JP2014126432A - 流体センサ及び流体測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】テフロン(登録商標)の内部を曲管状に刳り抜くことにより主流路管10に流れる流体を分流させるための流入口151、分流した流体を主流路管10へ流出させるための流出口が形成された副流路形成体20を有する。流入口151と主流路管10との間には上流側センサ管が配設される。流出口と主流路管10との間には、下流側センサ管が配設される。上流側センサ管及び下流側センサ管には、それぞれ熱電変換センサが付着され、分流された流量を表すセンサ間の温度差が検出される。主センサ管10に内蔵される細管13、上流側センサ管、下流側センサ管は、それぞれグラッシーカーボンで形成され、接地電位に維持されている。
【選択図】図1
Description
流体測定装置の中には、バイパス流路及びセンサ流路が、四弗化エチレン樹脂(商品名「テフロン」)系の材質で構成されているものもある。テフロン系の材質は熱伝導率が低いので、コーティング膜として使用されるのが通常であるが、テフロンは粗い素材であるため、流体によっては透過してしまう。透過を防ぐためには、テフロン膜の厚みを大きくしなければならないが、そうすると、温度勾配により、センサ流路の上流側と下流側との温度変化を正しく検出することが困難となる。また、テフロンは、純水のような絶縁流体を流すと、摩擦により帯電し、帯電量が大きくなると放電するおそれがある。
前記主流路管は、それぞれ前記主流路の上流側の流体を下流側へ移動させる複数の細管を含む。各細管は、接地電位に維持されたカーボン素材で構成されている。
前記流体センサは、耐蝕性絶縁体の内部を曲管状に刳り抜くことにより前記主流路の上流側の流体を流入させる流入口、及び、当該流体を前記主流路の下流側へ流出させる流出口が形成された副流路形成体と、前記流入口と前記主流路の上流側との間に配設された第1のセンサ管と、前記流出口と前記主流路の下流側との間に配設された第2のセンサ管とを備えている。前記第1のセンサ管及び前記第2のセンサ管は、それぞれ接地電位に維持されたカーボン素材で構成され、管内を流れる流体の特性を、前記カーボン素材を通じて検出可能にする。
カーボン素子としてグラッシーカーボンを使用する場合は、耐蝕性、耐薬品を発揮し、熱及び電気の伝導性に優れ、パーティクルも出にくいので、用途の広い流体測定装置を実現することができる。
[第1実施形態]
第1実施形態の流体測定装置は、気体、液体又はこれらの混合体となる流体の質量流量を測定する。図1(a)は、この流体測定装置100の要部構造例を示す側面断面図、同(b)は、同(a)のA−A断面図である。
なお、細管131の数は、任意に増減することができる。
細管131内では、軸心付近の中心部と内壁との間に温度差が生じる場合があるが、可動芯133を内蔵させることで、流体の殆どが管体132に接触することになり、流体の温度を正しく管体132へ伝達することができる。
かさ密度 :1.51[g/cm3]
電気抵抗率 : 42[μΩm]
曲げ強度 :147[MPa](但し、1500[kgf/cm2])
ショアー硬度:120(−)
灰分 :2[ppm]未満
熱伝導率 :5.8[W/mK](但し、5.1[kcal/mhr°C])
グラッシーカーボンは、また、金属イオンを出力しないので、金属汚染を生じさせることがない。また、気体、液体及びこれらの混合体を透過させないので、例えば前回の測定時に流入させた流体が次回の測定時に流れる流体と混合することがない。すなわち、耐コンタミネーションに優れる。さらに、カーボン素材なので、熱及び電子の伝導性に優れている。さらに、ダイヤモンド並の硬度を有するため、カーボン粉(パーティクル)も出にくい。
このような特長を有するグラッシーカーボンを細管131の管体132に使用し、かつ、この管体132を接地電位に維持しておくことで、流体が流れる際の帯電対策が可能になる。すなわち、流体が流れることによって生じる帯電を防止することができる。
各センサ管22,23の数は必ずしも図示のように1本である必要はないが、それぞれ1本で構成される場合、主流路管10との分流比は、1/nとなる。分流比とは、副流路形成体21の流量に対する主流路10(バイパス流路13)における分岐点及び合流点間の流量の比である。
熱電変換センサ221,231の出力は、ブリッジ回路253において、熱電変換センサ221,231間の温度差を表す電圧値に変換され、演算部254に導かれる。演算部254は、ブリッジ回路251の出力結果と所定の関数とに基づいて、流体センサ20に分流された流体の流量を求める。さらに、分流された流体の流量と上述した分流比(n:1)とに基づいて主流路管10の流量を求める。演算部254で求めた各流量は、流量表示部255に表示される。
また、主流路管10における流体の流量と、設定部256に設定された設定流量(設定値)とを比較部257で比較し、その差分値が流量制御部258へ伝達される。流量制御部258は、この差分値がゼロに近づくように、上流側の第1外部装置の流量を制御する。
