以下に、本発明に係るシフトレジスタ回路および画像表示装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態は本発明を限定するものではない。そして、以下に例示する実施形態は、形状を矛盾させない範囲で適宜変更、組み合わせることが可能である。
(第1形態)
[シフトレジスタ回路の構造]
図1を用いて、シフトレジスタ回路の第1形態を説明する。図1は、第1形態のシフトレジスタ回路を示す回路図である。図1に示したように、シフトレジスタ回路20は、複数のトランジスタ1〜13、ノード21〜23を有する。また、シフトレジスタ回路20は、前段のシフトレジスタ回路が出力した信号である「in」、クロック信号である「CLK1」、「CLK2」、「CLK3」、「CLK4」、および次段のシフトレジスタ回路の出力信号である「OUT2」が入力される入力端子を有する。また、シフトレジスタ回路20は、次段のシフトレジスタ回路に信号を出力する「OUT1」の出力端子を有する。例えば、シフトレジスタ回路20は、画像表示装置のドライバ回路に適用される場合には、「OUT1」の出力端子から次段のシフトレジスタ回路と、画像表示領域のゲート線とに信号を出力する。
また、シフトレジスタ回路20は、電位が所定の閾値よりも高い値「VGH」に保たれている高電位端子と、電位が所定の閾値よりも低い値「VGL」に保たれている低電位端子とを有する。なお、以下の説明では、「VGH」の値はGND(グランド)よりも高い値とし、例えば、8(V)〜20(V)、「VGL」の値はGNDよりも低い値とし、例えば、−5(V)〜−15(V)とする。
また、各トランジスタ1〜13は、例えば、nチャンネルのMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各トランジスタ1〜13は、NPN型のトランジスタや、キャリアが電子であるタイプ(n型)のMIS(Metal Insulator Semiconductor)構造を採用した電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)であってもよい。
また、各トランジスタ1〜13は、FETの一種である薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)、すなわちn−MISFETTFTであってもよい。また、PNP型のトランジスタやキャリアが正孔である(p型)のFET、又はTFT等を用いて、シフトレジスタ回路20と同等の機能を発揮する回路を構成してもよい。
ここで、各トランジスタ1〜13には、ゲート、ソース、ドレインの3つの電極が存在するが、ソース、およびドレインは、トランジスタの導電性及び相対的な電位関係によって定義される。このため、以下の説明では、各トランジスタ1〜13がnチャンネルのMOSFETであるものとし、各トランジスタ1〜13が有する端子のうち、高電位側の端子をドレイン、低電位側の端子をソースと記載する。
ここで、図1に示したシフトレジスタ回路20における各トランジスタ1〜13、ノード21〜23の接続関係について説明する。
ノード21は、トランジスタ1〜5、12、13を接続する導電経路である。詳細には、ノード21は、トランジスタ1のゲート、トランジスタ2のゲート、トランジスタ3のドレイン、トランジスタ4のドレイン、トランジスタ5のゲート、トランジスタ12のドレイン、トランジスタ13のソースに接続される。
ノード22は、トランジスタ1、3、6、8、10を接続する導電経路である。詳細には、ノード22は、トランジスタ1のドレイン、トランジスタ3のゲート、トランジスタ6のドレイン、トランジスタ8のソース、トランジスタ10のゲートに接続される。
ノード23は、トランジスタ2、4、7、9、11を接続する導電経路である。詳細には、ノード23は、トランジスタ2のドレイン、トランジスタ4のゲート、トランジスタ7のドレイン、トランジスタ9のソース、トランジスタ11のゲートに接続される。
トランジスタ1は、ゲートにノード21が接続され、ドレインにノード22が接続され、ソースに低電位端子が接続されている。そして、トランジスタ1は、ノード21の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、ノード22の電位が「VGL」へ引き下げられる。
トランジスタ2は、ゲートにノード21が接続され、ドレインにノード23が接続され、ソースに低電位端子が接続されている。そして、トランジスタ2は、ノード21の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、ノード23の電位が「VGL」へ引き下げられる。
トランジスタ3は、ゲートにノード22が接続され、ドレインにノード21が接続され、ソースに低電位端子が接続されている。そして、トランジスタ3は、ノード22の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、ノード21の電位が「VGL」へ引き下げられる。
トランジスタ4は、ゲートにノード23が接続され、ドレインにノード21が接続され、ソースに低電位端子が接続されている。そして、トランジスタ4は、ノード23の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、ノード21の電位が「VGL」へ引き下げられる。
トランジスタ5は、ゲートにノード21が接続され、ドレインに「CLK1」の入力端子が接続され、ソースに「OUT1」の出力端子、およびトランジスタ10、11のドレインが接続されている。そして、トランジスタ5は、ノード21の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、「CLK1」が「OUT1」として出力される。
トランジスタ6は、ゲートに「in」の入力端子が接続され、ドレインにノード22が接続され、ソースに低電位端子が接続されている。そして、トランジスタ6は、「in」の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、ノード22の電位が「VGL」へ引き下げられる。
トランジスタ7は、ゲートに「in」の入力端子が接続され、ドレインにノード23が接続され、ソースに低電位端子が接続されている。そして、トランジスタ7は、「in」の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、ノード23の電位が「VGL」へ引き下げられる。
トランジスタ8は、ゲートに「CLK2」の端子が接続され、ドレインに「CLK3」の入力端子が接続され、ソースにノード22が接続されている。そして、トランジスタ8は、「CLK2」の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、ノード22に「CLK3」が入力されるので、例えば、「CLK3」の電位が「VGH」となっている場合には、ノード22の電位が上昇する。また、「CLK3」の電位が「VGL」である場合には、トランジスタ8のソースとドレインとが逆になり、ノード22の電位が降下する。
トランジスタ9は、ゲートに「CLK2」の端子が接続され、ドレインに「CLK4」の入力端子が接続され、ソースにノード23が接続されている。そして、トランジスタ9は、「CLK2」の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、ノード23に「CLK4」が入力されるので、例えば、「CLK4」の電位が「VGH」となっている場合には、ノード23の電位が上昇する。また、「CLK4」の電位が「VGL」となっている場合には、トランジスタ9のソースとドレインとが逆になり、ノード23の電位が降下する。
