以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2は、本実施形態に係る保持装置100の構成を示す斜視図である。
保持装置100は、例えば円錐台状の外形を有する支持部10と、例えば多角形状の外形を有するハンドリング部20とを有している。支持部10及びハンドリング部20は、例えば石英又は樹脂材料を用いて形成されており、それぞれの高さ方向の端部同士が接続された状態で一体的に形成されている。支持部10及びハンドリング部20は、高さ方向に平行な共通の中心軸AXを有している。また、本実施形態における保持装置は、検体(例、全血や血清)の分注及び測定を連続的に(又は一貫して)実施するのに適した構成である。また、ハンドリング部20は、分注及び測定において、チップ101を個別に取り扱うために構成されている。
図1及び図2においては、支持部10及びハンドリング部20の高さ方向をZ軸方向とし、当該Z方向に垂直な平面内の所定方向をX軸方向とし、当該平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向として説明する。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの方向をそれぞれ、θX方向、θY方向及びθZ方向とする。
支持部10は、例えばシリコンによって矩形板状に形成されたチップ101を支持する。当該チップ(生体分子アレイ、又はバイオチップ)101の表面101aには、生体分子部102が形成されている。生体分子部102は、蛍光標識された検体と特異的に反応して検体と結合し、所定の光(励起光)の照明によって所定の蛍光を発生させる複数の生体分子を有する。これら複数の生体分子は、例えば、生体を構成する基本材料である生体分子であり、生体分子部102における複数の領域(スポット)にそれぞれ配置されている。保持装置100は、支持部10及びチップ101を介して、生体分子部102を構成する複数の生体分子を保持している。なお、チップ101は、例えばシリコンウエハに複数の生体分子をパターニングし、当該シリコンウエハを生体分子部102ごとに切断することで形成される。
支持部10は、円形の支持面11と、当該支持面11の外縁(例、外周)からハンドリング部20へ向けて−Z方向に延びる側面12とを有している。支持面11は、チップ101を支持する面であり、XY平面に平行である。支持面11は、ほぼ全面に亘って平坦に形成されており、チップ101よりも広い面積を有している。
支持面11には、接着剤や接着テープなどの不図示の接着部を介して上記チップ101が固定されている。チップ101の固定については、上記のような接着部を用いた構成に限られず、例えばチップ101が支持面11に溶着された構成であってもよい。チップ101は、表面101aが支持面11に平行になるように固定されている。
支持部10の側面12は、ハンドリング部20の側面22側から支持部10の支持面11へ向けて(+Z方向へ向けて)中心軸AXに徐々に近づくように所定の傾斜角度で傾斜している。このため、支持部10は、ハンドリング部20側から支持面11へ向けて(+Z方向へ向けて)先細りとなっている。例えば、支持部10は、支持面11からハンドリング部20側へ向けて(−Z方向へ向けて)徐々に太くなっている。支持部10とハンドリング部20との接続部分においては、支持部10の太さとハンドリング部20の太さとが等しくなっている。このため、支持部10とハンドリング部20との間は、段差が形成されることなく接続されている。なお、支持部10とハンドリング部20との接続部分において、支持部10の太さとハンドリング部20の太さとが異なっており、支持部10とハンドリング部20との間に段差が形成された構成であってもよい。
ハンドリング部20は、XY平面における断面の面積が支持面11の面積よりも大きくなるように形成されている。ハンドリング部20は、底面21と、当該底面21の外周から支持部10へ向けて+Z方向に延びる側面22とを有している。底面21は、例えば八角形に形成されており、支持面11(XY平面)に平行である。底面21は、ほぼ全面に亘って平坦に形成されている。
ハンドリング部20には、突出部23と、フランジ部24と、識別情報保持部25とが設けられている。
突出部23は、側面22のうち例えば+X側の第一面22aに設けられた第一突出部23aと、−X側の第二面22bに設けられた第二突出部23bとを有している。なお、第一面22a及び第二面22bは、YZ平面に平行であり、X軸方向視の形状、Y軸方向及びZ軸方向の寸法がそれぞれ等しくなっている。
第一突出部23aは、第一面22aと直交する方向(+X方向)に突出している。第二突出部23bは、当該第二面22bと直交する方向(−X方向)に突出している。第一突出部23a及び第二突出部23bは、ハンドリング部20と一部材で形成された構成であってもよいし、ハンドリング部20とは別部材として形成され当該ハンドリング部20に取り付けられた構成であってもよい。
第一突出部23a及び第二突出部23bは、それぞれシリンドリカルに形成されており、径及びX方向の寸法が等しくなっている。第一突出部23a及び第二突出部23bは、Z方向について、ハンドリング部20の底面20aから等しい距離をおいた位置にそれぞれ配置されている。また、第一突出部23a及び第二突出部23bは、Y方向について、それぞれ第一面22a及び第二面22bの中央に配置されている。
