JP2014124455A - 血液成分測定方法、血液成分測定装置及び医療機器 - Google Patents

血液成分測定方法、血液成分測定装置及び医療機器 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な測定光の光量を確保できる血液成分測定を実現する。
【解決手段】血液成分測定装置は、複数の発光素子と複数の受光素子がマトリクス状に配列されたセンサーモジュールを有する。そして、発光素子及び受光素子の中から、測定対象血管部位7bをより多くの測定光が透過する相対位置関係となる複数の測定用発光素子52sと複数の測定用受光素子54mとを選択する。測定に際しては、測定用発光素子54sを一斉発光させることで、発光素子1つ1つが小さかったり、1つ当たりの光量が小さいとしても、測定精度を適切に保つための光量を確保することができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、血管を透過した透過光に基づいて血液の成分を測定する血液成分測定方法等に関する。
撮像した生体画像中の血管画像を解析して、血液の成分を計測する非侵襲式の血液成分測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−44491号公報
血液成分の測定に使用する装置は、小型軽量であることが望まれる。しかし、小型軽量化を進めると測定光を発する発光素子の数や大きさが限られ、発光素子1つ当たりの光量が小さくなりがちである。例えば、近赤外線分光法では、血管以外の生体組織による吸光の影響を受けるため、測定光の光量が不足すると測定の精度を維持することが難しくなる。すなわち、装置の小型軽量化に伴う光量不足の懸念は、実質的に装置の小型軽量化を抑制する一要因となっていた。
本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、血液成分の測定において測定光の光量を確保する手法を提案することを目的とする。
以上の課題を解決するための第1の形態は、皮膚面から見た対象血管の血管位置情報に基づいて、当該対象血管を透過した光を前記皮膚面における所与の受光位置で受光した結果が所定条件を満たす前記皮膚面における照射位置を判定することと、前記照射位置に光を照射することと、前記受光位置での受光結果を用いて血液の成分を測定することと、を含む血液成分測定方法である。
また、別形態として、皮膚面から見た対象血管の血管位置情報に基づいて、当該対象血管を透過した光を前記皮膚面における所与の受光位置で受光した結果が所定条件を満たす前記皮膚面における照射位置を判定する判定部と、前記照射位置に光を照射する照射制御部と、前記受光位置での受光結果を用いて血液の成分を測定する測定部と、を備えた血液成分測定装置、並びに当該血液成分測定装置を具備する医療機器、を構成することができる。
第1の形態及びこの別形態によれば、異なる照射位置であっても、受光位置にて受光した結果が所定条件を満たすのであれば、それら異なる照射位置から一斉に測定光を照射するように制御することができる。よって、血液成分の測定において、測定光を発する素子1つ1つが小さかったり、素子1つ当たりの光量が小さい場合であっても、測定精度を適切に保つための光量を確保することが可能になる。
第2の形態は、前記受光位置が前記皮膚面上の前記対象血管から離れた位置に定められ、前記照射位置を判定することは、前記対象血管を挟んで前記受光位置と反対側に、前記対象血管に沿って複数の照射位置を判定することを含む、第1の形態の血液成分測定方法である。
例えば、測定光を近赤外線とした場合、照射位置から生体組織内を伝搬して受光位置へ至る伝搬経路は、皮膚面から深さ方向の断面で見ると略バナナ形状を成し、照射位置と受光位置のほぼ中間が最も幅広くなることが知られている。従って、第2の形態のように測定対象の血管の両側に設定された受光位置と複数の照射位置とで測定を行えば、測定光を測定対象血管に効果的に透過させることができ、測定精度の向上、或いは、測定感度の向上を図れる。
第3の形態は、前記受光位置を前記対象血管に沿って複数定めることを更に含み、前記照射位置を判定することは、前記受光位置それぞれについて照射位置を判定することを含む、第2の形態の血液成分測定方法である。
第3の形態によれば、受光位置それぞれについて照射位置を設定できるので、一度の測定でより多くの受光位置での測定結果が得られる。
第4の形態は、前記照射位置を挟んで前記受光位置と反対側のリファレンス用受光位置であり、且つ、前記皮膚面において前記照射位置と前記リファレンス用受光位置の間に前記対象血管が位置しないリファレンス用受光位置を判定することを更に含み、前記測定することは、前記リファレンス用受光位置での受光結果を参照して前記血液の成分を測定することを含む、第2又は第3の形態の血液成分測定方法である。
第4の形態によれば、測定光が血管を透過せずに皮膚面に到達する位置にリファレンス用受光位置を設定できる。そして、当該リファレンス用受光位置での受光結果を参照することで、受光位置で測定した結果から、血管を透過した影響を選択的に識別することが可能となる。これにより、測定精度を一層向上させることが可能となる。
第5の形態は、前記照射位置を判定することが、前記照射位置から光を照射した場合に、前記受光位置での受光光に前記対象血管以外の血管を透過した光の混合を避けるための混合回避位置条件を満たす前記照射位置を判定することを含む、第1〜第4の何れかの形態の血液成分測定方法である。
第5の形態によれば、対象血管以外の血管を透過した光が測定結果へ及ぼす影響を低減できる。
第6の形態は、前記受光位置が前記対象血管上に定められ、前記照射位置を判定することが、前記受光位置を挟むように複数の照射位置を前記対象血管上に判定することを含む、第1の形態の血液成分測定方法である。
第6の形態によれば、受光位置と複数の照射値とを測定対象の血管上に設定することができる。よって、複数の血管が近接している場所でも測定が可能となる。
第7の形態は、1以上の受光位置が近接する受光位置群を離散的に複数定めることと、前記照射位置を判定することは、隣接する前記受光位置群の間に1以上の照射位置でなる照射位置群を判定することを含む、第6の形態の血液成分測定方法である。
第7の形態によれば、測定対象の血管の複数箇所を測定対象の部位とすることができる。
第8の形態は、前記照射位置を判定することは、前記皮膚面に向けて配置されたデバイスであって、平面状に配列された複数の照射部を有する発光層と、平面状に配列された複数の受光素子を有する受光層とが積層もしくは並置されたデバイスの前記複数の照射部の中から、前記照射位置に対応する照射部を選択することを含み、前記照射することは、前記選択された照射部を発光させることを含み、前記測定することは、前記受光層での受光結果を用いて、前記血液の成分を測定することを含む、第1〜第7の何れかの形態の血液成分測定方法である。
第8の形態によれば、測定光の照射と受光とを一つの積層構造デバイスで実現できるので装置の小型軽量化を実現することが可能となる。
第1実施形態における血液成分測定装置の構成例を示す外観図。 第1実施形態におけるセンサーモジュールの構成例を示す図。 第1実施形態における血管位置情報の取得方法を示す概念図。 生体画像の例を示す図。 図4の生体画像の例に基づいて得られる血管位置情報の例を示す図。 図5の血管位置情報の例から精度低下要因部位を測定対象から除外して得られた「測定対象の候補となる血管部位」の例を示す図。 図6の血管位置情報の例で示されている測定対象の候補とされる血管部位を「最低部位長」に基づいて更に選抜した例を示す図。 照射位置・受光位置・測定対象血管部位の三者の相対位置関係について説明するための図。 第1実施形態における測定用発光素子と、測定用受光素子と、リファレンス用受光素子と、測定対象血管部位との適当な相対位置関係を示す図。 第1実施形態における最適距離の算出方法について説明するための図。 第1実施形態における照射位置、測定用受光位置、リファレンス用受光位置の判定例を示す図。 第1実施形態の血液成分測定装置の機能構成例を示す機能ブロック図。 血管部位データのデータ構成の一例を示す図。 第1実施形態の血液成分測定装置による血液成分の測定に係る処理の流れについて説明するためのフローチャート。 第1実施形態における測定対象血管部位選択処理の流れを説明するためのフローチャート。 図15より続くフローチャート。 第2実施形態における照射位置となる測定用発光素子と、受光位置となる測定用受光素子の設定例を示す図。 第2実施形態における測定対象血管部位選択処理の流れを説明するためのフローチャート。 図18より続くフローチャート。 図19より続くフローチャート。 血液成分測定装置の変形例の構成を示す図。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態における非侵襲式の血液成分測定装置の構成例を示す外観図である。
本実施形態の血液成分測定装置10は、被検者2の血液成分を測定する測定器として機能し、且つ、測定データを記憶するデータロガーとしても機能する医療用機器であり、一種のコンピューターとも言える。血液成分測定装置10は、外観は腕時計型を成しており、本体ケース12に設けられたバンド14で被検者2の腕・足・頸などの身体部位へ装着・固定して使用される。
