JP2014122358A - 合成石英ガラス基板用研磨剤及びこれを用いた合成石英ガラス基板の製造方法 - Google Patents

合成石英ガラス基板用研磨剤及びこれを用いた合成石英ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】[Gly−Xaa−Yaa]n(Xaa、Yaaはアミノ酸を示すが、少なくとも一方はヒドロキシプロリンであり、nは重合度を表す)のシーケンスで表されるトリペプチドをモノマーとしてこれを重合してなる、重量平均分子量1,000〜1,000万のゲル状態と溶液状態の状態変化を起こすコラーゲン由来の物質及びコロイド溶液を含むことを特徴とする合成石英ガラス基板用研磨剤。
【効果】本発明によれば、フォトマスク、ナノインプリント、磁気ディスクなどに重要な光リソグラフィー法に使用される合成石英ガラス基板等の合成石英ガラスの製造において、基板表面の高感度欠陥検査装置で検出される欠陥の生成が抑制され、製造の歩留まり向上だけではなく、半導体工業の更なる高精細化につながる。
【選択図】なし

Description

本発明は、主に半導体関連電子材料に用いられる合成石英ガラス基板、特に最先端用途の合成石英ガラス基板に用いられる合成石英ガラス基板用研磨剤及びその研磨剤を用いた合成石英ガラス基板の製造方法に関する。
合成石英ガラス基板の品質に関して、光リソグラフィーによるパターンの微細化などの理由から、基板上の欠陥サイズ及び欠陥密度、平坦度、面粗さ、材質の光化学的安定性、表面の化学的安定性などが挙げられる。このうち、基板上の欠陥に関しては、ICの高精細化、磁気メディアの容量拡大などのトレンドに伴って、ますます厳しいものが要求されている。
このような背景の中、近年高感度の欠陥検査装置が開発され、同装置を用いた表面微細欠陥制御のための研究が進んでいる。特許文献1:特開昭64−40267号公報では、ガラス基板上をコロイダルシリカで研磨することによって精密に研磨していく方法が記載されているが、前記の高感度欠陥検査装置を用いてガラスの表面欠陥検査を実施すると、微細な凹凸欠陥の存在が確認され、微小欠陥抑制方法としては十分ではない。
また、特許文献2:特開2004−98278号公報によれば、高純度コロイダルシリカを中性付近で使用することにより、微小な凸欠陥を低減することができることが記載されているが、コロイダルシリカの等電点を考慮すると、中性付近ではコロイダルシリカは不安定である。その結果、研磨を重ねるに従って、増粘したり、又は研磨砥粒の粒度分布が変位したりして、安定的に使用することができない。
従って、前記方法では、研磨剤を循環、繰り返し使用することが困難であり、必然的に掛け流し状態になり、経済的、環境的に好ましくないという問題点があった。
特開昭64−40267号公報 特開2004−98278号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、欠陥の生成を抑制し、半導体デバイスの製造等における歩留まりを向上させることができる合成石英ガラス基板用研磨剤、及び合成石英ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、コロイダルシリカ等のコロイド溶液とコラーゲン由来の物質を含む研磨剤が、前記課題の解決に有用であることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、以下の合成石英ガラス基板用研磨剤及び合成石英ガラス基板の製造方法を提供するものである。
請求項1:
[Gly−Xaa−Yaa]n(Xaa、Yaaはアミノ酸を示すが、少なくとも一方はヒドロキシプロリンであり、nは重合度を表す)のシーケンスで表されるトリペプチドをモノマーとしてこれを重合してなる、重量平均分子量1,000〜1,000万のゲル状態と溶液状態の状態変化を起こすコラーゲン由来の物質及びコロイド溶液を含むことを特徴とする合成石英ガラス基板用研磨剤。
請求項2:
前記コラーゲン由来の物質が、ゼラチン又はコラーゲンペプチドであることを特徴とする請求項1に記載の合成石英ガラス基板用研磨剤。
請求項3:
前記コロイド溶液がコロイダルシリカ分散液であり、コロイダルシリカの濃度が20〜50質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成石英ガラス基板用研磨剤。
請求項4:
更に、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、安息香酸、メチル安息香酸、t−ブチル安息香酸、サリチル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フェニル酢酸から選ばれるカルボン酸又はその塩を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成石英ガラス基板用研磨剤。
