JP2005040525A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 遊技に不慣れな遊技者であっても興趣演出の実行を判りやすく認識することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】 スロットマシンの主制御基板は、遊技者による始動操作の時期をスタートスイッチのオン信号で検知して(S12:Yes)成立役(S13)と始動演出の抽選(S16及びS20)を行い、その抽選結果に基づいて、直ぐに図柄の変動を開始させるか、次回にスタートレバーが操作されてから図柄の変動を開始させる始動演出を伴わせるかを切り替える。始動演出を伴うゲームとした場合、始動演出処理(S30)の中で2回目以降の始動操作時期によってはボーナス役を成立させる。スタートレバーに対する複数回の入力操作が成立役に対応し、遊技者は自らの動作を伴う演出によって興趣演出の実行を判りやすく認識すると共に、複数回の入力操作が抽選結果に拘わるので遊技に対する参加意識を高めることができる。
【選択図】 図7
【解決手段】 スロットマシンの主制御基板は、遊技者による始動操作の時期をスタートスイッチのオン信号で検知して(S12:Yes)成立役(S13)と始動演出の抽選(S16及びS20)を行い、その抽選結果に基づいて、直ぐに図柄の変動を開始させるか、次回にスタートレバーが操作されてから図柄の変動を開始させる始動演出を伴わせるかを切り替える。始動演出を伴うゲームとした場合、始動演出処理(S30)の中で2回目以降の始動操作時期によってはボーナス役を成立させる。スタートレバーに対する複数回の入力操作が成立役に対応し、遊技者は自らの動作を伴う演出によって興趣演出の実行を判りやすく認識すると共に、複数回の入力操作が抽選結果に拘わるので遊技に対する参加意識を高めることができる。
【選択図】 図7
Description
本発明は、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、複数の図柄(識別情報の一種)が所定間隔おきにリールに付されて構成された図柄列を下方に変動させた後に停止図柄を表示する表示装置を備えたスロットマシン等が知られている。この種の遊技機では、表示装置の有効ライン上に特定の大当たり図柄が停止すると、いわゆるビックボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームといった遊技者にとって有利なゲームが連続して発生し、遊技者には遊技をする上で使用するメダルが遊技価値の付与として多量に払い出される。
かかる遊技機において、ボーナスゲームの発生に代表される遊技状態の遷移は、抽選条件が成立する毎に行われる抽選によって決定されるものである。一般には、その抽選は、必要数のメダルが投入された状態における変動開始の操作のたびに行われ、図柄の変動停止前に遷移する遊技状態が前もって定められる。このため、ボーナスゲーム等の特定の遊技状態への遷移を遊技者に期待させるための演出(以下、「興趣演出」と称す。)を大当たり図柄の停止前に実行し、遊技者に大当たりの発生を期待させる。
興趣演出としては、例えば、図柄の変動を開始させるスタートレバーの操作時に特別の効果音を出力したり、図柄の変動停止時におけるランプの点灯パターンを特別のものに変化させたりする演出などがある。この興趣演出により、長時間にわたっての遊技が飽きにくいものとなり、また期待感が高められた状態で発生する大当たりによって遊技の興趣が高められる。このため、遊技者は、遊技を行う遊技機を選択する上で興趣演出の内容を参酌することも多くある。遊技場にとっては導入する遊技機の興趣演出が遊技機の稼働率に大きく影響するので、メーカーは、興趣演出の内容に工夫を凝らして遊技機の開発を行っている。
特開2002−291973号公報
しかしながら、遊技場には多数の遊技機が並んで設置されるため、興趣演出としての効果音が出力されても、自らが遊技を行っている遊技機から出力されたのか、別の遊技機から出力されたのかは判別し難いものである。このため、遊技に不慣れな遊技者は、折角の興趣演出を聞き逃してしまうことがあった。また、ランプの点灯パターン等を通常とは異ならせて興趣演出とする場合には、通常の状態と、興趣演出が行われた特別の状態との違いを遊技者が予め認識している必要があり、実行中の演出が興趣演出であるか否かの判別には相当の経験が必要となる。つまり、遊技に不慣れな遊技者は、興趣演出の実行を認識できないことが生じてしまうという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技に不慣れな遊技者であっても興趣演出の実行を判りやすく認識することができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技者によって入力操作が行われる始動操作手段と、複数の識別情報を可変表示する可変表示手段と、前記始動操作手段に対する入力操作に起因して前記可変表示手段による識別情報の変動を開始させる変動開始手段と、前記始動操作手段に対する前記入力操作の実行を検出する検出手段と、その検出手段により前記入力操作の実行が検出された時期に対応した抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記可変表示手段の所定領域に停止させる識別情報を制御する停止制御手段と、その停止制御手段によって前記可変表示手段の所定領域に所定の識別情報を停止させた場合に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備え、前記変動開始手段は、前記始動操作手段に対して1回の入力操作が行われた場合に前記識別情報の変動を開始させる通常始動手段と、前記始動操作手段に対して前記入力操作が少なくとも2回以上繰り返して行われた場合に前記識別情報の変動を開始させる特別始動手段と、前記通常始動手段と前記特別始動手段とを切り替えて、前記識別情報の変動を開始させるための前記入力操作の回数を変化させる操作回数変化手段とを備え、前記抽選手段は、前記特別始動手段によって前記識別情報の変動を開始させる場合に複数回の前記入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出するものであり、前記停止制御手段は、前記複数回の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果に基づいて前記可変表示手段の所定領域に停止させる識別情報を制御するものである。
この請求項1記載の遊技機によれば、遊技者によって始動操作手段に対する入力操作が行われると、その入力操作の実行が検出手段によって検出され、その実行が検出された時期に対応した抽選が抽選手段によって行われる。また、始動操作手段に対する入力操作に起因して可変表示手段による識別情報の変動が開始される。可変表示手段の所定領域には、停止制御手段により抽選手段の抽選結果に基づいた識別情報が停止する。可変表示手段の所定領域に所定の識別情報が停止すると、遊技価値付与手段によって所定の遊技価値が遊技者に付与される。
ここで、操作回数変化手段によって通常始動手段が選択された場合、始動操作手段に対する1回の入力操作が行われることを条件に識別情報の変動が開始させられる。一方、操作回数変化手段によって特別始動手段が選択された場合、始動操作手段に対する入力操作が少なくとも2回以上繰り返して行われることを条件に識別情報の変動が開始させられる。このため、操作回数変化手段により選択される始動操作手段に対応して、変動を開始させるために始動操作手段に対して行う入力操作の回数が変化する。
また、特別操作手段によって識別情報の変動を開始させる場合には、抽選手段が複数回の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出する。このため、可変表示手段の所定領域に停止する識別情報(以下、「停止識別情報」と略す。)は、入力操作が1回であるか複数回であるかによって抽選条件が異なるものとなり、停止識別情報が、停止制御手段の制御によって複数回の入力操作の実行検出時期に対応する抽選結果に基づいたものとなる。この停止識別情報は、所定の遊技価値を付与する条件とされているので、変動開始に必要とする入力操作の回数は、所定の遊技価値の付与に対応したものとなる。
本発明の遊技機によれば、抽選手段は、特別操作手段によって識別情報の変動を開始させる場合には、複数回の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出するので、変動開始に必要とする入力操作の回数が抽選手段の抽選結果に対応したものとなる。抽選手段の抽選結果は所定の遊技価値の付与に対応するので、所定の遊技価値の付与と、変動開始に必要な入力操作の回数とが対応したものとなる。よって、入力操作の回数変化によって生じる動作の変化を所定の遊技価値の付与に対応した興趣演出とすることができ、遊技者は、自らの動作の変化を手掛かりにして興趣演出の実行を判りやすく認識することができるという効果がある。
また、始動操作手段に対して行う識別情報の変動開始に対する入力操作は、遊技をする上で繰り返して行うものであり、この入力操作の回数が所定の遊技価値の付与に対応する。よって、遊技をする上での動作の変化により通常の状態とは異なる特別の状態となっていることを遊技者に判りやすく示すことができ、遊技に不慣れな遊技者であっても興趣演出の実行を判りやすく認識することができるという効果がある。
また、抽選手段は、特別操作手段によって識別情報の変動を開始させる場合に複数回の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出する。このため、変動開始に対して行う1回目の入力操作だけでなく、2回目以降の入力操作も所定の遊技価値の付与に関連したものとなり、抽選方法を知る遊技者にとっては、2回目以降の入力操作時期も重要なものとして緊張感を抱かせることができる。よって、繰り返して行う入力操作を単なる消化作業的なものとせず、遊技価値に関連した入力操作として遊技者に緊張感を抱かせることができ、遊技に対しての参加意識を高めることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例であるスロットマシン1の斜視図である。図1を参照して、スロットマシン1の全体構成について説明する。
スロットマシン1は、前面を開放した箱状のマシン本体2を有している。マシン本体2の前面側には前面開閉扉としてのフロントパネル3が開閉自在に取り付けられている。このフロントパネル3が閉状態となっている場合に、フロントパネル3によってマシン本体2の前面開放側が閉鎖されるように構成されている。
フロントパネル3は、閉状態である場合には、図示しないロック機構によって開放不可能な状態にロックされている。このロック状態はフロントパネル3に設けられた解除操作部たるキーシリンダ(図示せず)に対する所定のキー操作によって解除される。
フロントパネル3には、縦長の3つの表示窓5L,5M,5Rが横並びに設けられている。表示窓5L,5M,5Rは、半透明の材質で形成されており、各表示窓5L〜5Rを通してマシン本体2の内部を視認可能に構成されている。
マシン本体2内には、可変表示手段を構成する左リールLと、中リールMと、右リールRとが収納されている。各リールL,M,Rはそれぞれ円筒状(円環状)に形成されており、各リールL,M,Rの中心軸線が当該リールL,M,Rの回転軸線となって回転可能に支持されている。各リールL,M,Rの回転軸線は、略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリールL,M,Rが各表示窓5L,5M,5Rと1対1で対応している。従って、各リールL,M,Rの表面の一部は、それぞれ対応する表示窓5L,5M,5Rを通して視認可能な状態とされている。
また、各リールL,M,Rが回転すると、各表示窓5L,5M,5Rには、リールL,M,Rの外周面に付した図柄が上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。これら各リールL,M,Rは、各リール毎に対応して1つずつ配設された3つのリール用ステッピングモータ28(図4参照)に連結されており、各リール用ステッピングモータ28の駆動により各リールL,M,Rが個別に独立して回転駆動及び停止が可能に構成される。
各リールL,M,Rの外周面には、それぞれ識別情報としての図柄が多数設けられている。これらの図柄のうち、表示窓5L,5M,5Rを介して視認可能な図柄数は、主として表示窓5L,5M,5Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られる。本実施例では、遊技者に視認可能な図柄数は、各リールL,M,R毎に3個ずつとされている。
ここで、図2及び図3を参照して、各リールL,M,Rに付される図柄について説明する。図2は、左リールLと、中リールMと、右リールRとを平面状に展開して図柄配列を示した展開図である。図2に示すように、各リールL,M,Rには21個の図柄が縦一列に設けられている。各リールL,M,Rに対応して「01」から「21」のコマ番号を付しているが、これらのコマ番号は説明の便宜上付したものであり、各リールL,M,Rに実際に付されているものではない。但し、以下の説明においては当該コマ番号を使用して説明する。図3は、遊技者に利益が付与される各役と、入賞図柄、獲得利益及び役成立率との対応を示した図である。
図2に示すように、各リールL,M,Rの図柄は、色相の異なる2種類の「7」図柄と、「BAR」図柄と、「賽銭箱」図柄と、「鈴」図柄と、「水瓶」図柄と、「チェリー」図柄との計7種類で構成されている。「7」図柄は、ボーナス役としてのビックボーナス(以下、適宜「BB」と略す)の入賞を示す図柄であり、白色のもの(例えば、左リールコマ番号第2番。以下、適宜「白7」と略す。)と、赤色のもの(例えば、左リールコマ番号第11番。以下、適宜「赤7」と略す。)とが設けられている。「BAR」図柄(例えば、左リールコマ番号第16番)は、ボーナス役としてのレギュラーボーナス(以下、適宜「RB」と略す。)の入賞を示す図柄である。「水瓶」図柄(例えば、左リールコマ番号第5番)は、無償の再遊技が可能なリプレイ役の入賞を示す図柄である。また、「賽銭箱」図柄(例えば、左リールコマ番号第4番)、「鈴」図柄(例えば、左リールコマ番号第1番)、及び、「チェリー」図柄(例えば、左リールコマ番号第3番)は、各図柄毎に遊技者に付与される利益の異なる小役の入賞を示す図柄である。
なお、図2に示すように、各リールL,M,Rにおいて、各図柄の数や配列は全く異なるように配設される。また、小役の入賞を示す図柄(小役図柄)と、リプレイ役の入賞を示す図柄(リプレイ図柄)とは、「チェリー」図柄を除き、各リールL,M,Rに全て4コマ以下の間隔で配設されている。後述する小役成立テーブル22b(図4参照)を使用して強制的に小役図柄又はリプレイ図柄を所定の位置に停止させる場合、最大でも4コマ分の移動をするだけで、当該図柄を制御上の所定の停止位置に停止させることができる。
ここで、スロットマシン1に設定される役について、図3を参照して説明する。役としては、ボーナス役、小役、リプレイ役、及び、ハズレ役の4種類に大別され、以下に順に説明する。ボーナス役とは、通常の遊技からいわゆるボーナスゲームと称する特別遊技(遊技者にとって有利な遊技)に移行させる役であり、ビッグボーナス(BB)とレギュラーボーナス(RB)との2種類が設定されている。なお、特別遊技とは、前回以前の遊技における役成立(入賞を含む)に基づいて当該遊技後に行われる遊技者にとって有利な遊技を意味している。
