JP2014130060A - 形状計測方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低速移動距離とマージンの差を低減することにより、タッチダウン時間短縮効果を生かし計測時間を短縮する。
【解決手段】形状計測装置を用いて被計測物を計測する計測方法において、プローブと被計測物を相対的に接近させるタッチダウン動作の際に、被計測物の設計形状もしくは予め得られている近似形状を参照形状とすること、形状計測装置に載置された被計測物の予備計測を行うことによって、被計測物の位置及び姿勢を取得すること、前記予備計測によって得られた被計測物の位置及び姿勢と参照形状に基づいて低速移動領域を定め、本計測のタッチダウン動作において低速移動領域内でプローブと被計測物を低速で相対的に接近させることを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、プローブ式形状計測装置による計測を行うために、接触式プローブと被計測物間の距離を計測可能な距離範囲内に接近させる技術に関する。
光学素子や金型の表面形状を三次元的に計測する装置として、プローブ式形状計測装置が用いられている。プローブ式形状計測装置では、被計測物表面の三次元座標データを、計測した形状(形状データ)とする。
形状データを取得する方式としては、接触式、非接触式の2種類がある。接触式は、接触式プローブと被計測物とが接触している点の座標データを、形状データとして取得する方式である。接触している点の座標は、例えばレーザ測長によってプローブに設置したミラーの三次元座標を取得し、プローブの長さや径を考慮して計算される。また、非接触式は、プローブの先端から被計測物までの距離を測長し、測長点の座標データを形状データとする方式である。測長は、例えばレーザ測長する。
形状データを取得する方式としては、接触式、非接触式の2種類がある。接触式は、接触式プローブと被計測物とが接触している点の座標データを、形状データとして取得する方式である。接触している点の座標は、例えばレーザ測長によってプローブに設置したミラーの三次元座標を取得し、プローブの長さや径を考慮して計算される。また、非接触式は、プローブの先端から被計測物までの距離を測長し、測長点の座標データを形状データとする方式である。測長は、例えばレーザ測長する。
プローブ式形状計測装置は、接触式プローブと被計測物を接触または近接させて計測するものである。このため、形状計測装置は、接触式プローブと被計測物を相対接近させる動作を行う。相対接近動作においては、接触式プローブまたは被計測物を移動させる。以下、移動させる物体を移動体と呼ぶ。また、接触式プローブでは、例えば接触によるプローブ変位を検知して、移動体を停止する。非接触式プローブでは、例えばプローブ先端と被計測物との距離から、接近したことを検知して、移動体を停止する。以上のように、プローブ式形状計測装置において、プローブと被計測物を相対接近させる動作を、タッチダウン動作と呼ぶ。また、プローブと被計測物遠ざける動作を、テイクオフ動作と呼ぶ。
上述したように、プローブ式形状計測装置を用いた計測には、タッチダウン動作、テイクオフ動作を行う。よって、計測にかかる時間(以下、計測時間)は、形状データを取得する時間だけでなく、タッチダウン動作とテイクオフ動作と、その他の移動などにかかる時間を合計したものである。
プローブ式形状計測装置には、走査型と座標計測機型がある。走査型は、接触式プローブが被計測物表面を倣い走査する。ここで、接触式プローブが倣い走査する軌跡を、走査軌跡と呼ぶ。走査軌跡は、タッチダウン動作を行った点から、テイクオフ動作をした点までの軌跡を指す。走査型では、被計測物の形状によって、走査軌跡が限定されることがある。例えば、接触式プローブとの衝突により被計測物の微細な壁面形状が崩れることを防ぐため、壁面に衝突しない方向に倣い走査する、などのように限定される。走査軌跡が限定されることによって、走査軌跡が複数必要になることがある。例えば、上述した微細な壁面形状をもつ被計測物の面形状を計測する場合には、数十個の走査軌跡で倣い走査し、形状計測する。このような場合、走査軌跡と同じ回数だけタッチダウンするので、タッチダウンに要する時間が多くなる。
また、座標計測機型は、タッチダウンした時の座標を取得するもので、計測点毎にタッチダウンする。よって、座標計測器型はタッチダウン回数が多く、タッチダウンに要する時間も多い。
