JP2014123504A - 円筒形密閉電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全弁が塞がれてしまうようなことがあっても電池外へのガスの排出が阻害されるのを抑制することができる円筒形密閉電池を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態の円筒形密閉電池としての円筒形非水電解質二次電池10は、巻回電極体12と、一端が開口し、内部に巻回電極体12及び電解液が収納された有底円筒状の外装缶としての嵌合段部付き溶接缶14Aと、嵌合段部付き溶接缶14Aの開口部を封止する安全弁16を備えた封口体18と、を備え、嵌合段部付き溶接缶14Aの底部は、円筒状部材28の一端部側に円板状の底板30が嵌合され、円筒状部材28と円板状の底板30との嵌合部に沿って全周に形成された高エネルギー線によるレーザ溶接部34を有し、レーザ溶接部34には部分的に他の部分よりも相対的に強度が弱い弱溶接部が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、封口部に電池内の圧力が上昇した場合にガスを排出する安全弁を備えた円筒形密閉電池に関する。
密閉電池は、内部短絡や外部短絡、異常加熱、異常衝撃等が生じた場合、ガスが急激に発生して破裂する可能性がある。これに対処するため、例えば下記特許文献1にも開示されているように、円筒形密閉電池の封口部に、電池内の圧力が所定値に達すると電池内のガスを封口部を経て電池外に排出するための安全弁を設けたものが知られている。
特開2010−250970号公報
しかしながら、封口部に安全弁が設けられている円筒形密閉電池であっても、ガスの十分な排出が確保され難くなる場合がある。例えば、外部加熱などによって電池が燃焼に至った場合、電池を構成するアルミニウム等の溶融物がガスとともに封口部に設けられた安全弁から排出される。この際、アルミニウム等の溶融物が封口部での比較的温度が低い部分に接触し、固着して安全弁を塞ぐことがある。このように安全弁が塞がれてしまうと、ガスの排出が妨げられるため、電池の内圧が再度上昇し始め、缶底が膨れた後、破裂に至ることがある。
本発明の一実施形態の円筒形密閉電池によれば、電池内の圧力が上昇した際に、例え封口部に設けられた安全弁が塞がれてしまうようなことがあっても、電池外へのガスの排出を行うことができるため、電池の破裂を抑制することができる円筒形密閉電池が提供される。
本発明の一実施形態の円筒形密閉電池は、
正極極板と負極極板とがセパレータを介して互いに絶縁された状態で巻回された巻回電極体と、
一端が開口し、内部に前記巻回電極体及び電解液が収納された有底円筒状の外装缶と、
前記外装缶の開口部を封止する安全弁を備えた封口体と、
を備え、
前記有底円筒状の外装缶の底部は、円筒状部材の一端部側に円板状の底板が嵌合され、前記円筒状部材と前記円板状の底板との間の露出した表面側に全周にわたって形成された高エネルギー線による溶接部を有し、
前記溶接部には部分的に他の溶接部分よりも相対的に強度が弱い弱溶接部が形成されている。
本発明の一実施形態に係る円筒形密閉電池によれば、電池内の圧力が上昇した際に安全弁が塞がれてしまうようなことがあっても、有底円筒状の外装缶の底部に形成された弱溶接部が剥離するため、この弱溶接部から電池外へガスを排出することができ、電池の破裂を抑制することができるようになる。
実験例1〜4の円筒形非水電解質二次電池の概略縦断面図である。 図2Aは図1の円筒形非水電解質二次電池の底面図であり、図2Bは図2AのIIB部分の拡大縦断面図である。 図3A実験例1〜4の外装缶の製造前後の縦断面図であり、図3Bは実験例5〜8の外装缶の製造前後の縦断面図であり、図3Cは実験例9の外装缶の縦断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を理解するために例示するものであって、本発明をこの実施形態に特定することを意図するものではない。本発明は、特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
[実験例1〜4]
