JP2014126647A - 地図データ記録システム、地図データ記録方法および地図データ記録プログラム。 - Google Patents

地図データ記録システム、地図データ記録方法および地図データ記録プログラム。 Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザ端末にて独自に地図データが更新できる構成において、地図配信センタが作成した地図更新データによって容易に地図データが更新できる技術を提供する。
【解決手段】地図データ記録システムは、サーバ地図データを更新するための地図データであって地図配信サーバにて作成されたサーバ地図更新データを取得した場合に、ユーザ独自地図データから当該ユーザ独自地図データとサーバ地図更新データとの重複部分を除いた地図データを新たなユーザ独自地図データとして取得し、サーバ地図更新データによってサーバ地図データを更新した中間地図データを作成し、新たなユーザ独自地図データを中間地図データに結合した地図データで結合地図データを更新し、新たなユーザ独自地図データを特定するデータで特定データを更新する。
【選択図】図3

Description

本発明は、地図データを更新可能に記録する地図データ記録システム、地図データ記録方法および地図データ記録プログラムに関する。
従来、ユーザ端末において地図の編集データを作成する技術が知られている(特許文献1、参照。)。特許文献1において、ユーザ端末が地図の編集データを作成した場合、ユーザ端末は編集データを地図配信サーバに送信する。地図配信サーバがユーザ端末から地図の編集データを受信すると、地図配信サーバは、編集データと同一の道路についてのデータが地図配信サーバの基準地図データに含まれているか否かを判断する。そして、編集データと同一の道路についてのデータが地図配信サーバの基準地図データに含まれている場合、地図配信サーバの基準地図データに基づいて編集データと同一の道路についての更新データを作成し、当該更新データをユーザ端末に配信する。一方、編集データと同一の道路についてのデータが地図配信サーバの基準地図データに含まれていない場合、編集データに基づいて更新データを作成し、当該更新データをユーザ端末に配信する。このようにすることにより、ユーザ端末の地図データにおいて、地図配信サーバが送信した更新データに基づいて編集データに対応する道路のデータを更新できる。
特許第4799709号
特許文献1においては、ユーザ端末が送信した編集データに対応する道路のみが更新の対象となる。すなわち、地図配信サーバが最新のデータを有していても、ユーザ端末が送信した編集データに対応する道路以外の道路については更新の対象とはならない。これに対して、ユーザ端末から編集データが送信されたか否かに拘わらず、すなわち編集データに対応する道路に限らず、地図配信サーバが最新の地図データを配信するようにすれば、ユーザ端末においてより多くの道路についてデータを更新できる。しかしながら、編集データに拘わらず地図配信サーバが最新の地図データを配信する場合におけるユーザ端末での地図更新手法については、引用文献1において考慮されていない。
編集データの送信有無に拘わらず地図配信サーバが最新の地図データを配信する場合、ユーザ端末では編集データを作成するごとに地図データを更新することができなくなる。従って、ユーザ端末において独自に編集データを反映させるように、地図データを更新する必要性が生じる。この場合、ユーザ端末の地図データにおいて、地図配信サーバから送信された更新データとユーザ端末が独自に作成した編集データとが混在することとなる。従って、地図配信サーバから新たに更新データが送信された場合、作成主体が異なる2種類のデータが混在する更新前の地図データを、地図配信サーバから新たに送信された更新データによって更新することとなる。更新前の地図データに含まれる編集データと、地図配信サーバから新たに送信された更新データとは作成主体が異なるため、これらの間で不整合が生じ、容易に地図データを更新することができないという問題があった。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたものであり、ユーザ端末にて独自に地図データが更新できる構成において、地図配信センタが作成した地図更新データによって容易に地図データが更新できる技術の提供を目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明において、地図データ記録手段は、サーバ地図データとユーザ独自地図データとを結合させた結合地図データを記録する。サーバ地図データは、地図配信サーバにて作成された地図データである。ユーザ独自地図データは、ユーザ端末にて作成されたユーザ地図データから当該ユーザ地図データとサーバ地図データとの重複部分を除いた地図データである。特定データ記録手段は、ユーザ独自地図データを特定する特定データを記録する。ユーザ独自地図データ取得手段は、サーバ地図データを更新するための地図データであって地図配信サーバにて作成されたサーバ地図更新データを取得した場合に、ユーザ独自地図データから当該ユーザ独自地図データとサーバ地図更新データとの重複部分を除いた地図データを新たなユーザ独自地図データとして取得する。地図データ更新手段は、サーバ地図更新データによってサーバ地図データを更新した中間地図データを作成し、新たなユーザ独自地図データを中間地図データに結合した地図データで結合地図データを更新する。特定データ更新手段は、新たなユーザ独自地図データを特定するデータで特定データを更新する。また、地図データ更新手段は、中間地図データを構成する要素データの識別符号と重複しない識別符号を新たなユーザ独自地図データの要素データに付与し、当該新たなユーザ独自地図データを中間地図データに結合した地図データで結合地図データを更新する。
前記の構成において、ユーザ独自地図データ取得手段は、サーバ地図更新データを取得した場合に、ユーザ独自地図データから当該ユーザ独自地図データとサーバ地図更新データとの重複部分を除いた地図データを新たなユーザ独自地図データとして取得する。すなわち、ユーザ独自地図データ取得手段は、特定データに基づいて結合地図データのなかからユーザ独自地図データを特定し、当該特定したユーザ独自地図データからサーバ地図更新データとの重複部分を除くことにより、新たなユーザ独自地図データを取得する。もとのユーザ独自地図データはサーバ地図データと重複しない地図データであるため、もとのユーザ独自地図データからサーバ地図更新データとの重複部分を除いた新たなユーザ独自地図データは、サーバ地図データとサーバ地図更新データとの双方と重複しない地図データとなる。すなわち、新たなユーザ独自地図データは、サーバ地図更新データが地図配信サーバにて作成された状況においてもなおユーザ端末にて独自に作成された地図データを意味する。
地図データ更新手段は、サーバ地図更新データによってサーバ地図データを更新した中間地図データを作成する。なお、特定データに基づいてユーザ独自地図データを特定できるため、当該特定したユーザ独自地図データを結合地図データから除いた部分をサーバ地図データとして特定できる。ここで、サーバ地図データは地図配信サーバによって作成された地図データであり、サーバ地図更新データも同じく地図配信サーバによって作成された地図データである。すなわち、サーバ地図データとサーバ地図更新データとは、作成主体がともに地図配信サーバであり、互いに整合するように作成できる。従って、地図データ更新手段は、サーバ地図更新データによって当該サーバ地図更新データと整合するサーバ地図データを容易に更新できる。具体的には、サーバ地図データとサーバ地図更新データとの間で重複を排除する処理を行うことなく、結合地図データを更新することができる。ここで、2個の地図データが重複するとは、一方の地図データを構成する要素データと、他方の地図データを構成する要素データとが重複することを意味する。また、要素データが重複するとは、複数の要素データが同一の地物について同一種類の情報を示すことを意味する。要素データとは地図データを構成するデータであり、交差点や道路区間や施設等を個々に示すデータである。例えば、同一の道路区間についてのリンクデータ(要素データ)が2個の地図データのそれぞれに含まれる場合、当該2個の地図データが重複することとなる。
さらに、地図データ更新手段は、新たなユーザ独自地図データを中間地図データに結合した地図データで結合地図データを更新する。上述したように、新たなユーザ独自地図データはサーバ地図データとサーバ地図更新データとの双方と重複しない地図データであるため、新たなユーザ独自地図データを中間地図データに結合した更新後の結合地図データにて要素データの重複が生じない。すなわち、新たなユーザ独自地図データと中間地図データとの間で重複を排除する処理を行うことなく、結合地図データを更新することができる。さらに、特定データ更新手段は、新たなユーザ独自地図データを特定するデータで特定データを更新するため、次にサーバ地図更新データを取得した場合にも、更新後の特定データに基づいて更新後の結合地図データのなかからサーバ地図データを特定できる。
ここで、ユーザ独自地図データとサーバ地図更新データとが重複する場合、ユーザ独自地図データのうちサーバ地図更新データと重複する重複部分(以下、ユーザ側重複部分)と、サーバ地図更新データのうちユーザ独自地図データと重複する重複部分(以下、サーバ側重複部分)とが存在する。ユーザ側重複部分とサーバ側重複部分とは、ともに同一の地物について同一の種類の情報を示す要素データであるが、それぞれの作成主体がユーザ端末と地図配信サーバとで異なる。地図データ更新手段は、サーバ側重複部分を含むサーバ地図更新データによってサーバ地図データを更新した中間地図データを作成するため、中間地図データにサーバ側重複部分を反映させることができる。さらに、地図データ更新手段は、ユーザ独自地図データから当該ユーザ独自地図データとサーバ地図更新データとの重複部分(ユーザ側重複部分)を除いた新たなユーザ独自地図データを中間地図データに結合した地図データで結合地図データを更新するため、ユーザ側重複部分を更新後の結合地図データに反映させないようにすることができる。すなわち、地図データ更新手段は、更新後の結合地図データに対して、ユーザ端末が独自に作成したユーザ側重複部分ではなく、地図配信サーバが作成したサーバ側重複部分を選択的に反映させることができる。ユーザ側重複部分はもとの結合地図データに含まれていた地図データであるため、結合地図データを更新することにより、実質的にユーザ側重複部分をサーバ側重複部分で差し替えることができる。従って、地図配信サーバにおいてユーザ端末よりも信頼性が大きい地図データを作成する構成において、ユーザ側重複部分をサーバ側重複部分で差し替えるように結合地図データを更新することにより、結合地図データの信頼性を向上させることができる。
ユーザ独自地図データ取得手段は、ユーザ独自地図データにおいてサーバ地図更新データとの重複部分を抽出し、当該重複部分をユーザ独自地図データから除くことにより、新たなユーザ独自地図データを取得する。ここで、ユーザ独自地図データは結合地図データの一部に過ぎず、サーバ地図更新データもサーバ地図データのうち更新にかかる一部に過ぎない。従って、ユーザ独自地図データとサーバ地図更新データとのそれぞれ含まれる要素データの数は多くならず、小さい処理負荷でユーザ独自地図データとサーバ地図更新データとの重複部分を抽出できる。なお、サーバ地図更新データによってサーバ地図データの全体を更新する場合もあり得るが、道路や施設等の新設に応じてサーバ地図更新データが作成される場合が多いため、サーバ地図更新データもサーバ地図データのうち更新にかかる一部に過ぎない場合が多い。
なお、地図データ記録手段と特定データ記録手段とは同一の記録媒体によって実現されてもよいし、互いに独立した記録媒体によって実現されてもよい。特定データは、結合地図データのうちユーザ独自地図データが特定可能なデータであればよく、ユーザ独自地図データそのものであってもよい。また、特定データは、ユーザ独自地図データを構成する要素データに付与された識別符号を特定するデータであってもよい。さらに、特定データは、ユーザ独自地図データが記録されている記録媒体における物理的なアドレスを特定するデータであってもよい。
