JP2014129888A - 合成樹脂製スラスト滑り軸受 - Google Patents

合成樹脂製スラスト滑り軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】合成樹脂製の上、下部ケースと上、下部ケース間に配される合成樹脂製のスラスト滑り軸受片とからなるスラスト滑り軸受であって、低摩擦性を長期間にわたって維持し得ると共に、摺動時のスティックスリップ現象の発生を防止し得、スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生を防止し得る合成樹脂製スラスト滑り軸受を提供すること。
【解決手段】合成樹脂製スラスト滑り軸受1は、合成樹脂製の上部ケース100と、合成樹脂製の下部ケース200と、上部ケース100及び下部ケース200間に配される合成樹脂製のスラスト滑り軸受片300とを具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、とくに四輪自動車におけるストラット型サスペンション(マクファーソン式)のスラスト滑り軸受として組込まれて好適な合成樹脂製スラスト滑り軸受に関する。
一般にストラット型サスペンションは主として四輪自動車の前輪に用いられ、主軸と一体となった外筒の中に油圧式ショックアブソーバを内蔵したストラットアッセンブリにコイルばねを組み合わせたものである。上記サスペンションは、(1)ストラットの軸線に対してコイルばねの軸線を積極的にオフセットさせ、該ストラットに内蔵されたショックアブソーバのピストンロッドの摺動を円滑に行わせる構造と、(2)ストラットの軸線に対してコイルばねの軸線を一致させて配置させる構造とがある。いずれの構造においても、ステアリング操作によりストラットアッセンブリがコイルばねと共に回転するさい、当該回転を円滑に許容するべく車体の取付け部材とコイルばねの上部バネ座シートとの間にスラスト軸受が配されている。
実公平4−52488号公報 実公平2−1532号公報 実公平2−6263号公報
そして、このスラスト軸受には、ボールもしくはニードルを使用したころがり軸受又は合成樹脂製の滑り軸受が使用されている。しかしながら、ころがり軸受は、微小揺動及び振動荷重等によりボールもしくはニードルに疲労破壊を生ずる虞があり、円滑なステアリング操作を維持し難いという問題がある。滑り軸受は、ころがり軸受に比べて摩擦トルクが高く、ステアリング操作を重くするという問題がある。さらに、いずれの軸受においても、摺動面への塵埃等異物の侵入を防止すべく装着されたゴム弾性体からなるダストシールの摩擦力が高いことに起因するステアリング操作を重くするという問題、とくに合成樹脂製の滑り軸受においてはステアリング操作を一層重くするという問題がある。
上記問題点を解決するべく本出願人は、合成樹脂製の上部ケースと合成樹脂製の下部ケースと上、下部ケース間に合成樹脂製のスラスト滑り軸受片を配すると共に、上、下部ケースを弾性装着(スナップフィット)によって組み合わせ、上、下部ケース間に弾性装着部と内周面側及び外周面側にラビリンス作用による密封部を形成して当該密封部により軸受摺動面への塵埃等異物の侵入を防止したスラスト軸受を提案した(特許文献1、特許文献2及び特許文献3所載)。
これを図で説明するとつぎのとおりである。図14及び図15において、車体側にマウントインシュレータを介して固定された車体側取付け部材Xと、車体側取付け部材Xの下面X1と対面し、一端で車体側取付け部材Xに固定されたピストンロッドPの外周面P1を囲繞して配されていると共にコイルばねC用の上部バネ座シートQの平坦な上面Q1との間に配置される合成樹脂製スラスト滑り軸受1は、合成樹脂製の上部ケース10と、合成樹脂製の下部ケース20と、上、下部ケース10、20間に配された合成樹脂製のスラスト滑り軸受片30とを具備している。上部ケース10は、中央部に円孔11を有する環状平板状部12と、環状平板状部12の外周縁に一体的に形成された円筒垂下部13と、円筒垂下部13の端部内周面にフック状の環状係合部14とを備えており、下部ケース20は、円孔21を規定する内周面を有する円筒部22と、円筒部22の外周面に円筒部22の一部24を突出させて一体的に形成された環状平板状部25と、環状平板状部25の外周縁に一体的に形成された円筒突起26と、円筒突起26の端部外周面に形成された被環状係合部27とを備えており、上部ケース10は環状係合部14を被環状係合部27に弾性装着させて、下部ケース20に組み合わされている。
これら合成樹脂製スラスト滑り軸受においては、摺動面間に潤滑グリースの介在のもと、摺動面を囲繞して装着されたゴム弾性体からなるダストシールを不要とし、当該ダストシールに起因するステアリング操作の増大という問題点を解決することができ、また摺動面への塵埃等異物の侵入を極力防止して安定した、かつ円滑なステアリング操作力を得ることができるものである。
しかしながら、上記スラスト滑り軸受における上、下部ケースと上、下部ケース間に配されるスラスト滑り軸受片とを形成する合成樹脂の組み合わせ、及びこれら合成樹脂の組み合わせに加えて、上、下部ケースと上、下部ケース間に配されるスラスト滑り軸受片との摺動界面に介在する潤滑グリースとの組み合わせによって、上、下部ケースとスラスト滑り軸受片との間にスティックスリップ(付着−滑り)現象を生じ、往々にしてスティックスリップに起因する異常摩擦音を発生するという問題が新たに見出された。
このスティックスリップ現象は、摩擦係数が滑り速度の増加とともに減少するときや静摩擦から動摩擦に移行するさいの不連続的な摩擦低下を含むときに発生することがあり、その周期は滑り速度や系の弾性的性質などによって決まるものである。但し、単に摩擦の速度特性だけでなく、摩擦面間の微視的な凝着部の形成、破断も関係するといわれている。
この観点から上記特許文献1ないし特許文献3を考察すると、これら特許文献には、スティックスリップ現象を回避するべく、スラスト滑り軸受片としてポリエチレン樹脂を使用する例と、潤滑グリースとしてシリコーングリースを使用する例が記載されており、その組み合わせにおいては低摩擦性を発揮し、長期間にわたって安定した操舵力を維持することができることが記載されている。
しかしながら、ポリエチレン樹脂は触媒や重合法を変えると密度、メルトフローレート(MFR)、結晶度、分岐度、架橋度、分子量分布などの性質を広い範囲にわたって調節できる樹脂であり、低分子量、中分子量、高分子量〔低密度(LDPE)、中密度(MDPE)、高密度(HDPE)〕又は超高分子量に分類されており、合成樹脂同志の摺動において、全てのポリエチレン樹脂がスラスト滑り軸受片として有効に機能するものではないことを本発明者らは各種の性能評価試験を通して確認している。
本発明者らは上記実情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、スラスト滑り軸受片を特定のポリエチレン樹脂で形成し、このスラスト滑り軸受片又はこのスラスト滑り軸受片と潤滑グリース、好ましくは特定のシリコーングリースとの組み合わせにおいて、スティックスリップを生じることなく低摩擦性を発揮し、長期間にわたって安定した操舵力を維持することができることを見出した。
本発明は上記知見に基づきなされたものであり、その目的とするところは、合成樹脂製の上、下部ケースと上、下部ケース間に配される合成樹脂製のスラスト滑り軸受片とからなるスラスト滑り軸受であって、低摩擦性を長期間にわたって維持し得ると共に、摺動時のスティックスリップ現象の発生を防止し得、スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生を防止し得る合成樹脂製スラスト滑り軸受を提供することにある。
本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受は、上部環状平板状部を有する合成樹脂製の上部ケースと、この上部ケースに当該上部ケースの軸心回りで回転自在となるように重ね合わされていると共に上部環状平板状部に対面した下部環状平板状部、この下部環状平板状部に同心に配された第一及び第二の環状突起並びにこの第一及び第二の環状突起で囲まれた下部環状凹所を有する合成樹脂製の下部ケースと、下部環状凹所に配されて下部環状凹所の底面を規定する下部環状平板状部の上面及び上部環状平板状部の下面と摺接すると共に中央部に円孔を有する円板からなる合成樹脂製のスラスト滑り軸受片と、下部環状凹所の底面を規定する下部環状平板状部の上面及び上部環状平板状部の下面とこれら上面及び下面に夫々摺接するスラスト滑り軸受片の上面及び下面との摺動界面に介在する潤滑グリースとを具備しており、上部ケースは、その外周縁で下部ケースの外周縁に弾性装着させて、下部ケースに組合わされてなる合成樹脂製スラスト滑り軸受であって、該スラスト滑り軸受片は、密度が0.925〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分であるポリエチレン樹脂からなることを特徴とする。
本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受によれば、スラスト滑り軸受片は、密度が0.930〜0.970g/cm、好ましくは0.930〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分、好ましくは0.1〜15g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されている。このような溶融粘度のポリエチレン樹脂を用いることにより、成形面ではモールドデポジットの抑制効果が充分に発揮され、さらに安定性の向上効果が得られる。また摺動特性においては、相手材を合成樹脂とした場合、低摩擦性を発揮し、スティックスリップ現象を発生することなく長期間にわたり円滑な摺動が行われ、当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もない。
ここで上記ポリエチレン樹脂の具体例を挙げると、密度0.935g/cm、メルトフローレート5g/10分を示す日本ポリエチレン社製の「ノバテックUJ960(商品名)」、密度0.961g/cm、メルトフローレート12g/10分を示すプライムポリマー社製の「ハイゼックス1300J(商品名)」、密度0.953g/cm、メルトフローレート5.8g/10分を示すプライムポリマー社製の「ハイゼックス2100J(商品名)」、密度0.955g/cm、メルトフローレート18g/10分を示すプライムポリマー社製の「ハイゼックス1608J(商品名)」、密度0.964g/cm、メルトフローレート7g/10分を示す日本ポリエチレン社製の「ノバテックHJ560(商品名)」、密度0.951g/cm、メルトフローレート7g/10分を示す旭化成ケミカルズ社製の「サンテックJ340(商品名)」、密度0.938g/cm、メルトフローレート0.2g/10分を示す日本ポリエチレン社製の「ノバテックHD HB120R(商品名)」、密度0.957g/cm、メルトフローレート0.25g/10分を示す日本ポリエチレン社製の「ノバテックHD HB424R(商品名)」、密度0.956g/cm、メルトフローレート0.25g/10分を示す旭化成ケミカルズ社製の「サンテックHD B970(商品名)」、密度0.957g/cm、メルトフローレート0.16g/10分を示す旭化成ケミカルズ社製の「サンテックHD B891(商品名)」などである。
本発明において、前記下部環状凹所の底面を規定する下部環状平板状部の上面及び上部環状平板状部の下面とこれら上面及び下面に夫々摺接する上記特定のポリエチレン樹脂からなるスラスト滑り軸受片との下面及び上面との摺動界面に介在する潤滑グリースとしては、とくに基油がシリコーン油であって、25℃における動粘度が100cSt以上、500000cSt以下であり、これに増ちょう剤を含有して混合ちょう度を200以上、400以下としたシリコーングリースとの組み合わせであることが好ましく、更には、基油がシリコーン油であって、25℃における動粘度が1000cSt以上、100000cSt以下であり、これに増ちょう剤を含有して混合ちょう度を250以上、350以下としたシリコーングリースとの組み合わせであることが好ましい。
このように、合成樹脂製の上部ケース及び下部ケースと上部ケース及び下部ケースと間に配される密度が0.925〜0.970g/cm、好ましくは0.930〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分、好ましくは0.1〜15g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されているスラスト滑り軸受片との摺動界面に、基油がシリコーン油であって、25℃における動粘度が100cSt以上、500000cSt以下であり、これに増ちょう剤を含有して混合ちょう度を200以上、400以下、好ましくは250以上、350以下としたシリコーングリースが介在したスラスト滑り軸受においては、スラスト滑り軸受片自体の低摩擦性と相俟って、一層の低摩擦性を長期間にわたって発揮して円滑な摺動が行われ、摺動時にスティックスリップ現象を発生することなく、当該スティックスリップ現象の発生に起因する異常摩擦音を発生することもない。
本発明の好ましい例では、上部環状平板状部は、中央部に円孔を有しており、下部環状平板状部は、中央部に上部環状平板状部の円孔と連通する円孔を有しており、上部ケースは、上部環状平板状部の外周縁に一体に形成された円筒垂下部と、この円筒垂下部の内周面に形成された環状係合部とを備えており、下部ケースは、第二の環状突起の外周面に形成された被環状係合部を備えており、第一の環状突起は、下部環状平板状部の円孔と同径の内径を有して下部環状平板状部の上面に一体的に形成されており、第二の環状突起は、第一の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の外周縁に一体に形成されていると共に第一の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部環状凹所を形成しており、上部ケースは、環状係合部を被環状係合部に弾性装着させて下部ケースに組み合わされている。
本例の合成樹脂製スラスト滑り軸受では、環状係合部の被環状係合部への弾性装着によって上部ケース及び下部ケースが互いに組み合わされているので、その組立作業を極めて簡単に行うことができる。
本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受の好ましい他の例では、スラスト滑り軸受片の中央部の円孔を規定する内周面は、第一の環状突起の外径よりも大きな内径を有しており、スラスト滑り軸受片の外周面は、第二の環状突起の内径よりも小さな外径を有しており、スラスト滑り軸受片は、その円孔を規定する内周面と第一の環状突起の外周面との間及びその外周面と環状係合突起の内周面との間に夫々環状隙間をもって下部環状凹所に配されており、これら環状隙間の夫々に潤滑グリースが充填保持されている。
