以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例であるスロットマシン1の斜視図である。図1を参照して、スロットマシン1の全体構成について説明する。
スロットマシン1は、前面を開放した箱状のマシン本体2を有している。マシン本体2の前面側には前面開閉扉としてのフロントパネル3が開閉自在に取り付けられている。このフロントパネル3が閉状態となっている場合に、フロントパネル3によってマシン本体2の前面開放側が閉鎖されるように構成されている。
フロントパネル3は、閉状態である場合には、図示しないロック機構によって開放不可能な状態にロックされている。このロック状態はフロントパネル3に設けられた解除操作部たるキーシリンダ(図示せず)に対する所定のキー操作によって解除される。
フロントパネル3には、縦長の3つの表示窓5L,5M,5Rが横並びに設けられている。表示窓5L,5M,5Rは、半透明の材質で形成されており、各表示窓5L〜5Rを通してマシン本体2の内部を視認可能に構成されている。
マシン本体2内には、可変表示手段を構成する左リールLと、中リールMと、右リールRとが収納されている。各リールL,M,Rはそれぞれ円筒状(円環状)に形成されており、各リールL,M,Rの中心軸線が当該リールL,M,Rの回転軸線となって回転可能に支持されている。各リールL,M,Rの回転軸線は、略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリールL,M,Rが各表示窓5L,5M,5Rと1対1で対応している。従って、各リールL,M,Rの表面の一部は、それぞれ対応する表示窓5L,5M,5Rを通して視認可能な状態とされている。
また、各リールL,M,Rが回転すると、各表示窓5L,5M,5Rには、リールL,M,Rの外周面に付した図柄が上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。これら各リールL,M,Rは、各リール毎に対応して1つずつ配設された3つのリール用ステッピングモータ28(図4参照)に連結されており、各リール用ステッピングモータ28の駆動により各リールL,M,Rが個別に独立して回転駆動及び停止が可能に構成される。
各リールL,M,Rの外周面には、それぞれ識別情報としての図柄が多数設けられている。これらの図柄のうち、表示窓5L,5M,5Rを介して視認可能な図柄数は、主として表示窓5L,5M,5Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られる。本実施例では、遊技者に視認可能な図柄数は、各リールL,M,R毎に3個ずつとされている。
ここで、図2及び図3を参照して、各リールL,M,Rに付される図柄について説明する。図2は、左リールLと、中リールMと、右リールRとを平面状に展開して図柄配列を示した展開図である。図2に示すように、各リールL,M,Rには21個の図柄が縦一列に設けられている。各リールL,M,Rに対応して「01」から「21」のコマ番号を付しているが、これらのコマ番号は説明の便宜上付したものであり、各リールL,M,Rに実際に付されているものではない。但し、以下の説明においては当該コマ番号を使用して説明する。図3は、遊技者に利益が付与される各役と、入賞図柄、獲得利益、入賞条件及び役成立率との対応を示した図である。
図2に示すように、各リールL,M,Rの図柄は、色相の異なる2種類の「7」図柄と、「BAR」図柄と、「賽銭箱」図柄と、「鈴」図柄と、「水瓶」図柄と、「チェリー」図柄との計7種類で構成されている。「7」図柄は、ボーナス役としてのビックボーナス(以下、適宜「BB」と略す)の入賞を示す図柄であり、白色のもの(例えば、左リールコマ番号第2番。以下、適宜「白7」と略す。)と、赤色のもの(例えば、左リールコマ番号第11番。以下、適宜「赤7」と略す。)とが設けられている。「BAR」図柄(例えば、左リールコマ番号第16番)は、ボーナス役としてのレギュラーボーナス(以下、適宜「RB」と略す。)の入賞を示す図柄である。「水瓶」図柄(例えば、左リールコマ番号第5番)は、無償の再遊技が可能なリプレイ役の入賞を示す図柄である。また、「賽銭箱」図柄(例えば、左リールコマ番号第4番)、「鈴」図柄(例えば、左リールコマ番号第1番)、及び、「チェリー」図柄(例えば、左リールコマ番号第3番)は、各図柄毎に遊技者に付与される利益の異なる小役の入賞を示す図柄である。
なお、図2に示すように、各リールL,M,Rにおいて、各図柄の数や配列は全く異なるように配設される。また、「チェリー」図柄を除く小役の入賞を示す図柄(小役図柄)と、リプレイ役の入賞を示す図柄(リプレイ図柄)とは、各リールL,M,Rに全て4コマ以下の間隔で配設されている。後述する小役成立テーブル22bを使用して強制的に小役図柄又はリプレイ図柄を所定の位置に停止させる場合、最大でも4コマ分の移動をするだけで、当該図柄を制御上の所定の停止位置に停止させることができる。
ここで、スロットマシン1に設定される役について、図3を参照して説明する。役としては、ボーナス役、小役、リプレイ役、及び、純ハズレ役の4種類に大別され、以下に順に説明する。ボーナス役とは、通常の遊技からいわゆるボーナスゲームと称する特別遊技(遊技者にとって有利な遊技)に移行させる役であり、ビッグボーナス(BB)とレギュラーボーナス(RB)との2種類が設定されている。なお、特別遊技としては、前回以前の遊技における役成立(入賞を含む)に基づいて当該遊技後に行われる遊技者にとって有利な遊技を意味している。
ビッグボーナス(BB)は、ボーナスゲームの1つであるビッグボーナスゲーム(以下、適宜BBゲームと略す。)に移行させる役である。「白7」又は「赤7」が後述する有効ライン6a〜6e上に同一色で3つ並んで停止した場合には、「BB」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われると共に遊技がBBゲームに移行する。遊技を行う遊技者は、「BB」の入賞によってメダル15枚とBBゲームによる利益とを獲得する。BBゲームは、30回以内の小役ゲームと、小役ゲーム中の所定役(本実施例においてはリプレイ役)の入賞を条件に3回を上限として移行するボーナスゲームとにより構成される。ボーナスゲームは、所定の小役(本実施例においては賽銭箱役)に高確率で入賞する遊技を所定条件の成立まで(本実施例においては8回入賞するまで)行うものである。
レギュラーボーナス(RB)は、ボーナスゲームの1つであるRBゲームに移行させる役である。「BAR」図柄が後述する有効ライン6a〜6e上に3つ並んで停止した場合には、「RB」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われると共に遊技がRBゲームに移行する。RBゲームは、BBゲーム中のボーナスゲームに相当するゲームを1回だけ行うものである。
小役とは、予め定めたメダルの払出を行う役である。スロットマシン1には、小役として、「賽銭箱」、「鈴」、及び、「チェリー」の3種類が設定されている。「賽銭箱」図柄が後述する有効ライン6a〜6e上に3つ並んで停止した場合には、「賽銭箱」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われる。また、「鈴」図柄が有効ライン6a〜6e上に並んで停止した場合には、「鈴」の入賞となって9枚のメダルの払出が行われる。
左リールLの「チェリー」図柄が有効ライン6a〜6e上に停止した場合には、「チェリー」の入賞となって2枚のメダルの払出が行われる。ここで、「チェリー」の役については、中リールM及び右リールRの「チェリー」図柄はメダルの払出とは無関係である。「チェリー」に限っては、左リールLにおける有効ライン6a〜6eが2つ重なる位置、即ち、上段又は下段に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ライン数を乗じた分だけメダルの払出が行われる。このため、1回の遊技で「チェリー」の入賞として4枚のメダルの払出が行われることがある。
リプレイ役とは、無償で再遊技を行うことができる役である。「水瓶」図柄が後述する有効ライン上に3つ並んで停止した場合には、「水瓶」の入賞となって当該遊技でのメダルの投入枚数(ベット枚数)を維持した遊技が次回の遊技で行われる。ここで、その他の場合、即ち、上記したボーナス役、小役、及び、リプレイ役の入賞を示す図柄の組み合わせのいずれも有効ライン上に停止していない場合には、メダルの払出は一切行われない。
純ハズレ役とは、上記したボーナス役、小役、及び、リプレイ役とは異なり、当該役の成立のみでは遊技者に利益が全く供与されない役である。ただし、本実施例のスロットマシン1においては、「BB」及び「RB」は役成立があっても、その役成立だけでは入賞は生じず、「純ハズレ」の成立があるまで入賞時期をずらす(蓄越する)。「純ハズレ」の成立があった場合にそれ以前に蓄越されていた「BB」又は「RB」があるとき、ずらされた順番に従って「BB」又は「RB」を入賞させ得る状態に移行し、遊技者にボーナス役による利益が付与される。
なお、円筒状のリールL,M,Rを構成の一部として図柄を表示する表示装置は、識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、可変表示手段は、上記以外の構成であってもよい。例えば、ベルト式リール等の他の機械的なリール構成としてもよい。また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリクス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
図1に戻って説明する。フロントパネル3には、各表示窓5L,5M,5Rを結ぶように、横方向へ平行な3本の有効ライン6b〜6dと、斜め方向へたすき掛けとなる2本の有効ライン6a,6eとの計5本の有効ライン6a〜6eが付されている。また、各有効ライン6a〜6eに対応して、表示窓5L,5M,5Rの正面視左側には有効ライン表示ランプ7a〜7cが設けられている。
第1有効ライン表示ランプ7aは、中央の横ライン(中央ライン)6cが有効化されていることを点灯して示すものである。1の可変表示(1回のゲーム)に対して1枚以上のメダル投入があった場合には中央ライン6cが有効化され、第1有効ライン表示ランプ7aが点灯する。
第2有効ライン表示ランプ7bは、上下の横ライン(上ライン6b及び下ライン6d)が有効化されていることを点灯して示すものである。1回のゲームに対して2枚以上のメダル投入があった場合には、中央ライン6cと共に上ライン6b及び下ライン6dが有効化され、第1有効ライン表示ランプ7aと第2有効ライン表示ランプ7bとが共に点灯する。
