JP2014122772A - 蓄熱システム、および蓄熱運転方法 - Google Patents

蓄熱システム、および蓄熱運転方法 Download PDF

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彰悟 吉良
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宏成 菊池
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Abstract

【課題】蓄熱材に蓄熱する蓄熱運転時の消費電力を小さくできる蓄熱システム、および蓄熱運転方法を提供することを課題とする。
【解決手段】冷熱を蓄熱する蓄熱材11と、蓄熱材11を収容するとともに冷水Waを貯水する蓄熱槽21と、冷水Waを冷却する冷凍機2と、冷水Waを蓄熱槽21と冷凍機2の間で循環させる冷却側ポンプ51と、蓄熱槽21に貯水されている冷水Waを冷却して蓄熱材11に冷熱を蓄熱するために冷凍機2および冷却側ポンプ51を制御して蓄熱運転を実行するECU80と、を備える蓄熱システムとする。そして、ECU80は、冷凍機2と冷却側ポンプ51を駆動する蓄熱時間に基づいて、冷凍機2から蓄熱槽21に流入する冷水Waの水温と冷却側ポンプ51の出力と蓄熱時間の関係を示すデータを参照し、冷凍機2から蓄熱槽21に流入する冷水Waの水温と冷却側ポンプ51の出力を設定して蓄熱運転を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄熱システム、および蓄熱運転方法に関する。
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1には、「潜熱蓄熱式冷房システムにおいて、(1)蓄冷時に、ヒートポンプチラーの負荷を制御することによってヒートポンプチラーにおいて冷水が凍結しないようにすると共に、潜熱蓄熱槽にシステムが許容する最大量の冷水を通過させ、(2)放冷時に、ヒートポンプチラーの負荷を制御することによってファンコイルユニット側から潜熱蓄熱槽へ戻る冷水の温度を12℃〜15℃の範囲にすると共に、潜熱蓄熱槽への戻り冷水の全量を、その一部をバイパスさせることなく、潜熱蓄熱槽を通過させる」と記載されている(要約参照)。
特開平7−332714号公報
特許文献1に記載されている潜熱蓄熱式冷房システム(蓄熱システム)は、潜熱蓄熱槽に潜熱蓄熱材を入れることによって潜熱蓄熱槽を小型化している。
しかしながら、特許文献1には、潜熱蓄熱材に蓄熱する運転時(蓄熱運転時)の消費電力を小さくする技術は開示されていない。
そこで、本発明は、蓄熱材に蓄熱する蓄熱運転時の消費電力を小さくできる蓄熱システム、および蓄熱運転方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため本発明は、冷熱を蓄熱する蓄熱材を収容するとともに冷水を貯水する蓄熱槽と、冷水を冷却する冷凍機と、冷水を蓄熱槽と冷凍機の間で循環させるポンプと、冷凍機およびポンプを制御する制御装置と、を備える蓄熱システムとする。そして制御装置は、冷凍機とポンプを駆動する蓄熱運転を実行する蓄熱時間に基づいて、冷水の水温とポンプの出力と蓄熱時間の関係を示すデータを参照し、冷凍機から蓄熱槽に流入する冷水の水温とポンプの出力を設定して蓄熱運転を実行するという特徴を有する。
本発明によると、蓄熱材に蓄熱する蓄熱運転時の消費電力を小さくできる蓄熱システム、および蓄熱運転方法を提供することができる。
実施例1に係る蓄熱システムの構成図である。 冷却側配管における水温と、冷却側配管における冷水の流量と、蓄熱時間と、の関係を示す冷却水温テーブルの一例である。 蓄熱運転の手順を示すフローチャートである。 実施例2に係る蓄熱システムの構成図である。
以下、適宜図を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。なお、以下の説明で記載する、水温、ポンプ出力、時間などの具体的な数値は一例に過ぎず、水温、ポンプ出力、時間などは、これらの具体的な数値に限定されるものではない。
図1は、実施例1に係る蓄熱システムの構成図である。
図1に示すように、実施例1の蓄熱システム1は、冷水Wa(冷却側冷水Wa1)を冷却する冷凍機2と、蓄熱材11を内部に収容するとともに冷水Wa(蓄熱用冷水Wa0)を貯水する蓄熱槽21と、が配管(冷却側配管3)で接続されて構成される。冷凍機2は、例えばヒートポンプ式のものなど冷却側冷水Wa1を冷却できる機能を有するものであれば、その構成は限定されるものではない。
冷却側配管3は、蓄熱槽21の上部から冷凍機2の入口部2aまで冷却側冷水Wa1を導水する入側配管3aと、冷凍機2の出口部2bから蓄熱槽21の下部まで冷却側冷水Wa1を導水する出側配管3bと、を含んで構成され、入側配管3aには、蓄熱用冷水Wa0を冷却側冷水Wa1として蓄熱槽21から冷凍機2に送水するポンプ(冷却側ポンプ51)が備わる。冷却側ポンプ51にはインバータ51aが備わり、制御装置(Electronic Control Unit:ECU80)がインバータ51aの周波数を変更することによって、冷却側ポンプ51から冷凍機2に送水される冷却側冷水Wa1の流量、つまり、冷却側配管3を流通する冷却側冷水Wa1の流量が変更可能に構成される。
