JP2014126756A - 画像表示システム - Google Patents

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JP2014126756A JP2012284477A JP2012284477A JP2014126756A JP 2014126756 A JP2014126756 A JP 2014126756A JP 2012284477 A JP2012284477 A JP 2012284477A JP 2012284477 A JP2012284477 A JP 2012284477A JP 2014126756 A JP2014126756 A JP 2014126756A
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泰介 山内
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【課題】輝点の発生を抑制することにより優れた画像品質を有し、さらに眼精疲労を軽減することのできる画像表示システムを提供すること。
【解決手段】画像表示システム100は、配向膜231、232、これらに挟持され、高分子252中に液晶分子253が分散した高分子分散型液晶層250とを有し、XZ平面に広がるスクリーン200と、X軸方向に振動する映像光L’を出射し、映像光L’をスクリーン200の背面側であって、Y軸に対してZ軸まわりに傾斜した方向から高分子分散型液晶層250に入射させる光投射デバイス900とを有し、液晶分子253の背面側での配向方向Aが映像光L’の入射角に応じて異なっている。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像表示システムに関するものである。
近年、画像表示システムとして、液晶を高分子中に分散させた高分子分散型液晶表示素子をスクリーンとして用い、このスクリーンにプロジェクター等を用いて画像を表示する装置が注目されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、プロジェクターからの映像光を直線偏光とし、その振動方向がスクリーンの入射側での液晶分子の配向方向と平行になるように設定されている。このような構成とすることにより、スクリーンでの映像光の散乱性を高めて、輝点(著しく高輝度な点)の発生を抑制している。
しかしながら、このような画像表示ステムを、例えば、プロジェクターとスクリーンとの離間距離が短い近接投影型のシステムに適用した場合、前記離間距離の短さに起因して、スクリーンヘの映像光の入射角が大きくなってしまう。そして、映像光の入射角が大きくなるに連れてスクリーンの散乱性が低下するため、前述したような輝点の発生を抑制することが困難となる。
特開平6−301005号公報
本発明の目的は、映像光の入射角によらずに輝点の発生を抑制でき、高品質な画像を表示することのできる画像表示システムを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
(1) 本発明の画像表示システムは、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を設定したとき、
前面側に位置する第1配向膜と、背面側に位置し、前記第1配向膜と対向配置された第2配向膜と、前記第1配向膜および前記第2配向膜間に挟持され、高分子中に液晶分子が分散した高分子分散型液晶層とを有し、前記X軸および前記Z軸で規定される平面に広がるスクリーンと、
所定方向に振動する直線偏光を出射し、前記直線偏光を前記スクリーンの背面側であって、前記Y軸に対して前記X軸まわりに傾斜した方向から前記高分子分散型液晶層に入射させる光投射デバイスと、を有し、
前記液晶分子の前記背面側での配向方向が前記直線偏光の入射角に応じて異なっていることを特徴とする。
これにより、映像光の入射角によらずに輝点の発生を抑制でき、高品質な画像を表示することのできる画像表示システムを提供することができる。
(2) 本発明の画像表示システムでは、前記直線偏光は、前記X軸と同一の振動方向として前記高分子分散型液晶層に入射し、
前記高分子分散型液晶層は、前記Z軸方向から見た平面視にて、前記直線偏光の入射角が0°となる基準点を境界とし前記X軸方向に並んだ2つの領域を有し、
前記2つの領域の各々では、前記背面側にて、前記液晶分子が前記振動方向に平行であって、前記高分子分散型液晶層の中央側を向いて配向しているのが好ましい。
これにより、画像表示システムの構成および設計(特にスクリーンの構成および設計)が簡単なものとなる。
(3) 本発明の画像表示システムでは、前記2つの領域の各々では、前記液晶分子が、前記直線偏光の入射角が大きくなるに連れて前記光投射デバイスと鉛直方向に反対側を向き、かつ、前記振動方向に対する傾きが大きくなるように配向しているのが好ましい。
これにより、入射角の大きい領域でもより十分に直線偏光を散乱させることができ、効果的に輝点の発生を抑制することができる。
(4) 本発明の画像表示システムでは、前記直線偏光は、前記X軸と同一の振動方向として前記高分子分散型液晶層に入射し、
前記高分子分散型液晶層は、前記Z軸方向から見た平面視にて、前記直線偏光の入射角が0°となる基準点を境界とし前記X軸方向に並んだ2つの領域を有し、
前記液晶分子は、前記背面側にて、前記直線偏光の入射角が大きくなるに連れて前記光投射デバイスと鉛直方向および水平方向に反対側を向き、前記振動方向に対する傾きが大きくなるように同心円状に配向するとともに、前記2つの領域の各々にて、前記高分子分散型液晶層の外側を向いて配向しているのが好ましい。
これにより、スクリーンの構成を簡単なものとしつつ、効果的に輝点の発生を抑制することができる。
(5) 本発明の画像表示システムでは、前記振動方向に対する前記配向方向の傾きの最大値は、15°以下であるのが好ましい。
これにより、より効果的に輝点の発生を抑制することができる。
(6) 本発明の画像表示システムでは、前記直線偏光は、前記Z軸と同一の振動方向として前記高分子分散型液晶層に入射し、
前記高分子分散型液晶層は、前記Z軸方向から見た平面視にて、前記直線偏光の入射角が0°となる基準点を境界とし前記X軸方向に並んだ2つの領域を有し、
前記2つの領域の各々では、前記背面側にて、前記液晶分子が鉛直方向に前記光投射デバイス側を向き、かつ、前記直線偏光の入射角が大きくなるに連れて前記振動方向に対する傾きが大きくなるように配向しているのが好ましい。
これにより、入射角の大きい領域でもより十分に直線偏光を散乱させることができ、効果的に輝点の発生を抑制することができる。
(7) 本発明の画像表示システムでは、前記直線偏光は、前記Z軸と同一の振動方向として前記高分子分散型液晶層に入射し、
前記高分子分散型液晶層は、前記Z軸方向から見た平面視にて、前記直線偏光の入射角が0°となる基準点を境界とし前記X軸方向に並んだ2つの領域を有し、
前記2つの領域の各々では、前記背面側にて、前記液晶分子が前記光投射デバイスと鉛直方向および水平方向に反対側を向いて同心円状に配向し、かつ前記直線偏光の入射角が大きくなるに連れて前記振動方向に対する傾きが大きくなるように配向しているのが好ましい。
