JP2014124563A - 多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜用製膜原液 - Google Patents

多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜用製膜原液 Download PDF

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Fumiko Kondo
芙美子 近藤
Toru Uda
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Abstract

【課題】燃料電池用加湿膜等として好適に用いられる多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜用製膜原液を提供する。
【解決手段】ポリエーテルスルホン10〜40重量%、親水性ポリビニルピロリドン1〜10重量%、塩化リチウム2〜10重量%および残余がポリエーテルスルホン可溶性の水溶性有機溶媒からなる乾湿式紡糸または湿式紡糸用製膜原液。かかる製膜原液中には、50重量%以下の割合で水溶性ポリアルキレングリコールをさらに添加して用いることもできる。
【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜用製膜原液に関する。さらに詳しくは、燃料電池用加湿膜などとして有効に用いられる多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜用製膜原液に関する。
固体高分子型燃料電池に使用される固体高分子電解質膜は、水分を含有しないとイオン伝導性を示さないため、電解質膜が乾燥すると、発電効率が急激に低下する。一方、水分が多すぎる場合にはガスが拡散しなくなるため、やはり発電効率が低下する。このため、安定して高い出力を得るには、電解質膜を適度に加湿する必要がある。
加湿方式としては、バブラー加湿方式、水蒸気添加方式、加湿用膜方式などが挙げられる。これらの中で、加湿用膜を用いた加湿方式は、メンテナンスフリーであるばかりではなく、従来のバブリングを用いた加湿方式にみられような駆動電源を必要としないなどの多くの利点がみられる。
この加湿方式に用いられる加湿膜の形状としては、膜モジュールとしたときの単位体積当りの透過面積が大きい中空糸膜形状が望ましい。また、燃料電池、特に移動体用燃料電池の電解質膜の加湿には、極めて高い加湿性能が求められるため、中空糸膜の形態としては、水蒸気の毛管凝縮により高い透過速度が得られること、この凝縮により他の気体をバリアできるという点で、多孔質膜であることが望ましい。
水蒸気を選択的に透過させる膜として、現在数種類のものが市販されている。除湿、加湿に用いられる膜としては、例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン系素材の高分子膜、フッ素系素材のイオン交換膜などが挙げられる。ポリイミド、ポリエーテルイミド素材の中空糸膜は、耐圧強度にはすぐれているものの、耐水蒸気性が十分ではないという問題があり、またフッ素系素材のイオン交換膜は、水蒸気透過係数は高いものの耐熱性に乏しく、膜自体が非常に高価であるという欠点がみられる。
また、膜材料として、ポリスルホン系素材が提案されている。ポリスルホン系中空糸膜は、耐水蒸気性、耐熱性、耐薬品性などにすぐれており、高い水蒸気透過性能を示している。就中、ポリフェニルスルホンまたはポリスルホンを素材とする多孔質中空糸膜は、親水性ポリマーであるポリビニルピロリドンを添加することによって、柔軟性、強度、気体バリア性などにすぐれた中空糸膜を得ることができる(特許文献1〜3参照)。
近年では、加湿器のさらなる小型化の要求により、低湿度領域から中湿度領域において高い水蒸気透過性能を有する膜が求められているが、ポリフェニルスルホン樹脂では、バリア性、親水性、柔軟性、強度を維持した上で、水蒸気透過性能の高い中空糸膜の作製は困難であった。また、ポリスルホン樹脂は、耐熱性、親水性に劣るため、さらなるバリア性、親水性、柔軟性、強度などを維持しながら水蒸気透過性能を向上させることは困難である。
特開2001−46847号公報 特開2004−290751号公報 特開2006−255502号公報
ポリエーテルスルホン樹脂は、製膜時にミクロポアを均一に形成させることが可能であるため、高いロ過性や分離性能を達成することが可能であるばかりではなく、ポリスルホン膜等と比較して耐熱性、耐水蒸気性、耐γ線性などを有しているため、中空糸膜等の分離膜形成材料として極めて有効である。本発明の目的は、かかる好ましい性質が十分に発揮され、燃料電池用加湿膜等として好適に用いられる多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜用製膜原液を提供することにある。
かかる本発明の目的は、ポリエーテルスルホン10〜40重量%、親水性ポリビニルピロリドン1〜10重量%、塩化リチウム2〜10重量%および残余がポリエーテルスルホン可溶性の水溶性有機溶媒からなる乾湿式紡糸または湿式紡糸用製膜原液によって達成される。かかる製膜原液中には、50重量%以下の割合で水溶性ポリアルキレングリコールをさらに添加して用いることもできる。
特許文献3には、多孔質ポリフェニルスルホン中空糸膜用製膜原液中に、2重量%のポリエチレングリコールまたは1重量%の塩化リチウムを添加した製膜原液が記載されているが、ポリエチレングリコール、塩化リチウムまたはこれら両者を例えば4重量%以上の割合で用いると製膜原液が白濁して、それを用いた紡糸ができなくなるのに対し(後記比較例6〜8参照)、ポリエーテルスルホンを用いた製膜原液にあっては、塩化リチウムを2重量%以上、例えば3〜4重量%用いても製膜原液にはそのような支障はみられず、ポリエーテルスルホンが本来有する耐熱性、耐水蒸気性、耐γ線性などを保持したまま、改善された水蒸気透過速度や空気透過速度を有する多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜を製膜することができる。
