JP2014130926A - 金属張積層板及び電子機器 - Google Patents

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円 寺嶋
Teppei Nishiyama
哲平 西山
Eigo Kondo
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Abstract

【課題】 電子機器の小型化・高性能化に対応するため、FPC材料に要求される耐折り曲げ性と高周波化への対応の両方の特性を満足する金属張積層板を提供する。
【解決手段】 金属張積層板は、液晶ポリマー層と、液晶ポリマー層の片面又は両面に積層された金属箔と、を有する。金属張積層板は、金属箔の弾性率が30〜50GPaの範囲内であり、かつ、前記金属箔における前記液晶ポリマーと接する側と反対側の面の表面粗さRzが2.0μm以下であり、液晶ポリマー層は、10〜100μmの範囲内の厚さを有するとともに、膜厚公差が6%未満であり、電子機器の筐体内に折り畳んで収納されるフレキシブル回路基板に用いられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フレキシブル回路基板(FPC)の材料である金属張積層板、及び、該フレキシブル回路基板を折り畳んだ状態で筐体内に収納した電子機器に関する。
電子機器は、小型化、軽量化による機器内部の空間的制約によって、配線や基板を曲げることのできるフレキシブル回路基板(以下、これを「FPC」と記すことがある)が多用されている。近年では、スマートフォンなどの高性能小型電子機器の普及により部品収納の高密度化が進展したことで、FPCの収納スペースはさらに狭小化が進んでいる。そのため、FPCの材料である金属張積層板においても、折り畳んで収納可能な耐折り曲げ性に優れた材料が求められている。以下、本明細書では、FPCの上面側が略180℃反転して下面側になるように折り曲げることを「はぜ折り」と呼ぶことがある。
上述した高密度化に加えて、機器の高性能化が進んだことから、伝送信号の高周波化への対応も必要とされている。高周波信号を伝送する際に、信号の伝送経路にインピーダンスが変化する点があると、その点で電磁波の反射が生じ、電気信号のロスや信号波形の乱れなどの不都合が生じる。そのため、FPCのインピーダンス整合性は重要な特性となる。高周波化に対応するために、低誘電率、低誘電正接を特徴とした液晶ポリマーを誘電体層としたFPCが好適に用いられている。
ここで、伝送信号の高周波化に対応するため、フィルム厚み公差の少ない液晶ポリマーを適用した金属張積層板が報告されている(特許文献1)。しかし、高密度化に適応するための耐折り曲げ性という観点では考慮されておらず、改善の余地が残されていた。
また、高密度化への対応という観点から、FPCに使用するポリイミドベースフィルムやカバーフィルムの弾性率を制御し、FPCトータルのスティフネス性を低減させることにより、耐折り曲げ性を向上させるという技術が報告されている(特許文献2、特許文献3)。しかし、ポリイミドは、吸湿率、誘電正接が大きいため、高周波化への対応が不十分である。
WO 2012/020818 A1 特開2012−006200号公報 特開2007−208087号公報
本発明は、電子機器の小型化・高性能化に対応するため、FPC材料に要求される耐折り曲げ性と高周波化への対応の両方の特性を満足する金属張積層板を提供する。
上述した課題を解決するため、本発明者らは、適切な範囲の弾性率をもった金属箔と、厚み公差の小さい液晶ポリマーフィルムを積層した金属張積層板をFPC材料として利用することで、狭小化の進む電子機器の筐体内に折り畳んで収納することが可能な耐折り曲げ性と、高周波領域におけるインピーダンス整合性を両立したFPCが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)液晶ポリマー層と、
前記液晶ポリマー層の片面又は両面に積層された金属箔と、
を有する金属張積層板であって、