さらに、地図データ更新手段は、中間地図データを構成する要素データの識別符号と重複しない識別符号を新たなユーザ独自地図データの要素データに付与し、当該新たなユーザ独自地図データを中間地図データに結合した地図データで結合地図データを更新する。サーバ地図更新データを構成する要素データの識別符号は、当該サーバ地図更新データを作成する地図配信サーバによって付与される。一方、ユーザ地図データを構成する要素データの識別符号は、当該ユーザ地図データを作成するユーザ端末によって付与される。従って、地図配信サーバがサーバ地図更新データを構成する要素データにどのような識別符号を付与されるかを、ユーザ端末が認知することは困難である。さらに、識別符号は予め割り当てられた有限の範囲内において選択されるものであるため、ユーザ端末は、サーバ地図更新データを構成する要素データの識別符号と重複する識別符号を、ユーザ地図データを構成する要素データに付与するおそれがある。すなわち、サーバ地図更新データに由来する中間地図データを構成する要素データの識別符号と、ユーザ地図データに由来する新たなユーザ独自地図データを構成する要素データの識別符号とが重複するおそれがある。これに対して、中間地図データを構成する要素データの識別符号と重複しない識別符号を新たなユーザ独自地図データの要素データに付与することにより、識別符号を重複させることなく新たなユーザ独自地図データを中間地図データに結合させることができる。従って、更新後の結合地図データにおいても識別符号が重複しないようにすることができる。一方、サーバ地図データとサーバ地図更新データとはいずれも地図配信サーバにて作成された地図データであるため、地図配信サーバは、識別符号が重複しないようにサーバ地図データとサーバ地図更新データとを作成できる。従って、地図データ更新手段は、識別符号の重複を排除する処理を行うことなく、サーバ地図更新データによってサーバ地図データを更新した中間地図データを容易に作成できる。
本発明の地図データ記録システムは、サーバ地図更新データを取得した場合に、特定データに基づいて、結合地図データからユーザ独自地図データを除くことによりサーバ地図データを復元する復元手段を備えてもよい。そして、地図データ更新手段は、復元されたサーバ地図データをサーバ地図更新データによって更新することにより中間地図データを作成してもよい。このように、サーバ地図データを復元しておくことにより、復元したサーバ地図データを、当該サーバ地図データと整合するサーバ地図更新データによって容易に更新できる。
さらに、サーバ地図データは、第1地図データと第2地図データとが結合した地図データであってもよい。そして、特定データ記録手段は、第2地図データを特定する部分特定データを記録してもよい。これにより、部分特定データに基づいて、結合地図データのうち第2地図データを特定することができる。
サーバ地図更新データとして、第2地図データの差替データを取得した場合には、以下のようにして地図データを更新するようにしてもよい。すなわち、復元手段は、特定データと部分特定データとに基づいて、結合地図データからユーザ独自地図データと第2地図データとを除くことにより第1地図データを復元してもよい。そして、地図データ更新手段は、第2地図データの差替データを第1地図データに結合した中間地図データを作成し、新たなユーザ独自地図データを中間地図データに結合した地図データで結合地図データを更新してもよい。すなわち、第2地図データの差替データでサーバ地図データを更新する場合には、第2地図データを含まない状態まで復元したサーバ地図データ(第1地図データ)と差替データとを結合させることにより、第2地図データの差替データをもとの第2地図データと差し替えることができる。さらに、特定データ更新手段は、第2地図データの差替データを特定するデータで部分特定データを更新してもよい。これにより、更新後の部分特定データに基づいて、更新によって差替データに差し替えられた第2地図データを特定することができる。
一方、サーバ地図更新データとして、第2地図データの追加データを取得した場合に、以下のようにして地図データを更新するようにしてもよい。すなわち、復元手段は、特定データに基づいて、結合地図データからユーザ独自地図データを除くことによりサーバ地図データを復元してもよい。そして、地図データ更新手段は、第2地図データの追加データをサーバ地図データに結合した中間地図データを作成し、新たなユーザ独自地図データを中間地図データに結合した地図データで結合地図データを更新してもよい。すなわち、サーバ地図データにそのまま(第2地図データをサーバ地図データから除くことなく)第2地図データの追加データを結合させることにより、サーバ地図データに第2地図データの追加データを追加してもよい。第2地図データの追加データを追加する場合には、第2地図データをサーバ地図データから除く必要がないため、処理負荷を軽減できる。さらに、特定データ更新手段は、第2地図データと当該第2地図データの追加データとを結合した地図データを特定するデータで部分特定データを更新してもよい。これにより、更新後の部分特定データに基づいて、更新によって追加データが結合された第2地図データを特定することができる。
さらに、ユーザ独自地図データを構成する要素データと重複しない要素データによって構成され、かつ、ユーザ独自地図データを構成する要素データの識別符号と重複しない識別符号が付与された要素データによって構成された第2地図データの追加データを、サーバ地図更新データとして取得した場合に、以下のようにして地図データを更新するようにしてもよい。すなわち、地図データ更新手段は、サーバ地図更新データをそのまま結合地図データに結合した地図データで結合地図データを更新してもよい。つまり、サーバ地図更新データを結合地図データに結合しても、要素データの重複や識別符号の重複が生じない場合には、サーバ地図更新データをそのまま結合地図データに結合させればよい。これにより、復元手段による処理が省略できる。
ユーザ独自地図データを構成する要素データに対応する地物の存在地域とサーバ地図データの追加データを構成する要素データに対応する地物の存在地域とが重複しない場合、ユーザ独自地図データを構成する要素データとサーバ地図データの追加データを構成する要素データとが互いに同一の地物を示すデータとなる可能性は低い。単一の地物が複数の地域に跨って存在する可能性は低いからである。また、要素データに対応する地物の存在地域ごとに識別符号を割り当てる数値範囲を異ならせておけば、ユーザ独自地図データを構成する要素データの識別符号と、サーバ地図データの追加データを構成する要素データの識別符号とが重複することはない。従って、ユーザ独自地図データを構成する要素データに対応する地物の存在地域と重複しない地域に存在する地物を示す要素データによって構成されたサーバ地図データの追加データを、サーバ地図更新データとして取得した場合にも、サーバ地図更新データをそのまま結合地図データに結合した地図データで結合地図データを更新してもよい。これにより、ユーザ独自地図データとサーバ地図データの追加データとの間で、要素データの重複や識別符号の重複を判定する処理負荷を軽減できる。
さらに、ユーザ独自地図データを構成する要素データに対応する地物のカテゴリとサーバ地図データの追加データを構成する要素データに対応する地物のカテゴリとが重複しない場合、ユーザ独自地図データを構成する要素データとサーバ地図データの追加データを構成する要素データとが互いに同一の地物を示す重複したデータとなることはない。また、地物のカテゴリごとに識別符号を割り当てる数値範囲を異ならせておけば、ユーザ独自地図データを構成する要素データの識別符号と、サーバ地図データの追加データを構成する要素データの識別符号とが重複することはない。従って、ユーザ独自地図データを構成する要素データに対応する地物のカテゴリと重複しないカテゴリの地物を示す要素データによって構成されたサーバ地図データの追加データを、サーバ地図更新データとして取得した場合にも、サーバ地図更新データをそのまま結合地図データに結合した地図データで結合地図データを更新してもよい。これにより、ユーザ独自地図データとサーバ地図データの追加データとの間で、要素データの重複や識別符号の重複を判定する処理負荷を軽減できる。
また、ユーザ端末は、結合地図データと重複しないユーザ地図データの追加データを作成してもよい。結合地図データをユーザ端末にて使用するために、結合地図データをユーザ端末が備える記録媒体に記録させる構成において、ユーザ端末は結合地図データを参照して当該結合地図データと重複しないユーザ地図データの追加データを作成できる。このような場合に、地図データ更新手段は、結合地図データにユーザ地図データの追加データを結合した地図データで結合地図データを更新してもよい。ユーザ地図データの追加データは、結合地図データと重複しないように作成されているため、結合地図データとユーザ地図データの追加データとの間で重複を排除する処理を行うことなく、結合地図データを更新することができる。さらに、特定データ更新手段は、ユーザ地図データの追加データをユーザ独自地図データに結合した地図データを特定するデータで特定データを更新してもよい。これにより、更新後の特定データに基づいて、追加データが追加された更新後のユーザ独自地図データを特定できる。
なお、本発明のように、ユーザ地図データとサーバ地図データとが結合した結合地図データを更新する手法は、この処理を行う方法やプログラムとしても適用可能である。また、本発明の手法を適用した地図データ記録方法、プログラムは、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置として実現される場合もある。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、地図データ記録システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
ナビゲーション装置のブロック図である。 (2A)はサーバ地図更新データの模式図、(2B),(2C)は結合地図更新データの模式図、(2D)は新たなユーザ独自地図データを示すベン図である。 (3A)〜(3E)は結合地図データを更新する様子を説明する模式図である。 地図データ更新処理のフローチャートである。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)地図データ記録システムの構成:
(1−1)サーバ地図更新データの詳細:
(1−2)結合地図データの詳細:
(1−3)地図データ更新プログラムの構成:
(2)地図データ更新処理:
(3)他の実施形態:
(1)地図データ記録システムの構成:
図1は、本実施形態の一実施形態にかかる地図データ記録システムとしてのナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両に備えられている。ナビゲーション装置10は、CPUとRAMとROM等を備える制御部20と記録媒体30とを備えており、当該記録媒体30やROMに記録された地図データ更新プログラム21を制御部20が実行する。
車両は、位置センサ41と通信部42とを備えている。位置センサ41は、車両の現在位置を特定するためのデータを取得するセンサであり、GPS受信部と車速センサとジャイロセンサ等で構成される。制御部20は、GPS受信部、車速センサ、及びジャイロセンサ等の位置センサ41から出力された信号に基づいて車両の現在位置を特定する。通信部42は、ナビゲーション装置10と地図配信サーバ110とが無線通信を行うための回路である。ナビゲーション装置10は地図配信サーバ110にプローブデータPを送信し、地図配信サーバ110はナビゲーション装置10にサーバ地図更新データdSを送信する。プローブデータPは、記録媒体30に記録された結合地図データXに規定されている既存の道路区間以外を車両が走行した場合における車両の走行軌跡(現在位置の軌跡)を示すデータである。サーバ地図更新データdSは、記録媒体30に記録されている結合地図データXを更新するための地図データである。結合地図データXは、道路区間同士が接続する点(交差点)に設けられたノードを示すノードデータと、ノード同士を接続する道路区間の形状を示すリンクデータとを含む。ノードデータは、交差点に対応するノードごとに設けられており、ノードデータのそれぞれについて固有の識別符号IDが付与されている。リンクデータは、道路区間ごとに設けられており、道路区間の両端のノードを特定する情報と、道路区間上に存在する複数の形状補間点の位置を特定する情報(形状補間点データ)とを含む。また、リンクデータのそれぞれについて固有の識別符号IDが付与されている。ノードデータとリンクデータとは、要素データに相当する。