ビッグボーナス(BB)は、ボーナスゲームの1つであるビッグボーナスゲーム(以下、適宜BBゲームと略す。)に移行させる役である。「白7」又は「赤7」が後述する有効ライン6a〜6e(図1参照)上に同一色で3つ並んで停止した場合には、「BB」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われると共に遊技がBBゲームに移行する。遊技を行う遊技者は、「BB」の入賞によってメダル15枚とBBゲームによる利益とを獲得する。BBゲームは、30回以内の小役ゲームと、小役ゲーム中の所定役(本実施例においてはリプレイ役)の入賞を条件に3回を上限として移行するボーナスゲームとにより構成される。ボーナスゲームは、所定の小役(本実施例においては賽銭箱役)に高確率で入賞する遊技を所定条件の成立まで(本実施例においては8回入賞するまで)行うものである。
レギュラーボーナス(RB)は、ボーナスゲームの1つであるRBゲームに移行させる役である。「BAR」図柄が後述する有効ライン6a〜6e上に3つ並んで停止した場合には、「RB」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われると共に遊技がRBゲームに移行する。RBゲームは、BBゲーム中のボーナスゲームに相当するゲームを1回だけ行うものである。
小役とは、予め定めたメダルの払出を行う役である。スロットマシン1には、小役として、「賽銭箱」、「鈴」、及び、「チェリー」の3種類が設定されている。「賽銭箱」図柄が後述する有効ライン6a〜6e上に3つ並んで停止した場合には、「賽銭箱」の入賞となって15枚のメダルの払出が行われる。また、「鈴」図柄が有効ライン6a〜6e上に並んで停止した場合には、「鈴」の入賞となって9枚のメダルの払出が行われる。
左リールLの「チェリー」図柄が有効ライン6a〜6e上に停止した場合には、「チェリー」の入賞となって2枚のメダルの払出が行われる。ここで、「チェリー」の役については、中リールM及び右リールRの「チェリー」図柄はメダルの払出とは無関係である。「チェリー」に限っては、左リールLにおける有効ライン6a〜6eが2つ重なる位置、即ち、上段又は下段に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ライン数を乗じた分だけメダルの払出が行われる。このため、1回の遊技で「チェリー」の入賞として4枚のメダルの払出が行われることがある。
リプレイ役とは、無償で再遊技を行うことができる役である。「水瓶」図柄が有効ライン上に3つ並んで停止した場合には、「水瓶」の入賞となって当該遊技でのメダルの投入枚数(ベット枚数)を維持した遊技が次回の遊技で行われる。
ハズレ役とは、上記したボーナス役、小役、及び、リプレイ役とは異なり、遊技者に利益が全く供与されない役であり、スロットマシン1においては、ゲームの半数以上がハズレ役となるように制御が行われる。上記したボーナス役、小役、及び、リプレイ役の入賞を示す図柄の組み合わせのいずれも有効ライン上に停止していない場合にはハズレ役となり、メダルの払出は一切行われない。
なお、円筒状のリールL,M,Rを構成の一部として図柄を表示する表示装置は、識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、可変表示手段は、上記以外の構成であってもよい。例えば、ベルト式リール等の他の機械的なリール構成としてもよい。また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリクス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
図1に戻って説明する。フロントパネル3には、各表示窓5L,5M,5Rを結ぶように、横方向へ平行な3本の有効ライン6b〜6dと、斜め方向へたすき掛けとなる2本の有効ライン6a,6eとの計5本の有効ライン6a〜6eが付されている。また、各有効ライン6a〜6eに対応して、表示窓5L,5M,5Rの正面視左側には有効ライン表示ランプ7a〜7cが設けられている。
第1有効ライン表示ランプ7aは、中央の横ライン(中央ライン)6cが有効化されていることを点灯して示すものである。1の遊技(1回のゲーム)に対して1枚以上のメダル投入があった場合には中央ライン6cが有効化され、第1有効ライン表示ランプ7aが点灯する。
第2有効ライン表示ランプ7bは、上下の横ライン(上ライン6b及び下ライン6d)が有効化されていることを点灯して示すものである。1回のゲームに対して2枚以上のメダル投入があった場合には、中央ライン6cと共に上ライン6b及び下ライン6dが有効化され、第1有効ライン表示ランプ7aと第2有効ライン表示ランプ7bとが共に点灯する。
第3有効ライン表示ランプ7cは、一対の斜めライン(右上がりライン6a及び右下がりライン6e)が有効化されていることを点灯して示すものである。1回のゲームに対して最大数の3枚のメダル投入があった場合には、全ての有効ライン6a〜6eが有効化され、全ての有効ライン表示ランプ7a〜7cが点灯する。なお、有効ライン数は、必ずしも5本とする必要はなく、6本以上としてもよく、5本未満としてもよい。
表示窓5L,5M,5Rの正面視左下側には、各リールL,M,Rを一斉(同時である必要はない)に回転させて図柄の変動(変動表示)を開始させるために遊技者によって入力操作が行われるスタートレバー8が設けられている。スタートレバー8を揺動可能に支持するフロントパネル3の裏面側には、スタートスイッチ8a(図4参照)が連結されている。リールL,M,Rが停止している時に、スタートレバー8が傾倒されるとスタートスイッチ8aがオンに切り替わり、各リールL,M,Rの回転が開始される。
スタートレバー8の右側には、回転している各リールL,M,Rの変動を個別に停止させるために遊技者によって入力操作が行われる押しボタン式のストップスイッチ9L,9M,9Rが設けられている。各ストップスイッチ9L,9M,9Rは、停止対象となるリールL,M,Rに対応する表示窓5L,5M,5Rの直下にそれぞれ配置されている。
このストップスイッチ9L,9M,9Rは、白色半透明の合成樹脂により円筒状に形成されたボタンがスロットマシン1の前面側に突出して形成されると共に、そのボタンの裏側には、各ストップスイッチ9L,9M,9Rを赤色及び青色に光らせるスイッチランプ18L,18M,18Rが内蔵されている。スタートレバー8が遊技者により傾倒されて各リールL,M,Rの回転が開始されると、スイッチランプ18L,18M,18R(ストップスイッチ9L,9M,9R)が赤色に点灯してボタン全体を発光させ、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作をしても変動が停止しない期間中であることを遊技者に示す。各リールL,M,Rの回転後に一定時間(本実施例においては4.1秒)が経過するとストップスイッチ9L,9M,9Rが青色の点灯に切り替わり、停止操作により変動が停止する期間中であることを遊技者に示す。なお、ストップスイッチ9L,9M,9Rのいずれかに対するリール停止操作が行われると、その停止操作が行われたストップスイッチの裏側に内蔵されたスイッチランプが消灯する。
表示窓5L,5M,5Rの右下側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。フロントパネル3の裏面側には、このメダル投入口10に投入されたメダルの枚数を検出する投入メダル検出センサ10a(図4参照)が設けられている。
メダル投入口10の左側には、予め貯留して記憶された(クレジットされた)クレジットメダルを一度に3枚投入するための押しボタン式のベットスイッチ11が設けられている。スロットマシン1の制御を行う主制御基板Cは、クレジットメダルの貯留数をMPU21(図4参照)の予め定めた記憶領域に記憶し、メダルの払出が行われる場合やメダルが必要量より多く投入された場合に、一定枚数(本実施例では50枚)以下の範囲内でクレジットメダルの数を増加させる。ベットスイッチ11が押下されてオンとなると、貯留記憶されたクレジットメダル数の範囲内で仮想的にメダルが投入され、投入メダル数に対応した有効ライン6a〜6eが有効化される。
スタートレバー8の左側には、押しボタン式のクレジット払出スイッチ12が配設されている。このクレジット払出スイッチ12が遊技者により押下されると、メダル投入口10に必要量より多く投入されたメダルや所定の遊技結果に応じて遊技者に利益として払い出されたメダル等によるクレジットメダルが返還される。なお、表示窓5L,5M,5Rの左下には、上記したクレジットメダルの残数を表示するメダル枚数表示ランプ13が配設されており、クレジット払出スイッチ12が遊技者により押下されると、メダル枚数表示ランプ13に表示された枚数のメダルが遊技者へ払い出される。
フロントパネル3の下側には、メダルを遊技者に払い出すためのメダル排出口14と、そのメダル排出口14から払い出されたメダルを貯留する下皿15とが配設されている。
表示窓5L,5M,5Rの上側には、LCD16が配設されている。このLCD16は、遊技の進行に伴う各種の表示演出を実行すると共に、機械の内部で選定された情報を遊技者に示すためのものである。LCD16の左右両側には、スロットマシン1において行われる遊技の効果音を出力するスピーカ17が配設されている。また、LCD16の上側には、スロットマシン1の状態に応じて点灯状態が切り替えられるランプ18Uが配設されている。
次に、図4を参照して、スロットマシン1の電気的構成について説明する。図4は、スロットマシン1の電気的構成を示したブロック図である。スロットマシン1は主制御基板Cを備え、この主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU21と、そのMPU21とバスライン24を介して接続されると共に各種のI/O装置と接続された入出力ポート25とが搭載されている。MPU21には、MPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの回路とが内蔵されている。なお、図6から図10に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM22内に記憶されている。
ROM22は、内部抽選に従った図柄の組み合わせで各リールL,M,Rの回転が停止するように停止位置を決定する複数の停止位置決定テーブル、即ち、ボーナス成立テーブル22aと、小役成立テーブル22bと、最小移動ハズレテーブル22cとを備えている。ボーナス成立テーブル22aは、ボーナス役であるビックボーナス(BB)又はレギュラーボーナス(RB)のいずれかが成立した場合、即ち、ボーナス役に対する内部抽選に当選して入賞条件が成立した場合に使用され、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれかに成立役に対応したボーナス図柄(「白7」、「赤7」又は「BAR」)を並べて停止させるテーブルである。小役成立テーブル22bは、それぞれの小役およびリプレイ役に対応して複数種類が設けられ、小役又はリプレイ役の成立時に使用され、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれかに成立役の入賞を示す図柄を並べて停止させるテーブルである。各役の入賞条件は、本実施例においては後述する乱数カウンタ23bを使用したスロットマシン1の抽選に基づく役の成立となっている。なお、必ずしも各役の入賞条件を内部抽選による役成立のみとする必要はなく、他の条件を加えても良い。例えば、遊技者により操作されるストップスイッチ9L,9M,9Rの押し順を入賞条件に加えても良く、制御内容については一般的なものであるため説明を省略する。
ここで、図5を参照して、リールL,M,Rの回転停止位置を決定する停止位置決定テーブルについて説明する。図5は、小役成立テーブル22bの一部を構成する水瓶用小役成立テーブル22b1を模式的に示した図である。この水瓶用小役成立テーブル22b1は、内部抽選によって「水瓶」の役が成立した場合に使用される。水瓶用小役成立テーブル22b1には、遊技者によって各ストップスイッチ9L,9M,9Rが操作されたタイミングに対するリールL,M,Rの停止位置が予め定められている。
例えば、「水瓶」が成立した状態で図柄の変動が行われている場合に左リールLに対するストップスイッチ9Lが操作されると、そのタイミングが水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号第8番の図柄(「水瓶」図柄)が存在するときであれば、左リールLは直ちに停止し、水平方向中段の有効ライン6c上にはコマ番号第8番の図柄(「水瓶」図柄、図2参照)が停止する。その後にも引き続き水瓶用小役成立テーブル22b1を参照してリールの停止制御が行われる。
具体的には、水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号17番の図柄(「賽銭箱」図柄、図2参照)が存在するタイミングで遊技者の操作によってストップスイッチ9Lがオンされると、左リールLは3コマ分回転を継続してから(滑ってから)、水平方向中段の有効ライン6c上にコマ番号第13番の図柄(「水瓶」図柄)を引き込んで停止する。このストップスイッチ9L,9M,9Rの操作後にリールの回転を継続する量(滑り量)は少ない方が遊技に対する不信感を与えないので、スロットマシン1においては最大4コマに設定されている。
なお、水瓶用小役成立テーブル22b1以外にも、主制御基板CのROM22には、各成立役に対応した小役成立テーブル22b及びボーナス成立テーブル22aがそれぞれ設けられるが、一般的な制御であるのでその説明を省略する。
図4に戻って、最小移動ハズレテーブル22cについて説明する。最小移動ハズレテーブル22cは、ボーナス役、小役及びリプレイ役に対する入賞条件が成立しなかった場合に使用されるテーブルであり、各リールL,M,Rの回転停止時に有効ライン6a〜6eのいずれにも成立役の入賞を示す図柄を停止させずに図柄を停止させるテーブルである。この最小移動ハズレテーブル22cには、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作時における各リールL,M,Rの位置から停止可能位置を検索し、その停止可能位置の範囲内において各リールL,M,Rの移動量が最も少ない位置にいずれの役の入賞をも伴わないハズレの表示結果を停止させる位置が定められている。当選していない図柄が有効ライン6a〜6eに停止してしまうタイミングでストップスイッチ9L,9M,9Rが押下されても、この最小移動ハズレテーブル22cを参照していずれの有効ライン6a〜6e上にも役の入賞を示す図柄が停止しないように、1コマから4コマまで図柄を滑らせて停止させる。
主制御基板CのRAM23は、状態フラグ23aと、乱数カウンタ23bと、BB成立フラグ23cと、RB成立フラグ23dと、小役成立フラグ23eと、演出抽選カウンタ23fと、始動操作カウンタ23gとを備えている。
状態フラグ23aは、スロットマシン1における遊技の状態、即ち、通常ゲーム中、ボーナスゲーム中、或いは、エラー状態等その他の状態を示すためのフラグである。この状態フラグ23aは、電源入時に通常ゲームの状態を示すデータ(本実施例においては「0」)が設定される一方、後述するBB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dがオンされて、「白7」、「赤7」又は「BAR」のいずれかが有効ライン6a〜6e上に同一図柄で3つ並んで停止した場合、その後の遊技をボーナスゲームへ移行させるために、ボーナスゲーム中を示すデータ(BBは「1」、RBは「2」)が書き込まれる(図10、S72参照)。また、ボーナスゲームの終了時には、その後の遊技を通常ゲームへ移行させるために、状態フラグ23aには、通常ゲームの状態を示すデータが書き込まれる(図示せず)。
