JP2014129193A - 炭酸水素ナトリウムの製造方法及び炭酸水素ナトリウムの製造装置 - Google Patents

炭酸水素ナトリウムの製造方法及び炭酸水素ナトリウムの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】NaCl含有水から高純度のNaHCOを回収することを可能とする炭酸水素ナトリウムの製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】NaCl及び炭酸物質を含有するNaCl含有水を陰イオン交換樹脂を充填した充填塔58に通水し、NaHCOを回収する回収工程を備える炭酸水素ナトリウムの製造方法であって、前記NaCl含有水を陰イオン交換樹脂を充填した充填塔58に通水する際に、前記NaCl含有水に含まれる遊離炭酸を除いた全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比に応じて、前記NaCl含有水のpHを調整する。
【選択図】図4

Description

本発明は、NaCl含有水から炭酸水素ナトリウムを製造する方法及び製造する装置に関する。
CSG(Coal Seam Gas)のような天然ガスや原油などの資源採掘で発生する随伴水には、高濃度でNaClやNaHCOが含まれているため、脱塩処理をして水系環境に放流する必要がある。従来、除去された多量の塩は蒸発乾燥され、廃棄物処分されていた。一方で、これら塩類を有価物として回収する試みもなされている。
例えば、特許文献1には、資源採掘随伴水を対象に水中の塩を有価塩であるNaCOとして回収する技術が開示されている。これは、油相中に溶解したC12アミンとCOをNaClに反応させNaHCOに変換し、熱をかけてNaCOに転化する方法である。
非特許文献1及び特許文献2には、式(1)で表されるように、NaClを含む水から弱塩基性イオン交換樹脂を用いてNaHCOを製造する方法が開示されている。
N+CO+NaCl+HO → RN−HCl+NaHCO 式(1)
上記方法では反応効率を高めるため、式(2)で表されるように、イオン交換樹脂にCO溶解水を吹き込んで、樹脂上に重炭酸または炭酸が捕捉された型であるRN−HCO(炭酸型)に変換してから、式(3)で表されるように、NaClを含む被処理水を通水して、NaHCOを製造する。
N+CO+HO → RN−HCO 式(2)
N-HCO+NaCl → RN-HCl+NaHCO 式(3)
特許文献3には、COの供給源として石灰石(CaCO)を用いる方法が開示されている。また、この方法では、CaCOを燃やしてCOを得ると共に、式(4)で表されるように、副生物であるCa(OH)をイオン交換樹脂の再生アルカリとして用いている。
N−HCl+Ca(OH) → RN+CaCl+2HO 式(4)
特許文献3の方法は、Ca(OH)製造時に発生するCOガスを反応原料として用い、炭酸塩として固定化するものであり、COガスをほとんど大気へ排出しないシステムとして、地球温暖化防止の観点から有効な技術である。また、油分を使用しないため、COD源となる油分を含んだ排水が発生することもない。さらに、通水条件が適切であれば、式(3)の反応がほぼ完全に進行するため、炭酸塩の回収ロスがなく、非常に高い回収率が得られる。
オーストラリア特許第1053号 南アフリカ特許第785962号 特許第73373512号公報
R.Kunin,Ion Exchange In Chemical Synthesis,Industrial&Engineering Chemistry,1964,56(1),p35−39
ところで、工業的に一定かつ純粋なNaCl溶解水を用いてNaHCOを生成させる場合とは異なり、被処理水である資源採掘随伴水は、水質の変動等もあり、必ずしもイオン交換樹脂法に適当なものではなく、従来のイオン交換樹脂法で処理を行っても高純度のNaHCOを安定的に回収できない場合がある。
例えば、資源採掘随伴水は、pH9またはそれ以上といったアルカリ性の強い状態、すなわちOHイオンが多い状態となっている場合があるが、そのような強アルカリ性の資源採掘随伴水が、イオン交換樹脂に流入すると、上記式(3)の反応と共に、イオン交換樹脂の再生反応も進行し、上記式(3)の塩酸吸着反応が生じにくくなる。すると、処理水にClイオンが流出し、処理水から得られるNaHCOの純度が低いものとなる。
また、資源採掘随伴水には、NaClの他に、重炭酸イオン(HCO )または炭酸イオン(CO 2−)等の炭酸物質が含まれているが、資源採掘随伴水中のHCO イオン、CO 2−イオンとClイオンの比率は必ずしも一定でない。そして、資源採掘随伴水中のHCO イオン濃度が高く、相対的にNaCl濃度が低い場合等は特に、平衡により上記式(3)の反応が進行しにくく、処理水にClイオンが流出し、処理水から得られるNaHCOの純度が低いものとなる。
そこで、本発明の目的は、NaCl含有水から高純度のNaHCOを回収することを可能とする炭酸水素ナトリウムの製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明の炭酸水素ナトリウムの製造方法は、NaCl及び炭酸物質を含有するNaCl含有水を陰イオン交換樹脂に通水し、NaHCOを回収する回収工程を備える炭酸水素ナトリウムの製造方法であって、前記NaCl含有水を陰イオン交換樹脂に通水する際に、前記NaCl含有水に含まれる遊離炭酸を除いた全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比に応じて、前記NaCl含有水のpHを調整する。
また、前記炭酸水素ナトリウムの製造方法において、前記NaCl含有水のpHを調整する前に前記比に関する基準値を設定し、前記NaCl含有水のpHを調整するときは、前記比が前記基準値より小さい場合に、前記比が前記基準値より大きい場合と比べて、前記NaCl含有水のpHが低くなるようにすることが好ましい。
また、前記炭酸水素ナトリウムの製造方法において、前記NaCl含有水に含まれる遊離炭酸を除いた全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が2以上の場合は、前記NaCl含有水のpHを6.5以上〜8.5以下に調整し、前記NaCl含有水に含まれる遊離炭酸を除いた全炭酸物質の物質量に対するClイオン物質量の比が2未満の場合は、前記NaCl含有水のpHを5.6以上〜6.5未満に調整することが好ましい。
また、前記炭酸水素ナトリウムの製造方法において、前記NaCl含有水のpH調整は、前記NaCl含有水にCOガス、塩酸、又は空気を添加することにより行うことが好ましい。
また、前記炭酸水素ナトリウムの製造方法において、NaCl及び炭酸物質を含有するNaCl含有水は、資源採掘随伴水であることが好ましい。
また、前記炭酸水素ナトリウムの製造方法において、前記陰イオン交換樹脂は、HCO型の弱塩基性イオン交換樹脂であることが好ましい。
また、本発明の炭酸水素ナトリウムの製造装置は、陰イオン交換樹脂を充填した充填塔と、NaCl及び炭酸物質を含有するNaCl含有水を前記充填塔に通水し、NaHCOを回収する回収手段と、前記NaCl含有水を陰イオン交換樹脂に通水する際に、前記NaCl含有水に含まれる遊離炭酸を除いた全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比に応じて、前記NaCl含有水にpH調整剤を添加して、前記NaCl含有水のpHを調整するpH調整手段と、を備える。
本発明によれば、NaCl含有水から高純度のNaHCOを回収することを可能とする炭酸水素ナトリウムの製造方法及び製造装置を提供することができる。