これにより、スクリーンの構成を簡単なものとしつつ、効果的に輝点の発生を抑制することができる。
(8) 本発明の画像表示システムでは、前記振動方向に対する前記配向方向の傾きの最大値は、15°以下であるのが好ましい。
これにより、より効果的に輝点の発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態にかかる画像表示システムの構成図である。 図1に示すプロジェクターの光学系の構成を示す平面図である。 スクリーン中の液晶分子の配向方向と映像光の振動方向との関係を示す平面図である。 図1に示すスクリーンの断面図(図1中のA−A線断面図)である。 配向膜の配向方向を示す前面側から見た平面図である。 図4に示すスクリーンの電圧印加状態を示す断面図である。 図4に示すスクリーン内を通過する映像光を示す図であり、(a)が鉛直方向から見た図、(b)が水平方向から見た図である。 映像光の透過率を示すグラフである。 本発明の第2実施形態にかかる画像表示システムが備えるスクリーンの液晶分子の配向方向を示す前面側から見た平面図である。 映像光の透過率の入射角依存性を示すグラフである。 本発明の第3実施形態にかかる画像表示システムが備えるスクリーンの液晶分子の配向方向を示す前面側から見た平面図である。 映像光の透過率の入射角依存性を示すグラフである。 本発明の第4実施形態にかかる画像表示システムの構成図を示す図である。 図13に示す画像表示システムが備えるスクリーンの液晶分子の配向方向を示す前面側から見た平面図である。 本発明の第5実施形態にかかる画像表示システムが備えるスクリーンの液晶分子の配向方向を示す前面側から見た平面図である。 本発明の第6実施形態にかかる画像表示システムが備えるプロジェクターの光学系の構成を示す平面図である。 本発明の第7実施形態にかかる画像表示システムが備えるプロジェクターの光学系の構成を示す平面図である。 本発明の第8実施形態にかかる画像表示システムが備えるプロジェクターの光学系の構成を示す平面図である。
以下、本発明の画像表示システムを図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる画像表示システムの構成図である。図2は、図1に示すプロジェクターの光学系の構成を示す平面図である。図3は、スクリーン中の液晶分子の配向方向と映像光の振動方向との関係を示す平面図である。図4は、図1に示すスクリーンの断面図(図1中のA−A線断面図)である。図5は、配向膜の配向方向を示す前面側から見た平面図である。図6は、図4に示すスクリーンの電圧印加状態を示す断面図である。図7は、図4に示すスクリーン内を通過する映像光を示す図であり、(a)が鉛直方向から見た図、(b)が水平方向から見た図である。図8は、映像光の透過率を示すグラフである。
なお、以下では、図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とし、本実施形態では、Z軸が鉛直方向を向き、X軸およびY軸により規定されるXY面が水平方向を向いているものとする。
図1に示す画像表示システム100は、スクリーン200と、スクリーン200に画像を投射する光投射デバイス900と、スクリーン200および光投射デバイス900の駆動を制御する制御部400とを有している。このような画像表示システム100は、光投射デバイス900からの映像光L’をスクリーン200の背面(観察者と反対側の面)へ投射することによって、スクリーン200に所望の画像を表示するように構成されている。
画像表示システム100では、スクリーン200がXZ平面に広がって配置されている。また、光投射デバイス900は、スクリーン200の背面側かつ下側に設置(Y軸に対してX軸まわりに傾斜して配置)されており、斜め下側から映像光L’をスクリーン200の背面に投射する。
また、図3に示すように、映像光L’の光軸(中心軸)の入射面Fは、鉛直方向(ZY平面)と一致し、かつ、スクリーン200の水平方向の中心と直交している。このような配置とすることにより、スクリーン200および光投射デバイス900の配置が単純となり、画像表示システム100全体の設計がし易くなる。また、スクリーン200に表示される画像の歪みを低減することもできる。
以下、スクリーン200、光投射デバイス900および制御部400について、順次詳細に説明する。
(光投射デバイス)
光投射デバイス900は、プロジェクター600と、プロジェクター600から出射される映像光Lの偏光制御を行う偏光制御素子800とを有している。
図2に示すように、プロジェクター600は、光源装置620と、均一照明光学系630と、光変調装置640と、投射光学系(投射レンズ群)650とを有している。このようなプロジェクター600は、光源装置620から射出された光を与えられた画像情報に応じて光変調装置640によって変調することにより光像を形成し、この光像を投射光学系650からスクリーン200上に拡大投射するための光学機器である。
光源装置620は、光源である超高圧水銀ランプ621と、リフレクター622とを備えている。このような構成では、超高圧水銀ランプ621から放射された光は、リフレクター622で反射されて前方側に収束される。なお、光源としては、超高圧水銀ランプに限らず、例えば、メタルハライドランプ等を採用してもよい。
均一照明光学系630は、ロッドインテグレーター631と、カラーホイール632と、リレーレンズ群633と、反射ミラー634とを有している。このような均一照明光学系630では、光源装置620から射出された光束がカラーホイール632を通過した後、ロッドインテグレーター631に角度を付けて入射する。
カラーホイール632は、図示しないモーター等の駆動源によって回転可能に設けられている。また、カラーホイール632には、ロッドインテグレーター631の入射側の端に形成されたポートと対向するフィルター面632aが形成されており、このフィルター面632aには、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のフィルターが領域を隔てて周方向に並んで形成されている。なお、カラーホイール632は、ロッドインテグレーター631の出射側に設けられていてもよい。
カラーホイール632に入射した光束は、フィルター面632aによって、赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光の3色に時系列的に色分離される。R、G、Bの3色への分離は、スクリーン200に表示する画像のフレーム周波数よりも高速な周波数で行う。このような周波数で色分離を行うことにより、スクリーン200にフルカラー画像を表示することが可能となる。
カラーホイール632を通過した光(R光、G光、B光)は、ロッドインテグレーター631の入射ポートからその内部に導入される。ロッドインテグレーター631の内部に導入された光は、ロッドインテグレーター631内にて複数回の反射をおこし、これによって、ロッドインテグレーター631の出射面に均一な照度が確保される。そのため、ロッドインテグレーター631の出射ポートから出射された光は、均一な照明分布を有するものとなる。