最初に、実験例1〜4に用いた円筒形密閉電池としての円筒形非水電解質二次電池10について説明する。円筒形非水電解質二次電池10は、一端が開口し、巻回電極体12が収納される有底円筒状の外装缶の一種である嵌合段部付き溶接缶14Aと、この嵌合段部付き溶接缶14Aの開口を封止する安全弁16を備えた封口体18とを有している。なお、嵌合段部付き溶接缶14Aの詳細な構成は後述する。
安全弁16は、嵌合段部付き溶接缶14Aの内圧が所定値以上に上昇した際に弁が開き、内部のガスを放出するようになっている。封口体18は、嵌合段部付き溶接缶14Aの開口部に対して絶縁パッキング20を介して配置し、この開口部をカシメることにより封止されている。これにより、嵌合段部付き溶接缶14Aの内部が密閉される。
巻回電極体12は、正極極板22及び負極極板24がセパレータ26を介して互いに絶縁された状態で、複数回渦巻き状に巻回されたものである。セパレータ26は、例えば微多孔性ポリエチレン樹脂製のものが用いられている。
嵌合段部付き溶接缶14Aは、例えば鉄板や鋼板により構成され、両端部(図1において上下の端部)が開口した円筒状部材28と、この円筒状部材28の一端部側(図1において下側)の開口を封止する円板状の底板30とを有している。
円筒状部材28の一端部側には嵌合段部32が形成されており、この嵌合段部32に円板状の底板30が嵌合されている。円筒状部材28と底板30とは、嵌合段部32を介して互いに嵌合された状態で、円筒状部材28と底板30との間の露出した表面側が全周にわたって高エネルギー線としてのレーザによって溶接され、環状にレーザ溶接部34が形成されている。
円筒状部材28は、例えば、円形状の鋼板に絞り加工を施して、一端が開口した有底円筒状の構造体を形成し、この有底円筒状の構造体の底部を切断するようにして作製した。嵌合段部32は、底部を切断した構造体に切削加工を施して形成した。底板30は、鋼板を所定の形状に打ち抜くことにより作製したものを用いた。この嵌合段部付き溶接缶14Aの製造前の断面図及び製造後の断面図は、図3Aに示したとおりである。
実験例1〜4における円筒形非水電解質二次電池10で用いられている嵌合段部付き溶接缶14Aに形成されているレーザ溶接部34は、図2Aに示したように、レーザ溶接部34の周方向に対する一部に溶接強度が相対的に弱い弱溶接部34aが形成されている。弱溶接部34aは、他の溶接部分と比較して、例えば溶接深度が浅くなるように溶接されている部分であり、例えば、他の部分と比較して、レーザの出力を弱くしたり、走査速度を速めたりすることにより容易に形成することができる。
弱溶接部34aは、底板30の中心に対して所定の中心角θとなるように形成されている。実験例1〜4における弱溶接部34aの中心角θは、それぞれ58°(実験例1)、62°(実験例2)、90°(実験例3)、93°(実験例4)となっている。
実験例1〜4で用いた円板状の底板30の外面側の角部には、図2Bに示したように、面取り部30aが形成されている。このように板状の底板30の外面側の角部面取り部30aを形成すると、容易にレーザを円筒状部材28と底板30との境界部に照射することができるようになり、レーザ溶接部34の形成が容易となる。面取り部30aは必ずしも必要な構成ではなく、当業者が適宜に決定すればよい。なお、溶接深度は、図2Bに示したように、円筒状部材28と底板30との嵌合表面を起点としてレーザ溶接によって溶融した部分の深さを意味するものであり、測定すべき円筒状部材28と底板30との間の溶接部34を縦に切断した断面によって測定し得る。
巻回電極体12を構成する正極極板22には正極リード22aが溶接されており、この正極リード22aは安全弁16を介して封口体18に電気的に接続されている。同じく、負極極板24には負極リード24aが溶接されており、この負極リード24aは円板状の底板30に電気的に接続されている。封口体18及び底板30と巻回電極体12との間には絶縁リング36がそれぞれ配置されている。
正極極板22は次のようにして作製したものを用いた。正極活物質としてのコバルト酸リチウム(LiCoO)が90質量%、導電剤としての炭素粉末が5質量%、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)粉末が5質量%となるように混合し、これをN−メチルピロリドン(NMP)溶液と混合してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ12μmのアルミニウム製の正極集電体の両面にドクターブレード法により塗布し、正極集電体上に正極合剤層を形成した。その後、乾燥機中を通過させて乾燥した後、圧縮ローラーを用いて圧縮し、所定の長さに切り出して実験例1〜4で共通して使用する正極極板22を作製した。