血液成分測定装置10は、本体ケース12の表面(被検者2に装着した時に外向きになる面)に、操作入力手段として、操作スイッチ16と、画像表示手段を兼ねるタッチパネル18とを備える。ユーザーは、これらを用いて測定開始操作などの各種操作入力をすることができる。
また、本体ケース12の側面には、外部装置と通信するための有線ケーブルを着脱できる通信装置20と、メモリーカード22のデータ読み書きを実現するリーダーライター24とを備える。また、本体ケース12の背面(被検者2に装着した時に被検者2の皮膚に接触する面)側には、血液成分を測定するための主たるセンサーとなるセンサーモジュール50を備える。そして、本体ケース12の内部には充電式の内臓バッテリー26と制御基板30とが内蔵されている。
通信装置20は、外部装置との通信を無線で行う構成ならば、無線通信モジュール及びアンテナにより実現される。
メモリーカード22は、データ書き換えが可能な着脱式の不揮発性メモリーである。本実施形態ではフラッシュメモリーを用いるが、強誘導体メモリー(FeRAM)や、磁気抵抗メモリー(MRAM)などその他の書き換え可能な不揮発性メモリーを用いるとしても良い。
内臓バッテリー26への充電方式は適宜設定できる。例えば、本体ケース12の背面側に電気接点を別途設け、家庭用電源に接続されたクレードルにセットし、電気接点を介してクレードル経由で通電・充電される構成でも良いし、無線式充電でも良い。
制御基板30は、血液成分測定装置10を統合的に制御する。具体的には、CPU(Central Processing Unit)32と、メインメモリー34と、測定データ用メモリー36と、タッチパネルコントローラーIC38と、センサーモジュールコントローラー40とを搭載する。また、その他には電源管理ICや、画像処理用ICなどの電子部品を適宜搭載することができる。
メインメモリー34は、プログラムや初期設定データを格納したり、CPU32の演算値を格納することのできる記憶媒体である。RAMやROM、フラッシュメモリーなどを適宜用いて実現される。尚、プログラムや初期設定データは、メモリーカード22に記憶されている構成でも良い。
測定データ用メモリー36は、データ書き換えが可能な不揮発性メモリーであって、血液成分の測定データを記憶するための記憶媒体である。本実施形態ではフラッシュメモリーを用いるが、強誘導体メモリー(FeRAM)や、磁気抵抗メモリー(MRAM)などその他の書き換え可能な不揮発性メモリーを用いるとしても良い。尚、測定データをメモリーカード22に記憶する構成でも良い。
タッチパネルコントローラー38は、タッチパネル18に画像を表示させるためのドライバー機能を実現し、またタッチ入力を実現するための機能を実現するICである。タッチパネル18ともども公知技術を適宜利用することで実現可能である。
センサーモジュールコントローラー40は、センサーモジュール50による測定光の照射機能、および当該測定光が被検者2の皮下組織を透過した光や反射した光の受光(測光)を制御する機能を担うICや回路を有する。
より具体的には、1)センサーモジュール50が備える複数の発光素子(通電により測定光を発する素子)を個別に発光制御するICや回路からなる発光コントローラー部42と、2)センサーモジュール50が備える複数の受光素子(受光した光量に応じた電気信号を発する素子)による受光を制御するICや回路からなる測光コントローラー部44とを含む。
尚、センサーモジュールコントローラー40は、複数のICにより構成されるとしても良い。例えば、発光コントローラー部42に相当するICや回路と、測光コントローラー部44に相当するICや回路とをそれぞれ別のICとする構成も可能である。或いは、これらの機能の一部をCPU32により実現する構成も可能である。
図2は、本実施形態におけるセンサーモジュール50の構成例を示す図であって、(1)正面図、(2)断面図に相当する。尚、理解を容易にするために発光素子52や受光素子54を意図的に大きく記している。また、サイズ、縦横比などもこれに限られるものではなく、適宜設定可能である。
本実施形態のセンサーモジュール50は、複数の発光素子52を平面状に配列した層と複数の受光素子54を平面状に配列した層とを積層して構成されるデバイスである。換言すれば、光源内蔵型のイメージセンサーであり、測定光の照射と測光の両方の機能を実現するセンサーアレイである。センサーモジュール50は、センサーモジュールコントローラー40と一体であっても良い。
発光素子52は、測定光を照射する照射部であり、例えばLED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic light-emitting diode)などにより実現できる。血液成分として血中グルコース濃度(いわゆる「血糖値」)を測定する場合には、皮下透過性を有する可視領域に近い近赤外線を含む光を発光可能な素子とする。以降、本実施形態の発光素子52は近赤外線を発することとし、血液成分として血糖値を測定するものとして説明する。
受光素子54は、測定光の透過光や反射光を受光し、受光量に応じた電気信号を出力する撮像素子である。例えば、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)などの半導体素子で実現できる。一つの受光素子54は、RGB各波長成分を測光する複数の素子を含むものとする。
そして、本実施形態のセンサーモジュール50は、基底側(本体ケース12の表側)から順に、
1)複数の受光素子54を平面状且つ格子状に配列した受光層51、
2)各受光素子54へ向かう光以外を選択的に遮蔽する遮光層53、
3)近赤外線を選択的に透過する分光層55、
3)隣接する受光素子54の間であって、皮下組織を透過・反射した光が受光素子54へ到達する際の光路を阻害しない位置に、複数の発光素子52を平面状且つ格子状に配列した発光層57、
とを積層にして備える。
受光層51の受光素子54は、公知のCCDイメージセンサーなどのように、ピクセルが直交Xs−Ys座標系で識別できるマトリクス状に配置されている。つまり、センサーモジュール50は公知のイメージセンサーと同様に機能する。尚、受光素子54の形状や大きさ、配置パターンは適宜設定可能である。
発光層57の発光素子52は、本実施形態ではセンサーモジュール50を正面(本体ケース12の裏側)から見ると、近隣の受光素子54の隅の突き合わせ部に1つずつ配置される。より具体的には、4つの受光素子54の角の突き合わせ部に1つの発光素子52が配置されており、発光素子52全体としては受光素子54と同じ直交Xs−Ys座標系で識別できるマトリクス状に配置されている。本実施形態では、発光素子52を選択的に発光させる駆動機構を有しており、例えば、液晶パネルディスプレイのアクティブマトリクス方式と同様に駆動制御できるようになっている。
こうした積層構造を有した本実施形態のセンサーモジュール50の作成には、公知のCCDイメージセンサーやOLEDディスプレイの製造に用いられる半導体微細加工技術を適宜応用することができる。
尚、発光素子52の大きさや配置間隔、受光素子54の大きさや配置間隔等は、適宜設定可能である。例えば、配置間隔は、1〜500[μm]とすると好適であり、製造コストと測定精度との兼ね合いから、例えば50〜200[μm]程度とすることもできる。また、センサーモジュール50には、発光素子52から発せられる測定光の照射範囲を絞ったり、偏光する目的、或いは皮下を透過・反射した光を受光素子54に的確に集める目的で、更なる光学素子を有する集光層を設けることもできる。また、表面の損傷を防止する保護層などを適宜設けてもよい。また、発光素子52と受光素子54とが積層された構成に限らず、発光素子52と受光素子54とが並置されていてもよい。
〔測定原理の説明〕
次に、本実施形態における測定原理について説明する。
血液成分測定装置10は、センサーモジュール50が露出している裏面を被検者2の皮膚に密着させるようにしてバンド14で固定される。センサーモジュール50を皮膚に密着させることで、測定光の皮膚表面での反射や皮膚表面付近の組織での散乱といった測定精度を下げる要因を抑制することができる。
本実施形態では、センサーモジュール50を被せた身体の皮下にある血管の一部を測定対象の血管として設定し、当該血管をターゲットとして測定光の照射並びに受光測定を行う。そして、測定光が測定対象の血管を透過した透過光等を含む吸光スペクトルを求め、血液に含有される血糖値を算出(推定)する。
測定対象の血管を選択するためには、先ずセンサーモジュール50を被せた皮下のどこに血管が存在するかを把握する必要がある。皮膚面から見た血管の流路情報、いわゆる「静脈パターン」や「血管位置情報」の取得が必要である。以降は「血管位置情報」と呼ぶこととする。
図3は、本実施形態における血管位置情報の取得方法を示す概念図であって、被検者2にセンサーモジュール50を被せた部分の断面図に相当する。尚、センサーモジュール50は簡略表記している。
「血管位置情報」を得るには、公知の静脈認証技術における静脈パターン検出と同様にして、センサーモジュール50が備える複数の発光素子52を一斉発光させて被検者2の測定部位全域へ測定光を照射する。そして、全ての受光素子54を用いて、測定光が生体組織を透過した光(透過光)や生体組織で反射した光(反射光)を測光すなわち撮影して生体画像を取得する。
