JP2014126174A - スラスト磁気軸受および圧縮機 - Google Patents

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Yuji Nakazawa
勇二 中澤
Yusuke Irino
裕介 入野
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Abstract

【課題】コアの磁気抵抗の増加を抑制しつつコアに有効空間を増設する。
【解決手段】電磁石(11)は、円環状に形成された基台部(101)と、円筒状に形成され基台部(101)の回転軸(200)の円盤部(210)の端面に対向する一端面(101a)に設けられた内筒部(102)および外筒部(103)とを有している。コイル(13)は、コア(12)の基台部(101),内筒部(102),および外筒部(103)に囲まれたコイル空間(100)に収容されている。基台部(101)には、基台部(101)の一端面(101a)と内筒部(102)の外周面との境界部(B)よりも回転軸(200)の径方向外方に位置するように凹部(110)が形成されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、スラスト磁気軸受に関する。
従来より、回転軸の軸方向位置を電磁力により非接触で制御可能なスラスト磁気軸受が知られている(例えば、特許文献1など)。このようなスラスト磁気軸受では、回転軸に固着された円盤状のディスクの軸方向両側に、一対の電磁石が配置されている。そして、電磁石のコイルに電流を供給することにより電磁石に電磁力(磁気吸引力)を発生させ、その電磁力によって回転軸の軸方向位置を非接触で制御している。
特開平4−107317号公報
ところで、スラスト磁気軸受の小型化や組立性の向上などのために、スラスト磁気軸受の構成部品を収容可能な有効空間(例えば、スラスト磁気軸受を外部装置と電気的に接続するための導線の端部とコイルの端部とを結線するために利用される空間など)を電磁石のコアに増設することが求められている。しかしながら、コアに有効空間を増設するとコアの厚みが薄くなってしまい、その結果、コアの磁気抵抗が増加して電磁石の電磁力が低下してしまう可能性がある。そのため、コアに有効空間を増設することが困難であった。
そこで、この発明は、コアの磁気抵抗の増加を抑制しつつコアに有効空間を増設することが可能なスラスト磁気軸受を提供することを目的とする。
第1の発明は、同軸状となるように円盤部(210)が設けられた回転軸(200)の軸方向位置を電磁力により非接触で制御可能な電磁石(11)を備え、上記電磁石(11)が、上記回転軸(200)と同軸状となるように円環状に形成された基台部(101)と、それぞれが円筒状に形成され該基台部(101)の上記円盤部(210)の端面に対向する一端面(101a)の内周縁部および外周縁部にそれぞれ設けられた内筒部(102)および外筒部(103)とを有するコア(12)と、上記コア(12)の基台部(101),内筒部(102),および外筒部(103)に囲まれたコイル空間(100)に収容されたコイル(13)とによって構成され、上記基台部(101)に、該基台部(101)の一端面(101a)と上記内筒部(102)の外周面との境界部(B)よりも上記回転軸(200)の径方向外方に位置するように凹部(110)が形成されていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
上記第1の発明では、コア(12)に凹部(110)を形成することにより、コア(12)に有効空間を増設することができる。また、回転軸(200)の軸心(O)を中心軸として基台部(101)の任意点を通過する円筒面における基台部(101)の断面積(以下、円筒面断面積と表記)は、回転軸(200)の軸心(O)からその任意点までの半径距離とその任意点における基台部(101)の厚み(軸方向距離)とに正比例している。すなわち、基台部(101)の境界部(B)よりも回転軸(200)の径方向内方の部分(以下、内方部分と表記)は、基台部(101)の境界部(B)よりも回転軸(200)の径方向外方の部分よりも、基台部(101)の薄肉化(基台部(101)の厚みが薄くなること)に伴う円筒面断面積の減少量が多くなる傾向にある。また、基台部(101)の任意点における円筒面断面積が小さくなるほど、基台部(101)の任意点における磁気抵抗が高くなる傾向にある。そして、凹部(110)は、基台部(101)の内方部分(すなわち、基台部(101)の薄肉化に伴う円筒面断面積の減少量が多くなる傾向にある部分)を避けて形成されている。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記回転軸(200)の軸心(O)を中心軸として上記凹部(110)を通過する円筒面における上記基台部(101)の断面積(S1)が、該回転軸(200)の軸心(O)を中心軸として上記境界部(B)を通過する円筒面における該基台部(101)の断面積(S0)と同等または大きくなっていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
上記第2の発明では、凹部(110)における円筒面断面積(S1)が境界部(B)における円筒面断面積(S0)と同等または大きくなるように凹部(110)を形成することにより、凹部(110)における磁気抵抗が境界部(B)における磁気抵抗よりも高くなることを防止することができる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記凹部(110)が、上記基台部(101)の一端面(101a)に形成されていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
上記第3の発明では、凹部(110)によって構成される有効空間をコア(12)とコイル空間(100)に収容されたコイル(13)とによって包囲することができる。これにより、有効空間をコア(12)の外部から隔離して保護することができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記凹部(110)に、上記コア(12)の外部に貫通する貫通穴(111)が形成され、該コア(12)の外部から該貫通穴(111)に挿通された導線(14)の端部と上記コイル(13)の端部との結線部(15)が収容されていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