前記液晶ポリマー層は10〜100μmの範囲内の厚さを有するとともに、膜厚公差が6%未満であり、
前記金属箔の弾性率が30〜50GPaの範囲内であり、かつ、前記金属箔における前記液晶ポリマーと接する側と反対側の面の表面粗さRzが2.0μm以下であり、
電子機器の筐体内に折り畳んで収納されるフレキシブル回路基板に用いられることを特徴とする金属張積層板。
(2)前記金属箔の厚みが1〜30μmの範囲内であり、前記液晶ポリマー層と接する側の面の表面粗さRzが0.1〜4μmの範囲内である上記(1)に記載の金属張積層板。
(3)前記液晶ポリマー層を形成する液晶ポリマーフィルムの熱変形温度が260℃〜350℃の範囲内にある上記(1)又は(2)に記載の金属張積層板。
(4)常温における前記金属箔と前記液晶ポリマー層との180度層間剥離強さが、0.5〜2.0kN/mの範囲内である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属張積層板。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の金属張積層板を加工してなるフレキシブル回路基板。
(6)上記(5)に記載のフレキシブル回路基板を筐体内に折り畳んで収納した電子機器。
本発明の金属張積層板を用いることによって、耐折り曲げ性と、高周波領域におけるインピーダンス整合性を両立したFPCが得られる。従って、本発明によれば、高周波領域に適応したFPCが狭小な筐体内に折り畳んで収納された電子機器を提供できる。
本発明の一実施の形態である電子機器の概略構成を示す斜視図である。 フレキシブル回路基板を折り畳む手順の一例を示す説明図である。
本実施の形態の金属張積層板は、液晶ポリマー層と、前記液晶ポリマー層の片面又は両面に積層された金属箔と、を有している。また、本実施の形態の金属張積層板は、前記液晶ポリマー層は10〜100μmの範囲内の厚さを有するとともに、膜厚公差が6%未満であり、前記金属箔の弾性率が30〜50GPaの範囲内であり、かつ、前記金属箔における前記液晶ポリマーと接する側と反対側の面の表面粗さRzが2.0μm以下である。そして、本実施の形態の金属張積層板は、電子機器の筐体内に折り畳んで収納されるFPCに用いられるものである。
<金属箔>
本実施の形態の金属張積層板に用いる金属箔は、弾性率が30〜50GPaの範囲であり、32〜48GPaの範囲内がより好ましい。高い耐折り曲げ性能を発現するためには、折り曲げた際に配線にかかるひずみを、折り曲げ部分全体に均一に分散させることが非常に重要である。折り曲げ部分の一部分に局所的なひずみがかかると、ひずみが分散した場合と比べて、ひずみが非常に大きくなり、直ちに配線の破壊へ至ることがある。
金属箔の弾性率が30GPa未満の場合、折り曲げる際の荷重に対して金属箔が柔らかいことから、折り曲げ時の荷重に対して反発する力がなく、折り曲げ部分の形状が尖った形状となる。きれいな円弧の場合は折り曲げ部分全体にひずみが分散するため、ひずみがかかっている部分における、単位面積当たりのひずみ量は小さい。しかし、折り曲げ部分の形状が尖っていた場合、尖りの先端にひずみが集中する。すると、ひずみがかかっている部分における単位面積当たりのひずみ量が非常に大きくなるため、直ちに配線が破断に至り、且つ、破断した配線部分の液晶ポリマーフィルムにも割れが発生する。
一方、金属箔の弾性率が50GPaを超える場合、例えばギャップ0.6mmの場合には、反発力は十分にあるため、はさみ込まれる荷重に負けて尖る様な折れ曲がりが生じることはないが、反発力が強すぎるために材料自身の曲げによる、曲げせん断力によって、折り曲げ部分に尖りが生じてしまい、曲げ先端部分が尖る事で応力が集中する。そして、このギャップがさらに小さくなり、例えば0.3mmとなった場合には、ギャップに追従できずに銅箔に掛かるせん断力が大きくなり、破断に至る。この折り曲げ時の先端の形状については、使用される銅箔の種類によって降伏の仕方が異なる為、値に多少の幅が生じるが、例えば、折り曲げ部分のギャップ0.6mmで、折り曲げ部分の内側の曲率半径が0.12〜0.15mmの範囲内を下回る場合や、折り曲げ部分のギャップ0.3mmで、0.03〜0.04mmを下回る場合に、折り曲げ部分の形状の尖りが増大する。なお、一度尖りが生じると、その部分に大きな塑性変形が生じることで、さらにひずみが集中しやすくなり、直ちに破断に至る。上記曲率半径は、所定のギャップに曲げた際の銅箔の曲げ内側先端部分および、その点からそれぞれ5μmの距離にある点の計3点を通る円の半径を計算によって求める事で得られた値である。
