JP2014124983A - 車両の運動制御装置、及び車両の運動制御方法 - Google Patents

車両の運動制御装置、及び車両の運動制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014124983A
JP2014124983A JP2012281023A JP2012281023A JP2014124983A JP 2014124983 A JP2014124983 A JP 2014124983A JP 2012281023 A JP2012281023 A JP 2012281023A JP 2012281023 A JP2012281023 A JP 2012281023A JP 2014124983 A JP2014124983 A JP 2014124983A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
value
dyr
vehicle weight
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012281023A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6048127B2 (ja
Inventor
Chihiro Nitta
千裕 新田
Hideaki Koto
英章 古藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Advics Co Ltd
Original Assignee
Advics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Advics Co Ltd filed Critical Advics Co Ltd
Priority to JP2012281023A priority Critical patent/JP6048127B2/ja
Publication of JP2014124983A publication Critical patent/JP2014124983A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6048127B2 publication Critical patent/JP6048127B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

【課題】車両の旋回時における挙動制御の早期開始を抑制することにより、ドライバビリティの低下を抑制することができる車両の運動制御装置、及び車両の運動制御方法を提供する。
【解決手段】制御装置は、平荷用判定値DYr_P及び不感帯幅DZを、車両重量の推定値Mestが大きいときには車両重量の推定値Mestが小さいときよりも大きい値に決定し(ステップS12,S13)、平荷用判定値DYr_P及び不感帯幅DZの加算結果を開始判定値DYr_THとする(ステップS14)。そして、制御装置は、車両のスタビリティファクタSFを用いて演算される規範ヨーレートYr_Trgからヨーレートセンサによって検出されるヨーレートセンサ値Yr_Rを差し引いた偏差の絶対値|ΔYr|が開始判定値DYr_TH以上になったときに、挙動制御を開始する(ステップS20)。
【選択図】図7

Description

本発明は、旋回する車両挙動の安定化を図る車両の運動制御装置、及び車両の運動制御方法に関する。
特許文献1に記載の運動制御装置では、旋回する車両挙動を制御する挙動制御を実行するに際し、車両のロール状態を示す指標値が判定基準値を超えているか否かが判定される。そして、指標値が判定基準値を超えているときには、指標値が判定基準値以下であるときよりも車両が緩やかに減速されるようになっている。
また、車両の運動制御装置としては、運転者による車両操作の態様に基づき決定される規範ヨーレートとヨーレートセンサから出力される信号に基づいたヨーレートセンサ値との偏差を演算し、この偏差に基づいて車両が横滑りしているか否かを判定する装置も知られている。こうした装置では、演算した偏差の絶対値が所定の偏差判定値以上になったときに、偏差を「0(零)」に近づける挙動制御が開始されるようになっている。
特開2009−51369号公報
ここで、特にトラックやバスなどの車両においては、積載量や前後方向における積載バランスが大きく変化し得る。そして、こうした変化によって車両重心の位置が前側や後側に変わると、車両の回転中心よりも車両後側に加わる遠心力による回転方向のヨーモーメントが増加して車両の旋回特性もまた変化する。すなわち、車両重心が後側に変わった場合には車両が旋回しやすくなる一方、車両重心が前側に変わった場合には車両が旋回しにくくなる。そのため、上記の挙動制御の開始タイミングを決定するための偏差判定値は、その時点の車両重心の前後方向位置によって決定することが好ましい。
しかしながら、車両重心の前後方向位置を適宜推定することは非常に困難であるため、一般的に、偏差判定値は、車両への積載がほとんどなされていない、いわゆる空車状態での車両の旋回特性に応じて予め決定されている。そのため、車両への積載に起因する車両重心の前後方向位置の変化などによって車両の旋回特性が変化すると、挙動制御の早期開始によってドライバビリティの低下を招くおそれがある。
