JP2014124453A - 血液成分測定方法、血液成分測定装置及び医療機器 - Google Patents

血液成分測定方法、血液成分測定装置及び医療機器 Download PDF

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Abstract

【課題】非侵襲式の血液成分の測定において、使用者による位置調整の手間を省力化すること。
【解決手段】血液成分測定装置10によれば、生体画像をもとに皮膚面から見た血管位置を取得し、測定に適当な血管部位6を挟むように、測定用照射位置(測定用発光素子53a)及び測定用受光位置(測定用受光素子59a)を選択して測定を行う。また、測定用照射位置との間に血管が存在しないリファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子59b)を選択し、このリファレンス用受光素子59bでの受光結果を参照することで、血管の透過光についての吸収スペクトルを求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、血管を透過した透過光に基づいて血液の成分を測定する血液成分測定方法等に関する。
撮像した生体画像中の血管画像を解析して血液の成分を計測する非侵襲式の血液成分測定装置が知られている。このような従来の装置において良好な計測結果を得るためには、撮像に適した領域に血管が位置するように撮像手段の位置を調整する必要がある。そこで、例えば特許文献1には、血管画像の位置が撮像に適した位置か否かを判定して、使用者に表示する技術が記載されている。
特開2007−44491号公報
しかしながら、特許文献1の技術を適用したとしても、使用者は、撮像手段や装置の位置を手動で調整する必要があることに変わりはない。手動による位置調整は手間である上、調整の精度には使用者による個人差がある。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、非侵襲式の血液成分の測定において、使用者による位置調整の手間を省力化することにある。
以上の課題を解決するための第1の形態は、皮膚面から見た対象血管の位置に基づいて、当該皮膚面における光の照射位置と当該皮膚面における受光位置との間の所与の位置を前記対象血管が通る第1の相対位置条件を満たす第1の照射位置と第1の受光位置とを判定することと、前記第1の照射位置に光を照射することと、少なくとも前記第1の受光位置での受光結果を用いて、血液の成分を測定することと、を含む血液成分測定方法である。
また、他の形態として、皮膚面から見た対象血管の位置に基づいて、当該皮膚面における光の照射位置と当該皮膚面における受光位置との間の所与の位置を前記対象血管が通る第1の相対位置条件を満たす第1の照射位置と第1の受光位置とを判定する位置判定部と、前記第1の照射位置に光を照射する制御を行う照射制御部と、少なくとも前記第1の受光位置での受光結果を用いて、血液の成分を測定する測定部と、を備えた血液成分測定装置を構成することとしてもよい。
このとき、上述した血液成分測定装置を具備する医療機器を構成することとしてもよい。
この第1の形態等によれば、皮膚面から見た対象血管の位置に基づいて、当該皮膚面における光の照射位置と当該皮膚面における受光位置との間の所与の位置を前記対象血管が通る第1の相対位置条件を満たす第1の照射位置と第1の受光位置とが判定される。従って、第1の照射位置に光を照射した場合、対象血管を透過した光を含む、生体内を通過した光が第1の受光位置に達する。そのため、第1の照射位置に光を照射した場合の少なくとも第1の受光位置での受光結果を用いて、血液の成分が測定可能となる。よって、血液の成分を測定可能な照射位置及び受光位置を自動的に判定するため、使用者の利便性が高い。
また、第2の形態として、前記判定することは、照射位置と受光位置とが前記対象血管を挟む位置となる条件を前記第1の相対位置条件として前記第1の照射位置と前記第1の受光位置とを判定することである、第1の形態の血液成分測定方法を構成することとしてよい。
この第2の形態によれば、照射位置と受光位置とが対象血管を挟む位置となるように、第1の照射位置及び第1の受光位置が判定される。従って、第1の照射位置に光を照射した場合に、第1の受光位置での受光光に、対象血管を透過した光が含まれている可能性が高い。
また、第3の形態として、前記判定することは、前記皮膚面において前記対象血管上に照射位置と受光位置とが位置する条件を前記第1の相対位置条件として前記第1の照射位置と前記第1の受光位置とを判定することである、第1の形態の血液成分測定方法を構成することとしてもよい。
この第3の形態によれば、皮膚面において対象血管上に照射位置と受光位置とが位置するように、第1の照射位置及び第1の受光位置が判定される。従って、第1の照射位置に光を照射した場合に、第1の受光位置での受光光に、対象血管を透過した光が含まれている可能性が高い。
また、第4の形態として、前記照射することは、前記第1の照射位置がN個(N≧2)ある場合に、当該N個のうち、M個(N≧M≧2)の第1の照射位置に光を照射することを含む、第1〜第3の何れかの形態の血液成分測定方法を構成することとしてもよい。
この第4の形態によれば、第1の照射位置がN個ある場合、N個全ての第1の照射位置に光を照射してもよい。光量が多くなれば、それだけ受光光に含まれる対象血管の透過光の光量が増加し得るため、血液成分の測定の感度を向上させ、ひいては測定精度を向上させることができる。
