JP2014129083A - 自動車の車両乗員安全装置を作動させる方法、ならびにこれに対応する車両乗員安全装置 - Google Patents

自動車の車両乗員安全装置を作動させる方法、ならびにこれに対応する車両乗員安全装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自動車の主走行方向でアライメントされた加速度センサと、圧力感応式の衝突センサ装置とを有する、自動車の車両乗員安全装置を作動させる方法と装置を提供する。
【解決手段】加速度センサによって加速度が判定され、加速度から決定される加速度量が限界値を超過すると少なくとも1つの安全措置が開始される。このとき、限界値は衝突センサ装置により判定される衝突位置量に依存して決定されることが意図される。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車の主走行方向でアライメントされた加速度センサと、圧力感応式の衝突センサ装置とを有する、自動車の車両乗員安全装置を作動させる方法に関するものであり、加速度センサによって加速度が判定され、加速度から決定される加速度量が限界値を超過すると少なくとも1つの安全措置が開始される。さらに本発明は、自動車の車両乗員安全装置に関する。
車両事故の判断をするために、特に、たとえば自動車の制御装置の構成要素である、特に車両乗員安全装置の制御装置の構成要素である、加速度センサが用いられる。しかしながら別案として、加速度センサは制御装置から切り離して配置されていてもよい。制御装置は、たとえばエアバッグ制御装置として構成されている。加速度センサは、たとえば制御装置とともに、自動車のボディのトンネルに配置されていてよい。加速度センサは、特に、自動車の加速度をその主走行方向ないし縦方向で測定するために構成されている。加速度から加速度量が決定される。このとき加速度量は加速度に対応していてよく、または、たとえば数学的な関係を用いて加速度から算出することができる。加速度量が限界値を超過すると、少なくとも1つの安全措置が開始される。安全措置は、少なくとも1つのエアバッグ等の始動であってよい。
加速度センサによって判定される加速度ないし加速度量は、自動車がたとえば他の自動車のような障害物と完全に重なり合うように衝突したときには、自動車と障害物との間の0°に等しくない角度で行われる、または部分的にのみ重なり合うように行われる衝突のときよりも、明らかに高い値を有している。後者のような衝突のことを角度衝突またはオフセット衝突と呼ぶ。それに応じて、加速度センサだけでこの種の角度衝突ないしオフセット衝突を最善に認識することはできない。特に限界値は、この種の衝突のときにも安全措置の確実な開始が保証されるように、低く選択されなければならない。
それに対して、請求項1の構成要件を備える車両乗員安全装置を作動させる方法は、角度衝突ないしオフセット衝突の認識が明らかに改善されるという利点を有している。このことは本発明によると、衝突センサ装置により判定される衝突位置量に依存して限界値が決定されることによって実現される。衝突センサ装置は、これを用いて人間および/または小さい障害物との衝突を高い信頼度で認識することができるように構成されているのが好ましい。この目的のために衝突センサ装置は圧力感応式であり、すなわち、自動車のボディの一領域への圧力作用に対して反応する。衝突センサ装置は、フロント部分の領域で、特に自動車のフロントエプロンないしフロントバンパで、圧力作用すなわち衝突を認識することができるように配置されているのが特別に好ましい。
衝突センサ装置は、これによって衝突位置に少なくとも近似的に対応する衝突位置量を判定することができるように構成されている。それが意味するのは、衝突が中心部で起こったのか、すなわち自動車の縦中心軸の方向で起こったのか、それとも縦中心軸に対してオフセットされて横方向で、もしくは縦中心軸に対してゼロに等しくない角度で生じているのかという意味で、正確な衝突位置の判定または少なくとも見積を可能にする量を衝突センサ装置が供給するということである。衝突位置量は、衝突位置を表す量であってよい。しかしながら別案では衝突位置量は、たとえば衝突位置の決定を少なくとも近似的に可能にする、衝突位置に関連するにすぎない量である。つまりこのケースでは、衝突位置量は衝突位置についての初期量である。
特に衝突センサ装置は、縦中心軸のどちらの側で衝突が起こったのかを判断することを可能にする。そして安全措置の確実な開始を保証するために、判定された衝突位置量に依存して、加速度量についての限界値が決定される。たとえば衝突が縦中心軸から離れて起こるほど、または衝突ベクトルと縦中心軸との間の角度がゼロから離れているほど、実際に生じる加速度は小さくなる。それに応じて、限界値を相応に引き下げるのが好ましい。
