JP2014119439A - 流量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の流量測定装置においては、バイパス流路の流路出口に対して、バイパス流路の外側をセンサボディの外面に沿って流れる外側空気の剥離点となる凸曲面部の終端位置が離れているので、ハウジングよりも上流側で発生した吸気偏流に対する流量センサの測定誤差の低減効果が不十分であった。
【解決手段】 AFM3においては、バイパスハウジング5の外面に、凸曲面部41および突条フィン42を設けることにより、凸曲面部41の外面に沿って流れる外側吸気は、バイパス流路9の流路出口12よりも離れた位置で剥離することがなく、バイパス流路9の出口端に到達する。この結果、流路出口12の下流直後の圧力が安定するので、バイパスハウジング5よりも上流側で発生した吸気偏流に対する流量センサの流量検出部における流量測定値の変化を低減することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、空気、吸気やガス等の流体流量に対応した信号を出力するセンサの流量測定素子をハウジングのバイパス流路に設置した流量測定装置に関するもので、特に例えば自動車等の車両に搭載される内燃機関の吸気装置に適用される流量測定装置に係わる。
[従来の技術]
従来より、例えば自動車等の車両の内燃機関(エンジン)の吸気流量を測定する手段として、エアクリーナケースとスロットルボディとの間の吸気通路に設置される熱式空気流量計(エアフロメータ)を備えた流量測定装置が知られている。
熱式空気流量計は、エンジンの吸気通路に配置されるセンサボディと、このセンサボディの内部に配置される熱式流量センサとを備えている。
センサボディの内部には、エアクリーナのフィルタエレメントを通過した吸気の一部を流路入口から取り込み、この取り込んだ吸気を吸気通路の下流側へ排出する流路出口を有するバイパス流路が形成されている。
熱式流量センサは、シリコン基板上にメンブレン(薄膜部)が形成されたセンサチップと、このセンサチップのメンブレンの中央に配置されて、加熱電流を供給すると発熱する発熱抵抗体(ヒータ)と、この発熱抵抗体を中心にして吸気流れ方向に沿った上下流側に配置されて、センサチップのメンブレンの上下流の空気温度を検出する空気温度検出抵抗体と、周囲の温度を検出する吸気温度検出抵抗体とを備えている。
そして、熱式流量センサの回路チップに搭載されるヒータ駆動回路部で、発熱抵抗体を周囲の温度(吸気温度)に対してある一定温度だけ高くするように設定し、センサチップのメンブレン上の温度分布を温度検出抵抗体で検出し、温度検出抵抗体の温度差を算出して空気流量を測定する。なお、吸気脈動等を要因として吸気の流れ方向が逆流した場合は、センサチップのメンブレン上の上下流の温度分布が逆になり、算出される温度差の符号も逆転するため、空気の流れ方向も判別できる。
ところで、熱式空気流量計がエアクリーナのフィルタエレメントよりも吸気流れ方向の下流側に配置されている場合、フィルタエレメントに目詰まり等が発生していると、フィルタエレメントに吸気が流れ易い部分と吸気が流れ難い部分とが形成されるので、フィルタエレメントよりも下流側の流速分布が乱れ、この乱れにより吸気偏流が生じる。
つまり、センサボディよりも上流側で吸気偏流が生じると、センサボディの先端面で開口した流路入口からバイパス流路に取り込まれ、温度検出抵抗体周りを流れる吸気の流速が安定せず、空気流量の計測結果が不安定になる。
そこで、特許文献1には、センサボディの先端部の外周形状を、流路入口が開口する先端面の外周縁から下流側へ向けて所定の割合で外径が増大する凸曲面部によって構成し、且つセンサボディの先端部より下流側の外周形状を、凸曲面部の終端から流路出口が開口する後端面の外周縁まで外径が一定の割合で増大するテーパ形状部によって構成した流量測定装置が記載されている。
ところが、特許文献1に記載の流量測定装置においては、流量センサの流量測定素子を吸気が通過するバイパス流路の流路出口まで、凸曲面部が形成されているわけではない。つまり、バイパス流路の流路出口に対して、バイパス流路の外側をセンサボディの外面に沿って流れる外側空気の剥離点となる凸曲面部の終端位置が離れている。これにより、センサボディの凸曲面部の途中で外側空気が剥離するため、バイパス流路の流路出口の下流直後の圧力が不安定となり、流路出口から吸い出されるバイパス流れの吸い出し効果が低下する。したがって、バイパス流路を流れる流体流量が不安定となるので、センサボディよりも上流側で発生した吸気偏流に対する流量センサの測定誤差の低減効果が不十分であった。
また、特許文献2には、流量センサの流量測定素子が配設されるバイパス流路を形成するセンサボディの底面(吸気主流の流れ方向と平行な底面)に、バイパス流路の流路出口を設けた流量測定装置が記載されている。
この流量測定装置は、バイパス流路の流路出口の上流側の部位に、流路入口が開口する先端面の外周縁から流路出口まで底面より突出する高さが漸次高くなるような突出部を備えている。この突出部の外形形状の一部は、吸気主流の流れ方向に対して流線形状の凸曲面部により構成されている。