トランジスタ10は、ゲートにノード22が接続され、ドレインにトランジスタ5のソースが接続され、ソースに低電位端子が接続されている。そして、トランジスタ10は、ノード22の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、トランジスタ5のソース、すなわち「OUT1」の出力端子における電位が「VGL」へ引き下げられる。
トランジスタ11は、ゲートにノード23が接続され、ドレインにトランジスタ5のソースが接続され、ソースに低電位端子が接続されている。そして、トランジスタ11は、ノード23の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、トランジスタ5のソース、すなわち「OUT1」の出力端子における電位が「VGL」へ引き下げられる。
トランジスタ12は、ゲートに「OUT2」の入力端子が接続され、ドレインにノード21が接続され、ソースに低電位端子が接続されている。そして、トランジスタ12は、「OUT2」の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、ノード21の電位が「VGL」へと引き下げられる。
トランジスタ13は、ゲートに信号「in」の入力端子が接続され、ドレインに高電位端子が接続され、ソースにノード21が接続されている。そして、トランジスタ13は、信号「in」の電位が所定の閾値よりも高い場合には、オン状態となる。この結果、ノード21の電位が上昇する。
ここで、各トランジスタ1〜13のドレイン、ソース間に流れる電流は、ゲート、ソース間の電位に応じて変化する。このため、各トランジスタ1〜13は、ゲートの電位が所定の閾値よりも十分に高い場合は、完全なオン状態となるが、所定の閾値よりも十分に高くない場合は、完全なオン状態とはならない。また、各トランジスタ1〜13は、ゲートの電位が所定の閾値よりも十分に低い場合は、完全なオフ状態となるが、ゲートの電位が所定の閾値よりも十分に低くない場合は、完全なオフ状態とはならない。
例えば、図2は、トランジスタの電流特性を説明するグラフである。なお、図2に示すグラフは、横軸を各トランジスタ1〜13のゲート、ソース間の電位Vg(V:Volt)とし、縦軸にドレイン、ソース間の電流Id(A:Ampere)を対数表示した。また、通常状態の各トランジスタ1〜13の電流特性を実線で示し、電圧特性がシフトした状態の各トランジスタ1〜13の電流特性を点線で示した。図2中の実線に示すように、各トランジスタ1〜13は、電位Vgが十分に低い場合には、電流Idをほぼ流さないオフ状態となる。
また、各トランジスタ1〜13は、電位Vgが十分に低くない場合には、電流Idが流れるオン(低)状態となる。また、各トランジスタ1〜13は、電位Vgが十分に高くない場合には、電流Idが十分に流れないオン(中)状態となる。また、各トランジスタ1〜13は、電位Vgが十分に高い場合には、電流Idが飽和し、完全なオン状態であるオン(高)状態となる。
ここで、各トランジスタ1〜13のゲートに高い電圧が継続して印加された場合や、各トランジスタ1〜13が長期間使用された場合には、図2中の実線で示す電流特性が矢印方向にシフトし、図2中の点線で示す電流特性へと変化する。この結果、各トランジスタ1〜13において、ゲート電圧に対して流れる電流量が減少するので、各トランジスタ1〜13が完全なオフ状態やオン状態にならず、動作不良を引き起こす場合がある。
例えば、図12に示す従来のシフトレジスタ回路30は、非選択時においてノード41の電位を「VGH」状態に保持し、トランジスタ33をオン(高)状態に保持する。しかし、トランジスタ33を継続してオン(高)状態に保持すると、トランジスタ33の電圧特性がシフトしてしまい、ノード41の電位ではトランジスタ33をオン(高)に保持することができなくなる。この結果、シフトレジスタ回路30は、ノード40の電位を「VGL」状態に保持できなくなり、トランジスタ35がオン状態となる結果、誤ったタイミングで「OUT」を出力してしまう。
一方、本発明のシフトレジスタ回路20は、ノード22とノード23とを有し、非選択時において、ノード22またはノード23のどちらか一方の電位を「VGH」とし、もう一方の電位を「VGL」にする。このため、シフトレジスタ回路20は、ノード21の電位を下げるトランジスタ3、およびトランジスタ4を継続してオン(高)にすることが無いので、トランジスタ3、およびトランジスタ4の電圧特性がシフトするのを防ぐことができる。この結果、シフトレジスタ回路20は、非選択時においてノード21の電位を安定して「VGL」に保持し、誤動作を防ぐことができる。
詳細には、シフトレジスタ回路20は、ノード21の電位に応じてノード22の電位を降下させるトランジスタ1と、ノード21の電位に応じてノード23の電位を降下させるトランジスタ2とを有する。また、シフトレジスタ回路20は、ノード22の電位に応じてノード21の電位を降下させるトランジスタ3と、ノード23の電位に応じてノード21の電位を降下させるトランジスタ4とを有する。また、シフトレジスタ回路20は、ノード21の電位に応じて、「CLK1」を「OUT1」として出力するトランジスタ5を有する。
すなわち、シフトレジスタ回路20は、非選択時においてどちらか一方の電位が「High」状態となり、ノード21の電位を「Low」状態に保持するノード22、23を有する。このため、シフトレジスタ回路20は、非選択時において、ノード22、またはノード23のいずれか一方の電位を「VGH」状態に保持し、トランジスタ3、又はトランジスタ4のいずれかをオン状態に保持すれば、ノード21の電位を「VGL」状態に保持する。
このため、シフトレジスタ回路20は、非選択時において、トランジスタ3、又はトランジスタ4を継続してオン状態にせずともよく、いずれか一方のみをオン状態にすればよい。この結果、シフトレジスタ回路20は、トランジスタ3、およびトランジスタ4の電圧特性がシフトするのを防ぐことができ、非選択時においてノード21の電位を十分な「Low」状態に保持し、転送不良の発生を防ぐことができる。
また、シフトレジスタ回路20は「in」が入力されると、ノード21の電位を上昇させ、ノード22、またはノード23のうち、「in」が入力される直前に「VGH」状態であったノードの電位を「VGH」と「VGL」の中間程度まで降下させる。ここで、トランジスタ5に「CLK1」の「VGH」のパルスが流れた場合は、ブートストラップ効果により、ノード21の電位が上昇する。この結果、ノード22、またはノード23の電位がさらに降下し、トランジスタ3、4がオフ状態となり、ノード21の電位がさらに上昇する。この結果、シフトレジスタ回路20は、「OUT1」の電位の低下を防ぐことができる。
[シフトレジスタ回路20の動作の流れ]
このようなシフトレジスタ回路20の非選択時における動作の流れを説明する。まず、図3を用いて、シフトレジスタ回路20に入力する信号について説明する。図3は、シフトレジスタ回路に入力される信号波形を説明する図である。例えば、図3に示す例では、シフトレジスタ回路20には、「in」として、例えば「VST」(垂直走査開始信号:Vertical Start)が入力されるとともに、「CLK1」、「CLK2」、「CLK3」、「CLK4」が入力される。
ここで、「VST」とは、シフトレジスタ回路20の前段に他のシフトレジスタ回路が存在しない場合に、「in」としてシフトレジスタ回路20に入力される信号であり、複数のシフトレジスタが信号を伝達する処理の開始を示す信号である。なお、シフトレジスタ回路20の前段に他のシフトレジスタ回路が存在する場合には、シフトレジスタ回路20の前段に存在する他のシフトレジスタ回路が出力した「OUT1」が「in」としてシフトレジスタ回路20に入力される。
