JP2014125360A - 強化板ガラス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コア板ガラスの両面に、表層板ガラスを積層一体化してなる強化ガラスにおいて、コア板ガラスの端面部を起点とする破損を可及的に防止する。
【解決手段】熱膨張係数が高いコア板ガラス2の両面に、熱膨張係数が低い表層板ガラス3を配置して積層一体化し、コア板ガラス2に引張応力を生じさせると共に、表層板ガラス3に圧縮応力を生じさせた強化板ガラス1であって、表層板ガラス3の全周囲に亘ってコア板ガラス2が食み出している。
【選択図】図1
【解決手段】熱膨張係数が高いコア板ガラス2の両面に、熱膨張係数が低い表層板ガラス3を配置して積層一体化し、コア板ガラス2に引張応力を生じさせると共に、表層板ガラス3に圧縮応力を生じさせた強化板ガラス1であって、表層板ガラス3の全周囲に亘ってコア板ガラス2が食み出している。
【選択図】図1
Description
本発明は、コア板ガラスの両面に、表層板ガラスを積層一体化してなる強化板ガラスの改良技術に関する。
周知のように、携帯電話、デジタルカメラ等の携帯機器、あるいは液晶テレビ等の画像表示装置等、各種の情報関連端末には、画像や文字等の情報を表示したり、情報をタッチパネルディスプレイなどで入力したりするための基板材やカバー部材として透明基板が搭載されている。また、これら情報関連端末の当該部分以外であっても、例えば太陽電池の太陽光取入れ部などに透明基板が搭載されている。これらの透明基板は、環境負荷低減や高信頼性を確保する必要があるため、その素材としてガラスが採用されている。
この種の用途に用いられるガラス基板は、高い機械的強度が求められると共に、薄型で軽量であることが求められる。そこで、このような要求を満たすガラス基板として、強化板ガラスが用いられる場合がある。
この種の強化板ガラスは、板ガラスの表面をイオン交換等で化学強化することによって作製することができる。しかしながら、強化板ガラス上にTFT素子を形成する場合などにおいては、当該ガラスがアルカリを含有していないことが望ましいが、この要請に応じるべく無アルカリガラスであると、上記の化学強化ができないという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1には、熱膨張係数が高いコア板ガラスの両面にそれぞれ、熱膨張係数が低い表層板ガラスを配置して積層一体化させ、両板ガラスの熱膨張係差によって、表層板ガラスに圧縮応力を生じさせ、コア板ガラスに引張応力を生じさせることが開示されている。すなわち、コア板ガラスと表層板ガラスの熱膨張差を利用して、強化板ガラスを製造することが開示されている。
ところで、特許文献1に開示の強化板ガラスでは、コア板ガラスの端面と表層板ガラスの端面が、実質的に同一平面を構成するように、揃った状態となっている。そのため、コア板ガラスの全面が、表層板ガラスに覆われた状態となっており、コア板ガラス全体に表層板ガラスとの熱膨張差の影響が直接作用する。その結果、コア板ガラスの端面部においても大きな引張応力が生じ得る。
しかしながら、コア板ガラスの端面部は、表層板ガラスの端面部と同様に、チッピングなどの欠陥が存在し易い部位である。そのため、コア板ガラスの端面部に大きな引張応力が生じていると、欠陥を広げるような力が作用し、欠陥を起点として強化板ガラスが破損するおそれがある。
ここで、コア板ガラスの端面部の欠陥は、ガラス切断などの加工に伴って発生するものが多いが、強化板ガラスを搬送する際などに、コア板ガラスの端面部が他部材と接触しても発生し得る。
本発明は、上記実情に鑑み、コア板ガラスの両面に、表層板ガラスを積層一体化してなる強化ガラスにおいて、コア板ガラスの端面部を起点とする破損を可及的に防止することを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明は、熱膨張係数が高いコア板ガラスの両面のそれぞれに、熱膨張係数が低い表層板ガラスを配置して積層一体化し、前記コア板ガラスに引張応力を生じさせると共に、前記表層板ガラスに圧縮応力を生じさせた強化板ガラスであって、前記表層板ガラスの全周囲に亘って前記コア板ガラスが食み出していることに特徴づけられる。
このような構成によれば、コア板ガラスの端面部が、表層板ガラスよりも外方に突出することになる。そのため、コア板ガラスの端面部では、表層板ガラスと重なっている領域に比べて表層板ガラスとの熱膨張差の影響が小さくなる。その結果、コア板ガラスの端面部に生じる応力も小さく抑えることができる。したがって、仮にコア板ガラスの端面部にチッピングなどの欠陥が存在する場合でも、その欠陥を起点として強化ガラスが破損するという事態を確実に抑えることができる。
上記の構成において、前記表層板ガラスが、前記コア板ガラスの両面のそれぞれに、前記コア板ガラスに対して面対称となるように間隔を置いて複数枚配置され、個々の前記表層板ガラスの全周囲に亘って前記コア板ガラスが食み出すようにしてもよい。