また、ポリエーテルスルホンは、ビスフェノールSに炭酸カリウムを反応させ、p-OK誘導体とした後、ビスフェノールSのp-Cl誘導体とポリ縮合反応させることにより製造され、ポリ縮合反応の際副生した塩化カリウム等が生成ポリマー中に残留するとポリマー性能を低下させるため、塩化カリウム等の除去工程を必要としているが、これとは対照的に、本発明の製膜原液成分として用いられる塩化リチウムは、水蒸気透過速度や空気透過速度を改善させる作用を有している。
ポリエーテルスルホンとしては、市販品、例えばソルベイアドバンストポリマー社製品レーデルシリーズ、BASF社製品ウルトラゾールシリーズ、住友化学工業製品スミカエクセルPESシリーズのもの等を用いることができる。
ポリエーテルスルホンは、製膜原液中約10〜40重量%、好ましくは約20〜30重量%を占めるような濃度で用いられる。これ以下の濃度のものとして用いると、得られた多孔質膜の孔径が大きくなりすぎ、空気等の水蒸気以外のものの透過量が加湿膜としての機能上無視できなくなる程大きくなり、また膜強度も小さくなる。逆に、これ以上の濃度のものとして用いると、多孔質膜の孔径や気孔率が低下し、水蒸気の透過速度の低下を招くようになる。
親水性ポリビニルピロリドンは、重量平均分子量Mwが約10000(K-15)〜1200000(K-90)のものが、製膜原液中約1〜10重量%、好ましくは約1〜8重量%の濃度で用いられる。これよりも少ない濃度で用いられると、後記比較例4の結果に示されるように、空気の透過速度、換言すれば空気の漏れ量が大きくなりすぎ、水蒸気の選択透過性に支障をきたすようになる。一方、これよりも高い濃度で用いられると、後記比較例1の結果に示されるように、水蒸気透過速度の低下が避けられない。
塩化リチウムは、製膜原液中約2〜10重量%、好ましくは約3〜5重量%を占めるような割合で用いられる。これ以下の濃度として用いると、加湿性能の低下やボイドの発生による強度の低下が起こり、一方これ以上の濃度で用いられると、無機塩が析出したり、有機溶媒中へのポリエーテルスルホンの溶解性が低下するようになる。
製膜原液中には、さらに約50重量%以下、好ましくは約15〜30重量%の濃度で、分子量が約150〜20000程度の水溶性ポリアルキレングリコール、好ましくはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を添加して用いることができる。水溶性ポリアルキレングリコールの添加は、さらに水蒸気透過速度を高めることができる。
以上の各成分の残余は、ポリエーテルスルホン可溶性の水溶性有機溶媒、具体的にはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒であり、製膜原液はこれらの水溶性有機溶媒溶液として調製される。
かかる製膜原液を用いての多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜の紡糸は、好ましくは芯液および凝固浴に水または水性有機溶媒を用い、通常の方法に従って、乾湿式紡糸または湿式紡糸することにより行われる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1〜2、比較例1〜8
ポリエーテルスルホン〔PES〕またはポリフェニルスルホン〔PPSU〕(いずれもソルベイアドバンストポリマーズ社製品)、種々のポリビニルピロリドン〔PVP〕(いずれもISP社製品)、ポリエチレングリコール(関東化学製品PEG#200)、塩化リチウムおよびジメチルホルムアミド(DMF)のそれぞれ所定量を用いて、均一な一相状態の製膜原液を調製した。
注) PES:製品名A-200A
PPSU:製品名RADEL
PVP(K-30):Mw40000
PVP(K-90):Mw630000
調製された製膜原液を90℃に加熱し、同様の温度に設定された二重環状ノズルを通して乾湿式紡糸し、40℃の水凝固浴中に押出して浴中を通過させた後、ロールに巻き取った。これを、60℃の温水で2時間洗浄した後、60℃のオーブンで乾燥し、多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜(外径1.20mm、内径0.90mm)を得た。
得られた多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜について、次の各項目の測定を行った。
水蒸気透過速度:中空糸膜両端部外表面側を、ガラス管内にエポキシ樹脂を用いて接着・固定して封入し、中空糸膜測定長さ15cmの測定用モジュールを作製した。中空糸膜の一方の開放端部(A)より、中空糸膜内側に線速度25m/秒で乾燥空気(80℃、2%RH)を他方の開放端部(B)に向けて供給すると同時に、ガラス管の前記B部手前近くに設けられた分岐管(C)から前記A部手前近くに設けられた分岐管(D)に向けて、湿潤空気(80℃、40%RH)を乾燥空気と中空糸膜を隔てて対流するような流れで供給し、中空糸膜外側から内側への水分透過量を測定し、水蒸気透過速度(単位:×10-2g/cm2/分/MPa、RH40%)を算出した。
空気透過速度:中空糸膜をU字形状とし、その両端部外表面側をエポキシ樹脂で接着・固定し、中空糸膜内側に0.05MPaに減圧された乾燥空気(80℃、2%RH)を供給し、流出した空気量を読み取って、空気透過速度(単位:モル/m2/秒/Pa)を算出した。
得られた測定結果は、製膜原液の組成(単位:重量%)と共に、次の表に示される。この結果から、次のようなことがいえる。
(1) 各実施例では、比較例1〜3および同5と比較して、RH40%において水蒸気透過性能の点ですぐれており、バリア性も維持している。
(2) 比較例4はバリア性が劣り、比較例6〜8では白濁化して、製膜原液が調製、紡糸および測定できなかった。

