JP2014122880A - 車両の衝突試験装置 - Google Patents

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Katsuo Uenishi
甲朗 上西
Naonori Tsujimoto
尚之 辻本
Nobufumi Takanobu
宣文 高延
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Abstract

【課題】人体の模擬ダミーを主体とする車両の衝突試験装置において、ダミーにおける各センサーの検出値の精度を向上させる。
【解決手段】車両1のシート8に着座するダミー9が、シート8上に載置される腰部18と、腰部18の後部上面から上方に向かって延出する背骨部19と、背骨部19の上部からその前側に向かって湾曲しつつ延出する肋骨部21とを有する。背骨部19の下部前面側に位置するよう背骨部19に取り付けられ、車両1の前突時に、背骨部19に対する肋骨部21の変位量を検出する変位量センサー41を設ける。車両1の前突により背骨部19と変位量センサー41とが背骨部19の下端部側を中心として前下方に向けて回動Aするとき、腰部18側に対する変位量センサー41側からの荷重を検出する荷重センサー44、および/もしくは腰部18側に対する変位量センサー41の相対位置を検出する相対位置センサー61を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、人体の模擬ダミーを乗車させた車両を衝突させることにより、ダミーがいかなる影響を受けたかを検証可能にする車両の衝突試験装置に関するものである。
上記車両の衝突試験装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、この装置には、車両の進行方向の前方に向かってシートに着座する模擬ダミーが用いられる。このダミーは、寸法、形状、および外力による変形特性などを人体に似せて形成した人形である。
上記ダミーは、上記シート上に着座するよう載置される腰部と、この腰部の後部上面から上方に向かって延出する背骨部と、この背骨部の上部からその前側に向かって湾曲しつつ延出し、この延出部が胸部とされる肋骨部と、上記腰部の前部上面、背骨部の下部、および肋骨部の下端部で囲まれた空間に設置される軟質の内臓部とを有している。
また、従来、上記ダミーには、次のように各種センサーが設けられたものがある。つまり、上記背骨部の下部前面側に位置するようこの背骨部に取り付けられ、車両の前突時に、この背骨部に対する上記肋骨部の変位量を検出する変位量センサーと、上記背骨部の上下方向の中途部に介設される胸下剪断力センサーと、胸部に取り付けられる胸部加速度センサーとが設けられる。
上記衝突試験装置を用いての衝突試験時には、上記したようにダミーをシートに着座させた状態で乗車させ、このシートに対しダミーをシートベルトにより拘束する。そして、前進する車両を予め準備した壁に対し試験的に衝突(前突)させる。この際、上記各センサーによる検出値がそれぞれデータ化され、これにより、ダミーが前突によりいかなる影響を受けたかが検証される。そして、この検証結果は、将来、前突に遭遇するかも知れない乗員を、より効果的に保護し得るよう車両の改良に供される。
特開2005−227266号公報
ところで、上記した従来の技術では、次のような問題点がある。
即ち、上記衝突試験における車両の前突時には、上記ダミーの背骨部や肋骨部はその慣性力により上記シートベルトの拘束力に対抗しながら上記背骨部の下端部側を中心として前下方に向けて回動する。すると、この際、上記背骨部と共に回動した上記変位量センサーと、上記腰部の前部上面との間に内臓部の一部分が挟み込まれて、この内臓部からの反力が、上記背骨部や胸部を形成する肋骨部に与えられるおそれを生じる。
上記の場合、前突が開始され、上記背骨部と変位量センサーとが前下方に回動開始すると共に腰部が前上方に回動開始してから、ある時間の経過後に、この腰部の回動角が最大値に達するとき、上記内臓部からの反力が最大値になると考えられる。そして、このように内臓部からの反力が大きくなると、この反力が上記胸下剪断力センサーや胸部加速度センサーに影響してこれらの各検出値に大きい誤差を生じさせるおそれがある。