斯かる例の合成樹脂製スラスト滑り軸受によれば、スラスト滑り軸受片は、密度が0.925〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されているので、該スラスト滑り軸受片が配される合成樹脂製の上部ケース及び下部ケース間において低摩擦性を発揮すると共に該スラスト滑り軸受片の下面と下部環状凹所の底面を規定する下部環状平板状部の上面との摺動界面に常時潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが供給されるので、前記スラスト滑り軸受片自身の低摩擦性と該潤滑グリースの低摩擦性との相乗効果により一層の低摩擦性を発揮し、摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく長期間にわたり円滑な摺動が行われ、当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もない。
本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受の更に好ましい他の例では、上部環状平板状部は、中央部に円孔を有しており、下部環状平板状部は、中央部に上部環状平板状部の円孔と連通する円孔を有しており、上部ケースは、上部環状平板状部の円孔の周縁から径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の下面に一体に形成された第一の円筒垂下部と、この第一の円筒垂下部と協働して上部外側環状溝を形成するように、第一の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第二の円筒垂下部と、この第二の円筒垂下部の内周面に形成された環状係合部とを備えており、下部ケースは、第二の環状突起と協働して下部外側環状溝を形成するように、第二の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第三の環状突起と、この第三の環状突起の外周面に形成された被環状係合部とを備えており、第一の環状突起は、下部環状平板状部の円孔と同径の内径を有して下部環状平板状部の上面に一体に形成されており、第二の環状突起は、第一の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の上面に一体に形成されていると共に第一の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部環状凹所を形成しており、上部ケースは、第一の円筒垂下部の端部を下部外側環状溝に配して第二の環状突起及び第三の環状突起の夫々と径方向に重畳させ、環状係合部を被環状係合部に弾性装着させて、下部ケースに組み合わされている。
本例の合成樹脂製スラスト滑り軸受によれば、第一の円筒垂下部と第二の環状突起及び第三の環状突起との重畳部及び環状係合部と被環状係合部との弾性装着部にラビリンス作用による密封部が形成される結果、上部ケース及び下部ケース間、ひいては上部ケース及び下部ケースと上部ケース及び下部ケース間に配されるスラスト滑り軸受片との摺動界面への塵埃等異物の侵入が防止されるので、常時円滑な摺動が行われる。
斯かる合成樹脂製スラスト滑り軸受において、スラスト滑り軸受片の中央部の円孔を規定する内周面は、第一の環状突起の外径よりも大きな内径を有しており、スラスト滑り軸受片の外周面は、第二の環状突起の内径よりも小さな外径を有しており、スラスト滑り軸受片は、その円孔を規定する内周面と第一の環状突起の外周面との間及びその外周面と第二の環状突起の内周面との間の夫々に環状隙間をもって下部環状凹所に配されており、これら環状隙間及び下部環状溝の夫々に潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが充填保持されていてもよい。
本合成樹脂製スラスト滑り軸受によれば、スラスト滑り軸受片は、密度が0.925〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されているので、該スラスト滑り軸受片が配される合成樹脂製の上部ケース及び下部ケース間において低摩擦性を発揮すると共に該スラスト滑り軸受片の下面と下部ケースの下部環状凹所の底面を規定する下部環状平板状部の上面との摺動界面に常時潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが供給されるので、スラスト滑り軸受片自身の低摩擦性と該潤滑グリースの低摩擦性との相乗効果により一層の低摩擦性を発揮し、摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく長期間にわたり円滑な摺動が行われ、当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もない。また下部外側環状溝に潤滑グリースが充填保持されることにより、環状係合部と被環状係合部との弾性装着部から侵入した塵埃等の異物は、当該下部外側環状溝に充填保持された潤滑グリースに捕獲されて摺動界面への侵入が阻止されるので、塵埃等異物の侵入に対し、ラビリンス作用による密封部とで二重の防止効果が発揮される。
本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受の更に好ましい他の例では、上部環状平板状部は、中央部に円孔を有しており、下部環状平板状部は、中央部に上部環状平板状部の円孔と連通する円孔を有しており、上部ケースは、上部環状平板状部の円孔と同径の内径をもって上部環状平板状部の下面に一体に形成された第一の円筒垂下部と、この第一の円筒垂下部の外周面と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の下面に一体に形成されていると共に第一の円筒垂下部及び上部環状平板状部の下面と協働して上部環状凹所を形成する第二の円筒垂下部と、この第二の円筒垂下部と協働して上部環状溝を形成するように、第二の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第三の円筒垂下部と、この第三の円筒垂下部の内周面に形成された環状係合部とを備えており、下部ケースは、第二の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部外側環状溝を形成するように、第二の環状突起の外周面と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第三の環状突起と、この第三の環状突起の外周面に形成された被環状係合部とを備えており、第一の環状突起は下部環状平板状部の円孔から環状肩部を介して径方向外方に離れて下部環状平板状部の上面に一体に形成されており、第二の環状突起は第一の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の上面に一体に形成されていると共に第一の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部環状凹所を形成しており、上部ケースは、第一の円筒垂下部を第一の環状突起と径方向に重畳させ、第二の円筒垂下部の端部を下部外側環状溝に配して第二の環状突起及び第三の環状突起の夫々と径方向に重畳させ、環状係合部を被環状係合部に弾性装着させて、下部ケースに組み合わされてなる態様であってもよい。
本例の合成樹脂製スラスト滑り軸受によれば、第一の円筒垂下部と第一の環状突起との重畳部、第二の円筒垂下部と第二の環状突起及び第三の環状突起との重畳部及び環状係合部と被環状係合部との弾性装着部にラビリンス作用による密封部が形成される結果、上部ケース及び下部ケース間、ひいては上部ケース及び下部ケースと上部ケース及び下部ケース間に配されるスラスト滑り軸受片との摺動界面への塵埃等異物の侵入が防止されるので、常時円滑な摺動が行われる。
本例の合成樹脂製スラスト滑り軸受においても、スラスト滑り軸受片の中央部の円孔を規定する内周面は、第一の環状突起の外径よりも大きな内径を有しており、スラスト滑り軸受片の外周面は、第二の環状突起の内径よりも小さな外径を有しており、スラスト滑り軸受片は、その円孔を規定する内周面と第一の環状突起の外周面との間及びその外周面と第二の環状突起の内周面との間の夫々に環状溝をもって下部環状凹所に配されており、これら環状隙間及び下部外側環状溝の夫々に潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが充填保持されているとよい。
斯かる合成樹脂製スラスト滑り軸受においても、スラスト滑り軸受片は、密度が0.925〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されているので、該スラスト滑り軸受片が配される合成樹脂製の上部ケース及び下部ケース間において低摩擦性を発揮すると共に該スラスト滑り軸受片の下面と下部ケースの下部環状凹所の底面を規定する下部環状平板状部の上面との摺動界面に常時潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが供給されるので、スラスト滑り軸受片自身の低摩擦性と該潤滑グリースの低摩擦性との相乗効果により一層の低摩擦性を発揮し、摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく長期間にわたり円滑な摺動が行われ、当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もない。また下部外側環状溝に潤滑グリースが充填保持されることにより、環状係合部と被環状係合部との弾性装着部から侵入した塵埃等の異物は、当該下部外側環状溝に充填保持された潤滑グリースに捕獲されて摺動界面への侵入が阻止されるので、塵埃等異物の侵入に対し、ラビリンス作用による密封部とで二重の防止効果が発揮される。
本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受の更に好ましい例では、上部環状平板状部は、中央部に円孔を有しており、下部環状平板状部は、中央部に上部環状平板状部の円孔と連通する円孔を有しており、上部ケースは、上部環状平板状部の円孔と環状肩部を介して上部環状平板状部の下面に一体に形成された第一の円筒垂下部と、この第一の円筒垂下部の外周面と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の下面に一体に形成されていると共に第一の円筒垂下部及び上部環状平板状部の下面と協働して上部環状凹所を形成する第二の円筒垂下部と、この第二の円筒垂下部と協働して上部外側環状溝を形成するように、第二の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第三の円筒垂下部と、この第三の円筒垂下部の内周面に形成された環状係合部とを備えており、下部ケースは、下部環状平板状の円孔と同径の内径をもって下部環状平板状部に一体に形成された第三の環状突起と、第二の環状突起と協働して下部外側環状溝を形成するように、第二の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第四の環状突起と、この第四の環状突起の外周面に形成された被環状係合部とを備えており、第一の環状突起は、第三の環状突起と協働して下部内側環状溝を形成するように、第三の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の上面に一体に形成されており、第二の環状突起は、第一の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の上面に一体に形成されていると共に第一の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部環状凹所を形成しており、上部ケースは、第一の円筒垂下部の端部を下部内側環状溝に配して第一の環状突起及び第三の環状突起と径方向に夫々重畳させ、第二の円筒垂下部の端部を下部外側環状溝に配して第二の環状突起及び第四の環状突起の夫々と径方向に重畳させ、環状係合部を被環状係合部に弾性装着させて、下部ケースに組み合わされてなる。
本例の合成樹脂製スラスト滑り軸受によれば、第一の円筒垂下部と第一の環状突起及び第三の環状突起との重畳部、第二の円筒垂下部と第二の環状突起及び第四の環状突起との重畳部及び環状係合部と被環状係合部との弾性装着部に夫々ラビリンス作用による密封部が形成される結果、上部ケース及び下部ケース間、ひいては上部ケース及び下部ケースと上部ケース及び下部ケース間に配されるスラスト滑り軸受片との摺動界面への塵埃等異物の侵入が防止されるので、常時円滑な摺動が行われる。
本例の合成樹脂製スラスト滑り軸受において、スラスト滑り軸受片の中央部の円孔を規定する内周面は、第一の環状突起の外径よりも大きな内径を有しており、スラスト滑り軸受片は、その円孔を規定する内周面と第一の環状突起の外周面との間及びその外周面と第二の環状突起の内周面との間に夫々環状隙間をもって下部環状凹所に配されており、これら環状隙間、下部内側環状溝及び下部外側環状溝に夫々前記潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが充填保持されていてもよい。
斯かる合成樹脂製スラスト滑り軸受によれば、スラスト滑り軸受片は、密度が0.925〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されているので、該スラスト滑り軸受片が配される合成樹脂製の上部ケース及び下部ケース間において低摩擦性を発揮すると共に該スラスト滑り軸受片の下面と下部ケースの下部環状凹所の底面を規定する下部環状平板状部の上面との摺動界面に常時潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが供給されるので、スラスト滑り軸受片自身の低摩擦性と該潤滑グリースの低摩擦性との相乗効果により一層の低摩擦性を発揮し、摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく長期間にわたり円滑な摺動が行われ、当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もない。また下部内側環状溝と下部外側環状溝に夫々潤滑グリースが充填保持されることにより、環状係合部と被環状係合部との弾性装着部または内径側のラビリンス部から侵入した塵埃等の異物は、当該下部内側環状溝及び下部外側環状溝に充填保持された潤滑グリースに捕獲されて摺動界面への侵入が阻止されるので、塵埃等異物の侵入に対し、内径側及び外径側においてラビリンス作用による密封部とで二重の防止効果が発揮される。