また、第5の形態として、前記判定することは、前記皮膚面に向けて配置されたデバイスであって、平面状に配列された複数の照射部を有する発光層と、平面状に配列された複数の受光素子を有する受光層とが積層もしくは並置されたデバイスの前記複数の照射部の中から、前記第1の相対位置条件を満たす前記第1の照射位置に対応する照射部を選択することを含み、前記照射することは、前記選択された照射部を発光させることを含み、前記測定することは、前記受光層での受光結果を用いて、前記血液の成分を測定することを含む、第1〜第4の何れかの形態の血液成分測定方法を構成することとしてもよい。
この第5の形態によれば、平面状に配列された複数の照射部を有する発光層と、平面状に配列された複数の受光素子を有する受光層とが積層もしくは並置されたデバイスが皮膚面に向けて配置される。そして、発光層の中から、第1の照射位置に対応する照射部が選択されて、当該照射部が発光することで、第1の照射位置に光が照射される。
また、第6の形態として、前記皮膚面において前記第1の照射位置との間に前記対象血管が位置しない第2の相対位置条件を満たす第2の受光位置を判定することを更に含み、前記測定することは、前記第2の受光位置での受光結果を参照して前記血液の成分を測定することを含む、第1〜第5の何れかの形態の血液成分測定方法を構成することとしてもよい。
この第6の形態によれば、皮膚面において第1の照射位置との間に対象血管が位置しない第2の受光位置が判定され、この第2の受光位置での受光結果を参照して、血液の成分が測定される。すなわち、第1の受光位置での受光結果には、対象血管を透過した光の影響が含まれている可能性が高く、第2の受光位置での受光結果には、対象血管を透過した光の影響が含まれていない可能性が高い。そのため、第2の受光位置での受光結果を参照して、第1の受光位置での受光結果と比較することで、対象血管の透過光に係る受光結果を抽出することが可能となる。
また、第7の形態として、前記皮膚面において前記第1の受光位置との間に前記対象血管が位置しない第3の相対位置条件を満たす第2の照射位置を判定することと、前記第1の照射位置への光の照射とは異なるタイミングで前記第2の照射位置に光を照射することと、を更に含み、前記測定することは、前記第1の照射位置に光を照射した際の受光結果と、前記第2の照射位置に光を照射した際の受光結果とに基づいて前記血液の成分を測定することを含む、第1〜第5の何れかの形態の血液成分測定方法を構成することとしてもよい。
この第7の形態によれば、皮膚面において第1の受光位置との間に対象血管が位置しない第2の照射位置が判定される。従って、第1の照射位置に光を照射した場合の第1の受光位置での受光結果には、対象血管を透過した光の影響が含まれている可能性が高く、第2の照射位置に光を照射した場合の受光結果には、対象血管を透過した光の影響が含まれていない可能性が高い。そこで、第1の照射位置への光の照射と、第2の照射位置への光の照射とが時分割で行われて、第1の照射位置に光を照射した際の受光結果と、第2の照射位置に光を照射した際の受光結果とを比較することで、対象血管の透過光に係る受光結果を抽出することが可能となる。
血液成分測定装置の外観構成例。 センサーモジュールの構成図。 生体画像の取得方法の概念図。 生体画像の一例。 血管位置の取得方法の概念図。 測定対象の血管部位の選択方法の概念図。 照射位置及び受光位置の選択方法の概念図。 照射位置及び受光位置間の最適距離の説明図。 血液成分測定装置の機能構成図。 血管部位データのデータ構成例。 血液成分測定処理のフローチャート。 照射位置及び受光位置の他の選択方法の概念図。 照射位置の他の選択方法の概念図。 照射位置及び受光位置の他の選択方法の概念図。 血液成分測定装置の他の外観構成例。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、本発明の適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
[全体構成]
図1は、本実施形態の血液成分測定装置10の構成例である。この血液成分測定装置10は、非侵襲式で被験者2の血液成分を測定する医療用の測定装置であり、医療機器である。本実施形態では、血液成分としてグルコース濃度(すなわち血糖値)を測定することとする。
血液成分測定装置10は、腕時計型を成し、本体ケース12と、本体ケース12を被験者2の手首や腕等の測定部位に装着固定するための例えばマジックテープ(登録商標)等の固定バンド14とを備えて構成される。
本体ケース12の表面(被験者2に装着したときに外向きになる面)には、操作スイッチ18と、タッチパネル16とが設けられている。この操作スイッチ18やタッチパネル16を用いて被験者2が測定開始指示の入力を行ったり、測定終了後に測定結果がタッチパネル16に表示されたりする。
また、本体ケース12の側面には、外部装置と通信するための通信装置20と、メモリーカード22のリーダライター24とが設けられている。通信装置20は、有線ケーブルを着脱するためのジャックや、或いは、無線通信を行うための無線通信モジュール及びアンテナにより実現される。メモリーカード22は、フラッシュメモリーや強誘導体メモリー(FeRAM)、磁気抵抗メモリー(MRAM)等のデータ書き換えが可能な不揮発性メモリーである。
また、本体ケース12の裏面には、センサーモジュール50が被験者2の皮膚面に接触可能に設けられている。センサーモジュール50は、被験者2の皮膚面に測定光を照射し、その反射透過光を受光する測定用のデバイスであり、光源内蔵の薄型イメージセンサーとなっている。
