JP2014121858A - 洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛 - Google Patents

洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛 Download PDF

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Abstract


【課題】 洗濯及び滅菌処理耐久性に優れた血液バリア性積層布帛を提供する。
【解決手段】 この血液バリア性積層布帛は、表地4、第一接着剤層1、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3、第二接着剤層2及び裏地5の順に積層一体化されてなる。表地4及び裏地5は、ポリエステル系繊維を主体として構成されている。第一及び第二接着剤層1及び2は、各々、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を主体として構成されている。各接着剤層1,2は、第一接着剤存在区域1a、第一接着剤不存在区域1b、第二接着剤存在区域2a及び第二接着剤不存在区域2bを有している。第一接着剤不存在区域1bに対応して第二接着剤存在区域2aが存在し、第一接着剤存在区域1aに対応して第二接着剤不存在区域2bが存在する。各接着剤層1及び2中における各接着剤存在区域1a及び2aの占有面積は、各々40〜90%である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として医療従事者の外衣を縫製する際に用いるのに適した透湿性に優れた洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛に関するものである。
従来より、透湿性に優れた血液バリア性積層布帛として、表地、第一接着剤層、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム、第二接着剤層及び裏地の順に積層一体化されてなるものが知られている(特許文献1の段落0003)。微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムが用いられている理由は、これが透湿性に優れかつ血液バリア性にも優れているからである。
しかしながら、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムは摩擦耐久性が不十分であることが知られている(特許文献1の段落0004)。したがって、この血液バリア性積層布帛を用いた外衣に繰り返し洗濯したり、滅菌処理したりすると、透湿性が低下し、また血液バリア性やウイルスバリア性も低下するという欠点があった。このため、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面に親水性樹脂皮膜を特定の態様で形成して、摩擦耐久性を向上させることが提案されている(特許文献1の特許請求項の範囲の項)。
特開2001−315236号公報
本発明の課題、特許文献1に記載の手段を用いずに、摩擦耐久性を向上させ、洗濯及び滅菌処理耐久性に優れた血液バリア性積層布帛を提供することにある。
本発明は、第一接着剤層及び第二接着剤層を構成している接着剤として透湿性を有しないポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を用いると共に、第一接着剤層と第二接着剤層の接着剤存在区域及び接着剤不存在区域の態様を工夫することによって、上記した課題を解決したものである。すなわち、本発明は、表地、第一接着剤層、透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム、第二接着剤層及び裏地の順に積層一体化されてなる血液バリア性積層布帛において、前記表地及び裏地はポリエステル系繊維を主体として構成されており、前記第一接着剤層及び第二接着剤層は、各々、透湿性を有しないポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を主体として構成されており、前記第一接着剤層は第一接着剤存在区域と第一接着剤不存在区域を有しており、前記第二接着剤層も第二接着剤存在区域と第二接着剤不存在区域を有していて、前記第一接着剤不存在区域に対応して前記第二接着剤存在区域が存在し、前記第一接着剤存在区域に対応して前記第二接着剤不存在区域が存在し、前記第一接着剤層中における前記第一接着剤存在区域の占有面積は40〜90%であり、前記第二接着剤層中における前記第二接着剤存在区域の占有面積も40〜90%であることを特徴とする洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛に関するものである。
本発明に係る血液バリア性積層布帛は、洗濯耐久性に優れたものである。すなわち、当該血液バリア性積層布帛を用いて得られた外衣は、使い捨てではなく、繰り返し洗濯及び滅菌処理して使用しうるものである。本発明に係る血液バリア性積層布帛は、表地4、第一接着剤層1、透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3、第二接着剤層2及び裏地5の順に積層一体化されてなる。
表地4及び裏地5は、ポリエステル系繊維を主体として構成される繊維布帛である。ポリエステル系繊維が採用される理由は、この素材が洗濯及び滅菌処理耐久性に優れており、繰り返し再使用するのに適しているからである。ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維又はポリブチレンテレフタレート繊維等が用いられる。もちろん、洗濯及び滅菌処理耐久性に影響を与えない範囲で、その他の繊維を混合してもよい。その他の繊維としては、たとえば、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、トリアセテート系繊維又は綿や麻等の天然繊維が挙げられる。
