JP2014128767A - 純水製造システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 少なくとも二段構成の逆浸透膜装置に対し直列に通水可能で、原水硬度が高い原水を処理する場合でも軟水器を設置することなく所定の硬度供給基準を満たすことができるとともに、熱水を通水することによりシステム全体の殺菌が可能な医薬製造用純水製造システムを提供する。
【解決手段】 純水製造システム1は、原水を第1段逆浸透膜装置3と、第2段逆浸透膜装置5とを順に通して純水を製造する純水製造ライン11を備え、第1段逆浸透膜装置3をバイパスして第2段逆浸透膜装置5に原水を供給可能なバイパスライン15と、該バイパスライン15と純水製造ライン11との分岐部においてバイパスライン15への原水の流入を制御するバイパス制御弁13と、純水製造ライン11上、第1段逆浸透膜装置3より下流側で、かつバイパスライン15から純水製造ライン11に原水を供給する位置より上流側の位置において純水製造ライン11に接続された第1循環ライン17とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、純水製造システムに関し、特に、医薬製造用の純水を製造する純水製造システムに関する。
医薬用純水装置系内の一般細菌数は水道水基準の一般の細菌数である100ヶ/mL以下で管理されることが多く、これを維持するために定期的に系内の殺菌を行っている。殺菌の方法としては、過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムを用いた薬品による洗浄があげられる。しかし、薬品による洗浄では、装置を構成する主要な樹脂、逆浸透膜装置、電気脱イオン装置などを構成する水処理構成部材が薬品による劣化を受けるため、その部分をバイパスするなどして洗浄を行ってきた。このため一般細菌の管理の効果は十分なものではなかった。
一方近年、これら主要な水処理構成部材に耐熱性を持たせることにより、熱水、もしくは温水で系内全てを殺菌する方法が主流になりつつある。
この場合、水処理構成部材である逆浸透膜は高温時には膜の破損防止のために膜差圧や入口圧力上限が定められている。通常この値は差圧で0.1〜0.2MPa、入口圧力で0.1〜0.3MPaと低く、これまで一段目の逆浸透膜装置の処理水を更に後段の逆浸透膜装置を透過させる形の二段逆浸透膜装置の形態がとれなかった。
この問題を解決するために、第1段の逆浸透膜装置と第2段の逆浸透膜装置との間にポンプを介して殺菌時の低圧運転を実現させる方法も考えられるが、ポンプの費用がかさむことに加え、医薬製造用の用水を製造する場合、なるべく滞留部を設けたくない事情がある。熱殺菌時以外の純水製造時にただ水を通過させるだけのポンプ滞留部はなるべく避けて液溜まりのない装置構成としたい事情があった。
また、原水硬度が高い原水を処理する場合には後段の電気脱イオン装置へ通水する際の硬度供給基準を保つために、一段逆浸透膜装置単独では硬度供給基準が届かない場合が生じる。
このような場合は逆浸透膜装置の前に軟水器を設置しあらかじめ硬度成分をナトリウムに置換することで硬度供給基準を達成していた。しかし、軟水器の設置は定期的な食塩の補充を要し、運転管理に労力が必要であり、なるべく採用したくない事情があった。
本発明は上述した事情に鑑み、少なくとも二段構成の逆浸透膜装置に対し直列に通水可能で、原水硬度が高い原水を処理する場合でも軟水器を設置することなく所定の硬度供給基準を満たすことができるとともに、熱水を通水することによりシステム全体の殺菌が可能な医薬製造用純水製造システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第一に本発明は、原水タンクの原水を第1段逆浸透膜装置と、第2段逆浸透膜装置とを通して純水を製造する純水製造ラインを備えたシステムであって、前記第1段逆浸透膜装置をバイパスして前記第2段逆浸透膜装置に前記原水を供給可能なバイパスラインと、該バイパスライン上において前記バイパスラインを介した前記第2段逆浸透膜装置への原水の流入を制御するバイパス制御弁と、前記純水製造ライン上、前記第1段逆浸透膜装置より下流側で、かつ前記バイパスラインから前記純水製造ラインに前記原水を供給する位置より上流側の位置において前記純水製造ラインに接続された第1段処理水分流路とを備えた純水製造システムを提供する(発明1)。なお、本明細書においては、バイパスラインと純水製造ラインの分岐部も「バイパスライン上」に含まれる。