図4は、生体画像の例を示す図である。
センサーモジュール50により撮像される生体画像P2は、センサーモジュール50の受光素子54それぞれに対応するピクセルの輝度データの集合となり、センサーモジュール50のピクセル座標と同じXs−Ys直交座標系の2次元画像として得られる。血管は非血管部よりも近赤外線を吸収し易いため、血管部分は非血管部分よりも輝度が低く暗くなる。従って、生体画像P2において輝度が低くなっている部分を抽出することで、ピクセル毎に血管が写っているのか血管以外の生体組織が写っているか、換言すれば、各受光素子54の下に血管があるか否かを識別できる。つまり「血管位置情報」を得ることができる。
図5は、図4の生体画像P2に基づいて得られる血管位置情報P4の例を示す図である。図5の例で示す血管位置情報P4では、網掛けした帯状の部分が血管7を示し、白抜きされた部分が非血管領域8である。
血管7の位置が把握できたならば、次に、血管7から測定対象となる血管部位を選択する。
近赤外線を皮膚表面に向けて照射して、皮下組織の透過光や反射光を受光測定する場合、図5にて破線で囲まれた血管の分岐点や合流点などに測定光が及ぶと、受光位置での受光光にそれら測定対象血管以外の血管を透過した光が混合するおそれがある。その場合、混合した光が本来得たい測定対象血管部位の吸光スペクトルに影響を及ぼし、測定精度を低下させることが懸念される。よって、本実施形態ではこれらの部分を測定対象から除外する。また、図中一点鎖線で囲まれた血管位置情報P4の縁部には、撮影範囲の外側近傍に血管の分岐点や合流点が存在する可能性がある。そのため、この一点鎖線の縁部も、正確を期するために本実施形態では測定対象から除外する。
この結果、測定対象となる血管部位の選択は、受光位置での受光光に測定対象血管以外の血管を透過した光の混合を避けるための混合回避位置条件を満たした血管部位の選抜、ということができる。
図6は、図5の血管位置情報P4のうち、精度低下要因部位を除外した「測定対象の候補となる血管部位」の例を示す図である。図6の血管位置情報P6の薄い網掛け部分は、血管7であるが精度低下要因部位として除外された部分を示している。斜線のハッチング部分が、除外されずに残った部位であり、測定対象の候補となる血管部位7aを示している。
本実施形態では、この測定対象の候補とされる血管部位7aの中から、最終的に測定対象とする血管部位(測定対象血管部位)を選択する。
選択に当たって考慮すべきは、精度の良い測定に必要な測定光の総光量をどう確保するかである。血液成分測定装置10の小型軽量化と高精度な測定とを両立するには、センサーモジュール50を小型軽量化しつつも生体画像W4の分解能を高める必要がある。その結果、必然的にセンサーモジュール50の発光素子52及び受光素子54のサイズや配置間隔は小さくなる。しかし、単位面積当たりの発光素子52及び受光素子54の数を増加させて解像度を高めると、発光素子52のサイズが小さくなり、単独の発光素子52では高精度な測定に必要な光量が不足する場合がある。解決策としては、測定に際して多数の発光素子52を一斉発光させる方法が考えらる。しかし、人体には血管の他に組織細胞・組織液・毛細血管などが混在している。それらの生体組織に測定光が当たれば少なからず反射光が生じ、本来測定したい血管部位の吸光スペクトルに影響が及び、測定精度が却って低くなる恐れがある。よって、測定時に発光する発光素子52の数を単純に増やすだけでは本末転倒となる。
そこで本実施形態では、測定対象の血管部位に沿って複数の発光素子52を選択的に発光させて、測定光の総光量を確保しつつ、無用な透過光や反射光の影響を抑制することとする。その為に、測定対象とされる血管部位は、最低限必要とする長さ「部位最低長」が要求される。あまりに測定対象とする血管部位を短く定めると、これに沿って複数の発光素子52を選択したとしても総光量を確保できなくなる可能性が高くなる。「部位最低長」は、そうした事態を回避するための基準であり、発光素子52のサイズ・配置間隔・一個当たりの光量、想定される血管径などを考慮の上、事前のテスト結果から適切な値が設定されるものとする。
測定対象の候補とされる血管部位7aの「部位長さ」としては、当該血管部位となる領域の中心線L上のピクセル数を用いるとしても良い。或いは、中心線Lの曲線の長さを算出するとしても良い。或いは当該部位のXs軸方向の幅、Ys軸方向の幅の長い方を用いるとしても良い。
図6の血管位置情報P6に示されている測定対象の候補とされる血管部位7aを「最低部位長」に基づいて更に選抜すると、例えば図7に示す血管位置情報P8において斜線のハッチングが施された血管部位7bが選ばれる。そして、「最低部位長」に基づいて2次選抜された血管部位7bそれぞれを、最終的に測定対象とするか否かの判定を行う。
測定対象の候補として2次選抜された血管部位7bを、測定対象として確定するためには、本実施形態では次の条件を満たすこととする。
第1の条件は、『2次選抜された血管部位7bに隣接する非血管領域8の上に位置する発光素子52及び受光素子54の中から、測定対象とする血管部位を透過した光を多く含むようになる「照射位置・受光位置・測定対象血管部位の三者の相対位置関係」を満たす「測定用発光素子」と「測定用受光素子」とが選択できること』である。尚、後述するように、本実施形態では、ここで言う「相対位置関係」を定義するパラメーターの取得を、最終的に測定対象とするかの判定に先んじて行う。
第2の条件は、『2次選抜された血管部位7bに隣接する非血管領域8の上に位置する受光素子54の中から、リファレンス用吸光スペクトルを得るのに適当な「リファレンス用受光素子」を選択できること』である。
リファレンス用吸光スペクトルとは、測定対象血管部位を透過せず、理想的には当該血管部位近傍の非血管領域8のみを透過した光を受光して得られる吸光スペクトルである。本実施形態では、「測定用受光素子」で測光して得られる基礎吸光スペクトルから、リファレンス用吸光スペクトルをバックグラウンドノイズと見なして差分をとることで、測定対象血管部位のみの吸光スペクトルを分離する。つまり、リファレンス用吸光スペクトルとの比較をキャリブレーションの代わりとする。
では先ず、第1の条件と、当該条件の「相対位置関係」を定義するパラメーターの取得について説明する。
図8は、照射位置・受光位置・測定対象血管部位の三者の相対位置関係について説明するための図であって、被検者2の皮膚部断面図に相当する。
近赤外線を測定光とする場合、被検者2の生体内における測定光の伝搬経路は断面方向から見ると略バナナ形状(図中の一点破線で描かれた二つの弧で挟まれる領域)となる。そして、この伝搬経路の深さは、照射位置3と受光位置4の間隔が小さいほど浅くなり、大きいほど深くなる。
図8(1)に示すように、測定対象血管部位7mの血管深さD(皮膚表面から血管中心までの距離)に対して、照射位置3と受光位置4とが不適当に近接していると、測定光の伝搬範囲が測定対象血管部位7mまで到達せず、受光位置4で当該血管部位を透過した光を受光できない。
しかし、図8(2)に示すように、照射位置3と受光位置4と測定対象血管部位7mとが適切な相対位置関係を満たしていれば、測定光が測定対象血管部位7mをより多く透過した光を受光位置4で受光できる。この状態において「皮膚面における照射位置3と測定対象血管部位7mまでの距離W1」と「皮膚面における測定対象血管部位7mから受光位置4までの距離W2」とは同じ又は略同じであることが望ましい。そして、距離W1と距離W2の最適距離は測定対象血管部位7mの血管深さDに応じて決まる。例えば、血管深さDを2〜3ミリメートルとすれば、距離W1及び距離W2はそれぞれ2〜3ミリメートルとなる。
よって、第1の条件は『測定対象血管部位7mを挟む非血管領域8の上の発光素子52及び受光素子54の中から、当該血管部位の血管深さDに応じた最適距離又は略最適距離の位置にある「測定用発光素子」と「測定用受光素子」とを選択できる』と言換えることができる。
次に、2次選抜された血管部位7bを最終的に測定対象とするための第2の条件について述べる。
本実施形態では、近赤外線分光法を用いて吸光スペクトルから血液成分(例えば、血糖値)を測定する。すなわち、測定対象血管部位を透過した光の分光結果すなわち「血管部位吸光スペクトル」を得て、当該血管部位を透過する際に吸収された光の波長毎の度合(吸光度)から血液成分濃度を推定する。推定の為には、目的とする血液成分濃度と吸光度との関係を求める必要がある。この関係を「検量線」と言う。従来は、検量線を決めるいわゆる「キャリブレーション」のために、被検者の血液を採血する侵襲的行為が必要な場合があった。
これに対して、本実施形態では、侵襲的な行為は必要ではない。すなわち、測定光が血管を透過しないリファレンス用吸光スペクトルを取得し、これを受光位置4の受光結果に基づく基礎吸光スペクトルのバックグラウンドノイズ(背景雑音)と見なして、血管部位吸光スペクトルを得る。よって、第2の条件を『リファレンス用の受光素子(リファレンス用受光素子)を選択できること』としている。