(1−1)サーバ地図更新データの詳細:
地図配信サーバ110は、CPUとRAMとROM等を備える図示しない制御部と記録媒体とを備え、記録媒体に基準地図データYが記録されている。図示しないが地図配信サーバ110は、複数の車両と通信する。基準地図データYは、統計地図データAと測量地図データMとが結合した地図データである。統計地図データAは、ナビゲーション装置10から送信されたプローブデータPに基づいて地図配信サーバ110の制御部が作成した地図データである。地図配信サーバ110の制御部は、同一の道路区間を走行したと判断できる走行軌跡を示すプローブデータPが所定個数以上取得された場合に、当該走行軌跡を平均した軌跡である平均走行軌跡に対応する新たな道路区間を定義し、当該新たな道路区間に基づいてリンクデータとノードデータとを作成する。なお、地図配信サーバ110の制御部は、互いの平行度が閾値以上であり、かつ、互いの距離が閾値以下である複数の道路区間を同一の道路区間とみなす。
地図配信サーバ110の制御部は、新たな道路区間に対応する平均走行軌跡の端点、すなわち新たな道路区間と基準地図データYに規定されている既存の道路区間とが接続する点に新たなノードを設定し、当該ノードの位置を特定するノードデータを作成する。ただし、地図配信サーバ110の制御部は、新たな道路区間に対応する平均走行軌跡の端点が、基準地図データYのノードデータに規定されている既存のノードと所定距離以内である場合には、新たなノードを設定しない。この場合、既存の交差点から新たな道路区間が延びていると考えられる。地図配信サーバ110の制御部は、新たな道路区間の端点のノードを特定する情報と、新たな道路区間に対応する平均の走行軌跡から抽出した複数の形状補間点の位置を特定する情報とを含むリンクデータを作成する。
図2Aは、基準地図データYが更新される様子を示す模式図である。図2Aの左図に示すように基準地図データYは要素データeによって構成され、要素データeには固有の識別符号IDが付与されている。地図配信サーバ110の制御部は、プローブデータPに基づいて作成された要素データe(ノードデータおよびリンクデータ)を取得し、当該要素データeで構成される統計地図作成データcAを作成する。例えば、地図配信サーバ110の制御部は、所定の時間周期ごと、または、所定個数の要素データeが記録媒体に記録されるごとに、統計地図作成データcAを作成する。基準地図データYのうち統計地図データAは、統計地図作成データcAが蓄積した地図データである。
一方、地図配信サーバ110の制御部は、外部のコンピュータにて作成された測量地図追加データdMを通信や記録媒体を介して取得する。測量地図追加データdMは、地図データ作成業者が交差点や道路区間の位置を測量することにより作成した地図データであり、要素データeによって構成される。すなわち、測量によって位置が特定された新たな交差点を示すノードデータ、および、測量によって形状や位置が特定された新たな道路区間を示すリンクデータが測量地図追加データdMを構成する要素データeとなる。なお、統計地図データAは走行中の車両にて計測された現在位置に基づくプローブデータPを用いて作成されるのに対して、測量地図追加データdMは各地点における測量結果に基づいて作成されるため、測量地図追加データdMの方が統計地図データAよりも要素データeが示す情報の信頼性が大きい。基準地図データYのうち測量地図データMは、測量地図追加データdMが蓄積した地図データである。
地図配信サーバ110の制御部は、統計地図作成データcAまたは測量地図追加データdMが取得された場合に、基準地図データYを更新するとともに、当該基準地図データYの更新をナビゲーション装置10の結合地図データXに反映させるためのサーバ地図更新データdSを作成し、ナビゲーション装置10に送信する。サーバ地図更新データdSを構成する地図データの種類ごとに更新地図ステータス(1)〜(4)を定義し、当該更新地図ステータス(1)〜(4)を図2Aの右端に示す。
地図配信サーバ110の制御部は、測量地図追加データdMを取得した場合、測量地図追加データdMに基づいて基準地図データYを更新する。まず、地図配信サーバ110の制御部は、測量地図追加データdMを取得すると、統計地図データAの更新が必要であるか否かを判定する。地図配信サーバ110の制御部は、統計地図データAのうち当該統計地図データAと測量地図追加データdMとの重複部分A(dM)が存在する場合、統計地図データAの更新が必要であると判定する。この重複部分A(dM)は、統計地図データAを構成する要素データeのうち、測量地図追加データdMの要素データeと同一の交差点または道路区間を示す要素データeを意味する。なお、本明細書において、任意の集合G1,G2についてG1(G2)と表記した場合、集合G1のうち当該集合G1と集合G2との重複部分を意味することとする。同一の交差点とは所定距離以内の交差点を意味し、同一の道路区間とは互いの平行度が閾値以上であり、かつ、互いの距離が閾値以下である道路区間を意味する。
統計地図データAに測量地図追加データdMとの重複部分A(dM)が存在しない場合、地図配信サーバ110の制御部は、測量地図追加データdMを基準地図データYに結合した地図データで基準地図データYを更新する。これにより、基準地図データY(測量地図データM)に測量地図追加データdMを追加することができる。このとき、地図配信サーバ110の制御部は、測量地図追加データdMを構成する要素データeのそれぞれに対して、基準地図データYを構成する要素データeにすでに付与されている識別符号IDと重複しない固有の識別符号IDを付与する。そして、地図配信サーバ110の制御部は、測量地図追加データdMで構成されるサーバ地図更新データdS(=dM)を作成し、ナビゲーション装置10に送信する(更新地図ステータス(1))。
一方、統計地図データAに測量地図追加データdMとの重複部分A(dM)が存在する場合、地図配信サーバ110の制御部は、統計地図データAから当該重複部分A(dM)を除くことにより、統計地図データA(=A−A(dM))を更新する。統計地図データAから当該重複部分A(dM)を除くことにより更新した統計地図データAを、統計地図差替データ[A]と表記することとする。地図配信サーバ110の制御部は、統計地図データAが更新された基準地図データY(=M+[A])と測量地図追加データdMとを結合した地図データで基準地図データY(=M+[A]+dM)を更新する。この場合も、地図配信サーバ110の制御部は、測量地図追加データdMを構成する要素データeのそれぞれに対して、基準地図データYを構成する要素データeにすでに付与されている識別符号IDと重複しない固有の識別符号IDを付与する。なお、任意の集合G1,G2についてG1−G2と表記した場合、G1からG2を除いた集合を意味する。また、任意の集合G1,G2についてG1+G2と表記した場合、G1とG2との和集合を意味する。
統計地図差替データ[A]を作成すると、地図配信サーバ110の制御部は、測量地図追加データdMと統計地図差替データ[A]とを結合したサーバ地図更新データdS(=dM+[A])を作成し、当該サーバ地図更新データdSをナビゲーション装置10に送信する(更新地図ステータス(2))。
以上のように、統計地図データAに測量地図追加データdMとの重複部分A(dM)が存在する場合に、統計地図データAから当該重複部分A(dM)を除いておくことにより、測量地図追加データdMをそのまま基準地図データYに結合しても同一の交差点または道路区間についての要素データeが重複することを防止できる。ここで、測量地図追加データdMは、そのまま基準地図データYに結合されるため、測量地図追加データdMのうち統計地図データAと重複する重複部分dM(A)は基準地図データYに取り込まれることとなる。従って、統計地図データAのうち測量地図追加データdMと重複する重複部分A(dM)と、測量地図追加データdMのうち統計地図データAと重複する重複部分dM(A)とのうち信頼性の大きい測量地図追加データdM側の重複部分dM(A)を選択的に基準地図データYに反映させることができる。
地図配信サーバ110の制御部は、統計地図作成データcAを作成した場合、基準地図データYにおける統計地図データAを統計地図作成データcAに基づいて更新する。地図配信サーバ110の制御部は、統計地図作成データcAのうち測量地図データMと重複する重複部分cA(M)を抽出し、統計地図作成データcAから当該重複部分cA(M)を除いた地図データ(cA−cA(M))を統計地図追加データdAとして作成する。そして、地図配信サーバ110の制御部は、統計地図追加データdAを統計地図データAに結合することにより、統計地図データA(=A+dA)を更新する。このとき、地図配信サーバ110の制御部は、統計地図追加データdAを構成する要素データeのそれぞれに対して、基準地図データYを構成する要素データeにすでに付与されている識別符号IDと重複しない固有の識別符号IDを付与する。なお、統計地図作成データcAのうち測量地図データMとの重複部分cA(M)が存在しない場合、地図配信サーバ110の制御部は、統計地図作成データcAと同一の統計地図追加データdAを作成する。
統計地図追加データdAを作成すると、地図配信サーバ110の制御部は、統計地図追加データdAで構成されるサーバ地図更新データdS(=dA)を作成し、ナビゲーション装置10に送信する(更新地図ステータス(3))。ただし、地図配信サーバ110の制御部は、所定の差替条件に該当する場合には、統計地図追加データdAを統計地図データAに結合した統計地図差替データ[A](=A+dA)を作成し、当該統計地図差替データ[A]をナビゲーション装置10に送信する(更新地図ステータス(4))。差替条件に該当する場合とは、例えば統計地図差替データ[A]のデータ量と統計地図追加データdAのデータ量の差が閾値以下の場合であってもよい。また、差替条件に該当する場合とは、もとの統計地図データAに修正を加えた上で当該統計地図データAと統計地図追加データdAとを結合することにより、統計地図データAを更新した場合であってもよい。例えば、統計地図データAを構成する要素データeの識別符号IDを全体的に修正した場合に、統計地図差替データ[A]をナビゲーション装置10に送信してもよい。
以上のように、統計地図作成データcAから当該重複部分cA(M)を除いた統計地図追加データdAを基準地図データYに結合することにより、同一の交差点または道路区間についての要素データeが重複することを防止できる。ここで、測量地図データMは、そのまま基準地図データYに残存するため、測量地図データMのうち統計地図作成データcAとの重複部分M(cA)も基準地図データYに残存することとなる。従って、統計地図作成データcAのうち測量地図データMとの重複部分cA(M)と、測量地図データMのうち統計地図作成データcAとの重複部分M(cA)とのうち信頼性の大きい測量地図データMに含まれる重複部分M(cA)を選択的に基準地図データYに残存させることができる。
以上説明したように、更新地図ステータス(1)〜(4)において、それぞれサーバ地図更新データdSとして、dM,dM+[A],dA,[A]がナビゲーション装置10に送信されることとなる。また、基準地図データYを構成する要素データeの識別符号IDは重複しない。さらに、同一の交差点または道路区間を示す要素データeが重複する場合には、信頼度が大きい測量地図データM(測量地図追加データdM)の要素データeを優先して基準地図データYに存在させるため、基準地図データYの信頼性を向上させることができる。
(1−2)結合地図データの詳細:
次に、ナビゲーション装置10の記録媒体30に記録されている結合地図データXについて説明する。図2Bは、結合地図データXを示す模式図である。図2Bの右図に示すように、結合地図データXは、サーバ地図データSとユーザ独自地図データDとが結合した地図データである。サーバ地図データSは、第1部分としての測量地図データMと、第2部分としての統計地図データAとで構成される。結合地図データXにおける測量地図データMは、地図配信サーバ110の基準地図データYにおける測量地図データMを複製した地図データである。同様に、結合地図データXにおける統計地図データAは地図配信サーバ110の基準地図データYにおける統計地図データAを複製した地図データである。従って、サーバ地図データSは、地図配信サーバ110にて作成された地図データである。図2Bの右図に示す結合地図データXを構成するユーザ独自地図データDと測量地図データMと統計地図データAとはそれぞれ固有の識別符号IDが付与された要素データeで構成される。
