることはなく、ラウンド遊技の上限個数よりも少ない数であってもよく多い数であってもよい。ラウンド数規定モードにはいずれかの大当たり結果となったことに基づき移行し、開閉数規定モードには特別外れ結果となったことに基づき移行する。
各遊技結果における開閉実行モードの詳細な内容について説明する。
低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のいずれかを契機として移行する開閉実行モードでは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では長時間態様による1回の大入賞口32aの開閉が行われる。
ここで、本実施の形態では、可変入賞装置32の1回の開放態様が、大入賞口32aが開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間(開放継続期間)を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が最長時間である29secに設定された長時間態様(長期間態様)と、開放継続時間が上記最長時間よりも短い最短時間である0.06secに設定された短時間態様(短期間態様)と、が設定されている。
本実施の形態では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されているとともに、開閉数規定モードも終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技又は開閉数規定モードの上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技又は開閉数規定モードの上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aに対して、1回のラウンド遊技又は開閉数規定モードにおける上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aへの入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のいずれかを契機として移行する開閉実行モードでは上記のとおり各ラウンド遊技において長時間態様による1回の大入賞口32aの開閉が行われるため、遊技者は多量の遊技球の払出を受けることが可能となる。
低確大当たり結果となる遊技回では図柄表示装置41にて同一の偶数図柄の組み合わせが一の有効ライン上に停止表示されるとともに開閉実行モード中には演出Aという専用の演出が行われる。さらに開閉実行モードが終了した後は低確大当たり結果となったことに対応した態様で遊技回用の演出が行われる。したがって、低確大当たり結果となったことを遊技者は演出の内容から把握することができる。
同様に、最有利大当たり結果となる遊技回では図柄表示装置41にて同一の奇数図柄の組み合わせが一の有効ライン上に停止表示されるとともに開閉実行モード中には演出Bという専用の演出が行われる。さらに開閉実行モードが終了した後は高確率モードであって高頻度サポートモードであることに対応した態様で遊技回用の演出が行われる。したがって、最有利大当たり結果となったことを遊技者は演出の内容から把握することができる。
明示高確大当たり結果及び非明示高確大当たり結果のいずれかを契機として移行する開閉実行モードでは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では短時間態様による1回の大入賞口32aの開閉が行われる。また、特別外れ結果となった場合には、ラウンド数規定モードではなく開閉数規定モードに移行し、短時間態様による15回の大入賞口32aの開閉が行われる。
つまり、明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果のいずれかを契機として移行する開閉実行モードでは、短時間態様でのみ大入賞口32aの開閉が行われ、その回数は15回であり、大入賞口32aの開閉の総回数は15回である。このように大入賞口32aの開閉が短時間態様でのみ行われることで、当該開閉実行モードに移行したとしても遊技者への遊技球の払出が実質的に生じない。したがって、遊技者の出球を実質的に増加させない演出の一種として、開閉実行モードを実行させることができる。
当該開閉実行モードは大入賞口32aの開閉態様だけでなく、オープニング用の待機時間、連続する開閉動作間の時間、及びエンディング用の待機時間も同一となっている。したがって、当該開閉実行モードに移行した場合には、移行の契機となった遊技結果に寄らずに可変入賞装置32の動作が見た目上同様となり、可変入賞装置32の動作からはいずれの遊技結果が契機となったかを遊技者が把握することができない。
ちなみに、ラウンド数規定モードであることを示す専用の表示部が設けられていないとともに、ラウンド数規定モードの上限ラウンド数が全て同一となっていることに起因してラウンド遊技が行われる回数を示す専用の表示部は設けられていない。したがって、当該専用の表示部を根拠として、ラウンド数規定モード及び開閉数規定モードのいずれであるかを把握しようとしてもそれが不可となっている。
明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果のいずれかとなる遊技回において図柄表示装置41には共通の図柄の組み合わせが停止表示されるとともに、開閉実行モードの開始タイミングから少なくとも途中のタイミングまでは開閉実行モード中の演出も演出Cで共通している。したがって、当該開閉実行モードが実行された場合には、少なくとも途中のタイミングまでは、図柄表示装置41の表示内容を含めた演出を確認したとしても、いずれの遊技結果が契機となっているかを把握することができない。よって、当該開閉実行モードが実行された場合、遊技者はいずれの遊技結果が契機となったのかを予測しながら遊技を行うことができる。
非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果が移行の契機となった場合には、それまでのサポートモードが継続される。また、開閉実行モード中の演出は最後まで演出Cで共通している。したがって、非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果が移行の契機となった場合には、遊技者は当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれに設定されているのかを予測しながら遊技を行うことができ、開閉実行モード後の遊技の注目度も向上させることができる。
一方、明示高確大当たり結果となった場合には、それまでのサポートモードに関係なく高頻度サポートモードが設定される。したがって、例えば低頻度サポートモードである状況で明示高確大当たり結果となり、上記開閉実行モードが実行された場合には、当該開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行し、遊技者は移行の契機となった遊技結果が明示高確大当たり結果であることを認識することができる。
かかる事情に対応させて、明示高確大当たり結果となった場合には、開閉実行モード中の最後の開閉が終了してからエンディング用の待機時間が経過するまでに亘って、明示高確大当たり結果に対応した演出Eが実行される。これにより、明示高確大当たり結果となった場合には、開閉実行モードの途中まではいずれの遊技結果が契機となったのかを遊技者に予測させながら、途中からは明示高確大当たり結果であることを教示することが可能となる。
ジャンプアップ大当たり結果を契機として移行する開閉実行モードでは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、1R目のラウンド遊技において短時間態様による大入賞口32aの開閉が15回行われる。すなわち、1回のラウンド遊技において大入賞口32aの開閉が複数回行われる。換言すれば、1回のラウンド遊技において、大入賞口32aが開放状態から閉鎖状態となり、それに続けて再度開放状態となるという現象が少なくとも1回発生する。また、2R目〜15R目の各ラウンド遊技においては長時間態様による1回の大入賞口32aの開閉が行われる。
つまり、当該開閉実行モードでは、最初に短時間態様での大入賞口32aの開閉が15回行われ、その後に長時間態様での大入賞口32aの開閉が14回行われる。これにより、当該開閉実行モードでは、開始タイミングから途中のタイミングまでは遊技者への遊技球の払出が実質的に生じないが、当該途中のタイミング以降は遊技者への多量の遊技球の払出が生じる。
当該開閉実行モードは、オープニング用の待機時間、連続する開閉動作間の時間が、特別外れ結果や非明示高確大当たり結果などを契機とした開閉実行モードと同一となっている。したがって、両開閉実行モードには、可変入賞装置32の動作が見た目上同様となる共通区間(低識別区間又は識別不可区間)が存在することとなり、当該共通区間では可変入賞装置32の動作からはいずれの遊技結果が契機となったかを遊技者が把握することができない。
また、ジャンプアップ大当たり結果となる遊技回において図柄表示装置41には共通の図柄の組み合わせが停止表示されるとともに、開閉実行モードの開始タイミングから1R目のラウンド遊技が終了するまで又は2R目のラウンド遊技が開始されるまでの演出が上記演出Cで共通している。したがって、当該開閉実行モードが実行された場合には、少なくとも途中のタイミングまでは、図柄表示装置41の表示内容を含めた演出を確認したとしても、いずれの遊技結果が契機となっているかを把握することができない。よって、当該開閉実行モードが実行された場合、遊技者はいずれの遊技結果が契機となったのかを予測しながら遊技を行うことができる。
一方、ジャンプアップ大当たり結果となった場合には、1R目のラウンド遊技で共通区間が終了し、2R目以降は長時間態様による大入賞口32aの開閉が行われる。したがって、当該態様を確認した遊技者は、移行の契機となった遊技結果がジャンプアップ大当たり結果であることを認識することができる。かかる事情に対応させて、ジャンプアップ大当たり結果となった場合には、2R目のラウンド遊技以降、ジャンプアップ大当たり結果に対応した演出Dが実行される。これにより、ジャンプアップ大当たり結果となった場合には、開閉実行モードの途中まではいずれの遊技結果が契機となったのかを遊技者に予測させながら、途中からはジャンプアップ大当たり結果であることを教示することが可能となる。
上記各遊技結果のうち各大当たり結果への振分の態様は、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とで相違している。具体的には、図52(a)に示すように、第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜34」が低確大当たり結果に対応しており、「35〜69」が最有利大当たり結果に対応しており、「70〜72」がジャンプアップ大当たり結果に対応しており、「73〜84」が明示高確大当たり結果に対応しており、「85〜99」が非明示高確大当たり結果に対応している。
一方、図52(b)に示すように、第2結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜34」が低確大当たり結果に対応しており、「35〜94」が最有利大当たり結果に対応しており、「95〜97」がジャンプアップ大当たり結果に対応しており、「98」が明示高確大当たり結果に対応しており、「99」が非明示高確大当たり結果に対応している。
上記のように第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、高確率モードへの移行の契機となる遊技結果が選択される確率は同一となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり結果となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり結果となった場合とで同一となっている。
但し、下作動口34への入賞に基づいて高確率モードへの移行の契機となる大当たり結果が発生する場合、長時間態様による大入賞口32aの開放が発生する開閉実行モードへ63/65の確率で移行するのに対して、上作動口33への入賞に基づいて高確率モードへの移行の契機となる大当たり結果が発生する場合、長時間態様による大入賞口32aの開放が発生する開閉実行モードへ38/65の確率で移行する。つまり、下作動口34への入賞に基づいて大当たり結果となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり結果となった場合よりも遊技者にとって有利となる。これにより、遊技者は上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
なお、下作動口34に入賞することの有利性を高めるための構成は、上記構成に限定されることはなく、例えば第2結果表示部用の振分テーブルでは低確大当たり結果と最有利大当たり結果とのみが設定されており、第1結果表示部用の振分テーブルでは上記各大当たり結果が設定されている構成してもよい。つまり、設定されている大当たり結果の選択率を相違させる構成に代えて又は加えて、設定されている大当たり結果の種類を相違させることで有利性に差異を設けるようにしてもよい。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板201のMPU202にて実行される本実施の形態における処理構成について説明する。
<タイマ割込み処理>
本実施の形態におけるタイマ割込み処理は、上記第8の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図39)と同様の処理構成となっており、2msecといった比較的短い周期により定期的に起動されるとともに、ステップS2701〜ステップS2710の処理を実行する。但し、ステップS2708における作動口用の入賞処理の処理構成が上記第8の実施の形態と異なっている。以下、図54のフローチャートを参照しながら、本実施の形態における作動口用の入賞処理を説明する。
先ずステップS3701では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS3702〜ステップS3705の処理を実行することなくステップS3706に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS3702に進む。
ステップS3702では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS3703では、第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。なお、当該処理を実行した場合に3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドを出力対象として設定する。
その後、ステップS3704にて情報取得処理を実行するとともに、ステップS3705にて取得時の設定処理を実行する。
ステップS3701にて否定判定をした場合又はステップS3705の処理を実行した後は、ステップS3706にて、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS3707にて、下作動口入賞フラグを消去するとともに、ステップS3708にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。なお、当該処理を実行した場合に4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドを出力対象として設定する。
その後、ステップS3704にて情報取得処理を実行するとともに、ステップS3705にて取得時の設定処理を実行する。この場合、ステップS3705の処理後におけるステップS3706の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
ステップS3704における情報取得処理及びステップS3705における取得時の設定処理のうち取得時の設定処理については後に説明することとし、ステップS3704の情報取得処理について、図55のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
先ずステップS3801では、上述したステップS3703又はステップS3708にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS3802にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1加算するとともに、ステップS3803にて総保留数CRNを1加算する。
その後、ステップS3804の処理を実行した後に、本情報取得処理を終了する。ステップS3804では、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値(各数値情報)を、対応する結果表示部用保留エリアRa,Rbにおける空きエリアRa1〜Ra4,Rb1〜Rb4のうち最初のエリア、すなわち上記ステップS3802にて1加算した保留記憶数と対応するエリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空きエリアRa1〜Ra4のうち最初のエリア、すなわち上記ステップS3802にて1加算した第1始動保留記憶数RaNと対応するエリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空きエリアRb1〜Rb4のうち最初のエリア、すなわち上記ステップS3802にて1加算した第2始動保留記憶数RbNと対応するエリアに格納する。
<通常処理>
図56は、本実施の形態における通常処理を示すフローチャートである。
通常処理は上記第1の実施の形態と同様に、電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS3901〜ステップS3906の処理が4msec周期で行われる一連の処理として実行され、その残余時間用の処理としてステップS3907〜ステップS3917の処理が実行される。
通常処理において、先ずステップS3901では、外部出力処理を実行する。具体的には、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。続くステップS3902では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。その後、ステップS3903にて遊技回制御処理を実行する。
遊技回制御処理では、図57のフローチャートに示すように、先ずステップS4001にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS4002以降の処理を実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS4002にて、メイン表示部305が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。
メイン表示部305が変動表示中でない場合には、ステップS4003にて、総保留数CRNが「0」か否かを判定する。総保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。総保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS4004にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、図58のフローチャートに示すように、先ずステップS4101にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS4102〜ステップS4107の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS4108〜ステップS4113の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、総保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。換言すれば、上作動口33への入賞に基づく保留情報が先に取得されている状況であっても、下作動口34への入賞に基づく保留情報が取得された場合には、先に取得されていた上作動口33に係る保留情報よりも後に取得された下作動口34に係る保留情報が優先して消化される。
既に説明したとおり、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定処理の対象となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定処理の対象となった場合よりも、大当たり当選となった場合に選択される大当たり結果の種類が遊技者にとって有利なものとなり易い。また、電動役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードである場合には上作動口33への入賞よりも下作動口34への入賞の方が発生し易くなる。このような構成において当否判定処理に際して、上作動口33に係る保留情報よりも下作動口34に係る保留情報が優先して消化されるようにすることで、高頻度サポートモードにおいて遊技者が利益を得やすくなる。
また、上作動口33に係る保留情報が当否判定処理の対象となって欲しくないと考える遊技者は、遊技球の発射を継続させて下作動口34に係る保留情報が当否判定処理の対象となる状態を維持させようとするものと考えられる。この場合、パチンコ機10の稼働率が向上することが期待される。
データ設定処理の説明に戻り、第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS4102にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算する。続くステップS4103では総保留数CRNを1減算する。その後、ステップS4104では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアRa1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS4105にて第1結果表示部用保留エリアRaに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアRa1〜Ra4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRa1のデータをクリアすると共に、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS4106では、RAM204に第2結果表示部フラグが記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS4107では、第1結果表示部用保留エリアRaのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である上側シフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS4107にて設定された上側シフト時コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した上側シフト時コマンドに基づいて、第1結果用の保留ランプ部306における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS4108にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2保留記憶数RbNを1減算する。続くステップS4109では総保留数CRNを1減算する。その後、ステップS4110では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアRb1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS4111にて第2結果表示部用保留エリアRbに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアRb1〜Rb4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRb1のデータをクリアすると共に、第2エリアRb2→第1エリアRb1、第3エリアRb3→第2エリアRb2、第4エリアRb4→第3エリアRb3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS4112では、RAM204に第2結果表示部フラグが記憶されていない場合は第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合はその状態を維持する。
続くステップS4113では、第2結果表示部用保留エリアRbのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である下側シフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS4113にて設定された下側シフト時コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した下側シフト時コマンドに基づいて、第2結果用の保留ランプ部307における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
遊技回制御処理(図57)の説明に戻り、ステップS4004にてデータ設定処理を実行した後は、ステップS4005にて変動開始処理を実行する。本実施の形態における変動開始処理では、上記第1の実施の形態における変動開始処理(図15)と同様に先ず当否判定処理(図16)を実行する。この場合、本実施の形態では図51にて説明した当否テーブルを参照するとともに、上作動口33に係る保留情報が対象となっている場合には大当たり当選か否かの判定に加えて、特別外れ結果であるか否かの判定を行う。
また、ステップS703の種別判定処理では、対象となっている保留情報が上作動口33に係るものである場合には第1結果表示部用の振分テーブルを参照するとともに、下作動口34に係るものである場合には第2結果表示部用の振分テーブルを参照する。そして、当否判定処理及び種別判定処理の結果で導出された遊技結果に対応した停止結果設定処理を実行する。かかる停止結果設定処理は、今回の遊技回においてメイン表示部305に最終的に設定される絵柄の態様を設定するための処理であり、低確大当たり結果、最有利大当たり結果、ジャンプアップ大当たり結果、明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果、特別外れ結果及び通常外れ結果のそれぞれに対応させて絵柄の態様が相違している。この場合、メイン表示部305は図柄表示装置41に比べて表示領域が小さいため、遊技者にとって認識しづらいものとなっているとともに、絵柄の態様も遊技者にとって識別しづらいものとなっている。
また、ステップS708では、各遊技結果に応じた変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間を決定し、ステップS709では、今回の遊技回が上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報のうちいずれを対象としているのかをサブ側の制御装置において認識可能な情報を含む変動用コマンドを出力対象として設定する。また、ステップS710では、メイン表示部305の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の当否判定の対象となった保留情報に対応した側において変動表示を開始させる。
ステップS4005にて、変動開始処理を実行した後は、ステップS4006〜ステップS4014の処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。これらステップS4006〜ステップS4014の処理については後に説明する。
一方、メイン表示部305が変動表示中である場合には、ステップS4015に進む。ステップS4015では、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップS4016にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS4017にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、前回の変動開始処理にて設定した絵柄の態様が今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。続くステップS4018では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
通常処理(図56)の説明に戻り、ステップS3903にて遊技回制御処理を実行した後は、ステップS3904にて遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、図55を参照しながら説明したような各遊技結果に応じた態様で開閉実行モードが実行されるように大入賞口開閉処理を実行するとともに、当該開閉実行モードの実行後は図55を参照しながら説明したような各遊技結果に応じた態様で当否抽選モード及びサポートモードの設定が行われるように開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
その後、ステップS3905にて電役サポート用処理を実行し、ステップS3906にて遊技球発射制御処理を実行する。これら処理は上記第1の実施の形態と同様である。ステップS3906の処理を実行した後は、ステップS3907にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の開始タイミングに至っていない場合にはステップS3908〜ステップS3917の残余処理を実行する。
残余処理では、先ずステップS3908にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS3909では、上作動口33に係る保留情報について保留予告を実行するために必要なコマンドの出力設定を行う上側保留コマンドの設定処理を実行する。なお、上側保留コマンドの設定処理の処理内容については後に説明する。そして、ステップS3910にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS3911にて再度、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS3912では、下作動口34に係る保留情報について保留予告を実行するために必要なコマンドの出力設定を行う下側保留コマンドの設定処理を実行する。なお、下側保留コマンドの設定処理の処理内容については後に説明する。そして、ステップS3913にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS3914にて再度、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS3915にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともにステップS3916にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そしてステップS3917にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS3907に戻り、ステップS3907にて肯定判定をするまで、ステップS3908〜ステップS3917の処理を繰り返す。
つまり、残余処理では、遊技の進行に係る処理及び遊技を進行させる上で必要なデータ設定に係る処理を含めた複数種の処理が設定されているとともに、それら複数種の処理のうち一部の処理を挟んで割込み禁止及び割込み許可の処理が設定されているとともに、他の一部の処理を挟んで割込み禁止及び割込み許可の処理が設定されている。すなわち、割込み禁止の処理から割込み許可の処理までを1単位の処理とした場合に、残余処理には1単位の処理が複数含まれている。
また、複数の1単位の処理において、所定の1単位の処理と他の1単位の処理とで制御対象の数が相違している。つまり、ステップS3907にて否定判定をしてから相対的に早いタイミングで実行される1単位の処理では、上側保留コマンドの設定という1種類の制御対象のみが含まれているとともに、その次に早いタイミングで実行される1単位の処理では、下側保留コマンドの設定という1種類の制御対象のみが含まれているのに対して、最も後のタイミングで実行される1単位の処理では、乱数初期値カウンタCINIの更新及び変動種別カウンタCSの更新という2種類の制御対象が含まれている。但し、各1単位の処理に要する最長の処理時間は先側及び中間の1単位の処理の方が後側の1単位の処理よりも長くなっている。
なお、各1単位の処理における最長の処理時間が相違している構成に限定されることはなく、各1単位の処理における最長の処理時間が同一となるように、各1単位の処理の処理配分が行われていてもよい。この場合、割込みが許可される周期が同一、略同一又は同様となるようにすることができる。また、ステップS3907において4msecが経過したか否かを判定する構成は必須のものではなく、例えば、タイマ割込み処理が所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。
<取得時の設定処理>
次に、作動口用の入賞処理(図54)におけるステップS3705にて実行される取得時の設定処理について、図59のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS4201では、現状設定されている始動保留記憶数Nが第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNのうちいずれであるかを判定することで、今回取得した保留情報が上作動口33及び下作動口34のうちいずれへの入賞に係るものであるかを判定する。今回取得した保留情報が上作動口33への入賞に係るものである場合には、ステップS4201にて肯定判定をし、ステップS4202〜ステップS4207の処理を実行する。
ステップS4202では、第1始動保留記憶数RaNから上側保留数を把握する処理を実行する。続くステップS4203では、ステップS4202にて把握した保留数の情報及び上作動口33に係る保留情報が増加したことを示す情報を含む上側取得時コマンドをROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
上側取得時コマンドは、上作動口33への入賞に基づき保留情報が新たに取得されたことを示すとともに、その保留情報が第1結果表示部用保留エリアRaにおいて現状の何個目の保留情報に係るものであるかを示すコマンドである。ここで設定された上側取得時コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる上側取得時コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定し、第1結果用の保留ランプ部306の発光制御を行う。また、音声ランプ制御装置82では、上側取得時コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該上側取得時コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
続くステップS4204では、RAM204に上側処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。上側処理待ちフラグとは、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得が既に発生している場合においてその保留情報について保留予告用の確認処理を実行すべき状態の待機状態であるか否かをMPU202にて特定するための情報である。上側処理待ちフラグが格納されている場合には、そのまま本設定処理を終了し、上側処理待ちフラグが格納されていない場合には、ステップS4205に進む。
ステップS4205では、RAM204に上側処理待ちフラグを格納する。その後、ステップS4206にて、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、RAM204に設けられた上側保留判定用エリアに格納する。ちなみに、ステップS3704の処理とステップS4206の処理との間に上記各カウンタC1〜C3,CSを更新する処理が存在しないため、ステップS4206にて格納される各数値情報は、直前のステップS3704にて第1結果表示部用保留エリアRaに格納された各数値情報と同一である。
なお、直前の保留情報の取得処理にて取得された各数値情報と同一の数値情報を保留判定用エリアに格納するための処理は、上記処理に限定されることはなく、例えば直前のステップS3704にて第1結果表示部用保留エリアRaに格納した各数値情報を当該エリアRaから読み出して上側保留判定用エリアに書き込む構成としてもよい。また、上側保留判定用エリアに各数値情報を書き込む処理の代わりに、今回の保留情報が第1結果表示部用保留エリアRaのいずれのエリアRa1〜Ra4に格納されたかをMPU202にて認識可能とし、当該保留情報について後述する保留コマンドの設定処理にて参照する場合には第1結果表示部用保留エリアRaから情報を読み出す構成としてもよい。
続くステップS4207では、上側保留数カウンタの更新処理を実行する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた上側保留数カウンタエリアに対して、ステップS4202にて把握した上側保留数を、上側保留数カウンタエリアに上書きする。例えば、ステップS4202にて上側保留数が「1」であると把握した場合には、ステップS4207にて上側保留数カウンタエリアの情報は「1」となり、ステップS4202にて上側保留数が「4」であると把握した場合には、ステップS4207にて上側保留数カウンタエリアの情報は「4」となる。上側保留数カウンタエリアとは、後述する上側保留コマンドの設定処理において、保留予告用の確認処理を実行する場合に、その確認処理の実行対象となっている保留情報が第1結果表示部用保留エリアRaのいずれの保留情報に対応しているのかをMPU202にて把握するために利用される。ステップS4207の処理を実行した後に本設定処理を終了する。
ここで、上作動口33に係る一の保留情報が上側保留予告用の確認処理の対象として設定された場合には上側処理待ちフラグをRAM204に格納するとともに、上側処理待ちフラグが格納されている状況ではステップS4204にて否定判定をする構成としたことで、上作動口33に係る一の保留情報が保留予告用の確認処理の対象として設定されている状況で新たに上作動口33に係る保留情報が取得された場合にはその保留情報は保留予告用の確認処理の対象から除外される。これにより、上作動口33に係る保留情報の全てを保留予告用の確認処理の対象とする場合に比べて、MPU202の処理負荷の軽減を図りながら、保留予告に係る処理を実行することが可能となる。
また、新たに取得された上作動口33に係る保留情報が保留予告用の確認処理の対象から除外される状況は、上側保留予告用の確認処理の対象となる保留情報が取得されてから後述する上側保留コマンドの設定処理が実行されるまでに、タイマ割込み処理が新たに起動されてそのタイマ割込み処理にて新たに上作動口33に係る保留情報が取得された場合に発生する。但し、上側保留予告用の確認処理の対象から除外されるとしても、その保留情報についてサブ側の制御装置に対して上側取得時コマンドの出力は行われるため、上作動口33に係る保留情報の数の認識についてサブ側の制御装置との間で相違してしまうことはない。
今回取得した保留情報が下作動口34への入賞に係るものである場合にはステップS4201にて否定判定をし、ステップS4208〜ステップS4213の処理を実行する。
ステップS4208では、第2始動保留記憶数RbNから下側保留数を把握する処理を実行する。続くステップS4209では、ステップS4208にて把握した保留数の情報及び下作動口34に係る保留情報が増加したことを示す情報を含む下側取得時コマンドをROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
下側取得時コマンドは、下作動口34への入賞に基づき保留情報が新たに取得されたことを示すとともに、その保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbにおいて現状の何個目の保留情報に係るものであるかを示すコマンドである。ここで設定された下側取得時コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる下側取得時コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定し、第2結果用の保留ランプ部307の発光制御を行う。また、音声ランプ制御装置82では、下側取得時コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該下側取得時コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
続くステップS4210では、RAM204に下側処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。下側処理待ちフラグとは、下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得が既に発生している場合においてその保留情報について保留予告用の確認処理を実行すべき状態の待機状態であるか否かをMPU202にて特定するための情報である。下側処理待ちフラグが格納されている場合には、そのまま本設定処理を終了し、下側処理待ちフラグが格納されていない場合には、ステップS4211に進む。
ステップS4211では、RAM204に下側処理待ちフラグを格納する。その後、ステップS4212にて、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、RAM204に設けられた下側保留判定用エリアに格納する。ちなみに、ステップS3704の処理とステップS4212の処理との間に上記各カウンタC1〜C3,CSを更新する処理が存在しないため、ステップS4212にて格納される各数値情報は、直前のステップS3704にて第1結果表示部用保留エリアRaに格納された各数値情報と同一である。
なお、直前の保留情報の取得処理にて取得された各数値情報と同一の数値情報を保留判定用エリアに格納するための処理は、上記処理に限定されることはなく、例えば直前のステップS3704にて第2結果表示部用保留エリアRbに格納した各数値情報を当該エリアRbから読み出して下側保留判定用エリアに書き込む構成としてもよい。また、下側保留判定用エリアに各数値情報を書き込む処理の代わりに、今回の保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbのいずれのエリアRb1〜Rb4に格納されたかをMPU202にて認識可能とし、当該保留情報について後述する保留コマンドの設定処理にて参照する場合には第2結果表示部用保留エリアRbから情報を読み出す構成としてもよい。
続くステップS4213では、下側保留数カウンタの更新処理を実行する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた下側保留数カウンタエリアに対して、ステップS4208にて把握した下側保留数を、下側保留数カウンタエリアに上書きする。例えば、ステップS4208にて下側保留数が「1」であると把握した場合には、ステップS4213にて下側保留数カウンタエリアの情報は「1」となり、ステップS4208にて下側保留数が「4」であると把握した場合には、ステップS4213にて下側保留数カウンタエリアの情報は「4」となる。下側保留数カウンタエリアとは、後述する下側保留コマンドの設定処理において、保留予告用の確認処理を実行する場合に、その確認処理の実行対象となっている保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbのいずれの保留情報に対応しているのかをMPU202にて把握するために利用される。ステップS4213の処理を実行した後に本設定処理を終了する。
ここで、下作動口34に係る一の保留情報が下側保留予告用の確認処理の対象として設定された場合には下側処理待ちフラグをRAM204に格納するとともに、下側処理待ちフラグが格納されている状況ではステップS4210にて否定判定をする構成としたことで、下作動口34に係る一の保留情報が保留予告用の確認処理の対象として設定されている状況で新たに下作動口34に係る保留情報が取得された場合にはその保留情報は保留予告用の確認処理の対象から除外される。これにより、下作動口34に係る保留情報の全てを保留予告用の確認処理の対象とする場合に比べて、MPU202の処理負荷の軽減を図りながら、保留予告に係る処理を実行することが可能となる。
また、新たに取得された下作動口34に係る保留情報が保留予告用の確認処理の対象から除外される状況は、下側保留予告用の確認処理の対象となる保留情報が取得されてから後述する下側保留コマンドの設定処理が実行されるまでに、タイマ割込み処理が新たに起動されてそのタイマ割込み処理にて新たに下作動口34に係る保留情報が取得された場合に発生する。但し、下側保留予告用の確認処理の対象から除外されるとしても、その保留情報についてサブ側の制御装置に対して下側取得時コマンドの出力は行われるため、下作動口34に係る保留情報の数の認識についてサブ側の制御装置との間で相違してしまうことはない。
<上側保留数カウンタ及び下側保留数カウンタの更新に係る処理>
次に、上側保留数カウンタエリア及び下側保留数カウンタエリアの情報を変動開始処理の新たな実行に応じて更新する処理について説明する。かかる更新処理は、遊技回制御処理(図57)において変動開始処理を実行した後のタイミングであるステップS4006〜ステップS4014にて実行される。
先ずステップS4006では、今回新たに変動が開始された対象がメイン表示部305の第1結果表示部ASであるか否かを判定する。つまり、上作動口33に係る保留情報が遊技回を開始させるために消化されたか否かを判定する。
ステップS4006にて肯定判定をした場合には、ステップS4007にて、上側保留数カウンタエリアの更新処理として、RAM204に設けられた上側保留数カウンタエリアの数値情報が「1」以上であることを条件に、当該上側保留数カウンタエリアの数値情報を1減算する処理を実行する。これにより、上作動口33に係る所定の保留情報が上側保留予告用の確認処理の対象となった後であって当該上側保留予告用の確認処理が実行される前に新たな変動開始が発生したとしても、上側保留予告用の確認処理に際して、消化順序がいずれの保留情報について当該確認処理を実行しているのかをMPU202にて把握することが可能となる。
続くステップS4008では、更新後の上側保留数カウンタエリアの情報が「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了し、「0」である場合にはステップS4009に進む。ステップS4009では、RAM204に格納されている上側処理待ちフラグを消去し、続くステップS4010にてRAM204の上側保留判定用エリアの初期化を行い、本遊技回制御処理を終了する。
上記のようにステップS4008〜ステップS4010の処理が実行されることにより、変動開始用として既に消化された保留情報に対して上側保留予告用の確認処理が実行されてしまうことが防止できる。かかる処理が実行される状況は、例えば上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報がいずれも0個の状況であって遊技回及び開閉実行モードのいずれも実行されていない状況で上作動口33に係る保留情報の新たな取得が行われ、さらに当該保留情報について後述する上側保留コマンドの設定処理が実行されるよりも前に遊技回制御処理が実行された場合に発生する。
なお、本構成に限定されることはなく、変動開始用として既に消化された保留情報に対しても上側保留予告用の確認処理が実行される構成としてもよい。この場合、上作動口33に係る所定の保留情報について遊技回用の演出が実行されている状況で、その所定の保留情報について上側保留予告用の確認処理が実行されるため、当該遊技回用の演出中にその確認処理の結果に対応した演出を行うことが可能となる。
一方、ステップS4006にて否定判定をした場合には、ステップS4011にて、下側保留数カウンタエリアの更新処理として、RAM204に設けられた下側保留数カウンタエリアの数値情報が「1」以上であることを条件に、当該下側保留数カウンタエリアの数値情報を1減算する処理を実行する。これにより、下作動口34に係る所定の保留情報が下側保留予告用の確認処理の対象となった後であって当該下側保留予告用の確認処理が実行される前に新たな変動開始が発生したとしても、下側保留予告用の確認処理に際して、消化順序がいずれの保留情報について当該確認処理を実行しているのかをMPU202にて把握することが可能となる。
続くステップS4012では、更新後の下側保留数カウンタエリアの情報が「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了し、「0」である場合にはステップS4013に進む。ステップS4013では、RAM204に格納されている下側処理待ちフラグを消去し、続くステップS4014にてRAM204の下側保留判定用エリアの初期化を行い、本遊技回制御処理を終了する。
上記のようにステップS4012〜ステップS4014の処理が実行されることにより、変動開始用として既に消化された保留情報に対して下側保留予告用の確認処理が実行されてしまうことが防止できる。かかる処理が実行される状況は、例えば下作動口34に係る保留情報が0個の状況であって遊技回及び開閉実行モードのいずれも実行されていない状況で下作動口34に係る保留情報の新たな取得が行われ、さらに当該保留情報について後述する下側保留コマンドの設定処理が実行されるよりも前に遊技回制御処理が実行された場合に発生する。
なお、本構成に限定されることはなく、変動開始用として既に消化された保留情報に対しても下側保留予告用の確認処理が実行される構成としてもよい。この場合、下作動口34に係る所定の保留情報について遊技回用の演出が実行されている状況で、その所定の保留情報について下側保留予告用の確認処理が実行されるため、当該遊技回用の演出中にその確認処理の結果に対応した演出を行うことが可能となる。
<上側保留コマンドの設定処理>
次に、通常処理(図56)のステップS3909にて実行される上側保留コマンドの設定処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。上側保留コマンドの設定処理では、ステップS4301〜ステップS4309及びステップS4313にて、上側保留予告用の確認処理を実行するとともに、ステップS4310〜ステップS4311にて、上側保留コマンドを出力対象として設定する処理を実行する。
当該上側保留コマンドの設定処理について詳細には、先ずステップS4301にて、RAM204に上側処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。上側処理待ちフラグが格納されていない場合には、上側保留予告用の確認処理を実行すべき保留情報が存在していないことを意味するため、そのまま本設定処理を終了する。
上側処理待ちフラグが格納されている場合には、ステップS4302にて上側処理待ちフラグを消去した後に、ステップS4303に進む。ステップS4303では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。また、続くステップS4304では、電動役物34aのサポートモードが高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。ステップS4303又はステップS4304にて肯定判定をした場合には、その後の上側保留予告用の確認処理及び上側保留コマンドを出力対象として設定する処理を行うことなく、ステップS4312に進み、上側保留判定用エリアの初期化を行った後に、本設定処理を終了する。
上記のように開閉実行モード中及び高頻度サポートモード中は上作動口33に係る保留情報についてステップS4305〜ステップS4311及びステップS4313の処理を実行しないようにすることで、開閉実行モード中及び高頻度サポートモード中の処理負荷を軽減することが可能となる。
ステップS4303及びステップS4304の両方において否定判定をした場合には、ステップS4305にて当否判定用の処理を実行する。当該当否判定用の処理では、図51(a−1)及び図51(b−1)に示した第1結果表示部用の当否テーブルを参照することで、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3203〜ステップS3212の処理を実行する。ちなみに当該当否判定用の処理では当否結果が大当たり結果であるか否かのみを判定するのではなく、当否結果が特別外れ結果であるか否かの判定も行う。この場合、処理負荷が増加するものの、保留予告の内容のバリエーションの多様化が図られる。続くステップS4306では、ステップS4305の処理結果が開閉実行モードの発生に対応した結果であるか否かを判定する。つまり、大当たり結果及び特別外れ結果のいずれかであるかを判定する。
開閉実行モードの発生に対応した結果ではない場合には、ステップS4307にて外れリーチ判定用の処理を実行する。当該外れリーチ判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3213及びステップS3215の処理を実行する。続くステップS4308では、ステップS4307の処理結果が外れリーチ発生に対応した結果であるか否かを判定する。
外れリーチ発生に対応していない場合には、ステップS4309〜ステップS4311の処理を実行することなく、ステップS4312に進み、上側保留判定用エリアの初期化を行った後に、本設定処理を終了する。外れリーチ発生に対応している場合には、ステップS4309にて変動種別判定用の処理を実行する。当該変動種別判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3216〜ステップS3218の処理を実行する。
続くステップS4310では、RAM204の上側保留数カウンタエリアに格納されている情報を読み出す。そして、ステップS4311にて、上側保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS4307にて記憶した外れリーチ情報と、ステップS4309にて記憶した変動種別の情報と、ステップS4310にて読み出した上側保留数の情報と、に対応した上側保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
上側保留コマンドは、サブ側の制御装置において上側保留予告を開始すべきか否かのトリガとして機能するとともに、上側保留予告を開始すると決定した場合においてその上側保留予告の内容をサブ側の制御装置にて認識するために利用されるコマンドである。ここで設定された上側保留コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、上側保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該上側保留コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
その後、ステップS4312にて、RAM204の上側保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
一方、ステップS4306にて開閉実行モードの発生に対応していると判定した場合には、ステップS4313に進む。ステップS4313では、種別判定用の処理を実行する。種別判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3222〜ステップS3224の処理を実行する。この場合にMPU202のレジスタに記憶される遊技結果の情報としては、低確大当たり結果、最有利大当たり結果、ジャンプアップ大当たり結果、明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果が含まれる。
続くステップS4309では、既に説明したとおり、変動種別判定用の処理を実行する。ここで、本実施の形態では、遊技回制御処理(図57)のステップS4005における変動開始処理にて参照される変動表示時間テーブルとして、低確大当たり結果に対応したものと、最有利大当たり結果に対応したものと、ジャンプアップ大当たり結果、明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果に対応したものと、外れリーチに対応したものと、完全外れに対応したものとが設定されている。ステップS4309では、ステップS4313にて把握した遊技結果に対応した変動表示時間テーブルを読み出すとともに、上側保留判定用エリアに記憶されている変動種別カウンタCSに係る数値情報をその読み出したテーブルに対して照合する。そして、その照合結果に対応した変動種別の情報をMPU202のレジスタに記憶する。
その後、ステップS4310にてRAM204の上側保留カウンタエリアに格納されている情報を読み出し、ステップS4311にて上側保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS4313にて記憶した遊技結果の種別の情報と、ステップS4309にて記憶した変動種別の情報と、ステップS4310にて読み出した上側保留数の情報と、に対応した上側保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。その後、ステップS4312にて、RAM204の上側保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
<下側保留コマンドの設定処理>
次に、通常処理(図56)のステップS3912にて実行される下側保留コマンドの設定処理について、図61のフローチャートを参照しながら説明する。下側保留コマンドの設定処理では、ステップS4401〜ステップS4408及びステップS4412にて、下側保留予告用の確認処理を実行するとともに、ステップS4409〜ステップS4410にて、下側保留コマンドの出力用の処理を実行する。
当該下側保留コマンドの設定処理について詳細には、先ずステップS4401にて、RAM204に下側処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。下側処理待ちフラグが格納されていない場合には、下側保留予告用の確認処理を実行すべき保留情報が存在していないことを意味するため、そのまま本設定処理を終了する。
下側処理待ちフラグが格納されている場合には、ステップS4402にて下側処理待ちフラグを消去した後に、ステップS4403に進む。ステップS4403では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS4403にて肯定判定をした場合には、その後の下側保留予告用の確認処理及び下側保留コマンドを出力対象として設定する処理を行うことなく、ステップS4411に進み、下側保留判定用エリアの初期化を行った後に、本設定処理を終了する。
上記のように開閉実行モード中は下作動口34に係る保留情報についてステップS4404〜ステップS4410及びステップS4412の処理を実行しないようにすることで、開閉実行モード中の処理負荷を軽減することが可能となる。
ステップS4403において否定判定をした場合には、ステップS4404にて当否判定用の処理を実行する。当該当否判定用の処理では、図51(a−2)及び図51(b−2)に示した第2結果表示部用の当否テーブルを参照することで、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3203〜ステップS3212の処理を実行する。ちなみに第2結果表示部用の当否テーブルには特別外れ結果が設定されていないため、上側保留コマンドの設定処理(図60)の場合と異なり、当該当否判定用の処理では当否結果が大当たり結果であるか否かの判定を行うが、当否結果が特別外れ結果であるか否かの判定は行わない。
続くステップS4405では、ステップS4404の処理結果が開閉実行モードの発生に対応した結果であるか否かを判定する。つまり、大当たり結果であるかを判定する。
開閉実行モードの発生に対応した結果ではない場合には、ステップS4406にて外れリーチ判定用の処理を実行する。当該外れリーチ判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3213及びステップS3215の処理を実行する。続くステップS4407では、ステップS4406の処理結果が外れリーチ発生に対応した結果であるか否かを判定する。
外れリーチ発生に対応していない場合には、ステップS4408〜ステップS4410の処理を実行することなく、ステップS4411に進み、下側保留判定用エリアの初期化を行った後に、本設定処理を終了する。外れリーチ発生に対応している場合には、ステップS4408にて変動種別判定用の処理を実行する。当該変動種別判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3216〜ステップS3218の処理を実行する。
続くステップS4409では、RAM204の下側保留数カウンタエリアに格納されている情報を読み出す。そして、ステップS4410にて、下側保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS4406にて記憶した外れリーチ情報と、ステップS4408にて記憶した変動種別の情報と、ステップS4409にて読み出した下側保留数の情報と、に対応した下側保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
下側保留コマンドは、サブ側の制御装置において下側保留予告を開始すべきか否かのトリガとして機能するとともに、下側保留予告を開始すると決定した場合においてその下側保留予告の内容をサブ側の制御装置にて認識するために利用されるコマンドである。ここで設定された下側保留コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、下側保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該下側保留コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
その後、ステップS4411にて、RAM204の下側保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
一方、ステップS4405にて開閉実行モードの発生に対応していると判定した場合には、ステップS4412に進む。ステップS4412では、種別判定用の処理を実行する。種別判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3222〜ステップS3224の処理を実行する。この場合にMPU202のレジスタに記憶される遊技結果の情報としては、低確大当たり結果、最有利大当たり結果、ジャンプアップ大当たり結果、明示高確大当たり結果及び非明示高確大当たり結果が含まれる。
続くステップS4408では、既に説明したとおり、変動種別判定用の処理を実行する。当該変動種別判定用の処理では、ステップS4412にて把握した大当たり結果の種別に対応した変動表示時間テーブルを読み出すとともに、下側保留判定用エリアに記憶されている変動種別カウンタCSに係る数値情報をその読み出したテーブルに対して照合する。そしてその照合結果に対応した変動種別の情報をMPU202のレジスタに記憶する。
その後、ステップS4409にてRAM204の下側保留カウンタエリアに格納されている情報を読み出し、ステップS4311にて下側保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS4412にて記憶した大当たり結果の種別の情報と、ステップS4408にて記憶した変動種別の情報と、ステップS4409にて読み出した下側保留数の情報と、に対応した下側保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。その後、ステップS4411にて、RAM204の下側保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
<表示制御装置212のMPU252にて実行される上側保留予告制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される上側保留予告制御処理を、図62のフローチャートを参照しながら説明する。上側保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうち一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
上側保留予告制御処理では、先ずステップS4501にて、音声ランプ制御装置82から上側取得時コマンドを受信しているか否かを判定する。上側取得時コマンドを受信している場合には、ステップS4502にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に記憶されている第1表示側保留記憶数SN1を1加算する。
ここで、本実施の形態では、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とが区別して主制御基板201のMPU202にて扱われ、さらに保留予告は上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とで区別して行われる。かかる区別した状態での保留予告を行うために、図柄表示装置41の表示画面Gには、保留表示領域として、上作動口33に係る保留情報に対応した第1保留表示領域Gaと、下作動口34に係る保留情報に対応した第2保留表示領域Gbとが設定される(図64参照)。第1保留表示領域Gaは上作動口33に係る保留情報の上限数に対応した数である4個の単位保留表示領域Ga1〜Ga4を有するように設定され、第2保留表示領域Gbは下作動口34に係る保留情報の上限数に対応した数である4個の単位保留表示領域Gb1〜Gb4を有するように設定される。また、このように第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbとが設定されていることに対応させて、ビデオRAM257の保留表示用エリア271には、単位保留表示領域Ga1〜Ga4に1対1で対応するように単位エリアを有する第1保留表示用エリアが設けられているとともに、単位保留表示領域Gb1〜Gb4に1対1で対応するように単位エリアを有する第2保留表示用エリアが設けられている。ステップS4502にて更新の対象となった第1表示側保留記憶数SN1は、ビデオRAM257の第1保留表示用エリアに対応している。
続くステップS4503では、上側保留表示用エリアの設定処理を実行する。当該設定処理では、上側保留表示用エリアのうち、ステップS4502にて加算した結果の第1表示側保留記憶数SN1に対応した単位エリアに対して外れ情報を設定するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。但し、このタイミングでは第1保留表示領域Gaへの反映が行われない点は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3303と同様である。
ステップS4501にて否定判定をした場合又はステップS4503の処理を実行した後は、ステップS4504にて、音声ランプ制御装置82から上側シフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。上側シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS4505にて、保留カウンタエリア263に記憶されている第1表示側保留記憶数SN1を1減算する。続くステップS4506では、上側シフト処理を実行する。当該上側シフト処理は、第1保留表示用エリアの第1単位エリア〜第4単位エリアに設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。但し、このタイミングでは第1保留表示領域Gaへの反映が行われない点は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3306と同様である。
ステップS4504にて否定判定をした場合又はステップS4506の処理を実行した後は、ステップS4507にて開閉実行モード中であるか否かを判定するとともに、ステップS4508にて高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
本実施の形態では、主制御基板201のMPU202は開閉実行モードに移行する場合にそれに対応した開始コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信するとともに、開閉実行モードが終了する場合にそれに対応した終了コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信する構成となっており、表示制御装置212ではそれらコマンドを音声ランプ制御装置82から受信することで開閉実行モード中であるか否かを判定できる構成となっている。
また、主制御基板201のMPU202は高頻度サポートモードに移行する場合にそれに対応した開始コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信するとともに、高頻度サポートモードが終了する場合にそれに対応した終了コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信する構成となっており、表示制御装置212ではそれらコマンドを音声ランプ制御装置82から受信することで高頻度サポートモード中であるか否かを判定できる構成となっている。
開閉実行モード中及び高頻度サポートモード中のいずれでもない場合には、ステップS4509にて上側出力設定処理を実行する。当該上側出力設定処理では、第1保留表示用エリアの第1単位エリア〜第4単位エリアに現状設定されている保留表示情報をフレームバッファに対して反映するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、現状の保留表示情報が表示画面Gの第1保留表示領域Gaにおいて反映される。
続くステップS4510では、音声ランプ制御装置82から上側保留コマンドを受信しているか否かを判定する。上側保留コマンドを受信していない場合には、そのまま本上側保留予告制御処理を終了する。上側保留コマンドを受信している場合には、ステップS4511に進む。