図9は、測定用発光素子と、測定用受光素子と、リファレンス用受光素子と、測定対象血管部位との適当な相対位置関係を示す図であって、被検者2の皮膚部断面図に相当する。尚、センサーモジュール50は簡略表記している。図示の如く、リファレンス用受光位置となるリファレンス用受光素子54rは、1)第1の条件を満たす照射位置3に相当する測定用発光素子52sを基準として、皮膚面から見て測定対象血管部位7mを跨がない非血管領域8の上にあって、且つ、2)照射位置3に相当する測定用発光素子52sまでの距離W3が、照射位置3から受光位置4に相当する測定用受光素子54mまでの距離(W1+W2)と同じ又は略同じ、である。
また、第2の条件に関連して、本実施形態ではリファレンス用受光素子54rの選択過程を利用して、第1の条件における「皮膚面における照射位置3から測定対象血管部位7mまでの距離W1」と、「皮膚面における測定対象血管部位7mから受光位置4までの距離W2」の最適距離を求める。
図10は、本実施形態における最適距離の算出方法について説明するための図である。最適距離を求めるには、図10(1)の血管位置情報P10で示すように、先ず、測定対象の候補として2次選抜された血管部位7bの中心線L上に標本点(例えばピクセルとしてもよい)を幾つか選択し、当該標本点の位置において中心線Lに対して交差方向(より望ましくは直交方向)の一方側の非血管領域8内に、当該血管部位7bから距離Wの位置に仮測定用発光素子52s’を設定する。
次いで、当該血管部位7bを跨いだ反対側の非血管領域8の受光素子の中から、測定対象血管部位7mの中心線Lに対して同交差方向で、且つ、距離Wと同じ又は略同じ距離(すなわちW’±α;例えばα=受光素子の2〜3ピッチ)の位置に、仮測定用受光素子54m’を設定する。αは、仮測定用発光素子52s’を発光させた場合に、同等の受光強度の受光ができる受光素子の範囲を示す。
なお、仮測定用発光素子52s’と仮測定用受光素子54m’との設定の順序を逆にして、仮測定用受光素子54m’を先に設定し、当該血管部位7bを跨いだ反対側の非血管領域8の発光素子の中から、測定対象血管部位7mの中心線Lに対して同交差方向で、且つ、距離Wと同じ又は略同じ距離の位置に、仮測定用発光素子52s’を設定することとしてもよい。
そして更に、仮測定用発光素子52s’を含む非血管領域8上から、仮測定用発光素子52s’を基準として仮測定用受光素子54m’と点対称位置または略点対称位置(すなわち仮測定用発光素子52s’から距離Wの2倍位置又は略2倍位置、中心線Lを基準とすれば距離Wの3倍位置又は略3倍位置)に、仮リファレンス用受光素子54r’を設定する。
次いで、仮測定用発光素子52s’から測定光を照射して、仮測定用受光素子54m’と仮リファレンス用受光素子54r’それぞれで測定を行い受光光の光強度を得る。そして、前者で測定された光強度を後者で受光した光強度で除算した値を「透過率」として算出し、距離Wと対応づけて記憶する。
透過率を求めたならば、距離Wに所定値(例えば、発光素子52や受光素子54の配置ピッチ程度の値)を加算して距離Wを更新し、更新後の距離Wに基づいて改めて仮測定用発光素子52s’と、仮測定用受光素子54m’と、仮リファレンス用受光素子54r’とを設定する。そして、改めてそれらを用いて透過率を求め、更新後の距離Wと対応付けて記憶する。以降は、距離Wが所定上限値に達するまで徐々に広げつつその都度、仮測定用発光素子52s’、仮測定用受光素子54m’、仮リファレンス用受光素子54r’を検索し、透過率を求める。なお、この繰り返し処理を行う際の距離Wの初期値は、所定の下限値としておく。
距離Wと透過率の関係を見ると、図10(2)のグラフのように、透過率が、あるところで最小値を示す。この最小の透過率が、丁度、測定光が測定対象血管部位7mを最大に透過している状態に該当する。図8(2)の状態に相当する。よって、距離Wを徐々に広げつつその都度算出した透過率の内、最小の透過率が、選択された中心線L上の標本点(例えばピクセル位置)に対応する「最適距離W’」と見なすことができる。
よって、最小の透過率が得られた距離Wに対応して設定された仮測定用発光素子52s’と、仮測定用受光素子54m’と、仮リファレンス用受光素子54r’とを、測定対象の候補として2次選抜された血管部位7bを測定対象として確定するための第1及び第2の条件を満たす、照射位置、測定用受光位置、リファレンス用受光位置、としてそれぞれ確定することができる。すなわち、上述の繰り返し処理は、照射位置、測定用受光位置、及びリファレンス用受光位置のサーチを行う処理と言える。
図11は、照射位置、測定用受光位置、リファレンス用受光位置の判定例を示す図、すなわち確定された測定用発光素子52sと、測定用受光素子54mと、リファレンス用受光素子54rの設定例を示す図である。図11(1)は血管位置情報P12の全体における例を示し、図11(2)はその拡大図に相当する。尚、理解を容易にするために各素子は意図的に大きく図示している。また、測定対象の候補として2次選抜された血管部位7bの中心線Lを破線で示している。また、図11(2)では、中心線L上の標本点の幾つかを黒丸表示し、矢視線の1つの長さが「最適距離W’」を表している。
血管位置情報P12の下部中央にある2次選抜された血管部位7bについて、中心線L上の標本点について、図10で示したような手順で第1の条件及び第2の条件を満たす複数の測定用発光素子52sと、複数の測定用受光素子54mと、複数のリファレンス用受光素子54rを選択する。すると、図11に示すような当該血管部位に沿ってそれぞれが帯状の群れを形成することとなる。そして、このように第1の条件及び第2の条件を満たす複数の測定用発光素子52sと、複数の測定用受光素子54mと、複数のリファレンス用受光素子54rを選択できたならば、当該血管部位は測定対象血管部位7mとして確定される。
なお、図10を参照して説明した方法は、照射位置と測定用受光位置とを1点づつ確定していく方法であるが、次のようは方法としてもよい。すなわち、2次選抜された血管部位7bについて、中心線Lからの距離Wに基づいて、中心線Lと並行な照射位置のライン、受光位置のライン、リファレンス用受光位置のラインを定め、当該照射位置に対応する仮測定用発光素子52s’、当該受光位置に対応する仮測定用受光素子54m’、当該リファレンス用受光位置に対応する仮リファレンス用受光素子54r’を選択する。そして選択した全ての仮測定用発光素子52s’を発光させ、仮測定用受光素子54m’及び仮リファレンス用受光素子54r’での受光結果に基づいて透過率を求める。これを距離Wを変化させて繰り返し行う。この結果、最適距離W’となったときの、仮測定用発光素子52s’、仮測定用受光素子54m’及び仮リファレンス用受光素子54r’を、最終的な測定用発光素子52s、測定用受光素子54m、リファレンス用受光素子54rとして確定する。こうすることで、光量を稼ぎながら最適距離W’の判定を行うこともできる。
このように、本実施形態によれば、1つの測定対象血管部位7mについて、受光位置で略同等の受光測定結果が得られると見なされる複数の受光位置に測定用受光素子54mを設定できる。1つの受光位置に着目して言えば、皮膚面における当該一の受光位置で受光した結果が所定の同等条件を満たす皮膚面における複数の照射位置を判定・設定できると言える。よって、血液成分測定装置10を小型軽量化した結果、発光素子52の1つ1つが発する光量が小さくなるとしても、血管部位の吸光スペクトルを得るのに十分な光量を確保することが可能となる。
尚、測定対象血管部位7mとして確定する際、2次選抜された血管部位7bの中心線L上の各標本点が、第1及び第2の条件を満たすことが最も望ましいが、血管部位の吸光スペクトルを得るのに十分な光量が確保されれば良いので、一つの2次選抜された血管部位7bについて、基準数以上の照射位置(すなわち測定用発光素子52s)が選択できたならば測定対象血管部位7mとして確定する構成としてもよい。
測定対象血管部位7mが確定されたならば、いよいよ血液成分の測定にかかる。測定対象血管部位7mとともに確定された複数の測定用発光素子52sを一斉発光させ、測定用受光素子54m及びリファレンス用受光素子54rのそれぞれで受光する。そして、測定用受光素子54mの測定結果に基づいて基礎吸光スペクトルを生成する。また、リファレンス用受光素子54rの測定結果に基づいてリファレンス用吸光スペクトルを生成する。次いで、リファレンス用吸光スペクトルをバックグランドノイズと見なして、基礎吸光スペクトルから血管部位吸光スペクトルを分離抽出する。そして更に、測定用受光素子54mそれぞれに対応する血管部位吸光スペクトルを平均した平均吸光スペクトルを生成し、これを元に血糖値を推定する。尚、平均吸光スペクトルから血糖値を推定する方法は、公知の近赤外線分光法と同様に実現できる。
〔機能構成の説明〕
図12は、本実施形態の血液成分測定装置10の機能構成例を示す機能ブロック図である。血液成分測定装置10は、操作入力部100と、処理部200と、複数の発光素子52を有する発光部330と、複数の受光素子54を有する受光部332と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
操作入力部100は、ユーザーによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、スイッチや、ダイヤル、タッチパネルなどによって実現できる。図1の操作スイッチ16、タッチパネル18がこれに該当する。