負極極板24は次のようにして作製したものを用いた。黒鉛粉末からなる負極活物質95質量%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)からなる増粘剤3質量%と、スチレンブタジエンゴム(SBR)からなる結着剤2質量%とを、適量の水と混合してスラリーとした。このスラリーを厚さ8μmの銅製の負極集電体の両面にドクターブレード法により塗布し、負極集電体上に負極合剤層を形成した。その後、乾燥機中を通過させて乾燥した後、圧縮ローラーを用いて圧縮し、所定の長さに切り出して実験例1〜4で共通して使用する負極極板24を作製した。
非水電解液としては、非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを体積比30:70(25℃)で混合した後、電解質塩としてLiPFを1mol/Lとなるように溶解させたものを用いた。
上記のようにして作製された正極極板22と負極極板24とをポリプロピレン製微多孔膜からなるセパレータ26を介して円筒状に巻回して巻回電極体12を作製し、この巻回電極体12を上述のようにして作製された有底円筒状の外装缶としての嵌合段部付き溶接缶14A内に挿入し、この嵌合段部付き溶接缶14Aの開口部から上記非水電解液を注入した。その後、安全弁16を備えた封口体18を絶縁パッキング20を介して嵌合段部付き溶接缶14Aの開口部に配置し、嵌合段部付き溶接缶14Aの開口部をカシメることにより密閉し、実験例1〜4で使用する円筒形非水電解質二次電池10を作製した。得られた円筒形非水電解質二次電池10は、高さ65mm×直径18mmであり、設計容量は充電電圧を4.2Vとして3000mAhである。
[実験例5〜8]
次に、実験例5〜8に用いた円筒形密閉電池としての非水電解質二次電池(図示省略)について説明する。実験例5〜8で用いた非水電解質二次電池は、有底円筒状の外装缶として、実験例1〜4で用いた非水電解質二次電池10の嵌合段部付き溶接缶14Aに換えて通常溶接缶14Bが用いられている。通常溶接缶14Bにおいては、円筒状部材28に嵌合段部が形成されておらず、円筒状部材28の内周側に直接円板状の底板30が嵌合されており、円筒状部材28と底板30との間の露出した表面側が全周にわたってレーザ溶接されて、レーザ溶接部が形成されている。この通常溶接缶14Bの製造前の断面図及び製造後の断面図は、図3Bに示したとおりである。
この通常溶接缶14Bにおいても、嵌合段部付き溶接缶14Aの場合と同様に、弱溶接部(図示省略)が底板30に対する所定の中心角θとなるように形成されている。実験例5〜8における弱溶接部は、それぞれ中心角θが、59°(実験例5)、62°(実験例6)、90°(実験例7)、93°(実験例8)となるように形成されている。実験例5〜8に用いた非水電解質二次電池のその他の構成については、実験例1〜4で使用する円筒形非水電解質二次電池10の場合と同様であるので、図示及びその詳細な説明は省略する。
[実験例9]
次に、実験例9に用いた円筒形密閉電池としての非水電解質二次電池について説明する。非水電解質二次電池は、有底円筒状の外装缶として、実験例1〜4における非水電解質二次電池10の嵌合段部付き溶接缶14Aに換えて通常缶14Cが用いられている。通常缶14Cは、円形状の鋼板に絞り加工を施すことにより形成されたものであり、底部と円筒状部とが一体に形成されている。つまり、通常缶14Cは、円板状の底部を円筒状部に溶接して取り付けた構成のものではない。
この通常缶14Cのの断面図は、図3Cに示したとおりである。実験例9に用いた円筒形非水電解質二次電池のその他の構成については、実験例1〜4で使用する円筒形非水電解質二次電池10の場合と同様であるので、図示及びその詳細な説明は省略する。
[落下試験]