参考例に係る溶解塩類製造装置の構成の一例を示す概略構成図である。 参考例に係る溶解塩類製造装置の構成の一例を示す概略構成図である。 Ca(OH)の供給量に対する再生処理液のpH及びCl−イオン脱離量との関係を示す図である。 本実施形態に係る炭酸水素ナトリウム製造装置の構成の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る炭酸水素ナトリウム製造装置の構成の他の一例を示す概略構成図である。 再生処理を行う際の炭酸水素ナトリウム製造装置の構成の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1及び図2は、参考例に係る溶解塩類製造装置の構成の一例を示す概略構成図である。図1に示すように、溶解塩類製造装置1は、排水貯留槽10、排水流入ライン12、排水ポンプ14、陰イオン交換樹脂が充填された充填塔16、処理水排出ライン18、処理水槽20、積算流量計19、を備え、図2に示すように、溶解塩類製造装置1は、Ca(OH)貯留槽22、Ca(OH)流入ライン24、Ca(OH)ポンプ26、ブロワ32、空気流入ライン34、再生処理液排出ライン36a,36b、再生処理液貯留槽38a,38bとをさらに備えるものである。図1に示すように、排水流入ライン12にはClイオンセンサ31が設置されている処理水排出ライン18にはClイオンセンサ21が設置されている。Clイオンセンサ21は処理水槽20内に設置されていてもよい。図1及び2に示すように、充填塔16には、pHセンサ28、Clイオンセンサ30が設置されている。Clイオンセンサ21,30,31としては、Clイオン電極を用いたセンサを使用することが望ましい。また、図1及び図2に示すように、溶解塩類製造装置1は、制御部40を備え、各センサ及び積算流量計19と電気的に接続され、各センサ及び積算流量計19の測定値が送信されるようになっている。また、溶解塩類製造装置1は濃縮装置42及び乾燥装置44を備えている。なお、Ca(OH)貯留槽22内には攪拌装置(不図示)が設置されていることが望ましい。参考例の溶解塩類製造装置1では、後述するNaHCOを回収する際には、充填塔16に図1に示す構成部品を設置し、後述するCaClを回収する際には、充填塔16から図1に示す構成部品を取り外し、充填塔16に図2に示す構成部品を設置してもよいし、NaHCOの回収及びCaClの回収を通して、充填塔16に図1及び2に示す構成部品を設置していてもよい。
図1に示すように、排水流入ライン12の一端は排水貯留槽10に接続され、他端は充填塔16の上部に接続されている。排水流入ライン12には、排水ポンプ14、積算流量計19が設置されている。処理水排出ライン18の一端は、充填塔16の底部に接続され、他端は処理水槽20に接続されている。また、図2に示すように、Ca(OH)流入ライン24の一端はCa(OH)貯留槽22に接続され、他端は充填塔16の上部に接続されている。Ca(OH)流入ライン24にはCa(OH)ポンプ26が設置されている。空気流入ライン34の一端は、ブロワ32に接続され、他端は充填塔16の下部側面に接続されている。再生処理液排出ライン36aの一端は充填塔16の下部側面に接続され、他端は再生処理液貯留槽38aに接続され、再生処理液排出ライン36bの一端は再生処理液排出ライン36aに接続され、他端は再生処理液貯留槽38bに接続されている。
排水貯留槽10、排水流入ライン12、排水ポンプ14、処理水排出ライン18及び処理水槽20は、NaClを含有する資源採掘随伴水を充填塔16に通水し、NaHCOを回収する第1回収装置として機能するものである。但し、第1回収装置は、NaClを含有する資源採掘随伴水からNaHCOを回収する構成を備えていれば、上記の構成に制限されるものではない。
Ca(OH)貯留槽22、Ca(OH)流入ライン24及びCa(OH)ポンプ26は、充填塔16内の陰イオン交換樹脂を再生処理する再生装置として機能するものである。但し、再生装置は、陰イオン交換樹脂を再生処理する構成を備えていれば、上記の構成に制限されるものではない。
再生処理液排出ライン36a、再生処理液貯留槽38aは、後述するように、再生処理液のpH、又は再生処理液のClイオン濃度に基づいて求められる陰イオン交換樹脂のClイオン脱離量が予め定めた規定値に達するまでの再生処理液を回収する第2回収装置として機能するものである。但し、第2回収装置は、再生処理液のpH、又は陰イオン交換樹脂のClイオン脱離量が予め定めた規定値に達するまでの再生処理液を回収する構成を備えていれば、上記の構成に制限されるものではない。
濃縮装置42は、再生処理液を濃縮する機能を有するものであり、例えば、エバポレータ、液膜降下式濃縮装置等が挙げられる。また、乾燥装置44は、濃縮した再生処理液を乾燥させるものであり、例えば、ドライヤー、電熱加熱型ドライヤーや真空式ドラムドライヤー等が挙げられる。
以下、参考例の溶解塩類製造装置1の動作について説明する。
参考例の処理対象となる排水として、NaClを含む資源採掘随伴水を例に説明するが、NaClを含むNaCl含有水であれば特に制限されるものではなく、NaClを含む産業排水に適用してもよい。資源採掘随伴水とは、例えば、CSG(Coal Seam Gas)のような天然ガスや原油などの資源採掘で発生する随伴水であり、NaCl等を含むものである。
まず、NaClを含む資源採掘随伴水は、排水貯留槽10に供給される前に、前処理工程、濃縮工程を行うことが望ましい。前処理工程は、凝集沈殿、凝集浮上分離やMF膜・UF膜などを用いた膜ろ過等により、資源採掘随伴水に含まれる懸濁物質や油分等を除去する工程である。濃縮工程は、RO膜等により資源採掘随伴水を濃縮し、水中のNaCl濃度を高める工程である。濃縮された資源採掘随伴水中のNaCl濃度は、その後の処理時間を短くし効率的な運転を行う観点等から、0.1mol/L以上であることが望ましい。
<NaHCOを回収する第1回収工程>
本参考例では、NaClを含む資源採掘随伴水を陰イオン交換樹脂に通水し、上記式(3)の反応でNaClをNaHCOに交換し、NaHCOを回収する第1回収工程を実施する。陰イオン交換樹脂は、HCO型の弱塩基性イオン交換樹脂であることが好ましく、HCO型の弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂であることがより好ましい。以下、HCO型の弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂を例として説明する。HCO型の弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂は、第1回収工程前に、弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂を充填した充填塔16に、純水等に炭酸を溶解した炭酸溶解水を通水し、HCO型に変換しておく必要がある。炭酸の溶解については、ガス吸収塔などを用いて、純水等にCOガスを溶解させる方法等が挙げられる。COガスは、メタンガスの燃焼や、CaCOからCa(OH)を製造する際に副生したCOガスを使用することが望ましい。
図1を用いて第1回収工程を具体的に説明すると、排水貯留槽10内のNaClを含む資源採掘随伴水が、排水ポンプ14により排水流入ライン12を通り、HCO型の弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂を充填した充填塔16に供給される。充填塔16内では、HCO型の弱塩基性イオン交換樹脂により、Clが吸着され、処理水排出ライン18からNaHCOを含む処理水が排出され、処理水槽20に貯留される。処理水槽20に貯留されたNaHCOを含む処理水は、その後、エバポレータ等による濃縮装置42により濃縮され、ドライヤー等の乾燥装置44により乾燥処理される。本参考例における第1回収工程では、処理水排出ライン18に設置したClイオンセンサ21により、処理水中のClイオン濃度をモニタリングし、Clイオン濃度が上昇したら直ちに終了することが望ましい。例えば、Clイオンセンサ21の測定データが制御部40に送られ、Clイオン濃度が上昇した段階で、制御部40により、排水ポンプ14等の稼働を停止するように電子制御されていてもよいし、作業者がClイオンセンサ21の測定データをチェックして、Clイオン濃度が上昇した段階で、手動で排水ポンプ14等の稼働を停止してもよい。
また、参考例では、第1回収工程の開始から終了までに、HCO型の弱塩基性イオン交換樹脂が吸着したClイオン吸着量を算出しておくことが望ましい。具体的には、排水流入ライン12に設置したClイオンセンサ31により検出される資源採掘随伴水のClイオン濃度と、処理水排出ライン18に設置されたClセンサ21により検出される処理水のClイオン濃度との差に積算流量計により検出した資源採掘随伴水の流量(通水量)を乗じることにより求められる。HCO型の弱塩基性イオン交換樹脂が吸着したClイオン吸着量は、例えば、各Clセンサ及び積算流量計19の測定データが、制御部40に送信され、制御部40により求められる。
参考例において使用するイオン交換樹脂は第三アミン形の官能基を持った弱塩基性イオン交換樹脂であり、例えば、アンバーライトIRA−67を使用するのが好適である。第1回収工程における資源採掘随伴水の通水SVは、0.5〜10(1/h)程度とすることが好適である。