以上のようにプローブ式形状計測装置においては、被計測物を計測する際に複数回タッチダウンすることがあり、タッチダウンに要する時間が増加していた。これによって、計測時間が増加していた。このため、タッチダウン時間の短縮化が求められている。
タッチダウン時間を短縮するためには、被計測物に対して相対的に接近する速度を速くすることが考えられる。しかし、相対接近速度を上げる方法では、非接触式において制動距離が増大するため、例えば光学式プローブの場合、光源である投光機やその支持部などの形状計測装置の一部と被計測物が高速で接触する可能性がある。よって、非接触式において、制動距離の増加による衝突を避ける必要があった。また、接触式においては、高速化することによりプローブと被計測物が勢いよく衝突し、接触時に接触式プローブや被計測物を損傷する可能性がある。よって、接触式においては、接触の際の速度を低下する必要があった。
以上の問題を解決するタッチダウン方法が、特許文献1に記載されている。即ち、プローブに関する低速移動領域を設け、低速移動領域外では高速で被計測物に対して相対的にプローブを接近し、低速移動領域内では低速で相対的に接近させるタッチダウン方法である。特許文献1において、低速移動領域の境界を設定する方法として、以下の2つの方法が記載されている。
第1の方法では、予備計測で取得した予備計測点にマージンを加えた点を、計測点における低速移動領域の境界としている。
第2の方法では、被計測物の設計形状にマージンを加えた形状を、低速移動領域の境界としている。
尚、マージンとは、移動体が移動目標値を超えて移動しないように、余裕を見て設定する距離である。
しかしながら、上記従来例では以下の欠点があるため、タッチダウン時間の短縮効果が低減されていた。上述の従来例の第1の方法のように予備計測点を使用する方法においては、予備計測点をもとに低速移動領域を決めていた。このため、予備計測点と異なる点における低速移動距離の境界点は、予備計測点を用いて計算した概略値である。よって、このような点では、低速移動領域の境界点から被計測物までの距離(以下、低速移動距離)が、マージンと異なる。
低速移動距離がマージンよりも大きくなる場合、低速で移動する距離が増加するので、タッチダウン時間が増大する。
一方、低速移動距離がマージンよりも小さくなる場合、移動体が移動目標値を超えて移動する可能性がある。つまり、接触式プローブと被計測物が高速で接触する可能性がある。よって従来例では高速での接触を防ぐために、マージンを大きく設定しなければならない。このため低速移動距離が増加し、タッチダウン時間も増大する。
以上のように、従来例の予備計測点を使用する方法では、タッチダウン時間の短縮効果が低減されていた。
また、上述の従来例の第2の方法のように、被計測物の設計形状を使用する方法においては、設計形状をもとに低速移動領域を決めていた。このとき、設計形状の座標系は装置座標系と一致させる。しかし、被計測物の座標系とは一致していない。なぜなら、被計測物を計測するために所定位置に装着した時に、予め設定された位置・姿勢からの誤差(以下、セッティング誤差)が生じるからである。
従って、設計形状の座標系と被計測物の座標系には位置ずれ・姿勢ずれ(回転ずれ)が生じる。このため、設計形状と被計測物の形状にはずれが生じる。例えば、水平軸XY、垂直軸Zとする装置座標系において、設計形状と被計測物で、あるXY座標値におけるZ座標値が異なる。よって、設計形状にマージンを加えて設定した低速移動領域は、被計測物の形状にマージンを加えた場合とずれている。よって、低速移動領域がマージンと異なる。尚、上述した被計測物の座標系とは、被計測物のローカル座標系である。よって、第1の方法と同様に、マージンを大きく設定しなければならない。このため第2の方法によってもタッチダウン時間が増大する。
以上のように、従来例では、低速移動距離がマージンと大きく設定しなければならないことが原因で、タッチダウン時間短縮効果が低減されていた。
よって、本発明の目的は、低速移動距離とマージンの差を低減することにより、タッチダウン時間短縮効果を生かし、計測時間を短縮することである。
上記目的を達成するため、本発明の形状計測方法は、
形状計測装置を用いて被計測物を計測する計測方法において、プローブと被計測物を相対的に接近させるタッチダウン動作の際に、被計測物の設計形状もしくは予め得られている近似形状を参照形状とすること、形状計測装置に載置された被計測物の予備計測を行うことによって、被計測物の位置及び姿勢を取得すること、前記予備計測によって得られた被計測物の位置及び姿勢と参照形状に基づいて低速移動領域を定め、本計測のタッチダウン動作において低速移動領域内でプローブと被計測物を低速で相対的に接近させることを有することを特徴としている。