なお、冷却側ポンプ51で蓄熱槽21から冷凍機2に送水された冷却側冷水Wa1は、冷凍機2で冷却された後に出側配管3bを流通して蓄熱槽21に蓄熱用冷水Wa0として流入する構成であり、冷却側ポンプ51は、冷却側冷水Wa1を蓄熱槽21と冷凍機2の間で循環させる機能を有する。
蓄熱槽21に収容される蓄熱材11は所定の温度「Tm(℃)」を融点温度とし、融点温度「Tm(℃)」以下で固化する性質を有する。そして、蓄熱材11は融点温度「Tm(℃)」以下に冷却されたときに固化することによって冷熱を蓄熱する。
蓄熱槽21には、例えば小さなブロックに分割された複数の蓄熱材11が収容され、蓄熱槽21に貯水される蓄熱用冷水Wa0を蓄熱材11の融点温度「Tm(℃)」程度の水温に保冷するように構成される。
また、蓄熱システム1には、蓄熱槽21と配管(使用側配管4)を介して接続される冷水コイル5が備わる。使用側配管4は、蓄熱槽21の下部から冷水コイル5の入口部5aまで冷水Wa(使用側冷水Wa2)を導水する入側配管4aと、冷水コイル5の出口部5bから蓄熱槽21の上部まで使用側冷水Wa2を導水する出側配管4bと、を含んで構成され、入側配管4aには、蓄熱用冷水Wa0を使用側冷水Wa2として蓄熱槽21から冷水コイル5に送水するポンプ(使用側ポンプ52)が備わる。使用側ポンプ52にはインバータ52aが備わり、ECU80がインバータ52aの周波数を変更することによって、使用側ポンプ52から冷水コイル5まで送水される使用側冷水Wa2の流量、つまり、使用側配管4を流通する使用側冷水Wa2の流量が変更可能に構成される。
なお、冷水コイル5は、蓄熱槽21から送水される使用側冷水Wa2で周囲の大気9を冷却する冷却装置(熱交換器)であり、その構成は限定されない。
また、冷却側冷水Wa1、使用側冷水Wa2の水温を計測する温度センサが蓄熱システム1の各所に配設されている。蓄熱槽21と冷凍機2を接続する冷却側配管3には、入側配管3aに温度センサ70が配設され、出側配管3bに温度センサ71が配設される。また、蓄熱槽21と冷水コイル5を接続する使用側配管4には、入側配管4aに温度センサ72が配設され、出側配管4bに温度センサ73が配設される。さらに、蓄熱システム1には、冷水コイル5の周囲の大気9の気温を計測する温度センサ74が備わっている。
各温度センサ70〜74が計測した冷却側冷水Wa1、使用側冷水Wa2の水温や大気9の気温は、それぞれ計測信号としてECU80に入力され、ECU80は入力された計測信号に基づいて、冷却側配管3を流通する冷却側冷水Wa1の水温、使用側配管4を流通する使用側冷水Wa2の水温、冷水コイル5の周囲の大気9の気温を取得可能に構成される。なお、ECU80には、データなどを記憶するための記憶部81が備わっている。
以上のように構成される蓄熱システム1では、冷水コイル5で大気9と熱交換して水温が上昇した使用側冷水Wa2が使用側配管4(出側配管4b)を流通して蓄熱槽21に流入し蓄熱用冷水Wa0として貯水される。このときに蓄熱材11が固化していると、蓄熱槽21に貯水されている蓄熱用冷水Wa0の水温が蓄熱材11の融点温度「Tm(℃)」を超えた時点で固化している蓄熱材11が液状化する。蓄熱材11は液状化するときに蓄熱槽21に貯水されている蓄熱用冷水Wa0から溶解熱を吸収(吸熱)するため蓄熱用冷水Wa0は水温が低下し、蓄熱用冷水Wa0は蓄熱材11の融点温度「Tm(℃)」程度の水温で保冷される。
蓄熱材11の全てが液状化した状態になると、蓄熱槽21に貯水されている蓄熱用冷水Wa0からの吸熱がなくなり蓄熱用冷水Wa0は水温が低下しない。したがって、蓄熱槽21に貯水されている蓄熱用冷水Wa0の水温が蓄熱材11の融点温度「Tm(℃)」より高くなり、蓄熱槽21に貯水される蓄熱用冷水Wa0の水温が必要な低温に維持されない。
そこで、実施例1の蓄熱システム1は、例えば、冷却側ポンプ51や冷凍機2に供給される電力(商用電力)の使用料金(電力料金)が安価な時間帯(例えば、夜間の夜間電力料金時間帯)に冷凍機2が運転されて冷却側冷水Wa1が冷却され、冷却された冷却側冷水Wa1が蓄熱用冷水Wa0として蓄熱槽21に貯水される。このとき、蓄熱槽21に貯水される蓄熱用冷水Wa0は、蓄熱材11の融点温度「Tm(℃)」より低い水温まで冷凍機2で冷却される。そして、蓄熱材11は蓄熱用冷水Wa0で融点温度「Tm(℃)」まで冷却されて固化し、蓄熱材11に冷熱が蓄熱される。
例えば、予め設定された時刻(夜間電力料金時間帯の開始時刻など)になると、ECU80は、冷凍機2で冷却側冷水Wa1を冷却するように蓄熱システム1を運転する。以下、冷凍機2で冷却側冷水Wa1を冷却する運転を蓄熱運転と称する。蓄熱システム1は蓄熱運転で冷却側冷水Wa1を冷却し、冷却した冷却側冷水Wa1を蓄熱用冷水Wa0として蓄熱槽21に貯水して蓄熱材11を冷却し、冷熱を蓄熱する。
蓄熱運転を開始するとECU80は、蓄熱システム1を蓄熱運転する時間(蓄熱時間)を決定する。このときECU80は、電力料金が安価な夜間電力料金時間帯の範囲内で蓄熱時間を決定する。例えば、夜間の割引料金が夜10時から翌朝8時までの10時間に亘って適用される料金体系(つまり、夜間電力料金時間帯が夜10時から翌朝8時までの料金体系)の場合、ECU80は蓄熱時間を「10時間」に決定する。
例えば、蓄熱システム1のユーザ等が、夜間電力料金時間帯を図示しない入力装置(キーボード等)でECU80に予め入力しておけば、ECU80は夜間電力料金時間帯に基づいて蓄熱時間を決定できる。