ユーザ独自地図データDは、ユーザ端末としてのナビゲーション装置10にて作成されたユーザ地図データUに由来する地図データである。具体的に、ユーザ独自地図データDは、ユーザ地図データU(図2Bの左図の破線枠)から当該ユーザ地図データUとサーバ地図データSとの重複部分U(M),U(A)(図2Bの左図のハッチング)を除いた地図データ(U−(U(A+M)))である。ユーザ地図データUは、プローブデータPに基づいてナビゲーション装置10が独自に作成した地図データである。ユーザ地図データUの詳細については後述する。
結合地図データXは、測量地図データMと統計地図データAとユーザ独自地図データDとから構成され得るが、必ずしも測量地図データMと統計地図データAとユーザ独自地図データDとが結合された地図データでなくてもよい。また、サーバ地図データSは、必ずしも測量地図データMと統計地図データAとで構成されなくてもよく、測量地図データMのみで構成されてもよい。測量地図データMのみで構成される結合地図データXの状態を結合地図ステータス(a)と定義する。この場合、サーバ地図データSは、測量地図データMのみで構成される。測量地図データMとユーザ独自地図データDとで構成される結合地図データXの状態を結合地図ステータス(b)と定義する。この場合も、サーバ地図データSは、測量地図データMのみで構成される。測量地図データMと統計地図データAとで構成される結合地図データXの状態を結合地図ステータス(c)と定義する。この場合、サーバ地図データSは、測量地図データMと統計地図データAとで構成される。測量地図データMと統計地図データAとユーザ独自地図データDとで構成される結合地図データXの状態を結合地図ステータス(d)と定義する。この場合も、サーバ地図データSは、測量地図データMと統計地図データAとで構成される。
図1に示すように記録媒体30には、特定データHDと部分特定データHAとが記録されている。図2Bの右図にて一点鎖線で示すように、特定データHDは、ユーザ独自地図データDの要素データeの識別符号IDを特定するデータである。すなわち、特定データHDは、結合地図データXのうちユーザ独自地図データDを特定するデータである。また、図2Bの右図にて二点鎖線で示すように、部分特定データHAは、統計地図データAの要素データeの識別符号IDを特定するデータである。すなわち、部分特定データHAは、結合地図データXのうちサーバ地図データSの第2部分である統計地図データAを特定するデータである。なお、ナビゲーション装置10の記録媒体30は、地図データ記録手段と特定データ記録手段とを構成する。
(1−3)地図データ更新プログラムの構成:
地図データ更新プログラム21は、プローブデータ送信部21aとユーザ地図データ作成部21bとサーバ地図更新データ取得部21cと復元部21dとユーザ独自地図データ取得部21eと地図データ更新部21fと特定データ更新部21gとを含む。プローブデータ送信部21aは、プローブデータPを作成し、当該プローブデータPを地図配信サーバ110に送信する機能を制御部20に実行させるモジュールである。プローブデータ送信部21aの機能により制御部20は、車両の現在位置が結合地図データXを構成するいずれかの要素データeが示す既存の道路区間上に存在しなくなってから、次に現在位置が既存の道路区間上に移動するまでの期間における車両の現在位置の軌跡(走行軌跡)を示すプローブデータPを作成する。制御部20は、通信部42を介してプローブデータPを地図配信サーバ110に送信する。
ユーザ地図データ作成部21bは、ユーザ地図データUの追加データ(ユーザ地図追加データdU)を作成する機能を制御部20に実行させるモジュールである。ユーザ地図データ作成部21bの機能により制御部20は、プローブデータPが地図配信サーバ110に送信されると、当該プローブデータPに基づいて要素データe(リンクデータ,ノードデータ)を作成する。そして、制御部20は、プローブデータPに基づいて作成した要素データeで構成される地図データをユーザ地図追加データdUとして作成する。ユーザ地図データ作成部21bの機能により制御部20は、ユーザ地図追加データdUを構成する要素データeに対して、記録媒体30に記録されている結合地図データXを構成するすべての要素データeと重複しない固有の識別符号を付与する。ナビゲーション装置10の制御部20がプローブデータPに基づいてユーザ地図追加データdUを作成する手順は、地図配信サーバ110の制御部が複数のプローブデータPに基づいて統計地図作成データcAを作成する手順と同様である。ただし、ナビゲーション装置10の制御部20が単一のプローブデータPに基づいてユーザ地図追加データdUを作成するのに対して、地図配信サーバ110の制御部は複数のプローブデータPを統計処理(平均)することより統計地図作成データcAを作成する点が異なる。そのため、統計地図作成データcAに基づく統計地図データAは、ユーザ地図追加データdUに基づくユーザ地図データUよりも信頼性が大きい地図データとなる。従って、測量地図データM、統計地図データA、ユーザ地図データU(ユーザ独自地図データD)の順に信頼性が大きいと言える。
サーバ地図更新データ取得部21cは、サーバ地図更新データdSを取得する機能を制御部20に実行させるモジュールである。すなわち、サーバ地図更新データ取得部21cの機能により制御部20は、通信部42を介して地図配信サーバ110からサーバ地図更新データdSを受信する。
復元部21dは、サーバ地図データSを更新するための地図データであって地図配信サーバ110にて作成されたサーバ地図更新データdSを取得した場合に、特定データHDに基づいて、結合地図データXからユーザ独自地図データDを除くことによりサーバ地図データSを復元する機能を制御部20に実行させるモジュールである。具体的に、復元部21dの機能により制御部20は、地図配信サーバ110が送信したサーバ地図更新データdSの更新地図ステータス(1)〜(4)と、記録媒体30に記録されている結合地図データXの結合地図ステータス(a)〜(d)との組み合わせに応じて復元する処理を実行する。
Figure 2014126647
表1は、復元部21dの機能によって復元される地図データを、更新地図ステータス(1)〜(4)と結合地図ステータス(a)〜(d)との組み合わせごとに示す表である。
表1に示すように、サーバ地図更新データdSとして、第2地図データ(統計地図データA)の追加データ(統計地図追加データdA)を取得した場合に、すなわち更新地図ステータス(3)の場合、復元部21dの機能により制御部20は、特定データHDに基づいて、結合地図データXからユーザ独自地図データDを除くことによりサーバ地図データSを復元する。また、サーバ地図更新データdSとして、測量地図データMの追加データ(測量地図追加データdM)を取得した場合、すなわち更新地図ステータス(1)の場合も、制御部20は、特定データHDに基づいて、結合地図データXからユーザ独自地図データDを除くことによりサーバ地図データSを復元する。具体的に、制御部20は、特定データHDにて特定されている識別符号IDが付与された要素データeを結合地図データXから除くことにより、サーバ地図データSを復元する。表1に示すように、更新地図ステータス(1),(3)の場合、結合地図ステータス(a)〜(d)に拘わらず、もとの結合地図データXにおけるサーバ地図データSと復元後の地図データとが一致する。なお、もとの結合地図データXがユーザ独自地図データDを含まない場合、すなわち結合地図ステータス(a),(c)の場合に、結合地図データXからユーザ独自地図データDを除くことを要しない。
図3Aは更新地図ステータス(1)、かつ、結合地図ステータス(d)において結合地図データXが更新される様子を示す模式図である。図3Cは更新地図ステータス(3)、かつ、結合地図ステータス(d)において結合地図データXが更新される様子を示す模式図である。図3A,3Cに示すように、サーバ地図更新データdSとして、サーバ地図データSに追加する統計地図追加データdAまたは測量地図追加データdMを取得した場合、ユーザ独自地図データDのみが結合地図データXから除かれることとなる。
一方、サーバ地図更新データdSとして、第2地図データ(統計地図データA)の差替データ(統計地図差替データ[A])を含む地図データ(dM+[A]または[A])を取得した場合、すなわち更新地図ステータス(2),(4)の場合に、復元部21dの機能により制御部20は、特定データHDと部分特定データHAとに基づいて、結合地図データXからユーザ独自地図データDと第2地図データ(統計地図データA)とを除くことにより第1地図データ(測量地図データM)を復元する。具体的に、制御部20は、特定データHDと部分特定データHAにて特定されている識別符号IDが付与された要素データeを結合地図データXから除くことにより、測量地図データMを復元する。従って、表1に示すように、更新地図ステータス(2),(4)の場合、結合地図ステータス(a)〜(d)に拘わらず、復元後の地図データが測量地図データMとなる。なお、もとの結合地図データXがユーザ独自地図データDを含まない場合、すなわち結合地図ステータス(a),(c)の場合に、結合地図データXからユーザ独自地図データDを除くことを要しない。同様に、もとの結合地図データXが統計地図データAを含まない場合、すなわち結合地図ステータス(a),(b)の場合に、結合地図データXから統計地図データAを除くことを要しない。
図3Bは更新地図ステータス(2)、かつ、結合地図ステータス(d)において結合地図データXが更新される様子を示す模式図である。図3Dは更新地図ステータス(4)、かつ、結合地図ステータス(d)において結合地図データXが更新される様子を示す模式図である。図3B,3Dに示すように、サーバ地図更新データdSとして、統計地図差替データ[A]を含む地図データを取得した場合、ユーザ独自地図データDと統計地図データAとが結合地図データXから除かれることとなる。
ユーザ独自地図データ取得部21eは、サーバ地図データSを更新するための地図データであって地図配信サーバ110にて作成されたサーバ地図更新データdSを取得した場合に、ユーザ独自地図データDから当該ユーザ独自地図データDとサーバ地図更新データdSとの重複部分を除いた地図データを新たなユーザ独自地図データD'として取得する機能を制御部20に実行させるモジュールである。まず、ユーザ独自地図データ取得部21eの機能により制御部20は、特定データHDが示す識別符号IDが付与された要素データeを結合地図データXから抽出することにより、ユーザ独自地図データDを取得する。そして、ユーザ独自地図データ取得部21eの機能により制御部20は、ユーザ独自地図データDのうち、サーバ地図更新データdSを構成する要素データeと同一の交差点または道路区間についての要素データeであるユーザ側重複部分D(dS)を抽出し、当該抽出したユーザ側重複部分D(dS)をユーザ独自地図データDから除くことにより、新たなユーザ独自地図データD'を取得する。同一の交差点とは所定距離以内の交差点を意味し、同一の道路区間とは互いの平行度が閾値以上であり、かつ、互いの距離が閾値以下である道路区間を意味する。図2Dは、ユーザ独自地図データDとサーバ地図更新データdSと新たなユーザ独自地図データD'との関係を示すベン図である。図2Dに示すように、新たなユーザ独自地図データD'は、ユーザ独自地図データDからユーザ側重複部分D(dS)を除いた地図データとなる。なお、もとの結合地図データXがユーザ独自地図データDを含まない場合、すなわち結合地図ステータス(a),(c)の場合に、新たなユーザ独自地図データD'を取得することを要しない。
地図データ更新部21fは、サーバ地図更新データdSによってサーバ地図データSを更新した中間地図データを作成し、新たなユーザ独自地図データD'を中間地図データに結合した地図データで結合地図データXを更新する機能を制御部20に実行させるモジュールである。すなわち、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、サーバ地図更新データdSを復元後の地図データに結合することにより、中間地図データを作成する。
