以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図2は遊技枠11の前面を示す正面図である。図3は遊技盤の前面を示す正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。また、図2には、遊技枠11の前面のうち打球供給皿(上皿)3の部分を拡大した図も示されている。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠11とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠11に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠11は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1〜図3に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、図3に示すように、遊技枠11の一部を構成するプラ枠(プラスチック枠)がある。プラ枠は、機構板を含み、機構板に電源回路(図示せず)やスピーカ27などの部品が取り付けられている。また、遊技枠11におけるプラ枠には、遊技枠11と遊技盤6との間の配線を中継する中継基板607が設けられている。また、遊技枠11の前面枠には、図3に示すように、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(画像表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば00〜99の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。なお、特別図柄表示器8は、2桁の数字を表示するものに限らず、0〜9など他の桁数の数字を可変表示するように構成されていてもよい。また、可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。
特別図柄表示器8の右側には、始動入賞口13,14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、可変表示装置9の左側には、第2始動入賞口14を形成する可変入賞装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態にされる。
図4は、遊技枠11を開いた状態を示す説明図である。図4に示すように、遊技枠11側の裏面には、ICなどを搭載するための4つの基板(枠側IC基板)602〜605が取り付けられている。遊技枠11の上部に取り付けられた枠側IC基板602は、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換IC611,612が搭載されている。各シリアル−パラレル変換IC611,612から、天枠ランプを構成する各LED281a〜281l(以下、天枠ランプ281a〜281lまたは枠ランプ281a〜281lという。)に制御信号が供給される。なお、ここでは、「ランプ」と「LED」とを同義で用いているが、各ランプとして、LED以外の発光体を用いてもよい。
また、遊技枠11の右側(裏面から見て左側)に取り付けられた枠側IC基板603は、シリアル−パラレル変換IC613が搭載されている。シリアル−パラレル変換IC613から、右枠ランプを構成する各LED283a〜283e(以下、右枠ランプ283a〜283eまたは枠ランプ283a〜283eという。)および賞球払出がなされているときに点滅する右賞球LED(以下、右賞球ランプという。)51bに制御信号が供給される。また、遊技枠11の左側(裏面から見て右側)に取り付けられた枠側IC基板604は、シリアル−パラレル変換IC614が搭載されている。シリアル−パラレル変換IC614から、左枠ランプを構成する各LED282a〜282e(以下、左枠ランプ282a〜282eまたは枠ランプ282a〜282eという。)および賞球払出がなされているときに点滅する左賞球LED(以下、左賞球ランプという。)51aに制御信号が供給される。以下、左賞球ランプ51aと右賞球ランプ51bとを賞球ランプと総称することがある。
また、遊技枠11の下部に取り付けられた枠側IC基板605は、シリアル−パラレル変換IC615、およびパラレルデータをシリアルデータに変換する入力IC620が搭載されている。シリアル−パラレル変換IC615から、操作ボタン81a〜81eに設けられた操作ボタンランプを構成するLED83(以下、ランプ83という。)および打球供給皿3に設けられた皿ランプを構成する各LED82a〜82d(以下、ランプ82a〜82dという。)に制御信号が供給される。また、操作ボタン81a〜81eからの検出信号が入力IC620に並列に入力される。なお、図4には、枠側IC基板605を横から見た図も示されている。
なお、図4に示すように、この実施の形態では、各枠側IC基板602〜605のうち遊技枠の上部に取り付けられた枠側IC基板602は、2つのシリアル−パラレル変換ICを搭載した集合基板として構成されている。そのように構成することによって、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、図4に示すように、遊技枠11側には中継基板607が取り付けられている。中継基板607からの配線は、枠側IC基板604に接続され、枠側IC基板604から枠側IC基板602に接続され、さらに枠側IC基板602から枠側IC基板603に接続される。また、中継基板607からの配線は、枠側基板605に接続される。また、各枠側IC基板602〜604間の配線や、枠側IC基板604,605と中継基板607との間の配線は、図4に示すように、各基板にコネクタ156a〜156hを用いて接続される。なお、図4には、基板に垂直方向に接続するタイプのコネクタを用いて配線接続ななされている構成が示されているが、例えば、基板に対して水平方向に接続するタイプのコネクタを用いて配線接続を行うようにしてもよい。
図4に示すように、中継基板607のコネクタ156aからの配線は、枠側IC基板604のコネクタ156bに接続される。枠側IC基板604の配線パターンは、コネクタ156bからさらに分岐され、一方がシリアル−パラレル変換IC614に接続され、他の一方がコネクタ156cに接続されるようになっている。また、枠側IC基板604において、コネクタ156cは、枠側IC基板602側の端部に配置されている。枠側IC基板604のコネクタ156cからの配線は、枠側IC基板602のコネクタ156dに接続される。枠側IC基板602の配線パターンは、コネクタ156dからさらに3つに分岐され、シリアル−パラレル変換IC611、シリアル−パラレル変換IC612およびコネクタ156eに接続される。また、枠側IC基板602において、コネクタ156eは、枠側IC基板603側の端部に配置されている。枠側IC基板602のコネクタ156eからの配線は、枠側IC基板603のコネクタ156fに接続される。枠側IC基板603の配線パターンは、シリアル−パラレル変換IC613に接続される。
また、中継基板607のコネクタ156gからの配線は、枠側IC基板605のコネクタ156hに接続される。枠側IC基板605の配線パターンは、コネクタ156hからさらに分岐され、一方がシリアル−パラレル変換IC615に接続され、他の一方が入力IC620に接続される。
また、図4に示すように、遊技枠11の開放を検出するためのドア開放センサ155が取り付けられている。
図5は、遊技盤6の裏面を示す説明図である。図5に示すように、遊技盤6の裏面には、ICなどを搭載するための基盤(盤側IC基板)601が取り付けられている。盤側IC基板601には、シリアルデータをパラレルデータに変換する4つのシリアル−パラレル変換IC616〜619が搭載されている。シリアル−パラレル変換IC616から、各可動部材151〜153を駆動するためのモータ151a,152a,153aに制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC617から、センター飾り用ランプを構成する各LED125a〜125f(以下、センター飾り用ランプ125a〜125fまたはランプ125a〜125fという。)に制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC618から、ステージランプを構成する各LED126a〜126f(以下、ステージランプ126a〜126fまたはランプ126a〜126fという。)に制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC619から、可動部材である骸骨153および特別可変入賞球装置20に設けられる各ランプ127a〜127bに制御信号が供給される。
なお、図5に示すように、この実施の形態では、盤側IC基板601は、4つのシリアル−パラレル変換ICを搭載した集合基板として構成されている。そのように構成することによって、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、盤側IC基板601は、パラレルデータをシリアルデータに変換する入力IC621が搭載されている。各可動部材151〜153の位置を検出するための位置センサ151b,152b,153bからの検出信号が入力IC621にパラレルに入力される。
また、図5に示すように、遊技盤6側には中継基板606が取り付けられ、遊技枠11側には中継基板607が設けられている。演出制御手段からの配線は、まず中継基板606に接続され、さらに中継基板607に接続される。そして、中継基板606からの配線は、盤側IC基板601に接続される。また、盤側IC基板601と中継基板606との間の配線や、中継基板606,607間の配線、中継基板606と演出制御手段との間の配線は、図5に示すように、各基板にコネクタ157a〜157eを用いて接続される。なお、コネクタ157a〜157eの接続方法は、図4に示すコネクタ156a〜156hの接続方法と同様である。
プラ枠の上皿には遊技球を払い出す穴の上側に開口が形成され、開口に中継基板607が設けられる。中継基板607は表裏のコネクタを介して中継する基板であり、プラ枠表側にコネクタ157bが配置され裏側にコネクタ156a,156gが配置されている。また、中継基板607は、遊技盤6が取り付けられる開口の端部に配置される。また、図4に示すように、中継基板607は、遊技盤6が取り付けられる開口の端部の形状に沿うような形状に形成されている。なお、中継基板607は、表側に配置されるコネクタ157bと裏側に配置されるコネクタ156a,156gとの位置が重ならないようにずれた状態とされている。
遊技盤6の裏側には中継基板606が設けられる。中継基板606は、図5に示すように、遊技盤6の端部に、プラ枠の中継基板607の近傍に位置するように設けられる。中継基板606はコネクタを介して中継する基板であり、コネクタ157b〜157dが配置されている。また、コネクタ157bは、遊技盤6が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ(電気的に駆動される電気部品の制御を行う電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)100に接続されている。
なお、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図6は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図6には、球払出装置97を制御して遊技球を払い出す制御を行う払出制御手段が搭載された払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56、I/Oポート部57、およびパラレルデータをシリアルデータに変換して出力するシリアル出力回路を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が接続されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数値を抽出するための条件が成立すると、乱数回路503から乱数値を読み出す。乱数回路503は、所定周波数のクロック信号を計数するカウンタであり、カウンタのカウント値が乱数値になる。乱数回路503に供給されている所定周波数のクロック信号は、監視回路(ウォッチドッグタイマ(WDT))504のクリア端子に入力されている。監視回路は、クリア端子に入力されるクロック信号の周波数よりも高い周波数のクロック信号を計数するカウンタであるが、クリア端子に入力されるクロック信号が例えばハイレベルになるとカウント値がリセットされる。よって、クリア端子に入力されるクロック信号が何らかの理由で停止した場合には、監視回路504はカウントアップする。監視回路504がカウントアップしたということは、乱数回路503にクロック信号が供給されていないことを示す。監視回路504は、カウントアップすると、乱数回路503が正常に動作していないことを示す乱数エラー信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタなどによって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、情報端子盤(枠盤兼用外部端子基板)34を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。情報端子盤34は、遊技機の裏面に設置されている。情報端子盤34には、払出制御基板37からの情報出力信号も入力される(図9参照)。
また、遊技機の裏面には、遊技球を貯留する貯留タンクが設置され、貯留タンクに貯留された遊技球は球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチは遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチも貯留タンクに近接する部分に設けられている。球切れ検出スイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払い出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
また、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをシリアル信号方式(シリアル通信方式:データを一つの信号線で送出する方式)で受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられているセンター飾り用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ281a〜281l、左枠ランプ282a〜282eと左賞球ランプ51a、および右枠ランプ283a〜283eと右賞球ランプ51bの表示制御を行い、スピーカ27からの音出力の制御を行う。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、演出制御手段が出力する各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51bを表示制御するためのパラレルデータの制御信号をシリアルデータに変換するシリアル出力回路353が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路354が搭載されている。従って、演出制御手段は、シリアル出力回路353を介して制御信号をシリアル信号方式で出力することによって、各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51bの表示制御(具体的には、発光制御すなわち点灯制御(点滅制御))を行う。
また、遊技盤側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板601が設けられている。盤側IC基板601は、中継基板606を介して演出制御基板80と接続される。また、遊技枠11側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板602,603,604,605が設けられている。各枠側IC基板602,603,604,605は、中継基板606,607を介して演出制御基板80と接続される。
なお、演出制御基板80、中継基板606および中継基板607は、バス型の1系統の配線ルートで接続される。
図7は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図7に示すように、払出制御基板37には、払出制御用用CPU371を含む払出制御用マイクロコンピュータ(電気的に駆動される電気部品の制御を行う電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)370が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。払出制御用CPU371、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。すなわち、払出制御手段は、払出制御用CPU371、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されていてもよい。
球切れスイッチ187、満タンスイッチ48の検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。払出個数カウントスイッチ301の検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。また、払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。払出モータ289は、球払出装置97に設けられ、回転することによって、遊技機の裏面において貯留されている払出用の遊技球を払い出す。払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわち、いわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。さらに、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、打球発射装置からの球発射を停止させる。なお、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していても、打球発射装置からの球発射を停止させないようにしてもよい。また、打球発射装置に遊技制御用マイクロコンピュータ560からの信号線が接続されるように構成されている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が打球発射装置からの球発射を停止させるようにしてもよい。
入賞口への遊技球の入賞があると、主基板31の出力回路67から、払出指令信号として、払い出すべき賞球個数を示す賞球個数信号(払出数データ)および賞球個数信号の取り込み(受信)を要求する賞球REQ信号(取込要求信号)が出力(送信)される。具体的には、オン状態になる。賞球個数信号は、4ビットのデータ(2進4桁のデータ)によって構成され、4本の信号線によって出力される。なお、信号のオン状態すなわち出力状態は、信号が有意である状態であり、オン状態になることは、信号を受ける側に対してその信号にもとづく何らかの処理を開始することを指令することを意味する。例えば、賞球個数を示す賞球個数信号および賞球REQ信号がオン状態になるということは、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して、賞球個数信号が示す払出数を認識するように指令することを意味する。また、信号を出力することによってオン状態とし、信号出力を停止することによってオフ状態としてもよいが、オン状態にするときにはオン状態に応じた信号を出力し、オフ状態にするときにはオフ状態に応じた信号を出力することによって、オン状態とオフ状態とを切り替えてもよい。
賞球REQ信号および賞球個数信号は、入力回路373Aを介してI/Oポート372eに入力される。払出制御用マイクロコンピュータ370は、I/Oポート372eを介して賞球個数信号を入力すると、賞球個数信号が示す個数の遊技球を払い出すために球払出装置97を駆動する制御を行う。なお、賞球REQ信号および賞球個数信号は、払出数を指定する払出指令信号に相当する。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372gを介して、賞球払出数を示す賞球情報信号および貸し球数を示す球貸し個数信号を情報端子盤(枠盤兼用外部端子基板)34に出力する。なお、出力ポート372gの外側に、ドライバ回路が設置されているが、図7では記載省略されている。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図7では記載省略されている。
遊技機に隣接して設置されているカードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63(図1において図示せず)が接続される。
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372fおよび出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図7に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ370は、VL信号の入力状態によってカードユニット50の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
なお、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
また、ドア開放センサ155の検出信号が、払出制御基板37に入力される。払出制御基板37において、ドア開放センサ155の検出信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370には入力されず、出力回路373Bを介して主基板31に出力される。なお、出力回路373Bを介さずに主基板31に出力されるようにしてもよい。また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187および払出個数カウントスイッチ301の検出信号に相当する信号を出力ポート372bおよび出力回路373Bを介して主基板31に出力する。しかし、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される満タンスイッチ48、球切れスイッチ187および払出個数カウントスイッチ301の検出信号を、払出制御基板37において分岐させ、分岐された検出信号を出力回路373Bを介して主基板31に出力するように構成してもよい。そのように構成した場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187および払出個数カウントスイッチ301の検出信号に相当する信号を出力ポート372bから出力する必要はない。
図8は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図8に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設ける場合を示すが、ランプドライバ基板および音声出力基板を設けてもよい。この場合、ランプドライバ基板および音声出力基板には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、RAM(図示せず)、シリアル出力回路353、シリアル入力回路354、クロック信号出力部356および入力取込信号出力部357を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路102は、シリアル信号方式で受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に可変表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して可変表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、可変表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図8には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU101は、シリアル出力回路353を介してランプ(実際にはLEDである場合もある。)を駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したランプを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板606に出力する。また、演出制御用CPU101は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、クロック信号出力部356は、クロック信号を中継基板606に出力する。クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615や入力IC620に供給される。また、クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606を介して盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619や入力IC621に供給される。従って、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC611〜619および各入力IC620,621に共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部357は、演出制御用CPU101の指示に従って、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601または枠側IC基板602〜605に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板605に搭載された入力IC620は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、操作ボタン81a〜81eの検出信号をラッチし、シリアル信号方式として中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。また、盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、各位置センサ151b,152b,153bの検出信号をラッチし、シリアル信号方式で中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。
音声合成用IC173は、音番号データを入力すると、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図9は、情報端子盤34の構成例を示すブロック図である。図9に示す例では、情報端子盤34には、ケーブル343およびコネクタ341を介して主基板31から信号が入力され、ケーブル344およびコネクタ342を介して払出制御基板37から信号が入力される。そして、ケーブル343を介して入力された信号は、ドライバ回路345、コネクタ347およびケーブル349を介して、例えばホールコンピュータに対して出力される。また、ケーブル344を介して入力された信号は、ドライバ回路346、コネクタ348およびケーブル349を介して、例えばホールコンピュータに対して出力される。
なお、図9に示す情報端子盤(枠盤兼用外部端子基板)34において、図9における上側の部分(コネクタ341、ドライバ回路345およびコネクタ347が設けられている領域)は盤用外部端子基板に相当し、下側の部分(コネクタ342、ドライバ回路346およびコネクタ348が設けられている領域)は枠用外部端子基板に相当する。すなわち、主基板31からの信号に関する部分か、払出制御基板37からの信号に関する部分かを容易に判別できる。
図10は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図10に示すように、出力ポート0は払出制御基板37に送信される払出指令信号の出力ポートである。なお、図10に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよい。
出力ポート1から、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号が出力される。なお、出力ポート0,1は、図1に示されたI/Oポート部57の一部である。また、信号がオン状態になっているときが、「信号が出力されている」状態に相当する。
図11は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図11に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第2始動口スイッチ14a、第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力される。