なお、第一突出部23a及び第二突出部23bのうち一方が除かれた構成であってもよい。また、側面22のうち第一面22a及び第二面22bとは異なる面に別の突出部が設けられた構成であってもよい。突出部23の形状については、錘状、球状(球の一部を含む)、YZ平面における断面が円形や多角形など、他の形状であってもよい。また、第一突出部23a及び第二突出部23bの形状及び寸法が互いに異なってもよいし、第一突出部23a及び第二突出部23bの配置が上記とは異なる態様で設定されてもよい。また、一の面(例、第一面22a、第二面22b)に複数の突出部23が設けられた構成であってもよい。
フランジ部24は、突出部23よりも+Z側の位置に設けられている。フランジ部24は、側面22のうち周方向(θZ方向)の一周に亘る領域から径方向に突出した形状を有している。フランジ部24は、ハンドリング部20と一部材で形成された構成であってもよいし、ハンドリング部20とは別部材として形成され当該ハンドリング部20に取り付けられた構成であってもよい。
フランジ部24は、例えば円板状に形成されている。フランジ部24は、ハンドリング部20の底面20a及び支持部10の支持面11(XY平面)にそれぞれ平行に配置されている。フランジ部24は、全体に亘ってZ方向の寸法(厚さ)がほぼ均一となっている。
フランジ部24は、Z方向において、突出部23と支持部10との間に配置されている。中心軸AXからフランジ部24の外周までの距離は、中心軸AXから突出部23の先端までの距離よりも小さくなっている。このため、Z方向視において、フランジ部24の外周から突出部23が径方向に突出した状態となっている。なお、フランジ部24の外形は、矩形や多角形など他の形状であってもよい。
上記のハンドリング部20の底面21、側面22、突出部23及びフランジ部24は、外部装置に接続可能な接続部26として設けられている。このような外部装置としては、例えば保持装置100を搬送する搬送装置や、保持装置100を収容するケース装置、生体分子部102の生体分子と検体との反応に用いられる検体収容装置、検体収容装置が配置される分注ステージと検体収容装置に検体を分注するノズルとを有する検体分注装置、保持装置100を洗浄する洗浄装置、保持装置100を乾燥する乾燥装置、生体分子部102を測定する測定装置などが挙げられる。検体分注装置、洗浄装置及び乾燥装置は、分注装置として構成される。本実施形態では、保持装置100を介してチップ101がハンドリングされるため、複数のウェル又は複数のチップが形成された基板を直接ハンドリングする場合やチップ101を直接ハンドリングする場合に比べて、外部装置の動作を容易に行うことができる。
識別情報保持部25は、生体分子や当該生体分子と反応させる検体の識別情報、保持装置100(支持部10及びハンドリング部20)の識別情報など、所定の情報が保持されている。識別情報保持部25は、例えばICタグやバーコードなどが用いられる。識別情報保持部25としてICタグが用いられる場合には、例えば保持された情報を書き換えたり、新たな情報を追加して保持させたりすることができる。なお、識別情報保持部25は支持部10に設けられてもよい。
図3は、上記の保持装置100を用いて、検体の分注及び生体分子の測定を行う分注及び測定システムSYSの構成例を示す図である。
図3に示すように、分注及び測定システムSYSは、保持装置100を搬入する搬入部S1と、測定に関する処理を行う処理部S2と、保持装置100を搬出する搬出部S3とを備えている。また、例えば、分注及び測定システムSYSは、検体収容装置に検体を分注する分注装置と、生体分子部102(102a)を測定する測定装置と、保持装置100を測定装置の測定ステージ226へ搬送する搬送装置と、を備える。
処理部S2には、保持装置100を搬送する搬送装置110と、検体を収容する検体収容装置120と、検体分注装置と、保持装置100を洗浄する洗浄装置130と、保持装置100を乾燥させる乾燥装置140と、生体分子を測定する測定装置150とが設けられている。検体収容装置120、洗浄装置130、乾燥装置140及び測定装置150は、搬入部S1から搬出部S3へ向けて、処理台105上にこの順序で配置されている。
搬入部S1及び搬出部S3には、保持装置100を支持可能なケース装置160が設けられている。ケース装置160は、搬入部S1に設けられた第一ケース装置161と、搬出部S3に設けられた第二ケース装置162とを有している。また、分注及び測定システムSYSは、各部の動作を統括的に制御する制御部(不図示)が設けられている。
図4及び図5は、搬送装置110の構成を示す斜視図である。
図4及び図5に示すように、搬送装置110は、吸着部111と、ハンド部112とを備えている。当該搬送装置110は、吸着部111によって保持装置100を吸着して保持すると共にハンド部112によって保持装置100を支持して移動することにより、保持装置100を搬送する。
吸着部111は、吸引管111a及び吸引駆動部111bを有している。吸引管111aは、例えば円筒状に形成されている。吸引管111aの一端は、吸引駆動部111bに接続されており、吸引管111aの他端には開口部(吸引口)111cが形成されている。吸引駆動部111bは、例えば不図示のポンプを有しており、吸引口111cに対して吸引力を付与する。
吸着部111が保持装置100を保持する場合には、ハンドリング部20の底面(被保持部、被吸着面)21に吸引口111cを当接させた状態で吸引駆動部111bを作動させる。この動作により、底面21が吸引口111cに吸着される(図5参照)。吸引力の大きさを保持装置100全体(チップ101及び生体分子部102を含む)に作用する重力よりも大きく設定することにより、吸着部111単独で保持装置100を吸着保持することが可能となる。底面21に対して吸引力を効率的に作用させるため、例えば吸引口111cが形成された吸引管111aの端面に弾性変形可能なリップ部などを設けた構成としてもよい。また、保持装置100は、ハンドリング部20の底面21に該リップ部などを設けた構成としてもよい。また、ハンドリング部20の底面(被吸着面)21は、支持面11と平行な面であることが望ましい。