具体的には、後述する実施例にて図5を参照して詳述するが、この図5によれば、前突の開始から初期時間の経過後には、図5中点線で囲んだ瞬間的な期間において、上記胸下剪断力センサーの検出値と胸部加速度センサーの検出値とが、通常、予想される値より異常に大きくなっている。そして、このように大きくなった分の値は、上記内臓部からの大きい反力が上記胸下剪断力センサーと胸部加速度センサーとに影響したことによる誤差と考えられる。
そこで、上記した大きい誤差が上記各センサーの検出値に生じないよう、上記背骨部に対する上記変位量センサーの取り付け位置を変更することが考えられる。しかし、人体の模擬ダミーの内部の余剰空間は極めて狭いものであり、しかも、変位量センサーは上記背骨部と肋骨部との両者に跨ってこれらの相対位置を検出するものであることから、大型になりがちである。このため、上記ダミーの内部において上記変位量センサーの取り付け位置を変更することは容易でない。
この結果、上記従来の技術の車両の衝突試験装置には、各センサーによる精度のよい検出値を得る上で、改良の余地が残されている。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、人体の模擬ダミーを主体とする車両の衝突試験装置において、背骨部と肋骨部とに跨るよう設けられてこの肋骨部の変位量を検出する変位量センサーの取り付け位置を変更することなく、上記ダミーにおける各センサーの検出値の精度を向上させるようにすることである。
請求項1の発明は、車両1の進行方向の前方に向かってシート8に着座するダミー9が、上記シート8上に載置される腰部18と、この腰部18の後部上面から上方に向かって延出する背骨部19と、この背骨部19の上部からその前側に向かって湾曲しつつ延出する肋骨部21とを有し、上記背骨部19の下部前面側に位置するようこの背骨部19に取り付けられ、車両1の前突時に、上記背骨部19に対する上記肋骨部21の変位量を検出する変位量センサー41を設けた車両の衝突試験装置において、
車両1の前突により上記背骨部19と変位量センサー41とが上記背骨部19の下端部側を中心として前下方に向けて回動Aするとき、上記腰部18側に対する上記変位量センサー41側からの荷重を検出する荷重センサー44、および/もしくは上記腰部18側に対する上記変位量センサー41の相対位置を検出する相対位置センサー61を設けたことを特徴とする車両の衝突試験装置である。
請求項2の発明は、上記荷重センサー44を上記腰部18の前部上面に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の車両の衝突試験装置である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、車両の進行方向の前方に向かってシートに着座するダミーが、上記シート上に載置される腰部と、この腰部の後部上面から上方に向かって延出する背骨部と、この背骨部の上部からその前側に向かって湾曲しつつ延出する肋骨部とを有し、上記背骨部の下部前面側に位置するようこの背骨部に取り付けられ、車両の前突時に、上記背骨部に対する上記肋骨部の変位量を検出する変位量センサーを設けた車両の衝突試験装置において、
車両の前突により上記背骨部と変位量センサーとが上記背骨部の下端部側を中心として前下方に向けて回動するとき、上記腰部側に対する上記変位量センサー側からの荷重を検出する荷重センサー、および/もしくは上記腰部側に対する上記変位量センサーの相対位置を検出する相対位置センサーを設けている。
このため、次の効果が生じる。
即ち、上記衝突試験装置を用いての衝突試験時には、ダミーをシートに着座させた状態で乗車させ、車両を試験的に衝突させる。
すると、上記ダミーの背骨部や肋骨部はその慣性力により上記背骨部の下端部側を中心として前下方に向けて回動する。そして、この際、上記背骨部と共に回動した上記変位量センサーと上記腰部の前部上面との間に何らかの物体が挟み込まれたとすると、この物体に生じる反力が、上記ダミーに設けられる各センサーに影響してこれらの各検出値に大きい誤差を生じさせるおそれがある。