さらに、ECU80は決定した蓄熱時間に亘る蓄熱運転で、蓄熱槽21に貯水される蓄熱用冷水Wa0の水温が蓄熱材11の融点温度「Tm(℃)」よりも低温になるように、冷却側配管3における冷却側冷水Wa1の流量、すなわち、冷却側ポンプ51の吐出量(ポンプ出力)を設定する。
図2は、冷却側配管における水温(冷水温度)と、蓄熱時間と、冷却側配管における冷却側冷水Wa1の流量(ポンプ出力)と、の関係を示す冷却水温テーブルの一例である。
例えば、図2に示すように、冷凍機2から蓄熱槽21に流入する冷却側冷水Wa1の水温(出側配管3bにおける冷却側冷水Wa1の水温)と、冷却側配管3における冷却側冷水Wa1の流量と、蓄熱時間と、の関係が示されるテーブル形式のデータ(冷却水温テーブル80a)がECU80の記憶部81に記憶されている構成とすればよい。図2に示す冷却水温テーブル80aは、縦軸が蓄熱時間、横軸が冷却側冷水Wa1の水温(冷水温度)を示し、蓄熱時間と冷却側冷水Wa1の水温の関係をポンプ出力ごとに示している。
冷凍機2は吐出する冷却側冷水Wa1の水温が高いほど消費電力を削減できるため、蓄熱運転するときに冷凍機2から蓄熱槽21に蓄熱用冷水Wa0として流入する冷却側冷水Wa1の水温を高くすることによって消費電力を削減できる。しかしながら、蓄熱材11に冷熱を蓄熱するためには、蓄熱槽21に流入する冷却側冷水Wa1の水温が蓄熱材11の融点温度「Tm(℃)」よりも低いことが必要となる。つまり、冷凍機2から蓄熱槽21に流入する冷却側冷水Wa1の水温が蓄熱材11の融点温度「Tm(℃)」よりも低いことが要求される。
図2に示す冷却水温テーブル80aは、冷凍機2から蓄熱槽21に流入する冷却側冷水Wa1の水温を「7(℃)」に設定し、また、冷却側ポンプ51のポンプ出力「70%」を選択すれば、「10時間」の蓄熱運転で蓄熱材11に冷熱を蓄熱できることを示す。
因みに、冷却水温テーブル80aには、冷凍機2から蓄熱槽21に流入する冷却側冷水Wa1の水温を「5(℃)」に設定し、また、冷却側ポンプ51のポンプ出力「70%」を選択すれば約2時間の蓄熱運転で蓄熱材11に冷熱を蓄熱でき、冷却側ポンプ51のポンプ出力「90%」を選択すれば約1時間の蓄熱運転で蓄熱材11に冷熱を蓄熱できることが示されている。
実施例1において夜間電力料金時間帯が10時間の場合は「10時間」の蓄熱運転が可能であるとし、この場合、図1に示す、冷却側ポンプ51のポンプ出力「70%」を選択すれば、冷凍機2から蓄熱槽21に流入する冷却側冷水Wa1の水温を、蓄熱材11の融点温度(「8(℃)」)よりも低い「7(℃)」に設定することができ、これにより、蓄熱材11に冷熱を蓄熱できる。
したがってECU80は、夜間電力料金時間帯が10時間の場合、蓄熱時間を「10時間」に決定し、冷却水温テーブル80a(データ)を参照して冷凍機2から蓄熱槽21に流入する冷却側冷水Wa1の水温を、蓄熱材11の融解温度「8(℃)」よりも低い「7(℃)」に設定し、さらに、冷却水温テーブル80aを参照して冷却側ポンプ51のポンプ出力「70%」を選択する。
このような冷却水温テーブル80a(図2参照)は、冷凍機2の性能や蓄熱槽21の容量など、蓄熱システム1の特性に応じて予め設定されていることが好ましい。
また、ECU80は、冷却側ポンプ51のポンプ出力「70%」を選択した場合、冷却側ポンプ51のポンプ出力が「70%」になるようにインバータ51aの周波数を設定する。例えば、交流電源の周波数をインバータ51aの周波数としたときにポンプ出力が100%となる冷却側ポンプ51であれば、交流電源の周波数の70%をインバータ51aの周波数とすれば冷却側ポンプ51のポンプ出力が70%になる。一例として、交流電源の周波数が「50Hz」の地域では、インバータ51aの周波数を「35Hz」に設定すると冷却側ポンプ51のポンプ出力が70%になる。
そして、ECU80は蓄熱システム1を蓄熱運転する場合、冷凍機2の出口部2bにおける冷却側冷水Wa1の水温が設定した水温(「7(℃)」)になるように冷凍機2を運転し、さらに設定した周波数で冷却側ポンプ51を運転する。これによって、冷凍機2で「7(℃)」に冷却された冷却側冷水Wa1が蓄熱槽21に蓄熱用冷水Wa0として下部から流入して蓄熱材11を冷却する。蓄熱材11を冷却した蓄熱用冷水Wa0は蓄熱材11から与えられる熱量によって水温が「7(℃)」よりも高くなる(例えば、「7.5(℃)」程度まで上昇する場合がある)。一方、水温が「7(℃)」の蓄熱用冷水Wa0で冷却された蓄熱材11は温度が融点温度「8(℃)」よりも低下して固化し、冷熱を潜熱として蓄熱する。
そして、蓄熱材11を冷却して水温が高くなった蓄熱用冷水Wa0は、入側配管3aを流通して冷凍機2に冷却側冷水Wa1として送水されて水温が「7(℃)」になるまで冷却される。
このように冷水Wa(冷却側冷水Wa1,蓄熱用冷水Wa0)が冷凍機2と蓄熱槽21の間で循環し、冷水Wa(蓄熱用冷水Wa0)で蓄熱材11を冷却する。
なお、ECU80は、出側配管3bに配設される温度センサ71から入力される計測信号で冷凍機2の出口部2bにおける冷却側冷水Wa1の水温を監視し、冷凍機2の出口部2bにおける冷却側冷水Wa1の水温が設定した水温を維持するように冷凍機2を制御する。