本発明の目的は、車両の旋回時における挙動制御の早期開始を抑制することにより、ドライバビリティの低下を抑制することができる車両の運動制御装置、及び車両の運動制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するための車両の運動制御装置は、車両のスタビリティファクタ(SF)を用いて演算される規範ヨーレート(Yr_Trg)からヨーレートセンサ(SE5)によって検出されるヨーレートセンサ値(Yr_R)を差し引いた偏差の絶対値(|ΔYr|)が開始判定値(DYr_TH)以上になったときに、同偏差(ΔYr)を「0(零)」に近づけるべく挙動制御を開始する運動制御装置を前提としている。そして、この運動制御装置は、車両重量基準値(DYr_P)を、車両重量が大きいときには同車両重量が小さいときよりも大きい値に決定する基準値決定部(40、S12)と、不感帯の幅(DZ)を、車両重量が大きいときには同車両重量が小さいときよりも大きい値に決定する不感帯幅決定部(40、S13)と、決定された車両重量基準値(DYr_P)と不感帯の幅(DZ)との加算結果を開始判定値(DYr_TH)とする判定値決定部(40、S14)と、を備えるようにした。なお、車両のスタビリティファクタ(SF)は、定常円旋回を行う車両の速度による旋回半径の変化の大きさを示す指標となる値である。
車両への積載量が多くなるほど、車両の実際のスタビリティファクタが変動しやすい。また、車両の実際のスタビリティファクタは、車両重心が後側に変位するほど車両が旋回しやすくなるために小さくなり、車両重心の後側への変位に伴う車両の実際のスタビリティファクタの変動幅は、車両への積載量が多くなるほど大きくなる。そこで、上記構成では、車両への積載などによって車両重量が増大すると、車両重量基準値(DYr_P)が大きい値に決定される。この車両重量基準値(DYr_P)は、平荷状態などのように車両重心の前後方向位置が空車状態であるときとほとんど変化がない場合における上記挙動制御の開始判定値に相当する。
また、車両への積載が後側に集中する後荷状態であるときには、積載状態が平荷状態であるときよりも車両重心が後側に変位する。すなわち、車両の積載量が同一量であっても、積載状態によっても車両の旋回しやすさが変わる。そこで、上記構成では、車両重量が増大すると、車両重量基準値(DYr_P)だけではなく、不感帯の幅(DZ)が大きい値に決定される。そして、この不感帯の幅(DZ)と車両重量基準値(DYr_P)とを足し合わせた値が開始判定値(DYr_TH)とされる。これにより、決定された不感帯の幅(DZ)が大きいほど、偏差の絶対値(|ΔYr|)が車両重量基準値(DYr_P)を超えても挙動制御が実行されにくくなる。
そのため、車両への積載などによって車両重心が空車状態の位置から後側に変位した場合、ヨーレートセンサ値(Yr_R)が大きくなって偏差の絶対値(|ΔYr|)が大きくなっても、同偏差の絶対値(|ΔYr|)が開始判定値(DYr_TH)以上になりにくくなる。すなわち、車両の旋回状態が実際には安定している状況下で挙動制御が開始される事象が生じにくくなる。したがって、車両の旋回時における挙動制御の早期開始を抑制することができ、ドライバビリティの低下を抑制することができるようになる。
ところで、車両の旋回のし易さは、車両重量によって変化する可能性が高い。そこで、上記の車両の運動制御装置は、車両のスタビリティファクタ(SF)を車両重量に応じた値に決定するスタビリティ決定部(40、S11)をさらに備えることが好ましい。これにより、スタビリティファクタ(SF)を用いて演算される規範ヨーレート(Yr_Trg)を、その時点の車両重量に応じた値に近づけることが可能となる。
また、上記課題を解決するための車両の運動制御方法は、車両のスタビリティファクタ(SF)を用いて演算される規範ヨーレート(Yr_Trg)からヨーレートセンサ(SE5)によって検出されるヨーレートセンサ値(Yr_R)を差し引いた偏差の絶対値(|ΔYr|)が開始判定値(DYr_TH)以上になったときに、同偏差(ΔYr)を「0(零)」に近づける挙動制御を開始させる開始ステップ(S20)を有する車両の運動制御方法を前提としている。そして、この運動制御方法は、車両重量の推定値(Mest)を取得させる重量取得ステップ(S10)と、車両重量基準値(DYr_P)を、取得した車両重量の推定値(Mest)が大きいときには同車両重量の推定値(Mest)が小さいときよりも大きい値に決定させる基準値決定ステップ(S12)と、不感帯の幅(DZ)を、取得した車両重量の推定値(Mest)が大きいときには同車両重量の推定値(Mest)が小さいときよりも大きい値に決定させる不感帯幅決定ステップ(S13)と、開始判定値(DYr_TH)を、決定した車両重量基準値(DYr_P)と不感帯の幅(DZ)との加算結果に決定させる判定値決定ステップ(S14)と、をさらに有するようにした。この構成によれば、上記の車両の運動制御装置と同等の作用・効果を得ることができる。
一実施形態における車両の構成を模式的に示すブロック図。 積載量や積載状態によって車両重心が前後方向に変化する様子を説明する模式図。 積載状態によって車両の旋回のしにくさが変化する様子を示すグラフ。 車両重量の推定値に応じてスタビリティファクタを決定するためのマップ。 車両重量の推定値に応じて平荷用判定値を決定するためのマップ。 車両重量の推定値に応じて不感帯幅を決定するためのマップ。 偏差の絶対値に応じて挙動制御時における制御量を決定するためのマップ。 挙動制御を行うために制御装置が実行する処理ルーチンを説明するフローチャート。 横方向加速度の増大に伴って偏差が変化する様子を示すタイミングチャート。
以下、車両旋回時に車両の挙動を適宜制御する制御装置を備える車両の一実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図1に示すように、車両には、複数(例えば、4つ)の車輪10にエンジン11で発生した駆動力を伝達する動力伝達機構20と、各車輪10に制動力を付与する制動装置30と、車両の運動制御装置としての制御装置40とが設けられている。動力伝達機構20は、動力伝達経路に沿って配置される、クラッチ21、変速機22、ディファレンシャルギヤ23を備えている。クラッチ21は、運転者による図示しないクラッチペダルの操作によって、動力伝達を許可したり、禁止したりするように動作する。また、変速機22は、運転者による図示しないシフトレバーの操作態様に応じた変速段に設定される。