そこで、本発明では、上記したように荷重センサー、および/もしくは相対位置センサーを設けたのであり、これら荷重センサーや相対位置センサーによれば、直接、間接に上記反力の検出ができることから、その検出値により、上記変位量センサーを含む各センサーの検出値を補正してやれば、これら各センサーによる検出値の精度を向上させることができる。
ここで、特に、上記荷重センサーは、その周辺の荷重を検出することで足りる。その一方、上記肋骨部の変位量を検出する変位量センサーは、上記背骨部と肋骨部とに跨るよう設けられることから、上記荷重センサーよりも大型になりがちである。このため、人体の模擬ダミーを主体とする車両の衝突試験装置において、上記したように荷重センサーを設けたとしても、この荷重センサーは比較的コンパクトである分、上記ダミーの内部への設置は容易にできる。
よって、上記大型になりがちな変位量センサーの取り付け位置を変更することなく上記荷重センサーを容易に設けることができ、その分、簡単な構成で、上記ダミーにおける各センサーの検出値の精度を向上させることができる。
請求項2の発明は、上記荷重センサーを上記腰部の前部上面に取り付けている。
ここで、前記請求項1の発明の前提条件によれば、腰部の後部上面から上方に向かって背骨部が延出し、上記変位量センサーは上記背骨部の下部前面側に位置してこの背骨部に取り付けられており、一方、本発明によれば、上記腰部の前部上面に上記荷重センサーが取り付けられる。
このため、上記変位量センサーと荷重センサーとは互いに近接した位置に配置されることから、上記車両の前突時に、上記ダミーの背骨部と共に上記変位量センサーが前下方に向けて回動するとき、上記荷重センサーは上記変位量センサー側からの荷重を、より直接的に精度よく検出できる。よって、上記変位量センサーを含む各センサーの検出値を上記した荷重センサーの精度のよい検出値により補正してやれば、上記各センサーによる検出値の精度を、より向上させることができる。
実施例1を示し、車両の衝突試験装置の全体側面図である。 実施例1を示し、図1の部分拡大図である。 実施例1を示し、図2のIII−III線矢視部分破断図である。 実施例1を示し、図2で示したものの部分斜視図である。 実施例1を示し、前突時における胸下剪断力センサーと胸部加速度センサーとの各検出値を経時的に示したがグラフ図である。 実施例2を示し、図2に相当する図である。
本発明の車両の衝突試験装置に関し、人体の模擬ダミーを主体とする車両の衝突試験装置において、背骨部と肋骨部とに跨るよう設けられてこの肋骨部の変位量を検出する変位量センサーの取り付け位置を変更することなく、上記ダミーにおける各センサーの検出値の精度を向上させるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、車両の衝突試験装置には、車両の進行方向の前方に向かってシートに着座するダミーが設けられる。このダミーは、上記シート上に載置される腰部と、この腰部の後部上面から上方に向かって延出する背骨部と、この背骨部の上部からその前側に向かって湾曲しつつ延出する肋骨部とを有している。上記背骨部の下部前面側に位置するようこの背骨部に取り付けられ、車両の前突時に、上記背骨部に対する上記肋骨部の変位量を検出する変位量センサーが設けられる。
車両の前突により上記背骨部と変位量センサーとが上記背骨部の下端部側を中心として前下方に向けて回動するとき、上記腰部側に対する上記変位量センサー側からの荷重を検出する荷重センサー、および/もしくは上記腰部側に対する上記変位量センサーの相対位置を検出する相対位置センサーが設けられる。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1〜5に従って説明する。
図1〜4において、符号1は自動車で例示される車両であり、この車両1には、衝突試験装置2が搭載される。また、図中矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。