第3有効ライン表示ランプ7cは、一対の斜めライン(右上がりライン6a及び右下がりライン6e)が有効化されていることを点灯して示すものである。1回のゲームに対して最大数の3枚のメダル投入があった場合には、全ての有効ライン6a〜6eが有効化され、全ての有効ライン表示ランプ7a〜7cが点灯する。なお、有効ライン数は、必ずしも5本とする必要はなく、6本以上としてもよく、5本未満としてもよい。
表示窓5L,5M,5Rの正面視左下側には、各リールL,M,Rを一斉(同時である必要はない)に回転させて図柄の変動(可変表示)を開始させるために遊技者によって操作可能なスタートレバー8が設けられている。スタートレバー8を揺動可能に支持するフロントパネル3の裏面側には、スタートスイッチ8a(図4参照)が連結されている。リールL,M,Rが停止している時に、スタートレバー8が傾倒されるとスタートスイッチ8aがオンに切り替わり、各リールL,M,Rの回転が開始される。
スタートレバー8の右側には、回転している各リールL,M,Rを個別に停止させるために遊技者によって操作可能な押しボタン式のストップスイッチ9L,9M,9Rが設けられている。各ストップスイッチ9L,9M,9Rは、停止対象となるリールL,M,Rに対応する表示窓5L,5M,5Rの直下にそれぞれ配置されている。
表示窓5L,5M,5Rの右下側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。フロントパネル3の裏面側には、このメダル投入口10に連続して投入されたメダルの枚数を検出する投入メダル検出センサ10a(図4参照)が設けられている。
メダル投入口10の左側には、予め貯留して記憶された(クレジットされた)クレジットメダルを一度に3枚投入するための押しボタン式のベットスイッチ11が設けられている。スロットマシン1の制御を行う主制御基板Cは、クレジットメダルの貯留数をMPU21(図4参照)の予め定めた記憶領域に記憶し、メダルの払出が行われる場合やメダルが必要量より多く投入された場合に、一定枚数(本実施例では50枚)以下の範囲内でクレジットメダルの数を増加させる。ベットスイッチ11が押下されてオンとなると、貯留記憶されたクレジットメダル数の範囲内で仮想的にメダルが投入され、投入メダル数に対応した有効ライン6a〜6eが有効化される。
スタートレバー8の左側には、押しボタン式のクレジット払出スイッチ12が配設されている。このクレジット払出スイッチ12が遊技者により押下されると、メダル投入口10に必要量より多く投入されたメダルや所定の遊技結果に応じて遊技者に利益として払い出されたメダル等によるクレジットメダルが返還される。なお、表示窓5L,5M,5Rの左下には、上記したクレジットメダルの残数を表示するメダル枚数表示ランプ13が配設されており、クレジット払出スイッチ12が遊技者により押下されると、メダル枚数表示ランプ13に表示された枚数のメダルが遊技者へ払い出される。
フロントパネル3の下側には、メダルを遊技者に払い出すためのメダル排出口14と、そのメダル排出口14から払い出されたメダルを貯留する下皿15とが配設されている。
表示窓5L,5M,5Rの上方部分には、LCD16が配設されている。このLCD16は、遊技の進行に伴う各種の表示演出を実行すると共に、遊技者に機械の内部で選定された情報を遊技者に示すためのものである。LCD16の左右両側には、スロットマシン1において行われる遊技の効果音を出力するスピーカ17が配設されている。また、LCD16の上側には、スロットマシン1の状態に応じて点灯状態が切り替えられるランプ18が配設されている。
次に、図4を参照して、スロットマシン1の電気的構成について説明する。図4は、スロットマシン1の電気的構成を示したブロック図である。スロットマシン1は主制御基板Cを備え、この主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU21と、そのMPU21とバスライン24を介して接続されると共に各種のI/O装置と接続された入出力ポート25とが搭載されている。MPU21には、MPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの回路とが内蔵されている。なお、図6から図11に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM22内に記憶されている。
ROM22は、内部抽選に従った図柄の組み合わせで各リールL,M,Rの回転が停止するように停止位置を決定する複数の停止位置決定テーブル、即ち、ボーナス成立テーブル22aと、小役成立テーブル22bと、最小移動ハズレテーブル22cとを備えている。ボーナス成立テーブル22aは、ボーナス役であるビックボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)のいずれかが成立した場合、即ち、ボーナス役に対する内部抽選に当選して入賞条件が成立した場合に使用され、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれかに成立役に対応したボーナス図柄(「白7」、「赤7」又は「BAR」)を並べて停止させるテーブルである。小役成立テーブル22bは、それぞれの小役およびリプレイ役に対応して複数種類が設けられ、小役又はリプレイ役の成立時に使用され、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれかに成立役の入賞を示す図柄を並べて停止させるテーブルである。なお、各役の入賞条件は、後述する乱数カウンタ23bを使用した抽選による役の成立と、役成立後に行われて所定確率で成立する抽選の当選という2種類の条件を組み合わせて構成される(図3参照)。
ここで、図5を参照して、リールL,M,Rの回転停止位置を決定する停止位置決定テーブルについて説明する。図5は、小役成立テーブル22bの一部を構成する水瓶用小役成立テーブル22b1を示した図である。この水瓶用小役成立テーブル22b1は、内部抽選によって「水瓶」の役が成立した場合に使用される。水瓶用小役成立テーブル22b1には、遊技者によって各ストップスイッチ9L,9M,9Rが操作されたタイミングに対するリールL,M,Rの停止位置が予め定められている。水瓶用小役成立テーブル22b1以外にも、主制御基板CのROM22には、各成立役に対応して小役成立テーブル及びボーナス成立テーブルがそれぞれ設けられるが、一般的な制御であるのでその説明を省略する。
例えば、「水瓶」が成立した状態で図柄の変動が行われている場合に左リールLに対するストップスイッチ9Lが操作されると、そのタイミングが水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号第8番の図柄(「水瓶」図柄)が存在するときであれば、左リールLは直ちに停止し、水平方向中段の有効ライン6c上にはコマ番号第8番の図柄(「水瓶」図柄、図2参照)が停止する。この第1番目のリール停止時には、「水瓶」に入賞させるか否かを決定するために1/3の確率で成立する抽選が後述する水瓶カウンタ23nを使用して行われ、その抽選に当選すると「水瓶」の入賞条件の成立となり、引き続き水瓶用小役成立テーブル22b1を参照してリールの停止制御が行われる。
具体的には、水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号17番の図柄(「賽銭箱」図柄、図2参照)が存在するタイミングで遊技者の操作によってストップスイッチ9Lがオンされると、左リールは3コマ分回転を継続してから(滑ってから)、水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号第13番の図柄(「水瓶」図柄)を引き込んで停止する。このストップスイッチ9L,9M,9Rの操作後に回転を継続する量(滑り量)は少ない方が遊技に対する不信感を与えないので、スロットマシン1においては最大4コマに設定されている。なお、「水瓶」の成立後、水瓶カウンタ23nによる抽選に落選して入賞条件が成立しなければ、ハズレとなるようにリールの停止制御を行う最小移動ハズレテーブル22cが参照される。
図4に戻って、最小移動ハズレテーブル22cについて説明する。最小移動ハズレテーブル22cは、ボーナス役、小役及びリプレイ役に対する入賞条件が成立しなかった場合に使用されるテーブルであり、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれにも成立役の入賞を示す図柄を停止させずに図柄を停止させるテーブルである。この最小移動ハズレテーブル22cには、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作時における各リールL,M,Rの位置から停止可能位置を検索し、その停止可能位置の範囲内において各リールL,M,Rの移動量が最も少ない位置にいずれの役の入賞をも伴わないハズレの表示結果を停止させる位置が定められている。当選していない図柄が有効ライン6a〜6eに停止してしまうタイミングでストップスイッチ9L,9M,9Rが押下された場合に、この最小移動ハズレテーブル22cによって、いずれの有効ライン6a〜6e上にも役の入賞を示す図柄が停止しないように、1コマから4コマまで図柄を滑らせて停止させる。
主制御基板CのRAM23は、状態フラグ23aと、乱数カウンタ23bと、ボーナス蓄越メモリ23cと、BB蓄越解除フラグ23dと、RB蓄越解除フラグ23eと、賽銭箱成立フラグ23fと、鈴成立フラグ23gと、水瓶成立フラグ23hと、チェリー成立フラグ23iと、賽銭箱カウンタ23jと、賽銭箱入賞フラグ23kと、鈴カウンタ23lと、鈴入賞フラグ23mと、水瓶カウンタ23nと、水瓶入賞フラグ23oと、チャンス残数カウンタ23pと、挑戦カウンタ23qとを備えている。
状態フラグ23aは、スロットマシン1における遊技の状態、即ち、通常ゲーム中、ボーナスゲーム中、或いは、エラー状態等その他の状態を示すためのフラグである。この状態フラグ23aは、電源入時に通常ゲームの状態を示すデータが設定される一方、後述するBB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eがオンされて、「白7」、「赤7」又は「BAR」のいずれかが有効ライン6a〜6e上に同一図柄で3つ並んで停止した場合、その後の遊技をボーナスゲームへ移行させるために、ボーナスゲーム中を示すデータが書き込まれる(図10、S72参照)。また、ボーナスゲームの終了時には、その後の遊技を通常ゲームへ移行させるために、状態フラグ23aには、通常ゲームを示すデータが書き込まれる(図示せず)。