制動装置30は、液圧発生装置31と、ブレーキアクチュエータ32とを備えている。そして、運転手がブレーキペダル33を操作すると、液圧発生装置31を構成するマスタシリンダ内の液圧が上昇し、この液圧に応じた液量のブレーキ液がブレーキアクチュエータ32の図示しない液圧回路を介して車輪10毎に設けられた制動機構34のホイールシリンダ内に流入する。これにより、制動機構34がホイールシリンダ内の液圧に応じた制動力を車輪10に付与するようになる。
本実施形態のブレーキアクチュエータ32は、運転者がブレーキペダル33を操作しない場合であっても各車輪10に対する制動力を個別に調整できるように構成されている。例えば、ブレーキアクチュエータ32は、マスタシリンダ内の液圧と、ホイールシリンダ内の液圧との間に差圧を発生させる差圧調整弁と、ホイールシリンダ内にブレーキ液を供給するための電動ポンプとを備えている。また、ブレーキアクチュエータ32には、各ホイールシリンダ内の液圧を個別に調整するための各種弁が設けられている。
制御装置40には、ブレーキペダル33の操作の有無を検出するブレーキスイッチSW1、及びクラッチペダルの操作の有無を検出するクラッチスイッチSW2が電気的に接続されている。また、制御装置40には、エンジン11の出力軸の回転速度NEを検出するクランク角センサSE1、車輪10の車輪速度VWを検出する車輪速度センサSE2、及び車両のステアリングホイール12の操舵角θを検出する操舵角センサSE3が電気的に接続されている。また、制御装置40には、車両の前後方向における加速度(以下、「車体加速度」ともいう。)Gxを検出する加速度センサSE4、及び車両のヨーレート(Yaw Rate)を検出するヨーレートセンサSE5が電気的に接続されている。このヨーレートセンサSE5から出力される信号に基づき検出されるヨーレートを、ヨーレートセンサSE5によって検出される「ヨーレートセンサ値Yr_R」という。そして、制御装置40は、各種スイッチ及び各種センサによって検出される各種情報に基づき、エンジン11及びブレーキアクチュエータ32などを適宜制御するようになっている。
こうした制御装置40は、CPU、ROM及びRAMなどで構築されるマイクロコンピュータを有する複数のECU(電子制御装置)を有している。こうしたECUとしては、エンジン11の制御を司るエンジン用ECU、ブレーキアクチュエータ32の制御を司るブレーキ用ECUなどが挙げられる。そして、制御装置40は、車両の旋回特性を示すスタビリティファクタSFを用いて演算される規範ヨーレートYr_Trgからヨーレートセンサ値Yr_Rを差し引いた偏差の絶対値|ΔYr|が開始判定値DYr_TH以上になったときに、偏差ΔYrが「0(零)」に近づくようにブレーキアクチュエータ32を制御する挙動制御を行うようになっている。
ところで、図2に示すように、トラックやバスなどの車両では、積載量の増減によって、車両重量が増減したり、車両重心Sの位置が前側や後側に変わったりすることがある。このように車両重量や車両重心Sの前後方向位置が変わると、車両の旋回特性も変化する。なお、「車両重量」とは、車両自体の重量と、車両に積載された貨物の積載量及び車両に搭乗した乗員に基づく重量とを少なくとも含んだ概念である。
本実施形態の車両では、図3に示すように、車両への積載がほとんどなされていない空車状態であっても、車両重心Sが車両中心よりも後側に設定されている。そのため、車両旋回時においては、旋回に伴う遠心力が車両重心Sに加わることで車両にヨーモーメントが作用することにより、空車状態よりも、車両に積載物が前後にバランス良く積載される、いわゆる平荷状態のほうが、車両が旋回しやすくなる。こうした車両では、積載物の積載状態によっても、車両の旋回しにくさが変化する。例えば、積載状態が、積載物が車両後側に集中的に積載される後荷状態では、積載状態が平荷状態であるときと比較して、車両重心Sがより後側に変位するため、この車両重心Sに加わる遠心力がさらに大きくなることで車両に作用するヨーモーメントがさらに増加し、結果として、車両が旋回しやすくなる。一方、積載状態が、積載物が車両前側に集中的に積載される前荷状態では、積載状態が平荷状態であるときと比較して、車両重心Sが車両の回転中心よりも前側に位置するために車両が旋回しにくくなる。また、車両重心Sと車両の回転中心との前後方向の位置関係によっては、積載状態が前荷状態であるときに、車両への積載量が多いと、空車状態であるときよりも車両が旋回しにくくなることもあり得る。
そこで、本実施形態では、車両の旋回特性を示すパラメータであるスタビリティファクタSFが、車両重量の推定値Mestに基づいて変更される。「スタビリティファクタSF」とは、定常円旋回を行う車両の速度による旋回半径の変化の大きさを示す指標となる値である。そして、車両重量の推定値Mestに基づいて決定されたスタビリティファクタSFを以下に示す関係式(式1)に代入し、規範ヨーレートYr_Trgが演算される。なお、関係式(式1)において、「VS」は車両の車体速度であり、「WB」は車両のホイールベース長であり、「N」はステアリング装置のギヤ比である。
また、車両の旋回しやすさは、上述したように、車両の積載状態によって変化する。例えば、車両の積載状態が後荷状態である場合、車両重心Sが後側に変化するため、車両が旋回しやすくなる。この場合、平荷状態であるときや空車状態であるときを基準に上記の開始判定値DYr_THが予め決定されていたとすると、車両が横滑りしていないにも拘わらず、上記の偏差の絶対値|ΔYr|が大きくなって開始判定値DYr_TH以上となることがある。すなわち、偏差ΔYrが、車両の実際の旋回状態とは乖離した値になり得る。この場合、車両が未だ安定旋回している状態、即ち車両が未だ横滑りしていない状態で上記の挙動制御が開始されるおそれがある。そこで、本実施形態では、開始判定値DYr_THを車両重量の推定値Mestが大きいときには小さいときよりも大きい値に変更することで、挙動制御の早期開始の抑制が図られている。
