JP2014123885A - 電波伝搬特性推定装置、電波伝搬特性推定方法およびコンピュータプログラム - Google Patents
電波伝搬特性推定装置、電波伝搬特性推定方法およびコンピュータプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】推定された屋内または屋外評価点の無線品質推定値を屋内または屋外評価点と類似性が高い測定点の無線品質実測値を用いて高精度に補正可能にすること。
【解決手段】入射角算出部15は、測定点、屋内または屋外評価点に対応する着目点と遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線がなす垂直角度、着目点と遮蔽建物の両端エッジにおける端面延長線がなす水平角度を算出する。クラスタリング部16は、屋上延長線からの垂直角度および両端延長線からの水平角度に従って無線品質推定対象空間をクラスタ分割するとともに、測定点および屋内または屋外評価点がどのクラスタ内であるかのクラスタ分類を行う。クラスタ別誤差補正値算出部17は、無線品質実測値とその推定値の誤差から評価点無線品質推定値の補正値をクラスタごとに算出し、クラスタ別評価点推定値補正部18は、評価点の無線品質推定値を補正する。
【選択図】図1
【解決手段】入射角算出部15は、測定点、屋内または屋外評価点に対応する着目点と遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線がなす垂直角度、着目点と遮蔽建物の両端エッジにおける端面延長線がなす水平角度を算出する。クラスタリング部16は、屋上延長線からの垂直角度および両端延長線からの水平角度に従って無線品質推定対象空間をクラスタ分割するとともに、測定点および屋内または屋外評価点がどのクラスタ内であるかのクラスタ分類を行う。クラスタ別誤差補正値算出部17は、無線品質実測値とその推定値の誤差から評価点無線品質推定値の補正値をクラスタごとに算出し、クラスタ別評価点推定値補正部18は、評価点の無線品質推定値を補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電波伝搬特性推定装置、電波伝搬特性推定方法およびコンピュータプログラムに関し、特に、放送、携帯電話システム、その他の無線通信システムでの屋内や屋外での無線品質を高精度に推定できる電波伝搬特性推定装置、電波伝搬特性推定方法およびコンピュータプログラムに関する。
通信エリアの設計は、無線通信サービスの展開において効率的な送信局配置を実現するために必要不可欠な工程であり、そのために電波伝搬推定技術を用いた無線品質推定が行われる。
例えば、携帯電話システムにおける通信エリアの設計では、通信エリア内の各位置での無線品質を推定し、携帯電話がどの位置に移動しても通信が切断することのないように対策を講じる。特に、都市部エリアでは高層ビルなどの影響により電波強度が複雑に変化し、無線品質の劣化が生じやすい。通信エリアの設計では、無線基地局を新規に設置する位置や無線基地局が送信する際の電波強度などのパラメータをチューニングし、電波伝搬推定モデルを利用してシミュレーションを行う。
非特許文献1には、一般的な電波伝搬推定モデルとして、莫大な実測データに基づき推定式を算出した奥村-秦モデル、建物高や道路幅など都市部の環境を考慮した坂上モデル、同様に都市部環境を考慮して建物による回折や反射を理論的に解析して数式化したWalfischモデルや池上モデルが記載されている。
特許文献1には、電波伝搬推定モデルを利用した無線品質の推定では少なからず誤差が生じてしまうという問題を解決するため、適当な地点における実測値を用いて最小二乗誤差法により誤差が最も小さくなるように最適な推定式係数を決定して無線品質の推定精度を高めることが提案されている。
特許文献2、3には、送信点と実測点との距離や水平角度をパラメータとしてクラスタリングを行い、同じクラスタ内の評価点について補正を行うことで類似性の高い伝搬環境の無線品質の推定値を補正する手法が提案されている。
特許文献4では、評価点と測定点の類似性をパラメータ化した信頼度に基づいて無線品質推定におけるクラスタリングの精度を高める手法が提案されている。
細矢良雄他著、「電波伝搬ハンドブック」、リアライズ理工センター、1994年
非特許文献1記載の電波伝搬推定モデルは、一部環境での実測結果や光学近似による理論的解析により構築されたモデルであり、実際の電波伝搬環境では、建物やその形状、地形の影響により誤差が生じるという課題がある。
特許文献1で提案されている手法では、実測値を用いて電波伝搬特性の推定値を補正し、特許文献2,3で提案されている手法では、実測値を用いて類似性の高い伝搬環境の推定値を補正し、特許文献4で提案されている手法では、実測値を用いて測定点と類似性の信頼度が高い評価点の推定値を補正する。
しかしながら、屋内や屋内エリアの電波伝搬特性の推定値を補正する場合、上記手法では類似性の低いクラスタが発生する可能性がある。特に、周辺の遮蔽建物からの回折波が支配的な環境では、遮蔽建物による回折の角度によって電波減衰量が異なるため、遮蔽建物エッジにおける電波進行方向の水平角度や距離、さらに垂直角度によっても電界強度が大きく異なる。また、屋内エリアでは屋外から屋内への電波浸透の影響もある。
特許文献2、3で提案されている手法では、クラスタリングに送信点と実測点との距離と水平角度を考慮するだけである。これらの手法では、周辺建物による遮蔽、評価点や実測点の高さあるいは建物内の位置(階数)の違いが考慮されていないので、類似性が低い実測点の無線品質実測値によって評価点の無線品質推定値が補正される結果、評価点の無線品質推定値の補正が高精度に行われないという課題がある。
