JP2014128662A - Ctシステムで使用するためのコリメータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ビームトラッキングにおけるアパーチャエッジ間の相互干渉の低減、トラッキングレンジの増大、トラッキング感度の改善、及び耐ノイズ性能の強化を備えたCTシステムで使用するコリメータを提供する。
【解決手段】CTシステムで使用するコリメータは、X線吸収材料で作られ、X線イメージングで使用される第1のX線ビームを通過させる第1の幅を有するイメージングアパーチャと、X線ビームトラッキングで使用される第2のX線ビームを通過させる第2の幅を有するトラッキングアパーチャと、を含む。本発明は、ジュライ技術の1つ又はそれ以上の態様を改善することができ、すなわち、ビームトラッキングにおいて、ビーム干渉の低減、トラッキングレンジの増大、トラッキング感度の改善、ノイズ耐性の強化などの1つ又はそれ以上を達成することができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、メディカルスキャニングに関し、より詳細には、CTシステム用の別個のトラッキングアパーチャを有するコリメータ及びその対応する方法に関する。
医療技術が発達するにつれて、メディカルスキャニングは、多くの医学的応用における重要な診断及び治療ツールになりつつある。例えば、コンピュータ断層撮影(CT)は、患者の診断及び放射線治療に広く使用されてきた。CTシステムにおいて、X線源によって投影される扇形(ファン)ビームは、デカルト座標系のX−Y平面、すなわち、「イメージング(撮像)平面」にキャリブレーション(較正)(又はコリメート)される。X線ビームは、撮像されることになるターゲット物体(患者など)を透過し、ターゲット物体の様々な部分によって減弱された後に検出器アレイに到達する。X線ビームの減弱は、検出器アレイにより検出され、X線イメージ(すなわち、CTイメージ)を形成できるようになる。
最近では、患者に送達される不必要な放射線量を低減するよう配慮及び試みが、一層なされている。放射線量を低減するために一般的に使用されている方法は、長手方向(すなわち、CTシステムの座標系のZ軸方向)のX線ビームの厚みを低減することである。現行のCT製造業者らは通常、過剰なX線ビームを遮断するためにプリペイシャント・コリメータを用いている。最新技術において、Z軸方向のビーム幅に関する異なる要件に対応するために、2種類のコリメータが設計されている。1つの種類のコリメータは、異なる幅のアパーチャを提供するために独立して移動できる2つのアパーチャエッジを有する。他の種類のコリメータは、1つ又はそれ以上の固定幅のアパーチャを含む。
第三世代CTシステムの回転ガントリは、異なる回転角度でZ方向運動を発生させる。X線管がガントリ上に堅固に装着されるので、焦点のZ方向運動は、ガントリ回転として発生する。熱膨張に起因する焦点運動は、Z運動の別の発生源である。一方では、コリメータは、最適な線量低減のため狭いアパーチャを有する必要があり、他方では、Z方向に沿った焦点移動に対応するために幅広のアパーチャが望ましい。
この相反する矛盾を解消するために、Toth他は、Z比を用いたX線源の焦点運動を動的に追跡(トラッキング)する方法を提案した(“A dose reduction
x−ray beam positioning system for high−speed multislice CT scanners”,Med.Phys.V
ol.27,No.12,December 2000)。この論文の内容は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。
焦点トラッキングに関する他の従来技術については、米国特許第5,644,614号,第7,317,786号,第5,469,429,第5,299,250号などを参照することができる。これらの特許の内容は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。
これらの従来技術は、コリメータアパーチャのサイズに関する矛盾をある程度軽減したが、アパーチャエッジ間に比較的大きな相互干渉が存在すること、固定アパーチャ幅を有する従来のコリメータの使用において十分なトラッキング作動レンジを提供できないことなどの問題がある。特にミリメートル未満の固定幅アパーチャにおいては、これらの問題がより重大である。
加えて、既存のコリメータはまた、トラッキング感度の不良、並びにノイズ及び他の変動に対する耐性不良など、他の態様における幾つかの欠点がある。従って、既存技術の1つ又はそれ以上の態様を改善し、これによりビームトラッキングにおけるアパーチャエッジ間の相互干渉の低減、トラッキングレンジの増大、トラッキング感度の改善、耐ノイズ性能の強化の解決策に対する要望がある。
米国特許第号明細書
本発明は、従来技術における1つ又はそれ以上の問題点を解決することを意図する。詳細には、本発明は、ビームトラッキングにおける以下の目的;すなわち、コリメータアパーチャのエッジ間の相互干渉の低減、トラッキングレンジの増大、トラッキング感度の改善、耐ノイズの強化などの1つ又はそれ以上を達成することを意図する。
CTシステムで使用するコリメータが提供される。コリメータは、X線吸収材料で作られ、X線イメージングで使用される第1のX線ビームを通過させる第1の幅を有するイメージングアパーチャと、X線ビームトラッキングで使用される第2のX線ビームを通過させる第2の幅を有するトラッキングアパーチャと、を含む。
