JP2018057974A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技への注目度を良好に高めることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】主制御装置81では、遊技領域に設けられた作動口に遊技球が入賞した場合に保留情報を取得する。そして、その取得した保留情報に対して当否判定が行われたことに基づいて、メイン表示部43における絵柄の変動表示が開始されるとともに、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始される。この場合に、複数の保留情報が保留記憶されている状況において、当否判定対象となっていない保留情報の内容を報知する保留予告が図柄表示装置41にて行われることがある。また、保留予告を実行する上では当否判定において参照される大当たり数値情報と保留情報とが一致しているかの判定が行われるが、当該保留予告用の確認処理は通常処理の残余処理の範囲内で実行される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。また、抽選結果がいわゆる当たり遊技状態への移行当選である場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後などにおいて、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。
また、絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動入球部に入球した場合、当たり抽選に用いる情報が予め定められた所定数(例えば4個)を上限として保留記憶されるようになっているパチンコ遊技機がある。保留記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、前記保留記憶された情報を用いて当たり抽選が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される(例えば特許文献1参照)。
特開2004−81853号公報
ここで、遊技機においては、遊技への注目度を高める必要がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を良好に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する特別報知が、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるようにする特別報知制御手段と、
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技への注目度を良好に高めることが可能となる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図。 遊技盤の構成を示す正面図。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図。 図柄表示装置の表示画面における表示内容を説明するための説明図。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図。 当否テーブルを説明するための説明図。 主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャート。 読み込み処理を示すフローチャート。 作動口用の入賞処理を示すフローチャート。 通常処理を示すフローチャート。 遊技回制御処理を示すフローチャート。 データ設定処理を示すフローチャート。 変動開始処理を示すフローチャート。 当否判定処理を示すフローチャート。 変動表示時間の設定処理を示すフローチャート。 遊技状態移行処理を示すフローチャート。 音声ランプ制御装置及び表示制御装置の電気的構成を示すブロック図。 主制御装置のMPUにおける保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 表示制御装置のMPUにおける保留予告制御処理を示すフローチャート。 図柄表示装置の保留表示領域にて行われる保留予告の様子を説明するための説明図。 主制御装置のMPUにおける制限解除処理を示すフローチャート。 保留予告用の確認処理の実行が制限される様子を説明するためのタイミングチャート。 第2の実施の形態における作動口用の入賞処理を示すフローチャート。 保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 待機用処理を示すフローチャート。 表示制御装置のMPUにおける保留予告制御処理を示すフローチャート。 第3の実施の形態における保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 第4の実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャート。 保留予告用の確認処理の実行が制限される様子を説明するためのタイミングチャート。 第5の実施の形態におけるメイン処理を示すフローチャート。 タイマ割込み処理を示すフローチャート。 遊技回制御処理を示すフローチャート。 第6の実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャート。 第7の実施の形態におけるタイマ割込み処理を示すフローチャート。 遊技回制御処理を示すフローチャート。 第8の実施の形態における通常処理を示すフローチャート。 (a)タイマ割込み処理を示すフローチャート、(b)タイマ割込み処理を定期的に実行するための電気的構成を示すブロック図。 読み込み処理を示すフローチャート。 作動口用の入賞処理を示すフローチャート。 取得時の設定処理を示すフローチャート。 遊技回制御処理を示すフローチャート。 保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 保留予告制御処理を示すフローチャート。 第9の実施の形態におけるメイン処理を示すフローチャート。 タイマ割込み処理を示すフローチャート。 第10の実施の形態における取得時の設定処理を示すフローチャート。 第11の実施の形態における遊技盤の構成を示す正面図。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図。 (a)低確率モード用の当否テーブルを説明するための説明図、(b)高確率モード用の当否テーブルを説明するための説明図。 (a)第1結果表示部用の振分テーブルを説明するための説明図、(b)第2結果表示部用の振分テーブルを説明するための説明図。 各種遊技結果の内容を説明するための説明図。 作動口用の入賞処理を示すフローチャート。 情報取得処理を示すフローチャート。 通常処理を示すフローチャート。 遊技回制御処理を示すフローチャート。 データ設定処理を示すフローチャート。 取得時の設定処理を示すフローチャート。 上側保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 下側保留コマンドの設定処理を示すフローチャート。 上側保留予告制御処理を示すフローチャート。 下側保留予告制御処理を示すフローチャート。 図柄表示装置の保留表示領域にて行われる保留予告の様子を説明するための説明図。 第12の実施の形態におけるメイン処理を示すフローチャート。 第13の実施の形態におけるメイン処理を示すフローチャート。 タイマ割込み処理を示すフローチャート。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態である場合には下作動口34への入賞が不可となり、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄として数字が付された図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する電断監視基板を具備しており、これら主制御基板及び電断監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一電断が発生した際でも電断時の状態を保持し、電断からの復帰の際には電断時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた電断監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、電断監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には電断監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に対して1対1で対応させて設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、電断監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
電断監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、主制御基板201から出力された発射許可信号に基づいて遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45,46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、音声ランプ制御装置82は、表示制御装置212を制御する。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図6に基づいて説明する。図6は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の変動表示領域が設定されている。具体的には、複数の変動表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。
詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄の種類は上記のように数字が付された図柄に限定されることはなく、例えば、数字そのものが変動表示される構成としてもよく、図柄そのものが変動表示される構成としてもよい。
表示画面Gの下部には、保留表示領域Gaが設定されている。保留表示領域Gaは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
<各種カウンタ及び保留球格納エリアについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図8を用いて説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
ここで、本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。例えば、「0〜99」がリーチ発生当選に対応した数値情報となるようにリーチ用テーブルが設定されている。
ちなみに、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSのバッファ値は、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して取得される。なお、変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて上記変動表示時間を決定する場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶された変動表示時間テーブルが参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板201のMPU202にて各遊技回の遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。
なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行されるとともに、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断監視基板205からの電断信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、図10のフローチャートに示すように、先ずステップS201にて、上作動口33に対応した検知センサからMPU202の入力ポート(入力部)に入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて上作動口33の入賞信号を入力しているか否かを判定する。
具体的には、上作動口33に対応した検知センサは、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる上作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの上作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS201では、上記上作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
上作動口33の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS202にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における上作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、上作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS206に進む。
一方、上作動口33の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS203にて、上作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS204では、上作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS206に進む。「0」となっている場合には、ステップS205にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における上作動口入賞フラグ格納エリアに上作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS206に進む。
ステップS206では、下作動口34に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて下作動口34の入賞信号を入力しているか否かを判定する。
具体的には、下作動口34に対応した検知センサは、上作動口33に対応した検知センサと同様に、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる下作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの下作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS206では、上記下作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
下作動口34の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS207にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア233における下作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、下作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS211に進む。
一方、下作動口34の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS208にて、下作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS209では、下作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS211に進む。「0」となっている場合には、ステップS210にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における下作動口入賞フラグ格納エリアに下作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納する。その後、ステップS211に進む。
ステップS211では、その他の読み込み処理として、一般入賞口31に対応した検知センサや、可変入賞装置32に対応した検知センサなどからの検知結果を確認し、その確認結果に応じた処理を実行する。
以上のとおり、本パチンコ機10では、MPU202において上作動口33や下作動口34の入賞信号の入力を確認したとしても即座に入賞の発生と特定するのではなく、複数回として設定された入賞基準回数の確認タイミングに亘って継続して上記入賞信号の入力を確認した場合に、入賞が発生したと特定する。これにより、電気的なノイズ等の原因で入賞信号を単発的に入力したとしても、それに対して入賞の発生と特定してしまうことを抑制することができる。なお、上記入賞基準回数の具体的な値は「2」に限定されることはなく、複数であれば任意であり、例えば「3」又は「4」以上としてもよい。
タイマ割込み処理(図9)の説明に戻り、ステップS101にて読み込み処理を実行した後は、ステップS102に進む。ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
作動口用の入賞処理について図11のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS302〜ステップS306の処理を実行することなくステップS307に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS302に進む。
ステップS302では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS303では、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている始動保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS307に進む。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、ステップS304に進み、始動保留記憶数Nを1加算する。
続くステップS305では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS304にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS306では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留コマンドの設定処理を実行する。当該処理については、後に詳細に説明する。
なお、保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは音声ランプ制御装置82に送信されることとなるが、音声ランプ制御装置82では、当該保留コマンドを受信することで、第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
ステップS301にて否定判定した場合、ステップS303にて否定判定した場合又はステップS306の処理を実行した後には、ステップS307にて、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS308にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS303〜ステップS306の処理を実行する。この場合、ステップS303〜ステップS306の処理後におけるステップS307の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが設けられ両作動口33,34への入賞が同時に発生し得る構成において、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞が発生したか否か及び下作動口34への入賞が発生したか否かが判定されるとともに、両作動口33,34への入賞が同時に発生している場合には、それぞれの入賞に対して、ステップS303〜ステップS305の情報取得処理と、ステップS306の処理とが実行される。これにより、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合であっても、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得及び下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得を正確に行うことができるとともに、保留予告用の処理を早いタイミングで実行することができる。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図12のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS401〜ステップS409の処理が4msec周期の処理として実行され、その残余時間でステップS410及びステップS411のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS401では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
続くステップS402では、制限解除処理を実行する。当該制限解除処理はタイマ割込み処理(図9)におけるステップS306において保留予告用の所定の確認処理が制限されている状況においてそれを解除するための処理であるが詳細については後に説明する。
続くステップS403では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS404では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部43の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS405では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS406では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリアに格納されている情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、電動役物34aの開閉処理及び役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS407では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS408では、RAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。電断フラグは、電断監視基板205において電断の発生が確認され当該電断監視基板205からMPU202のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
電断フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS409にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS410では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS411では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S407の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS408にて、電断フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS412以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS412では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS413にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS414にてRAM204のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
ここで、NMI割込み処理において電断の発生を特定したとしても即座に電断時処理を実行するのではなく、RAM204に電断フラグを格納するようにし、さらに電断フラグが格納されているか否かの判定を通常処理においてステップS401〜ステップS407の処理を実行した後に行うことにより、復電後に通常処理が実行される場合、常に最初の処理から実行されることとなる。これにより、電断発生時に実行していた処理の番地をスタック情報としてRAM204に記憶しなくても、電断前の状態に復帰することが可能となる。
なお、ステップS409において4msecが経過したか否かを判定する構成は必須のものではなく、例えば、タイマ割込み処理が所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS404の遊技回制御処理を図13〜図17のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS506の遊技回開始用処理及びステップS507〜ステップS511の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部43において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS506の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、始動保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS504にて保留球格納エリア232の保留用エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。
その後、ステップS506にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動開始フラグ格納エリア(開始実行情報記憶手段)に変動開始フラグ(開始実行情報)を格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。当該変動開始フラグは、変動表示が開始された直後であることをMPU202において特定するためのフラグであり、通常処理(図12)のステップS402における制限解除処理にて消去される。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、ステップS504のデータ設定処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、始動保留記憶数Nを1減算する。続くステップS602にて、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS603にて、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS604では、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声ランプ制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップ604にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、シフト時コマンドを受信することで、第1保留ランプ部45における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、ステップS505の変動開始処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。
当否判定処理では、図16のフローチャートに示すように、先ずステップS801にて、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS802では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
低確率モードである場合には、ステップS803にて、ROM203の当否テーブルとして設定された各種大当たり数値情報のうち、今回当否判定を行う上で参照する大当たり数値情報の数を設定すべく、確認個数を「1」に設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233には、確認個数記憶手段(又は当否判定用計測手段)として確認個数カウンタエリアが設けられており、ステップS803では、当該確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新する。一方、高確率モードである場合には、ステップS804にて、確認個数を「10」に設定する。具体的には、上記確認個数カウンタエリアの情報を「10」の情報に更新する。
ステップS803又はステップS804の後は、ステップS805にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「1」である場合には、当否テーブルにおいて「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」の情報を取得する。また、例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「10」である場合には、当否テーブルにおいて「10」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「272」の情報を取得する。
続くステップS806では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS801にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS805にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS807にて、ステップS806にて比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS808にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS809にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS805に戻り、次の大当たり数値情報を参照して当否判定を行う。
つまり、当否抽選モードが高確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS804にて確認個数として「10」を設定する。この場合においてステップS801にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選とならない情報である場合には、先ず「10」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「272」を参照して比較処理を行い、次に「9」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「241」を参照して比較処理を行い、さらに「8」〜「2」のそれぞれのアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行い、最後に「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」を参照して当否判定を行うように、ステップS805〜ステップS809の処理を繰り返し実行する。そして、「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行った後に、本当否判定処理を終了する。
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS803にて確認個数として「1」が設定されるため、比較処理の結果が不一致でありステップS807にて否定判定をした場合には、ステップS808にて確認個数を1減算することに伴って当該確認個数が「0」となり、ステップS809にて否定判定されることで、ステップS805〜ステップS809の処理を繰り返すことなく、本当否判定処理を終了する。
一方、ステップS801にて把握した大当たり判定用の情報がいずれかの大当たり数値情報と一致する場合には、かかる大当たり数値情報をステップS805にて取得した場合に、ステップS806における比較処理にて比較対象の両情報が一致し、ステップS807にて肯定判定をする。この場合、ステップS810にてMPU202のレジスタに大当たり情報を記憶する。その後、本当否判定処理を終了する。
変動開始処理(図15)の説明に戻り、ステップS701にて当否判定処理を実行した後は、ステップS702にて大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、MPU202のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合には、ステップS703にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM203の振分テーブルから確変大当たり情報に対応した情報を取得する。そして、両情報を比較し、確変大当たり情報に対応しているか否かを特定する。
続くステップS704では、ステップS703における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS705にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS706にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS702にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS707にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS705〜ステップS707の各停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS705及びステップS706では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア234に格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。具体的には、ステップS705では確変大当たりフラグを格納し、ステップS706では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理を実行した後は、ステップS708にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて、RAM204の変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶させる。続くステップS902では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS902にて肯定判定をする。
ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS904にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア233に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS902にて否定判定をした場合には、ステップS905にて変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS906にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留記憶数Nの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、始動保留記憶数Nやサポートモードに応じて変動表示時間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図15)の説明に戻り、ステップS708にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS709にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS709にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS710にてメイン表示部43において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図13)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS507〜ステップS511の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS507にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図17)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図9)が起動される度に、1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS508にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS509にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS705〜ステップS707のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部43にて表示されるように当該メイン表示部43を表示制御する。
続くステップS510では、変動終了コマンドを設定する。ここで設定された変動終了コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
その後、ステップS511にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における制限フラグ格納エリア(制限情報記憶手段)に制限フラグ(制限情報)を格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。当該制限フラグは、後述する保留予告用の確認処理の実行が制限されている状況であることをMPU202において特定するためのフラグであり、通常処理(図12)のステップS402における制限解除処理にて消去される。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS405の遊技状態移行処理を図18のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1001では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1002に進み、1の遊技回のメイン表示部43における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1003にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1004にて、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、「15」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1001にて肯定判定をし、ステップS1005に進む。ステップS1005では、大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から所定時間が経過していること又は所定個数の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。
続くステップS1006では、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合には、ステップS1007にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、RAM204に確変大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。また、RAM204に通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともに、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了され、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
その後、ステップS1008にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、通常大当たりフラグ又は確変大当たりフラグのうち、格納されているフラグを消去する。
<保留予告について>
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。かかる保留予告は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて表示制御装置212にて所定の制御が実行されることにより行われる。当該保留予告に係る電気的構成及び処理構成を以下に説明する。
<保留予告に係る電気的構成について>
先ず、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図19のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフト時コマンド及び後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45,46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。この場合に、上記各種コマンドは、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化された素子であるMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。なお、MPU252に対してプログラムROM253及びワークRAM254が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU252は、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。上記固定値データの一部は、プログラムROM253の報知発生抽選用テーブル記憶エリア261に予め記憶されている。かかるエリア261の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリア262〜263に記憶される。これらのエリア262〜263の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。キャラクタROM256には、上記データの一部として、図柄表示装置41の保留表示領域Gaに表示させるための画像データが格納された保留用画像データ記憶エリア269が設定されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。ビデオRAM257には、保留表示領域Gaに対応した保留表示用エリア271が設定されている。
保留表示用エリア271には、保留表示領域Gaにおける第1〜第4単位保留表示領域Ga1〜Ga4と1対1で対応するように、第1単位エリア272、第2単位エリア273、第3単位エリア274、第4単位エリア275が設定されている。保留表示領域Gaの各単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、各単位エリア272〜275に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア272〜275に対応した単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面における背景画像が表示される。
<保留予告に係る処理について>
次に、主制御装置81のMPU202及び表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告に係る処理について説明する。ここで、本パチンコ機10では、保留予告用の確認処理の実行が制限されることがあるとともに、当該制限が開始された場合には所定の解除条件が成立するまで継続される。以下の説明では、先ず保留予告用の確認処理の実行が制限されていない場合について説明し、その後に、保留予告用の確認処理の実行が制限される場合及び当該制限が解除される場合について説明する。
<主制御装置81のMPU202にて実行される保留コマンドの設定処理ついて>
主制御装置81のMPU202にて実行される保留コマンドの設定処理について説明する。ここで、保留コマンドの設定処理は既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図9)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図11)のステップS306において実行される。かかるステップS306の保留コマンドの設定処理は上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したタイミングで実行される。そして、当該保留コマンドの設定処理では、今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。この場合に、大当たり当選の情報が含まれているか否かの確認に際しては、上記当否判定処理(図16)において当否判定を行う上で用いられたROM203の当否テーブル及びRAM204の各種カウンタエリア233における確認個数カウンタエリアが用いられる。
図20は保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。当該確認処理においてステップS1101では、保留予告用の確認処理の実行を制限すべき一の条件が成立していることを示す制限フラグがRAM204に格納されているか否かを判定する。また、ステップS1102にて、始動保留記憶数Nが「1」であるか否かを判定する。また、ステップS1103にて、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。
制限フラグが格納されており(ステップS1101:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)には、ステップS1104〜ステップS1113の保留予告用の確認処理の実行が制限される。また、制限フラグが格納されていない場合(ステップS1101:NO)であっても、始動保留記憶数Nが「1」である場合すなわち複数の保留情報が記憶されてない場合(ステップS1102:YES)であって当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)には、ステップS1104〜ステップS1113の保留予告用の確認処理の実行が制限される。
今回は、保留予告用の確認処理の実行が制限されない場合の処理であるため、上記制限条件のいずれにも該当しない。つまり、制限フラグが格納されていない場合(ステップS1101:NO)であって複数の保留情報が記憶されている場合(ステップS1102:NO)には、当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれであるかに関係なく保留予告用の確認処理が開始される。また、制限フラグが格納されている場合(ステップS1101:YES)又は複数の保留情報が記憶されていない場合(ステップS1102:YES)のいずれかに該当する状況であっても、当否抽選モードが低確率モードである場合(ステップS1103:YES)には、保留予告用の確認処理が開始される。
保留予告用の確認処理では先ずステップS1104にて、今回の入賞に基づきステップS305にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。その後、ステップS1105〜ステップS1112にて、当否判定処理(図16)におけるステップS802〜ステップS809と同一の処理を実行する。
すなわち、ステップS1105では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS1106にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新することで、確認個数を「1」に設定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS1107にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「10」の情報に更新することで、確認個数を「10」に設定する。
ステップS1106又はステップS1107の後は、ステップS1108にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1109では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS1104にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS1108にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS1110にて、ステップS1109において比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1111にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1112にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1108に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1110にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1113にて一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。一方、ステップS1106又はステップS1107にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1112の処理にて否定判定をする。この場合、ステップS1114にて不一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。
ステップS1113にて設定された一致保留コマンド及びステップS1114にて設定された不一致保留コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音声ランプ制御装置82では、保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した保留コマンドに基づいて保留予告用の処理を実行する。