すなわち、車両重量の推定値Mestが大きい場合にあっては、積載状態が平荷状態であるときのように車両重心Sが車両の回転中心の近くに位置するときと、積載状態が後荷状態であるときのように車両重心Sが車両の回転中心から後側に離れているときとで、旋回しにくさを示す数値の変動幅が大きくなる(図3参照)。言い換えると、車両重量の推定値Mestが大きい場合ほど、車両重心Sを後側に変位させたことに起因する車両の旋回しやすさを示す数値が大きくなる。つまり、車両の積載量の増大に伴って車両重心Sが後側に変位したときには、それ以前よりも車両が旋回中に横滑りにくくなっている。そこで、本実施形態では、車両の横滑りが発生していないときでの挙動制御の不要な開始を抑制するために、開始判定値DYr_THを、車両重量の推定値Mestの増加に伴って大きくしている。
なお、本実施形態では、開始判定値DYr_THは、車両重量基準値としての平荷用判定値DYr_Pと不感帯幅DZとを足し合わせることで求められる。この平荷用判定値DYr_Pは、積載状態が平荷状態であると仮定して車両重量の推定値Mestに応じて決定される値である。すなわち、平荷用判定値DYr_Pは、積載状態が平荷状態である場合における挙動制御の開始判定値の理論値又は理論値に近い値となる。
しかし、車両の旋回のし易さは平荷状態よりも後荷状態のほうが大きい。そのため、積載状態が後荷状態である場合、上記の平荷用判定値DYr_Pを挙動制御の開始判定値としたとすると、横滑りが発生していない段階で挙動制御が不要に開始される可能性がある。そこで、積載状態が後荷状態であるときに横滑りが発生していない段階での挙動制御の開始を抑制するために、不感帯幅DZが設定されている。本実施形態の車両は積載量が多くなるほど車両重心Sが後側に変位する可能性が高いため、不感帯幅DZは、車両重量の推定値Mestが大きいほど大きい値に決定される。
次に、図4を参照して、スタビリティファクタSFを設定するためのマップについて説明する。
本実施形態の車両は、積載状態が平荷状態である場合、車両重量が増加するほど車両が旋回しやすくなる傾向を有する。そこで、本実施形態では、車両のスタビリティファクタSFが、車両重量の推定値Mestが大きいときには小さいときよりも小さい値に決定される。
すなわち、図4に示すように、車両重量の推定値Mestが第1の重量推定値Mest11未満である場合、車両の積載状態が空車状態又は空車状態に近い状態であると判断できるため、スタビリティファクタSFは、スタビリティ基準値SF_baseに決定される。このスタビリティ基準値SF_baseは、空車状態であるときの車両の旋回特性に応じた値である。また、車両重量の推定値Mestが第1の重量推定値Mest11よりも大きい第2の重量推定値Mest12以上である場合、車両の積載量が、車両に設定されている最大積載量以上であると判断できるため、スタビリティファクタSFは、スタビリティ基準値SF_baseよりも小さいスタビリティ下限値SF_minに決定される。このスタビリティ下限値SF_minは、積載量が最大積載量であって且つ積載状態が平荷状態であるときの車両の旋回特性に応じた値である。そして、車両重量の推定値Mestが第1の重量推定値Mest11以上であって且つ第2の重量推定値Mest12未満である場合、スタビリティファクタSFは、車両重量の推定値Mestが大きくなるにつれて次第に大きくなる。
次に、図5を参照して、平荷用判定値DYr_Pを決定するためのマップについて説明する。
図5に示すように、車両重量の推定値Mestが第1の重量推定値Mest21未満である場合、車両の積載状態が空車状態又は空車状態に近い状態であると判断できるため、平荷用判定値DYr_Pは、下限値Tlvに決定される。また、車両重量の推定値Mestが第1の重量推定値Mest21よりも大きい第2の重量推定値Mest22以上である場合、車両の積載量が、車両に設定されている最大積載量以上であると判断できるため、平荷用判定値DYr_Pは、下限値Tlvよりも大きい上限値Tgv1に決定される。これは、積載状態が平荷状態である場合には、積載量が増えるほど車両が旋回しやすくなる可能性が高いと推定されるためである。そして、車両重量の推定値Mestが第1の重量推定値Mest21以上であって且つ第2の重量推定値Mest22未満である場合、平荷用判定値DYr_Pは、車両重量の推定値Mestが大きくなるにつれて次第に大きくなる。
なお、第1の重量推定値Mest21は、第1の重量推定値Mest11と同一値であってもよいし、第1の重量推定値Mest11とは異なる値であってもよい。同様に、第2の重量推定値Mest22は、第2の重量推定値Mest12と同一値であってもよいし、第2の重量推定値Mest12とは異なる値であってもよい。
次に、図6を参照して、不感帯幅DZを決定するためのマップについて説明する。
図6に示すように、車両重量の推定値Mestが第1の重量推定値Mest31未満である場合、車両の積載状態が平荷状態又は平荷状態に近い状態であると判断できるため、不感帯幅DZは「0(零)」に決定される。また、車両重量の推定値Mestが第1の重量推定値Mest31よりも大きい第2の重量推定値Mest32以上である場合、車両の積載量が、車両に設定されている最大積載量以上であると判断できるため、不感帯幅DZは、「0(零)」よりも大きい上限値Tgv2に決定される。これは、積載量が増えるほど車両重心Sが後側に変位しやすいためである。そして、車両重量の推定値Mestが第1の重量推定値Mest31以上であって且つ第2の重量推定値Mest32未満である場合、不感帯幅DZは、車両重量の推定値Mestが大きくなるにつれて次第に大きくなる。
なお、第1の重量推定値Mest31は、第1の重量推定値Mest21と同一値であってもよいし、第1の重量推定値Mest21とは異なる値であってもよい。同様に、第2の重量推定値Mest32は、第2の重量推定値Mest22と同一値であってもよいし、第2の重量推定値Mest22とは異なる値であってもよい。
次に、図7を参照して、挙動制御時における制御量Putを決定するためのマップについて説明する。