ECU80は決定した蓄熱時間が経過したときに蓄熱運転を停止する。具体的に、ECU80は、蓄熱運転を開始してから10時間が経過した時点で冷凍機2および冷却側ポンプ51を停止する。蓄熱槽21には水温が「7(℃)」から「8(℃)」の間に冷却された蓄熱用冷水Wa0が貯水され、蓄熱材11は固化した状態が維持される。これによって蓄熱材11に冷熱が潜熱として蓄熱される。
なお、ECU80は、冷凍機2の入口部2aの側に配設される温度センサ70が計測した水温と、冷凍機2の出口部2bの側に配設される温度センサ71が計測した水温と、の温度差が「0(℃)」になったときに、蓄熱材11が全て固化したと判定して蓄熱運転を停止する構成であってもよい。
そして、例えばユーザの操作やタイマ等による自動始動によって、ECU80が使用側ポンプ52を駆動すると、蓄熱槽21に貯水されている蓄熱用冷水Wa0が使用側配管4(入側配管4a)を使用側冷水Wa2として流通して冷水コイル5に流入する。冷水コイル5で使用側冷水Wa2は周囲の大気9と熱交換して水温が上昇する(例えば「15(℃)」程度まで上昇する場合がある)。そして水温が上昇した使用側冷水Wa2は、使用側配管4(出側配管4b)を流通して蓄熱槽21に蓄熱用冷水Wa0として上部から流入する。なお、水温が上昇した蓄熱用冷水Wa0が上部から蓄熱槽21に流入する構成によって蓄熱槽21内における蓄熱用冷水Wa0の対流が抑制され、蓄熱槽21の下部に貯水されている蓄熱用冷水Wa0の水温の上昇が抑制される。
温度が融点温度「8(℃)」よりも低く維持されて固化した状態の蓄熱材11は、蓄熱槽21に流入した、水温が上昇している蓄熱用冷水Wa0と熱交換して液状化し、そのときに蓄熱用冷水Wa0から溶解熱を吸熱する。冷水コイル5で水温が「15(℃)」程度まで上昇した蓄熱用冷水Wa0は吸熱されて水温が低下する。これによって蓄熱用冷水Wa0の水温は、蓄熱材11の融点温度「8(℃)」より高めの水温(例えば「12(℃)」程度)まで低下する。
したがって、蓄熱槽21に貯水される蓄熱用冷水Wa0の水温が低温に維持され、冷水コイル5に低温(例えば「12(℃)」程度)の使用側冷水Wa2が供給される。
図3は、蓄熱運転の手順を示すフローチャートである。図3を参照して、ECU80が蓄熱システム1を蓄熱運転する手順を説明する(以下、適宜図1,2参照)。
ECU80は蓄熱運転を開始すると、蓄熱時間を決定し(ステップS1)、さらに、決定した蓄熱時間と、蓄熱材11の融点温度に基づいて冷却水温テーブル80aを参照し、冷却側配管3(出側配管3b)における冷却側冷水Wa1の水温とポンプ出力を設定する(ステップS2)。また、ECU80は、冷却側ポンプ51のポンプ出力が、設定したポンプ出力となるようにインバータ51aの周波数を設定する(ステップS3)。
そして、ECU80は、冷凍機2の出口部2bにおける冷却側冷水Wa1の水温が設定した水温(「7(℃)」等)になるように冷凍機2を運転し、さらに、冷却側ポンプ51を設定した周波数で運転する(ステップS4)。
ECU80は、決定した蓄熱時間が経過したか否かを判定し(ステップS5)、決定した蓄熱時間が経過したと判定した場合(ステップS5→Yes)、蓄熱運転を終了する(ステップS7)。一方、ECU80は、蓄熱時間が経過していないと判定した場合(ステップS5→No)、冷却側配管3の入側配管3aに配設される温度センサ70が計測した水温と、冷却側配管3の出側配管3bに配設される温度センサ71が計測した水温と、に基づいて冷凍機2の入口部2aにおける冷却側冷水Wa1の水温と出口部2bにおける冷却側冷水Wa1の水温を比較する(ステップS6)。そして、ECU80は、入口部2aの水温と出口部2bの水温が等しいと判定した場合(ステップS6→Yes)、つまり入口部2aの水温と出口部2bの水温の温度差が「0(℃)」になったと判定した場合、蓄熱運転を終了する(ステップS7)が、入口部2aの水温と出口部2bの水温が等しくないと判定した場合は(ステップS6→No)、手順をステップS5に戻す。
なお、ECU80はステップS6で、入口部2aの水温と出口部2bの水温の温度差が予め設定される所定の閾値より小さくなった場合に、入口部2aの水温と出口部2bの水温の温度差が「0(℃)」になったと判定する。
ECU80は以上のような手順で蓄熱システム1を蓄熱運転する。
このような蓄熱運転によって、実施例1の蓄熱システム1(図1参照)は、任意の時刻に冷凍機2(図1参照)で冷却側冷水Wa1を冷却することができ、蓄熱槽21(図1参照)に収容されている蓄熱材11(図1参照)に冷熱を蓄熱できる。例えば、電力料金が安価な夜間電力料金時間帯に冷凍機2で冷却側冷水Wa1を冷却することが可能であり、低コストで冷却側冷水Wa1を冷却でき、さらに、蓄熱材11に冷熱を蓄熱できる。
また、ECU80は電力料金が安価な夜間電力料金時間帯の全ての時間に亘って蓄熱運転するため、冷凍機2での冷却負荷を小さくできる。つまり、蓄熱運転において蓄熱槽21(図1参照)に蓄熱用冷水Wa0として流入する冷却側冷水Wa1の水温を高めに設定できる。
前記したように、冷凍機2(図1参照)は吐出する冷却側冷水Wa1の水温が高いほど消費電力を削減できるため、蓄熱槽21に流入する冷却側冷水Wa1の水温が高めに設定されることによって蓄熱運転時の消費電力を削減できる。
例えば、図2に一例を示す冷却水温テーブル80aの場合、蓄熱槽21に流入する冷却側冷水Wa1の水温を「5(℃)」に設定すると蓄熱運転する蓄熱時間を2時間とすることができるが冷凍機2での冷却負荷が大きいため消費電力が増える。