<表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理を、図21のフローチャートを参照しながら説明する。保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。なお、以下の説明では、図22(a),(b)を適宜参照する。図22(a),(b)は保留予告の様子を説明するための説明図である。
保留予告制御処理では、先ずステップS1201にて、音声ランプ制御装置82からいずれかの保留コマンドを受信したか否かを判定する。いずれかの保留コマンドを受信している場合には、ステップS1202にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に保留記憶されている表示側保留記憶数SNを1加算する。当該表示側保留記憶数SNは、ビデオRAM257の保留表示用エリア271に対応しており、保留コマンドの受信に対して保留表示情報の設定を行う場合には、保留表示用エリア271における表示側保留記憶数SNに対応した単位エリア272〜275に対して保留表示情報の設定が行われる。
続くステップS1203では、今回受信した保留コマンドが一致保留コマンドであるか否かを判定する。一致保留コマンドである場合には、ステップS1204にて、保留予告を実行するか否かの抽選を行うための報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理では、先ず、ワークRAM254の抽選用カウンタエリア262から報知発生抽選用のカウンタ値を読み出す。
ここで、抽選用カウンタエリア262は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、例えば2msec周期といった所定の周期で1加算される構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、報知発生抽選処理では、プログラムROM253の抽選用テーブル記憶エリア261に記憶されている報知発生抽選用テーブルを参照して、上記読み出した報知発生抽選用のカウンタ値が報知発生当選に対応しているか否かを判定する。
報知発生当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、低確率モード及び高確率モードのいずれであっても1/5の確率で報知発生当選となるように報知発生抽選用テーブルが設定されている。ちなみに、主制御装置81は当否抽選モードが低確率モードから高確率モードに移行する場合に高確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信するとともに、高確率モードから低確率モードに移行する場合に低確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信する構成であり、表示制御装置212では音声ランプ制御装置82を経由して受信する高確移行コマンド及び低確移行コマンドによって高確率モード及び低確率モードのいずれであるかを特定する。なお、報知発生抽選の当選確率は上記のものに限定されることはなく、低確率モードと高確率モードとで当選確率が異なっていてもよい。
ステップS1204にて報知発生抽選処理を実行した後は、ステップS1205にて上記報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選である場合には、ステップS1206にて当たり情報の設定処理を実行する。具体的には、保留表示用エリア271における単位エリア272〜275のうち、上記ステップS1202にて1加算した表示側保留記憶数SNに対応した単位エリアに対して当たり情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
例えば、表示側保留記憶数SNが「1」であれば、第1単位エリア272に対して当たり情報が格納されるように内部コマンドを出力し、表示側保留記憶数SNが「4」であれば、第4単位エリア275に対して当たり情報が格納されるように内部コマンドを出力する。単位エリアに当たり情報が格納されることにより、図22(a)に示すように、保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「当」の画像が表示される。この場合、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、大当たり当選となることを把握することができる。このように保留予告が行われることにより、遊技者にとっては、図柄表示装置41にて実行される各遊技回の変動表示だけでなく、保留表示領域Gaにも注目することとなる。
一方、今回受信した保留コマンドが不一致保留コマンドである場合(ステップS1203:NO)又は今回受信した保留コマンドが一致保留コマンドであったが報知発生抽選処理にて報知発生当選とならなかった場合(ステップS1205:NO)には、ステップS1207にて、外れ情報の設定処理を実行する。
具体的には、保留表示用エリア271における第1単位エリア272〜第4単位エリア275のうち、上記ステップS1202にて1加算した表示側保留記憶数SNに対応した単位エリアに対して外れ情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに外れ情報が格納されることにより、図22(b)に示すように、保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「●」の画像が表示される。
ステップS1201にて否定判定をした場合、ステップS1206の処理を実行した場合又はステップS1207の処理を実行した場合には、ステップS1208にて、音声ランプ制御装置82からシフト時コマンドを受信したか否かを判定する。シフト時コマンドを受信していない場合にはそのまま本保留予告制御処理を終了する。
シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS1209にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に保留記憶されている表示側保留記憶数SNを1減算する。続くステップS1210では、シフト処理を実行する。当該シフト処理は、保留表示用エリア271の第1単位エリア272〜第4単位エリア275に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
具体的には、第1単位エリア272の保留表示情報をクリアするとともに、第2単位エリア273→第1単位エリア272、第3単位エリア274→第2単位エリア273、第4単位エリア275→第3単位エリア274といった具合に各単位エリア272〜275内の保留表示情報がシフトされる。その後、本保留予告制御処理を終了する。
<保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について>
次に、主制御装置81のMPU202において保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
図20のフローチャートを用いて既に説明したように、ステップS1104〜ステップS1113にて示す保留予告用の確認処理の実行が制限される場合とは、
(I)制限フラグが格納されており(ステップS1101:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)
(II)制限フラグが格納されていない場合であっても、複数の保留情報が記憶されておらず(ステップS1102:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1103:NO)
である。
先ず上記(I)の条件で保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
制限フラグは、既に説明したように、主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理(図13)にて、ステップS510において変動終了コマンドを設定した後に、ステップS511にて格納される。
当該制限フラグは、主制御装置81のMPU202における通常処理(図12)にてステップS402の制限解除処理において消去される。制限解除処理について、図23のフローチャートを用いて説明すると、先ずステップS1301にて、RAM204に変動開始フラグが格納されているか否かを判定する。変動開始フラグは、既に説明したように、主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理(図13)にて、ステップS505において変動開始処理を実行した後に、ステップS506にて格納される。つまり、変動開始フラグは、任意の一の遊技回が開始される場合に常に格納される。
変動開始フラグが格納されていない場合には、そのまま本制限解除処理を終了する。変動開始フラグが格納されている場合には、ステップS1302にてRAM204から制限フラグを消去するとともに、ステップS1303にてRAM204から変動開始フラグを消去した後に、本制限解除処理を終了する。
ここで、遊技回制御処理(図13)は通常処理(図12)が1回実行される場合に1回実行される構成であるとともに、変動開始処理及び変動終了処理のうち変動終了処理を1回の遊技回制御処理にて実行した場合にはかかる処理回の遊技回制御処理にて変動開始処理が実行されることがない。また、1回の通常処理において制限解除処理は遊技回制御処理よりも早いタイミングで実行されるため、所定の処理回の通常処理における遊技回制御処理にて変動開始フラグが格納された場合、当該処理回の通常処理にて制限解除処理のステップS1302が実行されることはなく、次の処理回の通常処理にて制限解除処理のステップS1302が実行される。
つまり、制限フラグは、任意の一の遊技回が終了される場合に常に格納されるとともに、かかる遊技回の終了処理が実行された処理回の通常処理よりも後の処理回の通常処理にて新たな遊技回の変動開始処理が実行され、さらに当該変動開始処理が実行された処理回の通常処理の次に実行される処理回の通常処理にて消去される。
制限フラグが格納されており、上記(I)の条件が成立している場合には、保留コマンドの設定処理(図20)におけるステップS1103にて否定判定をすることで、ステップS1104〜ステップS1113に示す保留予告用の確認処理を実行することなくステップS1114に進む。ステップS1114では、既に説明したように不一致保留コマンドを設定し、その後、保留コマンドの設定処理を終了する。
上記(I)の条件が設定されていることによる作用について、図24のタイミングチャートを用いて以下に説明する。
図24(a)は通常処理の最初の処理が実行されるタイミングを示し、図24(b)は変動開始処理が実行されるタイミングを示し、図24(c)は遊技回が行われているタイミングを示し、図24(d)は制限フラグが格納されているタイミングを示し、図24(e)は保留情報が取得されるタイミングを示し、図24(f)は保留予告用の確認処理が実行されるタイミングを示している。また、図24では、当否抽選モードが高確率モードである場合を示している。
なお、図24において、t2のタイミングからt4のタイミングまでの期間、t4のタイミングからt8のタイミングまでの期間、t8のタイミングからt11のタイミングまでの期間、t12のタイミングからt13のタイミングまでの期間、及びt13のタイミングからt16のタイミングまでの期間が、それぞれ通常処理の1処理回分の期間を示している。
先ず、図24(A)の範囲にて示す遊技回が連続して実行される場合について説明する。
所定の遊技回が実行されている状況において作動口33,34への入賞が発生することで、t1のタイミングでタイマ割込み処理(図9)における作動口用の入賞処理にて保留情報が取得されるとともに、この取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。
その後、t2のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t3のタイミングで上記所定の遊技回について変動終了処理が実行される。この場合、t3のタイミングにて制限フラグが格納される。
その後、t4のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t6のタイミングで変動開始処理が実行され新たな遊技回が開始される。この場合、t4のタイミング以降であって、t6のタイミングに前後したt5のタイミング及びt7のタイミングにて保留情報が新たに取得されているが、当否抽選モードが高確率モードである状況で制限フラグが格納されているため保留予告用の確認処理の実行が制限される。
その後、t8のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t9のタイミングにて制限解除処理(図23)が実行されることで制限フラグが消去される。その後、t10のタイミングにて保留情報が新たに取得されるとともに、この取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。その後、t11のタイミングにて通常処理の新たな処理が開始される。
次に、図24(B)の範囲にて示す保留情報が記憶されておらず且つ遊技回及び開閉実行モードが実行されていない状況で保留情報が取得されかかる保留情報について遊技回が開始される場合について説明する。
前回の遊技回の終了に際して制限フラグが格納された状態が維持された状況において、t12のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。その後、保留情報が新たに取得されることなくt13のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。
その後、t14のタイミングにて保留情報が新たに取得される。但し、当否抽選モードが高確率モードである状況で制限フラグが格納されているため保留予告用の確認処理の実行が制限される。その後、t15のタイミングにて、t14のタイミングで取得した保留情報に対して変動開始処理が実行され、遊技回が開始される。
その後、t16のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t17のタイミングにて制限解除処理(図23)が実行されることで制限フラグが消去される。その後、t18のタイミングにて保留情報が新たに取得されるとともに、その取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。
上記のように保留予告用の確認処理の実行が制限されることにより、当否抽選モードが高確率モードである状況では、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。
ここで、高確率モードである状況における変動開始処理の当否判定処理(図16)及び保留予告用の確認処理(ステップS1104〜ステップS1113)では、大当たり数値情報の確認個数が「10」に設定され、少なくとも確認対象の情報が大当たり当選に対応していない場合には、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理が実行される。
さらにまた、本パチンコ機10では、遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが並設されていて両作動口33,34への入賞が同時に発生し得るとともに、各作動口33,34への入賞が発生したか否かの判定及びそれぞれの入賞に対する情報取得処理がタイマ割込み処理にて実行される構成であるため、通常処理の1処理回において、上作動口33への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されるとともに、下作動口34への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されることがある。この場合に、当否抽選モードが高確率モードである状況において変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでの範囲内で保留予告用の確認処理の実行が制限されない構成を想定すると、1処理回の通常処理が完了するまでの範囲内で大当たり数値情報との比較処理を30回行う必要が生じ得る。
上記想定した構成の場合、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることとなる。そうすると、遊技回の進行、遊技状態の移行、及び遊技球の発射制御などを良好に行えなくなってしまうことが懸念される。また、上記想定した構成の場合、本パチンコ機10では、通常処理においてステップS401〜ステップS408の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過している状態となることが起こり得る。そうすると、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限されるため、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることが抑えられる。
ちなみに、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理の実行を担保する上では、通常処理において第1番目の処理が実行される周期を4msecよりも長くする構成も考えられるが、この場合、ステップS401〜ステップS408の各処理が実行される周期が遅くなり好ましくない。
また、上記処理時間を短くするという点では、高確率モードにおける大当たり数値情報の数を減らす構成も考えられるが、この場合、高確率モードにおける当選確率がそれだけ低くなり、高確率モードに滞在する期間が必要以上に長くなってしまい好ましくない。また、大当たり乱数カウンタC1の数値範囲を狭くすることで、高確率モードにおける当選確率を低下させることなく、上記処理時間を短くする構成も考えられるが、この場合、低確率モードにおける当選確率がそれに影響されてしまい、好ましくない。
さらにまた、保留コマンドの設定処理において比較処理を行った結果、大当たり当選に対応している場合には、保留情報に含まれる当否情報として「1」を格納し、大当たり当選に対応していない場合には、保留情報に含まれる当否情報として「0」を格納し、当否判定処理では、当否情報が「0」又は「1」のいずれであるかを判定する構成も考えられる。この場合、当否判定処理の処理時間を短縮することが可能となる。しかしながら、4個の保留情報が記憶されている状況においては、各保留情報に係る遊技回のリーチ発生の有無などによって4個目の保留情報が当否判定処理の対象となるまでに長時間を要することがある。そうすると、電気的なノイズなどの原因により「0」の当否情報が「1」に書き換えられてしまう可能性が高まり、書き換えられてしまうと大当たり当選が発生してしまうため、好ましくない。
上記のように例示した各構成に対して、本パチンコ機10では変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることを制限する構成であるため、上記のような不都合を生じさせることなく、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じてしまうことが抑えられる。
ちなみに、1遊技回の平均消化時間は約10secとなっており、当該10secの間に4msec周期の通常処理が実行される回数は約2500回となる。つまり、1遊技回単位で見た場合に、2500回の処理回の通常処理のうち変動開始処理は1回の処理回の通常処理に対してのみ実行されるため、保留予告用の確認処理の実行が制限されるのも2500回に1回となる。また、遊技ホールの1営業日単位で見た場合、本パチンコ機10の遊技を終日行ったとしても、保留予告用の確認処理の実行が制限されるのは1,2回あるかないかといった程度となる。したがって、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることを制限する構成としたとしても、保留予告用の確認処理の実行が実際に制限されることは稀であり、保留予告の演出に対する実質的な影響はないものと考えられる。
次に上記(II)の条件で保留予告用の確認処理の実行が制限される場合について説明する。
既に説明したとおり制限フラグは、任意の一の遊技回が終了される場合に常に格納されるとともに、かかる遊技回の終了処理が実行された処理回の通常処理よりも後の処理回の通常処理にて新たな遊技回の変動開始処理が実行され、さらに当該変動開始処理が実行された処理回の通常処理の次に実行される処理回の通常処理にて消去される。したがって、保留情報が記憶されていない状況では基本的に制限フラグが格納されており、当否抽選モードが高確率モードである状況では上記(I)の条件が成立することとなる。
但し、ノイズの発生などにより制限フラグが消去された直後においては、制限フラグが格納されていない状況で保留情報が記憶されていない状況となる。これに対して、このような状況では上記(II)の条件が成立する。そうすると、保留コマンドの設定処理(図20)では、ステップS1103にて否定判定をすることで、ステップS1104〜ステップS1113に示す保留予告用の確認処理を実行することなくステップS1114に進む。ステップS1114では、既に説明したように不一致保留コマンドを設定し、その後、保留コマンドの設定処理を終了する。
これにより、ノイズの発生などにより制限フラグが消去された直後において保留情報が取得された状況であっても、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留球格納エリア232に記憶されている保留情報に応じた保留予告が、当該保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、上作動口33又は下作動口34への入賞を発生させる遊技と、当該入賞に基づき取得された保留情報の当否判定結果を確認する遊技だけでなく、複数の保留情報が保留記憶されている場合には当否判定の対象となる順番が後の保留情報について当否判定の対象となった場合の結果を保留予告の内容に応じて確認するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、参照すべき大当たり数値情報の数が多く設定されている高確率モードでは、当否判定処理が実行される処理回の通常処理の範囲内では保留予告用の確認処理の実行が行われないように制限される。これにより、通常処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、通常処理の良好な実行を担保しつつ、保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特に、当否判定処理は、遊技者の利益に直結するものであるため、通常処理の1処理回の実行が完了するまでの処理時間に関係なく、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てを参照する必要があるのに対して、保留予告用の確認処理は、保留予告という演出を行うための処理であるため、その実行が制限されたとしても遊技者の利益に影響を及ぼさない。
また、保留予告用の確認処理の実行を制限する場合、当該保留予告用の確認処理が実行されないようにされる。これにより、制限に係る処理構成の簡素化が図られる。
また、低確率モードにおいては上記制限は行われない。これにより、低確率モードにおいては保留予告用の確認処理が確実に実行されることとなり、当該保留予告用の確認処理が実行される機会が極端に低減されてしまうことが抑えられる。
また、遊技回を終了させる処理が実行された処理回の通常処理では当否判定処理が実行されることはなく、当該処理回よりも後の処理回にて当否判定処理が実行され得る構成において、遊技回を終了させる処理が実行された場合に制限が開始される。これにより、通常処理の1処理回の範囲内で当否判定処理よりも先に保留予告用の確認処理が行われ得る構成であっても、当否判定処理が行われる場合における通常処理の処理回の範囲内では保留予告用の確認処理の実行を制限することができる。
また、上記制限が行われている状況では、当否判定処理が実行された範囲内の通常処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において制限が解除される。これにより、通常処理の1処理回の範囲内で当否判定処理よりも後に保留予告用の確認処理が行われ得る構成であっても、当否判定処理が行われる場合における通常処理の処理回の範囲内では保留予告用の確認処理の実行を制限することができる。
また、本構成によれば、当否判定処理の実行が阻止されていない状況であって保留情報が記憶されていない状況において保留情報が新たに取得された場合、当該保留情報について保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。よって、かかる状況において通常処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、保留予告用の確認処理の実行が制限される構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
先ず、本実施の形態における作動口用の入賞処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1401では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS1402〜ステップS1407の処理を実行することなくステップS1408に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS1402に進む。
ステップS1402では、上作動口入賞フラグを消去する。その後、ステップS1403にて、始動保留記憶数Nが上限値未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS1408に進む。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、ステップS1404に進み、始動保留記憶数Nを1加算する。
続くステップS1405では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS304にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS1406では、RAM204の各種フラグ格納エリア234に設けられた待機フラグ格納エリア(待機情報記憶手段)に待機フラグ(待機情報)が格納されている場合には当該待機フラグを消去する。待機フラグは保留予告用の確認処理の実行が回避された場合に格納され、後述する待機用処理の待機状態であることをMPU202にて特定するための情報である。その後、ステップS1407にて保留コマンドの設定処理を実行する。
ここで、保留コマンドの設定処理について図26のフローチャートを参照して説明する。
保留コマンドの設定処理ではステップS1501〜ステップS1514にて、上記第1の実施の形態におけるステップS1101〜ステップS1114と同様の処理を実行する。したがって、本実施の形態であっても、
(I)制限フラグが格納されており(ステップS1501:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1503:NO)
(II)制限フラグが格納されていない場合であっても、複数の保留情報が記憶されておらず(ステップS1502:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1503:NO)
のいずれかの条件が成立している場合には、ステップS1504〜ステップS1513にて示す保留予告用の確認処理の実行が制限される。
上記(I)の条件又は上記(II)の条件が成立している場合にはステップS1503にて否定判定をし、ステップS1515に進む。ステップS1515では、始動保留記憶数Nが「1」を超えているか否かを判定し、「1」以下である場合にはステップS1514にて不一致保留コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。「1」を超えている場合にはステップS1511にてRAM204に待機フラグを格納するとともに、ステップS1514にて不一致保留コマンドを設定した後に、本設定処理を終了する。
作動口用の入賞処理(図25)の説明に戻り、ステップS1408では、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのままステップS1410に進む。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS1409にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS1404〜ステップS1407の処理を実行する。この場合、ステップS1404〜ステップS1407の処理後におけるステップS1408の処理にて否定判定をすることで、ステップS1410に進む。
ステップS1410では、RAM204に制限フラグが格納されているか否かを判定する。制限フラグが格納されている場合にはそのまま本入賞処理を終了する。制限フラグが格納されていない場合には、ステップS1411にてRAM204に待機フラグが格納されているか否かを判定し、待機フラグが格納されていない場合にはそのまま本入賞処理を終了する。
待機フラグが格納されている場合にはステップS1412にて待機フラグを消去するとともにステップS1413にて待機用処理を実行した後に、本入賞処理を終了する。待機用処理は、保留予告用の確認処理の実行が制限され大当たり数値情報に対応しているか否かに関係なく不一致保留コマンドが送信されている保留情報について、修正可能な状況であることを条件として、保留予告用の確認処理を実行し、大当たり数値情報に対応している場合にはその旨を示す修正用コマンドを送信するための処理である。
当該待機用処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。なお、本パチンコ機10では保留予告用の確認処理の実行が制限されるのは低確率モード及び高確率モードのうち高確率モードのときのみであるため、当該待機用処理も高確率モードにおいてのみ実行される。
ステップS1601では、前回取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS1602では、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を、高確率モード用の大当たり数値情報の数である「10」の情報に更新することで、確認個数を「10」に設定する。
その後、ステップS1603では、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1604では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS1601にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS1603にて取得した取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS1605にて、ステップS1604において比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1606にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1607にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1603に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1605にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1608にて修正用コマンドを設定した後に本待機用処理を終了する。一方、ステップS1602にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1607の処理にて否定判定をする。この場合、そのまま本待機用処理を終了する。
ステップS1608にて設定された修正用コマンドは、通常処理(図12)におけるステップS401にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる修正用コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、修正用コマンドを受信している場合、保留予告制御処理にてそれに対応した処理を実行する。
ここで、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1701〜ステップS1710の各処理は、上記第1の実施の形態における保留予告制御処理(図21)のステップS1201〜ステップS1210の各処理と同一である。
本保留予告制御処理では、ステップS1708にて否定判定をした場合又はステップS1710の処理を実行した場合には、ステップS1711にて修正用コマンドを受信しているか否かを判定する。修正用コマンドを受信していない場合には、そのまま本保留予告制御処理を終了する。修正用コマンドを受信している場合には、ステップS1712にて報知発生抽選処理を実行する。当該報知発生抽選処理の処理内容は、ステップS1204と同様である。
続くステップS1713では、上記報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選でない場合には、そのまま本保留予告制御処理を終了する。報知発生当選である場合には、ステップS1714にて修正処理を実行した後に、本保留予告制御処理を終了する。
修正処理では、保留表示用エリア271における単位エリア272〜275のうち、現状の表示側保留記憶数SNに対応した単位エリアに対して外れ情報に代えて当たり情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、実際には大当たり数値情報に対応した保留情報であるにも関わらず、保留報知用の確認処理の実行が制限されたことに伴って外れ情報が表示されていた単位保留表示領域Ga1〜Ga4の対応する領域において当たり情報が表示されることとなる。
以上詳述した本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に当否抽選モードが高確率モードである状況では、当否判定処理が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることが制限される。よって、かかる制限に基づく、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、本実施の形態では、保留予告用の確認処理の実行が制限されたとしても所定の条件を満たしている場合には、その制限に係る保留情報について後から保留予告用の確認処理が実行される。これにより、当否判定処理が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理が実行されることを制限しながら、各保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行される機会を上記第1の実施の形態よりも高められる。
特に、保留予告用の確認処理の実行が制限された場合には、制限対象となった保留情報が大当たり数値情報に対応しているか否かに関係なく当該保留情報が大当たり数値情報に対応していないとする特定結果を導出し、その後に当該制限対象となった保留情報について保留予告用の確認処理が実行され大当たり数値情報に対応していると判定された場合にはそれに対応した修正結果が導出される。特定結果が導出されることで保留予告用の確認処理の実行が制限されたとしても保留予告に係る処理を円滑に行うことができるとともに、修正結果が導出されることで、一旦は保留予告の実行が制限されたとしても、その後に保留予告を実行することが可能となり、保留予告が実行される機会が高められる。
また、保留予告用の確認処理の実行が制限された後であって当該制限対象となった保留情報について保留予告用の確認処理が実行される前のタイミングで保留情報が新たに取得された場合、当該制限対象となっている保留情報について保留予告用の確認処理が実行されない。これにより、保留予告用の確認処理をいずれの保留情報について行うべきかの特定を行うための処理が煩雑なものとなってしまうことを抑えながら、上記のような優れた効果を奏することができる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、保留予告用の確認処理の実行が制限される構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図29は、本実施の形態における保留コマンドの設定処理を示すフローチャートである。
保留コマンドの設定処理ではステップS1801〜ステップS1803にて、上記第1の実施の形態におけるステップS1101〜ステップS1103と同様の処理を実行する。したがって、本実施の形態であっても、
(I)制限フラグが格納されており(ステップS1801:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1803:NO)
(II)制限フラグが格納されていない場合であっても、複数の保留情報が記憶されておらず(ステップS1802:YES)、さらに当否抽選モードが高確率モードである場合(ステップS1803:NO)
のいずれかの条件が成立している場合には、ステップS1804における通常時の確認処理の実行が制限される。なお、当該通常時の確認処理では、上記第1の実施の形態におけるステップS1104〜ステップS1114と同様の処理を実行する。
上記(I)の条件又は上記(II)の条件が成立している場合にはステップS1803にて否定判定をし、ステップS1805に進む。ステップS1805では、今回の入賞に基づきステップS305にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS1806では、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を一部判定個数の情報である「4」の情報に更新することで、確認個数を「4」に設定する。
ステップS1806の後は、ステップS1807〜ステップS1813において上記第1の実施の形態におけるステップS1108〜ステップS1114と同様の処理を実行する。すなわち、ステップS1807にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1808では、ステップS1805にて取得した大当たり判定用の情報とステップS1807にて取得した大当たり数値情報との比較処理を実行する。その後、ステップS1809では、比較処理にて両情報が一致していると判定されたか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1810にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1811にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1807に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1809にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1812にて一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。一方、ステップS1806にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1811の処理にて否定判定をする。この場合、ステップS1813にて不一致保留コマンドを設定した後に本保留コマンドの設定処理を終了する。
以上のとおり、本実施の形態では、保留予告用の確認に係る通常時の確認処理の実行が制限される場合であっても、高確率モード用に設定されている複数の大当たり数値情報のうちの一部を確認対象として保留予告用の確認処理が実行される。これにより、通常処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始処理と保留情報の取得処理とが重なり、保留予告用の確認処理が制限される場合であったとしても、その取得に係る保留情報の内容をある程度は反映した状態で保留コマンドの設定が行われることとなり、制限に係る保留情報であっても保留予告を行うことが可能となる。
また、上記制限に係る確認処理では、高確率モード用に設定されている複数の大当たり数値情報の全てを確認対象とするのではなく一部を確認対象とする構成であるため、全てを確認対象とする構成に比べ、通常処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始処理と保留情報の取得処理とが重なったとしても、かかる処理回が完了するのに要する時間の短縮化は図られる。
なお、一部判定個数は「4」に限定されることはなく、高確率モード用に設定されている大当たり数値情報の数よりも少なく且つ1以上であれば任意であり、例えば、「2」又は「3」であってもよく、「5」以上であってもよい。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、遊技回制御処理の処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図30は、本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、先ずステップS1901にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS1902〜ステップS1907の遊技回進行用処理に進む。
遊技回進行用処理では、先ずステップS1902にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過している場合には、ステップS1903にて変動終了処理を実行するとともにステップS1904にて変動終了コマンドを設定する。これらステップS1903及びステップS1904の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS509の処理及びステップS510の処理と同様である。
変動表示時間が経過しておらずステップS1902にて否定判定をした場合には、ステップS1905にて変動表示用処理を実行する。かかる処理は上記第1の実施の形態におけるステップS508の処理と同様である。続くステップS1906では、保留予告用の確認処理の制限開始タイミングであるか否かを判定する。
ここで、制限開始タイミングとは、実行されている遊技回について変動終了処理が実行されることとなる通常処理の処理回に対して制限開始回数分だけ前の処理回となっているタイミングのことである。本パチンコ機10では、上記制限開始回数が1回として設定されているが、これに限定されることはなく複数回として設定されていてもよい。但し、保留予告用の確認処理が制限される期間を極力抑える上では、上記制限開始回数を1回として設定することが好ましい。
また、制限開始タイミングを特定するための具体的な構成は任意であるが、本パチンコ機10では、遊技回の開始に際して遊技回の終了タイミングを特定するために変動表示時間情報が格納されることとなる変動表示時間カウンタエリアの情報が制限開始回数に対応した値となっているか否かを判定することにより行われる。
なお、変動表示時間カウンタエリアへの変動表示時間情報の格納に係る構成や減算に係る構成は上記第1の実施の形態と同様である。また、変動表示カウンタエリアの更新が減算式で行われるのではなく加算式で行われる構成においては、加算後の値が制限開始回数に対応した値であるか否かを判定する構成としてもよい。
制限開始タイミングでない場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。制限開始タイミングである場合には、ステップS1907にてRAM204の各種フラグ格納エリア234における制限フラグ格納エリアに制限フラグを格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS1901にて、メイン表示部43が変動表示中ではないと判定した場合、又はステップS1904の処理を実行した後は、ステップS1908〜ステップS1912の遊技回開始用処理に進む。
遊技回開始用処理では、先ずステップS1908にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中である場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了する。開閉実行モード中でない場合には、ステップS1909にて、始動保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。
始動保留記憶数Nが「0」である場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS1910にてデータ設定処理を実行し、ステップS1911にて変動開始処理を実行し、さらにステップS1912にてRAM204の各種フラグ格納エリア234における変動開始フラグ格納エリアに変動開始フラグを格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。これらステップS1910〜ステップS1912の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS504〜ステップS506の処理と同様である。
以上のとおり本実施の形態における遊技回制御処理では、遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に、遊技回開始用処理が行われる。これにより、例えば、一の遊技回が実行されている状況において保留情報が保留記憶されている場合には、当該遊技回の終了処理を実行した処理回の通常処理の範囲内で次の遊技回が開始されることとなるため、1の遊技回の終了から次の遊技回が開始されるまでの期間の短縮化が図られる。
本実施の形態では、上記のとおり、遊技回制御処理の構成が上記第1の実施の形態と異なっているが、その他の処理構成は同一となっている。保留予告に係る処理について具体的には、通常処理(図12)では、遊技回制御処理よりも前のタイミングで制限解除処理が実行されるとともに、当該制限解除処理の処理構成は上記第1の実施の形態における処理構成(具体的には、図23にて示す処理構成)と同一となっている。また、保留コマンドの設定処理の処理構成や、表示制御装置212における保留予告制御処理の処理構成も上記第1の実施の形態における処理構成(具体的には、前者については図20にて示す処理構成、後者については図21にて示す処理構成)と同一となっている。
次に、保留予告用の確認処理の実行が制限される様子について、図31のタイミングチャートを用いて説明する。
図31(a)は通常処理の最初の処理が実行されるタイミングを示し、図31(b)は変動開始処理が実行されるタイミングを示し、図31(c)は遊技回が行われているタイミングを示し、図31(d)は制限フラグが格納されているタイミングを示し、図31(e)は保留情報が取得されるタイミングを示し、図31(f)は保留予告用の確認処理が実行されるタイミングを示している。また、図31では、当否抽選モードが高確率モードである場合を示している。
所定の遊技回が実行されている状況であるt1のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。当該処理回の通常処理は、現在実行されている遊技回について変動終了処理が実行される処理回の通常処理に対して1回前の処理回に係る通常処理である。したがって、当該処理回の通常処理についてt2のタイミングにて遊技回制御処理が実行されることにより、制限フラグが格納される。
その後、t3のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。そして、t4のタイミングにて現在行われている遊技回について変動終了処理が実行されるとともに、t5のタイミングにて変動開始処理が実行され新たな遊技回が開始される。その後、t3のタイミングにて開始された処理回の通常処理が完了するタイミングよりも前のタイミングであるt6のタイミングにて保留情報が新たに取得されているが、当否抽選モードが高確率モードである状況で制限フラグが格納されているため、保留予告用の確認処理の実行が制限される。
その後、t7のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始されるとともに、t8のタイミングにて制限解除処理(図23)が実行されることで制限フラグが消去される。その後、t9のタイミングにて保留情報が新たに取得されるとともに、この取得された保留情報について保留予告用の確認処理が実行される。その後、t10のタイミングにて通常処理の新たな処理回が開始される。
以上のとおり、遊技回制御処理において遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に同一の処理回の遊技回制御処理にて遊技回開始用処理が実行される構成であったとしても、制限フラグの格納タイミング及び消去タイミングを上記のように設定したことで、通常処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始処理と通常の保留予告用の確認処理との両方が実行されてしまうことが制限される。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81において遊技を進行させるための処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における処理構成について説明する。
図32は、主制御装置81のMPU202にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理はパチンコ機10の電源が立ち上げられた場合に実行される処理である。
先ずステップS2001では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。続くステップS2002では、RAM204のアクセスを許可する。その後、ステップS2003では、電源及び発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS2004ではRAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS2005ではRAM判定値を算出し、続くステップS2006では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
RAM消去スイッチがオンされておらず、さらに電断フラグが格納されているとともにRAM判定値が正常である場合には、ステップS2007にてRAM204から電断フラグを消去するとともに、ステップS2008にてRAM判定値を消去する。その後、ステップS2009にて割込み許可を設定し、ステップS2010にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、ステップS2011にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS2009〜ステップS2011の処理を実行した後は、ステップS2009に戻り、ステップS2009〜ステップS2011の処理を繰り返す。
なお、ステップS2009にて割込み許可の設定を行った直後に割込み禁止の設定を行う構成としてもよい。この場合、後述するタイマ割込み処理は、割込み禁止の設定が行われている状況において起動タイミングとなった場合には、次回の割込み許可の設定が行われるまでその実行が待機される構成としてもよい。
一方、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS2012〜ステップS2013の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS2012〜ステップS2013の処理に移行する。
ステップS2012では、RAM204の使用領域を「0」にクリアし(初期化し)、ステップS2013では、RAM204の初期設定を実行する。その後、ステップS2009〜ステップS2011の処理に移行する。