かかる発明(発明1)によれば、バイパス制御弁の開閉により、第1段逆浸透膜装置と第2段逆浸透膜装置とに並列に原水を供給する構成と、第1段逆浸透膜装置と第2段逆浸透膜装置とが直列に接続される構成とを切り替えることができる結果、熱水殺菌時には、これらの逆浸透膜装置を並列構成とすることにより、第1段逆浸透膜装置と第2段逆浸透膜装置とに同時に熱水を供給することができるとともに、第1段逆浸透膜装置の処理水の全部または一部が、第1段処理水分流路に逃げることから、膜差圧を上げることなく2段の逆浸透膜装置に熱水を供給することが可能になり、純水製造時には、直列構成とすることにより、逆浸透膜装置を一段しか設けない場合に比べて硬度をより低減し、原水に含まれる全有機性炭素[TOC]成分の除去率の向上も図ることができる。
上記発明(発明1)においては、さらに、前記第1段逆浸透膜装置の上流に前記原水を貯留する原水タンクを備え、前記第1段処理水分流路が、前記原水タンクに接続される第1循環ラインを含むものであることが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明2)によれば、第1循環ラインを通じて第1段逆浸透膜装置の処理水を原水タンクに返送することができる構成となる。これにより、熱水殺菌時に、熱水を再利用することが可能となる。さらに、第1段逆浸透膜装置を経て得られた、よりTOC成分の除去率が高く、かつより硬度が低い水を第1循環ラインを経由して原水タンクに返送し純水を製造する純水製造ラインの循環熱水殺菌に使用することが可能になる。これにより加熱による硬度成分の析出を防止することができる。
上記発明(1、2)においては、前記純水製造ライン上、前記第1段処理水分流路が接続している位置と、前記バイパスラインから前記純水製造ラインに前記原水を供給する位置との間に、直列接続流路弁を備えたものであることが好ましい(発明3)。
かかる発明(発明3)によれば、純水製造時に、バイパス制御弁を閉じることによってバイパスラインへの原水供給を遮断し、直列接続流路弁を開いて純水製造ラインを解放することにより第1段逆浸透膜装置の処理水を第2段逆浸透膜装置に送ることができる一方、熱水殺菌時には、バイパス制御弁を開くことによってバイパスラインに熱水を供給するとともに、第1段逆浸透膜装置を経て第2段逆浸透膜装置へと供給される水の流通を直列接続流路弁によって制御することにより、第2段逆浸透膜装置の膜差圧や入口圧力をより精密に制御することが可能になる。
上記発明(発明1〜3)においては、さらに、前記第1段逆浸透膜装置の上流に前記原水を貯留する原水タンクを備え、前記第1段逆浸透膜装置の濃縮水を前記原水タンクに返送可能な第2循環ラインを備えたものであることが好ましい(発明4)。
かかる発明(発明4)によれば、熱水殺菌時に、第2循環ラインを通じて第1段逆浸透膜装置の濃縮水を原水タンクへ返送することにより、水の使用量を減らすことができる。
上記発明(発明1〜4)においては、前記第2段逆浸透膜装置の処理水を供給する電気脱イオン装置を備えたものであることが好ましい(発明5)。
かかる発明(発明5)によれば、電気脱イオン装置を経た極めて硬度が低い純水を製造することができる。
上記発明(発明5)においては、さらに、前記第1段逆浸透膜装置の上流に前記原水を貯留する原水タンクを備え、前記電気脱イオン装置の処理水を前記原水タンクに返送する第3循環ラインを備えたものであることが好ましい(発明6)。
かかる発明(発明6)によれば、電気脱イオン装置の処理水を第3循環ラインから原水タンクに返送し、水質を著しく改善した水を熱水殺菌時等に利用することができ、熱水殺菌時の加熱による硬度成分の析出を防止することができる。
上記発明(発明4)においては、前記第1段逆浸透膜装置の濃縮水を排出する排出流路が前記第2循環ラインに接続されていることが好ましい(発明7)。
かかる発明(発明7)によれば、第2循環ラインにより原水タンクに返送される水の硬度等の水質を改善する必要がある場合には第1段逆浸透膜装置の濃縮水を適宜排出することができるため、水質改善した水によってシステム全体の熱水殺菌(循環熱水殺菌を含む)や純水製造を行うことが可能となる。