ステップS4511では、上側保留予告を実行するか否かの抽選を行うための報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理の内容は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3310と同様である。続くステップS4512では、ステップS4511の抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選ではない場合には、そのまま本上側保留予告制御処理を終了する。
報知発生当選である場合には、ステップS4513にて、上側保留コマンドの内容把握処理を実行する。具体的には、大当たり結果の有無の情報と、大当たり結果である場合に大当たり種別の情報と、特別外れ結果の有無の情報と、通常外れ結果である場合にリーチ発生の有無の情報と、変動種別の情報と、を今回受信した上側保留コマンドの内容から把握する。
続くステップS4514では、上側表示内容の選択処理を実行する。当該選択処理では、ステップS4513にて把握した内容に応じた保留予告用の情報を選択する。但し、当該選択処理では、ステップS4513にて把握した内容に対して一義的に保留予告用の情報の選択を行うのではなく、当該把握した内容に応じた選択対象の中から所定の選択率で選択を行う。例えば、開閉実行モード後に高確率モードとなる大当たり結果に対応している場合には「確変確定」、「大当たり」、「大当たり?」、「リーチ!」、「チャンス」といった保留予告用の情報の中から選択するのに対して、外れリーチに対応している場合には「大当たり?」、「リーチ!」、「チャンス」といった保留予告用の情報の中から選択する。
続くステップS4515では、上側保留数の把握処理を実行する。上側保留数の把握処理では、今回受信した上側保留コマンドが消化順序で何番目の保留情報に対応しているかを把握する。
続くステップS4516では、上側保留表示用エリアの修正処理を実行する。具体的には、第1保留表示用エリアにおいてステップS4515にて把握した順番に対応した単位エリアの情報を、外れ情報から、ステップS4514にて選択した保留予告用の情報に上書きする。
その後、ステップS4517にて上側出力設定処理を実行する。当該上側出力設定処理の処理内容は、ステップS4509と同様であり、かかる処理が実行されることで、今回受信した保留コマンドの内容に対応した上側保留予告が行われる。ステップS4517の処理を実行した後に、本保留予告制御処理を終了する。
一方、ステップS4507にて開閉実行モード中であると判定した場合又はステップS4508にて高頻度サポートモード中であると判定した場合には、ステップS4518にて、上側保留予告の解除処理を実行する。上側保留予告の解除処理では、第1保留表示用エリアの各単位エリアのうち、現状の第1表示側保留記憶数SN1分のエリアに設定されている情報を全て外れ情報に設定するとともに、フレームバッファに対して各単位エリアの情報が反映されないようにする。これにより、開閉実行モードを契機として保留予告を終了させることができるとともに、開閉実行モード中に保留予告が行われないようにすることができる。さらに、開閉実行モードが終了した後は、上側保留予告の再開を阻止しながら、上作動口33に係る保留情報の個数の報知は再開されるようにすることができる。ステップS4518の処理を実行した後は、本上側保留予告制御処理を終了する。
なお、ステップS4507〜ステップS4509及びステップS4518の処理をステップS4510〜ステップS4517の処理よりも後のタイミングで実行する、又は上側取得時コマンドを受信してから出力設定処理を実行するまで所定の期間待機する構成としてもよい。これにより、上側取得時コマンドを受信した直後に上側保留コマンドを受信する場合において、一の保留情報について外れ情報が表示された直後に保留予告用の内容に修正されることを抑制することができる。
<表示制御装置212のMPU252にて実行される下側保留予告制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される下側保留予告制御処理を、図63のフローチャートを参照しながら説明する。下側保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうち一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
下側保留予告制御処理では、先ずステップS4601にて、音声ランプ制御装置82から下側取得時コマンドを受信しているか否かを判定する。下側取得時コマンドを受信している場合には、ステップS4602にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に記憶されている第2表示側保留記憶数SN2を1加算する。当該第2表示側保留記憶数SN2は、ビデオRAM257の第2保留表示用エリアに対応している。
続くステップS4603では、下側保留表示用エリアの設定処理を実行する。当該設定処理では、下側保留表示用エリアのうち、ステップS4602にて加算した結果の第2表示側保留記憶数SN2に対応した単位エリアに対して外れ情報を設定するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。但し、このタイミングでは第2保留表示領域Gbへの反映が行われない点は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3303と同様である。
ステップS4601にて否定判定をした場合又はステップS4603の処理を実行した後は、ステップS4604にて、音声ランプ制御装置82から下側シフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。下側シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS4605にて、保留カウンタエリア263に記憶されている第2表示側保留記憶数SN2を1減算する。続くステップS4606では、下側シフト処理を実行する。当該下側シフト処理は、第2保留表示用エリアの第1単位エリア〜第4単位エリアに設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。但し、このタイミングでは第2保留表示領域Gbへの反映が行われない点は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3306と同様である。
ステップS4604にて否定判定をした場合又はステップS4606の処理を実行した後は、ステップS4607にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中ではない場合には、ステップS4608にて下側出力設定処理を実行する。当該下側出力設定処理では、第2保留表示用エリアの第1単位エリア〜第4単位エリアに現状設定されている保留表示情報をフレームバッファに対して反映するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、現状の保留表示情報が表示画面Gの第2保留表示領域Gbにおいて反映される。
続くステップS4609では、音声ランプ制御装置82から下側保留コマンドを受信しているか否かを判定する。下側保留コマンドを受信していない場合には、そのまま本下側保留予告制御処理を終了する。下側保留コマンドを受信している場合には、ステップS4610に進む。
ステップS4610では、下側保留予告を実行するか否かの抽選を行うための報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理の内容は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3310と同様である。続くステップS4611では、ステップS4610の抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選ではない場合には、そのまま本下側保留予告制御処理を終了する。
報知発生当選である場合には、ステップS4612にて、下側保留コマンドの内容把握処理を実行する。具体的には、大当たり結果の有無の情報と、大当たり結果である場合に大当たり種別の情報と、通常外れ結果である場合にリーチ発生の有無の情報と、変動種別の情報と、を今回受信した下側保留コマンドの内容から把握する。
続くステップS4613では、下側表示内容の選択処理を実行する。当該選択処理では、ステップS4612にて把握した内容に応じた保留予告用の情報を選択する。かかる選択処理の内容は、上側保留予告制御処理(図62)のステップS4514と同様である。
続くステップS4614では、下側保留数の把握処理を実行する。下側保留数の把握処理では、今回受信した下側保留コマンドが消化順序で何番目の保留情報に対応しているかを把握する。
続くステップS4615では、下側保留表示用エリアの修正処理を実行する。具体的には、第2保留表示用エリアにおいてステップS4614にて把握した順番に対応した単位エリアの情報を、外れ情報から、ステップS4613にて選択した保留予告用の情報に上書きする。
その後、ステップS4616にて下側出力設定処理を実行する。当該下側出力設定処理の処理内容は、ステップS4608と同様であり、かかる処理が実行されることで、今回受信した下側保留コマンドの内容に対応した下側保留予告が行われる。ステップS4616の処理を実行した後に、本下側保留予告制御処理を終了する。
一方、ステップS4607にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS4617にて、下側保留予告の解除処理を実行する。下側保留予告の解除処理では、第2保留表示用エリアの各単位エリアのうち、現状の第2表示側保留記憶数SN2分のエリアに設定されている情報を全て外れ情報に設定するとともに、フレームバッファに対して各単位エリアの情報が反映されないようにする。これにより、開閉実行モードを契機として保留予告を終了させることができる。さらに、開閉実行モードが終了した後は、下側保留予告の再開を阻止しながら、下作動口34に係る保留情報の個数の報知は再開されるようにすることができる。ステップS4617の処理を実行した後は、本下側保留予告制御処理を終了する。
なお、ステップS4607〜ステップS4608及びステップS4617の処理をステップS4609〜ステップS4616の処理よりも後のタイミングで実行する、又は下側取得時コマンドを受信してから出力設定処理を実行するまで所定の期間待機する構成としてもよい。これにより、下側取得時コマンドを受信した直後に下側保留コマンドを受信する場合において、一の保留情報について外れ情報が表示された直後に保留予告用の内容に修正されることを抑制することができる。
<保留予告の実行の様子>
次に、本実施の形態における保留予告の実行の様子について、図64を参照しながら説明する。
図64(a)は電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードである場合を示している。この場合、図柄表示装置41の表示画面Gには第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbとが表示されており、各表示領域Ga,Gbにおいて保留情報の個数が明示されている。また、第1保留表示領域Gaにおける第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2及び第4単位保留表示領域Ga4において、所定の保留予告の画像が表示されている。
かかる保留予告の画像を確認した遊技者は、上作動口33に係る保留情報が次に消化された場合にはリーチが発生することを認識し、その次の上作動口33に係る保留情報が消化された場合には例えばスーパーリーチの発生といった遊技者にとって大当たり発生の期待の持てる状態となることを認識し、4個目の上作動口33に係る保留情報が消化された場合には大当たり結果の発生が期待できるのではないかと認識する。
図64(b)は電動役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードである場合を示している。この場合、図64(a)の場合と同様に、図柄表示装置41の表示画面Gには第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbが表示されており、各表示領域Ga,Gbにおいて保留情報の個数が明示されている。
但し、高頻度サポートモードでは上作動口33に係る保留情報についての保留予告が阻止されるため、第1保留表示領域Gaでは保留予告が行われていない。一方、高頻度サポートモードであっても下作動口34に係る保留情報についての保留予告は阻止されないため、第2保留表示領域Gbにて保留予告が行われている。
当否抽選に際して優先される側である下作動口34への入賞が発生し易い状況において第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報についての保留予告が所定の頻度で行われる構成を想定すると、以下の問題1及び問題2の発生が懸念される。
(問題1)第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が行われたにも関わらず、当該保留情報が当否抽選の対象となるよりも前のタイミングで下作動口34への入賞が継続し、上記保留予告の実行の契機となった保留情報が当否抽選の対象となるタイミングが保留予告の実行タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、保留予告がどの保留情報を対象としてなされたものか分かりづらくなるおそれがあり、その一方、それを明確にする上では保留予告の態様に制約が生じ得る。さらには、下作動口34への入賞が所定回数に亘って継続した場合には、保留予告を一旦中止し、その後に下作動口34への入賞が所定期間に亘って発生しなかった場合には再開させる構成や、下作動口34への入賞が所定回数に亘って継続した場合には、保留予告の態様を変更する構成も考えられるが、この場合、下作動口34への入賞頻度などを監視し、それに応じて保留予告の態様を変更する必要が生じ、処理負荷の増大化が懸念される。
(問題2)高頻度サポートモードにおいて、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が最有利大当たり結果に対応している旨の保留予告が行われた場合、遊技者にとっては、発射ハンドル54の操作を停止して下作動口34への入賞が発生しないようにすることで、その最有利大当たり結果を即座に発生させた方が有利である。その一方、高頻度サポートモードであって高確率モードにおいて、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が低確大当たり結果に対応している旨の保留予告が行われた場合、遊技者にとっては、下作動口34への入賞が繰り返されて、上記保留予告の実行の契機となった保留情報が当否抽選の対象とならないようにしながら、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報により最有利大当たり結果を発生させる方が有利である。つまり、高頻度サポートモードにおいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報についての保留予告が所定の頻度で行われると、遊技者にとって有利な結果となるように発射ハンドル54の操作態様を変更することが可能となる。しかしながら、高頻度サポートモードにおける下作動口34への入賞の発生のし易さは、遊技領域における釘38の調整次第で変化させることができ、そうすると、遊技ホール毎に上記発射ハンドル54の操作態様を変更することの効果が異なるものとなり好ましくない。
これに対して、高頻度サポートモードである場合には、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されないようにしたことで、上記問題1及び問題2の発生を抑えつつ、保留予告を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、上記第8の実施の形態にて説明した効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。
下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が、上作動口33に対応した第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報よりも優先して当否判定が行われる。これにより、遊技の状況などに応じて上作動口33への入球を期待して発射操作を行ったり、下作動口34への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。また、上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報のいずれについても保留予告の対象となることで、保留予告の態様を多様化することが可能となる。
また、上作動口33に係る保留情報に対する保留予告用の確認処理や上側保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、上側保留予告に係る処理ともいう)と、下作動口34に係る保留情報に対する保留予告用の確認処理や下側保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、下側保留予告に係る処理ともいう)との両方を、非定期的に実行される所定の処理である残余処理(具体的には、ステップS3907〜ステップS3917)にて実行する。タイマ割込み処理にて上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理の全てを行う構成を想定した場合、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定され、そうすると上作動口33や下作動口34への入賞の有無を監視する処理や保留情報を取得するための処理を定期的に行えない状況が発生し、これらの処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上記のように上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理は残余処理にて実行されるため、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、タイマ割込み処理の良好な実行を担保しつつ、上側保留予告及び下側保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、定期的に実行される定期処理の一部を構成する通常処理のステップS3901〜ステップS3906にて保留予告用の確認処理や保留コマンドを出力対象として設定する処理を実行するのではなく、上記残余処理にてこれらの処理を実行する。通常処理のステップS3901〜ステップS3906において上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理の全てが実行される構成を想定すると、例えば高確率モードにおいてはステップS3906の処理が完了するまでに大当たりに対応した数値情報との照合を行う処理を30回行う必要が生じることがあり、ステップS3906の処理を完了したタイミングで既に4msecを大きく経過していることが起こり得る。これに対して、上記残余処理に上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理が設定されていることにより、ステップS3906の処理を完了したタイミングで既に4msecが経過している場合には上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理を実行することなくステップS3901の処理に復帰することができる。これにより、通常処理のステップS3901〜ステップS3906の定期的な実行を担保し易くなる。
上側保留予告に係る処理が開始される場合にタイマ割込み処理の実行が禁止されるとともに、その割込み禁止の設定は上側保留予告に係る処理が終了するまで継続される。また、下側保留予告に係る処理が開始される場合にタイマ割込み処理の実行が禁止されるとともに、その割込み禁止の設定は下側保留予告に係る処理が終了するまで継続される。これにより、これら上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理が、タイマ割込み処理の優先的な実行により完全に阻害されてしまうことを抑えることができるとともに、各処理を開始した場合にはその処理を良好に完了することができる。
また、上側保留予告に係る処理と、下側保留予告に係る処理とが残余処理にて実行される構成において、これら各処理のうち一方の処理が終了したタイミングで一旦、タイマ割込み処理の割込みが許可される。これにより、タイマ割込み処理の開始タイミングが極端に遅れてしまうことを抑制することができる。
また、上側保留予告に係る処理の実行後において下側保留予告に係る処理よりも前にタイマ割込み処理が実行された場合、当該タイマ割込み処理の実行後において上側保留予告に係る処理よりも早いタイミングで下側保留予告に係る処理を実行する。これにより、タイマ割込み処理の実行を原因として、上側保留予告に係る処理と下側保留予告に係る処理とで実行頻度が極端に相違してしまうことを抑制することができる。
本実施の形態では、上記第8の実施の形態と同様に、上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得される場合及び下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得される場合のいずれにおいてもタイマ割込み処理が3回実行される必要がある。また、タイマ割込み処理は、遊技回を開始させるための変動開始処理を含む通常処理に対して割り込んで起動され、通常処理の1回の処理回に対して2回実行される。そうすると、上作動口33や下作動口34に設けられた検知センサの検知領域を遊技球が通過する際の通過速度にもよるが、仮にタイマ割込み処理が2回実行される範囲で検知領域の通過が完了するとともに次の遊技球の検知がタイマ割込み処理が1回実行された後に開始され得るとした場合、所定の処理回における通常処理の範囲内で下作動口34に係る保留情報が取得された場合であっても、その次の処理回における通常処理の範囲内で下作動口34に係る保留情報が新たに取得されることがあり得る。これは上作動口33に係る保留情報についても同様である。そして、残余処理では、上側保留コマンドの設定処理(ステップS3909)の前後で割込み禁止及び割込み許可が実行されるとともに、下側保留コマンドの設定処理(ステップS3912)の前後で割込み禁止及び割込み許可が実行される。
上記のような構成の場合、例えば、高確率モードでの変動開始処理が実行される所定の処理回の通常処理の範囲内において上作動口33に係る保留情報の取得及び下作動口34に係る保留情報の取得が行われると、上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理のいずれもが実行されないまま所定の処理回の通常処理が終了して次の処理回の通常処理が開始されることがある。そして、当該次の処理回の通常処理の範囲内において、上側保留コマンドの設定処理が実行されて割込み許可(ステップS3910)が行われた後であって、下側保留コマンドの設定処理の直前における割込み禁止(ステップS3911)が実行されるまでの間に2回目のタイマ割込み処理が実行され、下側保留予告に係る処理の実行が完了していない下作動口34に係る保留情報が存在している状況下で下作動口34に係る保留情報が新たに取得されることが想定される。これに対して、取得時の設定処理(図59)では、ステップS4210の処理を実行し、下作動口34に係る保留情報が既に待機している状況では、新たに取得した下作動口34に係る保留情報を下側保留予告に係る処理の実行対象としない。これにより、例えば1回の下側保留予告に係る処理において複数の保留情報を扱う構成に比べ、下側保留予告に係る処理の実行に要する時間が長時間化してしまうことが抑制され、残余処理が長時間化してしまうことが抑制される。
なお、本実施の形態において、上記第10の実施の形態のように新たに取得された保留情報を保留予告に係る処理の実行対象とする構成としてもよい。つまり、上側保留予告に係る処理の実行待ちとなっている保留情報が存在している状況で、上作動口33に係る保留情報が新たに取得された場合、実行待ちとなっている保留情報は上側保留予告に係る処理の実行対象から除外するとともに新たに取得された保留情報を上側保留予告に係る処理の実行対象とする構成としてもよい。また、同様に、下側保留予告に係る処理の実行待ちとなっている保留情報が存在している状況で、下作動口34に係る保留情報が新たに取得された場合、実行待ちとなっている保留情報は下側保留予告に係る処理の実行対象から除外するとともに新たに取得された保留情報を下側保留予告に係る処理の実行対象とする構成としてもよい。
<第12の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81において遊技を進行させるための処理構成が上記第11の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における処理構成について説明する。
本実施の形態では、主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理の処理構成が、上記第9の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図47)と同様の処理構成となっている。但し、ステップS3508における作動口用の入賞処理、ステップS3510における遊技回制御処理及びステップS3511における遊技状態移行処理では、上記第11の実施の形態と同様の処理が実行される。
図65は、主制御装置81のMPU202にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理はパチンコ機10の電源が立ち上げられた場合に実行される処理である。
先ずステップS4701では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。続くステップS4702では、RAM204のアクセスを許可する。その後、ステップS4703では、電源及び発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS4704ではRAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS4705ではRAM判定値を算出し、続くステップS4706では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
RAM消去スイッチがオンされておらず、さらに電断フラグが格納されているとともにRAM判定値が正常である場合には、ステップS4707にてRAM204から電断フラグを消去するとともに、ステップS4708にてRAM判定値を消去する。その後、ステップS4711〜ステップS4720の残余処理に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS4709〜ステップS4710の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS4709〜ステップS4710の処理に移行する。
ステップS4709では、RAM204の使用領域を「0」にクリアし(初期化し)、ステップS4710では、RAM204の初期設定を実行する。その後、ステップS4711〜ステップS4720の残余処理に進む。
残余処理では、先ずステップS4711にて割込み禁止の設定を行い、続くステップS4712では上側保留コマンドの設定処理を実行する。上側保留コマンドの設定処理の処理内容は上記第11の実施の形態におけるステップS3909と同様である。そして、ステップS4713にて割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS4714にて再度、割込み禁止の設定を行い、続くステップS4715では下側保留コマンドの設定処理を実行する。下側保留コマンドの設定処理の処理内容は上記第11の実施の形態におけるステップS3912と同様である。そして、ステップS4716にて割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS4717にて再度、割込み禁止の設定を行い、続くステップS4718にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともにステップS4719にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS4720にて割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS4711に戻り、ステップS4711〜ステップS4720の処理を繰り返す。
以上のとおり、本実施の形態では、遊技回の開始に際して当否判定処理が実行される遊技回制御処理と、上作動口33に係る保留情報の取得を行う作動口用の入賞処理と、下作動口34に係る保留情報の取得を行う作動口用の入賞処理とが、通常処理及びタイマ割込み処理に分けて設定されているのではなく、タイマ割込み処理の一連の処理として設定されている。
この場合に、タイマ割込み処理にて、上作動口33に係る保留情報に対する保留予告用の確認処理や上側保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、上側保留予告に係る処理ともいう)と、下作動口34に係る保留情報に対する保留予告用の確認処理や下側保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、下側保留予告に係る処理ともいう)との全てを行う構成を想定した場合、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定される。特に、高確率モードにおいては低確率モードに比べて参照すべき数値情報の数が増加するため、1回のタイマ割込み処理の範囲内で遊技回の開始に係る当否判定処理と保留情報の取得に係る当否判定処理とが行われる構成を想定すると、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまう。そうすると上作動口33や下作動口34への入賞の有無を監視する処理、保留情報を取得するための処理、遊技回の開始に係る処理及び可変入賞装置32や電動役物34aを開閉制御する処理などを定期的に行えない状況が発生し、これらの処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理は一のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間にて実行される残余処理にて実行されるため、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、タイマ割込み処理の良好な実行を担保しつつ、上側保留予告及び下側保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
本実施の形態では、上記第8の実施の形態と同様に、上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得される場合及び下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得される場合のいずれにおいてもタイマ割込み処理が3回実行される必要がある。また、遊技回を開始させる場合にはタイマ割込み処理において変動開始処理が実行されることとなるが、タイマ割込み処理の実行周期は高確率モードにおいて変動開始処理が実行された場合であっても当該実行周期の範囲内でタイマ割込み処理を完了することができるように設定されている。これは上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理についても同様であり、つまりタイマ割込み処理の実行周期の範囲内で、高確率モードにおける変動開始処理、高確率モードにおける上側保留予告に係る処理、及び高確率モードにおける下側保留予告に係る処理のうち、少なくとも1つの処理の実行を完了することができるようになっている。また、遊技回が開始された場合には、当該遊技回の最短の変動表示時間との関係で、変動開始処理を実行したタイマ割込み処理の後の少なくとも2回のタイマ割込み処理の範囲内では新たな変動開始処理は実行されない。そうすると、上作動口33や下作動口34の検知センサの検知領域を遊技球が通過する際の通過速度にもよるが、仮にタイマ割込み処理が2回実行される範囲で検知領域の通過が完了するとともに次の遊技球の検知がタイマ割込み処理が1回実行された後に開始され得るとしても、上作動口33に係る複数の保留情報が上側保留予告に係る処理の実行待ち状態となることはなく、下作動口34に係る複数の保留情報が下側保留予告に係る処理の実行待ち状態となることはない。
つまり、タイマ割込み処理の1回の処理回において、高確率モードにおける変動開始処理が実行されるとともに、上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報のそれぞれが取得されて、それら両保留情報について保留予告に係る処理が実行されることなく次の処理回のタイマ割込み処理が開始されたとしても、当該次の処理回のタイマ割込み処理が終了した後の残余処理の範囲内で上記両保留情報のうち一方について保留予告に係る処理が実行されるとともに、さらにその次の処理回のタイマ割込み処理が終了した後の残余処理の範囲内で上記両保留情報のうち他方について保留予告に係る処理が実行される。そして、当該残余処理の後のタイマ割込み処理が実行されるまでは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても新たな保留情報の取得は行われない。以上のように、本構成であれば、当否判定処理や種別判定処理において同様に扱われる同一種類の保留情報(すなわち、上作動口33に係る保留情報は同一種類であり、当該保留情報と下作動口34に係る保留情報は種類が異なる)が、対応する保留予告に係る処理が実行されるまでに複数記憶されることはない。したがって、上記第11の実施の形態のような新たに取得した保留情報を処理待ちフラグを利用して保留予告に係る処理の実行対象から除外するための処理を実行する必要がない。よって、MPU202の処理負荷の軽減が図られる。
また、このように同一種類の保留情報が、対応する保留予告に係る処理が実行されるまでに複数記憶されることがない構成においては、保留コマンドに取得時コマンドの機能を兼用させたとしても問題が生じないため、取得時コマンドの送信が行われない構成としてもよい。
<第13の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81において遊技を進行させるための処理構成が上記第12の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における処理構成について説明する。
図66は、主制御装置81のMPU202にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理はパチンコ機10の電源が立ち上げられた場合に実行される処理である。
当該メイン処理では、ステップS4801〜ステップS4810にて、上記第12の実施の形態におけるメイン処理(図65)のステップS4701〜ステップS4710と同様の処理を実行する。
その後、ステップS4811にて上側保留コマンドの設定処理を実行するとともに、ステップS4812に下側保留コマンドの設定処理を実行する。ここで、上記第12の実施の形態では、上側保留コマンドの設定処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定とが行われるとともに、下側保留コマンドの設定処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定とが行われる構成としたが、本実施の形態では上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理が割込み許可の状態において実行される。したがって、上側保留コマンドの設定処理の途中でタイマ割込み処理が起動されることがあるとともに、下側保留コマンドの設定処理の途中でタイマ割込み処理が起動されることがある。
その後、ステップS4813にて割込み禁止の設定を行い、続くステップS4814にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともにステップS4815にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS4816にて割込み許可の設定を行う。その後、ステップS4811に戻り、ステップS4811〜ステップS4816の処理を繰り返す。
図67は、主制御装置81のMPU202にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
当該タイマ割込み処理では、先ずステップS4901にて、上側保留コマンドの設定処理又は下側保留コマンドの設定処理の処理途中で今回のタイマ割込み処理が起動されたか否かを判定する。ステップS4901にて肯定判定をした場合には、ステップS4902にて途中開始用の戻りアドレスを記憶する。当該途中開始用の戻りアドレスは、ステップS4813の処理アドレスが設定されている。続くステップS4903では、今回途中で終了した保留コマンドの設定処理に対応した側の処理待ちフラグを消去し、ステップS4904にて、今回途中で終了した保留コマンドの設定処理に対応した保留判定用エリアの初期化を実行する。
一方、ステップS4901にて否定判定をした場合には、ステップS4905にて現状の戻りアドレスを記憶する。当該戻りアドレスは、今回のタイマ割込み処理が起動される直前に実行されていた通常処理の処理アドレスである。
ステップS4904又はステップS4905の処理を実行した後は、ステップS4906にてMPU202の現状のレジスタに記憶されている情報をRAM204に退避する処理を実行する。続くステップS4907では、主要処理として、第9の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図47)のステップS3503〜ステップS3514に対応した処理を実行する。
その後、ステップS4908にて、RAM204に退避させたデータをMPU202のレジスタに復帰させるとともに、ステップS4909では、ステップS4902又はステップS4905にてMPU202のレジスタに記憶させた戻りアドレスを参照し、今回のタイマ割込み処理が終了した後に復帰することとなる通常処理のアドレスを把握する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
以上のとおり、本実施の形態では、上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理が割込み許可状態で実行されるため、上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理の途中でタイマ割込み処理の起動タイミングとなった場合には当該タイマ割込み処理の起動が優先される。上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理は保留予告という演出のために実行される処理であるのに対して、タイマ割込み処理にて実行される主要処理は当否抽選や開閉実行モード中の制御を行うための処理を含む。本実施の形態によれば、主要処理の定期的な実行を優先させつつ、保留予告を行うための処理を実行することができる。
また、上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理の途中でタイマ割込み処理が起動された場合には、その終了後にステップS4813の処理に復帰するように戻りアドレスを一義的に記憶する構成としたことにより、途中でタイマ割込み処理が起動された際の復帰に係る処理の簡素化が図られる。
また、上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理の途中でタイマ割込み処理が起動された場合には、その中止に係る設定処理に対応した処理待ちフラグの消去及び保留判定用エリアの初期化を行うようにしたことにより、保留コマンドの設定処理をやり直したり、再開させたりする必要がない。よって、処理負荷の軽減が図られる。
なお、当該第13の実施の形態のように割込み禁止の設定を行っていない状態で保留コマンドの設定処理を実行する構成を、上記第8〜第10の実施の形態に対して適用してもよい。
<第14の実施の形態>
本実施の形態では保留コマンドの設定を行うための構成が上記各実施の形態と異なっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、本実施の形態では、上記第8乃至第10の実施の形態のように、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに検知センサが設けられているとともに、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とが区別されない構成を前提とする。
図68(a)は本実施の形態における保留判定用エリア311を説明するためのブロック図である。
保留判定用エリア311は、主制御装置81のRAM204に設けられており、第1判定用エリア312a、第2判定用エリア312b、第3判定用エリア312c及び第4判定用エリア312dを備えている。第1〜第4判定用エリア312a〜312dには、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づき保留情報が保留球格納エリア232の保留用エリアREに格納された場合に、その保留情報に対応した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値が格納される。この場合、第1判定用エリア312aが保留用エリアREの第1保留エリアRE1に対応しており、第2判定用エリア312bが第2保留エリアRE2に対応しており、第3判定用エリア312cが第3保留エリアRE3に対応しており、第4判定用エリア312dが第4保留エリアRE4に対応している。したがって、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合には、第1判定用エリア312a→第2判定用エリア312b→第3判定用エリア312c→第4判定用エリア312dの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。
第1〜第4判定用エリア312a〜312dのそれぞれには、1対1で対応させて要確認フラグのエリア313a〜313dが設けられている。要確認フラグのエリア313a〜313dは、第1〜第4判定用エリア312a〜312dに格納されている値が保留予告用の確認処理の対象となったか否かをMPU202にて特定するために利用される。
図68(b)は本実施の形態における取得時の設定処理を示すフローチャートである。
先ずステップS5001では、保留数の把握処理を実行する。具体的には、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出す。続くステップS5002では、ステップS5001にて把握した保留数の情報を含む取得時コマンドを出力対象として設定する。これらの処理が実行されることによる作用及び効果は、上記第8の実施の形態におけるステップS3001及びステップS3002の処理が実行されることによるものと同様である。
続くステップS5003では、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、保留判定用エリア311の第1〜第4判定用エリア312a〜312dのうち、ステップS5001にて把握した保留数に対応したエリアに格納する。つまり、直前のステップS2905にて保留球格納エリア232に格納した保留情報と同様の数値情報を、その保留情報が格納された保留用エリアRE1〜RE4に対応する判定用エリア312a〜312dに格納する。
続くステップS5004では、上記ステップS5003にて格納先とした判定用エリア312a〜312dに対応する要確認フラグのエリア313a〜313dに、要確認フラグのセットとして「1」を格納する。これにより、当該フラグがセットされたエリアに対応する判定用エリア312a〜312dの情報に対して保留予告用の確認処理を実行する必要があることをMPU202において把握することが可能となる。ステップS5004の処理を実行した後に、本設定処理を終了する。
図69は本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、先ずステップS5101にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS5102以降の処理を実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS5102にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS5103〜ステップS5106の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS5103にて、始動保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS5104にてデータ設定処理を実行するとともに、ステップS5105にて変動開始処理を実行する。これらの処理は上記第8の実施の形態におけるステップS3104及びステップS3105と同様である。
続くステップS5106では、保留判定用エリア311のシフト処理を実行する。当該シフト処理では、保留判定用エリア311の第1〜第4判定用エリア312a〜312dに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理を実行する。具体的には、第1判定用エリア312a及びそれに対応した要確認フラグのエリア313aのデータをクリアするとともに、第2判定用エリア312b及びそれに対応した要確認フラグのエリア313b→第1判定用エリア312a及びそれに対応した要確認フラグのエリア313a、第3判定用エリア312c及びそれに対応した要確認フラグのエリア313c→第2判定用エリア312b及びそれに対応した要確認フラグのエリア313b、第4判定用エリア312d及びそれに対応した要確認フラグのエリア313d→第3判定用エリア312c及びそれに対応した要確認フラグのエリア313cといった具合に各エリア内のデータをシフトする。また、上記シフトを行った後は、第4判定用エリア312d及びそれに対応した要確認フラグのエリア313dをクリアする。その後、本遊技回制御処理を終了する。
上記のようにステップS5106の処理が実行されることにより、遊技回を新たに開始するために変動開始処理が実行されたとしても、保留判定用エリア311の第1〜第4判定用エリア312a〜312dの各データと保留球格納エリア232の第1〜第4保留エリアRE1〜RE4の各保留情報との対応関係を維持することが可能となる。
一方、ステップS5102にてメイン表示部43が変動表示中であると判定した場合には、ステップS5107にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップS5108にて変動表示用処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。変動表示時間が経過している場合には、ステップS5109にて、変動終了処理を実行するとともに、ステップS5110にて、変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。
図70は本実施の形態における保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。
先ずステップS5201では、保留判定用エリア311における要確認フラグのエリア313a〜313dのうち、要確認フラグがセットされているエリアが存在しているか否かを判定する。要確認フラグがセットされているエリアが存在していない場合には、保留予告用の確認処理を実行する必要がないため、そのまま本設定処理を終了する。
要確認フラグがセットされている場合には、ステップS5202にて、要確認フラグがセットされていることに対応した判定用エリア312a〜312dのうち、遊技回の開始対象として設定される順番が先である保留情報に対応した一の判定用エリア312a〜312dのデータを今回の確認対象に設定する。また、ステップS5203では、ステップS5202にて確認対象に設定した判定用エリア312a〜312dに対応した要確認フラグをクリアする。
その後、ステップS5204にて、ステップS5202において確認対象に設定した一の判定用エリア312a〜312dのデータについて、保留予告用の確認処理を実行する。当該確認処理の内容は、上記第8の実施の形態におけるステップS3203〜ステップS3218及びステップS3222〜ステップS3224と同様である。
続くステップS5205では、対応する保留数の把握処理を実行する。当該把握処理では、今回の確認処理の対象となったデータが格納されていた判定用エリア312a〜312dが消化順序において何番目に対応しているかを把握する。例えば、第1判定用エリア312aに格納されていたデータが確認処理の対象となっている場合には保留数は「1」であると特定する。続くステップS5206では、保留コマンドの選択処理を実行する。当該選択処理では、上記第8の実施の形態におけるステップS3220と同様の処理を実行する。これにより、サブ側の制御装置に保留コマンドが出力され、上記第8の実施の形態と同様に、保留コマンドに対応した保留予告が実行され得る。その後、本設定処理を終了する。
以上のとおり、本実施の形態によれば、保留コマンドの設定処理が実行される前に複数の保留情報が取得されたとしても、各保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行されるため、保留予告が実行される機会を高めることが可能となる。
また、保留コマンドの設定処理が実行される前に複数の保留情報が取得されていたとしても、1回の保留コマンドの設定処理において保留予告用の確認処理の対象となるのは1個の保留情報分であるため、保留コマンドの設定処理を完了するのに要する処理時間の長時間化を抑制できる。
なお、本実施の形態のような構成を、上記第8の実施の形態や上記第9の実施の形態だけでなく、上記第11の実施の形態に適用してもよい。
この場合、上記第11の実施の形態では上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とが、保留球格納エリア232において区別して記憶されるとともに、遊技回を開始する場合における当否判定処理や種別判定処理において区別して扱われることに対応させて、保留判定用エリア311として、第1結果表示部用保留エリアRa(上作動口33に対応)に対応した第1保留判定用エリアと、第2結果表示部用保留エリアRb(下作動口34に対応)に対応した第2保留判定用エリアと、を設ける。
また、第1保留判定用エリアには、第1結果表示部用保留エリアRaの第1〜第4エリアRa1〜Ra4に1対1で対応させて判定用エリア及び要確認フラグのエリアの組合せを設けるとともに、第2保留判定用エリアには、第2結果表示部用保留エリアRbの第1〜第4エリアRb1〜Rb4に1対1で対応させて判定用エリア及び要確認フラグのエリアの組合せを設ける。そして、取得時の設定処理(図68)及び保留判定用エリアのシフト処理(ステップS5106)を、第1保留判定用エリア及び第2保留判定用エリアのそれぞれに対応させて実行するとともに、上側保留コマンドの設定処理(図60)及び下側保留コマンドの設定処理(図61)の処理内容を図70の保留コマンドの設定処理に対応させて変更する。これにより、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とが区別して扱われる構成において、本実施の形態における上述した作用効果を奏することができる。
<第15の実施の形態>
本実施の形態では、読み込み処理の処理構成が上記第8乃至第14の実施の形態における読み込み処理(図40)と異なっている。図71は本実施の形態における読み込み処理を示すフローチャートである。
ステップS5301では、上作動口33の検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、上作動口33の入賞信号が入力されていないか否かを判定する。かかる処理の具体的な内容は、上記第1の実施の形態におけるステップS201と同様である。上作動口33の入賞信号が入力されていない場合には、ステップS5302にて、RAM204に設けられた上作動口用カウンタに「0」をセットする。
ステップS5301にて否定判定をした場合、又はステップS5302の処理を実行した後は、ステップS5303にて、下作動口34の検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、下作動口34の入賞信号が入力されていないか否かを判定する。かかる処理の具体的な内容は、上記第1の実施の形態におけるステップS206と同様である。下作動口34の入賞信号が入力されていない場合には、ステップS5304にて、RAM204に設けられた下作動口用カウンタに「0」をセットする。
ステップS5303にて否定判定をした場合、又はステップS5304の処理を実行した後は、ステップS5305にて、上作動口33に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を再度確認し、上作動口33の入賞信号が入力されているか否かを判定する。上作動口33の入賞信号が入力されている場合には、ステップS5306にて、上作動口用カウンタを1加算する。
ステップS5305にて否定判定をした場合、又はステップS5306の処理を実行した後は、ステップS5307にて、下作動口34に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を再度確認し、下作動口34の入賞信号が入力されているか否かを判定する。下作動口34の入賞信号が入力されている場合には、ステップS5308にて、下作動口用カウンタを1加算する。
ステップS5307にて否定判定をした場合、又はステップS5308の処理を実行した後は、ステップS5309にて、上作動口用カウンタの数値情報が「1」であるか否かを判定する。上作動口用カウンタの数値情報が「1」である場合には、ステップS5310にて、上作動口入賞フラグを格納する(このフラグのエリアに「1」をセットする)。これにより、MPU202において上作動口33への入賞が発生したことを特定することが可能となる。
ステップS5309にて否定判定をした場合、又はステップS5310の処理を実行した後は、ステップS5311にて、下作動口用カウンタの数値情報が「1」であるか否かを判定する。下作動口用カウンタの数値情報が「1」である場合には、ステップS5312にて、下作動口入賞フラグを格納する(このフラグのエリアに「1」をセットする)。これにより、MPU202において下作動口34への入賞が発生したことを特定することが可能となる。
ステップS5311にて否定判定をした場合、又はステップS5312の処理を実行した後は、本読み込み処理を終了する。
上記のように読み込み処理が実行された場合、上作動口33の検知センサにおいて一の遊技球の検知が開始されてから次の遊技球の検知が開始される場合の最短時間、及び下作動口34の検知センサにおいて一の遊技球の検知が開始されてから次の遊技球の検知が開始される場合の最短時間にもよるが、処理上は1回の読み込み処理が実行される度に、上作動口33への入賞発生の確認、及び下作動口34への入賞発生の確認を行うことが可能となる。そうすると、当該読み込み処理の処理構成を上記第8乃至第14の実施の形態のいずれに適用したとしても、当否判定処理や種別判定処理にて同様に扱われる同一種類の保留情報が、対応する保留コマンドの設定処理が実行されるまでに複数取得されることが想定される。
つまり、例えば上記第8乃至第10の実施の形態では、保留コマンドの設定処理が実行されるまでに上作動口33又は下作動口34への入賞に基づき複数の保留情報が取得されることが想定される。また、例えば上記第11乃至第13の実施の形態では、上側保留コマンドの設定処理が実行されるまでに上作動口33への入賞に基づき複数の保留情報が取得されるとともに、下側保留コマンドの設定処理が実行されるまでに下作動口34への入賞に基づき複数の保留情報が取得されることが想定される。したがって、上記第8及び第11の実施の形態などのように、同一種類の保留情報について、既に保留予告用の確認処理の処理待ち状態となっている場合には新たに保留情報が取得されたとしても当該保留情報を保留予告用の確認処理の実行対象としない構成を適用してもよい。また、上記第10の実施の形態のように、同一種類の保留情報について、既に保留予告用の確認処理の処理待ち状態となっている場合に新たに保留情報が取得された場合には、既に処理待ち状態となっていた保留情報は保留予告用の確認処理の実行対象から除外し、新たにに取得された保留情報を保留予告用の確認処理の実行対象とする構成を適用してもよい。また、上記第14の実施の形態のように、遊技回の開始対象となるまでを限度として、全ての保留情報を保留予行用の確認処理の実行対象とする構成を適用してもよい。
<第16の実施の形態>
本実施の形態では、通常処理の処理構成が上記第11の実施の形態における通常処理(図56)と異なっている。図72は、本実施の形態における通常処理を示すフローチャートである。
先ずステップS5401では、主要処理を実行する。当該主要処理は、上記第11の実施の形態における通常処理(図56)のステップS3901〜ステップS3906と同様である。
主要処理を実行した後は、ステップS5402〜ステップS5414の残余処理を実行する。当該残余処理では先ずステップS5402にて、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。なお、この判定では前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定しているが、タイマ割込み処理が所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。これは、後述するステップS5406、ステップS5410においても同様である。
次の通常処理の実行タイミングに至っていると判定した場合にはステップS5401に戻り、至っていないと判定した場合にはステップS5403に進む。ステップS5403では、タイマ割込み処理の発生を禁止するための割込み禁止の設定を行い、続くステップS5404では下側保留コマンドの設定処理を実行する。なお、下側保留コマンドの設定処理の処理内容は、上記第11の実施の形態におけるステップS3912と同様である。そして、ステップS5405にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS5406にて再度、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。次の通常処理の実行タイミングに至っていると判定した場合にはステップS5401に戻り、至っていないと判定した場合にはステップS5407に進む。ステップS5407では、タイマ割込み処理の発生を禁止するための割込み禁止の設定を行い、続くステップS5408では上側保留コマンドの設定処理を実行する。なお、上側保留コマンドの設定処理の処理内容は、上記第11の実施の形態におけるステップS3909と同様である。そして、ステップS5409にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS5410にて再度、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。次の通常処理の実行タイミングに至っていると判定した場合にはステップS5401に戻り、至っていないと判定した場合にはステップS5411に進む。ステップS5411では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS5412にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともにステップS5413にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS5414にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。その後、ステップS5402に戻る。
以上のように本実施の形態では、残余処理において、特定の処理の実行を挟むようにして割込み禁止の処理及び割込み許可の処理が設定された単位を1単位の処理とした場合に、1単位の処理が実行される直前、換言すれば、1単位の処理が実行された直後に、次の処理回の通常処理を開始するタイミングに至っているか否かが判定される。これにより、通常処理の定期的な実行を重視することが可能となる。
また、上記のような構成においては、残余処理の途中で新たな処理回の通常処理が開始されることが起こり得る。この場合に、下側保留コマンドの設定処理を含む1単位の処理の方が上側保留コマンドの設定処理を含む1単位の処理よりも、残余処理内における実行順序が先である。本実施の形態では、上記第11の実施の形態と同様に、上作動口33に係る保留情報と下作動口34に係る保留情報とが区別して扱われるとともに、遊技回の開始に際しては上作動口33に係る保留情報よりも下作動口34に係る保留情報の方が優先される。このような事情において下側保留コマンドの設定処理を含む1単位の処理を、上側保留コマンドの設定処理を含む1単位の処理よりも優先して実行することで、先に消化されることとなる保留情報についての保留予告に係る処理を優先して実行することが可能となり、保留予告の実行の契機となる保留情報の数を増やすことが可能となる。
ここで、本実施の形態であっても、上記第11の実施の形態と同様に、上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得される場合及び下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得される場合のいずれにおいてもタイマ割込み処理が3回実行される必要があり、タイマ割込み処理は通常処理の1回の処理回に対して2回実行される。したがって、所定の処理回における通常処理の範囲内で下作動口34に係る保留情報が取得された場合であっても、その次の処理回における通常処理の範囲内で下作動口34に係る保留情報が新たに取得されることがあり得る。これは上作動口33に係る保留情報についても同様である。この場合に、通常処理の実行周期の範囲内(すなわち、4msecの範囲内)で、高確率モードにおける変動開始処理、高確率モードにおける上側保留コマンドの設定処理、及び高確率モードにおける下側保留コマンドの設定処理のうち2つの処理を確実に実行できる構成としてもよい。これにより、上作動口33に係る複数の保留情報が上側保留予告に係る処理の実行待ち状態となることはなく、さらに下作動口34に係る複数の保留情報が下側保留予告に係る処理の実行待ち状態となることはない。したがって、当該構成においては、上記第11の実施の形態のような処理待ちフラグを利用して新たに取得した保留情報を保留予告に係る処理の実行対象から除外するための処理を実行する必要がない。よって、MPU202の処理負荷の軽減が図られる。
<第17の実施の形態>
本実施の形態では、通常処理の処理構成が上記第16の実施の形態における通常処理(図72)と異なっている。図73は、本実施の形態における通常処理を示すフローチャートである。
先ずステップS5501では、主要処理を実行する。当該主要処理は、上記第11の実施の形態における通常処理(図56)のステップS3901〜ステップS3906と同様である。
主要処理を実行した後は、ステップS5502〜ステップS5517の残余処理を実行する。当該残余処理では先ずステップS5502にて、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。なお、この判定では前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定しているが、タイマ割込み処理が所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。これは、後述するステップS5506、ステップS5510及びステップS5514においても同様である。
次の通常処理の実行タイミングに至っていると判定した場合にはステップS5501に戻り、至っていないと判定した場合にはステップS5503に進む。ステップS5503では、タイマ割込み処理の発生を禁止するための割込み禁止の設定を行い、続くステップS5504では乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。そして、ステップS5505にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS5506〜ステップS5509にて、上記第16の実施の形態におけるステップS5402〜ステップS5405と同様の処理を実行するとともに、ステップS5510〜ステップS5513にて、上記第16の実施の形態におけるステップS5406〜ステップS5409と同様の処理を実行する。
その後、ステップS5514にて再度、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。次の通常処理の実行タイミングに至っていると判定した場合にはステップS5501に戻り、至っていないと判定した場合にはステップS5515に進む。ステップS5515では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS5516にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS5517にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。その後、ステップS5502に戻る。
以上のように本実施の形態では、上記第16の実施の形態にて説明した作用効果に加えて、乱数初期値カウンタCINIの更新を優先して実行することが可能となる。
<第18の実施の形態>
本実施の形態では、電気的な構成及び処理構成が上記各実施の形態と相違している。以下に本実施の形態における電気的な構成及び処理構成について説明する。
<電気的構成>
図74は、本実施の形態における電気的構成を示すブロック図である。なお、図74では、電源及び発射制御装置98から主制御装置81及び払出制御装置97への動作電力の供給ラインを二重線矢印で示し、それ以外の供給ラインや信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板201と、電源を監視する電断監視基板205と、を具備している。主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、ROM203及びRAM204が内蔵されている。
ROM203は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM203は、MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RAM204は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM203よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RAM204は、ROM203内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、MPU202又は主制御基板201には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、MPU202に対してROM203及びRAM204が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置についても同様である。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。なお、入出力ポートが設けられており、入力用と出力用とで必要に応じて切り換えられる構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。MPU202の入力側及び出力側には、各種制御装置が接続されているとともに、各種センサ、各種駆動部及び各種表示部が接続されている。先ず各種センサ、各種駆動部及び各種表示部との接続に係る構成について説明する。
MPU202の入力側には、上記各実施の形態における各種検知センサ211a〜211eの代わりに、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35に対して設けられた入賞用の検知センサ31a,31b,31c,32e,33a,34c,35a,35b(以下、これらをまとめて入賞用検知センサ31a〜35bという)が電気配線を介して電気的に接続されている。この場合、主制御基板201と各入賞用検知センサ31a〜35bとがそれぞれ1の電気配線を介して接続されている構成としてもよく、各信号経路の途中に中継基板が介在している構成としてもよい。これは他の機器との接続に係る構成についても同様である。MPU202では、主制御基板201に搭載された入賞用IC351を通じて各入賞用検知センサ31a〜35bから信号を受信し、その受信結果に基づいて各入賞部への入賞判定(入球判定)が行われる。
入賞用IC351は、経路異常の確認手段又は経路異常の確認回路である。当該入賞用IC351により各入賞用検知センサ31a〜35bとMPU202との間で正常な信号の伝送が行われているか否かが確認される。
MPU202の入力側には、上記各入賞用検知センサ31a〜35b以外にも遊技領域に対して設けられた磁石検知センサ352及び電波検知センサ353が電気配線を介して電気的に接続されている。MPU202では、磁石検知センサ352及び電波検知センサ353から信号を受信し、その受信結果に基づいて、検知対象となっている異常の発生の有無が判定される。
MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32cと、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、が電気配線を介して電気的に接続されている。また、MPU202の出力側には、メイン表示部43と、役物用表示部44と、が電気配線を介して電気的に接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部32c,34bの駆動制御を実行するとともに各種表示部43,44の表示制御を実行する。
ちなみに、図示による説明は省略するが、MPU202の出力側には、外部端子板が接続されている。MPU202は、RAM204に対して、遊技の進行に応じた情報の設定を行う。そして、RAM204に設定された情報に応じて信号出力用の設定を外部端子板に対して行い、パチンコ機10の状態を遊技ホールのホールコンピュータに認識させる。