<再生工程>
参考例では、第1回収工程においてHClが吸着した陰イオン交換樹脂にCa(OH)溶液(以下、Ca(OH)スラリーと呼ぶ場合がある)を通水して、上記式(4)の反応で、陰イオン交換樹脂からHClを脱離させ、陰イオン交換樹脂を再生する再生工程を実施する。なお、再生工程前には、充填塔16に純水を通水し、陰イオン交換樹脂間の間隙に滞留している資源採掘随伴水を洗い流すことが望ましい。
図2を用いて再生工程を具体的に説明すると、Ca(OH)ポンプ26を稼働させ、Ca(OH)貯留槽22内のCa(OH)スラリーがCa(OH)流入ライン24から充填塔16に供給されると共に、ブロワ32を稼働させ、空気が空気流入ライン34を通り、充填塔16に供給される。充填塔16内では、空気により、陰イオン交換樹脂が攪拌されながらCa(OH)スラリーと接触することにより、陰イオン交換樹脂からHClが脱離され、有価物であるCaClが生成される。このような再生工程は、充填塔16内の樹脂を攪拌しながらCa(OH)スラリーを所定条件まで徐々に添加し、一定時間反応後、再生処理液を充填塔16から排出させる回分式で行っても良い。また、Ca(OH)スラリーを充填塔16に通水し再生処理液を連続的に排出させる連続式で行っても良い。スラリーに覆われた陰イオン交換樹脂上で式(4)の反応をより効率的に進める観点等から、陰イオン交換樹脂を攪拌しながらCa(OH)スラリーを所定量まで徐々に添加する回分式のほうが望ましい。
Ca(OH)スラリーの濃度は、回分式で使用する場合は5〜10%が好適であり、連続式で使用する場合は、0.05〜0.5%が好適である。
充填塔16に空気を供給して、充填塔16内の陰イオン交換樹脂を攪拌するための流体は、空気に限定されるものではなく、式(4)の反応を阻害しない流体であればよく、例えばメタンガス等が挙げられる。
再生工程では、未溶解のCa(OH)がCa2+とOHに溶解してから、OHが陰イオン交換樹脂上のHClと再生反応を起こすので、添加したCa(OH)が再生に十分に使われるのに数分〜10分程度の時間を要する場合があるため、回分式でのCa(OH)スラリーの添加はその時間を見込んで間欠的に行うことが好ましい。
<第2回収工程>
参考例では、充填塔16から排出される再生処理液を回収する第2回回収工程を実施する。この際、再生処理液のpHをモニタリングし、モニタリングしたpH値が予め定めた既定値に達するまでに回収した再生処理液を濃縮及び乾燥する。又は再生処理液のClイオン濃度をモニタリングし、モニタリングしたClイオン濃度に基づいて求められる陰イオン交換樹脂のClイオン脱離量が予め定めた既定値に達するまでに回収した再生処理液を濃縮及び乾燥する。
図3は、Ca(OH)の供給量に対する再生処理液のpH及びClイオン脱離量との関係を示す図である。図3に示すように、再生処理液のpHをモニタリングする場合、完全再生前であれば、充填塔16に通水したCa(OH)は、陰イオン交換樹脂により消費され、その一方で陰イオン交換樹脂からHClが脱離していく段階であるので、再生処理液のpHは、Ca(OH)スラリーのpH12.2(水温20℃の場合)よりも低いpHであり、再生処理液中のCaClの純度は高い状態である。一方、完全再生後であれば、HClの脱離が終了し、充填塔16に通水したCa(OH)スラリーが充填塔16から再生処理液として排出される段階であるので、再生処理液のpHは、Ca(OH)スラリーのpH12.2(水温20℃の場合)に達し、再生処理液中のCaClの純度が低下していく状態である。
そこで、参考例では、充填塔16の再生処理液のpHが、pHセンサによりモニタリングされ、モニタリングされたpH値が制御部40に送信される。そして、制御部40により、例えば、再生処理液のpH値と予め設定した規定のpH値とが比較され、pH値が予め設定した規定値に達していない間は、再生処理液中のCaClの純度が高いため、再生処理液排出ライン36aに設けられたバルブAを開放し、再生処理液排出ライン36bに設けられたバルブBを閉じる。すなわち、pH値が予め設定した規定値未満の間は、再生処理液は、再生処理液排出ライン36aから再生処理液貯留槽38aに供給される。再生処理液貯留槽38aに貯留された処理液は、エバポレータ等の濃縮装置42に送られて濃縮された後、ドライヤー等の乾燥装置44に送られて乾燥され、高純度CaClが回収される。また、制御部40により、pH値が予め設定した規定値に達した場合には、再生処理液中のCaClの純度が低下していく段階に入るため、バルブAを閉じ、バルブBを開放する。すなわち、pH値が予め設定した規定値に達した後は、再生処理液は、再生処理排出ラインbから再生処理貯留槽bに供給される。なお、参考例では、pH値と規定値の比較及びバルブの開閉等を制御部40による電子制御により実施しても良いし、作業者による手動により実施してもよい。なお、充填塔16を回分式とした場合には、充填塔16内に設置したpHセンサ28により再生処理液のpH値を測定することができるが、連続式とした場合には、再生処理液排出ライン36a又は再生処理液貯留槽38aにpHセンサを設置し、再生処理液のpHを測定する必要がある。
予め設定する規定値としては、高純度のCaClを回収することができる値であれば特に制限されるものではないが、pHモニタリングの場合、Ca(OH)スラリーのpH値に設定することが好ましく、pH10.0〜12.0の間で設定することがより好ましい。規定値をpH12.0以下とすることにより、確実に高純度のCaClを含有する再生処理液を濃縮・乾燥工程に移行することが可能となる。また、規定値をpH10.0以上とすることにより、貯留する再生処理液が多くなることを抑制することができ、容量の小さな貯留設備を使用することが可能となる。
また、図2に示すように、再生処理液のClイオン濃度をモニタリングする場合、完全再生前であれば、陰イオン交換樹脂に吸着していたHClが脱離していく段階であるので、再生処理液中のClイオン濃度に基づいて求められる陰イオン交換樹脂のClイオン脱離量は、陰イオン交換樹脂のClイオン吸着量より低く、再生処理液中のCaClの純度は高い状態である。一方、完全再生後であれば、HClの脱離が終了し、充填塔16に通水したCa(OH)スラリーが充填塔16から再生処理液として排出される段階であるので、陰イオン交換樹脂のClイオン脱離量は、陰イオン交換樹脂のClイオン吸着量に達し、再生処理液中のCaClの純度が低下していく状態である。
そこで、他の参考例では、充填塔16から排出される再生処理液のClイオン濃度が、Clイオンセンサによりモニタリングされ、モニタリングされたClイオン濃度値が制御部40に送信される。ここで、陰イオン交換樹脂に吸着していたClイオンの脱離量は、再生処理液のClイオン濃度と再生処理液量との積により求められる。再生処理液量が一定であれば、制御部40で、モニタリングされたClイオン濃度値に定数を乗じることにより求められ、再生処理液の流量が一定でなければ、再生処理液排出ライン36aに積算流量計を設置し、積算流量計により測定された再生処理液の流量値を制御部40に送信し、制御部40で、モニタリングされたClイオン濃度値に測定された再生処理液の流量値を乗じることにより求められる。そして、制御部40により、例えば、弱塩基性イオン交換樹脂に吸着していたClイオン脱離量と予め設定した規定値とが比較され、Clイオン脱離量が予め設定した規定値に達していない間は、再生処理液中のCaClの純度が高いため、バルブAを開放し、電磁バルブBを閉じる。すなわち、Clイオン脱離量が予め設定した規定値未満の間は、再生処理液は、再生処理液排出ライン36aから再生処理液貯留槽38aに供給される。再生処理液貯留槽38aに貯留された処理液は、エバポレータ等の濃縮装置42に送られて濃縮された後、ドライヤー等の乾燥装置44に送られて乾燥され、高純度CaClが回収される。また、制御部40により、Clイオン脱離量が予め設定した規定値に達した場合には、再生処理液中のCaClの純度が低下していく段階に入るため、バルブAを閉じ、バルブBを開放する。すなわち、Clイオン脱離量が予め設定した規定値に達した後は、再生処理液は、再生処理液排出ライン36bから再生処理液貯留槽38bに供給される。なお、参考例では、Clイオン脱離量と規定値の比較及びバルブの開閉等を制御部40による電子制御により実施しても良いし、作業者による手動により実施してもよい。なお、充填塔16を回分式とした場合には、充填塔16内に設置したClイオンセンサ30により再生処理液のClイオン濃度を測定することができるが、連続式とした場合には、再生処理液排出ライン36a又は再生処理液貯留槽38aにClイオンセンサを設置し、再生処理液のClイオン濃度を測定する必要がある。