形状計測装置を用いて被計測物を計測する計測方法において、プローブと被計測物を相対的に接近させるタッチダウン動作の際に、被計測物の設計形状もしくは予め得られている近似形状を参照形状とすること、形状計測装置に載置された被計測物の予備計測を行うことによって、被計測物の位置及び姿勢を取得すること、前記予備計測によって得られた被計測物の位置及び姿勢と参照形状に基づいて低速移動領域を定め、本計測のタッチダウン動作において低速移動領域内でプローブと被計測物を低速で相対的に接近させることを有することを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、本発明の形状計測装置は、
被計測物を計測する形状計測装置において、被計測物の被計測面上でプローブを変位させる手段と、プローブと被計測物を相対的に接近させるタッチダウン動作の際に、被計測物の設計形状もしくは予め得られている近似形状を参照形状として記憶する記憶部と、形状計測装置に載置された被計測物の予備計測を行うことによって、被計測物の位置及び姿勢を取得する予備計測装置と、被計測物の位置及び姿勢と参照形状に基づいて低速移動領域を定め、本計測のタッチダウン動作において低速移動領域内でプローブと被計測物を低速で相対的に接近させる手段とを備えたことを特徴としている。
被計測物を計測する形状計測装置において、被計測物の被計測面上でプローブを変位させる手段と、プローブと被計測物を相対的に接近させるタッチダウン動作の際に、被計測物の設計形状もしくは予め得られている近似形状を参照形状として記憶する記憶部と、形状計測装置に載置された被計測物の予備計測を行うことによって、被計測物の位置及び姿勢を取得する予備計測装置と、被計測物の位置及び姿勢と参照形状に基づいて低速移動領域を定め、本計測のタッチダウン動作において低速移動領域内でプローブと被計測物を低速で相対的に接近させる手段とを備えたことを特徴としている。
本発明によると、予備計測したデータと参照形状を用いることにより、被計測物のセッティング誤差を起因とする、設計形状の座標系と被計測物の座標系のずれを低減することができる。本発明ではこの参照形状に基づき低速移動距離を設定するので、従来例の設計形状を使用する手法よりも、低速移動距離とマージンの差を小さくすることができる。
また、従来例の予備計測点を使用する手法と比較しても、本発明では予備計測点に加えて参照形状を使用するので、予備計測点と異なる点を想定する精度が上がる。よってこの点における予備計測点とマージンの差を小さくすることができる。
以上のように従来例よりも低速移動距離とマージンの差を小さくすることができるため、タッチダウン時間短縮効果を維持したまま、計測時間を短縮することができる。
本発明を実施するための形態を、図面に基づいて以下説明する。各図面において同一部分は同一符号で示してある。
図3は、本発明にかかる形状計測装置100の構成を表す説明図である。接触式プローブ43は垂直方向に移動可能なリニアガイド47に支持されている。さらに、リニアガイド47は、ハウジング42を介してプローブステージ41に保持されている。また、アクチュエータ48によって接触式プローブ43に所望の押しつけ力を発生する。干渉計44は接触式プローブ43の変位を計測し、データサンプリング装置45によって所定の時間間隔でサンプリングされ、コンピュータ46に格納される。このサンプリングデータが、形状計測装置100の計測データとなる。被計測物13は、形状計測装置100に載置されている。
プローブステージ41は、駆動装置49の駆動により3軸並進方向に移動する。これにより接触式プローブ43を被計測物13に相対的に接近及び接触させ、被計測物13の表面を倣い走査して形状を計測する。プローブステージ41はコンピュータ46に格納されたプログラム50に従って駆動される。接近動作の際には、接触式プローブ43の球状のヘッド17が被計測物13の被計測面16に接触したときの接触式プローブ43の変位をもって、接触式プローブ43と被計測物13が接触したことを判定し、接触式プローブ43の駆動を停止するようにプログラムされている。