ロッドインテグレーター631から出射された光は、リレーレンズ群633および反射ミラー634を介して、均一な照明光として光変調装置640へ入射する。
光変調装置640は、基板641と、基板641上に配列された複数の光変調素子642(例えば、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)。ただし「DMD」は、米国テキサスインスツルメント株式会社の登録商標)とを有している。複数の光変調素子642は、基板641上にマトリクス状に配置されている。光変調素子642の数としては特に限定されない。プロジェクター600では、1つの光変調素子642が1画素を構成するため、光変調素子642は、画素数分、例えば、横×縦=1280×1024、640×480のように配置されている。
各光変調素子642は、入射した光束を反射するための可動ミラーを有しており、この可動ミラーは、反射した光が投射光学系650へ導かれるON状態と、ON状態に対して傾きが異なり、反射した光がアブソーバー(図示せず)へ導かれるOFF状態とに姿勢が変化する。
光変調装置640は、例えば、PC(パーソナルコンピューター)500等から与えられた画像情報に基づいて各光変調素子642のON状態/OFF状態を独立して切り替えることにより所定の光像を形成する。そして、形成された光像は、投射光学系650に入射する。
投射光学系650は、投射レンズ651を備えており、投射光学系650に導かれた光像を映像光Lとして出射する。
図3に示すように、投射光学系650の前方に位置する偏光制御素子800は、プロジェクター600から出射されたランダム偏光である映像光Lを、水平方向(X軸)に振動する直線偏光である映像光L’とする。得られた映像光L’は、入射面Fに対して直交する方向に振動するs偏光であるとも言える。このような偏光制御素子800としては、上記の効果を発揮することができれば、特に限定されず、例えば、ワイヤグリッドアレイや液晶デバイス等の公知の偏光子を用いることができる。
このような構成とすることにより、光投射デバイス900の構成を簡単なものとすることができる。また、光投射デバイス900では、偏光制御素子800が投射光学系650よりも映像光Lの進行方向下流側に位置している。言い換えれば、偏光制御素子800は、プロジェクター600と別体として設けられ、プロジェクター600とスクリーン200との間に配置されている。このような構成とすることにより、プロジェクター600の姿勢に関わらず、スクリーン200に対する偏光制御素子800の姿勢を所定の姿勢に保つことができる。そのため、偏光制御素子800によって、常に、水平方向に振動する映像光L’が得られる。
(スクリーン)
図4に示すように、スクリーン200は、一対の透明基板211、212と、一対の透明電極221、222と、一対の配向膜231、232と、高分子分散型液晶層250とを有している。
一対の透明基板211、212のうち、透明基板211は、スクリーン200の背面側に配置され、透明基板212は、スクリーン200の前面側(観察者側)に配置されている。透明基板211は、透明電極221および配向膜(第2配向膜)231を支持し、透明基板212は、透明電極222および配向膜(第1配向膜)232を支持する。
これら透明基板211、212の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、石英ガラス等のガラス材料やポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料等が挙げられる。この中でも特に、石英ガラス等のガラス材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、反り、撓み等の生じにくい、より安定性に優れたスクリーン200を得ることができる。
一対の透明電極221、222のうち、透明電極221は、透明基板211の内側の面に配置され、透明電極222は、透明基板212の内側の面に配置されている。また、透明電極221、222は、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO)等で構成されている。
一対の配向膜231、232のうち、配向膜231は、透明電極221の内側の面に配置され、配向膜232は、透明電極222の内側の面に配置されている。また、配向膜231、232は、向きが一致するよう配置されている。これらの配向膜231、232は、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール等からなる膜にラビング処理、光配向等の配向処理を施したものである。
図4および図5に示すように、配向膜231は、スクリーン200の法線(Y軸)および映像光L’の振動方向(X軸)に対して直交する方向(Z軸方向)から見た平面視にて、映像光L’の入射角が0°となる基準点を境界にして水平方向(X軸方向)に2つの領域231a、231bに分かれている。本実施形態では、前記基準点が入射面Fと一致しているため、入射面Fを境界として2つの領域231a、231bに分かれているとも言える。
そして、領域231a、231bでは共に、水平方向かつ中央に向けてラビング処理(配向処理)が施されている。一方、配向膜232も入射面Fを境界として2つの領域232a、232bに分かれており、領域232a、232bでは共に、水平方向かつ外側に向けてラビング処理(配向処理)が施されている。
高分子分散型液晶層250は、光透過性を有する透過状態と光散乱性を有する散乱状態とを印加電界の強度により切替えることができる。このような高分子分散型液晶層250は、PDLC(高分子分散型液晶)251で構成されている。PDLC251は、高分子252と、高分子252中に分散した液晶分子253とを有している。
液晶分子253は、一対の透明電極221、222間に電圧を印加していない電圧非印加状態において、配向膜231、232の間でこれらの向きに沿って所定のチルト角を有しつつ配向している。そのため、液晶分子253は、領域231a、232aで挟まれた第1領域250aでは、背面側が入射面F側を向くようにチルト角を有しており、領域231b、232bで挟まれた第2領域250bでも、背面側が入射面Fを向くようにチルト角を有している。このように、液晶分子253は、入射面Fに対して対称的に配向している。
なお、図4および図5中にて、配向膜231側での液晶分子253の配向方向(配向膜231のラビング方向)を矢印Aで示し、配向膜232側での液晶分子253の配向方向(配向膜232のラビング方向)を矢印Bで示している。以下、単に、配向方向A、配向方向Bとも言う。
このようなPDLC251は、例えば、液晶性モノマー等の高分子前駆体と液晶分子との混合物により形成することができる。具体的には、前記混合物を配向膜231、232により配向させた状態で前記混合物に紫外線光等のエネルギーを照射し、液晶性モノマーを重合させる。すると、液晶性モノマーは、配向を保持したまま重合し、配向規制力を有する高分子252になる。液晶分子253は、高分子252から相分離され、高分子252の配向規制力により配向する。