乱数カウンタ23bは、成立役を選定する内部抽選を行うためのカウンタである。この乱数カウンタ23bは、後述するカウンタ更新処理(図6、S5参照)によって、「0」〜「65535」の範囲内で順に加算して更新される。かかる乱数カウンタ23bの値は、遊技者によってスタートレバー8が操作されてスタートスイッチ8aのオンが検出された場合(始動操作時)に、後述する変動開始処理において参照され、このとき参照された値に対して予め割り当てられた役が成立役となる(図7、S13参照)。この乱数カウンタ23bの値に対して各成立役は、図3に示す割合で割り当てられており、例えば、1/293の割合である224個の乱数値が「BB」に割り当てられ、また、約1/390の割合である168個の乱数値が「RB」に割り当てられている(図3参照)。
なお、本実施例(第1実施例)では、内部抽選に当選して「BB」又は「RB」の成立があることを条件(十分条件)として「BB」又は「RB」の成立に対する入賞が発生するように構成されているが、必ずしも役成立を入賞発生の十分条件とする必要はない。後述する第2実施例のスロットマシンで説明するが、「BB」又は「RB」の成立があってもその成立を必要条件の成立として記憶(ストック)し続け、その後に別の条件が成立した場合(例えば、取得された乱数カウンタ23bの値が特定値であった場合)に、前もって役成立のあった「BB」又は「RB」が連続して発生するようにしても良い。
BB成立フラグ23c及びRB成立フラグ23dは、「BB」及び「RB」に応じたボーナス図柄を有効ライン6a〜6e上に揃え得るゲームであることを示すフラグであって、ボーナス成立テーブル22aを参照させるためのフラグである。始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が、「BB」又は「RB」を成立させるものであった場合に、成立したボーナス役に対応した成立フラグ23c,23dがオンされる(図7、S14及びS15参照)。一方、「白7」、「赤7」又は「BAR」のいずれかが有効ライン6a〜6e上に同一図柄で3つ並んで停止した場合、即ち、ボーナス役に入賞した場合、状態フラグ23aにボーナスゲーム中を示すデータが書き込まれると共に、入賞したボーナス役に対応した成立フラグ23c,23dがオフされる(図10、S73参照)。
小役成立フラグ23eは、始動操作時の内部抽選による成立役が小役又はリプレイ役であることを示すためのフラグであり、各役に対応して1つずつ設けられている。この小役成立フラグ23eは、始動操作時に参照された乱数カウンタ23bの値が小役又はリプレイ役の成立を示す値であった場合、即ち、「賽銭箱」、「鈴」、「水瓶」又は「チェリー」用に割り当てられた各値(図3参照)のいずれかであった場合に、その値に対応したフラグがオンされる(図7、S19参照)。一方、小役成立フラグ23fは、全てのリールL,M,Rの回転が停止したタイミングでオフされる(図10、S75参照)。
なお、「チェリー」については、その役成立があってもストップスイッチ9Lの操作タイミング(停止タイミング)如何によっては、「チェリー」図柄が有効ライン6a〜6e上に停止しない。左リールLには、「チェリー」図柄が2つだけ配列されており、適当な操作タイミングでなければメダルの払出が行われない構成となっている。
演出抽選カウンタ23fは、興趣演出の実行抽選に使用するカウンタであり、本実施例では「0〜255」まで順に1ずつ加算して更新され、最大値(つまり255)に達した後再び「0」に戻される。この演出抽選カウンタ23fの値は、遊技者によってスタートレバー8が操作されてスタートスイッチ8aのオンが検出された場合(変動開始時)に、後述する変動開始処理において参照され、そのとき参照された値に対応してスロットマシン1に設定された興趣演出を実行するか否かが決定される。なお、興趣演出とは、図柄の変動開始時又はその変動途中でLCD16の表示画面に機種毎に設定された文字やキャラクタ等の図柄を現出させたり、スタートレバー8の操作時にスピーカ17から特別の効果音を出力したり、ストップスイッチ9L,9M,9Rの停止操作時にランプの点灯パターンを特別のものに変化させたりする等、通常とは異なる状態を発生させて変動停止後に入賞が発生し易い等の特別の状態であることを遊技者に示す演出である。
ここで、本実施例におけるスロットマシン1に設定された興趣演出について説明する。スロットマシン1には、興趣演出として「始動演出」が設定されている。始動演出は、スタートレバー8に対しての始動用の入力操作(始動操作)に関連した演出である。通常時にはスタートレバー8に対する1回の始動操作で図柄の変動が開始されるのに対し、始動演出を伴うゲームにおいてはスタートレバー8に対して3回または4回の始動操作を行うことにより図柄の変動が開始される。通常1回で開始されるはずの変動が、始動演出を伴うゲームにおいては1回では開始されないので、遊技者には通常の状態とは異なる特別の状態であることを認識させることができる。
始動演出は、上記した演出抽選カウンタ23fの値と乱数カウンタ23bの値とに基づいて別々に設定された実行条件が図柄の変動開始時に成立した場合に実行される。なお、実行条件の詳細については、図7以降のフローチャートを参照して後述する。
始動操作カウンタ23gは、始動演出の実行時において図柄の変動開始までに必要な始動操作の回数を記憶するためのカウンタである。この始動操作カウンタ23gには、スタートレバー8が操作されたタイミングで行われる抽選によって始動演出の実行条件が成立した場合に「1」又は「2」が書き込まれ(図7、S22及びS23参照)、その後に始動操作が行われる度に「1」ずつ減算される(図8、S33参照)。この減算後の始動操作カウンタ23gの値が「0」となった時期(タイミング)が、変動開始に必要な所定数(3回または4回)の始動操作が行われたタイミングであり、このタイミングで図柄の変動が開始される。これにより、始動演出として、スタートレバー8に対して所定数の始動操作を条件として図柄の変動を開始することができる。
入出力ポート25は、前述した通りROM22及びRAM23を内蔵したMPU21に接続されると共に、各種のI/O装置と接続されている。具体的には、入出力ポート25は、投入メダル検出センサ10aと、ベットスイッチ11と、スタートスイッチ8aと、リール位置検出センサ27と、左・中・右の各リールL,M,Rをそれぞれ回転させるための左・中・右リール用ステッピングモータ28と、有効ライン表示ランプ7a〜7cと、メダル枚数表示ランプ13と、入賞役に応じてメダルの払出動作を行うホッパ駆動モータ29と、左・中・右の各リールL,M,Rの回転を停止させるためのストップスイッチ9L,9M,9Rと、サブ制御基板Sとにそれぞれ接続されている。
サブ制御基板Sは、主制御基板Cから送信されるコマンドを受信してスピーカ17から効果音などの出力制御を行うと共に表示用制御基板Dを制御してLCD16に演出表示などを行わせるものである。このサブ制御基板Sには、主制御基板Cと、サブ制御基板Sから送信されるコマンドを受信してLCD16上に演出表示を行う表示用制御基板Dと、スピーカ17と、ランプ18Uとがそれぞれ接続されている。
次に、図6から図10に示すフローチャートを参照して、主制御基板Cで行われる各処理について説明する。図6は、スロットマシン1の電源入後に主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。
メイン処理では、まず、バックアップデータの復元を含む初期化処理を実行し(S1)、次に、S2〜S7の各処理を所定時間毎(例えば、2ms毎)に繰り返し実行して、遊技の制御を行う。以下に、S2〜S7の各処理を説明する。
S2の処理では、状態フラグ23aに基づいて進行中の遊技状態を判断する(S2)。判断の結果、状態フラグ23aの内容が通常ゲーム中を示すものであった場合には(S2:「通常遊技」)、変動開始処理(S3)及び変動停止処理(S4)による通常ゲームに対する処理を実行する。また、状態フラグ23aの内容がボーナスゲーム中を示すものであった場合には(S2:「ボーナス」)、ボーナスゲーム実行処理(S7)を実行する。更に、状態フラグ23aの内容がその他の遊技状態を示すものであった場合には(S2:「その他」)、S3,S4,S7による各遊技に関する処理をスキップする。
変動開始処理(S3)では、3枚のメダルが投入(ベット)されている状態でスタートスイッチ8aがオンされたか否かを判断した上で所定の処理が行われる。即ち、1回のゲームに対しての最大投入数である3枚のメダルが投入されたマックスベット状態でスタートスイッチ8aがオンされたと判断された場合には、遊技者によりスタートレバー8が所定操作されたものと判断して、その時の乱数カウンタ23bの値等に応じて内部抽選に基づく成立役を選定すると共に、各リールL,M,Rの始動(回転)等が実行される。この変動開始処理(S3)の内容詳細については、図7及び図8を参照して後述する。
変動停止処理(S4)では、ストップスイッチ9L,9M,9Rの操作に起因して、回転している各リールL,M,Rを、前記変動開始処理(S3)で設定された成立役に応じた所定位置で停止させる。また、所定位置で停止させた際に予め定められた所定図柄が有効ライン6a〜6e上に停止した場合には、その所定図柄に応じた枚数のメダルを払い出す。この変動停止処理(S4)の内容詳細については、図9及び図10を参照して後述する。
ボーナスゲーム実行処理(S7)では、入賞役に対応したビックボーナス(BB)ゲーム又はレギュラーボーナス(RB)ゲームに対する制御が行われる。BBゲームの場合、30回を上限とした小役ゲームと、小役ゲーム中のリプレイ役の入賞を条件に行われるボーナスゲームとが行われる。RBゲームの場合には、BBゲーム中のボーナスゲームに相当するゲームが1回だけ行われる。
カウンタ更新処理(S5)では、乱数カウンタ23b、演出抽選カウンタ23f等の各カウンタの値を更新する。各処理(S6)では、上記した処理以外の処理を実行するものである。各処理の終了後は、処理をS2へ移行して、再び、S2〜S7の処理を繰り返し実行する。
図7は、変動開始処理(S3)のフローチャートである。この変動開始処理(S3)では、3枚のメダルが投入されたマックスベット状態でスタートスイッチ8aがオンしたと判断された場合に、その時の乱数カウンタ23bの値に基づいて抽選される成立役に応じて各フラグを設定すると共に、各リールL,M,Rを始動させる。
変動開始処理(S3)では、まず、マックスベットされているか、即ち、3枚のメダルが投入されているか否かを判断する(S11)。判断の結果、マックスベットされていれば(S11:Yes)、次に、スタートスイッチ8aのオン信号を検知したか否かを判断する(S12)。スタートスイッチ8aのオン信号を検知していれば(S12:Yes)、遊技者によってスタートレバー8の操作が行われたタイミングであり、このタイミングで成立役の抽選として乱数カウンタ23bの値が示す成立役を判断する(S13)。
S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「BB」であった場合には(S13:「BB」)、BB成立フラグ23cをオンし(S14)、処理をS16へ移行する。また、S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「RB」であった場合には(S13:「RB」)、RB成立フラグ23dをオンし(S15)、処理をS16へ移行する。
S16の処理では、演出抽選カウンタ23fの値が「127」以下であるか否かを判断する(S16)。その値が「127」以下でなければ(S19:No)、始動演出の実行抽選に対してはハズレとなり、左・中・右リール用ステッピングモータ28を駆動して各リールL,M,Rを始動させ(S17)、更にサブ制御基板Sへ通常の開始音を出力させるための通常開始音コマンドを送信して(S18)、この変動開始処理(S3)を終了する。
ここで、演出抽選カウンタ23fは、上述したように「0」から「255」の合計「256」の値を取りうるものである。このため、S16の処理において演出抽選カウンタ23fの値が「127」以下となって始動演出の実行条件が成立する確率は、「128」を「256」で除した「0.5」(即ち2分の1)となる。従って、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスが成立したゲームのそれぞれ2分の1の確率で始動演出が実行される。
S16の処理において演出抽選カウンタ23fの値が「127」以下であれば(S16:Yes)、始動演出の実行条件の成立となり、そのときの演出抽選カウンタ23fの値に基づいて始動演出として遊技者に操作を要求する始動操作の回数を抽選する。S21の処理において演出抽選カウンタ23fの値が偶数であれば(S21:No)始動操作カウンタ23gに「2」を書き込み(S22)、この変動開始処理(S3)を終了する。一方、S21の処理において演出抽選カウンタ23fの値が奇数であれば(S21:Yes)、始動操作カウンタ23fgに「3」を書き込み(S23)、この変動停止処理を終了する。
ここで、始動操作カウンタ23gの値が更新されて始動演出が実行される場合には、各リールL,M,Rを始動させて図柄の変動を開始させる等のS17及びS18の処理がスキップされるので、遊技者がスタートレバー8に対して始動操作をしても図柄の変動が開始されない状況となって、通常とは異なる状態であることを遊技者に認識させることができる。
S13の処理において、乱数カウンタ23bの値が示す成立役が「賽銭箱」、「鈴」、「水瓶」又は「チェリー」のいずれかであれば(S13:「小役」又は「リプレイ役」)、成立役に対応した小役成立フラグ23eをオンして(S19)、処理をS21へ移行する。S13の処理においてボーナス役、小役及びリプレイ役のいずれも成立していない「ハズレ」と判断された場合には、いずれの成立フラグ23c〜23eもオンに更新しないで、処理をS20へ移行する。
S20の処理では、演出抽選カウンタ23fの値が「1」以下(即ち「0」又は「1」)か否かを判断し(S20)、その値が「1」以下であれば(S20:Yes)始動演出の実行条件の成立となり、演出抽選カウンタ23fの値に対応した「2」又は「3」の値を始動操作カウンタ23gに書き込み(S21〜S23)、この変動開始処理(S3)を終了する。S20の処理は、ボーナス役が成立しなかったゲームの開始時に行われる処理であり、かかるゲームの開始時において128分の1の確率で始動演出が実行される。つまり、始動演出の実行条件は、ボーナス役が成立したゲームに対して2分の1の確率で成立する一方、ボーナス役が成立しなかったゲームに対してはその役成立のあったゲームより低確率の128分の1の確率で成立するので、始動演出が実行されるとその後にボーナス役の入賞となってボーナスゲームへ遷移する頻度が高められる。よって、始動演出の実行により遊技者に成立役を示唆し、遊技者はその始動演出の実行によりボーナス役への遷移を期待することができる。なお、始動演出の実行条件は、必ずしも上記した確率で成立するように構成する必要はない。始動演出の実行条件が成立する確率を異ならせることにより、その実行頻度と有利な遊技状態への遷移に対する期待の程度を変化させることができる。
S20の処理において、演出抽選カウンタ23fの値が「1」以下でなければ(S20:No)、処理をS17へ移行する。この場合には通常のスロットマシンと同様、スタートレバー8への1回の始動操作により図柄の変動が開始される。
S11の処理においてマックスベットされていない場合(S11:No)、及び、S12の処理においてスタートスイッチ8aのオン信号が検知されていない場合には(S12:No)、始動演出として3回目のスタートレバー8への始動操作により図柄の変動を開始させるための始動演出処理を実行して(S30)、この変動開始処理(S3)を終了する。