ここで、「CLK1」とは、電位が「VGH」から「VGL」まで周期的に変化する第1のクロック信号であり、シフトレジスタ回路20が次段のシフトレジスタ回路に「OUT1」を出力するタイミングを示す信号である。また、「CLK2」とは、第2のクロック信号であり、図1に示すシフトレジスタでは「in」に入力されるタイミングと同期したクロック信号である。なお、以下の説明においては、「CLK2」は、「CLK1」の位相を反転させた信号である。
また、「CLK3」とは、電位が「VGH」から「VGL」まで周期的に変化する第3のクロック信号であり、非選択時においてノード22の電位を「High」状態に保持するか否かを示す信号である。また、「CLK4」とは、電位が「VGH」から「VGL」まで周期的に変化する第4のクロック信号であり、非選択時においてノード23の電位を「High」状態に保持するか否かを示す信号である。
ここで、「CLK3」の位相と「CLK4」の位相とは反転している。具体的には、「CLK3」、「CLK4」は、「CLK3」の電位が「VGL」となっている場合には、「CLK4」の電位が「VGH」となり、「CLK3」の電位が「VGH」となっている場合には、「CLK4」の電位が「VGL」となるクロック信号である。このため、シフトレジスタ回路20は、非選択状態において、ノード22、23のどちらか一方の電位を「High」状態にする。なお、「CLK3」および「CLK4」の周期は、「CLK1」と同じ周期でもよいし、長い周期でもよい。すなわち、「CLK3」、「CLK4」の位相は、任意のタイミングで反転させればよい。
また、以下の説明では、シフトレジスタ回路20の動作を、図3中の点線で示すタイミング(A)、タイミング(B)に分けて説明する。具体的には、タイミング(A)とは、前半においては、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGH」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となり、後半においては「CLK1」の電位が「VGH」、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となるタイミングである。また、タイミング(B)とは、前半においては、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGH」、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となり、後半においては「CLK1」の電位が「VGH」、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となるタイミングである。
次に、図4、図5を用いて、各タイミング(A)、(B)におけるシフトレジスタ回路20の動作について説明する。まず、図4を用いて、タイミング(A)におけるシフトレジスタ回路20の動作を説明する。図4は、タイミング(A)におけるシフトレジスタ回路の動作を説明する図である。
なお、図4では、シフトレジスタ回路20の導電経路のうち、各トランジスタ1〜13をオン状態にすることができる程度に電位が高い「High」状態となっている導電経路を太線で示した。また、図4に示す例では、タイミング(A)の前段階において、「in」が入力され、トランジスタ13を介して、「VGH」がノード21に供給された結果、ノード21の電位が上昇し、トランジスタ1、2がオン状態となり、ノード22、23の電位が「Low」状態となったものとする。
例えば、タイミング(A)の前半においては、「CLK2」の電位が「VGH」となっているので、トランジスタ8、9がオン状態となる。このため、ノード22に対しては、「CLK3」の電位「VGH」が供給され、ノード23に対しては、「CLK4」の電位「VGL」が供給される。すると、図4中の太線で示すように、ノード22の電位が「High」状態となり、ノード23の電位が「Low」状態となる。
このような場合においては、トランジスタ3、10がオン状態となるため、ノード21の電位が「VGL」に引き下げられる。また、ノード21の電位が「VGL」に引き下げられると、トランジスタ1、2がオフ状態となるので、ノード22の電位は「High」状態を維持する。
また、シフトレジスタ回路20の後段の回路が「OUT2」のパルスを出力するため、トランジスタ12がオン状態となる。このため、ノード21の電位が「Low」状態に引き下げられ、トランジスタ1、2がオフ状態となる。続いて、タイミング(A)の後半においては、「CLK2」の電位が「VGL」となるので、トランジスタ8、9がオフ状態となり、ノード22に対する「CLK3」の入力と、ノード23に対する「CLK4」の入力が停止する。また、「in」の電位が「VGL」であるため、トランジスタ13がオフ状態となるので、ノード22の電位は「High」状態を維持し、ノード23の電位は「Low」状態を維持する。
次に、図5を用いて、タイミング(B)におけるシフトレジスタ回路20の動作を説明する。図5は、タイミング(B)におけるシフトレジスタ回路の動作を説明する図である。なお、図5では、図4と同様に、シフトレジスタ回路20の導電経路のうち、各トランジスタ1〜13をオン状態にすることができる程度に電位が高い「High」状態となっている導電経路を太線で示した。
例えば、タイミング(B)の前半においては、「CLK2」の電位が「VGH」となっているので、トランジスタ8、9がオン状態となる。ここで、タイミング(A)の際とは逆に、「CLK3」の電位が「VGL」となり、「CLK4」の電位が「VGH」となっている。このため、ノード22に対しては、「CLK3」の電位「VGL」が供給され、ノード23に対しては、「CLK4」の電位「VGH」が供給される。すると、ノード22の電位が「Low」状態となり、図5中の太線で示すように、ノード23の電位が「High」状態となる。
このような場合においては、トランジスタ4、11がオン状態となるため、ノード21の電位が「VGL」に保持される。続いて、タイミング(B)の後半においては、「CLK2」の電位が「VGL」となるので、トランジスタ8、9がオフ状態となり、ノード22に対する「CLK3」の入力と、ノード23に対する「CLK4」の入力が停止する。しかし、ノード21の電位が「Low」状態であるため、トランジスタ2がオフ状態を維持し、ノード23の電位が「High」状態を維持するため、トランジスタ4がオン状態となり、ノード21の電位が「VGL」に引き下げられ「Low」状態を維持する。
このように、シフトレジスタ回路20は、ノード21の電位を「Low」状態に保持する際に、トランジスタ3とトランジスタ4とを交互にオン状態にするので、トランジスタ3、4の電圧特性がシフトするのを防ぐ結果、誤動作を防止することができる。
[電圧特性のシフトについて]
ここで、トランジスタの電圧特性がシフトした際に、誤動作が発生してしまう例について説明する。まず、図6を用いて、図12に例示したシフトレジスタ回路30のトランジスタ33が正常に動作する場合、すなわち、電圧特性がシフトしていない際のシフトレジスタ回路30の動作について説明する。
図6は、電圧特性がシフトしていない場合のシミュレーション結果を説明するための図である。なお、図6に示す例では、横軸方向を時間(マイクロ秒)とし、縦軸方向に「OUT」、ノード40、ノード41、「in」の電位(ボルト)をプロットした。例えば、図6に示す例では、トランジスタ33には電圧特性のシフトが発生していないので、シフトレジスタ回路30は、「in」のパルスが入力されると、ノード40の電圧を上昇させ、ノード41の電位を下降させ、「OUT」のパルスを出力する。その後シフトレジスタ回路30は、非選択状態に移行し、ノード41の電位を「High」状態に保持するとともに、ノード40の電位を「Low」状態にする。