予め設定する規定値としては、高純度のCaClを回収することができる値であれば特に制限されるものではないが、Clイオン濃度モニタリングの場合、陰イオン交換樹脂のClイオン吸着量の値に設定することが好ましく、陰イオン交換樹脂のClイオン吸着量の値の85〜96%の間に設定することがより好ましい。規定値を陰イオン交換樹脂のClイオン吸着量の値の96%以下とすることにより、確実に高純度のCaClを含有する再生処理液を濃縮・乾燥工程に移行することが可能となる。規定値を陰イオン交換樹脂のClイオン吸着量の値の85%以上とすることにより、貯留する再生処理液が多くなることを抑制することができ、容量の小さな貯留設備を使用することが可能となる。陰イオン交換樹脂のClイオン吸着量の算出については、前述の通りである。
参考例では、再生処理液のpH又はClイオン脱離量が既定値に達した後、充填塔16に、Ca(OH)スラリーをさらに導入し、陰イオン交換樹脂の完全再生を行うことが好ましい。完全再生後の再生処理液、すなわち、前述したように再生処理液排出ライン36bを通り再生処理液貯留槽38bに貯留した再生処理液は、Clイオンを多少含むが、Clイオンに比べてCa(OH)含有量が多いので、次のサイクルにおける陰イオン交換樹脂を再生するための再生剤として使用するために貯留しておくことが望ましい。また、陰イオン交換樹脂を充填した充填塔16が複数ある場合は、他の系列の再生に使用しても良い。そうすることにより、貯留設備の数を減らすことが可能となる。
第2回収工程終了後には、充填塔16に純水を通水して、陰イオン交換樹脂を洗浄することが望ましい。この洗浄排水は、希薄な消石灰溶液であるので、Ca(OH)スラリーを調製するための、溶解水として使用してもよい。
図4は、本実施形態に係る炭酸水素ナトリウム製造装置の構成の一例を示す概略構成図である。図4に示すように、炭酸水素ナトリウム製造装置2は、排水貯留槽46、排水流入ライン48a,48b、排水ポンプ50a,50b、pH調整塔52、ブロワ54、ガス流入ライン56、陰イオン交換樹脂が充填された充填塔58、処理水排出ライン60、処理水槽62を備えるものである。図4に示すように、排水流入ライン48aにはClイオンセンサ64及びアルカリ度計68が設置され、排水流入ライン48bにはpHセンサ70が設置され、処理水排出ライン60にはClイオンセンサ66が設置されている。Clイオンセンサ66は、処理水槽62内に設置されていてもよい。Clイオンセンサ64,66としては、Clイオン電極を用いたセンサを使用することが望ましい。アルカリ度計としてはMアルカリ度とPアルカリ度の両方が測定できるものを用いることが好ましい。また、図4に示すように、炭酸水素ナトリウム製造装置2は、制御部72を備え、各センサ、アルカリ度計68と電気的に接続され、各センサ及びアルカリ度計68の測定値が送信されるようになっている。また、炭酸水素ナトリウム製造装置2は濃縮装置74及び乾燥装置76を備えている。
図4に示すように、排水流入ライン48aの一端は排水貯留槽46に接続され、他端はpH調整塔52の上部に接続されている。排水流入ライン48aには、排水ポンプ50aが設置されている。ガス流入ライン56の一端はブロワ54に接続され、他端はpH調整塔52の側面に接続されている。排水流入ライン48bの一端はpH調整塔52の下部側面に接続され、他端は充填塔58の上部に接続されている。排水流入ライン48bには、排水ポンプ50bが設置されている。処理水排出ライン60の一端は、充填塔58の底部に接続され、他端は処理水槽62に接続されている。
排水流入ライン48b、排水ポンプ50b、処理水排出ライン60及び処理水槽62は、NaClを含有する資源採掘随伴水を充填塔58に通水し、NaHCOを回収する回収装置として機能するものである。但し、回収装置は、NaClを含有する資源採掘随伴水からNaHCOを回収する構成を備えていれば、上記の構成に制限されるものではない。
排水流入ライン48a、排水ポンプ50a、pH調整塔52、ブロワ54、ガス流入ライン56は、資源採掘随伴水のpHを調整するpH調整装置として機能するものである。pH調整装置は、資源採掘随伴水のpHを調整する構成を備えていれば、上記の構成に制限されるものではない。pH調整塔52内には、資源採掘随伴水のpH調整時間を短縮する、pH調製用ガスの使用量を抑制する等の観点から、ラシヒリング等の充填剤を充填することが好ましい。
濃縮装置74は、再生処理液を濃縮する機能を有するものであり、例えば、エバポレータ、液膜降下式蒸発濃縮装置等が挙げられる。また、乾燥装置76は、濃縮した再生処理液を乾燥させるものであり、例えば、電熱加熱式ドライヤーや真空ドラムドライヤー等が挙げられる。
以下、本実施形態の炭酸水素ナトリウム製造装置2の動作について説明する。
本実施形態の処理対象となる排水は、NaCl及び炭酸物質を含む資源採掘随伴水を例に説明するが、NaCl及び炭酸物質を含むNaCl含有水であれば特に制限されるものではなく、NaCl及び炭酸物質を含む産業排水に適用してもよい。資源採掘随伴水とは、例えば、CSG(Coal Seam Gas)のような天然ガスや原油などの資源採掘で発生する随伴水であり、NaCl等を含むものである。ここで、炭酸物質とは、重炭酸イオン(HCO )、炭酸イオン(CO 2−)、遊離炭酸(溶解性CO)等である。
まず、NaCl及び炭酸物質を含む資源採掘随伴水は、排水貯留槽46に供給される前に、前処理工程、濃縮工程を行うことが望ましい。前処理工程は、凝集沈殿、凝集浮上分離やMF膜・UF膜などを用いた膜ろ過等により、資源採掘随伴水に含まれる懸濁物質や油分等を除去する工程である。濃縮工程は、RO膜等により資源採掘随伴水を濃縮し、水中のNaCl濃度を高める工程である。濃縮された資源採掘随伴水中のNaCl濃度は、その後の処理時間を短くし効率的な運転を行う観点等から、0.1mol/L以上であることが望ましい。
<pH調整工程>
本実施形態では、(前処理・濃縮工程後)の資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質(HCO 、CO 2−)の物質量(モル)に対するClイオンの物質量(モル)の比(モル比)に応じて、資源採掘随伴水のpHを調整するpH調整工程を実施する。高純度のNaHCOを回収するためには、資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が小さいほど、資源採掘随伴水のpHを低くする必要がある。
通常、モル比に関わらず、pH8.5以上の資源採掘随伴水を後段の充填塔58に通水して処理を行うと、充填塔58から排出される処理水には、NaHCOの他にNaCOが含まれる状態となるため、溶解塩類の純度としては問題ないが、NaHCO単体の純度としては低下する。更にpH9.5以上の資源採掘随伴水を後段の充填塔58に通水して処理を行うと、上記式(3)の反応と同時に、OHイオンによるイオン交換樹脂の再生反応が生じ、充填塔58から排出される処理水にはClイオンが混入するため、充填塔58から排出される処理水中のNaHCO純度は更に低下する。しかし、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量(モル)に対するClイオンの物質量(モル)の比が2以上の場合、資源採掘随伴水のpHを6.5以上〜8.5以下にすると、上記式(3)の反応が十分進行するとともに、資源採掘随伴水中に含まれる全炭酸物質の多くがHCO となっているため、後段の充填塔58から排出される処理水から高純度のNaHCOを回収することができる。遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量(モル)に対するClイオンの物質量(モル)の比が2以上の場合、特に、資源採掘随伴水のpHを7.0以上〜8.0以下に調整することにより、資源採掘随伴水中に含まれる全炭酸物質の大部分がHCO となっているため、後段の充填塔58から排出される処理水から、高純度でより多くのNaHCOを回収することができる。一方、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量(モル)に対するClイオンの物質量(モル)の比が2より小さくなるにつれ、資源採掘随伴水のpHを6.5以上〜8.5以下の範囲に調整しても上記式(3)の反応が進みにくくなるため、充填塔58から排出される処理水にClイオンの混入が多くなってしまう。しかし、資源採掘随伴水のpHを上記範囲より下げ、資源採掘随伴水中の炭酸を遊離炭酸にすることで、Clイオンに対するHCO の量を低減させることができるため、充填塔58内では上記式(3)の反応が進み易くなる。また、資源採掘随伴水のpHを上記範囲より下げることにより、低pH下でイオン交換する陰イオン交換樹脂の性質により上記式(3)の反応を促進することができる。このため、処理水へのClイオンの混入が少なくなり、処理水から高純度のNaHCOを回収することができる。