本発明の目的は、上記課題を解決し、屋内または屋外評価点と測定点を高い類似性でクラスタ分類でき、電波伝搬特性推定技術によって推定された屋内または屋外評価点の無線品質推定値を、屋内または屋外評価点と類似性が高い測定点の無線品質実測値を用いて高精度に補正できる電波伝搬特性推定装置、電波伝搬特性推定方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る電波伝搬特性推定装置は、電波伝搬推定手法を用いて屋内または屋外評価点の無線品質推定値を評価点無線品質推定値として算出する評価点無線品質推定値算出手段と、1もしくは複数の測定点の無線品質実測値と電波伝搬推定手法を用いて算出した測定点の無線品質推定値の誤差を測定点無線品質誤差として算出する測定点無線品質誤差算出手段と、送信点と測定点、屋内または屋外評価点を結ぶ線分上に遮蔽建物が有るか否かにより送信点から測定点、屋内または屋外評価点が見通し外であるか否かを判定する見通し判定手段と、前記見通し判定手段により見通し外と判定された測定点、屋内または屋外評価点に対応する着目点と遮蔽建物の屋上エッジがなす垂直角度を算出する垂直角度算出手段と、前記着目点と遮蔽建物の両端エッジがなす水平角度を算出する水平角度算出手段と、測定点および屋内または屋外評価点を含む無線品質推定対象空間を、遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線からの垂直角度および遮蔽建物の両端エッジにおける両端延長線からの水平角度に従ってクラスタ分割するとともに、前記垂直角度算出手段により算出された垂直角度と前記水平角度算出手段により算出された水平角度を基に測定点および屋内または屋外評価点がどのクラスタ内であるかのクラスタ分類を行うクラスタリング手段と、前記クラスタリング手段により分割されたクラスタごとに、前記評価点無線品質推定値算出手段により算出された評価点無線品質推定値と前記測定点無線品質誤差算出手段により算出された測定点無線品質誤差を用いて、前記評価点無線品質推定値算出手段により算出された評価点無線品質推定値を補正する無線品質推定値補正手段を備えたことを第1の特徴としている。
また、本発明に係る電波伝搬特性推定装置は、前記クラスタリング手段が、垂直角度幅および水平角度幅の刻みを変化させてクラスタの垂直方向幅および水平方向幅を変化させ、評価点が存在するクラスタに測定点が少なくとも1つ存在するクラスタ分割を採用し、そのクラスタ分割を用いて測定点および屋内または屋外評価点のクラスタ分類を行うことを第2の特徴としている。
また、本発明に係る電波伝搬特性推定装置は、前記クラスタリング手段が、前記水平角度算出手段が算出した2つの水平角度のうちの小さい方を採用し、また、その端側エッジ側からのクラスタ分割を用いて測定点および屋内または屋外評価点のクラスタ分類を行うことを第3の特徴としている。
また、本発明に係る電波伝搬特性推定装置は、前記無線品質推定値補正手段が、評価点無線品質推定値を補正するために、クラスタ内の測定点無線品質誤差の平均値を用いることを第4の特徴としている。
また、本発明に係る電波伝搬特性推定装置は、前記無線品質推定値補正手段が、評価点無線品質推定値を補正するために、クラスタ内の測定点無線品質誤差の中央値を用いることを第5の特徴としている。
さらに、本発明に係る電波伝搬特性推定装置は、電波伝搬推定手法を用いて屋内評価点の無線品質推定値を評価点無線品質推定値として算出する評価点無線品質推定値算出手段と、1もしくは複数の屋内測定点の無線品質実測値と電波伝搬推定手法を用いて算出した屋内測定点の無線品質推定値の誤差を測定点無線品質誤差として算出する測定点無線品質誤差算出手段と、送信点と屋内測定点、屋内評価点を結ぶ線分上に遮蔽建物が有るか否かにより送信点から屋内測定点、屋内評価点が見通し外であるか否かを判定する見通し判定手段と、前記見通し判定手段により見通し外と判定された屋内測定点、屋内評価点に対応する屋外着目点と遮蔽建物の両端エッジがなす水平角度を算出する水平角度算出手段と、屋内測定点および屋内評価点を含む無線品質推定対象空間を、屋内評価点および屋内測定点を含む建物の各フロアの空間高および遮蔽建物の両端エッジにおける両端延長線からの水平角度に従ってクラスタ分割するとともに、屋内測定点位置、屋内評価点位置、屋内評価点および屋内測定点を含む建物の各フロアの空間高、および前記水平角度算出手段により算出された水平角度に従って屋内測定点および屋内評価点がどのクラスタ内であるかのクラスタ分類を行うクラスタリング手段と、前記クラスタリング手段により分割されたクラスタごとに、前記評価点無線品質推定値算出手段により算出された評価点無線品質推定値と前記測定点無線品質誤差算出手段により算出された測定点無線品質誤差を用いて、前記評価点無線品質推定値算出手段により算出された評価点無線品質推定値を補正する無線品質推定値補正手段を備えたことを第6の特徴としている。
なお、本発明は、電波伝搬特性推定装置としてだけでなく、電波伝搬特性推定方法、コンピュータコンピュータを電波伝搬特性推定装置として機能させるためのプログラムとしても実現できる。
本発明では、測定点および屋内または屋外評価点を、遮蔽建物を考慮して垂直方向を含む3次元クラスタに分類し、電波伝搬特性推定手法によって推定された屋内または屋外評価点の無線品質推定値を、屋内または屋外評価点と類似性の高い測定点の無線品質実測値を用いて補正するので、測定点および屋内または屋外評価点が周辺建物で遮蔽されて見通し外であっても、屋内または屋外評価点の無線品質推定値を高精度に補正でき、実環境に合った屋内または屋外評価点の無線品質推定値を決定することができる。