液晶分子253としては、屈折率異方性および誘電率異方性を有するものであればよく、公知の液晶材料から適宜選択することができる。また、液晶分子253としては、長軸方向の屈折率が高分子252の長軸方向の屈折率とほぼ等しく、かつ、短軸方向の屈折率が高分子252の短軸方向の屈折率とほぼ等しく、さらには、短軸方向の屈折率が高分子252の長軸方向の屈折率と十分に異なる材料が用いられる。
このような高分子分散型液晶層250は、一対の透明電極221、222間に電圧を印加していない電圧非印加状態において透過状態となり、一対の透明電極221、222間に電圧を印加している電圧印加状態において散乱状態となる。なお、前記「電界非印加状態」とは、一対の透明電極221、222間に全く電圧を印加しない状態のみならず、一対の透明電極221、222間に、実質的に液晶分子253に作用しない程度の電圧が印加されている状態も含む。
図4に示す電圧非印加状態においては、液晶分子253と高分子252との間で屈折率がほぼ同一であり、PDLC251に入射した光はほとんど散乱されずに射出され、透過状態となる。反対に、図6に示す電圧印加状態では、高分子252の方位角が変化しないのに対して、液晶分子253の方位角が電界に応じて変化し、これにより、高分子252と液晶分子253との間で屈折率が異なることにより入射した光が散乱し、散乱状態となる。
散乱状態のスクリーン200は、背面側から高分子分散型液晶層250に入射し、配向方向Aと平行な方向に振動する映像光L’を効率的に散乱する性質を有している。具体的に説明すると、映像光L’は、図7(a)、(b)に示すように、高分子252を短軸方向に通過し、液晶分子253を長軸方向に通過する。高分子252の長軸方向の屈折率と液晶分子253の短軸方向の屈折率とが異なっているため、映像光L’は、高分子252と液晶分子253との界面にて散乱する。図8に、映像光L’の透過率の一例を示す。図8から、映像光L’は、高分子分散型液晶層250内をほとんど透過せず、大半が高分子分散型液晶層250内で散乱していることが分かる。そのため、輝点の発生を効果的に抑制することができる。
ここで、図8は、映像光L’の入射角が0°の場合を示すものであるが、高分子分散型液晶層250における映像光L’の透過率は、映像光L’の入射角に依存し、入射角が大きくなるに連れて上昇する傾向にある。しかしながら、第1、第2領域250a、250bでは共に、散乱特性をより効果的に発揮することのできる方向に液晶分子253が配向しているため、透過率の増加を小さく抑えることができる。また、高分子252および液晶分子253が入射面Fに対して対称的に配向しているため、映像光L’の透過率も入射面Fに対して対称的に変化し、スクリーン200全体にわたって優れた輝点抑制効果を発揮することができる。このように、画像表示システム100によれば、小さな入射角を有する箇所とともに、大きな入射角(例えば−70°〜−40°、40°〜70°程度)を有する箇所での輝点の発生を抑制することができるため、高品質な画像を表示することができる。また、観察者の眼精疲労を軽減することができる。
(制御部)
図1に示すように、制御部400は、例えば、パーソナルコンピューター500からの画像信号Iに所定の処理を行い、処理して得られた画像信号I’をプロジェクター600へ送信する画像信号処理部410と、パーソナルコンピューター500からの信号に基づいてスクリーン200の駆動(ON/OFF)を制御するスクリーン制御部420とを有している。画像信号処理部410からの画像信号を受けたプロジェクター600は、その画像信号に基づく映像光Lを出射する。
このような制御部400は、画像信号処理部410からプロジェクター600へ画像信号I’を出力するのに対応させて、スクリーン制御部420によってスクリーン200の駆動を制御するように構成されている。具体的には、制御部400は、画像信号処理部410から画像信号I’を出力していない状態では、スクリーン制御部420によってスクリーン200を透過状態とする。反対に、制御部400は、画像信号処理部410から画像信号I’を出力している状態では、スクリーン制御部420によってスクリーン200を散乱状態とする。
このような制御部400によれば、光投射デバイス900から映像光L’が出射されていないとき、すなわちスクリーン200に表示する画像が存在しないときには、スクリーン200を透過状態とすることができる。また、光投射デバイス900から映像光L’が出射されているときは、スクリーン200を散乱状態とすることができ、スクリーン200に映像光L’に対応する画像を表示することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の画像表示システムの第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態にかかる画像表示システムが備えるスクリーンの液晶分子の配向方向を示す前面側から見た平面図である。図10は、映像光の透過率の入射角依存性を示すグラフである。
以下、第2実施形態の画像表示システムについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態にかかる画像表示システムは、スクリーンの構成(配向方向A、B)が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図9に示すスクリーン200Aでは、入射面Fに対して対称的に液晶分子253が配向している。また、第1、第2領域250a、250bでは、液晶分子253の配向膜231側での配向方向Aは、映像光L’の入射角が大きくなるに連れて、光投射デバイス900と鉛直方向に反対側(鉛直方向上側)を向き、かつ、水平軸(X軸)に対する傾斜角θが大きくなるように傾斜している。すなわち、傾斜角θは、水平方向(X軸方向)では入射面Fから離間するに連れて大きくなり、鉛直方向では上側へ向かうに連れて大きくなる。
ここで、映像光L’の透過率は、映像光L’の入射角および方位角に依存することが分かっている。図10に、映像光L’の透過率の入射角依存性を示し、(a)が傾斜角θ=−5°の場合、(b)が傾斜角θ=5°の場合、(c)が傾斜角θ=10°の場合、(d)に傾斜角θ=15°の場合を示している。なお、図10では、XZ平面視にて、+Z軸方向を0°とし、−X軸方向を−90°とし、+X方向を+90°として表している。
図10から分かるように、入射角の増加に応じて適切な傾斜角θを選択することで映像光L‘の透過率の増加を抑制することができる。また、傾斜角θを5°程度とすることにより、入射角および方位角の違いによらず、映像光L’の透過率の増加を抑制することができる。そのため、スクリーン200A全域において、傾斜角θを15°以下とするのが好ましい。言い換えれば、スクリーン200Aの上側両角部での傾斜角θを15°以下とするのが好ましく、入射面Fに近づくに連れ5°以下とするのが好ましい。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様に、小さな入射角を有する箇所とともに、大きな入射角を有する箇所での輝点の発生を抑制することができるため、高品質な画像を表示することができる。また、観察者の眼精疲労を軽減することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の画像表示システムの第3実施形態について説明する。
