JP2014126115A - 樹脂爪構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】主に、一体爪構造(一体型の樹脂爪構造)における、繰返し使用に対する安定性と、係止力とを両立させるようにする。
【解決手段】樹脂部品21に対し、相手部品22に設けられた係止穴23へ挿入可能な挿入部24と、この挿入部24の一側面から面外方向へ向け突設されて上記係止穴23の一方の縁部に係止可能な係止部25とが一体に形成された樹脂爪構造に関する。上記挿入部24が、上記樹脂部品21から延びる一方の梁部31と他方の梁部32との先端部間を、連結折返部33で連結することによって、上記一方の梁部31と他方の梁部32との間に、側方へ開口する開口部34を有する閉ループ状突起部35とされるようにしている。
【選択図】図1

Description

この発明は、樹脂爪構造に関するものである。
自動車などの車両には、車室内や車室外に、多数の樹脂部品が用いられている。このような樹脂部品を、車体や他の部品など(以下、相手部品という)に対して取付けるための構造には、大きく分けて、スクリュー固定と、爪固定との2つが存在している。
このうち、爪固定は、更に、樹脂部品とは別体の金属クリップや樹脂クリップなどの別体部品を用いた別体爪構造のものと、樹脂部品と同じ材質で樹脂部品に一体に形成された一体爪構造のもの(例えば、特許文献1参照)とに分けることができる。
このうち、上記した別体爪構造のものは、弾性変形能力の高い金属クリップや柔軟な樹脂クリップなどの別体部品を用いているため、繰返し使用に対する耐力や安定性が高いという特徴がある。
一方、上記した一体爪構造のものは、樹脂部品と同じ材料(例えば、硬質樹脂など)によって構成されているため、高い係止力を得るのが容易であるという特徴がある。また、一体爪構造のものは、樹脂部品に対して一体に形成されているため、別体爪構造のように金属クリップや樹脂クリップなどの別体部品を用いる必要がないので、別体爪構造のものと比べて、部品コストがかからず、また、別体部品を樹脂部品に組付けるための手間がかからないなどの特徴がある。
そして、これらの各構造には、一長一短があるため、用途に応じてそれぞれ使い分けられている。
図6、図7は、上記した一体爪構造(一体型の樹脂爪構造)を示すものである。この樹脂爪構造は、樹脂部品1に対し、相手部品に設けられた係止穴へ挿入可能な挿入部4と、この挿入部4の一側面から面外方向へ向け突設されて係止穴の一方の縁部に係止可能な係止部5とを一体に有するものとされる。
上記した挿入部4には、U字状のスリット部6が形成されることによって、スリット部6の内側に片持梁7が設けられる。そして、上記した係止部5は、この片持梁7に対して設けられている。この片持梁7は、挿入部4の先端側に対して連続されると共に、挿入部4の基部側がフリーとされている。
更に、挿入部4の他側面(背面)には、その両側部に沿って一対のリブ11が一体に形成されている。このリブ11には、係止穴の他方の縁部に対して当接可能な背面側受部12と、相手部品を挿入方向13に受ける挿入方向受部14とが形成されている。
なお、上記した係止部5は、挿入部4の面直方向15へ移動するスライド型を用いて成形される。
特開2009−96295号公報
しかしながら、上記した一体型の樹脂爪構造(一体爪構造)には、以下のような問題があった。
即ち、上記した一体型の樹脂爪構造は、硬質樹脂などによって構成されているため、比較的容易に高い係止力を得ることができる反面、弾性変形能力が比較的低く、相手部品に対して係止させる際や係止中などに、弾性変形能力を越えるような大きな変形が与えられるなどによって塑性変形が生じると、係止力が一気に低下してしまい、繰返し使用が難しくなるなどの問題を有していた。
また、上記した一体型の樹脂爪構造は、挿入部4の全幅に亘って係止部5を設けることができず、また、挿入部4の全長に亘って片持梁7を設けることができないような構造になっていたため、挿入部4の一部しか係止保持の機能に寄与することができないなどの問題も有していた。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、樹脂部品に対し、相手部品に設けられた係止穴へ挿入可能な挿入部と、該挿入部の一側面から面外方向へ向け突設されて前記係止穴の一方の縁部に係止可能な係止部とが一体に形成された樹脂爪構造において、前記挿入部が、前記樹脂部品から延びる一方の梁部と他方の梁部との先端部間を、連結折返部で連結することによって、前記一方の梁部と他方の梁部との間に、側方へ開口する開口部を有する閉ループ状突起部とされ、前記一方の梁部が、その外側面に前記係止部を有し、前記他方の梁部が、その外側面に前記係止穴の他方の縁部に対して当接可能な背面側受部と、前記相手部品を挿入方向に受ける挿入方向受部とを有することを特徴とする。