以下、図面を参照して本発明を説明する。本発明は、電波伝搬推定モデルで推定された屋内または屋外評価点の無線品質推定値と測定点の無線品質実測値、さらに屋内または屋外評価点および測定点に対応する着目点の無線品質推定値を用いて屋内または屋外評価点での無線品質を推定するものであるが、以下では、評価点、測定点が屋内にあるとし、着目点が屋外にあるとして説明し、それらを単に評価点、測定点、着目点と称することとする。
図1は、本発明に係る電波伝搬特性推定装置の実施形態を示すブロックである。本実施形態の電波伝搬特性推定装置は、測定点位置・無線品質(実測値)取得部11、測定点無線品質実測値・推定値誤差算出部12、評価点位置入力部13、評価点推定値算出部14、入射角算出部15、クラスタリング部16、クラスタ別誤差補正値算出部17、クラスタ別評価点推定値補正部18およびデータベース19を備える。なお、各部11〜18は、プロセッサのハードウエアとしてもソフトウエアとしても実現できる。
データベース19は、複数の電波伝搬推定手法(電波伝搬推定モデル)19-1、送信点位置情報19-2および無線品質推定対象エリアの建物情報19-3を予め保存しており、さらに後述する測定情報19-4を保存する。電波伝搬推定手法19-1は、自由空間損失やWalfisch-Ikegamiモデルなどによる推定、幾何光学近似により電波放射を模擬して無線品質を計算するレイトレーシングによる推定も含む。
測定点位置・無線品質(実測値)取得部11は、1つもしくは複数の屋内位置を測定点としてその3次元位置および測定点の無線品質実測値を取得する。無線品質は、伝搬損失や受信レベルなど、無線品質を表す情報であればどのようなものでも構わない。
測定点無線品質実測値・推定値誤差算出部12は、測定点の無線品質実測値と測定点と同位置の無線品質推定値の誤差を、測定点無線品質誤差として算出する。この測定点無線品質誤差は、電波伝搬推定手法19-1の内の1つを用いて測定点に対応する着目点の無線品質推定値を求め、これにより求められた無線品質推定値に着目点から測定点に至るまでの屋内伝搬損失を加算して測定点と同位置の無線品質推定値を求め、この無線品質推定値と無線品質実測値の差分を求めることにより得ることができる。なお、測定点に対応する着目点は、電波到来側にあって測定点と同じ高さの壁外位置である。これは評価点に対応する着目点でも同様である。この測定点無線品質誤差は、データベース19に測定情報19-4として保存される。
なお、測定点無線品質実測値・推定値誤差算出部12が着目点の無線品質推定値を求める際に用いる電波伝搬推定手法としては、測定点に対応する着目点の無線品質を最適に推定できる電波伝搬推定手法を選択し、その選択に際しては周波数帯域、送受信間距離、送信高、受信高などが考慮される。なお、受信高は、建物のフロアでもよい。また、電波伝搬推定手法の選択やそれを用いた無線品質推定で必要となる建物情報や送信点位置情報などは、データベース19に予め保存しておき、それを用いる。
評価点位置情報入力部13は、電波伝搬特性推定の対象となる屋内評価点の3次元位置を評価点推定値算出部14に入力する。ここで複数の評価点の位置を入力して評価対象エリアを形成することができる。
評価点推定値算出部14は、評価点の無線品質推定値を算出する。これは、電波伝搬推定手法19-1の内の1つを用いて評価点に対応する着目点の無線品質推定値を求め、これにより求められた無線品質推定値に着目点から評価点に至るまでの屋内伝搬損失を加算することで実現できる。ここで用いる電波伝搬推定手法も、測定点での電波伝搬推定手法の選択と同様に選択される。また、ここで推定する無線品質は、測定値・位置情報取得部11により取得される測定値に合わせて伝搬損失や受信レベルなどとする。
入射角算出部15は、測定点位置・無線品質(実測値)取得部11から入力される測定点位置とデータベース19の建物情報19-3を用い、測定点に対応する着目点おける電波到来の入射角を算出する。着目点位置は、測定点位置および測定点と着目点の位置関係から求めることができる。入射角算出部15により算出された入射角は、測定点位置・無線品質(実測値)取得部11からの測定点位置および測定点無線品質実測値・推定値誤差算出部12からの測定点無線品質誤差に付加されて測定情報19-4としてデータベース19に保存される。これにより、データベース19には、各測定点について(測定点位置, 測定点無線品質誤差, 入射角(垂直方向, 水平方向))が測定情報19-4として保存される。また、入射角算出部15は、評価点に対応する着目点における電波到来の入射角も算出する。これにより算出された入射角は、クラスタタリング部16に入力される。
クラスタリング部16は、測定点および評価点を含む無線品質推定空間を、遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線からの垂直方向の角度および遮蔽建物の両端エッジにおける両端延長線からの水平方向の角度に従って3次元クラスタに分割するとともに、入射角算出部15により算出された入射角を基に屋内測定点および屋内評価点がどのクラスタ内であるかのクラスタ分類を行う。
クラスタ別誤差補正値算出部17は、各クラスタに含まれる測定点の測定点無線品質誤差からクラスタ別誤差補正値を算出する。
クラスタ別評価点推定値補正部18は、各クラスタの評価点の推定値に、クラスタ別誤差補正値算出部17で算出されたクラスタ別誤差補正値を適用して評価点の無線品質推定値を決定する。