図7に示すように、偏差の絶対値|ΔYr|が開始判定値DYr_TH未満である場合、制御量Putは「0(零)」とされ、挙動制御が行われない。一方、偏差の絶対値|ΔYr|が開始判定値DYr_TH以上である場合、制御量Putは、偏差の絶対値|ΔYr|が大きくなるにつれて大きい値に決定される。なお、本実施形態では、図5及び図6に示す各マップに基づいて決定される平荷用判定値DYr_P及び不感帯幅DZを加算して開始判定値DYr_THを求めるため、開始判定値DYr_THは下限値Tlvと上限値Tgv(=Tgv1+Tgv2)との間で変わる。このように開始判定値DYr_THが変更されても、偏差の絶対値|ΔYr|の増加に対する制御量Putの上昇勾配は一定である。しかしながら、これに限らず、積載量が多いほど車両の慣性が大きくなるため、制御量Putの上昇勾配を急勾配としてもよい。
次に、車両重量の推定値Mestを演算するために制御装置40が実行する処理ルーチンについて説明する。
この処理ルーチンにおいて、制御装置40は、クラッチスイッチSW2から出力される信号に基づき、運転者によってクラッチペダルが操作されているか否か、即ちクラッチ21が切断されているか否かを判定する。そして、クラッチ21が切断されている場合、エンジン11からの駆動力が車輪10に伝達されていないと判断できる。そのため、制御装置40は、加速度センサSE4によって検出される車体加速度Gxを切断時加速度Gx1として取得するとともに、車輪10に伝達される駆動力Fを切断時駆動力F1として取得する。なお、駆動力Fは、エンジン11から出力されている駆動力と、その時点で設定されている変速機22の変速段に応じたギヤ比とに基づいて演算される。
そして、切断時加速度Gx1及び切断時駆動力F1の取得後において、制御装置40は、クラッチ21が接続されているか否かを判定する。そして、クラッチ21が接続されていると判定した場合、車輪10にエンジン11からの駆動力が伝達されていると判断できる。そのため、制御装置40は、加速度センサSE4によって検出される車体加速度Gxを接続時加速度Gx2として取得するとともに、車輪10に伝達される駆動力Fを接続時駆動力F2として取得する。
続いて、制御装置40は、以下に示す関係式(式2)を用い、車両重量の推定値Mestを演算する。ここでは、公知の運動方程式「F=Mest×Gx」を利用して車両重量の推定値Mestが演算される。そして、制御装置40は、本処理ルーチンを一旦終了する。
次に、図8を参照して、上記の挙動制御の開始タイミングを決定する際に制御装置40が実行する処理ルーチンについて説明する。
図8に示す処理ルーチンは、予め設定された所定サイクル毎に実行される処理ルーチンである。この処理ルーチンにおいて、制御装置40は、車両重量の推定値Mestを取得する(ステップS10)。この点で、本実施形態では、ステップS10が、車両重量の推定値Mestを取得させる「重量取得ステップ」に相当する。
続いて、制御装置40は、図4に示すマップを用い、スタビリティファクタSFを、ステップS10で取得した車両重量の推定値Mestに応じた値に決定する(ステップS11)。この点で、本実施形態では、制御装置40が、スタビリティファクタSFを車両重量に応じた値に決定する「スタビリティ決定部」としても機能する。また、ステップS11が、スタビリティファクタSFを車両重量の推定値Mestに応じた値に決定させるステップに相当する。
そして、制御装置40は、図5に示すマップを用い、平荷用判定値DYr_Pを、ステップS10で取得した車両重量の推定値Mestに応じた値に決定する(ステップS12)。この点で、本実施形態では、制御装置40が、平荷用判定値DYr_Pを、車両重量が大きいときには車両重量が小さいときよりも大きい値に決定する「基準値決定部」としても機能する。また、ステップS12が、平荷用判定値DYr_Pを、車両重量の推定値Mestが大きいときには車両重量の推定値Mestが小さいときよりも大きい値に決定させる「基準値決定ステップ」に相当する。
続いて、制御装置40は、図6に示すマップを用い、不感帯幅DZを、ステップS10で取得した車両重量の推定値Mestに応じた値に決定する(ステップS13)。この点で、本実施形態では、制御装置40が、不感帯幅DZを、車両重量が大きいときには車両重量が小さいときよりも大きい値に決定する「不感帯幅決定部」としても機能する。また、ステップS12が、不感帯幅DZを、車両重量の推定値Mestが大きいときには車両重量の推定値Mestが小さいときよりも大きい値に決定させる「不感帯幅決定ステップ」に相当する。
そして、制御装置40は、ステップS12,S13で決定した平荷用判定値DYr_P及び不感帯幅DZを加算し、この加算結果(=DYr_P+DZ)を開始判定値DYr_THとする(ステップS14)。この点で、本実施形態では、制御装置40が、「判定値決定部」としても機能する。また、ステップS14が、「判定値決定ステップ」に相当する。
続いて、制御装置40は、上記関係式(式1)を用いて規範ヨーレートYr_Trgを演算し(ステップS15)、ヨーレートセンサSE5によって検出された現時点のヨーレートセンサ値Yr_Rを取得する(ステップS16)。そして、制御装置40は、規範ヨーレートYr_Trgからヨーレートセンサ値Yr_Rを差し引いた偏差ΔYrを求める(ステップS17)。
続いて、制御装置40は、ステップS17で求めた偏差ΔYrの正負の符号に基づき、車両がオーバーステア傾向を示しているのか、車両がアンダーステア傾向を示しているのかを識別する。例えば、制御装置40は、偏差ΔYrが正の値である場合には車両がアンダーステア傾向を示していると判定し、偏差ΔYrが負の値である場合には車両がオーバーステア傾向を示していると判定する。
そして、制御装置40は、図7に示すマップを用い、制御量Putを、ステップS17で求めた偏差の絶対値|ΔYr|に応じた値に決定する(ステップS19)。続いて、制御装置40は、ステップS19で決定した制御量Putに基づいてブレーキアクチュエータ32を制御する(ステップS20)。このとき、制御量Putが「0(零)」である場合、制御装置40は、ブレーキアクチュエータ32を実際には作動させない。また、制御量Putが「0(零)」よりも大きい場合、制御装置40は、アンダーステアの発生時にはアンダーステアを解消させるようにブレーキアクチュエータ32を制御し、オーバーステアの発生時にはオーバーステアを解消させるようにブレーキアクチュエータ32を制御する。この点で、本実施形態では、ステップS20が、偏差の絶対値|ΔYr|が開始判定値DYr_TH以上になったときに、偏差ΔYrを「0(零)」に近づける挙動制御を開始させる「開始ステップ」に相当する。その後、制御装置40は、本処理ルーチンを一旦終了する。