以上より、高い耐折り曲げ性能を担保するためには、折り曲げ部分の形状が円弧になるようにすることが有効であり、そのため、本実施の形態では、弾性率が30〜50GPaの範囲内の金属箔を用いる。
金属箔の材質は特に制限はない。例えば金、銀、銅、ステンレス、ニッケル、アルミニウムなどが例示される。導電性、取扱いの容易性、価格等の観点から、銅箔やステンレス箔が好適に用いられる。銅箔としては、圧延法や電解法によって製造されるいずれのものでも使用することができる。
金属箔の厚さは、例えば、1〜30μmの範囲内が好ましく、より好ましくは5〜25μmの範囲内、特に好ましくは8〜20μmの範囲内である。金属箔の厚さを薄くすることは、耐折り曲げ性の向上や、回路加工においてファインパターンを形成しやすいという点で好ましい。しかし、金属箔の厚さが、例えば1μm未満のように薄すぎる場合、金属張積層板の製造工程で金属箔のシワが生じやすいほか、回路加工およびその後の工程でハンドリングが難しくなる可能性がある。一方、金属箔の厚さが例えば、30μm超えるように厚すぎる場合、耐折り曲げ性の低下や、回路加工において回路側面にテーパーが生じやすく、場合によっては配線間の導通といった不具合が発生する。
本実施の形態で使用する金属箔は、液晶ポリマー層と接する側の面(以下、「M面」と略することもある)の表面粗さRz(十点平均粗さ)が0.1〜4μmの範囲内であることが好ましく、0.5〜3.5μmの範囲内であることがより好ましい。金属箔のM面の表面粗さRzを上記範囲内とすることによって、金属箔と液晶ポリマー層との間に優れた密着性が得られる。また、液晶ポリマー層と接する側と反対側の面(以下、「S面」と略することもある)の表面粗さRzは、2.0μm以下であることが必要で、0.5〜1.5μmの範囲内であることが好ましい。金属箔のS面側の表面粗さRzを上記範囲内とすることによって、はぜ折りに対して優れた耐折り曲げ性が得られる。このS面側の表面粗さRzが2.0μmを超えると、耐折り曲げ性が低下する。その原因としては、厳しい折り曲げ動作により金属箔表面における凹形状部の深さが深くなり、折り曲げ時の応力が凹部により集中しやすくなるとともに、配線を破断へと至らしめる要因であるクラックも発生しやすくなるためと考えられる。
<液晶ポリマー層>
液晶ポリマー層を形成する液晶ポリマーは、全芳香族液晶ポリマー、すなわち、脂肪族長鎖を含まず実質的に芳香族のみで構成される液晶ポリマーが好ましい。さらに、全芳香族液晶ポリマーの中でも、下記式(1)で表されるように、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とp−ヒドロキシ安息香酸とからなるポリエステルがより好ましい。なお、下記式中のmおよびnは、各構成単位の存在モル比を示す正の数である。
Figure 2014130926
液晶ポリマー層の形成に用いる液晶ポリマーは、耐熱性、加工性の点で、例えば200℃〜400℃の範囲内、特に250℃〜350℃の範囲内に光学的に異方性の溶融相への転移温度を有するものが好ましい。
また、液晶ポリマー層を形成する液晶ポリマーに対して、その特性を損なわない範囲で、例えば滑剤、充填剤などを配合することもできる。
液晶ポリマー層の厚み範囲は、例えば10〜100μmの範囲内であり、好ましくは25〜50μmの範囲内である。液晶ポリマー層の厚みが、10μmに満たないと、裂けやすくなるため、取扱いが困難となる。一方、液晶ポリマー層の厚みが、100μmを超えて厚い場合には、耐折り曲げ性の低下につながる。