また、入力ポート1のビット0〜4には、それぞれ、払出制御基板37からの賞球カウント信号、満タン信号、球切れ信号、払出エラー信号、ドア開閉信号が入力される。賞球カウント信号のハイレベル「1」がオン状態(払出個数カウントスイッチ301がオンした状態)に対応する。満タン信号のハイレベル「1」がオン状態(満タンスイッチ48がオンした状態)に対応する。球切れ信号のハイレベル「1」がオン状態(球切れスイッチ187がオンした状態)に対応する。ドア開閉信号のハイレベル「1」は、ドア開放センサ155が遊技枠11の開放を検出していない状態(ドアが閉鎖している状態)に対応する。
入力ポート1のビット5には、監視回路504からの乱数エラー信号が入力される。乱数エラー信号のローレベル(「0」)がオン状態(乱数エラーが生じた状態)に対応する。すなわち、監視回路504は、正常時には乱数エラー信号をハイレベルに維持しているが、異常時には乱数エラー信号をローレベルに変化させる。なお、図11に示された「論理」と逆の論理を用いてもよい。例えば、1がオン状態である入力信号を0をオン状態である入力信号にしてもよい。
入力ポート2のビット0,1には、それぞれ、電源基板からの電源断信号およびクリアスイッチの検出信号(クリア信号)が入力される。電源断信号は、電源基板に搭載されている電源監視回路が所定電圧の低下を検出したときに出力する信号である。クリアスイッチは遊技店員等が操作可能なスイッチあり、RAM55を初期化したいときに操作されるスイッチである。なお、入力ポート0〜2は、図1に示されたI/Oポート部57の一部である。また、信号がオン状態になっているときが、「信号が入力されている」状態に相当する。
図12は、演出制御基板80、中継基板606,607、盤側IC基板601、枠側IC基板602,603,604,605の構成例を示すブロック図である。演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板607に出力する。また、入力IC620,621に入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板606に出力する。
中継基板606は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619に供給する。そして、各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各ランプ125a〜125f,126a〜126f,127a〜127cや、各可動部材のモータ151a〜151cに供給する。
また、中継基板607は、バス型の1系統の配線ルートで中継基板606と接続されている。各シリアル−パラレル変換IC616〜619に接続されるシリアルデータ線300およびクロック信号線301は、盤側IC基板601上でバス形式で接続されている。
また、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図12に示すように、IC616のIDは06であり、IC617のIDは07であり、IC618のIDは08であり、IC619のIDは09である。
また、盤側IC基板601には、遊技盤6上に設けられた各可動部材の位置センサの検出信号を入力する入力IC621が搭載されている。この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された入力IC621と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606を介して入力信号線302、クロック信号線301および入力取込信号線303が接続されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606を介して入力IC621に出力する。すると、入力IC621は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて各位置センサの検出信号をラッチし、中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC621は、各位置センサからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。なお、この実施の形態では、図12に示すように、入力IC621の固有のIDは11である。
中継基板607に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、図12に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615に供給される。そして、各シリアル−パラレル変換IC611〜615は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技枠11に設けられた各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51b,82a〜82d,83に供給する。
また、各シリアル−パラレル変換IC611〜614に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板602〜604上でバス形式で接続されている。この実施の形態では、図12に示すように、まず、枠側IC基板604のシリアル−パラレル変換IC614に入力され、シリアル−パラレル変換IC614から枠側IC基板602のシリアル−パラレル変換IC611およびシリアル−パラレル変換IC612の順に入力され、さらにシリアル−パラレル変換IC612から枠側IC基板603のシリアル−パラレル変換IC613に入力される。また、シリアル−パラレル変換IC615に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、中継基板607から直接接続される。
また、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図12に示すように、IC611のIDは01であり、IC612のIDは02であり、IC613のIDは03であり、IC614のIDは04であり、IC615のIDは05である。
また、枠側IC基板605には、遊技枠11に設けられた操作ボタン81a〜81eの検出信号を入力する入力IC620が搭載されている。この実施の形態では、枠側IC基板605に搭載された入力IC620と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606,607を介して入力信号線、クロック信号線および入力取込信号線が接続されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606,607を介して入力IC620に出力する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力IC621に入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力IC620に出力する。すると、入力IC620は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて操作ボタン81a〜81eからの検出信号をラッチし、中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC620は、操作ボタン81a〜81eからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。なお、この実施の形態では、図12に示すように、入力IC620の固有のIDは10である。
盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板606,607がバス型で接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換IC611〜619がバス型またはデイジーチェーン型で接続されていることである。すなわち、1系統の配線を介して接続されるとは、信号出力側(この例では、演出制御基板80)から出力された信号が、各基板(例えば、中継基板606,607)または各IC(例えば、シリアル−パラレル変換IC611〜619)に、信号の流れの上流側から下流側に伝達されるように接続されていることである。また、各基板(例えば、中継基板606,607)および各IC(例えば、シリアル−パラレル変換IC611〜619)に対して、独立した複数系統のいずれかで信号が伝達される構成ではないことを意味する。なお、この実施の形態では、図12に示すように、各シリアル−パラレル変換IC611〜619はバス型で接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619と、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレルIC611〜615とが、中継基板606,607を介してコネクタ156a〜156h,157a〜157eを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行うだけで遊技枠11と遊技盤6との配線作業を行うことができ、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615および入力IC620,621に、演出制御用マイクロコンピュータ100から共通のクロック信号を入力する。そのため、シリアル−パラレル変換IC611〜619へのクロック信号の配線と入力IC620,621へのクロック信号の配線とを共通化することができ、演出制御手段と盤側IC601基板との間の通信、および演出制御手段と枠側IC基板602〜605との間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および入力IC620,621とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC611〜619には、あらかじめアドレスが付与されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力する。各シリアル−パラレル変換IC611〜619は、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各ランプに供給する(すなわち、出力する)。アドレスが合致していなければ各ランプへの供給は行わない。
図13および図14は、各シリアル−パラレル変換IC611〜619に付与されるアドレスの例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あらかじめRAMまたはROMに設けられた所定のアドレス記憶領域に、図13および図14に示す各シリアル−パラレル変換IC611〜619のアドレスを記憶している。
この実施の形態では、図13および図14に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615において、IC611にはアドレス01が付与され、IC612にはアドレス02が付与され、IC613にはアドレス03が付与され、IC614にはアドレス04が付与され、IC615にはアドレス05が付与されている。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619において、IC616にはアドレス06が付与され、IC617にはアドレス07が付与され、IC618にはアドレス08が付与され、IC619にはアドレス09が付与されている。
なお、各シリアル−パラレル変換IC611〜619に、アドレスとしてICの固有のIDと同じものを付与してもよく、ICの固有のIDとは異なる数字や文字、記号を含むアドレス(具体的には、文字や記号を表すJISコード等の符号データをアドレスとして使用)を付与してもよい。
また、図13および図14に示すように、アドレスが01であるシリアル−パラレル変換IC611は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプ(この例では天枠ランプ281a〜281lのうちのLED6個(281a〜281f))に供給する。また、アドレスが02であるシリアル−パラレル変換IC612は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプ(この例では天枠ランプ281a〜281lの他のLED6個(281g〜281l))に供給する。また、アドレスが03であるシリアル−パラレル変換IC613は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の右枠ランプおよび右賞球ランプ(この例ではLED6個(283a〜283e,51b))に供給する。また、アドレスが04であるシリアル−パラレル変換IC614は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の左枠ランプおよび左賞球ランプ(この例ではLED6個(282a〜282e,51a))に供給する。
また、アドレスが05であるシリアル−パラレル変換IC615は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の打球供給皿3に設けられた皿ランプ(この例ではLED4個(82a〜82d))に供給するとともに、操作ボタン81a〜81eに設けられた操作ボタンランプ83(この例ではランプ1個)に供給する。
また、アドレスが06であるシリアル−パラレル変換IC616は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6に設けられた各可動部材(この例では、梁、トロッコおよび骸骨の形状を模した役物)を駆動するためのモータ(この例ではモータ3個(151a,152a,153a)のそれぞれ正方向と逆方向)に供給する。また、アドレスが07であるシリアル−パラレル変換IC617は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6中央に設けられた装飾用構造物(センター飾り)の各ランプ(この例ではLED6個(125a〜125f))に供給する。また、アドレスが08であるシリアル−パラレル変換IC618は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、可変表示装置9の周囲に設けられた各ステージランプ(この例ではLED6個(126a〜126f))に供給する。また、アドレスが09であるシリアル−パラレル変換IC619は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、可動部材(この例では骸骨153)周辺に設けられたランプ(この例ではLED3個(127a〜127c))に供給する。
図15は、各シリアル−パラレル変換IC611〜619の構成を示すブロック図である。図15に示すように、シリアル−パラレル変換IC611〜619は、データラッチ部651、シフトレジスタ652、ヘッダ/アドレス検出部653、データバッファ655およびシンクドライバ656を含む。
データラッチ部651は、例えばラッチ回路によって構成され、シリアルデータが入力されると、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで入力データを1ビット毎にラッチし、シフトレジスタ652に出力する。シフトレジスタ652は、データラッチ部651から1ビットずつ入力されたデータを順に格納する。また、シフトレジスタ652は、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、格納データを1ビットずつシフトする。そのように繰り返し格納データを1ビットずつシフトしていくことによって、最終的にシフトレジスタ652にシリアルデータとして(すなわち、シリアル信号方式で)入力したデータが格納されることになる。
図16は、演出制御用マイクロコンピュータ100から出力されるシリアルデータのフォーマットの例を示す説明図である。図16(A)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプを構成するLEDを個別に点灯または消灯させるためのランプ点灯データとして出力されるシリアルデータのデータフォーマットである。また、図16(B)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプを構成するLEDをリセットして全て消灯させるためのリセットコマンドとして出力されるシリアルデータのフォーマットである。
図16(A)に示すように、ランプ点灯データは、28ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのアドレス、8ビットのデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表すものであり、この例では1FF(H)である。(H)は、16進数であることを示す。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(この例では論理値0)であり、ヘッダデータとアドレスとの間、およびアドレスとデータとの間にそれぞれ挿入される。アドレスは、データ出力先のシリアル−パラレル変換ICのアドレスである。なお、アドレスとして、各シリアル−パラレル変換IC611〜619の固有の通し番号であるIDを用いてもよい。
データ(8ビット)は、各ランプを構成するLEDの点灯状態を制御するためのものであり、例えば、点灯対象のランプを構成するLEDに対応するビットとして論理値1を含み、非点灯対象のランプを構成するLEDに対応するビットとして論理値0を含む。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、この例では論理値0である。
図16(B)に示すように、リセットコマンドは、19ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのリセットデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表すものであり、この例では1FF(H)である。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(この例では論理値0)であり、ヘッダデータとリセットデータとの間に挿入される。リセットデータは、各ランプを構成するLEDの点灯状態をリセットして全て消灯させるためのものであり、例えば、全て論路値1を含むデータである。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、この例では論理値0である。
この実施の形態では、図16(A)に示すランプ点灯データまたは図16(B)に示すリセットコマンドが入力され、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、ビット単位で繰り返しシフトされてシフトレジスタ652に格納されることになる。
ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652の格納データからヘッダおよびアドレスを検出する。まず、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からのデータを常時検出し、検出したデータの内容がヘッダデータに相当する1FF(H)と一致するか否かを確認する。ヘッダデータ(1FF(H))と一致すれば、そのヘッダデータと一致した箇所をデータの先頭と判断し、シフトレジスタ652に1セットのランプ点灯データまたはリセットコマンドが格納されたと判断する。次いで、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からアドレスに相当する先頭から11ビット目〜18ビット目のデータを検出し、そのシリアル−パラレル変換ICにあらかじめ付与されたアドレスと一致するか否かを確認する。盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜605には、例えば、それぞれ搭載するシリアル−パラレル変換ICのアドレスを格納したアドレス格納レジスタ654が設けられている。ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652から検出したアドレスが、あらかじめアドレス格納レジスタ654に格納するアドレスと一致するか否かを確認すればよい。アドレスが一致すれば、ヘッダ/アドレス検出653は、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータを入力したと判定し、入力取込信号(ラッチ信号)をデータバッファ655に出力する。アドレスが一致しなければ、ヘッダ/アドレス検出653は、入力取込信号をデータバッファ655に出力しない。すなわち、この場合、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータではないので、シフトレジスタ652に格納したデータをデータバッファ655に出力することなく、そのまま破棄する。
なお、図15には、盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜605にあらかじめアドレス格納レジスタ654が設けられている場合を示されているが、アドレス格納レジスタ654に代えて、シリアル−パラレル変換ICに設けられているアドレス端子(8端子(8ビットのアドレスの各ビットにそれぞれ対応する))を介して、外部のハードウェア回路(例えば、演出制御基板80が搭載する回路)からアドレスを入力するようにしてもよい。そして、外部のハードウェア回路側から、各アドレス端子の入力を「H」(ハイレベル)または「L」(ローレベル)に制御することによって、シリアル−パラレル変換ICにアドレスを入力してもよい。この場合、例えば、外部のハードウェア回路は、アドレスのいずれかのビットに対応する端子に電圧をかけることによってその端子に対する入力を「H」にし、またはグランドにスイッチングすることによってその端子に対する入力を「L」にするように制御する。
データバッファ655は、例えば、ラッチレジスタによって構成され、ヘッダ/アドレス検出部653から入力取込信号を入力すると、シフトレジスタ652からデータ部分に相当する先頭から20ビット目〜27ビット目のデータを取り込んでラッチする。そして、データバッファ655は、取り込んだデータをパラレルデータ(Q0〜Q7)として各ランプを構成するLEDに供給(すなわち、出力)することになる。
なお、シフトレジスタ652が格納したデータがリセットコマンドであった場合には、先頭から11ビット目〜18ビット目が全て論理値1のデータを格納することになる。この場合、データバッファ655は全ての論理値が1であるデータを取り込んだ場合にはリセットコマンドを入力したと判断し、全てのランプを構成するLEDがリセットされ消灯されることになる。
シンクドライバ656は、所定の論理反転設定信号にもとづいて、データバッファ655が出力するパラレルデータの論理値を反転して出力したり、そのまま出力したりする。例えば、所定の論理反転設定信号が「H」である場合には、データバッファ655が出力するパラレルデータのビット値が1である(すなわち、ランプ点灯データの対応するビット値が1)ときにオンになり、各ランプを構成するLEDにオン信号を出力する。この実施の形態では、あらかじめ論理反転設定信号の設定値が盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605に設けられたレジスタなどに設定されている。あらかじめ設定された設定値に従って各ランプを構成するLEDにオン信号が出力され、各ランプを構成するLEDが点灯するものとする。
図17は、シリアル−パラレル変換ICへのシリアルデータおよびクロック信号の入力タイミングと、パラレルデータの出力タイミングとの例を示すタイミング図である。なお、図17では、シリアル信号方式でランプ点灯データを入力する場合を説明する。図17に示すように、シリアルデータは、ヘッダデータ、マークビット、アドレス、マークビット、データ、エンドビットの順に、シリアル−パラレル変換ICのシフトレジスタ652に1ビット単位で入力される。そして、この一連のデータを1セットとする。1セットのシリアルデータ(この例ではランプ点灯データ)が全て入力され終わるまで、ヘッダ/アドレス検出部653ではヘッダデータが検出されないので、データバッファ655の出力は変化しない。そのため、シリアル−パラレル変換ICからは、前回受信したシリアルデータにもとづく点灯パターンがそのままパラレル信号方式(データを複数の信号線で一時に送出する方式)で出力されている。
1セットのシリアルデータが全て入力され終わると、シフトレジスタ652の格納データからデータ部分がデータバッファ655にラッチされ、新たに受信したシリアルデータにもとづく点灯パターンがパラレル信号方式で出力される。なお、この実施の形態では、図17に示すように、シリアル−パラレル変換ICが出力するパラレルデータのうち、Q0,Q4は、シリアルデータ入力完了後の次のクロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、直ちに新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q1,Q5は、Q0,Q4より1クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q2,Q6は、Q0,Q4より2クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。さらに、Q3,Q7は、Q0,Q4より3クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。
次に、遊技機の動作について説明する。図18は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(この実施の形態では、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14Aに移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、可変表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、入力ポート1(図11参照)のデータ(入力データ)を入力し(ステップS14A)、入力データを2バイト目に設定した入力ポートデータ指定コマンド(図24参照)を演出制御基板に送信する(ステップS14B)。なお、遊技機に対する電源供給が開始された直後に、乱数回路503に対してクロック信号が供給されていない異常が生じているときには、入力ポート1のビット5のデータは「0」になっている。また、CPU56は、入力データを、RAM55の領域である入力ポート1バッファに保存する(ステップS14C)。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、CPU56は、遊技機への電力供給開始時に入力ポート1の入力データを入力ポートデータ指定コマンドとして演出制御基板に送信するが(ステップS14A〜14C)、ステップS14A〜14Cの処理を実行せず、第1回目のタイマ割込処理において、入力ポート1の入力データのうちの乱数エラー信号のビットがオフ状態(乱数エラーでない状態すなわち正常状態)を示しているか否か確認し、オフ状態であれば入力ポートデータ指定コマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、電力供給が開始されて制御を行うことが可能になってから所定時間内に入力ポートデータ指定コマンドを受信できない場合に乱数エラーが生じたと判定する。そのような制御を行う場合には、CPU56が所定時間内に乱数エラーが生じたか否か確認する場合に比べて、制御負担が軽減する。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図19に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、入力ポート1(図11参照)の入力データに変化が生じたときに、入力ポート1の入力データを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する入力ポートデータ確認処理を実行する(ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図20は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図19に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数(以下、ランダムRともいう。)は乱数回路503が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。なお、この実施の形態では、ステップS29において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドを構成するMODEデータまたはEXTデータ(送信先のシリアル−パラレル変換IC611〜619のアドレスが付加されたMODEデータまたはEXTデータ)に、ヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行う。そして、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってシリアルデータに変換され、中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