次に、図9を参照して、後荷状態の車両が旋回する際の動作について説明する。なお、ここでは、ステアリングホイール12の操舵角θが徐々に大きくなるため、時間が経過するに連れて車両に発生する横方向加速度Gyが次第に大きくなるシーンについて説明する。
図9では、積載状態が空車状態であるときに、スタビリティファクタSFがスタビリティ基準値SF_baseであるときの偏差ΔYrの時間推移が破線にて示されている。この場合、車両重量の推定値Mestが小さいために、図5及び図6に示す各マップを用いて決定される平荷用判定値DYr_Pは下限値Tlvとされ、不感帯幅DZは「0(零)」とされる。なお、ここでは、図9にて破線で示す状態を「比較例」ともいう。
また、図9では、車両の積載量が、設定されている最大積載量であって、且つ積載状態が後荷状態であるときの偏差ΔYrの時間推移が実線にて示されている。このように積載状態が後荷状態である場合では、積載状態が平荷状態である場合と比較して車両が旋回しやすい。そのため、図4に示すマップを用いて決定されるスタビリティファクタSF(=スタビリティ下限値SF_min)は、後荷状態の車両の実際の旋回特性を示す実際のスタビリティファクタよりも大きい値となる。
もし仮に、実際のスタビリティファクタを上記関係式(式1)に代入して規範ヨーレートを求めたとすると、この規範ヨーレートからヨーレートセンサ値Yr_Rを差し引いた偏差ΔYrは、図9における実線よりも破線に近い形で時間推移することとなる。この場合、開始判定値DYr_THを車両重量の推定値Mestに応じて変化させなくても、第3のタイミングt13に近いタイミングで挙動制御が開始されるようになる。
しかし、本実施形態では、図4に示すマップを用いて決定されるスタビリティファクタSF(=スタビリティ下限値SF_min)を用いて、規範ヨーレートYr_Trgが演算される。この場合における偏差ΔYrは、図9にて実線で示すように時間推移することとなり、実際のスタビリティファクタを用いて規範ヨーレートを演算する場合よりも大きい値になる。そのため、開始判定値DYr_THを車両重量の推定値Mestに応じて変化させなかった場合には、第3のタイミングt13よりも前の第1のタイミングt11で、車両が実際には未だ横滑りしていないにも拘わらず、挙動制御が不要に開始されることとなる。
また、不感帯幅DZを設定しないとすると、開始判定値DYr_THは、車両重量の推定値Mestに応じて決定された平荷用判定値DYr_Pとされる。この場合、第1のタイミングt11と第3のタイミングt13との間の第2のタイミングt12で、挙動制御が開始されることとなる。このとき、積載状態が後荷状態であるとすると、車両が実際には未だ横滑りしていないにも拘わらず、挙動制御が不要に開始されることとなる。
この点、本実施形態では、開始判定値DYr_THは、車両重量の推定値Mestに応じて決定される。具体的には、車両重量の推定値Mestに応じて決定される平荷用判定値DYr_P及び不感帯幅DZを加算して開始判定値DYr_THが決定される。この場合、開始判定値DYr_THは、下限値Tlv及び平荷用判定値DYr_Pよりも大きい値に決定されている。そのため、偏差ΔYrが下限値Tlvに達する第1のタイミングt11や偏差ΔYrが平荷用判定値DYr_Pに達する第2のタイミングt12では、挙動制御が開始されない。
ここで、車両の積載状態が後荷状態である場合、車両重心Sが後側に位置しているため、積載状態が平荷状態である場合や前荷状態である場合と比較して車両が旋回しやすくなっている。そのため、車両重量のみに応じて決定されたスタビリティファクタSFは、後荷状態の車両の旋回特性に応じた(すなわち、車両重心Sの前後方向位置も加味して決定される)実際のスタビリティファクタと乖離しており、このように実際の値から乖離しているスタビリティファクタSFを用いて演算される偏差ΔYrは、実際の偏差よりも大きく演算されている可能性がある。よって、第1のタイミングt11では、偏差の絶対値|ΔYr|が下限値Tlvに達しても車両は実際には横滑りするレベルに達しておらず、この乖離は車両重心Sが後側に変位するほど大きくなりやすい。また、第2のタイミングt12でも、偏差の絶対値|ΔYr|が平荷用判定値DYr_Pに達しても車両は実際には横滑りするレベルに未だ達しておらず、この乖離は車両重心Sが後側に変位するほど大きくなりやすい。
その後、第3のタイミングt13で、偏差の絶対値|ΔYr|が、その時点の車両重量に応じた平荷用判定値DYr_P及び不感帯幅DZを加算した開始判定値DYr_THに達すると、アンダーステアの発生によって車両が横滑りし始めたと判定され、アンダーステアを解消すべく挙動制御が開始される。本実施形態において、不感帯幅DZは、比較例の場合に挙動制御が開始される第3のタイミングt13で挙動制御が開始されるように設定されている。このように不感帯を設定することにより、仮に積載状態が後荷状態であったとしても同車両が旋回する際に、車両が横滑りし始める前に挙動制御が不要に開始されにくくなる。
また、積載状態が前荷状態である場合、車両重心Sが前側に位置しているため、積載状態が平荷状態である場合や後荷状態である場合と比較して車両が旋回しにくくなっている。そのため、実際のスタビリティファクタは、車両重量に応じて決定されたスタビリティファクタSFと乖離している可能性がある。しかし、積載状態が前荷状態である場合、車両のアンダーステア傾向が大きくなりやすい。そして、偏差ΔYrがその時点の開始判定値DYr_THに達すると、アンダーステアを解消すべく挙動制御が開始される。