乱数カウンタ23bは、成立役を選定する内部抽選を行うためのカウンタである。この乱数カウンタ23bは、後述するカウンタ更新処理(図6、S5参照)によって、「0」〜「65535」の範囲内で順に加算して更新される。かかる乱数カウンタ23bの値は、遊技者によってスタートレバー8が操作されてスタートスイッチ8aのオンが検出された場合(始動操作時)に、後述する変動開始処理において参照され、このとき参照された値に対して予め割り当てられた役が成立役となる(図7参照)。この乱数カウンタ23bの値に対して各成立役は、図3に示す割合で割り当てられており、例えば、約1/100の割合である656個の乱数値が「BB」に割り当てられ、また、約1/200の割合である328個の乱数値が「RB」に割り当てられている(図3参照)。
なお、本実施例では、内部抽選に当選して「BB」又は「RB」の成立があった場合、一旦、その「BB」又は「RB」の成立に対する入賞の発生がずらされ(蓄越され)、その後に取得された乱数カウンタ23bの値が「純ハズレ」を示す値であった場合に、ずらされた順番に従って「BB」又は「RB」の入賞が発生してボーナスゲームへ移行するように構成されている。
ボーナス蓄越メモリ23cは、ずらされた「BB」又は「RB」の数及び順序を記憶するためのメモリである。始動操作時に取得された乱数カウンタ23bの値が「BB」又は「RB」を示す値であった場合に、そのボーナスに応じた値(「BB」の場合は「2」、「RB」の場合は「1」)が順番にこのボーナス蓄越メモリ23cに書き込まれる(図7、S15及びS16参照)。逆に、始動操作時に取得された乱数カウンタ23bの値が「純ハズレ」用に割り当てられた256個(図3参照)の値のいずれかであった場合には、ボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータに応じたいずれかの蓄越解除フラグ23d,23eがオンされると共に、ボーナス蓄越メモリ23cに記憶されているデータを1つずつ先頭側へずらして、先頭に記憶されているデータが消去される(図8、S35参照)。このため、「純ハズレ」の成立後には、それまでの遊技において「BB」又は「RB」が成立した順に遊技者へBBゲーム又はRBゲームが付与される。
BB蓄越解除フラグ23d及びRB蓄越解除フラグ23eは、「BB」及び「RB」に応じたボーナス図柄を有効ライン6a〜6e上に揃い得るゲームであることを示すフラグであって、ボーナス成立テーブル22aを参照させるためのフラグである。始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が「純ハズレ」の成立を示す値であると共に、ボーナス蓄越メモリ23cにいずれかのボーナスの成立が記憶されていた場合に、そのボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータに応じた蓄越解除フラグ23d,23eがオンされる(図8、S33及びS34参照)。一方、「白7」、「赤7」又は「BAR」のいずれかが有効ライン6a〜6e上に同一図柄で3つ並んで停止した場合、即ち、ボーナス役に入賞した場合、状態フラグ23aにボーナスゲーム中を示すデータが書き込まれると共に、入賞したボーナス役に対応した蓄越解除フラグ23d,23eがオフされる(図10、S73参照)。
賽銭箱成立フラグ23fは、始動操作時の内部抽選による成立役が「賽銭箱」であることを示すためのフラグである。この賽銭箱成立フラグ23fは、始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が「賽銭箱」の成立を示す値であった場合、即ち、「賽銭箱」用に割り当てられた20560個の値(図3参照)のいずれかであった場合に、オンされる(図7、S17参照)。一方、賽銭箱成立フラグ23fは、図柄の変動が停止して入賞判定やメダルの払出を行うメダル払出処理が行われたとき、及び、「賽銭箱」の成立した可変表示に対して後述する賽銭箱カウンタ23jの値に基づいて行われる抽選に当選しなかったときにオフされる(図9のS56及び図10のS78参照)。
鈴成立フラグ23gは、始動操作時の内部抽選による成立役が「鈴」であることを示すためのフラグである。始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が「鈴」の成立を示す値であった場合、即ち、「鈴」用に割り当てられた18800個の値(図3参照)のいずれかであった場合に、鈴成立フラグ23gはオンされる(図7、S18参照)。一方、鈴成立フラグ23gは、図柄の変動が停止して入賞判定やメダルの払出を行うメダル払出処理が行われたとき、及び、「鈴」の成立した可変表示に対して後述する鈴カウンタ23lの値に基づいて行われる抽選に当選しなかったときにオフされる(図9のS61及び図10のS78参照)。
水瓶成立フラグ23hは、始動操作時の内部抽選による成立役が「水瓶」であることを示すためのフラグである。始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が「水瓶」の成立を示す値であった場合、即ち、「水瓶」用に割り当てられた24608個の値(図3参照)のいずれかであった場合に、水瓶成立フラグ23hはオンされる(図7、S19参照)。一方、水瓶成立フラグ23hは、図柄の変動が停止して入賞判定やメダルの払出を行うメダル払出処理が行われたとき、及び、「水瓶」の成立した可変表示に対して後述する水瓶カウンタ23nの値に基づいて行われる抽選に当選しなかったときにオフされる(図9のS66及び図10のS78参照)。
チェリー成立フラグ23iは、始動操作時の内部抽選による成立役が「チェリー」であることを示すためのフラグである。始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が「チェリー」の成立を示す値であった場合、即ち、「チェリー」用に割り当てられた328個の値(図3参照)のいずれかであった場合に、チェリー成立フラグ23iはオンされる(図7,S20参照)。一方、チェリー成立フラグ23iは、図柄の変動が停止して入賞判定やメダルの払出を行うメダル払出処理が行われたときオフされる(図10、S78参照)。なお、「チェリー」が成立していても、左リールLには、「チェリー」図柄が2つだけ配列されており、ストップスイッチ9Lの操作タイミング(停止タイミング)如何によっては、「チェリー」図柄が有効ライン6a〜6e上に停止せず、メダルの払出が行われない構成となっている。
ここで、スロットマシン1では、始動操作時の内部抽選によって「賽銭箱」、「鈴」、及び、「水瓶」が成立しても、入賞条件の成立とはならない。一定範囲内で更新されるカウンタ23j,23l,23nの値が、役成立のあったゲームでストップスイッチ9L,9M,9Rが停止操作された時に予め定めた値となった場合に限って入賞条件が成立する。言い換えれば、たとえ役が成立しても、カウンタ23j,23l,23nの値に基づく抽選に当選しなければ、役成立に基づく入賞が発生せず、利益を獲得できないように構成されている。
賽銭箱カウンタ23jは、通常ゲーム中における始動操作時の内部抽選によって「賽銭箱」の成立があった場合に、1/27の確率で成立する抽選に当選しなければ「賽銭箱」の成立を無効にするためのカウンタである。この賽銭箱カウンタ23jの値は、後述するカウンタ更新処理(図6、S5参照)において「0」〜「26」の範囲内で更新される。「賽銭箱」の成立があって賽銭箱成立フラグ23fがオンされた場合には、第1番目のリール停止操作が行われた場合に賽銭箱カウンタ23jの値が参酌され、その値が「7」である場合以外、オンされている賽銭箱成立フラグ23fをオフして(図9、S56参照)、「賽銭箱」の成立を無効にする。
賽銭箱入賞フラグ23kは、ボーナスゲーム終了後の20回の可変表示(20ゲーム)で構成される挑戦期間中に「賽銭箱」の入賞があったか否かを記憶するためのフラグである。この賽銭箱入賞フラグ23kは、後述する挑戦カウンタ23qの値が「1」以上である挑戦期間中に「賽銭箱」の入賞があった場合にオンされる(図11、S94参照)。この賽銭箱入賞フラグ23kがオン状態で挑戦期間が終了すると、その後の100ゲームが「賽銭箱」の誘引期間となる。この誘引期間中には賽銭箱カウンタ23jの値に基づく抽選が行われない特別なゲーム(特別遊技)となり、「賽銭箱」の入賞確率が27倍高められる。かかる賽銭箱入賞フラグ23kは、ボーナス役の入賞があった場合にオフされると共に(図10、S76参照)、後述するチャンス残数カウンタ23pの値が「0」となって誘引期間が終了した場合にオフされる(図11、S84参照)。
鈴カウンタ23l及び水瓶カウンタ23nは、上記した賽銭箱カウンタ23jと同様、通常ゲーム中における始動操作時の内部抽選によって「鈴」又は「水瓶」の成立があった場合に、1/3の確率で成立する抽選に当選しなければ各役の成立を無効にするためのカウンタである。この鈴カウンタ23l及び水瓶カウンタ23nの値は、後述するカウンタ更新処理(図6、S5参照)においてそれぞれ「0」〜「2」の範囲内で更新される。「鈴」又は「水瓶」の成立があって鈴成立フラグ23g又は水瓶成立フラグ23hがオンされた場合には、第1番目のリール停止操作が行われた場合に鈴カウンタ23l又は水瓶カウンタ23nの値が参酌され、その値が「1」である場合以外、オンされているいずれかの成立フラグ23g,23hをオフして(図9、S61及びS66参照)、役の成立を無効にする。
鈴入賞フラグ23m及び水瓶入賞フラグ23oは、賽銭箱入賞フラグ23kと同様、ボーナスゲーム終了後の20回の可変表示(20ゲーム)で構成される挑戦期間中に「鈴」又は「水瓶」の入賞があったか否かを記憶するためのフラグである。鈴入賞フラグ23m及び水瓶入賞フラグ23oは、後述する挑戦カウンタ23qの値が「1」以上である挑戦期間中に「鈴」又は「水瓶」の入賞があった場合にオンされる(図11、S95及びS96参照)。鈴入賞フラグ23m又は水瓶入賞フラグ23oがオン状態で挑戦期間が終了すると、その後の100ゲームが「鈴」又は「水瓶」の誘引期間となり、上記した鈴カウンタ23l及び水瓶カウンタ23nの値に基づく抽選が行われない特別なゲーム(特別遊技)となって各役の入賞確率が3倍高められる。かかる鈴入賞フラグ23m及び水瓶入賞フラグ23oは、ボーナス役の入賞があった場合にオフされると共に(図10、S76参照)、後述するチャンス残数カウンタ23pの値が「0」となって誘引期間が終了した場合にオフされる(図11、S84参照)。
なお、上記した鈴カウンタ23l及び水瓶カウンタ23nは、同一範囲内で更新させる場合には、片方のカウンタのみで構成しても良い。また、各カウンタ23j,23l,23nが更新される範囲は、上記した値に限定されるものでなく、それぞれの役によるメダルの払出数や役の入賞確率に応じて更新範囲を広げて入賞し難くしたり、或いは、更新範囲を狭めて入賞し易くしても良い。