ここで、本実施例のスロットマシン1においては必ず3枚のメダルが投入された状態で1回のゲームを行わせるものであり、3枚のメダルが投入されていない状態においては、成立役の抽選やリールL,M,Rを始動させる等のS12〜S23の処理は、S11の処理によりスキップする。また、スタートスイッチ8のオン信号が検知されてS13以降の処理が行われると、変動開始処理(S3)の後に行われる各処理(図6、S6参照)の中でベット数が「0」とされ、ベット数が「0」とされた後に行われる次回の変動開始処理(S3)においてはS11の処理においてマックスベットされていない状態となる。
図8は、変動開始処理(S3)の中で行われる始動演出処理(S26)のフローチャートである。始動演出処理(S30)は、始動演出の実行となって1回目のスタートレバー8に対する始動操作に対してはリールL,M,Rの回転をしないで図柄の変動を開始させなかった場合に、その後の始動操作により図柄の変動を開始させる処理である。
まず、始動操作カウンタ23gの値が「1」以上であるか否かを判断し(S31)、「1」以上でなければ(S31:No)、S32以降の処理をスキップして始動演出処理(S30)を終了する。始動操作カウンタ23gの値が「1」以上でなければ始動演出の実行条件が不成立の状態であり、始動演出としての変動開始の処理を行う必要がないからである。
S31の処理において、始動操作カウンタ23gの値が「1」以上であれば(S31:Yes)、スタートスイッチ8aのオン信号を検知したか否かを判断し(S32)、そのオン信号を検知していれば(S32:Yes)始動操作カウンタ23gの値を「1」減算してから(S33)、BB成立フラグ23cがオンか否かを判断する(S34)。S34の処理においてBB成立フラグ23cがオンであれば(S34:Yes)処理をS38へ移行する。
S34の処理においてBB成立フラグ23cがオフであれば(S34:No)、今回のスタートレバー8の操作したタイミングにおける乱数カウンタ23bの値が示す成立役を判断する(S35)。S35の処理において「BB」の成立と判断された場合には(S35:「BB」)、BB成立フラグ23cをオンし(S36)、処理をS38へ移行する。一方、「RB」の成立と判断された場合にはRB成立フラグ23dをオンし(S37)、処理をS38へ移行する。ボーナス役の成立でなければ(S35:「その他」)、ボーナス成立フラグ23c,23dの状態を更新しないで処理をS38へ移行する。このS34からS37の処理により、2回目以降にスタートレバー8が操作されたタイミングでも、1回目のボーナス役の成立条件と同一の成立条件に基づいてボーナス役の抽選が行われ、ボーナス役が成立していればボーナス成立フラグ23c,23dの状態が更新される。よって、複数回のスタートレバー8に対する始動操作に対しての抽選方法を複雑化することができ、本実施例においては1回の始動操作に基づく抽選より遊技者にボーナスゲームへの機会を多くして抽選を多彩なものとすることができる。
なお、S34からS37の処理は必ずしも行う必要はなく、省略しても良い。一般にスロットマシンにおいてはスタートレバーに対する始動操作のタイミングで抽選が行われて興趣演出の実行や成立役等が定められるものであり、本実施例のスロットマシン1においてもS34からS37の処理を省略することで従来と同様の抽選方法を踏襲することができる。よって、複数回の始動操作を条件に図柄の変動を開始させる遊技を付加したことに伴って従来とは抽選条件が変化してしまうことを抑制し、従来通りのボーナスゲームの発生確率(役成立率)に従ったスロットマシンを従来と同様の制御で提供することができる。また、S35の処理とS36の処理との間にRB成立フラグ23dをオフする処理を設け、BB成立フラグ23cがオンされたときには、前の始動操作によって成立したレギュラーボーナス(RB)役があってもそのRB役を無効とし、RB役に代えてビッグボーナス(BB)役が成立するように構成しても良い。
S38の処理では、S33の処理により減算された始動操作カウンタ23gの値が「1」以上であるか否かを判断し(S38)、その値が「1」以上であれば(S38:Yes)、再度の始動操作を待機する必要があるので、各リールL,M,Rの始動も行わずに始動演出処理(S30)を終了する。
S38の処理において始動操作カウンタ23gの値が「1」未満、即ち「0」であれば(S38:No)、スタートレバー8が1回目の始動操作時に選定された所定回数(3回または4回)操作されたタイミングである。この場合には、左・中・右リール用ステッピングモータ28を駆動して各リールL,M,Rを始動させ(S39)、BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dがオンであるか否かを判断し(S40)、いずれかのフラグ23c,23dがオンであれば(S40:Yes)、サブ制御基板Sへ特別開始音コマンドを送信してから(S41)、始動演出処理(S30)を終了する。一方、S40の処理においていずれのボーナス成立フラグ23c,23dもオンでなければ(S40:No)、サブ制御基板Sへ通常開始音コマンドを送信してから(S42)、始動演出処理(S30)を終了する。
また、S32の処理において、スタートスイッチ8aのオン信号を検知していなければ(S32:No)、遊技者による2回目以降の始動操作を待機した状態であるので、始動操作カウンタ23gの値を更新せず、また各リールL,M,Rの始動も行わずに始動演出処理(S26)を終了する。
ここで、サブ制御基板Sは、特別開始音コマンドを受信した場合には、リールの変動を開始させるタイミングで、通常開始音コマンドを受信した場合より高い音程の「ピローン」という変動開始の効果音をスピーカ17により出力する。S41の処理によりいずれかのボーナス成立フラグ23c,23dがオンである場合に限って特別開始音コマンドは送信されるので、始動演出における3回目の始動操作時に特別開始音が伴った場合には必ずボーナス役が成立していることとなり、遊技者にボーナス役の成立を前もって確信できる遊技性を付加することができる。なお、必ずしもいずれかのボーナス成立フラグ23c,23dがオンである場合に限って特別開始音コマンドが送信されるように構成する必要はなく、S40からS42の処理を省略して始動演出の実行時における変動開始時には必ず特別開始音コマンドが送信されるようにしても良い。
図9は、変動停止処理(S4)のフローチャートである。この変動停止処理(S4)では、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作に起因して、各リールL,M,Rの回転を、前記変動開始処理(S3)で選定された成立役に対応した停止位置で停止させるための処理である。
この変動停止処理(S4)では、まず、少なくとも1のリールL,M,Rが回転しているか否かを判断する(S51)。判断の結果、いずれのリールL,M,Rも停止していれば(S51:No)、図柄の変動開始待ちの状態であるので、この変動停止処理(S4)を終了する。一方、少なくとも1のリールL,M,Rの回転中であれば(S51:Yes)、図柄の変動中であるので、次に、回転中のリールL,M,Rに対応したストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知したか否かを判断する(S52)。
S52の処理においてストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知していないと判断されると(S52:No)、ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作を待機している状態を継続する必要があるので、リールL,M,Rをそのまま回転させておくためにS53以降の処理をスキップして、変動停止処理(S4)を終了する。
一方、回転中のいずれかのリールL,M,Rに対応したストップスイッチ9L,9M,9Rのオン信号を検知したと判断されると(S52:Yes)、遊技者によって回転中のリールL,M,Rに対する停止操作が行われたタイミングである。この場合には、BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dがオンか否かを判断し(S53)、いずれかのボーナス成立フラグ23c,23dがオンされていれば(S53:Yes)、同一のボーナス図柄を有効ライン6a〜6e上に揃わせるために、オンとなっているフラグ23c,23dに対応したボーナス成立テーブル22aに従って停止操作のあったリールを停止させ(S54)、処理をS61へ移行する。
S53の処理において、BB成立フラグ23cとRB成立フラグ23dとのいずれもオンされていなければ(S53:No)、次に、リプレイ役を含むいずれかの小役成立フラグ23eがオンされているか否かを判断する(S55)。いずれかの小役成立フラグ23eがオンされていれば(S55:Yes)、オンされている小役成立フラグ23eに対応した小役成立テーブル22bに従って停止操作のあったリールを停止させ(S56)、処理をS61へ移行する。一方、いずれの小役成立フラグ23eもオンされていなければ(S55:No)、最小移動ハズレテーブル22cに従って各リールL,M,Rを停止させ(S57)、処理をS61へ移行する。
S61の処理では、停止操作されたリールが何番目のリール停止であるかを判断する(S61)。1番目又は2番目のリール停止であれば(S61:「1番目」又は「2番目」)、S62の処理を行わずに、この変動停止処理(S4)を終了する。また、S61の処理において、3番目のリール停止であれば(S61:「第3番目」)、全てのリールL,M,Rが停止したタイミングであるので、ボーナス役や小役等の入賞判定およびその判定に基づく処理を行う入賞判定処理を実行してから(S62)、この変動停止処理(S4)を終了する。
図10は、変動停止処理(S4)の中で実行される入賞判定処理(S62)のフローチャートである。入賞判定処理(S62)では、まず、ボーナス役(「BB」又は「RB」)の入賞か確認する(S71)。ボーナス役の入賞であれば(S71:Yes)、入賞したボーナス役に対応したデータを状態フラグ23aに書き込み(S72)、そのボーナス役に対応したボーナス成立フラグ(BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dのいずれか)をオフする(S73)。その後、入賞役に対応した枚数のメダルを払い出すメダル払出処理を行ってから(S74)、小役成立フラグ23eをオフして(S75)、この入賞判定処理(S77)を終了する。一方、S71の処理において、ボーナス役の入賞でないことが確認された場合には(S71:No)、小役成立フラグ23eのオフのみを行って(S75)、入賞判定処理(S65)を終了する。
ここで、S75の処理によって小役成立フラグ23eは各ゲーム毎にオフされる一方、ボーナス成立フラグ23c,23dはボーナス役の入賞がなければオフされることがない。これにより、ボーナス役の成立があった場合にボーナス役の入賞がなくてもボーナス役成立による価値の付与は次回のゲームに持ち越され、小役に比べて低確率で成立するボーナスゲームによる利益を遊技者が確実に享受できるようになっている。
次に、上記したスロットマシン1における遊技内容について図1を主に参照して説明する。遊技者は、まず、3枚のメダルをメダル投入口10より投入するか、又はクレジットされたメダルをベットスイッチ11を押下してマックスベット状態としてからスタートレバー8を傾倒して始動操作を行う。
マックスベット状態におけるスタートレバー8に対する始動操作は、主制御基板Cによって抽選条件の成立として検出され(図7、S11:Yes、S12:Yes)、乱数カウンタ23bを使用した成立役の抽選が行われた後、リールL,M,Rが回転して図柄の変動が開始される。ここで、図柄の変動開始から4.1秒が経過するまでには、図示しない停止操作を無効とする処理があり、停止操作をしても変動が停止しない期間がある。
変動開始から4.1秒の経過後に遊技者がストップスイッチ9L,9M,9Rを押下して停止操作を行うと、その操作に起因して主制御基板Cの変動停止処理(図9参照)によりステッピングモータ28によるリールの回転が停止させられ、図柄の変動が停止する。ストップスイッチ9L,9M,9Rに対する停止操作により、フロントパネル3の有効ライン6a〜6e上に停止する図柄は、主制御基板CのROM22に記憶される停止位置決定テーブル22a〜22cにより乱数カウンタ23bによる成立役の抽選結果に基づいて制御され、いずれかの有効ライン6a〜6e上にボーナス役又は小役の入賞を示す図柄が停止すると、遊技者への遊技価値の付与としてメダルがメダル排出口14より払い出されたり、クレジットメダルの残数が加算される。
ここで、マックスベット状態におけるスタートレバー8に対する始動操作時には、始動演出の実行抽選が行われる。具体的には、主制御基板Cの制御により、スタートレバー8に対しての始動操作によるスタートスイッチ8aのオン信号を検知した場合に(図7、S12:Yes)、成立役の抽選と共にその抽選によりボーナス役が成立したか否かに応じた別々の条件に基づいて始動演出の実行条件が成立したか否かが判断される。始動演出の実行条件が成立していないと判断されると、スタートレバー8に対する1回の始動操作が行われることを条件に図柄の変動が開始させられる。
一方、始動演出の実行条件が成立していると判断されると、始動操作カウンタ23gに「2」又は「3」が書き込まれ、図8に示す始動演出処理(S30)によりスタートレバー8に対する始動操作が合計3回又は合計4回行われることを条件に図柄の変動が開始させられる。始動演出の実行条件は、成立役の抽選結果に応じて切り替えられるので、図柄の変動開始に必要となるスタートレバー8に対しての始動操作の回数と成立役(本実施例においてはボーナス役の成立)とが対応したものとなる。
始動演出の実行となった場合、遊技者は、マックスベット状態での1回目のスタートレバー8に対する始動操作により変動が開始しないことを認識する。このとき、遊技者は、スタートレバー8に対する始動操作をミスしたかと思い、2回目の始動操作を1回目より特に意識して実行する。それでも変動が開始されないことにより通常とは異なる状態であることを意識しつつ遊技者が3回目又は4回目の始動操作を行うと、変動が開始される。変動の開始後には高確率でボーナス役の入賞となってメダルの払い出しが行われるので、遊技者は、自らの動作を繰り返したことが1種の興趣演出であったことを認識する。通常のゲームとは異なり自らの動作(始動操作)を繰り返すことを手掛かりにしてボーナス役の入賞を期待させるので、興趣演出の実行を見逃しにくくすることができる。
また、始動演出として複数回の始動操作があることを知った遊技者は、1回目の始動操作の時点で、始動操作のミスなのか、或いは始動演出であってボーナス役の成立が期待できる始動演出を伴うゲームなのかを意識する。即ち、2回目の始動操作で変動が開始されなければ始動演出であってボーナス役の入賞が期待できるので、変動が開始されないことを願いつつ2回目の始動操作を行う。2回目の始動操作後においても変動が開始されなければ、始動演出を伴うゲームであることを確信し、ボーナス役の入賞を期待しながら最後の3回目の始動操作を行って遊技を開始する。逆に2回目の始動操作で変動が開始された場合には、始動演出を伴わないゲームであってボーナス役の入賞に対する期待が持てない通常のゲームであることを認識し、遊技者は落胆する。このように2回目の始動操作の直後に変動が開始されるか、開始されないかによって、ボーナス役の入賞に対しての遊技者の期待感は全く異なる。このため、2回目の始動操作は、その後に還元される利益を左右する緊張感の高まるときとなる。よって、遊技者にとって意識を集中した熱のこもるポイントを意図的に生じさせることができ、遊技の面白みが増すのである。