請求項2に記載された発明は、上記において、少なくとも前記他方の梁部が、緊急時の荷重入力によって破断可能な緊急時破断予定部を有することを特徴とする。
請求項3に記載された発明は、上記において、前記他方の梁部と前記樹脂部品との間に、前記他方の梁部の強度を設定可能な強度設定用壁部が設けられたことを特徴とする。
請求項4に記載された発明は、上記において、前記開口部の内面側に、前記一方の梁部が破損して前記樹脂部品から分離した場合に、一方の梁部を受ける破損時梁受部を設けたことを特徴とする。
請求項1に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、樹脂部品に一体に形成された挿入部を相手部品に設けられた係止穴へ挿入して、挿入部の一側面から面外方向へ向けて一体に突設された係止部を係止穴の一方の縁部に係止させることにより、樹脂部品を相手部品に対して係止保持させることができる。
この際、一方の梁部の外側面に設けた係止部が、係止穴の一方の縁部に係止されることにより、相手部品に対する樹脂部品の係止保持が行われる。また、他方の梁部の外側面に設けた背面側受部が、係止穴の他方の縁部に対して当接されることにより、相手部品に対する挿入部の面直方向の位置規制が行われる。更に、他方の梁部の外側面に設けた挿入方向受部が相手部品を受けることにより、相手部品に対する挿入部の挿入方向の位置規制が行われる。
そして、相手部品の係止穴へ挿入される挿入部を、樹脂部品から延びる一方の梁部と他方の梁部との先端部間を、連結折返部によって連結した閉ループ状突起部とすることにより、構造的に挿入部の弾性変形能力を高めることが可能となるので、挿入部が係止穴へ挿入係止される際や係止された後などに、塑性変形を起こし難くなり、挿入部の塑性変形による係止力の低下を防止して、繰返し使用に対する耐力や安定性を向上することができる。しかも、挿入部を閉ループ状突起部としない場合と比べて、挿入部の塑性変形による破損を生じ難くすることもできる。
更に、閉ループ状突起部は、均一の断面を有して幅方向へ延びるものとなるため、係止部も、挿入部の幅全域に亘って延在されることになるので、係止部の大きさ(幅寸法)を、通常の一体爪の場合よりも大きくすることができる。しかも、閉ループ状突起部の幅寸法によって、係止穴に対する係止部の係止力を容易に設定することができるようになる。
加えて、閉ループ状突起部は、一方の梁部と他方の梁部とをほぼ足した長さを有する折返形状の両持梁となるので、上記したように高い弾性変形能力を確保すると共に、一方の梁部と他方の梁部との突出長さによって、弾性変形能力を容易に設定することができるようになる。
以上により、一体爪構造(一体型の樹脂爪構造)であっても、繰返し使用に対する耐力や安定性をこれまでよりも向上しつつ、これまでと同様の高い係止力を得ることができ、上記した安定性と係止力とを両立させることが可能となる。
加えて、閉ループ状突起部は、側方(幅方向)へ移動するスライド型によって成形されるものとなるため、一方の梁部の係止部と対向する位置に障害物などがあって、一方の梁部の面直方向へスライド型を移動させられないような場合であっても、支障なく閉ループ状突起部を成形する(或いは、型構造を成立させる)ことが可能となる。
また、仮に、他方の梁部に対して、挿入方向受部を設けない場合などには、閉ループ状突起部の開口部を形成するためのスライド型は、挿入方向へ長く延びる細長いI字型のものとなる。これに対し、他方の梁部に挿入方向受部を設ける場合などには、閉ループ状突起部の開口部を形成するためのスライド型を、挿入方向のみに対して延びる部分が上記よりも短いL字型のものとすることができる。よって、挿入方向受部を設けてスライド型をL字型のものとすることにより、スライド型の強度をより高くして、閉ループ状突起部を成形し易くすることができる。