請求項5:
pH8〜11であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の合成石英ガラス基板用研磨剤。
請求項6:
アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、塩基性塩類、アミン類、アンモニアから選ばれる少なくとも1種類の物質によりpHを調整したことを特徴とする請求項5に記載の合成石英ガラス基板用研磨剤。
請求項7:
粗研磨及び最終研磨を経て合成石英ガラス基板を製造する工程において、請求項1〜6のいずれか1項に記載の研磨剤を最終研磨工程で使用することを特徴とする合成石英ガラス基板の製造方法。
本発明によれば、フォトマスク、ナノインプリント、磁気ディスクなどに重要な光リソグラフィー法に使用される合成石英ガラス基板等の合成石英ガラスの製造において、基板表面の高感度欠陥検査装置で検出される欠陥の生成が抑制され、製造の歩留まり向上だけではなく、半導体工業の更なる高精細化につながる。
本発明の合成石英ガラス基板用研磨剤は、コラーゲン由来の物質及びコロイド溶液を含むものである。
本発明者らは、欠陥生成機構に関して、以下のような仮説を立てた上で研究を進めた。
即ち、研磨剤中に含まれている研磨砥粒が、研磨中に砥粒表面間で縮合したり、被研磨物であるガラスの表面から除去されたガラス分と砥粒の間で縮合を起こしたりして大粒子化する。この縮合した粒子が、研磨作用によってガラス表面上に縮合付着したり、表面上にキズを生成していると考え、このような異物化した粒子と被研磨物であるガラスとの接触を緩和することが重要である、との認識を持った。
前述した、特開2004−98278号公報に記載されているような、中性領域の高純度コロイダルシリカを用いて研磨する方法は、コロイダルシリカの安定領域のpH10程度で存在しているアルカリ性コロイダルシリカに比べて、粒子表面のゼータ電位が低いため、粒子間の静電反発力が小さく、化学反応的な粒子のガラス表面への付着は抑制できるかもしれない。しかし、研磨粒子同士が研磨の機械作用で縮合してしまい、すぐにゲル化、増粘することが確認され、実際の研磨では使用できない。また、粒子同士が縮合することで大粒子化したものが研磨剤中の異物となり、欠陥生成の起因になることも考えられる。研磨圧力を抑制して、極力不安定度を抑えたとしても、研磨定盤による仕事で、粒子分布が高いほうにシフトして基板表面上のキズの原因となる。
そこで、本発明者らは研磨剤中にコラーゲン由来の物質を添加することにより、アルカリ性条件下で安定しているものは多いものの、縮合して大粒子化して異物化しているようなものを、コラーゲン由来の物質が形成する高分子ゾルゲルネットワークで捕まえることで基板への接触を緩和することを考えた。このことにより、被研磨ガラス表面上にコロイダルシリカが縮合付着したり、大粒子化して異物化しているようなコロイダル粒子が衝突してキズを発生させたりすることを阻止できることを見出したものである。
本発明のコラーゲン由来の物質としては、例えばコラーゲン、ゼラチン、コラーゲンペプチドが挙げられる。これらの物質は、[Gly−Xaa−Yaa]n(Xaa、Yaaはアミノ酸、nは重合度を表す)のシーケンスで表されるトリペプチドをモノマーに重合してポリマーを形成している。
コラーゲン由来の物質の重量平均分子量としては、重量平均分子量1,000〜1,000万、特に1,000〜100万が好ましい。分子量が大きすぎると、分子間においてファンデルワールス力が強固になり、増粘し、更には固化して研磨剤としては好ましくない場合がある。分子量が小さすぎると、分子間でのネットワークが弱くハイドロゲルを形成しにくく、仮にネットワークを形成してもネットワークが脆いために、大粒子化したコロイダルシリカなどの異物と被研磨物のガラス基板が接触することを十分に抑制できず、結果キズを発生させてしまう場合がある。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いたポリスチレン換算による測定値である。
本発明では、コラーゲン由来の物質を用い、分子間でのネットワークを利用してハイドロゲルを形成構築させて、前記の異物と被研磨物であるガラスとの接触を緩和する。このとき、コラーゲン由来の物質の[Gly−Xaa−Yaa]nに含まれるアミノ酸のうち、Glyはグリシンであるが、Xaa及びYaaのうち少なくとも一方がヒドロキシプロリンであれば、分子内で三重螺旋構造を形成し易くなるため、ゲル状態と溶液状態の状態変化を起こし易くなるため好ましい。ヒドロキシプロリンがYaaの位置にあれば、三重螺旋構造が安定化され易く、温度を制御することにより三重螺旋の形成と崩壊、即ち溶液化とゲル化を制御し易いため更に好ましい。