本実施形態では、高純度のNaHCOを回収するためには、資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が小さいほど、資源採掘随伴水のpHを低くすればよいが、以下のように、資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比に関する基準値を設定し、その基準値に基づいてpH調整することが好ましい。資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が2以上であれば、pH調整塔52にて資源採掘随伴水のpHを6.5以上〜8.5以下に調整することが好ましく、7.0以上〜8.0以下に調整することがより好ましく、資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が2未満であれば、pH調整塔52にて資源採掘随伴水のpHを5.6以上〜6.5未満の範囲に調整することが好ましい。さらに、資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が2未満〜1以上であれば、pH調整塔52にて資源採掘随伴水のpHを6.0以上〜6.5未満の範囲に調整することが好ましく、資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が1未満であれば、pH調整塔52にて資源採掘随伴水のpHを5.6以上〜6.0未満の範囲に調整することが好ましい。
図4を用いてpH調整工程を具体的に説明すると、排水貯留槽46内のNaCl及び炭酸物質を含む資源採掘随伴水が、排水ポンプ50aにより排水流入ライン48aに送液される。排水流入ライン48aを通る資源採掘随伴水中のClイオンの物質量(モル)がClイオンセンサ64により測定され、資源採掘随伴水中のアルカリ度がアルカリ度計68により測定される。測定されたClイオンの物質量及びアルカリ度が制御部72に送信される。制御部72では、アルカリ度とpHに基づいて、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量(mol/L)が算出される(=Mアルカリ度/100,000−10(pH−14))。そして、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比(Clイオン/遊離炭酸を除く全炭酸物質)が求められる。そして、pH調整塔52に供給された資源採掘随伴水に、ブロワ54からガス流入ライン56を通してpH調整塔52に供給されたCOガス又は空気を接触させ、資源採掘随伴水のpHが調整される。本実施形態では、pH調整塔52から排出される資源採掘随伴水のpHが、排水流入ライン48bに設置されたpHセンサ70により測定され、その測定値が制御部72に送信される。そして、pH調整塔52から排出された資源採掘随伴水のpHが、資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質(HCO 、CO 2−)の物質量(モル)に対するClイオンの物質量(モル)の比に応じて調整されるpHを満たしていない場合は、そのpH範囲を満たすように、制御部72によりブロワ54等の出力等が制御され、COガス又は空気の供給量が調節される。本実施形態では、資源採掘随伴水のpHを下げる場合には、COガスを供給し(又は後述するHCl等を添加)、資源採掘随伴水のpHを上げる場合には、空気を供給(又は後述するNaOH等を添加)する。なお、COガスを用いる場合には、後述するイオン交換樹脂の再生に利用する消石灰Ca(OH)や石灰石CaCOを燃焼して製造する際に副生されるCOを利用しても良いし、現地で得られるメタンガスなどを燃焼して得られるCOガスを利用してもよい。
<NaHCOを回収する回収工程>
本実施形態では、前述したようにpH調整されたNaCl及び炭酸物質を含む資源採掘随伴水を陰イオン交換樹脂に通水し、上記式(3)の反応でNaClをNaHCOに交換し、NaHCOを回収する回収工程を実施する。陰イオン交換樹脂は、HCO型の弱塩基性イオン交換樹脂であることが好ましく、HCO型の弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂であることがより好ましい。以下、HCO型の弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂を例として説明する。HCO型の弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂は、回収工程前に、弱塩基性イオン交換樹脂を充填した充填塔58に、純水等に炭酸を溶解した炭酸溶解水を通水し、HCO型に変換することで得られる。炭酸の溶解については、ガス吸収塔などを用いて、純水等にCOガスを溶解させる方法等が挙げられる。COガスは、メタンガスの燃焼や、CaCOからCa(OH)を製造する際に副生したCOガスを使用することが望ましい。
図4を用いて回収工程を具体的に説明すると、排水流入ライン48bを流れるNaCl及び炭酸物質を含みpH調整された資源採掘随伴水が、排水ポンプ50bにより、HCO型の弱塩基性イオン交換樹脂を充填した充填塔58に供給される。充填塔58内では、HCO型の弱塩基性イオン交換樹脂により、Clが吸着され、処理水排出ライン60からNaHCOを含む処理水が排出され、処理水槽62に貯留される。処理水槽62に貯留されたNaHCOを含む処理水は、その後、エバポレータ等による濃縮装置74により濃縮され、ドライヤー等の乾燥装置76により乾燥処理される。本実施形態における回収工程では、処理水排出ライン60または処理水槽62に設置したClイオンセンサ66により、処理水中のClイオン濃度をモニタリングし、Clイオン濃度が上昇したら直ちに終了することが望ましい。例えば、Clイオンセンサ66の測定データが制御部72に送られ、Clイオン濃度が上昇した段階で、制御部72により、排水ポンプ50b等の稼働停止するように電子制御されていてもよいし、作業者がClイオンセンサ66の測定データをチェックして、Clイオン濃度が上昇する直前、或いは上昇した段階で、手動で排水ポンプ50b等の稼働を停止してもよい。
本実施形態において使用する弱塩基性イオン交換樹脂はアクリル系の第三アミン形の官能基を持った弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂であることが好ましく、例えば、アンバーライトIRA−67を使用するのが好適である。回収工程における資源採掘随伴水の通水SVは、0.5〜10(1/h)程度とすることが好適である。
本実施形態では、充填塔58に供給される資源採掘随伴水のpHを資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比に応じて調整しているため、充填塔58内では、弱塩基性イオン交換樹脂により効率よくClが吸着され、高い純度のNaHCOを回収することが可能となる。
図5は、本実施形態に係る炭酸水素ナトリウム製造装置の構成の他の一例を示す概略構成図である。図5に示す炭酸水素ナトリウム製造装置3において、図4に示す炭酸水素ナトリウム製造装置2と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図5に示すように、炭酸水素ナトリウム製造装置3は、HCl貯留槽78、HCl添加ライン80、HClポンプ82、pH調整槽84、を備える。図5に示すように、pH調整槽84内にはpHセンサ70が設置されている。また、pH調整槽84内には、攪拌装置(不図示)が設置されることが望ましい。
図5に示すように、排水流入ライン48aの一端は排水貯留槽46に接続され、他端はpH調整槽84に接続されている。また、HCl添加ライン80の一端はHCl貯留槽78に接続され、他端はpH調整槽84に接続されている。また、排水流入ライン48bの一端はpH調整槽84に接続され、他端は充填塔58の上部に接続されている。排水流入ライン48bには、排水ポンプ50bが設置されている。処理水排出ライン60の一端は、充填塔58の底部に接続され、他端は処理水槽62に接続されている。
