JP2014126524A - 抗体固定化ジルコニア粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】素早い沈降性を有し反応性の高い抗体固定化粒子を提供する。
【解決手段】平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンを溶解した反応液に,酸化ジルコニウム粒子を分散させる第一の工程;その反応液に、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの貧溶媒を加えて、酸化ジルコニウム粒子表面に、平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの被膜を析出させる第二の工程;第二の工程で得られた被膜を有する粒子の表面に抗体を固定化する第三の工程;によって、抗体固定化粒子を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗体を粒子表面に固定化した、ポリスチレンおよびポリスチレンコポリマーで表面が被覆された酸化ジルコニウム粒子に関する。
粒子に低分子化合物、核酸、タンパク質、糖鎖または細胞等の物質を結合させ、それら粒子上の物質と、核酸、蛋白質、抗原または糖鎖等の標的物質とを、結合、吸着または反応させることによって診断、分析、抽出、精製または反応を行うシステムが種々提案されている。
例えば市販のマイクロビーズへタンパク質を固定化し、このマイクロビーズをカップや96穴プレートに入れ、抗体抗原反応を利用した診断を行う手法が提案されている。これらの代表例として抗原と抗体との反応を利用した免疫測定装置が特許文献1に提案されている。このような測定方法においては、まず定量したい物質(以下「抗原」という)に対する抗体を吸着または化学結合により固定化するとともに(以下この抗体を固定化した単体を「抗体固定化担体」という)、この固定化された抗体とは異なる抗原のエピトープを認識する抗体にラジオアイソトープや酵素等による標識をした物(以下この標識された抗体を「標識抗体」という)を準備する。
次にこれらの抗体固定化担体および標識抗体の二つを含む溶液に、被検液を加えて、この被検液に含まれる抗原と標識抗体を結合させた状態で抗体固定化担体に補足させる。ここで、抗体固定化担体に補足された標識抗体−抗原の結合物の量は、被検液中に含まれる抗原の濃度に比例する。ここで抗体固定化担体に補足されなかった標識抗体を分離し、固定化された標識抗体を標識方法に応じた分析手法で分析することにより分析することにより、目的とする抗原の濃度が分析できる。抗体固定化担体の分離方法は、抗体固定化担体を時間をかけて遠心装置にかける工程、あるいは磁性粒子を含むマイクロビーズを抗体固定化担体として磁場をかける工程を追加して強制的に沈降させる、あるいは密度の高い酸化ジルコニウム粒子を抗体固定化担体として沈降させる等の方法(特許文献2)がとられ、その後に上澄み液を除去する方法が行われる。この手法の一つの課題は抗体固定化担体に補足されなかった標識抗体をいかにして洗浄して除去するかということであり、固定化抗体を沈降させ分離洗浄する方法が利用されている。
タンパク質を固定化するための、酸化ジルコニウム粒子のポリマーによる被覆は、特許文献2のように間接的に被覆する方法が開示されている。また特許文献3のように硫酸バリウム粒子へ直接ポリスチレンを被覆した樹脂粒子の製造方法が開示されている。しかしながら分子量40,000以下のポリスチレン類を直接、酸化ジルコニウム粒子へ被覆した例は知られていない
特開平1−172755号公報 国際公開第2007/126151号パンフレット 特開平4−5217号公報
上記のような抗原抗体反応により目的とする抗原の濃度を分析する方法には、抗原抗体反応により標識抗体が結合した抗体固定化担体をいかに素早く分離するかという課題がある。通常は、抗体固定化担体を沈降させ分離洗浄する方法が利用されているが、通常使用されるマイクロビーズは樹脂基材やシリカ等の比重の軽い材質から成るものが多く、沈降する時間を要すため、遠心装置にかける工程を追加して強制的に沈降させる必要があった。これらのまた欠点を補う目的で磁性粒子を含むマイクロビーズもあるが、これらの磁性粒子もまた粒子の沈降には、磁場をかける装置および工程が必要である。