例えば、ゼラチンやコラーゲンペプチドは、変性温度が15〜20℃程度であり、研磨剤を冷媒で冷やした状態で溶液状態を作っておき、研磨中に発生する研磨熱によって上昇する研磨機の定盤温度によってハイドロゲルを形成させる。従って、研磨剤の温度を制御することによって、ハイドロゲル形成の具合も制御でき、研磨剤中のコロイドの組成、濃度に応じて最適な研磨条件を与える研磨剤の温度制御で行うことができる。
コラーゲン由来の物質にネットワークを形成させて、研磨剤中の異物と被研磨物のガラスとが接触することを防ぐことは重要であるが、研磨剤中の水分子を捕獲して基板表面の保湿性が上がれば、研磨終了後に基板を洗浄する際、研磨砥粒のコロイダル粒子を除去し易くなる利点があることから、更に好ましい。例えば、保湿性のある物質としては、コラーゲンペプチドが挙げられる。
コラーゲン由来の物質の濃度は、コロイド溶液の固形分、特にコロイダルシリカの質量に対し、0.001〜5質量%、特に0.01〜3質量%が好ましい。濃度が低すぎるとキズを抑制するのに十分な効果が得られない場合があり、高すぎるとコラーゲン由来の物質の粘度の高さにより、研磨剤の研磨機への安定供給が困難となる場合がある。
本発明のコロイド溶液は、粒径の小さいコロイド粒子が主成分であり、一次粒子径が5〜500nmのものが好ましく、より好ましくは10〜200nm、特に好ましくは20〜150nmである。粒径が小さすぎると、研磨剤としては微小なものを研磨することにはよい反面、コロイド粒子が基板に付着し易いために研磨後に行う基板の洗浄性を悪くする場合がある。また、逆にコロイド粒子の粒径が大きすぎると、研磨した基板の表面粗さが悪くなり、最終精密研磨用の研磨剤としては使いづらい場合がしばしば見受けられる。なお、この粒子径は、動的光散乱(DLS)によって測定することができる。
コロイド分散液中のコロイドの濃度は、20〜50質量%の範囲であることが好ましく、特に40〜50質量%が好ましい。コロイドの濃度が、20質量%よりも低い場合は、研磨剤中における研磨砥粒としてのコロイド粒子の絶対量が不足気味になるため、研磨布と基板が直接接触してしまい、ガラス表面に研磨布由来の微小キズを発生させ易い場合がある。逆に、コロイドの濃度が、50質量%よりも高い場合は、液中のコロイド粒子が多すぎるためにコロイド粒子同士の凝集などが起こり易くなり、研磨剤が不安定化して基板にキズが入る場合がある。また、濃度が高すぎるゆえに増粘してしまい、研磨不能になる場合もある。
更に、粒径分布は単分散から多分散のもの、又は複数の粒径ピークを有するものが挙げられる。コロイド粒子の種類としては、コロイダルシリカ、コロイダルセリア、コロイダルジルコニア等が挙げられるが、合成石英ガラスと同じ成分をもつコロイダルシリカが好ましい。
コロイダルシリカは多様な製法で作り出され、例えば、水ガラスからの造粒、アルコキシシラン等の有機シリケート化合物等を加水分解する方法がある。分散媒のpHは、コロイダルシリカの保存安定性の観点から通常アルカリ性のものが多いが、中性や酸性側のpHにしておくことも可能である。コロイダルシリカの等電点も考慮すれば、分散媒のpHは、pH3〜5又はpH8〜11の範囲が好ましく、pH9〜10.5の範囲であれば更に好ましい。pHが中性付近ではコロイダルシリカ粒子の帯電が弱く研磨剤が不安定化し易く、強アルカリだと研磨した合成石英ガラスに面粗れが生じる場合がある。
コロイダルシリカは、通常は水に分散して使用されるが、有機溶媒、例えば、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物などに分散したものであってもよい。また、前記有機物質の混合溶媒であっても構わない。更に、前記有機溶媒、又はその混合溶媒のうち、水溶性のものは水と任意の割合で混合してもよい。
なお、コロイダルシリカの分散液としては、市販品を用いることができ、例えば(株)フジミインコーポレーテッド製COMPOL−50、COMPOL−80、COMPOL−120、COMPOL−EXIII、日産化学工業(株)製ST−XL、ST−YL、ST−ZL、Dupon製SYTON、扶桑化学工業(株)製GPシリーズ等を用いることができる。
以上の研磨スラリーを用いて合成石英ガラス基板を研磨するに際して、研磨剤中にコラーゲン由来の物質を添加することで、高感度欠陥検査装置で検出される欠陥数を抑制することが可能となる。