また、液晶ポリマー層は、インピーダンス整合をとるために、厚みに対する膜厚公差が6%未満であり、好ましくは膜厚公差が5%以内である。特性インピーダンスは、誘電体の誘電率、誘電体の厚み、回路の厚み、回路の線幅の関数で示される。その中でも、特性インピーダンスへの影響が大きいのが誘電体の厚みであり、厚み公差が大きいほど特性インピーダンスにばらつきが生じる。
回路設計の際には、所定の周波数における特性インピーダンスを定められた値に整合するため、誘電体の厚みおよび回路の線幅を調整するが、膜厚公差が6%以上である場合、特性インピーダンスのばらつきが大きくなり、場合によっては定められた特性インピーダンスの許容範囲から逸脱してしまう可能性がある。ここで、液晶ポリマー層の厚みに対する膜厚公差は、測定した厚みデータの標準偏差に3倍を乗じて求めた値である。このような液晶ポリマー層は、液晶ポリマーをフィルム化して得られる液晶ポリマーフィルムから形成できる。液晶ポリマーをフィルム化して液晶ポリマー層を形成する方法としては、例えば、Tダイ法、ラミネート体延伸法、インフレーション法などが挙げられる。インフレーション法やラミネート体延伸法では、フィルムの機械軸方向(MD方向)だけでなく、これと直行する方向(TD方向)にも応力が加えられるため、MD方向とTD方向における機械的性質のバランスのとれたフィルムが得られる。
液晶ポリマー層の形成に使用する液晶ポリマーフィルムの熱変形温度は、フィルム状に加工しやすい加工性と、FPC用材料として、実装工程での加熱に耐えうる耐熱性を担保するという観点から、例えば260℃〜350℃の範囲内にあることが好ましい。ここで、液晶ポリマーフィルムの熱変形温度は、熱機械分析装置を用いて、幅2mm長さ30mmの液晶ポリマーフィルムを、チャック間距離15mmにて、荷重5g、昇温速度5℃/分の条件で熱処理し、試験片の長さ方向の熱膨張量を測定したときの変曲点の温度を意味する。
また、本実施の形態では、液晶ポリマー層として、市販の液晶ポリマーフィルムを使用することも可能であり、例えば株式会社プライマテック製BIAC(登録商標)などを用いることができる。
液晶ポリマー層を液晶ポリマーフィルムから形成する場合、液晶ポリマーフィルムと金属箔は、金属張積層板の生産性の観点から、いずれもロール状のものを用いるのが好ましい。以下で説明するように、これらをロール・トゥ・ロールで連続的に搬送し、その過程で圧着することで、生産性の良いプロセスで金属張積層板を得ることができる。
金属張積層板の製造方法は、液晶ポリマーフィルムと金属箔とを重ね合わせ、熱圧着して接着し、積層する方法が好ましい。熱圧着は、一対の加熱手段を有する金属加圧ロールやこれにゴム若しくは樹脂被覆層を設けたゴム(樹脂)被覆金属ロールにより行うことができる。
加圧ロールの表面は、加温されていることが好ましい。その手段は特に制限されないが、誘電加熱方式や熱媒循環方式による加温を例示することができる。その他、加圧ロールを恒温ブース内に設置することやロール表面に熱風をあてる等の手法も挙げられ、これらを併用することもできる。このような手段によって加圧ロールの表面温度をロールの幅方向に対してほぼ均一とすることができ、金属と液晶ポリマー層の剥離強さに優れ、そのバラツキの少ない金属張積層板とすることができる。加圧ロールの表面温度は、液晶ポリマーフィルムの上記熱変形温度より5〜100℃の範囲内で低いことが好ましく、30〜90℃の範囲内で低い温度とすることがより好ましい。加圧ロールの表面温度が、液晶ポリマーフィルムの熱変形温度より100℃を超えて低い温度であると、フィルムと金属箔が十分に接着しないことがある。また、加圧ロールの表面温度が、液晶ポリマーフィルムの熱変形温度より5℃未満で低いようにすると、圧着時にフィルムの流動が著しくなり、外観が不良な積層板となる。なお、圧着時の圧力は、幅方向に均一に加圧できる範囲であれば、特に限定されないが、5〜200kN/mの範囲内であることが好ましく、70〜150kN/mの範囲内であることがより好ましい。
