JP2014123919A - アンテナ特性チューニングシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】実装面積および部品点数の増加を伴うことなく、従来技術よりも簡単に妨害波の影響を軽減することができ、かつ、一般的な無線方式に採用可能にすること。
【解決手段】本発明のアンテナ特性チューニングシステム(1)は、第1アンテナ(10a)および第2アンテナ(10b)のいずれか一方を介して送信される送信波が、第1アンテナ(10a)および第2アンテナ(10b)のいずれか他方を介して受信される信号の受信周波数帯に妨害波を発生させる場合、受信側のアンテナのアンテナ特性調整手段が、受信周波数帯に発生する妨害波の周波数帯から離れる方向に受信側のアンテナのアンテナ特性の中心周波数をずらすように、アンテナ特性調整手段を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンテナ特性チューニングシステムに関する。
無線装置においては、例えば図5のような、2つの送受信回路200a,200bを備えたアンテナモジュールを用いて、2つの送受信回路で同時に送受信するシステムが検討・運用されている。送受信回路200aは、アンテナAを有し、アンテナAを介して送受信動作する。送受信回路200bは、アンテナBを有し、アンテナBを介して送受信動作する。これら送受信回路200a,200bには、異なる周波数帯域(バンド)が割り当てられる。
しかしながら、一方の送受信回路の送信波の高調波や相互変調波などの妨害波の帯域が、他方の送受信回路の受信帯域に重なる周波数帯域の組み合わせが存在する。この場合、他方の送受信回路の受信感度が著しく低下することとなる。図6に、その様子を示す。アンテナAが受信した受信波Rx(1)に、アンテナBが送信した送信波Tx(2)の高調波成分(斜線部分)が含まれてしまい、その高調波成分が妨害波となって受信波に干渉している。
そこで、従来、図5に示すように、各送受信回路200a,200bに、ノッチフィルタ、ローパスフィルタ、アイソレーターを備えさせることにより、受信波に干渉する高調波を減衰することにより干渉を軽減している。
また、その他にも、妨害波の影響を軽減するための技術が、例えば特許文献1〜3に開示されている。特許文献1は、受信回路に設けた非線形素子の前段に、送信回路から出力する高周波信号を遮断するフィルタを設け、該フィルタのカットオフ周波数を、受信回路によって復調した復調信号の品質または送信回路から出力する高周波信号の出力電力に応じて調整する構成を開示している。
特許文献2は、複数のサブキャリア信号からなる高周波通信信号を所定の通過帯域で帯域通過ろ波する周波数可変フィルタ帯域通過の周波数を、高周波通信信号を復調するモデムの設定周波数情報に基づいて設定する構成を開示している。
特許文献3は、所要チャンネルを受信する通信用受信部とは別に、妨害波のチャンネルの受信レベルを検出する監視用受信部を設けて、所要チャンネルの受信レベルに占める相互変調波の受信レベルが閾値以下になるように、通信用受信部に設けた可変減衰器の減衰量を制御する構成を開示している。
特開2007−124528号公報(2007年5月17日公開) 特開2007−243662号公報(2007年9月20日公開) 特開2000−68870号公報(2000年3月3日公開)
しかしながら、ノッチフィルタ、ローパスフィルタ、アイソレーターを備えさせる構成では、部品点数が増加するため、実装面積および部品コストが増加するといった問題がある。特許文献3に記載された、通信用受信部とは別に監視用受信部を設ける構成も同様であり、実装面積および部品コストの増加は否めない。さらに、部品追加に伴い、回路の損失が増加するため、満足な特性が得られなくなる可能性もある。