上記第4の発明では、結線部(15)を振動から保護することができる。
第5の発明は、上記第3または第4の発明において、上記凹部(110)が、上記基台部(101)の一端面(101a)の全周に亘って形成されていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
第6の発明は、上記第3または第4の発明において、上記凹部(110)が、上記基台部(101)の一端面(101a)の周方向の一部に形成されていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
第7の発明は、上記第3の発明において、上記凹部(110)が、上記基台部(101)の一端面(101a)の全周に亘って形成され、上記凹部(110)に、コイル(13)の一部が巻回されていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
上記第7の発明では、コイル(13)を巻回するための空間を拡張することができる。
第8の発明は、上記第1または第2の発明において、上記凹部(110)が、上記基台部(101)の他端面(101b)に形成されていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
上記第8の発明では、凹部(110)によって構成される有効空間をコア(12)の外部に開口させることができる。
第9の発明は、上記第8の発明において、上記凹部(110)に、上記コア(12)のコイル空間(100)に貫通する貫通穴(112)が形成され、該コイル空間(100)から該貫通穴(112)に挿通された上記コイル(13)の端部と該コア(12)の外部に引き出される導線(14)の端部との結線部(15)が収容されていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
上記第9の発明では、結線部(15)を振動から保護することができる。
第10の発明は、上記第8または第9の発明において、上記凹部(110)が、上記基台部(101)の他端面(101b)の全周に亘って形成されていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
第11の発明は、上記第8または第9の発明において、上記凹部(110)が、上記基台部(101)の他端面(101b)の周方向の一部に形成されていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
第12の発明は、上記第1〜第11の発明のいずれか1つにおいて、上記凹部(110)が、上記回転軸(200)の径方向外方に向かうに連れて次第に深くなっていることを特徴とするスラスト磁気軸受である。
第13の発明は、上記第1〜第12の発明のいずれか1つに相当するスラスト磁気軸受(10)と、上記スラスト磁気軸受(10)によって軸方向位置が非接触で制御される回転軸(200)を有する電動機(20)と、上記電動機(20)によって駆動される圧縮機構とを備えていることを特徴とする圧縮機である。
上記第13の発明では、電磁石(11)のコア(12)の軸方向長さを長くすることなく、有効空間の増設に伴うコア(12)の磁気抵抗の増加を抑制することができる。
第1の発明によれば、基台部(101)の内方部分(すなわち、基台部(101)の薄肉化に伴う円筒面断面積の減少量が多くなる傾向にある部分)を避けて凹部(110)を形成することにより、コア(12)の磁気抵抗の増加を抑制しつつコア(12)に有効空間を増設することができる。
第2の発明によれば、凹部(110)における磁気抵抗が境界部(B)における磁気抵抗よりも高くなることを防止することができるので、有効空間の増設に伴うコア(12)の磁気抵抗の増加を確実に抑制することができる。
第3の発明によれば、凹部(110)によって構成される有効空間をコア(12)とコイル空間(100)に収容されたコイル(13)とによって包囲することができるので、有効空間をコア(12)の外部から隔離して保護することができる。
第4の発明によれば、結線部(15)を振動から保護することができるので、結線部(15)の振動による劣化を抑制することができる。
第5の発明によれば、凹部(110)を基台部(101)の一端面(101a)の周方向の一部に形成する場合よりも、凹部(110)によって構成される有効空間を広くすることができる。
第6の発明によれば、凹部(110)を基台部(101)の一端面(101a)の全周に亘って形成する場合よりも、凹部(110)の形成に伴う円筒面断面積の減少(すなわち、磁気抵抗の増加)を抑制することができる。
第7の発明によれば、コイル(13)を巻回するための空間を拡張することができるので、コイル(13)の設計自由度を向上させることができる。
第8の発明によれば、凹部(110)によって構成される有効空間をコア(12)の外部に開口させることができるので、有効空間に対する作業(部品の出し入れなど)をコア(12)の外部から容易に行うことができる。
第9の発明によれば、結線部(15)を振動から保護することができるので、結線部(15)の振動による劣化を抑制することができる。
第10の発明によれば、凹部(110)を基台部(101)の他端面(101b)の周方向の一部に形成する場合よりも、凹部(110)によって構成される有効空間を広くすることができる。
第11の発明によれば、凹部(110)を基台部(101)の他端面(101b)の全周に亘って形成する場合よりも、凹部(110)の形成に伴う円筒面断面積の減少(すなわち、磁気抵抗の増加)を抑制することができる。
第12の発明によれば、凹部(110)の形成に伴う円筒面断面積の減少(すなわち、磁気抵抗の増加)を抑制しつつ凹部(110)によって構成される有効空間を広くすることができる。
第13の発明によれば、電磁石(11)のコア(12)の軸方向長さを長くしなくても良いので、圧縮機(1)の軸方向長さの増加を抑制することができる。