本実施の形態の金属張積層板において、上記液晶ポリマー層と金属箔との接着面については、その接着面の常温における金属箔と液晶ポリマー層との180度層間剥離強さが0.5〜2.0kN/mの範囲内であることが好ましく、0.5〜1.5kN/mの範囲内であることがより好ましい。
<FPC>
本実施の形態の金属張積層板は、主にFPC材料として有用である。すなわち、本実施の形態の金属張積層板の金属箔を常法によってパターン状に加工して配線層を形成することによって、本発明の一実施の形態であるFPCを製造できる。
<電子機器>
本発明の一実施の形態に係る電子機器は、電子機器の筐体内に折り畳んで収納されるFPCを有している。図1は、本発明の一実施の形態である電子機器100の構成を示している。電子機器100は、例えばスマートフォン、タブレット端末などに代表される携帯用情報通信端末である。電子機器100は、例えば金属、合成樹脂等の材質の筐体1と、筐体1の開口部分に組み込まれたディスプレイ3と、筐体1の側壁部分に設けられた外部接続端子5と、を備えている。また、電子機器100は、この外部接続端子5と内蔵された電子部品(図示省略)との間を電気的に接続するFPC10を備えている。このFPC10は、本実施の形態の金属張積層板を加工したものである。FPC10は、電子機器100の筐体1内に折り畳んで収納されている。電子機器100では、FPC10の材料として、本実施の形態の金属張積層板を用いることによって、耐折り曲げ性と、高周波領域におけるインピーダンス整合性を両立させ、筐体1内に折り畳んで収納することが可能になっている。
図2(a)、(b)は、FPC10を折り畳む手順の一例を示している。また、図2(c)は、折り畳んだFPC10における折曲部分10aの断面を拡大して示している。FPC10は、長尺に形成されており、例えば、図2(a)〜(c)に示すように、折曲部分10aを断面視コの字形に折り曲げることによって、部品20を間に挟み込むように折り畳まれる。このようにFPC10を折り畳んだ状態で、電子機器100の筐体1内に収納することができる(図1参照)。折曲部分10aでは、FPC10の上面側が略180℃反転して下面側になるように折る、いわゆる「はぜ折り」の状態で折り畳まれている。なお、FPC10を筐体1内に収納する場合の折り畳み方法は、図2に例示したものに限定されない。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。ここで、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り、加工条件、測定(評価)条件は下記によるものである。
[引張弾性率の測定]
東洋精機(株)製ストログラフR−1を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で引張弾性率の値を測定した。
[はぜ折り回数測定]
金属張積層板の金属箔をエッチング加工し、その長手方向に沿ってライン幅100μm、スペース幅100μmにて長さが40mmの10列の銅配線を形成した試験片を作製した。その10列の銅配線は全て連続して繋がっており、その両端には抵抗値測定用の電極部分を設けている。その試験片を、試料ステージ上に固定し、抵抗値測定用の配線を接続して、抵抗値のモニタリングを開始した。折り曲げ試験は、10列の銅配線に対してちょうど中央部分にて、ウレタン製のローラーを用いて、折り曲げ箇所のギャップが0.6mmまたは0.3mmとなるように制御しながら折り曲げた線と並行にローラーを移動させ10列の回路全て折り曲げた後、折り曲げ部分を開いて、折り目がついている部分を再度ローラーにて抑えたまま移動させ、この一連の工程をもってはぜ折り回数1回とカウントするようにした。その常時配線の抵抗値をモニタリングしながら、折り曲げ試験を繰り返し、所定の抵抗(3000Ω)になった時点を配線の破断と判断し、その時までに繰り返した折り曲げ回数をはぜ折り測定値とした。はぜ折り回数の評価は、以下のように行った。
<評価方法>