上記車両1の車体3の内部が車室4とされる。車体3の一部を構成し、上記車室4の下面を形成する車体フロアパネル5上に上記衝突試験装置2が設置される。この衝突試験装置2は、上記車体フロアパネル5上に支持されるシート8と、このシート8に対し車両1の進行方向の前方に向かって着座するダミー9と、このダミー9を上記シート8上に拘束する公知の三点式シートベルト装置10と、上記シート8の前方に設置される操向ハンドル11とを備えている。
上記シート8は、上記車体フロアパネル5上に支持されるシートクッション14と、このシートクッション14の後端部側から後上方に突出するシートバック15とを有している。
上記ダミー9は、上記シート8のシートクッション14上に着座するよう載置される腰部18と、この腰部18の後部上面から上記シートバック15にもたれるよう上方に向かって延出する背骨部19と、この背骨部19の上部からその前側に向かって湾曲しつつ延出し、その延出部が胸部20とされる肋骨部21と、上記背骨部19の上端部に首部22を介し連設される頭部23と、上記腰部18から前下方に延出してその延出部が上記車体フロアパネル5上に載置される左右一対の脚部24と、上記背骨部19の上端部側の左右側部から上記ハンドル11に向かうよう前方に延出する左右一対の腕部25とを有している。
上記腰部18の下部は腰骨部28とされる。上記腰部18の上部は、上記腰骨部28に左右一対の締結具29,29により締結され、上記腰骨部28により補強される腰部本体30とされる。上記腰部18は全体的に剛性を有している。
上記背骨部19の下部はゴム製で、この背骨部19の下端部側を中心として少なくとも前後方向に弾性的に回動可能とされる。また、上記背骨部19の上部は剛性を有している。
また、上記ダミー9は、上記腰部18の前部上面、背骨部19の下部、および肋骨部21の下端部で囲まれた空間に設置される軟質の内臓部33を有している。
上記の場合、ダミー9は、上記腰部18等を一体的に外方から覆う不図示の表皮部を有している。また、このダミー9の各部は、外力による変形特性など人体によく模擬される樹脂や軽金属などの各種材質により形成される。
前記シートベルト装置10は、一端部が車体3側であるシートバック15に支持されたリトラクタ36に連結され、他端部側が上記ダミー9の胸部20の前面を斜めに横切り、かつ、腰部18の前面を車両1の幅方向に横切った状態で、車体3側に連結されるシートベルト37を有している。そして、これらリトラクタ36とシートベルト37とによって、シート8上にダミー9が拘束される。
上記背骨部19の上、下部の間に挟み付けられてこの背骨部19に支持されるブラケット40が設けられる。上記背骨部19の下部前面側に位置するよう上記ブラケット40の前端部に取り付けられ、つまり、このブラケット40を介し上記背骨部19に取り付けられる変位量センサー41が設けられる。この変位量センサー41は、車両1の前突時に、この背骨部19に対し接近する上記肋骨部21の下部の変位量を検出するものであって、具体的にはポテンショメータである。
上記背骨部19の上下方向の中途部には胸下剪断力センサー42が介設され、る。具体的には、この胸下剪断力センサー42は上記背骨部19の下部上端とブラケット40との間に挟み付けられて、上記背骨部19に取り付けられる。また、衝突試験装置2の前後方向で上記胸部20に対応する位置の背骨部19内部に取り付けられる胸部加速度センサー43が設けられる。
上記腰部18の前部上面に取り付けられ、上記腰部18側に対する上記変位量センサー41側からの荷重を検出する複数個(5個)の荷重センサー44が設けられる。これら各荷重センサー44はロードセルであって、互いに同形同大とされる。この荷重センサー44は、全体的に円柱形状をなす荷重センサー本体部45と、この荷重センサー本体部45の軸心上で、この荷重センサー本体部45の上面から上方に突出して荷重を入力する荷重入力部46とを有している。
上記腰部18の前部上面への各荷重センサー44の取り付け構造を、より詳しく説明すると、上記連結部材18の前部上面は、その後部上面に比べ一段低くなる下り段差面49とされる。この段差面49には車両1の幅方向での左右対称位置に複数(5つ)の凹部50が形成され、これら各凹部50に上記荷重センサー44が1つづつ挿入されて設置される。