次に、主制御装置81と払出制御装置97との通信に係る構成について説明する。これらの通信に係る構成の説明に先立ち、先ず払出制御装置97の電気的な構成を説明する。
払出制御装置97は、払出装置96を通じた遊技球の払出の制御を司る払出制御基板361を具備している。払出制御基板361には、MPU362が搭載されている。MPU362には、ROM363及びRAM364が内蔵されている。なお、以下の説明では、主制御装置81に設けられたMPU202、ROM203及びRAM204と区別するために、主制御装置81に設けられたMPU202、ROM203及びRAM204を主側MPU202、主側ROM203及び主側RAM204と称し、払出制御装置97に設けられたMPU362、ROM363及びRAM364を払出側MPU362、払出側ROM363及び払出側RAM364と称する。
払出側ROM363は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該払出側ROM363は、払出側MPU362により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
払出側RAM364は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM363よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。この払出側RAM364には、払出側ROM363内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、払出側MPU362又は払出制御基板361には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
払出側MPU362は払出装置96と電気的に接続されている。当該払出装置96には、タンク95から払出装置96に供給されている遊技球をそれよりも下流側へ流下しないように通過を阻止する状態と、当該遊技球を下流側へ送り出す状態とに切り換える回転体などの球止め部材を駆動する払出モータ96aが設けられているとともに、上記下流側へと送り出される遊技球を個別に検知する払出検知センサ96bが設けられている。払出側MPU362の出力側には払出モータ96aが電気配線を介して電気的に接続されているとともに、払出側MPU362の入力側には払出検知センサ96bが電気配線を介して電気的に接続されている。払出側MPU362では、払出制御基板361に設けられたドライバ回路を通じて払出モータ96aに駆動信号を供給することで遊技球の払出を実行させるとともに、払出検知センサ96bの検知結果に基づいて払出が完了した遊技球の個数を把握する。
また、払出側MPU362は、裏パックユニット15に設けられた球貸用接続端子板365と電気配線を通じて電気的に接続されているとともに、当該球貸用接続端子板365が電気配線を通じて球貸装置Yと電気的に接続されている。
球貸装置Yは所謂CRユニットであり、図示による説明は省略するが外枠11の側方に設けられており、球貸装置Yの前面側にはカード挿入口が設けられている。そのカード挿入口へのカードの挿入を行うとともに、パチンコ機10に設けられた貸球操作装置(図示略)を適宜手動操作することによりカードに記憶された金額に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。払出側MPU362は、球貸装置Yとの間で電気信号の送受信を行うことで貸球の制御を実行する。
払出側MPU362は、主側MPU202との間で通信を行うことに基づき、遊技球の払出を制御する。当該通信を行うための構成として、主制御基板201と払出制御装置97との間には複数の信号経路が存在している。
かかる信号経路について詳細には、主側MPU202では入賞用検知センサ31a〜35bの検知結果に基づいて賞球の発生に対応した入賞部への入賞を確認した場合に払出側MPU362に向けて賞球コマンド(払出指令情報)を送信するが、当該賞球コマンドを伝送するために第1の信号経路SL1が設けられている。この場合、賞球コマンドには自身が賞球コマンドであることを示す情報及び賞球を実行すべき個数の情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。具体的には、賞球コマンドは複数種類存在しており、各賞球コマンドは2バイトの情報からなる。
当該賞球コマンドの通信を行う上で、第1の信号経路SL1はパラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、賞球コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。なお、第1の信号経路SL1は、主制御基板201及び払出制御基板361に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板などを信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
払出側MPU362から主側MPU202に向けて情報を送信するための信号経路として、第2の信号経路SL2と、第3の信号経路SL3とが設けられている。第2の信号経路SL2は、払出側MPU362から主側MPU202に向けて払出状況コマンド(払出状況情報)を送信するために利用される。払出状況コマンドには、賞球が完了したこと及びその完了した賞球の個数を示す賞球完了コマンドと、遊技球の払出に関して所定の異常が発生したことを示す異常開始コマンドと、当該所定の異常が解除されたことを示す異常終了コマンドと、が含まれている。つまり、払出状況コマンドには、自身のコマンドの種類を示す情報及び払出状況の内容を示す情報が含まれており、複数ビットの情報として構成されている。なお、上記遊技球の払出に関する所定の異常には、例えば下皿72の満杯状態やタンク95の球無し状態が含まれる。
当該払出状況コマンドの通信を行う上で、第2の信号経路SL2は第1の信号経路SL1と同様に、パラレル通信ではなくシリアル通信を行うように設定されている。つまり、払出状況コマンドに含まれる複数ビットの情報が単一の信号経路を通じて順次送信される構成となっている。なお、第2の信号経路SL2は、主制御基板201及び払出制御基板361に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板などを信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
第3の信号経路SL3は、払出側MPU362から主側MPU202に向けて払出許可信号を送信するために利用される。払出許可信号は、主側MPU202において賞球コマンドの出力タイミングを把握させるために、払出側MPU362から主側MPU202に送信される情報である。なお、当該払出許可信号が存在していることによる作用については後に説明する。
払出許可信号は1ビットの情報からなり、賞球コマンドの出力を禁止している状態ではLOWレベルの信号が送信され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではHIレベルの信号が送信される。但し、当該構成に限定されることはなく、賞球コマンドの出力を禁止している状態ではHIレベルの信号が送信され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではLOWレベルの信号が出力される構成としてもよい。
なお、第3の信号経路SL3は、主制御基板201及び払出制御基板361に設けられた各コネクタに対して電気的に接続するためのコネクタが電気配線の両端に設けられた単一のコネクタユニットにより構成されているが、これに限定されることはなく、中継基板などを信号経路の途中位置に介することで複数のコネクタユニットにより構成されていてもよい。
ここで、主側MPU202と払出側MPU362との間のコマンドの通信をパラレル通信ではなくシリアル通信としたことにより、仮に主制御基板201と払出制御基板361とを電気的に接続する電気配線に対して不正な基板を接続させる、所謂ぶら下げ基板を利用した不正行為が行われたとしても、当該不正な基板が電気配線などに隠れてしまう可能性が低減される。上記行為は不正に多量の遊技球の払出を受けようとして行われるものであり、主制御基板201と払出制御基板361との間の信号経路は上記行為の対象として狙われやすい。この場合に、主側MPU202と払出側MPU362との間で双方向のコマンド通信が行われる構成において、コマンドの通信としてパラレル通信を採用すると、それだけ電気配線の数が多くなり上記不正な基板がこれら電気配線によって隠れ易くなってしまう。これに対して、コマンドの通信がシリアル通信で行われることにより、上記不正な基板が電気配線に隠れづらくなり、当該基板が仮に設置された場合にそれを発見し易くなる。
次に、主制御装置81及び払出制御装置97と、電源及び発射制御装置98との電気的な接続に係る構成を説明する。
電源及び発射制御装置98は電源及び発射制御基板371を備えており、当該電源及び発射制御基板371には、主制御装置81及び払出制御装置97を含めた各種機器に動作電力を供給する機能を有する電源回路372が設けられている。電源回路372には、電入時用電源部373と、電断時用電源部374とが設けられている。
電入時用電源部373は、例えば遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されており、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御装置81や払出制御装置97等の各々に必要な動作電圧を生成するとともに、その生成した動作電圧を主制御装置81や払出制御装置97等に対して供給する。その概要としては、電入時用電源部373は、裏パックユニット15に設けられた接続基板を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種センサやモータ等を駆動するための+12V電圧、ロジック用の+5V電圧などを生成し、これら+12V電圧、+5V電圧を主制御装置81や払出制御装置97等に対して供給する。なお、上記接続基板にはパチンコ機10の電源をON・OFF操作するための電源スイッチが設けられている。
電入時用電源部373と主側MPU202との電力供給経路の途中位置には電断監視基板205が設けられている。電断監視基板205は、電入時用電源部373から供給される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主側MPU202に停電信号(電断信号)の出力設定を停電(電源遮断)の発生に対応したものとする。具体的には、電源遮断が発生していないと判断している状況ではLOWレベルの停電信号を送信し、電源遮断が発生していると判定している状況ではHIレベルの停電信号を送信する。なお、これらLOW及びHIの関係が逆であってもよい。
電断時用電源部374はコンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(商用電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部373から供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(商用電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部374から放電され主側RAM204に対して記憶保持用電力(バックアップ電力)が供給される。よって、かかる状況であっても、電断時用電源部374から記憶保持用電力が供給されている間は主側RAM204に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
ちなみに、電断時用電源部374の容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に主側RAM204に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、電断時用電源部374はコンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源部374への蓄電を行う必要はないが定期的に交換する必要が生じる。
また、図示による説明は省略するが、電源及び発射制御基板371には、上記電断時用電源部374とは異なる停電時処理用電源部が設けられている。電源及び発射制御基板371では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主側MPU202は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
ここで、電源回路372から主側MPU202及び払出側MPU362への動作電力の供給に係る構成を詳細に説明する。
電入時用電源部373からの電力は、主側MPU202のVCC端子及び払出側MPU362のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、商用電源からの電力供給が行われている状況において、各MPU202,362にて各種制御処理が実行されるとともに、各RAM204,364にて情報の記憶保持が行われる。
一方、電断時用電源部374からの電力は、主側MPU202のVBB端子に供給されているが、払出側MPU362のVBB端子(図示略)に供給されていない。つまり、電断時用電源部374からの記憶保持用電力は、主側RAM204に供給されるが、払出側RAM364には供給されない。したがって、商用電源からの電力供給が遮断されている状況において、主側RAM204では情報の記憶保持が行われるが、払出側RAM364では情報の記憶保持が行われない。なお、払出側MPU362のVBB端子はアースされている又はいずれの電気配線とも接続されていない。
上記のように電断時用電源部374からの記憶保持用電力が主側RAM204に供給されるが、払出側RAM364に供給されない構成とすることにより、電断時用電源部374の小容量化が図られる。これにより、パチンコ機10のイニシャルコストの削減が図られる。
電源及び発射制御基板371には、電源回路372以外にも、遊技球の発射制御を担う発射制御回路375が設けられている。発射制御回路375には、条件成立の送信回路376と、発射許可の受信回路377と、発射用IC378と、が設けられている。
条件成立の送信回路376は、予め定められた遊技球の発射条件が成立している場合において主側MPU202に対して所定の信号形態の条件成立信号を送信する機能を有している。具体的には、発射制御回路375は、発射ハンドル54の環状のハンドル部が遊技者により触れられていることを検知するタッチセンサ53cと、ハンドル部を回転操作している状況であっても遊技球の発射を停止させるべく遊技者により手動操作される球止めスイッチ53dと、が電気的に接続されている。また、発射制御回路375は、払出制御基板361と電気的に接続されており、球貸装置Yが球貸用接続端子板365に対して電気的に接続されているか否かを示す信号を入力する。
条件成立の送信回路376は、タッチセンサ53cからハンドル部が遊技者により触れられていることを示す信号を受信するとともに、球止めスイッチ53dから遊技者により手動操作されていないことを示す信号を受信し、さらに払出側MPU362から球貸装置Yが接続されている旨の信号を受信している場合に、主側MPU202に対してHIレベルの条件成立信号(条件成立に対応した信号)を送信する。なお、上記各信号のいずれかを受信していない場合には、主側MPU202に対してLOWレベルの条件成立信号(条件成立に対応していない信号)を送信する。但し、かかる構成に限定されることはなく、LOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。
発射許可の受信回路377は、条件成立の送信回路376から主側MPU202に対してHIレベルの条件成立信号が送信されていることを一の条件として主側MPU202から送信されるHIレベルの発射許可信号(発射許可に対応した信号)を受信するとともに、当該発射許可信号を受信している場合にそれに対応した信号を発射用IC378に継続して供給する機能を有している。なお、主側MPU202は、条件成立の送信回路376からHIレベルの条件成立信号を受信していない場合にはLOWレベルの発射許可信号(発射許可に対応していない信号)を送信するが、発射許可信号のLOWレベル信号とHIレベル信号との関係が逆であってもよい。また、主側MPU202は、HIレベルの条件成立信号の受信を開始するたびにHIレベルの発射許可信号の送信を新たに開始するとともにHIレベルの条件成立信号の受信が終了した場合にはHIレベルの発射許可信号の送信を終了する。
発射用IC378は、発射許可の受信回路377からHIレベルの発射許可信号又はそれに対応した信号を受信している場合に、遊技球発射機構53の発射ソレノイド53a及び球送り装置53bのそれぞれに対して定期的に駆動信号を出力する機能を有している。この場合、発射用IC378は、パルス信号として各駆動信号を出力するとともに、その出力周期は0.6secとなっている。また、発射レールに1個の遊技球が供給された後に、当該遊技球が発射されるように、駆動信号の出力タイミングは球送り装置53bの方が発射ソレノイド53aよりも早く設定されている。
なお、発射ハンドル54には上記のとおりハンドル部が設けられており、当該ハンドル部の操作量が多いほど発射ソレノイド53aによる遊技球の発射強度が強くなる。この場合、発射ハンドル54にはハンドル部の操作量を検知するための操作量検知手段として可変抵抗器が設けられており、発射用IC378では当該可変抵抗器から入力する電圧を通じて発射ソレノイド53aに供給する駆動信号の電圧を調整して発射強度を調整する。なお、当該調整機能が発射用IC378に設けられていることは必須ではなく、発射用IC378と発射ソレノイド53aとの信号経路の途中に調整回路が設けられている構成としてもよい。
次に、主制御装置81と、音声ランプ制御装置82との電気的な接続に係る構成を説明する。
主側MPU202の出力側には、音声ランプ制御装置82が接続されている。音声ランプ制御装置82は、主側MPU202から受信したコマンドに基づき、表示ランプ部63、前扉枠14に設けられたエラーランプ部及びスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212にコマンドを送信する。表示制御装置212は、音声ランプ制御装置82から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置41の表示画面Gにおける画像の表示を制御する。なお、主側MPU202から音声ランプ制御装置82へのコマンドの送信はシリアルで行われるが、パラレルで行われる構成としてもよい。
<主側MPU202にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側MPU202にて各種抽選を行うための電気的な構成について説明する。
主側MPU202が各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4を利用して各種抽選を行う点、及び上作動口33又は下作動口34への入賞に基づき取得した保留情報を保留球格納エリア232に格納する点は、上記各実施の形態と同様である。
ちなみに、本実施の形態では、上記第8の実施の形態などと同様に、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに検知センサ33a,34cが設けられているとともに、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とは区別されない。また、上記第8の実施の形態などと異なり、保留情報には変動種別カウンタCSの数値情報は含まれておらず、遊技回の開始に際して変動表示時間を決定する際にその時点の変動種別カウンタCSの数値情報が取得される。
また、本実施の形態では、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンド(15R)に設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置32の1回の開放態様が、大入賞口32aが開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間(開放継続期間)を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様(長期間態様)と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.06secに設定された短時間態様(短期間態様)と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aに対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aへの入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による大入賞口32aの開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による大入賞口32aの開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、主側ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、低入賞高確大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)と、最有利大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
<主側MPU202にて実行される各種処理について>
次に、主側MPU202にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。主側MPU202の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図75のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS6101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS6102では主側RAM204のアクセスを許可するとともに、ステップS6103にて主側MPU202の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS6104では、電源及び発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS6105では、主側RAM204の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS6106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS6107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS6108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS6108の処理に移行する。ステップS6108では、主側RAM204の初期化として当該主側RAM204をクリアする。その後、ステップS6109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS6108の処理を実行することなくステップS6109に進む。ステップS6109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM204の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声ランプ制御装置82に送信する。また、払出側RAM364の初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出側MPU362に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS6110〜ステップS6116の残余処理に進む。残余処理では、先ずステップS6110にて割込み禁止の設定を行い、続くステップS6111では保留コマンドの設定処理を実行する。保留コマンドの設定処理の処理内容は上記第8の実施の形態におけるステップS2609と同様である。そして、ステップS6112にて割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS6113にて再度、割込み禁止の設定を行い、続くステップS6114では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS6115にて、変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。そして、ステップS6116にて割込み許可の設定を行う。その後、ステップS6110に戻り、ステップS6110〜ステップS6116の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図76のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。なお、本タイマ割込み処理は4msec周期で定期的に実行される。
タイマ割込み処理では、先ずステップS6201にて、上記第8の実施の形態におけるステップS2701と同様に、戻りアドレスを主側MPU202のレジスタに記憶する処理を実行する。続くステップS6202では、上記第8の実施の形態におけるステップS2702と同様に、主側MPU202の現状のレジスタに記憶されている情報を主側RAM204に退避する処理を実行する。
続くステップS6203では、停電情報記憶処理を実行する。詳細は後述するが、停電情報記憶処理では、電断監視基板205から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS6204では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS6205ではステップS6114と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS6206にてステップS6115と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS6207では、遊技停止判定処理を実行する。詳細は後述するが、遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS6208では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS6209以降の処理を実行する。
ステップS6209では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32c,34bに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS6210では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS6211では、各入賞用検知センサ31a〜35bから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入賞検知処理を実行する。また、ステップS6212では、主側RAM204に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。
続くステップS6213では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行するとともに、ステップS6214では、遊技球の発射制御を実行する発射制御処理を実行する。また、ステップS6215では、入力状態監視処理として、ステップS6210の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞用検知センサ31a〜35bの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS6216では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行するとともに、ステップS6217では、電動役物34aの開放抽選及び電動役物34aの開閉制御を行うための普図普電制御処理を実行する。また、ステップS6218では、直前のステップS6216及びステップS6217の処理結果に基づいて、メイン表示部43に係る保留情報の増減個数を第1保留ランプ部45に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44に係る保留情報の増減個数を第2保留ランプ部46に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS6218では、直前のステップS6216及びステップS6217の処理結果に基づいて、メイン表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS6219では、遊技回及び開閉実行モードの両方が実行されていない状況において図柄表示装置41の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS6220では、払出側MPU362から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS6221では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS6222では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように、外部端子板への信号出力の状態を切り換えるための外部情報設定処理を実行する。また、ステップS6223では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
なお、ステップS6211の入賞検知処理、ステップS6212のタイマ更新処理、ステップS6213の不正検知処理、ステップS6214の発射制御処理、ステップS6215の入力状態監視処理、ステップS6216の特図特電制御処理、ステップS6217の普図普電制御処理、ステップS6219のデモ表示用処理、ステップS6220の払出状態受信処理及びステップS6221の払出出力処理については、後に個別に説明する。
ステップS6208にて肯定判定をした場合、又はステップS6209〜ステップS6223の処理を実行した後は、ステップS6224に進む。ステップS6224では、ステップS6202にて主側RAM204に退避させたデータを主側MPU202のレジスタに復帰させるとともに、ステップS6225では、ステップS6201にて主側MPU202のレジスタに記憶させた戻りアドレスを参照し、今回のタイマ割込み処理が終了した後に復帰することとなる通常処理のアドレスを把握する。これにより、タイマ割込み処理が終了した後は、当該タイマ割込み処理が起動される前に実行されていた処理に復帰することが可能となる。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<停電情報記憶処理>
次に、タイマ割込み処理(図76)のステップS6203にて実行される停電情報記憶処理について、図77のフローチャートを参照しながら説明する。
停電情報記憶処理では、先ずステップS6301にて、主側RAM204に設けられた繰り返しカウンタに、停電信号用の繰り返し回数情報である「10」の情報をセットするとともに、ステップS6302にて、主側RAM204に設けられた停電検知カウンタの情報を初期化する。
続くステップS6303では、主側MPU202の入力ポートに受信している停電信号の情報を読み込む処理を実行する。この場合、電源遮断が発生していないことに対応した停電信号(LOWレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに非電断情報として「0」の情報が格納されており、電源遮断が発生していることに対応した停電信号(HIレベルの停電信号)を受信している場合には入力ポートに電断発生情報として「1」の情報が格納されている。ステップS6303では、かかる停電信号の情報を主側MPU202のレジスタに読み込む処理を実行する。
続くステップS6304では、ステップS6303にて読み込んだ停電信号の情報が停電の発生(電断の発生)に対応したものであるか否かを判定する。停電の発生に対応している場合にはステップS6305にて、停電検知カウンタの数値情報を1加算するように更新処理を実行した後にステップS6306に進み、停電の発生に対応していない場合にはステップS6304の処理を実行することなくステップS6306に進む。
ステップS6306では、繰り返しカウンタの数値情報を1減算するように更新処理を実行し、その後、ステップS6307にて、当該繰り返しカウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。つまり、ステップS6303〜ステップS6306の処理を、ステップS6301にて設定した繰り返し回数分実行したか否かを判定する。ステップS6307にて否定判定をした場合には、ステップS6303に戻り、ステップS6303〜ステップS6306の処理を繰り返す。一方、ステップS6307にて肯定判定をした場合には、ステップS6308に進む。
ステップS6308では、停電検知カウンタの現状の数値情報が、停電発生に対応した契機基準回数以上となっているか否かを判定する。具体的には、ステップS6303〜ステップS6306の処理を繰り返し回数分実行した結果、停電検知カウンタの現状の数値情報が、「8」以上となっているか否かを判定する。契機基準回数未満である場合には、そのまま本停電情報記憶処理を終了する。
一方、契機基準回数以上である場合には、ステップS6309〜ステップS6312の停電時処理(電断時処理)を実行する。具体的には、先ずステップS6309にて、主側RAM204の停電フラグに「1」をセットし、続くステップS6310にてチェックサム算出処理を実行する。ここで算出されたチェックサムは主側RAM204に記憶される。その後、ステップS6311にて、主側RAM204の出力ポートの情報を全て「0」にセットするとともに、ステップS6312にて主側RAM204へのアクセスを禁止する。そして、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、タイマ割込み処理の最初の処理として停電情報記憶処理を実行するようにしたことにより、復電後にタイマ割込み処理の途中から実行する必要がなくなる。これにより、停電発生時に実行していた処理のアドレスをスタック情報として主側RAM204に記憶する必要がなくなり、停電発生時の処理の処理負荷を軽減することが可能となる。
ここで、停電発生の確認が上記のように実行されることの作用効果を説明する。図78は当該作用効果を説明するためのタイミングチャートである。
t1のタイミングで、商用電源の停電又はパチンコ機10の電源のOFF操作が行われることで、停電信号が電源遮断の発生に対応したHIレベル信号となる。その後、t2のタイミングで、停電情報記憶処理が起動されることで、繰り返しカウンタに繰り返し回数情報がセットされるとともに、停電検知カウンタの情報が初期化される。
その後、t3のタイミングで最初のステップS6303〜ステップS6306の処理(以下、停電確認処理ともいう)が実行されることで、繰り返しカウンタの数値情報が1減算されるとともに、停電検知カウンタの数値情報が1加算される。また、t4のタイミングで次の停電確認処理が実行される。但し、このタイミングでは電気的なノイズの発生により、電源遮断が発生しているにも関わらず、停電信号は電源遮断が発生していないことに対応した状態となっている。したがって、当該タイミングでは繰り返しカウンタの数値情報は1減算されるが、停電検知カウンタの数値情報は更新されない。
本パチンコ機10では、停電信号が電源遮断の発生に対応している状態であるか否かに関わらず、繰り返しカウンタにセットされている回数分は停電確認処理が実行される。したがって、停電信号が電源遮断の発生に対応していると確認した後に、電源遮断が発生していないことに対応していると確認したとしても、停電確認処理は継続される。
その後、t5〜t10のタイミングでは、電気的なノイズの影響も消失し、停電信号が電源遮断の発生に対応していることが確認される。よって、各タイミングで、繰り返しカウンタの数値情報が1減算されるとともに、停電検知カウンタの数値情報が1加算される。また、t11のタイミングでは、電気的なノイズの影響が再度発生し、停電信号は電源遮断が発生していないことに対応した情報となっているため、繰り返しカウンタの数値情報のみが1減算される。また、t12のタイミングでは、電気的なノイズの影響も消失し、停電信号が電源遮断の発生に対応していることが確認され、繰り返しカウンタの数値情報が1減算されるとともに、停電検知カウンタの数値情報が1加算される。
その後、t13のタイミングで、繰り返しカウンタの数値情報が「0」であることを確認することで、繰り返し回数分の停電確認処理が完了したことを主側MPU202にて把握する。したがって、t13のタイミングで停電時処理が開始される。
以上のように電源遮断の発生に対応した停電信号の受信を1回確認しただけで停電時処理を実行するのではなく、当該停電信号の受信を複数回確認した場合に停電時処理を実行するようにしたことにより、電気的なノイズ等の影響で停電信号が電断遮断の発生に対応したものに突発的になった際に停電時処理が実行されてしまうことを抑制できる。
また、電源遮断が発生した場合に停電時処理が実行されることなく電力供給が完全に遮断されると、停電フラグに「1」がセットされていない状況や、チェックサムの算出及び保存が実行されていない状況で、主側MPU202における処理が終了されることとなる。そうすると、次回の復電に際して主側RAM204の初期化が実行されてしまい、賞球が無効化されてしまう不都合や、高確率モードや高頻度サポートモードが消失されてしまう不都合の発生が懸念される。このような事情においては、本パチンコ機10のように、タイマ割込み処理の1処理回の範囲内で停電確認処理が複数回実行されるとともに、当該処理回の範囲内で停電時処理が開始されることが好ましい。
また、電源遮断が発生している状況において電気的なノイズ等の影響で、電源遮断の発生に対応した停電信号が電源遮断の発生していない状態に対応したものに突発的に変化してしまうことが懸念される。この場合に、停電時処理を実行するための条件として、電源遮断の発生に対応した停電信号の受信を複数回連続して確認することが設定されていると、電源遮断が発生しているにも関わらず上記電気的なノイズの影響で、主側MPU202にて電源遮断の発生と認識されず、停電時処理が実行されることなく電力供給が完全に遮断されてしまうことが懸念される。これに対して、停電確認処理を所定の繰り返し回数分行う範囲内において電源遮断の発生に対応した停電信号を契機基準回数(繰り返し回数>契機基準回数)以上確認した場合に停電時処理を実行するようにし、確認の連続性を停電時処理の実行の条件から除外したことにより、上記のように電気的なノイズの影響があったとしても、停電時処理を良好に実行することができる。
また、停電時処理が実行されるためには電源遮断の発生に対応した停電信号を3回以上確認する必要がある。1回の処理回の範囲内で停電信号の確認を複数回行う構成においては、1回の電気的なノイズの発生による影響が継続している状況で複数回の確認が行われてしまうことが懸念される。これに対して、上記のように電源遮断の発生に対応した停電信号を3回以上確認する必要があるため、電源遮断の発生に対応した停電信号の出力が継続されている期間として、停電時処理を実行するために要求される期間がある程度長いものとなる。よって、電気的なノイズの発生の影響で停電時処理が実行されてしま可能性が低減される。
ちなみに、一のステップの処理を主側MPU202において実行するために最低限必要な処理時間が存在し、さらに1回の停電確認処理を完了するには複数のステップの処理を実行する必要がある。つまり、1回の停電確認処理が開始されてから次の停電確認処理が開始されるまでには所定の時間を要することとなる。例えば、一のステップの処理を実行するのに要する時間を1.2μsecとした場合、1回の停電確認処理を実行するのに4.8μsec要することとなる。そして、当該停電確認処理を10回行った場合、停電時処理を開始するには約50μsec要することとなる。これに対して、電源遮断の発生から主側MPU202において完全に処理が実行できなくなるまでの時間(例えば主側MPU202へのリセット信号の出力が開始されるまでの時間)が10msec程度に設定されていれば、上記のように停電確認処理を複数回実行するとしても十分に停電時処理を完了することができる。
なお、確認基準回数である繰り返し回数が3回以上であり、さらに契機基準回数が繰り返し回数未満であって2回以上であれば、それら繰り返し回数及び契機基準回数の具体的な数値は任意である。
<入賞検知処理>
次に、タイマ割込み処理(図76)のステップS6211にて実行される入賞検知処理について説明する。
入賞検知処理では、入賞用検知センサ31a〜35bにおける検知結果を確認する処理を実行するが、当該確認に際しては主側MPU202の入力ポートが確認される。ここで、入賞検知処理の説明に先立ち、図79を参照しながら、主側MPU202の入力ポート92aに対して入賞用検知センサ31a〜35bの検知結果が入力されるための電気的な構成について説明する。
入力ポート92aは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。
また、入力ポート92aには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート92aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。入賞検知処理では、入力ポート92aへの入力対象となる信号群が各入賞用検知センサ31a〜35bに設定される。
かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は大入賞口検知センサ32eからの入賞信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は上作動口検知センサ33aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は下作動口検知センサ34cからの入賞信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第1入賞口検知センサ31aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第2入賞口検知センサ31bからの入賞信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第3入賞口検知センサ31cからの入賞信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6は第1ゲート検知センサ35aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7は第2ゲート検知センサ35bからの入賞信号に対応した情報が格納される。
この場合に、上記各入賞用検知センサ31a〜35bは、遊技球の通過を検知していない場合には入賞信号として非検知中であることを示すHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には入賞信号として検知中であることを示すLOWレベル信号を出力する。但し、主制御基板201には反転回路が設けられており、入力ポート92aに上記各検知信号が入力される前に信号の状態が反転される。そして、入力ポート92aでは当該反転回路を通じてLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「0」の情報(データ0又は無し情報)を格納し、反転回路を通じてHIレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「1」の情報(データ1又は有り情報)を格納する。
つまり、入賞用検知センサ31a〜35bにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに対して非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに対して検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
なお、各入賞用検知センサ31a〜35bは、遊技球の通過を検知していない間は入賞信号としてLOWレベル信号を出力するとともに遊技球の通過を検知している間は入賞信号としてHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とすればよい。
さて、入賞検知処理では、図80(a)のフローチャートに示すように、先ずステップS6401にて、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU202のレジスタにおける第1入賞判定エリアWA1に移行させる処理を実行する。当該第1入賞判定エリアWA1は、図80(b−1)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第1入賞判定エリアWA1における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、例えば第0ビットD0の情報は常に第1入賞判定エリアWA1における所定のビットに格納される。
続くステップS6402では、入賞検知用のウェイト処理を実行する。当該ウェイト処理では、予め定められたウェイト時間が経過するまで主側MPU202において何ら処理を実行することなく待機する。本パチンコ機10では、当該ウェイト時間として10μsecが設定されているが、定期的なタイマ割込み処理の実行を阻害することなく、さらに当該ウェイト処理に設定したことによる後述する作用効果を十分に奏することができるのであれば、具体的なウェイト時間は任意であるが、2μsec〜500μsecの範囲であることが好ましく、より好ましくは10μsec〜100μsecの範囲である。
ちなみに、既に説明したとおり、一のステップの処理を実行するには少なくとも1.2μsecを要する。したがって、ステップS6402の処理が設定されていなくても、ステップS6401とステップS6403との間には1.2μsecの強制的なウェイト時間が発生することとなる。この点、ステップS6402では、処理を実行する上で最低限要する時間だけでなく、それに対して追加のウェイト時間をステップS6401の処理とステップS6403の処理との間に設定していることとなる。
続くステップS6403では、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU202のレジスタにおける第2入賞判定エリアWA2に移行させる処理を実行する。ちなみに、入力ポート92aにおける情報の更新はステップS6401が完了してからステップS6403が開始されるまでの時間よりも短い間隔で行われているため、ステップS6403にて第0〜第7ビットD0〜D7から移行される情報は、ステップS6401の場合と異なるものとなり得る。
第2入賞判定エリアWA2は、第1入賞判定エリアWA1と同様に、図80(b−2)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第2入賞判定エリアWA2における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、さらに格納元のビットと格納先のビットとの関係は、第1入賞判定エリアWA1の場合と同一となっている。
その後、ステップS6404にて、入賞判定処理を実行した後に、本入賞検知処理を終了する。ここで、当該入賞判定処理について、図81のフローチャートを参照しながら説明する。
入賞判定処理では、先ずステップS6501にて、主側RAM204に設けられた入賞判定カウンタに8をセットする。続くステップS6502では、第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2における現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの各情報を把握する。この場合に把握される各情報は、入力ポート92aにおける同一のビットから読み出された情報である。
続くステップS6503では、ステップS6502にて把握した各情報のAND処理を実行し、そのAND処理結果をレジスタに記憶するとともに、ステップS6504にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞検知処理にてAND処理の結果の情報が格納された側とは異なる側の対応するビットに上記AND処理結果を格納する。第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4は、図80(b−3)及び図80(b−4)に示すように8ビットから構成されており、第1入賞判定エリアWA1の各ビットと第2入賞判定エリアWA2の各ビットとのAND処理結果の各情報を全て格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、AND処理の対象となった第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2のビットの順番と、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4における各ビットの順番とは一義的に定められている。
その後、ステップS6505にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞判定処理にてAND処理の結果の情報が格納された側であって、現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの情報を読み出す。そして、ステップS6506にて、その読み出した情報を「0」と「1」との間で反転させるための反転処理を実行する。
その後、ステップS6507にて、ステップS6503におけるAND処理結果の情報と、ステップS6506における反転処理結果の情報とのAND処理を実行し、続くステップS6508にて、そのAND処理の結果が入賞検知開始情報に対応した「1」であるか否かを判定する。
ステップS6508にて、AND処理結果が「1」であると判定した場合には、ステップS6509にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報が上作動口33に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。上作動口33に対応している場合には、ステップS6510にて、主側RAM204に設けられた上作動口入賞フラグに「1」をセットし、ステップS6511にて、主側RAM204に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。なお、3個賞球カウンタは、3個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU202にて特定するためのカウンタである。
ステップS6509にて否定判定をした場合には、ステップS6512にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報が下作動口34に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。下作動口34に対応している場合には、ステップS6513にて、主側RAM204に設けられた下作動口入賞フラグに「1」をセットし、ステップS6514にて、主側RAM204に設けられた4個賞球カウンタの数値情報を1加算する。なお、4個賞球カウンタは、4個の賞球の実行を指示する4個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU202にて特定するためのカウンタである。
ステップS6512にて否定判定をした場合には、ステップS6515にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報がスルーゲート35に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。スルーゲート35に対応している場合には、ステップS6516にて、主側RAM204に設けられたスルーフラグに「1」をセットする。スルーフラグは、スルーゲート35への入賞に対応した処理を実行すべき状態であることを主側MPU202にて特定するためのフラグである。
ステップS6515にて否定判定をした場合には、ステップS6517にて、その他の対応処理を実行する。その他の対応処理では、現状の入賞判定カウンタの数値情報が可変入賞装置32に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。可変入賞装置32に対応している場合には、主側RAM204に設けられた大入賞フラグに「1」をセットするとともに主側RAM204に設けられた15個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
大入賞フラグは、可変入賞装置32への入賞に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU202にて特定するためのフラグである。また、15個賞球カウンタは、15個の賞球の実行を指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU202にて特定するためのカウンタである。
また、その他の対応処理において現状の入賞判定カウンタの数値情報が可変入賞装置32に対応したビットを示す情報ではないと判定した場合には、主側RAM204に設けられた10個賞球カウンタの数値情報を1加算する。10個賞球カウンタは、10個の賞球の実行を指示する10個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU202にて特定するためのカウンタである。
ステップS6508にて否定判定をした場合、又はステップS6511,ステップS6514,ステップS6516,ステップS6517のいずれかの処理を実行した後は、ステップS6518に進む。ステップS6518では、入賞判定カウンタを1減算し、その後、ステップS6519にて入賞判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
「0」でない場合には、ステップS6518にて更新した入賞判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS6502〜ステップS6517の処理を実行する。かかるステップS6502〜ステップS6517の処理を、ステップS6501にてセットした数値情報分実行した場合には、ステップS6519にて肯定判定をすることとなり、肯定判定をすることで、本入賞判定処理を終了する。
次に、上記入賞検知処理(図80)が実行されることにより、遊技領域の一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無が検知される様子について図82を参照しながら説明する。
先ず、図82(A)を参照しながら、入賞用検知センサ31a〜35bにおける検知結果(以下、入賞情報ともいう)を監視するタイミングを説明する。図82(A)は各入賞情報を監視するタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図82(A)に示すように、T1(具体的には4msec)周期でタイマ割込み処理(図76)が起動される構成において、入賞情報を監視する処理はタイマ割込み処理の各処理回で2回(ステップS6401,ステップS6403)行われる。各1組の入賞情報を監視する処理はタイミングが前後するように実行されるが、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS6401)はタイマ割込み処理が起動されたタイミングに対してT2の時間が経過したタイミングで実行される。
この場合に、タイマ割込み処理において入賞検知処理が実行されるタイミングは不正検知処理、発射制御処理、特図特電制御処理及び普図普電制御処理といった処理時間が変動し易い処理よりも先に実行され、さらにタイマ割込み処理において入賞検知処理よりも先に実行される処理は処理時間が比較的変動しにくい処理となっている。したがって、各処理回のタイマ割込み処理において先側の入賞情報を監視する処理が開始されるまでの期間はT2で同一、略同一又は同様となる。よって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
また、各1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS6401)と後側の入賞情報を監視する処理(ステップS6403)との間では、入賞検知用のウェイト処理(ステップS6402)が実行されるが、かかるウェイト処理では何ら処理を実行することなく一定のウェイト時間T3が経過するまで待機するだけである。したがって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、後側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
次に、図82(B)を参照しながら、入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明する。図82(B)は入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。なお、実際には1ビット単位で各種演算が行われるが、以下の説明では1バイト単位で演算の内容を説明する。但し、以下に説明するような1バイト単位での演算が実際に行われる構成としてもよい。
図82(B)の場合では、先ずn回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図82(B1)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「00100000」がセットされている。この場合、各入賞用検知センサ31a〜35bのうち第3入賞口検知センサ31cの入賞情報が遊技球を検知している旨の情報(以下、入賞有り情報ともいう)となっており、他のセンサの入賞情報は遊技球を検知していない旨の情報(以下、入賞無し情報ともいう)となっている。
また、当該n回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では、図82(B2)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100000」がセットされている。この場合、各入賞用検知センサ31a〜35bのうち第2ゲート検知センサ35b及び第3入賞口検知センサ31cのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図82(B3)に示すように「00100000」となり、当該情報がn回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第1演算後エリアWA3にセットされる。なお、n―1回目のタイマ割込み処理にて入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3にセットされている場合にはn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果は第2演算後エリアWA4にセットされる。また、n―1回目における入賞情報の監視結果とn回目における入賞情報の監視結果とを利用して入賞判定処理が実行されるが、この処理の演算の内容はここでは省略する。
次にn+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図82(B4)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「10100110」がセットされている。この場合、各入賞用検知センサ31a〜35bのうち第2ゲート検知センサ35b、第3入賞口検知センサ31c、下作動口検知センサ34c及び上作動口検知センサ33aのそれぞれが入賞有り情報となっており他のセンサは入賞無し情報となっている。
また、当該n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理にて、図82(B5)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100010」がセットされている。この場合、各入賞用検知センサ31a〜35bのうち第2ゲート検知センサ35b、第3入賞口検知センサ31c及び上作動口検知センサ33aのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図82(B6)に示すように「10100010」となり、当該情報がn+1回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第2演算後エリアWA4にセットされる。
その後、当該n+1回目のタイマ割込み処理における入賞判定処理(図81)にて、先ずn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3から読み出されるとともにその読み出された監視結果の情報に対して反転処理が実行される。そうすると、図82(B7)に示すように、「11011111」となる。そして、当該反転処理の結果の情報に対して、n+1回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果をAND処理する。これにより、図82(B8)に示すように、「10000010」となる。この場合、当該入賞判定処理では、第2ゲート検知センサ35bにて遊技球の入賞が検知されたと判定するとともに、上作動口検知センサ33aにて遊技球の入賞が検知されたと判定する。
また、図82(B4)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて下作動口検知センサ34cが入賞有り情報となっているが、これは電気的なノイズにより発生したものである。この場合に、入賞無し情報から入賞有り情報への切り換えを確認したとしても即座に入賞発生と特定するのではなく、入賞有り情報が複数回に亘って確認された場合に入賞発生と特定する構成である。したがって、図82(B5)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では下作動口検知センサ34cが入賞無し情報となっており、電気的なノイズの発生を遊技球の入賞と取り扱わないようになっている。
上記のような入賞有り情報の複数回の確認を、複数の処理回のタイマ割込み処理に亘って行うのではなく、1回の処理回の範囲内で行うことで、遊技球が比較的速い速度で入賞用検知センサ31a〜35bの検知位置を通過したとしても、それを正確に検知することが可能となる。例えば、入賞用検知センサ31a〜35bの検知位置を最速で10msec程度で遊技球が通過するように球通路が形成されている構成においては、4msec周期で定期的に起動されるタイマ割込み処理の各処理回で1回ずつ入賞情報を監視する処理を実行していると、その通過を見逃してしまうおそれがある。これに対して、タイマ割込み処理の1回の処理回の範囲内で入賞有り情報の複数回の確認を行うことで、このような見逃しの発生を低減することができる。
また、先側の入賞情報を監視する処理及び後側の入賞情報を監視する処理は既に説明したとおり、定期的に実行される。これにより、入賞情報を監視する処理が実行されない期間が局所的に長くなる事象の発生が抑えられ、この点からも遊技球の通過を見逃してしまう可能性が低減される。さらに、このように入賞情報を監視する処理が実行されない期間が局所的に長くなる事象の発生が抑えられていることにより、例えば今回の第2ゲート検知センサ35bにおける検知のようにn回目のタイマ割込み処理の途中で遊技球の通過の検知が開始されたとしても、その通過を見逃すことなく把握することができる。
但し、1回の処理回の範囲内で同一の入賞信号の確認を複数回行う構成においては、1回の電気的なノイズの発生による影響が継続している状況で複数回の確認が行われてしまうことが懸念される。これに対して、既に説明したとおり、1回のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理と後側の入賞情報を監視する処理との間に入賞検知用のウェイト処理(ステップS6402)が設定されており、さらにそのウェイト時間が電気的なノイズの影響が1組の入賞情報を監視する処理に亘って及んでしまわないように設定されている。よって、電気的なノイズの発生の影響で遊技球の入賞を誤検知してしまわないようになっている。
また、上記ウェイト処理は、主側MPU202において他の処理を実行することなく待機するための処理である。これにより、上記ウェイト時間が変動してしまうことが抑えられ、タイマ割込み処理の1回の処理回において同一の入賞用検知センサ31a〜35bから出力されている入賞信号を2回確認する場合の間隔の一定化が図られる。よって、入賞用検知センサ31a〜35bにて遊技球の検知が開始されてから入賞の発生と判定されるまでに要する時間が遊技の進行状況によって大きく変動してしまうことが抑えられる。
また、第3入賞口検知センサ31cではn回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理及びn+1回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理のそれぞれにて入賞有り情報となっているが、これは既に入賞の発生が把握された遊技球を継続して検知している状態を示している。この場合に、n回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が「0」であることを条件に入賞の発生を特定しているため、1個の遊技球の入賞を複数個の入賞として扱ってしまわない。また、かかる構成であっても、入賞が発生した場合にはタイマ割込み処理が2回実行された場合には入賞の発生と判定されるため、入賞の発生と判定するまでに要する期間の短縮化が図られる。
また、各回のタイマ割込み処理では、該当する処理回にて取得した複数の入賞情報に対して共通の論理演算を実行することで入賞情報の監視結果を算出し、連続する2処理回の当該算出結果から入賞が発生しているか否かを判定する。これにより、タイマ割込み処理の各処理回で同一の論理演算を実行することで、上記のような優れた効果を奏することができる。
ここで、入賞発生の有無の判定については、複数の監視回に亘る入賞情報を履歴として記憶し、それら記憶した履歴の入賞情報を利用して論理演算を行うことで当該判定が行われるのに対して、停電発生の有無の判定については、停電検知カウンタを用いて停電発生と特定した回数をカウントすることで当該判定が行われる。この場合に、入賞発生の有無の判定に関してステップS6401の処理が開始されてからステップS6508の処理が実行されるまでの期間は、停電発生の有無の判定に関してステップS6301の処理が開始されてからステップS6308の処理が実行されるまでの期間と同一、略同一又は同様となっている。これは、判定に際して信号の内容を監視する回数が停電発生の有無の判定の方が入賞発生の有無の判定に比べて多いのに対して、入賞発生の有無の判定においては入賞検知用のウェイト時間が設定されていることによる。
仮に、強制的なウェイト時間を利用する処理構成を停電発生の有無の判定を行うために適用しようとすると、信号の監視を行える回数が減少してしまい停電の発生を把握する精度が低下してしまう。一方、強制的なウェイト時間によるのではなく繰り返し確認する回数の多さを利用する処理構成を入賞発生の有無の判定を行うために適用しようとすると、入賞情報の履歴を記憶しておくために必要な記憶容量が極端に増加してしまう。したがって、入賞発生の有無の判定ではウェイト時間を利用して、停電発生の有無の判定では繰り返し回数の多さを利用することで、各判定を適切に行うことができる。
<タイマ更新処理>
次に、タイマ割込み処理(図76)のステップS6212にて実行されるタイマ更新処理について説明する。
タイマ更新処理には、処理の実行タイミングを把握すべく経過時間を把握するために主側RAM204に設けられたタイマカウンタのうち、経過時間の計測が数値情報の減算を通じて行われる複数種類の減算対応のタイマカウンタTC1〜TC10を減算するための処理が集約されている。
図83は主側RAM204に設定されたタイマ領域TAを説明するための説明図であり、当該図83に示すように、減算対応のタイマカウンタTC1〜TC10として、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4が複数種類設けられているとともに、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10が複数種類設けられている。16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4には、後述する特図特電タイマカウンタTC1と、後述する普図普電タイマカウンタTC2と、後述する電波報知用タイマカウンタTC3と、発射開始タイマカウンタTC4と、が含まれている。また、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10には、後述する監視用タイマカウンタTC5と、後述する断線報知用タイマカウンタTC6と、後述する短絡報知用タイマカウンタTC7と、後述する断線確認用タイマカウンタTC8と、が含まれている。
これら各タイマカウンタTC1〜TC10には、主側RAM204において割り当てられている物理ブロックを主側MPU202にて特定するためのアドレス情報が設定されている。連番となるアドレス情報のうち、1連のアドレス情報が16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4群に対して割り当てられているとともに、それとは異なる1連のアドレス情報が8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10群に対して割り当てられている。
具体的には、タイマアドレスの先端アドレス(P)からアドレス(Q−1)までの連番のアドレスが16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4群に対して割り当てられているとともに、アドレス(Q)からアドレス(R−1)までの連番のアドレスが8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10群に対して割り当てられている。つまり、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4群に対して先側のアドレスが割り当てられているとともに、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4群における最後のアドレスと、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10群における最初のアドレスとが連番となっている。