本発明の1つの実施形態によれば、イメージングアパーチャ及びトラッキングアパーチャは、長さ方向で整列される。
本発明の1つの実施形態によれば、第2の幅は、前記第1の幅とは異なる。
本発明の1つの実施形態によれば、第2の幅は、トラッキングアパーチャの2つのエッジによって引き起こされる相互干渉を低減するために第1の幅よりも大きい。
本発明の1つの実施形態によれば、第2の幅は、ビームトラッキングの作動レンジを増大させるために第1の幅よりも小さい。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャは、第1のトラッキングアパーチャのみを含む。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャは、第1のトラッキングアパーチャ及び第2のトラッキングアパーチャを含む。
本発明の1つの実施形態によれば、第1のトラッキングアパーチャ及び第2のトラッキングアパーチャは、同じ幅を有する。
本発明の1つの実施形態によれば、イメージングアパーチャの幅及びトラッキングアパーチャの幅は固定されている。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャは矩形形状を有し及び/又はイメージングアパーチャは矩形形状を有する。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャ及びイメージングアパーチャは連続的に形成される。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャは、Z比を用いたビームトラッキングに適応された幅を有し、Z比は、トラッキングアパーチャの本影領域における検出器信号に対する半影領域における検出器信号の比を指す。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャの幅は、Z比に関連するキャリブレーション曲線及び作動レンジを決定するように適応される。
本発明の第2の態様によれば、本発明の実施形態の1つによれる、コリメータを備えたCTシステムが提供される。
本発明の第3の態様によれば、X線吸収材料で作られたコリメータを備えるCTシステムで使用する方法が提供される。本方法は、X線イメージングにおいて、第1のX線ビームが第1の幅を有するイメージングアパーチャを通過できるようにするステップと、X線トラッキングにおいて、第2のX線ビームが第2の幅を有するトラッキングアパーチャを通過できるようにするステップと、を含む。
本発明の上述の改善策は、従来技術における1つ又はそれ以上の問題を解決することができる。詳細には、本発明は、ビームトラッキングにおける以下;すなわち、ビームの相互干渉の低減、トラッキングレンジの増大、トラッキング感度の改善、耐ノイズの強化などの1つ又はそれ以上を達成することができる。
本発明の利点、特徴要素、及び特徴は、図面を参照しながら本発明の特定の実施形態の説明によって更に理解されるであろう。
本発明の1つの実施形態によるCTシステムを示す図。 本発明の1つの実施形態によるX線源を示す図。 本発明の1つの実施形態による、検出器アレイのトラッキングチャンネルの内側列及び外側列を示す図。 本発明の1つの実施形態による、2つのアパーチャエッジのZ比曲線を示す図。 小さな固定幅を有するアパーチャのZ比曲線。 大きな固定幅を有するアパーチャのZ比曲線。 本発明の1つの実施形態による、CTシステムで使用するためのコリメータ 異なるアパーチャ幅に対応するR比曲線。 本発明の1つの実施形態による、CTシステムで使用するための方法を示す図。
本発明は、本発明の例示的な実施形態が図示された図面を参照しながら以下においてより完全に説明する。しかしながら、本発明は、他の異なる方法で実施することができ、これらの特定の実施形態に限定されるものではない点は理解されたい。逆に、これらの実施形態の提供は、本発明の概念が当業者によって十分に理解できるように本発明の開示内容を徹底的且つ完全にすることを意図している。本出願を通じて、同一又は同様の参照符号は、同じ手段又はユニットを表している。
図1は、本発明の1つの実施形態によるCTシステム10を概略的に示している。CTシステム10は、第三世代CTシステムのガントリ12を含む。ガントリ12は、検出器アレイ18上に扇形X線ビームを奏者するX線源14を含み、検出器アレイ18は、X線源に対向したガントリ12の側部に配置される。検出器アレイ18は、患者の身体22を透過するX線の結合検出用の複数の検出器素子からなる。各検出器素子は、受け取ったX線の強度と、テーブル46上の患者22を通過した後のX線の減弱とを示す電気信号を発生することができる。スキャンは、ガントリ12及びその上に装着された構成要素がガントリ12の回転中心の周りに旋回するにつれてX線投影を収集するために実施される。
X線源は、一般に、アノード及びカソードを有する真空X線ハウジングを含む。アノードとカソードの両端に高電圧が印加されたときに、電子がカソードからアノード上の焦点(又はフォーカス)に加速されるとX線が発生する。CTシステムにおいて、X線源からのX線ビームは、コリメータを通過し、X線ビームの輪郭又は形状を定めるようにすることができる。X線吸収材料で作られたコリメータは、アパーチャを有する。コリメータによってX線ビームを望ましい扇形輪郭又は形状に制限又は限定するプロセスは、「コリメーション」と呼ばれる。