本発明によれば、バイパス制御弁の開閉により、第1段逆浸透膜装置と第2段逆浸透膜装置とに並列に原水を供給する構成と、第1段逆浸透膜装置と第2段逆浸透膜装置とが直列に接続される構成とを切り替えることができる結果、熱水殺菌時には、これらの逆浸透膜装置を並列構成とすることにより、第1段逆浸透膜装置と第2段逆浸透膜装置とに同時に熱水を供給することができるとともに、第1段逆浸透膜装置の処理水の全部または一部が、第1段処理水分流路に逃げることから、膜差圧を上げることなく2段の逆浸透膜装置に熱水を供給することが可能になり、純水製造時には、直列構成とすることにより、逆浸透膜装置を一段しか設けない場合に比べて硬度をより低減し、原水に含まれる全有機性炭素[TOC]成分の除去率の向上も図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る純水製造システムを説明するための模式的ブロック図である。 第1の実施形態における通常の採水時の水の流れを示す模式的ブロック図である。 第1の実施形態における熱水殺菌時の水の流れを示す模式的ブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る純水製造システムを説明するための模式的ブロック図である。 個別殺菌と二段通水との切替機構を採用した二段逆浸透膜+電気脱イオン装置によるフローを示す模式図である。 従来の逆浸透膜+電気脱イオン装置による医薬製造向け純水製造システムのフローを示す模式図である。
(第1の実施形態)
以下、図1〜図3を参照して本実施形態の純水製造システムについて説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る純水製造システムを示す模式図である。
本実施形態の純水製造システム1は、原水タンク9から供給された原水を、加熱器10、逆浸透膜給水ポンプ8、2本並列にROベッセルを組み合わせることによって構成した第1段逆浸透膜装置3、1本のROベッセルで構成した第2段逆浸透膜装置5、電気脱イオン装置7を順次経ることで純水を製造可能な純水製造ライン11を備えている。純水製造ライン11は、第1段逆浸透膜装置3の上流側において、第1段逆浸透膜装置3をバイパスして純水製造ライン11に合流し、第2段逆浸透膜装置5に原水を供給可能なバイパスライン15を備えている。該バイパスライン15と純水製造ライン11との分岐部には、流路を閉塞可能なバイパス制御弁13が設けられている。これにより、純水製造ライン11に供給された水は、バイパス制御弁13が開くと第1段逆浸透膜装置3と第2段逆浸透膜装置5とに並列に供給され、バイパス制御弁13が閉じると、第1段逆浸透膜装置3を経て第2段逆浸透膜装置5に供給される。
純水製造システム1はまた、純水製造ライン11上、第1段逆浸透膜装置3より下流側で、かつバイパスライン15から純水製造ライン11に原水を供給する位置より上流側の位置において第1段逆浸透膜装置3の処理水を原水タンク9に返送可能な第1循環ライン17を備えている。また、第1段逆浸透膜装置3の濃縮水を原水タンク9に返送可能な第2循環ライン18を備えている。これらの循環ライン17、18により、第1段逆浸透膜装置3の濃縮水および/または処理水を原水タンクに返送することができる構成となる。
純水製造システム1において、第2循環ライン18には、その流路の途中で排出流路20が接続されている。斯かる構成により、第1段逆浸透膜装置3の濃縮水を排出することができる構成となる。
純水製造ライン11、第1循環ライン17、第2循環ライン18および第1段逆浸透膜装置3の濃縮水の排出流路20には、それぞれ、流路の開閉が可能な弁が設けられている。まず、純水製造ライン11は、その流路上、第1循環ライン17が接続している位置と、バイパスライン15を介して純水製造ライン11に原水が供給される位置との間に、直列接続流路弁14を備えている。また、第1循環ライン17および第2循環ライン18には、それぞれの流路上、原水タンク9への水の返送を制御する返送制御弁19a,19bを備えている。さらに、濃縮水の排出流路20には、排出制御弁16を備えている。
図1に示すように、バイパスライン15上、バイパス制御弁13から純水製造ライン11に原水を供給する位置までの距離a1、純水製造ライン11上、第1循環ライン17が分岐している位置から直列接続流路弁14までの距離a2、純水製造ライン11上、直列接続流路弁14からバイパスライン15が純水製造ライン11に原水を供給する位置までの距離a3、および、第2循環ライン18に排出流路20が接続する位置から該排出流路20を閉塞可能な排出制御弁16までの距離a4を可能な限り短くすることが好ましく、例えば、すべて配管直径の6倍以内とすることが好ましい。これにより、熱水殺菌時に熱水が流通しない流路にも熱水が届きやすくなり、純水製造システムを構成する流路をくまなく十分に殺菌することができる。