その追加または代替として、衝突位置量に依存して、安全措置の始動経路を決定することもできる。このケースでは、たとえば衝突位置量を参照したうえで、どの量に基づいて安全措置が開始されるのかが決定される。それが好ましいのは、たとえば自動車のさまざまに異なる位置に配置された複数のセンサ、特に衝突センサおよび/または加速度センサが設けられている場合である。そして衝突位置量を用いて、どのセンサが加速度について信頼できる値を供給しているかを判定することができる。
次いで、安全措置が開始されるべきか否かを判断するために、相応の加速度センサから供給される量ないし相応の加速度量が援用される。この目的のために前記量が限界値と比較され、上述したように、前記量が限界値を超過しているときには安全措置が開始される。
このような種類の方法により、本来は歩行者認識ないし人間認識の役目をする衝突センサ装置を、車両乗員安全装置の信頼性を向上させるために利用することができる。それに応じて、角度衝突またはオフセット衝突を認識する役目だけをする、コスト集中的な追加のセンサを回避することができる。本発明による方法の具体化が特に可能である理由は、追加のセンサによって決定可能となる実際の衝突位置の正確な知見が、限界値の決定のために必要ないからである。むしろ、加速度に依存する安全措置の確実な開始を保証するために、衝突位置量という形をとる衝突位置の見積だけで足りる。
本発明の別の実施形態は、衝突センサ装置が複数のセンサを備えており、これらのセンサがそれぞれ測定値を提供し、これらのセンサを用いて衝突位置量が決定されることを意図している。当然ながら、衝突位置量を判定するために、1つのセンサだけでも十分であり得る。しかしながら、特に互いに間隔をおいて配置された複数のセンサが設けられているのが特別に好ましい。このようにして、各センサから提供される測定値を用いて衝突位置量の見積ないし決定をすることができる。この目的のために、たとえば個々のセンサの測定値の時間的推移が判定されて、相互に比較される。
本発明の別の実施形態は、衝突位置量に対応する衝突位置が自動車の縦中心軸から遠く外れているほど、限界値が、定義された基本限界値を起点としていっそう大きく引き下げられることを意図している。したがって基本限界値は、限界値の最大値を意味している。自動車の縦中心軸上での衝突ないし縦中心軸の領域での衝突を衝突位置量が示唆していると判断されたとき、限界値は基本値に相当しているのがよい。しかしすでに上で述べたとおり、自動車の主走行方向で、すなわち縦中心軸に沿って加速度センサで測定される加速度は、実際の衝突位置が縦中心軸から遠く離れているほど低くなる。この理由により、縦中心軸の位置に対する衝突位置の差異に依存して、特に差異の絶対値に依存して、限界値を選択するのがよい。ただしその際に限界値は、下回ってはならない最低限界値により、下方に向かって制限されているのが好ましい。そのようにして、限界値が大きく引き下げられすぎて、そのために安全措置の誤った開始につながることが防止される。
本発明の1つの発展例は、センサとして圧力センサが使用されることを意図している。このことが特に当てはまるのは、衝突センサ装置がホース型センサ装置の形態で存在している場合である。人間との衝突を判断するために、自動車のフロント領域に、特に自動車のバンパに組み付けられた、圧力ホースを含む衝突センサ装置がしばしば利用される。この圧力ホースは、たとえばバンパクロスビームと、その手前に位置する、特に少なくとも部分的または全面的に発泡材料からなるバンパ部材との間にある。圧力ホースは流体で、特に空気で充填されている。その端部にそれぞれ少なくとも1つの圧力センサが結合され、それにより、圧力ホースの中で生じている圧力を圧力センサで測定することができるようになっている。そして衝突は圧力ホースの変形を引き起こし、この変形が、その帰結としての圧力ホース内の圧力変化を通じて、1つないし複数の圧力センサにより判定される測定値の変化を惹起する。
その代替または追加として、衝突センサ装置は当然ながらこれ以外の種類のセンサを有することもでき、たとえば光導波路センサや圧電センサを有することもできる。加速度センサも適用することができる。その際に重要なのは、衝突によって引き起こされる圧力を、すなわちその際に作用する力ないし加速度を、センサによって測定できることだけである。つまり、このようなセンサも圧力感応式であるのがよい。
さらに、少なくとも2つの測定値またはこれらに対応する値から判定される、衝突位置量と対応する差異量に依存して限界値が決定されることが意図されていてよい。つまり限界値の決定のために、衝突位置が直接利用されるのではない。むしろ、少なくとも2つの測定値から導き出される差異量が援用される。すなわちコストをできる限り少なく抑えるために、衝突位置は判定されないか、もしくは少なくとも正確には判定されない。差異量は、少なくとも2つの測定値の間の差異から求められ、またはこれらに対応する、すなわち各測定値から導き出される値の間の差異から求められる。差異量は衝突位置量に呼応していてよく、または、これと特定の関係にあってよい。