特に、スタートレバー8に対して行う始動操作は、遊技をする上で毎回行うものであり、この始動操作の回数がボーナス役の成立に対応付けられて変化する。よって、遊技をする上での自らの動作の変化により通常の状態とは異なる特別の状態となっていることを遊技者に判りやすく示すことができ、遊技に不慣れな遊技者であっても興趣演出の実行を判りやすく認識することができるのである。
また、主制御基板Cは、始動演出処理(図8参照)によって図柄の変動を開始させる場合には、図8のS35からS37の処理によって2回目以降の始動操作の実行を検出したタイミングにおける乱数カウンタ23bの値に基づいてボーナス役成立フラグ23c,23dをオンする抽選(ボーナス抽選)を行う。このため、1回目の始動操作のタイミングに基づいて行われる抽選(図7のS13の処理)とは異なる抽選結果が複数回の始動操作によって生じ得ることとなり、スタートレバー8に対して行う始動操作の回数が抽選手段の抽選結果に対応して変化する。一方、多量のメダルが払い出される条件としてのボーナス役の成立を示す図柄を有効ライン6a〜6e上へ停止させる制御は、ボーナス役成立フラグ23c,23dの状態に対応して図9に示す変動停止処理(S4)によって行われるので、遊技価値の付与としてメダルが払い出されるのもボーナス抽選の結果に対応する。よって、始動操作の回数が多い始動演出を伴うゲームにおいては、1回のベットにより行われる1回のゲームにおいて2回以上のボーナス抽選が行われることとなり、ボーナスゲームへ移行する機会が多くなる。従って、複数回の始動操作による遊技ではボーナス役成立の機会が多くなり、始動演出による遊技の面白みを高めることができる。
ここで、近年には、スロットマシンを代表とする各種の遊技機の制御内容も遊技者が遊技を行う遊技機を選択する上で重要な要素となっており、遊技機メーカーや出版社からは各種の制御内容が公表されている。このため、複数回の始動操作に対してそれぞれ抽選が行われるという抽選方法を知る遊技者にとっては、2回目以降の始動操作のタイミングもボーナスゲームを獲得するための重要な操作として緊張感を抱かせることができる。よって、繰り返して行う始動操作を単なる消化作業的なものとせず、遊技価値に関連した始動操作として遊技者に緊張感を抱かせることができ、遊技に対しての参加意識を高めることができる。
また、1回目と2回目以降の始動操作のうち、いずれか1回でも乱数カウンタ23bの値がボーナス役の成立を示すタイミングで行われることを条件としてボーナスゲームへ遊技状態が遷移する。よって、本実施例のスロットマシン1には、変動開始に対する最初の始動操作によってボーナスゲームへ遷移する従来通りの遊技性を付加しつつ、2回目以降の始動操作に対しても同一種類のボーナスゲームへの遷移を遊技者に期待させることができ、多彩な遊技性を付加して遊技の興趣を高めることができる。
更に、最初の始動操作に対する乱数カウンタ23bの値を判断する図7のS13の処理と、2回目以降の始動操作に対する乱数カウンタ23bの値を判断する図8のS35の処理とは、各ボーナス役の成立に対して同一条件に従って行われ、ボーナス成立フラグ23c,23dをオンへ切り替えてボーナスゲームへ遷移させる条件が最初の始動操作に対しても2回目以降の始動操作に対しても同一とされている。よって、2回目以降の始動操作に対する抽選の制御においては、最初の始動操作に対する抽選の制御を完全に流用することができ、複数回の始動操作のタイミングに対応した抽選を行う場合における制御プログラムの開発を簡易にし、また同一処理を繰り返してプログラムやテーブル等を記憶する装置の要求性能を低下させることもできる場合が生じる。従って、複数回の始動操作に伴って抽選を行う場合におけるコストの増加を抑制することができる。
また、本実施例のスロットマシン1では、最初の始動操作の実行を検出したタイミングにのみ基づいて図7の変動開始処理(S3)によって変動開始に必要とする始動操作の回数を1回、3回および4回に変化させる。このため、始動操作の回数は、最初の始動操作が行われたタイミングに基づいて定められ、2回目以降の始動操作時においては始動操作の回数の決定に対する制御が不要になる。よって、1回毎に始動操作の回数増加に対する抽選を行う場合に比較して、2回目以降の始動操作時に必要となる制御を簡易にしつつ始動操作の回数が複数種類に変化する遊技性を付加することができる。
更に、始動演出を伴うゲームにおいて変動開始に必要とする始動操作の回数は、3回と4回との2種類の中から図7のS21の処理によって選定されるので、2種以上の複数回の始動操作を条件として図柄の変動が開始される。本実施例のスロットマシン1においては始動操作の回数が多いほどボーナスゲームへ遷移する機会が高まるために、単に1回か、3回かといった意識だけでなく、変動開始に必要とされる始動操作の回数に対しても遊技者の意識を向けさせることができ、複数回の始動操作に対してボーナスゲームへの遷移に対する抽選が行われる遊技性を引き立てることができる。
また、本実施例のスロットマシン1には、始動演出において3回の始動操作によって図柄の変動が開始させられる場合が設定されている。3回の始動操作に基づいて図柄の変動を開始させるのは、1回目の始動操作により変動が開始しないことを遊技者に認識させ、2回目の始動操作により遊技者に操作回数の増加を意識的に確認させ、その後に変動が継続した場合には最後の3回目の始動操作によってボーナス役の入賞に対しての期待感を高め、その後に停止操作を行って遊技者の意図する図柄の停止を狙わせることができる。
ここで、ボーナス役等の役成立を停止図柄により示すいわゆるリーチ目等においては、1回のゲームの停止図柄によりボーナス役の成立を確認させてその後に更なるメダルの投入を必要としてボーナス役の入賞が発生する。これに対し、スロットマシン1においては、1回のゲームの中で、ボーナス役の成立の確認と、ボーナス役を狙う遊技とを行わせることができるので、メダルの消費を伴う遊技者にとって無駄となってしまうゲームを少なくし、遊技者の不満感を軽減することができる。
なお、本実施例においては、始動演出としての変動を開始させるために必要とする始動操作の回数は、1回、3回および4回としたが、これらの回数に始動操作の回数が限定されるものでなく、又、その種類も更に多く4種以上としたり、逆に少なくしても良い。
また、1回目と2回目以降の始動操作のうち、いずれか1回でも乱数カウンタ23bの値が「賽銭箱」や「水瓶」等の小役の成立を示すタイミングで行われることを条件としてその小役を成立させるようにしても良く、図7に示すS19の処理を図8のS35の処理後に行うようにし、2回目以降の始動操作によっても小役成立フラグ23eがオンに切り替わるように構成しても良い。この場合には、最初の始動操作に対する乱数カウンタ23bの値を判断する図7のS13の処理と、2回目以降の始動操作に対する乱数カウンタ23bの値を判断する図8のS35の処理とは各小役の成立に対して同一条件に従って行われることが好ましいが、別々の条件を設定して判断を行っても良い。
ここで、2回目以降の始動操作によっても小役を成立させると、1回のゲームで複数種の役が成立することも生じ得る。この場合には、成立した役のうち最も価値の高い役(例えば、複数の小役が成立した場合にはメダルの払出数の多い1種の小役)を成立させることが好ましい。メダルの払出数とその後の遊技状態とを含めた遊技価値に従って「BB」、「RB」、「賽銭箱」、「鈴」、「チェリー」、「水瓶」の順に予め順序づけし、成立した複数の役のうち最も遊技における価値の高い役の入賞を示す停止図柄を有効ライン上に停止させてその役に対応したメダルを払い出す等の制御を主制御基板Cに行わせるのである。最も価値の高い役を成立役とすることで、遊技者には当選のあった役に対する最高分の利益を還元することができ、抽選方法を知る遊技者にとって好まれ易い遊技性を付加することができる。
次に、図11から図15を参照して、第2実施例について説明する。上記した第1実施例では、変動開始に必要とする始動操作の回数をゲームの最初にスタートスイッチ8aのオン信号を検知した最初の始動操作のタイミングで決定した。これに対し、第2実施例では、変動開始に必要とする始動操作の回数を最初の始動操作のタイミングだけでなく2回目の始動操作のタイミングにも抽選して決定するものである。また、上記した第1実施例では、1回目のボーナス役の成立抽選の条件と2回目以降のボーナス役の成立抽選の条件とを同一条件にして抽選が行われるように構成したが、第2実施例では、1回目の抽選と2回目以降の抽選とを別々の条件に基づいて行うように構成している。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみについて説明する。
図11は、第2実施例のスロットマシンの電気的構成を模式的に示した図である。第1実施例のスロットマシン1に対して主制御基板CのROM122とRAM123との一部が異なり、他は第1実施例のスロットマシン1と同一の構成である。第2実施例における主制御基板CのROM122には、図12から図15に示すフローチャートのプログラムが記憶されている。第1実施例のプログラムに対する変更内容については図12以降を参照して後述する。
主制御基板CのRAM123には、第1実施例におけるRAM23と同一のフラグ23a,23c〜23e及び乱数カウンタ23bに加えて、演出抽選カウンタ123fと、ステップカウンタ123gと、放出抽選カウンタ123hと、ボーナス蓄越メモリ123iと、チャンス残数カウンタ123jとが設けられている。
演出抽選カウンタ123fは、第1実施例の演出抽選カウンタ23fと同様、興趣演出の実行抽選に使用するカウンタであり、第1実施例の演出抽選カウンタ23fに対して更新される上限値が異なるものである。第2実施例の演出抽選カウンタ123fは、図6に示すカウンタ更新処理(S5)によって「0〜99」まで順に1ずつ加算して更新され、最大値(つまり99)に達した後再び「0」に戻される。
ステップカウンタ123gは、始動演出の実行時における始動操作の回数を記憶するためのカウンタである。ステップカウンタ123gの値は、1回のゲームにおいてスタートレバー8が最初に操作されたタイミングで行われる抽選によって始動演出の実行条件が成立すると「1」が書き込まれ、2回目の始動操作のタイミングで行われる抽選によって更に3回目の始動操作を要求する場合に「2」が書き込まれる。また、始動演出の実行条件が成立した後に図柄の変動が開始されるタイミングで、ステップカウンタ123gの値は「0」とされる。
放出抽選カウンタ123hは、ボーナス役の成立に基づいてボーナスゲームを開始させる(ボーナスゲームを放出する)か否かを抽選するためのカウンタであり、図6に示すカウンタ更新処理(S5)によって「0〜5」の範囲内で順に1ずつ加算して更新され、最大値(つまり5)に達した後再び「0」に戻される。第2実施例のスロットマシンは、乱数カウンタ23bの値に基づいた抽選(内部抽選)に当選して「BB」又は「RB」のボーナス役が成立しても、一旦、その「BB」又は「RB」の成立に対する入賞の発生がずらされる(蓄越される)ものである。始動演出の実行条件が成立して3回目の始動操作が行われる場合にそのタイミングで取得された放出抽選カウンタ123hの値が特定の値(「2」以下)であったとき、ずらされた順番に従って「BB」又は「RB」のボーナスゲームへ移行する。
ボーナス蓄越メモリ123iは、ずらされた「BB」又は「RB」の数及び順序を記憶するためのメモリである。最初の始動操作のタイミングで取得された乱数カウンタ23bの値が「BB」又は「RB」を示す値であった場合に、そのボーナスに応じた値(「BB」の場合は「2」、「RB」の場合は「1」)が順番にこのボーナス蓄越メモリ123iに書き込まれる(図12、S101及びS102参照)。逆に、始動演出における3回目の始動操作のタイミングで取得された放出抽選カウンタ123hの値が「2」以下であった場合には、ボーナス蓄越メモリ123iの先頭に記憶されているデータに応じたいずれかのボーナス役成立フラグ23c,23dがオンされると共に、ボーナス蓄越メモリ23cに記憶されているデータを1つずつ先頭側へずらして、先頭に記憶されているデータが消去される(図14参照)。このため、始動演出における3回目の始動操作に基づく抽選に当選した後には、それまでの遊技において「BB」又は「RB」が成立した順に遊技者へBBゲーム又はRBゲームが付与される。
チャンス残数カウンタ123jは、ボーナスゲーム終了後に行われた始動演出を伴う変動(ゲーム)の回数が所定数以下であるか否かを記憶するためのカウンタである。このチャンス残数カウンタ123jには、ボーナス役の入賞があった場合に「5」が書き込まれる(図15、S141参照)。このチャンス残数カウンタ123jが「1」以上である期間中には、始動演出の実行条件が他の期間より高確率で成立し、その始動演出の実行条件が成立する毎にチャンス残数カウンタ123jの値は「1」ずつ減算される。これにより、ボーナスゲーム終了後には、5回の始動演出が実行されるまで始動演出の実行条件が高確率で成立する。遊技者には、ボーナスゲーム終了後に特に始動演出の実行に伴う複数回の始動操作に対しての期待感を抱かせることができ、遊技者が抱く期待感に起伏を設けて単調な遊技性を払拭することができる。
次に図12を参照して、変動開始処理(S100)について説明する。この変動開始処理(S100)は、第1実施例の変動開始処理(S3)に代えて主制御基板Cのメイン処理の中で行われるものであり、第1実施例の変動開始処理(S3)に対してS101からS108までの処理と始動演出処理(S120)とが異なる。
S13の処理において乱数カウンタの値が示す成立役が「BB」又は「RB」である場合には、その成立役に対応したデータをボーナス蓄越メモリ123iのデータの末尾に付加する。具体的には、「BB」の成立であれば(S13:「BB」)ボーナス蓄越メモリ123iに記憶されたデータの末尾に「2」を付加し(S101)、「RB」の成立であれば(S13:「RB」)ボーナス蓄越メモリ123iのデータの末尾に「1」を付加する。S13の処理において「小役」又は「リプレイ役」の成立と判断されると(S13:「小役」又は「リプレイ役」)、成立役に対応した小役成立フラグ23eをオンし(S103)、「ハズレ」と判断されると(S13:「ハズレ」)S101からS103の処理をスキップする。
S104の処理では、チャンス残数カウンタ123jの値が「1」以上か否かを判断し(S104)、「1」以上でなければ(S104:No)演出抽選カウンタ123fの値が「7」か判断する(S107)。そして、その値が「7」である場合に限って始動演出の実行条件の成立としてステップカウンタ123gに「1」を書き込み(S108)、その後にS120の処理の中で2回目以降の始動操作に基づいて変動を開始させる。演出抽選カウンタ123fの値は「0〜99」の範囲で100個の値を取りうるので、その値が「7」となる確率は100分の1であり、通常時には100分の1の確率で始動演出の実行条件が成立する。S107の処理において演出抽選カウンタ123fの値が「7」以外の値であると判断されると(S107:No)、S17以降の処理によって1回の始動操作に基づいて変動を開始させる。
S104の処理においてチャンス残数カウンタ123jの値が「1」以上であると判断された場合には(S104:Yes)、演出抽選カウンタ123fの値が「19」以下か否かを判断し(S105)、その値が「19」以下でないと判断されると(S105:No)、S17以降の処理によって1回の始動操作に基づいて変動を開始させる。
一方、S105の処理において演出抽選カウンタ123fの値が「19」以下であると判断されると(S105:Yes)、始動演出の実行条件の成立となる。100個の値を取りうる演出抽選カウンタ123fの値が「19」以下となるのは「0」を含めて20個あるので、5分の1の確率で始動演出の実行条件が成立する。チャンス残数カウンタ123jの値はボーナスゲーム後の一定期間に「1」以上とされるので、ボーナスゲーム後には始動演出の実行条件が成立し易く、また3回目の始動操作のタイミングにおける抽選に当選した場合にボーナスゲームへ遊技状態が移行するので、始動演出の実行条件の成立し易さに対応してボーナスゲームへ遊技状態が移行しやすくなり、ボーナスゲームが連続して発生し易い遊技性を付加することができる。