なお、本実施形態では、2本並列にROベッセルを組み合わせることによって第1段逆浸透膜装置3を構成し、1本のROベッセルで第2段逆浸透膜装置5を構成したが、これらの逆浸透膜装置3,5が共に1本のROベッセルで構成されていてもよいし、2本以上並列のベッセルで構成されていてもよい。
(作用効果)
図2は、図1に示された純水製造システム1を用いた通常の採水時(純水製造時)の水の流れを示す。本実施形態において弁の開閉状態は、バイパス制御弁13を閉、直列接続流路弁14を開、返送制御弁19a,19bを閉、濃縮水排出弁16を開としている。これにより、原水タンク9から純水製造ライン11に供給された被処理水は、逆浸透膜給水ポンプ8から第1段逆浸透膜装置3を透過して第2段逆浸透膜装置5に達する。すなわち、被処理水は二段構成の逆浸透膜装置を経て電気脱イオン装置7へ通水されることとなる。
第1段逆浸透膜装置3の濃縮水は、採水時、排出流路20を通って一部濃縮水排出弁16を介して排出される。
一方、第2段逆浸透膜装置5の濃縮水は、採水時、第1段逆浸透膜装置3の処理水を通水するのでイオン濃度は低い。かかる濃縮水を、第4循環ライン(図示せず)を介して原水タンク9に返送する構成となっている場合は、第1段逆浸透膜装置3に供給する水の硬度等を一層低減する効果があるが、排水として排出してもよい。しかし、熱殺菌時には、水の節約のため全量を原水タンク9へと返送することが好ましい。
図3は、熱水殺菌時の水の流れを示す。本実施形態において弁の開閉状態は、バイパス制御弁13を開、直列接続流路弁14を閉、返送制御弁19a,19bを開、濃縮水排出弁16を閉としている。これにより、加熱器10によって加熱された熱水(例えば、65℃〜85℃)は、逆浸透膜給水ポンプ8によって第1段逆浸透膜装置3の上流の分岐部において、純水製造ライン11とバイパスラインとの2方向に分流供給され、熱水を同時供給することができる。このことは、第1段逆浸透膜装置3の透過水を熱水として第2段逆浸透膜装置に通水する必要がなくなることを意味し、熱水殺菌時に、第1段逆浸透膜装置3の入口圧力を上げることなく逆浸透膜装置3,5に通水することが可能となる。
第1段逆浸透膜装置3の濃縮水は、熱水殺菌時、原水タンク9へ返送し再び熱水として利用する構成となっている。これにより、水の使用量を低減し、かつ水の加熱に要するエネルギー消費が抑えられる。なお、第1段逆浸透膜装置3の濃縮水は、原水タンク9へと返送することなく、返送制御弁19bから排水してもよい。その場合は熱水殺菌時の水の使用量が増えるが、濃縮水を原水タンク9に返送するか否かは、熱水殺菌に使用する水の硬度、TOC等の水質に応じて適宜決めればよい。
また、第2段逆浸透膜装置5の濃縮水は、上述した採水時と同様に熱水殺菌時にも、第1段逆浸透膜装置3の処理水を通水するのでイオン濃度は低く、通常は、原水タンク9に返送される。この返送する側の背圧を調整することにより、熱水殺菌時、電気脱イオン装置7への供給水量、供給水圧力を調整することができる。
(第2の実施形態−変形例)
第1の実施形態では、軟水器を排除したことにより、熱水殺菌開始前の逆浸透膜装置3,5より前の配管内には被処理水である原水が満たされているため、イオン濃度、特に硬度成分が比較的高い。このまま熱水殺菌を開始すると、原水の硬度によっては、硬度成分のカルシウム成分が降温により析出しやすくなる場合がある。そこで、図4に示す第2の実施形態では、電気脱イオン装置7の下流側で純水製造ライン11に接続された第3循環ライン21を備えている。これにより、熱水殺菌開始前に、電気脱イオン装置7の処理水を原水タンク9へ返送し循環することにより系内のイオン濃度が徐々に低減し、その後、熱水殺菌を開始することで、原水の硬度が高い場合であっても加熱による硬度成分の析出防止可能となる。
第1の実施形態では、第1段処理水分流路の一態様として第1循環ライン17を設ける構成としたが、第2の実施形態においては、第1段処理水分流路の一態様として第1循環ライン17の替わりに、第1段逆浸透膜装置の処理水の全部または一部をそのまま排出することが可能な第1段処理水排出路170が設けられている。斯かる構成とすることで、熱水殺菌時、バイパス制御弁を開いたとき、第1段逆浸透膜装置の処理水のうち、第2段逆浸透膜装置に通水される水がなくなるか、または、通水されるとしてもわずかな量となるので、膜差圧や入口圧力を上げることなく二段の逆浸透膜装置の各々に熱水を供給することが可能となる。