請求項2に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、少なくとも他方の梁部が緊急時破断予定部を有することにより、緊急時の荷重入力によって、少なくとも他方の梁部を破断させることができる。これにより、緊急時の荷重入力を、他方の梁部の破断によって吸収し、緩和させることができる。
請求項3に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、他方の梁部と樹脂部品との間に強度設定用壁部を設けたことにより、他方の梁部の強度を強度設定用壁部によって設定・調整することができる。これにより、閉ループ状突起部の一部を構成する他方の梁部を、通常時に容易に破損されることのないように強化すると共に、閉ループ状突起部の弾性変形能力や弾性変形の仕方を設定・調整することができるようになるので、閉ループ状突起部の最適化を図ることが可能となる。
請求項4に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、開口部の内側に破損時梁受部を設けたことにより、一方の梁部が破損して樹脂部品から分離してしまった場合に、一方の梁部を破損時梁受部が受けて、ほとんど変位しないように押さえる(係止保持する)ことが可能となる。これにより、一方の梁部が破損したとしても、係止部による係止力をそのまま保持し続けさせることができるようになる。
本発明の実施例にかかる樹脂爪構造の側面図である。 図1の斜視図である。 破損時梁受部の変形例を示すものであり、(a)は斜面を有する三角形状のもの、(b)は直角三角形状のもの、(c)は半長円形状のものである。 スライド型をI字型とした場合を示す側面図である。 スライド型をL字型とした場合を示す側面図である。 従来例にかかる樹脂爪構造の表面側から見た斜視図である。 図6を背面側から見た斜視図である。
以下、本実施の形態を具体化した実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図5は、この実施例およびその変形例を示すものである。
<構成>以下、構成について説明する。
この実施例にかかる樹脂爪構造は、主に図1に示すように、樹脂部品21に対し、相手部品22に設けられた係止穴23へ挿入可能な挿入部24と、この挿入部24の一側面から面外方向へ向け突設されて上記した係止穴23の一方の縁部(図中左側の縁部)に係止可能な係止部25とが一体に形成されたもの(一体爪)とされる。
(補足説明)
上記した樹脂爪構造は、自動車などの車両の場合、車室内や車室外に設けられる各種の樹脂部品に対して設けられる。例えば、車室内の前部に設けられるインストルメントパネルや、このインストルメントパネルに取付けられる各種のサブパネルや、車室内に設置されるセンターコンソールや、このセンターコンソールに取付けられる各種のサブパネルなどに設けられる。
なお、樹脂部品21および相手部品22は、上記したものや、図示したような形状のものに限るものではない。また、係止穴23は、挿入部24が挿入できる最小限の大きさ(幅寸法および奥行き寸法)を有するものとされる。
そして、以上のような基本構成に対し、この実施例のものでは、以下のような構成を備えるようにしている。
(構成1)
上記挿入部24が、上記樹脂部品21から延びる一方の梁部31と他方の梁部32との先端部間を、連結折返部33で連結することによって、上記一方の梁部31と他方の梁部32との間に、側方へ開口する開口部34を有する閉ループ状突起部35とされる。
そして、上記一方の梁部31が、その外側面に、上記係止部25を有するものとされる。
また、上記他方の梁部32が、その外側面に、上記係止穴23の他方の縁部(図中右側の縁部)に対して当接可能な背面側受部36と、上記相手部品22を挿入方向38(図2参照)に受ける挿入方向受部37とを有するものとされる。
(補足説明1)
ここで、上記した「樹脂部品21」は、硬質の樹脂によって構成される。但し、樹脂部品21は、軟質の樹脂によって構成されたものとすることもできる。
上記した「相手部品22」は、金属部品であっても、樹脂部品であっても良い。
上記した「係止部25」は、先端側に導入テーパ部25aを有すると共に、基部側に係止穴23の一方の縁部の裏面側に係止される係止面25bを有する側面視ほぼ山型の突出部とされる。この場合、係止部25の内側面は、係止部25の突出形状に応じた凹形状とされている。この係止面25bは、所要角度の傾斜を有するものとされている。係止部25は、一方の梁部31の幅方向43の全域に亘って延びる広幅のものとされる。