図2は、本発明の1つの実施形態による、X線源14を示す。X線ビーム16は、X線源14の焦点50から照射される。X線ビーム16は、コリメータ52によってコリメートされた後、扇形ビームの中心軸54に沿って複数の検出器素子20により形成される検出器アレイ18に投影される。
本発明のCTシステム及びそのX線源の構成を特定の実施形態に関連して上記で説明してきたが、これは、本発明を限定することを意図するものではない。CTシステム及びX線源の他の実施構成もまた、本発明に適用可能である。
種々の方法を用いてX線ビームをトラッキングすることができる。X線ビームトラッキングにおいて、Z軸方向(すなわち、テーブルの長手方向)におけるコリメータアパーチャの移動を制御するために制御パラメータを使用して、該制御パラメータをビーム位置にマッピングするキャリブレーション関数を導き出すことが必要となる。確定した制御パラメータ及びキャリブレーション関数は、Z軸方向に沿ったアパーチャ移動の方向と大きさを決定できるように正確なビーム位置を提供する。トラッキング制御パラメータ及び/又はキャリブレーション関数は、アパーチャの設計(例えば、アパーチャの形状及び移動特性)に従って適切に選択することができる。
本発明の1つの実施形態によれば、検出器アレイの内側列(本影領域)における検出器信号に対する外側列(半影領域)における検出器信号の比(すなわち、Z比)が制御パラメータとして使用される。図3は、本発明の一部の実施形態による、検出器アレイのトラッキングチャンネルの内側列と外側列とを示している。図3に示すパラメータは、当該技術分野で一般的に使用されている。例えば、上部のトラッキングチャンネルにおいて、参照符号1A及び1Bは、検出器アレイのトラッキングチャンネルの内側列を示し、参照符号2A及び2Bは、トラッキングチャンネルの外側列を示している。「2×1」は、コリメータアパーチャによりカバーされる検出器列の数と、ISO中心(すなわち、ガントリ中心)平面のZ軸方向における単一の検出器要素の等価サイズ1mmを乗じたものである。
Z比を用いてビームをトラッキングするためには、Z軸方向でアパーチャを掃引してキャリブレーション関数又はZ比曲線(すなわち、キャリブレーション曲線)を取得して、Z比をアパーチャ位置にマッピングする必要があり、また、必要に応じて、幾何形状計算を用いてこれをビーム位置に更にマッピングする必要がある。アパーチャの2つのエッジが互いに対して独立して移動できる場合において、Z比曲線を取得する掃引プロセスでは、アパーチャの第1のエッジは、第2のエッジから離れて構成され、次いで、第2のエッジが掃引されてZ比曲線が得られる。第1のエッジのZ比曲線は、同じ方法で取得することができる。2つのエッジが互いからかなり離れて構成することができるので、2つのエッジ間の相互干渉の影響は、Z比計算において効果的に排除することができる。同時に、安定したビームトラッキングのより広い作動レンジを得ることができる。
図4は、本発明の1つの実施形態による2つのアパーチャエッジのZ比曲線を示す。図示のように、横軸がアパーチャ位置を示し、縦軸がZ比を示し、実線は第1のエッジAのZ比曲線を示し、破線は第2のエッジBのZ比曲線を示している。この実施形態において、アパーチャ幅は2.210mm、掃引レンジは(−0.800,+0.800)mm、及び掃引ステップが20である。
本発明の一部の実施形態によれば、アパーチャ位置は、アパーチャの長手方向における中心線のZ軸座標を意味する。他の実施形態では、他の位置を用いてアパーチャ位置を示すこともできる。
ビームトラッキング、特にZ比曲線の取得、作動点及び作動レンジの決定などにおけるZ比を使用する方法は、当該技術分野で周知であるので、本明細書では詳細には説明しない。
固定幅アパーチャを有するコリメータにおいて、アパーチャの2つのエッジは独立して移動できないので、エッジ間の干渉を回避すること、及び十分なビームトラッキングレンジを設ける上で問題がある。このような問題は、コリメータアパーチャの幅が不適切に選択された(例えば、広すぎる又は狭すぎる)場合に生じる。
例えば、CTシステムのISO中心における最狭ビーム幅が0.625mm〜1mm、Z軸方向の公称検出器幅が0.625mm〜1.25mmである事例において、固定アパーチャ幅0.625mm〜1mm(ISOでの公称幅)を使用した場合には、エッジ間の大きな相互干渉が存在し、得られるZ比は、本影領域の信号に対する半影領域の信号の比ではないことになる。この状況では、内側列は、幾らかの半影信号を含むので、作動点のZ比は、極めて小さな値(例えば、0.2未満)を有するだけである。従って、狭い固定幅のアパーチャを用いると、ノイズ及び他の機能に対する耐性が不十分になり、安定したビームトラッキング作動点及び作動レンジを提供できなくなる。図5は、小さな固定幅を有するアパーチャのZ比曲線を示す。
別の実施例として、8×1.25mm検出器で使用するような大きな幅のコリメータアパーチャでは、対応するイメージングチャンネルでのアパーチャ幅は、8×1.25mm検出器を十分にカバーする程幅広でなければならない。しかしながら、このような幅のアパーチャでは、トラッキングチャンネルの外側列と内側列のZ比は、大きなレンジにおいては1に極めて近くなり、従って、キャリブレーション曲線において十分な作動レンジを提供することができない。図6は、大きな固定幅を有するアパーチャのZ比曲線を示す。
