JP2014125055A - 船舶用プロペラ及びそのボス - Google Patents

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Abstract

【課題】流体力に起因してボスに生じる応力が集中することを抑制することができる組立式の船舶用プロペラを提供する。
【解決手段】船舶用プロペラ100は、半径方向内側に突出する挿入部13を基端側に有する翼10と、挿入部13が挿入される挿入溝21を外周面側に有するボス20と、を備えている。挿入部13は、半径方向内側に向かうに従って周方向両外側に広がる一対の接触面14を含んでいる。挿入溝21は、半径方向外側付近の周方向両側に位置し、接触面に接する一対の傾斜面23と、傾斜面23の各々から半径方向内側に向かって延びる一対の延伸面24と、挿入溝21の底部を画する底面25とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶用プロペラ及びその構成部材であるボスに関する。
船舶用のプロペラは、主に複数の翼とこれらの翼を支持するボスとによって構成されている。船舶用のプロペラでは、上記の翼とボスを鋳造により一体に成型するのが一般的である。このような一体成型されたプロペラを備えた船舶は、例えば翼の一枚が交換時期に達したとしても、プロペラ全体を交換する必要がある。また、大型のプロペラを鋳造によって製造するには、大きな設備や熟練の技術が必要であるため、その製造は容易ではない。
ところで、ガスタービンエンジンの技術分野においては、係合溝(スロット)を有するローターディスクと、係合部(ダブテール)を有する翼を別々に製造し、ローターディスクの係合溝に翼の係合部を挿入することで全体を形成する組立式のローターが広く用いられている。船舶用のプロペラもこのような組立式を採用すれば、翼の一枚が交換時期に達したとしても、その翼のみを交換すれば再度使用することができ、また、製造も比較的容易となる。
ガスタービンエンジンの場合、ローターは非常に速い回転速度で回転するため、翼には半径方向外側に向かう大きな遠心力が加わる。そして、この翼に加わる遠心力に起因する問題も生じる。つまり、翼に遠心力がはたらくと、翼の係止片が係合溝を形成する面に強く押し付けられ、係止片が押し付けられた部分にはフレッティング摩耗が生じる。なお、このフレッティング摩耗を防止するための対策については、種々の提案がなされている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開平4−292501号公報 特開2001−132407号公報
一方、船舶用のプロペラの場合、空気よりも比重の大きい水の中で使用されるため、翼には水から半径方向以外の方向に(周方向や軸方向に)大きな力(以下、「流体力」と称す)が加わる。そして、この流体力に起因する問題も生じる。つまり、仮に船舶用のプロペラを組立式とした場合、翼を挿入するボスの挿入溝には翼を介して大きな力が加わる。そのため、この力により生じる応力が構造的に集中する箇所から破損しない設計とする必要がある。
このように、ガスタービンエンジンのローターと船舶用のプロペラとは、使用条件及び使用環境が異なるため、生じる課題も異なる。そのため、船舶用のプロペラを組立式とする際に、例えば特許文献1及び2に記載の構成をそのまま適用したとしても、船舶用のプロペラに生じる課題は十分に解決されない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであって、流体力に起因してボスに生じる応力が集中することを抑制できる組立式の船舶用プロペラを提供することを目的とする。
本発明のある形態に係る船舶用プロペラは、半径方向内側に突出する挿入部を基端側に有する翼と、前記挿入部が挿入される挿入溝を外周面側に有するボスと、を備え、前記挿入部は、半径方向内側に向かうに従って周方向両外側に広がる一対の接触面を含み、前記挿入溝は、半径方向外側付近の周方向両側に位置し、前記接触面に接する一対の傾斜面と、前記傾斜面の各々から半径方向内側に向かって延びる一対の延伸面と、前記挿入溝の底部を画する底面とを含む。
この船舶用プロペラによれば、各挿入溝を形成する面に延伸面や湾曲面が含まれるため、挿入溝の断面形状に起因したボスに生じる応力集中を分散させることができる。