(1)ギャップ0.6mmで30回以上折り曲げても銅配線が破断に至らず、且つ、ギャップ0.3mmで10回以上折り曲げても銅配線が破断に至らなかったものを「○」(良好)とした。
(2)キャップ0.6mmもしくは0.3mmのどちらかが、上記(1)の所定回数に達していても、両方が達していない場合は「×」(不良)とした。
(3)上記(1)、(2)において、「○」(良好)であった場合でも、液晶ポリマー層の折曲部位に割れが生じた場合は、「×」(不良)とした。
[フィルム厚み公差]
金属張積層板から市販のエッチング液で金属箔を除去した液晶ポリマーフィルムの厚みを、ロータリーキャリパー(名産株式会社製)を用いて測定した。測定点数は、任意の点より1500点以上測定し、測定データの平均値(Ave.)に対する標準偏差に3倍を乗じた値(3σ)の比(3σ/Ave.)を100分率で表したものを公差とした。
[特性インピーダンスばらつきの計算]
特性インピーダンスのばらつきは、CAE解析によるシミュレーションで算出した。解析ソフトには、Sonnet(ソネット技研製)を用いた。シミュレーションの詳細としては、信号伝送モードに差動伝送モードを用い、信号周波数は、1GHzとした。回路基板の条件は、回路の長さが10mm、回路の厚みが12μm、回路の線幅が100μm、回路間の距離が100μmのマイクロストリップ線路にて計算を実施した。このシミュレーションにおける特性インピーダンスのばらつきが、±5.0Ω以下である場合を「良好」、±5.0Ωを超える場合を「不良」と判定した。
[表面粗度の測定]
JIS B 0601に準じて、触針式表面粗さ測定器(TENCOR社製、TENCOR P−10)を使用して、測定幅80μmの条件でRzを測定した。
[金属箔/液晶ポリマー層間の剥離強度測定]
JIS C 6471 8.1 方法B(180度方向引き剥がし)に準じて、幅1mmの金属箔を引き剥がして測定した。層間剥離強さは、金属張積層板から任意に採取した試験片3個以上を測定し、その平均値を記録した。
[熱変形温度]
熱機械分析装置を用いて、幅2mm長さ30mmの液晶ポリマーフィルムを、チャック間距離15mmにて、荷重5g、昇温速度5℃/分の条件で熱処理し、試験片の長さ方向の熱膨張量を測定し、変曲点の温度を熱変形温度とした。
次に、実施例、比較例における金属張積層板の作製方法について示す。
(実施例1)
厚さ50μm、膜厚公差4.5%の液晶ポリマーフィルム(株式会社プライマテック製、商品名BIAC、熱変形温度300℃)の両面に対して、それぞれ厚さ12μm、弾性率47GPa、液晶ポリマーフィルムと接する面(M面)の表面粗さRzが1.3μm、その反対側の面(S面)の表面粗さRzが0.9μmの電解銅箔を重ねあわせ、真空プレス機を用いて加熱圧着し、実施例1に係る金属張積層板を作製した。
詳しくは、上記液晶ポリマーフィルムと銅箔は、いずれも200mm×200mmのシート状のものを使用し、真空プレスは、温度260℃で15分保持した後、温度295℃で面圧6.0MPa、プレス時間10分の条件で加熱圧着して金属張積層板を作製した。
(実施例2)
金属箔に、厚さ12μm、弾性率45GPa、M面の表面粗さRzが3.0μm、S面の表面粗さRzが1.0μmの電解銅箔を用いた以外は実施例1と同様に作製した。
(実施例3)
金属箔に、厚さ12μm、弾性率33GPa、M面の表面粗さRzが0.8μm、S面の表面粗さRzが0.9μmの圧延銅箔を用いた以外は実施例1と同様に作製した。
(比較例1)
金属箔に、厚さ12μm、弾性率54GPa、M面の表面粗さRzが1.1μm、S面の表面粗さRzが1.1μmの電解銅箔を用いた以外は実施例1と同様に作製した。
(比較例2)
金属箔に、厚さ12μm、弾性率52GPa、M面の表面粗さRzが2.0μm、S面の表面粗さRzが0.9μmの電解銅箔を用いた以外は実施例1と同様に作製した。
(比較例3)
金属箔に、厚さ12μm、弾性率26GPa、M面の表面粗さRzが1.0μm、S面の表面粗さRzが0.8μmの圧延銅箔を用いた以外は実施例1と同様に作製した。
(比較例4)