図7は、本発明の1つの実施形態による、CTシステムで使用するコリメータ70を示している。コリメータ70は、X線吸収材料で作られ、イメージングアパーチャ72,72’及びトラッキングアパーチャ73,73’を含む。X線源から照射されてイメージングアパーチャを通過するX線は、X線イメージングの第1のX線ビームを形成し、X線源から照射されてトラッキングアパーチャを通過するX線は、X線イメージングの第2のX線ビームを形成する。X線イメージング及びビームトラッキングでのX線ビームの使用は、当該技術分野で周知であるので、本明細書では詳細には説明しない。
図7に示すように、イメージングアパーチャ72,72’の幅は、トラッキングアパーチャ73,73’の幅とは異なる場合があり、イメージングアパーチャ及びトラッキングアパーチャは、長手方向で整列され、すなわち、長さ方向に延びるイメージングアパーチャの中心線と長さ方向に延びるトラッキングアパーチャの中心線は、同じ直線上又は実質的に同じ直線上にある。
本発明の1つの実施形態によれば、長さ方向に延びるイメージングアパーチャの中心線と長さ方向に延びるトラッキングアパーチャの中心線は、僅かに位置ずれしている。例えば、8×1.25mm検出器アレイでは、イメージングアパーチャが、検出器アレイのイメージングチャンネルにおいて検出器の列1〜8に対応する場合には、検出器の4つの列の幅に相当するトラッキングアパーチャは、イメージングチャンネルの列1〜4、2〜5、3〜6、4〜7、又は5〜8に対応するものとして選択することができる。実際に、位置ずれのサイズは、トラッキングアパーチャを通過するX線をトラッキングチャンネルの検出器によって依然として検出できるようなものである限り、このような僅かな位置ずれは許容される。
図7に示すコリメータは単に例示的なものであり、本発明を限定することを意図するものではない点は理解されるであろう。例えば、図7に示すようなコリメータは2つのペアのアパーチャ72,72’及び73,73’を含むが、コリメータは、1つのペアのアパーチャだけ(すなわち、1つのイメージングアパーチャと1つのトラッキングアパーチャ)を含むことができ、或いは代替として、コリメータは、2つよりも多いペアのアパーチャを含むこともできる点は、当業者には理解されるであろう。加えて、互いに整列したイメージングアパーチャ及びトラッキングアパーチャは、図7に示すように異なる幅を有するが、一部の特定の実施形態においては同じ幅を有することもできる。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャの幅は、イメージングアパーチャの幅よりも大きい。コリメータは、イメージングアパーチャ及びトラッキングアパーチャをそれぞれ備えるので、また、2つのアパーチャが別個に異なる幅を有することができるので、CTイメージングに必要とされるビーム幅によって課せられるイメージングアパーチャの幅に対する要件は、ビームトラッキング用のトラッキングアパーチャの幅に影響を与えない。例えば、1.25mm検出器幅に対する2×0.625mm又は2×1mmなどの狭いビーム幅において、イメージングチャンネルでのイメージングアパーチャの幅は、イメージングアパーチャに関連する本影領域が2つの列の検出器をカバーするように設計することができ、ビームトラッキングチャンネルでのトラッキングアパーチャの幅は、トラッキングアパーチャに関連する本影領域が4つよりも多い列の検出器をカバーするように設計することができる。従って、イメージングアパーチャに対する適切な幅とトラッキングアパーチャに対する適切な幅を選択することにより、イメージングに必要とされるビーム幅を確保しながら、トラッキングアパーチャの2つのエッジによって引き起こされるビーム干渉を低減することができる。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャの幅は、イメージングアパーチャの幅よりも小さい。例えば、8×1.25mm検出器幅における8×0.625mmのようなより広いビーム幅では、イメージングチャンネルでのイメージングアパーチャ幅は、検出器の全ての8つの列が本影領域にあるようにすべきである。ビームトラッキングチャンネルにて同じアパーチャ幅が使用される場合には、内側列及び外側列の両方が本影領域内にあるので、Z比は、アパーチャZ値の大きなレンジにおいて1に極めて近くなる。結果として、Z比は、X線源の焦点の移動に反応しにくい。この状況において、イメージングアパーチャ幅よりも狭いトラッキングアパーチャ幅(例えば、検出器の4列、6列、8列の一部をカバーするもの)を選択することができる。従って、CTイメージングに必要とされるビーム幅によって課せられるイメージングアパーチャ幅に関する要件は、トラッキングアパーチャの幅に影響を及ぼすことがないので、イメージングアパーチャ及びトラッキングアパーチャに適切な幅を選択することにより、イメージングに必要とされるビーム幅を確保しながら、より大きなビームトラッキング作動レンジを提供することができる。