本発明の1つの発展例は、差異量として時間差または数値差が援用されることを意図している。時間差のケースでは、特に、それぞれのセンサの測定値によって、またはこれらに対応する値によって、同一の限界値が到達または超過されたそれぞれの時点の間の時間間隔が利用される。すなわち、測定値ないしこれに対応する値の時間に対する推移が着目される。対応する値とは、測定値から導き出された値であると理解することができ、これはたとえば数学的な関係、フィルタ等によって行うことができる。
センサのうちの1つの測定値が、ないしはこれと対応する値が、限界値を超過すると、それが起こった時点が記録される。次のセンサの測定値ないしこれに対応する値が限界値を超過した時点も判定される。そして、これら両方の時点の間の時間差から、衝突位置および/または衝突位置量を推定することができ、ないしは、直接的に限界値を決定することができる。このとき測定値の実際の量は、考慮されないままであるのが好ましい。しかしながら全部の測定値について、ないしは全部の対応する値について、超過の時点を決定するために同一の限界値が援用される。
それに対して数値差は、特定の時点における各測定値ないしこれらに対応する値の間の差異である。つまりこの場合にも、測定値ないしこれに対応する値の時間に対する推移が着目され、特定の時点における各測定値ないしこれに対応する各値が比較される。各測定値ないしこれらに対応する各値の差異が数値差という形で記録され、限界値ないし衝突位置量を決定するための差異量として援用される。
本発明の別の実施形態では、特に最大または最小の測定値により、または測定値の平均値により、数値差が正規化されることが意図される。これらに対応する最大または最小の値もしくはその平均値を利用することもできる。上記の方式が有している利点は、差異量ないし数値差により超過されたときに角度衝突ないしオフセット衝突の発生が推定される閾値を一定に選択することができ、または、少なくともわずかだけ時間に対して変化させればよいことにある。数値差の増加が少なくとも1つの測定値の増加を通じて、特に両方ないし全部の測定値の増加を通じて、それ自体として正規化されるからである。
さらに本発明は、自動車の車両乗員安全装置を対象としており、特に上に説明した方法を実施するための車両乗員安全装置を対象としており、車両乗員安全装置は、自動車の主走行方向でアライメントされた加速度センサと、圧力感応式の衝突センサ装置とを有しており、加速度センサによって加速度を判定するとともに、加速度が限界値を超過すると少なくとも1つの安全措置を開始するように構成されている。さらに車両乗員安全装置は、衝突センサ装置により判定される衝突位置量に依存して限界値を決定するように構成されることが意図される。このような方式の利点についてはすでに説明したところである。車両乗員安全装置ならびにこれに呼応する方法は、上記の各実施形態に基づいて発展させられていてよく、その限りにおいて当該実施形態を参照されたい。
次に、図面に示した実施例を参照しながら本発明について詳しく説明するが、その際に本発明の限定を行うものではない。図面は次のものを示している。
正面衝突について、衝突センサ装置の2つの圧力センサの測定値もしくはこれに対応する値の2つの推移が時間に対してプロットされた第1の図表である。 角度衝突ないしオフセット衝突について、図1から既知となっている推移である。
図1は、2つの圧力センサの測定値ないしこれらの測定値から導き出される対応する値が時間に対してプロットされたグラフを示している。ここで推移1は第1の圧力センサの測定値の推移を示しており、推移2は第2の圧力センサの測定値の推移を示している。圧力センサは、自動車の衝突センサ装置の構成要素である。これらの圧力センサは同一の圧力ホースに、すなわち圧力ホースの向かい合う端部に、接続されているのが好ましい。それに応じて測定値は、それぞれの端部における圧力ホースの圧力を表している。圧力ホースは自動車のフロント領域に配置されており、特にフロントバンパに組み込まれている。
たとえば圧力ホースは、自動車のボディのバンパクロスビームと、主走行方向で見てその手前に配置されたバンパ部材との間に配置されており、後者はたとえば少なくとも部分領域で発泡材料からなっている。特に人間等の障害物と自動車が衝突すると圧力ホースが圧縮されるので、圧力センサの測定値を参照して衝突を推定することができる。推移1および2が一例として生じるのは、衝突が自動車の縦中心軸と一致している場合、または少なくともほぼ一致している場合である。すなわちこの衝突は実質的に対称に起こっており、それにより、各測定値は時間に対してほぼ等しい挙動を示す。
圧力センサの測定値から、または測定値から導き出される値から、たとえば時間差または数値差として存在する差異量が求められる。このとき時間差は、センサの測定値によって、ないしこれに対応する値によって、同一の限界値が到達または超過されるそれぞれの時点の間の時間間隔を表している。以下においては、測定値だけを取り上げて説明する。しかしながら常にその別案として、測定値と対応する値も利用できることは直接的に明らかである。