図33は、主制御装置81のMPU202にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、ステップS2101〜ステップS2105にて、上記第1の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図9)のステップS101〜ステップS105と同様の処理を実行する。
その後、ステップS2106にて、変動種別カウンタCSの更新処理を実行し、ステップS2107にて遊技回制御処理を実行し、ステップS2108にて遊技状態移行処理を実行し、ステップS2109にて電役サポート用処理を実行し、ステップS2110にて遊技球発射制御処理を実行し、ステップS2111にて外部出力処理を実行する。上記ステップS2106〜ステップS2111のうち、ステップS2107の遊技回制御処理以外の各処理は、上記第1の実施の形態における通常処理(図12)のステップS401〜ステップS407において対応する処理と同様である。
以下、図34のフローチャートを用いて本実施の形態における遊技回制御処理について説明する。
遊技回制御処理では、ステップS2201〜ステップS2205にて、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS501〜ステップS505と同様の処理を実行する。そして、ステップS2205にて変動開始処理を実行した後に、ステップS2206にてRAM204に制限フラグが格納されている場合には当該制限フラグを消去する。
また、ステップS2207〜ステップS2211では、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS507〜ステップS511と同様の処理を実行する。したがって、ステップS2210にて変動終了コマンドを設定した後に、ステップS2211にてRAM204に制限フラグを格納する。
つまり、本実施の形態における遊技回制御処理では、制限フラグの格納タイミングは上記第1の実施の形態と同様となっているが、制限フラグの消去タイミングは異なっており、変動開始処理が実行された場合に制限フラグが消去される。
ここで、本実施の形態では、通常処理とそれに割り込んで起動されるタイマ割込み処理とのうち一方に遊技回制御処理が設定されているとともに他方に保留コマンドの設定処理が設定されているのではなく、通常処理及びタイマ割込み処理のうちいずれか一方、具体的にはタイマ割込み処理の一連の処理として、保留コマンドの設定処理と遊技回制御処理とが設定されている。また、1処理回のタイマ割込み処理において保留コマンドの設定処理が実行される順番は、遊技回制御処理よりも先となっている。さらに、遊技回制御処理では、1処理回において変動終了処理が実行された場合には、保留情報が保留記憶されている場合であっても当該処理回において変動開始処理が実行されることはなく、当該保留情報に係る変動開始処理は次の処理回の遊技回制御処理にて実行される。そして、変動終了処理が実行された場合に制限フラグが格納され、当該制限フラグは変動開始処理が実行された場合に消去される。
上記構成であることにより、例えば、1遊技回の変動終了処理が実行されて制限フラグが格納された場合には、少なくとも次の処理回のタイマ割込み処理において保留コマンドの設定処理における保留予告用の確認処理の実行が制限される。そして、その後に変動開始処理が実行される場合には、当該変動開始処理が実行される処理回のタイマ割込み処理において保留予告用の確認処理の実行が制限された後に、制限フラグが消去される。よって、1処理回のタイマ割込み処理の範囲内において通常の保留予告用の確認処理と当否判定処理とが共に実行されてしまうことを防止することができる。
特に、定期的に起動されるタイマ割込み処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長時間化する状況が生じるとすると、複数のタイマ割込み処理が重複して起動されてしまうことを防止すべく、タイマ割込み処理が起動される周期を長くせざるをえなくなる。そうすると、遊技を進行させる上での処理速度が遅くなってしまい好ましくない。これに対して、上記のように保留予告用の確認処理の実行が制限されることで、上記不都合の発生が抑えられる。
<第6の実施の形態>
本実施の形態では、遊技回制御処理の処理構成が上記第5の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図35は、本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、先ずステップS2301にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS2302〜ステップS2307の遊技回進行用処理に進む。
遊技回進行用処理では、先ずステップS2302にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過している場合には、ステップS2303にて変動終了処理を実行するとともにステップS2304にて変動終了コマンドを設定する。これらステップS2303及びステップS2304の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS509の処理及びステップS510の処理と同様である。
変動表示時間が経過しておらずステップS2302にて否定判定をした場合には、ステップS2305にて変動表示用処理を実行する。かかる処理は上記第1の実施の形態におけるステップS508の処理と同様である。続くステップS2306では、保留予告用の確認処理の制限開始タイミングであるか否かを判定する。かかる制限開始タイミングの内容及び制限開始タイミングを特定するための具体的な構成は、上記第4の実施の形態と同様である。
制限開始タイミングでない場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。制限開始タイミングである場合には、ステップS2307にてRAM204に制限フラグを格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS2301にて、メイン表示部43が変動表示中ではないと判定した場合、又はステップS2304の処理を実行した後は、ステップS2308〜ステップS2312の遊技回開始用処理に進む。
遊技回開始用処理では、先ずステップS2308にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中である場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了する。開閉実行モード中でない場合には、ステップS2309にて、始動保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。
始動保留記憶数Nが「0」である場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS2310にてデータ設定処理を実行し、ステップS2311にて変動開始処理を実行し、さらにステップS2312にてRAM204から制限フラグを消去した後に、本遊技回制御処理を終了する。これらステップS2310〜ステップS2312の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS504〜ステップS506の処理と同様である。
以上のとおり本実施の形態における遊技回制御処理では、遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に、遊技回開始用処理が行われる。これにより、例えば、1遊技回が実行されている状況において保留情報が保留記憶されている場合には、当該遊技回の終了処理を実行した処理回の通常処理の範囲内で次の遊技回が開始されることとなるため、1遊技回の終了から次の遊技回が開始されるまでの期間の短縮化が図られる。
本実施の形態では、上記のとおり、遊技回制御処理の構成が上記第5の実施の形態と異なっているが、その他の処理構成は同一となっている。保留予告に係る処理について具体的には、タイマ割込み処理(図33)では、遊技回制御処理よりも前のタイミングで、保留予告用の確認処理を含む保留コマンドの設定処理が実行される。また、保留コマンドの設定処理の処理構成や、表示制御装置212における保留予告制御処理の処理構成も上記第5の実施の形態における処理構成(すなわち、上記第1の実施の形態における処理構成)と同一となっている。
上記構成であることにより、遊技回制御処理において遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に同一の処理回の遊技回制御処理にて遊技回開始用処理が実行される構成であったとしても、1遊技回の終了に係る処理回よりも前の処理回のタイマ割込み処理にて制限フラグが格納され、当該制限フラグは次の遊技回の開始に係る処理回であって保留予告用の確認処理の実行が制限された後に消去される。したがって、タイマ割込み処理の1処理回が完了するまでの範囲内で遊技回の開始に係る当否判定処理と通常の保留予告用の確認処理との両方が実行されてしまうことが制限される。
<第7の実施の形態>
本実施の形態では、タイマ割込み処理の処理構成が上記第5の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図36は、本実施の形態におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、先ずステップS2401にて、RAM204に制限フラグが格納されているか否かを判定する。制限フラグが格納されている場合にはステップS2402にて制限フラグを消去した後にステップS2403に進み、制限フラグが格納されていない場合にはステップS2402の処理を実行することなくステップS2403に進む。
その後、ステップS2403では遊技回制御処理を実行し、ステップS2404にて遊技状態移行処理を実行し、ステップS2405にて電役サポート用処理を実行し、ステップS2406にて遊技球発射制御処理を実行し、ステップS2407にて読み込み処理を実行し、ステップS2408にて各種カウンタの更新処理を実行し、ステップS2409にてスルー用の入賞処理を実行し、ステップS2410にて作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
図37は、本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、ステップS2501〜ステップS2505にて、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS501〜ステップS505と同様の処理を実行する。そして、ステップS2505にて変動開始処理を実行した後に、ステップS2506にてRAM204に制限フラグを格納する。また、ステップS2507〜ステップS2510では、上記第1の実施の形態における通常処理(図13)のステップS507〜ステップS510と同様の処理を実行する。
つまり、本実施の形態では、1処理回のタイマ割込み処理において保留予告用の確認処理を含む保留コマンドの設定処理が実行される順番は、遊技回制御処理よりも後となっている。また、制限フラグは、変動開始処理が実行された場合に格納され、当該変動開始処理の実行に係る処理回よりも後、具体的には当該処理回の次の処理回のタイマ割込み処理において消去される。
上記構成であることにより、例えば、1遊技回の変動開始処理が実行されて制限フラグが格納された場合には、その変動開始処理が実行された処理回に係るタイマ割込み処理では通常の保留予告用の確認処理が実行されることが制限され、次の処理回のタイマ割込み処理において制限フラグが消去される。よって、1処理回のタイマ割込み処理の範囲内において通常の保留予告用の確認処理と当否判定処理とが共に実行されてしまうことを防止することができる。
<第8の実施の形態>
本実施の形態では、保留予告を行うための処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
先ず、主制御基板201のMPU202にて実行される本実施の形態における処理構成について説明する。
<通常処理>
図38は、本実施の形態における通常処理を示すフローチャートである。
通常処理は上記第1の実施の形態と同様に、電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS2601〜ステップS2606の処理が4msec周期で行われる一連の処理として実行され、その残余時間用の処理としてステップS2607〜ステップS2614の処理が実行される。
通常処理において、先ずステップS2601では、外部出力処理を実行する。具体的には、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。続くステップS2602では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
その後、ステップS2603にて遊技回制御処理を実行し、ステップS2604にて遊技状態移行処理を実行し、ステップS2605にて電役サポート用処理を実行し、ステップS2606にて遊技球発射制御処理を実行する。これら各処理のうち、ステップS2604の遊技状態移行処理、ステップS2605の電役サポート用処理及びステップS2606の遊技球発射制御処理は上記第1の実施の形態と同様である。一方、ステップS2603の遊技回制御処理は一部の処理内容が上記第1の実施の形態と相違している。かかる処理内容については後に説明する。
ステップS2606の処理を実行した後は、ステップS2607にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の開始タイミングに至っていない場合にはステップS2608〜ステップS2614の処理を実行する。
具体的には、先ずステップS2608にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS2609では、保留予告用の確認処理及び保留コマンドを出力対象として設定する処理を含む保留コマンドの設定処理を実行する。なお、保留コマンドの設定処理の処理内容については後に説明する。そしてステップS2610にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS2611にて再度、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS2612にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともにステップS2613にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そしてステップS2614にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS2607に戻り、ステップS2607にて肯定判定をするまで、ステップS2608〜ステップS2614の処理を繰り返す。
つまり、残余処理では、複数種の処理が設定されているとともに、それら複数種の処理のうち一部の処理を挟んで割込み禁止及び割込み許可の処理が設定されているとともに、他の一部の処理を挟んで割込み禁止及び割込み許可の処理が設定されている。すなわち、割込み禁止の処理から割込み許可の処理までを1単位の処理とした場合に、残余処理には1単位の処理が複数含まれている。
また、複数の1単位の処理において、所定の1単位の処理と他の1単位の処理とで制御対象の数が相違している。つまり、ステップS2607にて否定判定をしてから相対的に早いタイミングで実行される1単位の処理では、保留コマンドの設定という1種類の制御対象のみが含まれているのに対して、相対的に後のタイミングで実行される1単位の処理では、乱数初期値カウンタCINIの更新及び変動種別カウンタCSの更新という2種類の制御対象が含まれている。但し、各1単位の処理に要する最長の処理時間は先側の1単位の処理の方が後側の1単位の処理よりも長くなっている。
なお、各1単位の処理における最長の処理時間が相違している構成に限定されることはなく、各1単位の処理における最長の処理時間が同一となるように、各1単位の処理の処理配分が行われていてもよい。この場合、割込みが許可される周期が同一、略同一又は同様となるようにすることができる。また、ステップS2607において4msecが経過したか否かを判定する構成は必須のものではなく、例えば、タイマ割込み処理が所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。
<タイマ割込み処理>
図39(a)は本実施の形態におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
本実施の形態においてもタイマ割込み処理は2msecといった比較的短い周期により定期的に実行される。ここで、MPU202にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について、図39(b)を参照しながら説明する。主制御基板201には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路301が設けられており、当該クロック回路301はMPU202と電気的に接続されている。また、クロック回路301とMPU202とを繋ぐ所定の信号経路上にはパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として分周回路302が設けられている。
当該分周回路302はタイマ割込み処理の起動タイミングをMPU202にて特定するためのパルス信号を出力するように設けられている。つまり、分周回路302からMPU202に対して2msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。MPU202では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合に、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、MPU202における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから2.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから1.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路302からのパルス信号の出力はMPU202における処理の経過内容に関係なく2msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は当該特定周期で起動される。さらにまた、MPU202の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。なお、上記のタイマ割込み処理の起動に係る構成は当該第8の実施の形態とは異なる実施の形態においても同様である。
さて、本実施の形態におけるタイマ割込み処理では、先ずステップS2701にて戻りアドレスをMPU202のレジスタに記憶する処理を実行する。つまり、タイマ割込み処理は通常処理(図38)に対して割り込んで起動されることとなるが、この割込みに係る処理回のタイマ割込み処理が終了した場合には通常処理において割込み前に実行していた処理に復帰する必要がある。ステップS2701にて通常処理における戻りアドレスを記憶するための処理を実行することで、通常処理の割込み前の処理への復帰が可能となる。
続くステップS2702ではMPU202の現状のレジスタに記憶されている情報をRAM204に退避する処理を実行する。これにより、通常処理に復帰した場合においてそれまで利用していたデータなども復帰させることが可能となる。
続くステップS2703では電断用処理を実行する。本実施の形態では電断監視基板205からの電断信号がNMI端子ではなくMPU202の入力ポートに入力されるようになっており、ステップS2703ではこの入力ポートにおける電断信号の入力状況を監視する。そして、電断の発生を確認した場合には電断時処理を実行する。電断時処理では、RAM204に対して電断フラグを格納し、さらにRAM判定値の算出及び保存を行うとともに、RAM204へのアクセスを禁止した後に無限ループを継続する。
続くステップS2704では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、図40のフローチャートに示すように、先ずステップS2801にて、上作動口33に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、上作動口33の入賞信号を入力しているか否かを判定する。かかる処理の具体的な内容は、上記第1の実施の形態におけるステップS201と同様である。
上作動口33の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS2802にて、RAM204の上作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、上作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS2803にて、上作動口の検知済み状態を解除した後に、ステップS2809に進む。上作動口の検知済み状態とは、上作動口33への1個の遊技球の入賞を確認した場合においてその入賞については既に確認済みであることをMPU202にて特定するための状態であり、例えばフラグの有無により検知済み状態であるか否かが判定される。
一方、上作動口33の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS2804にて、上作動口の検知済み状態であるか否かを判定する。上作動口の検知済み状態である場合には、今回入力している入賞信号について上作動口33への入賞発生に係る処理の実行が完了していることを意味するため、そのままステップS2809に進む。
上作動口の検知済み状態ではない場合には、ステップS2805にて、上作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS2806では、上作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS2809に進む。「0」となっている場合には、ステップS2807にて、RAM204に上作動口入賞フラグを格納するとともに、ステップS2808にて、上作動口の検知済み状態に設定した後に、ステップS2809に進む。
ステップS2809では、下作動口34に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、下作動口34の入賞信号を入力しているか否かを判定する。かかる処理の具体的な内容は、上記第1の実施の形態におけるステップS206と同様である。
下作動口34の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS2810にて、RAM204の下作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、下作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS2811にて、下作動口の検知済み状態を解除した後に、ステップS2817に進む。下作動口の検知済み状態とは、下作動口34への1個の遊技球の入賞を確認した場合においてその入賞については既に確認済みであることをMPU202にて特定するための状態であり、例えばフラグの有無により検知済み状態であるか否かが判定される。
一方、下作動口34の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS2812にて、下作動口の検知済み状態であるか否かを判定する。下作動口の検知済み状態である場合には、今回入力している入賞信号について下作動口34への入賞発生に係る処理の実行が完了していることを意味するため、そのままステップS2817に進む。
下作動口の検知済み状態ではない場合には、ステップS2813にて、下作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS2814では、下作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS2817に進む。「0」となっている場合には、ステップS2815にて、RAM204に下作動口入賞フラグを格納するとともに、ステップS2816にて、下作動口の検知済み状態に設定した後に、ステップS2817に進む。
ステップS2817では、その他の読み込み処理として、一般入賞口31に対応した検知センサや、可変入賞装置32に対応した検知センサなどからの検知結果を確認し、その確認結果に応じた処理を実行する。
以上のとおり、本実施の形態では、MPU202において上作動口33や下作動口34への入賞の有無を判定する場合、先ず入賞が発生していないことを示す信号を受信していることを確認し、次に入賞が発生していることを示す信号を受信していることを複数回、具体的には2回に亘って連続したか否かを確認する。この場合に、各確認はタイマ割込み処理の1回の処理回において1回ずつ行われる。つまり、上作動口33への1個の入賞が発生したと確認してから次の入賞が発生したと確認するまでに、タイマ割込み処理が複数回、具体的には3回実行される必要がある。また、同様に下作動口34への1個の入賞が発生したと確認してから次の入賞が発生したと確認するまでに、タイマ割込み処理が複数回、具体的には3回実行される必要がある。
但し、上作動口33と下作動口34とのそれぞれに対して個別に検知センサが設けられているとともに、上作動口33への入賞の監視に係る処理と下作動口34への入賞の監視に係る処理との両方が1回のタイマ割込み処理内にて行われるため、タイマ割込み処理の1回の処理回において両作動口33,34への入賞の発生が確認される場合が生じ得る。また、上作動口33への入賞の発生が確認された処理回に対して次の処理回で下作動口34への入賞の発生が確認される場合が生じ得る。
タイマ割込み処理(図39)の説明に戻り、ステップS2704にて読み込み処理を実行した後は、ステップS2705に進む。ステップS2705では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。続くステップS2706では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。
その後、ステップS2707にてスルー用の入賞処理を実行するとともに、ステップS2708にて作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS2709にてレジスタの復帰処理を実行するとともにステップS2710にて戻りアドレスを参照した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS2707におけるスルー用の入賞処理は上記第1の実施の形態におけるステップS104と同様である。また、ステップS2709では、ステップS2702にてRAM204に退避させたデータをMPU202のレジスタに復帰させるとともに、ステップS2710では、ステップS2701にてMPU202のレジスタに記憶させた戻りアドレスを参照し、今回のタイマ割込み処理が終了した後に復帰することとなる通常処理のアドレスを把握する。これにより、タイマ割込み処理が終了した後は、当該タイマ割込み処理が起動される前に実行されていた処理に復帰することが可能となる。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ステップS2708の作動口用の入賞処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS2901では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS2902〜ステップS2906の処理を実行することなくステップS2907に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS2902に進む。
ステップS2902では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS2903では、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている始動保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS2907に進む。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、ステップS2904に進み、始動保留記憶数Nを1加算する。
続くステップS2905では、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS2904にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。ここで、上記第1の実施の形態では、上作動口33又は下作動口34への入賞の発生に対して保留情報を取得する場合には、上記各値のうち変動種別カウンタCSの値を取得することなく、当該変動種別カウンタCSの値は変動開始処理にて取得する構成としたが、本実施の形態では当該変動種別カウンタCSの値も保留情報として取得する。
続くステップS2906では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに保留予告を実行させるために必要な処理である取得時の設定処理を実行する。当該処理については、後に説明する。
ステップS2901にて否定判定をした場合、ステップS2903にて否定判定をした場合又はステップS2906の処理を実行した後は、ステップS2907にて、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS2908にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS2903〜ステップS2906の処理を実行する。この場合、ステップS2903〜ステップS2906の処理後におけるステップS2907の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが設けられ両作動口33,34への入賞が同時に発生し得る構成において、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞が発生したか否か及び下作動口34への入賞が発生したか否かが判定されるとともに、両作動口33,34への入賞が同時に発生している場合には、それぞれの入賞に対して、ステップS2903〜ステップS2905の情報取得処理と、ステップS2906の処理とが実行される。これにより、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合であっても、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得及び下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得を遅延なく行うことができるとともに、保留情報が増加したことをサブ側に認識させるための処理を遅延なく行うことができる。
<取得時の設定処理>
次に、ステップS2906の取得時の設定処理について、図42のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS3001では、保留数の把握処理を実行する。具体的には、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出す。続くステップS3002では、ステップS3001にて把握した保留数の情報を含む取得時コマンドをROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
取得時コマンドは、保留情報が新たに取得されたことを示すとともに、その保留情報が現状の何個目の保留情報に係るものであるかを示すコマンドである。ここで設定された取得時コマンドは、通常処理(図38)におけるステップS2601にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる取得時コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定し、保留ランプ部45の発光制御を行う。また、音声ランプ制御装置82では、取得時コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該取得時コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
続くステップS3003では、RAM204に処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。処理待ちフラグとは、保留情報の取得が既に発生している場合においてその保留情報について保留予告用の確認処理を実行すべき状態の待機状態であるか否かをMPU202にて特定するための情報である。処理待ちフラグが格納されている場合には、そのまま本設定処理を終了し、処理待ちフラグが格納されていない場合には、ステップS3004に進む。
ステップS3004では、RAM204に処理待ちフラグを格納する。その後、ステップS3005にて、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、RAM204に設けられた保留判定用エリアに格納する。ちなみに、ステップS2905の処理とステップS3005との処理の間に上記各カウンタC1〜C3,CSを更新する処理が存在しないため、ステップS3005にて格納される各数値情報は、直前のステップS2905にて保留用エリアREに格納された各数値情報と同一である。
なお、直前の保留情報の取得処理にて取得された各数値情報と同一の数値情報を保留判定用エリアに格納するための処理は、上記処理に限定されることはなく、例えば直前のステップS2905にて保留用エリアREに格納した各数値情報を当該保留用エリアREから読み出して保留判定用エリアに書き込む構成としてもよい。また、保留判定用エリアに各数値情報を書き込む処理の代わりに、今回の保留情報が保留用エリアREのいずれの保留エリアRE1〜RE4に格納されたかをMPU202にて認識可能とし、当該保留情報について後述する保留コマンドの設定処理にて参照する場合には保留用エリアREから情報を読み出す構成としてもよい。
続くステップS3006では、保留数カウンタの更新処理を実行する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた保留数カウンタエリアに対して、ステップS3001にて把握した保留数を、保留数カウンタエリアに上書きする。例えば、ステップS3001にて保留数が「1」であると把握した場合には、ステップS3006にて保留数カウンタエリアの情報は「1」となり、ステップS3001にて保留数が「4」であると把握した場合には、ステップS3006にて保留数カウンタエリアの情報は「4」となる。上記保留数カウンタエリアとは、後述する保留コマンドの設定処理において、保留予告用の確認処理を実行する場合に、その確認処理の実行対象となっている保留情報が保留用エリアREのいずれの保留情報に対応しているのかをMPU202にて把握するために利用される。ステップS3006の処理を実行した後に本設定処理を終了する。
ここで、既に説明したとおり、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得が行われるとともに、下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得が行われることがある。これに対して、一の保留情報が保留予告用の確認処理の対象として設定された場合には処理待ちフラグをRAM204に格納するとともに、処理待ちフラグが格納されている状況ではステップS3003にて否定判定をする構成としたことで、一の保留情報が保留予告用の確認処理の対象として設定されている状況で新たに保留情報が取得された場合にはその保留情報は保留予告用の確認処理の対象から除外される。
また、新たに取得された保留情報が保留予告用の確認処理の対象から除外される状況は、保留予告用の確認処理の対象となる保留情報が取得されてから後述する保留コマンドの設定処理が実行されるまでに、タイマ割込み処理が新たに起動されてそのタイマ割込み処理にて新たに保留情報が取得された場合にも発生する。但し、保留予告用の確認処理の対象から除外されるとしても、その保留情報についてサブ側の制御装置に対して取得時コマンドの出力は行われるため、保留情報の数の認識についてサブ側の制御装置との間で相違してしまうことはない。
上記のように所定の条件下では一部の保留情報を保留予告用の確認処理の対象から除外することにより、全ての保留情報を保留予告用の確認処理の対象とする場合に比べて、MPU202の処理負荷の軽減を図りながら、保留予告に係る処理を実行することが可能となる。
<遊技回制御処理>
次に、通常処理(図38)のステップS2603にて実行される遊技回制御処理について、図43のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS3101にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS3102以降の処理を実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS3102にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS3103〜ステップS3109の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS3103にて、始動保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS3104にてデータ設定処理を実行するとともに、ステップS3105にて変動開始処理を実行する。ステップS3104のデータ設定処理は上記第1の実施の形態におけるステップS504と同様である。
また、ステップS3105の変動開始処理は、変動表示時間の設定処理(図17)において上記第1の実施の形態では変動種別カウンタCSからその時点の数値情報を取得するようにした構成に代えて、今回の変動開始に係る保留情報に含まれる変動種別カウンタCSの数値情報を利用する点で相違する。
また、変動表示時間テーブルとして、通常大当たり結果用のテーブルと、確変大当たり結果用のテーブルと、外れリーチ用のテーブルと、完全外れ用のテーブルとが用意されており、変動表示時間の設定処理では該当遊技回の遊技結果に対応したテーブルを選択するとともに当該選択したテーブルと変動種別カウンタCSの値とを照合し、変動表示時間を決定する。この場合に、完全外れ用のテーブルを参照する場合には変動種別カウンタCSの値だけでなくその時点の保留情報の数が参照されて保留情報の数が多いほど短い変動表示時間が選択されるように構成されているが、完全外れ用のテーブル以外のテーブルを参照する場合には保留情報の数は参照されない。また、通常大当たり結果用のテーブルと、確変大当たり結果用のテーブルと、外れリーチ用のテーブルとで、複数種類設定されているスーパーリーチのそれぞれに対応した変動表示時間の各選択率が相違しており、例えば特定のスーパーリーチに対応した変動表示時間の選択率は確変大当たり結果用のテーブル>通常大当たり結果用のテーブル>外れリーチ用のテーブルとなるように設定されている。ステップS3105の変動開始処理において上記変動表示時間の設定処理以外の処理は、上記第1の実施の形態と同様である。
続くステップS3106では、保留数カウンタエリアの更新処理として、RAM204に設けられた保留数カウンタエリアの数値情報が「1」以上であることを条件に、当該保留数カウンタエリアの数値情報を1減算する処理を実行する。これにより、所定の保留情報が保留予告用の確認処理の対象となった後であって当該保留予告用の確認処理が実行される前に新たな変動開始が発生したとしても、保留予告用の確認処理に際して、消化順序がいずれの保留情報について当該確認処理を実行しているのかをMPU202にて把握することが可能となる。
続くステップS3107では、更新後の保留数カウンタエリアの情報が「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了し、「0」である場合にはステップS3108に進む。ステップS3108では、RAM204に格納されている処理待ちフラグを消去し、続くステップS3109にてRAM204の保留判定用エリアの初期化を行い、本遊技回制御処理を終了する。
上記のようにステップS3107〜ステップS3109の処理が実行されることにより、変動開始用として既に消化された保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行されてしまうことが防止できる。かかる処理が実行される状況は、例えば保留情報が0個の状況であって遊技回及び開閉実行モードのいずれも実行されていない状況で保留情報の新たな取得が行われ、さらに当該保留情報について後述する保留コマンドの設定処理が実行されるよりも前に遊技回制御処理が実行された場合に発生する。
一方、ステップS3102にてメイン表示部43が変動表示中であると判定した場合には、ステップS3110にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップS3111にて変動表示用処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。変動表示時間が経過している場合には、ステップS3112にて、変動終了処理を実行するとともに、ステップS3113にて、変動終了コマンドを設定した後に、本遊技回制御処理を終了する。
なお、上記第1の実施の形態では、変動開始フラグを格納する処理や、制限フラグを格納する処理が遊技回制御処理にて実行される構成としたが、本実施の形態ではこれら変動開始フラグや制限フラグが存在しておらず、これらフラグの設定に係る処理は遊技回制御処理に存在していない。
<保留コマンドの設定処理>
次に、通常処理(図38)のステップS2609にて実行される保留コマンドの設定処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。保留コマンドの設定処理では、ステップS3201〜ステップS3218,ステップS3222〜ステップS3224にて、保留予告用の確認処理を実行するとともに、ステップS3219〜ステップS3220にて、保留コマンドを出力対象として設定する処理を実行する。
当該保留コマンドの設定処理について詳細には、先ずステップS3201にて、RAM204に処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。処理待ちフラグが格納されていない場合には、保留予告用の確認処理を実行すべき保留情報が存在していないことを意味するため、そのまま本設定処理を終了する。
処理待ちフラグが格納されている場合には、ステップS3202にて処理待ちフラグを消去した後に、ステップS3203に進む。ステップS3203では、RAM204の保留判定用エリアから大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報を読み出す。
続くステップS3204では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS3205にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新することで、確認個数を「1」に設定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS3206にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「10」の情報に更新することで、確認個数を「10」に設定する。
ステップS3205又はステップS3206の後は、ステップS3207にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS3208では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS3203にて読み出した大当たり判定用の情報と、ステップS3207にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS3209にて、ステップS3208において比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS3210にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS3211にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS3207に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS3205又はステップS3206にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS3211の処理にて否定判定をする。この場合、ステップS3212に進む。
ステップS3212ではMPU202のレジスタに外れ情報を記憶する。続くステップS3213では、RAM204の保留判定用エリアからリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報を読み出す。続くステップS3214では、ステップS3213にて読み出したリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ちなみに、リーチ発生に対応している数値情報は、リーチ乱数カウンタC3に係る所定範囲の数値情報のうち連続する数値情報の一部範囲として設定されている。したがって、当該ステップS3214における処理では、ステップS3213にて読み出した数値情報と上記一部範囲の最小値とを照合するとともに、上記一部範囲の最大値とを照合することで、当該一部範囲に上記読み出した数値情報が含まれているか否かの判定を行う。
リーチ発生に対応していない場合には、そのままステップS3221に進む。リーチ発生に対応している場合には、ステップS3215に進み、MPU202のレジスタに外れリーチ情報を記憶する。続くステップS3216では、RAM204の保留判定用エリアから変動種別カウンタCSに係る数値情報を読み出す。その後、ステップS3217にて、変動種別の把握処理を実行する。具体的には、変動表示時間テーブルとして、外れリーチ用のテーブルを読み出すとともに、ステップS3216にて読み出した変動種別カウンタCSに係る数値情報を外れリーチ用のテーブルに対して照合する。
ちなみに、変動表示時間テーブルでは、変動種別カウンタCSにおける所定範囲の数値情報が、連続する複数の数値情報の単位で区分されている。ステップS3217では、各区分の最小値及び最大値と、ステップS3216で読み出した数値情報とを照合することで、いずれの変動種別に対応しているのかを判定する。
続くステップS3218では、変動種別の情報をMPU202のレジスタに記憶する。具体的には、ステップS3217の照合結果から導出した変動表示時間に対応した情報をレジスタに記憶する。
その後、ステップS3219にてRAM204の保留数カウンタエリアに格納されている情報を読み出す。そして、ステップS3220にて、保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS3215にて記憶した外れリーチ情報と、ステップS3218にて記憶した変動種別の情報と、ステップS3219にて読み出した保留数の情報と、に対応した保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
保留コマンドは、サブ側の制御装置において保留予告を開始すべきか否かのトリガとして機能するとともに、保留予告を開始すると決定した場合においてその保留予告の内容をサブ側の制御装置にて認識するために利用されるコマンドである。ここで設定された保留コマンドは、通常処理(図38)におけるステップS2601にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該保留コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
その後、ステップS3221にて、RAM204の保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
一方、ステップS3209にて比較結果が一致したと判定した場合には、ステップS3222に進む。ステップS3222では、RAM204の保留判定用エリアから大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を読み出す。
続くステップS3223では、種別判定処理を実行する。種別判定処理では、ROM203の振分テーブルから確変大当たり情報に対応した数値情報を取得する。そして、ステップS3222にて読み出した数値情報と確変大当たり情報に対応した数値情報とを比較し、確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。
ちなみに、振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2における所定範囲の数値情報が、連続する複数の数値情報の単位で区分けされている。ステップS3222では、各区分の最小値及び最大値と、ステップS3222で読み出した数値情報とを照合することで、いずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する。
その後、ステップS3224にて、ステップS3223の処理結果に対応した大当たり種別の情報をMPU202のレジスタに記憶する。続くステップS3216では、既に説明したとおり、RAM204の保留判定用エリアから変動種別カウンタCSに係る数値情報を読み出す。その後、ステップS3217にて、変動種別の把握処理を把握する。この場合、変動表示時間テーブルとして、ステップS3224にて記憶した大当たり種別の情報に対応したテーブルを読み出す。つまり、通常大当たり結果の情報を記憶した場合には通常大当たり結果用のテーブルを読み出して変動種別を把握し、確変大当たり結果の情報を記憶した場合には確変大当たり結果用のテーブルを読み出して変動種別を把握する。続くステップS3218では、既に説明したとおり、変動種別の情報をMPU202のレジスタに記憶する。
その後、ステップS3219にてRAM204の保留数カウンタエリアに格納されている情報を読み出し、ステップS3220にて保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS3224にて記憶した大当たり種別の情報と、ステップS3218にて記憶した変動種別の情報と、ステップS3219にて読み出した保留数の情報と、に対応した保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。その後、ステップS3221にて、RAM204の保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
以上のとおり、本実施の形態では、保留コマンドには大当たり結果となるか否かの情報だけでなく、外れリーチが発生するか否かの情報と、大当たり結果となる場合は大当たり種別の情報と、変動種別の情報と、その保留コマンドが現状の保留情報のうちいずれに対応しているかを示す情報と、が含まれることとなる。これにより、上記第1の実施の形態に比べて保留予告において遊技者に対して報知する内容のバリエーションが増加する。
<表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理を、図45のフローチャートを参照しながら説明する。保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうち一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