更に、本体ケース12には、制御基板30と、充電式の内蔵バッテリー26とが内蔵されている。内蔵バッテリー26への充電方式としては、本体ケース12の背面側に電気接点を設け、家庭用電源に接続されたクレイドルにセットし、電気接点を介してクレードル経由で充電される構成でも良いし、無線式充電でも良い。
制御基板30には、CPU(Central Processing Unit)32と、メインメモリー34と、測定データ用メモリー36と、タッチパネルコントローラー38と、センサーモジュールコントローラー40とが搭載されている。
メインメモリー34は、プログラムや初期設定データを格納したり、CPU32の演算値を格納することができる情報記憶媒体である。RAMやROM、フラッシュメモリー等で実現される。なお、プログラムや初期設定データは、メモリーカード22に記憶されている構成でも良い。測定データ用メモリー36は、測定データを記憶するための記憶媒体である。フラッシュメモリーや強誘導体メモリー(FeRAM)、磁気抵抗メモリー(MRAM)等のデータ書き換えが可能な不揮発性メモリーによって実現される。なお、測定データをメモリーカード22に記憶する構成でも良い。
図2は、センサーモジュール50の構成図である。図2の(1)は平面図を示し、(2)は断面図を示している。センサーモジュール50は、多数の発光素子53を平面状に二次元配列した発光層52と、受光層58へ向かう光以外を選択的に遮蔽する遮光層54と、近赤外線を選択的に透過させる分光層56と、多数の受光素子59を平面状に二次元配列した受光層58とを積層して構成されたデバイスである。そして、このセンサーモジュール50は、正面側(発光層52の側の面)が被験者2の皮膚面に向かうように、本体ケース12の背面に設けられている。
発光素子53は、測定光を照射する照射部であり、例えばLED(Light Emitting Diode)やOLED(Organic light-emitting diode)等により実現される。本実施形態では、血液成分としてグルコース濃度(いわゆる血糖値)を測定するため、発光素子53は、皮下透過性を有する近赤外線を含む光を発光可能な素子とする。
受光素子59は、測定光の透過光や反射光を受光し、受光量に応じた電気信号を出力する受光部であり、例えばCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)等の撮像素子で実現される。また、1つの受光素子59は、検量に必要な各波長成分を受光する複数の素子を含む。
発光層52における発光素子53、及び、受光層58における受光素子59は、共通のXs−Ys直交座標系で定義されるマトリクス状に配置されている。そして、それぞれにおけるXs,Ys軸方向それぞれの配置間隔は同一であり、発光層52と受光層58とは、発光素子53と受光素子59とのXs,Ys軸方向の位置が、互いに所定長だけずれるように積層されて構成されている。これにより、被験者2の皮膚面からの反射透過光が受光素子59に到達可能なように構成されている。なお、発光層52における発光素子53、及び、受光層58における受光素子59それぞれの配置間隔は適宜設定可能である。例えば、配置間隔は、1〜500[μm]とすると好適であり、製造コストと測定精度との兼ね合いから、例えば50〜200[μm]程度とすることもできる。また、発光素子53と受光素子59とが積層された構成に限らず、発光素子53と受光素子59とが並置されていても良い。
[測定原理]
本実施形態における血液成分の測定原理について説明する。測定にあたり、血液成分測定装置10は、センサーモジュール50を被験者2の皮膚に密着させるようにして固定バンド14で固定される。センサーモジュール50の皮膚面に密着させることで、測定光の皮膚面での反射や皮膚面付近での散乱といった測定精度を下げる要因を抑制することができる。そして、センサーモジュール50の直下の生体組織内における血管の一部を測定対象の血管部位として設定し、測定光がこの血管部位を透過した透過光を含む光を受光して吸光スペクトルを求め、血糖値を推定演算する。
(1)血管位置の取得
具体的には、先ず、皮膚面から見た血管の位置(血管パターン)を取得する。血管位置の取得は、公知の静脈認証技術における静脈パターンの検出と同様に実現することができる。
すなわち、図3に示すように、センサーモジュール50の全ての発光素子53を一斉発光させ、被験者2の測定部位全域に測定光を照射する。そして、全ての受光素子59を用いて、測定光が生体組織を通過した光(透過光)や、生体組織で反射した光(反射光)を受光すなわち撮影して、生体画像を取得する。
図4は、生体画像の一例を示す図である。生体画像は、センサーモジュール50における受光素子59の配列に等しいピクセル数の二次元画像として得られる。血管は非血管部よりも近赤外線を吸収し易いため、生体画像において、血管の部分は非血管の部分よりも輝度が低く暗くなる。このため、生体画像において輝度が低くなっている部分を抽出することで、血管パターンを抽出することができる。すなわち、生体画像を構成するピクセル毎に、その輝度が所定の閾値以下であるか否かによって該当する受光素子59の直下に血管が存在するか否か、すなわち血管位置を取得することができる。
図5は、図4の生体画像に基づいて得られる血管位置情報P4の例を示す図である。血管位置の情報は、生体画像を構成するピクセル毎、すなわち受光素子59の位置毎に、血管4であるか非血管領域8であるかを示す情報となる。図5では、網掛けした帯状の部分が血管4であり、それ以外の白抜きされた部分が非血管領域8として検出されている。
(2)測定対象の血管部位の選択
血管位置を取得したのならば、次いで、測定対象とする血管(より具体的には血管部位)を選択する。測定対象とする血管部位6を、次の選択条件を満たすように選択する。選択条件とは、「血管の分岐部分や合流部分、画像の端部以外の部位であり、且つ、所定の長さ及び幅を有する」ことである。