このようにすれば、コア板ガラスの両面にそれぞれ、複数枚の表層板ガラスが配置され、且つ、隣接する表層板ガラスの相互間にはコア板ガラスの食み出し部が露出した状態となる。そして、このように隣接する表層板ガラスの相互間で露出するコア板ガラスの食み出し部も、表層板ガラスとの熱膨張差の影響が小さくなるため、生じる応力が小さく抑えられる。そのため、隣接する表層板ガラスの相互間に形成されるコア板ガラスの食み出し部に対して、例えばスクライブカッターなどでスクライブ線を形成し、そのスクライブ線に沿って折り割り切断することができる。したがって、上記の構成を備えた強化板ガラスであれば、大きな一枚の強化板ガラスから複数枚の小さな強化板ガラスを簡単に採取できる。なお、コア板ガラスの切断方法は、折り割り切断に限定されるものではなく、レーザー切断(レーザー割断と、レーザー溶断を含む)などの他の切断方法を採用してもよい。換言すれば、コア板ガラスの食み出し部に生じる応力は、表層板ガラスに生じる圧縮応力に比べて小さいため、種々の方法によって簡単に切断できる。
上記の構成において、複数枚の前記表層板ガラスが、全て同じ大きさであってもよいし、異なる大きさのものを含むようにしてもよい。
上記の構成において、前記コア板ガラスの食み出し幅が、0.1〜10.0mmであることが好ましい。
このようにすれば、コア板ガラスの端面部に面する食み出し部の面積が適正な範囲で確保されるため、コア板ガラスの端面部に生じる応力を確実に小さくできる。また、表層板ガラスを複数枚配置する場合には、隣接する表層板ガラスの相互間に形成されるコア板ガラスの食み出し部の面積も適正な範囲で確保されるため、この領域におけるコア板ガラスの食み出し部に生じる応力も確実に小さくできる。付言すれば、コア板ガラスの食み出し幅が小さすぎれば、応力の減少効果が小さくなり、コア板ガラスの食み出し幅が大きすぎれば、無駄が大きくなる。したがって、これら2つの関係を考慮し、コア板ガラスの食み出し幅は、上記の数値範囲内であることが好ましい。
上記の構成において、前記コア板ガラスと前記表層板ガラスの少なくとも一方が、複数枚の積層された板ガラスから構成されていてもよい。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、熱膨張係数が高いコア板ガラスと、熱膨張係数が低い表層板ガラスとを、加熱して直接接着し、然る後に冷却する一連の工程を経て、前記コア板ガラスの両面のそれぞれに、前記表層板ガラスを配置して積層一体化し、前記コア板ガラスに引張応力を生じさせると共に、前記表層板ガラスに圧縮応力を生じさせた強化板ガラスを得る強化板ガラスの製造方法であって、前記コア板ガラスとして、前記表層板ガラスよりも大きいものを用い、前記直接接着前の前記加熱時に、前記コア板ガラスと前記表層板ガラスとを互いに離反させると共に、前記直接接着時に、前記表層板ガラスの全周囲に亘って前記コア板ガラスが食み出すように、前記表層板ガラスと前記コア板ガラスを位置合わせすることに特徴づけられる。ここで、「直接接着」とは、コア板ガラスと表層板ガラスのそれぞれの接着面の相互間に接着剤等の他部材を介在させることなく、両接着面同士を接着させた状態を意味する(以下、同様)。
このような構成によれば、製造された強化板ガラスにおいて、表層板ガラスの全周囲に亘ってコア板ガラスが食み出した状態となり、既に説明した強化板ガラスに由来する同様の作用効果を享受することができる。また、この場合、コア板ガラスと表層板ガラスを加熱して直接接着する際に、コア板ガラスと表層板ガラスとが、互いに離反された状態で加熱された後に、その加熱状態にあるコア板ガラスと表層板ガラスが直接接着される。そのため、加熱に伴って、コア板ガラスと表層板ガラスのそれぞれに生じる熱膨張の影響が、両板ガラス間で相互に直接作用することがない。したがって、コア板ガラスと表層板ガラスを密着させた状態で加熱した場合のように、コア板ガラスの熱膨張によって表層板ガラスに引張応力が生じるという事態を防止することができる。すなわち、製造過程で、コア板ガラスよりも薄肉となる場合が多い表層板ガラスに過度な引張応力が生じて、表層板ガラスが破損するのを防止することができる。
上記の構成において、前記表層板ガラス及び前記コア板ガラスのそれぞれの接着面の表面粗さRaが、2.0nm以下であることが好ましい。
このようにすれば、コア板ガラスと表層板ガラスを軟化点未満の温度で、接着剤等の他部材を要することなく、確実に接着することができる。
以上のように本発明によれば、コア板ガラスの端面部に生じる引張応力を抑制することができるため、コア板ガラスの端面部を起点として強化板ガラスが破損し難くなる。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る強化板ガラス1は、コア板ガラス2の両面のそれぞれに、表層板ガラス3を配置して積層一体化してなる三層構造の板ガラス積層体である。すなわち、一枚のコア板ガラス2を、二枚の表層板ガラス3により挟んだ状態で、これらの板ガラス2,3を直接接着したものである。なお、二枚の表層板ガラス3は、コア板ガラス2に対して互いに面対称となっている。