図2は、測定点位置・無線品質(実測値)取得部11により取得された測定点位置および無線品質(実測値)に対する処理の一例を示すフローチャートである。
この処理では、まず、任意の屋内位置を測定点として測定点位置および無線品質(実測値)を測定・収集する(S21)。次に、測定点と同位置の無線品質を、電波伝搬推定手法を用いて推定する(S22)。これは、上述したように、電波伝搬推定手法を用いて測定点に対応する着目点の無線品質推定値を求め、これにより求められた無線品質推定値に、着目点から測定点に至るまでの屋内伝搬損失を加算することで実現できる。
次に、S21で測定・収集された測定点無線品質実測値とS22で推定された測定点無線品質推定値の誤差を測定点ごとに算出し(S23)、さらに、測定点位置および建物情報19-3を用いて、測定点に対応する着目点おける電波到来の入射角を算出する(S24)。そして、S24で算出された入射角を測定点位置および無線品質誤差に付加し(S25)、測定情報19-4としてデータベース19に保存する(S26)。
図3は、S24において、測定点について算出する電波到来入射角の説明図である。図3に示すように、電波到来方向に位置する建物(遮蔽建物)により測定点が見通し外であり、遮蔽建物により回折されて測定点に電波が到来する場合、測定点についての電波到来の入射角は、測定点に対応する着目点への電波到来の入射角として算出する。すなわち、測定点についての電波到来の入射角は、測定点に対応する着目点と遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線がなす垂直方向の角度、測定点に対応する着目点と遮蔽建物の両端エッジにおける両端延長線がなす水平方向の角度である。これらの入射角度は、測定点位置および建物情報19-3を基に算出できる。
例えば、垂直方向の入射角は、図3(a)の側面図に示すように、θ1として算出され、水平方向の入射角は、図3(b)の上面図に示すように、θ2とθ2′として算出される。なお、垂直方向の入射角は、θ1の1つだけであるのでそのままデータベース18に保存するが、水平方向の入射角は、θ2、θ2′の2つの内、小さい方の角度だけをデータベース18に保存すればよい。これは、後述するように、評価点の無線品質推定で小さい方の入射角を利用することとしているからである。
図4は、本発明の第1実施形態における評価点無線品質推定値決定処理を示すフローチャートである。各評価点に対してこのフローチャートに従う処理が実行される。
まず、評価点を決定する(S41)。評価点は、屋内エリア内の位置であり、評価点位置入力部12から入力される。次に、評価点無線品質を推定する(S42)。評価点無線品質は、送信点位置情報19-2、建物情報19-3、評価点位置を基に、評価点に対応する着目点の無線品質を推定するのに最適な電波伝搬推定手法を選択し、それを用いて着目点の無線品質を推定し、さらに屋内伝搬損失を考慮することで推定できる。ここで推定された評価点無線品質は、後の処理で用いるので保存しておく。
次に、評価点が見通し内であるか、すなわち送信点位置から評価点が見通せるかを判定する(S43)。評価点が見通し内であるかどうかは、評価点位置、送信点位置19-2および建物情報19-3を基に判定できる。
図5は、見通し内/見通し外の評価点の説明図である。図5(a)に示すように、評価点に対応する着目点と送信点を結ぶ線分上に建物(遮蔽建物)がない場合、評価点は見通し内と判定され、図5(b)に示すように、その線分を遮蔽する建物(遮蔽建物)がある場合、評価点は見通し外と判定される。
図4に戻って、S43で見通し内(Y)と判定された場合、評価点を見通し内クラスタにクラスタ分類し(S44)、見通し外(N)と判定された場合にはS45〜S54の処理により3次元クラスタを形成してから評価点および測定点がどのクラスタ内にあるかのクラスタ分類を行う。
S43で見通し外(N)と判定された場合、まず、評価点に対応する着目点における電波到来の垂直方向の入射角を算出して評価点に付加する(S45)。また、評価点に対応する着目点における電波到来の水平方向入射角を算出して評価点に付加する(S46)。
図6は、評価点について算出する電波到来の入射角の説明図である。評価点についての電波到来の入射角は、評価点に対応する着目点への電波到来の入射角として算出する。すなわち、評価点についての電波到来の入射角は、評価点に対応する着目点と遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線がなす垂直方向の角度、評価点に対応する着目点と遮蔽建物の両端エッジにおける両端延長線がなす水平方向の角度である。これらの入射角は、評価点位置および建物情報19-3を基に算出できる。
例えば、垂直方向の入射角は、図6(a)の側面図に示すように、評価点に対応する着目点と遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線(水平線)がなす角度θvとして算出され、水平方向の入射角は、図6(b)の上面図に示すように、評価点に対応する着目点と遮蔽建物の両端エッジにおける端面延長線がなす角度θh,θh′として算出される。なお、垂直方向の入射角は、θvの1つだけであるのでそのまま評価点に付加するが、水平方向の入射角は、θh,θh′の2つの内、小さい方の角度だけを評価点に付加すればよい。これは、後述するように、評価点の無線品質推定では小さい方の入射角を利用することとしているからである。