更に本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受の好ましい他の例において、上部環状平板状部は、中央部に円孔を有しており、下部環状平板状部は、中央部に上部環状平板状部の円孔と連通する円孔を有しており、上部ケースは、上部環状平板状部の円孔と同径の内径をもって上部環状平板状部の下面に一体に形成された第一の円筒垂下部と、この第一の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の下面に一体に形成されていると共に第一の円筒垂下部の外周面と協働して上部内側環状溝を形成する第二の円筒垂下部と、この第二の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の下面に一体に形成されていると共に第二の円筒垂下部及び上部環状平板状部の下面と協働して上部環状凹所を形成する第三の円筒垂下部と、この第三の円筒垂下部と協働して上部外側環状溝を形成するように、第三の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第四の円筒垂下部と、この第四の円筒垂下部の端部の内周面に形成された環状係合部とを備えており、下部ケースは、下部環状平板状部の円孔から環状肩部を介して径方向外方に離れて下部環状平板状部の上面に一体に形成された第三の環状突起と、第二の環状突起と協働して下部外側環状溝を形成するように、第二の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第四の環状突起と、この第四の環状突起の端部の外周面に形成された被環状係合部とを備えており、第一の環状突起は、第三の環状突起と協働して下部内側環状溝を形成するように、第三の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の上面に一体に形成されており、第二の環状突起は、下部環状平板状部の上面に第一の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて一体に形成されていると共に第一の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部環状凹所を形成しており、上部ケースは、第一の円筒垂下部を下部ケースの環状肩部に臨ませて第三の環状突起の端部と径方向に重畳させ、第二の円筒垂下部の端部を下部内側環状溝に配して第一の環状突起及び第三の環状突起と径方向に夫々重畳させ、第三の円筒垂下部の端部を下部外側環状溝に配して第二の環状突起及び第四の環状突起の夫々と径方向に夫々重畳させ、環状係合部を被環状係合部に弾性装着させて、下部ケースに組み合わされてなっている。
斯かる合成樹脂製スラスト滑り軸受の例でも、第一の円筒垂下部と第三の環状突起との重畳部、第二の円筒垂下部と第一の環状突起及び第三の環状突起との重畳部、第三の円筒垂下部と第二の環状突起及び第四の環状突起との重畳部及び環状係合部と被環状係合部との弾性装着部にラビリンス作用による密封部が形成される結果、上部ケース及び下部ケース間、ひいては上部ケース及び下部ケースと上部ケース及び下部ケース間に配されるスラスト滑り軸受片との摺動界面への塵埃等異物の侵入が防止されるので、常時円滑な摺動が行われる。
上記の合成樹脂製スラスト滑り軸受の例においても、スラスト滑り軸受片の中央部の円孔を規定する内周面は、第一の環状突起の外径よりも大きな内径を有しており、スラスト滑り軸受片の外周面は、第二の環状突起の内径よりも小さな外径を有しており、スラスト滑り軸受片は、その円孔を規定する内周面と第一の環状突起との外周面との間及びその外周面と第二の環状突起の内周面との間に夫々環状隙間をもって下部環状凹所に配されており、これら環状隙間、下部内側環状溝及び下部外側環状溝に夫々潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが充填保持されている態様であってもよい。
本合成樹脂製スラスト滑り軸受の例でも、スラスト滑り軸受片は、密度が0.925〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されているので、該スラスト滑り軸受片が配される合成樹脂製の上部ケース及び下部ケース間において低摩擦性を発揮すると共に該スラスト滑り軸受片の下面と下部ケースの下部環状凹所の底面を規定する下部環状平板状部の上面との摺動界面に常時潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが供給されるので、スラスト滑り軸受片自身の低摩擦性と該潤滑グリースの低摩擦性との相乗効果により一層の低摩擦性を発揮し、摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく長期間にわたり円滑な摺動が行われ、当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もない。また下部内側環状溝と下部外側環状溝に夫々潤滑グリースが充填保持されることにより、環状係合部と被環状係合部との弾性装着部又は内径側のラビリンス部から侵入した塵埃等の異物は、当該下部内側環状溝及び下部外側環状溝に充填保持された潤滑グリースに捕獲されて摺動界面への侵入が阻止されるので、塵埃等異物の侵入に対し、内径側及び外径側においてラビリンス作用による密封部とで二重の防止効果が発揮される。
本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受では、スラスト滑り軸受片は、その上面及び下面に円孔を囲む環状溝と、一端が環状溝に開口し、他端が外周面で開口して円周方向に沿って形成された複数個の放射状溝を具備していてもよく、また下部ケースは、その下面に下部環状平板状部の円孔と同径の内径を有して一体に形成された円筒部を備えていてもよい。
下部ケースの下面に円孔と同径の内径を有して一体に形成された円筒部を備えた合成樹脂製スラスト滑り軸受によれば、当該スラスト滑り軸受の上部バネ座シートへの取付けにあたり、上部バネ座シートに形成された取付け孔に円筒部を挿入することにより行うことができるので、その取付け作業性が極めて簡単になる。
本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受では、上部ケースの軸心から下部環状凹所に配されたスラスト滑り軸受片の外周面までの径方向の長さをrとし、上部環状平板状部の円孔を規定する内周面における肉厚をtとしたとき、上部ケースは、その上面に、当該上部ケースの軸心を中心とした半径(R)がR=r±tの範囲の円形外周縁をもった円環状平面を有している態様であってもよい。
上記態様の合成樹脂製スラスト滑り軸受によれば、上部ケースが上面に上記関係式を満足する環状平面を有しているために、円環状平面においてのみ車体側取付け部材の下面と接触し、その他部位では車体側取付け部材の下面と空間を保持して配することができるために、車体側取付け部材に傾き等の変動荷重が作用した場合でも、上部ケースと下部ケースとの異常な干渉を避けることができ、上部ケースと下部ケースとにおける変形、損傷、折損等の不具合を生じることはない、という効果が付加される。
上式において、R=r−tの長さより小さい長さの円形外周縁を有する円環状平面では、合成樹脂製スラスト滑り軸受におけるスラスト滑り軸受片に過度の荷重が負荷されることになり、スラスト滑り軸受片にクリープ等を惹起させて低摩擦性や耐摩耗性を低下させることになる。またR=r+tの長さより大きい長さの円形外周縁を有する円環状平面では、車体側取付け部材に傾き等の変動荷重が作用した場合、上部ケースと下部ケースとが異常に干渉する虞があり、上部ケースと下部ケースとに変形、損傷、折損等の不具合を生じる虞がある。したがって、上部ケースの上面に形成される円環状平面は、好ましくは、上部ケースの軸心を中心とした半径(R)が、R=r±tの範囲長さの円形外周縁を有し、より好ましくは半径(R)が、R=rの長さの円形外周縁を有する。
上部ケースは、上部環状平板状部の上面から軸方向に一体に突出した円環状突出部を更に備えていてもよく、この場合、上部ケースの上面は、円環状突出部の上面であり、円環状平面は、円環状突出部の上面からなっていてもよく、また上部ケースは、円環状平面の外周縁又は当該外周縁から径方向外方の部位からその外周面にかけて下り勾配の截頭円錐面を有していてもよい。
本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受では、上部ケース及び下部ケースを形成する合成樹脂としては、好ましくは、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性合成樹脂又はこれら熱可塑性合成樹脂にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの補強繊維を含有した繊維補強熱可塑性合成樹脂から形成される。
本発明によれば、スラスト滑り軸受片は、密度が0.925〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されているので、成形面ではモールドデポジットの抑制効果が充分に発揮され、さらに安定性の向上効果が得られる。また摺動特性においては、該スラスト滑り軸受片が配される合成樹脂製の上部ケース及び下部ケース間において低摩擦性を発揮すると共に摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく長期間にわたり円滑な摺動が行われ、当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生のない合成樹脂製スラスト滑り軸受を提供することができる。
図1は、本発明の好ましい第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受の断面図である。 図2は、図1に示す合成樹脂製スラスト滑り軸受に使用されるスラスト滑り軸受片の平面図である。 図3は、本発明の好ましい第二の実施の形態の合成樹脂スラスト滑り軸受の断面図である。 図4は、図1に示す合成樹脂製スラスト滑り軸受の変形例の合成樹脂スラスト滑り軸受の断面図である。 図5は、図4に示す合成樹脂製スラスト滑り軸受の上部ケースの平面図である。 図6は、図4に示す合成樹脂スラスト滑り軸受をストラット型サスペンションに組み込んだ例の断面図である。 図7は、本発明の好ましい第三の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受の断面図である。 図8は、図7に示す合成樹脂製スラスト滑り軸受の変形例の合成樹脂製スラスト滑り軸受の断面図である。 図9は、図7に示す合成樹脂製スラスト滑り軸受の他の変形例の合成樹脂製スラスト滑り軸受の断面図である。 図10は、図7に示す合成樹脂製スラスト滑り軸受のさらに他の変形例の合成樹脂製スラスト滑り軸受の断面図である。 図11は、本発明の好ましい第四の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受の断面図である。 図12は、本発明の好ましい第五の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受の断面図である。 図13は、本発明の好ましい第六の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受の断面図である。 図14は、従来の合成樹脂製スラスト滑り軸受の断面図である。 図15は、図14に示す合成樹脂製スラスト滑り軸受をストラット型サスペンションに組み込んだ例の断面図である。
次に本発明及びその実施の形態を構造物に用いた例について、図を参照して更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何等限定されないのである。
図1及び図2において、第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1は、合成樹脂製の上部ケース100と、合成樹脂製の下部ケース200と、上部ケース100及び下部ケース200間に配される合成樹脂製のスラスト滑り軸受片300とを具備している。
上部ケース100は、中央部に円孔101を有する上部環状平板状部102と、上部環状平板状部102の外周縁に一体に形成された円筒垂下部103と、円筒垂下部103の端部の内周面に形成された環状係合部104とを備えている。
下部ケース200は、上部ケース100に当該上部ケース100の軸心O回りでR方向に回転自在となるように重ね合わされていると共に上部環状平板状部102に対面し、しかも、中央部に円孔101に連通すると共に円孔101と同径の円孔201を有する下部環状平板状部202と、円孔201と同径の内径を有して下部環状平板状部202の上面203に一体に形成されていると共に下部環状平板状部202に同心に配された環状突起204と、環状突起204と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部202の外周縁に一体に形成されていると共に環状突起204及び下部環状平板状部202の上面203と協働して下部環状凹所205を形成し、しかも、下部環状平板状部202に同心に配された環状突起206と、環状突起206の端部の外周面に形成された被環状係合部207とを備えており、下部環状凹所205は、環状突起204と環状突起206とで囲まれている。
上部ケース100及び下部ケース200は、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性合成樹脂又はこれら熱可塑性合成樹脂にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの補強繊維を含有した繊維補強熱可塑性合成樹脂から形成される。
下部環状凹所205に配されて下部環状凹所205の底面を規定する下部環状平板状部202の上面203及び上部環状平板状部102の下面105に摺動自在に接触するスラスト滑り軸受片300は、環状突起204の外径よりも大きい内径をもった内周面301で規定された円孔302を中央部に有すると共に環状突起206の内径よりも小さな外径をもった外周面303を有する円板304からなり、円板304は、その上面305及び下面306に円孔302を囲む環状溝307と、一端が環状溝307に開口し、他端が外周面303で開口して円周方向に沿って等角度間隔に形成された複数個の放射状溝308とを有している。