サーバ地図更新データdSとして、第2地図データ(統計地図データA)の追加データ(統計地図追加データdA)を取得した場合、すなわち更新地図ステータス(3)の場合に、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、もとの結合地図データXを構成するサーバ地図データS(復元後の地図データ)とサーバ地図更新データdSとしての統計地図追加データdAとを結合することにより、中間地図データを作成する。同様に、サーバ地図更新データdSとして、測量地図追加データdMを取得した場合、すなわち更新地図ステータス(1)の場合も、制御部20は、もとの結合地図データXを構成するサーバ地図データS(復元後の地図データ)とサーバ地図更新データdSとしての測量地図追加データdMとを結合することにより、中間地図データを作成する。
図3A,3Cに示すように、サーバ地図更新データdSとして、サーバ地図データSに追加する統計地図追加データdA(ハッチング)または測量地図追加データdM(ハッチング)を取得した場合、ユーザ独自地図データDが除かれた復元後の地図データ(もとのサーバ地図データS)に対して統計地図追加データdAまたは測量地図追加データdMが結合された中間地図データが作成される。
一方、サーバ地図更新データdSとして、第2地図データ(統計地図データA)の差替データ(統計地図差替データ[A])を含む地図データ(dM+[A]または[A])を取得した場合、すなわち更新地図ステータス(2),(4)の場合、制御部20は、測量地図データM(復元後の地図データ)とサーバ地図更新データdS(dM+[A]または[A])とを結合することにより、中間地図データを作成する。すなわち、更新地図ステータス(2),(4)の場合、制御部20は、第1地図データ(測量地図データM)に少なくとも第2地図データ(統計地図データA)の差替データ(統計地図差替データ[A])を結合することにより、中間地図データを作成する。なお、サーバ地図データSとサーバ地図更新データdSとは地図配信サーバ110にて識別符号IDが重複しないように作成されているため、更新地図ステータス(1)〜(4)のいずれにおいても、識別符号IDを新たに付与することなく、識別符号IDが重複しない中間地図データを作成できる。
図3Bに示すように、サーバ地図更新データdSとして、統計地図差替データ[A]と測量地図追加データdMとで構成される地図データを取得した場合、ユーザ独自地図データDと統計地図データAとが除かれた復元後の地図データ(測量地図データM)に対して統計地図差替データ[A]と測量地図追加データdMとが結合された中間地図データが作成される。図3Dに示すように、サーバ地図更新データdSとして、統計地図差替データ[A]を取得した場合、ユーザ独自地図データDと統計地図データAとが除かれた復元後の地図データ(測量地図データM)に対して統計地図差替データ[A]が結合された中間地図データが作成される。
以上のように中間地図データを作成すると、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、中間地図データに新たなユーザ独自地図データD'を結合した地図データで結合地図データXを更新する。具体的に、制御部20は、もとの結合地図データXがユーザ独自地図データDを含む場合、すなわち結合地図ステータス(b),(d)の場合に、中間地図データに新たなユーザ独自地図データD'を結合した地図データを作成し、当該地図データで結合地図データXを更新する。このとき、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、中間地図データを構成する要素データeの識別符号IDと重複しない識別符号IDを新たなユーザ独自地図データD'の要素データeに付与し、当該新たなユーザ独自地図データD'を中間地図データに結合した地図データで結合地図データXを更新する。ここで、新たなユーザ独自地図データD'は、結合地図データXの一部を構成したユーザ独自地図データDの一部であるため、新たなユーザ独自地図データD'を構成する要素データeには識別符号IDがもともと付与されていることとなる。そのため、制御部20は、新たなユーザ独自地図データD'を構成する要素データeに付与されている識別符号IDを消去し、当該要素データeに識別符号IDを再付与する。一方、制御部20は、もとの結合地図データXがユーザ独自地図データDを含まない場合、すなわち結合地図ステータス(a),(c)の場合に、中間地図データで結合地図データXを更新する。
以上においては、サーバ地図更新データdSを取得した場合に、結合地図データXを更新する構成を説明したが、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、ユーザ地図追加データdUを作成した場合にも結合地図データXを更新する。図3Eは、結合地図ステータス(d)において、ユーザ地図追加データdUを作成した場合に、結合地図データXが更新される様子を示す模式図である。地図データ更新部21fの機能により制御部20は、ユーザ地図追加データdUを作成した場合に、ユーザ地図追加データdUを結合地図データXに結合した地図データで結合地図データX(=X+dU)を更新する。すなわち、図3Eに示すように、制御部20は、サーバ地図データSへの復元を行っていない結合地図データXにそのままユーザ地図追加データdUを結合する。
特定データ更新部21gは、新たなユーザ独自地図データD'を特定するデータで特定データHDを更新する機能を制御部20に実行させるモジュールである。すなわち、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、もとの結合地図データXがユーザ独自地図データDを含む場合、すなわち結合地図ステータス(b),(d)の場合に、中間地図データに結合した新たなユーザ独自地図データD'を構成する要素データeの識別符号IDを特定するデータで特定データHDを更新する。なお、中間地図データに結合した新たなユーザ独自地図データD'を構成する要素データeの識別符号IDは、中間地図データを構成する要素データeの識別符号IDと重複しないように再付与された識別符号IDである。
上述のように、ユーザ地図追加データdUを作成した場合に、ユーザ地図追加データdUを結合地図データXに結合した地図データ(=X+dU)で結合地図データXが更新される。この場合、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、ユーザ地図追加データdUをユーザ独自地図データDに結合した地図データ(=D+dU)を特定するデータで特定データHDを更新する。すなわち、制御部20は、ユーザ地図追加データdUを構成する要素データeの識別符号IDと、ユーザ独自地図データDを構成する要素データeの識別符号IDとを特定するデータで特定データHDを更新する。
サーバ地図更新データdSとして、第2地図データ(統計地図データA)の追加データ(統計地図追加データdA)を取得した場合、すなわち更新地図ステータス(3)の場合に、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、統計地図データAと当該統計地図データAの追加データ(統計地図追加データdA)とを結合した地図データを特定するデータで部分特定データHAを更新する。すなわち、制御部20は、統計地図データAと統計地図追加データdAとを構成する要素データeの識別符号IDを特定するデータで部分特定データHAを更新する。なお、更新地図ステータス(3)であり、かつ、もとの結合地図データXに統計地図データAが含まれない場合、すなわち結合地図ステータス(a),(b)の場合に、制御部20は、統計地図追加データdAを特定するデータで部分特定データHAを更新する。
一方、サーバ地図更新データdSとして、第2地図データ(統計地図データA)の差替データ(統計地図差替データ[A])を含む地図データ(dM+[A]または[A])を取得した場合、すなわち更新地図ステータス(2),(4)の場合、制御部20は、統計地図差替データ[A]を特定するデータで部分特定データHAを更新する。すなわち、制御部20は、統計地図差替データ[A]を構成する要素データeの識別符号IDを特定するデータで部分特定データHAを更新する。
前記の構成において、ユーザ独自地図データDを特定データHDに基づいて特定し、当該特定したユーザ独自地図データDを結合地図データXから除くことによりサーバ地図データSを復元できる。ここで、ユーザ独自地図データDは、ナビゲーション装置10にて作成されたユーザ地図データUから当該ユーザ地図データUとサーバ地図データSとの重複部分を除いた地図データであり、ナビゲーション装置10にて独自に作成された地図データを意味する。すなわち、結合地図データXからユーザ独自地図データDを除いてサーバ地図データSを復元することは、結合地図データXから地図配信サーバ110によって作成された地図データのみを抽出することを意味する。このように、サーバ地図データSを復元しておくことにより、地図配信サーバ110が新たに作成したサーバ地図更新データdSに基づいて、サーバ地図データSを容易に更新できる。サーバ地図データSとサーバ地図更新データとは、ともに地図配信サーバ110が作成した地図データであるため、地図配信サーバ110がサーバ地図データSと整合するサーバ地図更新データdSを作成できるからである。すなわち、サーバ地図データSとサーバ地図更新データdSとで重複を排除する処理を行うことなく、サーバ地図更新データdSに基づいてサーバ地図データSを更新できる。
もとのユーザ独自地図データDはサーバ地図データSと重複しない地図データであるため、もとのユーザ独自地図データDからサーバ地図更新データdSとのユーザ側重複部分D(dS)を除いた新たなユーザ独自地図データD'はサーバ地図データSとサーバ地図更新データdSとの双方に対して重複しない地図データとなる。従って、サーバ地図データSをサーバ地図更新データdSで更新した中間地図データに、新たなユーザ独自地図データD'を結合させた更新後の結合地図データXにて重複が生じることを防止できる。すなわち、新たなユーザ独自地図データDと中間地図データとの間で重複を排除する処理を行うことなく、結合地図データXを更新することができる。さらに、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、新たなユーザ独自地図データDを特定するデータで特定データHDを更新するため、次にサーバ地図更新データdSを取得した場合にも、更新後の特定データHDに基づいてサーバ地図データSを復元できる。
また、ユーザ独自地図データDとサーバ地図更新データdSとが重複する場合、ユーザ独自地図データDのうちサーバ地図更新データdSと重複するユーザ側重複部分D(dS)と、サーバ地図更新データdSのうちユーザ独自地図データDと重複するサーバ側重複部分dS(D)とが存在する。ユーザ側重複部分D(dS)とサーバ側重複部分dS(D)とは、ともに同一の交差点または道路区間についての情報を示す要素データeであるが、それぞれの作成主体がユーザ端末10と地図配信サーバ110とで異なる。地図データ更新部21fの機能により制御部20は、サーバ側重複部分dS(D)を含むサーバ地図更新データdSによってサーバ地図データSを更新した中間地図データを作成するため、中間地図データにサーバ側重複部分dS(D)を反映させることができる。さらに、制御部20は、ユーザ独自地図データDからユーザ側重複部分D(dS)を除いた新たなユーザ独自地図データD'を中間地図データに結合した地図データで結合地図データXを更新するため、ユーザ側重複部分D(dS)を更新後の結合地図データXに反映させないようにすることができる。すなわち、制御部20は、更新後の結合地図データXに対して、ユーザ端末10が独自に作成したユーザ側重複部分D(dS)ではなく、地図配信サーバ110が作成したサーバ側重複部分dS(D)を選択的に反映させることができる。ユーザ側重複部分D(dS)はもとの結合地図データXに含まれていた地図データであるため、結合地図データXを更新することにより、実質的にユーザ側重複部分D(dS)をサーバ側重複部分dS(D)で差し替えることができる。本実施形態において、統計地図データAと測量地図データMに由来するサーバ側重複部分dS(D)は、ユーザ端末10がプローブデータPに基づいて作成したユーザ地図データUに由来するユーザ側重複部分D(dS)よりも信頼性が大きい。従って、ユーザ側重複部分D(dS)をサーバ側重複部分dS(D)で差し替えるように結合地図データXを更新することにより、結合地図データXの信頼性を向上させることができる。