排水流入ライン48a、pH調整槽84、HCl貯留槽78、HCl添加ライン80、HClポンプ82は、資源採掘随伴水のpHを調整するpH調整装置として機能するものである。pH調整装置は、資源採掘随伴水のpHを調整する構成を備えていれば、上記の構成に制限されるものではない。
以下、本実施形態の炭酸水素ナトリウム製造装置3の動作について説明する。
NaCl及び炭酸物質を含む資源採掘随伴水は、前述したように、排水貯留槽46に供給される前に前処理工程、濃縮工程を行うことが望ましい。そして、排水貯留槽46内のNaCl及び炭酸物質を含む資源採掘随伴水が、排水流入ライン48aを通る際に、資源採掘随伴水中のClイオンの物質量(モル)がClイオンセンサ64により測定され、資源採掘随伴水中のアルカリ度がアルカリ度計68により測定される。測定されたClイオンの物質量及びアルカリ度が制御部72に送信される。制御部72では、アルカリ度とpHに基づいて、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量(mol/L)が算出される(=Mアルカリ度/100,000−10(pH−14))。そして、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比(Clイオン/遊離炭酸を除く全炭酸物質)が求められる。そして、資源採掘随伴水がpH調整槽84に供給されると共に、HClポンプ82によりHCl貯留槽78内のHCl溶液がHCl添加ライン80からpH調整槽84に供給され、資源採掘随伴水のpHが調整される。本実施形態では、pH調整槽84内に設置されたpHセンサ70により、資源採掘随伴水のpHが測定され、その測定値が制御部72に送信される。pH調整槽84内の資源採掘随伴水のpHが、資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質(HCO 、CO 2−)の物質量(モル)に対するClイオンの物質量(モル)の比に応じて調整されるpHを満たしていない場合は、そのpH範囲を満たすように、制御部72によりHClポンプ82等の出力等が制御され、HClの供給量が調節される。資源採掘随伴水中の遊離炭酸を除く全炭酸物質(HCO 、CO 2−)の物質量(モル)に対するClイオンの物質量(モル)の比に応じて調整される資源採掘随伴水のpHについては前述した通りである。
本実施形態では、pH調整にHClを用いているが、資源採掘随伴水のpHを調整するものであればこれに制限されるものではなく、例えば、炭酸水等の酸剤を用いることも可能である。また、HCl等の酸剤は、資源採掘随伴水のpHを下げるために用いるものであって、資源採掘随伴水のpHを上げる場合には、NaOH等のアルカリ剤を用いることが必要である。
pH調整槽84内でpH調整された資源採掘随伴水は、排水ポンプ50bにより、HCO型の弱塩基性イオン交換樹脂を充填した充填塔58に供給される。充填塔58内では、HCO型の弱塩基性イオン交換樹脂により、Clが吸着され、処理水排出ライン60からNaHCOを含む処理水が排出され、処理水槽62に貯留される。処理水槽62に貯留されたNaHCOを含む処理水は、その後、エバポレータ等による濃縮装置74により濃縮され、ドライヤー等の乾燥装置76により乾燥処理される。本実施形態における回収工程では、処理水排出ライン60あるいは処理水槽62に設置したClイオンセンサ66により、処理水中のClイオン濃度をモニタリングし、Clイオン濃度が上昇したら直ちに終了することが望ましい。例えば、Clイオンセンサ66の測定データが制御部72に送られ、Clイオン濃度が上昇した段階で、制御部72により、排水ポンプ50b等の稼働を停止するように電子制御されていてもよいし、作業者がClイオンセンサ66の測定データをチェックして、Clイオン濃度が上昇した段階で、手動で排水ポンプ50b等の稼働を停止してもよい。
次に、NaHCOを回収した後における、陰イオン交換樹脂の再生処理について説明する。
図6は、再生処理を行う際の炭酸水素ナトリウム製造装置の構成の一例を示す概略構成図である。図6に示すように、炭酸水素ナトリウム製造装置(2,3)は、Ca(OH)貯留槽86、Ca(OH)流入ライン88、Ca(OH)ポンプ90、ブロワ92、空気流入ライン94、再生処理液排出ライン98、再生処理液貯留槽38a、を備えるものである。なお、Ca(OH)貯留槽86内には攪拌装置(不図示)が設置されていることが望ましい。本実施形態では、後述する再生処理を実施する際には、充填塔58から図4又は5に示す構成部品を取り外し、充填塔58に図6に示す構成部品を設置してもよいし、NaHCOの回収及び再生処理を通して、充填塔58に図4又は5、及び図6に示す構成部品を充填塔58に設置していてもよい。
また、図6に示すように、Ca(OH)流入ライン88の一端はCa(OH)貯留槽86に接続され、他端は充填塔58の上部に接続されている。Ca(OH)流入ライン88にはCa(OH)ポンプ90が設置されている。空気流入ライン94の一端は、ブロワ92に接続され、他端は充填塔58の下部側面に接続されている。再生処理液排出ライン98の一端は充填塔58の下部側面に接続され、他端は再生処理液貯留槽38aに接続されている。
図6に示す再生処理を行う際の炭酸水素ナトリウム製造装置(2,3)の動作について説明する。
<再生工程>
本実施形態では、上記回収工程においてHClが吸着した陰イオン交換樹脂にCa(OH)溶液(以下、Ca(OH)スラリーと呼ぶ場合がある)を通水して、上記式(4)の反応で、弱塩基性イオン交換樹脂からHClを脱離させ、弱塩基性イオン交換樹脂を再生する再生工程を実施する。なお、再生工程前には、充填塔58に純水を通水し、弱塩基性イオン交換樹脂間の間隙に滞留している資源採掘随伴水を洗い流すことが望ましい。
図6を用いて再生工程を具体的に説明すると、Ca(OH)ポンプ90を稼働させ、Ca(OH)貯留槽86内のCa(OH)スラリーがCa(OH)流入ライン88から充填塔58に供給されると共に、ブロワ92を稼働させ、空気が空気流入ライン94を通り、充填塔58に供給される。充填塔58内では、空気により、陰イオン交換樹脂が攪拌されながらCa(OH)スラリーと接触することにより、陰イオン交換樹脂からHClが脱離され、CaClが生成される。そして、再生処理液が再生処理液排出ライン98から再生処理液貯留槽38aに供給される。再生処理液中には、CaClやCa(OH)等が含まれており、必要に応じて、濃縮装置74及び乾燥装置76に送られる。
このような再生工程は、充填塔58内の樹脂を攪拌しながらCa(OH)スラリーを所定条件まで徐々に添加し、一定時間反応後、再生処理液を充填塔58から排出させる回分式で行っても良い。また、Ca(OH)スラリーを充填塔58に通水し再生処理液を連続的に排出させる連続式で行っても良い。スラリーに覆われた陰イオン交換樹脂上で式(4)の反応をより効率的に進める観点等から、陰イオン交換樹脂を攪拌しながらCa(OH)スラリーを所定量まで徐々に添加する回分式のほうが望ましい。
Ca(OH)スラリーの濃度は、回分式で使用する場合は5〜10%が好適であり、連続式で使用する場合は、0.05〜0.5%が好適である。
充填塔58内の陰イオン交換樹脂を攪拌するための流体は、空気に限定されるものではなく、式(4)の反応を阻害しない流体であればよく、例えばメタンガス等が挙げられる。
再生工程では、未溶解のCa(OH)がCa2+とOHに溶解してから、OHが陰イオン交換樹脂上のHClと再生反応を起こすので、添加したCa(OH)が再生に十分に使われるのに数分〜10分程度の時間を要する場合があるため、回分式でのCa(OH)スラリーの添加はその時間を見込んで間欠的に行うことが好ましい。
以下、実施例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(参考例1及び比較例)
CSG資源採掘随伴水模擬水に、前処理工程としてSS除去を目的とした凝集加圧浮上分離とUF膜を用いた膜ろ過を行い、さらに、濃縮工程として逆浸透膜による濃縮(10倍濃縮)を行った。前処理工程及び濃縮工程後のCGS資源採掘随伴水模擬水(以下、被処理水と呼ぶ)の水質を表1にまとめた。
Figure 2014129193
弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIRA−67)を0.2L充填した充填塔に、COガス曝気塔で調製したCO溶解水を通水し、弱塩基性イオン交換樹脂をHCO型に変換した(上記式(2)の反応を参照)。ここで、充填塔に流入する前のCO溶解水の無機炭素濃度、充填塔から流出した流出水の無機炭素濃度を測定し、流出水の無機炭素濃度が流入前のCO溶解水の無機炭素濃度と同等になるまで、CO溶解水の通水を継続し、0.2LのIRA−67が有する交換容量0.32mol全量をHCO型(R3N−HCO)に変換させた。このHCO型に変換した弱塩基性イオン交換樹脂を充填した充填塔を6つ(以下、6系列)準備した。
各系列の充填塔への被処理水(21℃)の通水を開始し、通水中の被処理水と、充填塔から排出された処理水のClイオン濃度を計測した。通水初期から処理水のClイオン濃度は180mg/L(0.005mol/L)以下であったが、通水量360mLの時に処理水のClイオン濃度が200mg/L(0.006mol/L)に上昇し、その時点で通水を停止した。このときClイオン吸着量は0.140molと推定された。この処理水をエバポレータによる減圧濃縮及びホットプレート(70℃)による蒸発乾固を行ってNaHCOを含む溶解塩類を析出させた。ここで、析出物を再度純水に微量溶解し、Clイオン濃度を測定して、析出物中のClイオン含有量を確認したところ、重量で0.1%未満であり、高純度のNaHCOが回収できていることを確認した。
各系列の充填塔内の弱塩基性イオン交換樹脂量の5倍量の純水を充填塔に通水し、充填塔内を洗浄した。洗浄後、樹脂塔内に空気を曝気して、弱塩基性イオン交換樹脂を流動させた状態で、5w/v%の消石灰スラリーを間欠的に添加しながら、充填塔内に設置したpHセンサ及びClイオンセンサで再生処理液のpH及びClイオン濃度を測定した。
6系列の充填塔を用い、充填塔内の再生処理液のpHが9.5(参考例1−1:第1系列)、10.0(参考例1−2:第2系列)、10.5(参考例1−3:第3系列)、11.7(参考例1−4:第4系列)、12.0(参考例1−5:第5系列)に達した時点、及び12.2に達してから更にCa(OH)2を0.018mol添加(比較例:第6系列)して、再生廃液を取り出し(以下、「第一段階再生処理液」と称する)、エバポレータによる減圧濃縮及びホットプレート(70℃)による蒸発乾固を行って、CaClを含む溶解塩類を析出させた。析出物を再度純水に微量溶解し、Ca2+とCl濃度を測定して、析出物中の両元素のモル比を確認した。その結果を表2にまとめた。なお、比較例はこの時点で既に完全に再生されている状態である。
その後、参考例1−1〜1−5には、充填塔内の弱塩基性イオン交換樹脂が十分浸る量(130mL)の純水を導入し、空気曝気で樹脂を流動させながらCa(OH)スラリーを添加した。再生開始からのCa(OH)スラリー添加量が比較例と同じ量になるまで添加した。また、このときのpHが12.2になっていることを確認した。
参考例1−1〜1−5では、Ca(OH)スラリーを追加添加した後の再生処理液(以下、「第二段階再生処理液」と称する)を取り出し、エバポレータによる減圧蒸留による濃縮及びホットプレートによる蒸発乾固を行って、Ca(OH)を含む溶解塩類を析出させた。析出物を再度純水に微量溶解し、Ca2+とCl濃度を測定して、析出物中の両元素のモル比を確認した。その結果を表2にまとめた。
Figure 2014129193
CaClのCa2+とClのモル比は1:2であるので、参考例1−1〜1−5及び比較例の析出物のCl/Camol比が2に近いほど再生処理液中のCaClの純度が高く、値が小さいほどCaClの純度が低いことになる。そこで、表2の結果を見ると、比較例では、析出物のCl/Camol比が1.46と低かったのに対し、完全再生前で一旦消石灰添加を停止し、第一段階再生処理液として再生処理液を取り出した参考例1−1〜1−5では、Cl/Camol比が1.86以上であった。このCl/Camol比1.86は、重量換算すると、CaCl純度95.2%であり、不純物としてCa(OH)を4.2%しか含まないことになる。また、pH11.7以下(Cl脱離率95%)の実施例1−1〜1−5では、Cl/Camol比が1.95以上となっている。このCl/Camol比は、重量換算すると、CaCl純度98.3%であり、不純物としてCa(OH)を1.7%しか含まないことになる。すなわち、第一段階再生処理液のpHが低いほど、あるいはCl脱離率が低いほど、再生処理液から回収されるCaClの純度は高くなる傾向にある。但し、第一段階再生処理液のpHが低いほど、あるいはCl脱離率が低いほど、第二段階再生処理液を回収する場合には、第二段階再生処理液の量が多くなる傾向にあるため、貯留設備が大きくなることが予測される。
以上の結果から、NaClを含有する資源採掘随伴水から、CaClを高純度で得ることができることが確認された。CaClを高純度で回収するためには、再生処理液のpHを計測、またはClイオン濃度を計測してCl脱離量を求め、それらが予め定めた設定値に達するまでに回収した再生処理液を濃縮・乾燥させる、すなわち、CaCl純度が比較的高い再生処理液からCaClが得られるようにする必要があることがわかった。その設定値の範囲としては、pH計測の場合、pH10.0〜12.0の間に設定すること、Clイオン濃度計測の場合、Clイオン吸着量の85〜96%の間に設定することが好ましい。
(参考例2)
参考例2では、CSG資源採掘随伴水を樹脂塔に通水しNaHCOを回収し、純水で洗浄するまで参考例1と同様の操作を行った。その後、充填塔に、再生処理液のpH及びClイオン濃度を測定しながら、参考例1−4で得られた第二段階再生処理液(CaClの純度は低い)を間欠的に添加した。第二段階再生処理液を全て使用した後、5w/v%のCa(OH)スラリーを間欠的に添加した。そして、再生処理液のpHが11.7に達した時点で、充填塔内の再生処理液を取り出した。取り出した再生処理液(第一段階再生処理液)は、エバポレータによる減圧蒸留による濃縮及びホットプレートによる蒸発乾固を行って、CaClを含む溶解塩類を析出させた。析出物を再度純水に微量溶解しCa2+とCl濃度を測定して、析出物中の両元素のモル比を確認した。
次に、充填塔内に純水を導入し、消石灰スラリーを間欠的に添加し、再生処理液のpHを測定し、消石灰スラリーを加えてもpHが12.2以上に上がらない状態とした。この段階の再生処理液(第二段階再生処理液)を充填塔から取り出し、第二段階再生処理液中のClイオンを計測した。そして、第一段階再生処理液のClイオン脱離量と合わせた総Cl脱離率を算出し、完全に再生できたことを確認した。
参考例2の結果としては、pH11.7に達した時点で取り出した第一段階再生処理液を濃縮・蒸発乾固させて得られた析出物のCl/Camol比は1.96であり、CaClを高純度で回収できることが確認できた。完全再生まで(再生処理液のpHが12.2になるまで)に添加した新規の消石灰量は0.071mol(0.142eq)であり、被処理水の通水で吸着したClイオン量(0.140mol=0.140eq)と等量であった。このことから、完全再生には本来Clイオン吸着量と等量以上のCa(OH)が必要だが、前のサイクルの再生における第二段階再生処理液を再生剤として使用することにより、1回の再生あたりに使用する新規の消石灰量はClイオン吸着量とほぼ等量で済むことが確認できた(表2)。
また、消石灰とともに、第二段階再生処理液を再生剤として使用しても、CaClを高純度で回収することができることが確認できた。その結果、必要最小限のCa(OH)の添加で、弱塩基性イオン交換樹脂の再生が可能であり、Ca(OH)のロス・廃棄がほとんどなく、再生に関わるランニングコストを低減できることが示された。
(実施例1〜5の模擬排水)
実施例1〜5では、表3に示す組成の模擬排水を調整した。模擬排水中のCl濃度、各炭酸濃度は、実際の資源採掘随伴水に前処理・濃縮工程を実施したあとの濃度として想定される範囲内の値とした。
Figure 2014129193
(実施例1)
pH9.5の模擬排水にCOガスを吹き込んで、pH6.7〜9に調整した模擬排水、及び比較のためCOガスを吹き込まず、pH9.5の模擬排水を、弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIRA−67、交換容量1.6eq/L−R)を200mL充填した充填塔に通水した。なお、充填塔の弱塩基性アクリル系イオン交換樹脂は、あらかじめCO溶解水を通水して、弱塩基性イオン交換樹脂の全量をHCO型に変換した状態にしてから、上記模擬排水をSV1.0/hで通水した。充填塔から排出された処理水のHCO 、CO 2−、Clの濃度を測定し、これら合計アニオンの総量が延べ0.2当量になった時点で、模擬排水の通水を停止した。Naイオン濃度、処理水pHを確認し、得られた処理水のNaHCO、NaCO、NaCl、NaOH濃度をもとに、濃縮・乾燥で固形物として析出させた場合のNaHCOの純度及び回収量を求めた。その結果を表4にまとめた。ここで、処理水中に含有されるNaHCO濃度はHCO 濃度(mlo/L)から求めた。HCO 濃度は、Mアルカリ度とPアルカリ度を測定して求めた。