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサーや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリーなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、血液成分測定装置10の動作を制御する。図1の制御基板30がこれに該当する。
そして、本実施形態の処理部200は、生体画像取得制御部202と、血管位置取得制御部204と、血管部位選択部210と、照射制御部230と、測光制御部232と、吸光スペクトル生成部240と、成分値算出部242と、画像生成部260と、通信制御部270と、を備える。
生体画像取得制御部202は、センサーモジュール50を被せた身体部位の皮下の生体画像(図4参照)の取得に係る制御をする。本実施形態では、公知の静脈認証技術等における生体画像の撮影技術を適宜利用することで実現する。例えば、センサーモジュール50の発光素子52を一斉発光させ、全ての受光素子54による測光(撮影)を行う。そして、測光結果による輝度画像すなわち生体画像を生成する。勿論、別途撮影され用意されている生体画像を記憶部500や、外部装置から読み出す構成も可能である。
血管位置取得制御部204は、生体画像から血管の配置パターン情報、血管位置情報(図5参照)の取得に係る制御をする。本実施形態では、公知の静脈認証技術等における生体画像から静脈パターンを識別する技術を適宜利用することで実現する。例えば、生体画像のピクセル毎に、基準輝度と比較し2値化やフィルター処理をする。基準輝度未満のピクセルが血管、基準輝度以上のピクセルが非血管領域を示すことになる。
血管部位選択部210は、血管位置情報に基づいて血管7のうち、測定対象とする血管部位7mを選択する(図6〜図7参照)。
例えば、1)精度低下要因部位(血管の合流部、分岐部、血管位置座標の辺縁部など)を測定対象から除外して、受光位置での受光光に測定対象血管以外の血管を透過した光の混合を避けるための混合回避位置条件を満たした血管部位を1次選抜する制御、2)1次選抜された血管部位7a(図6参照)を対象にして、所定の最低部位長と比較して測定に適した長さの血管部位を2次選抜する制御、を行う。
尚、後者の制御では、1次選抜された血管部位7a毎に、当該血管部位の中心線Lの抽出処理を行う。そして、2次選抜された血管部位7b(図7参照)毎に、血管部位IDを付与して血管部位データ520を記憶部500に記憶させる。血管部位データ520には、選抜に際して算出された部位長や中心線Lのデータなど、当該血管部位に係るデータが格納される。
また、血管部位選択部210は、2次選抜された血管部位7bを、測定対象血管部位7m(図8,図9,図11参照)として確定する制御を行う。そして、本実施形態の血管部位選択部210は、この確定する制御に関連して、最適距離取得部212と、照射位置判定部214と、リファレンス位置判定部216とを含む。
最適距離取得部212は、照射位置3から皮下へ入射された測定光が、当該血管部位をより多く透過するのに適した最適距離W’を取得するための制御をする。本実施形態では、距離Wを徐々に変化させながら仮測定用発光素子52s’と仮測定用受光素子54m’を設定して透過率を算出する制御を繰り返し、最小の透過率が得られた距離Wを「最適距離W’」とする(図10参照)。尚、最適距離W’を自装置で求めるのではなく、例えば、通信接続された外部装置やメモリーカード22に、予め年齢や性別に応じて用意された複数の最適距離の中から被検者2の年齢や性別に応じた最適距離を選択し読み出して取得する構成としてもよい。
照射位置判定部214は、皮膚面から見た測定対象の候補として2次選択された血管部位7bの血管位置情報(流路情報)に基づいて、当該血管部位を透過した光を皮膚面における所与の受光位置(測定用受光素子54m)で受光した結果が所定の同等条件を満たす皮膚面における照射位置(測定用発光素子52s)を判定する(図9参照)。
本実施形態では、距離Wを徐々に広げながら仮測定用発光素子52s’と仮測定用受光素子54m’を設定して透過率を算出する制御を繰り返し、最小の透過率が得られた距離Wに対応して設定された仮測定用発光素子52s’及び仮測定用受光素子54m’を、測定用発光素子52s及び測定用受光素子54mとする。
もし、所定の最適距離W’を読み出して利用する場合には、2次選択された血管部位7bの中心線L上の標本点毎に、当該標本点にて中心線Lと直交する方向へ最適距離W’と等距離又は略等距離(W’±α)の位置に、当該血管部位7bを挟むように受光位置と照射位置を決定する構成とすれば良い。
リファレンス位置判定部216は、皮膚面から見た測定対象の候補として2次選択された血管部位7bの血管位置情報(流路情報)に基づいて、照射位置(測定用発光素子52s)から当該血管部位を透過しない光を受光できるリファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子54r)を判定する(図9参照)。
本実施形態では、距離Wを徐々に広げながら仮測定用発光素子52s’と仮測定用受光素子54m’を設定する際に、仮測定用発光素子52s’を基準として、仮測定用受光素子54m’と点対称位置に仮リファレンス用受光素子54r’を設定する。そして、最小透過率が得られた時の距離Wに対応する仮リファレンス用受光素子54r’をリファレンス用受光素子54rとして確定する。
もし、所定の最適距離W’を読み出して利用する場合には、2次選択された血管部位7bの中心線L上の標本点毎に、当該標本点にて中心線Lと直交する方向で、且つ測定用発光素子52sが設定される側で、当該標本点から最適距離W’の3倍又は略3倍(3×W’±α)の位置に、受光位置を決定する構成とすれば良い。
照射制御部230は、発光部330に含まれる個別の発光素子52を個別に発光制御することができる。例えば、いわゆるアクティブマトリクス方式の駆動制御技術を利用することで実現できる。
測光制御部232は、受光部332の受光素子54から受光したRGB各波長成分の光量に応じた電気信号を読み出す制御を行う。公知のCCDイメージセンサーを用いた画像撮影技術を利用することができる。
吸光スペクトル生成部240は、測光制御部232による読み出し結果すなわち撮像結果に基づいて吸光スペクトルを生成する。
本実施形態では、
1)測定用受光素子54m毎に、それぞれの測光結果に基づく「基礎吸光スペクトル」を生成する機能と、
2)リファレンス用受光素子54r毎に、それぞれの測光結果に基づく「リファレンス用吸光スペクトル」を生成する機能と、
3)測定用受光素子54mの基礎吸光スペクトル、当該受光素子に対応するリファレンス用受光素子54rのリファレンス用吸光スペクトルとを用いて、「血管部位反射吸光スペクトル」を生成する機能と、
4)全ての血管部位吸光スペクトルを平均した平均吸光スペクトルを生成する機能と、
を有する。
成分値算出部242は、吸光スペクトルに基づいて目的とする所定成分の血中濃度を算出する。本実施形態では、重回帰分析法、主成分回帰分析法、PLS回帰分析法、独立成分分析法などの分析法を用いて平均吸光スペクトルから血液の所定成分の血中濃度を算出する。
画像生成部260は、例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサー(DSP)などのプロセッサー、フレームバッファー等の描画フレーム用ICメモリー等によって実現される。画像生成部260は、ユーザーへ向けた情報表示画面を生成し、生成した画面の画像信号を画像表示部360に出力する。
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では、図1のタッチパネル18がこれに該当する。
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。通信部370は、通信回線と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプター)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の通信装置20がこれに該当する。
記憶部500は、処理部200に血液成分測定装置10を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、血液成分の測定に必要なプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリー、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1の制御基板30が搭載するメインメモリー34や、測定データ用メモリー36、メモリーカード22がこれに該当する。