スラスト磁気軸受を備えた圧縮機について説明するための縦断面図。 実施形態1によるスラスト磁気軸受について説明するための部分斜視図。 実施形態1における電磁石について説明するための平面図。 実施形態1におけるコアについて説明するための平面図。 実施形態1におけるコアの凹部について説明するための部分平面図。 実施形態1におけるコアの凹部について説明するための部分断面図。 実施形態1におけるコアの基台部の断面積について説明するための図。 実施形態1におけるコアの基台部の厚みについて説明するための図。 実施形態1におけるコアの変形例1について説明するための部分平面図。 実施形態1おけるコアの変形例1について説明するための部分断面図。 実施形態1におけるコアの変形例2について説明するための平面図。 実施形態1におけるコアの変形例3について説明するための部分断面図。 実施形態2によるスラスト磁気軸受について説明するための部分斜視図。 実施形態2におけるコアについて説明するための平面図。 実施形態2におけるコアの凹部について説明するための部分平面図。 実施形態2におけるコアの凹部について説明するための部分断面図。 実施形態2におけるコアの基台部の断面積について説明するための図。 実施形態2におけるコアの基台部の厚みについて説明するための図。 実施形態2におけるコアの変形例1について説明するための平面図。 実施形態2におけるコアの変形例2について説明するための部分断面図。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1によるスラスト磁気軸受(10)を備えた圧縮機(1)の構成例を示している。この圧縮機(1)は、スラスト磁気軸受(10)の他に、電動機(20)と、羽根車(30)と、ラジアル磁気軸受(40,40)と、制御部(41)と、電源部(42)と、タッチダウン軸受(43,44)と、ケーシング(50)とを備えている。ケーシング(50)は、両端が閉塞された円筒状に形成され、円筒軸線が水平向きとなるように配置されている。ケーシング(50)内の空間は、壁部(51)によって区画され、壁部(51)よりも右側の空間は、電動機(20)を収容するための電動機空間(52)を構成し、壁部(51)よりも左側の空間は、羽根車(30)を収容するための羽根車空間(53)を構成している。
〔電動機〕
電動機(20)は、回転軸(200)と、回転子(201)と、固定子(202)とを備えている。回転軸(200)の一端部には、回転軸(200)と同軸状となるように円盤部(210)が設けられている。回転子(201)は、回転軸(200)と同軸状となるように回転軸(200)に固定されている。また、回転子(201)は、回転子(201)の外周面が所定の距離を隔てて固定子(202)の内周面に対向するように、固定子(202)に挿通されている。固定子(202)は、ケーシング(50)の内周壁に固定されている。この例では、電動機(20)は、いわゆる永久磁石同期モータであり、回転軸(200)の軸心(O)の方向が水平向きとなるように、電動機空間(52)に収容されている。
なお、以下の説明において、「軸方向」とは、回転軸方向のことであって、回転軸(200)の軸心(O)の方向のことであり、「径方向」とは、回転軸(200)の軸方向と直交する方向のことである。また、「外周側」とは、回転軸(200)の軸心(O)からより遠い側のことであり、「内周側」とは、回転軸(200)の軸心(O)により近い側のことである。
〔羽根車〕
羽根車(30)は、複数の羽根によって外形が略円錐形状となるように形成されている。また、羽根車(30)は、回転軸(200)の他端部に固定された状態で、羽根車空間(53)に収容されている。また、羽根車空間(53)には、吸入管(54)および吐出管(55)が接続され、羽根車空間(53)の外周部には、圧縮空間(53a)が形成されている。吸入管(54)は、気体を外部から羽根車空間(53)内に導くために設けられ、吐出管(55)は、羽根車空間(53)内で圧縮された高圧の気体を外部へ戻すために設けられている。この例では、羽根車(30)および羽根車空間(53)によって圧縮機構が構成されている。
〔スラスト磁気軸受〕
スラスト磁気軸受(10)は、電磁力により回転軸(200)の軸方向位置を非接触で制御するように構成されている。この例では、スラスト磁気軸受(10)は、回転軸(200)の円盤部(210)の近傍に配置され、ケーシング(50)の内周壁に固定されている。
〔ラジアル磁気軸受〕
ラジアル磁気軸受(40,40)の各々は、電磁力により回転軸(200)を非接触に支持するように構成されている。この例では、ラジアル磁気軸受(40,40)は、軸方向において電動機(20)を挟んで互いに対向するように配置され、ケーシング(50)の内周壁に固定されている。
〔制御部〕
制御部(41)は、回転軸(200)の位置が所望の位置となるように、回転軸(200)の円盤部(210)とスラスト磁気軸受(10)との間のギャップを検出可能なギャップセンサ(図示を省略)の検出値や、回転軸(200)とラジアル磁気軸受(40,40)との間のギャップを検出可能なギャップセンサ(図示を省略)の検出値に基づいて、スラスト磁気軸受(10)に供給する電力を制御するための電力指令値(スラスト電力指令値)や、ラジアル磁気軸受(40,40)に供給する電力を制御するための電力指令値(ラジアル電力指令値)を出力する。例えば、制御部(41)は、マイクロコンピュータ(図示を省略)と、マイクロコンピュータを動作させるプログラムとによって構成することが可能である。
〔電源部〕
電源部(42)は、制御部(41)からのスラスト電力指令値およびラジアル電力指令値に基づいて、スラスト磁気軸受(10)およびラジアル磁気軸受(40,40)に電力をそれぞれ供給する。例えば、電源部(42)は、PWM(Pulse Width Modulation)アンプによって構成することが可能である。
〔タッチダウン軸受〕
タッチダウン軸受(43)は、回転軸(200)の円盤部(210)とスラスト磁気軸受(10)との接触(特に、スラスト磁気軸受(10)による位置制御が停止した場合の接触)および回転軸(200)とラジアル磁気軸受(40,40)との接触(特に、ラジアル磁気軸受(40,40)による位置制御が停止した場合の接触)を防止するために設けられている。この例では、タッチダウン軸受(43)は、回転軸(200)の一端部(径が大きくなっている部分)の近傍に設けられている。例えば、タッチダウン軸受(43)は、アンギュラ玉軸受によって構成することが可能である。
タッチダウン軸受(44)は、回転軸(200)とラジアル磁気軸受(40,40)との接触(特に、ラジアル磁気軸受(40,40)による位置制御が停止した場合の接触)を防止するために設けられている。この例では、タッチダウン軸受(44)は、回転軸(200)の他端部の近傍に設けられている。例えば、タッチダウン軸受(44)は、玉軸受によって構成することが可能である。