繊維布帛としては、編織物又は不織布等が用いられるが、洗濯及び滅菌処理耐久性という観点からは編織物であるのが好ましい。具体的には、表地4及び裏地5として、ポリエチレンテレフタレート繊維よりなるマルチフィラメント糸又は紡績糸を用いて製編織した編織物が用いられる。また、表地4と裏地5とは、同一の編織物を採用するのが好ましい。同一の編織物を採用すると、洗濯時や滅菌処理時において、表地4と裏地5が同様の収縮挙動を示すので、表地4及び裏地5とポリテトラフルオロエチレンフィルム3とが剥がれにくくなり、洗濯及び滅菌処理耐久性が向上するからである。
透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3は、空孔率が50〜90%程度で、かつ、最大細孔径が0.01〜10μm程度で、公知のものである。また、その厚みは6〜50μm程度である。具体的には、市販品であるゴアテックス(登録商標)(W.L.ゴア アンド アソシエイツ インコーポレイティド社製)やテトラテックス(登録商標)(日本ドナルドソン株式会社製)が用いられる。この微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3は、第一接着剤層1及び第二接着剤層2によって、摩擦耐久性が向上している。
第一接着剤層1及び第二接着剤層2は、各々、透湿性を有しないポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を主体とする接着剤で構成されている。透湿性を有しないポリカーボネート系ポリウレタン樹脂は、たとえば、ポリカーボネートジオールと有機ポリイソシアネート及び鎖延長剤を一括に仕込んで反応させるワンショット法、又は、予め、ポリカーボネートジオールと有機ポリイソシアネートを反応させ、次いで、鎖延長剤を加えてポリウレタンを製造するプレポリマー法により得られる公知のものが用いられる。
ポリカーボネートジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキルジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、 2−ペンチル,2−プロピル−1,3−プロパンジオール等の2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール等の1種または2種以上のジオールとジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート等のジアリールカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、エチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート等の1種または2種以上の炭酸ジエステルとのエステル交換反応により得られるものが用いられる。この中でも、有機溶剤に対する溶解性や溶融樹脂としての粘性面等から、結晶性を低減させる意味合いで、ジオールとしては、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオールを主体とし、炭酸ジエステルとしては、高圧湿熱滅菌に対する耐久性の観点から、ジアリールカーボネートを主体として用いるのが好ましい。
有機ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1 ,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニールジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが用いられる。高圧湿熱滅菌に対する耐久性の観点から、芳香族ジイソシアネートを主体として用いるのが好ましい。
鎖延長剤としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレンジアミン等を単独で又は併用して用いられる。
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を主体とする接着剤は、ホットメルト型接着剤でも溶液型接着剤でもよい。ホットメルト型接着剤としては、空気中の湿気で硬化するタイプ(湿気硬化型)のものを採用するのが好ましい。また、溶液型接着剤としては、硬化剤とポリカーボネート系ポリウレタン樹脂とからなる2液型のものを採用するのが好ましい。
本発明は、第一接着剤層1と第二接着剤層2とが特定の態様で、透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム3の表裏面に設けられている。まず、第一接着剤層1及び第二接着剤層2は、その層の全てが接着剤で構成されているのではなく、接着剤存在区域と接着剤不存在区域とで構成されているものである。そして、第一接着剤層1の第一接着剤存在区域1aに対応する区域には、第二接着剤層2の第二接着剤不存在区域2bが存在する。また、第一接着剤層1の第一接着剤不存在区域1bに対応する区域には、第二接着剤層2の第二接着剤存在区域2aが存在している。具体的には、図1に示したように、第一接着剤不存在区域1bの対応面の略全域に第二接着剤存在区域2aが存在し、第一接着剤存在区域1aの対応面の略全域に第二接着剤不存在区域2bが存在している例が挙げられる。また、図2に示したように、第一接着剤不存在区域1bの対応面の全域を超えて第二接着剤存在区域2aが存在し、第一接着剤存在区域1aの対応面の一部に第二接着剤不存在区域2bが存在している例も挙げられる。さらに、前記二者の例が混在している場合もある。