上流側センサ管22及び下流側センサ管23は、接地電位に維持されたグラッシーカーボンで構成されているので、金属汚染を生じさせることがなく、強酸性、強アルカリ性、薬品に対しても高い耐蝕性を発揮する。耐コンタミネーション、熱及び電子の伝導性にも優れるので、高い精度で流体の(質量)流量を測定することができる。
また、流体が流れる際の帯電対策が可能になる。すなわち、流体が流れることによって生じる帯電を防止することができる。さらに、主流路管10を構成する細管13と同一材質及び同一サイズのものなので、分流比の設定が容易となる。
次に、第2実施形態の流体測定装置について説明する。図6は、第2実施形態における流体測定装置200の構成を模式的に表した図である。主流路部10については、第1実施形態における流体測定装置100と同じとなる。この実施形態の流体測定装置200では、第1実施形態の流体センサ20において、熱電変換センサ221,231の出力結果を電流計311に入力して電流を測定するとともに、バイパス流路13の各細管131に電圧計312を接続して、帯電電圧を測定する。そして、電流計311と電圧計312の出力結果から抵抗値を求める。純水の純度は抵抗値との関数で表すことができるので、抵抗値を求めることにより、流体の純度を測定することができる。
前記主流路管は、それぞれ前記主流路の上流側の流体を下流側へ移動させる複数の細管を含む。各細管は、接地電位に維持されたカーボン素材で構成されている。
前記流体センサは、耐蝕性絶縁体の内部を曲管状に刳り抜くことにより前記主流路の上流側の流体を流入させる流入口、及び、当該流体を前記主流路の下流側へ流出させる流出口が形成された副流路形成体と、前記流入口と前記主流路の上流側との間に配設された第1のセンサ管と、前記流出口と前記主流路の下流側との間に配設された第2のセンサ管とを備えている。
前記第1のセンサ管及び前記第2のセンサ管の管内には、それぞれ、軸心を中心として回動することにより、流入する前記流体をその内壁に向けて螺旋状に付勢する可動芯が前記軸心に沿って設けられている。また、前記第1のセンサ管及び前記第2のセンサ管は、それぞれ接地電位に維持されたカーボン素材で構成され、管内を流れる流体の特性を、前記カーボン素材を通じて検出可能にする。
前記第1のセンサ管及び前記第2のセンサ管の管内には、それぞれ、軸心を中心として回動することにより、流入する前記流体をその内壁に向けて螺旋状に付勢する可動芯が前記軸心に沿って設けられている。また、前記第1のセンサ管及び前記第2のセンサ管は、それぞれ接地電位に維持されたカーボン素材で構成され、管内を流れる流体の特性を、前記カーボン素材を通じて検出可能にする。
Claims (5)
- 気体、液体又はこれらの混合体から成る流体が流れる主流路管に装着され、
耐蝕性絶縁体の内部を曲管状に刳り抜くことにより前記流体を流入させる流入口、及び、当該流体を流出させる流出口が形成された副流路形成体と、
前記流入口と前記主流路管との間に設けられた第1のセンサ管と、
前記流出口と前記主流路管との間に設けられた第2のセンサ管とを備え、
前記第1のセンサ管及び前記第2のセンサ管は、それぞれ接地電位に維持されたカーボン素材で構成され、管内を流れる流体の特性を、前記カーボン素材を通じて検出可能にすることを特徴とする、
流体センサ。 - 前記第1のセンサ管及び前記第2のセンサ管の管内に、流入する前記流体を螺旋状に付勢する付勢体が形成されていることを特徴とする、
請求項1記載の流体センサ。 - 前記カーボン素材がグラッシーカーボンであることを特徴とする、
請求項1又は2記載の流体センサ。 - 気体、液体又はこれらの混合体から成る流体が流れる主流路を形成する主流路管と、
前記主流路へ導入された流体を所定の比率で分流させる副流路を形成し、この副流路に流れる流体の特性を検出する流体センサとを有し、
前記主流路管は、それぞれ前記主流路の上流側の流体を下流側へ移動させる複数の細管を含み、各細管が接地電位に維持されたカーボン素材で形成されており、
前記流体センサは、
耐蝕性絶縁体の内部を曲管状に刳り抜くことにより前記主流路の上流側の流体を流入させる流入口、及び、当該流体を前記主流路の下流側へ流出させる流出口が形成された副流路形成体と、
前記流入口と前記主流路の上流側との間に設けられた第1のセンサ管と、
前記流出口と前記主流路の下流側との間に設けられた第2のセンサ管とを備え、
前記第1のセンサ管及び前記第2のセンサ管は、それぞれ接地電位に維持されたカーボン素材で構成され、管内を流れる流体の特性を、前記カーボン素材を通じて検出可能にすることを特徴とする、
流体測定装置。 - 前記カーボン素材がグラッシーカーボンであることを特徴とする、
請求項4記載の流体測定装置。
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