以上説明したように、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)車両への積載量が多くなるほど、車両重心Sの後側への変位に起因するスタビリティファクタの変動幅が大きくなりやすい。そこで、本実施形態では、車両重量の推定値Mestが大きい場合には車両重量の推定値Mestが小さい場合よりも、平荷用判定値DYr_P及び不感帯幅DZを大きい値に決定するようにした。この場合、平荷用判定値DYr_P及び不感帯幅DZを足し合わせた開始判定値DYr_THが、車両重量が重いほど大きい値とされる。その結果、車両への積載によって車両重心Sが後側に変わった場合、車両の横滑りが発生していない状態では挙動制御が開始されにくくなる。したがって、車両の旋回時における挙動制御の早期開始が抑制され、ドライバビリティの低下を抑制することができるようになる。
(2)その一方で、車両の積載状態によっては、車両重量の増大によって車両重心Sが前側に変わることがある。こうした場合であっても、偏差ΔYrがその時点の車両重量の推定値Mestに応じた平荷用判定値DYr_P及び不感帯幅DZによって求まる開始判定値DYr_TH以上になると、挙動制御が開始されるようになる。したがって、挙動制御の実行によって、旋回する車両の挙動の安定化を図ることができるようになる。
(3)本実施形態の車両は、積載量が増えるほど、車両重心Sが後側に変化しやすい。そこで、本実施形態では、スタビリティファクタSFを、車両重量の推定値Mestが大きい場合には車両重量の推定値Mestが小さい場合よりも大きい値に決定するようにした。これにより、車両の積載量が増えたときには、スタビリティファクタSFを、その時点の車両の旋回特性に応じた値に近づけることができるようになる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・車両の中には、積載状態が平荷状態である場合では空車状態である場合よりも旋回しにくくなる車両もある。こうした車両においては、スタビリティファクタSFを、車両重量の推定値Mestが大きいときには車両重量の推定値Mestが小さいときよりも大きい値に決定することが好ましい。
・スタビリティファクタSFを、車両重量の推定値Mestに応じて段階的に変更するようにしてもよい。例えば、演算した車両重量の推定値Mestに基づいて車両が空車状態であるか否かを判定し、空車状態であると判定したときにはスタビリティファクタSFをスタビリティ基準値SF_baseに決定するようにしてもよい。一方、車両が積載していると判定したときには、車両への積載量とは関係なく、スタビリティファクタSFを、スタビリティ基準値SF_baseとは異なる値に決定するようにしてもよい。
また、演算した車両重量の推定値Mestに基づいて、空車状態、中荷状態、重荷状態を判別するようにしてもよい。なお、重荷状態とは、積載量が最大積載量に近い状態のことであり、中荷状態とは、積載量が中程度である状態のことである。そして、スタビリティファクタSFを、空車状態と判別したときにはスタビリティ基準値SF_baseとし、中荷状態と判別したときには中荷状態用の値とし、重荷状態と判別したときには重荷状態用の値としてもよい。なお、中荷状態用の値は、スタビリティ基準値SF_baseと重荷状態用の値との間の値となる。
・スタビリティファクタSFを、車両重量の推定値Mestによらず一定値としてもよい。
40…車両の運動制御装置としての制御装置(基準値決定部、不感帯幅決定部、判定値決定部、スタビリティ決定部)、DYr_P…車両重量基準値としての平荷用判定値DYr_P、DYr_TH…開始判定値、DZ…不感帯幅、Mest…車両重量の推定値、SE5…ヨーレートセンサ、SF…スタビリティファクタ、Yr_R…ヨーレートセンサ値、Yr_Trg…規範ヨーレート、ΔYr…偏差。

Claims (3)

  1. 車両のスタビリティファクタ(SF)を用いて演算される規範ヨーレート(Yr_Trg)からヨーレートセンサ(SE5)によって検出されるヨーレートセンサ値(Yr_R)を差し引いた偏差の絶対値(|ΔYr|)が開始判定値(DYr_TH)以上になったときに、同偏差(ΔYr)を「0(零)」に近づけるべく挙動制御を開始する車両の運動制御装置において、
    車両重量基準値(DYr_P)を、車両重量が大きいときには同車両重量が小さいときよりも大きい値に決定する基準値決定部(40、S12)と、
    不感帯の幅(DZ)を、車両重量が大きいときには同車両重量が小さいときよりも大きい値に決定する不感帯幅決定部(40、S13)と、
    決定された車両重量基準値(DYr_P)と不感帯の幅(DZ)との加算結果を前記開始判定値(DYr_TH)とする判定値決定部(40、S14)と、を備える
    ことを特徴とする車両の運動制御装置。
  2. 車両のスタビリティファクタ(SF)を車両重量に応じた値に決定するスタビリティ決定部(40、S11)をさらに備える
    請求項1に記載の車両の運動制御装置。
  3. 車両のスタビリティファクタ(SF)を用いて演算される規範ヨーレート(Yr_Trg)からヨーレートセンサ(SE5)によって検出されるヨーレートセンサ値(Yr_R)を差し引いた偏差の絶対値(|ΔYr|)が開始判定値(DYr_TH)以上になったときに、同偏差(ΔYr)を「0(零)」に近づける挙動制御を開始させる開始ステップ(S20)を有する車両の運動制御方法において、
    車両重量の推定値(Mest)を取得させる重量取得ステップ(S10)と、
    車両重量基準値(DYr_P)を、取得した車両重量の推定値(Mest)が大きいときには同車両重量の推定値(Mest)が小さいときよりも大きい値に決定させる基準値決定ステップ(S12)と、
    不感帯の幅(DZ)を、取得した車両重量の推定値(Mest)が大きいときには同車両重量の推定値(Mest)が小さいときよりも大きい値に決定させる不感帯幅決定ステップ(S13)と、
    前記開始判定値(DYr_TH)を、決定した車両重量基準値(DYr_P)と不感帯の幅(DZ)との加算結果に決定させる判定値決定ステップ(S14)と、をさらに有する