図11は、本発明の第3実施形態にかかる画像表示システムが備えるスクリーンの液晶分子の配向方向を示す前面側から見た平面図である。図12は、映像光の透過率の入射角依存性を示すグラフである。
以下、第3実施形態の画像表示システムについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態にかかる画像表示システムは、スクリーンの構成(配向方向A、B)が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図11に示すスクリーン200Bでは、入射面Fに対して対称的に液晶分子253が配向している。また、液晶分子253は、配向膜231側ではスクリーン200Bの縁に向けて配向し、配向膜232ではスクリーン200Bの中央に向けて配向している。配向方向Aは、第1、第2領域250a、250bの各々にて、光投射デバイス900に対して鉛直方向および水平方向の両方向で反対側を向くように、高分子分散型液晶層250の外側を向き、反対に、配向方向Bは、第1、第2の領域250a、250bの各々にて、高分子分散型液晶層250の内側を向いている。
また、配向方向A、Bは、それぞれ、スクリーン200Bの鉛直方向上側(+Z軸方向側)に中心を持つ同心円状となっている。そのため、配向方向A、Bは、映像光L’の入射角が大きくなるに連れて、水平軸に対する傾斜角θが大きくなるように傾斜する。すなわち、傾斜角θは、水平方向では入射面Fから離間するに連れて大きくなり、鉛直方向では上側へ向かうに連れて大きくなる。なお、図11では、説明の便宜上、配向方向A、Bを誇張して図示している。
このように、配向方向A、Bを同心円状とすることにより、例えば、前述した第2実施形態よりも、配向膜231、232の製造が容易となる。すなわち、前述した第2実施形態では、配向膜231を複数の微小領域に分け、微小領域毎に光配向などの配向処理を行わなければならず、配向膜231の製造が煩雑となる。これに対して、本実施形態では、例えば、ラビング処理、光配向を行う配向手段を所定の回転軸まわりに回転させながら配向処理を行えばよい。したがって、配向膜231の製造が容易となる(配向膜232についても同様である)。
ここで、映像光L’の透過率は、映像光L’の入射角および方位角に依存することが分かっている。図12に、映像光L’の透過率の入射角依存性を示し、(a)が傾斜角θ=5°の場合、(b)が傾斜角θ=10°の場合、(c)が傾斜角θ=15°の場合を示している。なお、図12では、XZ平面視にて、+Z軸方向を0°とし、−X軸方向を−90°とし、+X方向を+90°として表している。
図12から分かるように、入射角の増加に応じて適切な傾斜角θを選択することで映像光L‘の透過率の増加を抑制することができる。また、傾斜角θを5°程度とすることにより、入射角および方位角の違いによらずに、映像光L’の透過率の増加を抑制することができる。そのため、スクリーン200B全域において、傾斜角θを15°以下とするのが好ましい。言い換えれば、スクリーン200Bの上側両角部での傾斜角θを15°以下とするのが好ましく、入射面Fに近づくにつれ5°以下とするのが好ましい。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様に、小さな入射角を有する箇所とともに、大きな入射角を有する箇所での輝点の発生を抑制することができるため、高品質な画像を表示することができる。また、観察者の眼精疲労を軽減することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の画像表示システムの第4実施形態について説明する。
図13は、本発明の第4実施形態にかかる画像表示システムの構成図を示す図である。図14は、図13に示す画像表示システムが備えるスクリーンの液晶分子の配向方向を示す前面側から見た平面図である。
以下、第4実施形態の画像表示システムについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第4実施形態にかかる画像表示システムは、映像光の振動方向およびスクリーンの構成(配向方向A、B)が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図13に示すように、本実施形態の画像表示システム100Cでは、光投射デバイス900Cからの映像光L’は、鉛直方向(Z軸方向)に振動する直線偏光である。すなわち、スクリーン200Cの入射面Fに対して平行な方向に振動するp偏光であるとも言える。
また、図14に示すように、スクリーン200Cでは、配向方向Aが鉛直方向下側(光投射デバイス900C側)を向き、配向方向Bが鉛直方向上側を向いている。このように、配向方向Aが鉛直方向下側を向くことにより、チルト角によって、液晶分子253が光投射デバイス900C側を向くこととなる。そのため、例えば、配向方向A、Bが本実施形態と逆の場合と比較して、スクリーン200Cでの映像光L’の散乱性が高まり、輝点抑制効果が向上する。
また、配向方向Aは、入射面Fに対して対称的である。配向方向Aは、入射面Fに一致している領域では鉛直方向と一致している(言い換えると、映像光L’の振動面内に位置している)が、入射面Fから水平方向にずれた領域ではスクリーン200Cの外側を向くようにして若干傾斜している。配向方向Aの鉛直軸(Z軸)に対する傾斜角θは、水平方向では外側に向かうに連れて大きくなり、鉛直方向では上側へ向かうに連れて大きくなっている。すなわち、映像光L’の入射角が大きくなるに連れて傾斜角θが大きくなる。なお、配向方向Bは、向きが異なる以外は、配向方向Bと同様である。
傾斜角θの最大値は、15°以下程度であるのが好ましい。このような範囲とすることにより、映像光L’の方位角によらず、映像光L’の入射角が比較的大きい領域(例えば、スクリーン200Cの上側両角部)でも、映像光L’の透過率の増加を抑制することができる。したがって、優れた輝点抑制効果を発揮することができる。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様に、小さな入射角を有する箇所とともに、大きな入射角を有する箇所での輝点の発生を抑制することができるため、高品質な画像を表示することができる。また、観察者の眼精疲労を軽減することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の画像表示システムの第5実施形態について説明する。
図15は、本発明の第5実施形態にかかる画像表示システムが備えるスクリーンの液晶分子の配向方向を示す前面側から見た平面図である。