また、上記の船舶用プロペラにおいて、前記一対の延伸面は、互いに平行、又は、半径方向内側に向かうに従って互いに近づくように形成されていてもよい。また、前記一対の延伸面は、いずれも断面視において直線状に形成されていてもよい。かかる構成によれば、隣接する挿入溝間の部分(リガメント部)の幅が小さくなりすぎるのを防ぎ、このリガメント部の強度低下を抑えることができる。
また、上記の船舶用プロペラにおいて、前記傾斜面の傾斜角度は70度以上90度未満であることが望ましい。さらに、前記挿入溝の深さに対する前記延伸面の断面長さの比は0.2から0.5であることが望ましい。このように構成することで、ボスに生じる最大応力をより一層低減させることができる。
なお、上記の船舶用プロペラにおいて、前記翼と前記挿入溝を複数備えるようにしてもよい。また、本発明のある形態に係るボスは、上記の船舶用プロペラを構成する。
本発明に係る船舶用プロペラにあっては、流体力に起因してボスに生じる応力が集中することを抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るプロペラの要部の断面図である。 図2は、延伸面がないボスの応力の分布図である。 図3は、図1に示すボスの応力の分布図である。 図4は、ボスの延伸面の長さと最大応力の関係を示したグラフである。
以下、本発明の一実施形態について図を参照しながら説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
<プロペラの構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係るプロペラ100の構成について説明する。図1は、プロペラ100の回転中心軸に垂直な面の断面図であって、後述するボス20の外周面付近を拡大した図である。本実施形態に係るプロペラ100は、船舶に用いるプロペラであって、図1に示すように、翼10と、ボス20と、スペーサ30とを備えている。以下、これらの構成要素について順に説明する。なお、以下で「半径方向」及び「周方向」というときは、それぞれプロペラ100の回転中心軸を基準とした半径方向及び周方向を意味することとする。また「断面」というときは、プロペラ100の回転中心軸に垂直な断面を意味することとする。
翼10は、ボス20の外周に等間隔に配置されており、ボス20とは別に形成された部材である。本実施形態に係るプロペラ100は水中で動作するため、翼10はプロペラ100の回転によって水から大きな力を受ける。また、翼10は、翼本体11と、フランジ部12と、挿入部13とを有している。
翼本体11は、翼10のうち水からの力(流体力)を受ける部分である。ここで、翼10が「てこ」であると考えると、この翼本体11が流体力を受けることから力点となり、後述するフランジ部12の周辺が支点となり、挿入部13がボス20に力を加える作用点となる。このような原理で、翼本体11に加わった流体力はその大きさを増してボス20へと伝わる。
フランジ部12は、翼本体11の基端側(半径方向内側)に位置する部分である。フランジ部12は、断面視において翼本体11から周方向両外側に広がっている。また、ボス20の外周面側には嵌め込み部27が形成されており、フランジ部12はこの嵌め込み部27に嵌め込まれている。これにより、フランジ部12の外表面(半径方向外側の面)とボス20のうち嵌め込み部27に隣接する部分の外表面とによって、プロペラ100のボス面が形成されている。
挿入部13は、フランジ部12のさらに基端側に位置し、半径方向内側に突出する部分である。挿入部13は、ボス20の挿入溝21に挿入されている。挿入部13は、断面視において略台形の形状を有している。また、挿入部13は、半径方向内側に向かうに従って周方向両外側に広がる一対の接触面14を有している。さらに、挿入部13のうち接触面14よりも基端側の部分は、面取が施されており、基端には下面15が形成されている。また、この下面15は平面状に形成されている。なお、この下面15は平面状であることに限定されず、例えば円弧状に形成されていても構わない。