また、特許文献1に記載の技術は、復調信号の品質または送信回路から出力する高周波信号の出力電力に応じてカットオフ周波数を調整するため、受信特性の監視が必要となり、処理も複雑になる。また、特許文献2に記載の技術は、複数のサブキャリア信号を用いるOFDMなどの特定の無線方式に限定され、一般的な無線方式には採用できない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、実装面積および部品点数の増加を伴うことなく、従来技術よりも簡単に妨害波の影響を軽減することができ、かつ、一般的な無線方式に採用可能なアンテナ特性チューニングシステムを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアンテナ特性チューニングシステムは、アンテナと、前記アンテナのアンテナ特性を受信周波数帯に併せて調整するアンテナ特性調整手段と、前記アンテナ特性調整手段が、受信周波数帯に応じて設定されるアンテナ特性の中心周波数を、受信周波数帯に発生する妨害波の周波数帯から離れる方向にずらすように、前記アンテナ特性調整手段を制御する調整制御手段とを有する。
本発明の一態様によれば、実装面積および部品点数の増加を伴うことなく、従来技術よりも簡単に妨害波の影響を軽減することができ、かつ、一般的な無線方式に採用可能にすることができるといった効果を奏する。
本発明の第1の実施形態におけるアンテナ特性チューニングシステムの一例を示す機能ブロック図である。 第1アンテナのアンテナ特性および周波数と減衰量の一例を示す図である。 アンテナ特性の中心周波数をずらす前後における第1アンテナのアンテナ特性と高調波の関係を示す図である。 第3調整テーブルの一例を示す図である。 従来の無線装置の一例を示す機能ブロック図である。 妨害波が受信周波数帯に干渉していることを示す図である。
図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態におけるアンテナ特性チューニングシステムの一例を示す機能ブロック図である。図1に示されるように、アンテナ特性チューニングシステム1は、第1送受信回路100aと、第2送受信回路100bと、これらを制御するCPU/モデム(調整制御手段)60と、CPU/モデム60によって実行されるプログラム等が記憶されたメモリ70とを備える。
第1,2送受信回路100a,100bそれぞれには、後述するように、異なる周波数帯域(バンド)が割り当てられ、同時に送信動作および受信動作が可能である。
第1送受信回路100aは、第1アンテナ10aと、第1チューナー(アンテナ特性調整手段)20aと、第1デュプレクサ30aと、第1高周波増幅回路(Power Amplifier:PA)40aと、第1トランシーバ50aとを含む。第2送受信回路100bは、第2アンテナ10bと、第2チューナー20bと、第2デュプレクサ30bと、第2高周波増幅回路(Power Amplifier:PA)40bと、第2トランシーバ50bとを含む。第2送受信回路100bは、第1送受信回路100aと機能および構成が同じであるので、ここでは第1送受信回路100aを例に説明する。なお、第1送受信回路100aが有する部材の名称に含まれる「第1」を「第2」に変更し、部材番号の後の記号「a」を「b」に変更したものが、第2送受信回路100bが有する部材に対応するものである。
第1トランシーバ50aは、複数の部品を介して第1アンテナ10aに接続され、第1アンテナ10aを介して基地局との間で信号を送受信する。具体的には、第1トランシーバ50aは、第1アンテナ10aにより受信された複数の受信波を第1デュプレクサ30aを介して第1アンテナ10aから入力される複数の受信信号からCPU/モデム60の指示に応じて特定の周波数の受信信号を取り出し、復調する。また、第1トランシーバ50aは、CPU/モデム60の指示に基づいて変調した信号を第1PA40aに出力し、第1PA40aは入力された信号を増幅して第1デュプレクサ30aを介して、第1アンテナ10aに出力し、第1アンテナ10aに送信信号を含む送信波を送信させる。
第1デュプレクサ30aは、所定の通過帯域の周波数成分を通過させるフィルタであり、例えば内部に2つのバンドパスフィルタを備える。具体的に、第1デュプレクサ30aは、第1チューナー20aから入力された受信信号を通過させ、第1トランシーバ50aに出力する。また、第1デュプレクサ30aは、第1PA40aによって増幅された送信信号を通過させ、第1チューナー20aに出力する。