さらに、CPU56は、例えばホールコンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御信号(払出指令信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、払出指令信号に応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図21は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ランダムR(大当り判定用乱数値)と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブル(図21(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図21(B)参照)とがある。図21(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。CPU56は、始動入賞が生じたときに、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図21に示す大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。
確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである。通常大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を確変状態ではない通常状態に移行させるような大当りである。なお、確変大当りおよび通常大当りの場合には、ラウンド数は、小当りおよび突然確変大当りの場合よりも多く、例えば15ラウンドである。
小当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、ラウンド数が同じである。
なお、突然確変大当りの大当り遊技では、ラウンド数は、通常大当りおよび確変大当りの場合よりも少なく、かつ、各ラウンドの大入賞口開放許容時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合の29秒に対して、0.5秒)は通常大当りおよび確変大当りの場合よりも短いが、ラウンド数のみを少なくしたり、大入賞口開放許容時間のみを短くするようにしてもよい。
図22は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。後述するように、この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。図22において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「通常変動・短縮」は、リーチ態様を伴わない変動パターンであり、かつ、変動時間が「通常変動」よりも短い変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、リーチ態様を伴うが表示結果(停止図柄)が大当り図柄にならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間(リーチ演出が行われる期間)で可変表示装置9において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ画像等が現れたり、可変表示装置9における背景図柄が異なることをいう。例えば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。また、「リーチA・短縮」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて短い。「リーチA・延長」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて長い。
「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、「リーチB・短縮」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて短い。「リーチB・延長」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて長い。「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチC・短縮」は、「リーチC」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチC」に比べて短い。
また、「スーパーリーチA」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、例えば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「スーパーリーチB」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」および「スーパーリーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、例えば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチA・突確」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リーチA・突確」のリーチ態様は、「リーチA」に類似するリーチ態様である。
この実施の形態では、通常大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・短縮」、「リーチA」、「リーチB・短縮」、「リーチB」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。また、確変大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・延長」、「リーチB・延長」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。突然確変大当りの場合には、「リーチA・突確」を選択する。
また、図22に示すように、通常大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、確変大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、通常大当りのときにも確変大当りのときにも選択されうる変動パターンとがある。
また、時短状態では、「通常変動・短縮」、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、および「リーチC・短縮」の変動パターンが選択される。非時短状態では、それ以外の変動パターンが選択される。ただし、「リーチA・突確」の変動パターンは、時短状態でも非時短状態でも使用される。
なお、この実施の形態では、大当りが発生し、大当り遊技が終了すると、その後、100回の特別図柄の変動(可変表示)の実行が完了するまで、遊技状態は時短状態になる。また、可変表示が終了すると大当り遊技が開始されるときの特別図柄の可変表示を開始するときに、確変状態にすることに決定された場合には、大当り遊技が終了すると遊技状態が確変状態に移行される。なお、そのときの遊技状態が確変状態であれば、確変状態が継続することになる。
確変状態に移行されたら、その後、100回の特別図柄の変動(可変表示)の実行が完了するまでは、確変状態かつ時短状態である。また、大当り遊技が終了した後の非確変状態において、100回の特別図柄の変動(可変表示)の実行が完了すると遊技状態は通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない遊技状態)に移行する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。この実施の形態では、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってパラレルデータからシリアルデータに変換され、主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図23は、シリアル信号方式で送信される演出制御コマンドのフォーマットの例を示す説明図である。図23に示すように、演出制御コマンドを送信する際、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、まず、MODEデータ(アドレスが付加されたMODEデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行う。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたMODEデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、EXTデータ(アドレスが付加されたEXTデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行う。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたEXTデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。
図24は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図24に示す例において、コマンド8001(H)〜800E(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800E(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。なお、この実施の形態では、特別図柄の可変表示と飾り図柄の可変表示とは同期(可変表示開始時期および可変表示終了時期が同じ。)しているので、飾り図柄の変動パターン(変動時間)を決定することは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定することも意味する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始指定4指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドFFYY(H)は、入力ポート1の入力データを示す演出制御コマンド(入力ポートデータ指定コマンド)である。YYは、入力ポート1の入力データを示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図24に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図25は、コマンドFFYY(H)(入力ポートデータ指定コマンド)のEXTデータ(YYの部分)の構成を示す説明図である。EXTデータのビット割り当ては、図11に示された入力ポート1のビット割り当てと同じである。すなわち、ビット5(D5)には、乱数エラー信号に対応する乱数エラー指定ビットが割り当てられている。ビット4(D4)には、ドア開閉信号に対応するドア開放エラー指定ビットが割り当てられている。ビット3(D3)には、払出エラー信号に対応する払出エラー指定ビットが割り当てられている。ビット2(D2)には、球切れエラー信号に対応する球切れエラー指定ビットが割り当てられている。ビット1(D1)には、満タンエラー信号に対応する満タンエラー指定ビットが割り当てられている。そして、ビット0(D0)には、賞球カウント信号に対応する賞球カウント指定ビットが割り当てられている。なお、図25に示す例では、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータのビット6,7は未使用であるから、それらのビットを、遊技制御用マイクロコンピュータ560が判定したエラーを示す情報(例えば、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、異常入賞の発生、すなわち大入賞口を開放する制御を行っていないにもかかわらずカウントスイッチ23の検出信号がオン状態になったことを示す情報)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する場合に使用することができる。
図26および図27は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされ、かつ、小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると可変表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図28は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS211)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212)。また、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS213)。ステップS213では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜3(図20参照)の値を抽出し、乱数回路のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図29および図30は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図21参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図21(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、図21(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS81に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしない場合には、小当りとするか否か判定する。小当りとすることに決定された場合には、小当りフラグをセットする(ステップS71,S72)。そして、ステップS80に移行する。小当りとしない場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS73)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS74)。この場合には、はずれ図柄(例えば、左右不揃いの図柄)を決定する。そして、ステップS80に移行する。
大当りとする場合には、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS81)。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS82)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄としての大当り図柄(例えば、左右揃いの図柄)を決定する(ステップS83)。この実施の形態では、決定された停止図柄が確変図柄(例えば、「77」または「33」)である場合には、確変大当りとすることに決定されたことになる。
CPU56は、確変大当りとすることに決定された場合には、確変大当りフラグをセットする(ステップS84,S85)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS80)。なお、確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数にもとづいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するが、大当り判定用乱数にもとづいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしてもよい。
図31は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS100)。そして、変動パターン決定用乱数にもとづいて変動パターンを決定する(ステップS101)。
ここで、遊技状態が非時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、「通常変動」または「ノーマルリーチ」を選択する(図22参照)。遊技状態が非時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA」、「リーチA・延長」、「リーチB」、「リーチB・延長」、「リーチC」、「スーパーリーチA」、「スーパーリーチB」または「リーチA・突確」を選択する(図22参照)。大当りのうち確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・延長」、「リーチB・延長」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。また、突然確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・突確」を選択する。大当りのうち通常大当り(小当りとすることに決定されている場合を含む。)とすることに決定されている場合(小当りとすることに決定されている場合を含む。)には、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」または「スーパーリーチA」を選択する。
遊技状態が時短状態であって、はずれとすることに決定されている場合には、「通常変動・短縮」を選択する(図22参照)。遊技状態が時短状態であって、大当りとすることに決定されている場合には、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、「リーチC・短縮」または「リーチA・突確」を選択する(図22参照)。大当りのうち確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチC・短縮」を選択する。突然確変大当りとすることに決定されている場合に、「リーチA・突確」を選択する。大当りのうち通常大当りとすることに決定されている場合(小当りとすることに決定されている場合を含む。)には、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」または「リーチC・短縮」を選択する。
以上のような選択を容易にするために、遊技状態(時短状態か否か)と大当りとするか否かの決定結果(はずれ、および大当りの種類のそれぞれ)とに応じた変動パターンテーブルを用いる。変動パターンテーブルは、ROM54に記憶されるが、遊技状態と大当りとするか否かの決定結果とに応じて用意される。それぞれの変動パターンテーブルには、選択されうる変動パターンを示すデータと、それに対応する数値とが設定される。そして、CPU56は、遊技状態と大当りとするか否かの決定結果とに応じて、変動パターンテーブルを選択し、選択した変動パターンテーブルにおいて、変動パターン決定用乱数の値と一致する数値に対応する変動パターンを選択する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、既に決定されている大当りとするか否か、および確変大当りとするか否かに応じて、変動パターンを選択することになる。
そして、CPU56は、ステップS101で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図22参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
そのような演出制御コマンドの送信の仕方は、変動パターンコマンド以外の演出制御コマンドについても同様である。ただし、FFYY(H)の演出制御コマンドについては、YY(H)の部分が入力ポート1の入力データになるので、コマンド送信テーブルは使用されない。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS104)。例えば、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図22参照)に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図32は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類(小当りを含む。)に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図24参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグ(小当りに決定されている場合にもセットされている。)がセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS112,S113)。突然確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114,S115)。小当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116,S117)。確変大当りフラグ、突然確変大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図33は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図34は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS146に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始4指定コマンドを送信し、小当りフラグがセットされている場合には大当り開始2指定コマンドを送信し、そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。なお、ここで、CPU56は、確変フラグおよび時短フラグをリセットする。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば可変表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、小当りフラグがセットされている場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS137,S138)。小当りフラグがセットされていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。なお、小当りフラグがセットされていない場合とは、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りに決定されている場合である。
ステップS146では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する。時短終了フラグがセットされていない場合には、ステップS149に移行する。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットし(ステップS147)、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(ステップS148)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS149)。
なお、時短終了フラグは、特別図柄通常処理におけるステップS69でセットされている。また、時短フラグがリセットされることによって、遊技状態は非時短状態に移行する。この段階で遊技状態が確変状態であれば、遊技状態は、非時短状態の確変状態になる。また、非確変状態であれば、通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない状態)に移行する。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行うとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
図35は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当フラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、可変表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させ(ステップS156)、時短回数カウンタに100を設定する(ステップS157)。
そして、確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされているか否か確認する(ステップS158)。確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグまたは突然確変大当フラグ)をリセットし(ステップS159)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS161)。なお、そのときの遊技状態が確変状態である場合には、既に確変フラグはセットされている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS162)。
ステップS308の小当り開放前処理では、大入賞口開放前処理(ステップS305)と同様の処理を行う。ただし、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理に対応した値に更新することに代えて、小当り開放中処理に対応した値に更新する。また、ステップS309の小当り開放中処理では、大入賞口開放中処理(ステップS306)と同様の処理を行う。ただし、最終ラウンドでない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新し、最終ラウンド(第2ラウンド)であれば、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に対応した値に更新する。
図36は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグおよび小当りフラグをリセットし(ステップS171A,S171B)、大当り終了1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS172)。そして、小当り終了表示タイマに、可変表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS176)。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図37は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータ370に対して送信される払出指令信号等の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。4ビットの賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。賞球カウント信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して送信される払出制御信号であり、払出個数カウントスイッチ187の検出信号に相当する信号である。
図38は、図37に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図38には、払出に関する異常を示す信号(払出エラー信号、球切れ信号、満タン信号)およびその他の異常(ドア開放エラー)を示す信号(ドア開閉信号)も、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して送信されることが示されている。また、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して、賞球払出時の払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態を示す賞球カウント信号も送信される。図38に示すように、賞球REQ信号および賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する信号は、出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介して入力される。
図39は、払出指令信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図39に示すように、入賞検出スイッチ(第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a)が遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数を総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
なお、この実施の形態では、払出指令信号については、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。払出制御用マイクロコンピュータ370は、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信するようにしてもよい。