実施例1の蓄熱システム1は、ECU80が冷却水温テーブル80aに基づいて、蓄熱運転する時間(蓄熱時間)と、蓄熱槽21に流入する冷却側冷水Wa1の水温と、冷却側ポンプ51のポンプ出力と、を設定することによって蓄熱運転時における消費電力を削減することが可能になる。
図4は、実施例2に係る蓄熱システムの構成図である。実施例2に係る蓄熱システム1aは、実施例1の蓄熱システム1(図1参照)に備わる蓄熱槽21に替わって、2つの蓄熱槽(第1蓄熱槽22a,第2蓄熱槽22b)が備わっている。そして、第1蓄熱槽22aには第1蓄熱材12aが収容され、第2蓄熱槽22bには第2蓄熱材12bが収容される。
なお、図4に示す蓄熱システム1aにおいては、図1に示す実施例1に係る蓄熱システム1と同じ構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
第1蓄熱槽22aと第2蓄熱槽22bは配管(蓄熱槽配管220)を介して接続されている。蓄熱槽配管220は、第1蓄熱槽22aの上部と第2蓄熱槽22bの下部を接続し、第1蓄熱槽22aの上部から第2蓄熱槽22bの下部に蓄熱用冷水Wa0が送水されるように構成される。そして、蓄熱槽配管220を流通する蓄熱用冷水Wa0の水温を計測する温度センサ75が備わる。
第2蓄熱槽22bは、冷却側配管3(入側配管3a)を介して冷凍機2の入口部2aと接続され、使用側配管4(出側配管4b)を介して冷水コイル5の出口部5bと接続される。また、第1蓄熱槽22aは、冷却側配管3(出側配管3b)を介して冷凍機2の出口部2bと接続され、使用側配管4(入側配管4a)を介して冷水コイル5の入口部5aと接続される。
なお、入側配管3aおよび出側配管4bは第2蓄熱槽22bの上部に接続され、出側配管3bおよび入側配管4aは第1蓄熱槽22aの下部に接続される。
また、冷却側ポンプ51で第2蓄熱槽22bから冷凍機2に送水された冷却側冷水Wa1は出側配管3bを流通して第1蓄熱槽22aに流入し、第1蓄熱槽22aに蓄熱用冷水Wa0として流入した冷却側冷水Wa1は蓄熱槽配管220を流通して第2蓄熱槽22bに流入する構成である。したがって、実施例2の蓄熱システム1aにおいても冷却側ポンプ51は、冷却側冷水Wa1を蓄熱槽(第1蓄熱槽22a,第2蓄熱槽22b)と冷凍機2の間で循環させる機能を有する。
また、第2蓄熱材12bの融点温度「Tm2(℃)」は、第1蓄熱材12aの融点温度「Tm1(℃)」よりも高く設定される。例えば、第1蓄熱材12aの融点温度が「8(℃)」のとき、第2蓄熱材12bの融点温度は「10(℃)」に設定される。
以上のように構成される蓄熱システム1aでは、冷水コイル5で大気9と熱交換して水温が上昇した使用側冷水Wa2が第2蓄熱槽22bに蓄熱用冷水Wa0として流入すると、第2蓄熱材12bの温度が蓄熱用冷水Wa0の水温によって上昇する。このときに第2蓄熱材12bが固化していると、第2蓄熱槽22bに流入した蓄熱用冷水Wa0との熱交換で固化している第2蓄熱材12bが液状化する。第2蓄熱材12bは液状化するときに第2蓄熱槽22bに貯水されている蓄熱用冷水Wa0から溶解熱を吸熱するため、蓄熱用冷水Wa0は水温が低下して第2蓄熱材12bの融点温度「Tm2(℃)」よりやや高めの水温(中温)まで冷却される。
例えば、使用側冷水Wa2の水温が冷水コイル5での熱交換によって「15(℃)」程度まで上昇し、第2蓄熱材12bの融点温度が「10(℃)」の場合、第2蓄熱槽22bには「10(℃)」よりやや高めの水温(中温:「12(℃)」程度)の蓄熱用冷水Wa0が貯水される。
そして、第2蓄熱槽22bの下部からは、水温が中温まで冷却された蓄熱用冷水Wa0が蓄熱槽配管220に流出して第1蓄熱槽22aに上部から流入する。第2蓄熱材12bの融点温度「Tm2(℃)」は第1蓄熱材12aの融点温度「Tm1(℃)」よりも高いため、第1蓄熱槽22aに流入する冷水の水温は第1蓄熱材12aの融点温度「Tm1(℃)」よりも高い。したがって、第1蓄熱槽22aには、第1蓄熱材12aの融点温度「Tm1(℃)」よりも水温が高い蓄熱用冷水Wa0が流入する。このとき、第1蓄熱材12aが固化していると、第1蓄熱槽22aに流入した蓄熱用冷水Wa0との熱交換で固化している第1蓄熱材12aが液状化する。第1蓄熱材12aは液状化するときに第1蓄熱槽22aに貯水されている蓄熱用冷水Wa0から溶解熱を吸熱するため、蓄熱用冷水Wa0は、水温が低下して第1蓄熱材12aの融点温度「Tm1(℃)」よりやや高めの水温まで冷却される。
例えば、第1蓄熱材12aの融点温度が「8(℃)」で、第2蓄熱槽22bに貯水される蓄熱用冷水Wa0の水温が「12(℃)」の場合、第1蓄熱槽22aには水温が「12(℃)」の蓄熱用冷水Wa0が流入して融点温度が「8(℃)」の第1蓄熱材12aで冷却される。
固化している第1蓄熱材12aは液状化するときに蓄熱用冷水Wa0から溶解熱を吸熱し、蓄熱用冷水Wa0は第1蓄熱材12aの融点温度「8(℃)」よりやや高めの水温(「9(℃)」程度)まで冷却されて貯水される。
第1蓄熱材12a,第2蓄熱材12bの全てが液状化した状態になると、第1蓄熱槽22aおよび第2蓄熱槽22bに貯水されている蓄熱用冷水Wa0からの吸熱がなくなり蓄熱用冷水Wa0は水温が低下しない。したがって、第1蓄熱槽22aに貯水されている蓄熱用冷水Wa0の水温が、第1蓄熱材12aの融点温度「Tm1(℃)」より高くなり、蓄熱用冷水Wa0の水温が必要な低温まで冷却されない。