本実施形態の記憶部500は、システムプログラム501と、測定プログラム502とを記憶している。システムプログラム501は、血液成分測定装置10をコンピューターとして利用するための基本機能を実現するためのプログラムである。測定プログラム502は、処理部200が読み出して実行することによって、生体画像取得制御部202、血管位置取得制御部204、血管部位選択部210、照射制御部230、測光制御部232、吸光スペクトル生成部240、成分値算出部242、としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトウェアである。勿論、これらの機能部をハードウェア(例えば、ICや回路)で実現する場合には、該当する機能部を適宜省略することができる。勿論、測定プログラム502は、システムプログラム501の一部として組み込まれた構成であっても良い。
また、本実施形態の記憶部500は、予め、発光素子リスト504と、受光素子リスト506と、を記憶する。前者は、発光部330に含まれる全ての発光素子52のXs−Ys座標値のリストである。後者は、受光部332に含まれる全ての受光素子54のXs−Ys座標値のリストである。
また、本実施形態の記憶部500は、測定の実施に伴って、生体画像データ510と、血管位置情報512と、単数又は複数の血管部位データ520と、測光値画像データ576と、基礎吸光スペクトルデータ578と、リファレンス用吸光スペクトルデータ580と、血管部位吸光スペクトルデータ582と、平均吸光スペクトルデータ584と、血液成分値586とを記憶する。その他、測定に係る制御に必要な計時データ、カウンター、フラグなどを記憶することができる。
血管部位データ520は、血管7のうち測定対象の候補とされる血管部位に係るデータを格納し、血管部位毎に生成される。例えば、図13に示すように、血管部位ID522と、部位ピクセルリスト524と、標本点リスト526と、部位長528と、スキャンデータ530と、確定測定用発光素子リスト540と、確定リファレンス用受光素子リスト542と、確定測定用受光素子リスト544と、測定対象フラグ550と、を含む。
血管部位ID522は、当該血管部位の固有の識別情報である。
部位ピクセルリスト524は、血管位置情報512のピクセル(すなわち受光素子54)のうち、当該血管部位に該当するピクセルのリストである。
標本点リスト526は、当該血管部位の血管幅方向の中心線L(図10参照)上に設定される標本点のリストであり、標本点は例えば受光素子それぞれに対応するピクセル(画素)としてもよい。
部位長528は、当該血管部位の血管流路方向長さを格納する。
スキャンデータ530は、最適距離W’の算出に関連して生成される。
具体的には、各スキャンデータ530は、距離Wを格納する設定距離532と、仮測定用発光素子リスト534と、仮リファレンス用受光素子リスト536と、仮測定用受光素子リスト538と、透過率539とを含む。
確定測定用発光素子リスト540は、当該血管部位に係り確定した測定用発光素子52sのリストであり、該当する発光素子のXs−Ys座標値を格納する。同様に、確定リファレンス用受光素子リスト542は当該血管部位に係り確定したリファレンス用受光素子54rのリストであり、確定測定用受光素子リスト544は当該血管部位に係り確定した測定用受光素子54mのリストである。
測定対象フラグ550は、当該血管部位が測定対象として確定している場合に「1」が格納される。初期状態では「0(未確定)」とされる。
図12に戻り、測光値画像データ576は、全受光素子54の測光データであって、Xs−Ys座標値でピクセルが識別可能な2次元画像データである。測定用受光素子54mでの測光結果およびリファレンス用受光素子54rの測光結果は、それらのXs−Ys座標値を元に適宜当該画像データから参照することができる。
基礎吸光スペクトルデータ578は、測定用受光素子54mでの測光結果に基づいて生成された吸光スペクトルのデータである。
リファレンス用吸光スペクトルデータ580は、リファレンス用受光素子54rでの測光結果に基づいて生成された吸光スペクトルのデータである。
血管部位吸光スペクトルデータ582は、測定用受光素子54mの基礎吸光スペクトルから、対応する(最適距離W’の取得に伴い同じ距離Wで検索された)リファレンス用受光素子54rのリファレンス用吸光スペクトルを分離して生成された吸光スペクトルのデータである。
平均吸光スペクトルデータ584は、測定用受光素子54m毎に生成された血管部位吸光スペクトルを平均化した吸光スペクトルのデータである。
血液成分値586は、最終的に得られた血液中の所定成分の濃度である。本実施形態では、糖(グルコース)の濃度として説明するが、ヘモグロビン等の他の成分濃度としてもよい。
[処理の流れの説明]
次に、血液成分の測定に係る処理の流れについて説明する。尚、血液成分測定装置10は、被検者2の身体に取り付けられており、所定の測定開始操作が入力されているものとする。
図14は、本実施形態の血液成分測定装置10による血液成分の測定に係る処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
血液成分測定装置10の処理部200は、先ず生体画像P2の取得に係る処理を実行する(ステップS2;図4参照)。本実施形態では、センサーモジュール50の発光素子52を一斉発光させ、全ての受光素子54で測光して撮影・取得する。
次いで、取得した生体画像P2に基づいて皮膚面から見た血管の血管位置情報P4を生成・取得する(ステップS4;図5参照)。そして、処理部200は測定対象血管部位選択処理を実行する(ステップS6)。
図15〜図16は、本実施形態における測定対象血管部位選択処理の流れを説明するためのフローチャートである。
同処理において、処理部200は先ず、血管位置情報P4で測定対象の血管7とされた部分から、血管の分岐部や合流部、画像辺縁部といった精度低下要因部位を除外し、測定対象に含まれないようにする(ステップS20)。当該部位を除外すると、除外されずに残った血管7は複数の領域・部位に分割されることになるので、それぞれに血管部位ID522を付与して血管部位データ520を生成し、測定対象の候補として設定する(ステップS22)。
次に、処理部200は、測定対象候補とされた血管部位それぞれについて、ループAを実行する(ステップS24〜S62)。
ループAでは先ず、処理対象血管部位の部位ピクセルリスト524を参照して、中心線Lを構成する標本点を抽出し(ステップS26)、部位の長さを算出する(ステップS28)。そして、算出した部位の長さが所定の部位最低長以上であれば(ステップS30のYES)、処理部200は当該血管部位を測定対象候補として2次選抜された血管部位7b(図7参照)と見なし、当該血管部位7bを測定対象として確定するか否かの判定をするためにループBを実行する(ステップS32〜S56)。
ループBは、先に抽出された標本点毎に実行される。
ループBにおいて、処理部200は先ず、距離Wの値を所定の最小値に設定する(ステップS34)。
次いで、仮測定用受光素子52s’と仮リファレンス用受光素子54r’とを検索する(ステップS36)。具体的には、ループBの処理対象とされる標本点において、中心線Lと直交する方向を求める。そして、ループAの処理対象の血管部位(この段階では、2次選抜された血管部位7bに相当)に隣接する非血管領域8の上に位置する発光素子52及び受光素子54の中から、当該直交方向にあって、当該処理対象の標本点から距離Wの位置又は略同じ位置(W’±α)にある発光素子52と、標本点から距離Wの3倍位置又は略3倍位置(3W’±α)にある受光素子54とを検索する。前者が、仮測定用発光素子52s’となり、後者が仮リファレンス用受光素子54r’となる。
そして、仮測定用発光素子52s’に該当する発光素子と、仮リファレンス用受光素子54r’に該当する受光素子とが存在すれば(ステップS38のYES)、処理部200は、次に仮測定用受光素子54m’を検索する(ステップS40)。具体的には、先に検索した仮測定用発光素子52s’とは当該血管部位を跨いで反対側の非血管領域8の上に位置する受光素子54の中から、ループBの処理対象とされる標本点における直交方向にあって、当該処理対象の標本点から距離Wの位置又は略同じ位置(W’±α)に在る受光素子54とを検索する。これが、仮測定用受光素子54m’となる。
そして、仮測定用受光素子54m’に該当する受光素子が存在すれば(ステップS42のYES)、次に処理部200は、仮測定用発光素子52s’を選択的に発光制御して、仮測定用受光素子54m’と仮リファレンス用受光素子54r’とで測光する。この時の発光制御では、仮測定用発光素子52s’のみを発光させるとしても良いが、仮測定用発光素子52s’の数が所定の基準値に満たない場合、隣接する他の発光素子52も一斉発光するように制御すると好適である。
そして、処理部200は仮測定用受光素子54m’と仮リファレンス用受光素子54r’それぞれで測定された輝度に基づいて透過率を算出する(ステップS46;図10参照)。
次いで、現在の距離Wと、算出した透過率と、仮測定用発光素子52s’と、リファレンス用受光素子54r’と、仮測定用受光素子54m’と、を対応づけてスキャンデータ530として、ループAの処理対象の血管部位の血管部位データ520に格納する(ステップS48;図13参照)。
尚、ステップS30、ステップS38、ステップS42にて否定判定された場合には、ステップS48までスキップされる。