〔スラスト磁気軸受〕
次に、図2を参照して、実施形態1によるスラスト磁気軸受(10)について説明する。スラスト磁気軸受(10)は、一対の電磁石(11,11)を備えている。この例では、電磁石(11,11)は、互いに同一の形状を有し、円盤部(210)の軸方向両側にそれぞれ配置されている。なお、図2では、説明の便宜上、電磁石(11,11)の一部(半周分)および回転軸(200)の一部(半周分)を切り欠いている。
〈電磁石〉
次に、図2,図3を参照して、電磁石(11)について説明する。図3は、電磁石(11)を円盤部(210)から軸方向に見た場合の平面図である。電磁石(11)は、軸方向においてギャップを挟んで円盤部(210)の端面に対向するように配置され、電磁力(磁気吸引力)により回転軸(200)の軸方向位置を非接触で制御することができるように構成されている。電磁石(11)は、コア(12)およびコイル(13)によって構成されている。
《コア》
次に、図2,図3,図4を参照して、コア(12)について説明する。図4は、コア(12)を円盤部(210)から軸方向に見た場合の平面図である。コア(12)は、磁性材料(例えば、鉄など)によって構成され、基台部(101)と、内筒部(102)と、外筒部(103)とを有している。
基台部(101)は、回転軸(200)と同軸状となるように円環状に形成されている。基台部(101)の一端面(101a)は、軸方向において回転軸(200)の円盤部(210)の端面に対向している。この例では、基台部(101)の一端面(101a)および他端面(101b)は、軸方向と直交するように平面状に形成されている。
内筒部(102)および外筒部(103)は、回転軸(200)と同軸状となるように円筒状に形成されている。また、内筒部(102)および外筒部(103)は、基台部(101)の一端面(101a)の内周縁部および外周縁部にそれぞれ設けられている。詳しく説明すると、内筒部(102)および外筒部(103)の一端部は、基台部(101)の一端面(101a)の内周縁部および外周縁部にそれぞれ連結され、内筒部(102)および外筒部(103)の他端部(開放端部)は、軸方向においてギャップを挟んで円盤部(210)の端面に対向している。この例では、内筒部(102)および外筒部(103)は、基台部(101)と一体に形成されている。
《コイル》
コイル(13)は、導線を周方向に巻回することにより構成され、コア(12)のコイル空間(100)に収容されている。コア(12)のコイル空間(100)は、コア(12)の基台部(101),内筒部(102),および外筒部(103)に囲まれている。すなわち、コイル空間(100)は、回転軸(200)と同軸状となる円周溝状に形成されている。なお、コイル(13)の巻回方向やコイル(13)に流れる電流の向きは、図2に示した矢印の方向に磁束が発生するように設定されている。また、コイル空間(100)は、コイル空間(100)内にコイル(13)が収容された後、封止剤(図示を省略)で封止されている(例えば、樹脂ポッティングされている)。
《凹部》
コア(12)の基台部(101)には、凹部(110)が形成されている。凹部(110)は、基台部(101)の一端面(101a)と内筒部(102)の外周面との境界部(B)よりも径方向外方に位置している。この例では、凹部(110)は、基台部(101)の一端面(101a)の全周に亘って形成されている。詳しく説明すると、凹部(110)は、外筒部(103)の内周面に沿って基台部(101)の一端面(101a)を周方向に延び、凹部(110)の縦断面形状(軸方向に沿った断面の形状)は、コイル空間(100)へ向けて開口するコの字状に形成されている。また、凹部(110)の底面は、軸方向と直交するように平面状に形成され、凹部(110)の外周壁面は、外筒部(103)の内周面と面一となっている。すなわち、凹部(110)における基台部(101)の厚み(軸方向長さ)は、周方向および径方向の両方向において一定となっている。
《凹部の詳細》
次に、図4,図5,図6を参照して、凹部(110)について詳しく説明する。図5は、コア(12)の一部を拡大して示した部分平面図であり、図6は、図5のVI-VI線における部分断面図である。
凹部(110)には、凹部(110)内からコア(12)の外部に貫通する貫通穴(111,111)が形成されている。貫通穴(111)には、導線(14)の端部が挿通されている。導線(14)は、コア(12)の外部に引き出される導線であり、例えば、より線によって構成されている。導線(14)の端部は、コア(12)の外部から貫通穴(111)に挿通されて凹部(110)内に引き出され、凹部(110)内においてコイル(13)の端部(より具体的には、コイル(13)を構成する導線の端部)に結線されている。すなわち、凹部(110)には、コイル(13)の端部と導線(14)の端部との結線部(15)が収容されている。なお、導線(14)の端部は、カシメや半田などによりコイル(13)の端部に結線することが可能である。また、凹部(110)内は、凹部(110)内に結線部(15)が収容された後、封止剤(図示を省略)によって封止されている(例えば、樹脂ポッティングされている)。
この例では、貫通穴(111)は、凹部(110)の底部から基台部(101)の他端面(101b)へ向けて軸方向に貫通し、貫通穴(111)の直径は、導線(14)の端部を挿通させることができるように、導線(14)の端部の直径よりも僅かに広くなっている。凹部(110)の径方向幅および深さは、凹部(110)内において導線(14)の端部を周方向に延伸させることができるように、導線(14)の端部の直径よりも僅かに広くなっている。
〈円筒面断面積〉
次に、図7を参照して、回転軸(200)の軸心(O)を中心軸として基台部(101)の任意点を通過する円筒面における基台部(101)の断面積(以下、円筒面断面積と表記)について説明する。なお、基台部(101)の任意点における円筒面断面積は、回転軸(200)の軸心(O)を中心軸としてその任意点を通過する円筒面に沿って基台部(101)を切り抜いたときに現れる基台部(101)の断面(円筒面)の面積に相当する。
実施形態1によるスラスト磁気軸受(10)(図2)では、基台部(101)の凹部(110)(より具体的には、凹部(110)内の任意点)における円筒面断面積(S1)は、基台部(101)の境界部(B)における円筒面断面積(S0)と同等、または、境界部(B)における円筒面断面積(S1)よりも大きくなっていることが好ましい。例えば、基台部(101)の厚み(軸方向長さ)が周方向において一定となっている場合、境界部(B)における円筒面断面積(S0)は、次の式1のように表現でき、凹部(110)における円筒面断面積(S1)は、次の式2のように表現できる。