一方、図7は、電圧特性がシフトした場合のシミュレーション結果を説明するための図である。なお、図7に示す例では、トランジスタ33のみを継続して用いることで、トランジスタ33の電圧特性がシフトした際のシミュレーション結果を記載した。なお、図7に示す例では、横軸方向を時間(マイクロ秒)とし、縦軸方向に「OUT」、ノード40、ノード41、「in」の電位(ボルト)をプロットした。
例えば、図7に示す例では、図6と同様、「in」のパルスが入力されている。しかしながら、図7に示す例では、「in」のパルス入力により、ノード40の電位が若干上昇するものの、トランジスタ33の電圧特性がシフトしており、完全なオフ状態にすることができないため、ノード41の電位が「High」状態にとどまってしまい、ノード40の電位を上昇させることができず、「OUT」を出力することができなくなってしまい、誤動作を生じさせてしまう。
そこで、シフトレジスタ回路20は、非選択状態において、トランジスタ3とトランジスタ4とを交互にオン(高)状態にするので、トランジスタ3、およびトランジスタ4の電圧特性がシフトすることを防止できる。この結果、シフトレジスタ回路20は、ノード21の電位を適切に制御し、転送不良を防止することができる。
次に、図8を用いて、トランジスタ3、およびトランジスタ4を交互にオン(高)状態にすることで、電圧特性のシフトを防止できる点について説明する。ここで、図8は、トランジスタの電圧特性の一例を説明するための図である。なお、図8には、横軸方向をトランジスタの動作時間とし、縦軸方向にトランジスタの電圧特性のシフト量、すなわち、ドレイン、ソース間に所定の量の電流を流すためにゲートに印加する電圧の変化量をプロットした。
詳細には、図8に示す例では、「VGH」を連続してゲートに印加したトランジスタの電圧特性のシフト量を三角印でプロットし、「VGH」と「VGL」とをデューティー比が50パーセントとなるようにゲートに印加したトランジスタの電圧特性のシフト量を四角印でプロットした。
図8に示すように、「VGH」を連続してゲートに印加しつづけた場合には、動作時間が10時間を経過したあたりで、電圧特性のシフト量が8ボルトほどとなり、20時間を経過したあたりで、電圧特性のシフト量が9ボルトほどとなった。また、「VGH」を連続してゲートに印加しつづけた場合には、動作時間が85時間を経過したあたりで、電圧特性のシフト量が8ボルト弱ほどとなった。
一方、「VGH」と「VGL」とをデューティー比が50パーセントとなるようにゲートに印加した場合には、動作時間が20時間を経過しても電圧特性のシフト量が1ボルト程度にとどまり、動作時間が85時間を経過しても、電圧特性のシフト量が1ボルト程度に収まった。
このように、1つのトランジスタに連続して「VGH」を印加した場合には、トランジスタの電圧特性のシフト量が大きく変化してしまう。例えば、トランジスタ3のみを継続して使用することで、電圧特性がシフトした場合には、シフトレジスタ回路20は、転送不良を生じさせてしまう。
一方、シフトレジスタ回路20は、ノード22、またはノード23のいずれか一方を「High」状態にし、ノード21の電位を「Low」状態に保つことができる。この結果、シフトレジスタ回路20は、非選択時において、トランジスタ3、4を継続してオン状態にせずともよい。このため、シフトレジスタ回路20は、トランジスタ3、4の電圧特性がシフトし、トランジスタ3、4を流れる電流量が減少することで、ノード21の電位が上昇してトランジスタ5がオンになり、「OUT1」を出力してしまうような誤動作を防止することができる。
[シフトレジスタ回路20の動作の一例]
次に、図9を用いて、各信号が入力された際のシフトレジスタ回路20の動作について説明する。図9は、シフトレジスタ回路の動作を説明する図である。なお、図9には、シフトレジスタ回路20に入力される「CLK1」、「CLK2」、「CLK3」、「CLK4」および「in」の入力波形と、ノード21〜23の電位変化、及び「OUT1」、「OUT2」の波形を示した。
また、図9には、各トランジスタ1〜13がオン(高)状態となる範囲を網かけで示し、オン(中)状態となる範囲を濃い点描で示し、オン(低)状態となる範囲を薄い点描で示す。また、各トランジスタ1〜13がオフ状態となる範囲は、白抜きで示す。また、図9中T1よりも前の状態では、ノード21、23の電位が「VGL」であり、ノード22の電位が「VGH」であるものとする。
また、図9には、「CLK2」と同期した「in」が入力されたことに応じて「OUT1」を出力し、後段のシフトレジスタ回路から入力される「OUT2」によって非選択状態に遷移し、その後、ノード22とノード23との電位を交互に「VGL」に保つことでノード21の電位を「VGL」に保つ一連の流れを示す。ここでは、図9中T1〜T20に示した期間におけるトランジスタ1〜13の状態を用いて、上記一連の流れを具体的に説明する。
具体的には、T1は、「in」信号が入力されるまでの前段階であり、「CLK1」の電位が「VGL」から「VGH」に遷移し、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGH」、および「CLK4」の電位が「VGL」となる期間である。また、T2は、「in」信号が入力されるまでの前段階であり、「CLK1」の電位が「VGH」から「VGL」に遷移し、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となる期間である。
また、T3は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGH」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となり、「in」のパルスが入力され「in」の電位が「VGH」となる期間である。また、T4は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となる期間である。また、T5は、「CLK1」の電位が「VGH」、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となり、「OUT1」のパルスが出力され、「OUT1」の電位が「VGH」となる期間である。
また、T6は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となる期間である。また、T7は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGH」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となる期間であり、シフトレジスタ回路20の次段の回路が「OUT2」のパルスを出力し、「OUT2」の電位が「VGH」となる期間である。
また、T8は、「CLK1」の電位が「VGH」のパルスを有し、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となる期間である。また、T9は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGH」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となる期間である。また、T10は、「CLK1」の電位が「VGH」のパルスを有し、「CLK2」の電位が「VG」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となる期間である。