そこで、実施例2の蓄熱システム1aは、実施例1の蓄熱システム1(図1参照)と同様に、電力料金が安価な時間帯(例えば、夜間電力料金時間帯)に蓄熱運転される。
蓄熱システム1aが蓄熱運転されると、冷凍機2が運転されて冷却側冷水Wa1が冷却され、冷却された冷却側冷水Wa1が第1蓄熱槽22aに蓄熱用冷水Wa0として流入する。このとき、冷凍機2から第1蓄熱槽22aに流入する冷却側冷水Wa1の水温が第1蓄熱材12aの融点温度「Tm1(℃)」よりも低温になるように設定される。第1蓄熱材12aの融点温度「Tm1(℃)」よりも低温の冷却側冷水Wa1が第1蓄熱槽22aに流入することによって、第1蓄熱材12aは冷却されて固化し、第1蓄熱材12aに冷熱が蓄熱される。
例えば、予め設定された時刻(夜間電力料金時間帯の開始時刻など)になると、ECU80は、冷凍機2で冷却側冷水Wa1を冷却するように蓄熱システム1aを蓄熱運転する。
実施例2のECU80が蓄熱システム1aを蓄熱運転する手順は、実施例1の蓄熱システム1(図1参照)と同等であり、ECU80は図3に示すフローチャートに示す手順で蓄熱システム1aを蓄熱運転する。以下、図3に示すフローチャートを参照してECU80が実施例2の蓄熱システム1aを蓄熱運転する手順を説明する(適宜、図2,4参照)。
ECU80は蓄熱運転を開始すると、蓄熱システム1aで蓄熱運転する蓄熱時間を決定する(ステップS1)。ステップS1でECU80は、実施例1と同様に、夜間電力料金時間帯の範囲内で蓄熱時間を決定する。例えば、夜間電力料金時間帯が夜10時から翌朝8時までの10時間である場合、ECU80は蓄熱時間を「10時間」に決定する。
さらに、ECU80は、冷凍機2から第1蓄熱槽22aに蓄熱用冷水Wa0として流入する冷却側冷水Wa1の水温を設定する。実施例2で、ECU80は、冷凍機2から第1蓄熱槽22aに流入する冷却側冷水Wa1の水温を、第1蓄熱槽22aに収容されている第1蓄熱材12aの融点温度「Tm1(℃)」よりも低く設定する。
実施例1と同様に夜間電力料金時間帯が10時間の場合は「10時間」の蓄熱運転が可能であるため、冷却側ポンプ51のポンプ出力「70%」を選択すれば、冷凍機2から第1蓄熱槽22aに流入する冷却側冷水Wa1の水温を、第1蓄熱材12aの融点温度(「8(℃)」)よりも低い「7(℃)」に設定することができ第1蓄熱材12aに冷熱を蓄熱できる。
したがってECU80は、夜間電力料金時間帯が10時間の場合、蓄熱時間を「10時間」に決定し、冷却水温テーブル80a(データ)を参照して冷凍機2から第1蓄熱槽22aに流入する冷却側冷水Wa1の水温を、第1蓄熱材12aの融解温度「8(℃)」よりも低い「7(℃)」に設定し、さらに、冷却水温テーブル80aを参照して冷却側ポンプ51のポンプ出力「70%」を選択する。つまり、ECU80は冷却側冷水Wa1の水温とポンプ出力を設定する(ステップS2)。また、ECU80は、冷却側ポンプ51のポンプ出力が設定したポンプ出力となるようにインバータ51aの周波数を設定する(ステップS3)。
図2に示す冷却水温テーブル80aは、冷凍機2から第1蓄熱槽22aに流入する冷却側冷水Wa1の水温を「7(℃)」に設定すると、冷却側ポンプ51のポンプ出力「70%」を選択すれば、「10時間」の蓄熱運転で第1蓄熱材12a,第2蓄熱材12bに冷熱を蓄熱できることを示す。
そして、ECU80は、蓄熱時間を「10時間」に決定して冷却水温テーブル80aを参照し、冷却側ポンプ51のポンプ出力「70%」を選択して、冷凍機2で冷却側冷水Wa1の水温を「7(℃)」まで冷却するように設定する。
なお、ECU80が参照する冷却水温テーブル80aは、便宜上、実施例1のものと同等としたが、実施例2の蓄熱システム1aに対応する冷却水温テーブル80aは、蓄熱システム1aの特性に基づいて設定されるものであり、実施例1の蓄熱システム1(図1参照)に対応する冷却水温テーブル80aとは異なるものとなる。
ECU80は、冷却側ポンプ51のポンプ出力「70%」を選択した場合、実施例1と同様に冷却側ポンプ51のポンプ出力が「70%」になるようにインバータ51aの周波数を設定する。
そして、ECU80は、冷凍機2の出口部2bにおける冷却側冷水Wa1の水温が設定した水温(「7(℃)」等)になるように冷凍機2を運転し、さらに設定した周波数で冷却側ポンプ51を運転する(ステップS4)。これによって、冷凍機2で「7(℃)」に冷却された冷却側冷水Wa1が下部から第1蓄熱槽22aに蓄熱用冷水Wa0として流入して第1蓄熱材12aを冷却する。第1蓄熱材12aを冷却した蓄熱用冷水Wa0は第1蓄熱材12aから与えられる熱量によって水温が「7(℃)」よりも高くなる(「7.5(℃)」程度まで上昇する)。一方、第1蓄熱材12aは、融点温度「8(℃)」よりも低温(「7(℃)」)の蓄熱用冷水Wa0で冷却されて固化する。
そして、第1蓄熱槽22aで第1蓄熱材12aを冷却して水温が高くなった蓄熱用冷水Wa0は、蓄熱槽配管220を流通して第2蓄熱槽22bに流入する。第2蓄熱槽22bに流入する蓄熱用冷水Wa0の水温は、第1蓄熱材12aの融点温度「7(℃)」よりも僅かに高い水温(「7.5(℃)」程度)であり第2蓄熱材12bの融点温度「10(℃)」よりは低い。
したがって、第2蓄熱槽22bに流入した蓄熱用冷水Wa0は第2蓄熱材12bを冷却する。第2蓄熱材12bを冷却した蓄熱用冷水Wa0は第2蓄熱材12bから与えられる熱量によって、流入したときの水温(「7.5(℃)」程度)よりも水温が高くなる。例えば、第2蓄熱材12bの融点温度「10(℃)」よりも僅かに低い「9.5(℃)」程度になる。