第1トランシーバ50aは、CPU/モデム60によって制御され、送信に使用する周波数帯(以下、送信周波数帯)および受信に使用する周波数帯(以下、受信周波数帯)を、基地局によって指定された周波数帯にそれぞれ設定する。具体的には、端末が基地局に接続をする場合、第1トランシーバ50aは、CPU/モデム60からの指示に従ってメモリ70に予め記憶された周波数帯を設定し、この周波数帯にある基地局を検索する。基地局が見つかれば、その基地局の情報を読み取り、基地局に接続する。このとき、見つけた基地局が使用している周波数を第1トランシーバ50aに設定する。これ以降は、設定された周波数帯を利用して、第1送受信回路100aは基地局と通信する。また、通信状態等に応じて基地局から通信する基地局を変更する場合があるが、その場合は基地局の変更に応じて、第1トランシーバ50aの設定を変更して通信する。
CPU/モデム60は、送信周波数帯および受信周波数帯が決定されると、受信動作に備えて、アンテナ特性を制御する制御信号を第1チューナー20aに出力し、第1アンテナ10aのアンテナ特性を制御する。具体的には、第1チューナー20aを制御して、第1アンテナ10aにおけるアンテナ特性(受信)の中心周波数を、第2アンテナ10bの送信波によって第1アンテナ10aの受信周波数帯に発生する高調波(妨害波)の周波数帯に対して離す方向にずらす。
第1アンテナ10aにおけるアンテナ特性の中心周波数をずらす程度は、メモリ70に記憶されている第1調整テーブルに、例えば5段階レベルで関連付けている。CPU/モデム60は、第2送受信回路100bの送信周波数帯(第2アンテナ10bの送信波の周波数)に基づいて第1調整テーブルより最適な受信特性が得られるレベルを選択して指示し、第1チューナー20aが指示に応じて中心周波数をずらす。これにより、中心周波数から離れた位置に高調波の周波数帯が位置するようになる。
図2は、第1アンテナのアンテナ特性および周波数と減衰量の一例を示す図である。横軸は周波数を示し、縦軸は利得を示す。図2は、受信波の周波数帯f〜fにおける第1アンテナ10aのアンテナ特性を示す。ここで、第1アンテナ10aのアンテナ特性の中心周波数は、第1チューナー20aによって周波数fに設定されている。なお、周波数f〜f、f〜fは、周波数fから等間隔に離した周波数を示している。また、第1アンテナ10aのアンテナ特性において、減衰量は周波数fの近傍で少なく、周波数fから離れると急減に多くなる。ここでは、周波数fに対応する減衰量d、周波数f,fに対応する減衰量d、周波数f,fに対応する減衰量d、周波数f,fに対応する減衰量dとして示している。
図3(a),(b)は、アンテナ特性の中心周波数をずらす前後における第1アンテナのアンテナ特性と高調波の関係を示す図である。図3(a)が第1アンテナのアンテナ特性の中心周波数をずらす前のものに対応し、図3(b)が第1アンテナのアンテナ特性の中心周波数をずらした後のものに対応する。なお、図3(a)において、中心周波数をずらす前における第1アンテナ10aのアンテナ特性および周波数と減衰量の関係は、図2に示すものと同じである。
図3(a)では、第2アンテナ10bによって送信される送信波によって第1アンテナ10aの受信周波数帯f〜fのうち周波数帯f〜fに高調波が発生していることを示している。例えば、第2アンテナ10bによる送信波の周波数帯が709〜714(MHz)であり、第1アンテナ10aによる受信波の周波数帯が2135〜2155(MHz)(中心周波数:2145(MHz))である場合、送信波の3倍高調波の周波数帯2127〜2142(MHz)が受信波に干渉する。
一方、第1アンテナ10aのアンテナ特性の中心周波数を周波数fにずらすと、第1アンテナ10aのアンテナ特性は、図3(b)のようになる。具体的に、第2アンテナ10bによって送信される送信波の高調波成分が、ずらす前に比べて中心周波数から離れたので、ずらす前に比べて減衰量が多くなる(減衰量d,d)。これにより、送信波の高調波が受信波に対して干渉することを軽減することができる。