S47〜S51では、Δθ(v)、Δθ(h)およびΔd刻みで評価点と測定点を含む無線品質推定対象空間をクラスタ分割し、さらに、評価点および測定点を3次元クラスタに分類する。ここで、Δθ(v)は、クラスタ分割の垂直方向の角度刻み、Δθ(h)は、クラスタ分割の水平方向の角度刻み、Δdは、クラスタ分割の深さ方向の長さ刻みである。なお、Δdは、適宜の固定値、例えば数mなどに設定すればよい。また、評価点および測定点を含む建物の深さ方向幅が小さければ、Δdはその幅でよい。
電波は遮蔽建物の屋上エッジや両端エッジで回折され、回折の方向に応じた無線品質で到来するので、屋上エッジにおける垂直方向の角度刻み、両端エッジにおける水平方向の角度刻みでクラスタを形成することは、到来電波の品質に応じてクラスタ分割するという点から好ましい。
まず、Δθ(v)=1(度)、Δθ(h)=1(度)、Δd=A(設定値)に設定し(S47)、評価点と測定点を含む無線品質推定対象空間をΔθ(v)、Δθ(h)、Δd刻みに従ってクラスタに分割する(S48)。無線品質推定対象空間は、少なくとも評価点を含むエリアである。
図7は、Δθ(v)、Δθ(h)、Δd刻みのクラスタ分割の説明図である。図7(a)に示すように、遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線(水平線)からの垂直方向の一定角度Δθ(v)で刻み、その刻みによる着目点面での垂直方向幅をクラスタ垂直方向幅とし、また、図7(b)に示すように、遮蔽建物の両端エッジにおける端面延長線からの水平方向の一定角度Δθ(h)で刻み、その刻みによる着目点面での水平方向幅をクラスタ水平方向幅とし、さらに、Δd刻みのクラスタ深さ方向幅として無線品質推定対象空間を分割し、クラスタを形成する。クラスタ垂直方向幅およびクラスタ水平方向幅は、遮蔽建物と着目点面間の距離、垂直方向の角度および水平方向の角度を基に求めることができる。なお、着目点面での水平方向幅は、遮蔽建物の両端エッジのどちら側からの分割であるかにより異なるが、評価点の無線品質推定では小さい方の入射角を利用することとしているので、評価点の無線品質推定の際に、それと同じ側からのクラスタ分割を採用するようにすればよい。
図4のS49では、Δθ(v)=1、Δθ(h)=1、Δd=A(設定値)の分割で形成されたクラスタにおいて、評価点が存在するクラスタに少なくとも1つの測定点が存在するかを判定する。評価点がどのクラスタ内に存在するかは、S45, S46で評価点に付加された垂直方向の入射角、水平方向の入射角および評価点位置から分かり、測定点がどのクラスタ内に存在するかは、S25(図2)で測定点に付加された入射角(垂直方向,水平方向)および測定点位置から分かる。なお、評価点および測定点に対する水平方向の入射角には、小さい方の入射角を採用し、クラスタ分割もその水平方向の入射角と同じ端側エッジからのクラスタ分割を採用する。
S49で、評価点が存在するクラスタに測定点が存在すると判定された場合、Δθ(v)=1、Δθ(h)=1、Δd=A(設定値)のクラスタ分割に決定し、評価点および測定点をそのクラスタ分割に従ってクラスタ分類する(S50)。しかし、S49で、評価点が存在するクラスタに測定点が存在しないと判定された場合には、Δθ(v)=Δθ(v)+1(度)、Δθ(h)=Δθ(h)+1(度)とし(S51)、S48に戻って処理を繰り返す。なお、Δθ(v)、Δθ(h)のどちらかがその最大角度に達したら、残りの方だけを大きくすればよい。この繰り返しの過程で、S49では、評価点が存在するクラスタに測定点が存在すると判定される。
以上では、Δdの刻みを設定値Aとしているが、上記繰り返しで、評価点が存在するクラスタに測定点が存在しないことも想定される場合には、Δdの刻みも徐々に大きくするようにすればよい。
以上により、Δθ(v)、Δθ(h)、Δd=A(設定値)にクラスタ分割が決定され、評価点および測定点がクラスタ分類される(S50)。
S52では、同じクラスタ内の測定点の無線品質誤差の平均値を算出し、その平均値を同クラスタ内の評価点の無線品質推定値の補正値とする(S52)。最後に、この平均値を評価点の無線品質推定値に適用して評価点の無線品質推定値を決定する(S53)。また、S44で見通しクラスタに分類された評価点の無線品質推定値は、見通しクラスタに分類された測定点の無線品質実測値と自由空間損失モデルを用いて推定された無線品質推定値の誤差により同様に補正すればよい。
図8は、本発明の第2実施形態における評価点無線品質推定値決定処理を示すフローチャートである。図8では、図4と同一あるいは同等の処理には同じ符号を付している。図4の例では、Δθ(v)およびΔθ(h)の両方を1(度)ずつ大きくしてクラスタを形成しているが、本例では、Δθ(h)を固定してΔθ(v)を1(度)ずつ大きくしてクラスタを形成するという処理を、Δθ(h)を1(度)ずつ大きくしながら行うようにしている。第2実施形態のブロック構成は、図1と同じであり、クラスタリング部16における動作を変更するだけでよい。
図8のS41〜S46は、図4と同じであるので説明を省略する。評価点に垂直方向入射角および水平方向入射角を付加(S45, S46)した後、Δd=A(設定値)に設定し(S81)、さらにΔθ(h)=1(度)、Δθ(v)=1(度)に設定し(S82, S83)、評価点と測定点を含む無線品質推定対象空間をΔθ(v)、Δθ(h)、Δd刻みに従ってクラスタ分割する(S48)