一例として、ここでは限界値として圧力p=pを仮定する。推移1の測定値は時点tで限界値pに到達して超過することが直接的に明らかである。このことは、推移2の測定値については時点tで初めて該当する。時間間隔ないし時間差は式t−tから得られる。それに対して数値差は、特定の時点でのそれぞれの測定値の差異である。一例として時点tに着目する。この時点で推移1の測定値は圧力pを示しており、それに対して推移2の測定値は圧力pを有している。これら両方の値の差異、すなわち圧力pとpの間の差異が数値差として援用され、すなわち差異量として援用される。
図2は、縦中心軸から外れて起こる、すなわち角度衝突ないしオフセット衝突として起こる衝突についての推移1および2が再現された別のグラフを示している。推移1の測定値は、推移2の測定値よりも明瞭に早く、かつ明瞭に大きく増加していることが明らかである。それに応じて、図1と図2のグラフを比べたときに直接的に認識可能である時間差ならびに数値差の相違が生じている。時間差t−tと数値差p−pは、いずれも縦中心軸の領域での衝突より明らかに大きくなっている。それに応じて、そのつど適用される差異量から、すなわち時間差または数値差のいずれかから、衝突位置を推定することができる。ただし、少なくとも差異量は衝突位置に直接的に依存して決まる。
公知の車両乗員安全装置では、自動車の主走行方向でアライメントされた加速度センサが設けられている。これにより、自動車の加速度が当該方向で判定され、加速度が限界値を超過すると少なくとも1つの安全措置が開始される。このような安全措置は、たとえばエアバッグの作動であってよい。しかしながら自動車の主走行方向における加速度は、ないし自動車の縦中心軸に沿った加速度は、衝突のとき衝突位置に強く左右されるので、加速度を評価するだけでは必ずしも十分ではない。
それに応じて追加のセンサ装置が必要となるが、そうしたセンサ装置はコスト高になる。この理由により、もともと存在している衝突センサ装置を、補足のために援用することが意図される。このとき、超過すると安全措置が開始される限界値は、衝突センサ装置によって判定される衝突位置量に依存して決定される。ただし、少なくとも限界値は差異量に依存して決定される。このとき、たとえば限界値は定義された基本限界値を起点としたうえで、衝突位置が自動車の縦中心軸から大きく外れているほど引き下げられる。当然ながら圧力センサに代えて、これ以外のセンサ、たとえば光導波路センサや圧電センサを使用することもできる。
縦中心軸上の衝突位置による対称な衝突では、障害物との最初の接触点は自動車の中心部にある。バンパクロスビームおよびこれに伴って圧力ホースは若干の湾曲を有しているのが普通なので、圧力ホースの初期の圧縮は中心部で起こる。両方の圧力センサは初期の圧縮点から等しい距離だけ離れており、同等の圧力上昇をほぼ同時に検出し、その様子はグラフに図示されている。それに対して角度衝突ないしオフセット衝突では、最初の接触点は自動車の縦中心軸に対して非対称に一方の車両側にある。したがって、衝突位置に近い方に位置する圧力センサは、圧力ホースの圧縮を他方の圧力センサよりも前に検出し、さらには圧力のより急速な増加を判定する。
このように、原則として圧力センサの測定値における相違を通じて、この種の非対称の衝突を断定することができる。差異量としての時間差および数値差の利用については、すでに上で詳しく説明した。たとえば、差異量が閾値を超過したときに、非対称の衝突の発生が推定されることが意図されていてよい。つまり差異量がこの閾値を下回っているとき、限界値は、対称の衝突について適した第1の限界値に等しい。それに対して閾値が差異量によって超過されているとき、限界値は、非対称の衝突について規定された第2の限界値に設定される。閾値は一定であってよいが、別案として、たとえば時間などの別の量に依存して変更することもできる。たとえば、圧力センサの測定値の1つが開始閾値を超過すると進行しはじめる時間検出器が設けられる。そして閾値は、この時間検出器により計測された時間に依存して引き上げられる。圧力ホースが完全に圧縮されてしまうと、衝突位置に関する信頼度の高い情報提供が可能でなくなるからである。
当然ながら、数値差を正規化することが意図されていてよい。この目的のために、たとえば最大の測定値と最小の測定値もしくは測定値の平均値が援用される。平均値を利用する場合、たとえば式
(p−p)/(p+p)>f(t)
が成り立つ。ここでpは左側の圧力センサの測定値を表しており、pは右側の圧力センサの測定値を表している。量f(t)は、時間に依存して、特に時間検出器により計測された時間に依存して、変化する閾値である。この閾値が超過されると、すでに上で説明したとおり、非対称の衝突の発生が推定されて、限界値が相応に適合調節される。このような方式は、閾値を時間に対して変更しなくてよく、もしくはわずかしか変更しなくてよいという利点がある。両方の測定値の間の差異の増大が、少なくとも1つの測定値の増大によって少なくとも部分的に補償されるからである。