チャンス残数カウンタ23pは、「賽銭箱」、「鈴」及び「水瓶」の誘引期間の残りゲーム数を記憶するためのカウンタである。このチャンス残数カウンタ23pには、挑戦期間が終了した場合に「100」の値が書き込まれ(図11、S92参照)、それ以降の100ゲームが誘引期間中のものとなる。このチャンス残数カウンタが「1」以上であると共に、いずれかの入賞フラグ23k,23m,23oがオンである場合には、その入賞フラグ23k,23m,23oに対応した役の成立があった可変表示に対しては、その役に対する各カウンタ23j,23l,23nの値に基づく抽選を行う処理がスキップされる(図9参照)。これにより、挑戦期間中に成立した役に対応した役が入賞し易い誘引期間中の遊技(特別遊技)が発生する。
かかるチャンス残数カウンタ23pの値は、ボーナス役の入賞でない可変表示の停止時に「1」以上であることを条件に「1」ずつ減算され(図11、S83参照)、その値が「0」となると誘引期間の終了となる。また、チャンス残数カウンタ23pは、ボーナス役の入賞があると「0」クリアされ(図10、S75参照)、挑戦期間後の100ゲームに達する前であっても誘引期間は終了する。
挑戦カウンタ23qは、ボーナスゲーム終了後の20ゲームで構成される挑戦期間の残りゲーム数を記憶するためのカウンタである。この挑戦カウンタ23qの値は、「BB」又は「RB」のボーナス役に入賞した場合に「20」が書き込まれる(図10、S74参照)。一方、挑戦カウンタ23qの値は、挑戦期間中において、全リールL,M,Rの可変表示が停止して1のゲームが終了する毎に「1」ずつ減算される(図11、S84参照)。この挑戦カウンタ23qの値が「0」になると挑戦期間の終了となり、上記した入賞フラグ23k,23m,23oのいずれかがオンであることを条件に特別遊技が発生する。
入出力ポート25は、前述した通りROM22及びRAM23を内蔵したMPU21に接続されると共に、各種のI/O装置と接続されている。具体的には、入出力ポート25は、投入メダル検出センサ10aと、ベットスイッチ11と、スタートスイッチ8aと、各リールL,M,Rの回転をそれぞれ遊技者が意図する順序及びタイミングで停止させるための左・中・右リールストップスイッチ9L,9M,9Rと、リール位置検出センサ27と、左・中・右の各リールL,M,Rをそれぞれ回転させるための左・中・右リール用ステッピングモータ28と、有効ライン表示ランプ7a〜7cと、メダル枚数表示ランプ13と、入賞役に応じてメダルの払出動作を行うホッパ駆動モータ29と、サブ制御基板Sとにそれぞれ接続されている。
サブ制御基板Sは、主制御基板Cから送信(出力)されるコマンドを受信(入力)してスピーカ17から効果音などの出力制御を行うと共に表示用制御基板Dを制御してLCD16に演出表示などを行わせるものである。このサブ制御基板Sには、主制御基板Cと、サブ制御基板Sから送信(出力)されるコマンドを受信(入力)してLCD16上に演出表示を行う表示用制御基板Dと、スピーカ17と、ランプ18とがそれぞれ接続されている。
次に、図6から図11に示すフローチャートを参照して、主制御基板Cで行われる各処理について説明する。図6は、スロットマシン1の電源入後に主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。
メイン処理では、まず、バックアップデータの復元を含む初期化処理を実行し(S1)、次に、S2〜S6の各処理を所定時間毎(例えば、2ms毎)に繰り返し実行して、遊技の制御を行う。以下に、S2〜S7の各処理を説明する。
S2の処理では、状態フラグ23aの内容を確認する(S2)。確認の結果、状態フラグ23aの内容が通常ゲーム中を示すものであった場合には(S2:「通常」)、変動開始処理(S3)及び変動停止処理(S4)による通常ゲームに対する処理を実行する。また、状態フラグ23aの内容がボーナスゲーム中を示すものであった場合には(S2:「ボーナス」)、ボーナスゲーム実行処理(S7)を実行する。更に、状態フラグ23aの内容がその他の遊技状態を示すものであった場合には(S2:「その他」)、S3,S4,S7による各遊技に関する処理をスキップする。
変動開始処理(S3)では、3枚のメダルが投入(ベット)されている状態でスタートスイッチ8aがオンされたか否かを確認した上で所定の処理が行われる。即ち、3枚のメダルが投入されている状態でスタートスイッチ8aのオンが確認された場合には、遊技者によりスタートレバー8が所定操作されたものと判断して、その時の乱数カウンタ23bの値等に応じて内部抽選に基づく成立役を選定すると共に、各リールL,M,Rの始動(回転)等が実行される。
変動停止処理(S4)では、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作に起因して、可変表示されている各リールL,M,Rを、前記変動開始処理(S3)で設定された成立役に応じた所定位置で停止させる。また、所定位置で停止させた際に予め定められた所定図柄が有効ライン6a〜6e上に停止した場合には、その所定図柄に応じた枚数のメダルを払い出す。
ボーナスゲーム実行処理(S7)では、入賞役に対応したビックボーナス(BB)ゲーム又はレギュラーボーナス(RB)ゲームに対する制御が行われる。BBゲームの場合、30回を上限とした小役ゲームと、小役ゲーム中のリプレイ役の入賞を条件に行われるボーナスゲームとが行われる。RBゲームの場合には、BBゲーム中のボーナスゲームに相当するゲームが1回だけ行われる。
カウンタ更新処理(S5)では、乱数カウンタ23b、賽銭箱カウンタ23j、鈴カウンタ23l、水瓶カウンタ23n等の各カウンタの値を更新する。各処理(S6)では、上記した処理以外の処理を実行するものである。各処理の終了後は、処理をS2へ移行して、再び、S2〜S7の処理を繰り返し実行する。
図7は、変動開始処理(S3)のフローチャートである。この変動開始処理では、3枚のメダルが投入されたマックスベット状態でスタートスイッチ8aのオンが確認された場合に、その時の乱数カウンタ23bの値に基づいて抽選される成立役に応じて各フラグを設定すると共に、各リールL,M,Rを始動させる。
変動開始処理(S3)では、まず、マックスベットされているか、即ち、3枚のメダルが投入されているか否かを確認する(S11)。確認の結果、マックスベットされていれば(S11:Yes)、次に、スタートスイッチ8aのオン信号を検知したか否かを確認する(S12)。スタートスイッチ8aのオン信号を検知していれば(S12:Yes)、遊技者によってスタートレバー8の操作が行われたタイミングであり、このタイミングで乱数カウンタ23bの値が示す成立役を確認する(S13)。
S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「純ハズレ」であった場合には(S13:「純ハズレ」)、蓄越されている「BB」又は「RB」の成立に基づくボーナス役を付与するときであり、「BB」又は「RB」を入賞させ得る状態に遊技状態を移行させるボーナス設定処理を行う(S14)。
ここで、図8を参照して、ボーナス設定処理(S14)について説明する。ボーナス設定処理(S14)では、まず、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eのいずれかが既にオンされているか否かを確認する(S31)。確認の結果、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eがオンされていない場合には(S31:No)、次に、ボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータを確認する(S32)。
確認の結果、ボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータが「2」である場合には(S32:「2」)、最初に成立して未だ付与されていないボーナス役は、「BB」である。このため、「BB」を入賞させ得る状態へ遊技状態を移行させるためにBB蓄越解除フラグ23dをオンし(S33)、ボーナス蓄越メモリ23cのデータを小さいアドレス側へそれぞれ1バイトずつシフトして先頭のデータを消去して(S35)、このボーナス設定処理(S14)を終了する。
一方、ボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータが「1」であった場合には(S32:「1」)、最初に成立して未だ付与されていないボーナス役が「RB」である。この「RB」を付与するために、RB蓄越解除フラグ23eをオンして(S34)、処理をS35へ移行する。また、ボーナス蓄越メモリ23cの先頭に記憶されているデータがメモリのエンドコードである場合、即ち、ボーナス蓄越メモリ23cに「BB」又は「RB」のいずれのデータも記憶されていない場合には(S32:「エンドコード」)、付与し得るボーナス役が成立していないので、S33〜S35の処理をスキップして、このボーナス設定処理(S14)を終了する。
なお、S31の処理において、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eが既にオンされていた場合は(S31:Yes)、今回以前のゲームにおいて「純ハズレ」の成立があってボーナス役を揃え得る状況において、再び「純ハズレ」の成立があった場合である。この場合には、ボーナスが未付与のままでボーナス蓄越メモリ23cに記憶された1回のボーナス役成立を示すデータが消去されることを防止するため、S32〜S35の処理をスキップして、このボーナス設定処理(S14)を終了する。ボーナス設定処理(S14)の終了後には、処理を図7のS21へ移行する。
図7のS13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「BB」であった場合には(S13:「BB」)、ボーナス蓄越メモリ23cに記憶されたデータの末尾に「BB」の成立を示す「2」を付加する一方(S15)、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「RB」であった場合には(S13:「RB」)、ボーナス蓄越メモリ23cに記憶されたデータの末尾に「RB」の成立を示す「1」を付加する(S16)。S15及びS16の処理後は、処理をS21へ移行する。
S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「賽銭箱」であった場合には(S13:「賽銭箱」)、賽銭箱成立フラグ23fをオンして(S17)、処理をS21へ移行する。また、成立役が「鈴」であれば(S13:「鈴」)鈴成立フラグ23gをオン(S18)、成立役が「水瓶」であれば(S13:「水瓶」)水瓶成立フラグ23hをオン(S19)、成立役が「チェリー」であれば(S13:「チェリー」)チェリー成立フラグ23iをオンして(S20)、処理をS21へ移行する。