また、T11は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGL」になるとともに、「CLK3」の電位と「CLK4」の電位とが逆転し、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となる期間である。また、T12は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGH」、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となる期間である。また、T13は、「CLK1」の電位が「VGH」のパルスを有し、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となる期間である。
また、T14は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGH」、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となる期間であり、T3と同様に、「in」のパルスが入力され「in」の電位が「VGH」となる期間である。また、T15は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となる期間である。
また、T16は、「CLK1」の電位が「VGH」、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となる期間であり、また、「OUT1」のパルスが出力され、「OUT1」の電位が「VGH」となる期間である。また、T17は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となる期間である。また、T18は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGH」、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となる期間である。
また、T19は、「CLK1」の電位が「VGH」のパルスを有し、「CLK2」の電位が「VGL」、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となる期間である。また、T20は、「CLK1」の電位が「VGL」、「CLK2」の電位が「VGH」、「CLK3」の電位が「VGL」、「CLK4」の電位が「VGH」となる期間である。
例えば、図9中T1、T2においては、ノード21の電位が「VGL」であり、ノード22の電位が「VGH」であり、ノード23の電位が「VGL」であるため、トランジスタ3、10がオン(高)状態となる。このため、ノード21の電位が「VGL」に保たれる結果、トランジスタ5がオフ状態を維持し、「CLK1」のパルスが「OUT1」に出力されず、非選択状態を維持する。
続いて、図9中T3においては、「CLK2」の電位が「VGH」に遷移するので、トランジスタ8、9がオン状態となる。具体的には、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」、ノード22の電位が「VGH」、ノード23の電位が「VGL」であるため、「CLK2」の電位が「VGH」に遷移した際には、トランジスタ8がオン(中)状態となり、トランジスタ9がオン(高)状態となる。このため、ノード22には「CLK3」の電位「VGH」が供給される。
一方、図9中T3においては、「in」の電圧が「VGH」となるので、トランジスタ6、7、13がオン(高)状態となる。この結果、ノード21に「VGH」が供給され、ノード22、23の電位が「VGL」に引き下げられる。また、ノード22の電位が引き下げられると、トランジスタ3、10がオン(中)状態となるので、ノード21の電位を引き下げようとする力が弱まる。
また、ノード21に「VGH」が供給され、電位が上昇すると、トランジスタ1、2、5がオン(中)状態となるので、ノード22、23の電位は、さらに「VGL」へ引き下げられる。この結果、ノード21の電位が「GND」よりも少し高い値に上昇し、ノード22の電位が「GND」よりも少し低い値に下降する。また、ノード23の電位が「VGL」に保持される。
次に、図9中T4においては、「CLK2」、および「in」の電位が「VGL」となる。この結果、トランジスタ6〜9、13がオフ状態となり、ノード22に「CLK3」が入力されなくなるので、ノード22の電位が若干下がり、トランジスタ3、10がオン(低)状態となる。
次に、図9中T5においては、「CLK1」の電位が「VGH」に遷移すると、T4においてオン(中)状態であったトランジスタ5に「CLK1」のパルスが流れる。すると、トランジスタ5のドレインからソースへと「CLK1」のパルスの電圧が印加され、ブートストラップ効果が発生し、ノード21の電位がカップリングにより上昇する。
すると、トランジスタ1がオン(高)状態となるので、ノード22の電位がより「VGL」に引き下げられ、トランジスタ3、10がオフ状態となる。この結果、ノード21の電位が「VGH」に対して1.3〜1.5倍程度に上昇し、トランジスタ1、2がオン(高)状態となり、ノード22、23の電位が完全に「VGL」へと引き下げられる。このように、ノード21の電圧が上昇すると、トランジスタ5がオン(高)状態となるので、「CLK1」のパルスが減衰することなく「OUT1」として出力される。このため、シフトレジスタ回路20は、出力信号の電位の降下を防ぐことができる。
次に、図9中T6においては、「CLK1」の電位が「VGL」に遷移すると、トランジスタ5のソースからドレインへと「CLK1」の「Low」電位に引き戻される際のカップリングにより、ノード21の電位が「GND」よりも少し高い「High」状態に戻り、トランジスタ1、2、5がオン(中)状態となる。
また、「CLK2」の電位が「Low」であるため、トランジスタ8がオフ状態となる結果、ノード22に「CLK3」の電位「VGH」が供給されず、ノード22の電位が「VGL」に保持される。また、「CLK2」の電位が「VGL」へと遷移する。このため、「OUT1」の電位も「VGL」へと遷移する。
続いて、図9中T7において、「CLK2」の電位が「VGH」へと遷移すると、トランジスタ8、9がオン(高)状態となる。すると、ノード22に「CLK3」の電位「VGH」が供給されるので、ノード22の電位が上昇し、トランジスタ3、10がオン(中)状態となり、ノード21の電位が「VGL」に引き下げられる。
また、「OUT2」の電位が「VGH」となるので、トランジスタ12がオン(高)状態となり、ノード21の電位がさらに「VGL」へ引き下げられる結果、ノード21の電位が「VGL」となり、トランジスタ1、2、5がオフとなる。このため、ノード22の電位がさらに上昇し、「GND」よりも高い「High」状態に保持される。すると、トランジスタ10がオン(中)状態となり、トランジスタ10を介して「OUT1」の出力端子における電位が「VGL」に保たれるので、シフトレジスタ回路20は、出力信号の状態をより安定させることができる。
次に、図9中T8において、「CLK2」の電位が「VGL」となるので、トランジスタ8、9がオフ状態となり、「OUT2」の電位も「VGL」となるので、トランジスタ12もオフ状態となる。ここで、「in」の電位が「VGL」であるため、ノード21の電位が「VGL」に保たれる結果、トランジスタ1、2がオフ状態を保持するので、ノード22の電位が「GND」よりも高い「High」に保たれる。このため、トランジスタ3、10がオン(中)状態を維持し、ノード21および「OUT1」の電位は、「VGL」に保持される。つまり、シフトレジスタ回路20は、非選択状態となった場合には、ノード21の電位を「VGL」に保持する。