保留予告制御処理では、先ずステップS3301にて、音声ランプ制御装置82から取得時コマンドを受信しているか否かを判定する。取得時コマンドを受信している場合には、ステップS3302にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に記憶されている表示側保留記憶数SNを1加算する。当該表示側保留記憶数SNは、上記第1の実施の形態と同様に、ビデオRAM257の保留表示用エリア271に対応している。
続くステップS3303では、保留表示用エリアの設定処理を実行する。当該設定処理では、保留表示用エリア271のうち、ステップS3302にて加算した結果の表示側保留記憶数SNに対応した単位エリア272〜275に対して外れ情報を設定するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。
但し、当該設定処理が実行されたタイミングでは、単位エリア272〜275に対して設定した情報は表示画面Gの保留表示領域Gaに反映されない。つまり、ビデオRAM257のフレームバッファに設定されたデータが図柄表示装置41に出力されて、そのデータに対応した画像が表示画面Gにて表示されることとなるが、ステップS3303の処理を実行したタイミングではフレームバッファに対するデータの反映は行われないため、保留表示領域Gaに反映されない。
ステップS3301にて否定判定をした場合又はステップS3303の処理を実行した後は、ステップS3304にて、音声ランプ制御装置82からシフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS3305にて、保留カウンタエリア263に記憶されている表示側保留記憶数SNを1減算する。続くステップS3306では、シフト処理を実行する。当該シフト処理は、保留表示用エリア271の第1単位エリア272〜第4単位エリア275に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
但し、ステップS3303の場合と同様に、当該設定処理が実行されたタイミングでは、単位エリア272〜275に対して設定した情報は表示画面Gの保留表示領域Gaに反映されない。
ステップS3304にて否定判定をした場合又はステップS3306の処理を実行した後は、ステップS3307にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。本実施の形態では、主制御基板201のMPU202は開閉実行モードに移行する場合に開始コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信するとともに、開閉実行モードが終了する場合に終了コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信する構成となっており、表示制御装置212ではそれらコマンドを音声ランプ制御装置82から受信することで開閉実行モード中であるか否かを判定できる構成となっている。
開閉実行モード中ではない場合には、ステップS3308にて出力設定処理を実行する。当該出力設定処理では、保留表示用エリア271の第1単位エリア272〜第4単位エリア275に現状設定されている保留表示情報をフレームバッファに対して反映するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、現状の保留表示情報が表示画面Gの保留表示領域Gaにおいて反映される。
続くステップS3309では、音声ランプ制御装置82から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。保留コマンドを受信していない場合には、そのまま本保留予告制御処理を終了する。保留コマンドを受信している場合には、ステップS3310に進む。
ステップS3310では、保留予告を実行するか否かの抽選を行うための報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理では、保留コマンドの種類に関係なく1/3の確率で報知発生当選となるように当選確率が設定されている。但し、当選確率は1/3に限定されることはなく任意であり、保留コマンドの種類に応じて当選確率が相違している構成としてもよい。
続くステップS3311では、ステップS3310の抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選ではない場合には、そのまま本保留予告制御処理を終了する。
報知発生当選である場合には、ステップS3312にて、保留コマンドの内容把握処理を実行する。具体的には、大当たり結果の有無の情報と、大当たり結果である場合に大当たり種別の情報と、外れ結果である場合にリーチ発生の有無の情報と、変動種別の情報とを今回受信した保留コマンドの内容から把握する。
続くステップS3313では、表示内容の選択処理を実行する。当該選択処理では、ステップS3312にて把握した内容に応じた保留予告用の情報を選択する。但し、当該選択処理では、ステップS3312にて把握した内容に対して一義的に保留予告用の情報の選択を行うのではなく、当該把握した内容に応じた選択対象の中から所定の選択率で選択を行う。例えば、確変大当たり結果に対応している場合には「確変確定」、「大当たり」、「大当たり?」、「リーチ!」、「チャンス」といった保留予告用の情報の中から選択するのに対して、外れリーチに対応している場合には「大当たり?」、「リーチ!」、「チャンス」といった保留予告用の情報の中から選択する。
続くステップS3314では、保留数の把握処理を実行する。保留数の把握処理では、今回受信した保留コマンドが消化順序で何番目の保留情報に対応しているかを把握する。
続くステップS3315では、保留表示用エリアの修正処理を実行する。具体的には、ステップS3314にて把握した順番に対応した単位エリア272〜275の情報を、外れ情報から、ステップS3313にて選択した保留予告用の情報に上書きする。
その後、ステップS3316にて出力設定処理を実行する。当該出力設定処理の処理内容は、ステップS3308と同様であり、かかる処理が実行されることで、今回受信した保留コマンドの内容に対応した保留予告が行われる。ステップS3316の処理を実行した後に、本保留予告制御処理を終了する。
一方、ステップS3307にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS3317にて、保留予告の解除処理を実行する。保留予告の解除処理では、保留表示用エリア271の各単位エリア272〜275のうち、現状の表示側保留記憶数SN分のエリアに設定されている情報を全て外れ情報に設定するとともに、フレームバッファに対して各単位エリア272〜275の情報が反映されないようにする。これにより、開閉実行モードを契機として保留予告を終了させることができるとともに、開閉実行モード中に保留予告が行われないようにすることができる。さらに、開閉実行モードが終了した後は、保留予告の再開を阻止しながら、保留情報の個数の報知は再開されるようにすることができる。ステップS3317の処理を実行した後は、本保留予告制御処理を終了する。
なお、ステップS3317の処理を実行した場合に、保留表示領域Ga自体が表示画面Gから消去される構成としてもよい。この場合、次回の出力設定処理を実行した際に、表示画面Gにおける保留表示領域Gaの表示が再開されるようにすればよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留球格納エリア232に記憶されている保留情報に応じた保留予告が、当該保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、上記第1の実施の形態と同様に、遊技の多様化が図られ遊技の注目度が高められる。
この場合に、主制御基板201のMPU202では、定期的に実行される定期処理の一部を構成するタイマ割込み処理の範囲内で保留情報の取得処理を行いながら、非定期的に実行される所定の処理である残余処理(具体的には、ステップS2607〜ステップS2614)にて保留予告用の確認処理や保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、保留予告に係る処理ともいう)を実行する。タイマ割込み処理にて保留予告に係る処理の全てを行う構成を想定した場合、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定され、そうすると上作動口33や下作動口34への入賞の有無を監視する処理や保留情報を取得するための処理を定期的に行えない状況が発生し、これらの処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上記のように保留予告に係る処理は残余処理にて実行されるため、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、タイマ割込み処理の良好な実行を担保しつつ、保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、タイマ割込み処理は残余処理の途中であっても割り込んで起動され、その割り込まれる側である残余処理に上記保留予告に係る処理が設定されている。これにより、タイマ割込み処理の開始タイミングへの影響を抑えながら、保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、定期的に実行される定期処理の一部を構成する通常処理のステップS2601〜ステップS2606にて上記保留予告に係る処理を実行するのではなく、上記残余処理にてこれらの処理を実行する。例えば高確率モード及び高頻度サポートモードである状況でステップS2603の遊技回制御処理にて変動開始処理が実行されるとともに、ステップS2605の電役サポート用処理にて電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選や電動役物34aを開放状態とする処理が実行されて、ステップS2606の処理を完了したタイミングで既に4msecが経過している場合には保留予告に係る処理を実行することなくステップS2601の処理に復帰することができる。これにより、通常処理のステップS2601〜ステップS2606の定期的な実行を担保し易くなる。
残余処理では、上記保留予告に係る処理が開始される場合にタイマ割込み処理の実行が禁止されることにより、タイマ割込み処理の優先的な実行が上記保留予告に係る処理の実行を完全に阻害してしまうことを抑えることができる。また、当該割込み禁止の設定は上記保留予告に係る処理が終了するまで継続されるため、当該処理を開始した場合にはその処理を良好に完了することができる。
また、残余処理では、上記保留予告に係る処理だけでなく、各種カウンタCINI,CSを更新するための処理が実行されるが、当該更新用の処理が実行されている間はタイマ割込み処理の実行が禁止される。これにより、当該更新用の処理を開始した場合にはその処理を良好に完了することができる。
また、上記保留予告に係る処理と、各種カウンタCINI,CSを更新するための処理とが残余処理にて実行される構成において、これら各処理のうち一方の処理が終了したタイミングで一旦、タイマ割込み処理の割込みが許可される。これにより、タイマ割込み処理の開始タイミングが極端に遅れてしまうことを抑制することができる。
<第9の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81において遊技を進行させるための処理構成が上記第8の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における処理構成について説明する。
図46は、主制御装置81のMPU202にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理はパチンコ機10の電源が立ち上げられた場合に実行される処理である。
先ずステップS3401では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。続くステップS3402では、RAM204のアクセスを許可する。その後、ステップS3403では、電源及び発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS3404ではRAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS3405ではRAM判定値を算出し、続くステップS3406では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
RAM消去スイッチがオンされておらず、さらに電断フラグが格納されているとともにRAM判定値が正常である場合には、ステップS3407にてRAM204から電断フラグを消去するとともに、ステップS3408にてRAM判定値を消去する。その後、ステップS3411〜ステップS3417の残余処理に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS3409〜ステップS3410の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS3409〜ステップS3410の処理に移行する。
ステップS3409では、RAM204の使用領域を「0」にクリアし(初期化し)、ステップS3410では、RAM204の初期設定を実行する。その後、ステップS3411〜ステップS3417の残余処理に進む。
残余処理では、先ずステップS3411にて割込み禁止の設定を行い、続くステップS3412では保留コマンドの設定処理を実行する。保留コマンドの設定処理の処理内容は上記第8の実施の形態におけるステップS2609と同様である。そして、ステップS3413にて割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS3414にて再度、割込み禁止の設定を行い、続くステップS3415にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともにステップS3416にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS3417にて割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS3411に戻り、ステップS3411〜ステップS3417の処理を繰り返す。
図47は、主制御装置81のMPU202にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、先ずステップS3501にて戻りアドレスをMPU202のレジスタに記憶する処理を実行する。続くステップS3502ではMPU202の現状のレジスタに記憶されている情報をRAM204に退避する処理を実行する。
その後、ステップS3503〜ステップS3508にて、上記第8の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図39)のステップS2703〜ステップS2708と同様の処理を実行するとともに、ステップS3509〜ステップS3513にて、上記第8の実施の形態における通常処理(図38)のステップS2602〜ステップS2606と同様の処理を実行する。
続くステップS3514では外部出力処理を実行する。またステップS3515ではステップS3502にてRAM204に退避させたデータをMPU202のレジスタに復帰させるとともに、ステップS3516では、ステップS3501にてMPU202のレジスタに記憶させた戻りアドレスを参照し、今回のタイマ割込み処理が終了した後に復帰することとなる通常処理のアドレスを把握する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
以上のとおり、本実施の形態では、遊技回の開始に際して当否判定処理が実行される遊技回制御処理と、保留情報の取得を行う作動口用の入賞処理とが、通常処理及びタイマ割込み処理に分けて設定されているのではなく、タイマ割込み処理の一連の処理としてこれらの処理が設定されている。
この場合に、タイマ割込み処理にて、保留予告用の確認処理や保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、保留予告に係る処理ともいう)の全てを行う構成を想定した場合、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定される。特に、高確率モードにおいては低確率モードに比べて参照すべき数値情報の数が増加するため、1回のタイマ割込み処理の範囲内で遊技回の開始に係る当否判定処理と保留情報の取得に係る当否判定処理とが行われる構成を想定すると、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまう。そうすると上作動口33や下作動口34への入賞の有無を監視する処理、保留情報を取得するための処理、遊技回の開始に係る処理及び可変入賞装置32や電動役物34aを開閉制御する処理などを定期的に行えない状況が発生し、これらの処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上記保留予告に係る処理は一のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間にて実行される残余処理にて実行されるため、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、タイマ割込み処理の良好な実行を担保しつつ、保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
<第10の実施の形態>
本実施の形態では主制御基板201のMPU202にて実行される取得時の設定処理の処理構成が異なっている。本実施の形態における取得時の設定処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。なお、取得時の設定処理は、上記第8の実施の形態と同様に、保留情報が新たに取得された場合にそれに続けて実行される。
先ずステップS3601では、保留数の把握処理を実行する。続くステップS3602では、ステップS3601にて把握した保留数の情報を含む取得時コマンドを出力対象として設定する。
続くステップS3603では、RAM204に処理待ちフラグを格納し、ステップS3604にて、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、RAM204に設けられた保留判定用エリアに上書きする。その後、本設定処理を終了する。
上記第8の実施の形態では、既に保留予告用の確認処理の対象となっている保留情報が存在している状況で保留情報が新たに取得された場合には、既に確認処理の対象となっている保留情報がそのまま確認処理の対象として維持され、新たに取得された保留情報は確認処理の対象から除外される構成とした。これに対して、本実施の形態における取得時の設定処理では、上記第8の実施の形態におけるステップS3003に対応した処理が実行されないため、既に保留予告用の確認処理の対象となっている保留情報が存在している状況で保留情報が新たに取得された場合には、先に対象となっていた保留情報が確認処理の対象から除外されて、新たに取得された保留情報が確認処理の対象となる。
以上より、複数の保留情報の取得が保留予告用の確認処理を間に挟むことなく連続して発生したとしても、保留予告用の確認処理が実行される対象は、常に消化順序が後側の保留情報となるため、保留数カウンタエリアをRAM204に設ける必要がなく、さらに当該保留数カウンタエリアを更新するための処理を設ける必要もない。よって、保留予告用の確認処理を行う対象をMPU202にて把握するための処理の簡素化が図られる。
<第11の実施の形態>
本実施の形態では、内部抽選に係る構成及び保留予告に係る構成が上記第1の実施の形態と異なっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図49は、本実施の形態における遊技盤24の正面図である。
図49に示すように、本実施の形態ではメイン表示部305の構成が上記第1の実施の形態におけるメイン表示部43と異なっている。詳細には、メイン表示部43には、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。また、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。また、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。
なお、メイン表示部305は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部305にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
上記のように第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSが設けられていることに対応させて、センターフレーム42には複数の保留ランプ部306,307が設けられている。詳細には、センターフレーム42の前面側における左下部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1結果用の保留ランプ部306が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1結果用の保留ランプ部306の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右下部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2結果用の保留ランプ部307が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2結果用の保留ランプ部307の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図50は、本実施の形態における内部抽選に係る構成を説明するための説明図である。
図50に示すように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別カウンタC2と、リーチ乱数カウンタC3と、変動種別カウンタCSと、乱数初期値カウンタCINIと、電動役物開放カウンタC4と、が設けられている。これら各カウンタC1〜C4,CS,CINIの更新に係る構成は上記第1の実施の形態と同様である。但し、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞に基づき取得される保留情報に、上記第1の実施の形態では上記各カウンタ値のうち大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3のみが含まれる構成としたが、本実施の形態ではこれらカウンタ値に加えて、変動種別カウンタCSが含まれている。
本実施の形態における保留球格納エリア232には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域と、が設けられている。
第1取得情報記憶手段として設けられた第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリアRa1、第2エリアRa2、第3エリアRa3及び第4エリアRa4を備えており、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値が時系列的に格納される。なお、当該第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの1組の組み合わせが、上作動口33に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本実施の形態における第1特別情報に相当する。
第1エリアRa1〜第4エリアRa4には、上作動口33への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアRa1〜Ra4が設けられていることにより、上作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
第2取得情報記憶手段として設けられた第2結果表示部用保留エリアRbは、第1エリアRb1、第2エリアRb2、第3エリアRb3及び第4エリアRb4を備えており、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの1組の組み合わせが、下作動口34に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本実施の形態における第2特別情報に相当する。
第1エリアRb1〜第4エリアRb4には、下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRb1→第2エリアRb2→第3エリアRb3→第4エリアRb4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つのエリアRb1〜Rb4が設けられていることにより、下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。
次に、図51を参照しながら本実施の形態における当否テーブルを説明する。
図51(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図51(a−1)は上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について当否判定処理を実行する場合に参照される当否テーブルであり、図51(a−2)は下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について当否判定処理を実行する場合に参照される当否テーブルである。また、図51(b)は高確率モード用の当否テーブルを示し、図51(b−1)は上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について当否判定処理を実行する場合に参照される当否テーブルであり、図51(b−2)は下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について当否判定処理を実行する場合に参照される当否テーブルである。
低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図51(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は1個である。一方、高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図51(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は10個である。この場合、低確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値は、高確率モードである状況において大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値に含まれている。
また、各当否抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本実施の形態においては、外れ結果として、特別外れ結果(小当たり結果)と、通常外れ結果との2種類が設定されている。特別外れ結果及び通常外れ結果はいずれも当否抽選モードやサポートモードの移行契機とはならないが、特別外れ結果が開閉実行モードへの移行契機となるのに対して、通常外れ結果は開閉実行モードへの移行契機とはならない。
なお、詳細は後述するが、特別外れ結果を契機とした開閉実行モードは実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しないモードであり、当該開閉実行モードは遊技球の付与率への影響を抑えながら、可変入賞装置32の動作を演出として利用するモードである。
図51(a−1)及び図51(b−1)に示すように、上作動口33に係る保留情報が当否判定処理の対象となった場合には特別外れ結果が選択対象に含まれるが、図51(a−2)及び図51(b−2)に示すように、下作動口34に係る保留情報が当否判定処理の対象となった場合には特別外れ結果が選択対象に含まれない。下作動口34に係る保留情報の取得は、サポートモードが低頻度サポートモードである場合は発生しづらいのに対して、サポートモードが高頻度サポートである場合は発生し易い。高頻度サポートモードはいわゆる時短状態と称されるように遊技回の消化に要する時間が短縮化される状態に相当し、このような状態では特別外れ結果が発生しづらいようにすることで、開閉実行モードの演出としての利用を抑えて時間の短縮化を優先させることができる。
次に、図52を参照しながら本実施の形態における振分テーブルを説明する。
図52(a)は上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報について種別判定処理を実行する場合に参照される振分テーブルであり、図52(b)は下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報について種別判定処理を実行する場合に参照される振分テーブルである。
本実施の形態において当否判定処理にて大当たり当選となったことに基づき選択される大当たり結果として、低確大当たり結果と、最有利大当たり結果と、ジャンプアップ大当たり結果と、明示高確大当たり結果と、非明示高確大当たり結果とが設定されている。これら各大当たり結果は、(1)開閉実行モードに係る内容、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選モードに係る内容、及び(3)開閉実行モード終了後のサポートモードに係る内容という3つの内容のうち、少なくとも1の内容が相違している。
ここで、開閉実行モードへの移行の契機となる各種遊技結果の内容について、図53を参照しながら説明する。図53は各種遊技結果の内容を説明するための説明図である。
図53に示す各種遊技結果のうち、各種大当たり結果は当否抽選において大当たり当選となった場合に選択される遊技結果であり、特別外れ結果は当否抽選において大当たり当選とならなかった場合に選択される遊技結果である。
当否抽選モード及びサポートモードの移行態様について説明すると、特別外れ結果となった場合には、既に説明したとおり、開閉実行モードの前後で当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。低確大当たり結果となった場合には、開閉実行モード後に、当否抽選モードが低確率モードに設定されるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
最有利大当たり結果、ジャンプアップ大当たり結果及び明示高確大当たり結果となった場合には、開閉実行モード後に、当否抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる。当該高頻度サポートモードは、少なくとも次に大当たり結果が発生するまで継続する。非明示高確大当たり結果となった場合には、開閉実行モード後に、当否抽選モードが高確率モードに設定されるとともに、サポートモードは開閉実行モード前のモードが維持される。この場合に高頻度サポートモードに設定された場合には、当該高頻度サポートモードは少なくとも次に大当たり結果が発生するまで継続する。
次に、開閉実行モードの内容を説明する。
本実施の形態では、開閉実行モードとして、ラウンド数規定モードと開閉数規定モードとが設定されている。
ラウンド数規定モードとは、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行されるモードである。また、ラウンド遊技とは、当該ラウンド遊技に対応させて設定された上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、及び当該ラウンド遊技に対応させて設定された上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。但し、これに限定されることはなく、ラウンド遊技が、当該ラウンド遊技に対応させて設定されたラウンド遊技用の上限回数の開閉が可変入賞装置32にて行われること、及び当該ラウンド遊技に対応させて設定された上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技である構成としてもよい。ちなみに、ラウンド遊技の一の終了条件である上限個数は9個に設定されているが、これに限定されることはなく1個又は他の複数であってもよく、ラウンド遊技の種類ごとにその数が相違している構成としてもよい。
いずれかの大当たり結果となったことに基づいて、ラウンド数規定モードに移行することとなるが、いずれの大当たり結果を契機とした場合であってもランド遊技の上限回数は共通回数(具体的には15回)で同一となっている。このようにラウンド遊技の上限回数が共通していることにより、ラウンド遊技の上限回数を報知する専用の表示部は設けられていない。
一方、開閉数規定モードとは、ラウンド遊技が設定されておらず、可変入賞装置32の開閉回数が上限回数となること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口32aに入賞することのいずれか一方の条件が満たされることに基づき終了されるモードである。ちなみに、開閉数規定モードの上限個数はラウンド遊技の上限個数と同一の9個に設定されているが、これに限定されることはなく、ラウンド遊技の上限個数よりも少ない数であってもよく多い数であってもよい。ラウンド数規定モードにはいずれかの大当たり結果となったことに基づき移行し、開閉数規定モードには特別外れ結果となったことに基づき移行する。
各遊技結果における開閉実行モードの詳細な内容について説明する。
低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のいずれかを契機として移行する開閉実行モードでは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では長時間態様による1回の大入賞口32aの開閉が行われる。
ここで、本実施の形態では、可変入賞装置32の1回の開放態様が、大入賞口32aが開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間(開放継続期間)を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が最長時間である29secに設定された長時間態様(長期間態様)と、開放継続時間が上記最長時間よりも短い最短時間である0.06secに設定された短時間態様(短期間態様)と、が設定されている。
本実施の形態では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されているとともに、開閉数規定モードも終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技又は開閉数規定モードの上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技又は開閉数規定モードの上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aに対して、1回のラウンド遊技又は開閉数規定モードにおける上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口32aへの入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のいずれかを契機として移行する開閉実行モードでは上記のとおり各ラウンド遊技において長時間態様による1回の大入賞口32aの開閉が行われるため、遊技者は多量の遊技球の払出を受けることが可能となる。
低確大当たり結果となる遊技回では図柄表示装置41にて同一の偶数図柄の組み合わせが一の有効ライン上に停止表示されるとともに開閉実行モード中には演出Aという専用の演出が行われる。さらに開閉実行モードが終了した後は低確大当たり結果となったことに対応した態様で遊技回用の演出が行われる。したがって、低確大当たり結果となったことを遊技者は演出の内容から把握することができる。
同様に、最有利大当たり結果となる遊技回では図柄表示装置41にて同一の奇数図柄の組み合わせが一の有効ライン上に停止表示されるとともに開閉実行モード中には演出Bという専用の演出が行われる。さらに開閉実行モードが終了した後は高確率モードであって高頻度サポートモードであることに対応した態様で遊技回用の演出が行われる。したがって、最有利大当たり結果となったことを遊技者は演出の内容から把握することができる。
明示高確大当たり結果及び非明示高確大当たり結果のいずれかを契機として移行する開閉実行モードでは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、各ラウンド遊技では短時間態様による1回の大入賞口32aの開閉が行われる。また、特別外れ結果となった場合には、ラウンド数規定モードではなく開閉数規定モードに移行し、短時間態様による15回の大入賞口32aの開閉が行われる。
つまり、明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果のいずれかを契機として移行する開閉実行モードでは、短時間態様でのみ大入賞口32aの開閉が行われ、その回数は15回であり、大入賞口32aの開閉の総回数は15回である。このように大入賞口32aの開閉が短時間態様でのみ行われることで、当該開閉実行モードに移行したとしても遊技者への遊技球の払出が実質的に生じない。したがって、遊技者の出球を実質的に増加させない演出の一種として、開閉実行モードを実行させることができる。
当該開閉実行モードは大入賞口32aの開閉態様だけでなく、オープニング用の待機時間、連続する開閉動作間の時間、及びエンディング用の待機時間も同一となっている。したがって、当該開閉実行モードに移行した場合には、移行の契機となった遊技結果に寄らずに可変入賞装置32の動作が見た目上同様となり、可変入賞装置32の動作からはいずれの遊技結果が契機となったかを遊技者が把握することができない。
ちなみに、ラウンド数規定モードであることを示す専用の表示部が設けられていないとともに、ラウンド数規定モードの上限ラウンド数が全て同一となっていることに起因してラウンド遊技が行われる回数を示す専用の表示部は設けられていない。したがって、当該専用の表示部を根拠として、ラウンド数規定モード及び開閉数規定モードのいずれであるかを把握しようとしてもそれが不可となっている。
明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果のいずれかとなる遊技回において図柄表示装置41には共通の図柄の組み合わせが停止表示されるとともに、開閉実行モードの開始タイミングから少なくとも途中のタイミングまでは開閉実行モード中の演出も演出Cで共通している。したがって、当該開閉実行モードが実行された場合には、少なくとも途中のタイミングまでは、図柄表示装置41の表示内容を含めた演出を確認したとしても、いずれの遊技結果が契機となっているかを把握することができない。よって、当該開閉実行モードが実行された場合、遊技者はいずれの遊技結果が契機となったのかを予測しながら遊技を行うことができる。
非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果が移行の契機となった場合には、それまでのサポートモードが継続される。また、開閉実行モード中の演出は最後まで演出Cで共通している。したがって、非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果が移行の契機となった場合には、遊技者は当否抽選モードが低確率モード及び高確率モードのいずれに設定されているのかを予測しながら遊技を行うことができ、開閉実行モード後の遊技の注目度も向上させることができる。
一方、明示高確大当たり結果となった場合には、それまでのサポートモードに関係なく高頻度サポートモードが設定される。したがって、例えば低頻度サポートモードである状況で明示高確大当たり結果となり、上記開閉実行モードが実行された場合には、当該開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行し、遊技者は移行の契機となった遊技結果が明示高確大当たり結果であることを認識することができる。
かかる事情に対応させて、明示高確大当たり結果となった場合には、開閉実行モード中の最後の開閉が終了してからエンディング用の待機時間が経過するまでに亘って、明示高確大当たり結果に対応した演出Eが実行される。これにより、明示高確大当たり結果となった場合には、開閉実行モードの途中まではいずれの遊技結果が契機となったのかを遊技者に予測させながら、途中からは明示高確大当たり結果であることを教示することが可能となる。
ジャンプアップ大当たり結果を契機として移行する開閉実行モードでは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、1R目のラウンド遊技において短時間態様による大入賞口32aの開閉が15回行われる。すなわち、1回のラウンド遊技において大入賞口32aの開閉が複数回行われる。換言すれば、1回のラウンド遊技において、大入賞口32aが開放状態から閉鎖状態となり、それに続けて再度開放状態となるという現象が少なくとも1回発生する。また、2R目〜15R目の各ラウンド遊技においては長時間態様による1回の大入賞口32aの開閉が行われる。
つまり、当該開閉実行モードでは、最初に短時間態様での大入賞口32aの開閉が15回行われ、その後に長時間態様での大入賞口32aの開閉が14回行われる。これにより、当該開閉実行モードでは、開始タイミングから途中のタイミングまでは遊技者への遊技球の払出が実質的に生じないが、当該途中のタイミング以降は遊技者への多量の遊技球の払出が生じる。
当該開閉実行モードは、オープニング用の待機時間、連続する開閉動作間の時間が、特別外れ結果や非明示高確大当たり結果などを契機とした開閉実行モードと同一となっている。したがって、両開閉実行モードには、可変入賞装置32の動作が見た目上同様となる共通区間(低識別区間又は識別不可区間)が存在することとなり、当該共通区間では可変入賞装置32の動作からはいずれの遊技結果が契機となったかを遊技者が把握することができない。
また、ジャンプアップ大当たり結果となる遊技回において図柄表示装置41には共通の図柄の組み合わせが停止表示されるとともに、開閉実行モードの開始タイミングから1R目のラウンド遊技が終了するまで又は2R目のラウンド遊技が開始されるまでの演出が上記演出Cで共通している。したがって、当該開閉実行モードが実行された場合には、少なくとも途中のタイミングまでは、図柄表示装置41の表示内容を含めた演出を確認したとしても、いずれの遊技結果が契機となっているかを把握することができない。よって、当該開閉実行モードが実行された場合、遊技者はいずれの遊技結果が契機となったのかを予測しながら遊技を行うことができる。
一方、ジャンプアップ大当たり結果となった場合には、1R目のラウンド遊技で共通区間が終了し、2R目以降は長時間態様による大入賞口32aの開閉が行われる。したがって、当該態様を確認した遊技者は、移行の契機となった遊技結果がジャンプアップ大当たり結果であることを認識することができる。かかる事情に対応させて、ジャンプアップ大当たり結果となった場合には、2R目のラウンド遊技以降、ジャンプアップ大当たり結果に対応した演出Dが実行される。これにより、ジャンプアップ大当たり結果となった場合には、開閉実行モードの途中まではいずれの遊技結果が契機となったのかを遊技者に予測させながら、途中からはジャンプアップ大当たり結果であることを教示することが可能となる。
上記各遊技結果のうち各大当たり結果への振分の態様は、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とで相違している。具体的には、図52(a)に示すように、第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜34」が低確大当たり結果に対応しており、「35〜69」が最有利大当たり結果に対応しており、「70〜72」がジャンプアップ大当たり結果に対応しており、「73〜84」が明示高確大当たり結果に対応しており、「85〜99」が非明示高確大当たり結果に対応している。
一方、図52(b)に示すように、第2結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜99」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜34」が低確大当たり結果に対応しており、「35〜94」が最有利大当たり結果に対応しており、「95〜97」がジャンプアップ大当たり結果に対応しており、「98」が明示高確大当たり結果に対応しており、「99」が非明示高確大当たり結果に対応している。
上記のように第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、高確率モードへの移行の契機となる遊技結果が選択される確率は同一となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり結果となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり結果となった場合とで同一となっている。
但し、下作動口34への入賞に基づいて高確率モードへの移行の契機となる大当たり結果が発生する場合、長時間態様による大入賞口32aの開放が発生する開閉実行モードへ63/65の確率で移行するのに対して、上作動口33への入賞に基づいて高確率モードへの移行の契機となる大当たり結果が発生する場合、長時間態様による大入賞口32aの開放が発生する開閉実行モードへ38/65の確率で移行する。つまり、下作動口34への入賞に基づいて大当たり結果となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり結果となった場合よりも遊技者にとって有利となる。これにより、遊技者は上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
なお、下作動口34に入賞することの有利性を高めるための構成は、上記構成に限定されることはなく、例えば第2結果表示部用の振分テーブルでは低確大当たり結果と最有利大当たり結果とのみが設定されており、第1結果表示部用の振分テーブルでは上記各大当たり結果が設定されている構成してもよい。つまり、設定されている大当たり結果の選択率を相違させる構成に代えて又は加えて、設定されている大当たり結果の種類を相違させることで有利性に差異を設けるようにしてもよい。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板201のMPU202にて実行される本実施の形態における処理構成について説明する。
<タイマ割込み処理>
本実施の形態におけるタイマ割込み処理は、上記第8の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図39)と同様の処理構成となっており、2msecといった比較的短い周期により定期的に起動されるとともに、ステップS2701〜ステップS2710の処理を実行する。但し、ステップS2708における作動口用の入賞処理の処理構成が上記第8の実施の形態と異なっている。以下、図54のフローチャートを参照しながら、本実施の形態における作動口用の入賞処理を説明する。
先ずステップS3701では、RAM204に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS3702〜ステップS3705の処理を実行することなくステップS3706に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS3702に進む。
ステップS3702では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS3703では、第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。なお、当該処理を実行した場合に3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドを出力対象として設定する。
その後、ステップS3704にて情報取得処理を実行するとともに、ステップS3705にて取得時の設定処理を実行する。
ステップS3701にて否定判定をした場合又はステップS3705の処理を実行した後は、ステップS3706にて、RAM204に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS3707にて、下作動口入賞フラグを消去するとともに、ステップS3708にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。なお、当該処理を実行した場合に4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドを出力対象として設定する。
その後、ステップS3704にて情報取得処理を実行するとともに、ステップS3705にて取得時の設定処理を実行する。この場合、ステップS3705の処理後におけるステップS3706の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
ステップS3704における情報取得処理及びステップS3705における取得時の設定処理のうち取得時の設定処理については後に説明することとし、ステップS3704の情報取得処理について、図55のフローチャートを参照しながら以下に説明する。
先ずステップS3801では、上述したステップS3703又はステップS3708にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS3802にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1加算するとともに、ステップS3803にて総保留数CRNを1加算する。
その後、ステップS3804の処理を実行した後に、本情報取得処理を終了する。ステップS3804では、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値(各数値情報)を、対応する結果表示部用保留エリアRa,Rbにおける空きエリアRa1〜Ra4,Rb1〜Rb4のうち最初のエリア、すなわち上記ステップS3802にて1加算した保留記憶数と対応するエリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空きエリアRa1〜Ra4のうち最初のエリア、すなわち上記ステップS3802にて1加算した第1始動保留記憶数RaNと対応するエリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空きエリアRb1〜Rb4のうち最初のエリア、すなわち上記ステップS3802にて1加算した第2始動保留記憶数RbNと対応するエリアに格納する。
<通常処理>
図56は、本実施の形態における通常処理を示すフローチャートである。
通常処理は上記第1の実施の形態と同様に、電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理である。その概要として、ステップS3901〜ステップS3906の処理が4msec周期で行われる一連の処理として実行され、その残余時間用の処理としてステップS3907〜ステップS3917の処理が実行される。
通常処理において、先ずステップS3901では、外部出力処理を実行する。具体的には、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。続くステップS3902では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。その後、ステップS3903にて遊技回制御処理を実行する。