    ことを特徴とする車両の運動制御方法。
JP2012281023A 2012-12-25 2012-12-25 車両の運動制御装置、及び車両の運動制御方法 Active JP6048127B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012281023A JP6048127B2 (ja) 2012-12-25 2012-12-25 車両の運動制御装置、及び車両の運動制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012281023A JP6048127B2 (ja) 2012-12-25 2012-12-25 車両の運動制御装置、及び車両の運動制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014124983A true JP2014124983A (ja) 2014-07-07
JP6048127B2 JP6048127B2 (ja) 2016-12-21

Family

ID=51404859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012281023A Active JP6048127B2 (ja) 2012-12-25 2012-12-25 車両の運動制御装置、及び車両の運動制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6048127B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06321077A (ja) * 1993-05-13 1994-11-22 Toyota Motor Corp 駆動・制動力配分制御装置
JP2009051369A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Toyota Motor Corp 車両の挙動制御装置
JP2010253978A (ja) * 2009-04-21 2010-11-11 Toyota Motor Corp 車両制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06321077A (ja) * 1993-05-13 1994-11-22 Toyota Motor Corp 駆動・制動力配分制御装置
JP2009051369A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Toyota Motor Corp 車両の挙動制御装置
JP2010253978A (ja) * 2009-04-21 2010-11-11 Toyota Motor Corp 車両制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6048127B2 (ja) 2016-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101795908B (zh) 车辆行为控制设备
JP5177286B2 (ja) 車両の重量関連物理量推定装置及び制御装置
US20120049617A1 (en) Brake Control Apparatus
KR20060044651A (ko) 차량의 자동 감속 제어 장치
JP2008537707A (ja) 車両の姿勢安定制御方法及びその装置
WO2017183415A1 (ja) 車両用挙動制御装置
WO2017183416A1 (ja) 車両用挙動制御装置
WO2017183417A1 (ja) 車両用挙動制御装置
EP2818378B1 (en) Turning characteristic estimating device for vehicle
WO2010061432A1 (ja) 車両の走行制御装置
WO2017183418A1 (ja) 車両用挙動制御装置
US11161499B2 (en) Vehicle driving assistance device
JP2006168441A (ja) 車両用横転抑制制御装置
CN104837691A (zh) 用于调节行驶动态的方法
JP4626550B2 (ja) 車両の旋回挙動制御装置
JP2010188801A (ja) 車両の重心位置推定装置
US8818667B2 (en) Method for producing a differential torque acting on the vehicle wheels of a vehicle
JP2010228485A (ja) 車両挙動制御装置
US20070080583A1 (en) Vehicle and control method for changing control mode of driving and braking force based on change rate of wheel vertical load
JP6048127B2 (ja) 車両の運動制御装置、及び車両の運動制御方法
US10703161B2 (en) Suspension controlling apparatus for vehicle
KR101462425B1 (ko) 사륜 구동 차량 및 이의 휠 슬립 제어 방법
JP2018070059A (ja) 四輪駆動車の挙動制御装置
WO2017003906A1 (en) Method of traction control for a motor vehicle
JP5927933B2 (ja) 車両の運転支援装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6048127

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150