また、図9中T9においては、ノード22の電位が「GND」よりも高い「High」であり、ノード23の電位が「VGL」である際に、「CLK2」の電位が「VGH」、「CLK3」の電位が「VGH」、「CLK4」の電位が「VGL」となるので、トランジスタ8がオン(低)状態となり、トランジスタ9がオン(高)状態となる。すると、トランジスタ8を介して、ノード22に「CLK3」の電位「VGH」が供給され、ノード22の電位が「VGH」に上昇する。この結果、トランジスタ3、10がオン(高)状態となり、ノード21および「OUT1」の電位が「VGL」に保持される。
次に、図9中T10においては、図9中T8と同様に、「CLK2」の電位が「VGL」となるので、トランジスタ8、9がオフ状態となる。また、ノード21の電位が「VGL」に保たれる結果、トランジスタ1、2がオフ状態を保持するので、ノード22の電位が「VGH」に保たれる結果、トランジスタ3、10がオン(高)状態を維持し、ノード21および「OUT1」の電位は、「VGL」に保持される。
ここで、ノード21の電位を「VGL」に保持するため、ノード22の電位のみを「VGH」に保持し、トランジスタ3を継続してオン(高)状態に保持した場合は、トランジスタ3の電圧特性がシフトし、電流が流れにくくなる結果、ノード21の電位を「VGL」に保持できなくなる場合がある。そこで、シフトレジスタ回路20は、ノード22と同様の機能を発揮するノード23をさらに有し、所定のタイミングでノード22とノード23の電位を反転させることで、トランジスタ3とトランジスタ4の動作を反転させる。
詳細には、図9中T11において、「CLK3」の電位が「VGL」に遷移し、「CLK4」の電位が「VGH」に遷移する。ここで、図9中T11においては、「CLK2」の電位が「VGL」であるため、ノード22、23の電位がそのまま保持される。
次に、図9中T12において、「CLK2」の電位が「VGH」に遷移するので、トランジスタ8、9がオン(高)状態となる。すると、ノード23には、「CLK4」の電位「VGH」が供給されるので、ノード23の電位が「VGL」に上昇する結果、トランジスタ4、11がオン(高)状態となり、ノード21と「OUT1」の端子の電位が「VGL」に保持される。一方、「CLK3」の電位が「VGL」であるため、トランジスタ8のドレインとソースが逆転し、トランジスタ8を電流が流れ、ノード22の電位が「VGL」へと引き下げられる。この結果、トランジスタ3、10はオフ状態となる。
このように、シフトレジスタ回路20は、非選択状態において、トランジスタ3、またはトランジスタ4を継続してオン(高)状態に保持せずとも、ノード21の電位を「VGL」に保持できる。このため、シフトレジスタ回路20は、トランジスタ3、およびトランジスタ4の電圧特性がシフトするのを防止し、ノード21の電位を「VGL」に保持する結果、誤動作を防止することができる。
続いて、図9中T13においては、「CLK2」の電位が「VGL」となるので、トランジスタ8、9がオフ状態となる。また、ノード21の電位が「VGL」に保たれる結果、トランジスタ1、2がオフ状態を保持するので、ノード23の電位が「VGH」に保たれる結果、トランジスタ4、11がオン(高)状態を維持し、ノード21および「OUT1」の電位は、「VGL」に保持される。
次に、図9中T14においては、「CLK2」の電位が「VGH」となるので、トランジスタ8がオン(高)状態となり、トランジスタ9がオン(中)状態となる。このため、ノード23に「CLK4」の電位「VGH」が供給される。一方、「in」の電位が「VGH」となるので、トランジスタ6、7、13がオン(高)状態となる。この結果、ノード21に「VGH」が供給され、ノード22、23の電位が「VGL」に引き下げられる。また、ノード23の電位が引き下げられると、トランジスタ4、11がオン(中)状態となるので、ノード21の電位を引き下げようとする力が弱まる。
また、ノード21に「VGH」が供給され、電位が上昇すると、トランジスタ1、2、5がオン(中)状態となるので、ノード22、23の電位は、さらに「VGL」へ引き下げられる。この結果、ノード21の電位が「GND」よりも高い値に上昇し、ノード23の電位が「GND」よりも低い値に下降する。また、ノード22の電位が「VGL」に保持される。
次に、図9中T15においては、「CLK2」、および「in」の電位が「VGL」となる。この結果、トランジスタ6〜9、13がオフ状態となり、ノード23に「CLK4」が入力されなくなるので、ノード23の電位が若干下がり、トランジスタ4、11がオン(低)状態となる。
次に、図9中T16においては、「CLK1」の電位が「VGH」に遷移すると、T13においてオン(中)状態であったトランジスタ5に「CLK1」のパルスが流れ、ブートストラップ効果が発生し、ノード21の電位がカップリングにより上昇する。すると、トランジスタ1がオン(高)状態となるので、ノード23の電位がより「VGL」に引き下げられ、トランジスタ4、11がオフ状態となる。
すると、ノード21の電位が「VGH」に対して1.3〜1.5倍程度に上昇し、トランジスタ1、2がオン(高)状態となる。すると、ノード22、23の電位が完全に「VGL」へと引き下げられる。このように、ノード21の電圧が上昇すると、トランジスタ5がオン(高)状態となるので、「CLK1」のパルスが減衰することなく「OUT1」として出力される。
次に、図9中T17においては、「CLK1」の電位が「VGL」に遷移すると、トランジスタ5のソースからドレインへと「CLK1」の「Low」電位に引き戻される際のカップリングにより、ノード21の電位が「GND」よりも高い「High」状態に戻り、トランジスタ1、2、5がオン(中)状態となる。
また、「CLK2」の電位が「Low」であるため、トランジスタ9がオフ状態となる結果、ノード23に「CLK4」の電位「VGH」が供給されず、ノード23の電位が「VGL」に保持される。また、「CLK2」の電位が「VGL」へと遷移する。このため、「OUT1」の電位も「VGL」へと遷移する。
続いて、図9中T18において、「CLK2」の電位が「VGH」へと遷移すると、トランジスタ8、9がオン(高)状態となる。すると、ノード23に「CLK4」の電位「VGH」が供給されるので、ノード23の電位が上昇し、トランジスタ4、11がオン(中)状態となり、ノード21の電位が「VGL」に引き下げられる。
また、「OUT2」の電位が「VGH」となるので、トランジスタ12がオン(高)状態となり、ノード21の電位がさらに「VGL」へ引き下げられる結果、ノード21の電位が「VGL」となり、トランジスタ1、2、5がオフとなる。このため、ノード23の電位がさらに上昇し、「GND」よりも高い「High」状態に保持される。すると、トランジスタ11がオン(中)状態となり、トランジスタ11を介して「OUT1」の出力端子における電位が「VGL」に保たれる。
次に、図9中T19において、「CLK2」の電位が「VGL」となるので、トランジスタ8、9がオフ状態となる。また、ノード21の電位が「VGL」に保たれる結果、トランジスタ1、2がオフ状態を保持するので、ノード23の電位が「GND」よりも高い「High」に保たれる。このため、トランジスタ4、11がオン(中)状態を維持し、ノード21および「OUT1」の電位は、「VGL」に保持される。