血管の分岐・合流部分5aでは、受光光に、測定対象以外の血管を透過した光が混合する可能性がある。測定対象の血管部位6以外の血管の透過光は、測定対象の血管部位6の吸光スペクトルに影響を及ぼし、測定精度が低下する可能性がある。このため、血管の分岐・合流部分5aを除いた血管部分から測定対象の血管部位6を選択することとする。
また、生体画像の端部5bでは、画像の外側近傍の血管の分岐や合流といった構造が不明であるため、上述と同様の理由による測定精度の低下の可能性を避けるために、画像端部5bを除いた血管部分から測定対象の血管部位6を選択することとする。
また、発光素子53からの照射光は、生体組織内を拡散反射し、その一部が受光素子59にて受光される。つまり、受光素子59にて受光される光の一部が対象血管の透過光となるが、この透過光の割合が高い程、対象血管の血中成分の特徴をより顕著に表した吸光スペクトルとなり得る。すなわち測定精度が高くなる。
比較的細い血管は、生体画像から特定される血管パターンにおいて細く抽出され、場合によっては途切れ途切れに抽出されたりする。また、比較的深い位置にある血管についても、当該血管の透過光の光量が少なくなることから、生体画像から特定される血管パターンにおいて、途切れ途切れに抽出され得る。このため、細い血管や深い位置の血管を除いた血管部分から、測定対象の血管部位6を選択することとする。なお、血管部位6の長さは、例えば中心線の曲線の長さとしても良いし、中心線を構成するピクセル数を用いるとしても良い。
そして、図6は、図5の血管位置情報P4に基づいて得られる測定対象の血管部位6の一例である。図6において、血管4のうち、斜線でハッチングされた部分が、測定対象として選択された血管部位6である。
(3)照射位置及び受光位置の選択
続いて、選択した測定対象の血管部位6に対して、測定光の照射位置(測定用発光素子)と、測定対象の血管部位6の透過光を受光するのに適当な受光位置(測定用受光素子)と、リファレンス用の透過光を得るのに適当な受光位置(リファレンス用受光素子)とを選択する。リファレンス用の透過光は、測定対象の血管部位6を透過せず、当該血管部位6の近傍の非血管領域8のみを透過した光のことである。
図7は、照射位置、測定用受光位置、及び、リファレンス用受光位置の選択を説明する概要図である。先ず、照射位置(測定用発光素子)と測定用受光位置(測定用受光素子)とについて、次の第1の相対位置条件を満たすように選択する。第1の相対位置条件は、血管位置情報P4において「照射位置と測定用受光位置との間の中央部に測定対象の血管部位6が位置し、且つ、照射位置と測定用受光位置との間の距離が所定の最適距離Wに等しい」ことである。そして、第1の相対位置条件を満たす照射位置の発光素子53を測定用発光素子53aとし、測定用受光位置の受光素子59を測定用受光素子59aとする。
また、照射位置(測定用発光素子)とリファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子)とについて、次の第2の相対位置条件を満たすように選択する。第2の相対位置条件とは、血管位置情報P4において「照射位置とリファレンス用受光位置との間に血管が存在せず、照射位置とリファレンス用受光位置との間の距離が所定の最適距離Wに等しい」ことである。そして、この第2の相対位置条件を満たすリファレンス用受光位置の受光素子をリファレンス用受光素子59bとする。
なお、本実施形態では、リファレンス用受光位置を、上述の第1の相対位置条件を満たす測定用照射位置及び測定用受光位置を結ぶ延長線上であって、測定用照射位置から見て測定用受光位置とは反対の位置とするが、これに限らない。また、測定用照射位置(測定用発光素子53a)、測定用受光位置(測定用受光素子59a)、リファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子59b)は、何れも血管4上に位置しない(非血管領域8上に位置する)こととする。
また、最適距離Wは、次のように定められる。図8は、生体組織内での光の伝播を説明する図であり、深さ方向に沿った断面図を示している。ある発光素子53から照射された光は、生体組織内を拡散反射し、照射された光の一部がある受光素子59に到達する。その光の伝播経路は、いわゆるバナナ形状(2つの弧で挟まれた領域)を成し、略中央付近で深さ方向の幅が最も広くなるとともに、発光素子53と受光素子59との間隔に応じて全体の深さ(到達可能な深さ)が深くなる。
測定精度を高めるには、より多くの血管4の透過光が受光素子59で受光されることが望ましい。このことから、発光素子53と受光素子59との間のほぼ中央に対象血管4が位置し、対象血管4の想定する深さDに応じた最適距離Wが定められる。最適距離W、すなわち発光素子53と受光素子59との間の最適な間隔Wは、血管4の皮膚面からの深さDの約2倍の距離である。例えば、深さDを3mm程度とすると、最適距離Wは5〜6mm程度となる。
(4)測定
測定対象の血管部位6に対する照射位置及び受光位置を決定すると、血液成分の測定を行う。すなわち、測定対象の血管部位6に設定した測定用照射位置(測定用発光素子53a)から測定光を照射させ、測定用受光位置(測定用受光素子59a)及びリファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子59b)それぞれの受光結果に基づいて、吸光スペクトルを生成する。