上記した「一方の梁部31」と「他方の梁部32」とは、それぞれ、(連結折返部33によって連結されていない状態では、)互いに狭い間隔41を有して樹脂部品21からほぼ平行に延びる片持状のものとされる。一方の梁部31と他方の梁部32との間の間隔41は、おおむね、一方の梁部31または他方の梁部32の肉厚のほぼ1.5倍から4倍程度の範囲内のものなどとされる。
上記した「連結折返部33」は、文字通り、一方の梁部31と、他方の梁部32との先端部間を連結して一体化し、全体を折返形状にするためのものである。連結折返部33周辺の内外面には、上記係止穴23への挿入が容易となるように、また、応力集中を緩和するために、適宜アール加工が施されている。
上記した「開口部34」は、閉ループ状突起部35に必要な弾性変形力を確保するために、一方の梁部31と他方の梁部32との間を連結する梁や壁などが何もない状態で、閉ループ状突起部35の先端部から基部まで、連続して挿入方向38へ延びる通し空間を、少なくとも一つ有するものとされる。
上記した「閉ループ状突起部35」は、樹脂部品21から面外方向へ向けてほぼ逆U字状に延びる比較的細長いもの(挿入部24)とされる。この閉ループ状突起部35は、基部(付根部)側の部分間が樹脂部品21によって閉ループ状に閉じられている(底部42)。このほぼ逆U字状をした閉ループ状突起部35は、その両端部(一方の梁部31と他方の梁部32とのそれぞれの基部)が、樹脂部品21に対して一体的に連続されることにより、両持梁を構成している。
この閉ループ状突起部35は、ほぼ全体が均等に弾性変形し得るようにするために、例外的な部分を除いてほぼ均一な肉厚を有するものとされている。例えば、上記した係止部25の部分は、例外的に、他の部分よりも若干厚肉に構成されていると共に、それ以外の部分は、肉厚がほぼ一定とされている。この閉ループ状突起部35は、例えば、図示しないスライド型を幅方向43(図2参照)へ移動させることによって形成される。これにより、閉ループ状突起部35は、一定の断面形状を有して幅方向43へ延びるものなどとなる。
上記した「背面側受部36」は、係止穴23に対する挿入部24の挿入方向38へ延びるものとされる。背面側受部36は、他方の梁部32の先端側から中間部まで延びる比較的長いものとされている。
上記した「挿入方向受部37」は、相手部品22(の表面側、または、図中下面側)の係止穴23周辺の部分を受ける(当接支持する)ものとされる。挿入方向受部37は、背面側受部36よりも基部側の部分に設けられる。この挿入方向受部37は、挿入部24の面直方向45(図2参照)で、且つ、一方の梁部31とは反対側へ延びる屈曲面とされる。挿入方向受部37は、上記面直方向45へ所要の長さに延びた後、樹脂部品21側へ屈曲されて上記挿入方向38へ延びることにより、所要の長さの高さ調整部46を有して樹脂部品21に接続される。
そして、係止部25の係止面25bと挿入方向受部37との間の距離47が、相手部品22の肉厚とほぼ等しくなるように設定される。
(構成2)
上記において、必要な場合には、少なくとも上記他方の梁部32が、緊急時の荷重入力によって破断可能な緊急時破断予定部51を有するものとされる。
(補足説明2)
ここで、上記した「緊急時破断予定部51」は、他方の梁部32に対して少なくとも1つ以上設けるようにすることができる。この緊急時破断予定部51は、他方の梁部32を部分的に薄肉にするものであり、切欠部やノッチ部などの脆弱部とすることができる。この場合、緊急時破断予定部51は、例えば、三角溝などの脆弱部とされている。この三角溝は、上記した幅方向43へ延びるものなどとされている。但し、緊急時破断予定部51は、三角溝に限るものではなく、また、幅方向43へ延びるものに限るものではない。
この場合、緊急時破断予定部51は、高さ調整部46の内側面(開口部34内)の部分(緊急時破断予定部51a)と、挿入方向受部37の内側面の部分(緊急時破断予定部51b)との2箇所に対して設けられている。
この場合、例えば、高さ調整部46に設けた緊急時破断予定部51aが、メインとして機能するものとされ、挿入方向受部37に設けた緊急時破断予定部51bが補助的に機能するものとされている。但し、緊急時破断予定部51は、1箇所としても、3箇所以上としても良い。また、緊急時破断予定部51は、他方の梁部32の外面側などに対して設けることもできる。