図13は、図12の変動開始処理(S100)の中で行われる始動演出処理(S120)のフローチャートである。この始動演出処理(S120)では、スタートスイッチ8aのオン信号を検知したタイミングで、ステップカウンタ123gの値に応じた処理を行わせるものである。
まず、スタートスイッチ8aのオン信号を検知したか否かを判断し(S121)、そのオン信号を検知していなければこの処理を終了する。一方、オン信号を検知していれば(S121:Yes)、ステップカウンタ123gの値に応じた各処理を行う。
S122の処理でステップカウンタ123gの値が「0」と判断された場合には(S122:「0」)、始動演出の実行条件が成立したゲームではないので、2回目以降の始動操作の実行を無視すべくS123以降の処理をスキップして本処理を終了する。
S122の処理でステップカウンタ123gの値が「1」と判断された場合には(S122:「1」)、放出抽選カウンタ123hの値が「1」以下か否かを判断し(S123)、「1」以下であれば(S123:Yes)、3回の始動操作を伴う始動演出の実行条件が成立したとしてステップカウンタ123gの値に「2」を書き込み(S124)、この処理を終了する。放出抽選カウンタ123hは「0〜5」までの6個の値を取りうるものであり、その値が「1」以下となるのは「0」と「1」の2個であるので、2回目の始動操作のタイミングでは2個を6個で除した3分の1の確率で3回の始動操作を伴う始動演出の実行条件が成立することとなる。
一方、S123の処理において放出抽選カウンタ123hの値が「1」以下でない(即ち「2」以上)と判断されると(S123:No)、サブ制御基板Sへ通常開始音コマンドを送信して通常の開始音を出力させると共に(S125)、ステップカウンタ123gの値を「0」とし(S126)、更に図柄の変動を開始をさせる(S127)。通常の開始音を伴って2回目の始動操作で変動が開始され、遊技者は、3回目の始動操作の機会が今回のゲームにはなく、ボーナスゲームへの抽選に落選したことを認識する。
S122の処理でステップカウンタ123gの値が「2」と判断された場合には(S122:「2」)、放出抽選カウンタ123hの値が「2」以下であるか判断し(S128)、その値が「2」以下でない(即ち「3」以上)と判断されると(S128:No)、処理をS125へ移行する。通常の開始音を伴って3回目の始動操作で変動が開始され、遊技者は、3回目の始動操作の機会が今回のゲームにはあったものの、ボーナスゲームへの抽選には落選したことを認識する。
S128の処理で放出抽選カウンタ123gの値が「2」以下であると判断されると(S128:Yes)、蓄越されたボーナス役の放出抽選に当選したとしてボーナスゲームへの移行を設定するボーナス設定処理を行う(S129)。
6個の値を取りうる放出抽選カウンタ123hの値が「2」以下となるのは「0」,「1」,「2」の3個であるので、3回目の始動操作のタイミングにおけるボーナスゲームへの移行条件は、3個を6個で除した2分の1の確率で成立することとなる。その後、S126の処理へ移行して3回目の始動操作のタイミングで図柄の変動を開始させる。
6個の値を取りうる放出抽選カウンタ123hの値が「2」以下となるのは「0」,「1」,「2」の3個であるので、3回目の始動操作のタイミングにおけるボーナスゲームへの移行条件は、3個を6個で除した2分の1の確率で成立することとなる。その後、S126の処理へ移行して3回目の始動操作のタイミングで図柄の変動を開始させる。
次に、図14を参照して、ボーナス設定処理(S129)について説明する。図14は、図13の始動演出処理(S120)の中で行われるボーナス設定処理(S129)のフローチャートである。ボーナス設定処理(S129)では、まず、BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dのいずれかが既にオンされているか否かを判断する(S131)。確認の結果、BB成立フラグ23cとRB成立フラグ23dとが共にオンされていない場合には(S131:No)、次に、ボーナス蓄越メモリ123iの先頭に記憶されているデータを確認する(S132)。
確認の結果、ボーナス蓄越メモリ123iの先頭に記憶されているデータが「2」である場合には(S132:「2」)、最初に成立して未だ付与されていないボーナス役は、「BB」である。このため、「BB」の成立を示すBB成立フラグ23cをオンし(S133)、ボーナス蓄越メモリ123iのデータを小さいアドレス側へそれぞれ1バイトずつシフトして先頭のデータを消去し(S135)、更にサブ制御基板Sへ特別開始音コマンドを送信して、このボーナス設定処理(S129)を終了する。これにより、特別開始音を伴って3回目の始動操作で変動が開始され、遊技者は、3回目の始動操作によってボーナスゲームへの移行が確定したことを認識する。
一方、ボーナス蓄越メモリ123iの先頭に記憶されているデータが「1」であった場合には(S132:「1」)、最初に成立して未だ付与されていないボーナス役が「RB」である。この「RB」を付与するために、RB成立フラグ23dをオンして(S134)、処理をS135へ移行する。
また、ボーナス蓄越メモリ123iの先頭に記憶されているデータがメモリのエンドコードである場合、即ち、ボーナス蓄越メモリ23cに「BB」又は「RB」のいずれのデータも記憶されていない場合には(S132:「エンドコード」)、乱数カウンタ23bの値に基づくボーナス役の成立条件が事前に成立していないので、サブ制御基板Sへ通常開始音コマンドを送信して(S137)、このボーナス設定処理(S14)を終了する。ボーナスゲームへの移行の設定を行うS133〜S136の処理がスキップされ、通常の開始音を伴って3回目の始動操作で変動が開始される。遊技者は、3回目の始動操作の機会が今回のゲームにはあったものの、ボーナスゲームへの抽選には落選したことを認識する。
なお、S131の処理において、BB成立フラグ23c又はRB成立フラグ23dが既にオンされていた場合は(S131:Yes)、今回以前のゲームにおいて3回の始動操作を伴う始動演出が行われてボーナス役の放出条件が成立したものの未だにその入賞が発生していない状態において、再びボーナス役の放出条件が成立した場合である。この場合には、ボーナス役が未付与のままでボーナス蓄越メモリ123iに記憶された1回のボーナス役成立を示すデータが消去されることを防止するため、S132〜S136の処理はスキップして、処理をS137へ移行する。このボーナス設定処理(S129)の終了後には、処理が図13のS126へ移行する。
次に図15を参照して、入賞判定処理(S140)について説明する。入賞判定処理(S140)は、第1実施例の入賞判定処理(S62)に代えて主制御基板Cのメイン処理(図9に示す変動停止処理(S4))の中で行われるものであり、第1実施例の入賞判定処理(S62)に対してS141の処理を追加したものである。
ボーナス役の入賞があった場合には(S71:Yes)、チャンス残数カウンタ123iの値に「5」を書き込み(S141)、その後に第1実施例と同様、入賞役に応じて各フラグの更新を行う。チャンス残数カウンタ123iの値がボーナス役の入賞に対応して更新され、ボーナスゲーム後に5回の始動演出が行われるまでの始動演出の実行条件を成立し易いものとし、ボーナスゲーム後に連続してボーナスゲームが発生し易い遊技性を提供することができる。
このように、第2実施例のスロットマシンでは、ボーナスゲームへの遷移が確定するボーナス成立フラグ23c,23dがオンされるためには、最初の始動操作のタイミングに対応して100分の1で成立する抽選(図12のS107の処理)と、2回目の始動操作のタイミングに対応して3分の1で成立する抽選(図13のS123の処理)に当選し、更に3回目の始動操作のタイミングに対して2分の1で成立する抽選(図13のS128の処理)に当選することが条件となる。このため、複数回の始動操作が行われたタイミングのそれぞれに制御が分散され、1回毎の抽選制御を簡易にしつつ、1回の抽選条件より複雑化された抽選条件に基づいた抽選結果を導出することができる。よって、1回毎の始動操作時における制御を簡易にして制御の安定化を図りつつ、複数回の抽選による複雑化された抽選条件に基づいて多様な遊技性を提供することができる。なお、複数回の始動操作が行われたタイミングのそれぞれにおける抽選の当選を条件とするのは、必ずしもボーナスゲームへの遷移とする必要はなく、その複数回の当選を条件に特定の小役(例えば「賽銭箱」)を成立させるようにしても良く、その特定の小役に対する小役成立フラグ23eのオンを複数回の当選を条件に行っても良い。
また、第2実施例のスロットマシンでは、最初の始動操作の実行が検出されたタイミングだけでなく、2回目の始動操作の実行が検出されたタイミングも始動操作の回数を3回とするための条件となっている。このため、遊技者にとっては2回目の始動操作のタイミングも始動操作の回数に関連し、ひいてはボーナスゲームへの遷移に関連した重要なものとなる。よって、始動操作の回数決定に対しての制御内容を知る遊技者にとっては、2回目の始動操作に対しても操作回数の増加に意識を向けさせることができ、遊技に対しての参加意識を一層高めることができる。
更に、2回目の始動操作のタイミングで3回目の始動操作を図柄の変動開始に必要とするためにステップカウンタ123gの値を更新する処理(図13のS124の処理)は、最初の始動操作のタイミングで始動操作の回数を複数回とする100分の1の確率より成立し易い3分の1で成立する条件に基づいて行われる。このため、最初に始動操作の回数が増加されて2回の始動操作が必要となった後には、より高確率で更に始動操作の回数が増加する。よって、始動操作の回数決定に対しての制御内容を知る遊技者は、最初の始動操作は2回以上となり難く期待が持てないので、あまり複数回の始動操作を意識しないで遊技を行い、最初の始動操作で変動が開始されない場合にはその後に簡易な条件の成立で始動操作の回数が更に増加する遊技性によって期待を抱き易い。従って、始動操作の増加に対しての意識を1回目と2回目の始動操作とのそれぞれで異ならせることができ、2回目の始動操作のタイミングに対しては遊技者が始動操作の回数増加に向ける注意を更に高めて、遊技に対しての参加意識を高めることができる。
また、1回と2回以上の複数回とに始動操作の回数を変化させる条件は、ボーナスゲーム終了後の一定期間中であるか否かに対応して100分の1で成立する抽選(図12のS107の処理)と、5分の1で成立する抽選(図12のS105の処理)とされているので、複数回の始動操作が必要となるか否かが遊技履歴に対応して変化する。よって、ボーナスゲーム後には、始動操作の回数が増加する遊技が高頻度で発生し、複数回の始動操作に対して遊技者が抱く期待感をボーナスゲーム後の一定期間に集中させることができ、遊技者が抱く期待感に起伏を設けて単調な遊技性を払拭することができる。ここで、第1実施例のスロットマシン1においても、複数回の始動操作を必要として図柄の変動を開始させる条件を遊技履歴に対応して変化させるように構成しても良い。
なお、請求項1記載の遊技機及び後述する遊技機1における識別情報とは、上記実施例における「7」、「賽銭箱」、「水瓶」等の各図柄が該当する。また、請求項1記載の遊技機及び遊技機1における検出手段としては、スタートスイッチ8a並びにスタートスイッチ8aのオン信号の検知及びマックスベットを確認して役成立の抽選条件の成立か否かを判断する処理(図7又は図12のS11及びS12の処理)が該当する。また、抽選手段としては、上記実施例における乱数カウンタ23bとその乱数カウンタ23bの値に基づいて成立役を選定する変動開始処理における各処理(図7のS13からS15及びS19並びに図8のS34からS37の各処理、又は、図12のS13及びS101からS108並びに図13のS122からS129の各処理)が該当する。また、停止制御手段としては、上記実施例における主制御基板CのROM22に設けられる各成立テーブル22a〜22cに基づいて各リールL,M,Rを停止させる変動停止処理(図9のS4の処理)を行う主制御基板Cが該当する。また、遊技価値付与手段としては、状態フラグ23aの状態に基づいて実行されるボーナスゲーム実行処理(図6のS7の処理)、メダル払出処理(図10又は図15のS77の処理)、及び、入賞役に応じてメダルの払出動作を行うホッパ駆動モータ29が該当する。
また、請求項1記載の遊技機及び遊技機1における始動操作手段としては、上記実施例におけるスタートレバー8が該当する。また、通常始動手段と特別始動手段と操作回数変化手段としては、上記第1,第2実施例における主制御基板Cが該当し、特に通常始動手段としては、リールL,M,Rを始動させる図7及び図12のS17の処理が該当し、特別始動手段としては、2回目以降の始動操作が行われたタイミングでリールL,M,Rを始動させる図8のS39の処理(第2実施例においては図13のS127の処理)が該当し、操作回数変化手段としては、主制御基板Cの始動操作カウンタ23gと、その始動操作カウンタ23gを成立役がボーナス役であるか否かに対応して別々の条件に従ってオンに切り替える各処理(第1実施例においては図7のS16,S20,S21の各処理、第2実施例においては図12のS104,S105,S107,図13のS123,S128の各処理)が該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例においては、乱数カウンタ23bの値に基づく抽選によるボーナス役の成立か否かに応じて図柄の変動を開始させる始動操作の回数を変化させたが、必ずしも始動操作の回数を変化させるのはボーナス役の成立に応じるものとする必要はない。特定の小役(例えば、「チェリー」)が成立するゲームにおいて入力操作の回数を多くしても良く、「BB」又は「RB」の成立があった場合にその成立を記憶(ストック)する遊技機におけるその成立があったゲームにおいてその回数を多くしても良い。即ち、特別遊技へ遷移し得ること、又は、遷移する確率が高いこと等、通常とは異なる特別の状態となっている場合に通常時より高確率で図柄の変動を開始させるための入力回数を変化させるものであれば良い。
また、上記実施例においては、遊技者の操作により図柄の変動開始又は変動停止とを行わせるように構成されていたが、図柄の変動停止に遊技者の操作を必要としないで主制御基板C等のスロットマシンの制御のみに基づいて行わせても良い。
更に、上記実施例においては、始動演出の実行条件が成立したゲームにおいては、3回の始動操作が行われなければ図柄の変動を開始させなかったが、必ずしも3回の始動操作を図柄の変動開始の条件とする必要はない。1回目の始動操作後に所定時間(本実施例においては10秒)が経過したか否かを判断する処理を(例えば、図8のS31とS32の間に)設けて、1回目の始動操作後に所定時間が経過したと判断された場合には、始動操作カウンタの値を「0」クリアすると共に図8のS39の処理へ移行し、スタートスイッチ8aのオン信号を検知しなくても各リールL,M,Rの始動と、変動開始コマンドの送信とを行わせても良い。1回目の始動操作後に所定時間が経過すると、スタートレバー8に対する始動操作が無くても各リールL,M,Rが始動して図柄の変動が開始されるので、再度の始動操作が待機中であることが判らない遊技者が遊技を行っていても、速やかに遊技を再開させることができる。