このとき、例えば発光素子53による発光光の波長を変化させることで皮膚面への照射光の波長λを近赤外領域内で変化させて、波長λ毎の血管部位6の透過率Tを求める。透過率T(λ)は、測定用受光素子59aによって得られた「光強度Os(λ)」と、リファレンス用受光素子59bによって得られた「光強度Or(λ)」とから、T(λ)=Os(λ)/Or(λ)、として求められる。そして、この透過率から吸光率を求めて吸光スペクトルを生成する。
ここで、透過率Tの算出原理について簡単に説明する。一般的に、発光素子53による照射光の強度をP(λ)、照射光が透過した物体部分の透過率をT(λ)、受光素子59に予め定められている感度をS(λ)とすると、受光素子59で得られる光強度O(λ)は、O(λ)=P(λ)・T(λ)・S(λ)、で与えられる。
この関係式より、血管4の透過光を含まないリファレンス用受光素子59bで得られる光強度Or(λ)は、非血管領域部分の透過率T(λ)を「1」と仮定すると、、Or(λ)=P(λ)・T(λ)・S(λ)、となる。また、血管4の透過光を含む測定用受光素子59aで得られる光強度Os(λ)は、Os(λ)=P(λ)・T(λ)・S(λ)、となる。この2つの式から、透過率T(λ)が求められる。また、この透過率T(λ)は、非血管領域8の透過率に対する相対的な値となる。
(5)血中成分値の算出
続いて、吸光スペクトルに基づき、予め定められた血中成分濃度(グルコース濃度)と吸光度との関係を示す「検量線」を用いて、血中成分(グルコース濃度、すなわち血糖値)の推定算出を行う。なお、この吸光スペクトルから所定成分(本実施形態ではグルコース)濃度を算出する技術自体は公知であり、本実施形態ではその公知技術を適用可能である。
[機能構成]
図9は、血液成分測定装置10の機能構成図である。血液成分測定装置10は、機能的には、操作入力部110と、表示部120と、音出力部130と、通信部140と、発光部210と、受光部220と、処理部300と、記憶部400とを備えて構成される。
操作入力部110は、ボタンスイッチやタッチパネル、各種センサー等の入力装置であり、なされた操作に応じた操作信号を処理部300に出力する。この操作入力部110によって、血糖値の測定開始指示等の各種指示入力が行われる。図1では、操作スイッチ18やタッチパネル16が操作入力部110に該当する。
表示部120は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置であり、処理部300からの表示信号に基づく各種表示を行う。この表示部120に、測定結果等が表示される。図1では、タッチパネル16が表示部120に該当する。
音出力部130は、スピーカー等の音出力装置であり、処理部300からの音信号に基づく各種音出力を行う。この音出力部130によって、血糖値測定開始や測定終了、エラー発生等の報知音が出力される。
通信部140は、無線通信機、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等の通信装置であり、通信回線と接続して外部との通信を実現する。図1では、通信装置20が通信部140に該当する。
発光部210は、平面状に二次元配列された多数の発光素子53を有する。図2に示すセンサーモジュール50の発光層52が発光部210に該当する。この発光部210の配置位置(具体的には、Xs−Ys直交座標系における各発光素子53の位置座標)については、発光素子リスト406として記憶されている。
受光部220は、平面状に二次元配列された多数の受光素子59を有する。図2に示すセンサーモジュール50の受光層58が受光部220に該当する。この受光部220の配置位置(具体的には、Xs−Ys直交座標系における各受光素子59の位置座標)については、受光素子リスト408として記憶されている。
処理部300は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサーや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリー等の電子部品によって実現され、所定のプログラムやデータ、操作入力部110からの操作信号等に基づいて各種の演算処理を実行して、血液成分測定装置10の動作を制御する。図1では、制御基板30が処理部300に該当する。また、本実施形態では、処理部300は、生体画像取得部302と、血管位置取得部304と、血管部位選択部306と、照射受光位置選択部308と、リファレンス位置選択部310と、吸光スペクトル算出部312と、成分値算出部314と、発光制御部316と、受光制御部318とを有する。
生体画像取得部302は、センサーモジュール50の直下の身体部位の生体画像の取得を行う。生体画像の取得は、公知の静脈認証技術等における生体画像の撮影技術を適宜利用することで実現する。すなわち、センサーモジュール50の発光素子53を一斉発光させ、全ての受光素子59による測光(撮影)を行う。そして、測光結果による輝度画像、すなわち生体画像を生成する。勿論、別途撮影され用意されている生体画像を記憶部400や外部装置から取得する構成も可能である。生体画像取得部302によって取得された生体画像は、生体画像データ412として記憶される。
血管位置取得部304は、生体画像取得部302によって取得された生体画像に対する所定の画像処理を行って、血管位置を取得する。具体的には、公知の静脈認証技術等における生体画像から静脈パターンを識別する技術を適宜利用することで実現する。例えば、生体画像のピクセル毎に、基準輝度と比較して2値化やフィルター処理を施す。基準輝度未満のピクセルが血管、基準輝度以上のピクセルが非血管領域を示すことになる。血管位置取得部304によって取得された血管位置については、血管位置情報414として記憶される。