上記荷重センサー44の荷重入力部46は、それぞれ上記段差面49よりも上方に突出している。上記段差面49をその上方から覆う剛性の蓋板51が設けられる。この蓋板51は上記段差面49と平行を保ったまま、この段差面49に対し上下に移動可能となるよう複数(5つ)の締結具52により上記段差面49の面方向での所定位置に位置決めされる。そして、上記蓋板51は、上記各荷重センサー44の荷重入力部46にほぼ均等に圧接させられる。また、この場合、上記蓋板51の上面は上記腰部18の後部上面に対し円滑に連なるよう形成される。また、上記各荷重センサー44の荷重センサー本体部45から延出してその検出信号を出力するリード線53が設けられ、これらリード線53は、上記段差面49に形成された配線溝54を通し外部に向けて配線される。
上記各センサー41〜44はそれぞれ不図示の電子的な制御装置に電気的に接続される。
上記衝突試験装置2を用いての衝突試験時には、上記したようにダミー9をシート8に着座させた状態で乗車させ、このシート8に対しダミー9をシートベルト37により拘束する。そして、前進する車両1を予め準備した壁に対し試験的に衝突(前突)させる。この際、上記各センサー41〜44による検出値がそれぞれデータ化され、これにより、ダミー9が前突によりいかなる影響を受けたかが検証される。
ここで、上記衝突試験における車両1の前突時には、上記ダミー9の背骨部19や肋骨部21はその慣性力により上記シートベルト37の拘束力に対抗しながら上記背骨部19の下端部側を中心として前下方に向けて回動Aする。すると、この際、上記背骨部19と共に回動した上記変位量センサー41と、上記腰部18の前部上面との間に内臓部33の一部分が挟み込まれて、この内臓部33からの反力が、上記背骨部19や胸部20を形成する肋骨部21に与えられるおそれを生じる。
上記の場合、前突が開始され、上記背骨部19と変位量センサー41とが前下方に回動A開始すると共に腰部18が前上方に回動開始してから、ある時間の経過後に、この腰部18の回動角が最大値に達するとき、上記内臓部33からの反力が最大値になると考えられる。そして、このように内臓部33からの反力が大きくなると、この反力が上記変位量センサー41、胸下剪断力センサー42、および胸部加速度センサー43に影響してこれらの各検出値に大きい誤差を生じさせるおそれがある。
図5は、上記各センサー41〜43のうち、前突時における胸下剪断力センサー42の検出値(図5中一点鎖線)である胸下剪断力(N)と、胸部加速度センサー43の検出値(図5中実線)である胸部加速度(m/s)とを、前突開始(時間0)から経時的(0〜100ms)に示したグラフ図である。
上記前突の開始(時間0)から初期時間(時間55)の経過後には、図5中点線で囲んだ瞬間的な期間(時間55〜60)において、上記胸下剪断力センサー42の検出値と胸部加速度センサー43の検出値とが、通常、予想される値より異常に大きくなっている。そして、このように大きくなった分の値は、上記内臓部33からの大きい反力が上記胸下剪断力センサー42と胸部加速度センサー43とに影響したことによる誤差と考えられる。
上記の場合、内臓部33からの反力の大きさは、車両1の前突により上記背骨部19と変位量センサー41とが上記背骨部19の下端部側を中心として前下方に向けて回動Aするとき、上記変位量センサー41側から上記腰部18側への荷重であって上記荷重センサー44が検出した上記荷重の検出値に相当する。そこで、上記グラフ図に基づき、上記胸下剪断力センサー42や胸部加速度センサー43の検出値に、前突時の上記瞬間的な期間において誤差が生じたと考えられるときには、この誤差を上記荷重センサー44の検出値により補正してやれば、上記胸下剪断力センサー42や胸部加速度センサー43による検出値の精度を向上させることができる。また、上記変位量センサー41についても上記と同様にして検出値の精度を向上させることができる。
ここで、上記荷重センサー44は、その周辺である直上の荷重を検出することで足りるが、その一方、上記肋骨部21の変位量を検出する変位量センサー41は、上記背骨部19と肋骨部21とに跨るよう設けられることから、上記荷重センサー44よりも大型になりがちである。このため、人体の模擬ダミー9を主体とする車両の衝突試験装置において、上記したように荷重センサー44を設けたとしても、この荷重センサー44は比較的コンパクトである分、上記ダミー9の内部への設置は容易にできる。