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る強化板ガラス1は、コア板ガラス2の両面のそれぞれに、表層板ガラス3を配置して積層一体化してなる三層構造の板ガラス積層体である。すなわち、一枚のコア板ガラス2を、二枚の表層板ガラス3により挟んだ状態で、これらの板ガラス2,3を直接接着したものである。なお、二枚の表層板ガラス3は、コア板ガラス2に対して互いに面対称となっている。
この強化板ガラス1では、コア板ガラス2が表層板ガラス3よりもサイズが大きく、表層板ガラス3の全周囲に亘ってコア板ガラス2が食み出している。すなわち、この実施形態では、表層板ガラス3の周囲に、コア板ガラス2の食み出し部Xが額縁状に形成されている。
図2に示すように、食み出し部Xの幅W1は、0.1〜10.0mm、好ましくは0.2〜5.0mm、更に好ましくは0.5〜2.0mmに設定される。なお、図中において、食み出し部Xには、クロスハッチングを付している。
コア板ガラス2は相対的に厚肉であり、表層板ガラス3は相対的に薄肉である。表層板ガラス3がコア板ガラス2の1/3以下の厚みであることが好ましく、1/10以下であることがより好ましく、1/50以下であることが更に好ましい。強化板ガラス1の総板厚は、0.3〜1.5mmであることが好ましい。
コア板ガラス2の熱膨張係数は、表層板ガラス3の熱膨張係数よりも大きい。両者の30〜380℃における熱膨張係数差は、1×10-7/℃〜100×10-7/℃とされている。そして、この熱膨張係数差によって生じる両板ガラス2,3の熱膨張差に起因して、図3(d)にも示すように、コア板ガラス2と表層板ガラス3が重なっている領域において、コア板ガラス2には、1〜100MPaの引張応力Ptが生じると共に、表層板ガラス3には、50〜350MPaの圧縮応力Pcが生じている。なお、応力の値は有限要素法により計算される。
表層板ガラス3は、ガラス組成として実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないガラスからなることが好ましい。また、コア板ガラス2は、ガラス組成として実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないガラスまたは実質的にアルカリ金属酸化物を含有するガラスからなる。アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないとは、具体的には、アルカリ金属酸化物が1000ppm以下を指す。コア板ガラス2及び表層板ガラス3におけるアルカリ金属酸化物の含有量は、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは300ppm以下である。
次に、以上のような構成を備えた強化板ガラス1の製造方法を、図3(a)〜(c)に則して、順を追って説明する。
(1)加熱工程
まず、図3(a)に示すように、一枚のコア板ガラス2と、二枚の表層板ガラス3をそれぞれ離反させた状態で、炉内で加熱する。すなわち、この加熱工程では、コア板ガラス2と表層板ガラス3との間に熱膨張差が生じるが、両板ガラス2,3が離反しているので、熱膨張差の影響が両板ガラス2,3の間で相互に作用することはない。付言すれば、加熱する過程で、相対的に薄肉である表層板ガラス3に過度の引張応力が生じて、表層板ガラス3が破損するという事態を防止できる。
まず、図3(a)に示すように、一枚のコア板ガラス2と、二枚の表層板ガラス3をそれぞれ離反させた状態で、炉内で加熱する。すなわち、この加熱工程では、コア板ガラス2と表層板ガラス3との間に熱膨張差が生じるが、両板ガラス2,3が離反しているので、熱膨張差の影響が両板ガラス2,3の間で相互に作用することはない。付言すれば、加熱する過程で、相対的に薄肉である表層板ガラス3に過度の引張応力が生じて、表層板ガラス3が破損するという事態を防止できる。
この加熱工程では、コア板ガラス2と表層板ガラス3のうち、低い方の歪点未満まで加熱する。すなわち、コア板ガラス2と表層板ガラス3のうち、低い方の軟化点までは加熱せず、コア板ガラス2と表層板ガラス3に大きな形状変形が生じるのを防止している。加熱温度は、コア板ガラス2や表層板ガラス3のガラス組成によっても変わるが、例えば、200℃〜400℃程度(この実施形態では、約400℃)とされる。加熱工程の昇温速度は、例えば1〜10℃/minが好ましく、この実施形態では3℃/minである。加熱工程に利用する炉としては、例えば、ADVANTEC社製電気マッフル炉(FUW242PA)などを使用することができる。
上記のコア板ガラス2の接着面2xの表面粗さRa、及び表層板ガラス3の接着面3xの表面粗さRaは、両者共に、2.0nm以下、より好ましくは1.0nm以下、更に好ましくは0.5nm以下、最も好ましくは0.2nmであり、この実施形態では0.2nm以下である。
上記のコア板ガラス2及び表層板ガラス3は、例えばオーバーフローダウンドロー法によって成形されたガラスを、未研磨の状態でそのまま接着面2x,3xとして使用する。
(2)接着工程