コンピュータ46は、演算部、記憶部を備えた装置である。記憶部には、演算部を動作させるためのプログラム50や、被計測物13の設計形状等の参照形状を予め記憶している。また、演算部は、記憶部に格納されたプログラム50に基づいて各種処理を実行し、処理結果を記憶部に格納する。また、コンピュータ46はモニタ、キーボードなど不図示の外部機器に接続されている。作業者はこの外部機器を操作することにより、各種処理や動作を実行させる。
[第一実施例]
図1は、本発明の第一実施例のフローチャートである。また、図2は、本発明の第一実施例を示す概略図である。以下、図1のフローチャート中の各ステップについて、適宜図2の概略図を用いて説明する。
図1は、本発明の第一実施例のフローチャートである。また、図2は、本発明の第一実施例を示す概略図である。以下、図1のフローチャート中の各ステップについて、適宜図2の概略図を用いて説明する。
本発明の第一実施例では、参照形状は設計形状とする。設計形状とは、被計測物13を製作する際に使用する、被計測物13の形状を表す数式やCADデータであり、ここでは被計測物13の形状を表す多項式であるとする。また、図2(a)のように水平方向XY、垂直方向Zとするデカルト座標系を、不図示の形状計測装置100に対する既知の基準位置を原点として設ける。また、タッチダウンの際には、接触式プローブを−Z方向に移動させるものとする。
ここで、参照形状は、本計測の前に予め得られている被計測物13の概略の形状(近似形状)としても良い。予め得られている近似形状には、予め被計測物13を計測して取得した形状を用いる。または、被計測物13の低周波成分の情報など、設計形状の一部の情報を用いる。または設計形状と、予め計測した形状と、設計形状の一部の情報のうちいずれかを用いて、想定される被計測物13の形状を算出したものを参照形状として用いる。この参照形状の算出では、加工誤差、温度変形、経時劣化などのデータを用いて形状を補正する。
まず、参照形状に基づき、予備計測点XY座標値を指示する(S101:予備計測点指示工程)。ここでは、予備計測点XY座標値を、被計測物13の被計測面16内の点であるように指示する。これによって、予備計測点データを形状データの一部として扱うことができる。
次に、形状計測装置100を用いて、ヘッド17を被計測面16に接触させつつ走査し、プローブ43のZ座標を計測することで、予備計測点のZ座標値を計測させる(S102:予備計測工程)。
図2(a)に示すように、参照形状11から算出した図中の上三角で示した点列である計測点12と、図中の丸で示した点列である予備計測点23のZ座標値には差がある。これは、予備計測点23のZ座標値には、被計測物13の形状計測装置100に対するセッティング誤差、被計測物13の加工誤差などが含まれるためである。尚、参照形状11から算出した計測点12とは、S101で指示した予備計測点XY座標値における参照形状11のZ座標値を計算した結果得られる点である。以下、S102予備計測工程で取得した予備計測点23の集合を、予備計測データと呼ぶ。予備計測データは被計測物13を計測したデータであるのであり、係数の設定により形状が決まる多項式として被計測物13の位置・姿勢情報を含むデータとして扱うことができる。
次にコンピュータ46を用いて、予備計測データと参照形状をフィッティングすることにより、座標変換パラメータを計算する(S103:座標変換パラメータ計算工程)。この場合フィッティングとは、予備計測データと参照形状11の差を小さくする参照形状11の位置・姿勢に参照形状11を座標変換するための、座標変換パラメータを計算することを指す。フィッティングでは、座標変換パラメータを変数、各予備計測点23での参照形状11と予備計測データの差の二乗和を評価値として、最急降下法などの最適化法を使用する。
座標変換パラータとは、参照形状を座標変換するための、並進(dx、dy、dz)、回転(dθx、dθy、dθz)からなる計6つのパラメータである。尚、参照形状11と予備計測データの差とは、予備計測点23のZ座標値と、予備計測点XY座標値における参照形状11のZ座標値との差を指す。ここで、差を求める方向は、面法線方向など、任意の方向が考えられる。また、差の絶対値和などを評価値としてもよい。また、参照形状11を表す多項式の係数を変数としてフィッティングを行うことにより、予備計測データとの差が小さくなるような参照形状11を表す多項式の係数を求めてもよい。この際には、求めた係数を保存しておく。最適化の代わりに準最適化をしてもよい。また、重みづけして最適化を行ってもよい。