一方、第2蓄熱材12bは、融点温度「10(℃)」よりも低温(「7.5(℃)」程度)の蓄熱用冷水Wa0で冷却されて固化する。
そして、第2蓄熱槽22bで第2蓄熱材12bを冷却して水温が高くなった蓄熱用冷水Wa0は、入側配管3aを冷却側冷水Wa1として流通して冷凍機2に送水されて水温が「7(℃)」まで下げられる。
このように、冷水Wa(冷却側冷水Wa1,蓄熱用冷水Wa0)が冷凍機2と第1蓄熱槽22aと第2蓄熱槽22bの間で循環し、冷水Wa(蓄熱用冷水Wa0)が第1蓄熱材12aおよび第2蓄熱材12bを冷却する。
ECU80は決定した蓄熱時間が経過したか否かを判定し(ステップS5)、蓄熱時間が経過したと判定した場合には(ステップS5→Yes)、蓄熱運転を終了する(ステップS7)。具体的に、ECU80は、蓄熱運転を開始してから10時間が経過した時点で冷凍機2および冷却側ポンプ51を停止する。第1蓄熱槽22aには水温が「7(℃)」から「8(℃)」の間(例えば、「7.5(℃)」程度)に冷却された蓄熱用冷水Wa0が貯水され、第1蓄熱材12aは固化した状態が維持される。また、第2蓄熱槽22bには水温が「8(℃)」から「10(℃)」の間(例えば、「9.5(℃)」程度)に冷却された蓄熱用冷水Wa0が貯水される。
また、第1蓄熱材12aおよび第2蓄熱材12bは固化した状態が維持される。これによって第1蓄熱材12aおよび第2蓄熱材12bに冷熱が蓄熱される。
一方、ECU80は、決定した蓄熱時間が経過していないと判定した場合(ステップS5→No)、冷凍機2の入口部2aにおける冷却側冷水Wa1の水温と出口部2bにおける冷却側冷水Wa1の水温を比較する(ステップS6)。そして、ECU80は入口部2aの水温と出口部2bの水温が等しいと判定した場合(ステップS6→Yes)、つまり、入口部2aの水温と出口部2bの水温の温度差が「0(℃)」になったと判定した場合、蓄熱運転を終了する(ステップS7)が、入口部2aの水温と出口部2bの水温が等しくないと判定した場合は(ステップS6→No)、手順をステップS5に戻す。
そして、例えばユーザの操作やタイマ等による自動始動によって、ECU80が使用側ポンプ52を駆動すると、第1蓄熱槽22bに貯水されている蓄熱用冷水Wa0が使用側配管4(入側配管4a)を使用側冷水Wa2として流通して冷水コイル5に流入する。冷水コイル5で使用側冷水Wa2は周囲の大気9と熱交換して水温が上昇する(例えば「15(℃)」程度まで上昇する)。そして、水温が上昇した使用側冷水Wa2は、使用側配管4(出側配管4b)を流通して上部から第2蓄熱槽22bに蓄熱用冷水Wa0として流入する。なお、水温が上昇した使用側冷水Wa2が上部から第2蓄熱槽22bに蓄熱用冷水Wa0として流入する構成によって第2蓄熱槽22b内における蓄熱用冷水Wa0の対流が抑制され、第2蓄熱槽22bの下部に貯水されている蓄熱用冷水Wa0の水温は低温を維持できる。
第2蓄熱材12bが固化した状態であれば、第2蓄熱材12bは、第2蓄熱槽22bに流入した、水温が上昇している蓄熱用冷水Wa0と熱交換して液状化し、そのときに蓄熱用冷水Wa0から溶解熱を吸収する。冷水コイル5で水温が「15(℃)」程度まで上昇した蓄熱用冷水Wa0は熱量が吸収されて水温が低下する。蓄熱用冷水Wa0の水温は、第2蓄熱材12bの融点温度「10(℃)」より高めの水温(例えば「12(℃)」程度)まで低下する。
そして、第2蓄熱材12bの融点温度「10(℃)」より高めの水温まで冷却された蓄熱用冷水Wa0は、蓄熱槽配管220を流通して上部から第1蓄熱槽22aに流入する。なお、水温が上昇した蓄熱用冷水Wa0が上部から第1蓄熱槽22aに流入する構成によって第1蓄熱槽22a内における蓄熱用冷水Wa0の対流が抑制され、第1蓄熱槽22aの下部に貯水されている蓄熱用冷水Wa0の水温は低温を維持できる。
第1蓄熱材12aが固化した状態であれば、第1蓄熱材12aは、第1蓄熱槽22aに流入した蓄熱用冷水Wa0と熱交換して液状化し、そのときに蓄熱用冷水Wa0から溶解熱を吸収する。第2蓄熱槽22bで水温が「12(℃)」程度まで低下した蓄熱用冷水Wa0は熱量が吸収されて水温が低下する。蓄熱用冷水Wa0の水温は、例えば、第1蓄熱材12aの融点温度「8(℃)」より高めの水温(例えば「9(℃)」程度)まで低下する。
したがって、第1蓄熱槽22aに貯水される蓄熱用冷水Wa0の水温が低温に維持され、冷水コイル5に低温(例えば「9(℃)」程度)の使用側冷水Wa2が供給される。
このように、実施例2の蓄熱システム1a(図4参照)は、実施例1の蓄熱システム1(図1参照)と同様に、電力料金が安価な夜間電力料金時間帯に冷凍機2を運転して冷却側冷水Wa1を冷却することが可能であり低コストで冷却側冷水Wa1を冷却できる。さらに、第1蓄熱材12aおよび第2蓄熱材12bに冷熱を蓄熱できる。
このときECU80は電力料金が安価な夜間電力料金時間帯の全ての時間に亘って蓄熱運転するため、冷凍機2での冷却負荷を小さくできる。つまり、蓄熱運転において第1蓄熱槽22aに流入する冷却側冷水Wa1の水温を高めに設定できる。そして、蓄熱運転時における冷凍機2の消費電力を削減することが可能になる。