図40は、払出個数カウントスイッチ187の検出信号の状態と賞球カウント信号の出力状態との関係を示す説明図である。図40に示すように、払出個数カウントスイッチ187の検出信号の状態と賞球カウント信号の出力状態とは、ほぼ相似している。賞球カウント信号の出力状態の、払出個数カウントスイッチ187の検出信号の状態からの遅れ時間は、払出制御用マイクロコンピュータ370における処理時間に相当する。なお、この実施の形態では、カードユニット50からの球貸し要求にもとづく遊技球の払い出しが行われているときも払出個数カウントスイッチ187の検出信号はオン状態になるが、払出制御用マイクロコンピュータ370は、入賞にもとづく賞球払出が行われているときにのみ賞球カウント信号を送信する。
図41は、ステップS23(図19参照)の入力ポートデータ確認処理を示すフローチャートである。入力ポートデータ確認処理において、CPU56は、入力ポート1(図11参照)のデータ(入力データ)を入力ポート1から読み込み(ステップS581)、入力ポート1の入力データと、RAMに形成されている入力ポート1バッファの内容との間でビット毎に排他的論理和をとる(ステップS582)。入力ポート1の入力データとRAMに形成されている入力ポート1バッファの内容との間で、論理(「1」または「0」の意味)が異なっているビットがあれば、8ビットの排他的論理和の演算結果は00(H)にはならない。
そして、CPU56は、排他的論理和の演算結果が00(H)であるか否か判定する(ステップS583)。演算結果が00(H)であれば処理を終了する。演算結果が00(H)でなければ、入力ポート1の入力データをコマンドバッファの2バイト目に設定する(ステップS584)。また、コマンドバッファの1バイト目にFF(H)を設定する(ステップS585)。そして、演出制御コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS586)。CPU56は、ステップS29の演出制御コマンド制御処理で、演出制御コマンド送信要求フラグがセットされていることを確認したら、コマンドバッファの内容を演出制御コマンドとして送信する。なお、演出制御コマンド制御処理で演出制御コマンドを送信するのではなく、演出制御コマンド送信要求フラグをセットすることに代えて、直ちに演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
CPU56は、演出制御コマンド送信要求フラグをセットした後、ステップS581で入力した入力ポート1の入力データを入力ポート1バッファに保存する(ステップS587)。
以上のような制御によって、入力ポート1の入力データが変化したことを条件に、入力ポート1の入力データが演出制御用マイクロコンピュータ100に伝達される。その際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート1の入力データを、そのまま演出制御コマンドとして送信する。よって、入力ポート1に入力される信号が示す情報が多数あっても、遊技制御手段の制御負担は軽い。ただし、CPU56が入力ポート1のデータを一旦取り込んで、取り込んだデータを、毎回、入力ポート1バッファに保存するようにしてもよい。
また、入力ポート1の入力データが変化したことを条件に入力ポート1の入力データに関する演出制御コマンドが主基板31から出力されるので、例えば、所定の制御期間(2ms間隔の期間)に常に1回演出制御コマンドを送信するように構成されている場合に比べて、演出制御コマンドの送信周期が把握されづらくなる。つまり、所定の制御期間の周期が把握されづらくなる。所定の制御期間では、大当りに関わる乱数を生成するためのカウンタの値が1づつ更新されるので、所定の制御期間の周期が把握されやすいとカウンタの値が所定値になるタイミングが把握されやすくなる。所定のタイミングとは、大当り判定用乱数をソフトウェアで作成したり、大当り図柄決定用乱数にもとづいて確変大当りとするか否か決定するように構成されている場合における大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致するタイミングや大当り図柄決定用乱数の値が確変図柄に対応する値と一致するタイミングなどである。カウンタの値が所定値になるタイミングが把握されやすくなるということは、不正行為を受けやすくなるということであるが、この実施の形態では、不正行為を受けにくくすることができる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように乱数回路503および監視回路504が遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられ、乱数エラー信号は、外部から遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力されたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が乱数エラーが生じたか否か判定するようにしてもよい。例えば、乱数回路503に供給されるクロック信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560にも入力させ、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、クロック信号が途絶えていると判定したときに乱数エラーが生じているとして入力ポートデータ指定コマンド(図25参照)の乱数エラー指定ビットをエラーに対応した値に設定する。また、監視回路504からの乱数エラー信号の信号線のレベル(ハイレベルまたはローレベル)を複数回チェックして、例えば1回でも乱数エラー信号の信号線のレベルが乱数エラーに対応したレベルになったら乱数エラーが生じたと判定するようにしてもよい。それらの場合、CPU56は、入力ポート1の入力データを、そのまま演出制御コマンドとして送信するのではなく、入力ポート1の入力データに対して、演出制御コマンドの2バイト目(EXTデータ)における乱数エラー指定ビットに対応するビットの値を乱数エラーに対応した値(この実施の形態では「0」)に設定した上で、演出制御コマンドとする。また、それらの場合、CPU56は、電力供給開始時に乱数エラーが生じたか否か判定するようにしてもよいが、電力供給開始後、常に判定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、CPU56は、入力ポート1の入力データをそのまま演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドとして送信するが、CPU56は、入力ポート1の入力データのうちの一部をそのまま送信し、一部を加工して送信するようにしてもよい。例えば、加工として論理反転して送信するようにしてもよい。なお、論理反転はハードウェアの反転回路で実現してもよい。また、加工として、例えば1バイト中のビット位置を変更するようにしてもよい。ビット位置の変更(シフトを含む)は、ハードウェアの配線で実現してもよい。
また、この実施の形態では、CPU56は、図41に示す入力ポートデータ確認処理をタイマ割込処理で実行するが、メイン処理(図18に示すステップS16とS19の処理の間)で実行するようにしてもよい。
図42は、ステップS29の演出制御コマンド制御処理における演出制御コマンド送信要求フラグにもとづく演出制御コマンドの送信処置を示すフローチャートである。演出制御コマンド制御処理において、CPU56は、演出制御コマンド送信要求フラグがセットされていたら、演出制御コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS591,S592)、コマンドバッファの内容を、演出制御コマンドとして送信するために、ヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加した後、シリアル出力回路78に出力する(ステップS593)。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ370による払出制御手段の動作を説明する。図43は、払出制御用マイクロコンピュータ370における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図43に示すように、出力ポート0は、ステッピングモータによる払出モータ289に供給される各相の信号とを出力するための出力ポートである。また、出力ポート1は、遊技制御用マイクロコンピュータ560への払出エラー信号、球切れ信号、満タン信号および賞球カウント信号を出力するための出力ポートである。出力ポート2は、7セグメントLEDによるエラー表示LED374の各セグメント出力の出力ポートである。
なお、払出制御基板37には、図43には示されていないが、カードユニット50へのEXS信号およびPRDY信号を出力するための出力ポート3も設けられている。また、出力ポート0,1,2は、図7に示された出力ポート372a,372b,372cに相当する。
図44は、払出制御用マイクロコンピュータ370における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図44に示すように、入力ポート0のビット0〜3には、4ビットの賞球個数信号が入力され、ビット4,6,7には、それぞれ、主基板31からの賞球REQ信号、球切れスイッチ187の検出信号、払出モータ位置センサ295の検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット1〜3には、それぞれ、払出個数カウントスイッチ301の検出信号、エラー解除スイッチ375からの操作信号、満タンスイッチ48の検出信号が入力される。入力ポート1のビット4〜6には、それぞれ、カードユニット50からのVL信号、BRDY信号、BRQ信号が入力される。なお、入力ポート0,1は、図7に示された入力ポート372e,372fに相当する。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ370(具体的には、払出制御用CPU371)の動作について説明する。図45は、払出制御手段が実行する払出制御処理を示すフローチャートである。払出制御処理は、例えば、2ms毎に発生するタイマ割込にもとづくタイマ割込処理で実行される。払出制御処理において、払出制御用CPU371は、まず、入力判定処理を行う(ステップS752)。入力判定処理は、入力ポート0および入力ポート1の状態を検出して検出結果をRAMの所定の2バイト(入力状態フラグという。)に反映する処理である。なお、払出制御処理において、入力ポート0および入力ポート1の状態にもとづいて制御を行う場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、入力状態フラグの状態をチェックする。また、入力判定処理において、払出制御用CPU371は、入力ポート0,1の入力データを主基板31に送信する処理も行う。
次に、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS753)。払出モータ制御処理では、払出モータ289を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行う。
また、払出制御用CPU371は、カードユニット50と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS754)。次いで、払出制御用CPU371は、主基板31の遊技制御手段と通信を行う主制御通信処理を実行する(ステップS755)。さらに、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板からの賞球個数信号が示す個数の賞球を払い出す制御を行う賞球球貸し制御処理を実行する(ステップS756)。
そして、払出制御用CPU371は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(ステップS757)。また、遊技機外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(ステップS758)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う表示制御処理を実行する(ステップS759)。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用CPU371は、出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファの内容を出力ポートに出力する(ステップS760:出力処理)。出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファおよび出力ポート2バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)、プリペイドカードユニット制御処理(ステップS754)、主制御通信処理(ステップS755)、情報出力処理(ステップS758)および表示制御処理(ステップS759)で更新される。
図46は、ステップS756の賞球球貸し制御処理を示すフローチャートである。賞球球貸し制御処理において、払出制御用CPU371は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になったことを確認したら(ステップS401)、球貸し中であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減らし(ステップS402,S404)、球貸し中でなければ賞球未払出個数カウンタの値を1減らす(ステップS402,S403)。次に、RAMに形成されている払出制御状態フラグの払出球検知ビットをセットする(ステップS405)。払出球検知ビットは、払出通過待ち処理において、1回の賞球払出処理(最大15個)または1回の球貸し処理において(25個の払出)、払出モータ289を駆動したにもかかわらず遊技球が1個も払出個数カウントスイッチ301を通過しなかったことを検知するために用いられる。その後、払出制御コードの値に応じてステップS410〜S412のいずれかの処理を実行する。
賞球球貸し制御処理において、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の確認や未払出個数カウンタの減算処理を行うときには、エラービットのチェックは実行されない。従って、遊技球の払い出しに関わるエラー状態であっても、払出個数カウントスイッチ301によって遊技球の払い出しが検出される毎に、払い出された遊技球が貸し球であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減算し、賞球であれば賞球未払出個数カウンタの値を1減算する処理を実行する。よって、払い出しに関わるエラーが発生しても、未払出の遊技球数を正確に管理することができる。すなわち、払出制御用CPU371がエラーの発生を検出する前に球払出装置97から払い出された遊技球は、払い出された時点からやや遅れて払出個数カウントスイッチ301によって検出されるのであるが、払出制御用CPU371は、球払出装置97から遊技球が払い出された後、その遊技球が払出個数カウントスイッチ301によって検出される前にエラーの発生を検出したような場合に、エラーの発生を検出する前に球払出装置97から払い出された遊技球を、賞球未払出個数カウンタまたは球貸し未払出個数カウンタに反映できる。
図47は、払出制御コードが0の場合に実行される払出開始待ち処理(ステップS410)を示すフローチャートである。払出開始待ち処理において、払出制御用CPU371は、エラービット(エラーフラグにおける全てのエラービット(図52参照)のうちの1つ以上)がセットされていたら、以降の処理を実行しない(ステップS421)。なお、エラーフラグは、RAMに形成されている。
また、BRDY信号がオン状態でなければ、ステップS431以降の賞球払出のための処理を実行する。BRDY信号がオン状態であって、さらに、球貸し要求信号であるBRQ信号がオン状態になっていたら球貸し動作中フラグをセットする(ステップS423,S424)。そして、球貸し未払出個数カウンタに「25」をセットし(ステップS425)、払出モータ回転回数バッファに「25」をセットする(ステップS426)。
払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。
その後、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理(ステップS522)に応じた値(具体的は「1」)をセットし(ステップS427)、払出制御コードの値を1にして(ステップS428)、処理を終了する。
ステップS431では、払出制御用CPU371は、賞球未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS431)。0であれば処理を終了する。なお、賞球未払出個数カウンタには、主制御通信終了処理において、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560との間で払出指令信号に関わる通信が正常に完了したときに、0でない値(賞球個数信号が示す数)が加算される。賞球未払出個数カウンタの値が0でない場合には、15以上であるか否か確認する(ステップS432)。15未満であれば、払出モータ回転回数バッファに賞球未払出個数カウンタの値をセットし(ステップS433)、15以上であれば、払出モータ回転回数バッファに「15」をセットする。そして、賞球動作中フラグをセットし(ステップS435)、ステップS427に移行する。
図48は、払出制御コードが1の場合に実行される払出モータ停止待ち処理(ステップS411)を示すフローチャートである。払出モータ停止待ち処理において、払出制御用CPU371は、払出動作が終了したか否か確認する(ステップS441)。
払出動作が終了した場合には、払出制御用CPU371は、払出制御監視タイマに払出通過監視時間をセットする(ステップS442)。払出通過監視時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから払出個数カウントスイッチ301を通過するまでの時間に、余裕を持たせた時間である。そして、払出制御コードの値を2にして(ステップS443)、処理を終了する。
図49〜図51は、払出制御コードの値が2の場合に実行される払出通過待ち処理(ステップS412)を示すフローチャートである。払出通過待ち処理では、賞球払出が行われているときには、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、1個の遊技球の再払出動作を、2回を上限として試みる。再払出動作において払出個数カウントスイッチ301によって遊技球が実際に払い出されたことが検出されたら正常に払出が完了したと判定される。なお、この実施の形態では、1回の賞球払出動作で払い出される遊技球数は最大15個であり、また、賞球払出中に賞球個数信号を受信したら賞球未払出個数カウンタの値が増加するので、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。
また、球貸し払出が行われているときには、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、1個の遊技球または球貸し残数(球貸し未払出個数カウンタの値に相当)の再払出動作を試みる。なお、この実施の形態では、1回の球貸し払出動作で払い出される遊技球数は25個(固定値)であり、25個の遊技球が払い出されるように払出モータ289を回転させたのであるから、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、正常に払出が完了していないことになる。
払出通過待ち処理において、払出制御用CPU371は、まず、払出制御タイマの値を確認し、その値が0になっていればステップS453に移行する(ステップS450)。払出制御タイマの値が0でなければ、払出制御タイマの値を−1する(ステップS451)。そして、払出制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS452)、すなわち払出制御タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。なお、ステップS450の処理は、後述する遊技球払出のリトライ動作が開始されたときのことを考慮した処理である。後述するステップS907の処理が実行された場合には、ステップS450からS453に移行するルートを経てリトライ動作が開始される。
払出制御タイマがタイムアウトしていれば(ステップS452)、球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたか否か確認する(ステップS453)。球貸し動作を実行していたか否かは、RAMに形成されている払出制御状態フラグにおける球貸し動作中ビットがセットされているか否か(ステップS423,S424参照)によって確認される。球貸し動作を実行していない場合、すなわち、賞球払出処理(賞球動作)を実行していた場合には、払出制御用CPU371は、賞球未払出個数カウンタの値を確認する(ステップS454)。賞球未払出個数カウンタの値が0になっている場合には、正常に賞球払出処理が完了したとして、払出制御状態フラグにおける払出球検知ビット、再払出動作中1ビット、再払出動作中2ビット、賞球動作中フラグおよび球貸し動作中ビットをリセットし(ステップS455)、払出制御コードを0にして(ステップS456)、処理を終了する、なお、払出球検知ビットは、払出個数カウントスイッチ301がオンしたときにセットされるビットであり、払出動作中に払出個数カウントスイッチ301が少なくとも1個の遊技球を検出したことを示すビットである。また、再払出動作中1ビットおよび再払出動作中2ビットは、2回の再払出動作からなる再払出処理を実行する際に用いられる制御ビットである。
払出制御用CPU371は、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常エラー1ビット、払出スイッチ異常エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS459)、また、払出球検知ビットがセットされていないことを条件として(ステップS461)、再払出動作を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出動作を実行しない。
上述したように、この実施の形態では、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。そこで、払出球検知ビットがセットされていれば、すなわち払出個数カウントスイッチ301が賞球払出処理中に少なくとも1個の遊技球の払出を検出していたら、正常に賞球払出処理が完了したとして、ステップS455に移行する。なお、例えば、1回の賞球払出処理で15個の遊技球を払い出すべきところ、実際には14個の遊技球しか払い出されなかった場合(払出個数カウントスイッチ301が14個の遊技球しか検出しなかった場合)にも、払出球検知ビットがセットされるので正常に賞球払出処理が完了したとみなされるが、その場合には、賞球未払出個数カウンタの値は14しか減算されていないはずであり、不足分は次回の賞球払出処理で払い出されるので、遊技者に不利益を与えることはない。
再払出処理を実行するために、払出制御用CPU371は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS462)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS463)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS464)、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS465)、払出モータ回転回数バッファに再払出動作個数または球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする(ステップS466)。払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。なお、ステップS466において、球貸し未払出数個数カウンタの値も取り扱われるのは、球貸し払出処理における再払出処理でもステップS466が用いられるからである。すなわち、払出制御用CPU371は、ステップS466において、賞球払出処理における再払出処理では再払出動作個数をセットし、球貸し払出処理における再払出処理では球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする。その後、払出制御コードを1にして(ステップS467)、処理を終了する。
ステップS463において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用CPU371は、2回目の再払出を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS468)、再払出動作中1ビットをリセットし(ステップS469)、再払出動作中2ビットをセットする(ステップS470)。そして、ステップS466に移行する。
ステップS462において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用CPU371は、2回の再払出処理を実行しても遊技球が払い出されなかった(払出個数カウントスイッチ301が遊技球を検出しなかった)として、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS472)。その際に、再払出動作中2ビットをリセットしておく(ステップS471)。そして、処理を終了する。
以上のように、再払出処理(補正払出処理)において2回の再払出動作を行っても遊技球が1個も払い出されない場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。
従って、この実施の形態では、払出制御用CPU371は、払出検出手段としての払出個数カウントスイッチ301からの検出信号にもとづいて、遊技球の払い出しが行われなかったことを検出したときに、あらかじめ決められた所定回(この例では2回)を限度として、払出手段に1個の遊技球の払い出しを行わせるように制御を行う。なお、この実施の形態では、遊技球を払い出すためのリトライ動作を2回行っても遊技球の払い出しが行われなかった場合には、払出ケースエラービットをセットしてエラー発生中状態になるが(ステップS472)、遊技球の払い出しが行われなかったことを初めて検知したときに払出ケースエラービットをセットしてもよい。なお、「リトライ動作(あるいは「リトライ」、「リトライ動作処理」)」とは、所定数の遊技球の払い出しを行うための通常の払出処理を実行したのにもかかわらず、実際の払い出し数が少ない場合に実行させる動作であって、通常の払出処理とは別に、未払出の遊技球を払い出すために払出処理を再度実行させるための動作を意味する。
賞球球貸し制御処理において、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を行うか否か判定するためにエラービットがチェックされるのは、図47に示された払出開始待ち処理においてのみである。図48に示された払出モータ停止待ち処理および図49等に示された払出通過待ち処理では、エラービットはチェックされない。なお、払出通過待ち処理におけるステップS459等でもエラービットがチェックされているが、そのチェックは再払出動作を行うか否かを判断するためであって、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を開始するか否か判定するためではない。従って、ステップS426、S433またはステップS434の処理が行われて遊技球の払出処理が開始された後では、エラーが発生しても払出処理は中断されない。すなわち、エラーが発生すると、遊技球の払出処理は、切りのよい時点(1回の賞球払出または1回の球貸しが終了した時点)まで継続される。なお、ステップS421でチェックされるエラーフラグにおけるエラービットの中には、主基板31からの接続確認信号がオフ状態になったことを示すエラービットが含まれている。よって、接続確認信号がオフ状態になったときにも、遊技球の払出処理は、切りのよい時点で停止される。
ステップS453で球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたことを確認すると、払出制御用CPU371は、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS457)。0になっていれば、正常に球貸し払出処理が完了したとしてステップS455に移行する。
ステップS457で、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていなければ、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常エラー1ビット、払出スイッチ異常エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS475)、再払出処理を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出処理を実行しない。
再払出処理を実行するために、払出制御用CPU371は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS476)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS477)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS478)、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS479)、さらに払出球検知ビットをリセットした後(ステップS480)、ステップS466に移行する。