続いて、図9中T20において、「CLK2」の電位が「VGH」へと遷移すると、トランジスタ8がオン(高)状態となり、トランジスタ9がオン(低)状態となる。すると、ノード23に「CLK4」の電位「VGH」が供給されるので、ノード23の電位が「VGH」に上昇し、トランジスタ4、11がオン(高)状態となり、ノード21の電位が「VGL」に引き下げられる。
[シフトレジスタ回路20の効果]
上述したように、シフトレジスタ回路20は、ノード21の電位が上昇することに応じてノード22の電位を降下させるトランジスタ1と、ノード21の電位が上昇することに応じてノード23の電位を降下させるトランジスタ2とを有する。また、シフトレジスタ回路20は、ノード22の電位が上昇することに応じてノード21の電位を降下させるトランジスタ3と、ノード23の電位が上昇することに応じてノード21の電位を降下させるトランジスタ4とを有する。また、シフトレジスタ回路20は、「CLK1」が入力された際のブートストラップ効果によりノード21の電位が上昇することに応じて「OUT1」を出力するトランジスタ5を有する。
このため、シフトレジスタ回路20は、「OUT1」の電位を低下させることなく出力し、転送不良を防ぐことができる。また、シフトレジスタ回路20は、ノード21の電位を制御するためのトランジスタ3とトランジスタ4とを有するので、非選択時においてトランジスタ3、またはトランジスタ4のいずれか一方を交互にオン状態にすればよい。この結果、シフトレジスタ回路20は、トランジスタ3、およびトランジスタ4の電圧特性がシフトするのを防ぐことができるので、ノード21の電位を適切に制御し、転送不良を防ぐことができる。
また、シフトレジスタ回路20は、「in」の入力に応じてノード22の電位を降下させるトランジスタ6と、「in」の入力に応じてノード23の電位を降下させるトランジスタ7とを有する。このため、シフトレジスタ回路20は、「in」のパルスが入力された際にノード22、およびノード23の電位を下げ、ノード21の電位を上昇させる結果、「OUT1」を適切に出力することができる。
また、シフトレジスタ回路20は、「CLK2」の入力に応じて「CLK3」をノード22に入力するトランジスタ8と、「CLK2」の入力に応じて「CLK4」をノード23に入力するトランジスタ9とを有する。このため、シフトレジスタ回路20は、非選択状態において、ノード22、またはノード23にクロック信号の電位「VGH」を供給するので、ノード22、またはノード23の電位を「VGH」に保持する結果、ノード21の電位を「VGL」に保持し続けることができる。
また、シフトレジスタ回路20は、ノード22の電位が上昇することに応じて「OUT1」の出力端子の電位を降下させるトランジスタ10と、ノード23の電位が上昇することに応じて「OUT1」の出力端子の電位を降下させるトランジスタ11とを有する。このため、シフトレジスタ回路20は、ノード22、またはノード23の電位を「VGH」とする非選択状態において、「OUT1」の電位を「VGL」に保持する結果、誤動作を防止することができる。
また、シフトレジスタ回路20は、後段のシフトレジスタ回路が出力した信号「OUT2」の電位に応じてノード21の電位を降下させるトランジスタ12を有する。このため、シフトレジスタ回路20は、後段のシフトレジスタ回路が信号を出力した際に、確実に非選択状態に遷移することができる。
また、シフトレジスタ回路20は、「in」の電位に応じてノード21の電位を上昇させるトランジスタ13を有する。このため、シフトレジスタ回路20は、選択時においてノード21の電位を上昇させることができるので、選択状態において確実に「OUT1」を出力することができる。
また、シフトレジスタ回路20には、「CLK4」として「CLK3」の位相を反転させた信号が入力される。このため、シフトレジスタ回路20は、非選択状態において、ノード22、またはノード23のいずれか一方のみの電位を「VGH」とする。この結果、シフトレジスタ回路20は、ノード21の電位を「VGL」に保持するため、トランジスタ3、およびトランジスタ4を交互に用いるので、トランジスタ3、およびトランジスタ4の電圧特性がシフトするのを防止することができる。
なお、シフトレジスタ回路20は、非選択状態において、トランジスタ3、またはトランジスタ4のいずれか一方の電位が「VGH」に保持されていればよく、トランジスタ3、およびトランジスタ4の電位がいずれも「VGH」となる期間を設けてもよい。すなわち、シフトレジスタ回路20は、全ての期間に渡り「CLK3」、または「CLK4」のいずれか一方の電位が「VGH」となっているのであれば、任意の周期を有するクロック信号を「CLK3」、および「CLK4」に採用することができる。
[適用範囲]
例えば、上記の実施形態で例示したシフトレジスタ回路20は、液晶パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネルを用いた画像表示装置を動作させるドライバ回路に好適に適用される。また、シフトレジスタ回路20は、上述したドライバ回路以外の回路にも適用することができる。また、シフトレジスタ回路20は、複数のトランジスタと、各素子を順次駆動するためのドライバ回路とを有するセンサ装置、発光素子アレイ、サーマルヘッド等、任意の装置に適用することができる。
(液晶パネルへの適用)
以下の説明では、シフトレジスタ回路20の適用例として、液晶パネルを用いた画像表示装置を動作させるドライバ回路にシフトレジスタ回路20を適用する例について説明する。
図10は、シフトレジスタ回路の適用例を説明する第1の図である。図10に示す例では、画像表示装置50は、制御回路51とパネル52とを有する。なお、画像表示装置50は、バックライト等の光源装置、カラーフィルタ基板、偏光方向が互いに異なる偏光板等を有するが、図10では、理解を容易にするため、それらの記載を省略した。
制御回路51は、例えば、パネル52に配置されるFPC(Flexible Printed Circuits)上に設けられたり、または、パネル52の外部回路基板上に設けられており、パネル52を駆動させるための制御信号を駆動回路55に出力する。なお、図10では、FPC、または外部回路基板についての図示を省略した。
また、パネル52には、液晶パネルが用いられており、一対の基板から構成されている。例えば、パネル52は、アクティブエリア57に薄膜トランジスタが形成されたアレイ基板とアレイ基板に対向するカラーフィルタ基板とからなる一対のガラス基板で構成されている。また、アクティブエリア57のアレイ基板の周辺には、周辺部54が形成されている。周辺部54には、駆動回路55および走査線駆動回路56が設けられており、走査線駆動回路56はアレイ基板のガラス上に形成されている。また、駆動回路55と走査線駆動回路56とは走査線制御線53で接続されている。
駆動回路55は、駆動用の半導体素子からなり、アクティブエリア上に延在されたデータ線に画像信号を出力する信号線駆動回路、走査線制御回路および対向電位駆動回路等で構成されている。なお、駆動回路55は、アクティブエリア57の周辺部54にCOG(Chip On Glass)方式で実装されている。
また、パネル52の周辺部54に設けられた走査線駆動回路56には、第1形態において説明したシフトレジスタ回路20が適用されている。駆動回路55は、走査線制御線53で走査線駆動回路56と接続されており、走査線制御線53を介してシフトレジスタ回路20に制御信号を出力する。なお、シフトレジスタ回路20は、パネル52のアレイ基板上の周辺部54に一体的に形成されている。