第一接着剤層1及び第二接着剤層2における第一接着剤存在区域1a及び第二接着剤存在区域2aの占有面積は、いずれも40〜90%の範囲内である。第一及び第二接着剤存在区域1a及び2aの占有割合がこの程度でないと、図1及び図2に示した態様で各接着剤層1及び2を設けにくくなる。第一接着剤存在区域1a及び第二接着剤存在区域2aは、いずれも規則的に設けられているのが一般的である。具体的には、格子柄やドット柄で各接着剤存在区域1a及び2aが設けられている。
本発明に係る洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛は、ウイルスバリア性に優れているため、手術着等の医療従事者の外衣を縫製する際の素材として好適である。また、食品や薬品等の製造者の作業着を縫製する際の素材としても好適である。
本発明に係る洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛は、表地、第一接着剤層、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム、第二接着剤層及び裏地の順に積層一体化されており、第一接着剤層と第二接着剤層とが特定の態様で設けられているため、繰り返し洗濯及び滅菌処理しても、微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムが有する当初の血液バリア性及びウイルスバリア性を維持するという効果を奏する。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、第一接着剤層及び第二接着剤層を特定の態様で設けたことにより、洗濯及び滅菌処理耐久性に優れた血液バリア性積層布帛が得られるとの知見に基づくものとして、解釈されるべきである。
実施例1
表地、裏地、透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム及び接着剤として、以下のものを準備した。
[表地及び裏地]
ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸56dtex/24fを用いて、32Gトリコットハーフを編成し、公知の方法で精練(精練剤;日華化学株式会社製「サンモールFL」 1g/L、80℃で20分)、染色(分散染料;ダイスタージャパン株式会社製「DianixBlueUN−SE」0.5%omf、130℃で30分)を行って、表地及び裏地を準備した。表地と裏地は同一である。
[透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム]
厚み20μmのポリテトラフルオロエチレンフィルム[日本ドナルドソン株式会社製、商品名「Tetratex」(登録商標)]を準備した。
[接着剤]
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂よりなる湿気硬化型ホットメルト接着剤(DIC株式会社製、商品名「タイフォースNH−100X」)を準備した。
ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面にグラビアロールにて、接着剤を塗布し第一接着剤層を設けた。グラビーロールは格子柄の凹部(深度0.23mm)を持ち、格子柄を構成している線数は17本/インチで、各線幅は0.37mmのものであって、格子柄の占有面積(凹部の占有面積)は42%のものである。このグラビーロールの凹部に120℃で溶融させた接着剤を充填し、ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面に格子柄で接着剤を塗布し、第一接着剤層を設けた。接着剤の塗布量は約40g/m2であり、塗布面積は約45%であった。接着剤を塗布した後、自然冷却し、次いで圧力300kPaで表地を積層した後、40℃で2日間エージングして、表地とポリテトラフルオロエチレンフィルムを貼合した。
表地が貼合されたポリテトラフルオロエチレンフィルムの他面に、グラビアロールにて、接着剤を塗布し第二接着剤層を設けた。用いたグラビアロール及び接着剤は、第一接着剤層を設ける際に使用したものであり、塗布条件も第一接着剤層を設けた場合と同一である。ただし、第一接着剤層と第二接着剤層とが同期しないように、グラビアロールを作動させ、第一接着剤層の第一接着剤存在区域の対応面が第二接着剤不存在区域となり、第一接着剤不存在区域の対応面が第二接着剤存在区域となるようにした。そして、裏地を積層した後、40℃で4日間のエージングを行い、積層布帛を得た。
次に、下記処方に示すフッ素系撥水剤エマルジョンを調製し、パディング法にてピックアップ率40%の割合で積層布帛に付与し、120℃で2分間の乾燥後、170℃で1分間ファイナルセットを行い、洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛を得た
(処方)
アサヒガードAG−E061 60質量部
(旭硝子株式会社製、固形分20質量%のフッ素系撥水剤エマルジョン)
メイカネート WEB 10質量部
(明成化学工業株式会社製、ブロックドイソシアネート架橋剤)
イソプロピルアルコール 10質量部
水 920質量部
実施例2
表地、裏地及び透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムとして、実施例1で使用したものを準備した。一方、接着剤として、以下のものを準備した。
[接着剤]
下記主剤と硬化剤とからなる2液型ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂製接着剤を準備した。