密度の高いジルコニア粒子で沈降させる場合は、その作製において高価なシランカップリング剤を使用した上、ポリマーの重合反応を行うため、製造原価、工程数に問題がある。少ない工程数でポリスチレンを被覆する場合は、直接被覆することが望ましいが、酸化ジルコニウムへ直接ポリスチレンを被覆した樹脂粒子は知られていない。
又、密度の高い酸化ジルコニウム粒子を抗体固定化担体として用いる場合は、粒径の大きな粒子を使用しなくてはならず、その場合は抗体固定化担体に固定化された標識抗体による検出信号が著しく低下し、検出物が検出できないという課題がある。一方、粒径の小さな粒子を抗体固定化担体として用いる場合は、その沈降性が著しく劣り、測定に時間がかかるという課題がある。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、以下のとおりである。
(1)平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの被膜を有する酸化ジルコニウム粒子であって、表面に抗体が固定化されていることを特徴とする、抗体固定化粒子。
(2)酸化ジルコニウムが、ジルコニア又はイットリウム添加ジルコニアの焼結体である、(1)に記載の抗体固定化粒子。
(3)酸化ジルコニウムの平均粒子径が1〜40μmである、(1)又は(2)に記載の抗体固定化粒子。
(4)酸化ジルコニウムの形状が無定形である、(1)から(3)のいずれかに記載の抗体固定化粒子。
(5)ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの疎水的性質を利用して、抗体が疎水的に粒子の表面に固定化されている、(1)から(4)のいずれかに記載の抗体固定化粒子。
(6)平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンを溶解した反応液に、酸化ジルコニウム粒子を分散させる第一の工程;その反応液に、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの貧溶媒を加えて、酸化ジルコニウム粒子表面に、平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの被膜を析出させる第二の工程;第二の工程で得られた被膜を有する粒子の表面に抗体を固定化する第三の工程;を有することを特徴とする、抗体固定化粒子の製造方法。
(7)平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンを溶解した反応液に,酸化ジルコニウム粒子を分散させる第一の工程;その反応液に、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの貧溶媒を加えて、酸化ジルコニウム粒子表面に、平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの被膜を析出させる第二の工程;第二の工程で得られた被膜を有する粒子の表面に抗体を固定化する第三の工程;を有する抗体固定化粒子の製造方法により製造される抗体固定化粒子。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において被覆に用いられるポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンを、以下、ポリスチレン類とする。ポリスチレンコポリマーとしては、ポリ(スチレン−メタクリル酸)コポリマー、ポリ(スチレン−アクリル酸)コポリマー、ポリ(スチレン−スチレンスルホン酸)コポリマー、ポリ(スチレン−ビニル安息香酸)コポリマー等のスチレンコポリマーが例示できる。また末端にカルボキシル基を有するポリスチレンとしては、ポリスチレンの片末端にカルボキシル基を有するポリスチレン及び両末端にカルボキシル基を有するポリスチレンが例示できる。前述のポリスチレン類の中では、ポリスチレンが好ましい。なお、末端にカルボキシル基を有する化ポリスチレンやポリスチレンコポリマーは、自身が持つ負荷電により、酸化ジルコニウム粒子への付着性が向上し、酸化ジルコニウム粒子へ均一に被覆しやすくなる。