なお、本発明の研磨剤には、pH調整剤等のその他の添加物を加えてもよい。特に、微小欠陥を抑制するには研磨剤のpH調整が重要であり、pHを8〜11、特に9〜10.5の範囲に調整するためにpH調整剤を添加することが望ましい。
pH調整剤としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、塩基性塩類、アミン類、アンモニアを使用することができる。例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、ホウ酸ナトリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン等が挙げられる。例示した添加物は、単独で用いても、複数で使用しても構わない。中でも、コラーゲンペプチド中のアミンを安定化するトリエチルアミンやアルミニウムイオンなどの金属不純物をキレート錯体化して除去できるジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
pH調整剤は、研磨剤のpHが8〜11の範囲になるように添加することが好ましい。研磨中の研磨剤が前記pHの範囲から外れないことが重要であるため、pH調整剤は、最後に加えることが好ましい。研磨中に研磨剤のpHが変動するようであれば、適宜pH調整剤を添加することによって前記pHの範囲になるように調整してもよい。水酸化ナトリウムなど、強塩基で解離定数の大きなものは、前記pH範囲では少量の添加量の差であってもpHが大きく変化するため、調整することが困難である。この観点から見れば、pH調整剤としては中程度の塩基である、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミンなどアミン類が好ましい。pHが中性付近では、コロイダルシリカが不安定化し易く、連続的な研磨に不都合が生じる。pHが高すぎると研磨した合成石英ガラスに面粗れが生じる場合がある。
pH調整剤以外の添加物としては、カルボン酸又はその塩類を使用することもできる。具体的には、鎖状構造のカルボン酸や芳香族カルボン酸が使用できる。例えば、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、安息香酸、メチル安息香酸、t−ブチル安息香酸、サリチル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フェニル酢酸とそれらの塩類が挙げられる。例示した添加物は単独で用いても、複数で組み合わせて使用してもよい。これらの分子は水溶液中においてかさ高いため、コロイド粒子が相互作用するときの外部因子による立体障害となり、結果、コロイド粒子の縮合などを抑え、研磨剤を安定化させる効果がある。その配合量は、5〜20質量%とすることが好ましい。
本発明の研磨対象である合成石英ガラス基板は、半導体関連電子材料に用いることができ、特にフォトマスク用、ナノインプリント用、磁気デバイス用として好適に使用することができる。
本発明のガラス基板は、ガラスを粗研磨する工程、最終仕上げ研磨をする工程を経て製造される。
粗研磨は、石英ガラスインゴットを成型、アニール、スライス加工、面取り、ラッピング、基板表面を鏡面化するための研磨工程を経ることで実施される。
そして、最終的な合成石英ガラス基板の表面品質を決定する精密研磨工程において、本発明の合成石英ガラス基板用研磨剤を用いて研磨を実施する。
このとき、研磨剤は適切な冷媒によってコラーゲンの変性温度よりも低い温度で調整されており、研磨熱によって合成石英ガラス研磨時には変性温度よりも高い温度で研磨することにより研磨中にハイドロゲル形成が起こるようにする。研磨終了した研磨剤は、回収して再び冷やすことにより、再利用する。このときゲルの崩壊が起こり、研磨剤の流動性が良くなり、ポンプなど用いて研磨剤を研磨機へ滞りなく供給できる。
なお、本発明に係わる研磨剤を用いた研磨方法としては、バッチ式の両面研磨が一般的であるが、片面研磨、枚葉式研磨、及びその組み合わせで実施されるものであってもよい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