S0 = 2π×R0×H0 … [式1]
S1 = 2π×R1×H1 … [式2]
ただし、“R0”は、回転軸(200)の軸心(O)から境界部(B)までの半径距離を示し、“H0”は、境界部(B)における基台部(101)の厚みを示し、“R1”は、回転軸(200)の軸心(O)から凹部(110)内の任意点までの半径距離を示し、“H1”は、凹部(110)内の任意点における基台部(101)の厚みを示している。
この例では、凹部(110)は、凹部(110)における円筒面断面積(S1)が境界部(B)における円筒面断面積(S0)よりも大きくなるように、基台部(101)の一端面(101a)の全周に亘って形成されている。
〈基台部の厚みおよび凹部の深さ〉
次に、図8を参照して、基台部(101)の厚みおよび凹部(110)の深さについて説明する。ここでは、基台部(101)の厚みおよび凹部(110)の深さが周方向において一定となっているものとする。
基台部(101)の任意点における円筒面断面積(S)が境界部(B)における円筒面断面積(S1)と同等または大きくなっている場合、任意点における基台部(101)の厚み(H)は、次の式3を満たしている。
S ≧ S0
⇒ 2π×R×H ≧ 2π×R0×H0
⇒ H ≧(R0×H0)/R … [式3]
ただし、“R”は、回転軸(200)の軸心(O)から任意点までの半径距離を示している。
式3のように、基台部(101)の任意点における円筒面断面積(S)が境界部(B)における円筒面断面積(S0)と同等または大きくなっている場合、任意点における基台部(101)の最小厚みは、任意点までの半径距離(R)に反比例している。
また、凹部(110)が基台部(101)の一端面(101a)に形成されるので、基台部(101)の最小厚みは、図8のように、境界部(B)から径方向外方へ向かうに連れて、境界部(B)を始点とする反比例曲線(C)( H =(R0×H0)/R となる仮想曲線)に沿って次第に薄くなっていくことになる。例えば、基台部(101)の一端面(101a)と外筒部(103)の内周面との境界部(この例では、凹部(110)の外周縁)における基台部(101)の最小厚み(H2)は、次の式4のように表現できる。
H2 = (R0×H0)/R2 … [式4]
ただし、“R2”は、回転軸(200)の軸心(O)から基台部(101)の一端面(101a)と外筒部(103)の内周面との境界部(この例では、凹部(110)の外周縁)までの半径距離を示している。
また、基台部(101)の任意点における円筒面断面積(S)が境界部(B)における円筒面断面積(S1)と同等または大きくなっている場合、凹部(110)の深さは、凹部(110)内の任意点(回転軸(200)の軸心(O)から半径距離(R1)の任意点)における基台部(101)の厚み(H1)が反比例曲線(C)により示される基台部(101)の最小厚み((R0×H0)/R1 )よりも薄くならないように設定されている。換言すると、凹部(110)は、回転軸(200)の軸心(O)を中心軸として反比例曲線(C)を回転させることにより得られる回転曲面(仮想的な円錐台形面)よりも深くならないように、基台部(101)の一端面(101a)の全周に亘って形成されている。なお、凹部(110)内の任意点における凹部(110)の深さは、境界部(B)における基台部(101)の厚み(H0)から凹部(110)内の任意点における基台部(101)の厚み(H1)を減算して得られる値によって規定することができる。
〈磁気抵抗〉
次に、基台部(101)の磁気抵抗について説明する。図2のように基台部(101)の径方向の外方から内方へ向けて磁束が流れる場合、基台部(101)の任意点における円筒面断面積(S)が小さくなるほど、基台部(101)の任意点における磁気抵抗(具体的には、任意点を含む径方向の単位長さ当たりの磁気抵抗)が高くなる傾向にある。また、上述のように、基台部(101)の任意点における円筒断面積(S)は、回転軸(200)の軸心(O)からその任意点までの半径距離(R)と、その任意点における基台部(101)の厚み(H)とに正比例している。すなわち、基台部(101)の境界部(B)よりも径方向内方の部分(以下、内方部分と表記)は、基台部(101)の境界部(B)よりも径方向外方の部分(以下、外方部分と表記)よりも、基台部(101)の薄肉化(基台部(101)の厚みが薄くなること)に伴う円筒面断面積(S)の減少量が多くなる傾向にある。例えば、基台部(101)の内方部分において基台部(101)を薄肉化した場合の円筒面断面積(S)の減少量は、基台部(101)の外方部分において基台部(101)の内方部分と同じ厚みだけ基台部(101)を薄肉化した場合の円筒面断面積(S)の減少量よりも多くなる(すなわち、磁気抵抗が高くなる)傾向になる。
〔実施形態1による効果〕
実施形態1によるスラスト磁気軸受(10)では、コア(12)に凹部(110)を形成することにより、スラスト磁気軸受(10)の構成部品(この例では、結線部(15))を収容可能な有効空間をコア(12)に増設することができる。また、基台部(101)の境界部(B)の径方向外方に位置するように凹部(110)を形成することにより、基台部(101)の内方部分(すなわち、基台部(101)の薄肉化に伴う円筒面断面積(S)の減少量が多くなる傾向にある部分)を避けて凹部(110)を形成することができる。これにより、コア(12)の磁気抵抗の増加を抑制しつつコア(12)に有効空間を増設することができる。
さらに、凹部(110)における円筒面断面積(S1)が境界部(B)における円筒面断面積(S0)と同等または大きくなるように凹部(110)を形成することにより、凹部(110)における磁気抵抗を境界部(B)における磁気抵抗よりも低くなることを防止することができる。これにより、有効空間の増設に伴うコア(12)の磁気抵抗の増加を確実に抑制することができる。
また、凹部(110)を基台部(101)の一端面(101a)に形成することにより、凹部(110)によって構成される有効空間をコア(12)とコイル空間(100)に収容されたコイル(13)とによって包囲することができる。これにより、有効空間をコア(12)の外部から隔離して保護することができる。また、凹部(110)によって構成される有効空間がコイル空間(100)に連通されているので、コイル空間(100)とともに有効空間を封止(例えば、樹脂ポッティング)することができる。これにより、有効空間の封止を容易にすることができる。