本発明を上記実施例とは異なるタイプの遊技機(パチンコ機)等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。遊技者によって入力操作が行われる始動操作手段と、複数の識別情報を可変表示する可変表示手段と、前記始動操作手段に対する入力操作に起因して前記可変表示手段による識別情報の変動を開始させる変動開始手段と、前記始動操作手段に対する前記入力操作の実行を検出する検出手段と、その検出手段により前記入力操作の実行が検出された時期に対応した抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記可変表示手段の所定領域に停止させる識別情報を制御する停止制御手段と、その停止制御手段によって前記可変表示手段の所定領域に所定の識別情報を停止させた場合に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、前記変動開始手段は、前記始動操作手段に対して1回の入力操作が行われた場合に前記識別情報の変動を開始させる通常始動手段と、前記始動操作手段に対して前記入力操作が少なくとも2回以上繰り返して行われた場合に前記識別情報の変動を開始させる特別始動手段と、前記通常始動手段と前記特別始動手段とを切り替えて、前記識別情報の変動を開始させるための前記入力操作の回数を変化させる操作回数変化手段とを備え、前記抽選手段は、前記特別始動手段によって前記識別情報の変動を開始させる場合に複数回の前記入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出するものであり、前記停止制御手段は、前記複数回の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果に基づいて前記可変表示手段の所定領域に停止させる識別情報を制御するものであることを特徴とする遊技機1。
なお、請求項1記載の遊技機または遊技機1において、操作回数変化手段は、抽選手段の抽選結果に応じて通常始動手段と特別始動手段とを切り替えるものとしても良い。また、操作回数変化手段は、抽選手段の抽選結果が遊技者に所定の遊技価値が付与される抽選結果である場合に入力操作の回数が増加するように入力操作の回数を変化させることが好ましい。遊技者には所定の遊技価値の付与を入力操作の繰り返しと共に期待させることができ、自らの動作を繰り返すことで段階的に有利な遊技状態に近づく遊技性を付与することができる。
遊技機1において、前記抽選手段は、最初の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出する第1抽選手段と、前記特別始動手段によって前記識別情報の変動を開始させる場合に複数回の前記入力操作のうち2回目以降の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出する第2抽選手段とを備え、前記第1抽選手段によって所定の抽選結果が導出されると共に前記第2抽選手段によって所定の抽選結果が導出されることを必要条件として遊技者にとって有利な特別遊技状態へ遊技状態を遷移させる遊技状態変更手段を備えていることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、遊技状態変更手段によって遊技状態が特別遊技状態へ遷移させられるためには、複数回の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果として所定の抽選結果が導出されることが条件となる。このため、複数回の入力操作が行われた時期のそれぞれに制御が分散され、1回毎の制御を簡易にしつつ、1回の抽選条件より複雑化された抽選条件に基づいた抽選結果を導出することができる。よって、1回毎の始動操作時における制御を簡易にして制御の安定化を図りつつ、複数回の抽選による複雑化された抽選条件に基づいて多様な遊技性を提供することができる。
なお、遊技機2における第1抽選手段によって導出される所定の抽選結果と、第2抽選手段によって導出される所定の抽選結果とは、同一の条件で予め設定されたものであっても良いし、それぞれが別々の条件で予め設定されたものであっても良い。また、遊技機2としては上記第2実施例におけるスロットマシンが例示され、第1抽選手段としては図12のS105及びS107の処理が例示され、第2抽選手段としては図13のS123及びS128の処理が例示される。また、特別遊技状態としては、その遷移以前より遊技価値が付与され易い所定回数の遊技(変動開始から変動停止までを1回の遊技とし、遊技価値が付与される場合にはその付与までを含めて1回の遊技とする)で構成される遊技状態を意味している。特別遊技状態としては、上記実施例におけるボーナスゲームが例示される。
遊技機1又は2において、前記抽選手段は、最初の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出する第1抽選手段と、前記特別始動手段によって前記識別情報の変動を開始させる場合に複数回の前記入力操作のうち2回目以降の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出する第2抽選手段とを備え、前記停止制御手段は、前記第1抽選手段および前記第2抽選手段によって所定の抽選結果が導出されることを必要条件として予め定めた第1の識別情報を前記可変表示手段の所定領域に停止させるものであり、前記遊技価値付与手段は、前記停止制御手段によって前記可変表示手段の所定領域に前記第1の識別情報を停止させた場合にその第1の識別情報に対して予め定めた遊技価値を付与するものであることを特徴とする遊技機3。
遊技機2によれば、可変表示手段の所定領域に第1の識別情報が停止すると、遊技価値付与手段により、第1の識別情報に対して予め定められた遊技価値が付与される。所定領域への第1の識別情報の停止は、第1抽選手段および第2抽選手段によって所定の抽選結果が導出されることが必要条件とされるので、複数回の入力操作における各実行検出時期に対応した抽選結果として所定の抽選結果が導出されることが所定領域への第1の識別情報の停止に必要な条件となる。このため、複数回の入力操作が行われた時期のそれぞれに制御が分散され、1回毎の始動操作時における制御を簡易にして制御の安定化を図りつつ、複数回の抽選による複雑化された抽選条件に基づいて多様な遊技性を提供することができる。
なお、第1の識別情報としては、上記第2実施例における「7」および「BAR」の停止図柄が例示され、予め定めた遊技価値としては「7」または「BAR」の停止図柄が停止したゲームにおいて払い出される15枚のメダルが例示される。
遊技機1において、前記抽選手段は、最初の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出する第1抽選手段と、その第1抽選手段によって所定の抽選結果が導出されることを条件として遊技者にとって有利な特別遊技状態へ遊技状態を遷移させる第1状態変更手段と、前記特別始動手段によって前記識別情報の変動を開始させる場合に複数回の前記入力操作のうち2回目以降の入力操作の実行検出時期毎に各実行検出時期に対応した抽選結果を導出する第2抽選手段と、その第2抽選手段によって所定の抽選結果が導出されることを必要条件として前記第1抽選手段の抽選結果に拘わらず前記特別遊技状態へ遊技状態を遷移させる第2状態変更手段とを備えていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、1回目と2回目以降の入力操作のうち、いずれか一方によって所定の抽選結果が導出されることを条件として特別遊技状態へ遊技状態が遷移する。よって、変動開始に対する最初の入力操作によって特別遊技状態へ遷移する従来通りの遊技性を付加しつつ、2回目以降の入力操作に対しても同一種類の特別遊技状態への遷移を遊技者に期待させることができ、多彩な遊技性を遊技機に付加して遊技の興趣を高めることができる。
なお、遊技機4における第1抽選手段によって導出される所定の抽選結果と、第2抽選手段によって導出される所定の抽選結果とは、同一の条件で予め設定されたものであっても良いし、それぞれが別々の条件で予め設定されたものであっても良い。
遊技機4において、前記第1抽選手段と前記第2抽選手段とは、前記入力操作の実行検出時期に対応する抽選を同一条件に従って行うものであり、前記第2状態変更手段は、前記第1状態変更手段により前記特別遊技状態へ遊技状態を遷移させる抽選結果と同一の抽選結果が前記第2抽選手段によって導出されることを条件として前記第1抽選手段による抽選結果に拘わらず前記特別遊技状態へ遊技状態を遷移させるものであることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、第1抽選手段と第2抽選手段とによる抽選は同一条件に従って行われ、第2状態変更手段によって特別遊技状態へ遊技状態が遷移させられるのは、第1状態変更手段による特別遊技状態への遷移条件と同一の抽選結果の導出となっている。よって、2回目以降の入力操作に対する抽選の制御においては、最初の入力操作に対する抽選の制御の少なくとも一部を流用することができ、複数回の入力操作時期に対応した抽選を行う場合における制御プログラムの開発を簡易にし、また同一処理を繰り返してプログラムやテーブル等を記憶する装置の要求性能を低下させるなど、コストの増加を抑制することができる。
なお、「入力操作の実行検出時期に対応する抽選を同一条件に従って行う」とは、例えばカウンタを使用する場合におけるカウンタの更新範囲とカウンタの値に対して割り当てられる成立役を同一とした抽選を行う場合を意味しており、同一確率で役が成立する抽選を意味している。また、同一条件に従って行われる抽選は、遊技機に設定された全ての役の成立に対する抽選としても良く、一部の役の成立に対する抽選としても良い。また、遊技機4及び遊技機5としては上記第1実施例におけるスロットマシン1が例示され、第1抽選手段としては図7のS13の処理が、第2抽選手段としては図8のS35の処理が、第1状態変更手段としては図7のS14及びS15の処理が、第2状態変更手段としては図8のS36及びS37の処理がそれぞれ例示される。
遊技機1又は遊技機4若しくは5において、前記抽選手段は、最初の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出する第1抽選手段と、前記特別始動手段によって前記識別情報の変動を開始させる場合に複数回の前記入力操作のうち2回目以降の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出する第2抽選手段とを備え、前記停止制御手段は、前記第1抽選手段又は前記第2抽選手段によって予め定めた抽選結果が導出された場合に予め定めた第2の識別情報を前記可変表示手段の所定領域に停止させるものであり、前記遊技価値付与手段は、前記停止制御手段によって前記可変表示手段の所定領域に前記第2の識別情報を停止させた場合にその第2の識別情報に対して予め定めた遊技価値を付与するものであることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、1回目と2回目以降の入力操作のうち、いずれか一方によって所定の抽選結果が導出されることを条件として第2の識別情報が所定領域へ停止し、第2の識別情報に対して予め定められた遊技価値が付与される。よって、変動開始に対する最初の入力操作によって遊技価値が付与される従来通りの遊技性を付加しつつ、2回目以降の入力操作に対しても同一の遊技価値の付与を遊技者に期待させることができ、多彩な遊技性を遊技機に付加して遊技の興趣を高めることができる。
遊技機6において、前記第1抽選手段と前記第2抽選手段とは、前記入力操作の実行検出時期に対応する抽選を同一条件に従って行うものであり、前記停止制御手段は、前記第1抽選手段または前記第2抽選手段の少なくとも一方によって前記予め定めた抽選結果が導出された場合に前記第2の識別情報を前記可変表示手段の所定領域に停止させるものであることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、第1抽選手段と第2抽選手段とによる抽選は同一条件に従って行われ、停止制御手段によって所定領域へ第2の識別情報が停止させられるのは、第1抽選手段または第2抽選手段の少なくとも一方による予め定めた抽選結果の導出となっている。よって、複数回の入力操作時期に対応した抽選を行う場合においては、最初の入力操作に対する抽選の制御の少なくとも一部を2回目以降の入力操作に対する抽選に流用することができ、制御プログラムの開発を簡易にし、また記憶装置の要求性能を低下させるなど、コストの増加を抑制することができる。
遊技機6または7において、前記遊技価値付与手段により付与される遊技価値の異なる少なくとも2種以上の識別情報が前記第2の識別情報として設定され、前記第1抽選手段と前記第2抽選手段とは、前記2種以上の識別情報を前記可変表示手段の所定領域に停止させるか否かに対する抽選を各入力操作の実行検出時期に対応して行うものであり、前記停止制御手段は、前記特別始動手段によって前記識別情報の変動を開始させる場合に前記第1抽選手段および前記第2抽選手段により複数回の前記入力操作の実行検出時期に対応して前記2種以上の識別情報を前記可変表示手段の所定領域に停止させる抽選に当選したとき、予め順序づけられた高利な遊技価値を付与する1種の識別情報を前記所定領域に停止させるものであることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、複数回の入力操作によって変動が開始される遊技において、2種以上の識別情報(第2の識別情報)を可変表示手段の所定領域に停止させる抽選に当選したときには、予め順序づけられた高利な遊技価値を付与する1種の識別情報が所定領域に停止させられる。よって、複数回の入力操作による抽選においては、遊技者にとってより価値の高い識別情報が所定領域に停止し易くなり、複数回の入力操作に対する遊技者の操作意欲を増大して遊技に対しての参加意識を一層高めることができる。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記操作回数変化手段は、前記特別始動手段によって前記識別情報の変動を開始させる場合に、複数回の前記入力操作のうち最初の入力操作の実行検出時期にのみ基づいて前記識別情報の変動を開始させるための前記入力操作の回数を変化させるものであることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、最初の入力操作の実行検出時期にのみ基づいて変動開始に必要とする入力操作の回数が変化させられる。このため、入力操作の回数は、最初の入力操作が行われた時期に基づいて定められ、2回目以降の入力操作時においては入力操作の回数の決定に対する制御が不要になる。よって、1回毎に入力操作の回数増加に対する抽選を行う場合に比較して、2回目以降の入力操作時に必要となる制御を簡易にしつつ入力操作の回数が変化する遊技性を付加することができる。
遊技機9において、前記操作回数変化手段は、最初の前記入力操作の実行検出時期に基づいて前記入力操作の回数を少なくとも2種以上の複数回の中から選定する回数抽選手段を備え、その回数抽選手段によって選定された回数を前記識別情報の変動を開始させるための前記入力操作の回数とするものであることを特徴とする遊技機10。
遊技機10によれば、変動開始に必要とする入力操作の回数は、少なくとも2種以上の複数回の中から選定されるので、2種以上の複数回の入力操作を条件として識別情報の変動が開始される。よって、単に1回か、複数回かといった意識だけでなく、変動開始に必要とされる入力操作の回数に対しても遊技者の意識を向けさせることができ、複数回の入力操作に対して抽選が行われる遊技性を引き立てることができる。
なお、遊技機9及び遊技機10としては、上記第1実施例における図7のS21からS23の処理を操作回数変化手段として備える第1実施例のスロットマシン1が例示される。