以下、第5実施形態の画像表示システムについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第5実施形態にかかる画像表示システムは、スクリーンの構成(配向方向A、B)が異なること以外は、前述した第4実施形態と同様である。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図15に示すスクリーン200Dでは、配向方向Aが鉛直方向上側を向き、配向方向Bが鉛直方向下側を向いている。また、配向方向Aは、入射面Fに対して対称的である。また、配向方向Aは、第1領域250aでは、スクリーン200Dの図中右側に中心を持ち、光投射デバイスと鉛直方向および水平方向に反対側を向いた同心円状であり、第2領域250bでは、スクリーン200Dの図中左側に中心を持ち、光投射デバイスと鉛直方向および水平方向に反対側を向いた同心円状であり、映像光L’の入射角が大きくなるに連れて鉛直軸に対する傾斜角θが大きくなるように傾斜している。すなわち、傾斜角θは、水平方向では入射面Fから離間するに連れて大きくなり、鉛直方向では上側へ向かうに連れて大きくなる。なお、図15では、説明の便宜上、配向方向A、Bを誇張して図示している。また、配向方向Bは、向きが異なる以外は、配向方向Aと同様である。
このように、第1、第2領域250a、250bにおいて、配向方向A、Bを同心円状とすることにより、例えば、前述した第4実施形態よりも、配向膜231、232の製造が容易となる。すなわち、前述した第4実施形態では、配向膜231を複数の微小領域に分け、微小領域毎に光配向などの配向処理を行わなければならず、配向膜231の製造が煩雑となる。これに対して、本実施形態では、例えば、ラビング処理、光配向を行う配向手段を所定の回転軸まわりに回転させながら配向処理を行えばよい。したがって、配向膜231の製造が容易となる(配向膜232についても同様である)。
傾斜角θの最大値は、15°以下程度であるのが好ましい。このような範囲とすることにより、映像光L’の方位角によらず、映像光L’の入射角が比較的大きい領域(例えば、スクリーン200Dの上側両角部)でも、映像光L’の透過率の増加を抑制することができる。したがって、優れた輝点抑制効果を発揮することができる。
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の画像表示システムの第6実施形態について説明する。
図16は、本発明の第6実施形態にかかる画像表示システムが備えるプロジェクターの光学系の構成を示す平面図である。
以下、第6実施形態の画像表示システムについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第6実施形態にかかる画像表示システムは、偏光デバイスがプロジェクターに内蔵されている以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図16に示すように、偏光制御素子800は、プロジェクター600に内蔵されている。具体的には、偏光制御素子800は、光変調装置640と投射光学系650との間、すなわち、投射光学系650よりも映像光Lの進行方向上流側に位置している。このように、偏光制御素子800をプロジェクター600に内蔵することにより、画像表示システム100の構成の簡易化を図ることができる。
このような第6実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第7実施形態>
次に、本発明の画像表示システムの第7実施形態について説明する。
図17は、本発明の第7実施形態にかかる画像表示システムが備えるプロジェクターの光学系の構成を示す平面図である。
以下、第7実施形態の画像表示システムについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第7実施形態にかかる画像表示システムは、光投射デバイスの構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図17に示すように、光投射デバイスであるプロジェクター300は、照明光学系310と、色分離光学系320と、平行化レンズ330R、330G、330Bと、空間光変調装置340R、340G、340Bと、クロスダイクロイックプリズム350と、投射光学系(投射レンズ群)360と、偏光ローテーター370とを有している。
照明光学系310は、光源311と、リフレクター312と、第1のレンズアレイ313と、第2のレンズアレイ314と、偏光変換素子315と、重畳レンズ316とを有している。
光源311は、超高圧水銀ランプであり、リフレクター312は、放物面鏡を有して構成されている。光源311から射出された放射状の光束は、リフレクター312で反射されて略平行光束となり、第1のレンズアレイ313へと射出される。なお、光源311としては、超高圧水銀ランプに限らず、例えば、メタルハライドランプ等を採用してもよい。また、リフレクター312としては、放物面鏡に限らず、楕円面鏡からなるリフレクター312の射出面に平行化凹レンズを配置した構成を採用してもよい。
第1のレンズアレイ313および第2のレンズアレイ314は、小レンズをマトリクス状に配列して形成されている。光源311から射出された光束は、第1のレンズアレイ313によって複数の微小な部分光束に分割され、各部分光束は、第2のレンズアレイ314および重畳レンズ316によって照明対象である3つの空間光変調装置340R、340G、340Bの表面で重畳される。
偏光変換素子315は、ランダム偏光の光束を一方向に振動する直線偏光(s偏光若しくはp偏光)に揃える機能を有しており、本実施形態では、色分離光学系320での光束の損失が少ないs偏光に揃えている。
色分離光学系320は、照明光学系310から射出された光束を、赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光の3色の色光に分離する機能を有しており、B光反射ダイクロイックミラー321、RG光反射ダイクロイックミラー322、G光反射ダイクロイックミラー323、および反射ミラー324、325を備えている。
照明光学系310から射出された光束のうち、B光の成分は、B光反射ダイクロイックミラー321によって反射され、さらに反射ミラー324、361によって反射されて平行化レンズ330Bに至る。一方、照明光学系310から射出された光束のうち、G光、R光の成分は、RG光反射ダイクロイックミラー322によって反射され、さらに反射ミラー325によって反射されてG光反射ダイクロイックミラー323に至る。その中のG光の成分は、G光反射ダイクロイックミラー323および反射ミラー362に反射されて平行化レンズ330Gに至り、R光の成分は、G光反射ダイクロイックミラー323を透過して、反射ミラー363に反射されて平行化レンズ330Rに至る。
平行化レンズ330R、330G、330Bは、照明光学系310からの複数の部分光束を、空間光変調装置340R、340G、340Bをそれぞれ照明するように各部分光束が、それぞれ略平行な光束となるように設定されている。