例えば、上述したように第2アンテナ10bによる送信波の周波数帯が709〜714(MHz)であり、第1アンテナ10aによる受信波の周波数帯が2135〜2155(MHz)である場合、2145(MHz)から受信波の周波数帯の上端(高調波と重なる側とは反対側の端)である2155(MHz)に中心周波数の設定を変更することで、送信波の高調波による受信波に対する干渉の軽減が可能である。
また、第1アンテナ10aのアンテナ特性の中心周波数が周波数fであるときは、高調波の周波数帯f〜fの減衰量d,dと少なく、高調波が受信信号に入り込みやすかった。また、受信波の周波数帯の上端fで減衰量dとやや多くなっている。
それに対して、第1アンテナ10aのアンテナ特性の中心周波数が周波数fであるときは、高調波の周波数帯f〜fの減衰量d,dと多く、高調波が受信信号に入り込むことを防ぐことができる。また、受信波の周波数帯の上端fで減衰量dと少なくできる。したがって、受信波において高調波の周波数帯と一致する帯域の減衰量を増加させ、高調波の周波数帯に近い帯域ほど減衰量を多く、高調波の周波数帯から離れている帯域ほど少なくすることで、受信周波数帯全体の受信感度を向上させることができる。
第1アンテナ10aのアンテナ特性は、中心周波数の近傍で減衰量が少なく、離れた位置では急激に減衰量が多くなる。中心周波数をずらすことで、第1アンテナ10aの受信周波数帯に生じた高調波は、その周波数帯が中心周波数から離れた位置に位置するため、中心周波数をずらす前に比べて減衰量が多くなる。したがって、第1アンテナ10aのアンテナ特性の中心周波数を、高調波の周波数帯に対して離れる方向にずらすことにより、高調波による受信波に対する干渉を少なくすることができる。
また、第1アンテナ10aのアンテナ特性は、第1アンテナ10aの受信波周波数帯において、高調波の周波数帯に近いほど減衰量が多く、高調波の周波数帯から離れるほど減衰量が少なくなっている。すなわち、受信周波数帯において、高調波の周波数帯に近い帯域は、高調波の影響を大きく受け、高調波の周波数帯から遠い帯域は、高調波の影響を受けにくいので、高調波の周波数帯に近い帯域の減衰量を多くし、高調波の周波数帯から遠い帯域の減衰量を少なくすることで、第1アンテナ10aの受信周波数帯において高調波の周波数帯以外の帯域の受信感度を向上させることができる。
以上のように、第1アンテナ10aのアンテナ特性の中心周波数を、高調波の周波数帯に対して離れる方向にずらすことにより、受信波において妨害を受ける周波数帯の減衰量を増加させ、妨害を受けない周波数帯の減衰量を高調波の周波数帯に近いほど多く、高調波の周波数帯から離れるほど少なくすることができるので、第1アンテナ10aの受信周波数帯域全体の受信感度を改善することができる。
したがって、第1アンテナ10aのアンテナ特性の中心周波数を、高調波の周波数帯に対して離れる方向にずらすことで、受信帯域全体の受信感度を改善することができるので、従来とは異なりノッチフィルタ、ローパスフィルタおよびアイソレーターなどのような妨害波を軽減するための回路を設ける必要がなくなる。これにより、コストを軽減することができる。
なお、上記の説明では、第2送受信回路100bの送信波の周波数帯に基づいて、第1送受信回路100aの第1アンテナ10aのアンテナ特性をずらす場合のみを説明したが、当然、第1送受信回路100aの送信波の周波数帯に基づいて、第2送受信回路100bの第2アンテナ10bのアンテナ特性をずらすことも実施される。
〔変形例〕
変形例において、アンテナ特性チューニングシステム1は、メモリ70に記憶された第2調整テーブルに基づいて、第1アンテナ10aのアンテナ特性(受信)を調整する構成である。
第2調整テーブルは、第1アンテナ10aのアンテナ特性(受信)の中心周波数との差x(MHz)と、減衰量y(dB)とを関連付けている。第1チューナー20aは、特定の減衰量となる周波数をカットオフ周波数として、アンテナ特性の中心周波数を特定する。特定の減衰量は、第1アンテナ10aの受信周波数帯に発生している高調波を減衰させるのに十分な値であればよく、その値は信号強度とノイズの強度によって変わる。そして、その減衰量に関連付けられた周波数と高調波の周波数帯、ここでは高調波の周波数帯のうち受信波の周波数帯に近い側の周波数とに基づいて算出された周波数を第1アンテナ10aのアンテナ特性の中心周波数として設定する。