たとえば測定値の合計が最小値を上回るときに、ないしは上回っているときに、閾値を超過しているかどうかが初めてチェックされる。つまり比較は衝突の直後に行われるのではなく、衝突位置に関する信頼度の高い情報提供を可能にするために、わずかな時間的ずれをもって行われる。その追加または代替として、測定値の合計が特定の最大値を上回っていないときに限り、閾値を超過したかどうかをチェックすることもできる。このようにして、衝突後のチェックがあまりに遅く行われることが回避される。そのようなケースでは圧力ホースが状況によっては完全に圧縮されており、それに応じて、衝突位置に関する有意義な情報提供をもはや行えなくなっているからである。
上に挙げた式から、式
(p−p)>f(t,p,p
を導き出すことができる。すなわち非対称の衝突が認識されるのは、測定値の間の差異が、個々の測定値に依存する、および任意選択で時間に依存する閾値を超えたときである。特殊事例として、平均値に対する依存性についてはすでに説明した。
その追加または代替として、時間差または数値差をこれ以外の仕方で評価することもできる。たとえば測定値の差異に代えて、測定値の勾配の差異(すなわち、たとえば測定値の推移の微分)や、左側および右側の圧力センサについての別の等価な圧力量の差異に着目することができる。特に、フィルタリングおよび/または積分された測定値の差異を形成することもでき、それにより、その際に生じる平滑化によって本方法のロバスト性が高くなる。つまり測定値に代えて、特に時間差および/または数値差の決定にあたっては、これと等価な量の値を追加または代替として援用することが常にできる。
1 第1の圧力センサの測定値の推移
2 第2の圧力センサの測定値の推移

Claims (10)

  1. 自動車の主走行方向でアライメントされた加速度センサと、圧力感応式の衝突センサ装置とを有する、自動車の車両乗員安全装置を作動させる方法であって、前記加速度センサによって加速度が判定され、加速度から決定される加速度量が限界値を超過すると少なくとも1つの安全措置が開始される、そのような方法において、前記限界値は前記衝突センサ装置により判定される衝突位置量に依存して決定されることを特徴とする方法。
  2. 前記衝突センサ装置は複数のセンサを備えており、該センサがそれぞれ測定値を提供し、該センサを用いて衝突位置量が決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 衝突位置量に対応する衝突位置が自動車の縦中心軸から遠く外れているほど、定義された基本限界値を起点として前記限界値がいっそう大きく引き下げられることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記センサとして圧力センサが使用されることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記限界値は、少なくとも2つの測定値またはこれらに対応する値から判定される、衝突位置量と対応する差異量に依存して決定されることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記差異量として時間差または数値差が援用されることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記時間差として、前記センサの測定値によって、またはこれらに対応する値によって、同一の限界値が到達または超過されたそれぞれの時点の間の時間間隔が利用されることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記数値差として、特定の時点における測定値またはこれに対応する値の間の差異が利用されることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
  9. 最大または最小の測定値により、または測定値の平均値により、数値差が正規化されることを特徴とする、先行請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
  10. 先行請求項のうちいずれか1項または複数項に記載の方法を実施するための自動車の車両乗員安全装置であって、前記車両乗員安全装置は、自動車の主走行方向でアライメントされた加速度センサと、圧力感応式の衝突センサ装置とを有しており、前記加速度センサによって加速度を判定するとともに、加速度から決定される加速度量が限界値を超過すると少なくとも1つの安全措置を開始するように構成されている、そのような車両乗員安全装置において、
    さらに前記車両乗員安全装置は、前記衝突センサ装置により判定される衝突位置量に依存して限界値を決定するように構成されていることを特徴とする車両乗員安全装置。
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