ステップS477において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用CPU371は、再払出動作を再度実行するための処理を行う。具体的には、再払出動作中1ビットをリセットする(ステップS481)。そして、払出球検知ビットがセットされていたら、すなわち、最初の再払出動作で遊技球が払い出されていたら、ステップS483に移行する。払出球検知ビットがセットされていなかったら、2回目の再払出動作を実行するためにステップS484に移行する。
ステップS483では払出球検知ビットをリセットし、その後、ステップS466に移行する。従って、この場合には、再払出動作中1ビットがセットされたままになっているので、再度、初回(最初)の再払出動作が行われる。ステップS484では、再払出動作個数として1をセットし(ステップS484)、再払出動作中2ビットをセットし(ステップS485)、ステップS466に移行する。
ステップS476において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用CPU371は、再払出動作中2ビットをリセットし(ステップS486)、払出球検知ビットがセットされていたら、すなわち、再払出動作で遊技球が払い出されていたらステップS483に移行して残りの未払出分を解消することを試みる。払出球検知ビットがセットされていなかったら、2回の再払出処理を実行しても遊技球が払い出されなかった(払出個数カウントスイッチ301が遊技球を検出しなかった)として、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS488)。そして、処理を終了する。
以上のように、球貸し処理に係る再払出処理(補正払出処理)において連続して2回の再払出動作を行っても遊技球が1個も払い出されない場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。なお、この実施の形態では、球貸し制御処理が賞球制御処理(ステップS431以降の処理)よりも優先して実行されるが(ステップS422参照)、賞球制御処理を球貸し制御処理よりも優先して実行するようにしてもよい。
次に、エラー処理について説明する。図52は、エラーの種類とエラー表示用LED374の表示との関係等を示す説明図である。なお、この実施の形態では、エラー表示用LED374に表示される数値と、エラーフラグの対応ビットとを同じにしている。例えば、「0」の表示は、エラーフラグのビット0に対応している。図52に示すように、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分における球詰まりが検出された場合には、払出スイッチ異常検知エラー1として、エラー表示用LED374に「0」を表示する制御を行う。なお、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分における球詰まりを検出したことは、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオフ状態にならなかったことによって判定される。
遊技球の払出動作中でないにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になった場合には、払出スイッチ異常検知エラー2として、エラー表示用LED374に「1」を表示する制御を行う。払出モータ289の回転異常または遊技球が払い出されたにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態にならない場合には、払出ケースエラーとして、エラー表示用LED374に「2」を表示する制御を行う。不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態になった場合、または不正なタイミングで賞球REQ信号がオフ状態になった場合には、賞球REQ信号エラーとして、エラー表示用LED374に「3」を表示する制御を行う。なお、不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態またはオフ状態になったことは、主制御通信処理において検出される。
また、下皿満タン状態すなわち満タンスイッチ48がオン状態になった場合には、満タンエラーとして、エラー表示用LED374に「4」を表示する制御を行う。補給球の不足状態すなわち球切れスイッチ187がオン状態になった場合には、球切れエラーとして、エラー表示用LED374に「5」を表示する制御を行う。
さらに、カードユニット50からのVL信号がオフ状態になった場合には、プリペイドカードユニット未接続エラーとして、エラー表示用LED374に「6」を表示する制御を行う。不正なタイミングでカードユニット50と通信がなされた場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとして、エラー表示用LED374に「7」を表示する制御を行う。なお、プリペイドカードユニット通信エラーは、プリペイドカードユニット制御処理(ステップS754)において検出される。
以上のエラーのうち、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーまたは賞球REQ信号エラーが発生した後、エラー解除スイッチ375が操作されエラー解除スイッチ375から操作信号が出力されたら(オン状態になったら)、払出制御手段は、エラーが発生する前の状態に復帰する。
図53および図54は、ステップS757のエラー処理を示すフローチャートである。エラー処理において、払出制御用CPU371は、エラーフラグをチェックし、そのうちのセットされているビットが、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのみ(3つのうちのいずれかのビットのみ、もしくは3つのうちの2ビットのみ、またはそれら3ビットのみ)であるか否か確認する(ステップS901)。セットされているビットがそれらのみである場合には、エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態になったか否か確認する(ステップS902)。操作信号がオン状態になったら、エラー復帰時間をエラー復帰前タイマにセットする(ステップS903)。エラー復帰時間は、エラー解除スイッチ375が操作されてから、実際にエラー状態から通常状態に復帰するまでの時間である。
エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態でない場合には、エラー復帰前タイマの値を確認する(ステップS904)。エラー復帰前タイマの値が0であれば、すなわち、エラー復帰前タイマがセットされていなければ、ステップS908に移行する。エラー復帰前タイマがセットされていれば、エラー復帰前タイマの値を−1し(ステップS905)、エラー復帰前タイマの値が0になったら(ステップS906)、エラーフラグのうちの、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットをリセットし(ステップS907)、ステップS908に移行する。
なお、ステップS907の処理が実行されるときに、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットのうちには、セット状態ではないエラービットがある場合もあるが、セット状態にないエラービットをリセットしても何ら問題はない。以上のように、この実施の形態では、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーまたは賞球REQ信号エラーのビットをセットする原因になったエラー(図52参照)が発生した場合には、エラー解除スイッチ375が押下されることによってエラー解除される。
ステップS907の処理が実行されて払出ケースエラービットがリセットされた場合には、払出制御コードが「2」(図49〜図51に示す払出通過待ち処理の実行に対応)であって、賞球未払出個数カウンタの値または球貸し未払出個数カウンタの値が0でないときには、遊技球払出のリトライ動作が開始される。つまり、次にステップS756の賞球球貸し制御処理が実行されるときにステップS412の払出通過待ち処理が実行されると、再び、再払出処理が行われる。例えば、賞球払出処理が行われていた場合には、賞球未払出個数カウンタの値が0でないときには、ステップS454からステップS459に移行し、ステップS459においてエラービットがリセット状態であることが確認されるので、ステップS462以降の再払出処理を開始するための処理が再度実行され、再払出処理が実行される。なお、エラー解除スイッチ375が押下されることによってリセットされた払出ケースエラービットに関して、そのビットがセットされたときには(ステップS472が実行されたとき)、払出制御タイマは既にタイムアップしている。従って、ステップS907の処理が実行されて払出ケースエラービットがリセットされた場合には、次に払出通過待ち処理が実行されるときには、ステップS450の判断において払出制御タイマ=0と判定される。また、払出ケースエラービットがセットされたときには払出球検知ビットは0である(ステップS461の判断で払出球検知ビットは0でないとステップS472が実行されないので)。従って、ステップS459においてエラービットがリセット状態であることが確認されると、必ずステップS462が実行される。つまり、必ず、再払出処理が実行される。
以上のように、払出制御手段は、球払出装置97が遊技球の払い出しを行ったにもかかわらず払出個数カウントスイッチ301が1個も遊技球を検出しなかったときには遊技球を払い出すためのリトライ動作をあらかじめ決められた所定回(例えば2回)を限度として球払出装置97に実行させる補正払出制御を行った後、払出個数カウントスイッチ301が1個も遊技球を検出しなかったことが検出されたときには(図50のステップS461以降を参照)、払い出しに関わる制御状態をエラー状態に移行させ、エラー状態においてエラー解除スイッチ375からエラー解除信号が出力されたことを条件に再度補正払出制御を行わせる補正払出制御再起動処理を実行する。
さらに、エラー状態における再払出処理の実行中(具体的には払出ケースエラーをセットする前の再払出処理中およびエラー解除スイッチ375押下後の再払出処理中)でも、図46に示すステップS401〜S404の処理は実行されている。すなわち、払い出しに関わるエラーが生じているときでも、遊技球が払出個数カウントスイッチ301を通過すれば、賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値が減算される。従って、エラー状態から復帰したときの賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値は、実際に払い出された遊技球数を反映した値になっている。すなわち、払い出しに関わるエラーが発生しても、実際に払い出した遊技球数を正確に管理することができる。
また、図49〜図51に示された払出通過待ち処理において、再払出処理が実行された結果、遊技球が払い出されたことが確認されたときでも、払出ケースエラーのビットはリセットされない。払出ケースエラーのビットがリセットされるのは、あくまでも、エラー解除スイッチ375が操作されたとき(具体的は、操作後エラー復帰時間が経過したとき)である(ステップS902,S903,S907)。すなわち、遊技球が払出個数カウントスイッチ301を通過したこと等にもとづいて自動的に払出ケースエラー(払出不足エラー)の状態が解除されるということはなく、人為的な操作を経ないと払出ケースエラーは解除されない。従って、遊技店員等は、確実に払出不足が発生したことを認識することができる。
ステップS908では、払出制御用CPU371は、満タンスイッチ48の検出信号を確認する。満タンスイッチ48の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの満タンエラービットをセットする(ステップS909)。満タンスイッチ48の検出信号がオフ状態であれば、満タンエラービットをリセットする(ステップS910)。
また、払出制御用CPU371は、球切れスイッチ187の検出信号を確認する(ステップS911)。球切れスイッチ187の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの球切れエラービットをセットする(ステップS912)。球切れスイッチ187の検出信号がオフ状態であれば、球切れエラービットをリセットする(ステップS913)。
また、払出制御用CPU371は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態が設定されるスイッチタイマの値を確認し、その値がスイッチオン最大時間(例えば「240」)を越えていたら(ステップS918)、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー1のビットをセットする(ステップS919)。
スイッチタイマとは、ステップS752の入力判定処理において更新されるカウンタである。スイッチタイマの値がスイッチオン最大時間以下であれば、払出スイッチ異常検知エラー1のビットをリセットする(ステップS920)。なお、スイッチタイマの値は、ステップS752の入力判定処理において、払出個数カウントスイッチ301の検出信号を入力する入力ポートの状態がスイッチオン状態であれば+1され、オフ状態であれば0クリアされる。従って、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間を越えていたということは、スイッチオン最大時間を越えて払出個数カウントスイッチ301がオン状態になっていることを意味し、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分で遊技球が詰まっていると判断される。
また、払出制御用CPU371は、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン判定値(例えば「2」)になった場合に(ステップS921)、球貸し動作中フラグおよび賞球動作中フラグがともにリセット状態であれば、払出動作中でないのに払出個数カウントスイッチ301を遊技球が通過したとして、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー2のビットをセットする(ステップS922,S923)。また、球貸し動作中フラグまたは賞球動作中フラグがセットされていれば、払出スイッチ異常検知エラー2のビットをリセットする(ステップS924)。
さらに、払出制御用CPU371は、カードユニット50からのVL信号の入力状態を確認し(ステップS925)、VL信号が入力されていなければ(オフ状態であれば)、エラーフラグのうちプリペイドカードユニット未接続エラービットをセットする(ステップS926)。また、VL信号が入力されていれば(オン状態であれば)、プリペイドカードユニット未接続エラービットをリセットする(ステップS927)。
なお、この実施の形態では、払い出しに関わるエラーが発生したことを、遊技機裏面に設置されている払出制御基板37に搭載されているエラー表示LED374によって報知するようにしたが、さらに、遊技機の表側に設置されているランプによって報知される。
図55は、ステップS752の入力判定処理のうち、入力ポート0,1(図44参照)の入力データを主基板31に送信する部分の処理を示すフローチャートである。入力判定処理において、払出制御用CPU371は、入力ポート0の入力データを読み込む(ステップS931)。そして、入力データにおける球切れスイッチ187の検出信号を、出力ポート1(図43参照)の球切れ信号のビットに出力する(ステップS932)。また、入力ポート1の入力データを読み込む(ステップS933)。そして、入力データにおける満タンスイッチ48の検出信号を、出力ポート1の満タン信号のビットに出力する(ステップS934)。
さらに、賞球動作中フラグがセットされている場合には(ステップS935)、入力データにおける払出個数カウントスイッチ301の検出信号を、出力ポート1の賞球カウント信号のビットに出力する(ステップS936)。また、エラーフラグ(図52参照)のビット0,1,2,3,6,7のいずれかがセットされている場合には、出力ポート1の払出エラー信号のビットを「1」にする(ステップS937,S938)。エラーフラグのビット0,1,2,3,6,7のいずれもセットされていなければ、出力ポート1の払出エラー信号のビットを「0」にする(ステップS937,S939)。出力ポートは、一般にCPU側から異なるデータが出力されるまで、その出力を維持するので、ステップS938の処理が実行されてからステップS939の処理が実行されるまで払出エラー信号のビットの出力状態を「1」に維持し、ステップS939の処理が実行されてからステップS938の処理が実行されるまで払出エラー信号のビットの出力状態を「0」に維持する。
すなわち、払出エラー信号が出力される(オン状態になること)ということは、図52に示すエラーフラグのビット0,1,2,3,6,7に対応するエラーのいずれかが生じたことを意味する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図56は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、可変表示装置9等の演出装置を用いて遊技機の状態に関する複数種類の情報の報知を行う報知制御プロセス処理を実行する(ステップS707)。さらに、コマンド解析処理や演出制御プロセス処理、報知制御プロセス処理でセットされたデータをシリアル出力回路353に出力したり、各入力IC620,621から受信したデータをシリアル入力回路354から読み込むシリアル入出力処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
図57は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、シリアル入力回路102は、例えば、自回路の段数分(ビット分)のシリアルデータを受信したら、受信完了信号を演出制御用CPU101に出力する。受信完了信号は、例えば演出制御用CPU101の割込端子に入力される。演出制御用CPU101は、受信完了信号が割込端子に入力されたことにもとづいて開始される割込処理で、入力ポート103を介してシリアル入力回路102からデータを入力する。そして、入力したデータを、コマンド受信バッファにおけるコマンド受信個数カウンタが指す受信コマンドバッファに格納するとともに、コマンド受信個数カウンタの値を+1する。コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図24参照)であるのか解析する。
図58〜図61は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS601)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS602)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS603)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
演出制御用CPU101は、乱数エラーチェック済みフラグがセットされていないことを条件に(ステップS610)、受信した演出制御コマンドが入力ポートデータ指定コマンドであり、かつ、そのEXTデータにおける乱数エラー指定ビットが「0」であるか否か確認し(ステップS611)、「0」である場合すなわち乱数エラーが検出されている場合(図11参照)には、乱数エラーフラグをセットする(ステップS612)。また、乱数エラーチェック済みフラグをセットする(ステップS613)。その後、ステップS614に移行する。ステップS610,S611,S613の処理によって、受信した演出制御コマンドが入力ポートデータ指定コマンドであり、かつ、そのEXTデータにおける乱数エラー指定ビットが「0」であるか否かの確認は、演出制御用マイクロコンピュータ100が動作を開始してから1回だけ実行されることになる。また、最初に遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドが入力ポートデータ指定コマンドであり、かつ、そのEXTデータにおける乱数エラー指定ビットが「0」である場合に限り、乱数エラーフラグがセットされる。
ステップS614では、受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。そして、表示結果特定コマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットする(ステップS632B)。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS634)とともに、初期報知フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドのMODEデータがFF(H)であれば、すなわち入力ポートデータ指定コマンドを受信した場合には、ステップS651〜S665,S671〜S681の処理を行う(ステップS650)。
ステップS651では、内部フラグであるドア閉鎖状態フラグ(演出制御用CPU101が遊技枠11が閉鎖していると認識している状態であることを示すフラグ)がセットされていたらステップS655に移行する。ドア閉鎖状態フラグがセットされていない場合には、ドア開閉確認処理を実行した後(ステップS652)、ドア開閉確認処理でドア閉鎖状態フラグがセットされたら、ドア開放エラー報知の開始を要求するためにドア開放エラー報知フラグをセットする(ステップS653,S654)。
ドア閉鎖状態フラグがセットされていた場合には、ドア開閉確認処理を実行した後(ステップS655)、ドア開閉確認処理でドア閉鎖状態フラグがリセットされたら、ドア開放エラー報知フラグをリセットし、エラー報知解除フラグをセットする(ステップS656,S657)。
図62は、ドア開閉確認処理を示すフローチャートである。ドア開閉確認処理において、演出制御用CPU101は、まず、ドア閉鎖状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS685)。ドア閉鎖状態フラグがセットされていない場合には、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)におけるドア開放エラー指定ビットが「1」(閉鎖に対応。図11参照)であるときには、ドア監視カウンタの値を+1する(ステップS686,S687)。ドア開放エラー指定ビットが「0」(開放に対応)であるときには、ドア監視カウンタの値を0にする(ステップS686,S688)。
ステップS687の処理を実行した場合には、ドア監視カウンタの値が所定値(この例では10)になったか否か確認する(ステップS689)。ドア監視カウンタの値が所定値になったら、ドア閉鎖状態フラグをセットし、ドア監視カウンタの値を0にする(ステップS690)。
ドア閉鎖状態フラグがセットされている場合には、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおけるドア開放エラー指定ビットが「0」(開放に対応)であるときには、ドア監視カウンタの値を+1する(ステップS691,S692)。ドア開放エラー指定ビットが「1」(閉鎖に対応)であるときには、ドア監視カウンタの値を0にする(ステップS691,S693)。
ステップS692の処理を実行した場合には、ドア監視カウンタの値が所定値(この例では10)になったか否か確認する(ステップS694)。ドア監視カウンタの値が所定値になったら、ドア閉鎖状態フラグをリセットし、ドア監視カウンタの値を0にする(ステップS695)。
以上の処理によって、ドア閉鎖状態フラグがセットされている場合に、所定時間継続してドア開放エラー信号が「0」である入力ポートデータ指定コマンドを受信し続けたら、ドア閉鎖状態フラグをリセットする。また、ドア閉鎖状態フラグがリセットされていない場合に、所定時間継続してドア開放エラー信号が「1」である入力ポートデータ指定コマンドを受信し続けたら、ドア閉鎖状態フラグをセットする。遊技枠11のドアが開閉される場合、ドア開放センサ155の検出信号はチャッタリングを引き起こすが、上記の処理によって、ドア開放センサ155の検出信号の状態が安定してから、ドア閉鎖状態フラグのセット/リセット状態が変更される。すなわち、ドア閉鎖状態フラグのセット/リセット状態の変化が一時的に繰り返されることは防止され、その結果、ドア開放エラー報知フラグのセット/リセット状態の変化が一時的に繰り返されることが防止される。
また、演出制御用CPU101は、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける払出エラー指定ビットが「1」から「0」に変化したか否か確認し(ステップS658)、「1」から「0」に変化した場合すなわち払出エラーの解除が検出された場合(図11参照)には、払出エラー報知フラグをリセットし、エラー報知解除フラグをセットして(ステップS659)、ステップS679に移行する。なお、演出制御用CPU101は、受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)とEXTデータ保存領域に保存されている入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(前回受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ)とを比較することによって、払出エラービットが変化したか否かを判定する。
さらに、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける払出エラー指定ビットが「0」から「1」に変化したか否か確認し(ステップS660)、「0」から「1」に変化した場合すなわち払出エラーの検出された場合には、払出エラー報知の開始を要求するために払出エラー報知フラグをセットして(ステップS661)、ステップS679に移行する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける球切れエラー指定ビットが「1」から「0」に変化したか否か確認し(ステップS662)、「1」から「0」に変化した場合すなわち球切れエラーの解除が検出された場合(図11参照)には、球切れエラー報知フラグをリセットし、エラー報知解除フラグをセットして(ステップS663)、ステップS679に移行する。なお、演出制御用CPU101は、受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)とEXTデータ保存領域に保存されている入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(前回受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ)とを比較することによって、球切れエラービットが変化したか否かを判定する。
さらに、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける球切れエラー指定ビットが「0」から「1」に変化したか否か確認し(ステップS664)、「0」から「1」に変化した場合すなわち球切れエラーが検出された場合には、球切れエラー報知の開始を要求するために球切れエラー報知フラグをセットして(ステップS665)、ステップS679に移行する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける満タンエラー指定ビットが「1」から「0」に変化したか否か確認し(ステップS671)、「1」から「0」に変化した場合すなわち満タンエラーの解除が検出された場合(図11参照)には、満タンエラー報知フラグをリセットし、エラー報知解除フラグをセットして(ステップS672)、ステップS679に移行する。なお、演出制御用CPU101は、受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)とEXTデータ保存領域に保存されている入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(前回受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ)とを比較することによって、満タンエラービットが変化したか否かを判定する。
さらに、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける満タンエラー指定ビットが「0」から「1」に変化したか否か確認し(ステップS673)、「0」から「1」に変化した場合すなわち満タンエラーが検出された場合には、満タンエラー報知の開始を要求するために満タンエラー報知フラグをセットして(ステップS674)、ステップS679に移行する。