本発明の1つの実施形態によれば、コリメータは、1つだけのトラッキングアパーチャを含む。トラッキングアパーチャは、長さ方向でイメージングアパーチャと整列したあらゆる位置、例えば、イメージングアパーチャの左又は右側に対する位置に配置することができる。或いは、トラッキングアパーチャは、長さ方向でイメージングアパーチャと整列することができるが、イメージングアパーチャに対して僅かに位置ずれしている。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャはまた、第1のトラッキングアパーチャ及び第2のトラッキングアパーチャなどの2つのアパーチャを含むことができる。第1のトラッキングアパーチャ及び第2のトラッキングアパーチャなどの2つのアパーチャは、長さ方向でイメージングアパーチャと整列又は僅かに位置ずれした何れかの位置に配置することができる。例えば、同じ又は異なる幅を有する第1のトラッキングアパーチャ及び第2のトラッキングアパーチャは、イメージングアパーチャの2つの側部それぞれに配置することができる。
本発明の1つの実施形態によれば、イメージングアパーチャ及びトラッキングアパーチャは、固定幅とすることができる。固定幅を有するトラッキングアパーチャにおいて、作動点は、Z比曲線の位置(アパーチャ位置=0の場合)又は他の好適な位置に相当することができる。イメージングアパーチャ及びトラッキングアパーチャの少なくとも1つが可変幅を有するように設計することも可能である点は理解される。例えば、イメージングアパーチャの2つのエッジは、独立して移動可能であるように設計され、トラッキングアパーチャは、固定幅を有するように設計される。このような設計は、X線イメージングにおいて異なる幅の扇形ビームを用いたときにアパーチャ幅を調整する回数を低減することができる。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャ及びイメージングアパーチャの両方は、図7に示すように、細長い矩形の形状を有する。しかしながら、特定の用途の要求に応じて、トラッキングアパーチャ及びイメージングアパーチャはまた、細長い菱形などの他の好適な形状に適応させることもできる。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャ及びイメージングアパーチャは、連続的に形成され、間にX線吸収材料が存在しない。しかしながら、実際の用途に応じて、トラッキングアパーチャ及びイメージングアパーチャはまた、離散的に形成され、これ以上のX線を遮断するためにX線吸収材料によって分離することができる点は理解されるであろう。
上記において、本発明の1つの実施形態は、Z比を用いてビームトラッキングと関連して説明しており、トラッキングアパーチャは、Z比に関連するキャリブレーション曲線及び作動レンジを決定するよう適応された幅を有する。しかしながら、トラッキングアパーチャ及びイメージングアパーチャを有するコリメータはまた、他のトラッキング解決策で用いることもできる当業者であれば理解されるであろう。
本発明の1つの実施形態において、側部A及び側部BにおけるX線信号の非対称度R=(A−B)/(A+B)は、ビームトラッキングにおいて用いることができ、ここでAは、トラッキングチャンネルの側部Aにおける検出器列信号を表し、Bは、トラッキングチャンネルの側部Bにおける検出器列信号を表す。例えば、8つの列の検出器を有するトラッキングチャンネルにおいて、Aは、左側の検出器の4つの列の信号を表すことができ、Bは、右側の検出器の4つの列の信号を表すことができる。非対称度Rを用いたトラッキングモードにおいて、幅広のアパーチャ(例えば、8×1.25mm)の事例では、トラッキングアパーチャ及びイメージングアパーチャが同じ幅を用いる場合には、非対称度Rは、作動点にて極めて平坦、すなわち、焦点移動に対して反応しにくいことになる。この事例では、これに対応してトラッキングアパーチャを幅狭にすることにより、トラッキング感度を高めることができる。
図8は、異なるアパーチャ幅に対応するR比曲線を示し、ここで横軸はアパーチャ位置を示し、縦軸はR値を示す。図8において、破線は、アパーチャ幅が4.12mmであるときのR値の変化を示し、実線は、アパーチャ幅が3.5mmであるときのR値の変化を示す。
本発明の1つの実施形態によれば、上述のコリメータを備えたCTシステムも提供される。CTシステムで使用されるコリメータは、X線吸収材料で作られ、イメージングアパーチャ及びトラッキングアパーチャを含む。イメージングアパーチャの幅は、X線イメージングにおけるX線の通過を可能にし、トラッキングアパーチャの幅は、X線トラッキングにおけるX線の通過を可能にする。CTシステムで使用されるコリメータはまた、上述のような1つ又はそれ以上の特徴要素を含むことができる点は理解されるであろう。
本発明によるコリメータは、X線ビームをトラッキングするため既存のCTシステム及び場合によっては将来のCTシステムで用いることができる。本発明によるコリメータを用いることにより、エッジ間の相互干渉を低減することができると同時に、X線ビームトラッキングにおいて比較的大きなトラッキング作動レンジを提供することができる。
図9は、本発明の1つの実施形態によるCTシステムで使用する方法を示しており、CTシステムは、X線吸収材料で作られたコリメータを含む。本方法において、第1のX線ビームは、X線イメージングにおいてイメージングアパーチャを通過することができ、第2のX線ビームは、X線トラッキングにおいてトラッキングアパーチャを通過することができる。イメージングアパーチャは第1の幅を有し、トラッキングアパーチャは第2の幅を有する。
本発明の1つの実施形態によれば、イメージングアパーチャ及びトラッキングアパーチャは、長さ方向で整列される。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャの第2の幅は、イメージングアパーチャの第1の幅とは異なる。