また、各アドレス情報は1バイト分のエリアに対して個別に割り当てられているため、各8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10のそれぞれに対しては、1つのアドレス情報が割り当てられているのに対して、各16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4のそれぞれに対しては、2つのアドレス情報が割り当てられている。この場合に、主側MPU202において16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4を特定する場合には各16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4に割り当てられている2つのアドレス情報のうち先側のアドレス情報を利用する。
さて、タイマ更新処理では、図84のフローチャートに示すように、先ずステップS6601にて、主側MPU202のレジスタにおけるタイマアドレスに16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4の先頭アドレスをセットする。この先頭アドレスはプログラム上において設定されている。
続くステップS6602では、更新処理の対象とすべき16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4の数を主側MPU202にて特定するために、繰り返しカウンタに対して16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4の数をセットする。続くステップS6603では、現状のタイマアドレスに対応した16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4に格納されている数値情報を主側MPU202のレジスタに読み出す処理を実行する。なお、ステップS6601及びステップS6602の処理を実行した直後のステップS6603では、先頭アドレスに対応した16ビットのタイマカウンタTC1に格納されている数値情報を読み出す。
続くステップS6604では、ステップS6603にて読み出した数値情報が「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合には、ステップS6605にて、その数値情報を1減算し、ステップS6606にて、減算した結果の数値情報を読み出し元の16ビットのタイマカウンタに上書きする。その後、ステップS6607に進む。
一方、ステップS6604にて肯定判定をした場合には、ステップS6604及びステップS6605の処理を実行することなくステップS6607に進む。つまり、更新対象となった16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4が既に「0」となっている場合には、1減算する処理が実行されない。
ステップS6607では、タイマアドレスを2加算することで、次の16ビットのタイマカウンタを更新対象に設定する。つまり、既に説明したとおり16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4は2バイトの情報量であり2つのアドレス情報が設定されているため、次の16ビットのタイマカウンタを更新対象とするためにはアドレス情報を2加算する必要が生じる。続くステップS6608では、繰り返しカウンタを1減算する。
ここで、先頭アドレス以降は、タイマアドレスを2加算することで、対象となる16ビットのタイマカウンタのアドレスが認識される構成であるため、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4のアドレスのうち先頭アドレス以外については、タイマ更新処理用に個別に記憶しておく必要がない。これにより、主側ROM203において必要な記憶容量の削減が図られる。さらに、先頭アドレス以外は全て、現状のタイマアドレスに2加算することで各アドレスが把握される構成である。これにより、アドレスの認識に係る処理の簡素化が図られる。
その後、ステップS6609にて、ステップS6608にて1減算した結果の繰り返しカウンタが「0」となっているか否かを判定する。つまり、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4全てについて更新処理が完了したか否かを判定する。繰り返しカウンタが1以上である場合には、ステップS6609にて否定判定をし、ステップS6607にて2加算した結果のタイマアドレスに対応した16ビットのタイマカウンタについて、ステップS6603〜ステップS6606の処理を実行する。繰り返しカウンタが「0」である場合には、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4の全てについて更新が完了したことを意味するため、ステップS6610に進む。
ステップS6610では、更新処理の対象とすべき8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の数を主側MPU202にて特定するために、繰り返しカウンタに対して8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の数をセットする。
ここで、ステップS6610の処理は、更新処理の対象が16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4から8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10に切り換えられた場合に実行されるが、この際に8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の先頭アドレスの設定は行われない。これは、更新順序が最後となる16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4が更新対象となった際におけるステップS6607の処理にてタイマアドレスが、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の先頭アドレスに設定されているからである。これにより、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の先頭アドレスを、タイマ更新処理用に個別に記憶しておく必要がないため、主側ROM203において必要な記憶容量の削減が図られる。
続くステップS6611では、現状のタイマアドレスに対応した8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10に格納されている数値情報を主側MPU202のレジスタに読み出す処理を実行する。なお、ステップS6610の処理を実行した直後のステップS6611では、先頭アドレスに対応した8ビットのタイマカウンタTC5に格納されている数値情報を読み出す。
続くステップS6612では、ステップS6611にて読み出した数値情報を1減算する処理を実行し、その後にステップS6613にて、その減算結果の数値情報にキャリーフラグの内容を加算する。そして、ステップS6614にて、演算した結果の数値情報を読み出し元の8ビットのタイマカウンタに上書きする。
つまり、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10を更新する際には、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4を更新する場合とは異なりステップS6604のような数値情報が「0」であるか否かの判定が行われることなく、数値情報を1減算する処理を実行する。したがって、数値情報が「0」である場合に1減算する処理が実行された場合には、8ビットの数値情報は16進数で「FF」となる。これに対して、ステップS6612の処理後において数値情報が「FF」となった場合にはキャリーフラグに「1」がセットされ、ステップS6613にてその「1」の数値情報が上記「FF」に対して加算される。そうすると、当該数値情報は「0」に復帰することとなる。
ここで、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10においてキャリーフラグを利用して「0」の数値情報を1減算後においても「0」に保持する処理の処理負荷は、ステップS6604のように数値情報が「0」であるか否かを判定して進行していく処理を分岐させる場合の処理負荷に比べて小さいものである。したがって、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10においては上記のようにキャリーフラグを利用することで、処理負荷の軽減が図られる。その一方、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4においては数値情報の減算及び加算に際して扱うビット数が多くなる。そうすると、上記のようにキャリーフラグを利用して「0」の数値情報を1減算後において「0」に保持する処理の処理負荷の方が、ステップS6604のように数値情報が「0」であるか否かを判定して進行していく処理を分岐させる場合の処理負荷に比べて大きくなる。したがって、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4についてはステップS6604のような判定処理を実行することが好ましい。つまり、更新対象となった数値情報が「0」である場合の扱いを、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10と16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4とのそれぞれに対応させて適切に行うことが可能となる。
ステップS6614の処理の実行後は、ステップS6615にて、タイマアドレスを1加算することで、次の8ビットのタイマカウンタを更新対象に設定するとともに、ステップS6616にて、繰り返しカウンタを1減算する。
ここで上記処理構成であることにより、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10については、それらのアドレスの全てを、タイマ更新処理用に個別に記憶しておく必要がない。これにより、主側ROM203において必要な記憶容量の削減が図られる。また、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10が更新対象となってからは、現状のタイマアドレスに1加算することで各アドレスが把握される構成である。これにより、アドレスの認識に係る処理の簡素化が図られる。
その後、ステップS6617にて、ステップS6616にて1減算した結果の繰り返しカウンタが「0」となっているか否かを判定する。つまり、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10全てについて更新処理が完了したか否かを判定する。繰り返しカウンタが1以上である場合には、ステップS6617にて否定判定をし、ステップS6616にて1減算した結果のタイマアドレスに対応した8ビットのタイマカウンタについて、ステップS6611〜ステップS6616の処理を実行する。繰り返しカウンタが「0」である場合には、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の全てについて更新が完了したことを意味するため、本タイマ更新処理を終了する。
以上のとおり、数値情報を減算することで時間の経過を計測するために利用される16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4及び8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10は、その数値情報の更新がタイマ更新処理(図84)にて実行される。これにより、各タイマカウンタTC1〜TC10の更新処理がそれらタイマカウンタTC1〜TC10の利用対象となる各処理にて個別に実行される場合に比べて、処理構成の簡素化が図られる。
また、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4については、タイマアドレスの変更を通じていずれのカウンタであっても同一の更新処理(ステップS6604〜ステップS6606)を利用することができ、同様に、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10についても、タイマアドレスの変更を通じていずれのカウンタであっても同一の更新処理(ステップS6612〜ステップS6614)を利用することができる。よって、プログラム容量の削減が図られる。また、各タイマカウンタTC1〜TC10の更新処理がそれらタイマカウンタTC1〜TC10の利用対象となる各処理にて個別に実行される場合に比べて、処理プログラムの読み出しを集約して行うことが可能となる。
また、例えば各タイマカウンタTC1〜TC10の数値情報の更新が加算式で行われる構成においては各タイマカウンタTC1〜TC10が期間の計測中であるか否かを、当該タイマカウンタTC1〜TC10の数値情報とは別の情報を参照して個別に把握する必要が生じる。これに対して、タイマ更新処理では、数値情報が減算されることで期間の計測が行われるタイマカウンタTC1〜TC10のみが更新対象となっているとともに、数値情報が「0」を下回った状態で維持されないように当該更新処理が実行される。これにより、タイマカウンタTC1〜TC10の数値情報の更新を集約して行う構成において、それらタイマカウンタTC1〜TC10にて期間の計測が行われていない状況における処理の簡素化が図られる。
また、加算式で数値情報の更新が行われることで期間の計測が行われるタイマカウンタ(具体的には後述する払出許可カウンタ)の更新については、タイマ更新処理とは別に実行される。これにより、タイマ更新処理の処理構成が複雑化することを抑制しつつ加算式のタイマカウンタを利用することが可能となる。
また、タイマ更新処理は、タイマ割込み処理(図76)においてその開始タイミングから処理時間が相対的に変動し易い処理が含まれていないため、タイマ割込み処理に含まれる他の処理の処理時間が変動した場合であっても、その変動がタイマカウンタTC1〜TC10の更新タイミングに与える影響を低減することが可能となる。これにより、各タイマカウンタTC1〜TC10の更新を定期的に行うことが可能となる。
<不正検知処理>
次に、タイマ割込み処理(図76)のステップS6213にて実行される不正検知処理について説明する。
不正検知処理では、予め定められている複数種類の検知対象の不正が発生しているか否かを監視し、不正が発生していることを特定した場合にそれに対処するための処理を実行する。かかる複数種類の検知対象の不正として、磁石を用いて遊技球の入賞を不正に発生させようとする行為、可変入賞装置32の大入賞口検知センサ32eに遊技球の入賞を誤検知させようとする行為、及び電波を用いて遊技球の入賞を不正に発生させようとする行為が含まれている。
さて、不正検知処理では、図85のフローチャートに示すように、先ずステップS6701にて、磁石検知センサ352がONとなっているか否かを判定する。具体的には、磁石検知センサ352は、磁石による磁気の発生を検知していない場合に非検知中に対応したLOWレベルの磁石検知信号を出力するとともに、磁石による磁気の発生を検知している場合に検知中に対応したHIレベルの磁石検知信号を出力する。なお、これらLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。かかる磁石検知信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU202への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU202の入力ポート92aへ入力される。ステップS6701では、入力ポート92aを監視することで、磁石検知センサ352が磁気の発生を検知中であるか否かを判定する。
ステップS6701にて否定判定をした場合には、ステップS6702にて、主側RAM204に設けられた磁石検知カウンタを「0」クリアする。磁石検知カウンタは、磁石検知センサ352が磁気の発生を検知中であることを確認した回数を主側MPU202にて特定するためのカウンタである。
一方、ステップS6701にて肯定判定をした場合には、ステップS6703にて、磁石検知カウンタを1加算するための処理を実行し、ステップS6704にてその加算後の数値情報が「2」であるか否かを判定する。つまり、磁石検知センサ352が磁気の発生を検知中であることを主側MPU202にて複数回に亘って確認したか否かを判定する。
ステップS6704にて肯定判定をした場合には、ステップS6705にて、主側RAM204の磁石検知済みフラグに「1」をセットすることで磁石検知済み状態に設定する。続くステップS6706では、磁石検知コマンドを出力対象に設定する。磁石検知コマンドは、磁石を用いた不正行為の発生を主側MPU202にて特定したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるためのコマンドでる。なお、主側MPU202では出力対象として設定されたコマンドは、主側MPU202のプログラム上の処理にて特別な処理を実行することなく出力先の制御装置に送信される。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートにて示すような報知及び演出制御処理を定期的(例えば2msec周期)に実行しており、当該処理にて磁石検知コマンドの受信に対応した処理を実行する。
つまり、ステップS6901にて報知系コマンドとして磁石検知コマンドを受信したか否かを判定し、磁石検知コマンドを受信している場合にはステップS6902にて、その磁石検知コマンドに対応した報知用処理を実行する。具体的には、磁石を用いた不正行為の特定に対応した報知がエラーランプ部及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って磁石対応用の報知をエラーランプ部及びスピーカ部64にて行わせる。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御、後述する発射許可用の制御、及び後述する第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、不正入賞用の報知の制御、後述する第2段階用の報知の制御、後述する入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS6903では、磁石検知コマンドの受信に対応した報知系のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、磁石を用いた不正行為の特定に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って磁石対応用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
不正検知処理(図85)の説明に戻り、ステップS6706の処理を実行した後は、ステップS6707に進む。ステップS6707では、磁石を用いた不正行為の発生を特定したことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。なお、外部端子板に対する出力設定は、タイマ割込み処理(図76)の外部情報設定処理(ステップS6222)にて実行される。これは以下の外部出力に係る処理についても同様である。
ステップS6702の実行後、ステップS6704にて否定判定をした場合又はステップS6707の実行後は、ステップS6708に進む。ステップS6708では、主側RAM204の大入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、可変入賞装置32の大入賞口32aへの入賞が発生しているか否かを判定する。大入賞口32aへの入賞が発生している場合にはステップS6709にて、主側RAM204に設けられた特図特電カウンタが「4」であるか否かを判定する。特図特電カウンタの内容については後に詳細に説明するが、当該カウンタが「4」である場合とは大入賞口32aが開放中であることを意味する。
特図特電カウンタが「4」ではない場合、すなわち大入賞口32aが閉鎖中である場合には、大入賞口32aが閉鎖中であるにも関わらず大入賞口検知センサ32eにて遊技球が検知されたことを意味する。この場合には、ステップS6710に進み、主側RAM204の不正入賞フラグに「1」をセットすることで不正入賞状態に設定する。続くステップS6711では、不正入賞コマンドを出力対象に設定する。不正入賞コマンドは、大入賞口検知センサ32eに入賞を誤検知させる不正行為が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるためのコマンドである。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6901にて報知系コマンドとして不正入賞コマンドを受信したか否かを判定し、不正入賞コマンドを受信している場合にはステップS6902にて、その不正入賞コマンドに対応した報知用処理を実行する。具体的には、不正入賞に対応した報知がエラーランプ部及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って不正入賞用の報知をエラーランプ部及びスピーカ部64にて行わせる。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御、後述する発射許可用の制御、及び後述する第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、磁石検知用の報知の制御、後述する第2段階用の報知の制御、後述する入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS6903では、不正入賞コマンドの受信に対応した報知系のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、不正入賞の特定に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って不正入賞対応用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
不正検知処理(図85)の説明に戻り、ステップS6711の処理を実行した後は、ステップS6712に進む。ステップS6712では、不正入賞させる不正行為の発生を特定したことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。なお、ステップS6709では、正規に開放されている大入賞口32aの閉鎖間際に遊技球の入賞が発生した場合を考慮して閉鎖タイミングから遊技球の検知に要する時間分が経過するまで否定判定をしない構成としてもよい。
ステップS6708にて否定判定をした場合、ステップS6709にて肯定判定をした場合又はステップS6712の実行後は、ステップS6713にて電波検知用処理を実行した後に、本不正検知処理を終了する。
ここで、図86のフローチャートを参照しながら電波検知用処理を説明する。
電波検知用処理では、先ずステップS6801にて、電波検知の第1段階状態であるか否かを判定する。本実施の形態では、電波検知センサ353にて電波の発生が検知されるが、電波の発生を検知しただけでは遊技停止とすることなく報知のみを行い、電波の発生を検知してさらに作動口33,34への入賞が発生した場合に遊技停止とする。この場合に、報知のみを行う状態が電波検知の第1段階状態であり、遊技停止を行う状態が電波検知の第2段階状態である。ちなみに、主側RAM204の第1電波検知フラグに「1」がセットされている状態が電波検知の第1段階状態であり、主側RAM204の第2電波検知フラグに「1」がセットされている状態が電波検知の第2段階状態である。
ステップS6801にて否定判定をした場合には、ステップS6802にて電波検知センサ353がONとなっているか否かを判定する。具体的には、電波検知センサ353は、電波を検知していない場合に非検知中に対応したLOWレベルの電波検知信号を出力するとともに、電波を検知している場合に検知中に対応したHIレベルの電波検知信号を出力する。なお、これらLOWレベルとHIレベルとの関係が逆であってもよい。かかる電波検知信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU202への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU202の入力ポート92aへ入力される。ステップS6802では、入力ポート92aを監視することで、電波検知センサ353が電波を検知中であるか否かを判定する。
ステップS6802にて肯定判定をした場合には、ステップS6803にて、主側RAM204の第1電波検知フラグに「1」をセットすることで、電波検知の第1段階状態に設定する。なお、電波検知センサ353がONとなっている状態を複数回確認した場合に、電波検知の第1段階状態に設定する構成としてもよい。
続くステップS6804では、第1段階コマンドを出力対象に設定する。第1段階コマンドは、電波検知の第1段階状態であることを主側MPU202にて特定したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるためのコマンドである。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6904にて第1段階コマンドを受信したか否かを判定し、第1段階コマンドを受信している場合にはステップS6905にて、報知継続期間をセットする。この場合、報知継続期間として30secが設定されており、音声ランプ制御装置82に設けられたタイマカウンタなどを利用して当該報知継続期間の経過が計測される。そして、音声ランプ制御装置82では、第1段階コマンドを受信したことに対応した報知を、当該報知継続期間が経過するまで継続する。ちなみに、報知継続期間は、ステップS6805にてセットされる報知周期よりも長い時間であれば任意であるが、第1段階用の報知を遊技ホールの管理者が十分に確認できる程度の時間は継続するように設定されていることが好ましい。
続くステップS6906では、第1段階用の音声発光パターンを設定する。具体的には、電波検知の第1段階状態であることに対応した報知がエラーランプ部及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って第1段階用の報知をエラーランプ部及びスピーカ部64にて行わせる。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御や後述する発射許可用の制御よりも優先される。但し、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、後述する第2段階用の報知の制御、後述する入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御との関係では、第1段階用の報知は優先されない。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS6907では、第1段階コマンドの受信に対応した第1段階用のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、電波検知の第1段階状態に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って第1段階用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
電波検知用処理(図86)の説明に戻り、ステップS6804の処理を実行した後は、ステップS6805に進む。ステップS6805では、主側RAM204に設けられた電波報知用タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタTC3)に報知周期の時間(具体的には2000msec)に対応した数値情報をセットする。本実施の形態では、電波検知の第1段階状態が継続している状況ではそれに対応した報知が継続されるようにすべく、定期的に第1段階コマンドの送信が行われるようにしており、電波報知用タイマカウンタはその第1段階コマンドを定期的に送信するタイミングを主側MPU202にて特定するために利用される。なお、報知周期の時間は任意であり、1000msecであってもよい。
その後、ステップS6806にて、電波検知の第1段階状態であることを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために電波検知用の外部出力開始処理を実行した後に、ステップS6807に進む。
ステップS6807では、主側RAM204に設けられた監視用タイマカウンタ(8ビットのタイマカウンタTC5)に監視時間(例えば1000msec)に対応した数値情報をセットする。上記のとおり電波検知センサ353にて電波を検知した場合には、先ず電波検知の第1段階状態に設定され、さらに作動口33,34への入賞が発生した場合に電波検知の第2段階状態に設定されることとなるが、かかる第2段階状態への設定は、電波の検知中又は電波の検知が終了してから所定期間が経過するまでに作動口33,34への入賞が発生したことを条件に行われる。ステップS6807にてセットされる監視時間は、当該所定期間に相当する。
ステップS6801にて電波検知の第1段階状態に既に設定されていると判定した場合には、ステップS6808にて、電波検知センサ353がONとなっている状態が継続しているか否かを判定する。継続している場合には、ステップS6809にて、電波報知用タイマカウンタが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合にはステップS6807に進む。一方、「0」となっている場合にはステップS6804に進む。これにより、電波検知の第1段階状態が継続している場合に、第1段階コマンドの送信を定期的に行うことができる。
ステップS6808にて否定判定をした場合には、ステップS6810にて、主側RAM204の第1電波検知フラグを「0」クリアすることで、電波検知の第1段階状態を解除する。また、ステップS6811にて、電波検知用の外部出力解除処理を実行して、電波検知の第1段階状態が解除されたことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。
ステップS6802にて否定判定をした場合、ステップS6807の処理を実行した場合、又はステップS6811の処理を実行した場合には、ステップS6812に進む。ステップS6812では、主側RAM204の作動入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生しているか否かを判定する。また、ステップS6813では、監視用タイマカウンタの数値情報が「0」より大きい数値情報であるか否かを判定する。
ステップS6812又はステップS6813にて否定判定をした場合には、そのまま電波検知用処理を終了する。ステップS6812及びステップS6813の両方にて肯定判定をした場合、すなわち、電波の検知中又は電波の検知が終了してから監視時間が経過するまでに作動口33,34への入賞が発生した場合には、ステップS6814〜ステップS6816の処理に進む。
ステップS6814では、主側RAM204の第2電波検知フラグに「1」をセットすることで、電波検知の第2段階状態に設定する。続くステップS6815では、第2段階コマンドを出力対象に設定する。第2段階コマンドは、電波検知の第2段階状態であることを主側MPU202にて特定したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるためのコマンドである。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6908にて第2段階コマンドを受信したか否かを判定し、第2段階コマンドを受信している場合にはステップS6909にて、第2段階用の音声発光パターンを設定する。具体的には、電波検知の第2段階状態であることに対応した報知がエラーランプ部及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って第2段階用の報知をエラーランプ部及びスピーカ部64にて行わせる。
ちなみに、この場合の報知は、電波検知の第1段階状態における報知よりも明確又は派手な態様で行われる。また、当該報知の制御は、後述する演出用の制御、後述する発射許可用の制御、及び第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、後述する入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS6910では、第2段階コマンドの受信に対応した第2段階用のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、電波検知の第2段階状態に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って第2段階用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
電波検知用処理(図86)の説明に戻り、ステップS6815の処理を実行した後は、ステップS6816に進む。ステップS6816では、電波検知の第2段階状態であることを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために異常用の外部出力開始処理を実行する。その後、本電波検知用処理を終了する。
<遊技停止判定処理>
次に、タイマ割込み処理(図76)のステップS6207にて実行される遊技停止判定処理について図88のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技停止判定処理では、ステップS7001にて磁石検知済み状態であるか否かを判定し、ステップS7002にて不正入賞状態であるか否かを判定し、さらにステップS7003にて電波検知の第2段階状態であるか否かを判定する。そして、ステップS7001〜ステップS7003の全てにおいて否定判定をした場合には、そのまま本遊技停止判定処理を終了する。
一方、ステップS7001〜ステップS7003のいずれかにて肯定判定をした場合には、ステップS7004に進む。ステップS7004では、主側MPU202の出力ポートにおける出力状態を全て「0」にセットする処理を実行する。これにより、例えば可変入賞装置32の大入賞口32aが開放状態である状況であっても、可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力が停止されることで大入賞口32aが閉鎖状態に切り換えられる。また、下作動口34の電動役物34aが開放状態である状況であっても、電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力が停止されることで電動役物34aが閉鎖状態に切り換えられる。また、主側MPU202から電源及び発射制御装置98に向けてHIレベルの発射許可信号が出力されている状況であっても、それがLOWレベルの発射許可信号に切り換えられ、遊技球の発射が禁止される。
続くステップS7005では、主側RAM204に設けられた遊技停止フラグに「1」をセットすることで、遊技停止状態とする。続くステップS7006ではその他の解除処理を実行する。例えば、払出側MPU362に対して遊技停止コマンドを出力することで、払出装置96による遊技球の払出を停止させる。また、メイン表示部43や役物用表示部44における絵柄の変動表示を停止させる。その後、本遊技停止判定処理を終了する。
上記のように遊技停止判定処理にて遊技停止状態に設定することにより、その後のタイマ割込み処理(図76)におけるステップS6208にて肯定判定をすることとなる。そして、ステップS6208にて肯定判定をした場合には、ステップS6209〜ステップS6223の処理をスキップする。これらステップS6209〜ステップS6223の処理は、実質的に遊技を進行させるための処理であり、かかる処理をスキップすることで、遊技の進行を停止させることができる。
但し、遊技停止状態であっても、タイマ割込み処理(図76)におけるステップS6203の停電情報記憶処理はスキップされない。これにより、遊技停止状態中に停電が発生したとしても、正常に停電時処理を実行することが可能となる。遊技停止状態中には停電時処理が正常に実行されない構成を想定すると、遊技停止状態となった際にパチンコ機10の電源が遮断された場合、停電フラグのセットやチェックサムの算出が正常に行われないことを通じてメイン処理の起動に際して主側RAM204の初期化が実行されてしまう。そうすると、パチンコ機10の単純な電源遮断を通じて遊技停止状態を解除できてしまう。このような場合、例えば不正行為により遊技球の払出を不正に発生させた後にパチンコ機10の電源を遮断させる行為が行われると、かかる不正行為を発見しづらくなるとともにその後にパチンコ機10が正常に動作することに起因してかかる不正行為を繰り返すことが可能となってしまう。これに対して、遊技停止状態中であっても停電時処理が正常に実行されるため、仮に上記不正行為を行った後にパチンコ機10の電源が遮断されたとしても、復電後には遊技停止状態に復帰することとなり、上記のような不都合の発生を阻止することが可能となる。
上記のとおり遊技停止状態は、パチンコ機10の電源を遮断したとしても解除されないが、電源及び発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチを手動操作し且つ電源を遮断することで、メイン処理(図75)におけるステップS6108の処理を通じて遊技停止フラグが「0」クリアされて解除される。また、この際に不正の検知に関して外部出力を行う状態も解除される。この場合に、電源及び発射制御装置98はパチンコ機10の最背面に設けられているため、不正行為者にとってはRAM消去スイッチを手動操作しづらくなっている。ちなみに、かかる操作性をより困難なものとするために、裏パック91や他の部材により背面側から覆われる位置にRAM消去スイッチが設けられている構成としてもよい。
ちなみに、遊技停止状態であっても各種抽選用のカウンタC1〜C4,CINI,CSを更新する処理はスキップされることなく継続される。これにより、遊技停止状態中であっても各種抽選用のカウンタC1〜C4,CINI,CSの更新を継続することができる。なお、当該構成は、RAM消去スイッチを操作し且つパチンコ機10の電源を遮断したとしても、各種抽選用のカウンタC1〜C4,CINI,CSの初期化が実行されない構成や、遊技停止状態の解除に際して主側RAM204の初期化を必須としない構成に適用するとより効果的である。
以上のとおり、遊技停止の対象となる不正行為が複数種類設定されている構成において、タイマ割込み処理(図76)において各不正行為の発生を特定する処理ではかかる不正行為の発生の有無を特定することに留め、具体的な遊技停止用の処理は、タイマ割込み処理において実質的に遊技を進行させるための処理を実行する前のタイミングで実行する。これにより、各不正行為の発生を特定した場合に即座に遊技停止用の処理を実行する場合に比べて、かかる遊技停止用の処理を一の処理に集約させることができ、処理の簡素化が図られる。
また、不正行為の発生を特定した場合に即座に遊技停止用の処理を実行しない構成であっても、不正行為の発生を特定した場合には即座にそれに対する報知が実行される。よって、遊技ホールの管理者は不正行為の発見を早期に行うことが可能となる。また、異常用の外部出力も不正行為の発生を特定した場合に即座に行われるため、例えばその外部出力が行われた時間を遊技ホールの管理コンピュータにて管理データとして記憶する構成とすれば、不正行為の発生を特定した瞬間の時間を遊技ホールの管理者が把握することが可能となる。
ここで、上記遊技停止の対象となる不正行為として電波を発生させる行為が含まれているが、電波は不正行為が行われていない状況であっても発生し得る。そこで、電波検知用処理では図86のフローチャートに示すような処理を実行することで、正規に遊技を行っている遊技者が不利益を受けづらくなるようにする対策が施されている。かかる対策について、図89のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図89(a)は電波検知センサ353における電波検知の状況を示し、図89(b)は監視時間のセット状況を示し、図89(c)は主側MPU202からのコマンドの出力状況を示し、図89(d)は作動口33,34への遊技球の入賞状況を示し、図89(e)は遊技停止状態の設定状況を示す。
先ずt1のタイミングで電波検知センサ353における電波の検知が開始される。このタイミングでは、第1段階コマンドが出力されて電波の検知が開始されたことに対応した報知が開始されるが、遊技停止状態の設定は行われない。また、t1のタイミングでは監視時間がセットされて、監視時間の計測が開始される。ちなみに、この監視時間のセットは、電波検知が継続している間は繰り返し実行される。
その後、電波検知センサ353にて電波を検知している状態が継続している状況で、t2のタイミングにて、t1のタイミングから報知周期が経過することで、再度、第1段階コマンドが出力される。但し、このタイミングでは電波検知の第1段階用の報知は継続しているため、かかる報知の報知継続時間が再セットされるだけで当該報知はそのまま継続される。
その後、t3のタイミングで電波検知センサ353にて電波を検知していない状態となる。但し、この状況であっても、監視時間の計測は継続している。特に、上記のとおり監視時間のセットは、電波検知が継続している間は繰り返し実行されるため、電波検知センサ353にて電波を検知している状態から検知していない状態に切り換わったタイミングから監視時間分は監視状態が維持される。つまり、監視状態が実質的に継続する時間というのは、電波検知センサ353にて電波を検知している時間と監視時間との和の時間となる。その後、t4のタイミングで監視時間の計測が終了する。
上記状況では、監視時間の計測が行われている期間、すなわち監視状態となっている期間において上作動口33又は下作動口34への入賞が発生していないため、第1段階用の報知は実行されているが遊技停止状態への設定は行われない。このような状況というのは、遊技者は正規に遊技を行っているにも関わらず、パチンコ機10又は遊技ホール内におけるノイズ等を原因に、電波検知センサ353にて電波を検知した場合に起こり得る。この場合には、遊技停止状態とならないため、遊技ホールの管理者などには注意を促しながら、正規に遊技を行っている遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
一方、電波を利用した不正行為が行われる場合について説明すると、先ずt5のタイミングで、電波検知センサ353における電波の検知が開始される。このタイミングでは既に説明したとおり第1段階コマンドの出力及び監視時間の計測の開始は行われるが、遊技停止状態の設定は行われない。
その後、監視時間の計測が行われている期間中、すなわち監視状態中であるt6のタイミングで上作動口33又は下作動口34への入賞が発生する。この場合、先ずt6のタイミングで第2段階コマンドが出力されて、電波検知の第2段階用の報知が開始される。また、t6のタイミングにおけるタイマ割込み処理の処理回に対して、次の処理回が開始されたt7のタイミングにて遊技停止状態への設定が行われ、遊技の進行が不可となる。なお、この際に監視時間の計測が終了される。
以上のように電波検知センサ353にて電波を検知したとしても、即座に遊技停止状態への設定を行わずに、かかる検知に付随して開始される監視時間の計測中に上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことを契機として遊技停止状態への設定を行うことで、既に説明したように正規の遊技者に不利益を与えないようにしながら、不正な電波を出力して上作動口33又は下作動口34への入賞を誤検知させる行為が行われた場合にはそれ以降の遊技の進行を停止させることが可能となる。
特に、電波を利用した不正行為は、上作動口33又は下作動口34への入賞の誤検知を発生させることを目的として行われるものであり、当該不正行為により電波を検知する場合には上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したと判定され易い。その一方、正規に遊技が行われている状況では電波の検知と上作動口33又は下作動口34への入賞とが同時期に発生する可能性が低い。このような事情において、電波を検知してさらに上作動口33又は下作動口34への入賞の発生を条件に遊技停止状態への設定を行うことで、不正行為者が不正を行うべく電波を発生させた場合には遊技停止状態への設定を通じてそれに対処できるとともに、正規に遊技が行われている状況で電波が発生した場合に遊技停止状態への設定が行われてしまう可能性が低減される。
また、電波検知センサ353にて電波を検知したことを契機として設定される監視状態は、電波検知センサ353にて電波を検知している期間だけでなく、その期間の経過後において監視時間が経過するまで継続される。これにより、不正な電波の出力を停止してから主側MPU202にて上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したと判定されるまでに所定のタイムラグが発生していたとしても、かかる不正行為に対処することが可能となる。
また、上記のように電波を検知しただけでは遊技停止状態への設定を行わない構成において、電波を検知した場合にそれに対する報知が行われる。これにより、電波が検知された場合には先ず報知を行うことで、それに対処すべきことを遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。また、報知の実行という軽度な処置を先ず実行し、遊技の進行の停止という重度な処置をその後に実行することにより、電波の発生に対する処置を段階的に行うことができ、不正行為による電波の発生に対して適切に対処することができるとともに、このような対処を行う構成が正規の遊技者へ与える影響を低減することが可能となる。
なお、電波の検知を通じた遊技停止状態への設定が正規に遊技を行っている遊技者のパチンコ機10にて行われづらくするために、例えば監視状態中の上作動口33又は下作動口34への入賞が、複数回として設定された基準回数に亘って連続して発生した場合、又は監視状態中の上作動口33又は下作動口34への入賞が少なくとも監視期間よりも長い期間として設定された所定期間中に複数回として設定された基準回数発生した場合に、遊技停止状態への設定を行う構成としてもよい。
また、電波を継続して又は断続して検知している期間が所定の基準期間を超えた場合に、遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。
<発射制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図76)のステップS6214にて実行される発射制御処理について説明する。
発射制御処理では、電源及び発射制御装置98における条件成立の送信回路376からHIレベルの条件成立信号を受信していることを条件として、当該電源及び発射制御装置98に対して遊技球の発射を許可するための処理である。
さて、発射制御処理では、先ずステップS7101にて、条件成立の受信済み状態であるか否かを判定する。条件成立の受信済み状態とは、HIレベルの条件成立信号を既に受信していることを主側MPU202にて特定済みである状態をいい、主側RAM204における条件成立の受信済みフラグに「1」がセットされている状態である。条件成立の受信済み状態ではない場合には、ステップS7102にて、条件成立信号はHIレベルであるか否かを判定する。
ちなみに、かかる条件成立信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU202への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU202の入力ポート92aへ入力される。ステップS7102では、入力ポート92aを監視することで、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ステップS7102にて否定判定をした場合には、そのまま本発射制御処理を終了する。一方、ステップS7102にて肯定判定をした場合には、ステップS7103にて、主側RAM204における条件成立の受信済みフラグに「1」をセットすることで、条件成立の受信済み状態に設定する。
続くステップS7104では、遅延時間の抽選処理を実行する。遅延時間の抽選処理では、主側MPU202にてHIレベルの条件成立信号の受信を開始した場合において、それに対してHIレベルの発射許可信号の送信を開始するタイミングを抽選により決定するための処理である。
具体的には、主側RAM204にはタイマ割込み処理が起動される度に1加算されるように更新される遅延抽選用のカウンタが設けられており、ステップS7104では先ずそのカウンタの現状の数値情報を読み出す。そして、その読み出した数値情報を、主側ROM203に設けられている遅延抽選用のテーブルと照合し、当該数値情報に対応した遅延時間の数値情報を読み出す。
ちなみに、本実施の形態では遅延時間として、0sec、遊技球の発射が継続して実行されている場合の発射周期である0.6sec、当該発射周期の2倍の時間、及び当該発射周期の3倍の時間といったように、複数種類の遅延時間が設定されている。但し、これに限定されることはなく、遅延時間が0secよりも長い時間である1種類のみが設定されており、ステップS7104では遅延時間の設定を行うか否かの抽選を実行する構成としてもよい。
また、遅延時間が上記時間よりも長い時間に設定されている構成としてもよい。但し、大入賞口32aが高頻度時間で開放される場合において、その開放が開始されたことを知った遊技者がそのタイミングで発射ハンドル54の操作を開始したにも関わらず、大入賞口32aへの入賞が発生することなく当該大入賞口32aが閉鎖されてしまうことを防止するために、遅延時間は高頻度時間よりも短い時間に設定されていることが好ましい。また、より好ましくは、高頻度時間による大入賞口32aの開放が開始されたタイミングで発射ハンドル54の操作が開始された場合であっても高頻度個数の入賞が発生し得るように遅延時間が設定されているとよい。また、開閉実行モード中又は大入賞口32aの開放中は遅延時間の設定が行われない構成としてもよい。
続くステップS7105では、ステップS7104における抽選処理の結果に対応した数値情報を主側RAM204に設けられた発射開始タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタTC4)にセットする。その後、本発射制御処理を終了する。
ステップS7101にて、条件成立の受信済み状態であると判定した場合には、ステップS7106にて、条件成立信号はHIレベルであるか否かを判定する。条件成立信号がHIレベルである場合には、ステップS7107にて、発射許可済み状態であるか否かを判定する。発射許可済み状態とは、HIレベルの発射許可信号を既に出力している状態であることをいい、主側RAM204における発射許可済みフラグに「1」がセットされている状態である。発射許可済み状態である場合には、ステップS7107にて肯定判定をし、そのまま本発射制御処理を終了する。
発射許可済み状態ではない場合には、ステップS7107にて否定判定をし、ステップS7108に進む。ステップS7108では、主側RAM204における発射開始タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。「0」である場合には、そのまま本発射制御処理を終了する。「0」ではない場合には、ステップS7109〜ステップS7111の処理を実行する。
ステップS7109では、主側RAM204の発射許可済みフラグに「1」をセットすることで、発射許可済み状態に設定する。続くステップS7110では、発射許可信号の出力状態をHIレベルに設定する。これにより、電源及び発射制御装置98に対して遊技球の発射を許可した状態となる。その後、ステップS7111にて、発射許可コマンドを出力対象に設定した後に、本発射制御処理を終了する。
発射許可コマンドは、主側MPU202にて遊技球の発射を新たに許可したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるためのコマンドである。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6911にて発射許可コマンドを受信したか否かを判定し、発射許可コマンドを受信している場合にはステップS6912にて、発射許可用の音声発光パターンを設定する。具体的には、発射許可に対応した報知が表示ランプ部63及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って発射許可に対応した報知を表示ランプ部63及びスピーカ部64にて行わせる。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御よりも優先される。但し、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、電波検知に係る第1段階用の報知の制御、第2段階用の報知の制御、後述する入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御との関係では、発射許可に対応した報知は優先されない。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS6913では、発射許可コマンドの受信に対応した発射許可用のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、発射許可に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って発射許可対応の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
発射制御処理(図90)の説明に戻り、ステップS7106にて否定判定をした場合には、ステップS7112にて、主側RAM204における条件成立の受信済みフラグを「0」クリアすることで、条件成立の受信済み状態を解除するとともに、ステップS7113にて、主側RAM204における発射許可済みフラグを「0」クリアすることで、発射許可済み状態を解除する。続くステップS7114では、発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。その後、本発射制御処理を終了する。
以上のとおり主側MPU202にて発射制御処理が実行されることにより、遊技球発射機構53の発射ソレノイド53aが駆動中であるか否かを主側MPU202にて把握することが可能となる。かかる把握を通じて、本実施の形態では、遊技球の発射を許可したタイミングで当該発射を許可した旨の報知をサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に行わせることができる。このような報知が実行されることで、例えば遊技者が入賞の発生し易いタイミングを計って遊技球の発射タイミングを調整している場合にその旨をパチンコ機10自身にて報知を行うことが可能となり、そのような行為を抑制したい遊技ホールなどにおいてはその報知を通じて当該行為を中止させることが可能となる。
ちなみに、上記のような報知の構成は、入球口を開閉する開閉扉を有するとともに入球口を通じて遊技領域に開放される内部空間に有利口を有し、当該有利口への遊技球の入賞を契機として大当たり状態などの特典が遊技者に付与される構成に適用するとより効果的である。例えば、所定の開閉条件が成立した場合に上記開閉扉が所定のタイミングで又は所定の周期で複数回、開状態となる構成の場合、その開状態となるタイミングを狙って遊技球の発射を行う行為が想定される。この場合、そのような狙い打ちをされると、遊技ホールが予定外の不利益を受けることがあり得る。このような事情においては、上記のような発射許可に対応した報知が行われるようにすることで当該不利益の発生を抑制できる。
また、HIレベルの条件成立信号の受信を開始した場合には、ステップS7104にて遅延時間の抽選を行い、その抽選結果に対応した遅延時間が経過した後に発射許可信号をHIレベルに切り換える構成である。この点からも、上記のような狙い打ちを抑制することができる。つまり、狙い打ちを行うべく遊技者が所定のタイミングで発射ハンドル54を操作したとしても、それに対して実際に遊技球が発射されるタイミングは不規則に変動することとなるため、実質的に狙い打ちが抑制される。
<入力状態監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図76)のステップS6215にて実行される入力状態監視処理について説明する。
入力状態監視処理では、入賞用IC351から受信している信号に基づいて、各入賞用検知センサ31a〜35b自身又は電気経路の途中位置にて断線や短絡が生じているか否かを主側MPU202にて把握するための処理を実行する。
ここで、図91を参照しながら入賞用IC351の機能について説明する。図91(a)は入賞用検知センサ31a〜35bのうち、大入賞口検知センサ32eと入賞用IC351との電気的な接続に関する構成を説明するためのブロック図であり、図91(b)は入賞用IC351への信号入力の様子を説明するための説明図である。なお、入賞用検知センサ31a〜35bのうち、大入賞口検知センサ32e以外のものについても図91(a),(b)の場合と同様である。
図91(a)に示すように、大入賞口検知センサ32eは入力用の電気経路EL1を通じて12Vの電圧が印加される。なお、当該電気経路EL1は、主制御基板201を介して電入時用電源部373に接続されている。また、大入賞口検知センサ32eは出力用の電気経路EL2を通じて入賞用IC351と接続されており、大入賞口検知センサ32eにおける検知結果に応じた電圧を入賞用IC351に対して印加する。この場合に、出力用の電気経路EL2に対しては複数の抵抗R1,R2が接続されており、これら抵抗R1,R2により入賞用IC351に印加される電圧を所定値以下とするとともに供給される電流を所定値以下とする機能が果たされる。
入賞用IC351には、大入賞口検知センサ32eの検知部における遊技球の通過の有無に応じて図91(b)に示すような電気信号が入力される。なお、図91(b)では理解を容易なものとするために単純な波形への整形後の信号を示す。この場合、大入賞口検知センサ32eの検知部を遊技球が通っていない状況ではLOWレベルの電気信号が入賞用IC351に入力され、検知部を遊技球が通っている状況ではHIレベルの電気信号が入賞用IC351に入力される。入賞用IC351では、このようなLOWレベル又はHIレベルの信号を入力している場合には、それに対応した信号を入賞信号として主側MPU202に出力する。
一方、大入賞口検知センサ32eについて、上記各電気経路EL1,EL2又はセンサ内部にて断線が生じた場合には、大入賞口検知センサ32eから入賞用IC351に入力される電圧がLOWレベルの場合よりも低い電圧であるVmin(すなわち0V)となる。また、上記各電気経路EL1,EL2間又はセンサ内部にて短絡が生じた場合には、大入賞口検知センサ32eから入賞用IC351に入力される電圧がHIレベルの場合よりも高い電圧であるVmaxとなる。
入賞用IC351は、大入賞口検知センサ32eに関して、入賞信号とは別に、断線信号及び短絡信号を主側MPU202に出力しており、大入賞口検知センサ32eから印加されている電圧がVminとなった場合には断線信号をLOWレベルからHIレベルに切り換え、さらにまた大入賞口検知センサ32eから印加されている電圧がVmaxとなった場合には短絡信号をLOWレベルからHIレベルに切り換える。主側MPU202では、このHIレベルへの切り換わりを確認することで、大入賞口検知センサ32eにて断線又は短絡が発生したことを認識し、それに対応した処理を実行する。
さて、入力状態監視処理では、図92のフローチャートに示すように、先ずステップS7201にて、断線発生状態であるか否かを判定する。断線発生状態とは、HIレベルの断線信号を既に受信していることを主側MPU202にて特定済みである状態をいい、主側RAM204における断線発生フラグに「1」がセットされている状態である。断線発生状態ではない場合には、ステップS7202にて、いずれかの断線信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ちなみに、かかる断線信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU202への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU202の入力ポート92aへ入力される。ステップS7202では、入力ポート92aを監視することで、断線信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ステップS7202にて否定判定をした場合には、そのままステップS7211に進む。ステップS7202にて肯定判定をした場合には、ステップS7203にて、主側RAM204の断線発生フラグに「1」をセットすることで断線発生状態に設定する。なお、断線信号がHIレベルであることを複数回確認した場合に、断線発生状態に設定する構成としてもよい。
続くステップS7204では、断線発生コマンドを出力対象に設定する。断線発生コマンドは、入賞用検知センサ31a〜35bにおける断線の発生を主側MPU202にて特定したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるためのコマンドである。この場合、主側MPU202では、断線信号がHIレベルとなった対象の入賞用検知センサ31a〜35bがいずれであるかを特定可能となっており、断線発生コマンドにはその対象となったセンサの種類の情報が含まれる。ちなみに、複数の入賞用検知センサ31a〜35bにおいて断線が発生している場合には、それら複数のもの全てについての種類の情報が含まれることとなる。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6901にて報知系コマンドとして断線発生コマンドを受信したか否かを判定し、断線発生コマンドを受信している場合にはステップS6902にて、その断線発生コマンドに対応した報知用処理を実行する。具体的には、断線発生に対応した報知がエラーランプ部及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って断線発生用の報知をエラーランプ部及びスピーカ部64にて行わせる。かかるデータテーブルは、30sec分に対応しているが、その時間は任意である。また、かかる断線発生用の報知は、断線発生の対象となった入賞用検知センサ31a〜35bの種類に関係なく同一の態様で行われるが、その種類に応じた態様で行われる構成としてもよい。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御、発射許可用の制御、及び電波検知に係る第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、電波検知に係る第2段階用の報知の制御、後述する短絡発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS6903では、断線発生コマンドの受信に対応した断線系のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、そのコマンドから断線が発生した事実及びその断線の対象となった入賞用検知センサ31a〜35bの種類を把握し、その種類に対応した断線発生の報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って断線発生用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
入力状態監視処理(図92)の説明に戻り、ステップS7204の処理を実行した後は、ステップS7205に進む。ステップS7205では、主側RAM204に設けられた断線報知用タイマカウンタ(8ビットのタイマカウンタTC6)に報知周期の時間(例えば1000msec)に対応した数値情報をセットする。本実施の形態では、断線発生状態が継続している状況ではそれに対応した報知が継続されるようにすべく、定期的に断線発生コマンドの送信が行われるようにしており、断線報知用タイマカウンタはその断線発生コマンドを定期的に送信するタイミングを主側MPU202にて特定するために利用される。その後、ステップS7206にて、断線発生状態であることを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために断線検知用の外部出力開始処理を実行した後に、ステップS7211に進む。
一方、ステップS7201にて断線発生状態に既に設定されていると判定した場合には、ステップS7207にて、いずれかの断線信号がHIレベルであるか否かを判定する。HIレベルである場合には、ステップS7208にて、断線報知用タイマカウンタが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合にはステップS7211に進む。一方、「0」となっている場合にはステップS7204に進む。これにより、断線発生状態が継続している場合に、断線発生コマンドの送信を定期的に行うことができる。
ステップS7207にて否定判定をした場合には、ステップS7209にて、主側RAM204の断線発生フラグを「0」クリアすることで、断線発生状態を解除する。また、ステップS7210にて、断線検知用の外部出力解除処理を実行して、断線発生状態が解除されたことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。その後、ステップS7211に進む。
ステップS7211では、短絡発生状態であるか否かを判定する。短絡発生状態とは、HIレベルの短絡信号を既に受信していることを主側MPU202にて特定済みである状態をいい、主側RAM204における短絡発生フラグに「1」がセットされている状態である。短絡発生状態ではない場合には、ステップS7212にて、いずれかの短絡信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ちなみに、かかる短絡信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU202への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU202の入力ポート92aへ入力される。ステップS7212では、入力ポート92aを監視することで、短絡信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ステップS7212にて否定判定をした場合には、そのままステップS7221に進む。ステップS7212にて肯定判定をした場合には、ステップS7213にて、主側RAM204の短絡発生フラグに「1」をセットすることで短絡発生状態に設定する。なお、短絡信号がHIレベルであることを複数回確認した場合に、短絡発生状態に設定する構成としてもよい。
続くステップS7214では、短絡発生コマンドを出力対象に設定する。短絡発生コマンドは、入賞用検知センサ31a〜35bにおける短絡の発生を主側MPU202にて特定したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるためのコマンドである。この場合、主側MPU202では、短絡信号がHIレベルとなった対象の入賞用検知センサ31a〜35bがいずれであるかを特定可能となっており、短絡発生コマンドにはその対象となったセンサの種類の情報が含まれる。ちなみに、複数の入賞用検知センサ31a〜35bにおいて短絡が発生している場合には、それら複数のもの全てについての種類の情報が含まれることとなる。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6901にて報知系コマンドとして短絡発生コマンドを受信したか否かを判定し、短絡発生コマンドを受信している場合にはステップS6902にて、その短絡発生コマンドに対応した報知用処理を実行する。具体的には、短絡発生に対応した報知がエラーランプ部及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って短絡発生用の報知をエラーランプ部及びスピーカ部64にて行わせる。かかるデータテーブルは、30sec分に対応しているが、その時間は任意である。また、かかる短絡発生用の報知は、短絡発生の対象となった入賞用検知センサ31a〜35bの種類に関係なく同一の態様で行われるが、その種類に応じた態様で行われる構成としてもよい。
なお、当該報知の制御は、後述する演出用の制御、発射許可用の制御、及び電波検知に係る第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、電波検知に係る第2段階用の報知の制御、入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、及び後述する払出側の断線発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS6903では、短絡発生コマンドの受信に対応した短絡系のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、そのコマンドから短絡が発生した事実及びその短絡の対象となった入賞用検知センサ31a〜35bの種類を把握し、その種類に対応した短絡発生の報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って短絡発生用の報知を図柄表示装置41にて行わせる。
入力状態監視処理(図92)の説明に戻り、ステップS7214の処理を実行した後は、ステップS7215に進む。ステップS7215では、主側RAM204に設けられた短絡報知用タイマカウンタ(8ビットのタイマカウンタTC7)に報知周期の時間(例えば1000msec)に対応した数値情報をセットする。本実施の形態では、短絡発生状態が継続している状況ではそれに対応した報知が継続されるようにすべく、定期的に短絡発生コマンドの送信が行われるようにしており、短絡報知用タイマカウンタはその短絡発生コマンドを定期的に送信するタイミングを主側MPU202にて特定するために利用される。その後、ステップS7216にて、短絡発生状態であることを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために短絡検知用の外部出力開始処理を実行した後に、ステップS7221に進む。
一方、ステップS7211にて短絡発生状態に既に設定されていると判定した場合には、ステップS7217にて、いずれかの短絡信号がHIレベルであるか否かを判定する。HIレベルである場合には、ステップS7218にて、短絡報知用タイマカウンタが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合にはステップS7221に進む。一方、「0」となっている場合にはステップS7214に進む。これにより、短絡発生状態が継続している場合に、短絡発生コマンドの送信を定期的に行うことができる。