ボス20は、翼10を保持する部材である。ボス20は全体として略円筒状、または、略円錐台状の形状を有しており、外周面側には周方向に等間隔で複数の挿入溝21が形成されている。各挿入溝21は複数の面から成る外郭面22によって形成されている(画されている)。この外郭面22は、プロペラ100の回転中心軸を通る翼10の中心線Cを基準として左右対称に形成されており、一対の傾斜面23と、一対の延伸面24と、底面25と、一対の湾曲面26と、を有している。換言すれば、各挿入溝21は、一対の傾斜面23と、一対の延伸面24と、底面25と、一対の湾曲面26と、によって形成されて(画されて)いる。
傾斜面23は、外郭面22のうち半径方向外側付近に位置し、翼10の接触面14に面接触している。なお、傾斜面23の傾斜角度αについては後述する。また、傾斜面23は、翼10の接触面14よりも半径方向外側に位置している。翼10が回転し、遠心力が働いた場合、翼10の接触面14と傾斜面23が当接する。そのため、翼10の挿入部13と、ボス20の挿入溝21との間に発生するがたつきは小さなものとなる。なお、翼10の接触面14の下端部16(半径方向内側端)は、傾斜面23と延伸面24の境界部分とは一致せず、この境界部分よりも上方(半径方向外側)に位置している。
延伸面24は、傾斜面23から半径方向内側に延びる面である。この延伸面24は、傾斜面23と底面25を離間するために形成されている。また、延伸面24は、断面視において直線状に形成されている。本実施形態では、延伸面24は翼10(挿入部13)の中心線Cに対して平行に形成されている。つまり、この中心線Cを挟んで両延伸面24は平行に形成されている。ただし、両延伸面24は、互いに平行でなくてもよい。つまり、両延伸面24は、傾斜面23から、中心線Cに対して離れる方向に延びていなければよく、例えば、両延伸面24は、半径方向内側に向かうに従って互いに近づくように形成してもよい。延伸面24をこのように構成することで、隣接する挿入溝21間の部分(リガメント部)28の幅が小さくなりすぎるのを防ぎ、リガメント部28の強度低下を抑えることができる。なお、延伸面24の長さについては後述する。また、本実施形態では、延伸面24は直線状に形成されているが、これに限定されず、円弧状に形成されていてもよい。なお、図1に示すように、本実施形態では、傾斜面23と延伸面24は角部を成すように接続されているが、傾斜面23と延伸面24の間に湾曲面を形成してもよい。
底面25は、挿入溝21の底部を形成する面である。本実施形態の底面25は、直線状に形成されている。なお、底面25は、半径方向内側に凸形状などの曲線としてもよいが、底面25がボス20の内周面29に近すぎると、ボス20の底面25と内周面29との間の部分の強度が低下し、必要強度を確保できなくなるおそれがある。そのため、底面25は直線状であることが好ましい。また、底面25は、半径方向外側に凸形状などの曲線としてもよく、例えば、底面25をボス20と同心の円弧としてもよい。なお、底面25と挿入部13の下面15とは離間している。つまり、底面25と挿入部13の下面15との間には空間が形成されている。
湾曲面26は、延伸面24と底面25の間に位置しており、断面視において円弧状に形成されている。湾曲面26の曲率半径は特に限定されないが、底面25の周方向寸法の10〜20%であることが望ましい。湾曲面26の曲率半径をこのように構成することで、湾曲面26に生じる応力集中を低減させることができる。ただし、湾曲面26は円弧状に限定されず、延伸面24と底面25を滑らかに接続するものであればよい。また、底面25がボス20の内周面29に近すぎると強度低下の問題が生じることは上述したとおりである。
スペーサ30は、挿入部13の下面15と挿入溝21を形成する底面25との間に挿入された部材である。このスペーサ30を挿入することにより、挿入部13の接触面14と挿入溝21の傾斜面23を確実に当接させることができ、挿入部13と接触面14との間のがたつきを防止することができる。スペーサ30は、挿入部13と挿入溝21との間のがたつきを防止するものであるため、翼10を半径方向外側に付勢できる部材であることが望ましい。例えば、スペーサ30として、ボス20の挿入溝21の延在方向に高さが変化するくさび状の部材を用い、挿入溝21の延在方向において、挿入部13の下面15と挿入溝21の底面25との距離が徐々に変化するようにし、当該距離の大きい方からスペーサ30を任意の位置まで挿入することで、翼10を半径方向外側に付勢する構成としてもよい。