本発明の1つの実施形態によれば、第2の幅は、トラッキングアパーチャの2つのエッジによって引き起こされる相互干渉を低減するため、第1の幅よりも大きいように構成される。
本発明の1つの実施形態によれば、第2の幅は、ビームトラッキングの改善した作動レンジを提供するために、第1の幅よりも小さいように構成される。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャは、第1のトラッキングアパーチャを含む。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャは、第1のトラッキングアパーチャ及び第2のトラッキングアパーチャを含む。
本発明の1つの実施形態によれば、第1のトラッキングアパーチャ及び第2のトラッキングアパーチャは、同じ幅を有して構成される。
本発明の1つの実施形態によれば、イメージングアパーチャの第1の幅及びトラッキングアパーチャの第2の幅は固定である。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャは矩形形状を有し及び/又はイメージングアパーチャは矩形形状を有する。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャ及びイメージングアパーチャは連続的に形成される。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャは、Z比ビームトラッキング用に使用される。上述のように、Z比とは、トラッキングアパーチャの本影領域における検出器信号に対する半影領域における検出器信号の比を指す。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャは、Z比に関連するキャリブレーション曲線及び作動レンジを決定するのに使用される。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャの2つのエッジの現行のZ比は、X線ビームトラッキング中に決定される。
本発明の1つの実施形態によれば、2つのエッジの現行のZ比が両方ともキャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、2つのエッジの現行のZ比を用いて、トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするようにトラッキングアパーチャを移動させる。
本発明の1つの実施形態によれば、1つのエッジの現行のZ比だけがキャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、1つのエッジのZ比を用いて、トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするようにトラッキングアパーチャを移動させる。
本発明の1つの実施形態によれば、2つのエッジの現行のZ比の何れもがキャリブレーション曲線の作動レンジ内にない場合には、トラッキングアパーチャは、CTシステムのZ軸の第1の方向で第1の距離だけ移動され、次いで、トラッキングアパーチャの2つのエッジの現行のZ比が計算され、計算した現行のZ比を用いて、X線ビームトラッキングを実施し、又は、2つのエッジの現行のZ比が両方ともキャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、2つのエッジのZ比を用いて、トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするようにトラッキングアパーチャを移動させ、又は、1つのエッジの現行のZ比だけがキャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、1つのエッジのZ比を用いて、トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするようにトラッキングアパーチャを移動させる。
本発明の1つの実施形態によれば、トラッキングアパーチャが第1の距離を移動した後、トラッキングアパーチャの2つのエッジの現行のZ比の何れもがキャリブレーション曲線の作動レンジ内にない場合には、トラッキングアパーチャは、CTシステムのZ軸の第2の方向で第2の距離だけ移動され、該第2の方向は第1の方向とは反対であり、第2の距離は、第1の距離よりも大きく、第2の距離の移動後、トラッキングアパーチャの2つのエッジの現行のZ比が計算され、計算した現行のZ比を用いて、X線ビームトラッキングを実施し、2つのエッジの現行のZ比が両方ともキャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、2つのエッジのZ比を用いて、トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするようにトラッキングアパーチャを移動させ、又は、1つのエッジの現行のZ比だけがキャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、1つのエッジのZ比を用いて、トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするようにトラッキングアパーチャを移動させ、又は、トラッキングアパーチャの2つのエッジの現行のZ比の何れもがキャリブレーション曲線の作動レンジ内にない場合には、X線トラッキングを中断し、及び/又はエラーを報告する。