次に、Δθ(h)=1、Δθ(v)=1、Δd=A(設定値)のクラスタ分割において、評価点が存在するクラスタに測定点が少なくとも1つ存在するかを判定する(S49)。ここで、評価点が存在するクラスタに測定点が存在する(Y)と判定された場合、Δθ(v)=1、Δθ(h)=1、Δd=A(設定値)のクラスタ分割に決定し、評価点および測定点をそのクラスタ分割に従ってクラスタ分類する(S50)。しかし、S49で、評価点が存在するクラスタに測定点が存在しない(N)と判定された場合には、Δθ(v)<最大角度かを判定し(S84)、ここでΔθ(v)<最大角度(Y)と判定された場合には、Δθ(v)=Δθ(v)+1(度)とし(S85)、S48に戻って処理を繰り返す。なお、S84での最大角度は、建物情報19-3、評価点や測定点の数や分散度合いなどに応じて適宜の角度(例えば45度)に設定すればよい。
また、S84で、Δθ(v)<最大角度でない(N)と判定された場合には、Δθ(h)を1(度)だけ大きくし(S86)、S83に戻って処理を繰り返す。この繰り返しの過程で、S49では、評価点が存在するクラスタに測定点が存在すると判定される。なお、上記繰り返しで、評価点が存在するクラスタに測定点が存在しないことも想定される場合には、Δdの刻みも徐々に大きくするようにすればよいことは、第1実施形態と同様である。
以上により、Δθ(v)、Δθ(h)、Δd=A(設定値)にクラスタ分割が決定され、評価点および測定点がそのクラスタ分割に従ってクラスタ分類される(S50)。以降のS52〜S53は、図4と同じであるので説明を省略する。
図9は、本発明の第3実施形態における評価点無線品質推定値決定処理を示すフローチャートである。図9では、図4と同一あるいは同等の処理には同じ符号を付している。本例では、Δθ(v)とΔθ(h)を交互に1(度)ずつ大きくしてクラスタを形成するようにしている。第3実施形態のブロック構成も図1と同じであり、クラスタリング部16における動作を変更するだけでよい。
図9のS41〜S46は、図4と同じであるので説明を省略する。評価点に垂直方向の入射角および水平方向の入射角を付加(S45, S46)した後、Δd=A(設定値)に設定し(S91)、さらにΔθ(h)=1(度)、Δθ(v)=1(度)に設定し(S92, S93)、評価点と測定点を含む無線品質推定対象空間をΔθ(v)、Δθ(h)、Δd刻みに従ってクラスタ分割する(S48)
次に、Δθ(h)=1、Δθ(v)=1、Δd=A(設定値)のクラスタ分割において、評価点が存在するクラスタに測定点が少なくとも1つ存在するかを判定する(S49)。ここで、評価点が存在するクラスタに測定点が存在する(Y)と判定された場合、Δθ(v)=1、Δθ(h)=1、Δd=A(設定値)のクラスタ分割に決定し、評価点および測定点をそのクラスタ分割に従ってクラスタ分類する(S50)。しかし、S49で、評価点が存在するクラスタに測定点が存在しない(N)と判定された場合には、Δθ(v)=Δθ(h)かを判定し(S94)、ここでΔθ(v)=Δθ(h)と判定された場合には、Δθ(v)=Δθ(v)+1(度)とし(S95)、S48に戻って処理を繰り返す。
また、S94で、Δθ(v)=Δθ(h)でない(N)と判定された場合には、Δθ(h)を1(度)だけ大きくし(S96)、S48に戻って処理を繰り返す。なお、Δθ(v)、Δθ(h)のどちらかがその最大角度に達したら、残りの方だけを大きくすればよい。この繰り返しの過程で、S49では、評価点が存在するクラスタに測定点が存在すると判定される。なお、上記繰り返しで、評価点が存在するクラスタに測定点が存在しないことも想定される場合には、Δdの刻みも徐々に大きくするようにすればよいことは、第1実施形態と同様である。
以上により、Δθ(v)、Δθ(h)、Δd=A(設定値)にクラスタ分割が決定され、評価点および測定点がそのクラスタ分割に従ってクラスタ分類される(S50)。以降のS52〜S53は、図4と同じであるので説明を省略する。
図10は、本発明の第4実施形態における評価点無線品質推定値決定処理を示すフローチャートである。本実施形態では、電波到来の垂直方向の入射角に代えて建物の各フロアの空間高を垂直方向刻みとしてクラスタ分割する。第4実施形態のブロック構成も図1と同じであり、入射角算出部15とクラスタリング部16における動作を変更するだけでよい。
図10のS41〜S44, S46は、図4と同じであるので説明を省略する。評価点に水平方向の入射角を付加(S46)した後、Δd=A(設定値)、Δf=建物の各フロアの空間高に設定し(S101, S102)、さらにΔθ(h)=1(度)に設定し(S103)、評価点と測定点を含む無線品質推定対象空間をΔf、Δθ(h)、Δd刻みに従ってクラスタ分割する(S104)
次に、Δθ(h)=1、Δf=建物の各フロアの空間高、Δd=A(設定値)のクラスタ分割において、評価点が存在するクラスタに測定点が少なくとも1つ存在するかを判定する(S49)。ここで、評価点が存在するクラスタに測定点が存在する(Y)と判定された場合、Δθ(h)=1、Δf=建物の各フロアの空間高、Δd=A(設定値)のクラスタ分割に決定し、評価点および測定点をそのクラスタ分割に従ってクラスタ分類する(S50)。しかし、S49で、評価点が存在するクラスタに測定点が存在しない(N)と判定された場合には、Δθ(h)=Δθ(h)+1(度)とし(S105)、S104に戻って処理を繰り返す。なお、上記繰り返しで、評価点が存在するクラスタに測定点が存在しないことも想定される場合には、Δdの刻みも徐々に大きくするようにすればよいことは、第1実施形態と同様である。
以上により、Δθ(v)、Δθ(h)、Δd=A(設定値)にクラスタ分割が決定され、評価点および測定点がそのクラスタ分割に従ってクラスタ分類される(S50)。以降のS52〜S53も図4と同じであるので説明を省略する。