スラスト滑り軸受片300は、その内周面301と環状突起204の外周面208との間及びその外周面303と環状突起206の内周面209との間のそれぞれに環状隙間A1及びA2をもって下部環状凹所205に配されると共に上面305を下部環状凹所205の開口より上方に位置させて上部環状平板状部102の下面105に摺動自在に接触させ、下面306を下部環状凹所205の底面を規定する下部環状平板状部202の上面203に摺動自在に接触させて、上部ケース100及び下部ケース200間に配されている。
スラスト滑り軸受片300は、密度が0.925〜0.970g/cm、好ましくは0.930〜0.970g/cmであり、かつASTMD1238で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分、好ましくは0.1〜15g/10分、さらに好ましくは0.1〜10g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されている。このような溶融粘度のポリエチレン樹脂を用いることにより、成形工程ではモールドデポジットの抑制効果が充分に発揮され、さらに安定性の向上効果が得られる。また摺動特性においては、相手材を合成樹脂とした場合、低摩擦性を発揮し、スティックスリップ現象を発生することなく長期間にわたり円滑な摺動が行われ、当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もない。
上部ケース100は、その外周縁の円筒垂下部103の端部の内周面の環状係合部104を下部ケース200の外周縁の環状突起206の端部の外周面の被環状係合部207に弾性装着させて下部ケース200に組み合わされている。
合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、下部環状凹所205に配されて下部環状凹所205の底面を規定する下部環状平板状部202の上面203及び上部環状平板状部102の下面105と、これらに夫々摺動自在に接触するスラスト滑り軸受片300の下面306及び上面305との摺動界面には潤滑グリース、好ましくは基油がシリコーン油であり、増ちょう剤を含有したシリコーングリースが介在されている。
基油を形成するシリコーン油は、ジメチルシリコーン油、メチルフェニルシリコーン油などのストレートシリコーン油、アルキル基、アミノプロピル基、ポリエーテル基及びフッ素基を含有した変性シリコーン油から選択されるが、とくにストレートシリコーン油が好ましく使用される。
基油に含有される増ちょう剤は、リチウム石けん、ナトリウム石けん、アルミニウム石けん、カルシウム石けん、バリウム石けんなどの石けん系増ちょう剤、リチウムコンプレックス、アルミニウムコンプレックス、カルシウムコンプレックス、バリウムコンプレックスなどの複合石けん系増ちょう剤、脂肪族ジウレア、脂環式ジウレア、芳香族ジウレア、トリウレア、ポリウレアなどのウレア系増ちょう剤、ナトリウムテレフタラメート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、メラミンシアヌレート(MCA)などの有機系増ちょう剤、ベントナイト、シリカ、グラファイト、二硫化モリブデン、カーボンブラックなどの無機系増ちょう剤の少なくとも一種が使用される。中でも、リチウム石けん、例えばステアリン酸リチウム、リチウムヒドロキシステアレート〔12−ヒドロキシステアリン酸リチウム:12(OH)StLi〕、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、メラミンシアヌレート、二硫化モリブデンなどが好ましく使用される。
増ちょう剤の配合割合は、得られるグリースの混合ちょう度(JISK2220 5.3に基づいて測定)が200以上400以下、好ましくは250以上350以下となるように決定される。具体的には、増ちょう剤を基油に対し、3質量%以上50質量%以下の割合で含油されるのが好ましい。基油に対し3質量%未満の配合割合では、混合ちょう度が低く、グリースとして使用し難く、また50質量%を超えて配合すると、得られたグリースの混合ちょう度が大きく、硬すぎてトルクが大きくなり実用上好ましくない。
本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受1に使用されて好適な上記シリコーングリースにおいては、各種特性を向上させるために、所望により種々の添加剤を含有してもよい。例えば、フェニル−1−ナフチルアミン等のアミン系化合物、2,6−t−ブチルフェノール系化合物、硫黄系の化合物、ジチオリン酸亜鉛系等の酸化防止剤、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の有機スルフォン酸塩、アルキルまたはアルケニルコハク酸エステル等のアルキルまたはアルケニルコハク酸誘導体、ソルビタンモノオレート等の多価アルコールの部分エステルなどの防錆剤、脂肪酸や動・植物油等の油性剤などの添加剤である。これら添加剤の配合割合は、0.1〜1質量%程度である。
ここで、本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受1に使用されて好適なシリコーングリースの組成物について説明する。
(1)基油として、25℃における動粘度が450cSt(450mm/s)を示すメチルフェニルシリコーン油60重量%に、増ちょう剤として二硫化モリブデン(MoS)粉末15重量%とPTFE粉末25重量%を添加し、ついでこれを均一に混練して混合ちょう度を275としたシリコーングリース。
(2)基油として、25℃における動粘度が500cSt(500mm/s)を示すジメチルシリコーン油65重量%に、増ちょう剤としてメラミンシアヌレート(MCA)25重量%とPTFE粉末10重量%を添加し、ついでこれを均一に混練して混合ちょう度を270としたシリコーングリース。
(3)基油として、25℃における動粘度が3000cSt(3000mm/s)を示すメチルフェニルシリコーン油74重量%に、増ちょう剤としてリチウムヒドロキシステアレート〔12−ヒドロキシステアリン酸リチウム:12(OH)StLi〕26重量%を添加し、185℃の温度で2時間加熱混合した後冷却し、ついでこれを均一に混練して混合ちょう度を279としたシリコーングリース。
(4)基油として、25℃における動粘度が6500cSt(6500mm/s)を示すジメチルシリコーン油60重量%に、増ちょう剤としてPTFE粉末40重量%を添加し、ついでこれを均一に混練して混合ちょう度を250としたシリコーングリース。
(5)基油として、25℃における動粘度が45000cSt(11000mm/s)を示すメチルフェニルシリコーン油88重量%に、増ちょう剤としてリチウムヒドロキシステアレート〔12−ヒドロキシステアリン酸リチウム:12(OH)StLi〕12重量%を添加し、185℃の温度で2時間加熱混合した後冷却し、ついでこれを均一に混練して混合ちょう度を358としたシリコーングリース。
(6)基油として、25℃における動粘度が200000cSt(200000mm/s)を示すジメチルシリコーン油90質量%に、増ちょう剤としてシリカ微粉末10質量%を添加し、ついでこれを均一に混練して混合ちょう度を335としたシリコーングリース。
これら(1)ないし(6)のシリコーングリースを、図1に示すスラスト滑り軸受1の摺動界面、すなわち上部ケース100及び下部ケース200と上部ケース100及び下部ケース200間に配されたスラスト滑り軸受片300との摺動界面に塗布し、下部ケース200を固定し、上部ケース100の上面側から荷重4.5kNを負荷し、0.5Hzの揺動速度で±40°の揺動角度で50サイクル揺動運動させ、その時のトルク(Nm)を測定すると共に、スティックスリップ現象の発生の有無並びに摩擦異常音の発生の有無について試験した。試験結果を表1及び表2に示す。なお、試験に供した合成樹脂製スラスト滑り軸受1の上部ケース100及び下部ケース200は、ポリアセタール樹脂で形成し、スラスト滑り軸受片300は、(A)密度0.957g/cm、メルトフローレート0.25g/10分を示す日本ポリエチレン社製の「ノバテックHD HB424R(商品名)」からなるポリエチレン樹脂、(B)密度0.964g/cm、メルトフローレート7g/10分を示す日本ポリエチレン社製の「ノバテックHJ560(商品名)」からなるポリエチレン樹脂で作製した。
Figure 2014129888
Figure 2014129888
下部ケース200の下部環状凹所205に配されて下部環状凹所205の底面を規定する下部環状平板状部202の上面203及び上部ケース100の上部環状平板状部102の下面105と夫々摺動自在に接触するスラスト滑り軸受片300の下面306及び上面305の摺動界面に上記(1)ないし(6)で例示されたシリコーングリースが介在することにより、スラスト滑り軸受片300自身の低摩擦性と該シリコーングリースの低摩擦性との相乗効果により低摩擦性を発揮し、摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく長期間にわたり円滑な摺動が行われ、当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もない。とくに、基油のシリコーン油の25℃における動粘度が1000cStを超える高い粘度でトルクが漸次低くなる傾向を示した。また、環状隙間A1及びA2にシリコーングリースが充填保持されることにより、スラスト滑り軸受片300の下面306と下部環状凹所205の底面を規定する下部環状平板状部202の上面203との摺動界面に常時シリコーングリースが供給されるので、長期間にわたり低摩擦性を発揮して円滑な摺動が行われる。
合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、スラスト滑り軸受片300は、図2に示すように、その上面305及び下面306に円孔302を囲む環状溝307と、一端が環状溝307に開口し、他端が外周面303で開口して円周方向に沿って等角度間隔に形成された複数個の放射状溝308とを有しているのが好ましく、これら環状溝307及び放射状溝308には、前記シリコーングリースが充填保持される。
図3に示す第二の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1は、前記第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1の構成に加えて、下部環状平板状部202の下面210に、円孔201と同径の内径を有する円筒部211を一体的に形成したものである。
下部環状平板状部202の下面210に円筒部211を具備した第二の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においては、図6に示すようなストラット型サスペンションアッセンブリにおけるコイルばねCの上部バネ座シートQと、油圧ダンパのピストンロッドPが固着される取付け部材Xとの間への合成樹脂製スラスト滑り軸受1の装着での位置決めが容易となり、その取り付け作業が容易となる。
この場合、合成樹脂製スラスト滑り軸受1の上部ケース100の円孔101及び下部ケース200の円孔201にピストンロッドPの上部が上部ケース100及び下部ケース200に対して軸心Oの回りでR方向に揺動回転自在となるようにして挿通される。
第一又は第二の実施の形態のスラスト滑り軸受1において、図4及び図5に示すように、上部ケース100の軸心Oから下部環状凹所205に配されたスラスト滑り軸受片300の外周面303までの径方向の長さをrとし、上部環状平板状部102の円孔101を規定する内周面における肉厚をtとしたとき、上部ケース100は、その上面である上部環状平板状部102の上面106に、当該上部ケース100の軸心Oを中心とした半径RがR=r±tの範囲の円形外周縁をもった円環状平面107と、円環状平面107の外周縁から連続して又は当該外周縁の径方向外方の部位からその外周面108にかけて下り勾配の截頭円錐面部109を有していてもよい。
本例では、上部ケース100は、図4及び図5に示すように、その上面である上部環状平板状部102の上面106に、上部ケース100の軸心Oを中心とした半径RがR=rの外周縁をもった円環状平面107を有している。
この合成樹脂製スラスト滑り軸受1は、図6に示すようなストラット型サスペンションアッセンブリにおけるコイルばねCの上部バネ座シートQと、油圧ダンパのピストンロッドPが固着される取付け部材Xとの間に配置され、上部環状平板状部102の上面106の円環状平面107においてのみ車体側取付け部材Xの下面X1と接触する一方、その他の部位では車体側取付け部材Xの下面X1とは空間Sを保持して、車体側取付け部材Xの下面X1と当該下面X1に相対面した上部バネ座シートQの上面Q1との間に配置されるので、車体側取付け部材Xに傾き等の変動荷重が作用した場合でも、円筒垂下部103と環状突起206との径方向の重畳部及び環状係合部104と被環状係合部207との弾性装着部が干渉することがないので、これら重畳部及び弾性装着部に変形、損傷、折損等の不具合を生じることがないという作用効果が付加される。
図7に示す第三の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1は、合成樹脂製の上部ケース100と、合成樹脂製の下部ケース200と、上部ケース100及び下部ケース200間に配される合成樹脂製のスラスト滑り軸受片300とを具備している。
上部ケース100は、中央部に円孔101を有する上部環状平板状部102と、円孔101の周縁から径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部102の下面105に一体的に形成された円筒垂下部110と、円筒垂下部110と協働して上部外側環状溝111を形成するように、円筒垂下部110と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部102の外周縁に一体的に形成された円筒垂下部103と、円筒垂下部103の端部の内周面に形成された環状係合部104とを備えている。
下部ケース200は、中央部に円孔101と連通する円孔201を有する下部環状平板状部202と、円孔201と同径の内径を有して下部環状平板状部202の上面203に一体的に形成された環状突起204と、環状突起204と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部202の上面203に一体的に形成されていると共に環状突起204と下部環状平板状部202の上面203と協働して下部環状凹所205を形成する環状突起212と、環状突起212と協働して下部外側環状溝213を形成するように、環状突起212と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部202の外周縁に一体的に形成された環状突起206と、環状突起206の端部の外周面に形成された被環状係合部207とを備えている。