また、コイル(13)の端部と導線(14)の端部との結線部(15)を凹部(110)に収容することにより、結線部(15)を振動から保護することができる。これにより、結線部(15)の振動による劣化を抑制することができる。
また、凹部(110)を基台部(101)の一端面(101a)の全周に亘って形成することにより、凹部(110)を基台部(101)の一端面(101a)の周方向の一部に形成する場合よりも、凹部(110)によって構成される有効空間を広くすることができる。
なお、有効空間の増設に伴うコア(12)の磁気抵抗の増加を抑制する手段として、コア(12)の基台部(101)の厚みを厚くすることが考えられるが、基台部(101)の厚みを厚くすることにより、電磁石(11)のコア(12)の軸方向長さが長くなって圧縮機(1)の軸方向長さが増加してしまう。特に、一対の電磁石(11,11)のうち電動機(20)に近い側の電磁石(11)においてコア(12)の軸方向長さが長くなると、スラスト磁気軸受(10)と電動機(20)との間の軸方向距離が長くなってしまい、その結果、回転軸(200)の軸方向長さが長くなってしまう。この場合、回転軸(200)および電動機(20)の回転子(201)を含む回転系の共振周波数が低くなってしまうので、スラスト磁気軸受(10)の制御性が低下してしまう。
一方、実施形態1によるスラスト磁気軸受(10)では、電磁石(11)のコア(12)の軸方向長さを長くすることなく、有効空間の増設に伴うコア(12)の磁気抵抗の増加を抑制することが可能であるので、圧縮機(1)の軸方向長さの増加を抑制することができる。特に、この例では、電動機(20)に近い側の電磁石(11)においてコア(12)の軸方向長さを長くしなくても良いので、回転軸(200)の軸方向長さの増加を抑制することができる。これにより、電動機(20)に近い側の電磁石(11)においてコア(12)の基台部(101)の厚みを厚くする場合よりも、回転軸(200)および回転子(201)を含む回転系の共振周波数を高くすることができるので、スラスト磁気軸受(10)の制御性を向上させることができる。
〔コアの変形例1〕
図9,図10のように、凹部(110)にコイル(13)の一部が巻回されていても良い。図9は、実施形態1におけるコア(12)の変形例1の一部を拡大して示した部分平面図であり、図10は、図9のX-X線における部分断面図である。この例では、貫通穴(111)には、コイル(13)の端部が挿通されている。コイル(13)の端部は、凹部(110)内から貫通穴(111)に挿通されてコア(12)の外部に引き出され、コア(12)の外部において導線(14)の端部に結線されている。また、この例では、貫通穴(111)の直径は、コイル(13)の端部を挿通させることができるように、コイル(13)の端部の直径よりも僅かに広くなっている。凹部(110)は、コイル(13)を周方向に巻回することができるように、基台部(101)の一端面(101a)の全周に亘って形成されている。
以上のように構成することにより、コイル(13)を巻回するための空間を拡張することができるので、コイル(13)の設計自由度を向上させることができる。例えば、コイル(13)の巻数を増やしてコイル(13)に流れる電流を小さくすることができる。または、コイル(13)の線径を太くしてコイル(13)の電気抵抗を低くすることができる。このように、コイル(13)に流れる電流を小さくする(または、コイル(13)の電気抵抗を低くする)ことができるので、コイル(13)の損失を低減してコイル(13)の発熱を抑制することができる。
〔コアの変形例2〕
図11のように、凹部(110)は、基台部(101)の一端面(101a)の周方向の一部に形成されていても良い。図11は、実施形態1におけるコア(12)の変形例2を円盤部(210)から軸方向に見た場合の平面図である。この例では、凹部(110)は、円弧角が約90°となるように周方向に沿って円弧状に形成され、凹部(110)の周方向の両端部には、貫通穴(111,111)が形成されている。
以上のように構成することにより、凹部(110)を基台部(101)の一端面(101a)の全周に亘って形成する場合よりも、凹部(110)の形成に伴う円筒面断面積の減少(すなわち、磁気抵抗の増加)を抑制することができる。
〔コアの変形例3〕
図12のように、凹部(110)は、径方向外方に向かうに連れて次第に深くなるように形成されていても良い。図12は、実施形態1におけるコア(12)の変形例3の一部の縦断面(軸方向と直交する断面)を拡大して示した部分断面図である。この例では、凹部(110)は、軸方向から見た場合に基台部(101)の一端面(101a)と内筒部(102)の外周面との境界部(B)から基台部(101)の一端面(101a)と外筒部(103)の内周面との境界部まで延びている。また、凹部(110)の底面の縦断面形状(軸方向と直交する断面の形状)は、境界部(B)を始点とする反比例曲線(C)(基台部(101)の最小厚みを示した曲線)に一致している。
以上のように構成することにより、凹部(110)の形成に伴う円筒面断面積の減少(すなわち、磁気抵抗の増加)を抑制しつつ凹部(110)によって構成される有効空間を広くすることができる。
(実施形態2)
図13は、実施形態2によるスラスト磁気軸受(10)の構成例を示している。このスラスト磁気軸受(10)では、凹部(110)は、基台部(101)の一端面(101a)と内筒部(102)の外周面との境界部(B)よりも径方向外方に位置するように、基台部(101)の他端面(101b)に形成されている。その他の構成は、図2に示したスラスト磁気軸受(10)の構成と同様である。
《凹部》
次に、図14を参照して、凹部(110)について説明する。図14は、コア(12)の基台部(101)の他端面(101b)を軸方向から見た場合の平面図である。この例では、凹部(110)は、基台部(101)の他端面(101b)の全周に亘って形成されている。
《凹部および貫通穴》
次に、図15,図16を参照して、凹部(110)について詳しく説明する。図15は、コア(12)の一部を拡大して示した部分平面図であり、図16は、図15のXVI-XVI線における部分断面図である。