遊技回制御処理では、図57のフローチャートに示すように、先ずステップS4001にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS4002以降の処理を実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS4002にて、メイン表示部305が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。
メイン表示部305が変動表示中でない場合には、ステップS4003にて、総保留数CRNが「0」か否かを判定する。総保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。総保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS4004にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、図58のフローチャートに示すように、先ずステップS4101にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS4102〜ステップS4107の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS4108〜ステップS4113の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、総保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。換言すれば、上作動口33への入賞に基づく保留情報が先に取得されている状況であっても、下作動口34への入賞に基づく保留情報が取得された場合には、先に取得されていた上作動口33に係る保留情報よりも後に取得された下作動口34に係る保留情報が優先して消化される。
既に説明したとおり、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定処理の対象となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定処理の対象となった場合よりも、大当たり当選となった場合に選択される大当たり結果の種類が遊技者にとって有利なものとなり易い。また、電動役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードである場合には上作動口33への入賞よりも下作動口34への入賞の方が発生し易くなる。このような構成において当否判定処理に際して、上作動口33に係る保留情報よりも下作動口34に係る保留情報が優先して消化されるようにすることで、高頻度サポートモードにおいて遊技者が利益を得やすくなる。
また、上作動口33に係る保留情報が当否判定処理の対象となって欲しくないと考える遊技者は、遊技球の発射を継続させて下作動口34に係る保留情報が当否判定処理の対象となる状態を維持させようとするものと考えられる。この場合、パチンコ機10の稼働率が向上することが期待される。
データ設定処理の説明に戻り、第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS4102にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1減算する。続くステップS4103では総保留数CRNを1減算する。その後、ステップS4104では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアRa1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS4105にて第1結果表示部用保留エリアRaに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアRa1〜Ra4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRa1のデータをクリアすると共に、第2エリアRa2→第1エリアRa1、第3エリアRa3→第2エリアRa2、第4エリアRa4→第3エリアRa3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS4106では、RAM204に第2結果表示部フラグが記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS4107では、第1結果表示部用保留エリアRaのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である上側シフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS4107にて設定された上側シフト時コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した上側シフト時コマンドに基づいて、第1結果用の保留ランプ部306における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS4108にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2保留記憶数RbNを1減算する。続くステップS4109では総保留数CRNを1減算する。その後、ステップS4110では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアRb1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS4111にて第2結果表示部用保留エリアRbに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアRb1〜Rb4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアRb1のデータをクリアすると共に、第2エリアRb2→第1エリアRb1、第3エリアRb3→第2エリアRb2、第4エリアRb4→第3エリアRb3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS4112では、RAM204に第2結果表示部フラグが記憶されていない場合は第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合はその状態を維持する。
続くステップS4113では、第2結果表示部用保留エリアRbのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である下側シフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS4113にて設定された下側シフト時コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した下側シフト時コマンドに基づいて、第2結果用の保留ランプ部307における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
遊技回制御処理(図57)の説明に戻り、ステップS4004にてデータ設定処理を実行した後は、ステップS4005にて変動開始処理を実行する。本実施の形態における変動開始処理では、上記第1の実施の形態における変動開始処理(図15)と同様に先ず当否判定処理(図16)を実行する。この場合、本実施の形態では図51にて説明した当否テーブルを参照するとともに、上作動口33に係る保留情報が対象となっている場合には大当たり当選か否かの判定に加えて、特別外れ結果であるか否かの判定を行う。
また、ステップS703の種別判定処理では、対象となっている保留情報が上作動口33に係るものである場合には第1結果表示部用の振分テーブルを参照するとともに、下作動口34に係るものである場合には第2結果表示部用の振分テーブルを参照する。そして、当否判定処理及び種別判定処理の結果で導出された遊技結果に対応した停止結果設定処理を実行する。かかる停止結果設定処理は、今回の遊技回においてメイン表示部305に最終的に設定される絵柄の態様を設定するための処理であり、低確大当たり結果、最有利大当たり結果、ジャンプアップ大当たり結果、明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果、特別外れ結果及び通常外れ結果のそれぞれに対応させて絵柄の態様が相違している。この場合、メイン表示部305は図柄表示装置41に比べて表示領域が小さいため、遊技者にとって認識しづらいものとなっているとともに、絵柄の態様も遊技者にとって識別しづらいものとなっている。
また、ステップS708では、各遊技結果に応じた変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間を決定し、ステップS709では、今回の遊技回が上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報のうちいずれを対象としているのかをサブ側の制御装置において認識可能な情報を含む変動用コマンドを出力対象として設定する。また、ステップS710では、メイン表示部305の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の当否判定の対象となった保留情報に対応した側において変動表示を開始させる。
ステップS4005にて、変動開始処理を実行した後は、ステップS4006〜ステップS4014の処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。これらステップS4006〜ステップS4014の処理については後に説明する。
一方、メイン表示部305が変動表示中である場合には、ステップS4015に進む。ステップS4015では、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過していない場合には、ステップS4016にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS4017にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、前回の変動開始処理にて設定した絵柄の態様が今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。続くステップS4018では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
通常処理(図56)の説明に戻り、ステップS3903にて遊技回制御処理を実行した後は、ステップS3904にて遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、図55を参照しながら説明したような各遊技結果に応じた態様で開閉実行モードが実行されるように大入賞口開閉処理を実行するとともに、当該開閉実行モードの実行後は図55を参照しながら説明したような各遊技結果に応じた態様で当否抽選モード及びサポートモードの設定が行われるように開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
その後、ステップS3905にて電役サポート用処理を実行し、ステップS3906にて遊技球発射制御処理を実行する。これら処理は上記第1の実施の形態と同様である。ステップS3906の処理を実行した後は、ステップS3907にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の開始タイミングに至っていない場合にはステップS3908〜ステップS3917の残余処理を実行する。
残余処理では、先ずステップS3908にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS3909では、上作動口33に係る保留情報について保留予告を実行するために必要なコマンドの出力設定を行う上側保留コマンドの設定処理を実行する。なお、上側保留コマンドの設定処理の処理内容については後に説明する。そして、ステップS3910にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS3911にて再度、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS3912では、下作動口34に係る保留情報について保留予告を実行するために必要なコマンドの出力設定を行う下側保留コマンドの設定処理を実行する。なお、下側保留コマンドの設定処理の処理内容については後に説明する。そして、ステップS3913にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS3914にて再度、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行い、続くステップS3915にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともにステップS3916にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そしてステップS3917にてタイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS3907に戻り、ステップS3907にて肯定判定をするまで、ステップS3908〜ステップS3917の処理を繰り返す。
つまり、残余処理では、遊技の進行に係る処理及び遊技を進行させる上で必要なデータ設定に係る処理を含めた複数種の処理が設定されているとともに、それら複数種の処理のうち一部の処理を挟んで割込み禁止及び割込み許可の処理が設定されているとともに、他の一部の処理を挟んで割込み禁止及び割込み許可の処理が設定されている。すなわち、割込み禁止の処理から割込み許可の処理までを1単位の処理とした場合に、残余処理には1単位の処理が複数含まれている。
また、複数の1単位の処理において、所定の1単位の処理と他の1単位の処理とで制御対象の数が相違している。つまり、ステップS3907にて否定判定をしてから相対的に早いタイミングで実行される1単位の処理では、上側保留コマンドの設定という1種類の制御対象のみが含まれているとともに、その次に早いタイミングで実行される1単位の処理では、下側保留コマンドの設定という1種類の制御対象のみが含まれているのに対して、最も後のタイミングで実行される1単位の処理では、乱数初期値カウンタCINIの更新及び変動種別カウンタCSの更新という2種類の制御対象が含まれている。但し、各1単位の処理に要する最長の処理時間は先側及び中間の1単位の処理の方が後側の1単位の処理よりも長くなっている。
なお、各1単位の処理における最長の処理時間が相違している構成に限定されることはなく、各1単位の処理における最長の処理時間が同一となるように、各1単位の処理の処理配分が行われていてもよい。この場合、割込みが許可される周期が同一、略同一又は同様となるようにすることができる。また、ステップS3907において4msecが経過したか否かを判定する構成は必須のものではなく、例えば、タイマ割込み処理が所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。
<取得時の設定処理>
次に、作動口用の入賞処理(図54)におけるステップS3705にて実行される取得時の設定処理について、図59のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS4201では、現状設定されている始動保留記憶数Nが第1始動保留記憶数RaN及び第2始動保留記憶数RbNのうちいずれであるかを判定することで、今回取得した保留情報が上作動口33及び下作動口34のうちいずれへの入賞に係るものであるかを判定する。今回取得した保留情報が上作動口33への入賞に係るものである場合には、ステップS4201にて肯定判定をし、ステップS4202〜ステップS4207の処理を実行する。
ステップS4202では、第1始動保留記憶数RaNから上側保留数を把握する処理を実行する。続くステップS4203では、ステップS4202にて把握した保留数の情報及び上作動口33に係る保留情報が増加したことを示す情報を含む上側取得時コマンドをROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
上側取得時コマンドは、上作動口33への入賞に基づき保留情報が新たに取得されたことを示すとともに、その保留情報が第1結果表示部用保留エリアRaにおいて現状の何個目の保留情報に係るものであるかを示すコマンドである。ここで設定された上側取得時コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる上側取得時コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定し、第1結果用の保留ランプ部306の発光制御を行う。また、音声ランプ制御装置82では、上側取得時コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該上側取得時コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
続くステップS4204では、RAM204に上側処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。上側処理待ちフラグとは、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得が既に発生している場合においてその保留情報について保留予告用の確認処理を実行すべき状態の待機状態であるか否かをMPU202にて特定するための情報である。上側処理待ちフラグが格納されている場合には、そのまま本設定処理を終了し、上側処理待ちフラグが格納されていない場合には、ステップS4205に進む。
ステップS4205では、RAM204に上側処理待ちフラグを格納する。その後、ステップS4206にて、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、RAM204に設けられた上側保留判定用エリアに格納する。ちなみに、ステップS3704の処理とステップS4206の処理との間に上記各カウンタC1〜C3,CSを更新する処理が存在しないため、ステップS4206にて格納される各数値情報は、直前のステップS3704にて第1結果表示部用保留エリアRaに格納された各数値情報と同一である。
なお、直前の保留情報の取得処理にて取得された各数値情報と同一の数値情報を保留判定用エリアに格納するための処理は、上記処理に限定されることはなく、例えば直前のステップS3704にて第1結果表示部用保留エリアRaに格納した各数値情報を当該エリアRaから読み出して上側保留判定用エリアに書き込む構成としてもよい。また、上側保留判定用エリアに各数値情報を書き込む処理の代わりに、今回の保留情報が第1結果表示部用保留エリアRaのいずれのエリアRa1〜Ra4に格納されたかをMPU202にて認識可能とし、当該保留情報について後述する保留コマンドの設定処理にて参照する場合には第1結果表示部用保留エリアRaから情報を読み出す構成としてもよい。
続くステップS4207では、上側保留数カウンタの更新処理を実行する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた上側保留数カウンタエリアに対して、ステップS4202にて把握した上側保留数を、上側保留数カウンタエリアに上書きする。例えば、ステップS4202にて上側保留数が「1」であると把握した場合には、ステップS4207にて上側保留数カウンタエリアの情報は「1」となり、ステップS4202にて上側保留数が「4」であると把握した場合には、ステップS4207にて上側保留数カウンタエリアの情報は「4」となる。上側保留数カウンタエリアとは、後述する上側保留コマンドの設定処理において、保留予告用の確認処理を実行する場合に、その確認処理の実行対象となっている保留情報が第1結果表示部用保留エリアRaのいずれの保留情報に対応しているのかをMPU202にて把握するために利用される。ステップS4207の処理を実行した後に本設定処理を終了する。
ここで、上作動口33に係る一の保留情報が上側保留予告用の確認処理の対象として設定された場合には上側処理待ちフラグをRAM204に格納するとともに、上側処理待ちフラグが格納されている状況ではステップS4204にて否定判定をする構成としたことで、上作動口33に係る一の保留情報が保留予告用の確認処理の対象として設定されている状況で新たに上作動口33に係る保留情報が取得された場合にはその保留情報は保留予告用の確認処理の対象から除外される。これにより、上作動口33に係る保留情報の全てを保留予告用の確認処理の対象とする場合に比べて、MPU202の処理負荷の軽減を図りながら、保留予告に係る処理を実行することが可能となる。
また、新たに取得された上作動口33に係る保留情報が保留予告用の確認処理の対象から除外される状況は、上側保留予告用の確認処理の対象となる保留情報が取得されてから後述する上側保留コマンドの設定処理が実行されるまでに、タイマ割込み処理が新たに起動されてそのタイマ割込み処理にて新たに上作動口33に係る保留情報が取得された場合に発生する。但し、上側保留予告用の確認処理の対象から除外されるとしても、その保留情報についてサブ側の制御装置に対して上側取得時コマンドの出力は行われるため、上作動口33に係る保留情報の数の認識についてサブ側の制御装置との間で相違してしまうことはない。
今回取得した保留情報が下作動口34への入賞に係るものである場合にはステップS4201にて否定判定をし、ステップS4208〜ステップS4213の処理を実行する。
ステップS4208では、第2始動保留記憶数RbNから下側保留数を把握する処理を実行する。続くステップS4209では、ステップS4208にて把握した保留数の情報及び下作動口34に係る保留情報が増加したことを示す情報を含む下側取得時コマンドをROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
下側取得時コマンドは、下作動口34への入賞に基づき保留情報が新たに取得されたことを示すとともに、その保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbにおいて現状の何個目の保留情報に係るものであるかを示すコマンドである。ここで設定された下側取得時コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる下側取得時コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定し、第2結果用の保留ランプ部307の発光制御を行う。また、音声ランプ制御装置82では、下側取得時コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該下側取得時コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
続くステップS4210では、RAM204に下側処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。下側処理待ちフラグとは、下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得が既に発生している場合においてその保留情報について保留予告用の確認処理を実行すべき状態の待機状態であるか否かをMPU202にて特定するための情報である。下側処理待ちフラグが格納されている場合には、そのまま本設定処理を終了し、下側処理待ちフラグが格納されていない場合には、ステップS4211に進む。
ステップS4211では、RAM204に下側処理待ちフラグを格納する。その後、ステップS4212にて、現状の大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、RAM204に設けられた下側保留判定用エリアに格納する。ちなみに、ステップS3704の処理とステップS4212の処理との間に上記各カウンタC1〜C3,CSを更新する処理が存在しないため、ステップS4212にて格納される各数値情報は、直前のステップS3704にて第1結果表示部用保留エリアRaに格納された各数値情報と同一である。
なお、直前の保留情報の取得処理にて取得された各数値情報と同一の数値情報を保留判定用エリアに格納するための処理は、上記処理に限定されることはなく、例えば直前のステップS3704にて第2結果表示部用保留エリアRbに格納した各数値情報を当該エリアRbから読み出して下側保留判定用エリアに書き込む構成としてもよい。また、下側保留判定用エリアに各数値情報を書き込む処理の代わりに、今回の保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbのいずれのエリアRb1〜Rb4に格納されたかをMPU202にて認識可能とし、当該保留情報について後述する保留コマンドの設定処理にて参照する場合には第2結果表示部用保留エリアRbから情報を読み出す構成としてもよい。
続くステップS4213では、下側保留数カウンタの更新処理を実行する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア233に設けられた下側保留数カウンタエリアに対して、ステップS4208にて把握した下側保留数を、下側保留数カウンタエリアに上書きする。例えば、ステップS4208にて下側保留数が「1」であると把握した場合には、ステップS4213にて下側保留数カウンタエリアの情報は「1」となり、ステップS4208にて下側保留数が「4」であると把握した場合には、ステップS4213にて下側保留数カウンタエリアの情報は「4」となる。下側保留数カウンタエリアとは、後述する下側保留コマンドの設定処理において、保留予告用の確認処理を実行する場合に、その確認処理の実行対象となっている保留情報が第2結果表示部用保留エリアRbのいずれの保留情報に対応しているのかをMPU202にて把握するために利用される。ステップS4213の処理を実行した後に本設定処理を終了する。
ここで、下作動口34に係る一の保留情報が下側保留予告用の確認処理の対象として設定された場合には下側処理待ちフラグをRAM204に格納するとともに、下側処理待ちフラグが格納されている状況ではステップS4210にて否定判定をする構成としたことで、下作動口34に係る一の保留情報が保留予告用の確認処理の対象として設定されている状況で新たに下作動口34に係る保留情報が取得された場合にはその保留情報は保留予告用の確認処理の対象から除外される。これにより、下作動口34に係る保留情報の全てを保留予告用の確認処理の対象とする場合に比べて、MPU202の処理負荷の軽減を図りながら、保留予告に係る処理を実行することが可能となる。
また、新たに取得された下作動口34に係る保留情報が保留予告用の確認処理の対象から除外される状況は、下側保留予告用の確認処理の対象となる保留情報が取得されてから後述する下側保留コマンドの設定処理が実行されるまでに、タイマ割込み処理が新たに起動されてそのタイマ割込み処理にて新たに下作動口34に係る保留情報が取得された場合に発生する。但し、下側保留予告用の確認処理の対象から除外されるとしても、その保留情報についてサブ側の制御装置に対して下側取得時コマンドの出力は行われるため、下作動口34に係る保留情報の数の認識についてサブ側の制御装置との間で相違してしまうことはない。
<上側保留数カウンタ及び下側保留数カウンタの更新に係る処理>
次に、上側保留数カウンタエリア及び下側保留数カウンタエリアの情報を変動開始処理の新たな実行に応じて更新する処理について説明する。かかる更新処理は、遊技回制御処理(図57)において変動開始処理を実行した後のタイミングであるステップS4006〜ステップS4014にて実行される。
先ずステップS4006では、今回新たに変動が開始された対象がメイン表示部305の第1結果表示部ASであるか否かを判定する。つまり、上作動口33に係る保留情報が遊技回を開始させるために消化されたか否かを判定する。
ステップS4006にて肯定判定をした場合には、ステップS4007にて、上側保留数カウンタエリアの更新処理として、RAM204に設けられた上側保留数カウンタエリアの数値情報が「1」以上であることを条件に、当該上側保留数カウンタエリアの数値情報を1減算する処理を実行する。これにより、上作動口33に係る所定の保留情報が上側保留予告用の確認処理の対象となった後であって当該上側保留予告用の確認処理が実行される前に新たな変動開始が発生したとしても、上側保留予告用の確認処理に際して、消化順序がいずれの保留情報について当該確認処理を実行しているのかをMPU202にて把握することが可能となる。
続くステップS4008では、更新後の上側保留数カウンタエリアの情報が「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了し、「0」である場合にはステップS4009に進む。ステップS4009では、RAM204に格納されている上側処理待ちフラグを消去し、続くステップS4010にてRAM204の上側保留判定用エリアの初期化を行い、本遊技回制御処理を終了する。
上記のようにステップS4008〜ステップS4010の処理が実行されることにより、変動開始用として既に消化された保留情報に対して上側保留予告用の確認処理が実行されてしまうことが防止できる。かかる処理が実行される状況は、例えば上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報がいずれも0個の状況であって遊技回及び開閉実行モードのいずれも実行されていない状況で上作動口33に係る保留情報の新たな取得が行われ、さらに当該保留情報について後述する上側保留コマンドの設定処理が実行されるよりも前に遊技回制御処理が実行された場合に発生する。
一方、ステップS4006にて否定判定をした場合には、ステップS4011にて、下側保留数カウンタエリアの更新処理として、RAM204に設けられた下側保留数カウンタエリアの数値情報が「1」以上であることを条件に、当該下側保留数カウンタエリアの数値情報を1減算する処理を実行する。これにより、下作動口34に係る所定の保留情報が下側保留予告用の確認処理の対象となった後であって当該下側保留予告用の確認処理が実行される前に新たな変動開始が発生したとしても、下側保留予告用の確認処理に際して、消化順序がいずれの保留情報について当該確認処理を実行しているのかをMPU202にて把握することが可能となる。
続くステップS4012では、更新後の下側保留数カウンタエリアの情報が「0」であるか否かを判定する。「0」ではない場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了し、「0」である場合にはステップS4013に進む。ステップS4013では、RAM204に格納されている下側処理待ちフラグを消去し、続くステップS4014にてRAM204の下側保留判定用エリアの初期化を行い、本遊技回制御処理を終了する。
上記のようにステップS4012〜ステップS4014の処理が実行されることにより、変動開始用として既に消化された保留情報に対して下側保留予告用の確認処理が実行されてしまうことが防止できる。かかる処理が実行される状況は、例えば下作動口34に係る保留情報が0個の状況であって遊技回及び開閉実行モードのいずれも実行されていない状況で下作動口34に係る保留情報の新たな取得が行われ、さらに当該保留情報について後述する下側保留コマンドの設定処理が実行されるよりも前に遊技回制御処理が実行された場合に発生する。
<上側保留コマンドの設定処理>
次に、通常処理(図56)のステップS3909にて実行される上側保留コマンドの設定処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。上側保留コマンドの設定処理では、ステップS4301〜ステップS4309及びステップS4313にて、上側保留予告用の確認処理を実行するとともに、ステップS4310〜ステップS4311にて、上側保留コマンドを出力対象として設定する処理を実行する。
当該上側保留コマンドの設定処理について詳細には、先ずステップS4301にて、RAM204に上側処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。上側処理待ちフラグが格納されていない場合には、上側保留予告用の確認処理を実行すべき保留情報が存在していないことを意味するため、そのまま本設定処理を終了する。
上側処理待ちフラグが格納されている場合には、ステップS4302にて上側処理待ちフラグを消去した後に、ステップS4303に進む。ステップS4303では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。また、続くステップS4304では、電動役物34aのサポートモードが高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。ステップS4303又はステップS4304にて肯定判定をした場合には、その後の上側保留予告用の確認処理及び上側保留コマンドを出力対象として設定する処理を行うことなく、ステップS4312に進み、上側保留判定用エリアの初期化を行った後に、本設定処理を終了する。
上記のように開閉実行モード中及び高頻度サポートモード中は上作動口33に係る保留情報についてステップS4305〜ステップS4311及びステップS4313の処理を実行しないようにすることで、開閉実行モード中及び高頻度サポートモード中の処理負荷を軽減することが可能となる。
ステップS4303及びステップS4304の両方において否定判定をした場合には、ステップS4305にて当否判定用の処理を実行する。当該当否判定用の処理では、図51(a−1)及び図51(b−1)に示した第1結果表示部用の当否テーブルを参照することで、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3203〜ステップS3212の処理を実行する。ちなみに当該当否判定用の処理では当否結果が大当たり結果であるか否かのみを判定するのではなく、当否結果が特別外れ結果であるか否かの判定も行う。この場合、処理負荷が増加するものの、保留予告の内容のバリエーションの多様化が図られる。続くステップS4306では、ステップS4305の処理結果が開閉実行モードの発生に対応した結果であるか否かを判定する。つまり、大当たり結果及び特別外れ結果のいずれかであるかを判定する。
開閉実行モードの発生に対応した結果ではない場合には、ステップS4307にて外れリーチ判定用の処理を実行する。当該外れリーチ判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3213及びステップS3215の処理を実行する。続くステップS4308では、ステップS4307の処理結果が外れリーチ発生に対応した結果であるか否かを判定する。
外れリーチ発生に対応していない場合には、ステップS4309〜ステップS4311の処理を実行することなく、ステップS4312に進み、上側保留判定用エリアの初期化を行った後に、本設定処理を終了する。外れリーチ発生に対応している場合には、ステップS4309にて変動種別判定用の処理を実行する。当該変動種別判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3216〜ステップS3218の処理を実行する。
続くステップS4310では、RAM204の上側保留数カウンタエリアに格納されている情報を読み出す。そして、ステップS4311にて、上側保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS4307にて記憶した外れリーチ情報と、ステップS4309にて記憶した変動種別の情報と、ステップS4310にて読み出した上側保留数の情報と、に対応した上側保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
上側保留コマンドは、サブ側の制御装置において上側保留予告を開始すべきか否かのトリガとして機能するとともに、上側保留予告を開始すると決定した場合においてその上側保留予告の内容をサブ側の制御装置にて認識するために利用されるコマンドである。ここで設定された上側保留コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、上側保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該上側保留コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
その後、ステップS4312にて、RAM204の上側保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
一方、ステップS4306にて開閉実行モードの発生に対応していると判定した場合には、ステップS4313に進む。ステップS4313では、種別判定用の処理を実行する。種別判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3222〜ステップS3224の処理を実行する。この場合にMPU202のレジスタに記憶される遊技結果の情報としては、低確大当たり結果、最有利大当たり結果、ジャンプアップ大当たり結果、明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果が含まれる。
続くステップS4309では、既に説明したとおり、変動種別判定用の処理を実行する。ここで、本実施の形態では、遊技回制御処理(図57)のステップS4005における変動開始処理にて参照される変動表示時間テーブルとして、低確大当たり結果に対応したものと、最有利大当たり結果に対応したものと、ジャンプアップ大当たり結果、明示高確大当たり結果、非明示高確大当たり結果及び特別外れ結果に対応したものと、外れリーチに対応したものと、完全外れに対応したものとが設定されている。ステップS4309では、ステップS4313にて把握した遊技結果に対応した変動表示時間テーブルを読み出すとともに、上側保留判定用エリアに記憶されている変動種別カウンタCSに係る数値情報をその読み出したテーブルに対して照合する。そして、その照合結果に対応した変動種別の情報をMPU202のレジスタに記憶する。
その後、ステップS4310にてRAM204の上側保留カウンタエリアに格納されている情報を読み出し、ステップS4311にて上側保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS4313にて記憶した遊技結果の種別の情報と、ステップS4309にて記憶した変動種別の情報と、ステップS4310にて読み出した上側保留数の情報と、に対応した上側保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。その後、ステップS4312にて、RAM204の上側保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
<下側保留コマンドの設定処理>
次に、通常処理(図56)のステップS3912にて実行される下側保留コマンドの設定処理について、図61のフローチャートを参照しながら説明する。下側保留コマンドの設定処理では、ステップS4401〜ステップS4408及びステップS4412にて、下側保留予告用の確認処理を実行するとともに、ステップS4409〜ステップS4410にて、下側保留コマンドの出力用の処理を実行する。
当該下側保留コマンドの設定処理について詳細には、先ずステップS4401にて、RAM204に下側処理待ちフラグが格納されているか否かを判定する。下側処理待ちフラグが格納されていない場合には、下側保留予告用の確認処理を実行すべき保留情報が存在していないことを意味するため、そのまま本設定処理を終了する。
下側処理待ちフラグが格納されている場合には、ステップS4402にて下側処理待ちフラグを消去した後に、ステップS4403に進む。ステップS4403では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS4403にて肯定判定をした場合には、その後の下側保留予告用の確認処理及び下側保留コマンドを出力対象として設定する処理を行うことなく、ステップS4411に進み、下側保留判定用エリアの初期化を行った後に、本設定処理を終了する。
上記のように開閉実行モード中は下作動口34に係る保留情報についてステップS4404〜ステップS4410及びステップS4412の処理を実行しないようにすることで、開閉実行モード中の処理負荷を軽減することが可能となる。
ステップS4403において否定判定をした場合には、ステップS4404にて当否判定用の処理を実行する。当該当否判定用の処理では、図51(a−2)及び図51(b−2)に示した第2結果表示部用の当否テーブルを参照することで、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3203〜ステップS3212の処理を実行する。ちなみに第2結果表示部用の当否テーブルには特別外れ結果が設定されていないため、上側保留コマンドの設定処理(図60)の場合と異なり、当該当否判定用の処理では当否結果が大当たり結果であるか否かの判定を行うが、当否結果が特別外れ結果であるか否かの判定は行わない。
続くステップS4405では、ステップS4404の処理結果が開閉実行モードの発生に対応した結果であるか否かを判定する。つまり、大当たり結果であるかを判定する。
開閉実行モードの発生に対応した結果ではない場合には、ステップS4406にて外れリーチ判定用の処理を実行する。当該外れリーチ判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3213及びステップS3215の処理を実行する。続くステップS4407では、ステップS4406の処理結果が外れリーチ発生に対応した結果であるか否かを判定する。
外れリーチ発生に対応していない場合には、ステップS4408〜ステップS4410の処理を実行することなく、ステップS4411に進み、下側保留判定用エリアの初期化を行った後に、本設定処理を終了する。外れリーチ発生に対応している場合には、ステップS4408にて変動種別判定用の処理を実行する。当該変動種別判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3216〜ステップS3218の処理を実行する。
続くステップS4409では、RAM204の下側保留数カウンタエリアに格納されている情報を読み出す。そして、ステップS4410にて、下側保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS4406にて記憶した外れリーチ情報と、ステップS4408にて記憶した変動種別の情報と、ステップS4409にて読み出した下側保留数の情報と、に対応した下側保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。
下側保留コマンドは、サブ側の制御装置において下側保留予告を開始すべきか否かのトリガとして機能するとともに、下側保留予告を開始すると決定した場合においてその下側保留予告の内容をサブ側の制御装置にて認識するために利用されるコマンドである。ここで設定された下側保留コマンドは、通常処理(図56)におけるステップS3901にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、下側保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。当該下側保留コマンドを受信した場合の表示制御装置212における処理については後に説明する。
その後、ステップS4411にて、RAM204の下側保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
一方、ステップS4405にて開閉実行モードの発生に対応していると判定した場合には、ステップS4412に進む。ステップS4412では、種別判定用の処理を実行する。種別判定用の処理では、上記第8の実施の形態における保留コマンドの設定処理(図44)のステップS3222〜ステップS3224の処理を実行する。この場合にMPU202のレジスタに記憶される遊技結果の情報としては、低確大当たり結果、最有利大当たり結果、ジャンプアップ大当たり結果、明示高確大当たり結果及び非明示高確大当たり結果が含まれる。
続くステップS4408では、既に説明したとおり、変動種別判定用の処理を実行する。当該変動種別判定用の処理では、ステップS4412にて把握した大当たり結果の種別に対応した変動表示時間テーブルを読み出すとともに、下側保留判定用エリアに記憶されている変動種別カウンタCSに係る数値情報をその読み出したテーブルに対して照合する。そしてその照合結果に対応した変動種別の情報をMPU202のレジスタに記憶する。
その後、ステップS4409にてRAM204の下側保留カウンタエリアに格納されている情報を読み出し、ステップS4311にて下側保留コマンドの選択処理を実行する。具体的には、ステップS4412にて記憶した大当たり結果の種別の情報と、ステップS4408にて記憶した変動種別の情報と、ステップS4409にて読み出した下側保留数の情報と、に対応した下側保留コマンドを、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から読み出し、出力対象として設定する。その後、ステップS4411にて、RAM204の下側保留判定用エリアの初期化を実行した後に、本設定処理を終了する。
<表示制御装置212のMPU252にて実行される上側保留予告制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される上側保留予告制御処理を、図62のフローチャートを参照しながら説明する。上側保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうち一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
上側保留予告制御処理では、先ずステップS4501にて、音声ランプ制御装置82から上側取得時コマンドを受信しているか否かを判定する。上側取得時コマンドを受信している場合には、ステップS4502にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に記憶されている第1表示側保留記憶数SN1を1加算する。
ここで、本実施の形態では、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とが区別して主制御基板201のMPU202にて扱われ、さらに保留予告は上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とで区別して行われる。かかる区別した状態での保留予告を行うために、図柄表示装置41の表示画面Gには、保留表示領域として、上作動口33に係る保留情報に対応した第1保留表示領域Gaと、下作動口34に係る保留情報に対応した第2保留表示領域Gbとが設定される(図64参照)。第1保留表示領域Gaは上作動口33に係る保留情報の上限数に対応した数である4個の単位保留表示領域Ga1〜Ga4を有するように設定され、第2保留表示領域Gbは下作動口34に係る保留情報の上限数に対応した数である4個の単位保留表示領域Gb1〜Gb4を有するように設定される。また、このように第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbとが設定されていることに対応させて、ビデオRAM257の保留表示用エリア271には、単位保留表示領域Ga1〜Ga4に1対1で対応するように単位エリアを有する第1保留表示用エリアが設けられているとともに、単位保留表示領域Gb1〜Gb4に1対1で対応するように単位エリアを有する第2保留表示用エリアが設けられている。ステップS4502にて更新の対象となった第1表示側保留記憶数SN1は、ビデオRAM257の第1保留表示用エリアに対応している。
続くステップS4503では、上側保留表示用エリアの設定処理を実行する。当該設定処理では、上側保留表示用エリアのうち、ステップS4502にて加算した結果の第1表示側保留記憶数SN1に対応した単位エリアに対して外れ情報を設定するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。但し、このタイミングでは第1保留表示領域Gaへの反映が行われない点は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3303と同様である。
ステップS4501にて否定判定をした場合又はステップS4503の処理を実行した後は、ステップS4504にて、音声ランプ制御装置82から上側シフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。上側シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS4505にて、保留カウンタエリア263に記憶されている第1表示側保留記憶数SN1を1減算する。続くステップS4506では、上側シフト処理を実行する。当該上側シフト処理は、第1保留表示用エリアの第1単位エリア〜第4単位エリアに設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。但し、このタイミングでは第1保留表示領域Gaへの反映が行われない点は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3306と同様である。
ステップS4504にて否定判定をした場合又はステップS4506の処理を実行した後は、ステップS4507にて開閉実行モード中であるか否かを判定するとともに、ステップS4508にて高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。
本実施の形態では、主制御基板201のMPU202は開閉実行モードに移行する場合にそれに対応した開始コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信するとともに、開閉実行モードが終了する場合にそれに対応した終了コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信する構成となっており、表示制御装置212ではそれらコマンドを音声ランプ制御装置82から受信することで開閉実行モード中であるか否かを判定できる構成となっている。
また、主制御基板201のMPU202は高頻度サポートモードに移行する場合にそれに対応した開始コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信するとともに、高頻度サポートモードが終了する場合にそれに対応した終了コマンドを音声ランプ制御装置82に向けて送信する構成となっており、表示制御装置212ではそれらコマンドを音声ランプ制御装置82から受信することで高頻度サポートモード中であるか否かを判定できる構成となっている。
開閉実行モード中及び高頻度サポートモード中のいずれでもない場合には、ステップS4509にて上側出力設定処理を実行する。当該上側出力設定処理では、第1保留表示用エリアの第1単位エリア〜第4単位エリアに現状設定されている保留表示情報をフレームバッファに対して反映するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、現状の保留表示情報が表示画面Gの第1保留表示領域Gaにおいて反映される。
続くステップS4510では、音声ランプ制御装置82から上側保留コマンドを受信しているか否かを判定する。上側保留コマンドを受信していない場合には、そのまま本上側保留予告制御処理を終了する。上側保留コマンドを受信している場合には、ステップS4511に進む。
ステップS4511では、上側保留予告を実行するか否かの抽選を行うための報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理の内容は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3310と同様である。続くステップS4512では、ステップS4511の抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選ではない場合には、そのまま本上側保留予告制御処理を終了する。