また、第1の実施形態では、バイパスライン15と純水製造ライン11とは、第2段逆浸透膜装置5の上流側で合流するものとしたが、必ずしも合流している必要は無く、第2の実施形態においては、図4に示すように別々に第2段逆浸透膜装置5に接続されている。
第2の実施形態では、図4に示すように、純水製造ライン11とバイパスライン15との分岐点にバイパス制御弁13としての三方弁が設けられている。
第2の実施形態において、直列接続流路弁14は、純水製造ライン11上、第1段処理水分流路(第1段処理水排出路170)が分岐している位置と、バイパスライン15から原水を供給する位置との間ではなく、図4に示すように、純水製造ライン11と第1段処理水排出路170とが接続する位置において、第1の実施形態における返送制御弁19aの機能を併せ持つ三方弁として設けられている。
また、第1の実施形態では、濃縮水排出弁16と、返送制御弁19bとは、排出流路および第1循環ライン17というそれぞれ異なる流路上に設けたが、第2の実施形態においては、図4に示すように、排出流路20を設けることなく、濃縮水排出弁16を三方弁、返送制御弁19bを開閉弁として共に第1循環ライン17の流路上に設けている。なお、図4では、濃縮水排出弁16を返送制御弁19bに比べて第1循環ラインの上流側、すなわち、純水製造ライン11に近い側に配置しているが、返送制御弁19bを第1循環ラインの上流側に配してもよい。
以上、説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、バイパス制御弁13、直列接続流路弁14、濃縮水排出弁16、返送制御弁19a,19bは、自動弁であっても手動弁であっても構わないが、自動弁の方が運転管理がしやすい。これらの弁の少なくともいくつかは流路の開閉や各弁を通過する水量が相互に関連づけられていてもよいし、相互に関連づけられていなくてもよい。さらに弁は上述した5つ以外に、例えば、第3循環ライン21上に設けてもよいし、第4循環ラインを有する場合は、第4循環ライン上に設けてもよい。
また、逆浸透膜供給ポンプ8は、ポンプ出口で弁を絞ることで調整しても構わないが、インバーターなどの回転制御を加え、圧力計などと連動させて逆浸透膜供給圧力を制御することも可能である。
以下の具体的実施例により本発明をさらに詳細に説明する。図5は、実施例として用いた個別殺菌と二段通水との切替機構を採用した二段逆浸透膜+電気脱イオン装置のブロック図である。図6は、比較例として用いた従来の逆浸透膜+電気脱イオン装置による医薬製造向け純水製造システム100のブロック図である。図5および図6ともに、原水タンク9,109から送水ポンプ2,102、加熱器10,110、活性炭ろ過器4,104(クリコールA−W、栗田工業(株)製)を順に通して、逆浸透膜高圧供給ポンプ8,108に供給するまでは同じ構成としているが、その後は、実施例の純水製造システム1は、ROモジュール(HSRO−390、Dowケミカルジャパン社製)を2本並列に構成した第1段逆浸透膜装置3、同じく上記ROモジュールを2本並列に構成した第2段逆浸透膜装置5を備えた二段逆浸透膜装置を経由し、電気脱イオン装置7(KCDI−LX型、栗田工業社製)を通水する構成とし、比較例の純水製造装置100では、上記モジュールを2本並列に構成した逆浸透膜装置106の1段のみを経由し、電気脱イオン装置107を通水する構成とした。実施例および比較例は、それぞれ図5および図6の装置を用いて以下の表1に示す条件で実験した。
Figure 2014128767
逆浸透膜装置の入口と出口の水質とカルシウム硬度、TOC、電気脱イオン装置出口の水質、市水、活性炭入口、活性炭出口、逆浸透膜装置出口、電気脱イオン装置出口の各ポイントでの一般細菌の個数をR2A寒天培地を用いた培養法で一般細菌の個数を殺菌前と10日に1回の間隔で測定した。
比較例、実施例共に試験開始前の熱水殺菌をかける前の一般細菌数を測定し、原水タンクから電気脱イオン装置までの系を加熱器で徐々に昇温し系全体が82℃になったところから30分保持する循環方式による熱水殺菌を行った。実施例は発明の実施の形態に記載した通水方法で熱水殺菌した。運転期間は1ヶ月間とした。比較例と実施例で各ROと電気脱イオンとにおける水質を表2に示す。