コンピュータ46は、座標変換パラメータを用いて参照形状を座標変換する(S104:座標変換工程)。ここで、S103において係数を変更するようにフィッティングした場合には、参照形状11を表す多項式の係数をS103で求めた係数に変更する。図2(b)のように、座標変換前はセッティング誤差の影響により、予備計測点23のデータと参照形状11との差が大きい。これに対し、座標変換した参照形状18と、予備計測点23のデータの差は小さくなる。
次にコンピュータ46は、接触式プローブ43の速度と減速性能に基づき、マージンを計算する(S105:マージン計算工程)。例えば、接触式プローブ43を移動目標の位置まで移動させたときの、目標位置からのずれを測定しておき、ずれと移動速度の関係を示すテーブルを予め作成しておく。S105ではこのテーブルの値を取り出し、さらに残差マージンを加えて、これをマージン14(図2(c))とする。
残差マージンとは、座標変換した参照形状18と、予備計測データとの差(以下、残差データ)を鑑みて、移動目標値を超えて移動しないように余裕を見て設定する距離である。例えば、残差データが正規分布に従うと考え、平均値ΔZaveとばらつきσΔZと表す時、ΔZave+6・σΔZを残差マージンとする。これによって統計学的に0.002ppmの安全率でタッチダウンできるように、低速移動領域を設定することができる。以上のように、統計学的に所望の安全率でタッチダウンできるというように、残差マージンを計算する。また、正規分布に従うことを仮定せずに、ノンパラメトリック法などを用いて計算してもよい。
本発明ではS104で座標変換を行った参照形状との残差を計算するため、従来例の設計形状を使用する方法よりも残差データが小さくなる。よって、マージン14を小さくすることができる。
また、予備計測点に加えて参照形状を使用して低速移動距離の境界点を計算するため、従来例の予備計測点を使用する方法よりも、予備計測点と異なる点のZ座標値を精度よく想定することができる。よって、マージン14を小さくすることができる。
以上より、S105で計算されるマージンを、従来例のマージン14よりも小さくすることができる。
次にコンピュータ46は、参照形状を、マージン14だけZ軸方向に並進移動する(S106:境界計算工程)。図2(c)のように、座標変換した参照形状11をZ方向にマージン14だけ並進移動することで、並進移動した参照形状15を得る。ここでは、座標変換した参照形状18をZ方向に並進移動したが、参照形状11の係数を変更してもよい。また、並進移動と係数の変更を併用してもよい。特に、接触式プローブが被計測面の面法線方向から接近してくるような場合、係数を変更することによって、面法線方向にマージンを設けると良い。
その後、コンピュータ46は、低速移動領域を設定する(S107:低速移動領域設定工程)。コンピュータ46は、S106で取得した並進移動した参照形状15を低速移動領域の境界と設定する。これにより、コンピュータ46は、本計測におけるタッチダウン動作を、低速移動領域の境界までは高速で、低速移動領域の境界から被計測物に接触するまで低速で行うように制御する。
最後に、本計測を行う(S108:本計測工程)。本計測におけるタッチダウン動作は、低速移動領域の境界までは高速で、低速移動領域の境界から被計測物13に接触するまで低速で行うように制御される。また、本計測では予めコンピュータ46中に格納したプログラム50に従い、接触式プローブ43を倣い走査する。プログラム50には、プローブステージ41を動作する順番に次の動作コマンドが記入してあり、プローブステージは記入された順番に動作する。動作コマンドには、移動コマンドと、タッチダウンコマンドと、走査コマンドと、テイクオフコマンドがある。
移動コマンドは、接触式プローブ43をタッチダウン点のXY座標に移動させるコマンドである。走査コマンドは、走査軌跡にしたがい、接触式プローブ43を移動させるXY座標値を被計測物の座標系で表し、列挙したものである。ここで座標系は装置座標系であってもよい。例えば、走査軌跡がXY座標系で直線のとき、走査軌跡の終点のXY座標値を走査コマンドとして記入する。これにより、接触式プローブはタッチダウンした点から、走査軌跡の終点までXY座標系で見て直線的に移動し、倣い走査する。