報知発生当選である場合には、ステップS4513にて、上側保留コマンドの内容把握処理を実行する。具体的には、大当たり結果の有無の情報と、大当たり結果である場合に大当たり種別の情報と、特別外れ結果の有無の情報と、通常外れ結果である場合にリーチ発生の有無の情報と、変動種別の情報と、を今回受信した上側保留コマンドの内容から把握する。
続くステップS4514では、上側表示内容の選択処理を実行する。当該選択処理では、ステップS4513にて把握した内容に応じた保留予告用の情報を選択する。但し、当該選択処理では、ステップS4513にて把握した内容に対して一義的に保留予告用の情報の選択を行うのではなく、当該把握した内容に応じた選択対象の中から所定の選択率で選択を行う。例えば、開閉実行モード後に高確率モードとなる大当たり結果に対応している場合には「確変確定」、「大当たり」、「大当たり?」、「リーチ!」、「チャンス」といった保留予告用の情報の中から選択するのに対して、外れリーチに対応している場合には「大当たり?」、「リーチ!」、「チャンス」といった保留予告用の情報の中から選択する。
続くステップS4515では、上側保留数の把握処理を実行する。上側保留数の把握処理では、今回受信した上側保留コマンドが消化順序で何番目の保留情報に対応しているかを把握する。
続くステップS4516では、上側保留表示用エリアの修正処理を実行する。具体的には、第1保留表示用エリアにおいてステップS4515にて把握した順番に対応した単位エリアの情報を、外れ情報から、ステップS4514にて選択した保留予告用の情報に上書きする。
その後、ステップS4517にて上側出力設定処理を実行する。当該上側出力設定処理の処理内容は、ステップS4509と同様であり、かかる処理が実行されることで、今回受信した保留コマンドの内容に対応した上側保留予告が行われる。ステップS4517の処理を実行した後に、本保留予告制御処理を終了する。
一方、ステップS4507にて開閉実行モード中であると判定した場合又はステップS4508にて高頻度サポートモード中であると判定した場合には、ステップS4518にて、上側保留予告の解除処理を実行する。上側保留予告の解除処理では、第1保留表示用エリアの各単位エリアのうち、現状の第1表示側保留記憶数SN1分のエリアに設定されている情報を全て外れ情報に設定するとともに、フレームバッファに対して各単位エリアの情報が反映されないようにする。これにより、開閉実行モードを契機として保留予告を終了させることができるとともに、開閉実行モード中に保留予告が行われないようにすることができる。さらに、開閉実行モードが終了した後は、上側保留予告の再開を阻止しながら、上作動口33に係る保留情報の個数の報知は再開されるようにすることができる。ステップS4518の処理を実行した後は、本上側保留予告制御処理を終了する。
なお、ステップS4507〜ステップS4509及びステップS4518の処理をステップS4510〜ステップS4517の処理よりも後のタイミングで実行する、又は上側取得時コマンドを受信してから出力設定処理を実行するまで所定の期間待機する構成としてもよい。これにより、上側取得時コマンドを受信した直後に上側保留コマンドを受信する場合において、一の保留情報について外れ情報が表示された直後に保留予告用の内容に修正されることを抑制することができる。
<表示制御装置212のMPU252にて実行される下側保留予告制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される下側保留予告制御処理を、図63のフローチャートを参照しながら説明する。下側保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうち一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
下側保留予告制御処理では、先ずステップS4601にて、音声ランプ制御装置82から下側取得時コマンドを受信しているか否かを判定する。下側取得時コマンドを受信している場合には、ステップS4602にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に記憶されている第2表示側保留記憶数SN2を1加算する。当該第2表示側保留記憶数SN2は、ビデオRAM257の第2保留表示用エリアに対応している。
続くステップS4603では、下側保留表示用エリアの設定処理を実行する。当該設定処理では、下側保留表示用エリアのうち、ステップS4602にて加算した結果の第2表示側保留記憶数SN2に対応した単位エリアに対して外れ情報を設定するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。但し、このタイミングでは第2保留表示領域Gbへの反映が行われない点は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3303と同様である。
ステップS4601にて否定判定をした場合又はステップS4603の処理を実行した後は、ステップS4604にて、音声ランプ制御装置82から下側シフト時コマンドを受信しているか否かを判定する。下側シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS4605にて、保留カウンタエリア263に記憶されている第2表示側保留記憶数SN2を1減算する。続くステップS4606では、下側シフト処理を実行する。当該下側シフト処理は、第2保留表示用エリアの第1単位エリア〜第4単位エリアに設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。但し、このタイミングでは第2保留表示領域Gbへの反映が行われない点は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3306と同様である。
ステップS4604にて否定判定をした場合又はステップS4606の処理を実行した後は、ステップS4607にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中ではない場合には、ステップS4608にて下側出力設定処理を実行する。当該下側出力設定処理では、第2保留表示用エリアの第1単位エリア〜第4単位エリアに現状設定されている保留表示情報をフレームバッファに対して反映するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、現状の保留表示情報が表示画面Gの第2保留表示領域Gbにおいて反映される。
続くステップS4609では、音声ランプ制御装置82から下側保留コマンドを受信しているか否かを判定する。下側保留コマンドを受信していない場合には、そのまま本下側保留予告制御処理を終了する。下側保留コマンドを受信している場合には、ステップS4610に進む。
ステップS4610では、下側保留予告を実行するか否かの抽選を行うための報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理の内容は上記第8の実施の形態における保留予告制御処理(図45)のステップS3310と同様である。続くステップS4611では、ステップS4610の抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選ではない場合には、そのまま本下側保留予告制御処理を終了する。
報知発生当選である場合には、ステップS4612にて、下側保留コマンドの内容把握処理を実行する。具体的には、大当たり結果の有無の情報と、大当たり結果である場合に大当たり種別の情報と、通常外れ結果である場合にリーチ発生の有無の情報と、変動種別の情報と、を今回受信した下側保留コマンドの内容から把握する。
続くステップS4613では、下側表示内容の選択処理を実行する。当該選択処理では、ステップS4612にて把握した内容に応じた保留予告用の情報を選択する。かかる選択処理の内容は、上側保留予告制御処理(図62)のステップS4514と同様である。
続くステップS4614では、下側保留数の把握処理を実行する。下側保留数の把握処理では、今回受信した下側保留コマンドが消化順序で何番目の保留情報に対応しているかを把握する。
続くステップS4615では、下側保留表示用エリアの修正処理を実行する。具体的には、第2保留表示用エリアにおいてステップS4614にて把握した順番に対応した単位エリアの情報を、外れ情報から、ステップS4613にて選択した保留予告用の情報に上書きする。
その後、ステップS4616にて下側出力設定処理を実行する。当該下側出力設定処理の処理内容は、ステップS4608と同様であり、かかる処理が実行されることで、今回受信した下側保留コマンドの内容に対応した下側保留予告が行われる。ステップS4616の処理を実行した後に、本下側保留予告制御処理を終了する。
一方、ステップS4607にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS4617にて、下側保留予告の解除処理を実行する。下側保留予告の解除処理では、第2保留表示用エリアの各単位エリアのうち、現状の第2表示側保留記憶数SN2分のエリアに設定されている情報を全て外れ情報に設定するとともに、フレームバッファに対して各単位エリアの情報が反映されないようにする。これにより、開閉実行モードを契機として保留予告を終了させることができる。さらに、開閉実行モードが終了した後は、下側保留予告の再開を阻止しながら、下作動口34に係る保留情報の個数の報知は再開されるようにすることができる。ステップS4617の処理を実行した後は、本下側保留予告制御処理を終了する。
なお、ステップS4607〜ステップS4608及びステップS4617の処理をステップS4609〜ステップS4616の処理よりも後のタイミングで実行する、又は下側取得時コマンドを受信してから出力設定処理を実行するまで所定の期間待機する構成としてもよい。これにより、下側取得時コマンドを受信した直後に下側保留コマンドを受信する場合において、一の保留情報について外れ情報が表示された直後に保留予告用の内容に修正されることを抑制することができる。
<保留予告の実行の様子>
次に、本実施の形態における保留予告の実行の様子について、図64を参照しながら説明する。
図64(a)は電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードである場合を示している。この場合、図柄表示装置41の表示画面Gには第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbとが表示されており、各表示領域Ga,Gbにおいて保留情報の個数が明示されている。また、第1保留表示領域Gaにおける第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2及び第4単位保留表示領域Ga4において、所定の保留予告の画像が表示されている。
かかる保留予告の画像を確認した遊技者は、上作動口33に係る保留情報が次に消化された場合にはリーチが発生することを認識し、その次の上作動口33に係る保留情報が消化された場合には例えばスーパーリーチの発生といった遊技者にとって大当たり発生の期待の持てる状態となることを認識し、4個目の上作動口33に係る保留情報が消化された場合には大当たり結果の発生が期待できるのではないかと認識する。
図64(b)は電動役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードである場合を示している。この場合、図64(a)の場合と同様に、図柄表示装置41の表示画面Gには第1保留表示領域Gaと第2保留表示領域Gbが表示されており、各表示領域Ga,Gbにおいて保留情報の個数が明示されている。
但し、高頻度サポートモードでは上作動口33に係る保留情報についての保留予告が阻止されるため、第1保留表示領域Gaでは保留予告が行われていない。一方、高頻度サポートモードであっても下作動口34に係る保留情報についての保留予告は阻止されないため、第2保留表示領域Gbにて保留予告が行われている。
当否抽選に際して優先される側である下作動口34への入賞が発生し易い状況において第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報についての保留予告が所定の頻度で行われる構成を想定すると、以下の問題1及び問題2の発生が懸念される。
(問題1)第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が行われたにも関わらず、当該保留情報が当否抽選の対象となるよりも前のタイミングで下作動口34への入賞が継続し、上記保留予告の実行の契機となった保留情報が当否抽選の対象となるタイミングが保留予告の実行タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、保留予告がどの保留情報を対象としてなされたものか分かりづらくなるおそれがあり、その一方、それを明確にする上では保留予告の態様に制約が生じ得る。さらには、下作動口34への入賞が所定回数に亘って継続した場合には、保留予告を一旦中止し、その後に下作動口34への入賞が所定期間に亘って発生しなかった場合には再開させる構成や、下作動口34への入賞が所定回数に亘って継続した場合には、保留予告の態様を変更する構成も考えられるが、この場合、下作動口34への入賞頻度などを監視し、それに応じて保留予告の態様を変更する必要が生じ、処理負荷の増大化が懸念される。
(問題2)高頻度サポートモードにおいて、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が最有利大当たり結果に対応している旨の保留予告が行われた場合、遊技者にとっては、発射ハンドル54の操作を停止して下作動口34への入賞が発生しないようにすることで、その最有利大当たり結果を即座に発生させた方が有利である。その一方、高頻度サポートモードであって高確率モードにおいて、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報が低確大当たり結果に対応している旨の保留予告が行われた場合、遊技者にとっては、下作動口34への入賞が繰り返されて、上記保留予告の実行の契機となった保留情報が当否抽選の対象とならないようにしながら、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報により最有利大当たり結果を発生させる方が有利である。つまり、高頻度サポートモードにおいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報についての保留予告が所定の頻度で行われると、遊技者にとって有利な結果となるように発射ハンドル54の操作態様を変更することが可能となる。しかしながら、高頻度サポートモードにおける下作動口34への入賞の発生のし易さは、遊技領域における釘38の調整次第で変化させることができ、そうすると、遊技ホール毎に上記発射ハンドル54の操作態様を変更することの効果が異なるものとなり好ましくない。
これに対して、高頻度サポートモードである場合には、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報について保留予告が実行されないようにしたことで、上記問題1及び問題2の発生を抑えつつ、保留予告を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、上記第8の実施の形態にて説明した効果に加えて、以下の優れた効果を奏する。
下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が、上作動口33に対応した第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報よりも優先して当否判定が行われる。これにより、遊技の状況などに応じて上作動口33への入球を期待して発射操作を行ったり、下作動口34への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。また、上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報のいずれについても保留予告の対象となることで、保留予告の態様を多様化することが可能となる。
また、上作動口33に係る保留情報に対する保留予告用の確認処理や上側保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、上側保留予告に係る処理ともいう)と、下作動口34に係る保留情報に対する保留予告用の確認処理や下側保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、下側保留予告に係る処理ともいう)との両方を、非定期的に実行される所定の処理である残余処理(具体的には、ステップS3907〜ステップS3917)にて実行する。タイマ割込み処理にて上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理の全てを行う構成を想定した場合、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定され、そうすると上作動口33や下作動口34への入賞の有無を監視する処理や保留情報を取得するための処理を定期的に行えない状況が発生し、これらの処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上記のように上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理は残余処理にて実行されるため、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、タイマ割込み処理の良好な実行を担保しつつ、上側保留予告及び下側保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
また、定期的に実行される定期処理の一部を構成する通常処理のステップS3901〜ステップS3906にて保留予告用の確認処理や保留コマンドを出力対象として設定する処理を実行するのではなく、上記残余処理にてこれらの処理を実行する。通常処理のステップS3901〜ステップS3906において上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理の全てが実行される構成を想定すると、例えば高確率モードにおいてはステップS3906の処理が完了するまでに大当たりに対応した数値情報との照合を行う処理を30回行う必要が生じることがあり、ステップS3906の処理を完了したタイミングで既に4msecを大きく経過していることが起こり得る。これに対して、上記残余処理に上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理が設定されていることにより、ステップS3906の処理を完了したタイミングで既に4msecが経過している場合には上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理を実行することなくステップS3901の処理に復帰することができる。これにより、通常処理のステップS3901〜ステップS3906の定期的な実行を担保し易くなる。
上側保留予告に係る処理が開始される場合にタイマ割込み処理の実行が禁止されるとともに、その割込み禁止の設定は上側保留予告に係る処理が終了するまで継続される。また、下側保留予告に係る処理が開始される場合にタイマ割込み処理の実行が禁止されるとともに、その割込み禁止の設定は下側保留予告に係る処理が終了するまで継続される。これにより、これら上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理が、タイマ割込み処理の優先的な実行により完全に阻害されてしまうことを抑えることができるとともに、各処理を開始した場合にはその処理を良好に完了することができる。
また、上側保留予告に係る処理と、下側保留予告に係る処理とが残余処理にて実行される構成において、これら各処理のうち一方の処理が終了したタイミングで一旦、タイマ割込み処理の割込みが許可される。これにより、タイマ割込み処理の開始タイミングが極端に遅れてしまうことを抑制することができる。
また、上側保留予告に係る処理の実行後において下側保留予告に係る処理よりも前にタイマ割込み処理が実行された場合、当該タイマ割込み処理の実行後において上側保留予告に係る処理よりも早いタイミングで下側保留予告に係る処理を実行する。これにより、タイマ割込み処理の実行を原因として、上側保留予告に係る処理と下側保留予告に係る処理とで実行頻度が極端に相違してしまうことを抑制することができる。
<第12の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81において遊技を進行させるための処理構成が上記第11の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における処理構成について説明する。
本実施の形態では、主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理の処理構成が、上記第9の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図47)と同様の処理構成となっている。但し、ステップS3508における作動口用の入賞処理、ステップS3510における遊技回制御処理及びステップS3511における遊技状態移行処理では、上記第11の実施の形態と同様の処理が実行される。
図65は、主制御装置81のMPU202にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理はパチンコ機10の電源が立ち上げられた場合に実行される処理である。
先ずステップS4701では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。続くステップS4702では、RAM204のアクセスを許可する。その後、ステップS4703では、電源及び発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS4704ではRAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS4705ではRAM判定値を算出し、続くステップS4706では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
RAM消去スイッチがオンされておらず、さらに電断フラグが格納されているとともにRAM判定値が正常である場合には、ステップS4707にてRAM204から電断フラグを消去するとともに、ステップS4708にてRAM判定値を消去する。その後、ステップS4711〜ステップS4720の残余処理に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS4709〜ステップS4710の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS4709〜ステップS4710の処理に移行する。
ステップS4709では、RAM204の使用領域を「0」にクリアし(初期化し)、ステップS4710では、RAM204の初期設定を実行する。その後、ステップS4711〜ステップS4720の残余処理に進む。
残余処理では、先ずステップS4711にて割込み禁止の設定を行い、続くステップS4712では上側保留コマンドの設定処理を実行する。上側保留コマンドの設定処理の処理内容は上記第11の実施の形態におけるステップS3909と同様である。そして、ステップS4713にて割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS4714にて再度、割込み禁止の設定を行い、続くステップS4715では下側保留コマンドの設定処理を実行する。下側保留コマンドの設定処理の処理内容は上記第11の実施の形態におけるステップS3912と同様である。そして、ステップS4716にて割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS4717にて再度、割込み禁止の設定を行い、続くステップS4718にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともにステップS4719にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS4720にて割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS4711に戻り、ステップS4711〜ステップS4720の処理を繰り返す。
以上のとおり、本実施の形態では、遊技回の開始に際して当否判定処理が実行される遊技回制御処理と、上作動口33に係る保留情報の取得を行う作動口用の入賞処理と、下作動口34に係る保留情報の取得を行う作動口用の入賞処理とが、通常処理及びタイマ割込み処理に分けて設定されているのではなく、タイマ割込み処理の一連の処理として設定されている。
この場合に、タイマ割込み処理にて、上作動口33に係る保留情報に対する保留予告用の確認処理や上側保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、上側保留予告に係る処理ともいう)と、下作動口34に係る保留情報に対する保留予告用の確認処理や下側保留コマンドを出力対象として設定する処理(以下、下側保留予告に係る処理ともいう)との全てを行う構成を想定した場合、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定される。特に、高確率モードにおいては低確率モードに比べて参照すべき数値情報の数が増加するため、1回のタイマ割込み処理の範囲内で遊技回の開始に係る当否判定処理と保留情報の取得に係る当否判定処理とが行われる構成を想定すると、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまう。そうすると上作動口33や下作動口34への入賞の有無を監視する処理、保留情報を取得するための処理、遊技回の開始に係る処理及び可変入賞装置32や電動役物34aを開閉制御する処理などを定期的に行えない状況が発生し、これらの処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上側保留予告に係る処理及び下側保留予告に係る処理は一のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間にて実行される残余処理にて実行されるため、タイマ割込み処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、タイマ割込み処理の良好な実行を担保しつつ、上側保留予告及び下側保留予告の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
<第13の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81において遊技を進行させるための処理構成が上記第12の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における処理構成について説明する。
図66は、主制御装置81のMPU202にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理はパチンコ機10の電源が立ち上げられた場合に実行される処理である。
当該メイン処理では、ステップS4801〜ステップS4810にて、上記第12の実施の形態におけるメイン処理(図65)のステップS4701〜ステップS4710と同様の処理を実行する。
その後、ステップS4811にて上側保留コマンドの設定処理を実行するとともに、ステップS4812に下側保留コマンドの設定処理を実行する。ここで、上記第12の実施の形態では、上側保留コマンドの設定処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定とが行われるとともに、下側保留コマンドの設定処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定とが行われる構成としたが、本実施の形態では上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理が割込み許可の状態において実行される。したがって、上側保留コマンドの設定処理の途中でタイマ割込み処理が起動されることがあるとともに、下側保留コマンドの設定処理の途中でタイマ割込み処理が起動されることがある。
その後、ステップS4813にて割込み禁止の設定を行い、続くステップS4814にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともにステップS4815にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS4816にて割込み許可の設定を行う。その後、ステップS4811に戻り、ステップS4811〜ステップS4816の処理を繰り返す。
図67は、主制御装置81のMPU202にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
当該タイマ割込み処理では、先ずステップS4901にて、上側保留コマンドの設定処理又は下側保留コマンドの設定処理の処理途中で今回のタイマ割込み処理が起動されたか否かを判定する。ステップS4901にて肯定判定をした場合には、ステップS4902にて途中開始用の戻りアドレスを記憶する。当該途中開始用の戻りアドレスは、ステップS4813の処理アドレスが設定されている。続くステップS4903では、今回途中で終了した保留コマンドの設定処理に対応した側の処理待ちフラグを消去し、ステップS4904にて、今回途中で終了した保留コマンドの設定処理に対応した保留判定用エリアの初期化を実行する。
一方、ステップS4901にて否定判定をした場合には、ステップS4905にて現状の戻りアドレスを記憶する。当該戻りアドレスは、今回のタイマ割込み処理が起動される直前に実行されていた通常処理の処理アドレスである。
ステップS4904又はステップS4905の処理を実行した後は、ステップS4906にてMPU202の現状のレジスタに記憶されている情報をRAM204に退避する処理を実行する。続くステップS4907では、主要処理として、第9の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図47)のステップS3503〜ステップS3514に対応した処理を実行する。
その後、ステップS4908にて、RAM204に退避させたデータをMPU202のレジスタに復帰させるとともに、ステップS4909では、ステップS4902又はステップS4905にてMPU202のレジスタに記憶させた戻りアドレスを参照し、今回のタイマ割込み処理が終了した後に復帰することとなる通常処理のアドレスを把握する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
以上のとおり、本実施の形態では、上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理が割込み許可状態で実行されるため、上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理の途中でタイマ割込み処理の起動タイミングとなった場合には当該タイマ割込み処理の起動が優先される。上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理は保留予告という演出のために実行される処理であるのに対して、タイマ割込み処理にて実行される主要処理は当否抽選や開閉実行モード中の制御を行うための処理を含む。本実施の形態によれば、主要処理の定期的な実行を優先させつつ、保留予告を行うための処理を実行することができる。
また、上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理の途中でタイマ割込み処理が起動された場合には、その終了後にステップS4813の処理に復帰するように戻りアドレスを一義的に記憶する構成としたことにより、途中でタイマ割込み処理が起動された際の復帰に係る処理の簡素化が図られる。
また、上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理の途中でタイマ割込み処理が起動された場合には、その中止に係る設定処理に対応した処理待ちフラグの消去及び保留判定用エリアの初期化を行うようにしたことにより、保留コマンドの設定処理をやり直したり、再開させたりする必要がない。よって、処理負荷の軽減が図られる。
なお、当該第13の実施の形態のように割込み禁止の設定を行っていない状態で保留コマンドの設定処理を実行する構成を、上記第8〜第10の実施の形態に対して適用してもよい。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。また、以下の別形態の構成は、適用対象として例示した実施の形態とは異なる実施の形態に対して適用してもよい。
(1)上記第1〜第7の実施の形態では、通常処理の1処理回の範囲内において当否判定処理が実行される場合には保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成としたが、これに限定されることはなく、通常処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理が実行される場合には当否判定処理の実行が制限され得る構成としてもよい。但し、本パチンコ機10では当否判定処理において遊技者に利益を与えるか否かの判定が行われるため、当該当否判定処理の実行が制限されると本来得られたはずの利益を遊技者が得られないという不都合が生じ得る。この点、上記各実施の形態のように当否判定処理の実行を制限することなく、保留予告用の確認処理の実行を制限することが好ましい。
なお、当否判定処理の実行を制限するための具体的な構成としては制限フラグを用いる構成が考えられる。また、当否判定処理の実行を制限する方法としては、所定の保留情報について当否判定処理を実行しない構成や、所定の保留情報について当否判定処理を一旦実行しないようにしがらその後に当否判定処理を実行する構成や、所定の保留情報について大当たり数値情報の一部のみを参照して当否判定処理を実行する構成が考えられる。
(2)上記第1〜第7の実施の形態において、当否判定処理とは異なる予め定められた特別処理と保留予告用の確認処理とが通常処理の1処理回の範囲内で重複して実行されないように制限する構成としてもよい。この場合、通常処理の1処理回の範囲内において特別処理が実行される場合には保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成としてもよく、通常処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理が実行される場合には特別処理の実行が制限され得る構成としてもよい。なお、特別処理としては、例えば、電役サポート用処理における電役開放抽選の処理や、遊技状態移行処理における開閉実行モードへの移行処理などが考えられる。
(3)上記第1〜第7の実施の形態において、パチンコ機10の電源が投入されてから制限の解除条件が成立するまで保留予告用の確認処理といった制限対象の処理の実行が制限され得る構成としてもよい。例えば、パチンコ機10の電源が投入されてメイン処理が実行された場合に制限フラグが格納され、上記各実施の形態にて示したような消去タイミングまで当該制限フラグが記憶保持される構成としてもよい。また、パチンコ機10の電源遮断に際して制限フラグが格納され、バックアップ電力により電源遮断中も記憶保持されるとともに、パチンコ機10の電源投入後において上記各実施の形態にて示したような消去タイミングまで当該制限フラグが記憶保持される構成としてもよい。本構成は、当否抽選モードが低確率モードであっても保留予告用の確認処理の実行が制限される構成に対して適用すると有効である。
(4)上記第1〜第7の実施の形態では、当否抽選モードが高確率モードであることを一条件として保留予告用の確認処理が制限される構成としたが、これに限定されることはなく、当否抽選モードが低確率モードであっても保留予告用の確認処理が制限される構成としてもよい。
(5)上記第1の実施の形態、上記第2の実施の形態又は上記第3の実施の形態において、当否判定処理と保留予告用の確認処理とが共にタイマ割込み処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。また、当否判定処理と保留予告用の確認処理とが共に通常処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。さらにまた、通常処理とタイマ割込み処理とに区別されておらず、単一の一連の処理が実行タイミングとなる度に実行される構成においては、当該一連の処理における一部の処理として、当否判定処理及び保留予告用の確認処理の両方が実行される構成としてもよい。上記いずれの場合であっても、上記第5の実施の形態、上記第6の実施の形態又は上記第7の実施の形態における制限フラグの格納及び消去の処理構成を適用するとよい。
(6)上記第1〜第7の実施の形態において、読み込み処理がタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、保留予告用の確認処理が通常処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。本構成において、保留予告用の確認処理の実行タイミングとなるまでに、上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得されているとともに下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得されている場合には、それぞれの保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行されるようにすることで、各保留情報に対する保留予告用の設定処理を早期に実行することが可能となる。
但し、本構成において、通常処理の1処理回の範囲内において当否判定処理と保留予告用の確認処理とが共に実行されるとすると、当該通常処理の1処理回の処理時間が極端に長くなってしまうことが考えられる。したがって、かかる構成であっても、上記第1〜第7の実施の形態における制限の構成を適用することが好ましい。
(7)上記第1の実施の形態、上記第2の実施の形態、上記第3の実施の形態、上記第4の実施の形態、上記第8の実施の形態、上記第9の実施の形態又は上記第10の実施の形態において、通常処理にて4msecの残余期間内で行われる処理は、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理に限定されることはなく、例えば、これらの更新処理のいずれか一方であってもよく、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、乱数初期値カウンタCINI、変動種別カウンタCS及び電動役物開放カウンタC4のうちいずれか1つの更新処理を実行する構成としてもよく、それら各カウンタの所定の組合せの更新処理を実行する構成としてもよい。また、カウンタの更新処理に代えて又は加えて、異常発生検知用の処理といった他の処理を実行する構成としてもよい。
また、上記第5の実施の形態、上記第6の実施の形態、上記第7の実施の形態、上記第11の実施の形態、上記第12の実施の形態又は上記第13の実施の形態において、メイン処理にて電源立ち上げ時の処理後に一のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間の残余期間内で行われる処理は、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理に限定されることはなく、例えば、これらの更新処理のいずれか一方であってもよく、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、乱数初期値カウンタCINI、変動種別カウンタCS及び電動役物開放カウンタC4のうちいずれか1つの更新処理を実行する構成としてもよく、それら各カウンタの所定の組合せの更新処理を実行する構成としてもよい。また、カウンタの更新処理に代えて又は加えて、異常発生検知用の処理といった他の処理を実行する構成としてもよい。
(8)上記各実施の形態のように保留表示領域Gaといった個別表示領域にて保留予告を行う構成に限定されることはなく、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われている状況において当該図柄の変動表示の態様やそれに付随して表示されるキャラクタ等の態様を保留予告用の態様とすることで、保留予告を行う構成としてもよい。
具体的には、表示制御装置212では保留予告用の確認処理にて確認対象となった保留情報が大当たり当選に対応していると判定したことに基づいて、当該保留情報を保留予告の実行の契機として設定し、かかる実行の契機として設定された保留情報よりも前に実行される遊技回における図柄表示装置41での表示態様を保留予告用の表示態様とする構成が考えられる。そして、かかる保留予告用の表示態様としては、図柄の変動表示中に所定の報知画像を表示する構成や、図柄の変動表示の停止結果を保留予告に対応した停止結果とする構成が考えられる。
詳細には、主制御装置81にて保留予告用の確認処理が実行され当該主制御装置81から一致保留コマンドが送信されることで、表示制御装置212にて当該一致保留コマンドの送信に係る保留情報を保留予告の実行の契機として設定するか否かの判定が行われ、実行の契機として設定する旨の決定が行われた場合に契機情報を記憶するようにする。そして、契機情報が記憶されている状況では、保留予告の実行の契機として設定された保留情報よりも前に当否判定の対象となった保留情報に係る遊技回にて保留予告用の表示態様を表示させる。
上記構成であっても、主制御装置81における通常処理又はタイマ割込み処理といった進行用処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理と当否判定処理との両方が実行されることは好ましくない。したがって、上記第1〜第7の実施の形態のように、当否判定処理が実行される進行用処理の1処理回の範囲内においては保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成とすることが好ましい。
なお、図柄表示装置41とは異なる報知用装置にて保留予告を行う構成としてもよい。例えば、図柄表示装置41とは異なる表示装置にて保留予告を行う構成としてもよく、所定の音をスピーカ部64から出力することにより保留予告を行う構成としてもよく、所定の発光態様で発光部を発光させることで保留予告を行う構成としてもよい。
(9)上記第8〜第13の実施の形態に上記(8)の別形態の構成を適用してもよい。詳細には、主制御装置81にて保留予告用の確認処理が実行され保留コマンドが送信されることで、表示制御装置212にて当該保留コマンドの送信に係る保留情報を保留予告の実行の契機として設定するか否かの判定が行われ、実行の契機として設定する旨の決定が行われた場合に契機情報を記憶するようにする。そして、保留情報が記憶されている状況では、保留予告の実行の契機として設定された保留情報よりも前に当否判定の対象となった保留情報に係る遊技回にて保留予告用の表示態様を表示させる。
ちなみに、第11〜第13の実施の形態では、上作動口33に係る保留情報に対応した上側保留コマンドと下作動口34に係る保留情報に対応した下側保留コマンドとがそれぞれ送信される構成である。したがって、上記のように保留予告の実行の契機として設定された保留情報よりも前に実行される遊技回中の演出として保留予告を行う構成を適用する場合には、例えば上作動口33に係る保留情報及び下作動口34に係る保留情報のいずれが実行の契機となっているかを遊技者が認識できる態様で保留予告を行う構成としてもよく、所定の保留情報が保留予告の実行の契機として既に設定されている状況ではその後に新たに取得された保留情報が保留予告の実行の契機として設定されることが制限される構成としてもよい。
上記構成であっても、主制御装置81における定期処理の実行を良好に担保しながら保留予告が実行されることが好ましい。したがって、上記第8〜第13の実施の形態のように、残余処理にて保留予告用の確認処理や保留コマンドの出力設定に係る処理が実行される構成とすることが好ましい。
また、上記第8〜第13の実施の形態では、保留コマンドに、大当たり結果の有無の情報と、大当たり結果である場合に大当たり種別の情報と、外れ結果である場合にリーチ発生の有無の情報と、変動種別の情報とが含まれている。したがって、保留予告用の表示態様として、複数種類の保留予告用の演出動画やキャラクタといった複数種類の表示態様を予め用意しておき、大当たり種別、リーチ発生の有無、及び変動種別に対応させて選択される保留予告用の表示態様の種類を相違させる構成とすることが可能であるとともに、大当たり種別、リーチ発生の有無、及び変動種別に対応させて各保留予告用の表示態様の選択率を相違させる構成としてもよい。
なお、図柄表示装置41とは異なる報知用装置にて保留予告を行う構成としてもよい。例えば、図柄表示装置41とは異なる表示装置にて保留予告を行う構成としてもよく、所定の音をスピーカ部64から出力することにより保留予告を行う構成としてもよく、所定の発光態様で発光部を発光させることで保留予告を行う構成としてもよい。
(10)上記第1〜第7の実施の形態において、主制御装置81は大当たり乱数カウンタC1から取得した情報をそのまま音声ランプ制御装置82や表示制御装置212といったサブ側の制御装置に送信し、サブ側の制御装置において保留予告用の確認処理を実行する構成としてもよい。この場合であっても、サブ側の制御装置において進行用処理の1処理回の範囲内で保留予告用の確認処理とその他の特別処理との両方が実行されるとすると、進行用処理の1処理回に要する処理時間の長時間化が懸念される。したがって、進行用処理の1処理回の範囲内において特別処理が実行される場合には保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成とする、又は進行用処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理が実行される場合には特別処理の実行が制限され得る構成とするとよい。なお、特別処理としては、例えば、サブ側の制御装置において1遊技回の演出内容を決定する処理、より具体的には図柄の変動表示態様を決定する処理が考えられる。
また、上記第8〜第13の実施の形態において、主制御装置81は取得した保留情報のうち保留予告を実行するために使用する情報をそのまま音声ランプ制御装置82や表示制御装置212といったサブ側の制御装置に送信し、サブ側の制御装置において保留予告用の確認処理を実行する構成としてもよい。この場合であっても、サブ側の制御装置にて上記第8〜第13の実施の形態のように定期処理と残余処理とが実行される構成とした場合、定期処理が定期的に実行されなくなることは好ましくない。したがって、サブ側の制御装置における処理構成が定期処理と残余処理とからなる構成においては、定期処理にてコマンドの受信確認や演出の実行設定に係る処理を実行し、残余処理にて保留予告用の確認処理を実行する構成とすることが好ましい。
(11)上記第2の実施の形態において、保留予告用の確認処理の実行が制限された場合には何ら保留コマンドを送信することなく、その後に待機用処理が実行された場合にその処理結果に対応したコマンドを送信する構成としてもよい。また、保留予告用の確認処理の実行が制限されてから待機用処理が実行されるまでの間に保留情報が新たに取得されたとしても、待機用処理が実行される構成としてもよい。この場合、表示制御装置212において、待機用処理の対象となっている保留情報と新たに取得された保留情報とを明確に区別するための構成が必要となる。
(12)上記各実施の形態において、高確率モード用に設定される大当たり数値情報の数が10個以外でもよいことは言うまでもなく、例えば20個であってもよい。また、低確率モード用に設定される大当たり数値情報の数は高確率モード用に設定された大当たり数値情報の数よりも少ないのであれば複数であってもよいことは言うまでもない。
(13)上記第1〜第7の実施の形態では、保留予告の設定を行う上で、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報のみが確認される構成としたが、これに限定されることはなく、大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報や、リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報も確認される構成としてもよい。また、大当たり当選となる遊技回においては、図柄表示装置41における図柄の変動表示パターンとして、リーチ表示が発生する構成とした場合には、保留情報が大当たり当選に対応しているか否かに関係なく当該保留情報にリーチ表示に対応した情報が含まれているか否かを確認し、保留予告ではリーチ発生の有無を報知する構成としてもよい。また、リーチ発生の有無だけでなく、変動表示時間の情報も、保留コマンドの設定処理にて確認する構成としてもよい。この場合、保留予告としてリーチ表示の種別などを報知することが可能となる。
上記各構成では、保留コマンドの設定処理では、保留情報が大当たり数値情報に対応しているか否かの確認だけでなく、保留情報がリーチ発生数値情報に対応しているか否かの確認や保留情報がいずれの変動表示時間に対応しているかの確認などを行う必要がある。そうすると、当否判定処理と保留予告用の確認処理とが通常処理又はタイマ割込み処理といった進行用処理の1処理回の範囲内で実行されると、当該進行用処理の処理時間が長時間化してしまう。これに対して、上記第1〜第7の実施の形態のように保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成とすることが好ましい。
(14)上記第8〜第13の実施の形態では、保留予告の設定を行う上で、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報、大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報、リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報及び変動種別カウンタCSから取得した数値情報が確認される構成としたが、これに限定されることはなく、上記第1〜第7の実施の形態のように大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報のみが確認される構成としてもよい。この場合、保留予告として、大当たり結果の発生の可能性を段階的に報知するように保留予告が実行される構成としてもよい。また、外れ結果に対応した保留情報についても所定の確率で保留予告を実行するようにすることで、大当たり結果の場合及び外れ結果の場合のいずれにおいても保留予告が実行されることとなるため、保留予告の実行が大当たり結果の発生と一義的に結び付かないようにすることができる。
また、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報と大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報とが確認される構成としてもよい。この場合、保留予告として、大当たり結果の種別に対応した内容の報知を行うことが可能となる。また、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報とリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報とが確認される構成としてもよい。この場合、大当たり結果となる保留情報又は外れリーチとなる保留情報について、所定の確率で保留予告が実行されるようにすることで、保留予告が実行された場合には該当する遊技回でリーチ表示は少なくとも発生することとなる。また、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報と、大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報と、リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報とが確認される構成としてもよい。