金属箔に、厚さ12μm、弾性率42GPa、M面の表面粗さRzが2.2μm、S面の表面粗さRzが2.6μmの電解銅箔を用いた以外は実施例1と同様に作製した。
(比較例5)
厚さ50μm、膜厚公差7.4%の液晶ポリマーフィルム(株式会社クラレ製、商品名Vecster、熱変形温度335℃)の両面に対して、それぞれ厚さ12μm、弾性率33GPa、M面の表面粗さRzが0.8μm、S面の表面粗さRzが0.9μmの圧延銅箔を重ねあわせ、真空プレス機を用いて加熱圧着し、金属張積層板を作製した。
詳しくは、上記液晶ポリマーフィルムと上記銅箔は、いずれも200mm×200mmのシート状のものを使用し、真空プレスは、温度260℃で15分保持した後、温度305℃で面圧4.0MPa、プレス時間10分の条件で加熱圧着して金属張積層板を作製した。
得られた金属張積層板のはぜ折り評価結果、金属張積層板を構成する銅箔の引張弾性率、液晶ポリマーの膜厚公差を表1に示す。
Figure 2014130926
表1から、液晶ポリマー層が、10〜100μmの範囲内の厚さを有するとともに、その膜厚公差が6%未満であり、金属箔の弾性率が30〜50GPaの範囲内であり、かつ、金属箔における液晶ポリマーと接する側と反対側の面の表面粗さRzが2.0μm以下である実施例1〜3では、特性インピーダンスのばらつき、耐折り曲げ性の両方とも、満足できる結果であった。一方、金属箔の弾性率が30〜50GPaの範囲を外れた比較例1〜3では、いずれも、耐折り曲げ性が不良であった。また、金属箔における前記液晶ポリマーと接しない側の面の表面粗さRzが2μmを超えた比較例4では、はぜ折り耐性が大きく低下し、フィルムの割れも生じた。さらに、液晶ポリマー層の膜厚公差が6%を超える比較例5では、特性インピーダンスのばらつきが大きく、液晶ポリマー層の割れも発生した。なお、各実施例、比較例での線幅1mm、180度方向引き剥がしによる金属箔/液晶ポリマーの層間剥離強さは、いずれも0.8kN/m以上であった。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。なお、上記実施の形態では、主として液晶ポリマー層の片面に金属箔が積層された片面金属張積層板を例に挙げて説明したが、本発明は、液晶ポリマー層の両面に金属箔が積層された両面金属張積層板についても同様に適用できる。
1…筐体、3…ディスプレイ、5…外部接続端子、10…フレキシブル回路基板(FPC)、10a…折曲部分、20…部品、100…電子機器

Claims (6)

  1. 液晶ポリマー層と、
    前記液晶ポリマー層の片面又は両面に積層された金属箔と、
    を有する金属張積層板であって、
    前記液晶ポリマー層は10〜100μmの範囲内の厚さを有するとともに、膜厚公差が6%未満であり、
    前記金属箔の弾性率が30〜50GPaの範囲内であり、かつ、前記金属箔における前記液晶ポリマーと接する側と反対側の面の表面粗さRzが2.0μm以下であり、
    電子機器の筐体内に折り畳んで収納されるフレキシブル回路基板に用いられることを特徴とする金属張積層板。
  2. 前記金属箔の厚みが1〜30μmの範囲内であり、前記液晶ポリマー層と接する側の面の表面粗さRzが0.1〜4μmの範囲内である請求項1に記載の金属張積層板。
  3. 前記液晶ポリマー層を形成する液晶ポリマーフィルムの熱変形温度が260℃〜350℃の範囲内にある請求項1又は2記載の金属張積層板。
  4. 常温における前記金属箔と前記液晶ポリマー層との180度層間剥離強さが、0.5〜2.0kN/mの範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属張積層板。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属張積層板を加工してなるフレキシブル回路基板。
  6. 請求項5に記載のフレキシブル回路基板を筐体内に折り畳んで収納した電子機器。
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