スラスト滑り軸受片300は、下部ケース200の環状突起204の外径よりも大きい内径をもった内周面301で規定された円孔302を有していると共に環状突起212の内径よりも小さい外径をもった外周面303を有する円板304からなっており、円孔302を規定する内周面301と環状突起204の外周面208との間に内側環状隙間A1を、外周面303と環状突起212の内周面209との間に外側環状隙間A2を夫々もって下部環状凹所205に配されると共に、上面305を下部ケース200の下部環状凹所205の開口より上方に位置させて上部環状平板状部102の下面105に摺動自在に接触させ、下面306を下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203に摺動自在に接触させて上部ケース100及び下部ケース200間に配されている。
上部ケース100は、円筒垂下部110の端部を下部外側環状溝213に配して環状突起212及び環状突起206の端部と径方向に夫々重畳させ、環状係合部104を被環状係合部207に弾性装着させて、下部ケース200に組み合わされている。
第三の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、下部環状凹所205に配されて下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203及び上部環状平板状部102の下面105と夫々摺動自在に接触するスラスト滑り軸受片300は、密度が0.925〜0.970g/cm、好ましくは0.930〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分、好ましくは0.1〜15g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されている。そして、上記ポリエチレン樹脂から形成されたスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306と上部環状平板状部102の下面105及び下部環状平板状部202の上面203との摺動界面には、潤滑グリース、好ましくは基油がシリコーン油であって、25℃における動粘度が100cSt以上、500000cSt以下、好ましくは25℃における動粘度が1000cSt以上、100000cSt以下であり、これに増ちょう剤を含有して混合ちょう度を200以上、400以下、好ましくは混合ちょう度を250以上、350以下としたシリコーングリースが介在されていると共に環状隙間A1及びA2及び下部外側環状溝213の夫々にシリコーングリースが充填保持されている。
このように下部環状凹所205に配されて下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203及び上部環状平板状部102の下面105と、当該上面203及び下面105に夫々摺動自在に接触する上記特定のポリエチレン樹脂から形成されたスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306との摺動界面に前記シリコーングリースが介在することにより、スラスト滑り軸受片300自身の低摩擦性と該シリコーングリースの低摩擦性との相乗効果により一層の低摩擦性が発揮され、摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もなく、環状隙間A1及びA2に前記シリコーングリースが充填保持されることにより、スラスト滑り軸受片300の下面306と下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203との摺動界面に常時、シリコーングリースが供給されるので、摺動面間でのシリコーングリースの枯渇等を生じることがなく、長期間にわたり低摩擦性を発揮して円滑な摺動が行われる。
第三の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、上部ケース100は、円筒垂下部110の端部を下部外側環状溝213に配して環状突起212及び206の端部と径方向に夫々重畳させ、環状係合部104を被環状係合部207に弾性装着させて、下部ケース200に組み合わされることにより、円筒垂下部110と環状突起212及び206との重畳部及び環状係合部104と被環状係合部207との弾性装着部にラビリンス作用による密封部が形成されていること、また、下部ケース200の外径側に形成された下部外側環状溝213にシリコーングリースが充填保持されることにより、環状係合部104と被環状係合部207との弾性装着部から侵入した塵埃等の異物は、当該下部外側環状溝213に充填保持されたシリコーングリースに捕獲されて摺動界面への侵入を阻止するので、塵埃等異物の侵入に対し、前記ラビリンス作用による密封部とで二重の侵入防止効果が発揮される。
第三の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においても、スラスト滑り軸受片300は、前記第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1のスラスト滑り軸受片300と同様であって、図2に示すように、円板304からなるスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306に円孔302を囲む環状溝307と、一端が環状溝307に開口し、他端が円板304からなるスラスト滑り軸受片300の外周面303で開口して円周方向に沿って等角度間隔に形成された放射状溝308を有しているのが好ましく、これら環状溝307及び放射状溝308には、潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが充填保持されている。
第三の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、上部ケース100及び下部ケース200は、前記第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1の上部ケース100及び下部ケース200と同様に、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性合成樹脂又はこれら熱可塑性合成樹脂にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの補強繊維を含有した繊維補強熱可塑性合成樹脂が使用されて好適である。
第三の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においても、上部ケース100の軸心Oから下部環状凹所205に配されたスラスト滑り軸受片300の外周面303までの径方向の長さをrとし、上部環状平板状部102の円孔101を規定する内周面における肉厚をtとしたとき、上部ケース100は、その上面である上部環状平板状部102の上面106に、当該上部ケース100の軸心Oを中心とした半径RがR=r±tの範囲の円形外周縁をもった円環状平面107と、円環状平面107の外周縁から連続してその外周面108にかけて下り勾配の截頭円錐面部109を有していてもよい。
第三の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、図8には、上部環状平板状部102の上面106に、上部ケース100の軸心Oを中心とした半径Rが、R=r+tの外周縁をもった円環状平面107を有している例を示し、図9には、上部環状平板状部102の上面106に、上部ケース100の軸心Oを中心とした半径RがR=r−tの外周縁をもった円環状平面107を有している例を示す。
図7ないし図9に示した合成樹脂製スラスト滑り軸受1は、前記第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1と同様、上部環状平板状部102の上面106の円環状平面107においてのみ車体側取付け部材Xの下面X1と接触する一方、その他の部位では車体側取付け部材Xの下面X1とは空間Sを保持して、車体側取付け部材Xの下面X1と当該下面X1に相対面した上部バネ座シートQの上面Q1との間に配置されるので、車体側取付け部材Xに傾き等の変動荷重が作用した場合でも、円筒垂下部110と環状突起212及び206との径方向の重畳部並びに円筒垂下部103の環状係合部104と環状突起206の被環状係合部207との弾性装着部とが干渉することがないので、これら重畳部及び弾性装着部に変形、損傷、折損等の不具合を生じることがないという作用効果が付加される。
図10に示す合成樹脂製スラスト滑り軸受1は、前記第三の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、上部ケース100の上面106から軸方向に一体的に突出した円環状突出部107aを更に備えており、上部ケース100の上面は、円環状突出部107aの上面であり、円環状平面107は、円環状突出部107aの上面からなっていると共に下部環状凹所205に配されたスラスト滑り軸受片300の外周面303までの長さをrとしたとき、上部ケース100の軸心Oを中心とした半径RがR=rの外周縁をもっており、円環状突出部107aは、その外周面から下り勾配の截頭円錐面109に連続しており、図10に示す本形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1の他の構成は、図7に示す第三の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1の構成と同様であって、斯かる態様の合成樹脂製スラスト滑り軸受1でも、上部環状平板状部102の円孔101を規定する内周面における肉厚をtとしたとき、上部ケース100の上面である円環状平面107は、r−tの半径Rの外周縁をもっていても、r+tの半径Rの外周縁をもっていてもよく、言い換えると、r±tの範囲の半径Rの外周縁をもっていてもよい。
図11に示す第四の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1は、合成樹脂製の上部ケース100と、合成樹脂製の下部ケース200と、上部ケース100及び下部ケース200間に配される合成樹脂製のスラスト滑り軸受片300とを具備している。
上部ケース100は、中央部に円孔101を有する上部環状平板状部102と、円孔101と同径の内径をもって上部環状平板状部102の下面105に一体的に形成された円筒垂下部112と、円筒垂下部112の外周面と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部102の下面105に一体的に形成されていると共に円筒垂下部112と上部環状平板状部102の下面105と協働して上部環状凹所113を形成する円筒垂下部110と、円筒垂下部110と協働して上部外側環状溝111を形成するように、円筒垂下部110と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部102の外周縁に一体的に形成された円筒垂下部103と、円筒垂下部103の端部の内周面に形成された環状係合部104とを備えている。
下部ケース200は、中央部に円孔101と連通する円孔201を有する下部環状平板状部202と、円孔201から環状肩部215を介して径方向外方に離れて下部環状平板状部202の上面203に一体的に形成された環状突起204と、環状突起204と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部202の上面203に一体的に形成されていると共に環状突起204と下部環状平板状部202の上面203と協働して下部環状凹所205を形成する環状突起212と、環状突起212と下部環状平板状部202の上面203と協働して下部外側環状溝213を形成するように、環状突起212の外周面と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部202の外周縁に一体的に形成された環状突起206と、環状突起206の端部の外周面に形成された被環状係合部207とを備えている。
スラスト滑り軸受片300は、環状突起204の外径よりも大きい内径をもった内周面301によって規定された円孔302を有すると共に環状突起212の内径よりも小さい外径をもった外周面303を有する円板304からなり、内周面301と環状突起204の外周面208との間に内側環状隙間A1を、外周面303と環状突起212の内周面209との間に外側環状隙間A2を夫々もって下部環状凹所205に配されていると共に上面305を下部環状凹所205の開口より上方に配して上部環状平板状部102の下面105に摺動自在に接触させ、下面306を下部環状凹所205の底面を規定する下部環状平板状部202の上面203に摺接させて上部ケース100及び下部ケース200間に配されている。
上部ケース100は、円筒垂下部112の端部を環状肩部215に臨ませて環状突起204の端部と径方向に、円筒垂下部110の端部を下部外側環状溝213に配して環状突起212の端部及び環状突起206の端部の夫々と径方向に夫々重畳させ、環状係合部104を被環状係合部207に弾性装着させて、下部ケース200に組み合わされている。
第四の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、下部環状凹所205に配されて下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203及び上部環状平板状部102の下面105と夫々摺動自在に接触するスラスト滑り軸受片300は、密度が0.925〜0.970g/cm、好ましくは0.930〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分、好ましくは0.1〜15g/10分、さらに好ましくは0.1〜10g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されている。そして、上記ポリエチレン樹脂から形成されたスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306と上部環状平板状部102の下面105及び下部環状平板状部202の上面203との摺動界面には、潤滑グリース、好ましくは基油がシリコーン油であって、25℃における動粘度が100cSt以上、500000cSt以下、好ましくは25℃における動粘度が1000cSt以上、100000cSt以下であり、これに増ちょう剤を含有して混合ちょう度を200以上、400以下、好ましくは混合ちょう度を250以上、350以下としたシリコーングリースが介在されていると共に環状隙間A1及びA2及び下部外側環状溝213の夫々にシリコーングリースが充填保持されている。