ここで、サーバ地図更新データdSは、サーバ地図データSのうち更新対象の一部のみを更新する地図データ(測量地図追加データdM、統計地図追加データdA、統計地図差替データ[A])に過ぎない。また、ユーザ独自地図データDも結合地図データXの一部に過ぎない。従って、ユーザ独自地図データDとサーバ地図更新データdSとのそれぞれ含まれる要素データeの数は多くならず、少ない処理負荷でユーザ独自地図データDにおいてサーバ地図更新データdSとの重複部分D(dS)を抽出できる。すなわち、ユーザ独自地図データ取得部21eの機能により制御部20が新たなユーザ独自地図データD'を取得するための処理負荷を軽減できる。
地図データ更新部21fの機能により制御部20は、中間地図データを構成する要素データeの識別符号IDと重複しない固有の識別符号IDを新たなユーザ独自地図データD'の要素データeに新たに付与する。これにより、識別符号IDを重複させることなく、ナビゲーション装置10が独自に識別符号IDを付与したユーザ地図データUに由来する新たなユーザ独自地図データD'と、地図配信サーバ110が識別符号IDを付与したサーバ地図更新データdSに由来する中間地図データとを結合させることができる。従って、更新後の結合地図データにおいても識別符号IDが重複しないようにすることができる。一方、サーバ地図データSとサーバ地図更新データdSとはいずれも地図配信サーバ110にて作成された地図データであるため、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、識別符号IDの重複を排除する処理を行うことなく、サーバ地図更新データdSによってサーバ地図データSを更新した中間地図データを容易に作成できる。
サーバ地図更新データdSとして、サーバ地図データSの統計地図データAの差替データである統計地図差替データ[A]を取得した場合、復元部21dの機能により制御部20は、特定データHDと部分特定データHAとに基づいて、結合地図データXからユーザ独自地図データDと統計地図データAとを除くことにより測量地図データMを復元する(図3B,3D、参照。)。そして、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、統計地図差替データ[A]を測量地図データMに結合した中間地図データを作成し、新たなユーザ独自地図データD'を中間地図データに結合した地図データで結合地図データXを更新する。すなわち、統計地図差替データ[A]でサーバ地図データSを更新する場合には、統計地図データAを含まない状態まで復元したサーバ地図データS(測量地図データM)に統計地図差替データ[A]を結合させることにより、統計地図差替データ[A]をもとの統計地図データAと差し替えることができる(図3B,3D、参照。)。さらに、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、統計地図差替データ[A]を特定するデータで部分特定データHAを更新する。これにより、更新後の部分特定データHAに基づいて、更新によって統計地図差替データ[A]に差し替えられた統計地図データAを特定することができる。
一方、サーバ地図更新データdSとして、サーバ地図データSの統計地図データAの追加データである統計地図追加データdAを取得した場合、統計地図データAを含まない状態(測量地図データM)までサーバ地図データSを復元しなくてもよい。すなわち、統計地図追加データdAを取得した場合に、復元部21dの機能により制御部20は、特定データHDに基づいて、結合地図データXからユーザ独自地図データDを除くことによりサーバ地図データSを復元する(図3A,3C、参照。)。そして、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、統計地図追加データdAをサーバ地図データSに結合した中間地図データを作成し、ユーザ独自地図データDを中間地図データに結合した地図データで結合地図データを更新する。すなわち、サーバ地図データSにそのまま(統計地図データAをサーバ地図データSから除くことなく)統計地図追加データdAを結合させることにより、サーバ地図データSに統計地図追加データdAを追加することができる(図3A,3C、参照。)。この場合、統計地図データAをサーバ地図データSから除く必要がないため、処理負荷を軽減できる。さらに、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、統計地図データAと統計地図追加データdAとを結合した地図データ(A+dA)を特定するデータで部分特定データHAを更新する。これにより、更新後の部分特定データHAに基づいて、更新によって統計地図追加データdAが追加された統計地図データ(A+dA)を特定することができる。
地図データ更新部21fの機能により制御部20は、ユーザ地図データUの追加データであるユーザ地図追加データdUを作成した場合、ユーザ地図追加データdUを結合地図データXに結合した地図データで結合地図データXを更新する(図3E、参照。)。ユーザ地図追加データdUは、結合地図データXを構成する要素データeが示す道路区間以外を車両が走行した走行軌跡を示すプローブデータPに基づいて作成されるため、制御部20は、結合地図データXとユーザ地図追加データdUとの間で重複を排除する処理を行うことなく、結合地図データXを更新することができる。ここで、ユーザ地図追加データdUは、結合地図データXが記録されているナビゲーション装置10にて作成される。従って、制御部20は、結合地図データXを構成するすべての要素データeの識別符号と重複しない識別符号が付与された要素データeで構成されたユーザ地図追加データdUを作成できる。そのため、制御部20は、結合地図データXとユーザ地図追加データdUとの間で要素データeの識別符号の重複を排除する処理を行うことなく、結合地図データXを更新することができる。また、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、ユーザ地図追加データdUをユーザ独自地図データDに結合した地図データ(D+dU)を特定するデータで特定データHDを更新する。これにより、更新後の特定データHDに基づいて、ユーザ地図追加データdUが追加された更新後のユーザ独自地図データDを特定できる。
(2)地図データ更新処理:
図4は、ナビゲーション装置10の制御部20が実行する地図データ更新処理のフローチャートである。地図データ更新処理は、サーバ地図更新データ取得部21cの機能により制御部20がサーバ地図更新データdSを取得した場合に実行される処理である。まず、復元部21dの機能により制御部20は、更新地図ステータス(1)〜(4)を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、サーバ地図更新データdSがどのような地図データで構成されているかを特定する。次に、復元部21dの機能により制御部20は、結合地図ステータス(a)〜(d)を取得する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、現在の結合地図データXがどのような地図データで構成されているかを特定する。
次に、復元部21dの機能により制御部20は、結合地図データXがユーザ独自地図データDを含むか否かを判定する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、現在の結合地図データXが結合地図ステータス(b),(d)であるか否かを判定する。結合地図データXがユーザ独自地図データDを含むと判定した場合(ステップS110:Y)、復元部21dの機能により制御部20は、特定データHDに基づいて、結合地図データXからユーザ独自地図データDを除くことによりサーバ地図データSを復元する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、特定データHDにて特定されている識別符号IDが付与された要素データeを結合地図データXから除くことにより、サーバ地図データSを復元する。なお、結合地図ステータス(b)の場合、測量地図データMのみで構成されるサーバ地図データSが復元される。結合地図ステータス(d)の場合、統計地図データAと測量地図データMとで構成されるサーバ地図データSが復元される。
サーバ地図データSを復元すると、復元部21dの機能により制御部20は、新たなユーザ独自地図データD'を取得する(ステップS120)。図2Dに示すように、制御部20は、ユーザ独自地図データDから当該ユーザ独自地図データDとサーバ地図更新データdSとの重複部分D(dS)を除いた地図データを新たなユーザ独自地図データD'として取得する。
一方、結合地図データXがユーザ独自地図データDを含むと判定しなかった場合(ステップS110:N)、制御部20は、ステップS115〜S120をスキップする。ステップS115〜S120がスキップされるのは、すなわち結合地図データXがもともとサーバ地図データSである場合であるため、結合地図ステータス(a)〜(d)に拘わらず、次のステップS130を実行する段階では、現在の地図データはユーザ独自地図データDを含まないサーバ地図データSとなっている。現在の地図データとは、復元を行った場合には復元後の地図データを意味し、復元を行っていない場合にはもとの結合地図データXを意味する。
次に、復元部21dの機能により制御部20は、サーバ地図更新データdSが第2地図データ(統計地図データA)の差替データ(統計地図差替データ[A])を含むか否かを判定する(ステップS130)。すなわち、制御部20は、更新地図ステータスが(2),(4)であるか否かを判定する。サーバ地図更新データdSが統計地図差替データ[A]を含むと判定した場合(ステップS130:Y)、復元部21dの機能により制御部20は、部分特定データHAに基づいて、サーバ地図データSから統計地図データAを除くことにより、測量地図データMを復元する(ステップS140)。具体的に、制御部20は、部分特定データHAにて特定されている識別符号IDが付与された要素データeを結合地図データXから除くことにより、測量地図データMを復元する。すなわち、制御部20は、統計地図データAを統計地図差替データ[A]で差し替えるにあたり、予めサーバ地図データSから統計地図データAを除いておく(図3B,3D、参照。)。なお、図2Aに示すように、既存の統計地図データAを更新・差替等する必要がある場合に、統計地図差替データ[A]が送信される。従って、サーバ地図更新データdSが統計地図差替データ[A]を含む場合、必ず結合地図データXに統計地図データAが含まれることとなる。
次に、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、統計地図差替データ[A]を特定するデータで部分特定データHAを更新する(ステップS150)。すなわち、制御部20は、サーバ地図更新データdSとして、統計地図差替データ[A]を含む地図データが取得された場合に、統計地図差替データ[A]を特定するデータで部分特定データHAを更新する。
一方、サーバ地図更新データdSが統計地図差替データ[A]を含むと判定しなかった場合(ステップS130:N)、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、サーバ地図更新データdSが統計地図追加データdAであるか否かを判定する(ステップS160)。すなわち、制御部20は、更新地図ステータスが(3)であるか否かを判定する。サーバ地図更新データdSが統計地図追加データdAであると判定した場合(ステップS160:Y)、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、結合地図データXが統計地図データAを含むか否かを判定する(ステップS165)。すなわち、制御部20は、結合地図ステータスが(c),(d)であるか否かを判定する。
結合地図データXが統計地図データAを含むと判定した場合(ステップS165:Y)、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、統計地図データAと統計地図追加データdAとを結合した地図データ(A+dA)を特定するデータで部分特定データHAを更新する(ステップS170)。すなわち、制御部20は、サーバ地図更新データdSとして、統計地図追加データdAが取得され、かつ、結合地図データXに統計地図データAが含まれる場合(更新地図ステータスが(3)、かつ、結合地図ステータスが(c),(d)の場合)に、統計地図データAと統計地図追加データdAとを結合した地図データ(A+dA)を特定するデータで部分特定データHAを更新する。