本発明は、限定ではないが、ハードウェア、ファームウェア、コンピュータプログラム、論理手段、その他を含む、本技術分野において既知の種々の方法で実現できることは、当業者には理解されるであろう。
上記の明細書及び対応する図面全体を通じて、本発明の好ましい実施形態を詳細に明らかにしてきた。更に、本明細書において幾つかの特別な用語を用いているが、これらは、単に例示を意図している。本発明に対して種々の修正、等価的な置き換え、変更などを行い得ることは、当業者には理解されるであろう。例えば、上記の実施形態における1つのステップ又はモジュールは、実施構成において2つ又はそれ以上のステップ又はモジュールに分けることができ、逆に、上記の実施形態におけるモジュール又は手段の2つ又はそれ以上のステップ又は機能は、実施構成において1つのステップ又はモジュールにすることができる。これらの変更が本発明の技術的思想から逸脱しない限り、これらは、本出願の請求項に記載された保護範囲内にあるものとする。本発明の保護範囲は、添付の請求項によって定義される。
70 コリメータ
72、72’ イメージングアパーチャ
73、73’ トラッキングアパーチャ

Claims (30)

  1. CTシステムで使用するためのX線吸収材料で作られたコリメータであって、
    X線イメージングで使用される第1のX線ビームを通過させる第1の幅を有するイメージングアパーチャと、
    X線ビームトラッキングで使用される第2のX線ビームを通過させる第2の幅を有するトラッキングアパーチャと、
    を備える、コリメータ。
  2. 前記イメージングアパーチャ及び前記トラッキングアパーチャが、長さ方向で整列される、請求項1に記載のコリメータ。
  3. 前記第2の幅が、前記第1の幅とは異なる、請求項2に記載のコリメータ。
  4. 前記第2の幅が、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジによって引き起こされる相互干渉を低減するために前記第1の幅よりも大きいか、又は、前記第2の幅が、前記ビームトラッキングの作動レンジを増大させるために前記第1の幅よりも小さい、請求項3に記載のコリメータ。
  5. 前記トラッキングアパーチャが第1のトラッキングアパーチャのみを含む、請求項4に記載のコリメータ。
  6. 前記トラッキングアパーチャが、第1のトラッキングアパーチャ及び第2のトラッキングアパーチャを含む、請求項4に記載のコリメータ。
  7. 第1のトラッキングアパーチャ及び第2のトラッキングアパーチャが、同じ幅を有する、請求項6に記載のコリメータ。
  8. 前記イメージングアパーチャの幅及び前記トラッキングアパーチャの幅が固定されている、請求項1〜7の何れか1項に記載のコリメータ。
  9. 前記トラッキングアパーチャが矩形形状を有し、及び/又は前記イメージングアパーチャが矩形形状を有する、請求項1〜7の何れか1項に記載のコリメータ。
  10. 前記トラッキングアパーチャ及び前記イメージングアパーチャが連続的に形成されている、請求項1〜7の何れか1項に記載のコリメータ。
  11. 前記トラッキングアパーチャの幅が、Z比を用いてビームトラッキングに適応される、請求項1〜7の何れか1項に記載のコリメータ。
  12. 前記トラッキングアパーチャの幅が、Z比に関連するキャリブレーション曲線及び作動レンジを決定するように適応される、請求項11に記載のコリメータ。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載のコリメータを備えたCTシステム。
  14. X線吸収材料で作られたコリメータを備えるCTシステムで使用する方法であって、
    X線イメージングにおいて、第1のX線ビームが第1の幅を有するイメージングアパーチャを通過できるようにするステップと、
    X線トラッキングにおいて、第2のX線ビームが第2の幅を有するトラッキングアパーチャを通過できるようにするステップと、
    を含む、方法。
  15. 前記イメージングアパーチャ及び前記トラッキングアパーチャが、長さ方向で整列されている、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第2の幅が、前記第1の幅とは異なる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記第2の幅が、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジによって引き起こされる相互干渉を低減するために前記第1の幅よりも大きいように構成され、或いは、前記第2の幅は、前記ビームトラッキングの作動レンジを増大させるために、前記第1の幅よりも小さいように構成される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記トラッキングアパーチャが、第1のトラッキングアパーチャのみを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記トラッキングアパーチャが、第1のトラッキングアパーチャ及び第2のトラッキングアパーチャを含む、請求項17に記載の方法。
  20. 前記第1のトラッキングアパーチャ及び第2のトラッキングアパーチャは、同じ幅を有して構成される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記イメージングアパーチャの第1の幅及び前記トラッキングアパーチャの第2の幅が固定される、請求項14〜20の何れか1項に記載の方法。