血管部位選択部306は、血管位置取得部304によって取得された血管位置に基づいて、所定の選択条件を満たす血管部位6を測定対象として選択する。ここで、測定対象とする血管部位6は、1つであっても良いし、複数選択しても良い。測定対象として選択された血管部位6それぞれについてのデータは、血管部位データ420として記憶される。
図10は、血管部位データ420のデータ構成の一例を示す図である。血管部位データ420は、当該血管部位の識別情報である血管部位ID422と、部位ピクセルリスト424と、中心線位置情報426と、部位長428と、測定用発光素子データ430と、測定用受光素子データ432と、リファレンス用受光素子データ434とを格納している。部位ピクセルリスト424は、当該血管部位に対応するピクセル(すなわち受光素子59)の一覧である。中心線位置情報426は、Xs−Ys直交座標系における当該血管部位の中心線の位置座標の情報である。
照射受光位置選択部308は、測定対象の血管部位6それぞれについて、第1の相対位置条件を満たすように、測定用照射位置(測定用発光素子53a)、及び、測定用受光位置(測定用受光素子59a)を選択する。具体的には、Xs−Ys直交座標系において(すなわち皮膚面において)、血管部位6の中心線上の一の位置から、中心線と直交する二方向へ互いの間隔が最適距離Wとなる2つの位置に、当該血管部位6を挟むように測定用照射位置及び測定用受光位置を設定する。そして、この測定用照射位置の発光素子53を測定用発光素子53aとし、測定用受光位置の受光素子59を測定用受光素子59aとする。最適距離Wは、最適距離データ410として記憶されている。中心線上の一の位置の選択方法は、例えば、測定対象とする1つの血管部位6の長手方向の略中心位置として定められる。
なお、選択した一の位置にて第1の相対位置条件を満たす位置(すなわち、測定用照射位置及び測定用受光位置となり得る位置)が存在しない場合には、当該一の位置から中心線に沿って所定の単位距離離れた位置について、同様に第1の相対位置条件を満たす位置(測定用照射位置及び測定用受光位置となり得る位置)があるかを判断する。それでも第1の相対位置条件を満たす位置が見つからない場合には、同様にこれを繰り返すことで、測定用照射位置及び測定用受光位置を設定する。
リファレンス位置選択部310は、設定された測定用照射位置、及び、測定用受光位置を基準として、第2の相対位置条件を満たすように、リファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子59b)を選択する。なお、第2の相対位置条件を満たす位置が存在しない場合には、再度、測定用照射位置及び測定用受光位置の設定を行う。
吸光スペクトル算出部312は、測定対象の血管部位6それぞれについて、吸光スペクトルを生成する。具体的には、血管部位6に設定された、測定用受光素子59a、及び、リファレンス用受光素子59bによる受光結果(光強度)をもとに、波長λ毎の透過率Tを算出することで、吸光スペクトルを生成する。算出した吸光スペクトルについては、吸光スペクトルデータ440として記憶される。
成分値算出部314は、吸光スペクトルに基づいて、目的とする血液成分の血中濃度を算出する。本実施形態では、吸光スペクトルを、重回帰分析法、主成分回帰分析法、PLS回帰分析法、独立成分分析方等の分析法を用いて、目的とする血液成分の血中濃度を算出する。計測対象の血管部位6が複数の場合には、各血管部位6に係る吸光スペクトルを平均した吸光スペクトルから、目的とする血液成分の血中濃度を算出する。算出した値は、血液成分値データ442として記憶される。
発光制御部316は、発光部210が有する複数の発光素子53それぞれを選択的に発光制御する。受光制御部318は、受光部220が有する複数の受光素子59それぞれから受光した光量を取得する。
記憶部400は、ROMやRAM、ハードディスク等の記憶装置であり、処理部300が血液成分測定装置10を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部300の作業領域として用いられ、処理部300が実行した演算結果や、操作入力部110からの操作データ等が一時的に格納される。図1では、メインメモリー34や測定データ用メモリー36が記憶部400に該当する。また、記憶部400には、システムプログラム402と、血液成分測定プログラム404と、発光素子リスト406と、受光素子リスト408と、最適距離データ410と、生体画像データ412と、血管位置情報414と、血管部位データ420と、吸光スペクトルデータ440と、血液成分値データ442とが記憶される。
[処理の流れ]
図11は、血液成分測定処理の流れを説明するフローチャートである。但し、血液成分測定装置10は被験者2に取り付けられ、測定開始指示がなされたとする。
先ず、生体画像取得部302が、測定部位の生体画像を取得する(ステップS2)。すなわち、全ての発光素子53を一斉発光させ、全ての受光素子59で受光して、生体画像を取得する。次いで、血管位置取得部304が、生体画像に基づいて、皮膚面から見た血管位置を取得する(ステップS3)。続いて、血管部位選択部306が、得られた血管位置に基づいて、所定の選択条件を満たす測定対象の血管部位6を選択する(ステップS5)。
続いて、照射受光位置選択部308が、測定対象の血管部位6毎に、第1の相対位置条件を満たす測定用照射位置(測定用発光素子53a)、及び、測定用受光位置(測定用受光素子59a)を選択する(ステップS7)。また、リファレンス位置選択部310が、第2の相対位置条件を満たすリファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子59b)を選択する(ステップS9)。