遊技機1から10のいずれかにおいて、前記操作回数変化手段は、最初の前記入力操作の実行検出時期に対応して前記識別情報の変動を開始させるための前記入力操作の回数を1回または複数回に変化させる第1変化手段と、2回目以降の入力操作の実行検出時期に対応して前記入力操作の回数を変化させる第2変化手段とを備えていることを特徴とする遊技機11。
遊技機11によれば、最初の入力操作の実行検出時期だけでなく、2回目以降の入力操作の実行検出時期も入力操作の回数を変化させるための条件となっているので、遊技者にとっては2回目以降の入力操作のタイミングも入力操作の回数に関連し、ひいては付与される遊技価値に関連した重要なものとなる。よって、入力操作の回数決定に対しての制御内容を知る遊技者にとっては、2回目以降の入力操作に対しても入力回数の変化に意識を向けさせることができ、遊技に対しての参加意識を一層高めることができる。
なお、第1変化手段としては、上記第2実施例における図12のS107の処理が例示され、第2変化手段としては上記第2実施例における図13のS123の処理が例示される。
遊技機11において、前記第2変化手段は、前記第1変化手段によって前記入力操作の回数を複数回とするより成立し易い条件に基づいて前記入力操作の回数を増加させるものであることを特徴とする遊技機12。
遊技機12によれば、第2変化手段は、第1変化手段によって入力操作の回数を複数回とするより成立し易い条件に基づいて入力操作の回数を増加させるので、最初に入力操作の回数が増加されて複数回の入力操作が必要となった後には、より高確率で第2変化手段によって更に入力操作の回数が増加される。このため、入力操作の回数決定に対しての制御内容を知る遊技者は、最初の入力操作は複数回の入力操作が必要となり難く期待が持てないものの、最初の入力操作で変動が開始されない場合にはその後に簡易な条件の成立で入力操作の回数が更に増加する遊技性によって期待を抱き易い。よって、入力操作の増加に対しての意識を1回目と2回目以降の入力操作とのそれぞれで異ならせることができ、2回目以降の入力操作時期に対して遊技者が入力操作の回数に向ける注意を更に高めて、遊技に対しての参加意識を高めることができる。
遊技機1から12のいずれかにおいて、遊技履歴を複数回の変動に跨って記憶する記憶手段を備え、前記第1変化手段は、その記憶手段に記憶された遊技履歴に応じた別々の条件に基づいて前記入力操作の回数を1回または複数回に変化させるものであることを特徴とする遊技機13。
遊技機13によれば、第1変化手段によって1回または複数回に入力操作の回数を変化させる条件は遊技履歴に応じた別々のものであるので、複数回の入力操作が必要となるか否かが遊技履歴に対応して変化する。よって、特定の遊技履歴となった場合に入力操作の回数が増加する遊技を高頻度で発生させて、複数回の入力操作に対して遊技者が抱く期待感を特定の期間に集中させることができ、遊技者が抱く期待感に起伏を設けて単調な遊技性を払拭することができる。なお、遊技履歴とは、1回の遊技として1回の表示結果を現出する遊技の履歴であって変動を終了した前回以前の遊技の履歴を意味しており、所定の表示結果を現出した後の遊技であるか否か、所定条件が成立した後の所定回数内の変動であるか否か、或いは、各遊技毎に行われる所定の抽選に当選した回数が所定数以上であるか否かなどが例示される。また、記憶手段としては、上記第2実施例におけるチャンス残数カウンタ123jが例示され、遊技履歴としては、上記実施例におけるボーナスゲーム終了後に複数回の入力操作を必要とした変動の回数が所定数以下であるか否かが例示される。
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記始動操作手段に対する入力操作の回数に対応して更新される回数情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶される回数情報を前記始動操作手段に対する前記入力操作の実行に応じて更新する更新手段と、その更新手段により更新される回数情報に基づいて前記所定の入力操作が予め設定された少なくとも2回以上の所定回数行われたか否かを判断する回数判断手段とを備え、前記特別始動手段は、その回数判断手段により前記入力操作が前記所定回数行われたと判断された場合に前記識別情報の変動を開始させるものであることを特徴とする遊技機14。
遊技機14によれば、記憶手段に記憶される回数情報は、始動操作手段に対する入力操作の実行に応じて更新手段により更新されるので、その回数情報に基づいて始動操作手段に対する入力操作が所定回数繰り返して行われたか否かを判断することができる。よって、前に入力操作が行われているか否かを回数情報に基づいてたタイミングで特別始動手段により識別情報の変動を開始させることができ、複数回の入力操作に基づく多様な遊技性を遊技者に提供することができる。
なお、遊技機14における記憶手段と更新手段と回数判断手段とは、上記第1実施例においては、記憶手段として主制御基板Cの始動操作カウンタ23gが、更新手段として始動操作カウンタ23gの値を更新する処理(図7のS22及びS23並びに図8のS33の各処理)が、回数判断手段として始動操作カウンタ23gの値が「1」以上か否かを判断する図8のS38の処理が例示され、上記第2実施例においては、記憶手段として主制御基板Cのステップカウンタ123fが、更新手段としてステップカウンタ123fの値を更新する処理(図12のS108並びに図13のS124及びS126の各処理)が、回数判断手段としてステップカウンタ123fの値を判断する図13のS122の処理が例示される。
遊技機1から14のいずれかにおいて、前記抽選手段の抽選結果に基づいて遊技状態を遊技者にとって有利な特別遊技状態へ遷移させる遊技状態変更手段を備え、前記入力回数変化手段は、その遊技状態変更手段により遊技状態が前記特別遊技状態へ遷移した後には、前記特別遊技状態へ遷移する前より前記第2可変手段を高確率で選択するものであることを特徴とする遊技機15。
遊技機15によれば、遊技状態が特別遊技状態へ遷移した後には、遊技状態が特別遊技状態へ遷移する前より第2可変手段が高確率で選択される。このため、特別遊技状態へ遷移した後の遊技において、遊技者に所定の入力操作を繰り返し行わせて識別情報の変動を開始又は停止させることができる。従って、遊技者には、入力操作の繰り返しによって有利な遊技状態に対する期待感を高める遊技性を提供することができる。
なお、遊技機15において、入力回数変化手段は、遊技状態が特別遊技状態へ遷移する前には第2可変手段を所定確率で選択するものとし、特別遊技状態へ遷移した後には所定確率より高確率で第2可変手段を選択するものとしても良い。遊技者は複数回の入力操作を繰り返しても有利な遊技状態への遷移を確信し得ず、特別遊技状態ではないことへの疑心を抱かせて遊技に対してのわくわく感を付与することができる。
また、遊技機15における「特別遊技状態」とは、抽選手段による抽選結果に基づいて可変表示手段の所定領域に所定の識別情報が停止し得る状態、又は、抽選手段による抽選結果に基づいて可変表示手段の所定領域に所定の識別情報が停止し易い複数回の遊技で構成される特別遊技への遷移が確定した状態、若しくは、その特別遊技中の状態を意味し、上記実施例における特別遊技状態としてはボーナス成立フラグ23c,23dがオンされてボーナスゲームへの遷移が確定した状態が例示される。また、遊技機15における遊技状態変更手段としては、上記実施例における主制御基板Cが該当し、特に主制御基板CのRAMに設けられるボーナス成立フラグ23c,23dと、ボーナス成立フラグ23c,23dをオンする各処理とが例示される。
遊技機1から15のいずれかにおいて、前記入力回数変化手段によって前記特別始動手段が選択された場合には前記通常始動手段が選択された場合とは異なる特別情報を、前記特別操作手段に対する所定の入力操作に基づいて出力する出力手段を備えていることを特徴とする遊技機16。
遊技機16によれば、第2可変手段が選択されて変動の開始又は停止に複数回の入力操作を必要とする場合には、所定の入力操作に基づいて特別情報が出力される。よって、入力操作の回数変化と所定の遊技価値の付与とが対応した興趣演出の実行を一層判りやすく遊技者に示すことができる。
なお、出力手段としては、上記各実施例におけるスピーカ17と、そのスピーカ17により通常開始音及び特別開始音を出力させる各処理を行う主制御基板Cと、主制御基板Cの指示に基づいてスピーカの音声出力を制御するサブ制御基板Sとが例示される。また、出力手段は、特別情報としての音を出力するスピーカとそのスピーカにより出力される音の強さ、高さ、音色の少なくとも1つを入力操作の回数に応じて異ならせる音制御手段としても良く、又は、表示情報を出力するLCDやランプ等に代表される表示装置とその表示装置の表示態様を入力操作の回数に応じて異ならせる表示制御手段としても良い。また、遊技機16において、「所定の入力操作に基づいて出力する」とは、入力操作に対応した所定のタイミングで出力することを意味しており、入力操作と同時に出力することはもちろん、入力操作から一定時間が経過した後に出力することをも意味している。
遊技機16において、前記出力手段は、前記特別情報を、前記特別操作手段に対する2回以上の入力操作のうち前記識別情報の変動を開始又は停止させる最後の入力操作に基づいて出力するものであることを特徴とする遊技機17。
遊技機17によれば、識別情報の変動開始又は変動停止に基づいて特別情報が出力されるので、遊技者には、入力操作の回数変化に伴って興趣演出の実行を意識させた状態で特別情報の出力を認識させることができる。よって、遊技者の期待感を高めた状態における特別情報の出力によって興趣演出の実行を更に判りやすく示すことができる。
遊技機17において、前記最後の入力操作であるか否かを判断する操作判断手段を備え、その操作判断手段により前記最後の入力操作でないと判断された場合にはその入力操作に同期した遊技に関する情報を出力せず、前記操作判断手段により前記最後の入力操作であると判断された場合に限って前記出力手段により前記特別情報を遊技に関する情報として出力することを特徴とする遊技機18。
遊技機18によれば、最後の入力操作でない場合には遊技に関する情報は出力されず、最後の入力操作に限って入力操作に同期した情報が出力される。よって、入力操作に対しての反応が無かった遊技機から変動開始又は変動停止に基づいて特別情報が出力されることとなり、特別情報の出力による遊技の興趣を一層引き立てることができる。なお、遊技機18における操作判断手段としては上記第1実施例における図8のS38の処理が例示される。
遊技機1から18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機19。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、可変表示手段において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から18のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機20。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えばスタートレバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止され、その停止時の確定識別情報が予め定めた特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機21。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定停止する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えばスタートレバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止され、その停止時の確定識別情報が予め定めた特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
1 スロットマシン(遊技機)
6a〜6e 有効ライン(所定領域)
8 スタートレバー(始動操作手段)
8a スタートスイッチ(検出手段の一部)
28 リール用ステッピングモータ(可変表示手段の一部)
29 ホッパ駆動モータ(遊技価値付与手段の一部)
C 主制御基板(抽選手段、可変制御手段の一部、停止制御手段)
L 左リール(可変表示手段の一部)
M 中リール(可変表示手段の一部)
R 右リール(可変表示手段の一部)
6a〜6e 有効ライン(所定領域)
8 スタートレバー(始動操作手段)
8a スタートスイッチ(検出手段の一部)
28 リール用ステッピングモータ(可変表示手段の一部)
29 ホッパ駆動モータ(遊技価値付与手段の一部)
C 主制御基板(抽選手段、可変制御手段の一部、停止制御手段)
L 左リール(可変表示手段の一部)
M 中リール(可変表示手段の一部)
R 右リール(可変表示手段の一部)
Claims (1)
- 遊技者によって入力操作が行われる始動操作手段と、複数の識別情報を可変表示する可変表示手段と、前記始動操作手段に対する入力操作に起因して前記可変表示手段による識別情報の変動を開始させる変動開始手段と、前記始動操作手段に対する前記入力操作の実行を検出する検出手段と、その検出手段により前記入力操作の実行が検出された時期に対応した抽選を行う抽選手段と、その抽選手段による抽選結果に基づいて前記可変表示手段の所定領域に停止させる識別情報を制御する停止制御手段と、その停止制御手段によって前記可変表示手段の所定領域に所定の識別情報を停止させた場合に所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段とを備えた遊技機において、
前記変動開始手段は、前記始動操作手段に対して1回の入力操作が行われた場合に前記識別情報の変動を開始させる通常始動手段と、
前記始動操作手段に対して前記入力操作が少なくとも2回以上繰り返して行われた場合に前記識別情報の変動を開始させる特別始動手段と、
前記通常始動手段と前記特別始動手段とを切り替えて、前記識別情報の変動を開始させるための前記入力操作の回数を変化させる操作回数変化手段とを備え、
前記抽選手段は、前記特別始動手段によって前記識別情報の変動を開始させる場合に複数回の前記入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果を導出するものであり、
前記停止制御手段は、前記複数回の入力操作の実行検出時期に対応した抽選結果に基づいて前記可変表示手段の所定領域に停止させる識別情報を制御するものであることを特徴とする遊技機。
Priority Applications (1)
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JP2003280332A JP2005040525A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 遊技機 |
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JP2007130296A (ja) * | 2005-11-11 | 2007-05-31 | Aruze Corp | 遊技機 |
CN108717372A (zh) * | 2018-05-24 | 2018-10-30 | 网易(杭州)网络有限公司 | 一种游戏场景中虚拟对象控制方法和装置 |
-
2003
- 2003-07-25 JP JP2003280332A patent/JP2005040525A/ja not_active Withdrawn
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