(15)上記各実施の形態では、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれる構成としたが、これに限定されることはなく、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれない構成としてもよい。
(16)上記各実施の形態では、当否判定処理や保留コマンドの設定処理の処理プログラムにて参照すべき大当たり数値情報の数が指定される構成としたが、これに限定されることはなく、参照すべき大当たり数値情報の数を指定するための指定用テーブルが別途用意されていて、当否判定処理や保留コマンドの設定処理では指定用テーブルにおいて参照すべきアドレス情報が指定される構成としてもよい。この場合、当否判定処理や保留コマンドの設定処理では、指定用テーブルから読み出した大当たり数値情報の数だけ、参照して保留情報との比較処理を実行する。また、上記指定用テーブルが当否テーブルに含まれた構成としてもよい。
(17)上記各実施の形態において、保留予告が行われ得る状態と保留予告が不可となる状態との切り換えがなされる構成としてもよい。この場合、当該切り換えを行う主体は、主制御装置81、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212のうちのいずれであってもよい。また、切り換えの契機に関しては、所定の開始条件が成立した場合に保留予告が行われ得る状態となり、所定の終了条件が成立した場合に保留予告が不可となる状態となるのであれば任意であり、例えば、許可抽選と不可抽選とを設け、許可抽選にて当選結果となった場合に保留予告が行われ得る状態となるとともに、不可抽選にて当選結果となった場合に保留予告が不可となる状態となるよう構成してもよい。
(18)上記第1〜第10の実施の形態において、上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。また、上記各実施の形態において、逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。これらの場合に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報及び下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報のうち、前者の保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよく、後者の保留情報が保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよく、いずれの保留情報も保留予告の実行の契機として設定され得る構成としてもよい。
また、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用する場合、保留予告を上作動口33への入賞に係る保留情報について行う構成とするとともに、当該保留予告では大当たり当選となる旨の情報だけでなく、高確率モードであれば大当たり当選となる旨の情報、低確率モードであれば大当たり当選となる旨の情報、高確率モード及び低確率モードのいずれであっても大当たり当選となる旨の情報、又は高確率モード及び低確率モードのうちいずれか一方でのみ大当たり当選となる旨の情報を報知する構成としてもよい。上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定に際して優先される構成において上記保留予告の構成を適用することで、遊技者にとっては、保留予告の内容に応じて、保留予告に係る保留情報が当否判定の対象とならないようにすべく下作動口34への入賞に係る保留情報が記憶された状態が維持されることを期待して発射ハンドル54を操作する態様を選択することができるとともに、保留予告に係る保留情報が当否判定の対象となるようにすべく下作動口34への入賞がそれ以上発生しないように発射ハンドル54の操作を中止するという態様を選択することができる。
特に、上記構成を、下作動口34に電動役物34aが設けられておらず、上作動口33及び下作動口34の両方において入賞頻度が遊技状態に依存しない構成に適用した場合、遊技状態に関係なく上記遊技を遊技者に提供することが可能となる。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル54の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、遊技者にとっては、保留予告に応じて、第1作動口又は第2作動口の一方の入賞のみを狙うことが可能となる。
また、上記構成を上記第1〜第10の実施の形態に適用する場合、メイン表示部43に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(19)上記第1〜第10の実施の形態において、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、上記(18)のように下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成において、当該下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の方が、当否判定の実行が優先されない上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合よりも、遊技者にとって有利となる構成としてもよい。
このように有利な状態を設定する上では、例えば、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率を、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率よりも高く設定する構成としてもよい。また、下作動口34への入賞に係る保留情報が大当たり当選となった場合における大当たり結果の振分先が、上作動口33への入賞に係る保留情報が大当たり当選となった場合における大当たり結果の振分先よりも有利なものとなるように設定された構成としてもよい。
かかる構成についてより詳細には、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先に、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先には設定されていない大当たり結果が設定されており、かかる大当たり結果が設定されていることにより前者の方が後者よりも有利なものとなる構成としてもよく、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先に、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先には設定されていない大当たり結果が設定されており、かかる大当たり結果が設定されていることにより後者の方が前者よりも有利なものとなる構成としてもよい。なお、当該構成を上記第11〜第13の実施の形態に対して適用してもよい。さらには、上作動口33への入賞に係る大当たり結果の振分先の種類と、下作動口34への入賞に係る大当たり結果の振分先の種類とが同一となるように設定されているとともに、下作動口34への入賞では上作動口33への入賞よりも、有利な大当たり結果への振分確率が高く設定された構成としてもよい。
上記構成によれば、上作動口33への入賞が発生することに比して、下作動口34への入賞が発生することの有利性が高められる。そして、下作動口34への入賞により取得された保留情報が優先して当否判定される構成においては、下作動口34への入賞が発生した場合には、下作動口34について設定された有利性が優先して遊技者に提供されることとなる。これにより、上作動口33と下作動口34との機能に明確な差異が設けられ、遊技者にとっては、上作動口33への入賞よりも下作動口34への入賞の発生を期待することとなり、遊技の多様化が図られる。
また、上記各実施の形態のように作動口を複数設ける構成においては、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。また、作動口が1個のみ設けられた構成としてもよい。
(20)当否抽選モードが複数段階設定されているのではなく、単一の当否抽選モードのみが設定されており、さらに当該当否抽選モードについて複数種類の大当たり数値情報が設定された構成としてもよい。
(21)上記各実施の形態では、既に保留予告が行われている状況であっても、作動口33,34への新たな入賞に基づき取得された保留情報について保留予告が開始され得る構成としたが、既に保留予告が行われている状況においては新たな保留予告が開始されない構成としてもよい。つまり、作動口33,34への新たな入賞に基づき保留情報が取得された場合に、既に保留予告が実行されているか否かを判定する手段と、既に保留予告が実行されていると判定された場合には新たな入賞に基づき取得された保留情報に対して保留予告が実行されないように規制する手段と、を備えた構成としてもよい。この場合、複数の保留予告が同時に実行されることはなく、各保留予告への注目度を高めることが可能となる。
(22)上記各実施の形態において、主制御装置81に大当たり当選に対応した保留情報が記憶されている場合であって、かかる保留情報について保留予告が実行されていない場合には、作動口33,34への新たな入賞に基づき取得された保留情報について保留予告が開始されない構成としてもよい。つまり、作動口33,34への新たな入賞に基づき保留情報が取得された場合に、既に記憶されている保留情報に大当たり当選に対応した保留情報が含まれているか否かを判定する手段と、大当たり当選に対応した保留情報が含まれていると判定された場合には新たな入賞に基づき取得された保留情報に対して保留予告が実行されないように規制する手段と、を備えた構成としてもよい。この場合、大当たり当選に対応した保留情報について保留予告が実行されていないにも関わらず、他の保留情報について保留予告が実行されてしまうことが規制され、保留予告への注目度を高めることが可能となる。
(23)上記第1〜第7の実施の形態において、保留表示領域Gaにおける複数の単位保留表示領域にて保留予告が実行されている状況で、先に当否判定の対象となった保留情報について開閉実行モードへの移行が発生した場合には、後に当否判定の対象となる保留情報についての保留予告を、開閉実行モードへの移行に際して、開閉実行モード中の所定のタイミング又は開閉実行モードの終了に際して、終了させる構成(すなわち、保留予告の解除手段を有する構成)としてもよい。この場合、開閉実行モードへの移行が発生した場合には、保留予告の実行状況を一旦リセットすることが可能となる。
(24)上記第8〜第13の実施の形態において、保留コマンドの設定処理(第11〜第13の実施の形態では上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理)の途中で、一旦割込み許可の設定を行い、再度割込み禁止の設定を行う構成としてもよい。また、上記第8の実施の形態や上記第11の実施の形態においては、この一旦割込み許可の設定を行った際に通常処理の最初の処理を開始するタイミングであるか否かを判定する構成としてもよい。上記構成によれば、タイマ割込み処理や通常処理の主要な処理を定期的に行い易くなる。
ちなみに、保留コマンドの設定処理の途中で一旦割込み許可の設定を行うタイミングは、保留コマンドの設定処理において複数種類の処理が段階的に実行される構成の場合、所定の段階目の処理が終了して次の段階目の処理が開始される前に設定されていることが好ましい。例えば、上記第8の実施の形態の場合、ステップS3209にて肯定判定をしたタイミングで一旦割込み許可の設定を行う構成としてもよく、ステップS3211にて否定判定をしたタイミングで一旦割込み許可の設定を行う構成としてもよい。
(25)上記第8〜第13の実施の形態において、保留コマンドの設定処理(第11〜第13の実施の形態では上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理)の途中で割込み許可の設定を行い、その後は保留コマンドの設定処理が終了するまでその割込み許可の設定を行った状態を維持する構成としてもよい。この場合、その割込み許可の設定を行っている状態でタイマ割込み処理が実行された場合には、タイマ割込み処理の実行後において保留コマンドの設定処理を終了した後の処理アドレスに戻る構成としてもよい。
(26)上記第8〜第13の実施の形態において、乱数初期値カウンタCINIの更新処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定及び割込み許可の設定を行うとともに、変動種別カウンタCSの更新処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定及び割込み許可の設定を行う構成としてもよい。この場合、タイマ割込み処理を定期的に行い易くなる。
(27)上記第8の実施の形態及び上記第11の実施の形態において、残余処理内の複数個所にて通常処理の最初の処理を開始するタイミングであるか否かの判定(すなわち、今回の通常処理を開始してから4msecが経過したか否かの判定)を行う構成としてもよい。
例えば、上記第8の実施の形態では、ステップS2607にて上記判定を行うだけでなく、ステップS2610とステップS2611との間にて上記判定を行う構成としてもよい。また、上記第11の実施の形態では、ステップS3907にて上記判定を行うだけでなく、ステップS3910とステップS3911との間にて上記判定を行う構成とするとともに、ステップS3914とステップS3915との間にて上記判定を行う構成としてもよい。つまり、割込み許可の設定が行われた後に所定の期間をあけて割込み禁止の設定が行われる構成において、当該所定の期間中に上記判定を行う構成としてもよい。
また、上記第8の実施の形態及び上記第11の実施の形態において、残余処理が実行されている状況でタイマ割込み処理を実行した場合には、そのタイマ割込み処理の終了に際して、上記判定を行う構成としてもよい。
上記各構成によれば、上記第8の実施の形態におけるステップS2601〜ステップS2606の処理や、上記第11の実施の形態におけるステップS3901〜ステップS3906の処理を、定期的に行い易くなる。
(28)上記第11の実施の形態では、上側保留コマンドの設定処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定とを行うとともに、下側保留コマンドの設定処理を間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定とを行う構成としたが、一方の保留コマンドの設定処理については間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定を行い、他方の保留コマンドの設定処理については割込み禁止の設定が行われていない状態で行う構成としてもよい。この場合、タイマ割込み処理を定期的に行い易くなる。
ちなみに、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードのうち低頻度サポートモードである状況の方が、遊技が単調化し易い傾向にある。このような問題に着目した場合、低頻度サポートモードであっても複数の保留情報が同時に記憶される状況が発生し易い上作動口33に係る保留情報についての保留予告の実行頻度を高めることが好ましい。この場合、上側保留コマンドの設定処理については間に挟むようにして割込み禁止の設定と割込み許可の設定を行い、下側保留コマンドの設定処理については割込み禁止の設定が行われていない状態で行う構成とするとよい。
(29)上記第8〜第13の実施の形態では、保留予告用の確認処理として複数の大当たり数値情報と保留情報との照合を行う場合に、かかる照合の処理の全てを残余処理にて行う構成としたが、これに代えて、複数の大当たり数値情報のうち一部の照合についてはタイマ割込み処理や通常処理の定期的に実行される処理にて実行し、残りの照合について残余処理にて行う構成としてもよい。この場合、上記一部の照合結果を残余処理にて残りの照合が開始されるタイミングまで記憶保持しておくようにし、さらに当該残りの照合が完了した後に保留コマンドの出力設定に係る処理を実行する構成としてもよい。
(30)上記第8〜第13の実施の形態では、保留情報に含まれる数値情報のうち、大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報、大当たり種別カウンタC2に係る数値情報、リーチ乱数カウンタC3に係る数値情報及び変動種別カウンタCSに係る数値情報の全ての照合を残余処理にて行う構成としたが、これに代えて、これら各数値情報の一部の照合についてはタイマ割込み処理や通常処理の定期的に実行される処理にて実行し、残りの照合について残余処理にて行う構成としてもよい。
(31)上記第8〜第13の実施の形態では、残余処理内においてカウンタの更新処理の処理タイミングが保留コマンドの設定処理の処理タイミングよりも後となるように設定されていたが、カウンタの更新処理の処理タイミングの方が先となる構成としてもよい。
(32)上記第8〜第13の実施の形態において、保留情報を取得した場合には先ず取得時コマンドの出力設定を行い、保留予告用の確認処理を実行した場合に同一の保留情報について保留コマンドの出力設定を行う構成としたが、これに限定されることはなく、取得時コマンドの出力設定は行われない構成としてもよい。但し、当該構成を、サブ側の制御装置にて保留情報の個数を把握する必要がある構成に適用する場合には、保留情報が取得された場合には新たな保留情報の取得が行われるよりも前のタイミングで、その取得された保留情報について保留コマンドの出力設定が行われる構成とすることが好ましい。
(33)上記第8〜第10の実施の形態において、上作動口33と下作動口34とで個別に検知センサが設けられている構成に代えて、上作動口33を通過した遊技球及び下作動口34を通過した遊技球のいずれもが同一の排出通路部を通過するようにするとともに、当該排出通路部に検知センサが設けられている構成としてもよい。この場合、上作動口33に入賞した遊技球と下作動口34に入賞した遊技球とが同時に検知されることはなく、さらに連続する複数の遊技球のうち先側の遊技球の検知が完了してから後側の遊技球の検知が開始されるまでの間隔を保留情報が取得されてからその保留情報について保留予告用の確認処理及び保留コマンドの出力設定に係る処理が完了するまでの時間として想定される最長時間よりも長い時間とすることで、保留数カウンタを設ける必要がなくなる。
(34)上記第8〜第13の実施の形態において、タイマ割込み処理が設定されておらず、一連の処理として定期的に実行される定期処理と非定期的に実行される所定の処理とが設定されており、当該所定の処理に対して保留コマンドの設定処理が設定されている構成としてもよい。例えば、上記第8の実施の形態において、通常処理(図38)におけるステップS2601〜ステップS2606の処理、及びタイマ割込み処理(図39)におけるステップS2703〜ステップS2708の処理を含む定期処理と、通常処理(図38)におけるステップS2607〜ステップS2614の処理を含む残余処理と、が一連の処理として設定されている構成としてもよい。当該構成においては、定期処理を定期的に行い易くなるために、上記(27)のように、残余処理内の複数個所にて定期処理の最初の処理を開始するタイミングであるか否かの判定(すなわち、今回の通常処理を開始してから4msecが経過したか否かの判定)を行う構成とすることが好ましい。
(35)上記第8〜第13の実施の形態において、保留予告用の確認処理において大当たり数値情報を参照する場合、当否判定処理にて参照される大当たり数値情報の一部のみを参照する構成としてもよい。
(36)上記第8〜第13の実施の形態において、保留情報に変動種別カウンタCSに係る数値情報が含まれている構成に代えて、上記第1〜第7の実施の形態のように変動種別カウンタCSに係る数値情報が含まれていない構成としてもよい。この場合、保留予告用の確認処理において変動種別カウンタCSに係る数値情報の照合を行う必要がない。
(37)上記第8〜第13の実施の形態では、タイマ割込み処理の前半側の処理として電断用処理を実行する構成としたが、タイマ割込み処理の後半側の処理として電断用処理を実行する構成としてもよい。
(38)上記各実施の形態において保留ランプ部45,46,306,307の制御主体は音声ランプ制御装置82に限定されることはなく、主制御装置81であってもよい。
また、上記各実施の形態においてタイマ割込み処理が起動される周期は2msecに限定されることはなく、例えば4msecであってもよい。
(39)上記第11〜第13の実施の形態において、取得された保留情報の消化順序は先に取得された側から先に消化されるようにしながら、保留情報の消化に際して保留情報数の減算が行われる対象は上作動口33及び下作動口34のうち一方が優先される構成としてもよい。この場合、上記第11〜第13の実施の形態にて説明したように保留予告の実行の契機となった保留情報の消化順序を明示しながら当該保留予告を行おうとすると、例えば非優先側である上作動口33側について保留予告を実行している状況で下作動口34への入賞が発生した場合には報知されている消化順序の内容と実際にその報知に係る保留情報が消化される順序が一致しなくなってしまう。したがって、当該構成においては、優先側である下作動口34側についてのみ保留予告を行う又は上記(8)の構成のように消化順序を明示しない態様で保留予告を行う構成とすることが好ましい。
(40)上記各実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(41)上作動口33への入賞が発生しているか否かの判定や下作動口34への入賞が発生しているか否かの判定を行うための処理構成は、上記各実施の形態における構成に限定されることはなく、任意である。例えば、MPU202のレジスタ又はRAM204に、今回用エリア、前回用エリア、前々回用エリアを設け、検知センサからの信号の入力結果の3回分をそれらエリアに格納する。そして、それらエリアに格納されている情報を演算することにより、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されているか否かの特定を行うようにしてもよい。具体的には、非入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「0」の情報が格納され、入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「1」の情報が格納されるようにする。そして、前々回用エリアに格納されている情報を反転した情報と、前回用エリアに格納されている情報と、今回用エリアに格納されている情報との論理積が「1」の場合に、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されていると特定する構成としてもよい。
(42)上記各実施の形態では、保留情報が取得される条件を作動口33,34への入賞が発生することとしたが、これに限定されることはなく、他の入球部に入賞したことに基づき保留情報が取得される構成としてもよい。また、遊技領域を流下する遊技球が所定の入球部に入球したことに基づき保留情報が取得されるのではなく、遊技者により手動操作される操作部が操作されたことに基づき保留情報が取得される構成としてもよい。
(43)上記第1〜第7の実施の形態における保留予告用の確認処理の実行を行わないようにする構成や、その実行を待機する構成や、通常時の処理のうち一部の処理のみを実行する構成に代えて、以下の構成を適用してもよい。すなわち、主制御装置81において実行される処理として、複数種の処理を含み繰り返し実行される第1繰り返し処理と、複数種の処理を含み繰り返し実行される第2繰り返し処理と、が設定されているとともに、第1繰り返し処理が完了した後に第2繰り返し処理が開始され、さらに第2繰り返し処理が完了した後に第1繰り返し処理が開始される構成においては、第1繰り返し処理又は第2繰り返し処理の一方における一部の処理として当否判定処理が含まれ、他方における一部の処理として保留予告用の確認処理が含まれる構成としてもよい。この場合、第1繰り返し処理の1処理回が完了するまでの時間や第2繰り返し処理の1処理回が完了するまでの時間が長時間化してしまうことを抑えながら当否判定や保留予告の設定を行うことが可能となる。
(44)上記各実施の形態では、保留コマンドの設定処理が、作動口33,34への入賞に基づき取得された情報が保留情報として保留球格納エリア232に格納された後に実行される構成としたが、これに限定されることはなく、保留コマンドの設定処理が、作動口33,34への入賞に基づき情報が取得された後であって当該情報が保留情報として保留球格納エリア232に格納される前に実行される構成としてもよい。
(45)上記各実施の形態では、主制御装置81において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置81において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置81では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。但し、変動時間コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置41において図柄の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとする必要がある。
(46)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による前記特定の処理及び当該特定の処理とは異なる予め定められた特別処理のうち制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、先特定手段による特定の処理及び当該特定の処理とは異なる予め定められた特別処理のうち制限対象となっていない処理が進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する」には、制限対象となっている処理が実行されないように制限する構成だけでなく、制限対象となっている処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴A2.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の処理及び前記先特定手段による前記特定の処理のうち制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、付与判定手段による付与判定の処理及び先特定手段による特定の処理のうち制限対象となっていない処理が進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する」には、制限対象となっている処理が実行されないように制限する構成だけでなく、制限対象となっている処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴A3.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報として、予め定められた範囲の数値情報から所定の数値情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記予め定められた範囲の数値情報のいずれかに対応した付与情報を予め記憶する付与情報記憶手段(当否テーブル記憶エリア221)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記付与情報記憶手段には、少なくとも特定状況において前記付与判定手段により参照される付与情報が複数種類記憶されており、
前記付与判定手段は、少なくとも前記特定状況において前記付与判定を行う場合、前記複数種類の付与情報の全てを参照し、判定対象となった特別情報が、いずれかの付与情報と対応している場合に付与判定の結果が前記付与対応結果であるとするものであり、
さらに、前記特定状況において前記複数種類の付与情報を参照することで、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を特定するとともに、当該特定を前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて行う先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による前記付与判定の処理及び前記先特定手段による前記特定の処理のうち制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、付与判定手段による付与判定の処理及び先特定手段による特定の処理のうち制限対象となっていない処理が進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「制限対象となっている処理の当該1処理回の範囲内における実行を制限する」には、制限対象となっている処理が実行されないように制限する構成だけでなく、制限対象となっている処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴A4.前記制限手段は、前記制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記制限対象となっている処理が当該1処理回の範囲内で実行されないようにするものであることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、制限対象となっていない処理が実行される範囲の進行用処理の処理回では、制限対象となっている処理が実行されないため、制限対象となっている処理の一部が実行される構成に比べ、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が長時間化してしまうことを抑える効果が高められる。
特徴A5.前記制限対象となっている処理が前記進行用処理における所定の処理回の範囲内で実行されないように制限された場合に、この制限された処理が前記所定の処理回に対して次回以降の処理回の範囲内で実行されるようにする制限後実行手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1410〜ステップS1413の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
特徴A5によれば、制限対象となっている処理が実行されないように制限されたとしても、その制限された処理がその後に実行されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑えながら、制限対象となっている処理が実行される機会が極端に低減されてしまうことを抑えることができる。
特徴A6.前記制限対象となっている処理として、非制限用処理(ステップS1804の処理)と、当該非制限用処理のうち一部の処理が省略された制限用処理(ステップS1805〜ステップS1813の処理)とが設定されており、
前記制限手段は、前記制限対象となっていない処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記制限対象となっている処理として前記制限用処理が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、制限対象となっている処理の実行が制限される場合であっても、当該制限対象となっている処理は通常時の非制限用処理に対して一部の処理が省略された状態で実行される。よって、制限対象となっている処理の実行をある程度確保しながら、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴A7.前記付与判定手段は、付与判定モードとして、前記付与対応結果となる付与情報の数が相対的に多い及び少ないとなるように設定されていることで前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となった高確率モードと低確率モードとが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定モードが前記高確率モードである場合に前記制限を行うものであることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
高確率モードにおいては、付与判定の処理及び先特定の処理のいずれにおいても低確率モードの場合よりも処理時間が長時間化することとなる。この場合に、特徴A7によれば、高確率モードにおいて制限対象となっている処理の実行が制限されることがあるため、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。その一方、低確率モードにおいては上記制限を行わないようにすることで、制限対象となっている処理の実行を低確率モードにおいては担保することが可能となる。
特徴A8.前記制限対象となっている処理及び前記制限対象となっていない処理のうち一方は前記付与判定手段による前記付与判定の処理であるとともに、他方は前記先特定手段による前記特定の処理であり、
前記制限手段は、前記制限対象となっていない処理の実行が阻止されていない状況であって前記取得情報記憶手段に前記特別情報が記憶されていない状況において前記情報取得手段により前記特別情報が取得された場合、前記制限対象となっている処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
制限対象となっていない処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、付与判定の処理及び先特定の処理が進行用処理の1処理回の範囲内で実行される可能性が高まる。これに対して、特徴A8によれば、制限対象となっていない処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、制限対象となっている処理の実行が制限されるため、かかる状況において進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴A9.予め定められた制限条件が成立した場合に制限情報(制限フラグ)を制限情報記憶手段(各種フラグ格納エリア234)に記憶させるとともに、予め定められた制限解除条件が成立した場合に前記制限情報記憶手段から前記制限情報を消去させる制限情報更新手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS511及びステップS1302の処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記制限情報記憶手段に前記制限情報が記憶されている場合に、前記制限対象となっている処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、制限情報の有無によって、制限対象となっている処理の実行を制限するか否かが決定される。よって、制限を行うための処理構成の簡素化が図られる。
特徴A10.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる場合、前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において制限対象となっている処理の実行の制限が開始される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも先に制限対象となっている処理が行われる又は行われ得る構成であっても、制限対象となっていない処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では制限対象となっている処理の実行を制限することができる。
なお、「前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる」構成とすることで、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A11.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記制限対象となっていない処理よりも先に前記制限対象となっている処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記制限対象となっていない処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A11によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも先に制限対象となっている処理が行われない構成において、制限対象となっていない処理が実行された場合に制限情報が記憶されることで、その後の制限対象となっている処理の実行を制限することが可能となる。特に、本構成によれば、制限対象となっていない処理が実行されるよりも前に制限情報が記憶される構成に比べ、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A12.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去する場合、前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において制限対象となっている処理の実行の制限が解除される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも後に制限対象となっている処理が行われる又は行われ得る構成であっても、制限対象となっていない処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では制限対象となっている処理の実行を制限することができる。
なお、「前記制限対象となっていない処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させる」構成とすることで、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A13.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記制限対象となっていない処理よりも後に前記制限対象となっている処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記制限対象となっていない処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で制限対象となっていない処理よりも後に制限対象となっている処理が行われない構成において、制限対象となっていない処理が実行された場合に制限情報が消去されることで、その後の制限対象となっている処理の実行が制限されなくなる。特に、本構成によれば、制限対象となっていない処理が実行されたとしても制限情報が消去されない構成に比べ、制限対象となっている処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴A14.前記進行制御手段は、予め定められた所定の周期で前記進行用処理に割り込んで起動され、複数種の処理を含む定期処理を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記進行用処理及び前記定期処理のうちの一方に前記制限対象となっていない処理が含まれているとともに、他方に前記制限対象となっている処理が含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A14によれば、進行用処理及び定期処理のうちの一方に制限対象となっていない処理が含まれているとともに、他方に制限対象となっている処理が含まれている構成において、上記特徴A1、A2又はA3等の優れた効果を奏することができる。
なお、上記特徴A9のように制限情報を参照して制限を実行するようにした場合、進行用処理と定期処理との両方を具備する構成であったとしても、制限対象となっている処理の実行を無理なく制限することが可能となる。
特徴A15.前記制限対象となっていない処理及び前記制限対象となっている処理の両方は、前記進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A15によれば、制限対象となっていない処理及び制限対象となっている処理の両方が、進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれている構成において、上記特徴A1、A2又はA3等の優れた効果を奏することができる。
なお、進行用処理が定期的に起動される構成においては、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長時間化する状況が生じるとすると、複数の進行用処理が重複して起動されてしまうことを防止すべく、進行用処理が起動される周期を長くせざるをえなくなる。そうすると、遊技を進行させる上での処理速度が遅くなってしまい好ましくない。これに対して、上記特徴A1、A2又はA3等の構成を備え、制限対象となっている処理の実行が制限され得ることで、上記不都合の発生が抑えられる。
特徴A16.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、を備え、
前記進行用処理の1回の処理回が行われる範囲内において、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が実行されるとともに、前記先特定手段による前記特定の処理が実行される構成であり、
さらに、前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記先特定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得の両方が、前記進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、前記進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記特定の処理を行うものであることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A16の遊技機では、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、進行用処理の1回の処理回において行われる場合には、進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して先特定手段による特定の処理が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
但し、進行用処理の1処理回の範囲内において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、付与判定の処理等の特別処理とが実行されるとすると、当該処理回の進行用処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが懸念される。これに対して、上記特徴A1、A2又はA3等の構成を備え、制限対象となっていない処理が実行される進行用処理の処理回では制限対象となっている処理の実行が制限されるため、上記不都合の発生が抑えられる。
<特徴B群>
特徴B1.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記先特定手段による前記特定の処理とは異なる特別処理が行われる場合には、当該処理回における前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、進行用処理の1処理回の範囲内で予め定められた特別処理が行われる場合には、当該処理回における先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「当該処理回における前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する」には、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限する構成だけでなく、先特定手段による特定の処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴B2.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特に、付与判定は、遊技者の利益に直結するものであるため、進行用処理の1処理回の実行が完了するまでの処理時間に関係なく、付与判定用に設定された付与情報の全てを参照する必要があるのに対して、先特定は、特別報知という演出を行うための処理であるため、その実行が制限されたとしても遊技者の利益に影響を及ぼさない。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「当該処理回における前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する」には、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限する構成だけでなく、先特定手段による特定の処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴B3.進行用処理(第1乃至第3の実施の形態では通常処理、第4乃至第6の実施の形態ではタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報として、予め定められた範囲の数値情報から所定の数値情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記予め定められた範囲の数値情報のいずれかに対応した付与情報を予め記憶する付与情報記憶手段(当否テーブル記憶エリア221)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、前記付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記付与情報記憶手段には、少なくとも特定状況において前記付与判定手段により参照される付与情報が複数種類記憶されており、
前記付与判定手段は、少なくとも前記特定状況において前記付与判定を行う場合、前記複数種類の付与情報の全てを参照し、判定対象となった特別情報が、いずれかの付与情報と対応している場合に付与判定の結果が前記付与対応結果であるとするものであり、
さらに、前記特定状況において前記複数種類の付与情報を参照することで、前記取得情報記憶手段に記憶される又は記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を特定するとともに、当該特定を前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて行う先特定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1104〜ステップS1113の処理を実行する機能等)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1101〜ステップS1103の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、当該処理回における先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特に、付与判定は、遊技者の利益に直結するものであるため、進行用処理の1処理回の実行が完了するまでの処理時間に関係なく、付与判定用に設定された付与情報の全てを参照する必要があるのに対して、先特定は、特別報知という演出を行うための処理であるため、その実行が制限されたとしても遊技者の利益に影響を及ぼさない。
なお、遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、を備えている構成においては、「情報取得手段」は、「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する」構成に代えて、「前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する」構成としてもよい。
また、「当該処理回における前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する」には、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限する構成だけでなく、先特定手段による特定の処理において非制限時に実行される各種処理のうち一部の処理が実行されないように制限する構成も含まれる。
特徴B4.前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記先特定手段による前記特定の処理が当該1処理回の範囲内で実行されないようにするものであることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、付与判定手段による付与判定の処理が実行される範囲の進行用処理の処理回では、先特定手段による特定の処理が実行されないため、当該特定の処理の一部が実行される構成に比べ、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が長時間化してしまうことを抑える効果が高められる。
特徴B5.前記先特定手段による特定の処理が前記進行用処理における所定の処理回の範囲内で実行されないように制限された場合に、その制限対象となった特別情報について前記所定の処理回に対して次回以降の処理回の範囲内で前記先特定手段による前記特定の処理が実行されるようにする制限後実行手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1410〜ステップS1413の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、先特定手段による特定の処理が実行されないように制限されたとしても、その制限対象となった特別情報についてその後に先特定手段による特定の処理が実行されることがある。これにより、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑えながら、先特定手段による特定の処理が実行される機会が極端に低減されてしまうことを抑えることができる。
特徴B6.前記制限手段により前記先特定手段による特定の処理の実行が制限された場合に、その制限対象となった特別情報が前記付与情報に対応しているか否かに関係なく当該制限対象となった特別情報が前記付与情報に対応していないとする特定結果を導出する制限用導出手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1503にて否定判定をした後にステップS1514の処理を実行する機能)を備えており、
前記先特定手段は、前記制限対象となった特別情報が前記制限後実行手段により特定対象とされた場合であって当該制限対象となった特別情報が前記付与情報に対応している場合には、当該特別情報が前記付与情報に対応しているとする修正結果(修正用コマンド)を導出するものであることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、先特定手段による特定の処理の実行が制限されたとしても特定結果が導出されるため、その後の特別報知に係る処理などを円滑に行うことができる。そして、当該特定結果の導出に際しては特別情報が付与情報に対応しているか否かの判定を要さないため、処理時間の長時間化を招くこともない。
さらにまた、制限対象となった特別情報が制限後実行手段により特定対象とされた場合であって制限対象となった特別情報が付与情報に対応している場合には、当該特別情報が付与情報に対応しているとする修正結果が導出されることがある。したがって、一旦は特別報知の実行が制限されたとしても、その後に特別報知を実行することが可能となり、特別報知が実行される機会が高められる。