その後、測定対象の血管部位6それぞれについて設定された測定用発光素子を一斉発光させ(ステップS11)、全ての受光素子59による受光(撮像)を行う(ステップS13)。次いで、吸光スペクトル算出部312が、測定対象の血管部位6それぞれについて、設定された測定用受光素子59a、及び、リファレンス用受光素子59bそれぞれによる受光結果(光強度)に基づいて、当該血管部位6についての吸光スペクトルを生成する(ステップS15)。
続いて、成分値算出部314が、生成した各血管部位6の吸光スペクトルを平均して平均吸光スペクトルを生成し(ステップS17)、この平均吸光スペクトルに基づいて、血中濃度を算出する(ステップS19)。そして、この算出した血中濃度を測定結果として記憶及び表示出力した後、本処理を終了する。
[作用効果]
このように、本実施形態の血液成分測定装置10によれば、生体画像をもとに皮膚面から見た血管位置を取得し、測定に適当な血管部位6を挟むように、測定用照射位置(測定用発光素子53a)及び測定用受光位置(測定用受光素子59a)を選択して測定を行う。よって、血液の成分を測定可能な照射位置及び受光位置を自動的に判定するため、使用者が手動で位置調整をする必要がない。また、測定用照射位置との間に血管が存在しないリファレンス用受光位置(リファレンス用受光素子59b)を選択し、このリファレンス用受光素子59bでの受光結果を参照することで、血管の透過光についての吸収スペクトルを容易に求めることができる。
[変形例]
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の適用形態はこれに限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
(A)照射位置及び受光位置
例えば、上述の実施形態では、測定用照射位置、及び、測定用受光位置を非血管領域8に設定することとしたが、図12に示すように血管4上に設定することとしても良い。
例えば、Xs−Ys直交座標系において、中心線の中心位置に、測定用照射位置(測定用発光素子53a)を設定し、この測定用照射位置から、血管部位6の流路方向に沿って最適距離Wだけ離れた位置であって、当該血管部位6に係る血管上に、測定用受光位置(測定用受光素子59a)を設定する。なお、リファレンス用受光位置については、例えば測定用照射位置において血管部位6の中心線に直交する方向であって、測定用照射位置から最適距離Wだけ離れた非血管領域8の位置に設定する。これにより、測定用受光素子59aにて得られる受光光により多くの血管の透過光を含むことができ、測定精度の向上を図ることができる。
(B)測定用受光位置の数
また、上述の実施形態では、一の血管部位6に対して、それぞれ1つの測定用照射位置及び測定用受光位置を設定することとしたが、これを、複数の照射位置を設定することにしても良い。
具体的に図13を参照して説明する。まず、上述の実施形態において説明したように、Xs−Ys直交座標系において、血管部位6の中心線L1上の一の位置Pcにて中心線L1と直交する直線上に、測定用照射位置Pl及び測定用受光位置Psを、最適距離Wをおいてその中央に中心位置Pcが位置するように設定する。つまり、中心位置Pcと、測定用照射位置Pl及び測定用受光位置Psそれぞれとの間の距離は「W/2」である。
次いで、測定用受光位置Psを中心とした半径W/2の円弧C1、すなわち位置Pcを通る円弧C1を生成する。そして、測定用受光位置Psから見た円弧C1と中心線L1との距離ΔWが、最適距離Wに対して定められる許容距離となる円弧C1の中心角θ1を求める。許容距離は、例えば最適距離に対する割合として定めることができ、「最適距離Wの90%」とした場合には、ΔW=W×0.1、となる。
そして、中心角θ1の扇形状の領域の一部であって、許容距離ΔWの2倍の幅(ΔW×2)であり、測定用発光位置Plを中心とする帯状の領域E1を求める。この領域E1内に、更なる測定用照射位置を定めることができる。このようにすることで、測定光の光量を増加させることができ、測定精度を向上させる光量を確保することができる。
(C)照射位置と受光位置との相対位置関係
また、上述の実施形態では、一の測定対象の血管部位6に対して、1つの発光素子53(測定用発光素子)と、2つの受光素子59(測定用受光素子59a、及び、リファレンス用受光素子59b)とを設定する構成とした。これを、図14に示すように、一の血管部位6に対して、2つの発光素子53a,53bと、1つの受光素子59aとを設定するように構成しても良い。
具体的には、上述の「第1の相対位置条件」を満たすように、最適距離Wをおいて血管部位6を挟む、測定用照射位置(測定用発光素子53a)、及び、測定用受光位置(測定用受光素子59a)を設定する。次いで、「第3の相対位置条件」を満たすように、リファレンス用照射位置(リファレンス用発光素子53b)を設定する。第3の相対位置条件とは、Xs−Ys直交座標系において「リファレンス用照射位置と測定用受光位置との間に血管が存在せず、リファレンス用照射位置と測定用受光位置との間の距離が所定の最適距離Wに等しい」ことである。
この場合、受光素子59が1つのみなので、先ずは測定用発光素子53aを発光させて、そのときの測定用受光素子59aの受光結果として、血管の透過光を含む光強度Os(λ)を得る。次いで、リファレンス用発光素子53bを発光させて、そのときの測定用受光素子59aの受光結果として、血管の透過光を含まない光強度Or(λ)を得る。そして、これらの光強度Os(λ)、光強度Or(λ)を用いて、吸光スペクトルを算出する。