図11は、第4実施形態でのクラスタ分割の垂直方向刻みの説明図である。このように、建物の各フロアの空間高刻みに従ってクラスタを形成すれば、電波到来の垂直方向の入射角を算出したり垂直方向の角度を刻んだりする処理が不要になり、垂直方向については建物の各フロアの空間高だけからクラスタ分割でき、評価点位置および測定点位置から評価点および測定点をクラスタ分類できるので、処理負担を軽減できる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、屋内位置を測定点および評価点としたが、屋外位置を測定点および評価点とすることもできる。この場合でも、測定点に対応する着目点は、電波到来側に適当に定められた着目点面における測定点と同じ高さの位置である。これは評価点に対応する着目点でも同様である。
また、上記実施形態では、Δθ(h)、Δθ(v)を1度刻みで大きくしているが、これに限らず、他の度数刻みで大きくするようにしてもよい。
また、Δθ(h)、Δθ(v)の初期値や刻み幅を互いに異ならせることにより無線品質推定対象空間を設定したり他の立体形状のクラスタを形成することができる。また、建物形状などが単純でない場合でも、図3,図6,図7に示す関係とみなせる部分ごとに区切って本発明を適用できる。
さらに、上記実施形態では、クラスタ内の評価点の無線品質推定値の補正値を、そのクラスタに含まれる測定値の無線品質誤差の平均値として算出しているが、そのクラスタに含まれる測定値の無線品質誤差の中央値を用いるようにしてもよい。
11・・・測定点位置・無線品質(実測値)取得部、12・・・測定点無線品質実測値・推定値誤差算出部、13・・・評価点位置入力部、14・・・評価点推定値算出部、15・・・入射角算出部、16・・・クラスタリング部、17・・・クラスタ別誤差補正値算出部、18・・・クラスタ別評価点推定値補正部、19・・・データベース、19-1・・・電波伝搬推定手法(電波伝搬推定モデル)、19-2・・・送信点位置情報、19-3・・・建物情報、19-4測定情報
Claims (8)
- 電波伝搬推定手法を用いて屋内または屋外評価点の無線品質推定値を評価点無線品質推定値として算出する評価点無線品質推定値算出手段と、
1もしくは複数の測定点の無線品質実測値と電波伝搬推定手法を用いて算出した測定点の無線品質推定値の誤差を測定点無線品質誤差として算出する測定点無線品質誤差算出手段と、
送信点と測定点、屋内または屋外評価点を結ぶ線分上に遮蔽建物が有るか否かにより送信点から測定点、屋内または屋外評価点が見通し外であるか否かを判定する見通し判定手段と、
前記見通し判定手段により見通し外と判定された測定点、屋内または屋外評価点に対応する着目点と遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線がなす垂直角度を算出する垂直角度算出手段と、
前記着目点と遮蔽建物の両端エッジにおける端面延長線がなす水平角度を算出する水平角度算出手段と、
測定点および屋内または屋外評価点を含む無線品質推定対象空間を、遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線からの垂直角度および遮蔽建物の両端エッジにおける両端延長線からの水平角度に従ってクラスタ分割するとともに、前記垂直角度算出手段により算出された垂直角度と前記水平角度算出手段により算出された水平角度を基に測定点および屋内または屋外評価点がどのクラスタ内であるかのクラスタ分類を行うクラスタリング手段と、
前記クラスタリング手段により分割されたクラスタごとに、前記評価点無線品質推定値算出手段により算出された評価点無線品質推定値と前記測定点無線品質誤差算出手段により算出された測定点無線品質誤差を用いて、前記評価点無線品質推定値算出手段により算出された評価点無線品質推定値を補正する無線品質推定値補正手段を備えたことを特徴とする電波伝搬特性推定装置。 - 前記クラスタリング手段は、垂直角度および水平角度の刻みを変化させてクラスタの垂直方向幅および水平方向幅を変化させ、屋内または屋外評価点が存在するクラスタに測定点が少なくとも1つ存在するクラスタ分割を採用し、そのクラスタ分割を用いて測定点および屋内または屋外評価点のクラスタ分類を行うことを特徴とする請求項1に記載の電波伝搬特性推定装置。
- 前記クラスタリング手段は、前記水平角度算出手段が算出した2つの水平角度のうち小さい方を採用し、また、その端側エッジ方向からのクラスタ分割を用いて測定点および屋内または屋外評価点のクラスタ分類を行うことを特徴とする請求項2に記載の電波伝搬特性推定装置。
- 前記無線品質推定値補正手段は、評価点無線品質推定値を補正するために、クラスタ内の測定点無線品質誤差の平均値を用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電波伝搬特性推定装置。
- 前記無線品質推定値補正手段は、評価点無線品質推定値を補正するために、クラスタ内の測定点無線品質誤差の中央値を用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電波伝搬特性推定装置。
- 電波伝搬推定手法を用いて屋内評価点の無線品質推定値を評価点無線品質推定値として算出する評価点無線品質推定値算出手段と、
1もしくは複数の屋内測定点の無線品質実測値と電波伝搬推定手法を用いて算出した屋内測定点の無線品質推定値の誤差を測定点無線品質誤差として算出する測定点無線品質誤差算出手段と、