  22. 前記トラッキングアパーチャが矩形形状を有するように構成され、及び/又は前記イメージングアパーチャが矩形形状を有するように構成される、請求項14〜20の何れか1項に記載の方法。
  23. 前記トラッキングアパーチャが、前記イメージングアパーチャと共に連続的に形成される、請求項14〜20の何れか1項に記載の方法。
  24. 前記トラッキングアパーチャが、Z比ビームトラッキングを実施するのに使用される、請求項14〜20の何れか1項に記載の方法。
  25. 前記トラッキングアパーチャが、Z比に関連するキャリブレーション曲線及び作動レンジを決定するのに使用される、請求項24に記載の方法。
  26. X線ビームトラッキング中に前記トラッキングアパーチャの2つのエッジの現行のZ比を決定するステップを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記2つのエッジの現行のZ比が両方とも前記キャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、前記2つのエッジの現行のZ比を用いて、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするように前記トラッキングアパーチャを移動させるステップを更に含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記2つのエッジのうちの1つのエッジの現行のZ比だけが前記キャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、前記1つのエッジのZ比を用いて、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするように前記トラッキングアパーチャを移動させるステップを更に含む、請求項26に記載の方法。
  29. 前記2つのエッジの現行のZ比の何れもが前記キャリブレーション曲線の作動レンジ内にない場合に、前記トラッキングアパーチャをCTシステムのZ軸の第1の方向で第1の距離だけ移動させるステップと、
    前記トラッキングアパーチャを前記第1の距離だけ移動させた後、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジの現行のZ比を計算するステップと、
    前記計算した現行のZ比を用いてX線ビームトラッキングを実施するステップと、
    を更に含み、
    前記2つのエッジの現行のZ比が両方とも前記キャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、前記2つのエッジの現行のZ比を用いて、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするように前記トラッキングアパーチャを移動させ、又は、前記2つのエッジのうちの1つのエッジの現行のZ比だけが前記キャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、前記1つのエッジのZ比を用いて、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするように前記トラッキングアパーチャを移動させる、請求項26に記載の方法。
  30. 前記トラッキングアパーチャを第1の距離だけ移動させた後、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジの現行のZ比の何れもが前記キャリブレーション曲線の作動レンジ内にない場合には、前記トラッキングアパーチャを前記CTシステムのZ軸の前記第1の方向とは反対で第2の方向で且つ第1の距離よりも大きい第2の距離だけ移動させるステップと、
    前記トラッキングアパーチャを前記第2の距離だけ移動させた後、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジの現行のZ比を計算するステップと、
    前記計算した現行のZ比を用いてX線ビームトラッキングを実施するステップと、
    を更に含み、
    前記2つのエッジの現行のZ比が両方とも前記キャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、前記2つのエッジのZ比を用いて、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするように前記トラッキングアパーチャを移動させ、又は、前記2つのエッジのうちの1つのエッジの現行のZ比だけが前記キャリブレーション曲線の作動レンジ内にある場合には、前記1つのエッジのZ比を用いて、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジと作動点との間の平均距離を最小にするように前記トラッキングアパーチャを移動させ、又は、前記トラッキングアパーチャの2つのエッジの現行のZ比の何れもが前記キャリブレーション曲線の作動レンジ内にない場合には、X線トラッキングを中断し、及び/又はエラーを報告する、請求項29に記載の方法。
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