上記のようにして作製された実験例1〜9のそれぞれの円筒形非水電解質二次電池について、缶底の強度を知得するために落下試験を以下のように行った。放電状態とした円筒形非水電解質二次電池を、缶底を下方として1.65mの高さからコンクリートの床に向けて落下させることを20回繰り返した。その後、それぞれの円筒形非水電解質二次電池から非水電解液が外部へリークしたか否かを目視により調べた。これを、実験例1〜9の円筒形非水電解質二次電池それぞれ5個ずつに対して行った。落下試験において非水電解液のリークが確認されなかったものを「リークなし」と表し、リークがあったものについてはその個数を求めた。結果を纏めて表1に示した。
[バーナー試験]
実験例1〜9の円筒形非水電解質二次電池のそれぞれについて、電池内の圧力が上昇した場合におけるガスの排出され易さについて知得するため、バーナー試験を以下のように行った。満充電状態の円筒形非水電解質二次電池について、外装缶の側面の中心部を予め定められた時間ガスバーナーで炙った。そして、円筒形非水電解質二次電池の外装缶の変化を目視により確認した。これを、実験例1〜8の円筒形非水電解質二次電池についてはそれぞれ10個ずつに対して行い、実験例9の円筒形非水電解質二次電池については5個に対して行った。
バーナー試験においては、安全弁が作動したが、弱溶接部に剥離が生じても外装缶の破裂が生じなかったものを「破裂なし」と表し、外装缶の破裂が生じたものについてはその個数を求めた。結果を纏めて表1に示した。
Figure 2014123504
表1に示した結果から、以下のことが分かる。落下試験について実験例1〜9の結果を対比すると、実験例5〜8の電池では5個全てにリークがみられたのに対し、実験例4の電池では5個中1個しかリークが認められず、また、実験例1〜3及び実験例9の電池ではリークがみられなかった。
実験例5〜8の電池の外装缶は嵌合段部を介することなく円板状の底板を円筒状部材にレーザ溶接することにより作製されているのに対し、実験例1〜4の電池の外装缶は嵌合段部を介して円板状の底板を円筒状部材にレーザ溶接することにより作製されている。このように、外装缶として円筒状部材と円板状の底板と嵌合段部を有するものを用いてレーザ溶接することで、レーザ溶接部の強度の低下が抑制されるようになる。実験例1〜4の電池ではでは、実験例9の電池と実質的に同等の落下強度が得られることが確認された。
一般的に、円筒状部材と円板状の底板とをレーザ溶接することにより作製された有底筒状の外装缶は、実験例9の通常缶のように、単一の部材により外装缶を作製したものと比較して、落下等の異常衝撃に対する強度が低下し易い。これに対して、円筒状部材と円板状の底板とを別途溶接した場合であっても、実験例1〜4のように嵌合段部を設けてレーザ溶接すると、落下強度が低下し難くなっている。このことは、円筒状部材と円板状の底板とが接触する面積を大きくしてレーザ溶接することで、嵌合段部を設けない場合よりも落下強度の低下が抑制されるものと考えられる。
実験例1〜4の結果を比較すると、実験例4の電池では5個中1個にリークがみられたのに対し、実験例1〜3の電池ではリークがみられなかった。弱溶接部の中心角は、実験例4では93°であるのに対し、実験例1〜3では90°以下となっている。このように、弱溶接部の中心角を90°以下に形成した場合、90°よりも大きい場合と比較して、よりリークが生じ難くなることが確認された。このことは、弱溶接部の形成されている範囲が小さいほど円筒状部材と円板状の底板とが剥離し難くなるため、落下強度が低下し難くなるためと考えられる。この落下試験の結果によれば、弱溶接部の中心角は90°以下が好ましいことがわかる。
バーナー試験は、非常に過酷な試験であるのでガスの発生量が多く、実験例1〜9の全ての円筒形非水電解質二次電池において安全弁が作動した。その上、実験例9の円筒形非水電解質二次電池では5個中3個が破裂したのに対し、実験例1及び実験例5の円筒形非水電解質二次電池では10個中1個しか破裂せず、実験例2〜4及び実験例6〜8では破裂が認められなかった。
有底円筒状の外装缶として、実験例9では通常缶を用いているのに対し、実験例1〜4では嵌合段部付き溶接缶、実験例5〜8では通常溶接缶を用いている。このように、有底円筒状の外装缶として、底板をレーザ溶接により接合すると共に弱溶接部を設けることで、電池内のガスの発生量が多くても弱溶接部が剥離して電池内のガスを排出するので、円筒形非水電解質二次電池の破裂が抑制されることが確認された。このことは、たとえ安全弁が塞がれてしまうようなことがあっても、弱溶接部が剥離することにより、電池内のガスを排出することができ、円筒形非水電解質二次電池の破裂を抑制することができることを示している。