(D)システム構成
また、血液成分測定装置10は腕時計型の一体の装置に限らず、例えば図15に示すように、センサーモジュール50と固定バンド14とを腕時計型のデバイス11とし、操作スイッチ18やタッチパネル16、制御基板30などその他の構成要素を装置本体60に備え、両者を有線通信或いは無線通信接続する医療機器を構成しても良い。
(E)照射位置と発光素子53との関係
また、上述の実施形態では、測定光は位置が固定された発光素子53から所定方向に照射される構成であって、照射位置は発光制御する発光素子53と対応する構成であったが、発光素子53を単数とし、照射方向を偏向する光学デバイスで照射位置へ向けて測定光を照射する構成としても良い。
10 血液成分測定装置、12 本体ケース、14 固定バンド、50 センサーモジュール、52 発光層、53 発光素子、54 遮光層、56 分光層、58 受光層、59 受光素子、110 操作入力部、120 表示部、130 音出力部、140 通信部、210 発光部、220 受光部、300 処理部、302 生体画像取得部、304 血管位置取得部、306 血管部位選択部、308 照射受光位置選択部、310 リファレンス位置選択部、312 吸光スペクトル算出部、314 成分値算出部、316 発光制御部、318 受光制御部、400 記憶部、402 システムプログラム、404 血液成分測定プログラム、406 発光素子リスト、408 受光素子リスト、410 最適距離データ、412 生体画像データ、414 血管位置情報、420 血管部位データ、440 吸光スペクトルデータ、442 血液成分値データ、53a 測定用発光素子、59a 測定用受光素子、59b リファレンス用受光素子、2 被験者、4 血管、6 血管部位、8 非血管領域

Claims (9)

  1. 皮膚面から見た対象血管の位置に基づいて、当該皮膚面における光の照射位置と当該皮膚面における受光位置との間の所与の位置を前記対象血管が通る第1の相対位置条件を満たす第1の照射位置と第1の受光位置とを判定することと、
    前記第1の照射位置に光を照射することと、
    少なくとも前記第1の受光位置での受光結果を用いて、血液の成分を測定することと、
    を含む血液成分測定方法。
  2. 前記判定することは、照射位置と受光位置とが前記対象血管を挟む位置となる条件を前記第1の相対位置条件として前記第1の照射位置と前記第1の受光位置とを判定することである、
    請求項1に記載の血液成分測定方法。
  3. 前記判定することは、前記皮膚面において前記対象血管上に照射位置と受光位置とが位置する条件を前記第1の相対位置条件として前記第1の照射位置と前記第1の受光位置とを判定することである、
    請求項1に記載の血液成分測定方法。
  4. 前記照射することは、前記第1の照射位置がN個(N≧2)ある場合に、当該N個のうち、M個(N≧M≧2)の第1の照射位置に光を照射することを含む、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の血液成分測定方法。
  5. 前記判定することは、前記皮膚面に向けて配置されたデバイスであって、平面状に配列された複数の照射部を有する発光層と、平面状に配列された複数の受光素子を有する受光層とが積層もしくは並置されたデバイスの前記複数の照射部の中から、前記第1の相対位置条件を満たす前記第1の照射位置に対応する照射部を選択することを含み、
    前記照射することは、前記選択された照射部を発光させることを含み、
    前記測定することは、前記受光層での受光結果を用いて、前記血液の成分を測定することを含む、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の血液成分測定方法。
  6. 前記皮膚面において前記第1の照射位置との間に前記対象血管が位置しない第2の相対位置条件を満たす第2の受光位置を判定することを更に含み、
    前記測定することは、前記第2の受光位置での受光結果を参照して前記血液の成分を測定することを含む、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の血液成分測定方法。
  7. 前記皮膚面において前記第1の受光位置との間に前記対象血管が位置しない第3の相対位置条件を満たす第2の照射位置を判定することと、
    前記第1の照射位置への光の照射とは異なるタイミングで前記第2の照射位置に光を照射することと、
    を更に含み、
    前記測定することは、前記第1の照射位置に光を照射した際の受光結果と、前記第2の照射位置に光を照射した際の受光結果とに基づいて前記血液の成分を測定することを含む、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の血液成分測定方法。
  8. 皮膚面から見た対象血管の位置に基づいて、当該皮膚面における光の照射位置と当該皮膚面における受光位置との間の所与の位置を前記対象血管が通る第1の相対位置条件を満たす第1の照射位置と第1の受光位置とを判定する位置判定部と、
    前記第1の照射位置に光を照射する制御を行う照射制御部と、
    少なくとも前記第1の受光位置での受光結果を用いて、血液の成分を測定する測定部と、
    を備えた血液成分測定装置。
  9. 請求項8に記載の血液成分測定装置を具備する医療機器。

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