次に、上記の加熱温度(400℃)を維持した状態で、図3(b)に示すように、炉内で、コア板ガラス2の両面のそれぞれに、表層板ガラス3を直接接着して積層一体化することで、板ガラス積層体1aを作製する。この際、表層板ガラス3の全周囲に亘って、コア板ガラス2の食み出し部Xが形成されるように、両板ガラス2,3を接着する。ここで、軟化点以下の温度で両板ガラス2,3が接着する理由は、表面粗さRaが2.0nm以下に管理された両接着面2x,3xの間で水素結合が形成された後、その水素結合を形成しているシラノール基間で脱水反応が生じ、より強固な結合に移行するためと考えられる。
次に、上記の加熱温度(400℃)を維持した状態で、図3(b)に示すように、炉内で、コア板ガラス2の両面のそれぞれに、表層板ガラス3を直接接着して積層一体化することで、板ガラス積層体1aを作製する。この際、表層板ガラス3の全周囲に亘って、コア板ガラス2の食み出し部Xが形成されるように、両板ガラス2,3を接着する。ここで、軟化点以下の温度で両板ガラス2,3が接着する理由は、表面粗さRaが2.0nm以下に管理された両接着面2x,3xの間で水素結合が形成された後、その水素結合を形成しているシラノール基間で脱水反応が生じ、より強固な結合に移行するためと考えられる。
接着工程では、コア板ガラス2と、表層板ガラス3を互いに貼り合わせた状態で、上記の加熱温度で所定時間(例えば、1〜2時間)加熱する。
なお、図示例では、コア板ガラス2と表層板ガラス3の界面を図示しているが、接着後において、両板ガラス2,3の界面は存在しない場合もある。
(3)冷却工程
その後、図3(c)に示すように、板ガラス積層体1aを常温まで冷却する。冷却工程の降温速度は、例えば0.1〜5℃/min程度が好ましく、この実施形態では0.5℃/min程度である。
その後、図3(c)に示すように、板ガラス積層体1aを常温まで冷却する。冷却工程の降温速度は、例えば0.1〜5℃/min程度が好ましく、この実施形態では0.5℃/min程度である。
この結果、コア板ガラス2と表層板ガラス3とが互いに重なっている領域では、コア板ガラス2と表層板ガラス3の相互間で熱膨張差の影響が直接作用して、コア板ガラス2に引張応力Ptが生じ、且つ、表層板ガラス3に圧縮応力Pcが生じる。すなわち、このような応力状態を生じさせることにより、強化板ガラス1を得ることができる。
一方、この強化板ガラス1に含まれるコア板ガラス2の食み出し部Xでは、表層板ガラス3との熱膨張差の影響が直接作用せず、コア板ガラス2の食み出し部Xに生じる応力は小さくなる。したがって、この食み出し部Xの先端に位置するコア板ガラス2の端面部2yに生じる応力も必然的に小さくなるため、仮に端面部2yにチッピングなどの欠陥が存在する場合であっても、その欠陥を起点として強化板ガラス1が破損するという事態は生じ難い。
なお、上記の製造方法は、具体的には、例えば次のようにして行われる。
すなわち、図4(a)に示すように、セッター4の上に、二枚の表層板ガラス3の間に、一枚のコア板ガラス2を挟んだ状態で載置する。表層板ガラス3とコア板ガラス2の間にはスペーサ5が介在しており、各板ガラス2,3が互いに離反している。詳細には、コア板ガラス2は、一辺側が下方の表層板ガラス3に接触した状態で、その辺に対向する一辺側がスペーサ5によって持ち上げられた傾斜姿勢となっている。また、上方の表層板ガラス3も同様に、一辺側がコア板ガラス2に接触した状態で、その辺に対向する一辺側がスペーサ5によって待ち上げられた傾斜姿勢となっている。これにより、各板ガラス2,3の間に空間が形成され、各板ガラス2,3が互いに離反した状態となる。更に、コア板ガラス2の上方に位置する表層板ガラス3の上には、錘ガラス6が載置されている。そして、このような状態で、コア板ガラス2及び表層板ガラス3を炉内で所定温度まで加熱する。なお、セッター4、スペーサ5、及び錘ガラス6には、結晶化ガラスを用いる。
その後、所定温度まで加熱すると、その温度で維持した状態で、図4(b)に示すように、表層板ガラス3とコア板ガラス2の間からスペーサ5を抜き取って、コア板ガラス2の両面のそれぞれに、表層板ガラス3を直接接着して板ガラス積層体1aを作製すると共に、その板ガラス積層体1aを錘ガラス6で加圧する。
そして、最後に、図4(c)に示すように、板ガラス積層体1aを冷却することによって、コア板ガラス2に引張応力Ptを生じさせると共に、表層板ガラス3に圧縮応力Pcを生じさせ、強化板ガラス1を得る。
また、別の具体例としては、図5(a)に示すように、セッター4の上に、一枚の表層板ガラス3を載置し、その上方空間に、下方から順に、コア板ガラス2、表層板ガラス3及び錘ガラス6を配置する。そして、下方の表層板ガラス3の上方空間において、コア板ガラス2、表層板ガラス3及び錘ガラス6が、相互間に離反した状態で、それぞれ対応する保持治具7,8,9によって支持されている。この状態で、コア板ガラス2及び表層板ガラス3を炉内で所定温度まで加熱する。