実験例1〜8のバーナー試験の結果を対比すると、実験例1及び実験例5では10個中1個が破裂したのに対し、実験例2〜4及び実験例6〜8では破裂が認められなかった。弱溶接部の中心角は、実験例1では58°、実験例5では59°であるのに対し、実験例2〜4及び実験例6〜8では60°以上となっている。このように、バーナー試験においては、弱溶接部の中心角を60°以上に形成した場合、60°未満である場合と比較して、より円筒形非水電解質二次電池の破裂が抑制されることが確認された。このバーナー試験の結果によると、弱溶接部の中心角は60°以上が好ましいことがわかる。
このような現象は、以下の理由により生じるものと考えられる。すなわち、安全弁が作動すると電池内の一部のガスが排出されるが、バーナー試験のようにガスの発生量が多い場合には、安全弁からのガスの排出が間に合わず、電池内の圧力がさらに上昇する。円板状の底板が円筒状部材に溶接により接続されて弱溶接部が設けられているものでは、電池内の圧力が所定値以上に達した場合に、円筒状部材と円板状の底板との間に形成された弱溶接部がガスを排出するように適度に剥離し、ガスを排出する。また、弱溶接部の形成されている範囲が大きい(中心角の範囲が大きい)ほど、円筒状部材と円板状の底板とが剥がれ易く、ガスを排出し易くなる。
また、上記落下試験及びバーナ−試験の結果を総合して勘案すると、落下試験によって電解液のリークが生じないようにするため及びバーナー試験で破裂が抑制されるようにするためには、円筒状部材と底板とは嵌合段部を有するようにすることが好ましく、かつ、弱溶接部の中心角θは60°以上90°以下が好ましいことがわかる。
上記実験例1〜8においては、円筒状部材と円板状の底板とをレーザ溶接により接合する場合について説明したが、これに限らず、作業効率や費用等を考慮して、電子ビーム溶接等の他の高エネルギー線による溶接法を採用してもよい。また、上記実験例1〜8では、円筒形密閉電池として円筒形非水電解質二次電池に適用した例を示したが、これに限らず、円筒形ニッケル水素蓄電池等、水性電解液を用いた安全弁を備える円筒形密閉電池に対しても適用可能である。
10…円筒形非水電解質二次電池
12…巻回電極体
14A…嵌合段部付き溶接缶
14B…通常溶接缶
14C…通常缶
16…安全弁
18…封口体
20…絶縁パッキング
22…正極極板
22a…正極リード
24…負極極板
24a…負極リード
26…セパレータ
28…円筒状部材
30…底板
32…嵌合段部
34…レーザ溶接部
34a…弱溶接部
36…絶縁リング

Claims (6)

  1. 正極極板と負極極板とがセパレータを介して互いに絶縁された状態で巻回された巻回電極体と、
    一端が開口し、内部に前記巻回電極体及び電解液が収納された有底円筒状の外装缶と、
    前記外装缶の開口部を封止する安全弁を備えた封口体と、
    を備え、
    前記有底円筒状の外装缶の底部は、円筒状部材の一端部側に円板状の底板が嵌合され、前記円筒状部材と前記円板状の底板との嵌合部に沿って全周に形成された高エネルギー線による溶接部を有し、
    前記溶接部には部分的に他の溶接部分よりも相対的に強度が弱い弱溶接部が形成されている、
    円筒形密閉電池。
  2. 前記円筒状部材の一端部側には嵌合段部が形成されている、請求項1に記載の円筒形密閉電池。
  3. 前記弱溶接部は、溶接深度が他の溶接部分よりも浅くされている、請求項1又は2に記載の円筒形密閉電池。
  4. 前記弱溶接部は、前記円板状の底板の中心角が60°〜90°の範囲に形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の円筒形密閉電池。
  5. 前記円板状の底板の外面側の角部は面取りされている、請求項1〜4のいずれかに記載の円筒形密閉電池。
  6. 前記高エネルギー線による溶接部は、レーザ溶接によって形成されたものである、請求項1〜5のいずれかに記載の円筒形密閉電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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