凹部(110)には、凹部(110)内からコア(12)のコイル空間(100)に貫通する貫通穴(112,112)が形成されている。貫通穴(112)には、コイル(13)の端部が挿通されている。コイル(13)の端部は、コイル空間(100)から貫通穴(112)に挿通されて凹部(110)内に引き出され、凹部(110)内において導線(14)の端部に結線されている。すなわち、凹部(110)には、コイル(13)の端部と導線(14)の端部との結線部(15)が収容されている。
この例では、貫通穴(112)は、凹部(110)の底部からコイル空間(100)へ向けて軸方向に貫通し、貫通穴(112)の直径は、コイル(13)の端部を挿通することができるように、コイル(13)の端部の直径よりも僅かに広くなっている。
〈円筒面断面積〉
図17のように、実施形態2によるスラスト磁気軸受(10)においても、基台部(101)の凹部(110)(より具体的には、凹部(110)内の任意点)における円筒面断面積(S1)は、基台部(101)の境界部(B)における円筒面断面積(S0)と同等、または、境界部(B)における円筒面断面積(S1)よりも大きくなっていることが好ましい。この例では、凹部(110)は、凹部(110)における円筒面断面積(S1)が境界部(B)における円筒面断面積(S0)よりも大きくなるように、基台部(101)の他端面(101b)の全周に亘って形成されている。
〈基台部の厚みおよび凹部の深さ〉
次に、図18を参照して、基台部(101)の厚みおよび凹部(110)の深さについて説明する。ここでは、基台部(101)の厚みおよび凹部(110)の深さが周方向において一定となっているものとする。
凹部(110)が基台部(101)の他端面(101b)に形成されるので、基台部(101)の任意点における円筒面断面積(S)が境界部(B)における円筒面断面積(S0)と同等または大きくなっている場合、基台部(101)の最小厚みは、図18のように、回転軸(200)の軸心(O)を中心軸として境界部(B)を通過する円筒面(仮想面)と基台部(101)の他端面(101b)との交差部(D)から径方向外方へ向かうに連れて、交差部(D)を始点とする反比例曲線(C)( H =(R0×H0)/R となる仮想曲線)に沿って次第に薄くなっていくことになる。
また、基台部(101)の任意点における円筒面断面積(S)が境界部(B)における円筒面断面積(S0)と同等または大きくなっている場合、凹部(110)の深さは、凹部(110)内の任意点(回転軸(200)の軸心(O)から半径距離(R1)の任意点)における基台部(101)の厚み(H1)が反比例曲線(C)により示される基台部(101)の最小厚み((R0×H0)/R1 )よりも薄くならないように設定されている。換言すると、凹部(110)は、回転軸(200)の軸心(O)を中心軸として反比例曲線(C)を回転させることにより得られる回転曲面(仮想的な円錐台形面)よりも深くならないように、基台部(101)の他端面(101b)の全周に亘って形成されている。
〔実施形態2による効果〕
実施形態2によるスラスト磁気軸受(10)では、基台部(101)の境界部(B)の径方向外方に位置するように凹部(110)を形成することにより、基台部(101)の内方部分(すなわち、基台部(101)の薄肉化に伴う円筒面断面積(S)の減少量が多くなる傾向にある部分)を避けて凹部(110)を形成することができるので、コア(12)の磁気抵抗の増加を抑制しつつコア(12)に有効空間を増設することができる。
さらに、凹部(110)における円筒面断面積(S1)が境界部(B)における円筒面断面積(S0)と同等または大きくなるように凹部(110)を形成することにより、凹部(110)における磁気抵抗が境界部(B)における磁気抵抗よりも高くなることを防止することができるので、有効空間の増設に伴うコア(12)の磁気抵抗の増加を確実に抑制することができる。
また、凹部(110)を基台部(101)の他端面(101b)に形成することにより、凹部(110)によって構成される有効空間をコア(12)の外部に開口させることができる。これにより、有効空間に対する作業(部品の出し入れなど)をコア(12)の外部から容易に行うことができる。
また、コイル(13)の端部と導線(14)の端部との結線部(15)を凹部(110)に収容することにより、結線部(15)を振動から保護することができる。これにより、結線部(15)の振動による劣化を抑制することができる。
また、凹部(110)を基台部(101)の他端面(101b)の全周に亘って形成することにより、凹部(110)を基台部(101)の他端面(101b)の周方向の一部に形成する場合よりも、凹部(110)によって構成される有効空間を広くすることができる。
〔コアの変形例1〕
図19のように、凹部(110)は、基台部(101)の他端面(101b)の周方向の一部に形成されていても良い。図19は、実施形態2におけるコア(12)の変形例1の他端面(101b)を軸方向から見た場合の平面図である。この例では、凹部(110)は、円弧角が約90°となるように周方向に沿って円弧状に形成され、凹部(110)の周方向の両端部には、貫通穴(112,112)が形成されている。
以上のように構成することにより、凹部(110)を基台部(101)の他端面(101b)の全周に亘って形成する場合よりも、凹部(110)の形成に伴う円筒面断面積の減少(すなわち、磁気抵抗の増加)を抑制することができる。
〔コアの変形例2〕
図20のように、凹部(110)は、径方向外方に向かうに連れて次第に深くなるように形成されていても良い。図20は、実施形態2におけるコア(12)の変形例2の一部の縦断面(軸方向と直交する断面)を拡大して示した部分断面図である。この例では、凹部(110)は、軸方向から見た場合(透視した場合)に基台部(101)の一端面(101a)と内筒部(102)の外周面との境界部(B)から基台部(101)の一端面(101a)と外筒部(103)の内周面との境界部まで延びている。また、凹部(110)の底面の縦断面形状は、交差部(D)を始点とする反比例曲線(C)(基台部(101)の最小厚みを示した曲線)に一致している。
以上のように構成することにより、凹部(110)の形成に伴う円筒面断面積の減少(すなわち、磁気抵抗の増加)を抑制しつつ凹部(110)によって構成される有効空間を広くすることができる。
(その他の実施形態)
以上の実施形態の説明において、回転軸(200)の軸方向が水平向きとなるように回転軸(200)およびスラスト磁気軸受(10)を配置する場合を例に挙げて説明したが、回転軸(200)の軸方向が鉛直方向を向くように回転軸(200)およびスラスト磁気軸受(10)を配置しても良い。