ステップS7217にて否定判定をした場合には、ステップS7219にて、主側RAM204の短絡発生フラグを「0」クリアすることで、短絡発生状態を解除する。また、ステップS7220にて、短絡検知用の外部出力解除処理を実行して、短絡発生状態が解除されたことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させる。その後、ステップS7221に進む。
ステップS7221では、その他の処理を実行する。その他の処理では、内枠13や前扉枠14が開放中であるか否かを把握し、開放中である場合にはその旨の報知が表示ランプ部63、スピーカ部64及び図柄表示装置41の少なくともいずれかにて実行されるようにサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に対してコマンドを送信する。ステップS7221の処理を実行した後に、本入力状態監視処理を終了する。
以上のように入力状態監視処理が実行されることで、入賞用検知センサ31a〜35bにて断線又は短絡が発生している場合にそれに対する報知が実行される。これにより、断線や短絡が発生している状態が放置されてしまうことが防止される。
なお、ステップS7201〜ステップS7220の処理が、各入賞用検知センサ31a〜35bに対して個別に実行される構成としてもよい。また、入賞用IC351が不具備であり、上記ステップS7201〜ステップS7220の処理が実行されない構成としてもよい。
<特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図76)のステップS6216にて実行される特図特電制御処理について説明する。
特図特電制御処理では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
さて、特図特電制御処理では、図93のフローチャートに示すように、先ずステップS7301にて、保留情報の取得処理を実行する。ここで、保留情報の取得処理について、図94のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS7401では、上作動口入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。「1」がセットされていない場合には、ステップS7402〜ステップS7406の処理を実行することなくステップS7407に進む。上作動口入賞フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS7402に進む。
ステップS7402では、上作動口入賞フラグをクリアする。続くステップS7403では、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている始動保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS7407に進む。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、ステップS7404に進み、始動保留記憶数Nを1加算する。
続くステップS7405では、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS7404にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS7406では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに保留予告を実行させるために必要な処理である取得時の設定処理を実行する。当該処理の内容は、上記第8の実施の形態におけるステップS2906と同様である。
ステップS7401にて否定判定をした場合、ステップS7403にて否定判定をした場合又はステップS7406の処理を実行した後は、ステップS7407にて、下作動口入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。「1」がセットされていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。「1」がセットされている場合には、ステップS7408にて下作動口入賞フラグをクリアした後に、ステップS7403〜ステップS7406の処理を実行する。この場合、ステップS7403〜ステップS7406の処理後におけるステップS7407の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
特図特電制御処理(図93)の説明に戻り、ステップS7301にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS7302に進む。ステップS7302では、主側RAM204に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS7303では、主側ROM203から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS7304にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS7302〜ステップS7304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理、開閉実行モードに係る処理が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理と、が設定されている。また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理と、大入賞口32aの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理と、大入賞口32aの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU202にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
特図特電アドレステーブルについて図95の説明図を用いて説明すると、特図特電カウンタは「0」〜「6」の数値情報を設定可能となっており、特図特電アドレステーブルには特図特電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「SA0」〜「SA6」)が設定されている。この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、特図特電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU202にて把握することが可能となる。例えば、遊技回用の演出は、他の遊技回用の演出が実行されておらず且つ開閉実行モードではない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、遊技回用の演出に係る処理にて、遊技回用の演出を開始させる前に、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。また、遊技回用の演出の実行中には、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、確定表示中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。
また、開閉実行モードは、遊技回用の演出が終了し且つ他の開閉実行モードが実行されていない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、開閉実行モードに係る処理にて、開閉実行モードを開始させる前に、遊技回用の演出が終了したことを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じ、さらにオープニング中である場合には、オープニング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。また、オープニング以降では、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行うとともに、大入賞口32aが開放中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。さらにまた、エンディング中である場合には、エンディング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
これに対して、特図特電カウンタを利用すれば、様々なフラグを用意しておく必要はなく、さらには各処理の実行タイミングを確認する際の情報も集約される。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、特図特電カウンタ及び特図特電アドレステーブルを利用して、特図変動開始処理、特図変動中処理、特図確定中処理、特電開始処理、特電開放中処理、特電閉鎖中処理及び特電終了処理を実行するための処理構成を説明するとともに、各処理の処理構成を具体的に説明する。
ステップS7304の処理を実行した後は、ステップS7305にて、ゼロフラグの設定処理を実行する。ゼロフラグの設定処理では、特図特電タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタTC1)の数値情報を読み出し、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側MPU202のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。特図特電タイマカウンタは、時間の経過に応じた特図特電カウンタの更新タイミングを主側MPU202にて特定するために利用されるカウンタである。
続くステップS7306では、ステップS7304に取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS7307の特図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS7308の特図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS7309の特図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS7310の特電開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS7311の特電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS7312の特電閉鎖中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS7313の特電終了処理にジャンプする。ステップS7307〜ステップS7313の処理を実行した場合には、本特図特電制御処理を終了する。
以下、ステップS7307〜ステップS7313の処理について個別に説明する。
先ず、ステップS7307の特図変動開始処理について、図96のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS7501では、保留数Nが1以上であるか否かを判定する。保留数Nが「0」である場合にはそのまま本特図変動開始処理を終了する。保留数Nが1以上である場合には、ステップS7502にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず保留数Nを1減算するとともに、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置82に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定して送信する構成としてもよい。
続くステップS7503では、当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には主側ROM203に設けられた高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には主側ROM203に設けられた低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS7504では、ステップS7503における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS7505にて種別判定処理を実行する。種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、主側ROM203に設けられた振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、低確大当たり結果、低入賞高確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS7506では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM203に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM204に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、メイン表示部43に停止表示される絵柄の態様の情報が、大当たり結果の種類毎に相違させて設定されている。
続くステップS7507では、種別判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、主側RAM204には各大当たり結果の種類に対応したフラグが設けられており、ステップS7507では、それら各大当たり結果の種類に対応したフラグのうち、ステップS7505の種別判定結果に対応したフラグに対して「1」をセットする。
一方、ステップS7504にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS7508にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、主側ROM203に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報を主側RAM204に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS7507及びステップS7508のいずれかの処理を実行した後は、ステップS7509にて、表示継続時間(表示継続期間)の把握処理を実行する。かかる処理では、変動種別カウンタCSの数値情報を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回が最有利大当たり結果又は低確大当たり結果である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、いずれの大当たり結果でもなく、さらに実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、主側ROM203に記憶されているリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、主側ROM203に記憶されているリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの数値情報に対応した表示継続時間情報を取得する。ちなみに、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得され得る表示継続時間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続時間情報は、保留数Nが多いほど、表示継続時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続時間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、保留数Nやサポートモードに応じて表示継続時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続時間に対して、上記構成を適用してもよい。また、各種大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及びリーチ非発生の外れ結果の場合のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続時間の振分が行われることとなる。
続くステップS7510では、ステップS7509にて取得した表示継続時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。当該タイマカウンタにセットされた数値情報の更新は、既に説明したタイマ更新処理(図84)にて実行される。ちなみに、遊技回用の演出として、メイン表示部43における絵柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示とが行われるが、これらの各変動表示が終了される場合にはその遊技回の停止結果が表示された状態(図柄表示装置41では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で確定時間(最終停止時間)に亘って確定表示(最終停止表示)される。この場合に、ステップS7509にて取得される表示継続時間は1遊技回分のトータル時間に対して確定時間を差し引いた時間となっている。この点、表示継続時間を確定の前時間(最終停止の前時間)と換言することもできる。
続くステップS7511では、変動用コマンド及び種別コマンドを出力対象に設定する。変動用コマンドには、表示継続時間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間は、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照して取得される表示継続時間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82では表示継続時間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドにはリーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。
また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、低確大当たり結果の情報、低入賞高確大当たり結果の情報、及び最有利大当たり結果の情報が含まれる。ステップS7511にて出力対象として設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に送信される。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6914にて演出系のコマンドとして変動用コマンド及び種別コマンドを受信したか否かを判定し、変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合にはステップS6915にて、それら変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、今回の遊技回に対応した演出が表示ランプ部63及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って遊技回用の演出を表示ランプ部63及びスピーカ部64にて行わせる。かかるデータテーブルは、今回の遊技回の表示継続時間に対応している。
続くステップS6916では、今回の変動用コマンド及び種別コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、そのコマンドから今回の遊技回用の演出の種類を把握し、その種類に対応した表示演出が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って遊技回用の演出を図柄表示装置41にて行わせる。
特図変動開始処理(図96)の説明に戻り、ステップS7511の処理を実行した後は、ステップS7512にてメイン表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。続くステップS7513では処理待ち更新用の処理を実行する。当該更新用の処理では、上記第8の実施の形態におけるステップS3106〜ステップS3109と同様の処理を実行する。
その後、ステップS7514にて、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「0」であるため、ステップS7514の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「1」となる。その後、本特図変動開始処理を終了する。
次に、ステップS7308の特図変動中処理について、図97のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS7601では、主側MPU202のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、今回の遊技回用の演出における表示継続時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図93)ではステップS7305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「1」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の遊技回用の演出における表示継続時間が経過したことを意味する。ステップS7601にて否定判定をした場合には、ステップS7602に進む。
ステップS7602では、メイン表示部43の更新タイミングであるか否かを判定する。更新タイミングではない場合にはそのまま本特図変動中処理を終了する。更新タイミングである場合にはステップS7603にて、更新内容の読み出し処理を実行する。かかる更新内容は、主側ROM203に更新用データテーブルとして記憶されており、ステップS7603では更新タイミングに対応した更新内容をそのデータテーブルから読み出す。
続くステップS7604では、ステップS7603にて読み出した更新内容をメイン表示部43の更新用にセットする。ちなみに、メイン表示部43の表示内容を実際に更新させるための処理は、タイマ割込み処理(図76)におけるステップS6218の表示制御処理にて実行される。その後、本特図変動中処理を終了する。
一方、ステップS7601にて肯定判定をした場合には、ステップS7605にて、確定コマンド(最終停止表示コマンド)を出力対象に設定する。確定コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に対して今回の遊技回用の演出について確定表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6914にて演出系のコマンドとして確定コマンドを受信したか否かを判定し、確定コマンドを受信している場合にはステップS6915にて、当該確定コマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、確定表示に対応した演出が表示ランプ部63及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って確定表示用の演出を表示ランプ部63及びスピーカ部64にて行わせる。かかるデータテーブルは、確定時間に対応している。
続くステップS6916では、確定コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、そのコマンドから確定表示が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って今回の遊技回用の演出における停止結果を確定表示させる。
特図変動中処理(図97)の説明に戻り、ステップS7605の処理を実行した後は、ステップS7606に進む。ステップS7606では、停止結果の読み出し処理を実行する。当該読み出し処理では、今回の遊技回の開始に際して特図変動開始処理(図96)のステップS7506又はステップS7508にて主側RAM204に設定した停止表示させる絵柄の態様の情報を読み出す。続くステップS7607では、その読み出した絵柄の態様の情報をメイン表示部43の更新用にセットする。
続くステップS7608では、主側ROM203に予め記憶されている確定時間(例えば0.5sec)の情報を読み出し、その確定時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS7609では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図変動中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「1」であるため、ステップS7609の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「2」となる。その後、本特図変動中処理を終了する。
次に、ステップS7309の特図確定中処理について、図98のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS7701では、主側MPU202のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図93)ではステップS7305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「2」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の遊技回用の演出における確定時間が経過したことを意味する。ステップS7701にて否定判定をした場合には、そのまま本特図確定中処理を終了する。
ステップS7701にて肯定判定をした場合には、ステップS7702に進む。ステップS7702では、主側RAM204における大当たり結果に対応したフラグのいずれかに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が大当たり結果(すなわち、開閉実行モードへの移行契機となる結果)であったか否かを判定する。
ステップS7702にて肯定判定をした場合には、ステップS7703にて、オープニングコマンドを出力対象に設定する。オープニングコマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に対して開閉実行モード用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。ちなみに、オープニングコマンドには開閉実行モードの契機となった大当たり結果の種類の情報も含まれる。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6914にて演出系のコマンドとしてオープニングコマンドを受信したか否かを判定し、オープニングコマンドを受信している場合にはステップS6915にて、当該オープニングコマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、開閉実行モードに対応した演出が表示ランプ部63及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って開閉実行モード用の演出を表示ランプ部63及びスピーカ部64にて行わせる。ちなみに、ここで選択されるデータテーブルは、開閉実行モードの契機となった大当たり結果の種類に応じて相違している。
続くステップS6916では、オープニングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、そのコマンドから開閉実行モード用の演出が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って今回の開閉実行モード用の演出を図柄表示装置41にて実行させる。ちなみに、ここで選択されるデータテーブルは、開閉実行モードの契機となった大当たり結果の種類に応じて相違している。
特図確定中処理(図98)の説明に戻り、ステップS7703の処理を実行した後は、ステップS7704に進む。ステップS7704では、主側ROM203に予め記憶されているオープニング時間(例えば4sec)の情報を読み出し、そのオープニング時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS7705では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図確定中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「2」であるため、ステップS7705の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「3」となる。その後、本特図確定中処理を終了する。
一方、ステップS7702にて否定判定をした場合、すなわち今回の遊技回の契機となった当否判定の結果が外れ結果(すなわち、開閉実行モードへの移行契機とならない結果)であった場合には、ステップS7706に進む。ステップS7706では、特図特電カウンタの数値情報を「0」クリアする。その後、本特図確定中処理を終了する。
次に、ステップS7310の特電開始処理について、図99のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS7801では、主側MPU202のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図93)ではステップS7305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「3」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、今回の開閉実行モードにおけるオープニング時間が経過したことを意味する。ステップS7801にて否定判定をした場合には、そのまま本特電開始処理を終了する。
ステップS7801にて肯定判定をした場合には、ステップS7802にて、主側RAM204に設けられたラウンドカウンタに「15」をセットするとともに、ステップS7803にて、主側RAM204に設けられた入賞カウンタに「9」をセットする。ラウンドカウンタは、開閉実行モードにおいて残りのラウンド遊技の回数を主側MPU202にて特定するためのカウンタであり、入賞カウンタは一のラウンド遊技において上限個数の遊技球の入賞が発生したか否かを主側MPU202にて特定するためのカウンタである。
続くステップS7804では、最初の開放継続時間の読み出し処理を実行する。具体的には、主側RAM204のフラグを確認することで、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が低入賞高確大当たり結果であるか否かを判定し、低入賞高確大当たり結果ではない場合には主側ROM203から長時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。一方、低入賞高確大当たり結果である場合には主側ROM203から短時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。そして、その読み出した開放継続時間の情報を、ステップS7805にて、特図特電タイマカウンタにセットする。
続くステップS7806では、大入賞口32aを開放状態とするための開放設定処理を実行する。当該開放設定処理では、主側MPU202における大入賞口32aに係るレジスタに「1」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図76)におけるステップS6209のポート出力処理にて、大入賞口32aを開放状態に切り換えるべく可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力が開始される。
続くステップS7807では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特電開始処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「3」であるため、ステップS7807の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。その後、本特電開始処理を終了する。
次に、ステップS7311の特電開放中処理について、図100のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS7901では、主側MPU202のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図93)ではステップS7305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「4」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、現状のラウンド遊技における開放継続時間が経過したことを意味する。
ステップS7901にて肯定判定をした場合には、ステップS7902に進む。ステップS7902では、ラウンドカウンタを1減算する。続くステップS7903では、主側ROM203に予め記憶されている閉鎖時間(例えば1sec)の情報を読み出し、その閉鎖時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。そして、ステップS7904にて、大入賞口32aを閉鎖状態とするための閉鎖設定処理を実行する。当該閉鎖設定処理では、主側MPU202における大入賞口32aに係るレジスタに「0」をセットする。これにより、次回のタイマ割込み処理(図76)におけるステップS6209のポート出力処理にて、大入賞口32aを閉鎖状態に切り換えるべく可変入賞駆動部32cへの駆動信号の出力が停止される。
続くステップS7905では、特図特電カウンタを1加算する。この場合、特電開放中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「4」であるため、ステップS7905の処理が実行された場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」となる。その後、本特電開放中処理を終了する。
一方、ステップS7901にて否定判定をした場合には、ステップS7906にて、主側RAM204の大入賞フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま本特電開放中処理を終了する。セットされている場合には、ステップS7907にて、大入賞フラグを「0」クリアするとともに、ステップS7908にて、入賞カウンタを1減算する。その後、ステップS7909にて入賞カウンタが「0」であるか否かを判定し、「0」である場合にはステップS7902〜ステップS7905の処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する一方、「0」ではない場合にはそのまま本特電開放中処理を終了する。
次に、ステップS7312の特電閉鎖中処理について、図101のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS8001では、ラウンドカウンタが「0」であるか否かを判定する。ラウンドカウンタが「0」ではない場合には、ステップS8002にて、主側MPU202のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、閉鎖時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図93)ではステップS7305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「5」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、閉鎖時間が経過したことを意味する。ステップS8002にて否定判定をした場合には、そのまま本特電閉鎖中処理を終了する。
ステップS8002にて肯定判定をした場合には、ステップS8003にて入賞カウンタに「9」をセットする。続くステップS8004では、開放継続時間の読み出し処理を実行する。具体的には、特電開始処理(図99)のステップS7804における処理と同様の処理を実行することで、長時間態様に対応した開放継続時間の情報又は短時間態様に対応した開放継続時間の情報を読み出す。そして、その読み出した開放継続時間の情報を、ステップS8005にて、特図特電タイマカウンタにセットする。
続くステップS8006では、開放設定処理を実行する。当該開放設定処理の処理内容は、特電開始処理(図99)におけるステップS7806の開放設定処理と同様である。続くステップS8007では、特図特電カウンタを1減算する。この場合、特電閉鎖中処理が実行された場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」であるため、ステップS8007の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「4」となる。その後、本特電閉鎖中処理を終了する。
一方、ステップS8001にて、ラウンドカウンタが「0」であると判定した場合には、ステップS8008に進む。ステップS8008では、エンディングコマンドを出力対象に設定する。エンディングコマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に対してエンディング用の演出を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。ちなみに、エンディングコマンドには開閉実行モードの契機となった大当たり結果の種類の情報も含まれる。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6914にて演出系のコマンドとしてエンディングコマンドを受信したか否かを判定し、エンディングコマンドを受信している場合にはステップS6915にて、当該エンディングコマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、エンディングに対応した演出が表示ランプ部63及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってエンディング用の演出を表示ランプ部63及びスピーカ部64にて行わせる。ちなみに、ここで選択されるデータテーブルは、エンディング時間に対応している。
続くステップS6916では、エンディングコマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、そのコマンドからエンディング用の演出が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってエンディング用の演出を図柄表示装置41にて実行させる。ちなみに、ここで選択されるデータテーブルは、エンディング時間に対応している。
特電閉鎖中処理(図101)の説明に戻り、ステップS8008の処理を実行した後は、ステップS8009に進む。ステップS8009では、主側ROM203に予め記憶されているエンディング時間(例えば6sec)の情報を読み出し、そのエンディング時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS8010では特図特電カウンタを1加算する。この場合、特図閉鎖中処理が実行される場合における特図特電カウンタの数値情報は「5」であるため、ステップS8010の処理が実行された場合には特図特電カウンタの数値情報は「6」となる。その後、本特電閉鎖中処理を終了する。
次に、ステップS7313の特電終了処理について、図102のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS8101では、主側MPU202のレジスタに設けられたゼロフラグに「1」がセットされているか否かを確認することで、エンディング時間が経過したか否かを判定する。つまり、特図特電制御処理(図93)ではステップS7305にて、特図特電タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かを事前に確認し、「0」である場合にはゼロフラグに「1」をセットするため、特図特電カウンタの数値情報が「6」である状況でゼロフラグに「1」がセットされている状況というのは、エンディング時間が経過したことを意味する。ステップS8101にて否定判定をした場合には、そのまま本特電終了処理を終了する。
ステップS8101にて肯定判定をした場合には、ステップS8102にて遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、今回終了した開閉実行モードの移行の契機となった大当たり結果の種類を、主側RAM204のフラグを参照することで確認し、その確認した大当たり結果の種類に対応した抽選モード及びサポートモードへの設定を行う。なお、当該処理にて大当たり結果の種類に対応した情報を示すフラグを「0」クリアする。続くステップS8103では、特図特電カウンタを「0」クリアする。その後、本特電終了処理を終了する。
以上のとおり、特図特電カウンタ、特図特電アドレステーブル及び特図特電タイマカウンタを利用して特図特電制御処理を実行するようにしたことで、遊技回用の演出及び開閉実行モードから構成される一連の遊技の流れにおいていずれの状況であるのかを主側MPU202にて特定する場合には特図特電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
また、ステップS7307〜ステップS7313の各処理では、当該処理に対応した状況が終了する場合に、特図特電カウンタの数値情報をその後に続く状況に対応したものに更新する処理が実行される。これにより、一の状況が終了して次の状況への遷移を行わせるための専用の処理を別途設ける必要がなく、処理構成の簡素化が図られる。
また、特図特電カウンタの初期値である「0」は、遊技回用の演出及び開閉実行モードから構成される一連の遊技状況における最初の状況に対応している。これにより、主側RAM204の初期化後などにおいて特図特電カウンタの数値情報の設定を特別に行わなくても、上記一連の遊技状況における最初の状況となるようにすることができる。
また、特図特電カウンタの更新に際しては、1減算、1加算及び「0」クリアのいずれかを行えばよいため、更新に係る処理の簡素化も図られる。
また、上記一連の遊技状況のいずれの状況であっても発生し得る保留情報を取得するための処理は、ステップS7307〜ステップS7313の各処理とは別に設定されており、特図特電カウンタを参照して実行される各処理に含まれていない。これにより、特図特電カウンタの数値情報の設定を同時に発生する状況をもフォローするように行う必要はなく、当該数値情報を利用した処理構成の簡素化が図られる。
また、ステップS7307〜ステップS7313の各処理のうち、対応する状況の終了条件を判定するために期間の計測が行われる処理では、特図特電タイマカウンタという共通の期間計測手段を利用して期間の計測が行われる。これにより、主側RAM204の記憶容量の削減が図られる。また、当該特図特電タイマカウンタを利用する各処理に対応した状況は同時に発生することがないため、特図特電タイマカウンタを共通して利用したとしても当該タイマカウンタが複数の状況において同時に参照されることはなく、特図特電タイマカウンタを利用する上での処理構成が複雑化することもない。
また、特図特電タイマカウンタを更新する処理は、ステップS7307〜ステップS7313とは別の処理として設定されたタイマ更新処理(図84)にて実行される。これにより、特図特電タイマカウンタを更新する処理がステップS7307〜ステップS7313の各処理に対して個別に設定されている構成に比べ、処理構成の簡素化が図られる。
また、特図特電タイマカウンタが「0」であるか否かの確認は、特図特電制御処理(図93)におけるステップS7305にて集約して行われ、ステップS7308〜ステップS7313の各処理では、主側MPU202のゼロフラグを確認することで各時間の経過を判断する。これにより、ステップS7308〜ステップS7313の各処理にて、主側RAM204の特図特電タイマカウンタから数値情報を読み出してその数値情報が「0」であるか否かの判定を行う場合に比べて、処理構成の簡素化が図られる。
ここで、特電特図カウンタは、特図特電制御処理以外の処理においても、遊技回用の演出及び開閉実行モードから構成される一連の遊技におけるいずれの状況であるかを確認するために参照される。かかる他の処理として、既に説明した不正検知処理(図85)が存在しており、不正検知処理では、ステップS6709にて、特図特電カウンタが「4」であるか否かを確認することで大入賞口32aが開放中であるか否かの確認を行っている。また、これ以外にも、タイマ割込み処理(図76)のステップS6219にて実行されるデモ表示用処理が存在している。
<デモ表示用処理>
以下に、図103のフローチャートを参照しながらデモ表示用処理について説明する。
先ずステップS8201では、特図特電カウンタが「0」であるか否かを判定する。特図特電カウンタが「0」である場合とは、遊技回用の演出が実行されておらず、さらに開閉実行モードでもない状況であることを意味する。
ここで、従来のように遊技回用の演出が実行されている状況であることをフラグの有無により確認するとともに、開閉実行モード中であることをフラグの有無により確認する構成においては、先ず一方のフラグの情報を主側RAM204から読み出してその情報の確認を行うとともに、次に他方のフラグの情報を主側RAM204から読み出してその情報の確認を行う必要がある。そうすると、主側RAM204へのアドレス指定を少なくとも2回行い、さらにそれに対してデータ転送された場合のレジスタへのデータの設定処理を少なくとも2回行う必要が生じる。これに対して、特図特電カウンタを利用することで、主側RAM204へのアドレス指定は1回で済み、さらにそれに対してデータ転送された場合のレジスタへのデータの設定処理も1回で済む。よって、処理の簡素化が図られる。
ステップS8201にて、特図特電カウンタが「0」ではないと判定した場合には、そのまま本デモ表示用処理を終了し、特図特電カウンタが「0」であると判定した場合には、ステップS8202に進む。ステップS8202では、デモ表示状態であるか否かを判定する。
デモ表示状態とは、図柄表示装置41にてデモ表示(すなわち待機中表示)を既に行っている状態であることをいい、主側MPU202のデモ表示フラグに「1」がセットされている状態である。また、デモ表示とは、前回の遊技回の停止結果を表示して確定時間が経過してから、又は前回の開閉実行モードのエンディングが終了してから、予め定められたデモ待ち時間(例えば、0.1sec)が経過している場合に、図柄表示装置41の表示画面Gに開始待ち演出の画像を表示させるとともに、表示ランプ部63やスピーカ部64にてそれに即した演出を行うことをいう。
ちなみに、図柄表示装置41におけるデモ表示では、有効ライン上に表示されている図柄が所定の動作を行っている画像が表示されるが、これに限定されることはなく、例えば、図柄が所定の動作を行っている画像の表示の後に又はそれに代えてメーカ名、機種名若しくは所定のキャラクタによる動画が表示される構成としてもよい。
ステップS8202にてデモ表示状態であると判定した場合には、そのまま本デモ表示用処理を終了し、デモ表示状態ではないと判定した場合には、ステップS8203に進む。ステップS8203では、デモ表示待ち状態であるか否かを判定する。デモ表示待ち状態とは、デモ待ち時間の計測を既に開始している状態であることをいい、主側MPU202のデモ待ちフラグに「1」がセットされている状態である。
デモ表示待ち状態ではない場合には、ステップS8204に進み、主側ROM203に予め記憶されているデモ待ち時間の情報を読み出し、そのデモ待ち時間の情報を、特図特電タイマカウンタにセットする。続くステップS8205では、主側MPU202のデモ待ちフラグに「1」をセットすることで、デモ表示待ち状態に設定する。その後、本デモ表示用処理を終了する。
一方、ステップS8203にて、デモ表示待ち状態であると判定した場合には、ステップS8206にて、特図特電タイマカウンタが「0」であるか否かを判定する。特図特電タイマカウンタが「0」ではない場合には、本デモ表示用処理を終了する。この場合に、デモ待ちフラグを「0」クリアしてデモ表示待ち状態を解除する。
特図特電タイマカウンタが「0」である場合には、ステップS8207にて、主側MPU202のデモ表示フラグに「1」をセットすることで、デモ表示状態に設定する。なお、この際、デモ待ちフラグを「0」クリアしてデモ表示待ち状態を解除する。また、デモ表示状態は、遊技回用の演出が新たに開始された場合にデモ表示フラグが「0」クリアされることで解除される。
続くステップS8208では、デモ開始コマンドを出力対象に設定する。その後、本デモ表示用処理を終了する。
デモ開始コマンドは、サブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に対してデモ表示を開始させるタイミングであることを認識させるためのコマンドである。音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6914にて演出系のコマンドとしてデモ開始コマンドを受信したか否かを判定し、デモ開始コマンドを受信している場合にはステップS6915にて、当該デモ開始コマンドに対応した演出系の音声発光パターンを設定するための処理を実行する。具体的には、デモ表示に対応した演出が表示ランプ部63及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってデモ表示用の演出を表示ランプ部63及びスピーカ部64にて行わせる。
続くステップS6916では、デモ開始コマンドに対応した演出系のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、そのコマンドからデモ表示用の演出が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従ってデモ表示用の演出を図柄表示装置41にて実行させる。
<普図普電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図76)のステップS6217にて実行される普図普電制御処理について説明する。
普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口34の電動役物34aを開閉させる処理を実行する。
さて、普図普電制御処理では、図104のフローチャートに示すように、先ずステップS8301にて、普図側の保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、主側RAM204のスルーフラグに「1」がセットされていることを条件として、電動役物開放カウンタC4の数値情報(すなわち、普図側の保留情報)を電役保留エリア94cに格納する処理を実行する。但し、当該普図側の保留情報の取得は保留の上限値の範囲内で行われる。
続くステップS8302では、主側RAM204に設けられた普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS8303では、主側ROM203から普図普電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS8304にて、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS8302〜ステップS8304の処理内容について説明する。
既に説明したとおり普図普電制御処理には、普図用の演出に係る処理、電動役物34aの開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、電動役物34aの開閉に係る処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU202にて把握するためのカウンタであり、普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電カウンタは「0」〜「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」〜「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、特図特電制御の場合と同様に、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側MPU202にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、普図普電カウンタ及び普図普電アドレステーブルを利用して、普図変動開始処理、普図変動中処理、普図確定中処理、普電開放中処理及び普電閉鎖中処理を実行するための処理構成を説明する。
ステップS8304の処理を実行した後は、ステップS8305にて、普図側のゼロフラグの設定処理を実行する。普図側のゼロフラグの設定処理では、普図普電タイマカウンタ(16ビットのタイマカウンタTC2)の数値情報を読み出し、普図普電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側MPU202のレジスタに設けられた普図側のゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。普図普電タイマカウンタは、時間の経過に応じた普図普電カウンタの更新タイミングを主側MPU202にて特定するために利用されるカウンタである。
続くステップS8306では、ステップS8304に取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合にはステップS8307の普図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合にはステップS8308の普図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合にはステップS8309の普図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合にはステップS8310の普電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合にはステップS8311の普電閉鎖中処理にジャンプする。
ステップS8307の普図変動開始処理では、普図側の保留情報が保留記憶されていることを条件に、その普図側の保留情報を利用して電動役物34aの開放判定を行うとともに、役物用表示部44における絵柄の変動表示を開始させる処理を実行する。この場合に、役物用表示部44にて絵柄を変動表示させる表示継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、役物用表示部44における絵柄の変動表示を開始させた場合に普図普電カウンタを「0」から「1」に更新する。
ステップS8308の普図変動中処理では、役物用表示部44における表示を更新させるための処理を実行する。この場合に、表示継続時間の経過を確認したことを条件として、確定時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、普図普電カウンタを「1」から「2」に更新する。
ステップS8309の普図確定中処理では、今回の開放判定の結果を普図側の確定時間に亘って役物用表示部44に表示させるための処理を実行するとともに、開放判定の結果が当選結果である場合には電動役物34aを開放状態とするための処理及び今回の当選結果を契機として電動役物34aを開放させる場合の開放回数の設定を行うための処理を実行する。この場合に、普図側の確定時間の経過を確認したこと及び開放判定の結果が当選結果であることを条件として、電動役物34aにおける今回の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、電動役物34aを開放状態とし、さらに普図普電カウンタを「2」から「3」に更新する。一方、普図側の確定時間の経過を確認したものの開放判定の結果が当選結果ではない場合には、電動役物34aを開放状態とするための設定は行わずに、普図普電カウンタを「0」クリアする処理を実行する。
ステップS8310の普電開放中処理では、電動役物34aの開放状態を維持するとともに閉鎖タイミングとなった場合に電動役物34aを閉鎖状態とするための処理を実行する。この場合に、電動役物34aの開放継続時間の経過を確認したことを条件として、電動役物34aにおける閉鎖継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、電動役物34aを閉鎖状態とし、さらに普図普電カウンタを「3」から「4」に更新する。
ステップS8311の普電閉鎖中処理では、電動役物34aの閉鎖状態を維持するとともに電動役物34aを再度開放状態とする必要がある場合には当該電動役物34aを開放状態とするための処理を実行する。この場合に、電動役物34aの閉鎖継続時間の経過を確認したこと及び再度開放状態とする必要があることを確認したことを条件として、電動役物34aにおける今回の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、電動役物34aを開放状態とし、さらに普図普電カウンタを「4」から「3」に更新する。一方、電動役物34aの閉鎖継続時間の経過を確認したものの、電動役物34aを再度開放させる必要がない場合には、電動役物34aを開放状態とするための設定は行わずに、普図普電カウンタを「0」クリアする処理を実行する。
ステップS8307〜ステップS8311のいずれかの処理を実行した場合には、本普図普電制御処理を終了する。
以上のとおり、普図普電カウンタ、普図普電アドレステーブル及び普図普電タイマカウンタを利用して普図普電制御処理を実行するようにしたことで、普図用の演出及び電動役物34aの開閉から構成される一連の遊技の流れにおいていずれの状況であるのかを主側MPU202にて特定する場合には普図普電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
また、普図普電カウンタの更新に際しては、1減算、1加算及び「0」クリアのいずれかを行えばよいため、更新に係る処理の簡素化も図られる。また、特図特電制御処理の場合におけるゼロフラグと同様に、普図側のゼロフラグを利用しているため、処理構成の簡素化が図られる。
<払出状態受信処理>
次に、タイマ割込み処理(図76)のステップS6220にて実行される払出状態受信処理について説明する。
本パチンコ機10では、既に説明したように、電源及び発射制御装置98の電断時用電源部374からの電力は、主側RAM204に供給されるが、払出側RAM364には供給されない。当該構成とすることにより、電断時用電源部374の小容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10のコストの削減が図られる。
但し、当該構成においては、外部電源からのパチンコ機10への電力供給が停止されると、払出側RAM364に記憶されている情報は全て消去されてしまう(破壊されてしまう)。この場合、従来のパチンコ機のように未払出の賞球数の情報を全て払出側RAM364に記憶しておく構成とすると、未払出の賞球数がある状況でパチンコ機10への電力供給が停止された場合にはその未払出の賞球数の全てが払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、未払出の賞球情報は基本的に主側RAM204に記憶し、主側MPU202は払出側MPU362からHIレベルの払出許可信号を受信している場合に当該払出側MPU362に対して賞球コマンドを送信する。そして、払出側MPU362では、払出側RAM364に記憶される賞球数の情報が、最大でも、1回の入賞に対する最大賞球数(15個賞球数)と、後述する許可基準数との和となるように払出許可信号をHIレベルとLOWレベルとの間で切り換えるタイミングを設定する。なお、この許可基準数は、1回の入賞に対する最小賞球数又はそれ未満となっている。これにより、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電力供給が停止されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることが可能となる。つまり、払出許可信号とは、主側MPU202において賞球コマンドの出力タイミングを特定するために、払出側MPU362から主側MPU202に出力される情報である。
払出状態受信処理では、払出許可信号を含めて払出側MPU362から受信した情報に基づいて、当該払出側MPU362に対して賞球コマンドを出力可能な状況であるか否かの判定を行うための設定を行う。また、主側MPU202から払出側MPU362へコマンドを送信するための信号経路において断線が発生しているか否かの確認を行うための処理を実行する。
さて、払出状態受信処理では、図105のフローチャートに示すように、先ずステップS8401にて、払出許可信号がHIレベルであるか否かを判定する。当該払出許可信号は、既に説明したとおり第3の信号経路SL3(図74参照)を通じて払出側MPU362から受信する信号であり、払出側MPU362において賞球コマンドの出力を禁止している状態ではLOWレベルの払出許可信号が出力され、賞球コマンドの出力を許可している状態ではHIレベルの払出許可信号が出力される。払出許可信号は、ドライバICによって当該信号が主側MPU202への入力対象として設定されている場合に当該主側MPU202の入力ポート92aへ入力される。ステップS8401では、入力ポート92aを監視することで、払出許可信号がHIレベルであるか否かを判定する。
ステップS8401にて否定判定をした場合にはステップS8402にて主側RAM204に設けられた払出許可カウンタを「0」クリアする。払出許可カウンタは、払出許可信号がHIレベルであることを連続して確認した回数を主側MPU202にて特定するためのカウンタである。換言すれば、払出許可カウンタは、払出許可信号がHIレベルである状態を確認している期間を計測するためのカウンタである。この点、当該払出許可カウンタはタイマカウンタとしての機能を有しており、その更新態様は初期値である「0」から加算されていく態様となっている。続くステップS8403では、断線確認用状態の解除処理を実行する。断線確認用状態については後に説明する。その後、ステップS8407に進む。
一方、ステップS8401にて肯定判定をした場合には、ステップS8404にて、断線確認処理を実行する。断線確認処理については後に説明する。続くステップS8405では払出許可カウンタが5以上であるか否かを判定する。払出許可カウンタが5未満である場合には、ステップS8406にて払出許可カウンタを1加算した後にステップS8407に進み、払出許可カウンタが5以上である場合には、そのままステップS8407に進む。
ステップS8407では、第2の信号経路SL2(図74参照)を通じて払出側MPU362から異常開始コマンドを受信しているか否かを判定する。異常開始コマンドは、既に説明したとおり、遊技球の払出に関して所定の異常が発生した場合に払出側MPU362から送信される。異常開始コマンドを受信している場合にはステップS8408にて異常開始用の処理を実行する。具体的には、主側RAM204に設けられた払出異常フラグに「1」をセットすることで、払出異常状態に設定する。
なお、異常開始用の処理として、払出異常コマンドをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に送信する構成としてもよく、この場合、音声ランプ制御装置82では当該払出異常コマンドの受信を契機として払出異常報知がエラーランプ部やスピーカ部64にて実行されるようにしてもよい。また、かかる払出異常報知が図柄表示装置41にて実行されるようにしてもよい。
ステップS8407にて否定判定をした場合又はステップS8408の処理を実行した後は、ステップS8409にて、第2の信号経路SL2(図74参照)を通じて払出側MPU362から異常終了コマンドを受信しているか否かを判定する。異常終了コマンドは、既に説明したとおり、遊技球の払出に関して所定の異常が解除された場合に払出側MPU362から送信される。異常終了コマンドを受信している場合にはステップS8410にて異常終了用の処理を実行する。具体的には、主側RAM204の払出異常フラグを「0」クリアすることで、払出異常状態を解除する。
なお、異常開始用の処理として上記のように払出異常コマンドを送信する構成においては、異常終了用の処理として、払出異常の解除コマンドを音声ランプ制御装置82に送信する構成としてもよく、この場合、音声ランプ制御装置82では既に実行している払出異常報知を終了させる構成としてもよい。
ステップS8409にて否定判定をした場合又はステップS8410の処理を実行した後は、ステップS8411にて、第2の信号経路SL2(図74参照)を通じて払出側MPU362から賞球完了コマンドを受信している否かを判定する。賞球完了コマンドは、既に説明したとおり、賞球が完了した場合に払出側MPU362から送信されるとともに、その賞球が完了した個数の情報が含まれる。
賞球完了コマンドを受信していない場合にはそのまま本払出状態受信処理を終了し、賞球完了コマンドを受信している場合にはステップS8412にて賞球数の外部出力処理を実行した後に、本払出状態受信処理を終了する。賞球数の外部出力処理では、今回完了した賞球の個数の情報を遊技ホールの管理コンピュータに認識させる外部出力を行うための処理を実行する。
なお、賞球完了コマンドが払出側MPU362から送信されない構成としてもよい。また、当該構成においては払出側MPU362も外部端子板に対して電気的に接続し、賞球が完了したことやその完了した賞球数の情報の外部出力が主側MPU202を介することなく払出側MPU362にて実行される構成としてもよい。
<払出出力処理>
次に、タイマ割込み処理(図76)のステップS6221にて実行される払出出力処理について説明する。払出出力処理は、払出側MPU362に対して賞球コマンドを出力するための処理である。
払出出力処理では、図106のフローチャートに示すように、先ずステップS8501にて、前扉枠14が開放中であるか否かを判定する。前扉枠14が開放中である場合にはそのまま本払出出力処理を終了し、前扉枠14が閉鎖中である場合にはステップS8502に進む。
ステップS8502では、主側RAM204の払出許可カウンタの数値情報が許可基準回数としての「5」となっているか否かを判定する。ここで、払出許可カウンタは、既に説明したとおり、HIレベルの払出許可信号を受信している状態が継続している場合にタイマ割込み処理(図76)の1処理回にて1加算され、さらにタイマ割込み処理は4msec周期で起動されるため、ステップS8502では、許可基準期間である20msec以上に亘って、HIレベルの払出許可信号の受信を継続しているか否かを判定していると言える。
払出許可カウンタの数値情報が5以上でない場合には、そのまま本払出出力処理を終了する。払出許可カウンタの数値情報が5以上である場合には、ステップS8503に進む。ステップS8503では、払出異常状態であるか否かを判定する。払出異常状態である場合には、そのまま本払出出力処理を終了し、払出異常状態ではない場合にはステップS8504に進む。
ステップS8504では、いずれかの賞球カウンタが1以上であるか否かを判定する。全ての賞球カウンタが「0」である場合にはそのまま本払出出力処理を終了し、いずれかの賞球カウンタが1以上である場合にはステップS8505に進む。
ステップS8505では、払出許可カウンタを「0」クリアする。その後、ステップS8506にて賞球コマンドの出力設定処理を実行する。賞球コマンドの出力設定処理では、15個賞球カウンタが1以上である場合には、15個の遊技球の払出を指示する15個賞球コマンドを出力対象に設定する。15個賞球カウンタが「0」であって10個賞球カウンタが1以上である場合には、10個の遊技球の払出を指示する10個賞球コマンドを出力対象に設定する。15個賞球カウンタ及び10個賞球カウンタの両方が「0」であって4個賞球カウンタが1以上である場合には、4個の遊技球の払出を指示する4個賞球コマンドを出力対象に設定する。15個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び4個賞球カウンタの全てが「0」であって3個賞球カウンタが1以上である場合には、3個の遊技球の払出を指示する3個賞球コマンドを出力対象に設定する。
なお、ステップS8505の処理がステップS8506の処理の後に実行される構成としてもよい。また、賞球コマンドを出力対象として設定する際の優先度は上記パターンに限定されることはなく、例えば上記のパターンと逆であってもよく、入賞順序に従って出力対象として設定される構成としてもよい。
以上のように主側MPU202は、HIレベルの払出許可信号を確認したとしても、賞球コマンドの出力が許可されたと即座に特定することはなく、複数回として設定された許可基準回数だけ連続して確認した場合に、賞球コマンドの出力が許可されたと特定する(出力許可状態であると特定する)。これにより、電気的なノイズなどの原因でHIレベルの払出許可信号を受信している場合に、それに対して賞球コマンドが出力されてしまう可能性が低減される。
また、払出許可カウンタの数値情報が許可基準回数となった場合には、一の賞球コマンドのみを出力対象とする構成としたことにより、払出側RAM364に記憶される賞球数の情報を少なく抑えることが可能となる。
また、ステップS8501の処理が実行されることにより、前扉枠14が開放状態の場合には賞球コマンドは出力されない。本パチンコ機10では、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球の払出は停止される。この場合、前扉枠14が開放状態である場合に賞球コマンドを出力しないようにすることで、遊技球の払出が停止されている状況において新たに賞球コマンドが出力されないようにすることが可能となる。
ステップS8506の処理を実行した後は、ステップS8507にて、主側RAM204に設けられた出力直後フラグに「1」をセットする。出力直後フラグは、主側MPU202において賞球コマンドの出力直後であることを確認するためのフラグである。
続くステップS8508では、断線確認用の待機時間(切換対応期間)の情報を主側ROM203から読み出し、その読み出した待機時間の情報を、主側RAM204に設けられた断線確認用タイマカウンタ(8ビットのタイマカウンタTC8)にセットする。具体的には、断線確認用タイマカウンタに「3」をセットする。断線確認用タイマカウンタは、賞球コマンドを出力対象に設定してから払出許可信号がHIレベルからLOWレベルに切り換えられるまでの時間が断線確認用の待機時間を超えているか否かを主側MPU202にて特定するためのカウンタである。また、断線確認用タイマカウンタはタイマ割込み処理(図76)の1処理回ごとに1減算されるため、断線確認用の待機時間は12msecとなる。その後、本払出出力処理を終了する。