その後、所定温度まで加熱すると、その温度を維持した状態で、図5(b)に示すように、コア板ガラス2の保持治具7および表層板ガラス3の保持治具8を取り外してコア板ガラス2および表層板ガラス3を落下させて積層することにより、もしくは、コア板ガラス2および表層板ガラス3を保持したまま下方へ移動させて積層することにより、図5(c)に示すように、コア板ガラス2の両面のそれぞれに、表層板ガラス3を直接接着して板ガラス積層体1aを作製する。これと共に、図5(d)に示すように、錘ガラス6の保持治具9を取り外して錘ガラス6を板ガラス積層体1aの上に落下させて載置することにより、もしくは、錘ガラス6を保持したまま下方へ移動させて板ガラス積層体1aの上に載置することにより、板ガラス積層体1aを錘ガラス6で加圧する。
そして、最後に、図5(e)に示すように、板ガラス積層体1aを冷却することにより、コア板ガラス2に引張応力Ptを生じさせると共に、表層板ガラス3に圧縮応力Pcを生じさせ、強化板ガラス1を得る。
更に別の具体例としては、図6(a)に示すように、セッター4に凹部4aを設け、この凹部4aにコア板ガラス2を立てた状態で配置する。コア板ガラス2の両側には、コア板ガラス2と間隔を置いて当て板ガラス10を立てた状態で配置する。そして、コア板ガラス2と当て板ガラス10の間に、当て板ガラス10に立て掛けた状態で表層板ガラス3を配置する。この状態で、これらの板ガラス2,3を炉内で所定温度まで加熱する。なお、セッター4、及び当て板ガラス10には、結晶化ガラスを用いる。
その後、所定温度まで加熱すると、その温度で維持した状態で、図6(b)に示すように、2枚の当て板ガラス10をコア板ガラス2側に接近させて、コア板ガラス2の両面のそれぞれに、表層板ガラス3を直接接着して板ガラス積層体1aを作製する。この際、板ガラス積層体1aを2枚の当て板ガラス10で挟みながら加圧する。
そして、最後に、図6(c)に示すように、板ガラス積層体1aを冷却することにより、コア板ガラス2に引張応力Ptを生じさせると共に、表層板ガラス3に圧縮応力Pcを生じさせ、強化板ガラス1を得る。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る強化板ガラス1の製造方法を、図7(a)〜(f)に則して、順を追って説明する。なお、第1実施形態と共通する部分については詳しい説明を省略する。
本発明の第2実施形態に係る強化板ガラス1の製造方法を、図7(a)〜(f)に則して、順を追って説明する。なお、第1実施形態と共通する部分については詳しい説明を省略する。
(1)第1加熱工程
まず、図7(a)に示すように、一枚のコア板ガラス2と、一枚の表層板ガラス3とをそれぞれ離反させた状態で、炉内で加熱する。
まず、図7(a)に示すように、一枚のコア板ガラス2と、一枚の表層板ガラス3とをそれぞれ離反させた状態で、炉内で加熱する。
(2)第1接着工程
次に、所定の加熱温度を維持した状態で、図7(b)に示すように、炉内で、コア板ガラス2の一方の面に、表層板ガラス3を直接接着して積層一体化することで、仮板ガラス積層体1bを作製する。この際、表層板ガラス3の全周囲に亘って、コア板ガラス2の食み出し部Xが形成されるように、両板ガラス2,3を接着する。
次に、所定の加熱温度を維持した状態で、図7(b)に示すように、炉内で、コア板ガラス2の一方の面に、表層板ガラス3を直接接着して積層一体化することで、仮板ガラス積層体1bを作製する。この際、表層板ガラス3の全周囲に亘って、コア板ガラス2の食み出し部Xが形成されるように、両板ガラス2,3を接着する。
(3)第1冷却工程
その後、図7(c)に示すように、仮板ガラス積層体1bを常温まで冷却する。この結果、コア板ガラス2と表層板ガラス3とが互いに重なっている領域において、コア板ガラス2と表層板ガラス3の相互間で熱膨張差の影響が作用して、コア板ガラス2に引張応力Ptが生じ、且つ、表層板ガラス3に圧縮応力Pcが生じる。ただし、コア板ガラス2において、表層板ガラス3と反対側の面付近にも圧縮応力Pcが生じる。
その後、図7(c)に示すように、仮板ガラス積層体1bを常温まで冷却する。この結果、コア板ガラス2と表層板ガラス3とが互いに重なっている領域において、コア板ガラス2と表層板ガラス3の相互間で熱膨張差の影響が作用して、コア板ガラス2に引張応力Ptが生じ、且つ、表層板ガラス3に圧縮応力Pcが生じる。ただし、コア板ガラス2において、表層板ガラス3と反対側の面付近にも圧縮応力Pcが生じる。
(4)第2加熱工程
そして、冷却後に、図7(d)に示すように、仮板ガラス積層体1bと、別の一枚の表層板ガラス3をそれぞれ離反させた状態で、炉内で再度加熱する。ここで、上記の第1冷却工程で、熱膨張差により仮板ガラス積層体1bに反りが生じる場合があるが、第2加熱工程で再加熱することで、もとの平らな状態に戻る。
そして、冷却後に、図7(d)に示すように、仮板ガラス積層体1bと、別の一枚の表層板ガラス3をそれぞれ離反させた状態で、炉内で再度加熱する。ここで、上記の第1冷却工程で、熱膨張差により仮板ガラス積層体1bに反りが生じる場合があるが、第2加熱工程で再加熱することで、もとの平らな状態に戻る。
(5)第2接着工程