S21以降の処理では、成立役を付加した通常変動開始コマンドをサブ制御基板Sへ送信し(S21)、サブ制御基板Sによって成立役に対応した演出をLCD16、スピーカ17、ランプ18を制御して行わせる。更に左・中・右リール用ステッピングモータ28を駆動して各リールL,M,Rを始動させて(S22)、この変動開始処理(S3)を終了する。
なお、S11の処理において、マックスベットされていない場合は(S11:No)、3枚のメダルが投入されていない状態である。スロットマシン1においては必ず3枚のメダルが投入された状態で1回のゲームを行わせるものであり、3枚のメダルが投入されていない状態においては、成立役の抽選やリールL,M,Rを始動させる等のS12〜S23の処理をスキップして、変動開始処理(S3)を終了する。また、S12の処理において、スタートスイッチ8aのオン信号が検知されていない場合には(S12:No)、マックスベット状態であるが遊技者によってスタートレバー8が操作されていないので、S12〜S22の処理をスキップして変動開始処理(S3)を終了する。
図9は、変動停止処理(S4)のフローチャートである。この変動停止処理(S4)では、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作に起因して、図柄を変動させる各リールL,M,Rの回転を、前記変動開始処理(S3)で選定された成立役に対応した停止位置で停止させるための処理である。また、所定位置で各リールL,M,Rの回転を停止させた際にボーナス役、小役又はリプレイ役の入賞を示す図柄が有効ライン6a〜6e上に停止した場合には、その停止図柄に応じた枚数のメダルを払い出すための処理である。
この変動停止処理(S4)では、まず、少なくとも1のリールL,M,Rが回転しているか否かを確認する(S41)。確認の結果、いずれのリールL,M,Rも停止していれば(S41:No)、図柄の変動開始待ちの状態であるので、この変動停止処理(S4)を終了する。一方、少なくとも1のリールL,M,Rの回転中であれば(S41:Yes)、図柄の変動中であるので、次に、回転中のリールL,M,Rに応じたいずれかのストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知したか否かを確認する(S42)。確認の結果、ストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知していなければ(S42:No)、遊技者によるストップスイッチ9L,9M,9Rの操作を待機している状態であるので、回転中のリールL,M,Rをそのまま回転させておくためにS43以降の処理をスキップして、変動停止処理(S4)を終了する。
一方、回転中のいずれかのリールL,M,Rに応じたストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知していれば(S42:Yes)、遊技者によって回転中のリールL,M,Rに対応したストップスイッチ9L,9M,9Rが停止操作されているので、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eがオンか否かを確認する(S43)。確認の結果、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eがオンされていれば(S43:Yes)、同一のボーナス図柄を有効ライン6a〜6e上に揃わせるために、オンとなっている蓄越解除フラグ23d,23eに対応したボーナス成立テーブル22aに従って停止操作のあったリールを停止させ(S44)、処理をS51へ移行する。一方、BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eがオンされていなければ(S43:No)、次に、リプレイ役を含むいずれかの小役成立フラグ23f〜23iがオンされているか否かを確認する(S45)。
S45の処理において、いずれかの小役成立フラグ23f〜23iがオンされていれば(S45:Yes)、オンされている小役成立フラグに対応した小役成立テーブル22bに従って停止操作のあったリールを停止させ(S46)、処理をS51へ移行する。一方、いずれの小役成立フラグ23f〜23iもオンされていなければ(S45:No)、最小移動ハズレテーブル22cに従って各リールL,M,Rを停止させ(S47)、処理をS51へ移行する。
S51の処理では、停止操作されたリールが何番目のリール停止であるか確認する(S51)。確認の結果、第1番目のリール停止であれば(S51:「第1番目」)、賽銭箱成立フラグ23fがオンされているか否かを確認する(S52)。
賽銭箱成立フラグ23fがオンであれば(S52:Yes)、図柄変動中の今回のゲームに対する成立役は「賽銭箱」である。この場合には、チャンス残数カウンタ23pの値が「1」以上であるか確認し(S53)、その値が「1」以上であれば(S53:Yes)、ボーナスゲーム終了後の20ゲームで構成される挑戦期間が終わった後の誘引期間中であるので、挑戦期間中に「賽銭箱」の入賞があったかを賽銭箱入賞フラグ23kの状態により確認する(S54)。
S54の処理で賽銭箱入賞フラグ23kがオンであれば(S54:Yes)、挑戦期間中に「賽銭箱」の入賞が発生しているので、挑戦期間終了後の100ゲームで構成される「賽銭箱」の誘引期間中となるように賽銭箱カウンタ23jの値に基づく抽選を行う処理(S54)と、賽銭箱成立フラグ23fをオフする処理(S56)とをスキップし、この変動停止処理(S4)を終了する。これにより、賽銭箱成立フラグ23fのオン状態が継続され、次回以降のリール停止時にもS46の小役成立テーブル22bが参照され続けて「賽銭箱」の入賞となる。
一方、S53の処理においてチャンス残数カウンタ23pの値が「1」以上でなく誘引期間中でない場合(S53:No)、及び、S54の処理において賽銭箱入賞フラグ23kがオフである場合には(S54:No)、賽銭箱カウンタ23jの値を確認する(S55)。その値が「7」でなければ(S55:No)、1/27の確率で成立する「賽銭箱」の入賞抽選に落選して入賞条件を満たさないので、賽銭箱成立フラグ23fをオフして(S56)、変動停止処理(S4)を終了する。この賽銭箱成立フラグ23fのオフにより、第2番目と第3番目のリール停止操作時には最小移動ハズレテーブル22cが参照され、いずれの役も成立しないハズレとなる。
S55の処理において、賽銭箱カウンタ23jの値が「7」であれば(S55:Yes)、入賞抽選に当選しているので、「賽銭箱」の入賞となるようにS56の処理をスキップし、変動停止処理(S4)を終了する。
S52の処理において、賽銭箱成立フラグ23fがオンでなければ(S52:No)、鈴成立フラグ23gがオンされているか確認する(S57)。鈴成立フラグ23gがオンされていれば(S57:Yes)、チャンス残数カウンタ23pの値を確認し(S58)、その値が「1」以上であれば(S58:Yes)、挑戦期間終了後の誘引期間中であるので、挑戦期間中に「鈴」の入賞があったかを鈴入賞フラグ23mの状態により確認する(S59)。
S59の処理で鈴入賞フラグ23mがオンであれば(S59:Yes)、挑戦期間中に「鈴」の入賞が発生しているので、「鈴」の誘引期間中となるように鈴成立フラグ23gをオフする処理(S61)をスキップして、この変動停止処理(S4)を終了する。
S58の処理においてチャンス残数カウンタ23pの値が「1」以上でない場合(S58:No)、及び、S59の処理において鈴入賞フラグ23mがオフである場合には(S59:No)、鈴カウンタ23lの値を確認する(S60)。その値が「1」でなければ(S60:No)、1/3の確率で成立する「鈴」の入賞抽選に落選しているので、ハズレとなるように鈴成立フラグ23gをオフして(S61)、変動停止処理(S4)を終了する。S60の処理において、鈴カウンタ23lの値が「1」であれば(S60:Yes)、「鈴」の入賞抽選に当選しているので、「鈴」の入賞となるようにS61の処理をスキップし、変動停止処理(S4)を終了する。
S57の処理において、鈴成立フラグ23gがオンでなければ(S57:No)、水瓶成立フラグ23hがオンされているか確認する(S62)。水瓶成立フラグ23hがオンであれば(S62:Yes)、チャンス残数カウンタ23pの値を確認し(S63)、その値が「1」以上であれば(S63:Yes)、誘引期間中であるので水瓶入賞フラグ23oがオンであるか確認する(S64)。
S64の処理で水瓶入賞フラグ23oがオンであれば(S64:Yes)、挑戦期間中に「水瓶」の入賞が発生しているので、「水瓶」の誘引期間中となるように水瓶成立フラグ23hをオフする処理(S66)をスキップして、この変動停止処理(S4)を終了する。
S63の処理においてチャンス残数カウンタ23pの値が「1」以上でない場合(S63:No)、及び、S64の処理において水瓶入賞フラグ23oがオフである場合には(S64:No)、水瓶カウンタ23nの値を確認する(S65)。その値が「1」でなければ(S65:No)、1/3の確率で成立する「水瓶」の入賞抽選に落選しているので、ハズレとなるように水瓶成立フラグ23hをオフして(S66)、変動停止処理(S4)を終了する。S65の処理において、水瓶カウンタ23nの値が「1」であれば(S65:Yes)、「水瓶」の入賞抽選に当選しているので、「水瓶」の入賞となるようにS66の処理をスキップし、変動停止処理(S4)を終了する。
S51の処理において、第2番目のリール停止であれば(S51:「第2番目」)、S52〜S67の処理をスキップして、この変動停止処理(S4)を終了する。また、S51の処理において、第3番目のリール停止であれば(S51:「第3番目」)、全てのリールL,M,Rが停止したタイミングであるので、ボーナス役や小役等の入賞判定およびその判定に基づく処理を行う入賞判定処理を実行してから(S67)、この変動停止処理(S4)を終了する。
図10は、変動停止処理(S4)の中で実行される入賞判定処理(S67)のフローチャートである。入賞判定処理(S67)では、まず、ボーナス役(「BB」又は「RB」)の入賞か確認する(S71)。ボーナス役の入賞であれば(S71:Yes)、入賞したボーナス役に対応したデータを状態フラグ23aに書き込み(S72)、そのボーナス役に対応したボーナス蓄越解除フラグ(BB蓄越解除フラグ23d又はRB蓄越解除フラグ23eのいずれか)をオフする(S73)。また、挑戦期間の残りゲーム数を示す挑戦カウンタ23qの値に「20」を書き込み(S74)、誘引期間の残りゲーム数を示すチャンス残数カウンタ23pの値を「0」クリアし(S75)、賽銭箱入賞フラグ23k、鈴入賞フラグ23m、及び、水瓶入賞フラグ23oをオフする(S76)。