平行化レンズ330Rを透過したR光は、空間光変調装置(第1空間光変調装置)340Rに至り、平行化レンズ330Gを透過したG光は、空間光変調装置(第2空間光変調装置)340Gに至り、平行化レンズ330Bを透過したB光は、空間光変調装置(第3空間光変調装置)340Bに至る。
空間光変調装置340Rは、R光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置(LCD)である。空間光変調装置340Rに設けられた図示しない液晶パネルは、2つの透明基板の間に、光を画像信号に応じて変調するための液晶層を封入している。空間光変調装置340Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム350へ入射する。なお、空間光変調装置340G、340Bの構成および機能は、空間光変調装置340Rと同様である。
クロスダイクロイックプリズム350は、三角柱状の4つのプリズムを貼り合わせることにより、略正方形断面の角柱状に形成されたものであり、X字状の貼り合わせ面に沿って誘電体多層膜351、352が設けられている。誘電体多層膜351は、G光を透過してR光を反射し、誘電体多層膜352は、G光を透過してB光を反射する。そして、クロスダイクロイックプリズム350は、空間光変調装置340R、340G、340Bから出射された各色光の変調光をそれぞれ入射面350R、350G、350Bから入射して合成し、カラー画像を表す画像光を形成し、その画像光を投射光学系360へ向けて射出する。
クロスダイクロイックプリズム350と投射光学系360との間には偏光ローテーター370が配置されている。偏光ローテーター370は、波長選択性を有しており、所定の波長の光の振動方向を90°回転させる機能(すなわち、s偏光をp偏光へ、または、p偏光をs偏光へ変換する機能)を有している。このような偏光ローテーター370としては、特に限定されないが、例えば、カラーリング社製のカラーセレクト(登録商標)を用いることができる。
クロスダイクロイックプリズム350は、s偏光を反射し、p偏光を透過する単偏光素子であるため、クロスダイクロイックプリズム350に反射されるR光およびB光をs偏光とし、クロスダイクロイックプリズム350を透過するG光をp偏光とする必要がある。このように、R光およびB光とG光とで偏光方向が異なっているため、R光、G光、B光の偏光方向を揃えるために偏光ローテーター370が配置されている。
偏光ローテーター370は、R光およびB光の偏光を90°回転させ、G光の偏光を回転させない構成となっている。そのため、偏光ローテーター370を通過したR光、G光、B光は、その振動方向が互いに同じ光となる。ここで、G光は、R光、B光と比較して比視感度が高い成分である。そのため、偏光ローテーター370のように、G光の偏光を回転させずに、R光およびB光の偏光を回転させることにより、R光、G光、B光の偏光を揃えることによって、画像光の光束を十分に稼ぐことができ、明るい画像表示が可能となる。
偏光ローテーター370を通過した映像光は、映像光Lとして投射光学系360から出射される。
このような構成のプロジェクター300によれば、直線偏光である映像光Lを出射することができるため、前述した第1実施形態のような偏光制御素子800が不要となり、画像表示システム100の構成が簡易化される。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、3つの透過型液晶表示装置(LCD)を用いたプロジェクターについて説明したが、プロジェクターの構成としては、これに限定されない。例えば、3つの反射型液晶表示装置(LCD)を用いた構成であってもよい。また、透過型/反射型を問わず、2つの液晶表示装置を用いた構成であってもよい。すなわち、偏光を利用したマイクロディスプレイであって、2つ以上のマイクロディスプレイを用いるプロジェクターであれば、本実施形態を適用することができる。
<第8実施形態>
次に、本発明の画像表示システムの第8実施形態について説明する。
図18は、本発明の第8実施形態にかかる画像表示システムが備えるプロジェクターの光学系の構成を示す平面図である。
以下、第8実施形態の画像表示システムについて、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第8実施形態にかかる画像表示システムは、光投射デバイスの構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図18に示すように、光投射デバイスであるプロジェクター700は、光源ユニット710と、PBSプリズム730と、反射型液晶パネル740と、投射光学系(投射レンズ群)750とを有している。
光源ユニット710は、赤色、緑色、青色のレーザー光源711R、711G、711Bと、レーザー光源711R、711G、711Bに対応して設けられたコリメーターレンズ712R、712G、712Bおよびダイクロイックミラー713R、713G、713Bとを備えている。
レーザー光源711R、711G、711Bは、それぞれ、図示しない光源と駆動回路とを有している。そして、レーザー光源711Rは、赤色のレーザー光を射出し、レーザー光源711Gは、緑色のレーザー光を出射し、レーザー光源711Bは、青色のレーザー光を出射する。これらレーザー光源711R、711G、711Bから出射される各色のレーザー光は、直線偏光であって、互いに振動方向が同一となっている(例えば、S波)。
各レーザー光源711R、711G、711Bから出射された各色のレーザー光は、コリメーターレンズ712R、712G、712Bによって平行化され、ダイクロイックミラー713R、713G、713Bに入射する。ダイクロイックミラー713Rは、赤色のレーザー光を反射する特性を有している。ダイクロイックミラー713Bは、青色のレーザー光を反射するとともに、赤色のレーザー光を透過する特性を有している。ダイクロイックミラー713Gは、緑色のレーザー光を反射するとともに、赤色、青色のレーザー光を透過する特性を有している。
レーザー光源711R、711G、711Bは、順次点滅するように駆動が制御されており、これにより、赤色のレーザー光、緑色のレーザー光、青色のレーザー光が順次出射される。出射された各色のレーザー光は、それぞれ、コリメーターレンズ、ダイクロイックミラーを通過し、PBS(偏光ビームスプリッター)プリズム730の反射面で反射されて反射型液晶パネル740に投射される。
反射型液晶パネル740は、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)であって、反射層を有する。この反射層で反射されてPBSプリズム730を通過した各色のレーザー光は、映像光Lとして投射光学系750から出射される。なお、反射型液晶パネル740によって反射された各色のレーザー光は、振動方向が90°回転し、p偏光となる。
このような構成のプロジェクター700によれば、直線偏光である映像光Lを出射することができるため、前述した第1実施形態のような偏光制御素子800が不要となり、画像表示システム100の構成が簡易化される。