プログラム50中の動作コマンドと、接触式プローブ43の動作及び計測手順の関係を説明する。まず、移動コマンドに従い、接触式プローブ43をタッチダウン点のxy座標に移動させる。タッチダウン点は、走査軌跡の始点を指示する。次に、タッチダウンコマンドに従い、タッチダウン動作を行い、接触式プローブ43と被計測物13を接触させる。次に、走査コマンドに従い、接触式プローブ43が被計測物を倣い走査する。ここで、動作手順ファイル中に走査コマンドが連続して書かれている場合、接触式プローブ43は被計測物13に接触したまま移動する。これによって、走査軌跡の終点まで倣い走査し、計測する。次に、テイクオフコマンドに従い、テイクオフ動作を行う。テイクオフ後、移動コマンド、タッチダウンコマンドに従い、次の走査軌跡の始点に移動する。
作業者所望の走査軌跡だけ倣い走査を行って取得したデータを形状データとして、被計測物13の形状評価に用いる。尚、形状データに、S102で取得した予備計測データを含ませることによって、予備計測にかかる時間がキャンセルされる。例えば、本計測における走査軌跡のうち、最初の走査軌跡で予備計測することによって、本計測の最初の走査軌跡で計測する必要が無くなる。これによって、予備計測を行う時間がキャンセルされる
[第二実施例]
次に本発明の第二実施例を説明する。本発明の第二実施例では、まず、参照形状に基づき、予備計測点XY座標値を指示する(S101:予備計測点指示工程)。
次に本発明の第二実施例を説明する。本発明の第二実施例では、まず、参照形状に基づき、予備計測点XY座標値を指示する(S101:予備計測点指示工程)。
次に、予備の計測装置を用いて、予備計測点のZ座標値を予備計測させる(S102:予備計測工程)。これによって被計測物13の位置・姿勢情報を含む予備計測データを取得する。予備の計測装置には、静電容量式センサや、光学式センサなどの非接触センサを用いる。ここに被計測物13の位置・姿勢を高速に計測できる装置を使用することで、本発明の予備計測にかかる時間を短縮することができる。
本発明においては、予備計測で被計測物13の位置・姿勢を取得できればよい。よって、予備の計測装置には、形状計測装置100よりも低分解であっても、短時間で位置・姿勢を計測できる計測装置を用いることができる。これによって予備計測を短時間で行えるのである。これを満たす予備計測装置として、画像センサや計測レンジの長い近接センサなどがある。
その後、第一実施例に記述の工程S103、S104を行うことにより、参照形状の座標変換を行う。さらに、S105、S106を行うことにより、低速移動領域の設定を行う。更に、第一実施例と同様に、S107、S108を行うことにより、低速移動領域内で低速で、本計測を行い、形状データを取得する。
[第三実施例]
次に本発明の第三実施例を説明する。本発明の第三実施例では、まず、参照形状に基づき、予備計測点xy座標値を指示する(S101:予備計測点指示工程)。
次に本発明の第三実施例を説明する。本発明の第三実施例では、まず、参照形状に基づき、予備計測点xy座標値を指示する(S101:予備計測点指示工程)。
ここで、予備計測点XY座標値を、被計測物のうち、本計測しない箇所(以下、非本計測点)を指示する。または、被計測物を固定した部材を計測するように指示する。非本計測点は、例えば金型の外形や、レンズ保持のために作成された保持部分などがある。また、固定部材を予備計測する場合は、固定部材と被計測物の位置・姿勢の関係を予め取得しておくことで、固定部材の位置・姿勢から披計測物の位置・姿勢を計算できるようにしておく。
これらによって、被計測物の計測面形状の影響を受けずに被計測物の位置・姿勢を予備計測できる。例えば被計測面が球面の場合、姿勢ずれの計算が困難である。球面形状は傾いていても球面なので、フィッティングによる姿勢ずれが計算できないからである。このような場合、被計測物を固定した部材を計測するように指示すると、姿勢ずれを計算することができる。
また、被計測物13の被計測面形状が複雑なことによる誤差の増大が想定される場合にこれらの方法を用いると良い。例えば、被計測面形状が微細な段差形状を有する場合、フィッティングが困難である。これは、セッティング誤差があるため、1段目を計測したデータに対して、参照式の2段目のZ座標値との残差をとるようなことがあるためである。このような残差は、参照式の位置・姿勢の変化に応じて急激に変化する。よって、この残差を小さくするような参照式の位置・姿勢を計算するとき、最適化計算が局所解に陥り、所望の効果が得られない。よって、被計測面形状が微細な段差形状を有する場合、フィッティングには特殊な処理が必要である。これに対し、非本計測面または固定部材を予備計測することで、特殊な処理を行わずに位置・姿勢を求めることができる。