本発明における被覆させるポリスチレン類の平均分子量は40,000以下である。本発明において、平均分子量はサイズ排除クロマトグラフィー法(SEC)で求めた値である。本発明において、平均分子量は、好ましくは1,000から40,000であり、さらに好ましくは1,000から38,000であり、とりわけ10,000から38,000が好ましい。最も好ましくは35,000から38,000である。ポリマー鎖が長くなると樹脂粒子同士の凝集が起こり目的の診断、分析、抽出、精製または反応などの処理に適した酸化ジルコニウム粒子には不向きとなるからである。本発明の粒子は粒子同士の凝集が全く無い方が好ましいが、わずかに凝集していても、本発明の目的には適応しうるものである。
本発明におけるポリスチレン類の被膜を有する酸化ジルコニウム粒子は、酸化ジルコニウム粒子を被覆するポリスチレン類で完全に被覆されていても、部分的に被覆されていても本発明の目的には適応しうるものである。
本発明に用いられる酸化ジルコニウム粒子は、ジルコニアまたはイットリウム添加ジルコニアの焼結体粒子が好ましい。未焼結の酸化ジルコニウム粒子は崩れやすいため、ポリスチレン類を被覆するとき、またはタンパク質を固定化する際に攪拌すると粒子自体が崩れる恐れがあるためである。
また、本発明に用いられる酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径は、1μmから40μmが好ましい。より好ましくは1μmから20μmである。さらに好ましくは1μmから10μmである。これ以上粒子のサイズが小さくなると自然沈降の速度が低下する。逆に粒子の大きさが大きくなると体積あたりの表面積が小さくなり診断または分析のシグナル・感度の低下、抽出、精製、または反応効率の低下をもたらす。
さらに本発明に用いられる酸化ジルコニウム粒子の形状は特に制限はないが、好ましくは無定形の粒子である。それは単位体積あたりの表面積が大きくなり、診断または分析のシグナル・感度の向上、抽出、精製、または反応の効率の向上の点で好ましいからである。
本発明の抗体固定化粒子は、平均分子量40,000以下のポリスチレン類を溶解した反応液に酸化ジルコニウム粒子を分散させる第一の工程;その反応液に当該ポリスチレン類の貧溶媒を加えて、酸化ジルコニウム粒子表面に当該ポリスチレン類を析出させる第二の工程;第二の工程で得られた被膜を有する粒子の表面に抗体を固定化する第三の工程;の3つの工程を有する製造方法によって製造することができる。
第一の工程は、平均分子量40,000以下のポリスチレン類を溶解した反応液に酸化ジルコニウム粒子を分散させる工程である。この工程で使用する溶媒はポリスチレン類を溶解できる溶媒であれば種類を問わないが、THF、アセトン、トルエン、キシレン、ベンゼン、DMF、クロロホルム、トリクロロエチレン、アセトニトリル、イソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン等が例示できる。より好ましくはTHFが好ましい。また分散させる方法は超音波分散、ホモジナイズ、攪拌が例示できる。
本発明の第一の工程で用いられる、ポリスチレン類/酸化ジルコニウム粒子の比率は、1/10(g/g)以下が好ましい。ポリスチレン類の量が多くなるとポリスチレン類で被覆された粒子同士の凝集が起こりやすくなり、目的の診断、分析、抽出、精製または反応などの処理に適したジルコニア粒子には不向きとなるからである。またポリスチレン類で被覆された酸化ジルコニウム粒子の比重が軽くなり自然沈降の速度が低下する。
第二の工程は、当該ポリスチレン類の貧溶媒を加えて、酸化ジルコニウム粒子表面に当該ポリスチレン類を析出させる工程である。この工程で使用する貧溶媒としてはポリスチレン類を析出させることができる溶媒であれば種類を問わないが、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、ヘキサン等が例示できる。
第三の工程は、第二の工程で得られた被膜を有する粒子の表面に抗体を固定化する工程である。このときの抗体の固定化法には特に制限はないが、ポリスチレン類の疎水的性質を利用した物理的疎水吸着法や、粒子表面の被膜に存在するカルボン酸などの官能基との共有結合による方法があげられる。