(構成3)
上記において必要な場合には、上記他方の梁部32と上記樹脂部品21との間に、上記他方の梁部32の強度を設定可能な強度設定用壁部55が設けられる。
(補足説明3)
ここで、上記した「強度設定用壁部55」は、他方の梁部32の基部側における、挿入方向受部37と樹脂部品21との間の、開口部34の屈曲部分の内側に対し、全面的或いは部分的に設けられるようにする。
この場合、強度設定用壁部55は、上記したスライド型との干渉を避けるために、閉ループ状突起部35における幅方向43の一側または他側に片寄せて設けるようにするのが好ましい。
この強度設定用壁部55には、更に、上記した緊急時破断予定部51を設けることができる。この緊急時破断予定部51は、適宜の位置に適宜の数だけ設けることができるが、上記した挿入方向受部37や高さ調整部46に対して緊急時破断予定部51が設けられる場合には、これらと連続させて、同じ数だけ設けるようにするのが好ましい。この場合には、緊急時破断予定部51として、上記した挿入方向38や面直方向45へ延びる十字状の三角溝としている。
(構成4)
上記において必要な場合には、上記開口部34の内面側に、上記一方の梁部31が破損して上記樹脂部品21から分離した場合に、一方の梁部31を受ける破損時梁受部61を設けるようにする。
(補足説明4)
ここで、上記した「破損時梁受部61」は、破損した一方の梁部31を、破損前の位置からほとんど動かないように係止保持するためのものである。破損時梁受部61は、開口部34の内面側であれば、構造的には、どこの位置にでも設けることができる。例えば、連結折返部33や、他方の梁部32や、樹脂部品21の上記した底部42などに対して設けることができる。
この破損時梁受部61は、係止部25が設けられる一方の梁部31の破損し易い部分の周辺に設けるのが好ましい。特に、破損時梁受部61は、上記した係止部25よりも、挿入方向38の基部側の位置に設けるのが好ましい。
即ち、一方の梁部31は、構造的に、基部側の樹脂部品21との接続部分が最も破損し易いことが分かっているので、破損時梁受部61は、樹脂部品21の上記した底部42に対して設けるのが、最も効果的で好ましい。
例えば、破損時梁受部61は、一方の梁部31の基部に隣接させて設けるようにする。または、図3(a)に示すように、破損時梁受部61は、一方の梁部31(および他方の梁部32)から、僅かに離れた位置に設けるようにする(距離s)。このようにすることにより、スライド型を作り易くすることができる。
これに対し、破損時梁受部61を、一方の梁部31と直接重なるように設けてしまうと、その部分に、急激な肉厚変化による応力集中が生じ易くなるため、破損時梁受部61は、一方の梁部31とは直接重ならないように設けるのが好ましい。
また、破損時梁受部61は、図3(a)に示すように、一方の梁部31の側の部分に、一方の梁部31から離れる方向へ傾斜する斜面を有する、側面視三角形状のものなどとするのが形状的および配置的には好ましい。また、破損時梁受部61は、例えば、図3(b)に示すように、一方の梁部31の側の部分に、一方の梁部31の内面と平行な面を有する直角三角形状または矩形状の突条や、例えば、図3(c)に示すように、半円形状または半長円形状などの曲面形状を有する突条などとすることができる。
破損時梁受部61は、要するに、破損した一方の梁部31を実質的に受け止めることができるのであれば、どのような形状としても良い。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
樹脂部品21に一体に形成された挿入部24を、相手部品22に設けられた係止穴23へ挿入して、挿入部24の一側面から面外方向へ向けて一体に突設された係止部25を、係止穴23の一方の縁部に係止させることにより、樹脂部品21を、相手部品22に対して係止保持させることができる。
この際、閉ループ状突起部35の一方の梁部31の外側面に設けた係止部25が、係止穴23の一方の縁部に係止されることにより、相手部品22に対する樹脂部品21の係止保持が行われる。
また、他方の梁部32の外側面に設けた背面側受部36が、係止穴23の他方の縁部に対して当接されることにより、相手部品22に対する挿入部24の面直方向45の位置規制が行われることになる。