このような第8実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、1枚の反射型液晶パネル740を用いた単板方式であるが、プロジェクター700の構成は、これに限定されない。例えば、赤色光、緑色光、青色光ごとに反射型液晶パネルを設けた3板方式であってもよいし、反射型液晶パネルに換えて透過型液晶パネルを用いた構成であってもよい。また、その他、光源ユニット710からの各色の光が予め同一方向の振動成分のみを持つ直線偏光となっているプロジェクター(例えば、偏光制御型の単板プロジェクター、各色の光の振動方向を制御したスキャンプロジェクター等)であれば、プロジェクターの構成としては特に限定されない。
以上、本発明の画像表示システムについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明の画像表示システムは、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
また、前述した実施形態では、リバース型のスクリーンを用いたが、ノーマル型のスクリーン、すなわち、電圧非印加状態において散乱状態となり、電圧印加状態において透過状態となるスクリーンを用いてもよい。
100、100C……画像表示システム 200、200A、200B、200C、200D……スクリーン 211、212……透明基板 221、222……透明電極 231、232……配向膜 231a、231b、232a、232b……領域 250……高分子分散型液晶層 250a……第1領域 250b……第2領域 251……PDLC 252……高分子 253……液晶分子 300……プロジェクター 310……照明光学系 311……光源 312……リフレクター 313……レンズアレイ 314……レンズアレイ 315……偏光変換素子 316……重畳レンズ 320……色分離光学系 321……B光反射ダイクロイックミラー 322……RG光反射ダイクロイックミラー 323……G光反射ダイクロイックミラー 324……反射ミラー 325……反射ミラー 330B……平行化レンズ 330G……平行化レンズ 330R……平行化レンズ 340B……空間光変調装置 340G……空間光変調装置 340R……空間光変調装置 350……クロスダイクロイックプリズム 350R……入射面 351……誘電体多層膜 352……誘電体多層膜 360……投射光学系 362……反射ミラー 363……反射ミラー 370……偏光ローテーター 400……制御部 410……画像信号処理部 420……スクリーン制御部 500……パーソナルコンピューター 600……プロジェクター 620……光源装置 621……超高圧水銀ランプ 622……リフレクター 630……均一照明光学系 631……ロッドインテグレーター 632……カラーホイール 632a……フィルター面 633……リレーレンズ群 634……反射ミラー 640……光変調装置 641……基板 642……光変調素子 650……投射光学系 651……投射レンズ 700……プロジェクター 710……光源ユニット 711B、711G、711R……レーザー光源 712B、712G、712R……コリメーターレンズ 713B、713G、713R……ダイクロイックミラー 730……PBSプリズム 740……反射型液晶パネル 750……投射光学系 800……偏光制御素子 900、900C……光投射デバイス A、B……配向方向 I、I’……画像信号 L、L’……映像光

Claims (8)

  1. 互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を設定したとき、
    前面側に位置する第1配向膜と、背面側に位置し、前記第1配向膜と対向配置された第2配向膜と、前記第1配向膜および前記第2配向膜間に挟持され、高分子中に液晶分子が分散した高分子分散型液晶層とを有し、前記X軸および前記Z軸で規定される平面に広がるスクリーンと、
    所定方向に振動する直線偏光を出射し、前記直線偏光を前記スクリーンの背面側であって、前記Y軸に対して前記X軸まわりに傾斜した方向から前記高分子分散型液晶層に入射させる光投射デバイスと、を有し、
    前記液晶分子の前記背面側での配向方向が前記直線偏光の入射角に応じて異なっていることを特徴とする画像表示システム。
  2. 前記直線偏光は、前記X軸と同一の振動方向として前記高分子分散型液晶層に入射し、
    前記高分子分散型液晶層は、前記Z軸方向から見た平面視にて、前記直線偏光の入射角が0°となる基準点を境界とし前記X軸方向に並んだ2つの領域を有し、
    前記2つの領域の各々では、前記背面側にて、前記液晶分子が前記振動方向に平行であって、前記高分子分散型液晶層の中央側を向いて配向している請求項1に記載の画像表示システム。
  3. 前記2つの領域の各々では、前記液晶分子が、前記直線偏光の入射角が大きくなるに連れて前記光投射デバイスと鉛直方向に反対側を向き、かつ、前記振動方向に対する傾きが大きくなるように配向している請求項2に記載の画像表示システム。
  4. 前記直線偏光は、前記X軸と同一の振動方向として前記高分子分散型液晶層に入射し、
    前記高分子分散型液晶層は、前記Z軸方向から見た平面視にて、前記直線偏光の入射角が0°となる基準点を境界とし前記X軸方向に並んだ2つの領域を有し、
    前記液晶分子は、前記背面側にて、前記直線偏光の入射角が大きくなるに連れて前記光投射デバイスと鉛直方向および水平方向に反対側を向き、前記振動方向に対する傾きが大きくなるように同心円状に配向するとともに、前記2つの領域の各々にて、前記高分子分散型液晶層の外側を向いて配向している請求項1に記載の画像表示システム。
  5. 前記振動方向に対する前記配向方向の傾きの最大値は、15°以下である請求項3または4に記載の画像表示システム。
  6. 前記直線偏光は、前記Z軸と同一の振動方向として前記高分子分散型液晶層に入射し、
    前記高分子分散型液晶層は、前記Z軸方向から見た平面視にて、前記直線偏光の入射角が0°となる基準点を境界とし前記X軸方向に並んだ2つの領域を有し、
    前記2つの領域の各々では、前記背面側にて、前記液晶分子が鉛直方向に前記光投射デバイス側を向き、かつ、前記直線偏光の入射角が大きくなるに連れて前記振動方向に対する傾きが大きくなるように配向している請求項1に記載の画像表示システム。
  7. 前記直線偏光は、前記Z軸と同一の振動方向として前記高分子分散型液晶層に入射し、
    前記高分子分散型液晶層は、前記Z軸方向から見た平面視にて、前記直線偏光の入射角が0°となる基準点を境界とし前記X軸方向に並んだ2つの領域を有し、
    前記2つの領域の各々では、前記背面側にて、前記液晶分子が前記光投射デバイスと鉛直方向および水平方向に反対側を向いて同心円状に配向し、かつ前記直線偏光の入射角が大きくなるに連れて前記振動方向に対する傾きが大きくなるように配向している請求項1に記載の画像表示システム。
  8. 前記振動方向に対する前記配向方向の傾きの最大値は、15°以下である請求項6または7に記載の画像表示システム。
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