さらに、スペーサ30の挿入に代えて、ねじで翼10を付勢してもよい。つまり、ボス20に内周面29側から底面25に抜けるねじ穴を形成し、そのねじ穴にねじを挿入し、ねじの先端を翼10の下面15に押し当てることで、翼10を半径方向外側に付勢するように構成してもよい。その他にも、油圧式や空圧式のアクチュエータ等を用いても構わない。なお、本実施形態においては、中心線Cに対して、一対の傾斜面23は左右対称としているが、これに限定されず、最大荷重の差を考慮して、一対の傾斜面23のそれぞれが異なる角度を持つものとしてもよい。また、同様に、本実施形態においては、中心線Cに対して、一対の延伸面24は左右対称としているが、これに限定されず、最大荷重の差を考慮して、一対の延伸面24のそれぞれが異なる角度を持つものとしてもよい。
以上が本実施形態に係るプロペラ100の構成である。本実施形態に係るプロペラ100は、翼10の挿入部13をボス20の挿入溝21の延在方向に沿って(例えば、図1の紙面手前側から紙面奥側に向かって)挿入溝21に挿入し、その後スペーサ30をボス20の底面25と翼10の下面15の間に挿入するという手順で組み立てることができる。このように本実施形態に係るプロペラ100は組立式のプロペラであるため、翼10の一枚が破損したとしても、破損した翼10のみを交換すれば、プロペラ100を再度使用することができる。また、本実施形態に係るプロペラ100によれば、構成部品単位で製造を行うことができるため、プロペラ100全体として製造を比較的容易に行うことができる。
<本実施形態の効果>
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態に係るプロペラ100の挿入溝21の形状に由来する効果について説明する。図2及び図3は、翼に遠心力(紙面上方向の力)及び周方向(紙面右方向)の力をかけたときのボスの応力分布を示した図である。そして、図2は延伸面のない(挿入溝の断面形状が略台形である)ボスの場合を示しており、図3は上述した本実施形態のボス20の場合を示している。図2及び図3において、色の濃い部分が、応力の高い部分である。なお、図2及び図3は、翼に同じ大きさの力を加えたときの結果を示している。
図2に示すように、延伸面のないボスの場合、本実施形態の傾斜面23に相当する面と底面25に相当する面の境界部分に応力が集中している。一方、図3に示すように、延伸面24を有する本実施形態のボス20の場合、応力が集中する部分はほとんどなく、分散している。なお、図3に示す場合、最大応力の値は図2に示す場合の3分の1程度である。このように、本実施形態によれば、構造的に集中した応力が分散するため、ボス20に生じる最大応力を大幅に低減することができる。
また、船舶用のプロペラは、一方向にのみ回転するのではなく、両方向に回転するように構成されている。つまり、船舶が前進する場合にはプロペラは正転し、船舶が後退する場合にはプロペラは逆転する。これに対し、本実施形態では、挿入溝21は、翼10の中心線Cを基準に左右対称に形成されている。そのため、図3において、翼10に逆の方向(紙面左方向)の力がかかった場合は、応力分布傾向は左右が反転する。つまり、本実施形態によれば、プロペラ100が正転時だけでなく逆転時においても、応力を適切に分散させることができる。
<傾斜面の傾斜角度>
次に、図4を参照して、傾斜面23の適切な傾斜角度αについて説明する。図4は、傾斜面23の傾斜角度αが70度の場合と80度の場合について、延伸面24の長さと最大応力の関係を示した図である。ここでいう傾斜角度αとは、断面視において、プロペラ100の中心軸を通る挿入溝21の中心線Cに直交する線を基準とし、当該線に対して傾斜面23がなす角度をいう(図1参照)。図4において、2本ある屈曲線のうち上方側に位置する線でつながれたポイント(丸)が、傾斜角度αが70度のときのものである。また、下方側に位置する屈曲線でつながれたポイント(四角)が、傾斜角度αが80度のときのものである。