一方、結合地図データXが統計地図データAを含むと判定しなかった場合(ステップS165:N)、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、統計地図追加データdAを特定するデータで部分特定データHAを更新する(ステップS175)。すなわち、制御部20は、サーバ地図更新データdSとして、統計地図追加データdAが取得され、かつ、結合地図データXに統計地図データAが含まれない場合(更新地図ステータスが(3)、かつ、結合地図ステータスが(a),(b)の場合)に、統計地図追加データdAを特定するデータで部分特定データHAを更新する。なお、統計地図追加データdAを特定するデータで部分特定データHAを更新する場合とは、サーバ地図更新データdSとして、初めて統計地図追加データdAが取得され場合である。
サーバ地図更新データdSが統計地図追加データdAを含むと判定しなかった場合(ステップS160:N)、特定データ更新部21gの機能により制御部20は、ステップS165〜S175をスキップする。すなわち、更新地図ステータスが(1)であり、統計地図データAを更新する必要がない場合には、統計地図データAを特定する部分特定データHAを更新する処理をスキップする。
次に、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、現在の地図データにサーバ地図更新データdSを結合することにより中間地図データを作成する(ステップS180)。上述したように、サーバ地図更新データdSとして、統計地図差替データ[A]を含む地図データを取得した場合、現在の地図データが測量地図データMとなっているため、制御部20は、当該測量地図データMに統計地図差替データ[A]を含むサーバ地図更新データdSを結合する(図3B,3D、参照。)。一方、サーバ地図更新データdSとして、統計地図追加データdAを取得した場合、現在の地図データがもとの結合地図データXに含まれていたサーバ地図データSとなっているため、制御部20は、当該サーバ地図データSにサーバ地図更新データdSとしての統計地図追加データdAを結合する(図3C、参照。)。また、サーバ地図更新データdSとして、測量地図追加データdMを取得した場合にも、現在の地図データがもとの結合地図データXに含まれていたサーバ地図データSとなっているため、制御部20は、当該サーバ地図データSにサーバ地図更新データdSとしての測量地図追加データdMを結合する(図3A、参照。)。なお、ステップS180においては、地図配信サーバ110が作成した地図データ同士を結合するため、結合する地図データ同士の重複や、結合する地図データを構成する要素データeの識別符号IDの重複を排除する処理を行う必要はない。
以上のように中間地図データを作成すると、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、新たなユーザ独自地図データD'を取得したか否かを判定する(ステップS185)。新たなユーザ独自地図データD'を取得した場合とは、ステップS120において新たなユーザ独自地図データD'を取得した場合であり、もとの結合地図データXにユーザ独自地図データDが含まれていた場合を意味する。すなわち、新たなユーザ独自地図データD'を取得した場合とは、結合地図ステータスが(b),(d)の場合を意味する。
新たなユーザ独自地図データD'を取得したと判定した場合(ステップS185:Y)、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、新たなユーザ独自地図データD'を構成する要素データeに対して中間地図データを構成する要素データeと重複しない固有の識別符号IDを付与する(ステップS190)。すなわち、制御部20は、新たなユーザ独自地図データD'を構成する要素データeに付与されている識別符号IDを消去し、当該要素データeに識別符号IDを再付与する。そして、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、中間地図データに新たなユーザ独自地図データD'を結合し、当該結合した地図データで結合地図データXを更新する(ステップS195)。これにより、もとの結合地図データXにユーザ独自地図データDが含まれる場合に、ユーザ独自地図データDに由来する新たなユーザ独自地図データD'を結合地図データXに結合させることができる。
一方、新たなユーザ独自地図データD'を取得したと判定しなかった場合(ステップS185:N)、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、中間地図データで結合地図データXを更新する(ステップS200)。
(3)他の実施形態:
前記実施形態において、復元部21dの機能により制御部20は、もとの結合地図データXにユーザ独自地図データDが含まれる場合に、結合地図データXからユーザ独自地図データDを除くことによりサーバ地図データSを復元した。しかしながら、もとの結合地図データXに含まれるユーザ独自地図データDとサーバ地図更新データdSとが互いに整合する地図データである場合、ユーザ独自地図データDを結合地図データXから除かないようにしてもよい。すなわち、ユーザ独自地図データDを構成する要素データeと重複しない要素データeによって構成され、かつ、ユーザ独自地図データDを構成する要素データeの識別符号IDと重複しない識別符号IDが付与された要素データeによって構成されたサーバ地図データSの追加データ(測量地図追加データdMまたは統計地図追加データdA)を、サーバ地図更新データdSとして取得した場合に、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、サーバ地図データSの追加データを結合地図データXに結合した地図データで結合地図データXを更新してもよい。これにより、ユーザ独自地図データDを結合地図データXから除いてサーバ地図データSを復元するための処理負荷を軽減できる。
例えば、復元部21dの機能により制御部20は、図4のステップS110において、結合地図データXにユーザ独自地図データDが含まれると判定した場合であっても、ユーザ独自地図データDとサーバ地図更新データdSとで要素データeが重複せず、かつ、当該要素データeに付与された識別符号IDが重複しない場合には、ステップS115〜ステップS120をスキップしてもよい。これにより、制御部20は、ユーザ独自地図データDが除かれていない状態の結合地図データXに測量地図追加データdMまたは統計地図追加データdAを結合した地図データで結合地図データXを更新できる(ステップS180,S185,S200)。
前記の構成において、ユーザ独自地図データDとサーバ地図更新データdSとで要素データeが重複するか否かを判定するためには、要素データeが示す地物の位置等の同一性を評価する必要がある。また、ユーザ独自地図データDとサーバ地図更新データdSとで要素データeに付与された識別符号IDが重複するか否かを判定するためには、要素データeに付与された識別符号IDを比較する必要がある。このように重複を判定するための処理負荷を生じさせないように、以下の構成を採用してもよい。
すなわち、ユーザ独自地図データDを構成する要素データeに対応する地物(道路区間や交差点や施設等)の存在地域と重複しない地域に存在する地物を示す要素データeによって構成されたサーバ地図データSの追加データ(測量地図追加データdMまたは統計地図追加データdA)を、サーバ地図更新データdSとして取得した場合に、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、サーバ地図データSの追加データを結合地図データXに結合した地図データで結合地図データXを更新してもよい。地物の存在地域が異なれば、ユーザ独自地図データDを構成する要素データeとサーバ地図データSの追加データを構成する要素データeとが互いに同一の地物を示す重複したデータとなる可能性は低い。また、要素データeに対応する地物の存在地域ごとに識別符号IDを割り当てる数値範囲を異ならせておけば、ユーザ独自地図データDを構成する要素データeの識別符号IDと、サーバ地図データSの追加データを構成する要素データeの識別符号IDとが重複することはない。例えば、要素データeの識別符号IDが示す数値のうち所定の桁については地物が存在するメッシュのアドレスを表すように、識別符号IDを割り当てる割当規則を地図配信サーバ110とナビゲーション装置10との双方に規定しておくことにより、異なるメッシュに存在する地物に対応する要素データeが重複しないようにすることができる。メッシュとは、地図平面を隙間無く行列状に区切った矩形状の図形である。
そして、地図配信サーバ110は、要素データeに対応する地物の存在地域ごとにサーバ地図更新データdSを作成し、当該存在地域を示すデータを添付したサーバ地図更新データdSをナビゲーション装置10に送信する。一方、地図配信サーバ110は、ユーザ地図追加データdUを作成すると、当該ユーザ地図追加データdUを構成する要素データeに対応する地物の存在地域を示すデータを記録媒体30に蓄積する。存在地域は、メッシュよりも大きい範囲の領域を意味し、例えば地方や都道府県等の行政区画であってもよい。従って、地物の存在地域が異なれば、地物が存在するメッシュも異なることとなる。以上の構成において、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、サーバ地図更新データdSに添付されたデータが示す存在地域と、過去に作成したユーザ地図追加データdUを構成する要素データeに対応する地物の存在地域とが重複しない場合には、サーバ地図更新データdSをそのまま結合地図データXに結合した地図データで結合地図データXを更新する。
また、ユーザ独自地図データDを構成する要素データeに対応する地物のカテゴリと重複しないカテゴリの地物を示す要素データeによって構成されたサーバ地図データSの追加データ(測量地図追加データdMまたは統計地図追加データdA)を、サーバ地図更新データdSとして取得した場合に、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、サーバ地図データSの追加データを結合地図データXに結合した地図データで結合地図データXを更新してもよい。地物のカテゴリが異なれば、ユーザ独自地図データDを構成する要素データeとサーバ地図データSの追加データを構成する要素データeとが互いに同一の地物を示す重複したデータとなることはない。また、要素データeに対応する地物のカテゴリごとに識別符号IDを割り当てる数値範囲を異ならせておけば、ユーザ独自地図データDを構成する要素データeの識別符号IDと、サーバ地図データSの追加データを構成する要素データeの識別符号IDとが重複することはない。例えば、要素データeの識別符号IDが示す数値のうち所定の桁については地物のカテゴリを表すように、識別符号IDを割り当てる割当規則を地図配信サーバ110とナビゲーション装置10との双方に規定しておくことにより、異なるカテゴリの地物に対応する要素データeが重複しないようにすることができる。
そして、地図配信サーバ110は、要素データeに対応する地物のカテゴリごとにサーバ地図更新データdSを作成し、当該カテゴリを示すデータを添付したサーバ地図更新データdSをナビゲーション装置10に送信する。前記の実施形態において、地図配信サーバ110は、要素データeとしてのノードデータとリンクデータで構成されるユーザ地図追加データdUを作成するため、当該ユーザ地図追加データdUを構成する要素データeに対応する地物のカテゴリはノードまたはリンク(道路区間)に限られる。一方、地図データの要素データeとしてノードデータとリンクデータだけでなく、施設についての情報を示す施設データが含まれ、地図配信サーバ110は施設データを更新するためのサーバ地図更新データdSを送信できる構成を考える。この構成において、地図データ更新部21fの機能により制御部20は、サーバ地図更新データdSに添付されたデータが示す地物のカテゴリが施設である場合、すなわちサーバ地図更新データdSが施設データを追加するデータである場合には、サーバ地図更新データdSをそのまま結合地図データXに結合した地図データで結合地図データXを更新すればよい。なお、識別符号の桁数に余裕がある場合等には、地図配信サーバ110とナビゲーション装置10とで識別符号を付与する数値範囲を異ならせてもよい。この場合、ユーザ独自地図データDとサーバ地図更新データdSとで識別符号が重複しないため、新たなユーザ独自地図データD'に対してサーバ地図更新データdSと重複しない識別符号を付与する処理を省略できる。