<払出制御処理>
次に、払出側MPU362にて定期的(例えば2msec)に実行される払出制御処理について、図107のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS8601では、賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、賞球コマンドは、自身が賞球コマンドであることを示す情報(以下、種類情報ともいう)、賞球個数を示す情報(以下、個数情報ともいう)、及びパリティーチェック(以下、チェック用情報ともいう)を行うために必要な情報を含むように複数バイト(例えば3バイト)のデータ量を有している。ステップS8601では、受信しているコマンドの情報のうち、賞球コマンドであることを示す情報を確認することで、賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。
賞球コマンドを受信している場合にはステップS8602にて誤り確認処理を実行する。誤り確認処理では、パリティーチェックを行う。主側MPU202は、賞球コマンドを送信する場合に、上記種類情報に含まれる「1」の数と上記個数情報に含まれる「1」の数との合計数に対応した数値情報を算出し、その算出した数値情報を上記チェック用情報として送信する。パリティーチェックでは、上記種類情報に含まれる「1」の数と上記個数情報に含まれる「1」の数との合計数を算出し、その算出結果が上記チェック用情報の数値情報と一致するか否かを判定する。一致しない場合には、伝送途中に電気的なノイズで書き換えられてしまった可能性が高いため、その賞球コマンドを誤りのあるものとして扱う。
ステップS8603では、ステップS8602の誤り確認処理において誤り発生と判定したか否かを判定する。誤りが発生していないと判定した場合には、ステップS8604にて、上記個数情報から今回の賞球コマンドにより払出が指示されている賞球数を確認して払出側MPU362のレジスタに記憶する処理を実行する。また、当該確認処理では、その賞球数が、払出側ROM363に予め記憶されている賞球数の情報のいずれかに該当しているか否かを確認する。
続くステップS8605では、賞球数が異常であるか否かを判定する。賞球数が異常ではない場合には、ステップS8606にて、賞球数の加算処理を実行する。賞球数の加算処理では、払出側RAM364に設けられた賞球数カウンタに、ステップS8604にて確認した賞球数の情報を加算する。そして、ステップS8607にて、払出許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。
つまり、払出側MPU362は一の賞球コマンドを受信した場合には、払出許可信号の出力状態をHIレベルからLOWレベルに切り換える。ここで、既に説明したとおり、主側MPU202はHIレベルの払出許可信号を5処理回のタイマ割込み処理(図76)に亘って連続して確認した場合に一の賞球コマンドを送信するとともに、その際に払出許可カウンタを「0」クリアする。この場合に、主側MPU202において賞球コマンドが出力対象として設定されてから、その賞球コマンドの受信を契機として払出側MPU362において払出許可信号の出力状態をLOWレベルに設定し、さらに当該LOWレベルの払出許可信号が主側MPU202にて確認されて払出許可カウンタが「0」クリアされるまでの時間が、払出許可カウンタの数値情報が「0」から出力許可基準回数である「5」となるまでの時間よりも短い時間となるように、処理速度及びデータの伝送速度が設定されている。したがって、払出側MPU362が払出許可信号の出力状態をHIレベルに設定したことに対して、主側MPU202からは一の賞球コマンドのみが送信される。これにより、電断中に記憶保持用電力が供給されない払出側RAM364に対して記憶される賞球数を抑えることができ、電断が発生した際に未払出のまま消去されてしまう賞球数を抑えることができる。
ステップS8601にて否定判定をした場合、ステップS8603にて肯定判定をした場合、ステップS8605にて肯定判定をした場合、又はステップS8607の処理を実行した後は、ステップS8608にて、貸球用の設定処理を実行する。貸球用の設定処理では、球貸装置Yから遊技球の貸出指示を受けている場合にその貸出指示に係る遊技球の払出を行うための設定を行う。
続くステップS8609では、払出側RAM364の賞球数カウンタが1以上又は貸出必要数が1以上である場合に、遊技球の払出を実行するように払出装置96の払出モータ96aを駆動するための処理を実行する。但し、前扉枠14が開放中である場合や下皿72が満杯状態である場合には、賞球数カウンタが1以上又は貸出必要数が1以上であっても、遊技球の払出が実行されないように規制する。
その後、ステップS8610にて、払出検知センサ96bの検知結果を確認することで1個の遊技球の払出が実行されたか否かを判定する。ステップS8610にて肯定判定をした場合には、ステップS8611にて賞球数カウンタ又は貸出必要数を1減算する。この場合、貸出必要数が優先して1減算されるように構成されているが逆であってもよい。
ステップS8610にて否定判定をした場合、又はステップS8611の処理を実行した後は、ステップS8612にて、賞球に係る払出の実行中であるか否かを判定する。賞球に係る払出の実行中である場合には、ステップS8613にて、賞球数カウンタの数値情報が許可基準数である2以下であるか否かを判定する。賞球数カウンタの数値情報が2以下である場合には、ステップS8614にて、払出許可信号の出力状態をHIレベルに設定する。このように賞球数カウンタの数値情報が「0」となる前に払出許可信号の出力状態をHIレベルに設定することで、主側RAM204において払出を実行すべき賞球数が記憶保持されている場合には、賞球に係る払出が連続して実行されるようにすることができる。
ステップS8612にて否定判定をした場合、ステップS8613にて否定判定をした場合、又はステップS8614の処理を実行した後は、ステップS8615にて、その他の処理を実行する。その他の処理では、下皿72が満杯状態であるか否かの特定を行うとともに、満杯状態となった際には異常開始コマンドを主側MPU202に送信し、満杯状態が解除された際には異常終了コマンドを主側MPU202に送信する。また、タンク95が球無し状態であるか否かの特定を行うとともに、球無し状態となった際には異常開始コマンドを主側MPU202に送信し、球無し状態が解除された際には異常終了コマンドを主側MPU202に送信する。その後、本払出制御処理を終了する。
<断線確認処理>
次に、払出状態受信処理(図105)のステップS8404にて実行される断線確認処理について説明する。
断線確認処理では、主側MPU202から払出側MPU362にシリアル通信でコマンドを送信するために設けられた第1の信号経路SL1において断線が生じているか否かを、払出許可信号の入力状態から確認する処理を実行する。
具体的には、図108のフローチャートに示すように、先ずステップS8701にて、主側RAM204の出力直後フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。出力直後フラグに「1」がセットされていない場合には、そのまま本断線確認処理を終了し、出力直後フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS8702に進む。
ステップS8702では、主側RAM204の断線確認用タイマカウンタの数値情報が「0」となっているか否かを判定する。つまり、賞球コマンドを出力対象に設定してから断線確認用の待機時間が経過しているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのまま本断線確認処理を終了し、「0」となっている場合には、ステップS8703に進む。
ステップS8703では、主側RAM204の払出許可カウンタを「0」クリアする。続くステップS8704では、払出側の断線報知済み状態であるか否かを判定する。払出側の断線報知済み状態は、第1の信号経路SL1において断線が発生していることの報知を既に行っている状態のことをいい、主側MPU202のレジスタにおける払出側の断線報知済みフラグに「1」がセットされている状態である。払出側の断線報知済み状態である場合には、そのまま本断線確認処理を終了し、払出側の断線報知済み状態ではない場合には、ステップS8705に進む。
ステップS8705では、払出側の断線報知コマンドを出力対象に設定する。払出側の断線報知コマンドは、第1の信号経路SL1における断線の発生を主側MPU202にて特定したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるためのコマンドである。
音声ランプ制御装置82では、図87のフローチャートに示すように、ステップS6901にて報知系コマンドとして払出側の断線報知コマンドを受信したか否かを判定し、当該コマンドを受信している場合にはステップS6902にて、そのコマンドに対応した報知用処理を実行する。具体的には、払出側の断線発生に対応した報知がエラーランプ部及びスピーカ部64を通じて行われるようにするためのデータテーブルを音声ランプ制御装置82のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って払出側の断線発生用の報知をエラーランプ部及びスピーカ部64にて行わせる。
なお、当該報知の制御は、演出用の制御、発射許可用の制御、及び電波検知に係る第1段階用の報知の制御よりも優先される。また、磁石検知用の報知の制御、不正入賞用の報知の制御、電波検知に係る第2段階用の報知の制御、入賞用検知センサ31a〜35bに係る断線発生用の報知の制御、及び短絡発生用の報知の制御とタイミングが重なった場合には、それらタイミングが重なった各報知の制御が順次実行される。但し、所定の優先度が設定されている構成としてもよい。これは、以下の図柄表示装置41における報知についても同様である。
続くステップS6903では、払出側の断線報知コマンドの受信に対応した報知系のコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、第1の信号経路SL1における断線の発生に対応した報知が図柄表示装置41を通じて行われるようにするためのデータテーブルを表示制御装置212のROMから読み出し、その読み出したデータテーブルに従って断線の発生に対応した報知を図柄表示装置41にて行わせる。
断線確認処理(図108)の説明に戻り、ステップS8705の処理を実行した後は、ステップS8706に進む。ステップS8706では、第1の信号経路SL1における断線の発生を特定したことを遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために払出側の断線報知用の外部出力開始処理を実行する。続くステップS8707では、主側MPU202のレジスタにおける払出側の断線報知済みフラグに「1」をセットすることで、払出側の断線報知済み状態に設定する。その後、本断線確認処理を終了する。
払出側の断線報知済み状態は、払出状態受信処理(図105)のステップS8401にて、LOWレベルの払出許可信号の受信を確認して否定判定をし、ステップS8403にて、解除処理が実行されることで解除される。この場合に、払出側の断線報知用の外部出力が解除されるとともに、音声ランプ制御装置82に対して解除コマンドが送信されることで払出側の断線報知も解除される。
次に、賞球の払出が実行される様子及び第1の信号経路SL1の断線確認が行われる様子について、図109のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図109(a)は払出許可信号の出力状態を示し、図109(b)は賞球コマンドの出力状況を示し、図109(c)は主側RAM204に記憶されている賞球必要個数(各賞球カウンタの情報)を示し、図109(d)は賞球の払出の実行状況を示し、図109(e)は払出側の断線報知済み状態の設定状況を示す。
先ず、賞球の払出が正常に行われる場合について説明する。
賞球の払出が実行されている状況において、t1のタイミングで払出側RAM364の賞球数カウンタの数値情報が許可基準数以下となることで、払出許可信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。この場合、主側RAM204には賞球必要個数の情報が記憶されているため、出力許可基準期間T1が経過したタイミングであるt2のタイミングで一の賞球コマンドを払出側MPU362に向けて送信する。この際、賞球必要個数の更新が行われる。また、払出側MPU362が賞球コマンドを受信するタイミングは許可基準数の遊技球の払出が完了する前のタイミングであるため、遊技球の払出は中断されることなく継続される。
賞球コマンドを受信した払出側MPU362は、t3のタイミングで、払出許可信号の出力状態をHIレベルからLOWレベルに切り換える。このタイミングは、主側MPU202において賞球コマンドを出力対象として設定してから出力許可基準期間T1が経過する前のタイミングとなっている。これにより、複数の賞球コマンドが連続して送信されることが抑制される。
その後、t4のタイミングで払出側RAM364の賞球数カウンタの数値情報が再度、許可基準数以下となることで、払出許可信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。そして、出力許可基準期間T1が経過したタイミングであるt5のタイミングで一の賞球コマンドを払出側MPU362に向けて送信し、それに対して、t6のタイミングで払出許可信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられる。
その後、t7のタイミングで払出側RAM364の賞球数カウンタの数値情報が再度、許可基準数以下となることで、払出許可信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。但し、既に主側RAM204の賞球必要個数は「0」となっているため、賞球コマンドの送信は行われない。したがって、t8のタイミングで、賞球の払出が終了される。
次に、第1の信号経路SL1にて断線が発生していることに起因して、賞球の払出が正常に実行されない場合について説明する。
既に払出許可信号がHIレベルとなっている状況であるt9のタイミングで、新たな入賞が発生することで、主側RAM204に賞球必要個数が設定される。したがって、t10のタイミングで主側MPU202は賞球コマンドを払出側MPU362に向けて出力する。
しかしながら、第1の信号経路SL1に断線が発生しているため、当該賞球コマンドは払出側MPU362において受信されることはなく、賞球の払出が実行されない。また、払出側MPU362において賞球コマンドを受信していないため、払出許可信号のLOWレベルへの切り換えは実行されずにHIレベルの出力状態が維持される。
これに対して、賞球コマンドを出力対象として設定してから断線確認用の待機時間T2が経過したタイミングであるt11のタイミングで、払出側の断線報知済み状態に設定され、その旨の報知が開始される。これにより、第1の信号経路SL1において断線が発生していることを遊技ホールの管理者に知らせることができ、それに対処させることができる。
また、断線確認用の待機時間T2は、出力許可基準期間T1よりも短い時間に設定されているとともに、払出側の断線報知済み状態ではタイマ割込み処理(図76)が実行される度に払出許可カウンタが「0」クリアされる。これにより、第1の信号経路SL1に断線が発生した場合には、一の賞球コマンドが出力されてから次の賞球コマンドが出力される前に、新たな賞球コマンドの出力を禁止することができ、払出が未実行のまま無効化されてしまう賞球数を抑えることができる。
また、第1の信号経路SL1において断線が発生しているか否かの特定を、賞球コマンドの送信の許可設定をすべく払出側MPU362から主側MPU202に送信される払出許可信号のHIレベルからLOWレベルへの切り換えが発生しないことの確認を通じて行われる。これにより、賞球コマンドの送信の許可設定に係る構成を利用して断線確認を行うことができ、例えば払出側MPU362において断線確認用のハード構成やソフト構成を適用する必要がないため、構成の簡素化を図りつつ上記のような優れた効果を奏することができる。
また、上記出力許可基準期間T1は、既に説明したとおり、実際に払出側MPU362において賞球コマンドの出力を許可していない状況において電気的なノイズの影響で払い出し許可信号が単発的にHIレベルとなった際に賞球コマンドが出力されることを抑制するために設定されている。つまり、このような電気的なノイズの影響を抑えるための構成を利用して、断線発生時において新たな賞球コマンドの出力を阻止することができる。ちなみに、かかる効果は、断線の確認をした場合に払出許可カウンタに計測されている期間が出力許可基準期間T1とならないようにすることにより行われている構成(ステップS8703の処理)からも奏することができる。
また、第1の信号経路SL1がパラレル方式でコマンドを送信する構成においては、当該パラレル方式の一部の信号経路から所定の情報を受信しないことを通じて払出側MPU362にて断線の確認を行うことは可能であるが、本パチンコ機10では第1の信号経路SL1がシリアル方式でコマンドを送信する構成であるため、そのような対策を採用することができない。したがって、このようなシリアル方式でコマンドを送信する構成において上記のような断線確認に係る処理構成を適用することは効果的である。
また、断線確認用の待機時間T2は、主側MPU202において賞球コマンドが出力対象として設定されてから、その賞球コマンドの受信を契機として払出側MPU362において払出許可信号の出力状態をLOWレベルに設定し、さらに当該LOWレベルの払出許可信号が主側MPU202にて確認されて払出許可カウンタが「0」クリアされるまでの時間よりも長い時間となるように、処理速度及びデータの伝送速度が設定されている。したがって、第1の信号経路SL1において断線が発生していない状況において、賞球コマンドの出力設定の禁止や、払出側の断線報知が実行されてしまうことはない。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施の形態であっても上記第8乃至第10の実施の形態と同様に、保留コマンドの設定処理が実行される前に複数の保留情報が取得されることが起こり得る。したがって、取得時の設定処理において、上記第8の実施の形態と同様に、既に保留予告に係る処理の処理待ちとなっている保留情報が存在している状況で新たに保留情報を取得した場合に、その新たに取得した保留情報については処理待ちフラグを利用して保留予告に係る処理の実行対象から除外するようにすることで、1回の保留予告に係る処理にて複数の保留情報を扱う必要が生じない。よって、保留予告に係る処理を完了するのに要する時間が長時間化してしまうことが抑制される。
ちなみに、当該作用効果を奏するようにする上では、上記第10の実施の形態のように新たに取得された保留情報のみを保留予告に係る処理の実行対象とする構成としてもよい。また、上記第14の実施の形態のように、遊技回の開始対象となるまでの範囲内で各保留情報を保留予告に係る処理の実行対象とするとともに、1回の保留予告に係る処理では、1個の保留情報のみを実行対象とする構成としてもよい。
また、本実施の形態のようにタイマ割込み処理が2回実行された場合に保留情報が1個取得され得る構成を、上記第8〜第17の実施の形態に適用してもよい。例えば、第11の実施の形態に適用した場合には、上作動口33に係る保留情報がタイマ割込み処理が2回実行された場合に取得され得るとともに、下作動口34に係る保留情報がタイマ割込み処理が2回実行された場合に取得され得る。また、通常処理との関係で言えば、1回の通常処理に対して2回のタイマ割込み処理が実行されるため、通常処理が1回実行される度に上作動口33に係る保留情報が取得され得るとともに、下作動口34に係る保留情報が取得され得る。したがって、上側保留予告に係る処理が実行されるまでに上作動口33に係る保留情報が複数取得され得るとともに、下側保留予告に係る処理が実行されるまでに下作動口34に係る保留情報が複数取得され得る。よって、上記第11の実施の形態のように上側処理待ちフラグ及び下側処理待ちフラグを利用して、上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報のいずれについても既に処理待ちとなっている保留情報が存在している状況では新たに取得された保留情報を保留予告に係る処理の実行対象から除外することで、1回の上側保留予告に係る処理に要する時間や、1回の下側保留予告に係る処理に要する時間が、長時間化してしまうことが抑えられる。なお、当該長時間化を抑制するためには、上記第10の実施の形態のような構成や、上記第14の実施の形態のような構成を適用してもよい。
また、第12の実施の形態に適用した場合であっても、上側保留予告に係る処理が実行されるまでに上作動口33に係る保留情報が複数取得され得るとともに、下側保留予告に係る処理が実行されるまでに下作動口34に係る保留情報が複数取得され得る。したがって、上記第11の実施の形態のように上側処理待ちフラグ及び下側処理待ちフラグを利用して、上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報のいずれについても既に処理待ちとなっている保留情報が存在している状況では新たに取得された保留情報を保留予告に係る処理の実行対象から除外することで、1回の上側保留予告に係る処理に要する時間や、1回の下側保留予告に係る処理に要する時間が、長時間化してしまうことが抑えられる。なお、当該長時間化を抑制するためには、上記第10の実施の形態のような構成や、上記第14の実施の形態のような構成を適用してもよい。
ちなみに、本実施の形態によれば、上記効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。
停電信号が電源遮断の発生に対応したものであることを1回確認しただけでは停電時処理を実行することなく、複数回確認した場合に停電時処理を実行する。これにより、電気的なノイズの影響で停電信号が電源遮断の発生に対応したものとなった場合に、停電時処理が実行されてしまう可能性が低減される。この場合に、停電信号の監視はタイマ割込み処理(図76)におけるステップS6203の停電情報記憶処理(図77)にて行われるが、当該停電情報記憶処理では、1回の処理回で停電信号の監視を複数回行う。これにより、タイマ割込み処理が実行されるタイミングの設計の自由度が低下することを抑えながら、上記のような効果を奏することができる。また、停電信号が電源遮断の発生に対応していると最初に確認されてから停電時処理を開始するまでの時間設定の自由度が低下することを抑えながら、上記のような効果を奏することができる。
また、電源遮断が発生している状況において電気的なノイズ等の影響で、電源遮断の発生に対応した停電信号が電源遮断の発生していない状態に対応したものに突発的に変化してしまうことが懸念される。この場合に、停電時処理を実行するための条件として、電源遮断の発生に対応した停電信号の受信を複数回連続して確認することが設定されていると、電源遮断が発生しているにも関わらず上記電気的なノイズの影響で、主側MPU202にて電源遮断の発生と認識されず、停電時処理が実行されることなく電力供給が完全に遮断されてしまうことが懸念される。これに対して、停電確認処理を所定の繰り返し回数分行う範囲内において電源遮断の発生に対応した停電信号を契機基準回数(繰り返し回数>契機基準回数)以上確認した場合に停電時処理を実行するようにし、確認の連続性を停電時処理の実行の条件から除外したことにより、上記のように電気的なノイズの影響があったとしても、停電時処理を良好に実行することができる。
入賞用検知センサ31a〜35bから出力されている入賞信号が遊技球の検知中に対応していることを1回確認しただけでは入賞の発生と判定することなく、複数回確認した場合に入賞の発生と判定する。これにより、電気的なノイズの影響で入賞信号が遊技球の通過中に対応したものとなった場合に、入賞の発生と判定されてしまう可能性が低減される。この場合に、入賞信号の監視はタイマ割込み処理(図76)におけるステップS6211の入賞検知処理(図80)にて行われるが、当該入賞検知処理では、1回の処理回で同一の入賞用検知センサ31a〜35bから出力されている入賞信号の監視を複数回行う。これにより、タイマ割込み処理が実行されるタイミングの設計の自由度が低下することを抑えながら、上記のような効果を奏することができる。また、入賞信号が遊技球の検知中に対応していると最初に確認されてから入賞の発生と判定されるまでの時間設定の自由度が低下することを抑えながら、上記のような効果を奏することができる。
但し、1回の処理回の範囲内で同一の入賞信号の確認を複数回行う構成においては、1回の電気的なノイズの発生による影響が継続している状況で複数回の確認が行われてしまうことが懸念される。これに対して、既に説明したとおり、1回のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理と後側の入賞情報を監視する処理との間に入賞検知用のウェイト処理(ステップS6402)が設定されており、さらにそのウェイト時間が電気的なノイズの影響が1組の入賞情報を監視する処理に亘って及んでしまわないように設定されている。よって、電気的なノイズの発生の影響で遊技球の入賞を誤検知してしまわないようになっている。
入賞発生の有無の判定については、遊技球の検知中に対応した入賞信号を複数回連続して確認した場合に入賞発生と判定するのに対して、停電発生の有無の判定については、10回の繰り返し回数の範囲内で、電源遮断の発生に対応した停電信号を契機基準回数である8回以上確認した場合に停電発生と判定する。このように検知対象となる事象の種類に応じて、事象の発生と判定する条件として、事象の発生に対応した信号の確認の連続性を必須とする場合と必須としない場合とを区別することにより、既に説明したように、検知対象となる事象の種類に応じてその事象の発生の特定を適切に行うことが可能となる。
つまり、停電信号については連続性を必須としないようにすることで、実際に電源遮断が発生しているにも関わらず停電時処理が実行されない可能性をより重点的に抑制することが可能となり、入賞信号については連続性を必須とすることで、実際に入賞が発生していないにも関わらず入賞発生と判定されてしまう可能性をより重点的に抑制することが可能となる。
また、入賞発生と判定されるのに必要な連続基準回数は、停電発生と判定されるのに必要な契機基準回数よりも少ない数に設定されている。これにより、停電発生の確認については電源遮断の発生に対応した停電信号の確認の連続性を必須としないことに対応させて契機基準回数を多く設定することで、確認の精度の向上が図られる。その一方、入賞発生の確認については遊技球の検知中に対応した入賞信号の確認の連続性を必須とすることに対応させて連続基準回数を契機基準回数よりも少ない数に設定することで、実際には入賞が発生しているにも関わらず電気的なノイズの影響で非検知中に対応した入賞信号を単発的に確認してしまい入賞発生と判定されなくなってしまう事態の発生を抑えることが可能となる。
主側MPU202から出力された賞球コマンドが第1の信号経路SL1を通じて払出側MPU362に送信される構成において、第1の信号経路SL1において断線が発生しているか否かの特定を、賞球コマンドの送信の許可設定をすべく払出側MPU362から主側MPU202に送信される払出許可信号のHIレベルからLOWレベルへの切り換えが発生しないことの確認を通じて行われる。これにより、賞球コマンドの送信の許可設定に係る構成を利用して断線確認を行うことができ、例えば払出側MPU362において断線確認用のハード構成やソフト構成を適用する必要がないため、構成の簡素化を図りつつ第1の信号経路SL1の断線確認を行うことができる。
電波検知センサ353を設け、電波を利用した不正行為を抑制可能とした構成において、電波検知センサ353にて電波を検知したとしても即座に遊技停止状態への設定が行われるのではなく、かかる検知に付随して開始される監視時間の計測中に上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことを契機として遊技停止状態への設定が行われる。これにより、正規に遊技を行っているにも関わらずノイズ等を原因として電波検知センサ353にて電波を検知した場合に、遊技停止状態への設定が行われてしまうことを抑制できる。
数値情報を減算することで時間の経過を計測するために利用される各タイマカウンタTC1〜TC10の数値情報の更新が、それらタイマカウンタTC1〜TC10の利用対象となる各処理にて個別に実行されるのではなく、それら各処理とは別の処理として設定されたタイマ更新処理(図84)にて実行される。これにより、各タイマカウンタTC1〜TC10の更新処理がそれらの利用対象となる各処理にて個別に実行される場合に比べて、処理構成の簡素化が図られる。
特図特電制御処理において、特図特電カウンタの数値情報を参照することで実行すべき処理の内容を特定するようにしたことで、遊技回用の演出及び開閉実行モードから構成される一連の遊技状況においていずれの状況であるのかを主側MPU202にて特定する場合には特図特電カウンタを参照すればよく、従来のように複数のフラグを各処理タイミングの都度確認する必要がない。よって、処理構成の簡素化が図られる。
発射ハンドル54を通じて遊技球の発射操作が行われたとしても、主側MPU202では即座に遊技球の発射を許可するのではなく、発射制御処理(図90)のステップS67104にて遅延時間の抽選処理を実行し、その抽選処理の結果に対応した遅延時間が経過した後に発射を許可する。これにより、遊技球の発射開始タイミングを、発射ハンドル54の操作タイミングを通じて意図的に操作しようとしても、実際に発射操作が行われたタイミングに対して発射ソレノイド53aが駆動状態となるタイミングが不規則に決定されるため、かかる意図的な操作を無効化させることが可能となる。
発射ソレノイド53aが駆動状態となった場合にそれに対応した報知が行われるため、上記のような意図的な操作が行われている場合にそれを遊技ホールの管理者に認識させることができるとともに、発射ソレノイド53aが駆動状態となるタイミングが不規則であることが故障によるものではないことを遊技者に認識させることが可能となる。
なお、本第18の実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。
・停電発生の判定に際して、電源遮断の発生に対応した停電信号の確認に関して連続性を必須としない構成としたが、連続性を必須とする構成としてもよい。この場合、電源遮断の発生に対応した停電信号をタイマ割込み処理(図76)の1処理回の範囲内で連続して2回確認した場合に停電時処理を実行する構成としてもよい。また、先側の確認処理が実行されてから後側の確認処理が実行されるまでの間に電気的なノイズの影響などを抑制するために所定の時間が確保されている構成としてもよい。また、その所定の時間を確保するために主側MPU202にて処理待ち状態となるウェイト処理が実行される構成としてもよい。
・停電発生の判定に際して、電源遮断の発生に対応した停電信号の確認を繰り返し回数に亘って行う場合に、それら繰り返し回数分の確認が複数の処理回のタイマ割込み処理に亘って行われる構成としてもよい。また、検知対象の事象が発生しているか否かの判定を行う場合に当該事象の発生に対応した信号の確認について連続性を必須としないことで、実際には当該事象が発生しているにも関わらず電気的なノイズの影響で当該事象が発生していないと判定される可能性が低減されることに着目した場合、タイマ割込み処理の1処理回において当該事象の発生に対応した信号の確認が複数回行われることは必須ではなく、タイマ割込み処理の1処理回において当該事象の発生に対応した信号の確認が1回のみ行われる構成としてもよい。
・入賞発生の判定に際して、遊技球の検知中に対応した入賞信号の確認に関して連続性を必須とする構成としたが、連続性を必須としない構成としてもよい。この場合、上記第1の実施の形態における停電発生の判定に係る処理と同様に、3回以上として設定された所定の繰り返し回数の範囲内において、遊技球の検知中に対応した入賞信号を2回以上であって繰り返し回数よりも少ない数として設定された所定の回数以上確認した否かを判定することで、入賞発生の判定を行う構成としてもよい。
・タイマ割込み処理(図76)の1処理回の範囲内において入賞用検知センサ31a〜35bの検知結果を取得する場合にステップS6401における先側のシフト処理(すなわち、第1の確認処理)と、ステップS6403における後側のシフト処理(すなわち、第2の確認処理)との間に所定の時間を要するようにする上で、入賞検知用のウェイト処理(ステップS6402)を実行する構成に代えて、他の処理が含まれている構成としてもよい。
例えば、先側のシフト処理と後側のシフト処理との間で、これらシフト処理の結果を利用した制御とは異なる制御を行うための処理が含まれている構成としてもよい。より具体的には、先側のシフト処理がタイマ割込み処理の最初のタイミングといったようにステップS6208よりも前のタイミングで実行され、後側のシフト処理がステップS6208よりも後のタイミングで実行される構成としてもよい。但し、先側のシフト処理と後側のシフト処理との間の時間が遊技の進行状況によって大きく変動してしまうことを抑制するためには、タイマ割込み処理において処理時間が変動し易い処理と処理時間が変動しにくい処理とが含まれている場合に、先側のシフト処理と後側のシフト処理との間には変動し易い処理が含まれていない構成とすることが好ましい。
・入賞発生の判定に際して、上記先側のシフト処理と上記後側のシフト処理との間にウェイト処理(ステップS6402)が設定されておらず、処理の順序としてこれらのシフト処理が連続している構成としてもよい。また、停電発生の判定に係る処理のように、対象事象が発生したと特定する場合に対象事象の発生に対応した信号の確認の連続性を必須としない処理において、ウェイト処理が設定されている構成としてもよい。この場合、当該対象事象が発生していないにも関わらず、電気的なノイズの影響で対象事象が発生したと特定されてしまう可能性が低減される。
・入賞発生の判定に際して、同一の入賞用検知センサ31a〜35bについて遊技球の検知中に対応した入賞信号を2回連続して確認した場合に入賞の発生と判定する構成としたが、これに限定されることはなく、3回連続して確認した場合に入賞の発生と判定する構成としてもよく、4回以上の連続基準回数に亘って遊技球の検知中に対応した入賞信号を確認した場合に入賞の発生と判定する構成としてもよい。この場合、当該連続基準回数が、停電発生の判定に係る契機基準回数と同一又はそれよりも多い数となる構成としてもよい。
・入賞発生の判定に際して、タイマ割込み処理の1処理回毎に、複数回行った入賞信号の確認結果を演算した結果を記憶して、連続する複数の処理回の上記演算した結果から入賞の発生を判定する構成としたが、かかる構成を変更してもよい。例えば、同一の入賞信号に係る各確認結果を所定の確認回数分の範囲内において個別に記憶し、それら個別に記憶した確認結果において、非検知中に対応した一の確認結果と、検知中に対応した連続基準回数分の確認結果とが連続している範囲が存在している場合に入賞の発生と判定する構成としてもよい。当該構成は、連続基準回数が、タイマ割込み処理の1処理回の範囲内における同一の入賞信号の確認回数により割り切れない場合に効果的である。
・同一の入賞信号について、最初に非検知中に対応した入賞信号を確認し、その後に検知中に対応した入賞信号を連続基準回数に亘って確認することにより、当該入賞信号に係る入賞が発生したと判定する構成に代えて、検知中に対応した入賞信号を連続基準回数以上に亘って確認し、その後に非検知中に対応した入賞信号を確認することにより、入賞が発生したと判定する構成としてもよい。この場合、非検知中に対応した入賞信号の確認を複数回行った場合に入賞が発生したと判定する構成としてもよい。
・タイマ割込み処理の1処理回毎に、複数回行った入賞信号の確認結果を演算する場合に、その演算が論理積で行われる構成に限定されることはなく、最終的に「0」,「1」,「1」の場合や「1」,「1」,「0」の場合に入賞発生と判定されるのであれば、論理積以外の演算が行われる構成としてもよい。
・上記第18の実施の形態における入賞発生の判定に係る処理構成を、入賞の発生とは異なる事象の発生を特定するために適用してもよい。例えば、内枠13や前扉枠14の開閉の状態を特定するために適用してもよく、磁石検知センサ352や電波検知センサ353などの検知結果を通じて不正行為の発生を特定する場合に適用してもよい。
また、上記第18の実施の形態における停電発生の判定に係る処理構成を、停電の発生とは異なる事象の発生を特定するために適用してもよい。例えば、内枠13や前扉枠14の開閉の状態を特定するために適用してもよく、磁石検知センサ352や電波検知センサ353などの検知結果を通じて不正行為の発生を特定する場合に適用してもよい。
・第1の信号経路SL1の断線確認処理(図108)において、賞球コマンドが出力され出力直後フラグに「1」がセットされている状況では、断線確認用タイマカウンタの数値情報が「0」であるか否かに関係なく払出許可カウンタの加算が阻止される構成としてもよく、払出許可カウンタの初期化を繰り返す構成としてもよい。例えば、出力直後フラグに「1」がセットされている状況ではステップS8406の処理が実行されないようにする構成としてもよい。この場合であっても、第1の信号経路SL1において断線が発生している場合に新たな賞球コマンドが送信されてしまう可能性が低減される。
また、断線確認用タイマカウンタを通じて切換対応期間が経過したと判定された場合であっても払出許可カウンタの初期化を行わずに、その代わりに出力直後フラグに「1」がセットされている状況では払出許可カウンタの数値情報が許可基準期間に対応した数値情報(具体的には「5」)となったとしても賞球コマンドの出力設定が行われない構成としてもよい。
・断線確認用タイマカウンタを不具備とし、払出許可カウンタを利用して、賞球コマンドを出力してからの切換対応期間の計測を行う構成としてもよい。具体的には、払出許可カウンタは賞球コマンドが出力された場合に初期化されるとともに払出許可信号がHIレベルである場合にはタイマ割込み処理が1回実行される度に1加算されるため、その初期化した状態から払出許可信号がLOWレベルに切り換えられることなく払出許可カウンタの数値情報が切換対応期間に対応した数値情報(具体的には「3」)となった場合に、第1の信号経路SL1にて断線が発生していると判定する構成としてもよい。この場合、断線確認を行うために必要な主側RAM204の記憶容量の削減が図られる。
・主側MPU202において賞球コマンドを出力した直後は当該出力の対象となった賞球コマンドの種類を記憶しておき、その後に第1の信号経路SL1の断線を確認しなかった場合にはその記憶している情報を消去する一方、その後に第1の信号経路SL1の断線を確認した場合にはその記憶されている種類の賞球コマンドを断線の解消後に再度出力する構成としてもよい。この場合、第1の信号経路SL1の断線が発生した場合に、遊技球の払出が無効化されてしまう可能性が低減される。
具体的な構成としては、賞球コマンドの出力後において出力直後フラグに「1」がセットされている状況ではその出力した賞球コマンドの種類を主側RAM204に記憶しておき、出力直後フラグがクリアされた場合にその記憶されている賞球コマンドを先ず出力対象として設定する構成が考えられる。
・上記第18の実施の形態における第1の信号経路SL1の断線確認に係る処理を、当該第1の信号経路SL1がシリアル式ではなく、パラレル式でコマンドの送信を行う構成に対して適用してもよい。この場合であっても、払出許可信号を送信する構成を利用して、第1の信号経路SL1の断線確認を行うことができる。
また、第1の信号経路SL1の断線確認に係る処理を、払出側RAM364に電断時用電源部374から電力が供給される構成に適用してもよい。この場合であっても複数の賞球コマンドが連続して主側MPU202から送信されないようにするために払出許可信号を利用する構成が考えられ、払出許可信号の確認を通じて断線確認を行うことができる。
・払出許可信号は一の賞球コマンドが出力される毎に不許可に対応した信号への切換が行われる構成に限定されることはなく、予め定められた複数の賞球コマンドが出力される毎に不許可に対応した信号への切換が行われる構成としてもよい。この場合であっても、払出許可信号の確認を通じて断線確認を行うことができる。
・2個の制御装置間のうち一方から許可に対応した信号が出力されている状況で他方から所定の情報を含む信号が送信され、一方の制御装置ではその信号を受信した場合に特定の処理を実行するとともに上記許可に対応した信号を不許可に対応した信号に切り換える構成を、主側MPU202から払出側MPU362に賞球コマンドを伝送するための信号経路とは異なる信号経路の断線確認用に適用してもよい。
例えば、主側MPU202から音声ランプ制御装置82に演出用のコマンドを送信するための信号経路における断線確認用に適用してもよい。また、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に演出用のコマンドを送信するための信号経路における断線確認用に適用してもよい。
・上記第18の実施の形態において、電波が検知されている状況又は監視時間の計測中に上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成に限定されることはなく、一般入賞口31への入賞又は可変入賞装置32への入賞が発生した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。
また、遊技球の払出が実行されている状況で電波が検知された場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。払出装置96を通じて遊技球の払出が実行されている状況で電波を不正に出力することで、実際には遊技球の払出が行われているにも関わらず遊技球が通過していないものと払出検知センサ96bに誤検知させる不正行為が想定される。これに対して、上記のように遊技球の払出が実行されている状況で電波が検知された場合に遊技停止状態への設定が行われることで、上記不正行為が行われたにも関わらず遊技の進行が通常通りに制御されることを抑制できる。ちなみに、当該効果を奏するためには、遊技球の払出が実行されている状況が先に発生し、その後に電波が検知された場合に、遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよく、電波が検知されている状況が先に発生し、その後に遊技球の払出が開始された場合に、遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。また、払出装置96のハウジングに電磁シールド用のシートを設けることで、払出検知センサ96bへの電波の影響を抑える構成としてもよい。
また、上記以外にも、電波が検知されている状況又は監視時間の計測中に、開閉実行モードへの移行が発生した場合に遊技停止状態への設定が行われる構成としてもよい。
・電波又は振動を検知し、さらに作動口33,34への入賞が発生した場合又は通過部141,144を遊技球が通過した場合に、遊技停止状態への設定が行われる構成に代えて、それに対応した報知のみが行われる構成としてもよい。当該構成においては、電波又は振動を検知した際の1段階目の報知は実行されない構成としてもよい。
特に、電波の検知に関して当該構成を適用することで、遊技ホールの環境などで発生し易い電波を検知した場合に正規に遊技が行われている状況に対して遊技停止状態の設定が行われることが防止される。また、当該構成においてはその報知が他の異常報知に比べて遊技者にとって目立たない態様で行われる構成としてもよい。例えば、パチンコ機10の上側の隅角部分や側方部分にパチンコ機10の側方に向けて光を照射する報知用発光部を設け、電波検知の報知に際しては当該報知用発光部を発光させるだけの構成とすることで、遊技者に対しては当該報知を目立たないようにして行うことができるとともに、遊技ホールの管理者に対しては当該報知を認識し易くすることができる。また、当該報知の構成に代えて又は加えて、外部出力が行われる構成としてもよい。ちなみに、かかる報知の構成を、上記第18の実施の形態における第1段階の報知に対して適用してもよい。
また、遊技停止状態への設定に代えて、発射の禁止といったように遊技の開始操作を禁止させる又は無効化させる設定、遊技球の払出といった遊技媒体の付与を禁止させる設定、大当たり抽選などといった抽選処理を禁止させる設定、及び大当たり結果を無効化させる設定の少なくとも1つが行われる構成としてもよい。
・多数のタイマカウンタTC1〜TC10の更新を集約して行うタイマ更新処理(図84)をタイマ割込み処理(図76)の最初の処理として実行する構成としてもよい。この場合、定期的に開始されるタイマ割込み処理の最初のタイミングでタイマ更新処理が実行されるため、各タイマカウンタTC1〜TC10の更新間隔の更なる一定化が図られる。
また、タイマ更新処理がタイマ割込み処理におけるステップS6208の処理よりも先に実行される構成としてもよい。この場合、遊技停止状態に設定されている状況であっても各タイマカウンタTC1〜TC10の更新を継続することが可能となる。
・タイマ更新処理による更新対象であるタイマカウンタTC1〜TC10を、減算式とするのではなく加算式としてもよい。但し、当該構成においては、タイマカウンタTC1〜TC10を利用した期間の計測が行われていない状況で当該タイマカウンタTC1〜TC10の数値情報が加算され続けることを抑制するために、各タイマカウンタTC1〜TC10に対して個別に数値情報の上限値が設定されている構成としてもよい。又は、各タイマカウンタTC1〜TC10に対して個別に計測中フラグのエリアを用意しておき、当該計測中フラグに「1」がセットされているタイマカウンタTC1〜TC10のみ数値情報を加算する構成としてもよい。
また、タイマ更新処理では減算式のタイマカウンタ及び加算式のタイマカウンタの両方について数値情報の更新を行う構成としてもよい。この場合であっても、加算式のタイマカウンタについては上記のように数値情報が加算され続けないような構成を適用するとよい。
・タイマ更新処理による更新対象となるタイマカウンタは、16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4及び8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10に限定されることはなく、8ビットよりも少ないビット数のタイマカウンタや、8ビット〜16ビットの範囲に含まれるビット数のタイマカウンタや、16ビットよりも多いビット数のタイマカウンタであってもよい。
また、タイマ更新処理では、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10が16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4よりも先に更新対象となる構成としてもよい。この場合、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10のアドレスが16ビットのタイマカウンタTC1〜TC4のアドレスよりも小さい数値情報となるように各アドレスの設定を行うとともに、8ビットのタイマカウンタTC5〜TC10の先頭アドレスは読み出すが残りのアドレスはタイマアドレスを利用した演算により都度導出する構成としてもよい。
・上記第18の実施の形態では、デモ表示用処理(ステップS6219)が特図特電制御処理(ステップS6216)とは別に設定されている構成としたが、これに限定されることはなく、デモ表示用処理が特図特電制御処理に含まれている構成としてもよい。この場合、デモ表示は遊技回用の演出が実行されておらず且つ開閉実行モードが実行されていない状況で実行されるため、デモ表示用処理はステップS7307の特図変動開始処理に含まれており、特図特電カウンタの数値情報が「0」であって保留情報が取得されていない状況でデモ表示用処理のステップS8202〜ステップS8208の処理が実行される構成とするとよい。
・特図特電カウンタの数値情報は、遊技回用の演出及び開閉実行モードにより構成される一連の遊技状況の各区分に対してその進行順序に即して昇順となるように設定されているが、各区分の状況に係る各処理の数値情報の間隔が「1」ではない構成としてもよい。この場合、当該数値情報の間隔が「2」以上の同一の数値である構成としてもよく、処理間ごとに数値が不規則である構成としてもよい。但し、特図特電カウンタの数値情報の更新に係る処理の簡素化を図る上では、上記数値情報の間隔が同一の数値である構成が好ましい。なお、これは普図普電カウンタの数値情報についても同様である。
・特図特電カウンタの数値情報は、遊技回用の演出及び開閉実行モードにより構成される一連の遊技状況の各区分に対してその進行順序に即して降順となるように設定されている構成としてもよい。この場合、各区分の状況に係る各処理の数値情報の間隔が「1」である構成としてもよく、「2」以上の数値であってもよい。
また、各状況の進行順序に対して数値情報の設定が、昇順や降順といった規則的なものではなく、不規則に行われている構成としてもよい。この場合、ステップS7307〜ステップS7313の各処理では、遷移先の状況に対応した数値の加算や減算が特図特電カウンタに対して行われるようにする必要がある。
・開閉実行モードではその移行の契機となった遊技結果やその直前の遊技状態に関係なく下作動口34の電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードに設定される構成においては、普図普電制御処理(ステップS6217)にて特図特電カウンタの数値情報が「3」以上であるか否かを判定することで、開閉実行モード中であるか否かを判定する構成としてもよい。また、開閉実行モードであってもエンディング期間中は、移行の契機となった遊技結果や直前の遊技状態に応じて、サポートモードが高頻度サポートモードに設定される構成においては、普図普電制御処理にて特図特電カウンタの数値情報が「3」以上であって「5」以下であることを確認した場合にサポートモードを低頻度サポートモードに設定し、「6」であることを確認した場合にサポートモードを高頻度サポートモードに設定する構成としてもよい。これらの場合、特図特電カウンタの数値情報を利用して、電動役物34aの制御を行うことができるとともに、3種類以上の状況に含まれているか否かの判定を、1の数値情報を参照することで又は2の数値情報を参照することで把握することができ、当該判定に際しての処理負荷の軽減が図られる。
・遊技回用の演出の実行中及び開閉実行モードのオープニング中である状況で、作動口33,34などの所定の入賞部に遊技球が入賞した場合といった追加条件が成立した場合には、特別な演出が実行される構成としてもよい。この場合、特図特電カウンタが「1」以上であって「3」以下であることを確認することで、遊技回用の演出の実行中及び開閉実行モードのオープニング中のいずれかの状況であるかを把握することができる。
・特電開放中処理(ステップS7311)と特電閉鎖中処理(ステップS7312)とに対して、特図特電カウンタの数値情報が個別に設定されていたが、これに代えて、特電開放中処理及び特電閉鎖中処理が、特図特電カウンタの一の数値情報のみが設定された一の処理として設定されている構成としてもよい。この場合、特図特電カウンタの数値情報の更新に際しては1加算又は初期化のみを実行すればよいため、当該更新に係る処理の簡素化が図られる。
ちなみに、当該構成を、各状況の進行順序に対して特図特電カウンタの数値情報の設定が降順で設定されている構成に対して適用することで、特図特電カウンタの数値情報の更新に際しては1減算又は初期化のみを実行すればよいこととなる。
・特図変動中処理(ステップS7308)と特図確定中処理(ステップS7309)とに対して、特図特電カウンタの数値情報が個別に設定されていたが、これに代えて、特図変動中処理及び特図確定中処理が、特図特電カウンタの一の数値情報のみが設定された一の処理として設定されている構成としてもよい。
また、特電変動中処理が、非リーチ用の処理と、リーチ発生後の処理とに区別されており、それら各処理に対して特図特電カウンタの数値情報が個別に設定されている構成としてもよい。
また、特電開放中処理が、開放時間が長い場合の処理と、開放時間が短い場合の処理とに区別されており、それら各処理に対して特図特電カウンタの数値情報が個別に設定されている構成としてもよい。
・特図特電カウンタの数値情報を更新するための処理が、ステップS7307〜ステップS7313の処理とは別に設定されている構成としてもよい。また、特図特電タイマカウンタを更新する処理が、ステップS7307〜ステップS7313の各処理にそれぞれ含まれている構成としてもよい。
・払出側MPU362において払出許可信号のLOWレベルからHIレベルへの切り換えの契機となる許可基準数が、1回の入賞に対する最小賞球数よりも大きい数であって、次に多い賞球数又は最大賞球数よりも少ない数であってもよい。この場合、主側MPU202から3個賞球コマンドが出力されたとしても払出許可信号がLOWレベルに切り換えられない状況が起こり得る。したがって、3個賞球コマンドを出力した場合には、主側MPU202において断線確認処理を実行しない構成としてもよい。但し、開閉実行モードではない通常の遊技状態において断線確認処理が実行されることが好ましいため、許可基準数は、当該通常の遊技状態であっても入賞が発生し得る入球部(例えば、一般入賞口31)に対応した賞球数よりも小さい数に設定されていることが好ましい。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。また、以下の別形態の構成は、適用対象として例示した実施の形態とは異なる実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記第1〜第7の実施の形態では、通常処理の1処理回の範囲内において当否判定処理が実行される場合には保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成としたが、これに限定されることはなく、通常処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理が実行される場合には当否判定処理の実行が制限され得る構成としてもよい。但し、本パチンコ機10では当否判定処理において遊技者に利益を与えるか否かの判定が行われるため、当該当否判定処理の実行が制限されると本来得られたはずの利益を遊技者が得られないという不都合が生じ得る。この点、上記各実施の形態のように当否判定処理の実行を制限することなく、保留予告用の確認処理の実行を制限することが好ましい。
なお、当否判定処理の実行を制限するための具体的な構成としては制限フラグを用いる構成が考えられる。また、当否判定処理の実行を制限する方法としては、所定の保留情報について当否判定処理を実行しない構成や、所定の保留情報について当否判定処理を一旦実行しないようにしがらその後に当否判定処理を実行する構成や、所定の保留情報について大当たり数値情報の一部のみを参照して当否判定処理を実行する構成が考えられる。
(2)上記第1〜第7の実施の形態において、当否判定処理とは異なる予め定められた特別処理と保留予告用の確認処理とが通常処理の1処理回の範囲内で重複して実行されないように制限する構成としてもよい。この場合、通常処理の1処理回の範囲内において特別処理が実行される場合には保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成としてもよく、通常処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理が実行される場合には特別処理の実行が制限され得る構成としてもよい。なお、特別処理としては、例えば、電役サポート用処理における電役開放抽選の処理や、遊技状態移行処理における開閉実行モードへの移行処理などが考えられる。
(3)上記第1〜第7の実施の形態において、パチンコ機10の電源が投入されてから制限の解除条件が成立するまで保留予告用の確認処理といった制限対象の処理の実行が制限され得る構成としてもよい。例えば、パチンコ機10の電源が投入されてメイン処理が実行された場合に制限フラグが格納され、上記各実施の形態にて示したような消去タイミングまで当該制限フラグが記憶保持される構成としてもよい。また、パチンコ機10の電源遮断に際して制限フラグが格納され、バックアップ電力により電源遮断中も記憶保持されるとともに、パチンコ機10の電源投入後において上記各実施の形態にて示したような消去タイミングまで当該制限フラグが記憶保持される構成としてもよい。本構成は、当否抽選モードが低確率モードであっても保留予告用の確認処理の実行が制限される構成に対して適用すると有効である。
(4)上記第1〜第7の実施の形態では、当否抽選モードが高確率モードであることを一条件として保留予告用の確認処理が制限される構成としたが、これに限定されることはなく、当否抽選モードが低確率モードであっても保留予告用の確認処理が制限される構成としてもよい。
(5)上記第1の実施の形態、上記第2の実施の形態又は上記第3の実施の形態において、当否判定処理と保留予告用の確認処理とが共にタイマ割込み処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。また、当否判定処理と保留予告用の確認処理とが共に通常処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。さらにまた、通常処理とタイマ割込み処理とに区別されておらず、単一の一連の処理が実行タイミングとなる度に実行される構成においては、当該一連の処理における一部の処理として、当否判定処理及び保留予告用の確認処理の両方が実行される構成としてもよい。上記いずれの場合であっても、上記第5の実施の形態、上記第6の実施の形態又は上記第7の実施の形態における制限フラグの格納及び消去の処理構成を適用するとよい。
(6)上記第1〜第7の実施の形態において、読み込み処理がタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、保留予告用の確認処理が通常処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。本構成において、保留予告用の確認処理の実行タイミングとなるまでに、上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得されているとともに下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得されている場合には、それぞれの保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行されるようにすることで、各保留情報に対する保留予告用の設定処理を早期に実行することが可能となる。
但し、本構成において、通常処理の1処理回の範囲内において当否判定処理と保留予告用の確認処理とが共に実行されるとすると、当該通常処理の1処理回の処理時間が極端に長くなってしまうことが考えられる。したがって、かかる構成であっても、上記第1〜第7の実施の形態における制限の構成を適用することが好ましい。
(7)上記第1の実施の形態などの通常処理にて4msecの残余期間内で行われる処理は、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理に限定されることはなく、例えば、これらの更新処理のいずれか一方であってもよく、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、乱数初期値カウンタCINI、変動種別カウンタCS及び電動役物開放カウンタC4のうちいずれか1つの更新処理を実行する構成としてもよく、それら各カウンタの所定の組合せの更新処理を実行する構成としてもよい。また、カウンタの更新処理に代えて又は加えて、異常発生検知用の処理といった他の処理を実行する構成としてもよい。
また、上記第5の実施の形態などの一のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間の残余期間内で行われる処理は、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理に限定されることはなく、例えば、これらの更新処理のいずれか一方であってもよく、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、乱数初期値カウンタCINI、変動種別カウンタCS及び電動役物開放カウンタC4のうちいずれか1つの更新処理を実行する構成としてもよく、それら各カウンタの所定の組合せの更新処理を実行する構成としてもよい。また、カウンタの更新処理に代えて又は加えて、異常発生検知用の処理といった他の処理を実行する構成としてもよい。
(8)上記各実施の形態のように保留表示領域Gaといった個別表示領域にて保留予告を行う構成に限定されることはなく、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われている状況において当該図柄の変動表示の態様やそれに付随して表示されるキャラクタ等の態様を保留予告用の態様とすることで、保留予告を行う構成としてもよい。
具体的には、表示制御装置212では保留予告用の確認処理にて確認対象となった保留情報が大当たり当選に対応していると判定したことに基づいて、当該保留情報を保留予告の実行の契機として設定し、かかる実行の契機として設定された保留情報よりも前に実行される遊技回における図柄表示装置41での表示態様を保留予告用の表示態様とする構成が考えられる。そして、かかる保留予告用の表示態様としては、図柄の変動表示中に所定の報知画像を表示する構成や、図柄の変動表示の停止結果を保留予告に対応した停止結果とする構成が考えられる。
詳細には、主制御装置81にて保留予告用の確認処理が実行され当該主制御装置81から一致保留コマンドが送信されることで、表示制御装置212にて当該一致保留コマンドの送信に係る保留情報を保留予告の実行の契機として設定するか否かの判定が行われ、実行の契機として設定する旨の決定が行われた場合に契機情報を記憶するようにする。そして、契機情報が記憶されている状況では、保留予告の実行の契機として設定された保留情報よりも前に当否判定の対象となった保留情報に係る遊技回にて保留予告用の表示態様を表示させる。
上記構成であっても、主制御装置81における通常処理又はタイマ割込み処理といった進行用処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理と当否判定処理との両方が実行されることは好ましくない。したがって、上記第1〜第7の実施の形態のように、当否判定処理が実行される進行用処理の1処理回の範囲内においては保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成とすることが好ましい。
なお、図柄表示装置41とは異なる報知用装置にて保留予告を行う構成としてもよい。例えば、図柄表示装置41とは異なる表示装置にて保留予告を行う構成としてもよく、所定の音をスピーカ部64から出力することにより保留予告を行う構成としてもよく、所定の発光態様で発光部を発光させることで保留予告を行う構成としてもよい。
(9)上記第8〜第18の実施の形態に上記(8)の別形態の構成を適用してもよい。詳細には、主制御装置81にて保留予告用の確認処理が実行され保留コマンドが送信されることで、表示制御装置212にて当該保留コマンドの送信に係る保留情報を保留予告の実行の契機として設定するか否かの判定が行われ、実行の契機として設定する旨の決定が行われた場合に契機情報を記憶するようにする。そして、保留情報が記憶されている状況では、保留予告の実行の契機として設定された保留情報よりも前に当否判定の対象となった保留情報に係る遊技回にて保留予告用の表示態様を表示させる。
ちなみに、第11〜第13,第16〜第17の実施の形態では、上作動口33に係る保留情報に対応した上側保留コマンドと下作動口34に係る保留情報に対応した下側保留コマンドとがそれぞれ送信される構成である。したがって、上記のように保留予告の実行の契機として設定された保留情報よりも前に実行される遊技回中の演出として保留予告を行う構成を適用する場合には、例えば上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報のいずれが実行の契機となっているかを遊技者が認識できる態様で保留予告を行う構成としてもよく、所定の保留情報が保留予告の実行の契機として既に設定されている状況ではその後に新たに取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されることが制限される構成としてもよい。
上記構成であっても、主制御装置81における定期処理の実行を良好に担保しながら保留予告が実行されることが好ましい。したがって、上記第8〜第18の実施の形態のように、残余処理にて保留予告用の確認処理や保留コマンドの出力設定に係る処理が実行される構成とすることが好ましい。
また、上記第8〜第18の実施の形態では、保留コマンドに、大当たり結果の有無の情報と、大当たり結果である場合に大当たり種別の情報と、外れ結果である場合にリーチ発生の有無の情報と、変動種別の情報とが含まれている。したがって、保留予告用の表示態様として、複数種類の保留予告用の演出動画やキャラクタといった複数種類の表示態様を予め用意しておき、大当たり種別、リーチ発生の有無、及び変動種別に対応させて選択される保留予告用の表示態様の種類を相違させる構成とすることが可能であるとともに、大当たり種別、リーチ発生の有無、及び変動種別に対応させて各保留予告用の表示態様の選択率を相違させる構成としてもよい。
なお、図柄表示装置41とは異なる報知用装置にて保留予告を行う構成としてもよい。例えば、図柄表示装置41とは異なる表示装置にて保留予告を行う構成としてもよく、所定の音をスピーカ部64から出力することにより保留予告を行う構成としてもよく、所定の発光態様で発光部を発光させることで保留予告を行う構成としてもよい。
(10)上記第1〜第7の実施の形態において、主制御装置81は大当たり乱数カウンタC1から取得した情報をそのまま音声ランプ制御装置82や表示制御装置212といったサブ側の制御装置に送信し、サブ側の制御装置において保留予告用の確認処理を実行する構成としてもよい。この場合であっても、サブ側の制御装置において進行用処理の1処理回の範囲内で保留予告用の確認処理とその他の特別処理との両方が実行されるとすると、進行用処理の1処理回に要する処理時間の長時間化が懸念される。したがって、進行用処理の1処理回の範囲内において特別処理が実行される場合には保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成とする、又は進行用処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理が実行される場合には特別処理の実行が制限され得る構成とするとよい。なお、特別処理としては、例えば、サブ側の制御装置において1遊技回の演出内容を決定する処理、より具体的には図柄の変動表示態様を決定する処理が考えられる。
また、上記第8〜第18の実施の形態において、主制御装置81は取得した保留情報のうち保留予告を実行するために使用する情報をそのまま音声ランプ制御装置82や表示制御装置212といったサブ側の制御装置に送信し、サブ側の制御装置において保留予告用の確認処理を実行する構成としてもよい。この場合であっても、サブ側の制御装置にて上記第8〜第18の実施の形態のように定期処理と残余処理とが実行される構成とした場合、定期処理が定期的に実行されなくなることは好ましくない。したがって、サブ側の制御装置における処理構成が定期処理と残余処理とからなる構成においては、定期処理にてコマンドの受信確認や演出の実行設定に係る処理を実行し、残余処理にて保留予告用の確認処理を実行する構成とすることが好ましい。
(11)上記第2の実施の形態において、保留予告用の確認処理の実行が制限された場合には何ら保留コマンドを送信することなく、その後に待機用処理が実行された場合にその処理結果に対応したコマンドを送信する構成としてもよい。また、保留予告用の確認処理の実行が制限されてから待機用処理が実行されるまでの間に保留情報が新たに取得されたとしても、待機用処理が実行される構成としてもよい。この場合、表示制御装置212において、待機用処理の対象となっている保留情報と新たに取得された保留情報とを明確に区別するための構成が必要となる。
(12)上記各実施の形態において、高確率モード用に設定される大当たり数値情報の数が10個以外でもよいことは言うまでもなく、例えば20個であってもよい。また、低確率モード用に設定される大当たり数値情報の数は高確率モード用に設定された大当たり数値情報の数よりも少ないのであれば複数であってもよいことは言うまでもない。
(13)上記第1〜第7の実施の形態では、保留予告の設定を行う上で、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報のみが確認される構成としたが、これに限定されることはなく、大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報や、リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報も確認される構成としてもよい。また、大当たり当選となる遊技回においては、図柄表示装置41における図柄の変動表示パターンとして、リーチ表示が発生する構成とした場合には、保留情報が大当たり当選に対応しているか否かに関係なく当該保留情報にリーチ表示に対応した情報が含まれているか否かを確認し、保留予告ではリーチ発生の有無を報知する構成としてもよい。また、リーチ発生の有無だけでなく、変動表示時間の情報も、保留コマンドの設定処理にて確認する構成としてもよい。この場合、保留予告としてリーチ表示の種別などを報知することが可能となる。
上記各構成では、保留コマンドの設定処理では、保留情報が大当たり数値情報に対応しているか否かの確認だけでなく、保留情報がリーチ発生数値情報に対応しているか否かの確認や保留情報がいずれの変動表示時間に対応しているかの確認などを行う必要がある。そうすると、当否判定処理と保留予告用の確認処理とが通常処理又はタイマ割込み処理といった進行用処理の1処理回の範囲内で実行されると、当該進行用処理の処理時間が長時間化してしまう。これに対して、上記第1〜第7の実施の形態のように保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成とすることが好ましい。
(14)上記第8〜第18の実施の形態では、保留予告の設定を行う上で、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報、大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報、リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報及び変動種別カウンタCSから取得した数値情報が確認される構成としたが、これに限定されることはなく、上記第1〜第7の実施の形態のように大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報のみが確認される構成としてもよい。この場合、保留予告として、大当たり結果の発生の可能性を段階的に報知するように保留予告が実行される構成としてもよい。また、外れ結果に対応した保留情報についても所定の確率で保留予告を実行するようにすることで、大当たり結果の場合及び外れ結果の場合のいずれにおいても保留予告が実行されることとなるため、保留予告の実行が大当たり結果の発生と一義的に結び付かないようにすることができる。