更に、他方の梁部32の外側面に設けた挿入方向受部37が相手部品22を挿入方向38に受けることにより、相手部品22に対する挿入部24の挿入方向38の位置規制が行われることになる。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
(作用効果1)
相手部品22の係止穴23へ挿入される挿入部24を、樹脂部品21から延びる一方の梁部31と他方の梁部32との先端部間を、連結折返部33によって連結した閉ループ状突起部35とすることにより、構造的に挿入部24の弾性変形能力を高めることが可能となるので、係止部25が係止穴23へ挿入係止される際や係止された後などに、挿入部24が塑性変形を起こし難くなり、挿入部24の塑性変形による係止力の低下を防止して、繰返し使用に対する耐力や安定性を向上することができる。しかも、挿入部24を閉ループ状突起部35としない場合と比べて、挿入部24の塑性変形による破損を生じ難くすることもできる。
特に、閉ループ状突起部35の内部に形成される開口部34を、一方の梁部31と他方の梁部32との間を連結する梁や壁などが何もない状態で、閉ループ状突起部35の先端部から基部まで、連続して挿入方向38へ延びる通し空間とすることにより、閉ループ状突起部35は、より大きな弾性変形力を確保することができる。
更に、閉ループ状突起部35は、均一の断面形状を有して幅方向43へ延びるものとなるため、係止部25も、挿入部24の幅全域に亘って延在されることになるので、係止部25の大きさ(幅寸法)を、通常の一体爪の場合よりも大きくすることができる。しかも、閉ループ状突起部35(係止部25)の幅寸法によって、係止穴23に対する係止部25の係止力を容易に設定することができるようになる。この際、閉ループ状突起部35(または係止部25)の幅寸法を大きくすることにより、得られる係止力が大きくなり、反対に、閉ループ状突起部35(または係止部25)の幅寸法を小さくすることにより、得られる係止力が小さくなる。
加えて、閉ループ状突起部35は、一方の梁部31と他方の梁部32とをほぼ足した長さを有する折返形状の両持梁となるので、上記したように高い弾性変形能力を確保すると共に、一方の梁部31と他方の梁部32との突出長さによって、弾性変形能力を容易に設定することができるようになる。この際、上記した突出長さを長くすることにより、得られる弾性変形能力が大きくなり、反対に、突出長さを短くすることにより、得られる弾性変形能力が小さくなる。
以上により、一体爪構造(一体型の樹脂爪構造)であっても、繰返し使用に対する耐力や安定性をこれまでよりも向上しつつ、これまでと同様またはそれ以上の高い係止力を得ることができる。即ち、上記した安定性と係止力とを高いレベルで両立させることが可能となる。
加えて、閉ループ状突起部35は、側方(幅方向43)へ移動するスライド型によって成形されるものとなるため、一方の梁部31の係止部25と対向する位置に障害物などがあって、一方の梁部31の面直方向45へスライド型を移動させられない(面直方向45に型抜きできない)ような場合であっても、支障なく閉ループ状突起部35を成形する(或いは、型構造を成立させる)ことが可能となる。
また、仮に、図4に示すように、他方の梁部32に対して、相手部品22を挿入方向38に受ける挿入方向受部37を設けないような場合や、開口部34における挿入方向受部37と樹脂部品21との間の部分を完全に埋めてしまうような場合には、閉ループ状突起部35の開口部34を形成するためのスライド型は、挿入方向38へ長く延びる細長いI字型のものとなる(長さL2)。
これに対し、他方の梁部32に挿入方向受部37を設けて、開口部34を挿入方向受部37の側へ拡げるようにした場合には、図5に示すように、閉ループ状突起部35の開口部34を形成するためのスライド型を、挿入方向38のみへ延びる部分が上記よりも短い(長さL1、L1<L2)L字型のものとすることができる。
よって、挿入方向受部37を設けてスライド型をL字型のものとすることにより、スライド型の強度をより高くして、閉ループ状突起部35を成形し易くすることができる。
(作用効果2)
少なくとも他方の梁部32が緊急時破断予定部51を有することにより、緊急時の荷重入力によって、少なくとも他方の梁部32を破断させることができる。これにより、緊急時の荷重入力を、他方の梁部32の破断によって吸収し、緩和させることができる。