ハンド部112は、第一突出部(被保持部、係合部)23aを支持する第一ハンド部113と、第二突出部(被保持部、係合部)23bを支持する第二ハンド部114とを有している。第一ハンド部113は、指部113a及びアーム部113bを備えている。指部113aは、第一突出部23aに係合可能に設けられている。アーム部113bは、関節部113cを介して指部113aを支持している。第二ハンド部114は、指部114a及びアーム部114bを備えている。指部114aは、第二突出部23bに係合可能に設けられている。アーム部114bは、関節部114cを介して指部114aを支持している。
指部113aが第一突出部23aに係合されると共に指部114aが第二突出部23bに係合されることにより、保持装置100が第一ハンド部113及び第二ハンド部114によって吊り下げられた状態となる(図5参照)。図5では、吸着部111及びハンド部112が共に保持装置100を保持している状態が示されているが、吸着部111及びハンド部112は、それぞれ単独で保持装置100を保持可能である。
ハンド部112は、不図示のハンド制御部に接続されている。当該ハンド駆動部は、指部113a及び指部114a、アーム部113b及びアーム部114bの動作をそれぞれ制御する。この制御により、例えば突出部23に対する保持動作及び解除動作、保持装置100の位置や姿勢の調整動作などを行うことが可能となっている。
図6及び図7は、検体収容装置120の構成を示す斜視図である。
図6及び図7に示すように、検体収容装置(検体収容部)120は、円形状の外形を有する底部121と、当該底部121の周縁部に沿って円筒状に設けられた壁部122とを有している。底部121と壁部122とで囲まれた部分は中空部123となっている。中空部123には、上記の保持装置100の支持部10と、ハンドリング部20の一部とが収容される(図7参照)。
壁部122のうち底部121と反対側の端面122a側は開口されている。当該端面122aは、底面121aと平行である。また、壁部122の内径は、ハンドリング部20の径よりも大きく、フランジ部24の径よりも小さくなるように設定されている。このため、保持装置100を支持部10側から中空部123に挿入した場合、フランジ部24が端面122aに当接され、保持装置100の挿入が規制されるようになっている。なお、壁部122の中心軸と保持装置100の中心軸AX(図1及び図2参照)とが一致するように、壁部122の内面に位置規制部が設けられた構成としてもよい。
底部121には、例えば円錐台状に刳り貫かれた形状の溝部124が形成されている。フランジ部24が端面122aに当接されるまで保持装置100の支持部10側を中空部123に挿入した場合に、支持面11が溝部124に入り込んだ状態となるように、かつ、支持部10の支持面11(チップ101の表面101a)と溝部124の底面124aとが隙間を空けて対向するように、溝部124の形状及び寸法が設定されている。なお、この場合、支持部10の側面12と溝部124の壁面124bとが間隔を空けて対向するように溝部124が形成されていてもよい。また、例えば、中空部123又は溝部124は、保持装置100の支持部10の外形状と相似形状に形成されている。
図8は、洗浄装置130の構成を示す図である。
図8に示すように、洗浄装置130は、筒状に形成されており、重力方向の上端部130aに開口部130bが形成されている。洗浄装置130の外形は、例えばハンドリング部20の側面22に沿った形状であってもよいし、円筒状であってもよい。洗浄装置130の内側の中空部130cは、保持装置100の支持部10が挿入可能な寸法に形成されている。また、洗浄装置130の開口部130bの寸法は、上端部130aにおいてフランジ部24に当接可能となるようにフランジ部24の外径よりも小さくなっている。洗浄装置130は、フランジ部24が上端部130aに当接された状態で、チップ101及び反応後の生体分子部102aが底部に接触しない程度の深さを有している。
なお、乾燥装置140については、図3に示すように、保持装置100に対して気体を噴出する気体噴出部141が設けられた構成とすることができる。なお、乾燥装置140の構成は、当該気体噴出部141に限られることはなく、例えばファンなどを用いた構成であってもよい。
図9は、外部装置の一例として、反応後の生体分子部102を観察する測定装置150の構成を示す図である。なお、図9の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図9に示すように、測定装置150は、保持装置100によって保持された生体分子部102を測定する装置本体221と、当該装置本体221の動作を制御する制御装置222と、当該制御装置222に接続された表示装置223とを備えている。制御装置222は、コンピュータシステムを含む。表示装置223は、例えば液晶ディスプレイのようなフラットパネルディスプレイを含む。