このように下部環状凹所205に配されて下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203及び上部環状平板状部102の下面105と夫々摺動自在に接触する上記特定のポリエチレン樹脂から形成されたスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306との摺動界面に前記シリコーングリースが介在することにより、スラスト滑り軸受片300自身の低摩擦性と該シリコーングリースの低摩擦性との相乗効果により一層の低摩擦性が発揮され、摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もなく、環状隙間A1及びA2に前記シリコーングリースが充填保持されることにより、スラスト滑り軸受片300の下面306と下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203との摺動界面に常時、シリコーングリースが供給されるので、摺動面間でのシリコーングリースの枯渇等を生じることがなく、長期間にわたり低摩擦性を発揮して円滑な摺動が行われる。
第四の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、上部ケース100は、円筒垂下部112の端部を環状肩部215に臨ませて環状突起204の端部と径方向に重畳させ、円筒垂下部110の端部を下部外側環状溝213に配して環状突起212及び環状突起206の端部と径方向に夫々重畳させ、環状係合部104を被環状係合部207に弾性装着させて、下部ケース200に組み合わされていることにより、合成樹脂製スラスト滑り軸受1の内周面側に円筒垂下部112と環状突起204との重畳部にラビリンス作用による密封部が、また外周面側に円筒垂下部110と環状突起212及び環状突起206との重畳部及び環状係合部104と被環状係合部207との弾性装着部にラビリンス作用による密封部が夫々形成されることにより、また下部外側環状溝213にシリコーングリースが充填保持されることにより、環状係合部104と被環状係合部207との弾性装着部から侵入した塵埃等の異物は、当該下部外側環状溝213に充填保持されたシリコーングリースに捕獲されて摺動界面への侵入を阻止されるので、塵埃等異物の侵入に対し、外径側において前記ラビリンス作用による密封部とで二重の侵入防止効果が発揮される。
第四の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においても、スラスト滑り軸受片300は、前記第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1のスラスト滑り軸受片300と同様であって、図2に示すように、円板304からなるスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306に円孔302を囲む環状溝307と、一端が環状溝307に開口し、他端が円板304からなるスラスト滑り軸受片300の外周面303で開口して円周方向に沿って等角度間隔に形成された放射状溝308を有しているのが好ましく、これら環状溝307及び放射状溝308には、潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが充填保持される。
第四の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においても、上部ケース100及び下部ケース200は、前記第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1の上部ケース100及び下部ケース200と同様に、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性合成樹脂又はこれら熱可塑性合成樹脂にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの補強繊維を含有した繊維補強熱可塑性合成樹脂が使用されて好適である。
第四の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においても、第三の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1と同様に、円環状突出部107aの上面からなっている円環状平面107は、下部環状凹所205に配されたスラスト滑り軸受片300の外周面303までの長さをrとしたとき、上部ケース100の軸心Oを中心とした半径RがR=rである外周縁をもっており、円環状突出部107aは、その外周面から下り勾配の截頭円錐面109に連続している。本第四の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1でも、上部環状平板状部102の内周面における肉厚をtとしたとき、上部ケース100の上面である円環状平面107は、半径RがR=r±tの範囲の外周縁をもっていてもよい。
第四の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1によれば、車体側取付け部材Xに傾き等の変動荷重が作用した場合でも、円筒垂下部112と環状突起204との径方向の重畳部、円筒垂下部110と環状突起212及び円筒垂下部103との径方向の重畳部及び円筒垂下部103の環状係合部104と環状突起206の被環状係合部207との弾性装着部が干渉することがないので、これら重畳部及び弾性装着部に変形、損傷、折損等の不具合を生じることがないという作用効果が付加される。
図12に示す第五の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1は、合成樹脂製の上部ケース100と、合成樹脂製の下部ケース200と、上部ケース100及び下部ケース200間に配される合成樹脂製のスラスト滑り軸受片300とを具備している。
上部ケース100は、中央部に円孔101を有する上部環状平板状部102と、円孔101と環状肩部114を介して径方向外方に離れて上部環状平板状部102の下面105に一体的に形成された円筒垂下部112と、円筒垂下部112と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部102の下面105に一体的に形成されていると共に円筒垂下部112と上部環状平板状部102の下面105と協働して上部環状凹所113を形成する円筒垂下部110と、円筒垂下部110と協働して上部外側環状溝111を形成するように、円筒垂下部110と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部102の外周縁に一体的に形成された円筒垂下部103と、円筒垂下部103の端部の内周面に形成された環状係合部104とを備えている。
下部ケース200は、中央部に円孔101と連通する円孔201を有する下部環状平板状部202と、円孔201と同径の内径をもって下部環状平板状部202に一体的に形成された環状突起218と、環状突起218と協働して下部内側環状溝216を形成するように、環状突起218と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部202の上面203に一体的に形成された環状突起204と、環状突起204と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部202の上面203に一体的に形成されていると共に環状突起204と下部環状平板状部202の上面203と協働して下部環状凹所205を形成する環状突起212と、環状突起212と協働して下部外側環状溝213を形成するように、環状突起212と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部202の外周縁に一体的に形成された環状突起206と、環状突起206の端部の外周面に形成された被環状係合部207とを備えている。
スラスト滑り軸受片300は、環状突起204の外径よりも大きい内径をもった内周面301によって規定された円孔302を有すると共に環状突起212の内径よりも小さい外径をもった外周面303を有する円板304からなり、内周面301と環状突起204の外周面208との間に内側環状隙間A1を、外周面303と環状突起212の内周面209との間に外側環状隙間A2を夫々もって下部環状凹所205に配されていると共に上面305を下部環状凹所205の開口より上方に配して上部環状平板状部102の下面105に摺動自在に接触させ、下面306を下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203に摺動自在に接触させて上部ケース100及び下部ケース200間に配されている。
上部ケース100は、円筒垂下部112の端部を下部内側環状溝216に配して環状突起218及び環状突起204の端部と径方向に、円筒垂下部110の端部を下部外側環状溝213に配して環状突起212及び環状突起206の端部の夫々と径方向に夫々重畳させ、環状係合部104を被環状係合部207に弾性装着させて、下部ケース200に組み合わされている。
第五の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、下部環状凹所205に配されて下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203及び上部環状平板状部102の下面105と夫々摺接するスラスト滑り軸受片300は、密度が0.925〜0.970g/cm、好ましくは0.930〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分、好ましくは0.1〜15g/10分、さらに好ましくは0.1〜10g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されている。そして、上記ポリエチレン樹脂から形成されたスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306と上部環状平板状部102の下面105及び下部環状平板状部202の上面203との摺動界面には、潤滑グリース、好ましくは基油がシリコーン油であって、25℃における動粘度が100cSt以上、500000cSt以下、好ましくは25℃における動粘度が1000cSt以上、100000cSt以下であり、これに増ちょう剤を含有して混合ちょう度を200以上、400以下、好ましくは混合ちょう度を250以上、350以下としたシリコーングリースが介在されていると共に環状隙間A1及びA2並びに下部内側環状溝216及び下部外側環状溝213の夫々にシリコーングリースが充填保持されている。
このように下部環状凹所205に配されて下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203及び上部環状平板状部102の下面105と夫々摺接する上記特定のポリエチレン樹脂から形成されたスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306との摺動界面に前記シリコーングリースが介在することにより、スラスト滑り軸受片300自身の低摩擦性と該シリコーングリースの低摩擦性との相乗効果により一層の低摩擦性が発揮され、摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もなく、環状隙間A1及びA2に前記シリコーングリースが充填保持されることにより、スラスト滑り軸受片300の下面306と下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203との摺動界面に常時、シリコーングリースが供給されるので、摺動面間でのシリコーングリースの枯渇等を生じることがなく、長期間にわたり低摩擦性を発揮して円滑な摺動が行われる。
第五の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、上部ケース100は、円筒垂下部112の端部を下部内側環状溝216に配して環状突起218及び環状突起204の端部と径方向に夫々重畳させ、円筒垂下部110の端部を下部外側環状溝213に配して環状突起212及び環状突起206の端部と径方向に夫々重畳させ、環状係合部104を被環状係合部207に弾性装着させて、下部ケース200に組み合わされていることにより、合成樹脂製スラスト滑り軸受1の内周面側に円筒垂下部112と環状突起218及び環状突起204との重畳部にラビリンス作用による密封部が、また外周面側に円筒垂下部110と環状突起212及び環状突起206との重畳部及び環状係合部104と被環状係合部207との弾性装着部にラビリンス作用による密封部が夫々形成されることにより、また内径側に形成された下部内側環状溝216と外径側に形成された下部外側環状溝213に夫々シリコーングリースが充填保持されることにより、環状係合部104と被環状係合部207との弾性装着部又は内径側のラビリンス部から侵入した塵埃等の異物は、当該下部内側環状溝216及び下部外側環状溝213に充填保持されたシリコーングリースに捕獲されて摺動界面への侵入を阻止されるので、塵埃等異物の侵入に対し、内径側及び外径側において前記ラビリンス作用による密封部とで二重の侵入防止効果が発揮される。
第五の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においても、スラスト滑り軸受片300は、前記第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1のスラスト滑り軸受片300と同様であって、図2に示すように、円板304からなるスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306に円孔302を囲む環状溝307と、一端が環状溝307に開口し、他端が円板304からなるスラスト滑り軸受片300の外周面303で開口して円周方向に沿って等角度間隔に形成された放射状溝308を有しているのが好ましく、これら環状溝307及び放射状溝308には、潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが充填保持される。
第五の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においても、上部ケース100及び下部ケース200は、前記第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1の上部ケース100及び下部ケース200と同様に、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性合成樹脂又はこれら熱可塑性合成樹脂にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの補強繊維を含有した繊維補強熱可塑性合成樹脂が使用されて好適である。