また、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報と大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報とが確認される構成としてもよい。この場合、保留予告として、大当たり結果の種別に対応した内容の報知を行うことが可能となる。また、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報とリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報とが確認される構成としてもよい。この場合、大当たり結果となる保留情報又は外れリーチとなる保留情報について、所定の確率で保留予告が実行されるようにすることで、保留予告が実行された場合には該当する遊技回でリーチ表示は少なくとも発生することとなる。また、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報と、大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報と、リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報とが確認される構成としてもよい。
(15)上記各実施の形態では、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれる構成としたが、これに限定されることはなく、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれない構成としてもよい。
(16)上記各実施の形態では、当否判定処理や保留コマンドの設定処理の処理プログラムにて参照すべき大当たり数値情報の数が指定される構成としたが、これに限定されることはなく、参照すべき大当たり数値情報の数を指定するための指定用テーブルが別途用意されていて、当否判定処理や保留コマンドの設定処理では指定用テーブルにおいて参照すべきアドレス情報が指定される構成としてもよい。この場合、当否判定処理や保留コマンドの設定処理では、指定用テーブルから読み出した大当たり数値情報の数だけ、参照して保留情報との比較処理を実行する。また、上記指定用テーブルが当否テーブルに含まれた構成としてもよい。
(17)上記各実施の形態において、保留予告が行われ得る状態と保留予告が不可となる状態との切り換えがなされる構成としてもよい。この場合、当該切り換えを行う主体は、主制御装置81、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212のうちのいずれであってもよい。また、切り換えの契機に関しては、所定の開始条件が成立した場合に保留予告が行われ得る状態となり、所定の終了条件が成立した場合に保留予告が不可となる状態となるのであれば任意であり、例えば、許可抽選と不可抽選とを設け、許可抽選にて当選結果となった場合に保留予告が行われ得る状態となるとともに、不可抽選にて当選結果となった場合に保留予告が不可となる状態となるよう構成してもよい。
(18)上記第1〜第10の実施の形態において、上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。また、上記各実施の形態において、逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。これらの場合に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報及び下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報のうち、前者の保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよく、後者の保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよく、いずれの保留情報も保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。
また、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用する場合、保留予告を上作動口33への入賞に係る保留情報について行う構成とするとともに、当該保留予告では大当たり当選となる旨の情報だけでなく、高確率モードであれば大当たり当選となる旨の情報、低確率モードであれば大当たり当選となる旨の情報、高確率モード及び低確率モードのいずれであっても大当たり当選となる旨の情報、又は高確率モード及び低確率モードのうちいずれか一方でのみ大当たり当選となる旨の情報を報知する構成としてもよい。上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定に際して優先される構成において上記保留予告の構成を適用することで、遊技者にとっては、保留予告の内容に応じて、保留予告に係る保留情報が当否判定の対象とならないようにすべく下作動口34への入賞に係る保留情報が記憶された状態が維持されることを期待して発射ハンドル54を操作する態様を選択することができるとともに、保留予告に係る保留情報が当否判定の対象となるようにすべく下作動口34への入賞がそれ以上発生しないように発射ハンドル54の操作を中止するという態様を選択することができる。
特に、上記構成を、下作動口34に電動役物34aが設けられておらず、上作動口33及び下作動口34の両方において入賞頻度が遊技状態に依存しない構成に適用した場合、遊技状態に関係なく上記遊技を遊技者に提供することが可能となる。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル54の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、遊技者にとっては、保留予告に応じて、第1作動口又は第2作動口の一方の入賞のみを狙うことが可能となる。
また、上記構成を上記第1〜第10の実施の形態に適用する場合、メイン表示部43に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(19)上記第1〜第10の実施の形態において、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、上記(18)のように下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成において、当該下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の方が、当否判定の実行が優先されない上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合よりも、遊技者にとって有利となる構成としてもよい。
このように有利な状態を設定する上では、例えば、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率を、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率よりも高く設定する構成としてもよい。また、下作動口34への入賞に係る保留情報が大当たり当選となった場合における大当たり結果の振分先が、上作動口33への入賞に係る保留情報が大当たり当選となった場合における大当たり結果の振分先よりも有利なものとなるように設定された構成としてもよい。
かかる構成についてより詳細には、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先に、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先には設定されていない大当たり結果が設定されており、かかる大当たり結果が設定されていることにより前者の方が後者よりも有利なものとなる構成としてもよく、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先に、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先には設定されていない大当たり結果が設定されており、かかる大当たり結果が設定されていることにより後者の方が前者よりも有利なものとなる構成としてもよい。なお、当該構成を上記第11〜第18の実施の形態に対して適用してもよい。さらには、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先の種類と、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先の種類とが同一となるように設定されているとともに、下作動口34への入賞では上作動口33への入賞よりも、有利な大当たり結果への振分確率が高く設定された構成としてもよい。
上記構成によれば、上作動口33への入賞が発生することに比して、下作動口34への入賞が発生することの有利性が高められる。そして、下作動口34への入賞により取得された保留情報が優先して当否判定される構成においては、下作動口34への入賞が発生した場合には、下作動口34について設定された有利性が優先して遊技者に提供されることとなる。これにより、上作動口33と下作動口34との機能に明確な差異が設けられ、遊技者にとっては、上作動口33への入賞よりも下作動口34への入賞の発生を期待することとなり、遊技の多様化が図られる。
また、上記各実施の形態のように作動口を複数設ける構成においては、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。また、作動口が1個のみ設けられた構成としてもよい。
(20)当否抽選モードが複数段階設定されているのではなく、単一の当否抽選モードのみが設定されており、さらに当該当否抽選モードについて複数種類の大当たり数値情報が設定された構成としてもよい。
(21)上記各実施の形態では、既に保留予告が行われている状況であっても、作動口33,34への新たな入賞に基づき取得された保留情報について保留予告が開始され得る構成としたが、既に保留予告が行われている状況においては新たな保留予告が開始されない構成としてもよい。つまり、作動口33,34への新たな入賞に基づき保留情報が取得された場合に、既に保留予告が実行されているか否かを判定する手段と、既に保留予告が実行されていると判定された場合には新たな入賞に基づき取得された保留情報に対して保留予告が実行されないように規制する手段と、を備えた構成としてもよい。この場合、複数の保留予告が同時に実行されることはなく、各保留予告への注目度を高めることが可能となる。
(22)上記各実施の形態において、主制御装置81に大当たり当選に対応した保留情報が記憶されている場合であって、かかる保留情報について保留予告が実行されていない場合には、作動口33,34への新たな入賞に基づき取得された保留情報について保留予告が開始されない構成としてもよい。つまり、作動口33,34への新たな入賞に基づき保留情報が取得された場合に、既に記憶されている保留情報に大当たり当選に対応した保留情報が含まれているか否かを判定する手段と、大当たり当選に対応した保留情報が含まれていると判定された場合には新たな入賞に基づき取得された保留情報に対して保留予告が実行されないように規制する手段と、を備えた構成としてもよい。この場合、大当たり当選に対応した保留情報について保留予告が実行されていないにも関わらず、他の保留情報について保留予告が実行されてしまうことが規制され、保留予告への注目度を高めることが可能となる。
(23)上記第1〜第7の実施の形態において、保留表示領域Gaにおける複数の単位保留表示領域にて保留予告が実行されている状況で、先に当否判定の対象となった保留情報について開閉実行モードへの移行が発生した場合には、後に当否判定の対象となる保留情報についての保留予告を、開閉実行モードへの移行に際して、開閉実行モード中の所定のタイミング又は開閉実行モードの終了に際して、終了させる構成(すなわち、保留予告の解除手段を有する構成)としてもよい。この場合、開閉実行モードへの移行が発生した場合には、保留予告の実行状況を一旦リセットすることが可能となる。
(24)上記第8〜第18の実施の形態において、保留コマンドの設定処理(第11〜第13,第16〜第17の実施の形態では上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理)の途中で、一旦割込み許可の設定を行い、再度割込み禁止の設定を行う構成としてもよい。また、上記第8の実施の形態や上記第11の実施の形態においては、この一旦割込み許可の設定を行った際に通常処理の最初の処理を開始するタイミングであるか否かを判定する構成としてもよい。上記構成によれば、タイマ割込み処理や通常処理の主要な処理を定期的に行い易くなる。
ちなみに、保留コマンドの設定処理の途中で一旦割込み許可の設定を行うタイミングは、保留コマンドの設定処理において複数種類の処理が段階的に実行される構成の場合、所定の段階目の処理が終了して次の段階目の処理が開始される前に設定されていることが好ましい。例えば、上記第8の実施の形態の場合、ステップS3209にて肯定判定をしたタイミングで一旦割込み許可の設定を行う構成としてもよく、ステップS3211にて否定判定をしたタイミングで一旦割込み許可の設定を行う構成としてもよい。
(25)上記第8〜第18の実施の形態において、保留コマンドの設定処理(第11〜第13,第16〜第17の実施の形態では上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理)の途中で割込み許可の設定を行い、その後は保留コマンドの設定処理が終了するまでその割込み許可の設定を行った状態を維持する構成としてもよい。この場合、その割込み許可の設定を行っている状態でタイマ割込み処理が実行された場合には、タイマ割込み処理の実行後において保留コマンドの設定処理を終了した後の処理アドレスに戻る構成としてもよい。
(26)上記第8〜第18の実施の形態において、乱数初期値カウンタCINIの更新処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定及び割込み許可の設定を行うとともに、変動種別カウンタCSの更新処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定及び割込み許可の設定を行う構成としてもよい。この場合、タイマ割込み処理を定期的に行い易くなる。
(27)上記第8の実施の形態及び上記第11の実施の形態において、残余処理内の複数個所にて通常処理の最初の処理を開始するタイミングであるか否かの判定(すなわち、今回の通常処理を開始してから4msecが経過したか否かの判定)を行う構成としてもよい。
例えば、上記第8の実施の形態では、ステップS2607にて上記判定を行うだけでなく、ステップS2610とステップS2611との間にて上記判定を行う構成としてもよい。また、上記第11の実施の形態では、ステップS3907にて上記判定を行うだけでなく、ステップS3910とステップS3911との間にて上記判定を行う構成とするとともに、ステップS3914とステップS3915との間にて上記判定を行う構成としてもよい。つまり、割込み許可の設定が行われた後に所定の期間をあけて割込み禁止の設定が行われる構成において、当該所定の期間中に上記判定を行う構成としてもよい。
また、上記第8の実施の形態及び上記第11の実施の形態において、残余処理が実行されている状況でタイマ割込み処理を実行した場合には、そのタイマ割込み処理の終了に際して、上記判定を行う構成としてもよい。
上記各構成によれば、上記第8の実施の形態におけるステップS2601〜ステップS2606の処理や、上記第11の実施の形態におけるステップS3901〜ステップS3906の処理を、定期的に行い易くなる。
(28)上記第11の実施の形態では、上側保留コマンドの設定処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定とを行うとともに、下側保留コマンドの設定処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定とを行う構成としたが、一方の保留コマンドの設定処理については間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定を行い、他方の保留コマンドの設定処理については割込み禁止の設定が行われていない状態で行う構成としてもよい。この場合、タイマ割込み処理を定期的に行い易くなる。
ちなみに、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードのうち低頻度サポートモードである状況の方が、遊技が単調化し易い傾向にある。このような問題に着目した場合、低頻度サポートモードであっても複数の保留情報が同時に記憶される状況が発生し易い上作動口33に係る保留情報についての保留予告の実行頻度を高めることが好ましい。この場合、上側保留コマンドの設定処理については間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定を行い、下側保留コマンドの設定処理については割込み禁止の設定が行われていない状態で行う構成とするとよい。
(29)上記第8〜第18の実施の形態では、保留予告用の確認処理として複数の大当たり数値情報と保留情報との照合を行う場合に、かかる照合の処理の全てを残余処理にて行う構成としたが、これに代えて、複数の大当たり数値情報のうち一部の照合についてはタイマ割込み処理や通常処理の定期的に実行される処理にて実行し、残りの照合について残余処理にて行う構成としてもよい。この場合、上記一部の照合結果を残余処理にて残りの照合が開始されるタイミングまで記憶保持しておくようにし、さらに当該残りの照合が完了した後に保留コマンドの出力設定に係る処理を実行する構成としてもよい。
(30)上記第8〜第18の実施の形態では、保留情報に含まれる数値情報のうち、大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報、リーチ乱数カウンタC3に係る数値情報及び変動種別カウンタCSに係る数値情報の全ての照合を残余処理にて行う構成としたが、これに代えて、これら各数値情報の一部の照合についてはタイマ割込み処理や通常処理の定期的に実行される処理にて実行し、残りの照合について残余処理にて行う構成としてもよい。
(31)上記第8〜第18の実施の形態では、残余処理内においてカウンタの更新処理の処理タイミングが保留コマンドの設定処理の処理タイミングよりも後となるように設定されていたが、カウンタの更新処理の処理タイミングの方が先となる構成としてもよい。
(32)上記第8〜第18の実施の形態において、保留情報を取得した場合には先ず取得時コマンドの出力設定を行い、保留予告用の確認処理を実行した場合に同一の保留情報について保留コマンドの出力設定を行う構成としたが、これに限定されることはなく、取得時コマンドの出力設定は行われない構成としてもよい。但し、当該構成を、サブ側の制御装置にて保留情報の個数を把握する必要がある構成に適用する場合には、保留情報が取得された場合には新たな保留情報の取得が行われるよりも前のタイミングで、その取得された保留情報について保留コマンドの出力設定が行われる構成とすることが好ましい。
(33)上記第8〜第10,第14〜第15,第18の実施の形態において、上作動口33と下作動口34とで個別に検知センサが設けられている構成に代えて、上作動口33を通過した遊技球及び下作動口34を通過した遊技球のいずれもが同一の排出通路部を通過するようにするとともに、当該排出通路部に検知センサが設けられている構成としてもよい。この場合、上作動口33に入賞した遊技球と下作動口34に入賞した遊技球とが同時に検知されることはなく、さらに連続する複数の遊技球のうち先側の遊技球の検知が完了してから後側の遊技球の検知が開始されるまでの間隔を保留情報が取得されてからその保留情報について保留予告用の確認処理及び保留コマンドの出力設定に係る処理が完了するまでの時間として想定される最長時間よりも長い時間とすることで、保留数カウンタを設ける必要がなくなる。
(34)上記第8〜第10,第14〜第15,第18の実施の形態のように、取得された保留情報がその契機となった作動口が異なっていたとしても区別されない構成において、保留情報の取得の契機となるとともに検知センサが個別に設けられた作動口が3個以上設けられている構成としてもよい。この場合、保留コマンドの設定処理が実行されるまでに複数の保留情報が取得されている可能性がより高まる。
ちなみに、同一種類の保留情報の取得契機となる検知センサが個別に複数設けられた構成においては、1個の保留情報の取得に最低限要する期間に関係なく、保留予告に係る処理(保留コマンドの設定処理)が実行されるまでにその対象となり得る保留情報が複数取得され得る。したがって、以上のような構成においては、上記第8の実施の形態のように先に取得した保留情報のみを保留予告に係る処理の実行対象とする構成、上記第10の実施の形態のように後に取得した保留情報のみを保留予告に係る処理の実行対象とする構成、上記第14の実施の形態のように各保留情報を保留予告に係る処理の実行対象とするとともに1回の保留予告に係る処理では1個の保留情報のみを実行対象とする構成のいずれかを適用することが好ましい。
(35)同一種類の保留情報の取得契機となる検知センサが1個のみ設けられた構成であって、定期的に実行される通常処理の残余の時間において残余処理が繰り返し実行されるとともに当該通常処理に定期的に割り込むようにしてタイマ割込み処理が起動される構成においては、同一種類の保留情報の取得に要する通常処理の最短の実行回数が、「保留情報の種類の数+1」以上であれば、通常処理の実行周期が高確率モードにおける当否判定処理の1回の実行は許容するが2回の実行は許容しない周期に設定されていたとしても、保留予告に係る処理(保留コマンドの設定処理)が実行されるまでにその対象となり得る保留情報が複数取得されることはない。
例えば、上記第11の実施の形態であれば、上作動口33に係る保留情報の取得に要する通常処理の最短の実行回数が3回であるとともに、下作動口34に係る保留情報の取得に要する通常処理の最短の実行回数が3回であれば、仮に通常処理の所定の処理回の範囲内で高確率モードにおける変動開始処理が実行されるとともに上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報の両方が取得されたとしても、上作動口33に係る保留情報の新たな取得及び下作動口34に係る保留情報の新たな取得が行われるまでに、上記各保留情報のそれぞれに対して保留予告に係る処理の実行を完了することができる。よって、同一種類の保留情報が複数記憶され得ることに対応させた処理(上記第11の実施の形態では上側処理待ちフラグ及び下側処理待ちフラグを利用した処理)を実行する必要がないため、MPU202の処理負荷の軽減が図られる。
ちなみに、作動口が3個設けられており、各作動口への入賞を契機として取得された保留情報は区別して扱われる構成においては、各作動口に係る保留情報の取得に要する通常処理の最短の実行回数を4回以上とすればよい。
(36)上記(35)の構成において、通常処理の実行周期が、高確率モードにおける当否判定処理の規定回数(2回以上)分の実行を許容するとともに、「保留情報の種類の数+1」分は許容しない場合、同一種類の保留情報の取得に要する通常処理の最短の実行回数が、「保留情報の種類の数+1」/「規定回数」以上であれば、保留予告に係る処理が実行されるまでにその対象となり得る保留情報が複数取得されることはない。よって、この場合、同一種類の保留情報が複数記憶され得ることに対応させた処理(上記第11の実施の形態では上側処理待ちフラグ及び下側処理待ちフラグを利用した処理)を実行する必要がないため、MPU202の処理負荷の軽減が図られる。
(37)同一種類の保留情報の取得契機となる検知センサが1個のみ設けられた構成であって、通常処理が存在しておらず、定期的に実行されるタイマ割込み処理の残余の時間において残余処理が繰り返し実行される構成においては、同一種類の保留情報の取得に要するタイマ割込み処理の最短の実行回数が、「保留情報の種類の数+1」以上であれば、タイマ割込み処理の実行周期が高確率モードにおける当否判定処理の1回の実行は許容するが2回の実行は許容しない周期に設定されていたとしても、保留予告に係る処理が実行されるまでにその対象となり得る保留情報が複数取得されることはない。このような事象は、上記第12の実施の形態において発生している。かかる構成においては、同一種類の保留情報が複数記憶され得ることに対応させた処理(上記第11の実施の形態では上側処理待ちフラグ及び下側処理待ちフラグを利用した処理)を実行する必要がないため、MPU202の処理負荷の軽減が図られる。
ちなみに、作動口が3個設けられており、各作動口への入賞を契機として取得された保留情報は区別して扱われる構成においては、各作動口に係る保留情報の取得に要するタイマ割込み処理の最短の実行回数を4回以上とすればよい。
(38)上記(37)の構成において、タイマ割込み処理の実行周期が、高確率モードにおける当否判定処理の規定回数(2回以上)分の実行を許容するとともに、「保留情報の種類の数+1」分は許容しない場合、同一種類の保留情報の取得に要するタイマ割込み処理の最短の実行回数が、「保留情報の種類の数+1」/「規定回数」以上であれば、保留予告に係る処理が実行されるまでにその対象となり得る保留情報が複数取得されることはない。よって、この場合、同一種類の保留情報が複数記憶され得ることに対応させた処理(上記第11の実施の形態では上側処理待ちフラグ及び下側処理待ちフラグを利用した処理)を実行する必要がないため、MPU202の処理負荷の軽減が図られる。
(39)上記第14の実施の形態では、保留予告に係る処理を実行するために保留情報に対応した情報を格納しておくためのエリアを保留上限数の分だけ用意する構成としたが、これに限定されることはなく、保留予告に係る処理が実行されるまでにその対象となる保留情報が取得され得る最大数分のエリアを用意する構成としてもよい。この場合、RAM204において必要となる記憶容量を抑えることが可能となる。
(40)上記第8〜第18の実施の形態において、残余処理に割り込んだタイマ割込み処理の実行後には、割り込んだ際の残余処理の処理アドレスに関係なく、乱数初期値カウンタCINIの更新を先ず実行する構成としてもよい。この場合、当該更新処理の実行後は、割り込んだ際の処理アドレスに対応した処理に復帰する構成としてもよく、残余処理における処理順序が上記更新処理の後の処理を実行していく構成としてもよい。上記のように更新処理を優先させることで、不正対策のために実行される乱数初期値カウンタCINIの更新処理の機能が、演出のために実行される保留予告に係る処理に起因して阻害されてしまうことを抑制できる。ちなみに、演出用の乱数情報を更新する変動種別カウンタCSの更新処理については、上記のような優先的な取り扱いをしない構成とすることで、保留予告に係る処理の実行頻度が極端に低下してしまうことを抑制できる。
(41)上記第8〜第18の実施の形態において、タイマ割込み処理が設定されておらず、一連の処理として定期的に実行される定期処理と非定期的に実行される所定の処理とが設定されており、当該所定の処理に対して保留コマンドの設定処理が設定されている構成としてもよい。例えば、上記第8の実施の形態において、通常処理(図38)におけるステップS2601〜ステップS2606の処理、及びタイマ割込み処理(図39)におけるステップS2703〜ステップS2708の処理を含む定期処理と、通常処理(図38)におけるステップS2607〜ステップS2614の処理を含む残余処理と、が一連の処理として設定されている構成としてもよい。当該構成においては、定期処理を定期的に行い易くなるために、上記(27)のように、残余処理内の複数個所にて定期処理の最初の処理を開始するタイミングであるか否かの判定(すなわち、今回の通常処理を開始してから4msecが経過したか否かの判定)を行う構成とすることが好ましい。
(42)上記第8〜第18の実施の形態において、保留予告用の確認処理において大当たり数値情報を参照する場合、当否判定処理にて参照される大当たり数値情報の一部のみを参照する構成としてもよい。
(43)上記第8〜第17の実施の形態において、保留情報に変動種別カウンタCSに係る数値情報が含まれている構成に代えて、上記第1〜第7の実施の形態のように変動種別カウンタCSに係る数値情報が含まれていない構成としてもよい。この場合、保留予告用の確認処理において変動種別カウンタCSに係る数値情報の照合を行う必要がない。
(44)上記第8〜第13の実施の形態では、タイマ割込み処理の前半側の処理として電断用処理を実行する構成としたが、タイマ割込み処理の後半側の処理として電断用処理を実行する構成としてもよい。
(45)上記各実施の形態において保留ランプ部45,46,306,307の制御主体は音声ランプ制御装置82に限定されることはなく、主制御装置81であってもよい。
また、上記各実施の形態においてタイマ割込み処理が起動される周期は2msecに限定されることはなく、例えば4msecであってもよい。
(46)上記第11〜第13,第16〜第17の実施の形態において、取得された保留情報の消化順序は先に取得された側から先に消化されるようにしながら、保留情報の消化に際して保留情報数の減算が行われる対象は上作動口33及び下作動口34のうち一方が優先される構成としてもよい。この場合、上記第11〜第13,第16〜第17の実施の形態にて説明したように保留予告の実行の契機となった保留情報の消化順序を明示しながら当該保留予告を行おうとすると、例えば非優先側である上作動口33側について保留予告を実行している状況で下作動口34への入賞が発生した場合には報知されている消化順序の内容と実際にその報知に係る保留情報が消化される順序が一致しなくなってしまう。したがって、当該構成においては、優先側である下作動口34側についてのみ保留予告を行う又は上記(8)の構成のように消化順序を明示しない態様で保留予告を行う構成とすることが好ましい。
(47)上記各実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(48)上作動口33への入賞が発生しているか否かの判定や下作動口34への入賞が発生しているか否かの判定を行うための処理構成は、上記各実施の形態における構成に限定されることはなく、任意である。例えば、MPU202のレジスタ又はRAM204に、今回用エリア、前回用エリア、前々回用エリアを設け、検知センサからの信号の入力結果の3回分をそれらエリアに格納する。そして、それらエリアに格納されている情報を演算することにより、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されているか否かの特定を行うようにしてもよい。具体的には、非入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「0」の情報が格納され、入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「1」の情報が格納されるようにする。そして、前々回用エリアに格納されている情報を反転した情報と、前回用エリアに格納されている情報と、今回用エリアに格納されている情報との論理積が「1」の場合に、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されていると特定する構成としてもよい。
(49)上記各実施の形態では、保留情報が取得される条件を作動口33,34への入賞が発生することとしたが、これに限定されることはなく、他の入球部に入賞したことに基づき保留情報が取得される構成としてもよい。また、遊技領域を流下する遊技球が所定の入球部に入球したことに基づき保留情報が取得されるのではなく、遊技者により手動操作される操作部が操作されたことに基づき保留情報が取得される構成としてもよい。
(50)上記第1〜第7の実施の形態における保留予告用の確認処理の実行を行わないようにする構成や、その実行を待機する構成や、通常時の処理のうち一部の処理のみを実行する構成に代えて、以下の構成を適用してもよい。すなわち、主制御装置81において実行される処理として、複数種の処理を含み繰り返し実行される第1繰り返し処理と、複数種の処理を含み繰り返し実行される第2繰り返し処理と、が設定されているとともに、第1繰り返し処理が完了した後に第2繰り返し処理が開始され、さらに第2繰り返し処理が完了した後に第1繰り返し処理が開始される構成においては、第1繰り返し処理又は第2繰り返し処理の一方における一部の処理として当否判定処理が含まれ、他方における一部の処理として保留予告用の確認処理が含まれる構成としてもよい。この場合、第1繰り返し処理の1処理回が完了するまでの時間や第2繰り返し処理の1処理回が完了するまでの時間が長時間化してしまうことを抑えながら当否判定や保留予告の設定を行うことが可能となる。
(51)上記各実施の形態では、保留コマンドの設定処理が、作動口33,34への入賞に基づき取得された情報が保留情報として保留球格納エリア232に格納された後に実行される構成としたが、これに限定されることはなく、保留コマンドの設定処理が、作動口33,34への入賞に基づき情報が取得された後であって当該情報が保留情報として保留球格納エリア232に格納される前に実行される構成としてもよい。
(52)上記各実施の形態では、主制御装置81において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置81において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置81では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。但し、変動時間コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置41において図柄の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとする必要がある。
(53)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による前記特定の処理及び当該特定の処理とは異なる予め定められた特別処理のうち制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、先特定手段による特定の処理及び当該特定の処理とは異なる予め定められた特別処理のうち制限対象となっていない処理が進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する」には、制限対象となっている処理が実行されないように制限する構成だけでなく、制限対象となっている処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴A2.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の処理及び前記先特定手段による前記特定の処理のうち制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、付与判定手段による付与判定の処理及び先特定手段による特定の処理のうち制限対象となっていない処理が進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する」には、制限対象となっている処理が実行されないように制限する構成だけでなく、制限対象となっている処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴A3.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報として、予め定められた範囲の数値情報から所定の数値情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記予め定められた範囲の数値情報のいずれかに対応した付与情報を予め記憶する付与情報記憶手段(当否テーブル記憶エリア221)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記付与情報記憶手段には、少なくとも特定状況において前記付与判定手段により参照される付与情報が複数種類記憶されており、
前記付与判定手段は、少なくとも前記特定状況において前記付与判定を行う場合、前記複数種類の付与情報の全てを参照し、判定対象となった特別情報が、いずれかの付与情報と対応している場合に付与判定の結果が前記付与対応結果であるとするものであり、
さらに、前記特定状況において前記複数種類の付与情報を参照することで、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を特定するとともに、当該特定を前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて行う先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の処理及び前記先特定手段による前記特定の処理のうち制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、付与判定手段による付与判定の処理及び先特定手段による特定の処理のうち制限対象となっていない処理が進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する」には、制限対象となっている処理が実行されないように制限する構成だけでなく、制限対象となっている処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴A4.前記制限手段は、前記制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記制限対象となっている処理が当該1処理回の範囲内で実行されないようにするものであることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、制限対象となっていない処理が実行される範囲の進行用処理の処理回では、制限対象となっている処理が実行されないため、制限対象となっている処理の一部が実行される構成に比べ、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が長時間化してしまうことを抑える効果が高められる。
特徴A5.前記制限対象となっている処理が前記進行用処理における所定の処理回の範囲内で実行されないように制限された場合に、この制限された処理が前記所定の処理回に対して次回以降の処理回の範囲内で実行されるようにする制限後実行手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1410〜ステップS1413の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、制限対象となっている処理が実行されないように制限されたとしても、その制限された処理がその後に実行されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑えながら、制限対象となっている処理が実行される機会が極端に低減されてしまうことを抑えることができる。
特徴A6.前記制限対象となっている処理として、非制限用処理(ステップS1804の処理)と、当該非制限用処理のうち一部の処理が省略された制限用処理(ステップS1805〜ステップS1813の処理)とが設定されており、
前記制限手段は、前記制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記制限対象となっている処理として前記制限用処理が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、制限対象となっている処理の実行が制限される場合であっても、当該制限対象となっている処理は通常時の非制限用処理に対して一部の処理が省略された状態で実行される。よって、制限対象となっている処理の実行をある程度確保しながら、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴A7.前記付与判定手段は、付与判定モードとして、前記付与対応結果となる付与情報の数が相対的に多い及び少ないとなるように設定されていることで前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となった高確率モードと低確率モードとが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定モードが前記高確率モードである場合に前記制限を行うものであることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
高確率モードにおいては、付与判定の処理及び先特定の処理のいずれにおいても低確率モードの場合よりも処理時間が長時間化することとなる。この場合に、特徴A7によれば、高確率モードにおいて制限対象となっている処理の実行が制限されることがあるため、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。その一方、低確率モードにおいては上記制限を行わないようにすることで、制限対象となっている処理の実行を低確率モードにおいては担保することが可能となる。
特徴A8.前記制限対象となっている処理及び前記制限対象となっていない処理のうち一方は前記付与判定手段による前記付与判定の処理であるとともに、他方は前記先特定手段による前記特定の処理であり、
前記制限手段は、前記制限対象となっていない処理の実行が阻止されていない状況であって前記取得情報記憶手段に前記特別情報が記憶されていない状況において前記情報取得手段により前記特別情報が取得された場合、前記制限対象となっている処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
制限対象となっていない処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、付与判定の処理及び先特定の処理が進行用処理の1処理回の範囲内で実行される可能性が高まる。これに対して、特徴A8によれば、制限対象となっていない処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、制限対象となっている処理の実行が制限されるため、かかる状況において進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴A9.予め定められた制限条件が成立した場合に制限情報(制限フラグ)を制限情報記憶手段(各種フラグ格納エリア234)に記憶させるとともに、予め定められた制限解除条件が成立した場合に前記制限情報記憶手段から前記制限情報を消去させる制限情報更新手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS511及びステップS1302の処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記制限情報記憶手段に前記制限情報が記憶されている場合に、前記制限対象となっている処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、制限情報の有無によって、制限対象となっている処理の実行を制限するか否かが決定される。よって、制限を行うための処理構成の簡素化が図られる。
特徴A10.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる場合、前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において制限対象となっている処理の実行の制限が開始される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも先に制限対象となっている処理が行われる又は行われ得る構成であっても、制限対象となっていない処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では制限対象となっている処理の実行を制限することができる。
なお、「前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる」構成とすることで、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A11.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記制限対象となっていない処理よりも先に前記制限対象となっている処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記制限対象となっていない処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A11によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも先に制限対象となっている処理が行われない構成において、制限対象となっていない処理が実行された場合に制限情報が記憶されることで、その後の制限対象となっている処理の実行を制限することが可能となる。特に、本構成によれば、制限対象となっていない処理が実行されるよりも前に制限情報が記憶される構成に比べ、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A12.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去する場合、前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において制限対象となっている処理の実行の制限が解除される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも後に制限対象となっている処理が行われる又は行われ得る構成であっても、制限対象となっていない処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では制限対象となっている処理の実行を制限することができる。
なお、「前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させる」構成とすることで、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A13.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記制限対象となっていない処理よりも後に前記制限対象となっている処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記制限対象となっていない処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも後に制限対象となっている処理が行われない構成において、制限対象となっていない処理が実行された場合に制限情報が消去されることで、その後の制限対象となっている処理の実行が制限されなくなる。特に、本構成によれば、制限対象となっていない処理が実行されたとしても制限情報が消去されない構成に比べ、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A14.前記進行制御手段は、予め定められた所定の周期で前記進行用処理に割り込んで起動され、複数種の処理を含む定期処理を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記進行用処理及び前記定期処理のうちの一方に前記制限対象となっていない処理が含まれているとともに、他方に前記制限対象となっている処理が含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、進行用処理及び定期処理のうちの一方に制限対象となっていない処理が含まれているとともに、他方に制限対象となっている処理が含まれている構成において、上記特徴A1、A2又はA3等の優れた効果を奏することができる。
なお、上記特徴A9のように制限情報を参照して制限を実行するようにした場合、進行用処理と定期処理との両方を具備する構成であったとしても、制限対象となっている処理の実行を無理なく制限することが可能となる。
特徴A15.前記制限対象となっていない処理及び前記制限対象となっている処理の両方は、前記進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、制限対象となっていない処理及び制限対象となっている処理の両方が、進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれている構成において、上記特徴A1、A2又はA3等の優れた効果を奏することができる。
なお、進行用処理が定期的に起動される構成においては、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長時間化する状況が生じるとすると、複数の進行用処理が重複して起動されてしまうことを防止すべく、進行用処理が起動される周期を長くせざるをえなくなる。そうすると、遊技を進行させる上での処理速度が遅くなってしまい好ましくない。これに対して、上記特徴A1、A2又はA3等の構成を備え、制限対象となっている処理の実行が制限され得ることで、上記不都合の発生が抑えられる。
特徴A16.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、を備え、
前記進行用処理の1回の処理回が行われる範囲内において、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が実行されるとともに、前記先特定手段による前記特定の処理が実行される構成であり、
さらに、前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記先特定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得の両方が、前記進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、前記進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記特定の処理を行うものであることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、進行用処理の1回の処理回において行われる場合には、進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して先特定手段による特定の処理が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
但し、進行用処理の1処理回の範囲内において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、付与判定の処理等の特別処理とが実行されるとすると、当該処理回の進行用処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが懸念される。これに対して、上記特徴A1、A2又はA3等の構成を備え、制限対象となっていない処理が実行される進行用処理の処理回では制限対象となっている処理の実行が制限されるため、上記不都合の発生が抑えられる。
<特徴B群>
特徴B1.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記先特定手段による前記特定の処理とは異なる特別処理が行われる場合には、当該処理回における前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、進行用処理の1処理回の範囲内で予め定められた特別処理が行われる場合には、当該処理回における先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「当該処理回における前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する」には、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限する構成だけでなく、先特定手段による特定の処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴B2.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特に、付与判定は、遊技者の利益に直結するものであるため、進行用処理の1処理回の実行が完了するまでの処理時間に関係なく、付与判定用に設定された付与情報の全てを参照する必要があるのに対して、先特定は、特別報知という演出を行うための処理であるため、その実行が制限されたとしても遊技者の利益に影響を及ぼさない。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「当該処理回における前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する」には、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限する構成だけでなく、先特定手段による特定の処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴B3.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報として、予め定められた範囲の数値情報から所定の数値情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記予め定められた範囲の数値情報のいずれかに対応した付与情報を予め記憶する付与情報記憶手段(当否テーブル記憶エリア221)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記付与情報記憶手段には、少なくとも特定状況において前記付与判定手段により参照される付与情報が複数種類記憶されており、
前記付与判定手段は、少なくとも前記特定状況において前記付与判定を行う場合、前記複数種類の付与情報の全てを参照し、判定対象となった特別情報が、いずれかの付与情報と対応している場合に付与判定の結果が前記付与対応結果であるとするものであり、
さらに、前記特定状況において前記複数種類の付与情報を参照することで、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を特定するとともに、当該特定を前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて行う先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特に、付与判定は、遊技者の利益に直結するものであるため、進行用処理の1処理回の実行が完了するまでの処理時間に関係なく、付与判定用に設定された付与情報の全てを参照する必要があるのに対して、先特定は、特別報知という演出を行うための処理であるため、その実行が制限されたとしても遊技者の利益に影響を及ぼさない。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「当該処理回における前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する」には、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限する構成だけでなく、先特定手段による特定の処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴B4.前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記先特定手段による前記特定の処理が当該1処理回の範囲内で実行されないようにするものであることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、付与判定手段による付与判定の処理が実行される範囲の進行用処理の処理回では、先特定手段による特定の処理が実行されないため、当該特定の処理の一部が実行される構成に比べ、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が長時間化してしまうことを抑える効果が高められる。
特徴B5.前記先特定手段による特定の処理が前記進行用処理における所定の処理回の範囲内で実行されないように制限された場合に、その制限対象となった特別情報について前記所定の処理回に対して次回以降の処理回の範囲内で前記先特定手段による前記特定の処理が実行されるようにする制限後実行手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1410〜ステップS1413の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限されたとしても、その制限対象となった特別情報についてその後に先特定手段による特定の処理が実行されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑えながら、先特定手段による特定の処理が実行される機会が極端に低減されてしまうことを抑えることができる。
特徴B6.前記制限手段により前記先特定手段による特定の処理の実行が制限された場合に、その制限対象となった特別情報が前記付与情報に対応しているか否かに関係なく当該制限対象となった特別情報が前記付与情報に対応していないとする特定結果を導出する制限用導出手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1503にて否定判定をした後にステップS1514の処理を実行する機能)を備えており、
前記先特定手段は、前記制限対象となった特別情報が前記制限後実行手段により特定対象とされた場合であって当該制限対象となった特別情報が前記付与情報に対応している場合には、当該特別情報が前記付与情報に対応しているとする修正結果(修正用コマンド)を導出するものであることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、先特定手段による特定の処理の実行が制限されたとしても特定結果が導出されるため、その後の特別報知に係る処理などを円滑に行うことができる。そして、当該特定結果の導出に際しては特別情報が付与情報に対応しているか否かの判定を要さないため、処理時間の長時間化を招くこともない。
さらにまた、制限対象となった特別情報が制限後実行手段により特定対象とされた場合であって制限対象となった特別情報が付与情報に対応している場合には、当該特別情報が付与情報に対応しているとする修正結果が導出されることがある。したがって、一旦は特別報知の実行が制限されたとしても、その後に特別報知を実行することが可能となり、特別報知が実行される機会が高められる。
特徴B7.前記制限後実行手段は、前記先特定手段による特定の処理の実行が制限された後であって当該制限対象となった特別情報について前記先特定手段による特定の処理が実行される前のタイミングで前記取得条件が成立した場合、当該制限対象となっている特別情報について前記先特定手段による前記特定の処理が実行されないようにするものであることを特徴とする特徴B5又はB6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、制限対象となっている特別情報が存在している場合であっても、新たに特別情報が取得された場合には、当該制限対象となっている特別情報について先特定手段による特定の処理が実行されないため、先特定手段による特定対象の決定に係る処理が煩雑なものとなってしまうことを抑えながら、上記特徴B5等の効果を奏することができる。
特徴B8.前記先特定手段による特定の処理として、非制限用処理(ステップS1804の処理)と、当該非制限用処理のうち一部の処理が省略された制限用処理(ステップS1805〜ステップS1813の処理)とが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記非制限用処理及び前記制限用処理のうち前記制限用処理が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B8によれば、先特定手段による特定の処理の実行が制限される場合であっても、当該特定の処理は通常時の非制限用処理に対して一部の処理が省略された状態で実行される。よって、特別報知の実行をある程度担保しながら、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴B9.前記先特定手段による特定の処理として、少なくとも前記特定状況において前記複数種類の付与情報を全て参照して前記特定を行う非制限用処理(ステップS1804の処理)と、少なくとも前記特定状況において前記複数種類の付与情報のうち一部を参照して前記特定を行う制限用処理(ステップS1805〜ステップS1813の処理)とが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記非制限用処理及び前記制限用処理のうち前記制限用処理が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B9によれば、先特定手段による特定の処理の実行が制限される場合であっても、複数種類の付与情報のうち一部を参照して特定の処理が実行される。よって、特別報知の実行をある程度担保しながら、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
さらにまた、複数種類の付与情報のうち一部の付与情報を参照して先特定手段による特定の処理が実行されることで、付与判定の結果が付与対応結果となる特別情報であっても、かかる付与対応結果となる旨の情報を反映した特別報知は必ず行われるのではなく、所定の確率で行われることとなる。これにより、上記付与対応結果となる旨の情報を反映した特別報知が、自ずと不規則なものとなり、特別報知の態様の多様化が図られる。
特徴B10.前記付与判定手段は、付与判定モードとして、前記付与対応結果となる付与情報の数が相対的に多い及び少ないとなるように設定されていることで前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となった高確率モードと低確率モードとが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定モードが前記高確率モードである場合に前記制限を行うものであることを特徴とする特徴B2乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
高確率モードにおいては、付与判定の処理及び先特定の処理のいずれにおいても低確率モードの場合よりも処理時間が長時間化することとなる。この場合に、特徴B10によれば、高確率モードにおいて先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがあるため、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。その一方、低確率モードにおいては上記制限を行わないようにすることで、先特定手段による特定の処理の実行を低確率モードにおいては担保することが可能となる。
特徴B11.前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理の実行が阻止されてない状況であって前記取得情報記憶手段に前記特別情報が記憶されていない状況において前記情報取得手段により前記特別情報が取得された場合、当該取得された特別情報についての前記先特定手段による特定の処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴B2乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
付与判定の処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、付与判定の処理及び先特定の処理が進行用処理の1処理回の範囲内で実行される可能性が高まる。これに対して、特徴B11によれば、付与判定の処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、先特定手段による特定の処理の実行が制限されるため、かかる状況において進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴B12.予め定められた制限条件が成立した場合に制限情報(制限フラグ)を制限情報記憶手段(各種フラグ格納エリア234)に記憶させるとともに、予め定められた制限解除条件が成立した場合に前記制限情報記憶手段から前記制限情報を消去させる制限情報更新手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS511及びステップS1302の処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記制限情報記憶手段に前記制限情報が記憶されている場合に、前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴B2乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B12によれば、制限情報の有無によって、先特定手段による特定の処理の実行を制限するか否かが決定される。よって、制限を行うための処理構成の簡素化が図られる。
特徴B13.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる場合、前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも前の処理回において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
特徴B13によれば、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限が開始される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも先に先特定の処理が行われる又は行われ得る構成であっても、付与判定の処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では先特定の処理の実行を制限することができる。
なお、「前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる」構成とすることで、先特定の処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B14.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置212のMPU252)を備え、
前記付与判定手段による前記付与判定は前記遊技回用動作が行われている状況では実行されないように設定されており、
前記遊技回制御手段が前記進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、前記付与判定手段は当該1処理回よりも後の処理回の範囲内において前記付与判定の処理を実行するものであり、
前記制限情報更新手段は、前記遊技回制御手段により前記遊技回を終了させる処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B14によれば、遊技回制御手段が進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、付与判定手段が当該1処理回よりも後の処理回の範囲内において付与判定の処理を実行する構成において、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限を開始することができる。
特徴B15.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置212のMPU252)を備え、
前記付与判定手段による前記付与判定は前記遊技回用動作が行われている状況では実行されないように設定されており、
前記遊技回制御手段が前記進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、前記付与判定手段は当該1処理回の範囲内で前記付与判定の処理を実行し得るものであり、
前記制限情報更新手段は、前記遊技回制御手段により前記遊技回を終了させる処理が実行される範囲の前記進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B15では、遊技回制御手段が進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、付与判定手段は当該1処理回の範囲内で付与判定の処理を実行し得る構成であるため、1遊技回が終了されてから次の遊技回が開始されるまでの時間を短くすることが可能となる。
また、このように遊技回制御手段が進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、付与判定手段は当該1処理回の範囲内で付与判定の処理を実行し得る構成であっても、遊技回制御手段により遊技回を終了させる処理が実行される範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において制限情報が記憶される。よって、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限を開始することができる。
なお、本構成においては、遊技回の終了タイミングを計測する計測手段を備えた構成においては、当該計測手段により計測されている情報が終了タイミングよりも前のタイミングとして設定された制限開始タイミングに対応した情報となったことに基づいて前記制限情報更新手段が前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる構成としてもよい。この場合、遊技回の終了タイミングを計測する構成を利用して、制限情報を記憶させるタイミングを特定することができる。
特徴B16.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理よりも先に前記先特定手段による特定の処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
特徴B16によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも先に先特定の処理が行われない構成において、付与判定の処理が実行された場合に制限情報が記憶されることで、その後の先特定に係る処理の実行を制限することが可能となる。特に、本構成によれば、付与判定の処理が実行されるよりも前に制限情報が記憶される構成に比べ、先特定に係る処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B17.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去する場合、前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴B12乃至B16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B17によれば、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限が解除される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも後に先特定の処理が行われる又は行われ得る構成であっても、付与判定の処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では先特定に係る処理の実行を制限することができる。