S74の処理によってボーナス役に入賞する毎に挑戦カウンタ23qの値が「20」に更新されるので、ボーナス役の入賞毎に挑戦期間が改めて開始される。なお、必ずしも挑戦期間をボーナス役の入賞毎に改めて開始する必要はない。挑戦期間中のボーナス役の入賞においては挑戦期間を延長するものであっても良く、例えば、S76の処理を省略しても良い。ボーナス役入賞前における挑戦期間で入賞があった役の入賞フラグ23k,23m,23oの状態を維持することができ、実質的に挑戦期間を延長することができる。
S76の処理後、入賞役に対応した枚数のメダルを払い出すメダル払出処理を行ってから(S77)、賽銭箱成立フラグ23f、鈴成立フラグ23g、水瓶成立フラグ23h、及び、チェリー成立フラグ23iの各フラグをオフして(S78)、この入賞判定処理(S67)を終了する。一方、S71の処理において、ボーナス役の入賞でないことが確認された場合には(S71:No)、挑戦期間中の入賞有無に基づいて誘引期間の設定を行う特別遊技設定処理(S80)を実行してから、処理をS77へ移行する。
図11は、特別遊技設定処理(S80)のフローチャートである。この特別遊技設定処理(S80)は、挑戦カウンタ23qの値が「1」以上である挑戦期間中に特定の役に入賞した場合にその入賞役に対応した誘引期間を実行するために挑戦期間中の入賞役に対応した入賞フラグ23k,23m,23oをオンする処理である。また、特別遊技設定処理(S80)は、挑戦期間の残りゲーム数を示す挑戦カウンタ23q及び誘引期間の残りゲーム数を示すチャンス残数カウンタ23pの値の更新を行う処理である。
特別遊技設定処理(S80)では、まず、チャンス残数カウンタ23pの値が「1」以上であるか確認する(S81)。その値が「1」以上であれば(S81:Yes)、チャンス残数カウンタ23pの値を「1」減算し(S82)、再度、S83のチャンス残数カウンタ23pの値が「1」以上であるか確認する(S83)。S83の処理においてチャンス残数カウンタ23pの値が「1」以上でなければ(S83:No)、今回のゲームで誘引期間の終了となるので、次回以降のゲームが誘引期間中のものとならないように、各入賞フラグ23k,23m,23oをオフして(S84)、処理をS91へ移行する。
S81の処理においてチャンス残数カウンタ23pの値が「1」以上でなく誘引期間中でない場合(S81:No)、及び、S83の処理においてチャンス残数カウンタ23pの値が「1」以上で誘引期間を継続させる場合には、その後の処理をスキップして処理をS91へ移行する。
S91以降の処理では、まず、挑戦カウンタ23qの値が「1」以上であるか確認する(S91)。その値が「1」以上であれば(S91:Yes)、挑戦期間中のゲームの終了時であるので挑戦カウンタ23qの値を「1」減算してから(S92)、入賞役を確認する(S93)。
確認の結果、入賞役が「賽銭箱」である場合には(S93:「賽銭箱」)、挑戦期間中の「賽銭箱」の入賞を記憶するために賽銭箱入賞フラグ23kをオンして(S94)、処理をS97へ移行する。入賞役が「鈴」であれば(S93:「鈴」)、挑戦期間中の「鈴」の入賞を記憶するために鈴入賞フラグ23mをオンして(S95)、処理をS97へ移行する。入賞役が「水瓶」であれば(S93:「水瓶」)、挑戦期間中の「水瓶」の入賞を記憶するために水瓶入賞フラグ23oをオンして(S96)、処理をS97へ移行する。入賞役が「賽銭箱」、「鈴」、「水瓶」のいずれでもなければ(S93:「その他」)、いずれの入賞フラグ23k,23m,23oもオンしないで処理をS97へ移行する。
S97の処理では、挑戦カウンタ23qの値が「1」以上であるか確認し(S97)、「1」以上でなければ(S97:No)今回のゲームが挑戦期間の最後のゲームである。この場合には、チャンス残数カウンタ23pに「100」を書き込み(S98)、特別遊技設定処理(S80)を終了する。S98の処理により、挑戦期間が終わった後のゲームを誘引期間中のゲームとすることができる。
S97の処理において、挑戦カウンタ23qの値が「1」以上であれば(S97:Yes)、次回のゲームにおいても挑戦期間が継続されるので、S98の処理をスキップして、この特別遊技設定処理(S80)を終了する。また、S91の処理で挑戦カウンタ23qの値が「1」以上でなければ(S91:No)、挑戦期間中のゲームの終了時ではないので、各入賞フラグ23k,23m,23oをオンする等のS92以降の処理をスキップして、この特別遊技設定処理(S80)を終了する。
このように、挑戦期間中のゲーム(可変表示)において各入賞フラグ23k,23m,23oに対応した特定役(「賽銭箱」、「鈴」、「水瓶」)の入賞を条件に、その入賞のあった特定役に対応する入賞フラグをオンし、挑戦期間が終わった後の誘引期間中には、入賞フラグがオンとなった成立役に対して入賞条件としての所定確率で成立する抽選を行わなくすることにより、挑戦期間中に入賞のあった特定役が有効ライン6a〜6e(図1参照)上に並んで停止し易い(入賞し易い)特別遊技を発生させる。このため、3種類の特定役による特別遊技が、挑戦期間中における各特定役の入賞を契機としたフラグの切り替えとその後の入賞条件の変更という同様の制御によって発生させることができ、複数種類の特別遊技を設定しても簡易に制御プログラム等の開発をすることができる。
また、特別遊技は、入賞条件として各特定役毎に設けたカウンタ23j,23l,23nによる入賞抽選の処理(図9のS55,S56,S60,S61,S65,S66の各処理)を行わなくする(スキップする)ことにより、発生する。このため、特別遊技を発生させるための処理を改めて設ける必要がなく、一部の処理を省略するという簡易な制御によって特別遊技を発生させることができ、複数種類の特別遊技を設定しても制御が複雑にならない。つまり、本実施例のスロットマシン1においては、制御を簡易にしつつ複数種類の特別遊技を設定することができるので、特別遊技の種類を増やしても、種々の制御を設けることによる制御の複雑化に伴う不安定な制御状態の発生を抑制できると共に、開発期間の短縮や開発コストの低減を実現することができる。
また、挑戦期間中のゲームにおいて各入賞フラグ23k,23m,23oに対応した特定役の入賞があった場合には、挑戦期間が終わった後の誘引期間中における成立役の入賞条件として所定確率で成立する抽選が行われなくなり、挑戦期間中に入賞のあった特定役が有効ライン6a〜6e(図1参照)上に並んで停止し易い(入賞し易い)特別遊技が発生する。よって、特別遊技の発生を期待する遊技者には、挑戦期間中に有効ライン6a〜6e上に停止して入賞となった停止図柄(停止図柄の組み合わせ)によって誘引期間中の特別遊技で停止し易くなる特定役を前もって示唆することができる。従って、挑戦期間中の遊技に関連した特別遊技が発生することとなり、特別遊技の実行過程における遊技の興趣を向上することができる。
更に、従来の遊技機においては、1種類の役(例えば、リプレイ役)の成立が頻発する特別遊技の発生時には、毎回同一役の成立を見続けるだけの単純で面白みのないものであった。これに対し、スロットマシン1においては、誘引期間中に入賞し易い特定役として、「賽銭箱」、「鈴」、及び、「水瓶」の3種類が設定されている。このため、挑戦期間中に入賞があった特定役に対応して3種の特定役が停止し易い特別遊技が発生し得るので、特別遊技において停止し易い第1識別情報の種別としての入賞役に変化を持たせることができ、飽き難い遊技性を提供することができる。なお、特定役は、複数種類設定する必要があるが、必ずしも3種類に限定されるものでなく、2種或いは4種以上としても良い。
しかも、誘引期間中に入賞し易い特定役は、リプレイ役である「水瓶」と、その「水瓶」より高利な遊技価値として9枚のメダル払出が行われる「鈴」と、更に高利な遊技価値として15枚のメダル払出が行われる「賽銭箱」との3種類が設定されており、その3種類に設定された各特定役の入賞が挑戦期間中にあった場合に、その入賞のあった特定役が入賞し易い誘引期間中の遊技(特別遊技)が発生する。よって、遊技者には、挑戦期間中に遊技者にとって獲得利益の大きい「賽銭箱」の入賞を高く意識して遊技を行わせることができ、挑戦期間から特定役の誘引期間へ遷移するまでの実行過程における遊技の興趣を向上することができる。
また、従来の遊技機においては特定役として1種類の遊技価値を付与するものが設定され、特別遊技の実行回数の増減によって遊技者に付与される利益に高低を設けているので、大きな利益を遊技者に付与しようとするほど特別遊技の期間が長くなり、特別遊技が速やかな遊技進行の妨げとなる。これに対し、スロットマシン1においては、遊技価値の異なる3種類の特定役の入賞が挑戦期間中にあった場合にその入賞のあった特定役が入賞し易い特別遊技が発生するので、1の特別遊技によって遊技者に付与される遊技価値に高低が設けられる。よって、特別遊技の長さを一定期間に維持しつつ遊技者に付与する利益に高低を設けることができ、速やかな遊技の進行と変化に富んだ遊技性とを兼備することができる。
更に、挑戦期間中の入賞役そのものが誘引期間中に入賞し易くなるので、特別遊技の種類が増加しても、遊技者には、誘引期間中に入賞し易くなる特定役の種類を判り易く示すことができる。なお、挑戦期間中の入賞役と、誘引期間中に入賞し易くする役とを必ずしも一致させる必要はない。例えば、挑戦期間中に「賽銭箱」の入賞があった場合には、誘引期間中の「水瓶」の入賞をし易くする一方、挑戦期間中に「水瓶」の入賞があった場合に誘引期間中の「賽銭箱」の入賞をし易くしても良い。
しかも、挑戦期間中に有効ライン6a〜6e上に複数種類の特定役の入賞を示す停止図柄が停止した場合、その挑戦期間中に停止した全ての特定役を対象として、その入賞のあった特定役が誘引期間中に成立したときに入賞となる。例えば、挑戦期間中に「賽銭箱」と「鈴」との入賞があった場合には、特別遊技設定処理(S80)によって賽銭箱入賞フラグ23kと、鈴入賞フラグ23mとが共にオンされ、誘引期間中に「賽銭箱」又は「鈴」の成立があった場合に必ず入賞となる。よって、遊技者には、挑戦期間中に異なる特定役の入賞がある毎に、入賞し易い特定役の種類が増加して大きな利益を獲得する遊技性を提供することができる。挑戦期間終了後の誘引期間において複数種類に設定された特定役の停止を期待する遊技の興趣を提供することができる。
なお、請求項1記載の遊技機及び後述する遊技機1における第1識別情報と第2識別情報とは、共に、上記実施例における「賽銭箱」、「鈴」、及び、「水瓶」の入賞を示す3種類の停止図柄(図柄の組み合わせ、図3参照)が該当し、各第1識別情報毎に設定された入賞条件としては図3に示す「賽銭箱」、「鈴」、及び、「水瓶」の各役に対応した通常時に対する入賞条件が該当する。