尚、固定部材を予備計測するように指示した場合、固定部材の材質を任意に選択することによって、被計測物の材質の違いによるセンサ誤差を防ぐことができる。
その後、第一実施例または第二実施例に記述の工程S102を行うことにより、被計測物の位置・姿勢情報を含む予備計測データを取得する。さらに、S103、S104を行うことにより、参照形状の座標変換を行う。さらに、S105、S106を行うことにより、低速移動領域の設定を行う。更に、第一実施例と同様に、S107、S108を行うことにより、低速移動領域内で低速で、本計測を行い、形状データを取得する。
以上説明した本発明の各実施例では、接触式プローブを用いて計測しているが、本発明は非接触式プローブを用いた計測にも適用できることは言うまでもない。
11:参照形状
12:参照形状から算出した計測点
13:被計測物
14:マージン
15:並進移動した参照形状
18:座標変換した参照形状
23:予備計測点
41:プローブステージ
42:ハウジング
43:接触式プローブ
44:干渉計
45:データサンプリング装置
46:コンピュータ
47:リニアガイド
48:アクチュエータ
49:駆動装置
50:プログラム
12:参照形状から算出した計測点
13:被計測物
14:マージン
15:並進移動した参照形状
18:座標変換した参照形状
23:予備計測点
41:プローブステージ
42:ハウジング
43:接触式プローブ
44:干渉計
45:データサンプリング装置
46:コンピュータ
47:リニアガイド
48:アクチュエータ
49:駆動装置
50:プログラム
Claims (10)
- 形状計測装置を用いて被計測物を計測する計測方法であって、
プローブと被計測物を相対的に接近させるタッチダウン動作の際に、被計測物の設計形状もしくは予め得られている被計測物の近似形状を参照形状とし、
形状計測装置に載置された被計測物の予備計測を行うことによって、被計測物の位置及び姿勢を取得し、
前記予備計測によって得られた被計測物の位置または姿勢を示す予備計測点と前記参照形状に基づいて低速移動領域を定め、本計測のタッチダウン動作においては低速移動領域内でプローブと被計測物を低速移動領域内でのプローブの移動速度と比べ低速で相対的に接近させ、
る形状計測方法。 - 前記予備計測を行うことによって被計測物の形状を表す多項式の係数を取得し、取得した係数に基づいて、参照形状を表す多項式の係数を変更する請求項1に記載の形状計測方法。
- 前記プローブは接触式プローブである請求項1または2に記載の形状計測方法。
- 前記プローブは非接触式プローブである請求項1または2に記載の形状計測方法。
- 前記参照形状は、予め得られた被計測物の近似形状である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の形状計測方法。
- 被計測物を計測する形状計測装置であって、
プローブと、
被計測物の被計測面に対して前記プローブを変位させる手段と、
前記プローブと前記被計測物を相対的に接近させるタッチダウン動作の際に、前記被計測物の設計形状もしくは予め得られている被計測物の近似形状を参照形状として記憶する記憶部と、
形状計測装置に載置された被計測物の予備計測を行うことによって、被計測物の位置及び姿勢を示す予備計測点を取得する予備計測装置と、
被計測物の位置及び姿勢を示す予備計測点と参照形状に基づいて低速移動領域を定め、本計測のタッチダウン動作において低速移動領域内でプローブと被計測物を低速で相対的に接近させる手段とを備えた形状計測装置。 - 前記プローブは接触式プローブである請求項6に記載の形状計測装置。
- 前記プローブは非接触式プローブである請求項6に記載の形状計測装置。
- 前記参照形状は、予め得られた被計測物の近似形状である請求項6乃至8のいずれか1項に記載の形
- 前記予備計測装置は、画像センサまたは近接センサである請求項6乃至9のいずれか1項に記載の形状計測装置。
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2012
- 2012-12-28 JP JP2012287556A patent/JP2014130060A/ja active Pending
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