例えば、第2調整テーブルは、中心周波数から5(MHz)離れると、d(dB)特性が劣化するレコードを含んでいるとした場合において、高調波の周波数帯のうち受信波の周波数帯に近い側の周波数、ここでは減衰量d(dB)となる2142(MHz)がカットオフ周波数と定められる。これにより、第1アンテナ10aのアンテナ特性の中心周波数を2145(MHz)から2147(MHz)に設定を変更することができる。
なお、カットオフ周波数は、そのときのノイズの強度、アンテナ特性によって変わる。そのため、想定されるノイズの強度を十分に無効にできる減衰量が得られるアンテナ特性が減衰した点(中心周波数との差)を求め、その点をカットオフ周波数とする。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態において、アンテナ特性チューニングシステム1は、メモリ70に記憶された第3調整テーブルに基づいて、第1アンテナ10aのアンテナ特性(受信)を調整する構成である。
第3調整テーブルは、第2アンテナ10bによる送信波の異なる複数の周波数それぞれについて、第1アンテナ10aのアンテナ特性が最大となる周波数を関連付ける。具体的に、メモリ70は、図4に示すような第3調整テーブルを記憶する。第3調整テーブルは、第2アンテナ10bを備える第2送受信回路100bに割り当てられた複数の送信チャネル毎に、第1送受信回路100aに割り当てられた受信チャネルの各中心周波数を最適な量ずらした受信アンテナ特性設定値を関連付けている。これにより、CPU/モデム60は、第2送受信回路100bによる送信動作時の送信周波数に応じて、その周波数に関連付けられた周波数を第1送受信回路100aのアンテナ特性の中心周波数に設定する。
なお、上述の実施形態においては、第2送受信回路100bの送信波によって第1送受信回路100aの受信周波数帯に発生させる妨害波から離れる方向に、第1送受信回路100aが有する第1アンテナ10aの受信時のアンテナ特性の中心周波数をずらすものであったが、これに限定するものではない。第1送受信回路100aの受信周波数帯に発生する妨害波の周波数帯が、第1送受信回路100aの受信周波数帯の端に近づく方向に、第2送受信回路100bが有する第2アンテナ10bの送信時のアンテナ特性の中心周波数をずらすようにしてもよい。
〔まとめ〕
本発明の一態様に係るアンテナ特性チューニングシステム1は、第1アンテナ10aおよび第2アンテナ10bと、前記第1アンテナ10aのアンテナ特性を受信周波数帯および送信周波数帯に合わせて調整する第1アンテナ特性調整手段(第1チューナー20a)と、前記第2アンテナ10bのアンテナ特性を受信周波数帯および送信周波数帯に合わせて調整する第2アンテナ特性調整手段(第2チューナー20b)と、前記第1アンテナ10aおよび前記第2アンテナ10bのいずれか一方を介して送信される送信波が、前記第1アンテナ10aおよび前記第2アンテナ10bのいずれか他方を介して受信される信号の受信周波数帯に妨害波を発生させる場合、受信側のアンテナのアンテナ特性調整手段が、受信周波数帯に発生する妨害波の周波数帯から離れる方向に受信側のアンテナのアンテナ特性の中心周波数をずらすように、前記アンテナ特性調整手段を制御する前記調整制御手段(CPU/モデム60)とを備える。
上記の構成によれば、受信周波数帯に生じた妨害波は、その周波数帯が中心周波数から離れた位置に位置するため、中心周波数をずらす前に比べて減衰量が多くなる。したがって、受信側のアンテナ特性の中心周波数を、妨害波の周波数帯に対して離れる方向にずらすことにより、妨害波による受信波に対する干渉を少なくすることができる。
また、受信周波数帯において、妨害波の周波数帯に近い帯域は、妨害波の影響を大きく受け、妨害波の周波数帯から遠い帯域は、妨害波の影響を受けにくいので、妨害波の周波数帯に近い帯域の減衰量が多く、妨害波の周波数帯から遠い帯域の減衰量が少なくなることで、受信周波数帯において妨害波の周波数帯以外の帯域の受信感度を向上させることができる。したがって、受信周波数帯域全体の受信感度を改善することができる。