本発明により、水中で短時間で沈降する酸化ジルコニウムに、抗体結合可能なポリマーを2工程で直接被覆し且つ抗体を固相化することができ、反応性の高い抗体固相化担体を作製することが可能となった。これにより抗体固相化担体を分離するための遠心あるいは磁場をかける特別な装置が不要になり、安価で短時間に診断、分析を行うシステムへ応用することが可能となった。
以下に、発明を更に詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 ポリスチレン被覆無定形ジルコニア粒子の作製
第一の工程としてTHF10mLにポリスチレン(シグマアルドリッチ製Mw=35,000、200mg)を加え60分間撹拌溶解した。これに無定形酸化ジルコニウム粒子(ZCO−E6、平均粒径6μm、ASTRON製、2.5g)を加え、30分間撹拌した。第二の工程として撹拌しながらヘキサン30mLを加え、デカンテーションにより上澄み液を取り除いた。さらにヘキサン30mLを加え撹拌したのち、懸濁液をガラスフィルターでろ過した。残渣をヘキサンでよく洗浄したのち乾燥することにより、凝集していないポリスチレン被覆無定形酸化ジルコニウム粒子を作製した。
第三の工程として、抗体固定化ポリスチレン被覆無定形ジルコニア粒子を作製した。即ち、第二の工程で作製したポリスチレン被覆無定形ジルコニア粒子20mgを450μlの1Mリン酸緩衝液pH8に懸濁し、該溶液に抗TSH(甲状腺刺激ホルモン)抗体100μgを添加した。37℃で4時間反応させた後、50mMトリス緩衝液pH8、1%BSAで3回洗浄し、抗TSH抗体固定化ポリスチレン被覆無定形ジルコニア粒子を作製した。
標識マーカーの作製は以下のように行った。即ち、磁性ナノ粒子QD40(日本カンタムデザイン社製)に、添付のプロトコールに従って、プロテインGを結合し、プロテインG結合磁性ナノ粒子を作製した。
第三の工程で作製した抗TSH抗体固定化ポリスチレン被覆無定形ジルコニア粒子4mgと、前述のプロテインG結合磁性ナノ粒子20μgを37℃で一晩反応させた後、沈降する時間を測定したところ、1分であった。また該ジルコニア粒子を沈降させた後、結合した標識マーカーの磁気信号を、電流に変換した信号としてMRセンサーにより検出した。その結果を表1に示す。
比較例1 抗体固定化ポリスチレン粒子の作製
直径4.5μmのポリスチレン粒子(テクノケミカル製)に、添付のプロトコールに従って、抗TSH抗体を結合し、抗TSH抗体固定化ポリスチレン粒子を作製した。作製した抗TSH抗体固定化ポリスチレン粒子3.6×10個と、実施例1で作製したプロテインG結合磁性ナノ粒子20μgを37℃で一晩反応させた後、沈降する時間を測定したところ、18時間であった。またポリスチレン粒子を沈降させた後、結合した標識マーカーの磁気信号を、電流に変換した信号としてMRセンサーにより検出した。その結果を表1に示す。
実施例1で作製した抗TSH抗体固定化ポリスチレン被覆無定形ジルコニア粒子と、比較例1で作製した抗TSH抗体固定化ポリスチレン粒子では、ほぼ同程度の信号を示したが、実施例1で示した本発明による抗体固定化ポリスチレン被覆無定形ジルコニア粒子は1分という短時間で沈降し、結合した標識マーカーの磁気信号を測定することが可能であった。
実施例2 抗体固定化ジルコニア粒子(球形、直径15μm)の作製
実施例1と同様の方法で作製した直径15μmの球形ポリスチレン被覆ジルコニア粒子20mgを450μlの1Mリン酸緩衝液pH8に懸濁し、該溶液に抗TSH(甲状腺刺激ホルモン)抗体100μgを添加した。37℃で4時間反応させた後、50mMトリス緩衝液pH8、1%BSAで3回洗浄し、抗TSH抗体固定化ポリスチレン被覆球形ジルコニア粒子を作製した。作製した抗TSH抗体固定化ポリスチレン被覆球形ジルコニア粒子4mgと、実施例1で作製したプロテインG結合磁性ナノ粒子20μgを37℃で一晩反応させた後、沈降する時間を測定したところ、1分であった。また該ジルコニア粒子を沈降させた後、結合した標識マーカーの磁気信号を、電流に変換した信号としてMRセンサーにより検出した。その結果を表1に示す。