次に、所定の加熱温度を維持した状態で、図7(e)に示すように、炉内で、仮板ガラス積層体1bに含まれるコア板ガラス2の他方の面に、表層板ガラス3を直接接着する。これにより、コア板ガラス2の両面のそれぞれに、表層板ガラス3を積層一体化して板ガラス積層体1aを作製する。この際、コア板ガラス2の他方の面に接着させる表層板ガラス3の全周囲に亘って、コア板ガラス2の食み出し部Xが形成されるように、両板ガラス2,3を接着する。
次に、所定の加熱温度を維持した状態で、図7(e)に示すように、炉内で、仮板ガラス積層体1bに含まれるコア板ガラス2の他方の面に、表層板ガラス3を直接接着する。これにより、コア板ガラス2の両面のそれぞれに、表層板ガラス3を積層一体化して板ガラス積層体1aを作製する。この際、コア板ガラス2の他方の面に接着させる表層板ガラス3の全周囲に亘って、コア板ガラス2の食み出し部Xが形成されるように、両板ガラス2,3を接着する。
(6)第2冷却工程
その後、図7(f)に示すように、板ガラス積層体1aを常温まで冷却する。この結果、コア板ガラス2と表層板ガラス3とが互いに重なっている領域において、コア板ガラス2と表層板ガラス3の相互間で熱膨張差の影響が作用して、コア板ガラス2に引張応力Ptが生じ、且つ、表層板ガラス3に圧縮応力Pcが生じた強化板ガラス1が得られる。一方、この強化板ガラス1に含まれるコア板ガラス2の食み出し部Xは、表層板ガラス3との熱膨張差の影響が小さいため、生じる応力も小さくなる。
その後、図7(f)に示すように、板ガラス積層体1aを常温まで冷却する。この結果、コア板ガラス2と表層板ガラス3とが互いに重なっている領域において、コア板ガラス2と表層板ガラス3の相互間で熱膨張差の影響が作用して、コア板ガラス2に引張応力Ptが生じ、且つ、表層板ガラス3に圧縮応力Pcが生じた強化板ガラス1が得られる。一方、この強化板ガラス1に含まれるコア板ガラス2の食み出し部Xは、表層板ガラス3との熱膨張差の影響が小さいため、生じる応力も小さくなる。
このような製造方法によれば、コア板ガラス2の一方の面に表層板ガラス3を接着する工程(第1接着工程)と、コア板ガラス2の他方の面に表層板ガラス3を接着する工程(第2接着工程)とが別々に行われる。そのため、1つの接着工程において、2枚の板ガラスの間での位置関係を考慮すればよく、同時に3枚の板ガラスを接着する場合に比して、接着作業が容易になる。また、2枚ずつの接着が可能であるので、バキュームチャックや静電チャックなどの簡単な機構を用いて、板ガラスの貼り合わせを行うことができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る強化板ガラス1の製造方法を、図8(a)〜(f)に則して、順を追って説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と共通する部分については詳しい説明を省略する。
本発明の第3実施形態に係る強化板ガラス1の製造方法を、図8(a)〜(f)に則して、順を追って説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と共通する部分については詳しい説明を省略する。
(1)第1加熱工程
まず、図8(a)に示すように、一枚のコア板ガラス2と、一枚の表層板ガラス3とをそれぞれ離反させた状態で、炉内で加熱する。
まず、図8(a)に示すように、一枚のコア板ガラス2と、一枚の表層板ガラス3とをそれぞれ離反させた状態で、炉内で加熱する。
(2)第1接着工程
次に、所定の加熱温度を維持した状態で、図8(b)に示すように、炉内で、コア板ガラス2の一方の面に、表層板ガラス3を直接接着して積層一体化することで、仮板ガラス積層体1bを作製する。この際、表層板ガラス3の全周囲に亘って、コア板ガラス2の食み出し部Xが形成されるように、両板ガラス2,3を接着する。なお、この仮板ガラス積層体1bは2組作製する。
次に、所定の加熱温度を維持した状態で、図8(b)に示すように、炉内で、コア板ガラス2の一方の面に、表層板ガラス3を直接接着して積層一体化することで、仮板ガラス積層体1bを作製する。この際、表層板ガラス3の全周囲に亘って、コア板ガラス2の食み出し部Xが形成されるように、両板ガラス2,3を接着する。なお、この仮板ガラス積層体1bは2組作製する。
(3)第1冷却工程
その後、図8(c)に示すように、各仮板ガラス積層体1bを常温まで冷却する。この結果、コア板ガラス2と表層板ガラス3とが互いに重なっている領域において、コア板ガラス2と表層板ガラス3の相互間で熱膨張差の影響が作用して、コア板ガラス2に引張応力Ptが生じ、且つ、表層板ガラス3に圧縮応力Pcが生じる。
その後、図8(c)に示すように、各仮板ガラス積層体1bを常温まで冷却する。この結果、コア板ガラス2と表層板ガラス3とが互いに重なっている領域において、コア板ガラス2と表層板ガラス3の相互間で熱膨張差の影響が作用して、コア板ガラス2に引張応力Ptが生じ、且つ、表層板ガラス3に圧縮応力Pcが生じる。
(4)第2加熱工程
そして、冷却後に、図8(d)に示すように、各仮板ガラス積層体1bを互いに離反させた状態で、炉内で再度加熱する。
そして、冷却後に、図8(d)に示すように、各仮板ガラス積層体1bを互いに離反させた状態で、炉内で再度加熱する。