第五の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においても、第三及び第四の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1と同様に、円環状突出部107aの上面からなっている円環状平面107は、下部環状凹所205に配されたスラスト滑り軸受片300の外周面303までの長さをrとしたとき、上部ケース100の軸心Oを中心とした半径RがR=rである外周縁をもっており、円環状突出部107aは、その外周面から下り勾配の截頭円錐面109に連続している。本第五の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1でも、上部環状平板状部102の内周面における肉厚をtとしたとき、上部ケース100の上面である円環状平面107は、半径RがR=r±tの範囲の外周縁をもっていてもよい。
第五の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1によれば、車体側取付け部材Xに傾き等の変動荷重が作用した場合でも、円筒垂下部112と環状突起218及び環状突起204との径方向の重畳部、円筒垂下部110と環状突起212及び円筒垂下部103との径方向の重畳部及び円筒垂下部103の環状係合部104と環状突起206の被環状係合部207との弾性装着部が干渉することがないので、これら重畳部及び弾性装着部に変形、損傷、折損等の不具合を生じることがないという作用効果が付加される。
図13に示す第六の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1は、合成樹脂製の上部ケース100と、合成樹脂製の下部ケース200と、上部ケース100及び下部ケース200間に配される合成樹脂製のスラスト滑り軸受片300とを具備している。
上部ケース100は、中央部に円孔101を有する上部環状平板状部102と、円孔101と同径の内径をもって上部環状平板状部102の下面に一体的に形成された円筒垂下部115と、円筒垂下部115と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部102の下面105に一体的に形成されていると共に円筒垂下部115の外周面と協働して上部内側環状溝116を形成する円筒垂下部112と、円筒垂下部112と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部102の下面105に一体的に形成されていると共に円筒垂下部112と上部環状平板状部102の下面105と協働して上部環状凹所113を形成する円筒垂下部110と、円筒垂下部110と協働して上部外側環状溝111を形成するように、円筒垂下部110と径方向外方に所定に間隔を隔てて上部環状平板状部102の外周縁に一体的に形成された円筒垂下部103と、円筒垂下部103の端部の内周面に形成された環状係合部104とを備えている。
下部ケース200は、中央部に円孔101に連通する円孔201を有する下部環状平板状部202と、円孔201から環状肩部217を介して径方向外方に離れて下部環状平板状部202の上面203に一体的に形成された環状突起219と、環状突起219と協働して下部内側環状溝216を形成するように、環状突起219と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部202の上面203に一体的に形成された環状突起204と、環状突起204と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部202の上面203に一体的に形成されていると共に下部環状平板状部202の上面203と協働して下部環状凹所205を形成する環状突起212と、環状突起212と協働して下部外側環状溝213を形成するように、環状突起212と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部202の外周縁に一体的に形成された環状突起206と、環状突起206の端部の外周面に形成された被環状係合部207とを備えている。
スラスト滑り軸受片300は、環状突起204の外径よりも大きい内径をもった内周面301で規定された円孔302を有すると共に環状突起212の内径よりも小さい外径をもった外周面303を有する円板304からなり、内周面301と環状突起204の外周面208との間に内側環状隙間A1を、外周面303と環状突起212の内周面209との間に外側環状隙間A2を夫々もって下部環状凹所205に配されていると共に上面305を下部環状凹所205の開口より上方に配して上部環状平板状部102の下面105に摺動自在に接触させ、下面306を下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203に摺動自在に接触させて上部ケース100及び下部ケース200間に配されている。
上部ケース100は、円筒垂下部115の端部を環状肩部217に臨ませて環状突起219の端部と径方向に重畳させ、円筒垂下部112の端部を下部内側環状溝216に配して環状突起219及び環状突起204の端部と径方向に夫々重畳させ、円筒垂下部110の端部を下部外側環状溝213に配して環状突起212及び環状突起206の端部と径方向に夫々重畳させ、環状係合部104を被環状係合部207に弾性装着させて、下部ケース200に組み合わされている。
第六の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、下部環状凹所205に配されて下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203及び上部環状平板状部102の下面105と夫々摺動自在に接触するスラスト滑り軸受片300は、密度が0.925〜0.970g/cm、好ましくは0.930〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分、好ましくは0.1〜15g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されている。そして、上記ポリエチレン樹脂から形成されたスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306と上部環状平板状部102の下面105及び下部環状平板状部202の上面203との摺動界面には、潤滑グリース、好ましくは基油がシリコーン油であって、25℃における動粘度が100cSt以上、500000cSt以下、好ましくは25℃における動粘度が1000cSt以上、100000cSt以下であり、これに増ちょう剤を含有して混合ちょう度を200以上、400以下、好ましくは混合ちょう度を250以上、350以下としたシリコーングリースが介在されていると共に環状隙間A1及びA2並びに下部内側環状溝216及び下部外側環状溝213の夫々にシリコーングリースが充填保持されている。
このように下部環状凹所205に配されて下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203及び上部環状平板状部102の下面105と、当該上面203及び下面105に夫々摺動自在に接触する上記特定のポリエチレン樹脂から形成されたスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306との摺動界面に前記シリコーングリースが介在することにより、スラスト滑り軸受片300自身の低摩擦性と該シリコーングリースの低摩擦性との相乗効果により一層の低摩擦性が発揮され、摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生もなく、環状隙間A1及びA2に前記シリコーングリースが充填保持されることにより、スラスト滑り軸受片300の下面306と下部環状凹所205の底面214を規定する下部環状平板状部202の上面203との摺動界面に常時、シリコーングリースが供給されるので、摺動面間でのシリコーングリースの枯渇等を生じることがなく、長期間にわたり低摩擦性を発揮して円滑な摺動が行われる。
第六の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1において、上部ケース100は、円筒垂下部115の端部を環状肩部217に臨ませて環状突起219の端部と径方向に重畳させ、円筒垂下部112の端部を下部内側環状溝216に配して環状突起219及び環状突起204の端部と径方向に夫々重畳させ、円筒垂下部110の端部を下部外側環状溝213に配して環状突起212及び環状突起206の端部と径方向に夫々重畳させ、環状係合部104を被環状係合部207に弾性装着させて、下部ケース200に組み合わされていることにより、合成樹脂製スラスト滑り軸受1の内周面側に円筒垂下部115と環状突起219との径方向の重畳部、円筒垂下部112と環状突起219及び環状突起204との重畳部にラビリンス作用による密封部が、また外周面側に円筒垂下部110と環状突起212及び環状突起206との重畳部及び環状係合部104と被環状係合部207との弾性装着部にラビリンス作用による密封部が夫々形成されることにより、さらに内径側に形成された下部内側環状溝216と外径側に形成された下部外側環状溝213に夫々シリコーングリースが充填保持されることにより、環状係合部104と被環状係合部207との弾性装着部又は内径側のラビリンス部から侵入した塵埃等の異物は、当該下部内側環状溝219及び下部外側環状溝213に充填保持されたシリコーングリースに捕獲されて摺動界面への侵入を阻止されるので、塵埃等異物の侵入に対し、内径側及び外径側において前記ラビリンス作用による密封部とで二重の侵入防止効果が発揮される。
第六の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においても、スラスト滑り軸受片300は、前記第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1のスラスト滑り軸受片300と同様であって、図2に示すように、円板304からなるスラスト滑り軸受片300の上面305及び下面306に円孔302を囲む環状溝307と、一端が環状溝307に開口し、他端が円板304からなるスラスト滑り軸受片300の外周面303で開口して円周方向に沿って等角度間隔に形成された放射状溝308を有しているのが好ましく、これら環状溝307及び放射状溝308には、潤滑グリース、好ましくは前記シリコーングリースが充填保持される。
第六の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においても、上部ケース100及び下部ケース200は、前記第一の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1の上部ケース100及び下部ケース200と同様に、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性合成樹脂又はこれら熱可塑性合成樹脂にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの補強繊維を含有した繊維補強熱可塑性合成樹脂が使用されて好適である。
第六の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1においても、第三及び第四の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1と同様に、円環状突出部107aの上面からなっている円環状平面107は、下部環状凹所205に配されたスラスト滑り軸受片300の外周面303までの長さをrとしたとき、上部ケース100の軸心Oを中心とした半径RがR=rである外周縁をもっており、円環状突出部107aは、その外周面から下り勾配の截頭円錐面109に連続している。本第六の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1でも、上部環状平板状部102の内周面における肉厚をtとしたとき、上部ケース100の上面である円環状平面107は、半径RがR=r±tの範囲の外周縁をもっていてもよい。
第六の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1によれば、車体側取付け部材Xに傾き等の変動荷重が作用した場合でも、円筒垂下部115と環状突起219との径方向の重畳部、円筒垂下部112と環状突起219及び204との径方向の重畳部、円筒垂下部110と環状突起206及び212との径方向の重畳部及び円筒垂下部103の環状係合部104と環状突起206の被環状係合部207との弾性装着部が干渉することがないので、これら重畳部及び弾性装着部に変形、損傷、折損等の不具合を生じることがないという作用効果が付加される。
第三、第四、第五及び第六の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1の夫々では、上述の構成に加えて、第二の実施の形態の合成樹脂製スラスト滑り軸受1と同様に、下部ケース200の下部環状平板状部202の下面210に、円孔201と同径の内径を有する円筒部211が一体に形成されていてもよい。
以上のように、本発明の合成樹脂製スラスト滑り軸受は、合成樹脂製の上部ケース100と、合成樹脂製の下部ケース200と、上部ケース100及び下部ケース200間に配されるスラスト滑り軸受片300が、密度が0.925〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(190℃、2160g)が0.1〜20g/10分であるポリエチレン樹脂から形成されているので、該スラスト滑り軸受片300が配される合成樹脂製の上部ケース100及び下部ケース200間において低摩擦性を発揮すると共に摺動面においてスティックスリップ現象を発生することなく長期間にわたり円滑な摺動が行われ、当該スティックスリップ現象に起因する異常摩擦音の発生がないので、合成樹脂製スラスト滑り軸受はストラット型サスペンションに組み込まれて好適である。
1 合成樹脂製スラスト滑り軸受
100 上部ケース
101 円孔
102 上部環状平板状部
103 円筒垂下部
104 環状係合部
200 下部ケース
201 円孔
202 下部環状平板状部
204 環状突起
205 下部環状凹所
206 環状突起
207 被環状係合部
300 スラスト滑り軸受片
301 内周面
303 外周面
308 放射状溝