装置本体221は、光源装置231と、検出装置232と、対物レンズ235等を含む光学システム225と、保持装置100を支持しながら移動可能なステージ(測定ステージ)226と、接眼部227と、物体を介した光を受光可能なセンサ(例、撮像素子など)228を含む測定カメラ229とを備えている。例えば、撮像素子228は、PMT(photomultiplier tube)などの光検出器、や撮像素子を含む。なお、本実施形態において、撮像素子228は一例として撮像素子を用いている。撮像素子228は、物体の像情報を取得可能であり、例えばCCD(charge coupled device)やCMOSセンサを含む。装置本体221は、ボディ224を備えており、光源装置231、検出装置232、光学システム225、ステージ226、接眼部227、及び測定カメラ229のそれぞれは、ボディ224に支持される。
光学システム225は、光源装置231から射出された光を用いて生体分子部102を照明する第1照明光学系236と、検出装置232から射出された光を用いて生体分子部102を照明する第2照明光学系241と、第1照明光学系236で照明された生体分子部102の像を、撮像素子228及び接眼部227の近傍に形成する結像光学系233とを備えている。撮像素子228、接眼部227は、結像光学系233の像面側に配置されている。
対物レンズ235は、無限系の対物レンズであり、ステージ226に支持されている保持装置100の支持面11と対向可能である。本実施形態においては、対物レンズ235は、支持面11の−Z側(下方)に配置されている。
光源装置231は、生体分子部102(例、蛍光標識された検体と結合した生体分子)から蛍光を発生させる励起光と、生体分子部102を観察する照明光とを射出可能である。一例として、光源装置231は、第1の励起光として波長488nmの光、第2の励起光として波長625nmの光、照明光として波長430nmの光を制御装置222からの信号に基づいて選択的に切り替えて射出可能な構成を備えている。
検出装置232は、光源装置231から射出される励起光及び照明光、並びに当該励起光により生体分子部102から発生する蛍光とは異なる波長帯域の光を検出光(例えば、波長770nmの赤外光(以下、単に赤外光と称する)など)として用い、生体分子部102の位置に関する情報(例えば、生体分子部102のZ方向の位置情報など)を検出する。検出装置232において用いられる検出光は、上記光源装置231から射出される励起光及び照明光とは異なる波長帯域の光が用いられる。
第1照明光学系236は、光源装置231から射出された光を用いて、所定波長帯域の励起光または所定波長帯域の照明光で生体分子部102を照明する。第1照明光学系236は、対物レンズ235、及び励起光と蛍光とを分離可能な光学ユニット(光学装置)としてのフィルタブロック237を含む。対物レンズ235は、生体分子部102を照明するための励起光、照明光、及び生体分子部102のZ方向の位置情報を検出するための検出光(赤外光)を射出する。第1照明光学系236は、生体分子部102を、当該生体分子部102の下方(−Z側)から励起光、照明光、及び検出光で照明する。
第2照明光学系241は、波長選択フィルタ242を備えている。波長選択フィルタ242は、検出光の波長帯域である赤外光を反射し、他の波長帯域の光を透過する。なお、本実施形態における測定装置150は、上記の第1照明光学系236と第2照明光学系241とによって照明光学系が構成されている。
結像光学系233は、生体分子部102と対向する位置に配置される対物レンズ235、接眼レンズ243、倍率変換光学系244、反射ミラー245、及び結像系の対物レンズ246等、複数の光学素子を含み、生体分子部102の像を、撮像素子228、及び接眼部227の近傍に形成する。対物レンズ235は、結像光学系233の複数の光学素子のうち、結像光学系233の物体面に最も近い光学素子である。また、光学システム225は、対物レンズ235からの光を分離する光学素子247を含む。本実施形態において、光学素子247は、ハーフミラーを含み、入射した光の一部を透過し、一部を反射する。なお、光学素子247は、ダイクロイックミラーであってもよい。また、光学素子247は、光路を切り替える機能を有する全反射ミラー(例、クイックリターンミラー)であってもよい。
生体分子部102から対物レンズ235を介して光学素子247に入射した光の一部は、光学素子247を透過して、接眼レンズ243に導かれ、接眼部227より射出される。生体分子部102の像は、結像光学系233により、接眼部227の近傍に形成される。これにより、観察者は、接眼部227を介して、生体分子部102の像を確認できる。
また、生体分子部102から対物レンズ235及び対物レンズ246を介して光学素子247に入射した光の一部は、光学素子247で反射して、倍率変換光学系244に導かれ、反射ミラー245を介して、測定カメラ229の撮像素子228に入射する。生体分子部102の像は、結像光学系233により、撮像素子228に形成される。これにより、測定カメラ229の撮像素子228は、生体分子部102の像情報を取得可能である。
図9に示すように、測定カメラ229の撮像素子228と制御装置222とは、ケーブル248を介して接続されており、撮像素子228で取得した生体分子部102の像情報(画像信号)は、ケーブル248を介して、制御装置222に出力される。制御装置222は、撮像素子228からの像情報を、表示装置223を用いて表示する。表示装置223は、撮像素子228で取得した生体分子部102の像情報を拡大して表示することができる。