(主剤)
レザミン UD−8373 100質量部
(大日精化工業株式会社製、固形分70質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂 溶液)
(硬化剤)
レザミンNE架橋剤 12質量部
(大日精化工業株式会社製、固形分70質量%のイソシネート架橋剤)
レザミンUD−103NT 1質量部
(大日精化工業株式会社製、架橋促進剤)
メチルエチルケトン 30質量部
主剤と硬化剤とを混合し、固形分約55質量%で粘度約4000mPa・s/25℃のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂溶液とし、これを接着剤溶液として用いた。
ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面にグラビアロールにて、接着剤溶液を塗布し第一接着剤層を設けた。グラビーロールは格子柄の凹部(深度0.25mm)を持ち、格子柄を構成している線数は17本/インチで、各線幅は0.37mmのものであって、格子柄の占有面積(凹部の占有面積)は42%のものである。このグラビーロールの凹部に接着剤溶液を充填し、ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面に格子柄で接着剤溶液を塗布し、第一接着剤層を設けた。接着剤の塗布量は約120g/m2であり、塗布面積は約60%(接着剤溶液を塗布した後、流動により塗布面積は拡大している。)であった。接着剤溶液を塗布した後、120℃で2分間乾燥後、圧力300kPaで表地を積層した後、40℃で2日間エージングして、表地とポリテトラフルオロエチレンフィルムを貼合した。
表地が貼合されたポリテトラフルオロエチレンフィルムの他面に、グラビアロールにて、接着剤溶液を塗布し第二接着剤層を設けた。用いたグラビアロール及び接着剤溶液は、第一接着剤層を設ける際に使用したものであり、塗布条件も第一接着剤層を設けた場合と同一である。ただし、第一接着剤層と第二接着剤層とが同期しないように、グラビアロールを作動させ、第一接着剤層の第一接着剤存在区域の対応面が第二接着剤不存在区域となり、第一接着剤不存在区域の対応面が第二接着剤存在区域となるようにした。接着剤溶液を塗布した後、120℃で2分間乾燥後、圧力300kPaで裏地を積層した。裏地を積層した後、40℃で4日間のエージングを行い、裏地とポリテトラフルオロエチレンフィルムを貼合し積層布帛を得た。この積層布帛に実施例1と同様の撥水処理を施して、洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛を得た。
実施例3
表地、裏地及び透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムとして、実施例1で使用したものを準備した。一方、接着剤として、メチルエチルケトンを55質量部とする他は実施例2で用いた接着剤と同一のものを用いて、固形分約47質量%で粘度約1500mPa・s/25℃のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂溶液とし、これを接着剤溶液として用いた。
ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面にグラビアロールにて、接着剤溶液を塗布し第一接着剤層を設けた。グラビーロールはドット柄の凹部(深度0.15mm)を持ち、ドット径0.9mmでドット数97個/cm2のもので、ドット柄の占有面積(凹部の占有面積)は62%のものである。このグラビーロールの凹部に接着剤溶液を充填し、ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面にドット柄で接着剤溶液を塗布し、第一接着剤層を設けた。接着剤の塗布量は約100g/m2であり、塗布面積は約88%(接着剤溶液を塗布した後、流動により塗布面積は拡大している。)であった。接着剤溶液を塗布した後、120℃で2分間乾燥後、圧力300kPaで表地を積層した。表地を積層した後、40℃で2日間エージングして、表地とポリテトラフルオロエチレンフィルムを貼合した。
表地が貼合されたポリテトラフルオロエチレンフィルムの他面に、グラビアロールにて、接着剤溶液を塗布し第二接着剤層を設けた。用いたグラビアロール及び接着剤溶液は、第一接着剤層を設ける際に使用したものであり、塗布条件も第一接着剤層を設けた場合と同一である。ただし、第一接着剤層と第二接着剤層とが同期しないように、グラビアロールを作動させ、第一接着剤層の第一接着剤存在区域の対応面が第二接着剤不存在区域となり、第一接着剤不存在区域の対応面が第二接着剤存在区域となるようにした。接着剤溶液を塗布した後、120℃で2分間乾燥後、圧力300kPaで裏地を積層した。裏地を積層した後、40℃で4日間のエージングを行い、裏地とポリテトラフルオロエチレンフィルムを貼合し積層布帛を得た。この積層布帛に実施例1と同様の撥水処理を施して、洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛を得た。
比較例1
表地、裏地、透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム及び接着剤として、実施例1で使用したものと同一のものを準備した。
ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面にグラビアロールにて、接着剤を塗布し第一接着剤層を設けた。グラビーロールは格子柄の凹部(深度0.40mm)を持ち、格子柄を構成している線数は17本/インチで、各線幅は0.21mmのものであって、格子柄の占有面積(凹部の占有面積)は30%のものである。このグラビーロールの凹部に120℃で溶融させた接着剤を充填し、ポリテトラフルオロエチレンフィルムの片面に格子柄で接着剤を塗布し、第一接着剤層を設けた。接着剤の塗布量は約40g/m2であり、塗布面積は約35%であった。接着剤を塗布した後、自然冷却し、次いで圧力300kPaで表地を積層した後、40℃で2日間エージングして、表地とポリテトラフルオロエチレンフィルムを貼合した。
表地が貼合されたポリテトラフルオロエチレンフィルムの他面に、グラビアロールにて、接着剤を塗布し第二接着剤層を設けた。用いたグラビアロール及び接着剤は、第一接着剤層を設ける際に使用したものであり、塗布条件も第一接着剤層を設けた場合と同一である。ただし、塗布面積が小さいため、第一接着剤層の第一接着剤不存在区域の対応面が第二接着剤不存在区域となっている区域が多数あった。そして、裏地を積層した後、40℃で4日間のエージングを行い、積層布帛を得た。この積層布帛に実施例1と同様の撥水処理を施して、血液バリア性積層布帛を得た。
比較例2
グラビアロールをコンマコーターに代えた他は、実施例3と同様の方法で血液バリア性積層布帛を得た。コンマコーターに代えた結果、接着剤の塗布面積は100%であり、第一接着剤層不存在区域及び第二接着剤層不存在区域の存在しないものであった。したがって、この血液バリア性積層布帛は透湿度が極めて低く、外衣として使用できないものであった。
実施例1〜3及び比較例1で得られた血液バリア性積層布帛は、いずれも、透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムを具備しているため、血液バリア性及びウイルスバリア性を有するものであった。しかしながら、工業洗濯と滅菌処理を5サイクル繰り返すと、比較例1で得られた血液バリア性積層布帛は、ウイルスバリア性の試験に合格しないものであった。これは、第一接着剤不存在区域の対応面が第二接着剤不存在区域となっている区域が多数あり、この区域におけるポリテトラフルオロエチレンフィルムが摩擦により損傷し、初期のウイルスバリア性が消失するためである。一方、実施例1〜3で得られた血液バリア性積層布帛は、ウイルスバリア性の試験に合格するものであった。これは、第一接着剤不存在区域の対応面は第二接着剤存在区域となっており、第二接着剤不存在区域の対応面は第一接着剤存在区域となっているため、ポリテトラフルオロエチレンフィルムが損傷しにくいためである。なお、工業洗濯、滅菌処理、血液バリア性及びウイルスバリア性の試験は、以下のとおりである。
[工業洗濯1サイクル]
工業洗濯機(スガ試験機株式会社製、LM−W型)を用いて、標準的な1回分の洗濯時間「 73℃×20分間」 から、下記条件を1サイクル(10回分)とした。
浴比;1:40(1.5kg:60L)
洗剤;ピュア−石鹸(株式会社不動化学製)1g/L、苛性ソーダ0.08g/Lを添加しpH値を10に調整したものを用いた。
工程;洗い(73℃×200分間)→湯洗(40℃×30分間)→オーバーフローすすぎ(常温×15分間)→脱水→タンブル乾燥(60℃×20分間)
[滅菌処理1サイクル]
株式会社平山製作所製、高圧蒸気滅菌器「HV50型」を用いて、標準的な1回分の滅菌時間 「135℃×8分間」 から、「 135℃×80分間」 を1サイクル(10回分)とした。
〔血液バリア性試験〕
ASTM F 1670−08 B法に基づいて評価した。
[ウイルスバリア性試験]
ASTM F 1671−07 B法に基づいて評価した。
本発明の一例に係る積層布帛の横断面図である。 本発明の他の例に係る積層布帛の横断面図である。
1 第一接着剤層
1a 第一接着剤存在区域
1b 第一接着剤不存在区域
2 第二接着剤層
2a 第二接着剤存在区域
2b 第二接着剤不存在区域
3 透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム
4 表地
5 裏地

Claims (4)

  1. 表地、第一接着剤層、透湿性を有する微多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム、第二接着剤層及び裏地の順に積層一体化されてなる血液バリア性積層布帛において、
    前記表地及び裏地はポリエステル系繊維を主体として構成されており、
    前記第一接着剤層及び第二接着剤層は、各々、透湿性を有しないポリカーボネート系ポリウレタン樹脂を主体として構成されており、
    前記第一接着剤層は第一接着剤存在区域と第一接着剤不存在区域を有しており、前記第二接着剤層も第二接着剤存在区域と第二接着剤不存在区域を有していて、前記第一接着剤不存在区域に対応して前記第二接着剤存在区域が存在し、前記第一接着剤存在区域に対応して前記第二接着剤不存在区域が存在し、
    前記第一接着剤層中における前記第一接着剤存在区域の占有面積は40〜90%であり、前記第二接着剤層中における前記第二接着剤存在区域の占有面積も40〜90%であることを特徴とする洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛。
  2. ウイルスバリア性である請求項1記載の洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛。
  3. 第一及び第二接着剤層の第一及び第二接着剤存在区域が格子柄又はドット柄である請求項1記載の洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛。
  4. 表地及び裏地が同一の編織物である請求項1記載の洗濯耐久性に優れた血液バリア性積層布帛。
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