Claims (13)

  1. 上部環状平板状部を有する合成樹脂製の上部ケースと、この上部ケースに当該上部ケースの軸心回りで回転自在となるように重ね合わされていると共に上部環状平板状部に対面した下部環状平板状部、この下部環状平板状部に同心に配された第一及び第二の環状突起並びにこの第一及び第二の環状突起で囲まれた下部環状凹所を有する合成樹脂製の下部ケースと、下部環状凹所に配されて下部環状凹所の底面を規定する下部環状平板状部の上面及び上部環状平板状部の下面と摺接すると共に中央部に円孔を有する円板からなる合成樹脂製のスラスト滑り軸受片と、下部環状凹所の底面を規定する下部環状平板状部の上面及び上部環状平板状部の下面とこれら上面及び下面に夫々摺接するスラスト滑り軸受片の下面との摺動界面に介在する潤滑グリースとを具備しており、上部ケースは、その外周縁で下部ケースの外周縁に弾性装着させて、下部ケースに組合わされてなる合成樹脂製スラスト滑り軸受であって、該スラスト滑り軸受片は、密度が0.925〜0.970g/cmであり、かつJISK7210で規定されるメルトフローレート(MFR、190℃、2160g)が0.1〜20g/10分であるポリエチレン樹脂からなることを特徴とする合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  2. 上部環状平板状部は、中央部に円孔を有しており、下部環状平板状部は、中央部に上部環状平板状部の円孔と連通する円孔を有しており、上部ケースは、上部環状平板状部の外周縁に一体に形成された円筒垂下部と、この円筒垂下部の内周面に形成された環状係合部とを備えており、下部ケースは、第二の環状突起の外周面に形成された被環状係合部を備えており、第一の環状突起は、下部環状平板状部の円孔と同径の内径を有して下部環状平板状部の上面に一体に形成されており、第二の環状突起は、第一の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の外周縁に一体に形成されていると共に第一の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部環状凹所を形成しており、上部ケースは、環状係合部を被環状係合部に弾性装着させて下部ケースに組み合わされてなる請求項1に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  3. スラスト滑り軸受片の中央部の円孔を規定する内周面は、第一の環状突起の外径よりも大きな内径を有しており、スラスト滑り軸受片の外周面は、第二の環状突起の内径よりも小さな外径を有しており、スラスト滑り軸受片は、その円孔を規定する内周面と第一の環状突起の外周面との間及びその外周面と第二の環状突起の内周面との間に夫々環状隙間をもって下部環状凹所に配されており、これら環状隙間の夫々に潤滑グリースが充填保持されている請求項1又は2に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  4. 上部環状平板状部は、中央部に円孔を有しており、下部環状平板状部は、中央部に上部環状平板状部の円孔と連通する円孔を有しており、上部ケースは、上部環状平板状部の円孔の周縁から径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の下面に一体に形成された第一の円筒垂下部と、この第一の円筒垂下部と協働して上部外側環状溝を形成するように、第一の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第二の円筒垂下部と、この第二の円筒垂下部の内周面に形成された環状係合部とを備えており、下部ケースは、第二の環状突起と協働して下部外側環状溝を形成するように、第二の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第三の環状突起と、この第三の環状突起の外周面に形成された被環状係合部とを備えており、第一の環状突起は、下部環状平板状部の円孔と同径の内径を有して下部環状平板状部の上面に一体に形成されており、第二の環状突起は、第一の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の上面に一体に形成されていると共に第一の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部環状凹所を形成しており、上部ケースは、第一の円筒垂下部の端部を下部外側環状溝に配して第二の環状突起及び第三の環状突起の夫々と径方向に重畳させ、環状係合部を被環状係合部に弾性装着させて、下部ケースに組合わされてなる請求項1に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  5. 上部環状平板状部は、中央部に円孔を有しており、下部環状平板状部は、中央部に上部環状平板状部の円孔と連通する円孔を有しており、上部ケースは、上部環状平板状部の円孔と同径の内径をもって上部環状平板状部の下面に一体に形成された第一の円筒垂下部と、この第一の円筒垂下部の外周面と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の下面に一体に形成されていると共に第一の円筒垂下部及び上部環状平板状部の下面と協働して上部環状凹所を形成する第二の円筒垂下部と、この第二の円筒垂下部と協働して上部環状溝を形成するように、第二の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第三の円筒垂下部と、この第三の円筒垂下部の内周面に形成された環状係合部とを備えており、下部ケースは、第二の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部外側環状溝を形成するように、第二の環状突起の外周面と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第三の環状突起と、この第三の環状突起の外周面に形成された被環状係合部とを備えており、第一の環状突起は下部環状平板状部の円孔から環状肩部を介して径方向外方に離れて下部環状平板状部の上面に一体に形成されており、第二の環状突起は第一の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の上面に一体に形成されていると共に第一の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部環状凹所を形成しており、上部ケースは、第一の円筒垂下部を第一の環状突起と径方向に重畳させ、第二の円筒垂下部の端部を下部外側環状溝に配して第二の環状突起及び第三の環状突起の夫々と径方向に重畳させ、環状係合部を被環状係合部に弾性装着させて、下部ケースに組み合わされてなる請求項1に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  6. スラスト滑り軸受片の中央部の円孔を規定する内周面は、第一の環状突起の外径よりも大きな内径を有しており、スラスト滑り軸受片の外周面は、第二の環状突起の内径よりも小さな外径を有しており、スラスト滑り軸受片は、その円孔を規定する内周面と第一の環状突起の外周面との間及びその外周面と第二の環状突起の内周面との間の夫々に環状隙間をもって下部環状凹所に配されており、これら環状隙間並びに下部外側環状溝の夫々に前記潤滑グリースが充填保持されている請求項4又は5に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  7. 上部環状平板状部は、中央部に円孔を有しており、下部環状平板状部は、中央部に上部環状平板状部の円孔と連通する円孔を有しており、上部ケースは、上部環状平板状部の円孔と環状肩部を介して上部環状平板状部の下面に一体に形成された第一の円筒垂下部と、この第一の円筒垂下部の外周面と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の下面に一体に形成されていると共に第一の円筒垂下部及び上部環状平板状部の下面と協働して上部環状凹所を形成する第二の円筒垂下部と、この第二の円筒垂下部と協働して上部外側環状溝を形成するように、第二の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第三の円筒垂下部と、この第三の円筒垂下部の内周面に形成された環状係合部とを備えており、下部ケースは、下部環状平板状部の円孔と同径の内径をもって下部環状平板状部に一体に形成された第三の環状突起と、第二の環状突起と協働して下部外側環状溝を形成するように、第二の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第四の環状突起と、この第四の環状突起の外周面に形成された被環状係合部とを備えており、第一の環状突起は、第三の環状突起と協働して下部内側環状溝を形成するように、第三の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の上面に一体に形成されており、第二の環状突起は、第一の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の上面に一体に形成されていると共に第一の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部環状凹所を形成しており、上部ケースは、第一の円筒垂下部の端部を下部内側環状溝に配して第一の環状突起及び第三の環状突起と径方向に夫々重畳させ、第二の円筒垂下部の端部を下部外側環状溝に配して第二の環状突起及び第四の環状突起の夫々と径方向に重畳させ、環状係合部を被環状係合部に弾性装着させて、下部ケースに組み合わされてなる請求項1に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  8. 上部環状平板状部は、中央部に円孔を有しており、下部環状平板状部は、中央部に上部環状平板状部の円孔と連通する円孔を有しており、上部ケースは、上部環状平板状部の円孔と同径の内径をもって上部環状平板状部の下面に一体に形成された第一の円筒垂下部と、この第一の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の下面に一体に形成されていると共に第一の円筒垂下部の外周面と協働して上部内側環状溝を形成する第二の円筒垂下部と、この第二の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の下面に一体に形成されていると共に第二の円筒垂下部及び上部環状平板状部の下面と協働して上部環状凹所を形成する第三の円筒垂下部と、この第三の円筒垂下部と協働して上部外側環状溝を形成するように、第三の円筒垂下部と径方向外方に所定の間隔を隔てて上部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第四の円筒垂下部と、この第四の円筒垂下部の端部の内周面に形成された環状係合部とを備えており、下部ケースは、下部環状平板状部の円孔から環状肩部を介して径方向外方に離れて下部環状平板状部の上面に一体に形成された第三の環状突起と、第二の環状突起と協働して下部外側環状溝を形成するように、第二の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の外周縁に一体に形成された第四の環状突起と、この第四の環状突起の端部の外周面に形成された被環状係合部とを備えており、第一の環状突起は、第三の環状突起と協働して下部内側環状溝を形成するように、第三の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて下部環状平板状部の上面に一体に形成されており、第二の環状突起は、下部環状平板状部の上面に第一の環状突起と径方向外方に所定の間隔を隔てて一体に形成されていると共に第一の環状突起及び下部環状平板状部の上面と協働して下部環状凹所を形成しており、上部ケースは、第一の円筒垂下部を下部ケースの環状肩部に臨ませて第三の環状突起の端部と径方向に重畳させ、第二の円筒垂下部の端部を下部内側環状溝に配して第一の環状突起及び第三の環状突起と径方向に夫々重畳させ、第三の円筒垂下部の端部を下部外側環状溝に配して第二の環状突起及び第四の環状突起の夫々と径方向に夫々重畳させ、環状係合部を被環状係合部に弾性装着させて、下部ケースに組み合わされてなる請求項1に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  9. スラスト滑り軸受片の中央部の円孔を規定する内周面は、第一の環状突起の外径よりも大きな内径を有しており、スラスト滑り軸受片の外周面は、第二の環状突起の内径よりも小さな外径を有しており、スラスト滑り軸受片は、その円孔を規定する内周面と第一の環状突起の外周面との間及びその外周面と第二の環状突起の内周面との間に夫々環状隙間をもって下部環状凹所に配されており、これら環状隙間、下部内側環状溝及び下部外側環状溝に前記潤滑グリースが充填保持されている請求項7又は8に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  10. 潤滑グリースは、基油がシリコーン油であって、25℃の温度における動粘度が100cSt以上、500000cSt以下であり、これに増ちょう剤を含有して混合ちょう度を200以上、400以下としたシリコーングリースである請求項1から9のいずれか一項に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  11. 上部ケースの軸心から下部環状凹所に配されたスラスト滑り軸受片の外周面までの径方向の長さをrとし、上部環状平板状部の円孔を規定する内周面における肉厚をtとしたとき、上部ケースは、その上面に、当該上部ケースの軸心を中心とした半径RがR=r±tの範囲の円形外周縁をもった円環状平面を有している請求項1から10のいずれか一項に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  12. 上部ケースは、上部環状平板状部の上面から軸方向に一体に突出した円環状突出部を更に備えており、上部ケースの上面は、円環状突出部の上面であり、円環状平面は、円環状突出部の上面からなる請求項1から11のいずれか一項に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
  13. 上部ケースは、円環状平面の外周縁又は当該外周縁から径方向外方の部位からその外周面にかけて下り勾配の截頭円錐面を有している請求項11又は12に記載の合成樹脂製スラスト滑り軸受。
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