また、図9に示すように、本実施形態においては、ステージ226は、保持装置100のフランジ部24を支持する支持部材250と、ベース部材251上で支持部材250を移動する駆動装置252とを備えている。支持部材250は、筒状に形成されており、重力方向の上端部250aに開口部250bが形成されている。支持部材250の外形は、例えばハンドリング部20の側面22に沿った形状であってもよいし、円筒状であってもよい。支持部材250の内側の空間250cは、保持装置100の支持部10が挿入可能な寸法に形成されている。また、支持部材250の開口部250bの寸法は、上端部250aにおいてフランジ部24に当接可能となるようにフランジ部24の外径よりも小さくなっている。また、フランジ部24が上端部250aに当接されるまで保持装置100の支持部10側を中空部123に挿入した場合に、生体分子部102と対物レンズ235とが隙間を空けて対向するように、支持部材250のZ方向の寸法が設定されている。
支持部材250は、ベース部材251上において、XY平面内及びZ方向に移動可能である。ステージ226(駆動装置252)と制御装置222とはケーブル249で接続されており、制御装置222は、駆動装置252を用いて、保持装置100を支持する支持部材250をXY平面内で移動可能である。
図10は、第一ケース装置161の構成を示す断面図である。なお、第一ケース装置161及び第二ケース装置162は同一構成であるため、第二ケース装置162の説明及び図示は省略する。第二ケース装置162の構成については、第一ケース装置161の説明及び図示がそのまま適用可能である。
第一ケース装置161は、例えば矩形の筒状に形成されている。第一ケース装置161は、処理台105に支持される底部161aと、当該底部161aから重力方向の上方へ向けて延在する一対の壁部161bと、当該一対の壁部161bによって支持された天井部161cとを有している。
天井部161cには、開口部161dが形成されている。保持装置100は、支持部10が開口部161dに挿入された状態でフランジ部24が天井部161cに支持された状態で収容される。したがって、開口部161dの径は、保持装置100の支持部10が挿入可能であり、かつ、天井部161cのうち開口部161dの周辺部分がフランジ部24に当接可能となるように、設定されている。
このような構成により、第一ケース装置161は、支持面11側を重力方向Gに向けた状態で保持装置100を収容できる。このため、チップ101の表面を含む支持面11に埃等の異物が付着するのを防ぐことができるようになっている。なお、第一ケース装置161は、開口部161d以外の部分が封止された構成あってもよい。これにより、第一ケース装置161と保持装置100とで閉塞された空間にチップ101が収容されるため、異物の付着を防ぐことが可能となる。
次に、上記の保持装置100を用いた生体分子の測定方法を説明する。なお、本実施形態では、分注及び測定システムSYSに設けられた制御部によって各部の動作が自動的に制御される場合を例に挙げて説明するが、これに限られることは無く、例えば制御部によって行われる動作のうち少なくとも一部を手作業によって行うようにしてもよい。なお、以下の測定方法の少なくとも一部の工程は、分注及び測定システムSYSによって、自動的に行う構成にする。
最初に、本実施形態の測定方法における準備工程について説明する。制御部は、搬送装置110を搬入部S1の第一ケース装置161にアクセスさせる。第一ケース装置161には、予め支持面11にチップ101が固定された状態の保持装置100が搬入され、収容されている。そこで、制御部は、搬送装置110を用いて、第一ケース装置161に収容された保持装置100を第一ケース装置161から取り出させる。
例えば図11に示すように、制御部は、搬送装置110の吸着部111にハンドリング部20の底面20aを吸着させると共に、ハンド部112(第一ハンド部113及び第二ハンド部114)の指部113a、113bを突出部23(第一突出部23a及び第二突出部23b)に係合させる。これにより、保持装置100のハンドリング部20が搬送装置110によって保持される。保持装置100が吸着部111及びハンド部112によって二重に保持されるため、保持装置100が搬送中に落下するなどの不具合の発生が抑制される。
その後、制御部は、支持部10が重力方向Gを向いた状態を維持しつつ、吸着部111及びハンド部112を重力方向とは反対方向(重力に逆らう方向)へ移動させる。この動作により、保持装置100は搬送装置110によって持ち上げられ、第一ケース装置161から取り出される。保持装置100が持ち上った後、制御部は、吸着部111及びハンド部112を所定の搬送方向(上記「一方向」)へ移動させ、検体収容装置120へと搬送させる。
次に、本実施形態の測定方法における反応工程について説明する。制御部は、検体収容装置120において、生体分子部102を構成する生体分子を検体と反応させる。反応に先立ち、生体分子部102を構成する生体分子と特異的に反応する検体を含んだ液体Qを、検体収容装置120の溝部124に分注しておく。また、液体Qが収容された検体収容装置120は、重力方向Gに直交する平面(水平面)に平行な処理台105に載置させておく。
そして、制御部は、搬送装置110(吸着部111及びハンド部112)によってハンドリング部20を保持した状態で重力方向Gに保持装置100を移動させ、支持部10を中空部123に挿入させる。図12に示すように、支持部10のうち所定の深さが挿入されることにより、フランジ部(位置決め部)24が検体収容装置120の端面122aに当接され、支持部10の下方への移動が規制される。このように、フランジ部24により、支持部10が重力方向において位置決めされる。本実施形態では、保持装置100のうち搬送装置110に接続される部分(底面21及び突出部23)とは異なる位置にフランジ部24が設けられているため、搬送装置110がフランジ部24に干渉することが無い。このため、搬送装置110によって底面21及び突出部23を保持しつつ、フランジ部24による位置決めが可能となる。