実施例1の抗TSH抗体固定化ポリスチレン被覆無定形ジルコニア粒子と、実施例2の抗TSH抗体固定化ポリスチレン被覆球形ジルコニア粒子(球形、直径15μm)では、両者とも1分という短時間で沈降し、結合した標識マーカーの磁気信号を測定することが可能であった。また、実施例1の抗TSH抗体固定化ポリスチレン被覆無定形ジルコニア粒子よりも低いが、実施例2の抗TSH抗体固定化ポリスチレン被覆球形ジルコニア粒子でも、結合した標識マーカーの磁気信号を測定することが可能であった。
比較例2 抗体固定化ポリスチレン粒子の作製
直径45μmのポリスチレン粒子(テクノケミカル製)に、添付のプロトコールに従って、抗TSH抗体を結合し、抗TSH抗体固定化ポリスチレン粒子を作製した。作製した抗TSH抗体固定化ポリスチレン粒子3.6×10個と、実施例1で作製したプロテインG結合磁性ナノ粒子20μgを37℃で一晩反応させた後、沈降する時間を測定したところ、18時間であった。またポリスチレン粒子を沈降させた後、結合した標識マーカーの磁気信号を、電流に変換した信号としてMRセンサーにより検出した。その結果を表1に示す。
実施例1で作製した抗TSH抗体固定化ポリスチレン被覆無定形ジルコニア粒子および実施例2で作製した抗TSH抗体固定化ポリスチレン被覆球形ジルコニア粒子と比較して、比較例2で作製した抗TSH抗体固定化ポリスチレン粒子では、沈降に18時間という長い時間を必要とし、結合した標識マーカーの磁気信号も検出できなかった。
このように、本発明によれば、水中で短時間で沈降し、且つ反応性の高い抗体固相化担体を得ることができ、短時間に標識マーカーを測定することができる。
Figure 2014126524

Claims (7)

  1. 平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの被膜を有する酸化ジルコニウム粒子であって、表面に抗体が固定化されていることを特徴とする、抗体固定化粒子。
  2. 酸化ジルコニウムが、ジルコニア又はイットリウム添加ジルコニアの焼結体である、請求項1に記載の抗体固定化粒子。
  3. 酸化ジルコニウムの平均粒子径が1〜40μmである、請求項1又は2に記載の抗体固定化粒子。
  4. 酸化ジルコニウムの形状が無定形である、請求項1から3のいずれかに記載の抗体固定化粒子。
  5. ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの疎水的性質を利用して、抗体が疎水的に粒子の表面に固定化されている、請求項1から4のいずれかに記載の抗体固定化粒子。
  6. 平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンを溶解した反応液に,酸化ジルコニウム粒子を分散させる第一の工程;その反応液に、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの貧溶媒を加えて、酸化ジルコニウム粒子表面に、平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの被膜を析出させる第二の工程;第二の工程で得られた被膜を有する粒子の表面に抗体を固定化する第三の工程;を有することを特徴とする、抗体固定化粒子の製造方法。
  7. 平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンを溶解した反応液に,酸化ジルコニウム粒子を分散させる第一の工程;その反応液に、ポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの貧溶媒を加えて、酸化ジルコニウム粒子表面に、平均分子量が40,000以下のポリスチレン、ポリスチレンコポリマー、または末端にカルボキシル基を有するポリスチレンの被膜を析出させる第二の工程;第二の工程で得られた被膜を有する粒子の表面に抗体を固定化する第三の工程;を有する抗体固定化粒子の製造方法により製造される抗体固定化粒子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017536469A (ja) * 2014-10-03 2017-12-07 ポリスティヴァート インコーポレイテッド ポリスチレン廃棄物を再生するためのプロセス

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