なお、「前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させる」構成とすることで、先特定に係る処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B18.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理よりも後に前記先特定手段による特定の処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴B12乃至B16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B18によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも後に先特定の処理が行われない構成において、付与判定の処理が実行された場合に制限情報が消去されることで、その後の先特定に係る処理の実行が制限されなくなる。特に、本構成によれば、付与判定の処理が実行されたとしても制限情報が消去されない構成に比べ、先特定に係る処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B19.前記進行制御手段は、予め定められた所定の周期で前記進行用処理に割り込んで起動され、複数種の処理を含む定期処理を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記進行用処理及び前記定期処理のうちの一方に前記付与判定手段による付与判定の処理が含まれているとともに、他方に前記先特定手段による特定の処理が含まれていることを特徴とする特徴B2乃至B18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B19によれば、進行用処理及び定期処理のうちの一方に付与判定の処理が含まれているとともに、他方に先特定の処理が含まれている構成において、上記特徴B2又はB3等の優れた効果を奏することができる。
なお、先特定の処理が定期処理に含まれているとともに当該定期処理の周期が進行用処理の繰り返し周期に比べ短い場合には、進行用処理において付与判定の処理が実行されることとなる処理回の範囲内で、先特定の処理が複数回行われることが想定される。そうすると、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなることが想定されるが、上記特徴B2又はB3等の構成を備えていることにより、かかる不都合の発生を抑えることができる。
また、上記特徴B12のように制限情報を参照して制限を実行するようにした場合、進行用処理と定期処理との両方を具備する構成であったとしても、先特定に係る処理の実行を無理なく制限することが可能となる。
特徴B20.前記付与判定手段による付与判定の処理及び前記先特定手段による特定の処理の両方が、前記進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれていることを特徴とする特徴B2乃至B18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B20によれば、付与判定の処理及び先特定の処理の両方が、進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれている構成において、上記特徴B2又はB3等の優れた効果を奏することができる。
なお、進行用処理が定期的に起動される構成においては、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長時間化する状況が生じるとすると、複数の進行用処理が重複して起動されてしまうことを防止すべく、進行用処理が起動される周期を長くせざるをえなくなる。そうすると、遊技を進行させる上での処理速度が遅くなってしまい好ましくない。これに対して、上記特徴B2又はB3等の構成を備え、先特定に係る処理の実行が制限され得ることで、上記不都合の発生が抑えられる。
特徴B21.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、を備え、
前記進行用処理の1回の処理回が行われる範囲内において、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が実行されるとともに、前記先特定手段による前記特定の処理が実行される構成であり、
さらに、前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記先特定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得の両方が、前記進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、前記進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記特定の処理を行うものであることを特徴とする特徴B2乃至B20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B21によれば、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、進行用処理の1回の処理回において行われる場合には、進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して先特定手段による特定の処理が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
但し、進行用処理の1処理回の範囲内において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、付与判定の処理とが実行されるとすると、当該処理回の進行用処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが懸念される。これに対して、上記特徴B2又はB3等の構成を備え、付与判定の処理が実行される進行用処理の処理回では先特定に係る処理の実行が制限されるため、上記不都合の発生が抑えられる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技の進行を制御する制御手段(主制御装置81、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212)を備えた遊技機であって、
前記制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1405の処理を実行する機能、第8乃至第10,第14,第15の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS2905の処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3804の処理を実行する機能、第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS7405の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて先特定する先特定手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1407及びステップS1410〜ステップS1413の処理を実行する機能、第8乃至第10,第14,第15,第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理及び取得時の設定処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202における上側保留コマンドの設定処理、下側保留コマンドの設定処理及び取得時の設定処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
を備えているとともに、
定期的に定期処理(第2の実施の形態ではタイマ割込み処理、第8,第10,第14,第15の実施の形態では通常処理のステップS2601〜ステップS2606及びタイマ割込み処理、第9の実施の形態ではタイマ割込み処理、第11の実施の形態では通常処理のステップS3901〜ステップS3906及びタイマ割込み処理、第12及び第13の実施の形態ではタイマ割込み処理、第16の実施の形態では通常処理のステップS5401及びタイマ割込み処理、第17の実施の形態では通常処理のステップS5501及びタイマ割込み処理、第18の実施の形態ではタイマ割込み処理)を実行可能なものであり、
さらに前記情報取得手段による前記特別情報の取得処理は前記定期処理において行われ、
前記先特定手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された特別情報についての前記先特定の処理の少なくとも一部を当該定期処理が終了した後に実行する終了後実行手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1413の処理を実行する機能、第8乃至第10,第14,第15,第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202における上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該所定の特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、定期処理にて特別情報の取得が行われた場合においてその取得された特別情報についての先特定の処理の少なくとも一部は当該定期処理が終了した後に実行される。特別情報の取得が行われた定期処理にて先特定の処理の全てを行う構成を想定した場合、当該定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定され、そうすると特別情報の取得処理などを定期的に行えない状況が発生し、当該処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上記のように先特定の処理の少なくとも一部は、特別情報の取得が行われた定期処理が終了した後に実行されるため、当該定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、定期処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
以上より、遊技への注目度を良好に高めることが可能となる。
特徴C2.前記制御手段は、前記定期処理を実行可能であるとともに、非定期的に所定の処理(第8,第10,第14,第15の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS2607〜ステップS2614、第9の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3411〜ステップS3417、第11の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3907〜ステップS3917、第12の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4711〜ステップS4720、第13の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4811〜ステップS4816、第16の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5402〜ステップS5414、第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5502〜ステップS5517、第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS6110〜ステップS6116)を実行可能なものであり、
さらに、前記付与判定手段による前記付与判定の処理は前記定期処理において行われるとともに、
前記終了後実行手段は、前記所定の処理において前記先特定の処理の少なくとも一部を実行するものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、特別情報の取得処理や付与判定の処理が定期処理にて行われることで、これらの処理を良好に行うことが可能となる。この場合に、非定期的に実行される所定の処理は1の処理回の処理時間が突発的に長くなったとしても遊技の進行に対して与える影響は小さく、このような事情において当該所定の処理において先特定の処理の少なくとも一部を実行することで、遊技の進行を良好なものとしながら特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特徴C3.定期的な信号である定期信号を出力する出力手段(クロック回路301及び分周回路302)を備え、
前記制御手段は、前記出力手段が出力する定期信号に基づいて前記定期処理を実行するとともに、その定期処理の後、次の定期信号に基づく定期処理が行われるまでの期間に繰り返し前記所定の処理を行うものであることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、連続する定期処理の間で実行される所定の処理において先特定の処理の少なくとも一部が実行されることで、定期処理への影響を抑えながら、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特徴C4.前記制御手段は、前記所定の処理を実行している状況において前記定期処理を実行すべき実行条件が成立したことに基づいて、当該所定の処理の途中であっても前記定期処理を実行するものであることを特徴とする特徴C2又はC3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、所定の処理の途中であっても実行条件が成立したことに基づいて定期処理が実行される構成において、当該所定の処理にて先特定の処理の少なくとも一部を実行することで、定期処理の開始タイミングへの影響を抑えながら、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特徴C5.前記制御手段は、前記所定の処理において前記終了後実行手段による前記先特定の処理が開始される場合に前記定期処理の実行を制限する実行制限手段(第8,第10,第14,第15の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS2608、ステップS2610、ステップS2611及びステップS2614の処理を実行する機能、第9の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3411、ステップS3413、ステップS3414及びステップS3417の処理を実行する機能、第11の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3908、ステップS3910、ステップS3911、ステップS3913、ステップS3914及びステップS3917の処理を実行する機能、第12の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4711、ステップS4713、ステップS4714、ステップS4716、ステップS4717及びステップS4720の処理を実行する機能、第16の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5403、ステップS5405、ステップS5407、ステップS5409、ステップS5411及びステップS5414の処理を実行する機能、第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5503、ステップS5505、ステップS5507、ステップS5509、ステップS5511、ステップS5513、ステップS5515及びステップS5517の処理を実行する機能、第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS6110、ステップS6112、ステップS6113及びステップS6116の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、所定の処理の途中であっても定期処理が実行される構成において、当該定期処理の優先的な実行が先特定の処理の実行を完全に阻害してしまうことを抑えることができる。
特徴C6.前記制御手段は、前記所定の処理において、前記終了後実行手段による前記先特定の処理を含めて複数種類の処理を実行するとともに、
前記実行制限手段は、前記複数種類の処理のうち先タイミングの処理が前記定期処理の実行を制限している状態で終了した場合、次タイミングの処理を実行する前にその制限している状態を解除するものであることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、所定の処理の途中であっても定期処理が実行される構成において、所定の処理中における複数種類の処理のうち少なくとも一部の処理はその終了タイミングまで定期処理の実行が制限されるため、定期処理の優先的な実行が当該処理の実行を阻害してしまうことを抑えることができる。また、先タイミングの処理が定期処理の実行を制限している状態で終了した場合、次タイミングの処理を実行する前にその制限している状態が解除されるため、定期処理の開始タイミングが極端に遅れてしまうことも抑制することができる。
特徴C7.前記複数種類の処理には、前記付与判定手段による付与判定又は所定の抽選において利用される所定の乱数情報を更新する更新処理(第8,第10,第14,第15の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS2612及びステップS2613の処理を実行する機能、第9の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3415及びステップS3416の処理を実行する機能、第11の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3915及びステップS3916の処理を実行する機能、第12の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4718及びステップS4719の処理を実行する機能、第16の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5412及びステップS5413の処理を実行する機能、第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5504及びステップS5516の処理を実行する機能、第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS6114及びステップS6115の処理を実行する機能)が含まれており、
前記実行制限手段は、前記更新処理が開始される場合に前記定期処理の実行を制限するとともに、当該更新処理が終了した場合に当該制限を解除するものであることを特徴とする特徴C5又はC6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、乱数情報の更新を良好に実行できるようにしながら、既に説明したような優れた効果をそうすることができる。
特徴C8.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、
を備えており、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記第1特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第1特別情報から順に前記付与判定を行うとともに、前記第2特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第2特別情報から順に前記付与判定を行うものであり、
前記終了後実行手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記第1特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された第1特別情報についての前記先特定の処理の少なくとも一部である第1先特定処理(第11,第12,第16,第17の実施の形態において主制御装置81のMPU202における上側保留コマンドの設定処理を実行する機能)を前記所定の処理において実行するとともに、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記第2特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された第2特別情報についての前記先特定の処理の少なくとも一部である第2先特定処理(第11,第12,第16,第17の実施の形態において主制御装置81のMPU202における下側保留コマンドの設定処理を実行する機能)を前記所定の処理において実行するものであり、
前記実行制限手段は、前記第1先特定処理及び前記第2先特定処理のうち先に実行されている処理が前記定期処理の実行を制限している状態で終了した場合、後に実行される処理を実行する前にその制限している状態を解除するものであることを特徴とする特徴C6又はC7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、特別情報の取得の契機を発生させる始動入球部として、第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられているとともに、取得の契機となった始動入球部に応じて特別情報が第1特別情報と第2特別情報とで区別して記憶されることにより、それら第1特別情報と第2特別情報とで遊技機における取り扱いを相違させることが可能となる。これにより、遊技の多様化を図ることが可能となる。
この場合に、第1特別情報及び第2特別情報のいずれについても特別報知の対象となることで、特別報知の態様を多様化することが可能となるとともに、第1先特定処理及び第2先特定処理が所定の処理にて実行されることで、定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑えながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
さらにまた、第1先特定処理及び第2先特定処理のうち少なくとも一方はその終了タイミングまで定期処理の実行が制限されるため、定期処理の優先的な実行が先特定の実行を完全に阻害してしまうことを抑えることができる。また、第1先特定処理及び第2先特定処理のうち先に実行されている処理が終了した場合、後に実行される処理を実行する前に定期処理の実行を制限している状態が解除されるため、定期処理の開始タイミングが極端に遅れてしまうことも抑制することができる。
特徴C9.前記制御手段は、前記第1先特定処理及び前記第2先特定処理のうち一方の処理よりも後で他方の処理よりも前に前記定期処理が実行された場合、当該定期処理の実行後において前記一方の処理よりも早いタイミングで前記他方の処理を実行する復帰手段(第11の実施の形態における主制御装置81のMPU202におけるステップS2701、ステップS2702、ステップS2709及びステップS2710の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、所定の処理の途中であっても定期処理が実行される構成において、当該定期処理の実行を原因として、第1先特定処理と第2先特定処理とで実行頻度が極端に相違してしまうことを抑制することができる。
特徴C10.前記制御手段は、前記終了後実行手段により前記先特定の処理が実行されている状況において前記実行条件が成立したことに基づいて、当該先特定の処理の途中であっても前記定期処理を実行するものであることを特徴とする特徴C4乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、先特定の処理の実行よりも定期処理の開始が優先されることとなり、特別報知を実行するための処理が定期処理の定期的な実行を阻害してしまうことを抑制することができる。また、先特定の処理を通じた特別報知は演出として利用され、先特定の処理の実行を中断したとしても、遊技者に対する特典の付与への影響は小さい。
特徴C11.前記制御手段は、前記終了後実行手段により前記先特定の処理が実行されている状況において前記実行条件が成立したことに基づいて、当該先特定の処理の途中で前記定期処理を実行した場合に、当該定期処理の実行後において前記所定の処理における前記先特定の処理が終了した後の処理に復帰する復帰手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS4901〜ステップS4906及びステップS4908〜ステップS4909の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、先特定の処理の途中であっても定期処理が実行される構成において、その途中の段階であることや途中の段階までで使用していた情報などを定期処理中に記憶しておく必要がなくなる。よって、処理負荷の軽減を図りながら、上記特徴C10にて説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴C12.前記制御手段は、
前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された特別情報が前記付与判定の対象となる順番の情報を記憶する順番情報記憶手段(第8,第9,第15,第18の実施の形態では主制御装置81のRAM204に設けられた保留数カウンタエリア、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のRAM204に設けられた上側保留数カウンタエリア及び下側保留数カウンタエリア、第14の実施の形態では保留判定用エリア)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われた場合に前記順番情報記憶手段に記憶されている前記順番の情報を更新する順番情報更新手段(第8,第9,第15の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3106の処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4007及びステップS4011の処理を実行する機能、第14の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5106の処理を実行する機能、第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS7513の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記終了後実行手段は、前記先特定の処理を実行する場合、前記順番情報記憶手段に記憶されている前記順番の情報を参照することで、当該先特定の対象となった特別情報の前記付与判定の対象となる順番の情報を当該先特定の特定結果の情報とともに導出するものであることを特徴とする特徴C1乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C12によれば、定期処理で特別情報の取得が行われ、当該定期処理が実行された後に当該特別情報に対する先特定の処理が実行される構成において、特別情報の取得が行われてから先特定の処理が実行されるよりも前に付与判定が行われたとしても、当該先特定の処理の対象となる特別情報を把握し易くなる。
特徴C13.前記終了後実行手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われ且つ当該特別情報に対して前記先特定の処理を実行していない状況において、前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合に、それら先に取得された特別情報及び後に取得された特別情報のうち少なくとも一方を前記先特定の処理の実行対象から除外するものであることを特徴とする特徴C1乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、複数の特別情報が同時に先特定の処理の実行対象となると、処理負荷が極端に増加してしまうことが懸念されるが、本構成によれば、先に取得された特別情報及び後に取得された特別情報のうち少なくとも一方が先特定の処理の実行対象から除外されるため、処理負荷の極端な増加を抑えることができる。
特徴C14.前記制御手段は、前記定期処理及び前記所定の処理を実行する第1制御手段(主制御装置81)と、前記特別報知制御手段を有するとともに前記第1制御手段との間で通信を行う第2制御手段(音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212)と、を備え、
当該第1制御手段は、前記定期処理において前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合にそれに対応した第1通信情報の出力設定を行う第1出力設定手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1514の処理を実行する機能、第8,第9,第15の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3002の処理を実行する機能、第10の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3602の処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4203及びステップS4209の処理を実行する機能、第14の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5002の処理を実行する機能、第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS7406の処理を実行する機能)と、当該定期処理の実行後において当該特別情報について前記終了後実行手段による前記先特定の処理が実行された場合にその特定結果に対応した第2通信情報の出力設定を行う第2出力設定手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1608の処理を実行する機能、第8乃至第10,第15の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3220の処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4311及びステップS4410の処理を実行する機能、第14の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5206の処理を実行する機能、第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS6111の処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C14によれば、定期処理や先特定の処理を実行する機能が第1制御手段により果たされ、特別報知を実行する機能が第2制御手段により果たされるため、処理負荷を分散することが可能となる。この場合に、特別情報を取得した場合にそれに対応した第1通信情報を第2制御手段に出力し、先特定の処理を実行した場合にそれに対応した第2通信情報を第2制御手段に出力する構成であるため、定期処理にて特別情報を取得するとともに、当該定期処理の実行後に当該特別情報に対する先特定の処理が実行される構成において、第2制御手段における各情報の取得を好適なタイミングで行うことができる。
なお、前記第2制御手段は、
前記第1通信情報を受信したことに基づいて、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を把握する特別情報数把握手段(第2の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS1702の処理を実行する機能、第8乃至第10,第14,第15,第18の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS3302の処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS4502及びステップS4602の処理を実行する機能)と、
当該特別情報数把握手段の把握結果に基づいて、前記特別情報の数を前記報知手段又はそれとは異なる手段にて報知させる報知実行手段(第2の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS1707の処理を実行する機能、第8乃至第10,第14,第15,第18の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS3308の処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS4509及びステップS4608の処理を実行する機能)と、
を備え、
さらに前記特別報知制御手段は、前記第2通信情報を受信したことに基づいて、当該第2通信情報に対応した内容の特別報知を実行させるものである構成としてもよい。
特徴C15.前記情報取得手段は、前記取得条件が成立したことに基づいて、前記特別情報として、所定範囲の数値情報から所定の数値情報を取得するものであり、
前記付与情報は、前記所定範囲の数値情報のいずれかに対応しており、
前記付与判定手段における前記付与判定のモードとして、当該付与判定に際して参照される付与情報の数が相対的に多い少ないとなるように設定されていることで、前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとが設定されており、
前記先特定手段は、前記付与判定のモードが前記高確率モードにおいて前記先特定の処理を実行する場合、当該先特定の対象となっている特別情報と、当該高確率モードに対応した各付与情報との照合を行うものであることを特徴とする特徴C1乃至C14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C15によれば、高確率モードでは低確率モードに比べて付与判定の処理の処理時間が増加するとともに、先特定の処理の処理時間も増加することとなる。この場合に、定期処理の範囲内でこれら付与判定の処理と先特定の処理との両方を行おうとすると、定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが懸念される。これに対して、上記特徴C1の構成を備え、先特定の処理の少なくとも一部の処理は定期処理が実行された後に実行されるため、定期処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特徴C16.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、
を備えており、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記第1特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第1特別情報から順に前記付与判定を行うとともに、前記第2特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第2特別情報が順に前記付与判定を行うものであり、
前記先特定手段は、前記情報取得手段により前記第1特別情報を取得する処理が行われた場合にその取得された第1特別情報について前記先特定の処理を実行するとともに、前記情報取得手段により前記第2特別情報を取得する処理が行われた場合にその取得された第2特別情報について前記先特定の処理を実行するものであり、
前記終了後実行手段は、前記第1特別情報に対する前記先特定の処理及び前記第2特別情報に対する前記先特定の処理のうち少なくとも一方について、前記特別情報を取得する処理が行われた前記定期処理が終了した後に実行するものであることを特徴とする特徴C15に記載の遊技機。
特徴C16によれば、特別情報の取得の契機を発生させる始動入球部として、第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられているとともに、取得の契機となった始動入球部に応じて特別情報が第1特別情報と第2特別情報とで区別して記憶されることにより、それら第1特別情報と第2特別情報とで遊技機における取り扱いを相違させることが可能となる。これにより、遊技の多様化を図ることが可能となる。
この場合に、第1特別情報及び第2特別情報のいずれについても特別報知の対象となることで、特別報知の態様を多様化することが可能となるとともに、第1特別情報に対する先特定の処理及び第2特別情報に対する先特定の処理のうち少なくとも一方は特別情報を取得する処理が行われた定期処理が終了した後に実行されることで、定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑えながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴C17.前記第2始動入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、それよりも遊技球が入球し易い受入状態と、に切り換え可能な受入制御手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部の制御モードとして、第1モードと、当該第1モードよりも前記受入状態になり易い第2モードとが設定されており、
さらに、前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得された第1特別情報が記憶されていたとしても第2特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS4101の処理を実行する機能)と、
前記第1モード及び前記第2モードのうち前記第2モードである場合には、前記第1特別情報について前記特別報知が実行されることを制限する報知実行制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS4304の処理を実行する機能、表示制御装置212のMPU252におけるステップS4508の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C16に記載の遊技機。
特徴C17によれば、第2特別情報は、付与判定に際して、第1特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
さらにまた、第2始動入球部が受入状態となり易くなる第2モードである場合には、第1特別情報について特別報知が実行されることが制限される。付与判定に際して優先される側である第2始動入球部への入球が発生し易い状況において第1特別情報について特別報知が所定の頻度で行われる構成を想定すると、当該第1特別情報について特別報知が行われたにも関わらず、当該第1特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、上記特別報知に係る第1特別情報が付与判定の対象となるタイミングが特別報知の開始タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、特別報知がどの特別情報を対象としてなされたものか分かりづらくなるおそれがあり、一方、それを明確にする上では特別報知の報知態様に制約が生じ得る。これに対して、上記のとおり第2モードである場合には、第1特別情報について特別報知が実行されることを制限することで、上記のような不都合の発生を抑えつつ、遊技の注目度を高めることが可能となる。
特徴C18.前記制御手段は、前記定期処理を実行可能であるとともに、非定期的に所定の処理を実行可能なものであり、さらに前記所定の処理において、前記終了後実行手段による前記先特定の処理を実行するとともに、前記付与判定手段による付与判定を行う上で利用される所定の乱数情報を更新する更新処理(第17の実施の形態において主制御装置81のMPU202におけるステップS5504)を実行するものであり、
前記所定の処理の途中であっても前記定期処理が開始され得る構成であり、当該定期処理の実行後における前記所定の処理では前記更新処理が前記先特定の処理よりも先に実行される構成であることを特徴とする特徴C1乃至C17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C18によれば、所定の処理にて乱数情報の更新を行うことで当該更新を不規則に行うことが可能となり、不正対策となる。この場合に、定期処理の実行後における所定の処理では更新処理が先特定の処理よりも先に実行される構成であるため、不正対策のために実行される更新処理の機能が、演出のために実行される先特定の処理に起因して阻害されてしまうことを抑制できる。
特徴C19.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、
を備えており、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記第1特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第1特別情報から順に前記付与判定を行うとともに、前記第2特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第2特別情報から順に前記付与判定を行うものであり、
前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得された第1特別情報が記憶されていたとしても第2特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS4101の処理を実行する機能)を備え、
前記制御手段は、前記定期処理を実行可能であるとともに、非定期的に所定の処理を実行可能なものであり、
前記先特定手段は、前記情報取得手段により前記第1特別情報を取得する処理が行われた場合にその取得された第1特別情報について前記先特定の処理を実行するとともに、前記情報取得手段により前記第2特別情報を取得する処理が行われた場合にその取得された第2特別情報について前記先特定の処理を実行するものであり、
前記終了後実行手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記第1特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された第1特別情報についての前記先特定の処理の少なくとも一部である第1先特定処理(第16,第17の実施の形態において主制御装置81のMPU202における上側保留コマンドの設定処理を実行する機能)を前記所定の処理において実行するとともに、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記第2特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された第2特別情報についての前記先特定の処理の少なくとも一部である第2先特定処理(第16,第17の実施の形態において主制御装置81のMPU202における下側保留コマンドの設定処理を実行する機能)を前記所定の処理において実行するものであり、
前記所定の処理の途中であっても前記定期処理が開始され得る構成であり、当該定期処理の実行後における前記所定の処理では前記第2先特定処理が前記第1先特定処理よりも先に実行される構成であることを特徴とする特徴C1乃至C18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C19によれば、第2特別情報は、付与判定に際して、第1特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
この場合に、所定の処理では第1先特定処理よりも第2先特定処理が先に実行されるため、付与判定に際して優先される第2特別情報を先特定に際しても優先することが可能となり、第2特別情報に対する先特定の処理の実行頻度が極端に低下してしまうことを抑制できる。
特徴C20.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33又は下作動口34)と、
当該始動入球部に入球した遊技球を検知する検知手段(検知センサ211c又は検知センサ211d)と、
を備えており、
前記情報取得手段は、前記検知手段の検知結果が遊技球を検知したことに対応した検知結果であることを複数回確認したことに基づいて前記取得条件が成立したとして前記特別情報を取得するとともに、前記検知手段の検知結果に基づき一の特別情報を取得してから次の特別情報を取得するまでに最短でも前記定期処理を特定の複数回実行する必要がある構成であり、
前記定期処理にて前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われ且つ当該特別情報に対して前記先特定の処理を実行していない状況において、前記情報取得手段により当該特別情報と同一種類の特別情報が取得されることがないように、前記特定の複数回及び前記定期処理の実行周期が設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C20によれば、検知手段の検知結果が遊技球を検知したことに対応した検知結果となったことが1回確認されたとしても即座に特別情報が取得されるのではなく、当該検知結果となったことが複数回確認された場合に特別情報が取得されるため、ノイズの影響で特別情報が取得されてしまう可能性が低減される。さらに本構成では、かかるノイズの影響を低減する構成を利用して、同一種類の特別情報が先特定の処理の実行対象として複数待機することが防止される。これにより、上記ノイズの影響を低減しながら、先特定の処理の処理負荷を軽減することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技の進行を制御する制御手段(主制御装置81、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212)を備えた遊技機であって、
前記制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(第14の実施の形態において主制御装置81のMPU202におけるステップS2905の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて先特定する先特定手段(第14の実施の形態において主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理及び取得時の設定処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
を備えているとともに、
定期的に定期処理(第14の実施の形態において通常処理のステップS2601〜ステップS2606及びタイマ割込み処理)を実行可能なものであって複数の定期処理の合間に所定の処理(第14の実施の形態において主制御装置81のMPU202におけるステップS2607〜ステップS2614)を繰り返し行うものであり、
さらに前記情報取得手段による前記特別情報の取得処理は前記定期処理において行われ、
前記先特定手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された特別情報についての前記先特定の処理の少なくとも一部を当該定期処理が終了した後の前記所定の処理にて実行する終了後実行手段(第14の実施の形態において主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理を実行する機能)を備え、
当該終了後実行手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われ且つ当該特別情報に対して前記先特定の処理を実行していない状況で、前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合、前記所定の処理における1回の前記先特定の処理ではそれら特別情報の全てを処理実行対象とするのではなく一部のみを処理実行対象とするものであり、
当該一部のみが処理実行対象となった前記先特定の処理の実行が完了した場合に、前記定期処理の実行を可能とする構成であることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該所定の特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、定期処理にて特別情報の取得が行われた場合においてその取得された特別情報についての先特定の処理の少なくとも一部は当該定期処理が終了した後に実行される。特別情報の取得が行われた定期処理にて先特定の処理の全てを行う構成を想定した場合、当該定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定され、そうすると特別情報の取得処理などを定期的に行えない状況が発生し、当該処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上記のように先特定の処理の少なくとも一部は、特別情報の取得が行われた定期処理が終了した後に実行されるため、当該定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、定期処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、連続する定期処理の間で実行される所定の処理において先特定の処理の少なくとも一部が実行されることで、定期処理への影響を抑えながら、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
さらにまた、所定の処理における1回の先特定の処理ではそれら特別情報の全てを処理実行対象とするのではなく一部のみを処理実行対象とし、当該一部のみが処理実行対象となった先特定の処理の実行が完了した場合に、定期処理の実行を可能とする構成である。これにより、所定の処理にて先特定の処理を行うとしても、定期処理の定期的な実行を阻害してしまうことが抑制される。
以上より、遊技への注目度を良好に高めることが可能となる。
特徴D2.遊技の進行を制御する制御手段(主制御装置81、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212)を備えた遊技機であって、
前記制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(第14の実施の形態において主制御装置81のMPU202におけるステップS2905の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて先特定する先特定手段(第14の実施の形態において主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理及び取得時の設定処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
を備えているとともに、
定期的に定期処理(第14の実施の形態において通常処理のステップS2601〜ステップS2606及びタイマ割込み処理)を実行可能なものであって複数の定期処理の合間に所定の処理(第14の実施の形態において主制御装置81のMPU202におけるステップS2607〜ステップS2614)を繰り返し行うものであり、
さらに前記情報取得手段による前記特別情報の取得処理は前記定期処理において行われ、
前記先特定手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された特別情報についての前記先特定の処理の少なくとも一部を当該定期処理が終了した後の前記所定の処理にて実行する終了後実行手段(第14の実施の形態において主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理を実行する機能)を備え、
当該終了後実行手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われ且つ当該特別情報に対して前記先特定の処理を実行していない状況で、前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合、それら特別情報を前記付与判定の対象となるまでの範囲において前記先特定の処理の実行対象とする一方、前記所定の処理における1回の前記先特定の処理ではそれら特別情報の全てを処理実行対象とするのではなく一部のみを処理実行対象とするものであり、
当該一部のみが処理実行対象となった前記先特定の処理の実行が完了した場合に、前記定期処理の実行を可能とする構成であることを特徴とする遊技機。
特徴D2によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該所定の特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、定期処理にて特別情報の取得が行われた場合においてその取得された特別情報についての先特定の処理の少なくとも一部は当該定期処理が終了した後に実行される。特別情報の取得が行われた定期処理にて先特定の処理の全てを行う構成を想定した場合、当該定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定され、そうすると特別情報の取得処理などを定期的に行えない状況が発生し、当該処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上記のように先特定の処理の少なくとも一部は、特別情報の取得が行われた定期処理が終了した後に実行されるため、当該定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、定期処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、連続する定期処理の間で実行される所定の処理において先特定の処理の少なくとも一部が実行されることで、定期処理への影響を抑えながら、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、所定の処理にて先特定の処理の少なくとも一部を実行する構成においては、定期処理にて特別情報を取得する処理が行われ且つ当該特別情報に対して先特定の処理を実行していない状況で、新たに特別情報が取得されることがあり得る。この場合に、それら特別情報を付与判定の対象となるまでの範囲において先特定の処理の実行対象とする構成であるため、先特定の処理の実行頻度が極端に低下してしまう可能性を低減しながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
さらにまた、所定の処理における1回の先特定の処理ではそれら特別情報の全てを処理実行対象とするのではなく一部のみを処理実行対象とし、当該一部のみが処理実行対象となった先特定の処理の実行が完了した場合に、定期処理の実行を可能とする構成である。これにより、所定の処理にて先特定の処理を行うとしても、定期処理の定期的な実行を阻害してしまうことが抑制される。
以上より、遊技への注目度を良好に高めることが可能となる。
特徴D3.前記制御手段は、
前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された特別情報が前記付与判定の対象となる順番の情報を記憶する順番情報記憶手段(第14の実施の形態において保留判定用エリア)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われた場合に前記順番情報記憶手段に記憶されている前記順番の情報を更新する順番情報更新手段(第14の実施の形態において主制御装置81のMPU202におけるステップS5106の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記終了後実行手段は、前記先特定の処理を実行する場合、前記順番情報記憶手段に記憶されている前記順番の情報を参照することで、当該先特定の対象となった特別情報の前記付与判定の対象となる順番の情報を当該先特定の特定結果の情報とともに導出するものであることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、定期処理で特別情報の取得が行われ、当該定期処理が実行された後に当該特別情報に対する先特定の処理が実行される構成において、特別情報の取得が行われてから先特定の処理が実行されるよりも前に付与判定が行われたとしても、当該先特定の処理の対象となる特別情報を把握し易くなる。
特徴D4.前記制御手段は、前記定期処理及び前記所定の処理を実行する第1制御手段(主制御装置81)と、前記特別報知制御手段を有するとともに前記第1制御手段との間で通信を行う第2制御手段(音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212)と、を備え、
前記第1制御手段は、前記定期処理において前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合にそれに対応した第1通信情報の出力設定を行う第1出力設定手段(第14の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5002の処理を実行する機能)と、当該定期処理の実行後において当該特別情報について前記終了後実行手段による前記先特定の処理が実行された場合にその特定結果に対応した第2通信情報の出力設定を行う第2出力設定手段(第14の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5206の処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、定期処理や先特定の処理を実行する機能が第1制御手段により果たされ、特別報知を実行する機能が第2制御手段により果たされるため、処理負荷を分散することが可能となる。この場合に、特別情報を取得した場合にそれに対応した第1通信情報を第2制御手段に出力し、先特定の処理を実行した場合にそれに対応した第2通信情報を第2制御手段に出力する構成であるため、定期処理にて特別情報を取得するとともに、当該定期処理の実行後に当該特別情報に対する先特定の処理が実行される構成において、第2制御手段における各情報の取得を好適なタイミングで行うことができる。
なお、前記第2制御手段は、
前記第1通信情報を受信したことに基づいて、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を把握する特別情報数把握手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS3302の処理を実行する機能)と、
当該特別情報数把握手段の把握結果に基づいて、前記特別情報の数を前記報知手段又はそれとは異なる手段にて報知させる報知実行手段(表示制御装置212のMPU252におけるステップS3308の処理を実行する機能)と、
を備え、
さらに前記特別報知制御手段は、前記第2通信情報を受信したことに基づいて、当該第2通信情報に対応した内容の特別報知を実行させるものである構成としてもよい。
なお、当該特徴D1乃至D3のいずれか1の構成に対して、上記特徴C1乃至C20のいずれか1の構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる相乗的な効果を奏することができる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技の進行を制御する制御手段(主制御装置81、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212)を備えた遊技機であって、
前記制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1405の処理を実行する機能、第8乃至第10,第14,第15の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS2905の処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3804の処理を実行する機能、第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS7405の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて先特定する先特定手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1407及びステップS1410〜ステップS1413の処理を実行する機能、第8乃至第10,第14,第15,第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理及び取得時の設定処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202における上側保留コマンドの設定処理、下側保留コマンドの設定処理及び取得時の設定処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
を備えているとともに、
定期的に定期処理(第2の実施の形態ではタイマ割込み処理、第8,第10,第14,第15の実施の形態では通常処理のステップS2601〜ステップS2606及びタイマ割込み処理、第9の実施の形態ではタイマ割込み処理、第11の実施の形態では通常処理のステップS3901〜ステップS3906及びタイマ割込み処理、第12及び第13の実施の形態ではタイマ割込み処理、第16の実施の形態では通常処理のステップS5401及びタイマ割込み処理、第17の実施の形態では通常処理のステップS5501及びタイマ割込み処理、第18の実施の形態ではタイマ割込み処理)を実行可能なものであり、
さらに前記情報取得手段による前記特別情報の取得処理は前記定期処理において行われ、
前記先特定手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された特別情報についての前記先特定の処理の少なくとも一部を当該定期処理が終了した後に実行する終了後実行手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1413の処理を実行する機能、第8乃至第10,第14,第15,第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202における上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理を実行する機能)を備え、
さらに、前記制御手段は、前記定期処理及び前記先特定の処理を実行する第1制御手段(主制御装置81)と、前記特別報知制御手段を有するとともに前記第1制御手段との間で通信を行う第2制御手段(音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212)と、を備え、
前記第1制御手段は、前記定期処理において前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合にそれに対応した第1通信情報の出力設定を行う第1出力設定手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1514の処理を実行する機能、第8,第9,第15の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3002の処理を実行する機能、第10の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3602の処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4203及びステップS4209の処理を実行する機能、第14の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5002の処理を実行する機能、第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS7406の処理を実行する機能)と、当該定期処理の実行後において当該特別情報について前記終了後実行手段による前記先特定の処理が実行された場合にその特定結果に対応した第2通信情報の出力設定を行う第2出力設定手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1608の処理を実行する機能、第8乃至第10,第15の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3220の処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4311及びステップS4410の処理を実行する機能、第14の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS5206の処理を実行する機能、第18の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS6111の処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該所定の特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、定期処理にて特別情報の取得が行われた場合においてその取得された特別情報についての先特定の処理の少なくとも一部は当該定期処理が終了した後に実行される。特別情報の取得が行われた定期処理にて先特定の処理の全てを行う構成を想定した場合、当該定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定され、そうすると特別情報の取得処理などを定期的に行えない状況が発生し、当該処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上記のように先特定の処理の少なくとも一部は、特別情報の取得が行われた定期処理が終了した後に実行されるため、当該定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、定期処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、定期処理や先特定の処理を実行する機能が第1制御手段により果たされ、特別報知を実行する機能が第2制御手段により果たされるため、処理負荷を分散することが可能となる。この場合に、特別情報を取得した場合にそれに対応した第1通信情報を第2制御手段に出力し、先特定の処理を実行した場合にそれに対応した第2通信情報を第2制御手段に出力する構成であるため、定期処理にて特別情報を取得するとともに、当該定期処理の実行後に当該特別情報に対する先特定の処理が実行される構成において、第2制御手段における各情報の取得を好適なタイミングで行うことができる。
以上より、遊技への注目度を良好に高めることが可能となる。
特徴E2.前記第2制御手段は、
前記第1通信情報を受信したことに基づいて、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を把握する特別情報数把握手段(第2の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS1702の処理を実行する機能、第8乃至第10,第14,第15,第18の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS3302の処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS4502及びステップS4602の処理を実行する機能)と、
当該特別情報数把握手段の把握結果に基づいて、前記特別情報の数を前記報知手段又はそれとは異なる手段にて報知させる報知実行手段(第2の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS1707の処理を実行する機能、第8乃至第10,第14,第15,第18の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS3308の処理を実行する機能、第11乃至第13,第16,第17の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS4509及びステップS4608の処理を実行する機能)と、
を備え、
さらに前記特別報知制御手段は、前記第2通信情報を受信したことに基づいて、当該第2通信情報に対応した内容の特別報知を実行させるものであることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、第2制御手段の制御に基づく特別情報の数の報知を適切に実行できるようにしながら、特別報知についても適切に実行できるようにすることが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、33…上作動口、34…下作動口、53…遊技球発射機構、81…主制御装置、202…MPU、203…ROM、204…RAM、212…表示制御装置、221…当否テーブル記憶エリア、232…保留球格納エリア、252…MPU。

Claims (1)

  1. 予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
    当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
    当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
    当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
    前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて先特定する先特定手段と、
    当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
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