本実施形態における検体収容装置120の構成では、支持部10がフランジ部24によって重力方向に位置決めされた場合、チップ101及び生体分子部102を含む支持部10の一部が液体Qに浸漬され、生体分子部102が溝部124の底面124aに接触せずに液体Qに浸漬する。
生体分子部102を液体Qに浸漬させた後、所定時間経過させることにより、生体分子部102に設けられる生体分子が液体Qに含まれる蛍光標識された検体と特異的に反応する。以下、検体との反応が行われた後の生体分子部102に言及する場合には、反応前の生体分子部102と区別するため、反応後の生体分子部102aと表記する。
なお、制御部は、保持装置100を中空部123に挿入させる動作において、フランジ部24が端面122aに当接された場合に搬送装置110(吸着部111及びハンド部112)による保持状態を解除してもよい。この場合、フランジ部24が端面122aに支持されるため、搬送装置110を用いなくても保持装置100が検体収容装置120によって保持されることになる。
また、フランジ部24が端面122aに当接されると、検体収容装置120はフランジ部24によって閉塞された状態となる。この状態から、制御部は、保持装置100を検体収容装置120側へ押し付けるように制御することで閉塞状態を維持しつつ、例えば保持装置100及び検体収容装置120を揺動させることにより、液体Qを攪拌させつつ検体と生体分子の反応を行わせてもよい。この場合、保持装置100及び検体収容装置120を揺動させる揺動機構などが別途設けられていてもよい。
次に、本実施形態の測定方法における洗浄工程について説明する。生体分子を検体と反応させた後、制御部は、図13に示すように、保持装置100を保持した状態で搬送装置110を重力方向Gとは反対方向(重力に逆らう方向)に移動させ、当該保持装置100を液体Qから引き上げさせる。本実施形態では支持部10がハンドリング部20側から支持面11側へ向けて先細りに形成されているため、支持部10の側面12に付着した液滴が側面12を伝って落下しやすくなる。このため、側面12に液体Qの液滴が残りにくくなる。その後、制御部は、搬送装置110を更に重力方向とは反対方向に移動させ、保持装置100を検体収容装置120から取り出すようにする。
そして、制御部は、検体収容装置120から取り出した保持装置100を洗浄装置130へと搬送させる。洗浄装置130には、フランジ部24が開口部に当接された場合に支持部10が浸漬される程度の洗浄液Rを予め分注させておく。制御部は、搬送装置110(吸着部111及びハンド部112)によってハンドリング部20を保持した状態で重力方向Gに保持装置100を移動させる。当該移動により、支持部10が洗浄装置130の中空部130cに挿入され、フランジ部24が洗浄装置130の上端部130aに当接される。これにより、図14に示すように、重力方向Gについて支持部10が位置決めされると共に、支持部10が洗浄液Rに浸漬された状態で保持される。当該洗浄液Rにより、チップ101及び反応後の生体分子部102aを含む支持部10の先端(例、支持面11)が洗浄される。
なお、洗浄装置130に収容された洗浄液Rが流動する構成であってもよい。また、洗浄装置130に洗浄液排出部を設けて、支持部10を洗浄した後の洗浄液Rを排出させる構成としてもよい。この場合、新たな洗浄液Rを供給し、支持部10を洗浄液Rに繰り返し浸漬させる構成としても良い。また、洗浄液Rに支持部10を浸漬させる洗浄に限られず、例えばノズルから支持部10へ向けて洗浄液Rを吐出し、支持部10を洗い流すようにしてもよい。
次に、本実施形態の測定方法における乾燥工程について説明する。制御部は、一定期間支持部10を洗浄液Rに浸漬させた後、保持装置100を保持した状態で搬送装置110を重力方向Gとは反対方向に移動させ、支持部10を洗浄液Rから引き上げさせる。この動作においては、支持部10を液体Qから引き上げる場合と同様に、支持部10の側面12に付着した液滴が側面12を伝って落下しやすくなる。このため、側面12に洗浄液Rの液滴が残りにくくなる。
そして、制御部は、洗浄装置130から取り出した保持装置100を乾燥装置140へと搬送させる。保持装置100の搬送後、図15に示すように、制御部は気体噴出部141を起動させる。この動作により、搬送装置110によって保持装置100が保持された状態で、気体噴出部141から支持部10に対して気体が噴きつけられる。当該気体により、支持部10、チップ101及び反応後の生体分子部102aに付着した液体が除去される。
次に、本実施形態の測定方法における測定工程について説明する。支持部10を乾燥させた後、制御部は、保持装置100を測定装置150へと搬送させる。保持装置100の搬送の後、図16に示すように、制御部は、ハンドリング部20を保持した状態の搬送装置110を重力方向Gに移動させ、保持装置100の支持部10を支持部材250の内部に挿入させる。支持部10のうち所定の深さが挿入されることにより、フランジ部24が支持部材250の上端部250aに当接され、支持部10の下方への移動が規制される。このように、フランジ部24により、支持部10が重力方向において位置決めされる。本実施形態では、保持装置100のうち搬送装置110に接続される部分(底面21及び突出部23)とは異なる位置にフランジ部24が設けられているため、搬送装置110がフランジ部24に干渉することが無い。このため、搬送装置110によって底面21及び突出部23を保持しつつ、フランジ部24による位置決めが可能となる。本実施形態における支持部材250の構成では、支持部10がフランジ部24によって重力方向に位置決めされた場合、生体分子部102aと対物レンズ235とが隙間を空けて対向配置される。