また、演出制御用CPU101は、賞球払出報知が実行されている状態であることを示す賞球払出報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS675)。賞球払出報知フラグがセットされていない場合には、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける賞球カウント指定ビットが「0」から「1」に変化したか否か確認し(ステップS676)、「0」から「1」に変化した場合すなわち払出個数カウントスイッチ301がオン状態になった場合には、賞球払出報知の開始を要求するために賞球払出報知フラグをセットする(ステップS677)。そして、賞球カウント指定監視タイマに所定値(例えば、1秒に相当する値)をセットする(ステップS678)。賞球カウント指定監視タイマとは、賞球払出が終了したか否か確認するためのタイマであり、賞球カウント指定監視タイマがタイムアウトすると、賞球払出報知が終了される。なお、演出制御用CPU101は、受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)とEXTデータ保存領域に保存されている入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(前回受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ)とを比較することによって、賞球カウント指定ビットが変化したか否かを判定する。
賞球払出報知フラグがセットされている場合には、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける賞球カウント指定ビットが「0」から「1」に変化したときには、賞球カウント指定監視タイマに所定値を再セットする(ステップS660,S661)。ステップS660,S661の処理によって、払出個数カウントスイッチ301がオンが連続する場合には、賞球カウント指定監視タイマはタイムアウトしない。
ステップS679では、受信した入力ポートデータ指定コマンド(FFYY(H))のEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)を、次に入力ポートデータ指定コマンドを受信したときに、前回受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータとして使用するためにRAMのEXTデータ保存領域に保存する。なお、ステップS701の初期化処理において、EXTデータ保存領域の内容は20(H)に初期化されている。20(H)は、各エラー信号および賞球カウント信号がオフ状態である場合に相当する(図11における入力ポート0参照)。そして、ステップS661に移行する。また、ステップS645において演出制御コマンドのMODEデータがFF(H)でないことを確認した場合には、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS666)。そして、ステップS611に移行する。
図63は、図56に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、可変表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、可変表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):可変表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図64は、図63に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図65は、図63に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読み出す(ステップS816)。
次いで、表示結果特定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS817)。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされていなければ、ステップS830に移行する。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされている場合には、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS818)。
図66は、可変表示装置9における飾り図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図66に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った飾り図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが小当りまたは突然確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての左中右の飾り図柄として「135」(小当りまたは突然確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。なお、可変表示装置9に導出表示される左中右の飾り図柄の組合せが飾り図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。突然確変大当りを想起させるような停止図柄を突然確変大当り図柄といい、小当りを想起させるような停止図柄を小当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、演出制御用CPU101は、表示結果特定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS819)。次いで、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS834)。
図67は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って可変表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。なお、この実施の形態では、図67に示す通常の遊技演出に用いられるプロセステーブルとは別に、エラー報知など各種遊技状態の報知を行う際に用いられる報知用のプロセステーブル(用報知プロセステーブル)が用意されている。報知用プロセステーブルについては後述する。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、可変表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。
図67に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図68は、各演出制御コマンドを受信した場合にプロセスデータ(報知用プロセスデータを含む)に応じて実行されるランプの制御内容の例を示す説明図である。図68に示すように、演出制御用CPU101は、例えば、大当り終了1指定コマンドを受信し、遊技状態を通常状態とする場合には、遊技盤6上のセンター飾り用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fのみを点灯させるように制御する。そして、遊技状態が通常状態である間、遊技盤6上のセンター飾り用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fのみを点灯させるような演出を行う。
また、演出制御用CPU101は、例えば、大当り終了2指定コマンドを受信し、遊技状態を確変状態とする場合には、遊技盤6上のセンター飾り用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fの点灯に加えて、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを所定時間間隔(例えば1秒)で点滅させるように制御する。そして、遊技状態が確変状態である間、遊技盤6上のセンター飾り用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fの点灯に加えて、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを所定時間間隔(例えば1秒)で点滅させるような演出を行う。
また、演出制御用CPU101は、例えば、大当り開始指定コマンドを受信し大当りとなった場合には、遊技盤6上のセンター飾り用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fを点滅させるとともに、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを確変状態よりも速い時間間隔(例えば0.5秒)で点滅させるような演出を行う。そのような演出を行うことによって、遊技状態が確変状態であるときと比較して、より多くのランプをより速い時間間隔で点滅表示させることによって、大当りの発生時に確変状態であるときと比較してより派手な印象を与える演出を行うことができる。
また、演出制御用CPU101は、乱数エラー指定ビットがセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、乱数エラー報知を行う場合には、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるような演出を行う。満タンエラー指定ビットがセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、満タンエラー報知を行う場合には、皿ランプ82a〜82dを点滅させるような演出を行う。ドア開放エラー指定ビットがセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、ドア開放エラー報知を行う場合には、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点滅させるような演出を行う。球切れエラー指定ビットがセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、球切れエラー報知を行う場合には、遊技枠11側の天枠ランプ281a〜281lを点滅させるような演出を行う。払出エラー指定ビットがセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、払出エラー報知を行う場合には、遊技枠11側の天枠ランプ281a〜281lを点滅させるような演出を行う。
また、演出制御用CPU101は、賞球カウント指定ビットがセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、賞球払出報知を行う場合には、遊技枠11側の左賞球ランプ51aおよび右賞球ランプ51bを点滅させるような演出を行う。
演出制御用CPU101は、いずれかのエラーフラグ(乱数エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、払出エラー報知フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての可変表示装置9、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS835A,S835B)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データ1に従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS835C)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技状態が通常状態である場合には、センター装飾用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fのみを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技状態が確変状態である場合には、センター装飾用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fを点灯させるとともに、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS835Cでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
いずれかのエラーフラグがセットされている場合には、音番号データ1およびランプ制御実行データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS835A,S835D)。つまり、いずれかのエラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出およびランプによる表示演出が実行されるのではなく、各種エラー報知(乱数エラー報知、満タンエラー報知、ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、払出エラー報知)に応じた音出力およびランプによる表示演出が継続される。
また、ステップS835Dの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、可変表示装置9におけるそのときの表示(エラー報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に可変表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、いずれかのエラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、各種エラー報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS836)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS837)。
ステップS830では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したか否か確認する。この実施の形態では、図23に示すように、「リーチC・短縮」、「リーチC」および「スーパーリーチA」の変動パターンコマンドが、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドである。よって、演出制御用CPU101は、それらの変動パターンコマンドを示すデータが変動パターンコマンド格納領域に格納されていた場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定する。演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定する(ステップS832)。また、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた飾り図柄の組合せに決定する(ステップS831)。なお、この実施の形態では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドは、はずれ時に使用されるか、大当りの種類に応じて使用される(図22参照)。よって、演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合には、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、はずれに決定されているのか大当り(小当りを含む。)に決定されているのか特定でき、かつ、大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類を特定できる。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信した場合に、表示結果特定コマンドを受信できなかったときには、飾り図柄の表示結果(停止図柄)を通常大当り図柄に決定するように構成されているので、表示結果特定コマンドを受信できなくても特定遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させることができる。また、変動パターンコマンドに飾り図柄の表示結果を特定可能な情報を含めることによって、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果特定コマンドを受信できなくても飾り図柄の表示結果を決定できるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担は増大しない。
図69は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。
また、いずれかのエラーフラグ(乱数エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、払出エラー報知フラグ)がセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出用装置としての可変表示装置9に対する制御状態を変更する(ステップS845A,S845B)。
ステップS845Bにおいて、演出制御用CPU101は、例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用CPU101は、ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS845C)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技状態が通常状態である場合には、センター装飾用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fのみを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技状態が確変状態である場合には、センター装飾用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fを点灯させるとともに、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS845Cでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
いずれかのエラーフラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiおよびランプ制御実行データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845A,S845D)。よって、いずれかのエラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出およびランプによる表示演出が実行されるのではなく、各種エラー報知(乱数エラー報知、満タンエラー報知、ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、払出エラー報知)に応じた音出力およびランプによる表示演出が継続される。
また、ステップS845Dの処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、いずれかのエラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、各種エラー報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847)、ステップS848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図70は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、決定されている停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS854)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS855)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS856)。時短状態フラグは、遊技状態が時短状態である場合にセットされている(後述するステップS886参照)。時短状態フラグがセットされている場合には、時短変動回数カウンタの値を+1する(ステップS857)。
そして、演出制御用CPU101は、時短変動回数カウンタの値が100になっているか否か確認する(ステップS858)。時短変動回数カウンタの値が100になっている場合には、時短状態フラグをリセットする(ステップS859)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS860)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図71は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を可変表示装置9に表示する制御を行う。また、大当り開始4指定コマンドを受信している場合には、突然確変大当り遊技の開始を報知する画面を可変表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面および突然確変大当り遊技の開始を報知する画面とは異なる。)を可変表示装置9に表示する制御を行う。
図72は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、可変表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、この実施の形態では、大当りの種類が異なっても、同じ大当り終了画面が可変表示装置9に表示される。例えば、大当り終了表示と小当り終了表示とは同じである。しかし、大当り終了表示(小当り終了表示を含む。)を、大当りの種類に応じて分けるようにしてもよい。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短状態フラグをセットし(ステップS887)、時短回数カウンタに0を設定する(ステップS888)。また、大当り終了1指定コマンドを受信している場合には、確変状態フラグをリセットする(ステップS889,S891)。大当り終了1指定コマンドを受信していない場合(大当り終了2指定コマンドを受信している場合)には、確変状態フラグをセットする(ステップS889,S890)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
確変状態フラグおよび時短状態フラグは、例えば、演出制御用CPU101が、確変状態および時短状態を、可変表示装置9における背景や各ランプによって報知する場合に使用される。
次に、ステップS707の報知制御プロセス処理について説明する。まず、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様について説明する。図73は、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知および賞球払出報知の態様の例を示す説明図である。図73に示すように、ドア開放エラー報知は、遊技枠11が開放されている間(例えば、ドア開放センサ155の検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点滅させる制御を行う。また、スピーカ27に「扉が開いています」という音声とともに所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。
また、球切れエラー報知は、球切れ発生から球切れ状態が解除されるまで(例えば、球切れスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、球切れエラー報知を行う場合、遊技枠11側の天枠ランプ281a〜281lを点滅させる制御を行う。また、満タンエラー報知は、下皿の満タン状態の発生から満タン状態が解除されるまで(例えば、満タンスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用CPU101は、満タンエラー報知を行う場合、遊技枠11側の皿ランプ82a〜82dを点滅させるとともに、「下皿が満タンです」という音声を出力させる制御を行う。また、可変表示装置9に「下皿が満タンです」と表示させる制御を行う。この場合、可変表示装置9において遊技演出による表示(例えば、飾り図柄の可変表示)が行われている場合には、可変表示装置9に「下皿が満タンです」という文字列を重畳表示させる。
また、払出エラー報知は、払出エラー発生から払出エラー状態が解除されるまで実行される。演出制御用CPU101は、払出エラー報知を行う場合、遊技枠11側の天枠ランプ281a〜281lを点滅させる制御を行う。また、乱数エラー報知は、遊技機の電源投入の際に乱数エラーを検出してから電源がオフされるまで実行される。演出制御用CPU101は、乱数エラー報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるとともに、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。また、可変表示装置9に「エラー」と表示させる制御を行う。この場合、可変表示装置9において遊技演出による表示(例えば、飾り図柄の可変表示)が行われている場合には、可変表示装置9に「エラー」という文字列を重畳表示させる。
また、賞球払出報知は、賞球払出が実行されている期間において実行される。ただし、賞球払出報知の終了時点は、演出制御用CPU101が入力ポートデータ指定コマンドにおける賞球カウント指定ビットにもとづいて判定していることから、実際の賞球払出の終了時点からやや遅れる。演出制御用CPU101は、賞球払出報知を行う場合、遊技枠11側の左賞球ランプ51aおよび右賞球ランプ51bを点滅させるとともに、所定の報知音(賞球払出報知音)を出力させる制御を行う。
図74は、図39に示されたメイン処理における報知制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。報知制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値に応じてステップS1900,S1901のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
報知開始処理(ステップS1900)は、コマンド解析処理でセットされる初期報知フラグ、各エラーフラグ(乱数エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、払出エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ)および賞球払出報知フラグにもとづいて、エラー等の報知を開始する処理である。報知を開始すると、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(ステップS1901)に対応した値に変更する。
報知中処理(ステップS1901)は、初期報知フラグ、各エラーフラグ(乱数エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、払出エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ)および賞球払出報知フラグにもとづいて、報知を継続する処理である。また、コマンド解析処理でセットされるエラー報知解除フラグにもとづいて、または賞球払出報知フラグがリセットされたことにもとづいて、報知を終了する。報知を終了すると、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1901)に対応した値に変更する。
図75および図76は、図74に示された報知制御プロセス処理における報知開始処理(ステップS1900)を示すフローチャートである。報知開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1911)。セットされている場合には、演出制御用CPU101は、期間タイマ1に、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS1912)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行う期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。
初期報知フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1913)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、ドア開放エラーに応じた報知用プロセスデータを選択する(ステップS1914)。この実施の形態では、各種報知を行う際にスピーカ27および各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51b,82a〜82dを制御するための報知用のプロセスデータ(報知用プロセスデータ)があらかじめ用意されている。なお、報知用プロセスデータについては後述する。