(5)第2接着工程
次に、所定の加熱温度を維持した状態で、図8(e)に示すように、炉内で、各仮板ガラス積層体1bのコア板ガラス2同士を直接接着する。これにより、2枚の板ガラスからなるコア板ガラス2の両面のそれぞれに、表層板ガラス3を積層一体化し、板ガラス積層体1aを作製する。
次に、所定の加熱温度を維持した状態で、図8(e)に示すように、炉内で、各仮板ガラス積層体1bのコア板ガラス2同士を直接接着する。これにより、2枚の板ガラスからなるコア板ガラス2の両面のそれぞれに、表層板ガラス3を積層一体化し、板ガラス積層体1aを作製する。
(6)第2冷却工程
その後、図8(f)に示すように、板ガラス積層体1aを常温まで冷却する。この結果、コア板ガラス2と表層板ガラス3とが互いに重なっている領域において、コア板ガラス2と表層板ガラス3の相互間で熱膨張差の影響が作用して、コア板ガラス2に引張応力Ptが生じ、且つ、表層板ガラス3に圧縮応力Pcが生じた強化板ガラス1が得られる。一方、この強化板ガラス1に含まれるコア板ガラス2の食み出し部Xは、表層板ガラス3との熱膨張差の影響が小さいため、生じる応力も小さくなる。
その後、図8(f)に示すように、板ガラス積層体1aを常温まで冷却する。この結果、コア板ガラス2と表層板ガラス3とが互いに重なっている領域において、コア板ガラス2と表層板ガラス3の相互間で熱膨張差の影響が作用して、コア板ガラス2に引張応力Ptが生じ、且つ、表層板ガラス3に圧縮応力Pcが生じた強化板ガラス1が得られる。一方、この強化板ガラス1に含まれるコア板ガラス2の食み出し部Xは、表層板ガラス3との熱膨張差の影響が小さいため、生じる応力も小さくなる。
このような製造方法によれば、コア板ガラス2の一方の面に表層板ガラス3を接着する工程(第1接着工程)と、一方の面に表層板ガラス3が積層一体化されたコア板ガラス2の他方の面同士を接着する工程(第2接着工程)とが別々に行われる。そのため、1つの接着工程において、2つの板ガラスの間での位置関係を考慮すればよく、同時に3つの板ガラスを接着する場合に比して、接着作業が容易になる。また、2枚ずつの接着が可能であるので、バキュームチャックや静電チャックなどの簡単な機構を用いて、板ガラスの貼り合わせを行うことができる。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る強化板ガラス1を、図9に基づいて説明する。なお、第1実施形態〜第3実施形態と共通する部分については詳しい説明を省略する。
本発明の第4実施形態に係る強化板ガラス1を、図9に基づいて説明する。なお、第1実施形態〜第3実施形態と共通する部分については詳しい説明を省略する。
第4実施形態に係る強化板ガラス1は、コア板ガラス2の両面のそれぞれに、コア板ガラス2に対して面対称となるように、間隔を置いて複数枚の表層板ガラス3が配置されている。そして、個々の表層板ガラス3の全周囲に亘って、コア板ガラス2の食み出し部Xが形成されている。この実施形態では、全ての表層板ガラス3の大きさが同じである。
図10に示すように、この強化板ガラス1は、コア板ガラス2と表層板ガラス3が重なっている領域において、コア板ガラス2と表層板ガラス3の熱膨張差によって、表層板ガラス3には圧縮応力Pcが生じており、コア板ガラス2には引張応力Ptが生じている。
一方、コア板ガラス2の食み出し部X(図中のクロスハッチングを付した領域)は、表層板ガラス3との熱膨張差の影響が小さいため、生じる応力も小さくなっている。すなわち、隣接する表層板ガラス3の相互間に形成される食み出し部Xに生じる応力も小さくなる。そのため、隣接する表層板ガラス3の相互間に形成される食み出し部Xに対してスクライブカッター(例えば、ダイヤモンドチップ)によって、図9に示す仮想線CLに沿ってスクライブ線を形成すると共に、そのスクライブ線に沿って折り割り切断することができる。したがって、上記の構成を備えた強化板ガラス1であれば、一枚の大きな強化板ガラス1から、複数枚の小さな強化板ガラス11を簡単に採取することができる。この実施形態では、採取される強化板ガラス11は、全て同じ大きさとなると共に、表層板ガラス3の全周囲に亘ってコア板ガラス3が食み出した状態が維持される。なお、コア板ガラス2の食み出し部Xの切断方法は、折り割り切断に限定されるものではなく、レーザー切断などの他の切断方法を採用してもよい。
隣接する表層板ガラス3の間に形成される食み出し部Xの幅W2は、0.2〜20.0mm、好ましくは0.4〜10.0mm、更に好ましくは1.0〜4.0mmに設定される。なお、コア板ガラス2の端面部2yに面する食み出し部Xの幅W1は、第1実施形態と同様とする。
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態に係る強化板ガラス1を、図11に基づいて説明する。第5実施形態に係る強化板ガラス1が、第4実施形態に係る強化板ガラス1と相違するところは、複数枚の表層板ガラス3が、異なる大きさのものを含む点にある。