その後、測定装置150は、検出装置232から射出する赤外光により、反応後の生体分子部102aのZ方向の位置情報を検出する。検出装置232から+Y方向に射出された赤外光は、第2照明光学系241の波長選択フィルタ242で+Z方向に反射されると共にフィルタブロック237、対物レンズ235を順次透過した後に、反応後の生体分子部102aで反射される。この反射光は、同じ光路(共通光路)を辿って検出装置232に受光される。制御装置222は、検出装置232で検出されたZ方向の位置情報に基づいて、駆動装置252を駆動することにより、反応後の生体分子部102aをZ方向の所定位置に位置決めする。なお、反応後の生体分子部102aのZ方向の位置決めについては、搬送装置110を用いて行ってもよい。
測定装置150は、反応後の生体分子部102aをZ方向の所定位置に位置決めした後、反応後の生体分子部102aをXY平面内で移動させ、測定用の照明光を用いて反応後の生体分子部102aの像を撮像する。
次に、測定装置150は、光源装置231から照明光を選択して射出させ、反応後の生体分子部102aを照明する。光源装置231から射出された照明光は、フィルタブロック237で反射光と透過光とに分離されて、部分反射及び部分透過し、部分反射した照明光が部分対物レンズ235を透過した後に、反応後の生体分子部102aを照明する。反応後の生体分子部102aで反射した照明光は、対物レンズ235、フィルタブロック237、波長選択フィルタ242、対物レンズ246を順次透過した後、光学素子247に入射する。
光学素子247に入射した照明光の一部は、光学素子247を透過して、接眼レンズ243に導かれ、接眼部227より射出される。これにより、反応後の生体分子部102aの像が、接眼部227の近傍に形成される。また、光学素子247に入射した照明光の一部は、光学素子247で反射して、結像光学系233の倍率変換光学系244に導かれ、反射ミラー245を介して、測定カメラ229の撮像素子228に入射する。
これらにより、撮像素子228の撮像特性及び倍率変換光学系244で設定された倍率に応じた大きさの視野内に複数のスポットの像及びアライメントマークの像が、撮像素子228に形成される。撮像素子228は、スポットの像情報及びアライメントマークの像情報を取得する。制御装置222は、スポットの像情報を記憶するとともに、アライメントマークの位置情報から視野におけるスポット群の配置(X、Y、θZ)を求めて記憶する。
この後、測定装置150は、蛍光計測を行うために、光源装置231から射出される光を、例えば所定の励起させる励起光に切り替える。光源装置231から射出された当該励起光は、フィルタブロック237を介して対物レンズ235へ射出され、対物レンズ235を透過した後に、反応後の生体分子部102aを照明する。これにより励起光で照明されたスポットのうち、反応後の生体分子部102aに含まれる蛍光物質が励起され、蛍光が発生する。発生した蛍光は、対物レンズ235、フィルタブロック237、波長選択フィルタ242、対物レンズ246を順次透過した後、光学素子247に入射する。
そして、照明光によるスポットの計測と同様に、蛍光を発生したスポットの像は、接眼部227の近傍に形成されるとともに、撮像素子228の視野内に形成される。撮像素子228は、蛍光を発生したスポットの像情報を取得する。
測定装置150は、反応後の生体分子部102aのうち第1の撮像領域の計測が完了すると、第1の撮像領域と隣り合う第2の撮像領域に反応後の生体分子部102aを移動させる。第2の撮像領域は、第1の撮像領域で撮像したアライメントマークの一部が撮像素子228の視野で撮像される位置に設定される。測定装置150は、上記第1の撮像領域に対する撮像処理と同様に、照明光を用いたスポット及びアライメントマークの計測及び蛍光を用いたスポットの計測を実施する。
そして、全てのスポットの計測が完了するまで複数の撮像領域の計測処理を実施すると、制御装置222は、各撮像領域におけるアライメントマークの計測結果から照明光によるスポットの計測結果を画面合成するとともに、蛍光によるスポットの計測結果を画面合成する。画面合成された結果を比較することにより、プローブ(生体分子)の物質とターゲット(検体)の物質とが結合したスポットの反応後の生体分子部102aにおけるアドレスを計測することができる。
制御部は、上記のように測定が終了した後、保持装置100を搬送装置110によって搬出部S3へと搬送させ、第二ケース装置162に保持装置100を収容させる。その後、不図示の搬出装置によって保持装置100が第二ケース装置162から取り出されて測定システムSYSから搬出される。
以上のように、本実施形態では、検体と特異的に反応可能な生体分子を支持する支持面11を有する支持部10と、支持部10と一体的に構成され支持面11に平行な断面の面積が支持面11よりも大きくなるように形成されたハンドリング部20とを備える保持装置100が用いられるため、検体の供給動作や反応後の生体分子部102aの測定動作に際しては、保持装置100ごとに個別にハンドリングを行えばよい。これにより、上記動作に際して基板全体を取り扱う必要が無いため、ハンドリング性に優れたものとなる。また、支持面11よりもハンドリング部20の方が支持面11に平行な断面積が大きくなっているため、支持面11に支持されるチップ101を直接取り扱うよりも、容易に操作することができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、支持部10の外形が円錐台状である構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、他の形状(例、錐台状:角錘台など、球や楕円体の一部)であってもよいし、異なる種類の立体を組み合わせた形状であってもよい。同様に、ハンドリング部20の外形は、他の形状(錐台状、筒状、球や楕円体の一部又は全部)であってもよいし、異なる種類の立体を組み合わせた形状であってもよい。