次いで、演出制御用CPU101は、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1915)とともに、報知用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1916)。例えば、演出制御用CPU101は、「扉が開いています」などの音声とともに所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理(図82参照)を実行する(ステップS1917)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1917でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。そして、ステップS1950に移行する。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、乱数エラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1918)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、乱数エラーであることを示す乱数エラー表示画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS1919)。次いで、演出制御用CPU101は、乱数エラーに応じた報知用プロセスデータを選択する(ステップS1920)。次いで、演出制御用CPU101は、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1921)とともに、報知用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1922)。例えば、演出制御用CPU101は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1923)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1923でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。そして、ステップS1950に移行する。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、賞球払出報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1924)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、賞球払出報知に応じた報知用プロセスデータを選択する(ステップS1925)。次いで、演出制御用CPU101は、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1926)とともに、報知用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1927)。例えば、演出制御用CPU101は、所定の賞球払出報知音を出力するようにスピーカ27を制御する。
なお、この実施の形態では、賞球払出中であることを報知する場合にランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行うようにしたが、ランプを用いた報知処理のみを行いスピーカ27を用いた音による報知処理を行わないようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、左賞球ランプ51aおよび右賞球ランプ51bを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1928)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠に設けられた左賞球ランプ51aおよび右賞球ランプ51bを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1928でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板603,604に出力される。そして、ステップS1950に移行する。
賞球払出報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1936)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、満タンエラーであることを示す満タンエラー表示画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS1937)。次いで、演出制御用CPU101は、満タンエラーに応じた報知用プロセスデータを選択する(ステップS1938)。次いで、演出制御用CPU101は、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1939)とともに、報知用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1940)。例えば、演出制御用CPU101は、「下皿が満タンです」などの音声を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1941)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた皿ランプ82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1941でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して枠側IC基板605に出力される。
満タンエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、払出エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1942)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、払出エラーに応じた報知用プロセスデータを選択する(ステップS1943)とともに、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1944)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1945)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプ281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1945でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。
なお、この実施の形態では、払出エラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行いスピーカ27を用いた音による報知処理を行わない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行うようにしてもよい。
払出エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1946)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、球切れエラーに応じた報知用プロセスデータを選択する(ステップS1947)とともに、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1948)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1949)。例えば、演出制御用CPU101は、遊技枠11に設けられた天枠ランプ281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1949でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。
なお、この実施の形態では、球切れエラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行いスピーカ27を用いた音による報知処理を行わない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行うようにしてもよい。
ステップS1950では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(ステップS1901)に対応した値に変更し、処理を終了する。
図77〜図79は、図74に示された報知制御プロセス処理における報知中処理(ステップS1901)を示すフローチャートである。報知中処理において、演出制御用CPU101は、まず、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1960)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図59におけるステップS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1965に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS1912で設定された期間タイマ1の値を−1する(ステップS1961)。そして、期間タイマ1の値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS1962,S1963)。なお、期間タイマ1の値が0でなければ、そのまま処理を終了する。
さらに、演出制御用CPU101は、可変表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1964)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。そして、ステップS2010に移行する。
初期報知フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、ドア開放エラー報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1965)。セットされていなければ、ステップS1971に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、報知用プロセスタイマを−1する(ステップS1966)とともに、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1967)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS1968)。
図80は、報知用プロセステーブルの構成例を示す説明図である。報知用プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行して各種報知を行う際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、報知用プロセステーブルに設定されているデータに従ってスピーカ27および各ランプの制御を行ってエラー報知等の報知を行う。報知用プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、報知用ランプ制御実行データおよび報知用音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。プロセスタイマ設定値には、その音出力状態およびランプの表示状態での継続時間が設定されている。演出制御用CPU101は、報知用プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ表示制御実行データに設定されている態様で各ランプの点灯、非点灯状態を制御するとともに、スピーカ27を用いた音出力を制御する。
図80に示す報知用プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、報知用プロセステーブルは、エラーの種類(乱数エラー、満タンエラー、ドア開放エラー、球切れエラー、払出エラー)に応じて用意されている。また、この実施の形態では、報知用プロセスタイマがタイムアウトする毎に、パターンAの点灯とパターンBの点灯とを切り替えて、点灯または点滅するように制御される。
次いで、演出制御用CPU101は、報知用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1969)。ステップS1969において、演出制御用CPU101は、対応する報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に「扉が開いています」との音声と所定のエラー音(例えばビープ音)とを出力させる。
また、演出制御用CPU101は、報知用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1970)。例えば、ステップS1970において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1970でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、乱数エラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1971)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、報知用プロセスタイマを−1する(ステップS1972)とともに、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1973)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS1974)。
次いで、演出制御用CPU101は、報知用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1975)。ステップS1975において、演出制御用CPU101は、対応する報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、報知用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1976)。例えば、ステップS1976において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1976でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
乱数エラーフラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、賞球払出報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1981)。セットされていなければ、ステップS1993に移行する。セットされていれば、賞球カウント指定監視タイマの値を−1する(ステップS1982)。そして、賞球カウント指定監視タイマがタイムアウトした場合には(ステップS1983)、賞球払出報知フラグをリセットし(ステップS1984)、左賞球ランプ51aおよび右賞球ランプ51bを消灯させる制御を行う(ステップS1985)。具体的には、シリアル−パラレル変換IC613,614に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号を送信する。そして、ステップS2010に移行する。
賞球カウント指定監視タイマがタイムアウトしていない場合には、報知用プロセスタイマを−1し(ステップS1986)、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1987)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS1988)。
次いで、演出制御用CPU101は、報知用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1989)。ステップS1989において、演出制御用CPU101は、賞球払出報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、所定の賞球払出報知音を出力するようにスピーカ27を制御する。
また、演出制御用CPU101は、報知用ランプ制御実行データに従って、賞球払出の報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1990)。ステップS1990において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた賞球ランプ51a,51bを点灯または消灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1990でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
賞球払出報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、満タンエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1993)。セットされていなければ、ステップS1999に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、報知用プロセスタイマを−1する(ステップS1994)とともに、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1995)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS1996)。
次いで、演出制御用CPU101は、報知用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1997)。ステップS1997において、演出制御用CPU101は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用CPU101は、スピーカ27に「下皿が満タンです」との音声を出力させる。
また、演出制御用CPU101は、報知用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1998)。例えば、ステップS1998において、演出制御用CPU101は、皿ランプ82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1998でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
満タンエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、払出エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1999)。セットされていなければ、ステップS2005に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、報知用プロセスタイマを−1する(ステップS2000)とともに、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2001)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS2002)。
また、演出制御用CPU101は、報知用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2003)。例えば、ステップS2003において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2003でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
払出エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用CPU101は、球切れエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2004)。セットされていなければ、ステップS2010に移行する。セットされていれば、演出制御用CPU101は、報知用プロセスタイマを−1する(ステップS2005)とともに、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2006)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS2007)。
また、演出制御用CPU101は、報知用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2008)。例えば、ステップS2008において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2008でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
なお、この実施の形態では、図73に示すように、球切れエラーまたは払出エラーを報知する場合には、スピーカ27からの音出力を行わないが、球切れエラーや払出エラーを報知する場合にも、スピーカ27を用いた音出力制御を行うようにしてもよい。
ステップS2009では、演出制御用CPU101は、エラー報知解除フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、ステップS2010に移行する。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。ステップS2010では、演出制御用CPU101は、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1900)に対応した値に変更し、処理を終了する。なお、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1900)に対応した値に変更するということは、エラー報知を直ちに停止するということであるが、そのときに、各種エラー報知の態様(図73参照)を元の状態に戻す。エラー報知解除フラグがセットされる場合にはエラー報知フラグもリセットされるので、そのときに飾り図柄の変動が実行されている場合には、他のエラー報知フラグがセットされていないことを条件に、可変表示装置9、各種ランプおよびスピーカ27の態様は、変動パターンに対応した態様に戻る(図69のステップS845A〜S845C参照)。
以上のような処理が実行されることによって、各種の報知が実行される。また、乱数エラー報知は、遊技機への電力供給が開始されてから最初に送信される演出制御コマンドによって遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に乱数エラーが報知されるので、制御の順序にかかわらず、最も優先度が高いことになる。
なお、この実施の形態では、あるエラー報知が実行されているときに他のエラーが生じた場合(複数のエラーが同時に生じた場合を含む。)には、エラー報知の態様が、他のエラーについてのエラー報知の態様に変更されることがある。例えば、満タンエラーの報知の実行中にドア開放エラー報知フラグがセットされた場合には、エラー報知の態様は、ドア開放エラーの報知態様になる(プログラム上、ステップS1993〜S1998の処理よりも先にステップS1965の処理が実行されるように構成されているので)。その場合、演出制御用CPU101は、使用する報知用プロセステーブルを切り替える。また、エラー報知の態様は変わらず、実行されているエラー報知が終了してから、他のエラーについてのエラー報知が開始されることがある。例えば、満タンエラーの報知の実行中に球切れエラー報知フラグがセットされた場合には、満タンエラーの報知は続行され、満タンエラーの報知が終了してから、球切れエラーについてのエラー報知が開始される(プログラム上、ステップS1993〜S1998の処理が実行される場合にはステップS2004の処理が実行されないように構成されているので。また、実行されているエラー報知中は、他のエラーについてのエラー報知フラグがセットされたままの状態になるので)。
しかし、あるエラー報知が実行されているときに他のエラーが生じた場合には、エラー報知の態様を、常に、他のエラーについてのエラー報知の態様に変更するようにしてもよい。そのように制御する場合には、ステップS1960で「N」と判定されたときには、演出制御用CPU101は、全てのエラー報知フラグ(乱数エラーフラグ、ドア開放エラー報知フラグ、満タンエラー報知フラグ、満タンエラー報知フラグ)について、セットされているか否か確認する。また、エラー報知の態様として、それぞれのエラーが単独に生じた場合のエラー報知の態様(図73および図81参照)に加えて、複数種類のエラーが生じた場合のエラー報知の態様を定義する。例えば、ドア開放エラーのみが生じた場合のエラー報知の態様、ドア開放エラーと乱数エラーとが生じた場合のエラー報知の態様、ドア開放エラーと乱数エラーと満タンエラーとが生じた場合のエラー報知の態様、ドア開放エラーと乱数エラーと満タンエラーと球切れエラーとが生じた場合のエラー報知の態様を定義する。他のエラーについても、エラーが単独に生じた場合のエラー報知の態様に加えて、別の1つ以上のエラーがともに生じている場合のエラー報知の態様を定義する。それらのエラー態様を示すデータは、例えばROMにテーブルとして記憶される。演出制御用CPU101は、セットされている1つ以上のエラー報知フラグに対応するテーブルを参照してエラー報知の態様を選択する。そして、選択したエラー報知の態様にもとづくエラー報知を実行する。また、複数のエラーに対応したエラー報知の実行中に、いずれかのエラー報知フラグがリセットされた場合には、エラー報知の態様を、そのエラー報知フラグに対応するエラーを除いたエラー報知の態様に変更する。
なお、この実施の形態では、賞球払出報知フラグのセット/リセットについても報知制御プロセス処理で判定されているが、賞球払出報知フラグのセット/リセット、およびセットされたことにもとづく賞球払出報知の制御を、報知制御プロセス処理とは別の処理で実行するようにしてもよい。
次に、報知用ランプ制御実行データに従って所定のデータ格納領域にセットされるランプ制御信号について説明する。図81は、報知制御プロセス処理においてシリアル信号方式で出力されるランプ制御信号の例を示す説明図である。図81に示すように、この実施の形態では、報知の種類ごとに2パターン(パターンAとパターンB)の報知用ランプ制御実行データが用いられる。この実施の形態では、パターンAとパターンBの報知用ランプ制御実行データを切り替えて用いることにより、ランプの点滅表示が制御される。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図81に示すランプ制御信号を、報知用ランプ制御実行データに対応付けて、あらかじめROMに設けられた所定のランプ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用CPU101は、報知用ランプ制御実行データにもとづいて、所定のランプ制御信号格納領域からランプ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各ランプ制御信号は、図81に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC611〜615のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。例えば、天枠ランプのうちの一部のランプ281a〜281fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC611のアドレスは「01」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0001」が付加された状態で格納されている。また、天枠ランプのうちの他の一部のランプ281g〜281lに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC612のアドレスは「02」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0010」が付加された状態で格納されている。また、右枠ランプのランプ283a〜283eおよび右賞球ランプ51bに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC613のアドレスは「03」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0011」が付加された状態で格納されている。また、左枠ランプのランプ282a〜282eおよび左賞球ランプ51aに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC614のアドレスは「04」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0100」が付加された状態で格納されている。
乱数エラーを報知する場合には、図81に示すように、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」または「00011111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eが点灯される。