次に、現在の距離Wの設定値が所定の最大値に達していなければ(ステップS50のNO)、処理部200は距離Wに所定値を加算・更新して(ステップS52)、ステップS36に戻って更新された距離Wに基づいて、新たに仮測定用発光素子52s’、リファレンス用受光素子54r’、仮測定用受光素子54m’の検索を行い、透過率を算出する。
もし、現在の距離Wの設定値が既に最大値に達していれば(ステップS50のYES)、処理部200は透過率539が最小となるスキャンデータ530を検索し、その時の距離Wに対応する仮測定用発光素子52s’と仮リファレンス用受光素子54r’と仮測定用受光素子54m’とを、正式に測定用発光素子52s・リファレンス用受光素子54r・測定用受光素子54mとして設定・登録する(ステップS54)。仮測定用発光素子52s’と仮リファレンス用受光素子54r’と仮測定用受光素子54m’とは、それぞれ確定測定用発光素子リスト540、確定リファレンス用受光素子リスト542、確定測定用受光素子リスト544に登録される(図13参照)。
そして、ループBを終了する(ステップS56)。
処理対象の血管部位の標本点全てについてループBを実行したならば、処理部200は、ループAの処理対象とされている血管部位に関連して確定された測定用発光素子52sの数と所定の「最低発光素子数」とを比較する(ステップS80)。最低発光素子数は、血液成分測定において精度良く測定を行うために必要な測定光の総量と、発光素子52当たりの発光量との関係から予め設定される値である。
もし、新たに確定された測定用発光素子52sの数が最低発光素子数以上であれば(ステップS80のYES)、十分な測定光の光量が確保できると見なし、処理部200は当該血管部位の測定対象フラグ550を「0(未確定)」から「1(確定)」に変更し、当該血管部位を測定対象として確定する(ステップS82)。そして、ループAを終了する(ステップS88)。
一方、新たに確定された測定用発光素子52sの数が最低発光素子数未満であれば(ステップS80のNO)、処理部200は処理対象の血管部位の測定対象フラグ550を「0(未確定)」のままとし(ステップS84)、ループAを終了する(ステップS88)。
測定対象候補の血管部位7bの全てにループAを実行したならば、処理部200は次に、全ての血管部位データ520の測定対象フラグ550を参照して、当該フラグが「1」の血管部位があるか、すなわち測定対象として確定できた血管部位があるかを判定する(ステップS90)。
もし、何れの血管部位7bの測定対象フラグ550も「0」のままであれば否定判定され(ステップS90のNO)、処理部200は血液成分測定装置10の取り付けからやり直すように促す通知処理、例えば通知文をタッチパネル18に表示させるなどの処理を実行して(ステップS92)、測定は行わずに処理を終了する。
もし、何れかの血管部位7bの測定対象フラグ550が「1」であれば肯定判定され(ステップS90のYES)、測定対象血管部位選択処理を終了する。
測定対象血管部位選択処理を終了したならば、図14のフローチャートに戻って、処理部200は、全ての測定対象血管部位7mに係り確定された測定用発光素子52s(確定測定用発光素子リスト540に登録された発光素子)を一斉発光制御し(ステップS200)、全受光素子54による一斉測光制御を行う(ステップS202)。一斉測光については、公知のCCDイメージセンサーによる撮像と同様にして各受光素子における測光値を読み取り、測光値画像データ576として記憶部500に記憶する。当該画像データから、Xs−Ys座標値をもとに測定用受光素子54m及びリファレンス用受光素子54rによる測光結果(受光結果)を参照可能である。
次に、処理部200は、測定用受光素子54m毎にそれぞれの測光結果から基礎吸光スペクトルを生成し(ステップS204)、リファレンス用受光素子54r毎にそれぞれの測光結果からリファレンス用吸光スペクトルを生成する(ステップS206)。
次いで、測定用受光素子54m毎に、対応する(最適距離W’の取得に伴い同じ距離Wで検索された意の)リファレンス用受光素子54rのリファレンス用吸光スペクトルを用いて血管部位吸光スペクトルを生成する(ステップS208)。
そして、生成した全ての血管部位吸光スペクトルを平均して平均吸光スペクトルを生成し(ステップS210)、当該スペクトルに基づいて、目的の血液成分濃度値を算出・記憶し(ステップS212)、測定に係る一連の処理を終了する。
このように、本実施形態によれば、測定対象血管部位7bを跨ぐようにして、当該血管部位をより多くの測定光が透過する相対位置関係で複数の測定用発光素子54sと複数の測定用受光素子54mとを選択できる。そして、測定に際しては、測定用発光素子54sを一斉発光させることで、発光素子1つ1つが小さかったり、1つ当たりの光量が小さくても、測定精度を適切に保つための光量を確保することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態ついて説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様に実現できるが、測定光の照射位置と受光位置と測定対象血管部位との相対位置関係が異なる。具体的には、皮膚面において測定対象血管部位の上に照射位置と受光位置とを設定する。以降では、第1実施形態との差異について主に述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して説明は省略するものとする。
図17は、本実施形態における照射位置となる測定用発光素子52sと、受光位置となる測定用受光素子54mとの設定例を示す図である。尚、理解を容易にするために各素子は意図的に大きく図示している。
本実施形態の照射位置判定部214は、受光位置として、測定対象候補の血管部位7bにおいて幅方向の中央にある受光素子とこれに隣接する複数の測定用発光素子54s(望ましくは、血管幅方向に隣接する受光素子の複数)を選択する。そして、同血管部位の上にある受光素子54の中から、先に選択した測定用発光素子52sを挟むように、且つ測定用発光素子54sから最適距離W’の2倍または略2倍(2W’±α)離れた位置にあたる測定用受光素子54mを選択する。以降、最適距離W’の2倍または略2倍(2W’±α)の間隔で、複数の測定用発光素子52sと、測定用受光素子54mとを交互に離散的に測定対象候補の血管部位7bの中から選択する。尚、最適距離W’は第1実施形態と同様に最小透過率を利用して求める。
また、本実施形態のリファレンス位置判定部216は、測定対象候補の血管部位7bに隣接する非血管領域8の上にある受光素子54の中から、測定用発光素子52sにて中心線Lと直交する方向へ最適距離W’の2倍または略2倍(2W’±α)離れた位置にある受光素子54をリファレンス用受光素子54rとして選択する。
そして、本実施形態の血管部位選択部210は、当該血管部位に係り確定できた測定用発光素子52sの数が最低発光素子数以上となり、且つ、測定用受光素子54m及びリファレンス用受光素子54rが設定できたならば、当該血管部位を測定対象として確定する。
図18〜図20は、本実施形態における測定対象血管部位選択処理の流れを説明するためのフローチャートである。
本実施形態における測定対象血管部位選択処理では、第1実施形態のループAに代わって、測定対象候補とされる血管部位7b(図7参照)それぞれについてループFを実行する(ステップS23〜S85)。
ループFでは、処理対象血管部位の長さが部位最低長以上であれば(ステップS30のYES)、処理部200は、処理対象血管部位の上にある発光素子52のうち、当該部位の中央付近にて隣接する複数の発光素子52を仮測定用発光素子52s’に設定する(ステップS31)。
次いで、距離Wを最小値に設定し(ステップS34)、処理対象血管部位の上にある受光素子54の中から、ステップS31で設定した仮測定用発光素子52s’から距離Wの2倍または略2倍の受光位置にあたる仮測定用受光素子54m’を検索する(ステップS35)。
そして、該当する受光素子が存在するならば(ステップS37のYES)、処理部200は更に、処理対象血管部位に隣接する非血管領域8の上の受光素子54の中から、ステップS31で設定した仮測定用発光素子52s’にて処理対象血管部位の中心線Lと直交する方向で、且つステップS31で設定した仮測定用発光素子52s’から距離Wの2倍または略2倍の位置にあたる仮リファレンス用受光素子54r’を検索する(ステップS39)。
そして、仮リファレンス用受光素子54r’に該当する受光素子が存在するならば(ステップS42のYES)、処理部200は、第1実施形態と同様にして透過率を算出し(ステップS44〜S48)、最低透過率となった距離Wに対応する仮測定用発光素子52s’、仮測定用受光素子54m’、仮リファレンス用受光素子54r’を、それぞれ測定用発光素子52s、測定用受光素子54m、リファレンス用受光素子54rとして確定する(ステップS50〜S54)。これにより、最適距離W’も確定したことになる。
次に、処理部200は、新たに確定した測定用受光素子54mよりも血管流路方向端部側で、且つ処理対象血管部位上の発光素子の中から、当該測定用受光素子54mから最適距離W’の2倍または略2倍の位置にある複数の発光素子52を新たな仮測定用発光素子52s’として検索する(ステップS60)。そして、該当する発光素子が存在すれば(ステップS62のYES)、ステップS60で新たに検索された複数の仮測定用発光素子52s’を測定用発光素子52sとして確定する(ステップS64)。