また、上記実施形態では、ハンドリング部20に突出部23(第一突出部23a及び第二突出部23b)が設けられ、搬送装置によって突出部23が係合される構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、ハンドリング部20に溝部(例、凹部)が設けられ、搬送装置によって溝部(例、凹部)が係合される構成であってもよい。また、突出部23と溝部とが設けられた構成であってもよい。
また、上記実施形態では、支持面11と突出部23との間にフランジ部24が設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。当該フランジ部24に代えて、板状とは異なる形状(例、錘状、球状など)の突出部が設けられた構成であってもよいし、突出部ではなくハンドリング部20の周方向の一周に亘って形成された溝部などの溝部が設けられた構成であってもよい。
また、上記実施形態では、保持装置100のハンドリング部20を吸着する手段として、ハンドリング部20の底面21を吸引する構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、ハンドリング部20と吸着手段との間が磁力によって吸着された構成であってもよい。
また、上記実施形態では、1つの搬送装置110が搬入部S1、処理部S2及び搬出部S3の各処理の全体に亘って保持装置100を搬送する構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、複数の搬送装置110を配置し、1種類の処理ごとに保持装置100を受け渡しながら保持装置100を搬送する構成であってもよい。また、上記実施形態では、搬送装置110がハンドリング部20を保持する構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば支持部10の少なくとも一部を保持可能な構成であってもよい。
また、例えば図17に示すように、分注及び測定システムSYSで用いられるケース装置160として、複数の保持装置100を収容可能なケース装置160Pが用いられた構成であってもよい。図17に示す構成では、底部160a及び天井部160bが一方向に長手となるように延在して形成されており、当該一方向の両端部に壁部160cが配置された構成を有している。
天井部160bには、一方向に一列に並ぶように複数の開口部160dが形成されている。複数の開口部160dのそれぞれは、例えば上記実施形態に記載のケース装置160(第一ケース装置161及び第二ケース装置162)に設けられた開口部161d(162d)と等しい寸法に形成されている。
この構成によれば、各開口部161dに対して保持装置100の支持部10側を挿脱可能である。また、天井部161cのうち各開口部161dの周辺部分によってそれぞれフランジ部24が支持される。このように、1つの開口部160dには、1つの保持装置100が収容可能であるため、ケース装置160Pには一方向に一列に保持装置100が収容されることになる。
ケース装置160Pは、分注及び測定システムSYSの搬入部S1に配置してもよいし、搬出部S3に配置してもよい。また、分注及び測定システムSYSにおいて、保持装置100が収容されたケース装置160Pが搬入部S1から搬出部S3までの各装置に順次搬送されると共に、搬送装置110がケース装置160Pと各装置との間で保持装置100を搬送する構成としてもよい。
上記のケース装置160Pを用いることにより、複数の保持装置100を一つのまとまりとして測定処理を行うことができる。例えば、複数の保持装置100が収容されたケース装置160Pを測定装置150に搭載することにより、測定装置150においてまとめて測定処理を行うことができる。これにより、測定処理の効率化を図ることができる。
また、上記実施形態では、ケース装置160が保持装置100の支持面11側を重力方向へ向けて保持する場合を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、図18に示すように、ハンドリング部20の底面21側を重力方向へ向けて保持装置100を保持するケース装置170が設けられた構成であってもよい。
ケース装置170には、ハンドリング部20を収容するための溝部171が設けられている。当該溝部171の一部(内面)には、突出部23を収容する溝部172が設けられている。溝部172は、突出部23の形状に対応して形成されている。つまり、溝部172は、突出部23の長手方向及び短手方向の寸法にほぼ等しい寸法となるように形成されている。このため、突出部23が溝部172に収容される場合、突出部23と溝部172の内壁との間にはほとんど隙間が形成されないようになっている。
ハンドリング部20は、突出部23が溝部172に収容された状態で溝部171に収容されるようになっている。この構成においては、突出部23とケース装置170との間で、中心軸AX周りの方向への移動が規制されている。このように、保持装置100の中心軸AX周りの方向について当該保持装置100の位置決めを行う構成であってもよい。