アクティブエリア57は、マトリックス状に配置した画素58を複数有する。詳細には、アクティブエリア57には、複数のデータ線が列方向に延在され、複数の走査線が行方向に延在されている。そして、アクティブエリア57には、データ線と走査線との交差に対応して、それぞれ画素58が形成されている。
ここで、画素58は、アクティブ素子として動作する薄膜トランジスタ59と、画素電極60とを有する。画像表示装置50は、アレイ基板に設けられた画素電極60とカラーフィルタ基板に設けられた共通電極(図示せず)との間に印加された電圧によって液晶分子を制御して画像表示する。ここでは、パネル52は、アレイ基板に画素電極60が設けられ、カラーフィルタ基板に共通電極が設けられた縦電界方式で説明しているが、これに限らず、例えば、アレイ基板の画素58内に画素電極60および共通電極が設けられた横電界方式であってもよい。
走査線駆動回路56は、第1形態に係わるシフトレジスタ回路20と同様のシフトレジスタ回路20、20a〜20cを多段に接続した回路により構成される。なお、走査線駆動回路56は、シフトレジスタ回路20、20a〜20c以外にも複数のシフトレジスタ回路を有するが、図10では、理解を容易にするため、記載を省略した。
ここで、走査線駆動回路56は、各シフトレジスタ回路20、20a〜20cが出力する信号を次段のシフトレジスタ回路に入力するとともに、アクティブエリア57上に延在する走査線に入力する。このため、走査線駆動回路56は、駆動回路55から走査線制御線53を介して、制御信号が入力された場合には、アクティブエリア57上の各走査線に対して上方向から順に電圧を印加する。
例えば、シフトレジスタ回路20は、制御信号を受信すると、シフトレジスタ回路20aにOUT1を出力し、1段目の走査線に対して電圧を印加する。次に、シフトレジスタ回路20aは、次段のシフトレジスタ回路に「OUT1」を出力し、2段目の走査線に対して電圧を印加する。この際、シフトレジスタ回路20aは、シフトレジスタ回路20に「OUT2」を出力するので、シフトレジスタ回路20に信号の出力を停止させ、1段目の走査線に対する電圧の印加を停止させることとなる。この結果、走査線駆動回路56は、アクティブエリア57上の各走査線に対して、順番に電圧を印加する。
薄膜トランジスタ59は、画素58が形成された位置に応じたデータ線とソースとが接続され、画素58が形成された位置に応じた走査線とゲートとが接続されている。そして、走査線駆動回路56から対応する走査線に電圧が印加されるとともに、駆動回路55から対応するデータ線に電圧が印加された場合に、データ線に印加された電圧が薄膜トランジスタ59を介して画素電極60に印加される。
ここで、走査線駆動回路56を第1形態に係わるシフトレジスタ回路20で構成した場合には、各シフトレジスタ回路20〜20bが各走査線に印加する電圧の低下を防ぐことができる。この結果、画像表示装置50は、アクティブエリア57の大型化や画素58の細密化により走査線の数が増加した場合にも、各画素58に印加する電圧の低下を防ぐことができるので、正常に動作することができる。
また、各シフトレジスタ回路20〜20bは、ノード21、およびシフトレジスタ回路20a、20bが有するノードのうち、ノード21に対応するノードの電位を「VGL」に保持するためのトランジスタを2つ有する。そして、各シフトレジスタ回路20〜20bは、非選択状態において、ノード21、およびノード21に対応するノードの電位を「VGL」に引き下げるためのトランジスタを所定の時間間隔で切り替える。このため、各シフトレジスタ回路20〜20bは、非選択状態において、トランジスタの電圧特性がシフトするのを防止し、ノード21、およびノード21に対応するノードの電位を適切に「VGL」に保持することができる。この結果、各シフトレジスタ回路20〜20bは、誤動作を防止することができる。
なお、図10では、液晶パネルを用いた画像表示装置にシフトレジスタ回路20を適用する例について説明した。しかしながら、実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば、有機ELパネルを用いた画像表示装置にシフトレジスタ回路20を適用してもよい。例えば、図11は、シフトレジスタ回路の適用例を説明する第2の図である。
(有機ELへの適用)
図11に示す例では、複数のシフトレジスタ回路20、20aからなる走査線駆動回路56を有し、有機ELパネルを用いた画像表示装置70について記載した。また、図11に示す例では、理解を容易にするため、走査線駆動回路56がシフトレジスタ回路20、20aを有する例について記載したが、走査線駆動回路56は、走査線の数だけシフトレジスタ回路を有すればよい。なお、上述の液晶パネルを用いた画像表示装置50と同様に、シフトレジスタ回路20は、パネル52のアレイ基板上の周辺部に一体的に形成されている。
図11に示す例では、画素58は、アノードが定電位供給回路71と電気的に接続された発光素子80と、発光素子80のカソードに一方の電極が接続されたトランジスタ81とを有する。また、画素58は、n型の薄膜トランジスタによって形成され、ドレインがトランジスタ82のドレインに接続され、ソースが電源供給回路72と電気的に接続されたドライバ素子83とを有する。また、画素58は、ドライバ素子83を形成する薄膜トランジスタのゲート・ドレイン間の導通状態を制御するトランジスタ82と静電容量84とを有する。
また、図11に示す例では、各画素58内に備わる発光素子80のアノードに対して一定のオン電位を供給する定電位供給回路71と、制御線を介して、画素58内に備わるトランジスタ81の駆動を制御する駆動制御回路73と、ドライバ素子83のソースにオン電位または0電位を供給する電源供給回路72とを有する。
発光素子80は、電流注入によって発光する機構を有し、例えば有機EL素子によって形成される。有機EL素子は、Al、Cu、ITO(Indium Tin Oxide)等によって形成されたアノード層およびカソード層と、アノード層とカソード層との間にフタルシアニン、トリスアルミニウム錯体、ベンゾキノリノラト、ベリリウム錯体等の有機系の材料によって形成された発光層とを少なくとも備えた構造を有し、発光層に注入された正孔と電子とが発光再結合することによって光を生じる機能を有する。
トランジスタ81は、発光素子80とドライバ素子83との間の導通を制御する機能を有し、本実施形態1では、n型の薄膜トランジスタによって形成される。すなわち、薄膜トランジスタのドレインとソースとがそれぞれ発光素子80、ドライバ素子83に接続される一方で、ゲートが駆動制御回路73と電気的に接続された構成を有し、駆動制御回路73から供給される電位に基づいて、発光素子80とドライバ素子83との間の導通状態を制御している。
ドライバ素子83は、発光素子80に流れる電流を制御するための機能を有する。具体的には、ドライバ素子83は、閾値以上の電位差に応じて発光素子80に流れる電流を制御する機能を有する。本実施形態1では、ドライバ素子83は、n型の薄膜トランジスタによって形成され、ゲートとソースとの間に印加される電位差に応じて発光素子80の発光輝度を制御している。
このような画素58においては、駆動回路55が信号線に印加した電圧により静電容量84に電荷が蓄積される。そして、駆動制御回路73がトランジスタ81のゲートに電圧を印加している間、静電容量84に蓄積した電荷に応じた電流が発光素子80に流れ、発光素子80が発光する。
このように、各画素58が発光素子80を有する場合であっても、走査線駆動回路56は、シフトレジスタ回路20と同様のシフトレジスタ回路を走査線ごとに接続し、各シフトレジスタ各画素の出力信号を走査線に出力する。このため、画像表示装置70は、画素58が有機ELパネルを有する場合にも、各画素58に印加する電圧の低下を防ぐことができるので、正常に動作することができる。