Figure 2014128767
今回の試験では被処理水である市水の原水全硬度が32mg/L as CaCOと低かったため軟水器を設けない構成とした。その結果、比較例ではRO処理水のカルシウム硬度は電気脱イオン装置の供給限界である0.5mg/Lに近い0.4mg/Lとなったが、実施例では0.1mg/Lと十分余裕を持った供給が可能であった。また実施例ではRO出口でのTOCも二段RO化していることにより、RO供給水のほぼ9割を除去することができていることがわかった。
(殺菌効果確認試験結果)
比較例での一般細菌数挙動を表3に、実施例での一般細菌数挙動を表4に示す。
Figure 2014128767
Figure 2014128767
表3と表4に、比較例と実施例で市水、活性炭入口、活性炭出口、逆浸透膜装置出口、電気脱イオン装置出口の各ポイントでの一般細菌の個数結果を示す。一般細菌数は試験期間である1ヶ月間の運転では熱水殺菌直後に全てのポイントで殺菌効果が得られていた。その後の運転では活性炭の出口での生菌数の増加に伴い各ポイントでの一般細菌数の増加が見られた。しかし熱水殺菌を行うことにより一般細菌数はどちらの系においても減少させられていることがわかった。また、二段ROとした実施例は、一段のROのみを経由する比較例に比べRO出口での一般細菌数が少ないことがわかった。このことは逆浸透膜装置を二段通水することによって、膜で阻止された結果と推定できる。このことから実施例の装置構成をとっても熱水殺菌は十分に行われていると判断した。
本発明の純水製造システムは、医薬製造用の精製水の製造に有用である。
1…純水製造システム
2、102…送水ポンプ
3…第1段逆浸透膜装置
4,104…活性炭濾過膜
5…第2段逆浸透膜装置
7,107…電気脱イオン装置
8,108…逆浸透膜給水ポンプ
9,109…原水タンク
10,110…加熱器
11…純水製造ライン
13…バイパス制御弁
14…直列接続流路弁
15…バイパスライン
16…濃縮水排出弁
17…第1段処理水分流路(第1循環ライン)
18…第2循環ライン
19a,19b…返送制御弁
20…濃縮水排出流路
21…第3循環ライン
100…純水製造装置
106…逆浸透膜

Claims (7)

  1. 原水を第1段逆浸透膜装置と、第2段逆浸透膜装置とを順に通して純水を製造する純水製造ラインを備えたシステムであって、
    前記第1段逆浸透膜装置をバイパスして前記第2段逆浸透膜装置に前記原水を供給可能なバイパスラインと、
    該バイパスライン上において前記バイパスラインを介した前記第2段逆浸透膜装置への原水の流入を制御するバイパス制御弁と、
    前記純水製造ライン上、前記第1段逆浸透膜装置より下流側で、かつ前記バイパスラインから前記純水製造ラインに前記原水を供給する位置より上流側の位置において前記純水製造ラインに接続された第1段処理水分流路と
    を備えた純水製造システム。
  2. さらに、前記第1段逆浸透膜装置の上流に前記原水を貯留する原水タンクを備え、
    前記第1段処理水分流路が、前記原水タンクに接続される第1循環ラインを含む請求項1に記載の純水製造システム。
  3. 前記純水製造ライン上、前記第1段処理水分流路が接続している位置と、前記バイパスラインから前記純水製造ラインに前記原水を供給する位置との間に、直列接続流路弁を備えた請求項1または請求項2に記載の純水製造システム。
  4. さらに、前記第1段逆浸透膜装置の上流に前記原水を貯留する原水タンクを備え、
    前記第1段逆浸透膜装置の濃縮水を前記原水タンクに返送可能な第2循環ラインを備えた請求項1〜3のいずれか一項に記載の純水製造システム。
  5. 前記第2段逆浸透膜装置の処理水を供給する電気脱イオン装置を備えた請求項1〜4のいずれか一項に記載の純水製造システム。
  6. さらに、前記第1段逆浸透膜装置の上流に前記原水を貯留する原水タンクを備え、
    前記電気脱イオン装置の処理水を前記原水タンクに返送する第3循環ラインを備えた請求項5に記載の純水製造システム。
  7. 前記第1段逆浸透膜装置の濃縮水を排出する排出流路が前記第2循環ラインに接続されている請求項4に記載の純水製造システム。
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