よって、上記大型になりがちな変位量センサー41の取り付け位置を変更することなく上記荷重センサー44を容易に設けることができ、その分、簡単な構成で、上記ダミー9における各センサー42,43の検出値の精度を向上させることができる。
また、前記したように、荷重センサー44を上記腰部18の前部上面に取り付けている。
ここで、前記したように、腰部18の後部上面から上方に向かって背骨部19が延出し、上記変位量センサー41は上記背骨部19の下部前面側に位置してこの背骨部19に取り付けられており、一方、上記構成によれば、上記腰部18の前部上面に上記荷重センサー44が取り付けられる。
このため、上記変位量センサー41と荷重センサー44とは互いに近接した位置に配置されることから、上記車両1の前突時に、上記ダミー9の背骨部19と共に上記変位量センサー41が前下方に向けて回動Aするとき、上記荷重センサー44は上記変位量センサー41側からの荷重を、より直接的に精度よく検出できる。よって、上記変位量センサー41、胸下剪断力センサー42、および胸部加速度センサー43の各検出値を上記した荷重センサー44の精度のよい検出値により補正してやれば、上記各センサー41〜43による検出値の精度を、より向上させることができる。
また、上記荷重センサー44を上記腰部18の前部上面において車両1の幅方向に複数設け、かつ、一枚の蓋板51を介して上記変位量センサー41側からの荷重を上記各荷重センサー44が分担して検出するようにしている。
このため、前突時における上記変位量センサー41側から上記蓋板51に与えられる荷重に偏りがあるとしても、上記蓋板51を介し各荷重センサー44により検出された各検出値を上記制御装置で平均値を算出するなど演算処理してやれば、その値により、上記変位量センサー41、胸下剪断力センサー42、および胸部加速度センサー43、また、その他のセンサーによる検出値を適正に補正することができ、よって、その検出値の精度を向上させることができる。なお、以上は図示の例によるが、シートベルト装置10のリトラクタ36は、車体3側壁のセンタピラー下部の内部に位置させて車体3側に固定してもよい。
以下の図6は、実施例2を示している。この実施例2は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図6に従って説明する。
図6において、上記荷重センサー44の他の例として前記実施例1のロードセルに代えて感圧導電性を有するエラストマーセンサー57が設けられる。このエラストマーセンサー57はゴム材料に導電材を混合させたものであって一般に感圧シートといわれる。そして、前記衝突試験における車両1の前突時に、上記変位量センサー41から内臓部33を介し上記エラストマーセンサー57に荷重が与えられて弾性変形するとき、この弾性変形に伴って電気抵抗値が変化し、これに基づく検出信号が出力される。
なお、上記エラストマーセンサー57に代えて、荷重の大きさに応じて変形するときの静電容量の変化に基づき検出信号を出力する圧力センサーを用いてもよい。
また、上記エラストマーセンサー57に代え、もしくはこれと共に、上記内臓部33の外面に貼着される他のエラストマーセンサー58を設けてもよい。
更に、上記実施例1の荷重センサー44であるロードセルや、上記したエラストマーセンサー57に代えてテープスイッチ(株式会社東京センサの登録商標)を設けてもよい。このテープスイッチは、前記荷重入力部46として偏平な環形状断面を有する樹脂製の弾性筒状体を有し、この荷重入力部46は上記腰部18の腰部本体30と内臓部33との間に介設される。上記筒状体の内周面には、その偏平な一部分と、この一部分に対面する偏平な他部分とに一対の電気接触子が設けられており、これら接触子から制御装置に向かってリード線53が延出させられる。
そして、前突時に、上記荷重入力部46に対し上記変位量センサー41から内臓部33を介し所定値以上の過大な荷重が与えられたとき、上記筒状体の弾性的な圧縮変形により上記両接触子同士が接触して、その検出信号が出力されるようになっている。このため、上記荷重センサー44により検出信号が出力されている期間では、上記変位量センサー41、胸下剪断力センサー42、および胸部加速度センサー43の検出値に誤差が生じていると判断し、この検出値を、上記荷重センサー44の検出値により補正すればよい。