本発明の第5実施形態に係る強化板ガラス1を、図11に基づいて説明する。第5実施形態に係る強化板ガラス1が、第4実施形態に係る強化板ガラス1と相違するところは、複数枚の表層板ガラス3が、異なる大きさのものを含む点にある。
このような構成の強化板ガラス1であれば、図中の仮想線CLに沿って切断することにより、一枚の大きな強化板ガラス1から異なるサイズの小さな強化板ガラス11を複数枚採取することができる。なお、図示例では、表層板ガラス3は、大きいサイズと、小さいサイズの2種から構成されているため、切断後には、大きさの異なる2種の強化板ガラス11が採取される。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の形態で実施することができる。
上記の実施形態では、コア板ガラス2及び表層板ガラス3として、一枚の板ガラスを用いる場合を中心に説明したが、コア板ガラス2として、複数枚の板ガラスを積層したものを用いてもよく、これに代えて又はこれと共に、表層板ガラス3として、複数枚の板ガラスを積層したものを用いてもよい。
また、上記の実施形態では、コア板ガラス2及び表層板ガラス3のそれぞれのコーナー部に、直線同士が交わって形成される角部が残されている場合を図示して説明したが、例えば、コーナー部にRの付いた板ガラスを貼り合わせるようにしてもよい。この場合、コア板ガラス2の食み出し部の幅は、その値が最小となる部分を基準として設定することが好ましい。
また、上記の実施形態では、強化板ガラス1を製造する際に、表層板ガラス3と、コア板ガラス2を互いに離反させて加熱する場合を説明したが、表層板ガラス3と、コア板ガラス2を常温で、互いに直接密着させてから加熱するようにしてもよい。この場合、表層板ガラス3とコア板ガラス2は、加熱前の常温下では、ガラス表面同士の水素結合に由来する結合力によって剥離可能に密着する。
また、上記の実施形態で説明した強化板ガラス1の製造方法は、表層板ガラス3の端面とコア板ガラス2の端面が揃っている強化板ガラス、すなわち、コア板ガラス2に食み出し部が形成されていない強化板ガラスの製造にも適用することができる。また、この場合については、表層板ガラス3の端面とコア板ガラス2の端面が一部揃っている強化ガラスであったとしても、表層板ガラス3の端面よりもコア板ガラス2の端面が食み出している食み出し部が一部形成されているときには、少なくともその食み出し部については本発明の効果を享受することができる。
1 強化板ガラス
2 コア板ガラス
3 表層板ガラス
4 セッター
5 スペーサ
6 錘ガラス
7,8,9 保持治具
10 当て板ガラス
X 食み出し部
2 コア板ガラス
3 表層板ガラス
4 セッター
5 スペーサ
6 錘ガラス
7,8,9 保持治具
10 当て板ガラス
X 食み出し部
Claims (8)
- 熱膨張係数が高いコア板ガラスの両面のそれぞれに、熱膨張係数が低い表層板ガラスを配置して積層一体化し、前記コア板ガラスに引張応力を生じさせると共に、前記表層板ガラスに圧縮応力を生じさせた強化板ガラスであって、
前記表層板ガラスの全周囲に亘って前記コア板ガラスが食み出していることを特徴とする強化板ガラス。 - 前記表層板ガラスが、前記コア板ガラスの両面のそれぞれに、前記コア板ガラスに対して面対称となるように間隔を置いて複数枚配置され、個々の前記表層板ガラスの全周囲に亘って前記コア板ガラスが食み出していることを特徴とする請求項1に記載の強化板ガラス。
- 複数枚の前記表層板ガラスが、全て同じ大きさであることを特徴とする請求項2に記載の強化板ガラス。
- 複数枚の前記表層板ガラスが、異なる大きさのものを含むことを特徴とする請求項2に記載の強化板ガラス。
- 前記コア板ガラスの食み出し幅が、0.1〜10.0mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の強化板ガラス。
- 前記コア板ガラスと前記表層板ガラスの少なくとも一方が、複数枚の積層された板ガラスからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の強化板ガラス。
- 熱膨張係数が高いコア板ガラスと、熱膨張係数が低い表層板ガラスとを、加熱して直接接着し、然る後に冷却する一連の工程を経て、前記コア板ガラスの両面のそれぞれに、前記表層板ガラスを配置して積層一体化し、前記コア板ガラスに引張応力を生じさせると共に、前記表層板ガラスに圧縮応力を生じさせた強化板ガラスを得る強化板ガラスの製造方法であって、
前記コア板ガラスとして、前記表層板ガラスよりも大きいものを用い、
前記直接接着前の前記加熱時に、前記コア板ガラスと前記表層板ガラスとを互いに離反させると共に、
前記直接接着時に、前記表層板ガラスの全周囲に亘って前記コア板ガラスが食み出すように、前記表層板ガラスと前記コア板ガラスを位置合わせすることを特徴とする強化板ガラスの製造方法。 - 前記表層板ガラス及び前記コア板ガラスのそれぞれの接着面の表面粗さRaが、2.0nm以下であることを特徴とする請求項7に記載の強化板ガラスの製造方法。
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