ドア開放エラーを報知する場合には、図81に示すように、まず、パターンAの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」または「00011111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、ドア開放エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた全てのランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
払出エラーを報知する場合には、図81に示すように、まず、パターンAの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「02」のシリアル−パラレル変換IC612に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプを構成する一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281fのみが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「02」のシリアル−パラレル変換IC612に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプの他の一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプの他の一部を構成するLEDのみが点灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、払出エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281fと天枠ランプ281g〜281lとが交互に所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
球切れエラーを報知する場合には、図81に示すように、まず、パターンAの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、球切れエラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lのみを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
満タンエラーを報知する場合には、図81に示すように、まず、パターンAの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00001111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、皿ランプ82a〜82dに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、皿ランプ82a〜82dが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、皿ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、皿ランプ82a〜82dが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、満タンエラーを報知する場合、皿ランプ82a〜82dのみを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
なお、シリアル−パラレル変換IC615に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はランプ82aへの入力信号、2ビット目はランプ82bへの入力信号、3ビット目はランプ82cへの入力信号、4ビット目はランプ82dへの入力信号、5ビット目はランプ83への入力信号に対応している。
賞球払出を報知する場合には、図81に示すように、アドレスが「03」および「04」の各シリアル−パラレル変換IC613,614に、制御データ本体が「00100000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、賞球ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた左賞球51aおよび右賞球ランプ51bが点灯される。
また、プロセスデータ切替時に、パターンBの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、賞球ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた左賞球51aおよび右賞球ランプ51bが消灯される。
なお、図81に示す例では、報知を行う際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC611〜615にもランプ制御信号が供給される。そのようにすることによって、エラー報知の際の制御対象ではないランプを確実に消灯させた状態にすることができる。
ただし、各種の報知を行う際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC611〜615にはランプ制御信号を出力(送信)しないようにしてもよい。
次に、シリアル設定処理について説明する。図82は、シリアル設定処理の一例を示すフローチャートである。シリアル設定処理は、例えば、演出制御プロセス処理において飾り図柄の可変表示を行うとき(ステップS835C,845C参照)や、各種の報知を行うとき(ステップS1917,S1923,S1928,S1941,S1945,S1949,S1970,S1976,S1983,S1998,S2003,S2008)に実行される。なお、ここでは、可動部材151〜153の制御にも言及する。
シリアル設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ROMからランプ制御実行データ(変動パターンに伴うランプの点灯パターンのデータや、モータ制御用データ(ステップS835Cのみ)など)を読み出す(ステップS950)。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、飾り図柄の可変表示の実行中にシリアル設定処理を行う場合には、図67に示したプロセステーブルのランプ制御実行データを読み出すことになる。また、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行う場合には、図80に示した報知用プロセステーブルの報知用ランプ制御実行データを読み出すことになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読み出したランプ制御実行データにもとづいて、各ランプの表示状態に変更があるか否かを確認する(ステップS951)。各ランプの表示状態に変更があれば、演出制御用CPU101は、表示制御対象のランプのシリアル−パラレル変換ICのアドレスが付加されたランプ制御信号を、所定のランプ制御信号格納領域から抽出する(ステップS952)。次いで、抽出したランプ制御信号に、図16に示すヘッダデータ(1FF(H))やマークビット、エンドビットを付加して、RAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(ステップS953)。そして、ランプ制御信号出力要求フラグをセットする(ステップS954)。
例えば、報知制御プロセス処理におけるステップS907,S922,S929でシリアル設定処理が実行された場合には、ステップS952で図81に示すいずれかのアドレス付きのランプ制御信号が読み出され、ステップS953でデータ格納領域に設定されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、ROMから表示制御実行データを読み出す(ステップS955)。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、飾り図柄の可変表示の実行中にシリアル設定処理を行う場合には、図67に示したプロセステーブルの表示制御実行データを読み出すことになる。一方、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行う場合には、図80に示した報知用プロセステーブルには表示制御実行データは含まれないので、次のステップS956でそのままNと判定されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、読み出した表示制御実行データにもとづいて、いずれかの可動部材151〜153の可動が遊技演出に含まれるか否かを確認する(ステップS956)。可動部材151〜153の可動がある場合には、演出制御用CPU101は、可動対象の可動部材151〜153のシリアル−パラレル変換ICのアドレス(この例では「06」)が付加されたモータ制御信号を、所定のモータ制御信号格納領域から抽出する(ステップS957)。次いで、抽出したモータ制御信号に、図16に示すヘッダデータ(1FF(H))やマークビット、エンドビットを付加して、RAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(ステップS958)。そして、モータ制御信号出力要求フラグをセットする(ステップS959)。
図84は、シリアル入出力処理(ステップS708)の具体例を示すフローチャートである。シリアル入出力処理において、演出制御用CPU101は、まず、ランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS970)。セットされていれば、それらのランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグをリセットし(ステップS971)、データ格納領域に格納されているランプ制御信号やモータ制御信号をシリアル出力回路353に出力する(ステップS972)。この場合、演出制御用CPU101は、複数のランプ制御信号がデータ格納領域にセットされている場合には、ステップS972において各ランプ制御信号を順に読み出し、シリアル出力回路353に出力する。そして、出力されたランプ制御信号やモータ制御信号は、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換され、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605にシリアル信号方式で出力されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、入力取込信号出力部357に、盤側IC基板601に対して中継基板606,607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(ステップS973)。盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、入力取込信号が入力されたことにもとづいて、各位置センサ151b,152b,153bの検出信号をラッチし、シリアル信号方式で中継基板606,607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(ステップS974)。なお、ステップS974では、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354が入力IC621から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
次いで、演出制御用CPU101は、入力取込信号出力部357に、枠側IC基板605に対して中継基板607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(ステップS975)。盤側IC基板605に搭載された入力IC620は、入力取込信号が入力されたことにもとづいて、各操作ボタン81a〜81eの検出信号をラッチし、シリアル信号方式で中継基板607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(ステップS976)。なお、ステップS976では、演出制御用CPU101は、シリアル入力回路354が入力IC620から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
図85は、第2の実施の形態における中継基板77、音/ランプ制御基板80bおよび図柄制御基板80aの回路構成例を示すブロック図である。この実施の形態では、音/ランプ制御基板80bに搭載された回路が、音出力装置27の音出力制御、各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51bの表示制御を行う。また、図柄制御基板80aは、可変表示装置9の表示制御を行う。また、この実施の形態では、「演出制御」とは、可変表示装置9の表示制御や、スピーカ27の音出力制御、各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51bの表示制御を行うことによって、遊技演出などの演出を行うことをいう。また、この実施の形態では、演出制御手段は、可変表示装置9の表示制御を行う図柄制御用マイクロコンピュータ100aと、スピーカ27の音出力制御、および各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51bの表示制御を行う音/ランプ制御用CPU101bを含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとによって実現される。
音/ランプ制御基板80bは、音/ランプ制御用CPU101b、RAM、シリアル出力回路353、シリアル入力回路354、クロック信号出力部356および入力取込信号出力部357を含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。音/ランプ制御基板80bにおいて、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。
さらに、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bはシリアル出力回路353を介してランプを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したランプを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板606に出力する。
また、クロック信号出力部356は、クロック信号を中継基板606に出力する。クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606を介して各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615や入力IC620に供給される。また、クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606を介して盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619や入力IC621に供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC611〜619および各入力IC620,621に共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部357は、演出制御用CPU101の指示に従って、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601または枠側IC基板602〜605に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板605に搭載された入力IC620は、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bからの入力取込信号を入力すると、操作ボタン81a〜81eの検出信号をラッチし、シリアル信号方式で中継基板606,607を介して音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに出力する。また、盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bからの入力取込信号を入力すると、各位置センサ151b,152b,153bの検出信号をラッチし、シリアル信号方式で中継基板606を介して音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに出力する。
また、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとランプドライバ352および音声合成IC173との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
図柄制御基板80aは、図柄制御用CPU101aおよびRAMを含む図柄制御用マイクロコンピュータ100aを搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。図柄制御基板80aにおいて、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作する。また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、主基板31から中継基板77を介して受信した演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、図柄制御用マイクロコンピュータ100aから入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が図柄制御基板80aに搭載されている。VDP109は、図柄制御用マイクロコンピュータ100aとは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
また、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、主基板31からの演出制御コマンド(変動パターンコマンドや表示結果指定コマンド)を、入出力ポート104を介して音/ランプ制御基板80bに送信(転送)する。
図86は、第2の実施の形態における図柄制御基板80a、音/ランプ制御基板80b、中継基板606,607、盤側IC基板601、枠側IC基板602,603,604,605の構成例を示すブロック図である。音/ランプ制御基板80bの音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100b(具体的には、音/ランプ制御用CPU101b)は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板607に出力する。また、入力IC620,621に入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板606に出力する。
中継基板606は、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bから入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619に供給する。そして、各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各ランプ125a〜125f,126a〜126f,127a〜127cや、各可動部材のモータ151a〜151cに供給する。
また、中継基板607は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板606と接続されている。各シリアル−パラレル変換IC616〜619に接続されるシリアルデータ線300およびクロック信号線301は、盤側IC基板601上でバス形式で接続されている。
また、盤側IC基板601には、遊技盤6上に設けられた各可動部材の位置センサの検出信号を入力する入力IC621が搭載されている。この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された入力IC621と音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとは、中継基板606を介して入力信号線、クロック信号線301および入力取込信号線303が接続されている。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606を介して入力IC621に出力する。すると、入力IC621は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて各位置センサの検出信号をラッチし、中継基板606を介して音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに出力する。この場合、入力IC621は、各位置センサからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。
中継基板607に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、図86に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615に供給される。そして、各シリアル−パラレル変換IC611〜615は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技枠11に設けられた各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82d,83に供給する。
また、各シリアル−パラレル変換IC611〜614に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板602〜604上でバス形式に接続されている。この実施の形態では、図86に示すように、まず、枠側IC基板604のシリアル−パラレル変換IC614に入力され、シリアル−パラレル変換IC614から枠側IC基板602のシリアル−パラレル変換IC611およびシリアル−パラレル変換IC612の順に入力され、さらにシリアル−パラレル変換IC612から枠側IC基板603のシリアル−パラレル変換IC613に入力される。また、シリアル−パラレル変換IC615に接続されるシリアルデータ線300およびクロック信号線301は、中継基板607から直接接続される。
また、枠側IC基板605には、遊技枠11に設けられた操作ボタン81a〜81eの検出信号を入力する入力IC620が搭載されている。この実施の形態では、枠側IC基板605に搭載された入力IC620と音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bとは、中継基板607を介して入力信号線302、クロック信号線301および入力取込信号線303が接続されている。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606,607を介して入力IC620に出力する。この場合、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、入力IC621に入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力IC620に出力する。すると、入力IC620は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて操作ボタン81a〜81eからの検出信号をラッチし、中継基板606,607を介して音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bに出力する。この場合、入力IC620は、操作ボタン81a〜81eからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC611〜619には、あらかじめアドレスが付与されている。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、アドレスが付加されたシリアルデータを出力する。各シリアル−パラレル変換IC611〜619は、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各ランプに供給する。アドレスが合致していなければ各ランプへの供給は行わない。
図87は、第3の実施の形態における中継基板77、音/ランプ制御基板80cおよび図柄制御基板80dの回路構成例を示すブロック図である。この実施の形態では、音/ランプ制御基板80cに搭載された音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが、音出力装置27の音出力制御、各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51bの表示制御を行う。また、図柄制御基板80dは、可変表示装置9の表示制御を行う。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31から中継基板77を介して演出制御コマンドを受信する。
音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bは、主基板31から受信した演出制御コマンドを入出力ポート702を介して図柄制御基板80dに送信する。図柄制御基板80dは、図柄制御用CPU101aおよびRAMを含む図柄制御用マイクロコンピュータ100aを搭載している。図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、音/ランプ制御基板80cから受信した演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
その他の動作は、第1の実施の形態または第2の実施の形態に場合と同様である。
以上に説明したように、上記の各実施の形態では、遊技制御手段は、入力ポート部に入力される複数の状態検出信号のうちのいずれか1つ以上の状態が変化したか否かを判定し、複数の状態検出信号のうちのいずれか1つ以上の状態が変化したと判定したときに、入力ポート部に入力されている複数の状態検出信号を一括してコマンドとして送信し、演出制御手段は、遊技制御手段が送信したコマンドにもとづいて遊技機の状態に関する複数種類の情報のいずれの状態が変化したかを判定し、判定した遊技機の状態に関する情報に対応する報知を電気部品に行わせるように構成されているので、各種の報知を電気部品で行わせる場合に、遊技制御手段の制御負担は重くならない。
なお、上記の各実施の形態では、エラー報知として、乱数エラー、満タンエラー、ドア開放エラー、球切れエラーおよび払出エラーの報知を例にしたが、遊技機の状態に関する他のエラーを報知するようにしてもよい。例えば、遊技制御手段が、大入賞口を開放する制御を行っていないにもかかわらず(例えば、特別図柄プロセスフラグの値がステップS305〜S310(図26参照)に対応する5〜10でない場合)、カウントスイッチ23の検出信号がオン状態になった場合に、その旨を示す異常入賞信号を演出制御手段に送信し、演出制御手段が、異常入賞信号の受信に応じて、乱数エラー、満タンエラー、ドア開放エラー、球切れエラーおよび払出エラーのエラー報知の態様とは異なる態様でエラー報知してもよい。特別図柄プロセスフラグの値もとづいて大入賞口を開放する制御を行っているか否か判定する場合には、1つのデータで判定を行うことができるので、遊技制御手段の制御負担は軽い。
また、上記の各実施の形態では、各種の報知を、ランプ、スピーカ27および可変表示装置9で実行し、可変表示装置9で実行される場合には、報知の表示と演出表示とを重畳表示するようにしたが、例えば、可変表示装置9における表示領域の一部において、重畳表示せずに、報知の表示を行うようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、主基板31から演出制御基板80等に対してパラレル信号方式で演出制御コマンドが送信されたが、パラレル信号方式で演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、図88に示すように、払出制御基板37から主基板321に出力される賞球カウント信号を、主基板31において分岐させて情報端子盤34に入力させるようにしてもよい。なお、賞球カウント信号を含む払出制御基板37からの信号は、I/Oポート部57(図6参照)における入力ポート571を介してCPU56に入力される。また、図88に示すように、CPU56は、ドア開閉信号を、I/Oポート部57における出力ポート572を介して情報端子盤34に出力するようにしてもよい。図88に示すように構成されている場合には、払出制御基板37から情報端子盤34に対して賞球カウント信号およびドア開閉信号は出力されない。また、ドア開閉信号についても、主基板31において分岐させて情報端子盤34に入力させるようにしてもよい。なお、図7に示されたように、払出制御基板37において、ドア開閉信号(ドア開放センサ155の検出信号)は、払出制御用マイクロコンピュータ370には入力されずに主基板31に出力されることが好ましい。また、払出制御基板37から主基板321に出力される賞球カウント信号は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号が10回出力される毎に1回オン状態になるような信号であってもよい。
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。