実施例 比較例

〔製膜原液組成〕
PES 20 21 20 20 20 21 − − − −
PPSU − − − − − − 20 20 20 20
PVP(K-30) 5 1 14 10 5 − 14 5 5 5
PVP(K-90) 2 − 1 1 2 − 1 2 2 2
PEG − 20 − − − 21 − 5 − 4
LiCl 4 3 − − − 3 − 4 4 −
DMF 69 55 65 69 73 55 65 64 69 69
〔測定結果〕
水蒸気透過速度 2 6 0.5 0.5 0.5 7 1 − − −
空気透過速度 2 5 3 2 1 5×105 2 − − −

Claims (5)

  1. ポリエーテルスルホン10〜40重量%、親水性ポリビニルピロリドン1〜10重量%、塩化リチウム2〜10重量%および残余がポリエーテルスルホン可溶性の水溶性有機溶媒からなる乾湿式紡糸または湿式紡糸用製膜原液。
  2. さらに水溶性ポリアルキレングリコール50重量%以下を添加した請求項1記載の製膜原液。
  3. 水溶性有機溶媒が非プロトン性極性溶媒である請求項1記載の製膜原液。
  4. 多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜の製膜に用いられる請求項1、2または3記載の製膜原液。
  5. 請求項4記載の製膜原液を乾湿式紡糸または湿式紡糸して得られた多孔質ポリエーテルスルホン中空糸膜。
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