さらに、アンテナ特性の中心周波数を、妨害波の周波数帯に対して離れる方向にずらすことで、受信周波数帯域全体の受信感度を改善することができるので、従来とは異なりノッチフィルタ、ローパスフィルタおよびアイソレーターなどのような妨害波を軽減するための回路を設ける必要がなくなる。これにより、コストを軽減することができる。
したがって、実装面積および部品点数の増加を伴うことなく、従来技術よりも簡単に妨害波の影響を軽減することができ、かつ、一般的な無線方式に採用可能なアンテナ特性チューニングシステム1を提供することができる。
例えば、本発明の一態様に係るアンテナ特性チューニングシステム1において、前記調整制御手段は、前記第1,第2の各アンテナ特性調整手段それぞれの調整に基づく第1,第2の各アンテナ10a,10bそれぞれの特性である中心周波数からの差と利得の減衰量とを関連付けた調整テーブルA(第2調整テーブル)に基づいて、受信周波数帯に発生する妨害波を減衰させるのに十分な減衰量に関連付けられた中心周波数からの差を特定し、該特定された差と妨害波の周波数帯とに基づいて算出された周波数を、前記受信側のアンテナのアンテナ特性の中心周波数として設定する。
上記の構成によれば、妨害波の減衰量を特定の値に決めることで、中心周波数を容易に算出することができる。
本発明の一態様に係るアンテナ特性チューニングシステム1において、前記調整制御手段は、一方のアンテナを介して送信される周波数帯の異なる各送信波それぞれについて、他方のアンテナが受信する信号の周波数帯の受信特性が最大となるときのアンテナ特性の中心周波数とを関連付けた調整テーブルB(第3調整テーブル)に基づいて、前記受信側のアンテナのアンテナ特性の中心周波数として設定する。
上記の構成によれば、送信波の周波数に対応する最適な中心周波数が予め定められているので、中心周波数の設定が容易である。
また、本発明の一態様に係るアンテナ特性チューニングシステムにおいて、第1アンテナ10aおよび第2アンテナ10bと、前記第1アンテナ10aのアンテナ特性を受信周波数帯および送信周波数帯に合わせて調整する第1アンテナ特性調整手段(第1チューナー20a)と、前記第2アンテナ10bのアンテナ特性を受信周波数帯および送信周波数帯に合わせて調整する第2アンテナ特性調整手段(第2チューナー20b)と、前記第1アンテナ10aおよび前記第2アンテナ10bのいずれか一方を介して送信される送信波が、前記第1アンテナ10aおよび前記第2アンテナ10bのいずれか他方を介して受信される信号の受信周波数帯に妨害波を発生させる場合、送信側のアンテナのアンテナ特性調整手段が、受信周波数帯に発生する妨害波の周波数帯から離れる方向に送信側のアンテナのアンテナ特性の中心周波数をずらすように、前記アンテナ特性調整手段を制御する調整制御手段(CPU/モデム60)とを備える。
上記の構成によれば、実装面積および部品点数の増加を伴うことなく、従来技術よりも簡単に妨害波の影響を軽減することができ、かつ、一般的な無線方式に採用可能なアンテナ特性チューニングシステム1を提供することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、アンテナ特性チューニングシステム1の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよい。
アンテナ特性チューニングシステム1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPUとともに、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるアンテナ特性チューニングシステム1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記アンテナ特性チューニングシステム1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