また、上記荷重センサー44に加え、もしくはこの荷重センサー44に代えて上記腰部18側に対する上記変位量センサー41の相対位置を検出する相対位置センサ―61が設けられる。この相対位置センサ―61は、上記腰部18の腰部本体30の上面と、この上面に対面する上記変位量センサー41の下面との間に介設され、この変位量センサー41と同構成のポテンショメータ62や、差動変圧器63で例示される。
そして、前突時に、上記腰部18側に対する上記変位量センサー41の相対位置が所定値以上になったとき、上記相対位置センサ―61は、その検出信号を出力し、これに基づき、上記内臓部33に生じる反力の値が演算されるようになっている。このため、上記相対位置センサ―61により検出信号が出力されている期間では、上記変位量センサー41、胸下剪断力センサー42、および胸部加速度センサー43の検出値に誤差が生じていると判断し、この検出値を、上記相対位置センサ―61の検出値、もしくはこの検出値から演算した反力の値により補正すればよい。
なお、上記ポテンショメータ62と差動変圧器63とはいずれか一方のみを設けてもよい。また、上記ポテンショメータ62はトルクセンサーとしてもよい。また、上記ポテンショメータ62と差動変圧器63とは、これらに代えてリミットスイッチやリードスイッチを設けてもよい。そして、これら各スイッチによれば、上記テープスイッチと同様の作用が生じる。
また、上記相対位置センサ―61の他の例として、上記腰部18の腰部本体30の上面と、この上面に少し離れて対面する上記内臓部33の下面との両面のうち、いずれか一方の面に塗布される「どうらん」や、乾燥しない絵の具、ペンキのような塗料65が設けられる。そして、前突時に、上記変位量センサー41から内臓部33に所定値以上の過大な荷重が与えられた時には、この内臓部33が大きく弾性変形して、上記塗料65が上記両面のうちの他方の面に付着するようになっている。
このため、前記衝突試験後に、上記塗料65が上記両面にそれぞれ付着していることを視認したときには、上記荷重が過大であったことを知ることができる。そこで、これに基づき、前突時の上記変位量センサー41、胸下剪断力センサー42、および胸部加速度センサー43の検出値には誤差が生じていたものと判断し、その検出値を補正すればよい。
1 車両
2 衝突試験装置
3 車体
4 車室
5 車体フロアパネル
8 シート
9 ダミー
10 シートベルト装置
18 腰部
19 背骨部
20 胸部
21 肋骨部
33 内臓部
37 シートベルト
41 変位量センサー
42 胸下剪断力センサー
43 胸部加速度センサー
44 荷重センサー
45 荷重センサー本体部
46 荷重入力部
49 段差面
50 凹部
51 蓋板
61 相対位置センサー
A 回動

Claims (2)

  1. 車両の進行方向の前方に向かってシートに着座するダミーが、上記シート上に載置される腰部と、この腰部の後部上面から上方に向かって延出する背骨部と、この背骨部の上部からその前側に向かって湾曲しつつ延出する肋骨部とを有し、上記背骨部の下部前面側に位置するようこの背骨部に取り付けられ、車両の前突時に、上記背骨部に対する上記肋骨部の変位量を検出する変位量センサーを設けた車両の衝突試験装置において、
    車両の前突により上記背骨部と変位量センサーとが上記背骨部の下端部側を中心として前下方に向けて回動するとき、上記腰部側に対する上記変位量センサー側からの荷重を検出する荷重センサー、および/もしくは上記腰部側に対する上記変位量センサーの相対位置を検出する相対位置センサーを設けたことを特徴とする車両の衝突試験装置。
  2. 上記荷重センサーを上記腰部の前部上面に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の車両の衝突試験装置。
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