この場合、高さ調整部46に設けた緊急時破断予定部51aと、挿入方向受部37に設けた緊急時破断予定部51bとの少なくとも一方が破断することにより、他方の梁部32の基部が樹脂部品21から分離され、これによって、他方の梁部32の挿入方向38の実質的な長さが短くなるので、樹脂部品21が相手部品22側へ大きく移動できるようになる。
(作用効果3)
他方の梁部32と樹脂部品21との間に強度設定用壁部55を設けたことにより、他方の梁部32の強度を強度設定用壁部55によって設定・調整することができる。これにより、閉ループ状突起部35の一部を構成する他方の梁部32を、通常時に容易に破損されることのないように強化すると共に、閉ループ状突起部35の弾性変形能力や弾性変形の仕方を設定・調整することができるようになるので、閉ループ状突起部35の最適化を図ることが可能となる。
なお、他方の梁部32の強度を大きく上げたい場合には、強度設定用壁部55は、他方の梁部32の基部における、挿入方向受部37と樹脂部品21との間に対し、全体的に設けたり、或いは、厚肉に形成したりする。
反対に、他方の梁部32の強度を小さく上げたい場合には、強度設定用壁部55は、他方の梁部32の基部における、挿入方向受部37と樹脂部品21との間に対し、部分的に設けるようにしたり、或いは、薄肉に形成したりする。
特に、強度設定用壁部55を、閉ループ状突起部35内部の開口部34における、上記した閉ループ状突起部35の先端部から基部まで、連続して挿入方向38へ延びる通し空間以外の部分に設けるようにすることにより、通し空間による高い弾性変形能力を保持した状態で、他方の梁部32の強度を上げることができる。
(作用効果4)
開口部34の内側に破損時梁受部61を設けたことにより、一方の梁部31が破損して樹脂部品21から分離してしまった場合に、一方の梁部31(の背面)を破損時梁受部61が受けて、ほとんど変位しないように押さえる(係止保持する)ことが可能となる。これにより、一方の梁部31が破損したとしても、係止部25による係止力をそのまま保持し続けさせることができるようになる。
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
自動車用の樹脂部品に限らず、各種の分野に用いられる樹脂部品に対して広く適用することが可能である。
21 樹脂部品
22 相手部品
23 係止穴
24 挿入部
25 係止部
31 一方の梁部
32 他方の梁部
33 連結折返部
34 開口部
35 閉ループ状突起部
36 背面側受部
37 挿入方向受部
38 挿入方向
51 緊急時破断予定部
55 強度設定用壁部
61 破損時梁受部

Claims (4)

  1. 樹脂部品に対し、相手部品に設けられた係止穴へ挿入可能な挿入部と、該挿入部の一側面から面外方向へ向け突設されて前記係止穴の一方の縁部に係止可能な係止部とが一体に形成された樹脂爪構造において、
    前記挿入部が、前記樹脂部品から延びる一方の梁部と他方の梁部との先端部間を、連結折返部で連結することによって、前記一方の梁部と他方の梁部との間に、側方へ開口する開口部を有する閉ループ状突起部とされ、
    前記一方の梁部が、その外側面に前記係止部を有し、
    前記他方の梁部が、その外側面に前記係止穴の他方の縁部に対して当接可能な背面側受部と、前記相手部品を挿入方向に受ける挿入方向受部とを有することを特徴とする樹脂爪構造。
  2. 少なくとも前記他方の梁部が、緊急時の荷重入力によって破断可能な緊急時破断予定部を有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂爪構造。
  3. 前記他方の梁部と前記樹脂部品との間に、前記他方の梁部の強度を設定可能な強度設定用壁部が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂爪構造。
  4. 前記開口部の内面側に、前記一方の梁部が破損して前記樹脂部品から分離した場合に、一方の梁部を受ける破損時梁受部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の樹脂爪構造。
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