また、実施例2の蓄熱システム1a(図4参照)は、第1蓄熱材12aの融点温度より高い融点温度の第2蓄熱材12bを収容する第2蓄熱槽22bを備える。そして、冷凍機2には、第2蓄熱槽22bに貯水されている蓄熱用冷水Wa0が冷却側冷水Wa1として送水される。
この構成によって、第1蓄熱槽22aから冷却側冷水Wa1が送水される場合よりも水温の高い冷却側冷水Wa1が冷凍機2に送水される。
したがって、冷凍機2に流入する冷却側冷水Wa1の水温と冷凍機2が吐出する冷却側冷水Wa1の水温との温度差が大きくなって冷凍機2の効率が向上する。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではない。例えば、前記した実施例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
例えば、図4に示す実施例2の蓄熱システム1aは、2つの蓄熱槽(第1蓄熱槽22a,第2蓄熱槽22b)を備える構成としたが、3つ以上の蓄熱槽を有する蓄熱システムであってもよい。この場合、各蓄熱槽に融点温度の異なる蓄熱材が収容されていることが好ましく、冷却側ポンプ51に最も近く配置される蓄熱槽に収容される蓄熱材の融点温度が最も高くなる構成が好ましい。
また、図1に示す、実施例1の蓄熱システム1には冷水コイル5が備わっているが、この構成に限定されるものではない。冷水コイル5に替わって、蓄熱槽21から供給される使用側冷水Wa2と冷媒が熱交換する熱交換器(図示せず)が備わる構成であってもよい。
また、実施例1,2のECU80(図1参照)は、冷却水温テーブル80a(図2参照)を参照して、冷凍機2(図1参照)から蓄熱槽21(図1参照)や第1蓄熱槽22a(図4参照)に流入する冷却側冷水Wa1(図1参照)の水温、および冷却側ポンプ51(図1参照)のポンプ出力を設定する構成としたが、冷却側冷水Wa1の水温、および冷却側ポンプ51の出力を、所定の関数に基づいて演算して設定する構成であってもよい。
このように、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
1,1a 蓄熱システム
2 冷凍機
11 蓄熱材
12a 第1蓄熱材
12b 第2蓄熱材
21 蓄熱槽
22a 第1蓄熱槽(蓄熱槽)
22b 第2蓄熱槽(蓄熱槽)
51 冷却側ポンプ(ポンプ)
80 ECU(制御装置)
80a 冷却水温テーブル(データ)
220 蓄熱槽配管

Claims (5)

  1. 所定の融点温度まで冷却されたときに固化して冷熱を蓄熱する蓄熱材と、
    前記蓄熱材を収容するとともに冷水を貯水する蓄熱槽と、
    前記冷水を前記融点温度より低い水温まで冷却する冷凍機と、
    前記冷水を前記蓄熱槽と前記冷凍機の間で循環させるポンプと、
    前記蓄熱槽に貯水されている前記冷水を冷却して前記蓄熱材に冷熱を蓄熱するために前記冷凍機および前記ポンプを制御して蓄熱運転を実行する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記冷凍機と前記ポンプを駆動する蓄熱時間に基づいて、前記冷凍機から前記蓄熱槽に流入する前記冷水の水温と前記ポンプの出力と前記蓄熱時間の関係を示すデータを参照し、前記冷凍機から前記蓄熱槽に流入する前記冷水の水温と前記ポンプの出力を設定して前記蓄熱運転を実行することを特徴とする蓄熱システム。
  2. 前記制御装置は、前記冷凍機に供給される電力の使用料金が安価な時間帯の範囲内で前記蓄熱時間を決定することを特徴とする請求項1に記載の蓄熱システム。
  3. 前記蓄熱槽は、第1蓄熱材が収納される第1蓄熱槽と、第2蓄熱材が収納される第2蓄熱槽と、が蓄熱槽配管で連結されて構成されて、
    前記第2蓄熱槽に貯水されている前記冷水が前記冷凍機に送水され、前記冷凍機で冷却された前記冷水が前記第1蓄熱槽に送水され、
    前記第1蓄熱材の融点温度が前記第2蓄熱材の融点温度よりも低く、
    前記冷凍機は前記第1蓄熱材の融点温度より低い水温まで前記冷水を冷却することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄熱システム。
  4. 所定の融点温度まで冷却されたときに固化して冷熱を蓄熱する蓄熱材と、
    前記蓄熱材を収容するとともに冷水を貯水する蓄熱槽と、
    前記冷水を前記融点温度より低い水温まで冷却する冷凍機と、
    前記冷水を前記蓄熱槽と前記冷凍機の間で循環させるポンプと、
    前記冷凍機および前記ポンプを制御する制御装置と、を備える蓄熱システムで、前記蓄熱槽に貯水されている前記冷水を冷却して前記蓄熱材に冷熱を蓄熱するために前記制御装置が実行し、
    前記冷凍機および前記ポンプを駆動する蓄熱時間を決定するステップと、
    前記冷凍機から前記蓄熱槽に流入する前記冷水の水温と前記ポンプの出力と前記蓄熱時間の関係を示すデータを前記決定した前記蓄熱時間に基づいて参照して、前記冷凍機から前記蓄熱槽に流入する前記冷水の水温および前記ポンプの出力を設定するステップと、を有することを特徴とする蓄熱運転方法。
  5. 前記制御装置は、
    前記蓄熱時間を決定するステップで、
    前記冷凍機に供給される電力の使用料金が安価な時間帯の範囲内で当該蓄熱時間を決定することを特徴とする請求項4に記載の蓄熱運転方法。
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