送信点と屋内測定点、屋内評価点を結ぶ線分上に遮蔽建物が有るか否かにより送信点から屋内測定点、屋内評価点が見通し外であるか否かを判定する見通し判定手段と、
前記見通し判定手段により見通し外と判定された屋内測定点、屋内評価点に対応する屋外着目点と遮蔽建物の両端エッジがなす水平角度を算出する水平角度算出手段と、
屋内測定点および屋内評価点を含む無線品質推定対象空間を、屋内評価点および屋内測定点を含む建物の各フロアの空間高および遮蔽建物の両端エッジにおける両端延長線からの水平角度に従ってクラスタ分割するとともに、屋内測定点位置、屋内評価点位置、屋内評価点および屋内測定点を含む建物の各フロアの空間高、および前記水平角度算出手段により算出された水平角度を基に屋内測定点および屋内評価点がどのクラスタ内であるかのクラスタ分類を行うクラスタリング手段と、
前記クラスタリング手段により分割されたクラスタごとに、前記評価点無線品質推定値算出手段により算出された評価点無線品質推定値と前記測定点無線品質誤差算出手段により算出された測定点無線品質誤差を用いて、前記評価点無線品質推定値算出手段により算出された評価点無線品質推定値を補正する無線品質推定値補正手段を備えたことを特徴とする電波伝搬特性推定装置。 - 評価点無線品質推定値算出手段が、電波伝搬推定手法を用いて屋内または屋外評価点の無線品質推定値を評価点無線品質推定値として算出する第1のステップと、
測定点無線品質誤差算出手段が、1もしくは複数の測定点の無線品質実測値と電波伝搬推定手法を用いて算出した測定点の無線品質推定値の誤差を測定点無線品質誤差として算出する第2のステップと、
見通し判定手段が、送信点と測定点、屋内または屋外評価点を結ぶ線分上に遮蔽建物が有るか否かにより送信点から測定点、屋内または屋外評価点が見通し外であるか否かを判定する第3のステップと、
垂直角度算出手段が、前記第3のステップにより見通し外と判定された測定点、屋内または屋外評価点に対応する着目点と遮蔽建物の屋上エッジがなす垂直角度を算出する第4のステップと、
水平角度算出手段が、前記着目点と遮蔽建物の両端エッジがなす水平角度を算出する第5のステップと、
クラスタリング手段が、測定点および屋内または屋外評価点を含む無線品質推定対象空間を、遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線からの垂直角度および遮蔽建物の両端エッジにおける端面延長線からの水平角度に従ってクラスタ分割するとともに、前記第4のステップで算出された垂直角度と前記第5のステップで算出された水平角度を基に測定点および屋内または屋外評価点がどのクラスタ内であるかのクラスタ分類を行う第6のステップと、
無線品質推定値補正手段が、前記第6のステップで分割されたクラスタごとに、前記第1のステップで算出された評価点無線品質推定値と前記第2のステップで算出された測定点無線品質誤差を用いて、前記第1のステップで算出された評価点無線品質推定値を補正する第7のステップを備えたことを特徴とする電波伝搬特性推定方法。 - コンピュータに以下の(1)〜(7)の機能を実現させるためのプログラム。
(1) 電波伝搬推定手法を用いて屋内または屋外評価点の無線品質推定値を評価点無線品質推定値として算出する第1の機能
(2) 1もしくは複数の測定点の無線品質実測値と電波伝搬推定手法を用いて算出した測定点の無線品質推定値の誤差を測定点無線品質誤差として算出する第2の機能
(3) 送信点と測定点、屋内または屋外評価点を結ぶ線分上に遮蔽建物が有るか否かにより送信点から測定点、屋内または屋外評価点が見通し外であるか否かを判定する第3の機能
(4) 前記第3の機能により見通し外と判定された測定点、屋内または屋外評価点に対応する着目点と遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線がなす垂直角度を算出する第4の機能
(5) 前記着目点と遮蔽建物の両端エッジにおける端面延長線がなす水平角度を算出する第5の機能
(6) 測定点および屋内または屋外評価点を含む無線品質推定対象空間を、遮蔽建物の屋上エッジにおける屋上延長線からの垂直角度および遮蔽建物の両端エッジにおける両端延長線からの水平角度に従ってクラスタ分割するとともに、前記第4の機能により算出された垂直角度と前記第5の機能により算出された水平角度を基に測定点および屋内または屋外評価点がどのクラスタ内であるかのクラスタ分類を行う第6の機能
(7) 前記第6の機能により分割されたクラスタごとに、前記第1の機能により算出された評価点無線品質推定値と前記第2の機能により算出された測定点無線品質誤差を用いて、前記第1の機能により算出された評価点無線品質推定値を補正する第7の機能
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CN105873113A (zh) * | 2015-01-21 | 2016-08-17 | 中国移动通信集团福建有限公司 | 无线质量问题定位方法及系统 |
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2012
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CN105873113B (zh) * | 2015-01-21 | 2019-05-28 | 中国移动通信集团福建有限公司 | 无线质量问题定位方法及系统 |
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