[NaHCO](g/L)=[HCO ](mol/L)×(84/61)
[HCO3−](mol/L)=Mアルカリ度−Pアルカリ度(mol/L)
また、Na2CO濃度は、CO 2−濃度から求め、CO 2−濃度はMアルカリ度とpHから求めた。
[NaCO](g/L)=[CO 2−](mol/L)×(106/60)
[CO 2−]=2×(Mアルカリ度−10(pH−14))(mol/L)
模擬排水1LあたりのNaHCO回収量(g/L)は、濃縮乾燥後の析出物量×純度(%)で算出した。
Figure 2014129193
表3及び表4から分かるように、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が6.0の模擬排水では、COガスでpHを6.7〜8.5の範囲で調整することにより、純度の高いNaHCOを高収量で回収できた。特に、pH6.7〜8.0ではより純度が高く、より高収量でNaHCOを回収することができた。
(実施例2)
pH6.0の模擬排水に空気を吹き込んで、pH6.5〜8.4に調整した模擬排水、及び比較のため空気を吹き込まず、pH6.0の模擬排水を用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。実施例2の結果を表5にまとめた。
Figure 2014129193
表3及び表5から分かるように、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が6.0の模擬排水では、空気でpHを6.5〜8.4の範囲で調整することにより、純度の高いNaHCOを高収量で回収できた。特に、pH6.5〜8.0ではより純度が高く、より高収量でNaHCOを回収することができた。
(実施例3)
pH9.5の模擬排水にCOガスを吹き込んで、pH6.4〜8.0に調整した模擬排水、及び比較のためCOガスを吹き込まず、pH9.5の模擬排水を用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。実施例3の結果を表6にまとめた。
Figure 2014129193
表3及び表6から分かるように、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオの物質量の比が2.0の模擬排水では、COガスでpHを6.4〜8.0の範囲で調整することにより、純度の高いNaHCOを高収量で回収できた。特に、pH6.7〜8.0ではより純度が高く、より高収量でNaHCOを回収することができた。
(実施例4)
pH9.5の模擬排水にCOガスを吹き込んで、pH6.1〜8.0に調整した模擬排水、及び比較のためCOガスを吹き込まず、pH9.5の模擬排水を用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。実施例4の結果を表7にまとめた。
Figure 2014129193
表3及び表7から分かるように、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が1.5の模擬排水では、COガスでpHを6.1〜6.4の範囲で調整することにより、純度の高いNaHCOを高収量で回収できた。特に、pH6.1で、より純度の高いNaHCOを回収できた。
(実施例5)
pH9.5の模擬排水にCOガスを吹き込んで、pH5.8〜6.5に調整した模擬排水、及び比較のためCOガスを吹き込まず、pH9.5の模擬排水を用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。実施例5の結果を表8にまとめた。
Figure 2014129193
表3及び表8から分かるように、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が0.9の模擬排水では、COガスでpHを5.8〜6.2の範囲で調整することにより、純度の高いNaHCOを高収量で回収できた。特に、pH5.8で、より純度の高いNaHCOを回収できた。
以上、実施例1〜5の結果から、資源採掘随伴水にNaClと炭酸イオン・重炭酸イオンが共存し、その含有量・存在比率が様々に変化しても、遊離炭酸を除く全炭酸物質の物質量に対するClイオン物質量の比に応じて、資源採掘随伴水のpHを調整することにより、純度の高いNaHCOを安定的に取り出せることが確認できた。
1 溶解塩類製造装置、2,3 炭酸水素ナトリウム製造装置、10,46 排水貯留槽、12,48a,48b 排水流入ライン、14,50a,50b 排水ポンプ、16,58 充填塔、18,60 処理水排出ライン、19 積算流量計、20,62 処理水槽、21,30,31,64,66 Clイオンセンサ、22,86 Ca(OH)貯留槽、24,88 Ca(OH)流入ライン、26,90 Ca(OH)ポンプ、28,70 pHセンサ、32,54,92 ブロワ、34,94 空気流入ライン、36a,36b,98 再生処理液排出ライン、38a,38b 再生処理液貯留槽、40,72 制御部、42,74 濃縮装置、44,76 乾燥装置、52 pH調整塔、56 ガス流入ライン、68 アルカリ度計、78 HCl貯留槽、80 HCl添加ライン、82 HClポンプ、84 pH調整槽。

Claims (7)

  1. NaCl及び炭酸物質を含有するNaCl含有水を陰イオン交換樹脂に通水し、NaHCOを回収する回収工程を備える炭酸水素ナトリウムの製造方法であって、
    前記NaCl含有水を陰イオン交換樹脂に通水する際に、前記NaCl含有水に含まれる遊離炭酸を除いた全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比に応じて、前記NaCl含有水のpHを調整することを特徴とする炭酸水素ナトリウムの製造方法。
  2. 前記NaCl含有水のpHを調整する前に前記比に関する基準値を設定し、
    前記NaCl含有水のpHを調整するときは、前記比が前記基準値より小さい場合に、前記比が前記基準値より大きい場合と比べて、前記NaCl含有水のpHが低くなるようにすることを特徴とする請求項1記載の炭酸水素ナトリウムの製造方法。
  3. 前記NaCl含有水に含まれる遊離炭酸を除いた全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が2以上の場合は、前記NaCl含有水のpHを6.5以上〜8.5以下に調整し、前記NaCl含有水に含まれる遊離炭酸を除いた全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比が2未満の場合は、前記NaCl含有水のpHを5.6以上〜6.5未満に調整することを特徴とする請求項1記載の炭酸水素ナトリウムの製造方法。
  4. 前記NaCl含有水のpH調整は、前記NaCl含有水にCOガス、塩酸、又は空気を添加することにより行うことを特徴とする請求項1又は2記載の炭酸水素ナトリウムの製造方法。
  5. NaCl及び炭酸物質を含有するNaCl含有水は、資源採掘随伴水であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭酸水素ナトリウムの製造方法。
  6. 前記陰イオン交換樹脂は、炭酸型の陰イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭酸水素ナトリウムの製造方法。
  7. 陰イオン交換樹脂を充填した充填塔と、
    NaCl及び炭酸物質を含有するNaCl含有水を前記充填塔に通水し、NaHCOを回収する回収手段と、
    前記NaCl含有水を陰イオン交換樹脂に通水する際に、前記NaCl含有水に含まれる遊離炭酸を除いた全炭酸物質の物質量に対するClイオンの物質量の比に応じて、前記NaCl含有水にpH調整剤を添加して、前記NaCl含有水のpHを調整するpH調整手段と、を備えることを特徴とする炭酸水素ナトリウムの製造装置。
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