さらに、図4の横軸は、挿入溝21の深さDに対する延伸面24の長さLの比を示している。ここでいう挿入溝21の深さDとは、挿入溝がないと想定した場合のボス外周面と中心線Cの交点からボス20の底面25までの中心線C方向の距離をいう(図1参照)。また、延伸面24の中心線C方向の長さLは断面視における延伸面24の長さ(断面長さ)をいう(図1参照)。一方、図4の縦軸は最大応力を示しており、その値は図2に示すボスに生じる最大応力との比である。
図4に示すように、傾斜角度αが70度の場合と80度の場合を比べると、傾斜角度が10度変化するだけで、最大応力(図2の最大応力との比)が3分の2から半分程度にまで低下していることがわかる。傾斜角度αが大きくなれば傾斜面23と延伸面24の境界部分における応力は小さくなることが予測されるが、特に傾斜角度αが70度以上となれば、最大応力を大幅に低減することができることが判明した。一方、傾斜角度αが90度に達すると、実質的に傾斜面23が存在しなくなる(延伸面24に同化する)。この場合、挿入部13に当接して、挿入部13の径方向外側への移動を規制する部分がなくなるため、挿入部13と挿入溝21との間のがたつきが大きくなる。そのため、傾斜角度αは少なくとも90度よりも小さくする必要がある。以上を踏まえると、傾斜角度αは70度以上90度未満であることが望ましい。
<延伸面の長さ>
次に、図4を引き続き参照して、延伸面24の最適な長さ(断面長さ)について説明する。図4に示すように、傾斜角度αが70度の場合及び80度の場合のいずれであっても、延伸面24の長さL(挿入溝21の深さDに対する延伸面24の長さLの比)が大きくなるに従って、最大応力(図2の最大応力との比)が小さくなる。特に、挿入溝21の深さDに対する延伸面24の長さLの比が0.2以上であれば、その効果は大きい。一方、延伸面24の長さLが大きくなりすぎると、ボス20の内周面29と挿入溝21を形成する底面25の距離が小さくなり、それらの間の部分の必要強度が確保できないおそれがある。そのため、実質的に挿入溝21の深さDに対する延伸面24の長さLの比は、0.5以下であるのが望ましい。以上を踏まえると、挿入溝21の深さDに対する延伸面24の長さLの比は、0.2から0.5であることが望ましい。
以上、本発明の実施形態について図を参照して説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明に係る船舶用プロペラは、流体力に起因するボスに生じる応力を分散させることができ、その結果、ボスに発生する応力の集中を抑制することができる。よって、船舶の技術分野において有益である。
10 翼
13 挿入部
14 接触面
20 ボス
21 挿入溝
23 傾斜面
24 延伸面
25 底面
26 湾曲面
100 プロペラ
α 傾斜角度
D 挿入溝の深さ
L 延伸面の長さ

Claims (7)

  1. 半径方向内側に突出する挿入部を基端側に有する翼と、
    前記挿入部が挿入される挿入溝を外周面側に有するボスと、を備え、
    前記挿入部は、半径方向内側に向かうに従って周方向両外側に広がる一対の接触面を含み、
    前記挿入溝は、
    半径方向外側付近の周方向両側に位置し、前記接触面に接する一対の傾斜面と、
    前記傾斜面の各々から半径方向内側に向かって延びる一対の延伸面と、
    前記挿入溝の底部を画する底面とを含む、船舶用プロペラ。
  2. 前記一対の延伸面は、断面視において互いに平行、又は、半径方向内側に向かうに従って互いに近づくように形成されている、請求項1に記載の船舶用プロペラ。
  3. 前記一対の延伸面は、いずれも断面視において直線状に形成されている、請求項1又は2に記載の船舶用プロペラ。
  4. 前記傾斜面の傾斜角度は70度以上90度未満である、請求項1乃至3のうちいずれか一の項に記載の船舶用プロペラ。
  5. 前記挿入溝の深さに対する前記延伸面の断面長さの比は0.2から0.5である、請求項1乃至4のうちいずれか一の項に記載の船舶用プロペラ。
  6. 前記翼と前記挿入溝を複数備えている、請求項1乃至5のうちいずれか一の項に記載の船舶用プロペラ。
  7. 請求項1乃至6のうちいずれか一の項に記載の船舶用プロペラを構成するボス。
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