前記実施形態においては、サーバ地図更新データdSとして測量地図データMの差替データが送信されない実施例を示したが、地図配信サーバ110は、サーバ地図更新データdSとして測量地図データMの差替データを送信してもよい。この場合、復元部21dの機能により制御部20は、ユーザ独自地図データDと測量地図データMとを結合地図データXから除くことにより統計地図データAを復元し、測量地図データMの差替データを当該統計地図データAに結合することにより中間地図データを作成してもよい。また、地図配信サーバ110は、サーバ地図更新データdSとして測量地図追加データdMと統計地図追加データdAとを結合した地図データを送信してもよい。この場合、復元部21dの機能により制御部20は、ユーザ独自地図データDのみを結合地図データXから除くことによりサーバ地図データSを復元し、当該サーバ地図データSに測量地図追加データdMと統計地図追加データdAとを結合することにより中間地図データを作成してもよい。なお、地図配信サーバ110は、既存のサーバ地図データSと整合するサーバ地図更新データdSを作成するように構成されていればよく、単一のサーバでなくてもよい。例えば、測量地図データMを更新するためのサーバ地図更新データdSと、測量地図データMを更新するためのサーバ地図更新データdSとが異なる地図配信サーバ110から送信されてもよい。
前記実施形態において、結合地図データXと特定データHDとは同一の記録媒体30に記録されたが、結合地図データXと特定データHDとが異なる記録媒体に記録されてもよい。例えば、結合地図データXと特定データHDとが、ナビゲーション装置10と地図配信サーバ110のそれぞれに記録されてもよい。また、特定データHDは、結合地図データXのうちユーザ独自地図データDが特定可能なデータであればよく、ユーザ独自地図データDそのものであってもよい。この場合、特定データHDに基づいて、結合地図データXからユーザ独自地図データDを抽出しなくても、すでに記録されているユーザ独自地図データDに基づいて新たなユーザ独自地図データD'を取得できるため、処理負荷が軽減できる。一方、前記実施形態のように、ユーザ独自地図データDを構成する要素データeに付与された識別符号IDを特定する特定データHDを記録することにより、特定データHDのデータ量を抑制できる。むろん、部分特定データHAも、統計地図データAそのものであってもよい。
10…ナビゲーション装置、20…制御部、21…地図データ更新プログラム、21a…プローブデータ送信部、21b…ユーザ地図データ作成部、21c…サーバ地図更新データ取得部、21d…復元部、21e…ユーザ独自地図データ取得部、21f…地図データ更新部、21g…特定データ更新部、30…記録媒体、41…位置センサ、42…通信部、110…地図配信サーバ、[A]…統計地図差替データ、A…統計地図データ、cA…統計地図作成データ、D…ユーザ独自地図データ、dA…統計地図追加データ、dM…測量地図追加データ、dS…サーバ地図更新データ、dU…ユーザ地図追加データ、e…要素データ、HA…部分特定データ、HD…特定データ、ID…識別符号、M…測量地図データ、P…プローブデータ、S…サーバ地図データ、U…ユーザ地図データ、X…結合地図データ、Y…基準地図データ。

Claims (11)

  1. 地図配信サーバにて作成されたサーバ地図データと、ユーザ端末にて作成されたユーザ地図データから当該ユーザ地図データと前記サーバ地図データとの重複部分を除いたユーザ独自地図データと、を結合させた結合地図データを記録する地図データ記録手段と、
    前記ユーザ独自地図データを特定する特定データを記録する特定データ記録手段と、
    前記サーバ地図データを更新するための地図データであって前記地図配信サーバにて作成されたサーバ地図更新データを取得した場合に、前記ユーザ独自地図データから当該ユーザ独自地図データと前記サーバ地図更新データとの重複部分を除いた地図データを新たなユーザ独自地図データとして取得するユーザ独自地図データ取得手段と、
    前記サーバ地図更新データによって前記サーバ地図データを更新した中間地図データを作成し、前記新たなユーザ独自地図データを前記中間地図データに結合した地図データで前記結合地図データを更新する地図データ更新手段と、
    前記新たなユーザ独自地図データを特定するデータで前記特定データを更新する特定データ更新手段と、
    を備える地図データ記録システム。
  2. 前記地図データ更新手段は、前記中間地図データを構成する要素データの識別符号と重複しない識別符号を前記新たなユーザ独自地図データの要素データに付与し、当該新たなユーザ独自地図データを前記中間地図データに結合した地図データで前記結合地図データを更新する、
    請求項1に記載の地図データ記録システム。
  3. 前記サーバ地図更新データを取得した場合に、前記特定データに基づいて、前記結合地図データから前記ユーザ独自地図データを除くことにより前記サーバ地図データを復元する復元手段を備え、
    前記地図データ更新手段は、前記復元された前記サーバ地図データを前記サーバ地図更新データによって更新することにより前記中間地図データを作成する、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の地図データ記録システム。
  4. 前記サーバ地図データは、第1地図データと第2地図データとが結合した地図データであり、
    前記特定データ記録手段は、前記第2地図データを特定する部分特定データを記録し、
    前記サーバ地図更新データとして、前記第2地図データの差替データを取得した場合に、
    前記復元手段は、前記特定データと前記部分特定データとに基づいて、前記結合地図データから前記ユーザ独自地図データと前記第2地図データとを除くことにより前記第1地図データを復元し、
    前記地図データ更新手段は、前記第2地図データの差替データを前記第1地図データに結合した前記中間地図データを作成し、前記新たなユーザ独自地図データを前記中間地図データに結合した地図データで前記結合地図データを更新し、
    前記特定データ更新手段は、前記第2地図データの差替データを特定するデータで前記部分特定データを更新する、
    請求項3に記載の地図データ記録システム。
  5. 前記サーバ地図更新データとして、前記第2地図データの追加データを取得した場合に、
    前記復元手段は、前記特定データに基づいて、前記結合地図データから前記ユーザ独自地図データを除くことにより前記サーバ地図データを復元し、
    前記地図データ更新手段は、前記第2地図データの追加データを前記サーバ地図データに結合した前記中間地図データを作成し、前記新たなユーザ独自地図データを前記中間地図データに結合した地図データで前記結合地図データを更新し、
    前記特定データ更新手段は、前記第2地図データと当該第2地図データの追加データとを結合した地図データを特定するデータで前記部分特定データを更新する、
    請求項4に記載の地図データ記録システム。
  6. 前記ユーザ独自地図データを構成する要素データと重複しない要素データによって構成され、かつ、前記ユーザ独自地図データを構成する要素データの識別符号と重複しない識別符号が付与された要素データによって構成された前記サーバ地図更新データの追加データを、前記サーバ地図更新データとして取得した場合に、
    前記地図データ更新手段は、前記サーバ地図データの追加データを前記結合地図データに結合した地図データで前記結合地図データを更新する、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の地図データ記録システム。
  7. 前記ユーザ独自地図データを構成する要素データに対応する地物の存在地域と重複しない地域に存在する地物を示す要素データによって構成された前記サーバ地図データの追加データを、前記サーバ地図更新データとして取得した場合に、
    前記地図データ更新手段は、前記サーバ地図データの追加データを前記結合地図データに結合した地図データで前記結合地図データを更新する、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の地図データ記録システム。
  8. 前記ユーザ独自地図データを構成する要素データに対応する地物のカテゴリと重複しないカテゴリの地物を示す要素データによって構成された前記サーバ地図データの追加データを、前記サーバ地図更新データとして取得した場合に、
    前記地図データ更新手段は、前記サーバ地図データの追加データを前記結合地図データに結合した地図データで前記結合地図データを更新する、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の地図データ記録システム。
  9. 前記ユーザ端末は、前記結合地図データと重複しない前記ユーザ地図データの追加データを作成するとともに、
    前記地図データ更新手段は、前記ユーザ地図データの追加データを前記結合地図データに結合した地図データで前記結合地図データを更新し、
    前記特定データ更新手段は、前記ユーザ地図データの追加データを前記ユーザ独自地図データに結合した地図データを特定するデータで前記特定データを更新する、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の地図データ記録システム。
  10. 地図配信サーバにて作成されたサーバ地図データと、ユーザ端末にて作成されたユーザ地図データから当該ユーザ地図データと前記サーバ地図データとの重複部分を除いたユーザ独自地図データと、を結合させた結合地図データを記録する地図データ記録手段と、
    前記ユーザ独自地図データを特定する特定データを記録する特定データ記録手段と、
    を備える地図データ記録システムが行う特定データ記録方法であって、
    前記サーバ地図データを更新するための地図データであって前記地図配信サーバにて作成されたサーバ地図更新データを取得した場合に、前記ユーザ独自地図データから当該ユーザ独自地図データと前記サーバ地図更新データとの重複部分を除いた地図データを新たなユーザ独自地図データとして取得するユーザ独自地図データ取得工程と、
    前記サーバ地図更新データによって前記サーバ地図データを更新した中間地図データを作成し、前記新たなユーザ独自地図データを前記中間地図データに結合した地図データで前記結合地図データを更新する地図データ更新工程と、
    前記新たなユーザ独自地図データを特定するデータで前記特定データを更新する特定データ更新工程と、
    を含む地図データ記録方法。
  11. 地図配信サーバにて作成されたサーバ地図データと、ユーザ端末にて作成されたユーザ地図データから当該ユーザ地図データと前記サーバ地図データとの重複部分を除いたユーザ独自地図データと、を結合させた結合地図データを記録する地図データ記録手段と、
    前記ユーザ独自地図データを特定する特定データを記録する特定データ記録手段と、
    を備える地図データ記録システムが実行する特定データ記録プログラムであって、
    前記サーバ地図データを更新するための地図データであって前記地図配信サーバにて作成されたサーバ地図更新データを取得した場合に、前記ユーザ独自地図データから当該ユーザ独自地図データと前記サーバ地図更新データとの重複部分を除いた地図データを新たなユーザ独自地図データとして取得するユーザ独自地図データ取得機能と、
    前記サーバ地図更新データによって前記サーバ地図データを更新した中間地図データを作成し、前記新たなユーザ独自地図データを前記中間地図データに結合した地図データで前記結合地図データを更新する地図データ更新機能と、
    前記新たなユーザ独自地図データを特定するデータで前記特定データを更新する特定データ更新機能と、
    を前記地図データ記録システムに実行させる地図データ記録プログラム。
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