また、請求項1記載の遊技機及び遊技機1における検出手段としては、スタートスイッチ8a並びにスタートスイッチ8aのオン信号の検知及びマックスベットを確認する各処理(図7のS11及びS12の処理)が該当する。また、抽選手段としては、上記実施例における乱数カウンタ23bとその乱数カウンタ23bの値に基づいて成立役を選定する変動開始処理における各処理(図7のS13からS20の処理)が該当する。また、可変表示制御手段としては、上記実施例における主制御基板CのROM22に設けられる各成立テーブル22a〜22cに基づいて各リールL,M,Rを停止させる変動停止処理(図9のS4の処理)を行う主制御基板Cが該当する。また、遊技価値付与手段としては、状態フラグ23aの状態に基づいて実行されるボーナスゲーム実行処理(図6のS7の処理)、メダル払出処理(図10のS77の処理)、及び、入賞役に応じてメダルの払出動作を行うホッパ駆動モータ29が該当する。
また、請求項1記載の遊技機及び遊技機1における入賞決定手段としては上記実施例における主制御基板Cで実行される変動停止処理(図9に示すS4の処理)が該当し、入賞判断手段としては特別遊技設定処理の中で実行される処理(図11のS93の処理)が該当する。また、請求項1記載の遊技機及び遊技機1における停止情報記憶手段としては上記実施例における賽銭箱入賞フラグ23k、鈴入賞フラグ23m、及び、水瓶入賞フラグ23oが該当し、停止情報更新手段としては各入賞フラグ23k,23m,23oをオフからオンに切り替える各処理(図11のS94からS96の処理)が該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例においては、挑戦期間中に有効ライン6a〜6e上に複数種類の特定役の入賞を示す停止図柄が停止した場合、その挑戦期間中に停止した全ての特定役を対象として、その入賞のあった特定役が誘引期間中に成立した場合に入賞にする特別遊技を発生させたが必ずしも挑戦期間中の全ての特定役を対象として特別遊技を発生させる必要はない。挑戦期間中に成立した役のうち、最後に成立した特定役のみを対象として特別遊技を発生させても良い。例えば、「賽銭箱」の入賞があってもその後に「水瓶」の入賞があると誘引期間中に入賞し易くなる特定役が低利になるので、挑戦期間中の最後のゲームまで特定役の入賞に対する緊張感を持続させることができ、遊技の興趣を一層高めることができる。この場合、各入賞フラグ23k,23m,23oをオンする処理(図11のS94,S95,S96の処理)の後に、それぞれ入賞のあった特定役(例えば、賽銭箱入賞フラグ23k)以外の特定役に対応した入賞フラグ(鈴入賞フラグ23m及び水瓶入賞フラグ23o)をオフするように処理を構成すれば良い。
また、挑戦期間中に有効ライン6a〜6e上に複数種類の特定役の入賞を示す停止図柄が停止した場合、遊技者が獲得し得る遊技価値に応じて予め順序づけられた高利な遊技価値を付与する特定役を誘引期間中に入賞し易くしても良い。即ち、上記実施例においては、各特定役は、ほとんど同一の確率(約1/3)で成立するので、15枚のメダルが払い出される「賽銭箱」が最も高利な遊技価値を付与する特定役となる一方、「水瓶」が最も低い遊技価値を付与するものとなる。このため、「賽銭箱」、「鈴」、「水瓶」の順に順序を定めて最も高利な遊技価値を付与する特定役のみを誘引期間中に入賞し易くしても良い。挑戦期間中に複数種類の特定役の入賞があった中で最も高利な遊技価値を獲得し得る特定役を選定することにより、遊技者には、一旦入賞があった特定役が低利な特定役に切り替えられる不安感を抱かせることがなく、安心して挑戦期間中の遊技を行わせることができる。
なお、特定役に順序を定めて最も高利な遊技価値を付与する特定役のみを誘引期間中に入賞し易くする場合には、図11の特別遊技設定処理(S80)において、S94の処理では、賽銭箱入賞フラグ23kをオンすると共に鈴入賞フラグ23m及び水瓶入賞フラグ23oをオフする。また、S95の処理では賽銭箱入賞フラグ23kがオンであればいずれの入賞フラグ23k,23m,23oの状態も変更せず、賽銭箱入賞フラグ23kがオフの場合に限って鈴入賞フラグ23mをオンすると共に水瓶入賞フラグ23oをオフする。更に、S96の処理では賽銭箱入賞フラグ23kと鈴入賞フラグ23mとを確認し、いずれかの入賞フラグ23k,23mがオンであればいずれの入賞フラグ23k,23m,23oの状態も変更せず、両入賞フラグ23k,23mがオフである場合に限って水瓶入賞フラグ23oをオンしても良い。
更に、上記実施例においては、挑戦期間中に成立した特定役の入賞条件を切り替えて誘引期間中に特定役が入賞し易い特別遊技を発生させたが、内部抽選でリールの押し順や、リールに配列された多数の図柄を停止させるタイミング(いわゆる目押し)を入賞条件とするようにスロットマシンを構成し、挑戦期間中に成立した特定役に対しては入賞条件としての押し順等をLCD16に表示したり、音声で出力するなどして、入賞条件を変化させることなく特定役が入賞し易い特別遊技を発生させても良い。
本発明を上記実施例とは異なるタイプの遊技機(パチンコ機)等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を可変表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。遊技者によって操作可能な停止操作手段と、複数の識別情報を可変表示すると共に前記停止操作手段の操作に起因して前記識別情報の可変表示を停止する可変表示手段と、所定の始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段によって前記始動条件の成立が検出された場合に抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記可変表示手段による可変表示の停止態様を制御する可変表示制御手段と、その可変表示制御手段によって前記可変表示手段の所定領域に特定識別情報を停止させた場合に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、前記特定識別情報を構成する少なくとも2種以上の第1識別情報に対し、前記抽選手段による抽選結果を含めて各第1識別情報毎に設定された入賞条件の成立に基づいて前記所定領域に当該第1識別情報を停止させる入賞決定手段と、その入賞決定手段によって前記所定領域に停止させられる前記第1識別情報の種別毎に予め定めた第2識別情報が所定期間中に前記所定領域に停止したか否かを判断する入賞判断手段と、前記所定期間中に前記所定領域に前記第2識別情報が停止したか否かを示す停止情報を記憶する停止情報記憶手段と、前記入賞判断手段による判断結果に基づいて前記停止情報記憶手段に記憶される停止情報を更新する停止情報更新手段とを備え、前記所定期間中に前記所定領域に停止した第2識別情報に対応した種別の前記第1識別情報が前記所定領域に停止し易い特別遊技を、前記停止情報更新手段によって更新される停止情報に基づいて発生させるものであることを特徴とする遊技機1。
遊技機1において、前記入賞決定手段は、前記停止情報記憶手段に記憶された停止情報が前記所定期間中に前記所定領域に前記第2識別情報が停止したことを示す成立情報であるか否かを判断する停止情報判断手段を備え、その停止情報判断手段によって前記停止情報が前記成立情報でないと判断された場合に第1の入賞条件の成立に基づいて前記所定領域に前記第1識別情報を停止させると共に、前記停止情報判断手段によって前記停止情報が前記成立情報であると判断された場合に前記第1の入賞条件より前記所定領域に前記第1識別情報を停止させる比率を高めた第2の入賞条件の成立に基づいて前記所定領域に前記第1識別情報を停止させるものであることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、停止情報判断手段によって停止情報が成立情報でないと判断された場合には、第1の入賞条件が成立すると所定領域に第1識別情報が停止する通常の遊技となる。一方、停止情報判断手段によって停止情報が成立情報であると判断された場合には、第1の入賞条件より所定領域に第1識別情報を停止させる比率を高めた第2の入賞条件が成立した場合に所定領域に第1識別情報が停止し、第1識別情報が所定領域に停止し易い特別遊技となる。このため、所定期間中に所定領域に第2識別情報が停止することを条件として、その後に、第1識別情報が所定領域に停止し易い特別遊技を発生させることができる。よって、遊技者にとっては、所定期間中の遊技に関連した特別遊技の実行によって特別遊技の実行過程における遊技の興趣を高めることができる。
なお、遊技機2における停止情報判断手段としては、例えば、上記実施例における賽銭箱入賞フラグ23k、鈴入賞フラグ23m、及び、水瓶入賞フラグ23oがオンであるか否かを判断する各処理(図9のS54,S59,S64の処理)が例示され、第1及び第2の入賞条件としては、例えば、賽銭箱役の成立と1/27の確率で成立する賽銭箱カウンタ23jによる抽選に当選する第1の入賞条件と、賽銭箱役の成立という第2の入賞条件とが例示される。また、遊技機2において、特別遊技は、第2識別情報が所定期間中に所定領域に停止した直後に開始される遊技を対象としても良く、所定期間終了後に一定期間が経過した後の遊技を対象としても良い。
また、遊技機2においては、複数種類の第1識別情報の入賞条件を切り替えて第1識別情報が所定領域に停止し易い特別遊技を発生させたが、遊技機1において特別遊技を発生させる方式は、これに限定されるものでない。入賞条件として停止操作手段の操作態様(例えば、複数のスイッチで構成される停止操作手段におけるスイッチの押し順や、スイッチの操作タイミング等)が予め抽選で定められる遊技機において、入賞条件として予め定められた停止操作手段の操作態様を示す情報(例えば、水平に並んだ複数のスイッチの押し順が入賞条件として定められる遊技機においては「右側から押せ」又は「左側から押せ」等の情報)を表出する(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)に表示する等)手段を設けても良い。遊技者に入賞条件の一部を前もって示すことにより、入賞条件を一定に維持しつつ、入賞条件の一部が示されない遊技に比べて第1識別情報が所定領域に停止し易い特別遊技を発生させることができる。