〔第3の実施形態:ソフトウェアによる実現例〕
上記記録媒体としては、一時的でない有形の媒体(non-transitory tangible medium)、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、アンテナ特性チューニングシステム1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
1 アンテナ特性チューニングシステム
10a 第1アンテナ
10b 第2アンテナ
20a 第1チューナー(第1アンテナ特性調整手段)
20b 第2チューナー(第2アンテナ特性調整手段)
30a 第1デュプレクサ
30b 第2デュプレクサ
40a 第1高周波増幅回路
40b 第2高周波増幅回路
50a 第1トランシーバ
50b 第2トランシーバ
60 CPU/モデム(調整制御手段)
70 メモリ
100a 第1送受信回路
100b 第2送受信回路

Claims (4)

  1. 第1アンテナおよび第2アンテナと、
    前記第1アンテナのアンテナ特性を受信周波数帯および送信周波数帯に合わせて調整する第1アンテナ特性調整手段と、
    前記第2アンテナのアンテナ特性を受信周波数帯および送信周波数帯に合わせて調整する第2アンテナ特性調整手段と、
    前記第1アンテナおよび前記第2アンテナのいずれか一方を介して送信される送信波が、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナのいずれか他方を介して受信される信号の受信周波数帯に妨害波を発生させる場合、受信側のアンテナのアンテナ特性調整手段が、受信周波数帯に発生する妨害波の周波数帯から離れる方向に受信側のアンテナのアンテナ特性の中心周波数をずらすように、前記アンテナ特性調整手段を制御する前記調整制御手段とを備えることを特徴とする、アンテナ特性チューニングシステム。
  2. 前記調整制御手段は、前記第1,第2の各アンテナ特性調整手段それぞれの調整に基づく第1,第2の各アンテナそれぞれの特性である中心周波数からの差と利得の減衰量とを関連付けた調整テーブルAに基づいて、受信周波数帯に発生する妨害波を減衰させるのに十分な減衰量に関連付けられた中心周波数からの差を特定し、該特定された差と妨害波の周波数帯とに基づいて算出された周波数を、前記受信側のアンテナのアンテナ特性の中心周波数として設定することを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ特性チューニングシステム。
  3. 前記調整制御手段は、一方のアンテナを介して送信される周波数帯の異なる各送信波それぞれについて、他方のアンテナが受信する信号の周波数帯の受信特性が最大となるときのアンテナ特性の中心周波数とを関連付けた調整テーブルBに基づいて、前記受信側のアンテナのアンテナ特性の中心周波数として設定することを特徴とする、請求項1に記載のアンテナ特性チューニングシステム。
  4. 第1アンテナおよび第2アンテナと、
    前記第1アンテナのアンテナ特性を受信周波数帯および送信周波数帯に合わせて調整する第1アンテナ特性調整手段と、
    前記第2アンテナのアンテナ特性を受信周波数帯および送信周波数帯に合わせて調整する第2アンテナ特性調整手段と、
    前記第1アンテナおよび前記第2アンテナのいずれか一方を介して送信される送信波が、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナのいずれか他方を介して受信される信号の受信周波数帯に妨害波を発生させる場合、送信側のアンテナのアンテナ特性調整手段が、受信周波数帯に発生する妨害波の周波数帯から離れる方向に送信側のアンテナのアンテナ特性の中心周波数をずらすように、前記アンテナ特性調整手段を制御する調整制御手段とを備えることを特徴とする、アンテナ特性チューニングシステム。
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