次いで、ステップS64で新たに確定された測定用発光素子52sよりも更に血管流路方向端部側で、且つ処理対象血管部位上の受光素子54の中から、当該測定用発光素子52sから最適距離W’の2倍または略2倍の位置にある複数の受光素子54を新たな仮測定用受光素子54m’として検索する(ステップS66)。そして、該当する受光素子があれば(ステップS68のYES)、処理部200はこの新たに検索された仮測定用受光素子54m’を測定用受光素子54mに確定し(ステップS70)、ステップS60に戻る。
すなわち、処理対象血管部位に沿って、最適距離W’の2倍または略2倍の間隔で、隣接する複数の仮測定用発光素子52s’からなる発光素子群と、仮測定用受光素子54m’とを交互に検索してゆく。
やがて、該当する発光素子群や受光素子が検索できなくなると(ステップS62のNO、ステップS68のNO)、処理部200は次に、ループFの処理対象血管部位に係り確定された測定用発光素子52sの数が最低素子数以上であれば(ステップS80のYES)、当該血管部位を測定対象に確定し(ステップS82)、ループFを終了する(ステップS85)。もし、確定された測定用発光素子52sの数が最低素子数未満であれば(ステップS80のNO)、処理部200は当該血管部位を測定対象にはせずに(ステップS84)、ループFを終了する(ステップS85)。
このように、本実施形態によれば測定用発光素子52sと測定用受光素子54mとを測定対象血管部位7m上に設定できるので、隣接する非血管領域8の面積が小さくとも(それでも、リファレンス用受光素子54rが設定できる程度は必要であるが)血液成分の測定が可能になる。
尚、本実施形態の測定対象血管部位選択処理は、第1実施形態に組み込む構成も可能である。例えば、第1実施形態のステップS84(図16参照)に代えて、本実施形態の測定対象血管部位選択処理を実行する構成も可能である。
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の適用形態はこれらに限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
例えば、血液成分測定装置10は腕時計型の一体の装置に限らず、例えば図21に示すように、センサーモジュール50とバンド14とを腕時計型のデバイス11とし、操作スイッチ16やタッチパネル18、制御基板30などその他の構成要素を装置本体19に備え、両者を有線通信或いは無線通信接続する医療機器を構成しても良い。
また、上記実施形態では、最適距離W’を測定を実施する都度自機で求める構成として説明したが、予め設定された値を読み込む構成としても良い。その場合、最適距離W’は前回の血液成分測定時に取得した値としても良いし、年代・性別・肥満度合などをパラメーターにして統計的に求められた値を記憶しておき、測定開始前に被検者2の年代・性別・肥満度に適合する値を読み出す構成であっても良い。
また、上記実施形態では、測定光は位置が固定された発光素子52から所定方向に照射される構成であって、照射位置は発光制御する発光素子52と対応する構成であったが、発光素子52を単数とし、照射方向を偏向する光学デバイスで照射位置へ向けて測定光を照射する構成としても良い。
2…被検者、3…照射位置、4…受光位置、7…血管、7b…測定対象候補とされる血管部位、7m…測定対象血管部位、8…非血管領域、10…血液成分測定装置、11…デバイス、12…本体ケース、14…バンド、16…操作スイッチ、18…タッチパネル、19…装置本体、20…通信装置、22…メモリーカード、24…リーダーライター、26…内臓バッテリー、30…制御基板、32…CPU、34…メインメモリー、36…測定データ用メモリー、38…タッチパネルコントローラーIC、40…センサーモジュールコントローラー、42…発光コントローラー部、44…測光コントローラー部、50…センサーモジュール、51…受光層、52…発光素子、52s…測定用発光素子、52s’…仮測定用発光素子、53…遮光層、54…受光素子、54m…測定用受光素子、54m’…仮測定用受光素子、54r…リファレンス用受光素子、54r’…仮リファレインス用受光素子、55…分光層、57…発光層、100…操作入力部、200…処理部、202…生体画像取得制御部、204…血管位置取得制御部、210…血管部位選択部、212…最適距離取得部、214…照射位置判定部、216…リファレンス位置判定部、230…照射制御部、232…測光制御部、240…吸光スペクトル生成部、242…成分値算出部、260…画像生成部、270…通信制御部、330…発光部、332…受光部、360…画像表示部、370…通信部、500…記憶部、501…システムプログラム、502…測定プログラム、504…発光素子リスト、506…受光素子リスト、510…生体画像データ、512…血管位置情報、520…血管部位データ、522…血管部位ID、524…部位ピクセルリスト、526…標本点リスト、528…部位長、530…スキャンデータ、532…設定距離、534…仮測定用発光素子リスト、536…仮リファレンス用受光素子リスト、538…仮測定用受光素子リスト、539…透過率、540…確定測定用発光素子リスト、542…確定リファレンス用受光素子リスト、544…確定測定用受光素子リスト、550…測定対象フラグ、570…確定測定用発光素子リスト、572…確定リファレンス用受光素子リスト、574…確定測定用受光素子リスト、576…測光値画像データ、578…基礎吸光スペクトルデータ、580…リファレンス用吸光スペクトルデータ、582…血管部位吸光スペクトルデータ、584…平均吸光スペクトルデータ、586…血液成分値

Claims (10)

  1. 皮膚面から見た対象血管の血管位置情報に基づいて、当該対象血管を透過した光を前記皮膚面における所与の受光位置で受光した結果が所定条件を満たす前記皮膚面における照射位置を判定することと、
    前記照射位置に光を照射することと、
    前記受光位置での受光結果を用いて血液の成分を測定することと、
    を含む血液成分測定方法。
  2. 前記受光位置は前記皮膚面上の前記対象血管から離れた位置に定められ、
    前記照射位置を判定することは、前記対象血管を挟んで前記受光位置と反対側に、前記対象血管に沿って複数の照射位置を判定することを含む、
    請求項1に記載の血液成分測定方法。
  3. 前記受光位置を前記対象血管に沿って複数定めることを更に含み、
    前記照射位置を判定することは、前記受光位置それぞれについて照射位置を判定することを含む、
    請求項2に記載の血液成分測定方法。
  4. 前記照射位置を挟んで前記受光位置と反対側のリファレンス用受光位置であり、且つ、前記皮膚面において前記照射位置と前記リファレンス用受光位置の間に前記対象血管が位置しないリファレンス用受光位置を判定することを更に含み、
    前記測定することは、前記リファレンス用受光位置での受光結果を参照して前記血液の成分を測定することを含む、
    請求項2又は3に記載の血液成分測定方法。
  5. 前記照射位置を判定することは、前記照射位置から光を照射した場合に、前記受光位置での受光光に前記対象血管以外の血管を透過した光の混合を避けるための混合回避位置条件を満たす前記照射位置を判定することを含む、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の血液成分測定方法。
  6. 前記受光位置は前記対象血管上に定められ、
    前記照射位置を判定することは、前記受光位置を挟むように複数の照射位置を前記対象血管上に判定することを含む、
    請求項1に記載の血液成分測定方法。
  7. 1以上の受光位置が近接する受光位置群を離散的に複数定めることと、
    前記照射位置を判定することは、隣接する前記受光位置群の間に1以上の照射位置でなる照射位置群を判定することを含む、
    請求項6に記載の血液成分測定方法。
  8. 前記照射位置を判定することは、前記皮膚面に向けて配置されたデバイスであって、平面状に配列された複数の照射部を有する発光層と、平面状に配列された複数の受光素子を有する受光層とが積層もしくは並置されたデバイスの前記複数の照射部の中から、前記照射位置に対応する照射部を選択することを含み、
    前記照射することは、前記選択された照射部を発光させることを含み、
    前記測定することは、前記受光層での受光結果を用いて、前記血液の成分を測定することを含む、
    請求項1〜7の何れか一項に記載の血液成分測定方法。
  9. 皮膚面から見た対象血管の血管位置情報に基づいて、当該対象血管を透過した光を前記皮膚面における所与の受光位置で受光した結果が所定条件を満たす前記皮膚面における照射位置を判定する判定部と、
    前記照射位置に光を照射する照射制御部と、
    前記受光位置での受光結果を用いて血液の成分を測定する測定部と、
    を備えた血液成分測定装置。
  10. 請求項9に記載の血液成分測定装置を具備する医療機器。
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