また、一対の電磁石(11,11)が互いに同一の形状(寸法)を有している場合を例に挙げて説明したが、互いに異なる形状(寸法)を有するように一対の電磁石(11,11)を構成しても良いし、電磁石(11,11)のいずれか一方が別の種類の電磁石(または、永久磁石)に置き換えられていても良い。
なお、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施しても良い。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、上述のスラスト磁気軸受は、圧縮機などに有用である。
1 圧縮機
10 スラスト磁気軸受
11 電磁石
12 コア
13 コイル
14 導線
15 結線部
100 コイル空間
101 基台部
101a 基台部の一端面
101b 基台部の他端面
102 内筒部
103 外筒部
110 凹部
111,112 貫通穴
B 基台部の一端面と内筒部の外周面との境界部
20 電動機
200 回転軸
201 回転子
202 固定子
210 円盤部
30 羽根車
40 ラジアル磁気軸受
41 制御部
42 電源部
43,44 タッチダウン軸受
50 ケーシング
51 壁部
52 電動機空間
53 羽根車空間

Claims (13)

  1. 同軸状となるように円盤部(210)が設けられた回転軸(200)の軸方向位置を電磁力により非接触で制御可能な電磁石(11)を備え、
    上記電磁石(11)は、
    上記回転軸(200)と同軸状となるように円環状に形成された基台部(101)と、それぞれが円筒状に形成され該基台部(101)の上記円盤部(210)の端面に対向する一端面(101a)の内周縁部および外周縁部にそれぞれ設けられた内筒部(102)および外筒部(103)とを有するコア(12)と、
    上記コア(12)の基台部(101),内筒部(102),および外筒部(103)に囲まれたコイル空間(100)に収容されたコイル(13)とによって構成され、
    上記基台部(101)には、該基台部(101)の一端面(101a)と上記内筒部(102)の外周面との境界部(B)よりも上記回転軸(200)の径方向外方に位置するように凹部(110)が形成されている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  2. 請求項1において、
    上記回転軸(200)の軸心(O)を中心軸として上記凹部(110)を通過する円筒面における上記基台部(101)の断面積(S1)は、該回転軸(200)の軸心(O)を中心軸として上記境界部(B)を通過する円筒面における該基台部(101)の断面積(S0)と同等または大きくなっている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  3. 請求項1または2において、
    上記凹部(110)は、上記基台部(101)の一端面(101a)に形成されている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  4. 請求項3において、
    上記凹部(110)には、上記コア(12)の外部に貫通する貫通穴(111)が形成され、該コア(12)の外部から該貫通穴(111)に挿通された導線(14)の端部と上記コイル(13)の端部との結線部(15)が収容されている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  5. 請求項3または4において、
    上記凹部(110)は、上記基台部(101)の一端面(101a)の全周に亘って形成されている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  6. 請求項3または4において、
    上記凹部(110)は、上記基台部(101)の一端面(101a)の周方向の一部に形成されている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  7. 請求項3において、
    上記凹部(110)は、上記基台部(101)の一端面(101a)の全周に亘って形成され、
    上記凹部(110)には、コイル(13)の一部が巻回されている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  8. 請求項1または2において、
    上記凹部(110)は、上記基台部(101)の他端面(101b)に形成されている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  9. 請求項8において、
    上記凹部(110)には、上記コア(12)のコイル空間(100)に貫通する貫通穴(112)が形成され、該コイル空間(100)から該貫通穴(112)に挿通された上記コイル(13)の端部と該コア(12)の外部に引き出される導線(14)の端部との結線部(15)が収容されている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  10. 請求項8または9において、
    上記凹部(110)は、上記基台部(101)の他端面(101b)の全周に亘って形成されている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  11. 請求項8または9において、
    上記凹部(110)は、上記基台部(101)の他端面(101b)の周方向の一部に形成されている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項において、
    上記凹部(110)は、上記回転軸(200)の径方向外方に向かうに連れて次第に深くなっている
    ことを特徴とするスラスト磁気軸受。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のスラスト磁気軸受(10)と、
    上記スラスト磁気軸受(10)によって軸方向位置が非接触で制御される回転軸(200)を有する電動機(20)と、
    上記電動機(20)によって駆動される圧縮機構とを備えている
    ことを特徴とする圧縮機。
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