スライスされた合成石英ガラス基板原料(6インチ)をラッピング、粗研磨を行った後、最終仕上げ研磨に投入した。軟質のスエード製の研磨布を用い、研磨剤としてSiO2の濃度が40質量%のコロイダルシリカ水分散液((株)フジミインコーポレーテッド製、一次粒子径77.3nm)にコラーゲンペプチド(和光純薬工業(株)製、平均分子量2,000)を1.0質量%加え、更にジエタノールアミンとトリエチルアミンを添加することによりpH10.2に調整した研磨剤を用いた。なお、添加したコラーゲンペプチドは、研磨機に供給される前のタンク内の温度10℃では、三重螺旋構造を形成しており、研磨機の定盤温度より測定される研磨中の温度25℃では、三重螺旋構造が崩壊していることが円偏向二色性(CD)スペクトルより確認された。研磨圧は100gf/cm2で、研磨取代は、粗研磨工程で入ったキズを除去するのに十分な量(2μm以上)を研磨した。研磨終了後、洗浄・乾燥してからレーザーコンフォーカル光学系高感度欠陥検査装置(レーザーテック(株)製)を用いて欠陥検査を実施したところ、50nm級以上の欠陥は平均1.3個となった。
〔比較例1〕
実施例1において、最終研磨に使用する研磨剤にコラーゲンペプチドを添加しないで研磨すること以外、全て実施例1と同じ条件で行った。その結果、同様にしてレーザーコンフォーカル光学系高感度欠陥検査装置を用いて欠陥検査を実施したところ、50nm級以上の欠陥は平均57個となった。
〔実施例2〕
実施例1のコラーゲンペプチドを鮭由来のゼラチン(井原水産(株)製、平均分子量300,000)1.0質量%に代えた以外は、実施例1と同様にして欠陥検査を実施したところ、50nm級以上の欠陥は平均1.8個となった。
〔実施例3〕
実施例1のコラーゲンペプチドを鮭由来のゼラチン(井原水産(株)製、平均分子量300,000)0.8質量%と安息香酸ナトリウム0.2質量%に代えた以外は、実施例1と同様にして欠陥検査を実施したところ、50nm級以上の欠陥は平均2.5個となった。
〔実施例4〕
スライスされた合成石英ガラス基板原料(6インチ)をラッピング、粗研磨を行った後、最終仕上げ研磨に投入した。軟質のスエード製の研磨布を用い、研磨剤としてSiO2の濃度が40質量%のコロイダルシリカ水分散液(扶桑化学工業(株)製、一次粒子径105nm)にコラーゲンペプチドを0.5質量%加え、更にジエタノールアミンを添加することによりpH9.7に調整した研磨剤を用いた。研磨圧は100gf/cm2で、研磨取代は、粗研磨工程で入ったキズを除去するのに十分な量(2μm以上)を研磨した。実施例1と同様にして欠陥検査を実施したところ、50nm級以上の欠陥は平均2.8個となった。
〔実施例5〕
実施例4のコラーゲンペプチドの代わりに実施例2の鮭由来のゼラチン0.1質量%とジエタノールアミンを添加してpH10.2にした以外は、実施例4と同様にして欠陥検査を実施したところ、50nm級以上の欠陥は平均2.1個となった。

Claims (7)

  1. [Gly−Xaa−Yaa]n(Xaa、Yaaはアミノ酸を示すが、少なくとも一方はヒドロキシプロリンであり、nは重合度を表す)のシーケンスで表されるトリペプチドをモノマーとしてこれを重合してなる、重量平均分子量1,000〜1,000万のゲル状態と溶液状態の状態変化を起こすコラーゲン由来の物質及びコロイド溶液を含むことを特徴とする合成石英ガラス基板用研磨剤。
  2. 前記コラーゲン由来の物質が、ゼラチン又はコラーゲンペプチドであることを特徴とする請求項1に記載の合成石英ガラス基板用研磨剤。
  3. 前記コロイド溶液がコロイダルシリカ分散液であり、コロイダルシリカの濃度が20〜50質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成石英ガラス基板用研磨剤。
  4. 更に、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、安息香酸、メチル安息香酸、t−ブチル安息香酸、サリチル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フェニル酢酸から選ばれるカルボン酸又はその塩を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成石英ガラス基板用研磨剤。
  5. pH8〜11であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の合成石英ガラス基板用研磨剤。
  6. アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、塩基性塩類、アミン類、アンモニアから選ばれる少なくとも1種類の物質によりpHを調整したことを特徴とする請求項5に記載の合成石英ガラス基板用研磨剤。
  7. 粗研磨及び最終研磨を経て合成石英ガラス基板を製造する工程において、請求項1〜6のいずれか1項に記載の研磨剤を最終研磨工程で使用することを特徴とする合成石英ガラス基板の製造方法。
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