遊技機1または2において、前記第2識別情報は、前記第1識別情報と同一種別の識別情報に対応づけて設定されていることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、第2識別情報が、第1識別情報と同一種別の識別情報に対応して設定されているので、所定期間中に所定領域に第2識別情報(例えば、「賽銭箱」入賞時の停止図柄)が停止して遊技価値が付与された場合には、その遊技価値が付与された識別情報が第1識別情報として特別遊技によって停止し易くなる。よって、異なる識別情報に対応づけて第1識別情報と第2識別情報とが設定される場合に比較して、第2識別情報が所定期間中に所定領域に停止した後に、特別遊技によって所定領域に停止し易くなる第1識別情報の種別を遊技者に判り易く示すことができる。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記第1識別情報には、低利識別情報と、その低利識別情報より前記可変表示手段の所定領域に停止した場合に高利な遊技価値が付与される高利識別情報とが少なくとも設定されると共に、前記第2識別情報には、前記低利識別情報に対応した低利対応識別情報と、その低利対応識別情報とは異なる種別の識別情報であって前記高利識別情報に対応した高利対応識別情報とが少なくとも設定されていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、第1識別情報として低利識別情報と高利識別情報とが少なくとも設定されており、低利対応識別情報と高利対応識別情報とのうち所定期間中に所定領域に停止した識別情報に対応した種別の第1識別情報が特別遊技によって所定領域に停止し易くなる。このため、遊技者には、所定期間中に所定領域に停止した第2識別情報の種別によって獲得し得る利益の大きさを示唆することができる。よって、より有利な高利対応識別情報の停止を期待して所定期間中の遊技を行わせることにより、所定期間中の遊技に対する緊張感を高めて遊技の興趣を向上することができる。
なお、低利識別情報と高利識別情報とは、1回の遊技において可変表示手段の所定領域に停止したときに付与される遊技価値に高低の差があるものであっても、複数回の遊技で構成される一定期間中に獲得し得る遊技価値に高低の差があるものであっても良い。特に、1回の遊技において付与される遊技価値に高低の差がある場合には、複数回の遊技にわたって特別遊技が継続して行われた場合に獲得し得る遊技価値の差が大きなものとなる。よって、1回毎の特別遊技に対して遊技者が抱く期待感に抑揚を持たせることができ、遊技の興趣を一層向上することができる。
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記停止情報記憶手段は、前記所定期間中に前記所定領域に前記第2識別情報が停止したか否かを示すと共に、その停止した第2識別情報の種別を示す停止情報を記憶するものであり、前記入賞決定手段は、その停止情報記憶手段に記憶された停止情報に基づいて前記所定期間中に前記所定領域に停止した第2識別情報に対応した種別の前記第1識別情報が前記所定領域に停止し易い特別遊技を発生させるものであることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、所定期間中に可変表示が第2識別情報で停止した場合、その停止があった第2識別情報の種別が停止情報記憶手段に記憶されるので、入賞決定手段は、その停止情報記憶手段に記憶された停止情報に基づいて所定期間中に所定領域に停止した第2識別情報に対応した種別の第1識別情報が所定領域に停止し易い特別遊技を発生させることができる。即ち、停止した第2識別情報の種別を停止情報として停止情報記憶手段に記憶することにより、その記憶された停止情報に対応した種別の第1識別情報を可変表示制御手段の制御において的確に判別することができ、所定期間中の遊技内容に対応した特別遊技による興趣を遊技者に提供することができる。
なお、所定期間は、所定条件の成立後に開始される一定期間であり、予め設定された複数回の可変表示で構成される一定期間や、可変表示手段による可変表示が予め定めた識別情報で所定回数停止するまでの一定期間、或いは、少なくとも1種類の第2識別情報が停止するまでの一定期間等が例示される。所定期間の開始時期としては、所定の遊技価値を付与するための特定のボーナスゲームが終了したときや、所定のタイミングで更新されるカウンタの値を可変表示の始動条件の成立に基づいて取得した場合にその取得した値が予め定めた所定値であるとき等が例示される。
遊技機1から5のいずれかにおいて、前記停止情報更新手段は、前記所定期間中に前記所定領域に複数種類の第2識別情報が停止した場合、当該複数種類の第2識別情報の停止を示す情報に前記停止情報を更新するものであり、その停止情報に基づいて前記所定期間中に前記所定領域に停止した全ての第2識別情報に対応した第1識別情報が前記所定領域に停止し易い特別遊技を発生させるものであることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、所定期間中に所定領域に複数種類の第2識別情報が停止した場合、その所定期間中に停止した全ての第2識別情報に対応した第1識別情報が所定領域に停止し易い特別遊技が発生する。よって、遊技者には、所定期間中に所定領域に異なる第2識別情報が停止する毎に第1識別情報の種類が増加する遊技性を提供することができ、所定期間経過後の特別遊技において複数種類に設定された第1識別情報の停止を期待する遊技の興趣を提供することができる。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記停止情報更新手段は、前記所定期間中に前記所定領域に複数種類の第2識別情報が停止した場合、その複数種類の第2識別情報のうち最後に停止した第2識別情報の種別を示す情報に前記停止情報を更新するものであり、その停止情報に基づいて前記複数種類の識別情報のうち最後に停止した第2識別情報に対応した前記第1識別情報が前記所定領域に停止し易い特別遊技を発生させるものであることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、所定期間中に所定領域に複数種類の第2識別情報が停止した場合、その複数種類の第2識別情報のうち最後に停止した第2識別情報の種別を示す情報に停止情報が更新されるので、その停止情報に基づいて最後に停止した第2識別情報に対応した第1識別情報が所定領域に停止し易い特別遊技を発生させることができる。よって、遊技者には、所定期間の最後まで可変表示手段の所定領域に停止する第2識別情報の種別に対して期待感と緊張感とを持たせて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、複数種類の第2識別情報のうち最後に停止した第2識別情報の種別を示す情報とは、その最後に停止した第2識別情報を制御上判定することができる情報を意味している。例えば、第2識別情報の種類毎に設定されたフラグで構成される情報であって停止情報更新手段によって最後に停止した1の第2識別情報に対応してオンされるフラグと他の第2識別情報に対応してオフされるフラグとで示される情報や、第2識別情報の種類毎に割り当てられた異なる情報であって停止情報更新手段によって最後に停止した第2識別情報に対応して更新される情報(例えば、所定期間中の第2識別情報の停止がない場合には「0」、「賽銭箱」が停止した場合には「1」、「鈴」の場合には「2」等として予め割り当てられた情報)等が例示される。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記停止情報更新手段は、前記所定期間中に前記所定領域に複数種類の第2識別情報が停止した場合、その複数種類の第2識別情報のうち少なくとも1種類の第2識別情報に対応すると共に遊技価値に応じて予め順序づけられた高利な遊技価値を付与する前記第1識別情報に対応する第2識別情報の種別を示す情報に前記停止情報を更新するものであり、その停止情報に基づいて前記複数種類の第2識別情報のうち少なくとも1種類の第2識別情報に対応すると共に前記高利な遊技価値を付与する前記第1識別情報が前記所定領域に停止し易い特別遊技を発生させるものであることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、所定期間中に所定領域に複数種類の第2識別情報が停止した場合、その複数種類の第2識別情報のうち少なくとも1種類の第2識別情報に対応すると共に遊技価値に応じて予め順序づけられた高利な遊技価値を付与する第1識別情報に対応する第2識別情報の種別を示す情報に停止情報が更新される。このため、停止情報に基づいて予め順序づけられた高利な遊技価値を付与する第1識別情報が所定領域に停止し易い特別遊技を発生させることができる。よって、所定期間中の遊技において、一旦獲得の決まった遊技価値が低利なものに代えられる不満感を抑制しつつ、高利な遊技価値を獲得する期待感を遊技者に継続して抱かせることができ、所定期間中の遊技の興趣を一層高めることができる。
なお、遊技機1から8において、特別遊技を開始させる時期としては、所定期間中の最後の遊技が終了した遊技の次に開始される遊技開始時や、所定のタイミングで更新されるカウンタの値を可変表示の始動条件の成立に基づいて取得した場合にその取得した値が予め定めた所定値である遊技の開始時等が例示される。また、特別遊技は、予め設定された複数回の可変表示で構成される一定期間中の遊技や、可変表示手段による可変表示が予め定めた識別情報で所定回数停止するまでの一定期間中の遊技等が例示される。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機9。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、可変表示手段において可変表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機10。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を可変表示した後に可変表示を停止する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の可変表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の可変表示が停止され、その停止時の確定識別情報が予め定めた特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機11。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を可変表示した後に可変表示を停止する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の可変表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の可変表示が停止され、その停止時の確定識別情報が予め定めた特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の可変表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。