特徴B7.前記制限後実行手段は、前記先特定手段による特定の処理の実行が制限された後であって当該制限対象となった特別情報について前記先特定手段による特定の処理が実行される前のタイミングで前記取得条件が成立した場合、当該制限対象となっている特別情報について前記先特定手段による前記特定の処理が実行されないようにするものであることを特徴とする特徴B5又はB6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、制限対象となっている特別情報が存在している場合であっても、新たに特別情報が取得された場合には、当該制限対象となっている特別情報について先特定手段による特定の処理が実行されないため、先特定手段による特定対象の決定に係る処理が煩雑なものとなってしまうことを抑えながら、上記特徴B5等の効果を奏することができる。
特徴B8.前記先特定手段による特定の処理として、非制限用処理(ステップS1804の処理)と、当該非制限用処理のうち一部の処理が省略された制限用処理(ステップS1805〜ステップS1813の処理)とが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記非制限用処理及び前記制限用処理のうち前記制限用処理が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B8によれば、先特定手段による特定の処理の実行が制限される場合であっても、当該特定の処理は通常時の非制限用処理に対して一部の処理が省略された状態で実行される。よって、特別報知の実行をある程度担保しながら、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴B9.前記先特定手段による特定の処理として、少なくとも前記特定状況において前記複数種類の付与情報を全て参照して前記特定を行う非制限用処理(ステップS1804の処理)と、少なくとも前記特定状況において前記複数種類の付与情報のうち一部を参照して前記特定を行う制限用処理(ステップS1805〜ステップS1813の処理)とが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が前記進行用処理の1処理回の範囲内で行われる場合には、前記非制限用処理及び前記制限用処理のうち前記制限用処理が実行されるようにするものであることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B9によれば、先特定手段による特定の処理の実行が制限される場合であっても、複数種類の付与情報のうち一部を参照して特定の処理が実行される。よって、特別報知の実行をある程度担保しながら、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
さらにまた、複数種類の付与情報のうち一部の付与情報を参照して先特定手段による特定の処理が実行されることで、付与判定の結果が付与対応結果となる特別情報であっても、かかる付与対応結果となる旨の情報を反映した特別報知は必ず行われるのではなく、所定の確率で行われることとなる。これにより、上記付与対応結果となる旨の情報を反映した特別報知が、自ずと不規則なものとなり、特別報知の態様の多様化が図られる。
特徴B10.前記付与判定手段は、付与判定モードとして、前記付与対応結果となる付与情報の数が相対的に多い及び少ないとなるように設定されていることで前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となった高確率モードと低確率モードとが設定されており、
前記制限手段は、前記付与判定モードが前記高確率モードである場合に前記制限を行うものであることを特徴とする特徴B2乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
高確率モードにおいては、付与判定の処理及び先特定の処理のいずれにおいても低確率モードの場合よりも処理時間が長時間化することとなる。この場合に、特徴B10によれば、高確率モードにおいて先特定手段による特定の処理の実行が制限されることがあるため、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。その一方、低確率モードにおいては上記制限を行わないようにすることで、先特定手段による特定の処理の実行を低確率モードにおいては担保することが可能となる。
特徴B11.前記制限手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理の実行が阻止されてない状況であって前記取得情報記憶手段に前記特別情報が記憶されていない状況において前記情報取得手段により前記特別情報が取得された場合、当該取得された特別情報についての前記先特定手段による特定の処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴B2乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
付与判定の処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、付与判定の処理及び先特定の処理が進行用処理の1処理回の範囲内で実行される可能性が高まる。これに対して、特徴B11によれば、付与判定の処理の実行が阻止されていない状況であって取得情報記憶手段に特別情報が記憶されていない状況において特別情報が新たに取得された場合には、先特定手段による特定の処理の実行が制限されるため、かかる状況において進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
特徴B12.予め定められた制限条件が成立した場合に制限情報(制限フラグ)を制限情報記憶手段(各種フラグ格納エリア234)に記憶させるとともに、予め定められた制限解除条件が成立した場合に前記制限情報記憶手段から前記制限情報を消去させる制限情報更新手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS511及びステップS1302の処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記制限情報記憶手段に前記制限情報が記憶されている場合に、前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴B2乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B12によれば、制限情報の有無によって、先特定手段による特定の処理の実行を制限するか否かが決定される。よって、制限を行うための処理構成の簡素化が図られる。
特徴B13.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる場合、前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも前の処理回において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
特徴B13によれば、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限が開始される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも先に先特定の処理が行われる又は行われ得る構成であっても、付与判定の処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では先特定の処理の実行を制限することができる。
なお、「前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる」構成とすることで、先特定の処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B14.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置212のMPU252)を備え、
前記付与判定手段による前記付与判定は前記遊技回用動作が行われている状況では実行されないように設定されており、
前記遊技回制御手段が前記進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、前記付与判定手段は当該1処理回よりも後の処理回の範囲内において前記付与判定の処理を実行するものであり、
前記制限情報更新手段は、前記遊技回制御手段により前記遊技回を終了させる処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B14によれば、遊技回制御手段が進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、付与判定手段が当該1処理回よりも後の処理回の範囲内において付与判定の処理を実行する構成において、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限を開始することができる。
特徴B15.前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記報知手段又はそれとは異なる報知手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理を実行する機能、表示制御装置212のMPU252)を備え、
前記付与判定手段による前記付与判定は前記遊技回用動作が行われている状況では実行されないように設定されており、
前記遊技回制御手段が前記進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、前記付与判定手段は当該1処理回の範囲内で前記付与判定の処理を実行し得るものであり、
前記制限情報更新手段は、前記遊技回制御手段により前記遊技回を終了させる処理が実行される範囲の前記進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B15では、遊技回制御手段が進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、付与判定手段は当該1処理回の範囲内で付与判定の処理を実行し得る構成であるため、1遊技回が終了されてから次の遊技回が開始されるまでの時間を短くすることが可能となる。
また、このように遊技回制御手段が進行用処理の1処理回の範囲内で遊技回を終了させる処理を実行した場合、付与判定手段は当該1処理回の範囲内で付与判定の処理を実行し得る構成であっても、遊技回制御手段により遊技回を終了させる処理が実行される範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において制限情報が記憶される。よって、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも前の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限を開始することができる。
なお、本構成においては、遊技回の終了タイミングを計測する計測手段を備えた構成においては、当該計測手段により計測されている情報が終了タイミングよりも前のタイミングとして設定された制限開始タイミングに対応した情報となったことに基づいて前記制限情報更新手段が前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させる構成としてもよい。この場合、遊技回の終了タイミングを計測する構成を利用して、制限情報を記憶させるタイミングを特定することができる。
特徴B16.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理よりも先に前記先特定手段による特定の処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段に記憶させるものであることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
特徴B16によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも先に先特定の処理が行われない構成において、付与判定の処理が実行された場合に制限情報が記憶されることで、その後の先特定に係る処理の実行を制限することが可能となる。特に、本構成によれば、付与判定の処理が実行されるよりも前に制限情報が記憶される構成に比べ、先特定に係る処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B17.前記制限情報更新手段は、前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去する場合、前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴B12乃至B16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B17によれば、付与判定の処理の実行に対応した範囲の進行用処理の処理回よりも後の処理回の範囲内において先特定に係る処理の実行の制限が解除される。これにより、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも後に先特定の処理が行われる又は行われ得る構成であっても、付与判定の処理が行われる場合における進行用処理の処理回の範囲内では先特定に係る処理の実行を制限することができる。
なお、「前記付与判定手段による付与判定の処理の実行に対応した範囲の前記進行用処理の処理回よりも1回分後の処理回の範囲内において前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させる」構成とすることで、先特定に係る処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B18.前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理よりも後に前記先特定手段による特定の処理が行われない構成であり、
前記制限情報更新手段は、前記付与判定手段による付与判定の処理が実行された場合に前記制限情報を前記制限情報記憶手段から消去させるものであることを特徴とする特徴B12乃至B16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B18によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定の処理よりも後に先特定の処理が行われない構成において、付与判定の処理が実行された場合に制限情報が消去されることで、その後の先特定に係る処理の実行が制限されなくなる。特に、本構成によれば、付与判定の処理が実行されたとしても制限情報が消去されない構成に比べ、先特定に係る処理の実行が制限され得る期間を短くしながら、上記効果を奏することができる。
特徴B19.前記進行制御手段は、予め定められた所定の周期で前記進行用処理に割り込んで起動され、複数種の処理を含む定期処理を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記進行用処理及び前記定期処理のうちの一方に前記付与判定手段による付与判定の処理が含まれているとともに、他方に前記先特定手段による特定の処理が含まれていることを特徴とする特徴B2乃至B18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B19によれば、進行用処理及び定期処理のうちの一方に付与判定の処理が含まれているとともに、他方に先特定の処理が含まれている構成において、上記特徴B2又はB3等の優れた効果を奏することができる。
なお、先特定の処理が定期処理に含まれているとともに当該定期処理の周期が進行用処理の繰り返し周期に比べ短い場合には、進行用処理において付与判定の処理が実行されることとなる処理回の範囲内で、先特定の処理が複数回行われることが想定される。そうすると、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなることが想定されるが、上記特徴B2又はB3等の構成を備えていることにより、かかる不都合の発生を抑えることができる。
また、上記特徴B12のように制限情報を参照して制限を実行するようにした場合、進行用処理と定期処理との両方を具備する構成であったとしても、先特定に係る処理の実行を無理なく制限することが可能となる。
特徴B20.前記付与判定手段による付与判定の処理及び前記先特定手段による特定の処理の両方が、前記進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれていることを特徴とする特徴B2乃至B18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B20によれば、付与判定の処理及び先特定の処理の両方が、進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれている構成において、上記特徴B2又はB3等の優れた効果を奏することができる。
なお、進行用処理が定期的に起動される構成においては、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長時間化する状況が生じるとすると、複数の進行用処理が重複して起動されてしまうことを防止すべく、進行用処理が起動される周期を長くせざるをえなくなる。そうすると、遊技を進行させる上での処理速度が遅くなってしまい好ましくない。これに対して、上記特徴B2又はB3等の構成を備え、先特定に係る処理の実行が制限され得ることで、上記不都合の発生が抑えられる。
特徴B21.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、を備え、
前記進行用処理の1回の処理回が行われる範囲内において、前記情報取得手段による前記特別情報を取得する処理が実行されるとともに、前記先特定手段による前記特定の処理が実行される構成であり、
さらに、前記情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記先特定手段は、前記第1始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得及び前記第2始動入球部への遊技球の入球に基づく前記特別情報の取得の両方が、前記進行用処理の1回の処理回において行われている場合には、前記進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して前記特定の処理を行うものであることを特徴とする特徴B2乃至B20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B21によれば、始動入球部として少なくとも第1始動入球部及び第2始動入球部が設けられていることにより、特別情報が取得される機会が高められる。また、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得及び第2始動入球部への遊技球の入球に基づく特別情報の取得が、進行用処理の1回の処理回において行われる場合には、進行用処理の1回の処理回においてそれら特別情報のそれぞれに対して先特定手段による特定の処理が行われることにより、特別報知を行うための処理を早いタイミングで実行することができる。
但し、進行用処理の1処理回の範囲内において、第1始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、第2始動入球部への入球に基づき取得された特別情報についての先特定の処理と、付与判定の処理とが実行されるとすると、当該処理回の進行用処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが懸念される。これに対して、上記特徴B2又はB3等の構成を備え、付与判定の処理が実行される進行用処理の処理回では先特定に係る処理の実行が制限されるため、上記不都合の発生が抑えられる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技の進行を制御する制御手段(主制御装置81)を備えた遊技機であって、
前記制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報(保留情報)を取得する情報取得手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1405の処理を実行する機能、第8乃至第10の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS2706の処理を実行する機能、第11乃至第13の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3804の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて先特定する先特定手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1407及びステップS1410〜ステップS1413の処理を実行する機能、第8乃至第10の実施の形態では主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理及び取得時の設定処理を実行する機能、第11乃至第13の実施の形態では主制御装置81のMPU202における上側保留コマンドの設定処理、下側保留コマンドの設定処理及び取得時の設定処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における保留予告制御処理を実行する機能)と、
を備えているとともに、
定期的に定期処理(第2の実施の形態ではタイマ割込み処理、第8及び第10の実施の形態では通常処理のステップS2601〜ステップS2606及びタイマ割込み処理、第9の実施の形態ではタイマ割込み処理、第11の実施の形態では通常処理のステップS3901〜ステップS3906及びタイマ割込み処理、第12及び第13の実施の形態ではタイマ割込み処理)を実行可能なものであり、
さらに前記情報取得手段による前記特別情報の取得処理は前記定期処理において行われ、
前記先特定手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された特別情報についての前記先特定の処理の少なくとも一部を当該定期処理が終了した後に実行する終了後実行手段(第2の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS1413の処理を実行する機能、第8乃至第10の実施の形態では主制御装置81のMPU202における保留コマンドの設定処理を実行する機能、第11乃至第13の実施の形態では主制御装置81のMPU202における上側保留コマンドの設定処理及び下側保留コマンドの設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、取得情報記憶手段に記憶されているとともに付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該所定の特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、複数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には付与判定の対象となる順番が後の特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、定期処理にて特別情報の取得が行われた場合においてその取得された特別情報についての先特定の処理の少なくとも一部は当該定期処理が終了した後に実行される。特別情報の取得が行われた定期処理にて先特定の処理の全てを行う構成を想定した場合、当該定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが想定され、そうすると特別情報の取得処理などを定期的に行えない状況が発生し、当該処理を好適に行えないおそれがある。これに対して、上記のように先特定の処理の少なくとも一部は、特別情報の取得が行われた定期処理が終了した後に実行されるため、当該定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられ、定期処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
以上より、遊技への注目度を良好に高めることが可能となる。
特徴C2.前記制御手段は、前記定期処理を実行可能であるとともに、非定期的に所定の処理(第8及び第10の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS2607〜ステップS2614の処理を実行する機能、第9の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3411〜ステップS3417の処理を実行する機能、第11の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3907〜ステップS3917の処理を実行する機能、第12の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4711〜ステップS4720の処理を実行する機能、第13の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4811〜ステップS4816の処理を実行する機能)を実行可能なものであり、
さらに、前記付与判定手段による前記付与判定の処理は前記定期処理において行われるとともに、
前記終了後実行手段は、前記所定の処理において前記先特定の処理の少なくとも一部を実行するものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、特別情報の取得処理や付与判定の処理が定期処理にて行われることで、これらの処理を良好に行うことが可能となる。この場合に、非定期的に実行される所定の処理は1の処理回の処理時間が突発的に長くなったとしても遊技の進行に対して与える影響は小さく、このような事情において当該所定の処理において先特定の処理の少なくとも一部を実行することで、遊技の進行を良好なものとしながら特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特徴C3.定期的な信号である定期信号を出力する出力手段(クロック回路301及び分周回路302)を備え、
前記制御手段は、前記出力手段が出力する定期信号に基づいて前記定期処理を実行するとともに、その定期処理の後、次の定期信号に基づく定期処理が行われるまでの期間に繰り返し前記所定の処理を行うものであることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、連続する定期処理の間で実行される所定の処理において先特定の処理の少なくとも一部が実行されることで、定期処理への影響を抑えながら、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特徴C4.前記制御手段は、前記所定の処理を実行している状況において前記定期処理を実行すべき実行条件が成立したことに基づいて、当該所定の処理の途中であっても前記定期処理を実行するものであることを特徴とする特徴C2又はC3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、所定の処理の途中であっても実行条件が成立したことに基づいて定期処理が実行される構成において、当該所定の処理にて先特定の処理の少なくとも一部を実行することで、定期処理の開始タイミングへの影響を抑えながら、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特徴C5.前記制御手段は、前記所定の処理において前記終了後実行手段による前記先特定の処理が開始される場合に前記定期処理の実行を制限する実行制限手段(第8及び第10の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS2608、ステップS2610、ステップS2611及びステップS2614の処理を実行する機能、第9の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3411、ステップS3413、ステップS3414及びステップS3417の処理を実行する機能、第11の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3908、ステップS3910、ステップS3911、ステップS3913、ステップS3914及びステップS3917の処理を実行する機能、第12の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4711、ステップS4713、ステップS4714、ステップS4716、ステップS4717及びステップS4720の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、所定の処理の途中であっても定期処理が実行される構成において、当該定期処理の優先的な実行が先特定の処理の実行を完全に阻害してしまうことを抑えることができる。
特徴C6.前記制御手段は、前記所定の処理において、前記終了後実行手段による前記先特定の処理を含めて複数種類の処理を実行するとともに、
前記実行制限手段は、前記複数種類の処理のうち先タイミングの処理が前記定期処理の実行を制限している状態で終了した場合、次タイミングの処理を実行する前にその制限している状態を解除するものであることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、所定の処理の途中であっても定期処理が実行される構成において、所定の処理中における複数種類の処理のうち少なくとも一部の処理はその終了タイミングまで定期処理の実行が制限されるため、定期処理の優先的な実行が当該処理の実行を阻害してしまうことを抑えることができる。また、先タイミングの処理が定期処理の実行を制限している状態で終了した場合、次タイミングの処理を実行する前にその制限している状態が解除されるため、定期処理の開始タイミングが極端に遅れてしまうことも抑制することができる。
特徴C7.前記複数種類の処理には、前記付与判定手段による付与判定又は所定の抽選において利用される所定の乱数情報を更新する更新処理(第8及び第10の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS2612及びステップS2613の処理を実行する機能、第9の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3415及びステップS3416の処理を実行する機能、第11の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3915及びステップS3916の処理を実行する機能、第12の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4718及びステップS4719の処理を実行する機能)が含まれており、
前記実行制限手段は、前記更新処理が開始される場合に前記定期処理の実行を制限するとともに、当該更新処理が終了した場合に当該制限を解除するものであることを特徴とする特徴C5又はC6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、乱数情報の更新を良好に実行できるようにしながら、既に説明したような優れた効果をそうすることができる。
特徴C8.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(第1作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、
を備えており、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記第1特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第1特別情報から順に前記付与判定を行うとともに、前記第2特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第2特別情報から順に前記付与判定を行うものであり、
前記終了後実行手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記第1特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された第1特別情報についての前記先特定の処理の少なくとも一部である第1先特定処理(第11及び第12の実施の形態において主制御装置81のMPU202における上側保留コマンドの設定処理を実行する機能)を前記所定の処理において実行するとともに、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記第2特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された第2特別情報についての前記先特定の処理の少なくとも一部である第2先特定処理(第11及び第12の実施の形態において主制御装置81のMPU202における下側保留コマンドの設定処理を実行する機能)を前記所定の処理において実行するものであり、
前記実行制限手段は、前記第1先特定処理及び前記第2先特定処理のうち先に実行されている処理が前記定期処理の実行を制限している状態で終了した場合、後に実行される処理を実行する前にその制限している状態を解除するものであることを特徴とする特徴C6又はC7に記載の遊技機。
特徴C8によれば、特別情報の取得の契機を発生させる始動入球部として、第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられているとともに、取得の契機となった始動入球部に応じて特別情報が第1特別情報と第2特別情報とで区別して記憶されることにより、それら第1特別情報と第2特別情報とで遊技機における取り扱いを相違させることが可能となる。これにより、遊技の多様化を図ることが可能となる。
この場合に、第1特別情報及び第2特別情報のいずれについても特別報知の対象となることで、特別報知の態様を多様化することが可能となるとともに、第1先特定処理及び第2先特定処理が所定の処理にて実行されることで、定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑えながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
さらにまた、第1先特定処理及び第2先特定処理のうち少なくとも一方はその終了タイミングまで定期処理の実行が制限されるため、定期処理の優先的な実行が先特定の実行を完全に阻害してしまうことを抑えることができる。また、第1先特定処理及び第2先特定処理のうち先に実行されている処理が終了した場合、後に実行される処理を実行する前に定期処理の実行を制限している状態が解除されるため、定期処理の開始タイミングが極端に遅れてしまうことも抑制することができる。
特徴C9.前記制御手段は、前記第1先特定処理及び前記第2先特定処理のうち一方の処理よりも後で他方の処理よりも前に前記定期処理が実行された場合、当該定期処理の実行後において前記一方の処理よりも早いタイミングで前記他方の処理を実行する復帰手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS2701、ステップS2702、ステップS2709及びステップS2710の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、所定の処理の途中であっても定期処理が実行される構成において、当該定期処理の実行を原因として、第1先特定処理と第2先特定処理とで実行頻度が極端に相違してしまうことを抑制することができる。
特徴C10.前記制御手段は、前記終了後実行手段により前記先特定の処理が実行されている状況において前記実行条件が成立したことに基づいて、当該先特定の処理の途中であっても前記定期処理を実行するものであることを特徴とする特徴C4乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C10によれば、先特定の処理の実行よりも定期処理の開始が優先されることとなり、特別報知を実行するための処理が定期処理の定期的な実行を阻害してしまうことを抑制することができる。また、先特定の処理を通じた特別報知は演出として利用され、先特定の処理の実行を中断したとしても、遊技者に対する特典の付与への影響は小さい。
特徴C11.前記制御手段は、前記終了後実行手段により前記先特定の処理が実行されている状況において前記実行条件が成立したことに基づいて、当該先特定の処理の途中で前記定期処理を実行した場合に、当該定期処理の実行後において前記所定の処理における前記先特定の処理が終了した後の処理に復帰する復帰手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS4901〜ステップS4906及びステップS4908〜ステップS4909の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C11によれば、先特定の処理の途中であっても定期処理が実行される構成において、その途中の段階であることや途中の段階までで使用していた情報などを定期処理中に記憶しておく必要がなくなる。よって、処理負荷の軽減を図りながら、上記特徴C10にて説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴C12.前記制御手段は、
前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合においてその取得された特別情報が前記付与判定の対象となる順番の情報を記憶する順番情報記憶手段(第8及び第9の実施の形態では主制御装置81のRAM204に設けられた保留数カウンタエリア、第11乃至第13の実施の形態では主制御装置81のRAM204に設けられた上側保留数カウンタエリア及び下側保留数カウンタエリア)と、
前記付与判定手段による前記付与判定が行われた場合に前記順番情報記憶手段に記憶されている前記順番の情報を更新する順番情報更新手段(第8及び第9の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3106の処理を実行する機能、第11乃至第13の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4007及びステップS4011の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記終了後実行手段は、前記先特定の処理を実行する場合、前記順番情報記憶手段に記憶されている前記順番の情報を参照することで、当該先特定の対象となった特別情報の前記付与判定の対象となる順番の情報を当該先特定の特定結果の情報とともに導出するものであることを特徴とする特徴C1乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C12によれば、定期処理で特別情報の取得が行われ、当該定期処理が実行された後に当該特別情報に対する先特定の処理が実行される構成において、特別情報の取得が行われてから先特定の処理が実行されるよりも前に付与判定が行われたとしても、当該先特定の処理の対象となる特別情報を把握し易くなる。
特徴C13.前記終了後実行手段は、前記定期処理にて前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われ且つ当該特別情報に対して前記先特定の処理を実行していない状況において、前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合に、それら先に取得された特別情報及び後に取得された特別情報のうち少なくとも一方を前記先特定の処理の実行対象から除外するものであることを特徴とする特徴C1乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C13によれば、複数の特別情報が同時に先特定の処理の実行対象となると、処理負荷が極端に増加してしまうことが懸念されるが、本構成によれば、先に取得された特別情報及び後に取得された特別情報のうち少なくとも一方が先特定の処理の実行対象から除外されるため、処理負荷の極端な増加を抑えることができる。
特徴C14.前記制御手段は、前記特別報知制御手段を有する第2制御手段(音声ランプ制御装置82)との間で通信を行う第1制御手段(主制御装置81)であり、
当該第1制御手段は、前記定期処理において前記情報取得手段により前記特別情報を取得する処理が行われた場合にそれに対応した第1通信情報の出力設定を行う第1出力設定手段(第8及び第9の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3002の処理を実行する機能、第10の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3602の処理を実行する機能、第11乃至第13の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4203及びステップS4209の処理を実行する機能)と、当該定期処理の実行後において当該特別情報について前記終了後実行手段による前記先特定の処理が実行された場合にその特定結果に対応した第2通信情報の出力設定を行う第2出力設定手段(第8乃至第10の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS3220の処理を実行する機能、第11乃至第13の実施の形態では主制御装置81のMPU202におけるステップS4311及びステップS4410の処理を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C14によれば、定期処理や先特定の処理を実行する機能が第1制御手段により果たされ、特別報知を実行する機能が第2制御手段により果たされるため、処理負荷を分散することが可能となる。この場合に、特別情報を取得した場合にそれに対応した第1通信情報を第2制御手段に出力し、先特定の処理を実行した場合にそれに対応した第2通信情報を第2制御手段に出力する構成であるため、定期処理にて特別情報を取得するとともに、当該定期処理の実行後に当該特別情報に対する先特定の処理が実行される構成において、第2制御手段における各情報の取得を好適なタイミングで行うことができる。
なお、前記第2制御手段は、
前記第1通信情報を受信したことに基づいて、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を把握する特別情報数把握手段(第8乃至第10の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS3302の処理を実行する機能、第11乃至第13の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS4502及びステップS4602の処理を実行する機能)と、
当該特別情報数把握手段の把握結果に基づいて、前記特別情報の数を前記報知手段又はそれとは異なる手段にて報知させる報知実行手段(第8乃至第10の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS3308の処理を実行する機能、第11乃至第13の実施の形態では表示制御装置212のMPU252におけるステップS4509及びステップS4608の処理を実行する機能)と、
を備え、
さらに前記特別報知制御手段は、前記第2通信情報を受信したことに基づいて、当該第2通信情報に対応した内容の特別報知を実行させるものである構成としてもよい。
特徴C15.前記情報取得手段は、前記取得条件が成立したことに基づいて、前記特別情報として、所定範囲の数値情報から所定の数値情報を取得するものであり、
前記付与情報は、前記所定範囲の数値情報のいずれかに対応しており、
前記付与判定手段における前記付与判定のモードとして、当該付与判定に際して参照される付与情報の数が相対的に多い少ないとなるように設定されていることで、前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率モードと低確率モードとが設定されており、
前記先特定手段は、前記付与判定のモードが前記高確率モードにおいて前記先特定の処理を実行する場合、当該先特定の対象となっている特別情報と、当該高確率モードに対応した各付与情報との照合を行うものであることを特徴とする特徴C1乃至C14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C15によれば、高確率モードでは低確率モードに比べて付与判定の処理の処理時間が増加するとともに、先特定の処理の処理時間も増加することとなる。この場合に、定期処理の範囲内でこれら付与判定の処理と先特定の処理との両方を行おうとすると、定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが懸念される。これに対して、上記特徴C1の構成を備え、先特定の処理の少なくとも一部の処理は定期処理が実行された後に実行されるため、定期処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特徴C16.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(第1作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、
を備えており、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記第1特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第1特別情報から順に前記付与判定を行うとともに、前記第2特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第2特別情報が順に前記付与判定を行うものであり、
前記先特定手段は、前記情報取得手段により前記第1特別情報を取得する処理が行われた場合にその取得された第1特別情報について前記先特定の処理を実行するとともに、前記情報取得手段により前記第2特別情報を取得する処理が行われた場合にその取得された第2特別情報について前記先特定の処理を実行するものであり、
前記終了後実行手段は、前記第1特別情報に対する前記先特定の処理及び前記第2特別情報に対する前記先特定の処理のうち少なくとも一方について、前記特別情報を取得する処理が行われた前記定期処理が終了した後に実行するものであることを特徴とする特徴C15に記載の遊技機。
特徴C16によれば、特別情報の取得の契機を発生させる始動入球部として、第1始動入球部と第2始動入球部とが設けられているとともに、取得の契機となった始動入球部に応じて特別情報が第1特別情報と第2特別情報とで区別して記憶されることにより、それら第1特別情報と第2特別情報とで遊技機における取り扱いを相違させることが可能となる。これにより、遊技の多様化を図ることが可能となる。
この場合に、第1特別情報及び第2特別情報のいずれについても特別報知の対象となることで、特別報知の態様を多様化することが可能となるとともに、第1特別情報に対する先特定の処理及び第2特別情報に対する先特定の処理のうち少なくとも一方は特別情報を取得する処理が行われた定期処理が終了した後に実行されることで、定期処理が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑えながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴C17.前記第2始動入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、それよりも遊技球が入球し易い受入状態と、に切り換え可能な受入制御手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部の制御モードとして、第1モードと、当該第1モードよりも前記受入状態になり易い第2モードとが設定されており、
さらに、前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得された第1特別情報が記憶されていたとしても第2特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS4101の処理を実行する機能)と、
前記第1モード及び前記第2モードのうち前記第2モードである場合には、前記第1特別情報について前記特別報知が実行されることを制限する報知実行制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS4304の処理を実行する機能、表示制御装置212のMPU252におけるステップS4508の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C16に記載の遊技機。
特徴C17によれば、第2特別情報は、付与判定に際して、第1特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行うといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
さらにまた、第2始動入球部が受入状態となり易くなる第2モードである場合には、第1特別情報について特別報知が実行されることが制限される。付与判定に際して優先される側である第2始動入球部への入球が発生し易い状況において第1特別情報について特別報知が所定の頻度で行われる構成を想定すると、当該第1特別情報について特別報知が行われたにも関わらず、当該第1特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、上記特別報知に係る第1特別情報が付与判定の対象となるタイミングが特別報知の開始タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、特別報知がどの特別情報を対象としてなされたものか分かりづらくなるおそれがあり、一方、それを明確にする上では特別報知の報知態様に制約が生じ得る。これに対して、上記のとおり第2モードである場合には、第1特別情報について特別報知が実行されることを制限することで、上記のような不都合の発生を抑えつつ、遊技の注目度を高めることが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…パチンコ機、33…上作動口、34…下作動口、53…遊技球発射機構、81…主制御装置、202…MPU、203…ROM、204…RAM、212…表示制御装置、221…当否テーブル記憶エリア、232…保留球格納エリア、252…MPU。

Claims (1)

  1. 予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
    当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
    当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、付与情報に対応しているか否かの付与判定を行い、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
    当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
    前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する特別報知が、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されるようにする特別報知制御手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
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