ところが、特許文献2に記載の流量測定装置においては、1つの流線形状の凸曲面部で、バイパス流路の外側を凸曲面に沿って流れる外側空気に流れの剥離が生じないようにすると、凸曲面の曲率半径を小さくする必要がある。この場合、突出部がセンサボディの底面から急激な立ち上がり(空気の流れを跳ね上げる)形状となるので、バイパス流路の外側を通過する吸気主流の通気抵抗(吸気抵抗)が大きくなる。
一方、凸曲面の曲率半径を大きくした場合には、凸曲面は緩やかな立ち上がり(空気の流れを跳ね上げ)形状となるが、凸曲面の下流側、特にバイパス流路の流路出口の外側での剥離が懸念される。これにより、センサボディよりも上流側で発生した吸気偏流に対する流量センサの測定誤差の低減効果が小さくなってしまう。
特許第4488031号公報 特開2010−014489号公報
本発明の目的は、流体通路を流れる流体の一部を取り込むバイパス流路にセンサを配置したハウジングよりも流体の流れ方向の上流側で発生した流体の流速分布のばらつき(偏流)に対するセンサの流量測定素子における流量測定値の変化を低減することのできる流量測定装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、ハウジング(の外面または側面または外壁面)に、凸曲面形状の凸曲面部および突条形状の突条フィンを設けているので、ハウジングよりも上流側の流体の流速分布のばらつき(偏流)に対するセンサの流量測定素子における流量測定値の影響(変化)を低減することができる。
これによって、ハウジングよりも上流側の流体流れの流速分布に偏流が発生した場合でも、バイパス流路の外側を通過する外側流体が、ハウジングの外面に沿って流れ、バイパス流路の流路出口よりも離れた位置で、ハウジングの外面に沿って流れる外側流体が剥離することがなく、バイパス流路の出口端に到達する。
これにより、バイパス流路の流路出口の下流直後の圧力が安定するため、流路出口から吸い出されるバイパス流れの吸い出し効果が安定する。したがって、バイパス流路を流れる流体流量が安定するので、ハウジングよりも流体の流れ方向の上流側(流体通路の上流側)で発生した偏流に対するセンサの流量測定素子における流量測定値の変化を低減することができる。
また、流体通路の上流側の流体流れの流速分布のばらつき(例えばエアクリーナのフィルタエレメントの組付誤差、フィルタエレメントの個体差やフィルタエレメントの目詰まり等の経時変化)によるセンサ出力特性の変化を低減することができる。
また、ハウジング(の外面または側面または外壁面)に、凸曲面形状の凸曲面部および突条形状の突条フィンを設けているので、凸曲面部の肉厚を従来の技術よりも薄肉化できる。これにより、合成樹脂製のハウジングの場合、樹脂成形後の熱収縮量を減少させることができる。
また、ハウジングの外面からの突条形状の突条フィンの突き出し量を従来の技術よりも小さくできるので、流体通路の通路断面積を狭くする側に張り出す突条フィンを設けても、バイパス流路の外側を通過する流体の流れの通気抵抗の増大を抑えることができる。
ダクトに取り付けられたエアフロメータを示した外観図である(実施例1)。 図1を矢印II方向から見た矢視図である(実施例1)。 図1を矢印III方向から見た矢視図である(実施例1)。 ダクトに取り付けられたエアフロメータを示した断面図である(実施例1)。 図4のV−V断面図である(実施例1)。 (a)、(b)はエアフロメータを示した断面図である(実施例1)。 (a)はダクトに取り付けられたエアフロメータを示した背面図で、(b)、(c)はフィンを示した概略図である(実施例2)。 ダクトに取り付けられたエアフロメータを示した外観図である(実施例3)。 図8のIX−IX断面図である(実施例3)。 エアフロメータを示した断面図である(実施例3)。 (a)はエアフロメータを示した断面図で、(b)はアウトレットカバーを示した説明図である(実施例3)。 (a)はH/Lに対するAFM特性変化を示したグラフで、(b)はH/Lに対する通気抵抗を示したグラフである(実施例3)。 エアフロメータを示した断面図である(実施例4)。 ダクトに取り付けられたエアフロメータを示した外観図である(実施例5)。 ダクトに取り付けられたエアフロメータを示した外観図である(実施例6)。 ダクトに取り付けられたエアフロメータを示した外観図である(実施例7)。 (a)はダクトに取り付けられたエアフロメータを示した外観図で、(b)は(a)のXVII−XVII断面図である(実施例8)。 (a)はエアフロメータを示した断面図で、(b)はサイドボディを示した説明図である(実施例9)。 (a)、(b)はサイドボディの変形例を示した説明図である(実施例9)。 (a)はエアフロメータを示した断面図で、(b)はアウトレットカバーを示した説明図である(実施例10)。 (a)、(b)はアウトレットカバーの変形例を示した説明図である(実施例10)。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
[実施例1の構成]
図1ないし図6は、本発明を適用した流量測定装置(実施例1)を示したものである。
本実施例の流量測定装置は、例えば自動車等の車両に搭載される内燃機関(エンジン)の吸気ポートおよび燃焼室に吸入される吸入空気流量を測定するために使用される。
流量測定装置は、エンジンのダクト1の内部(流体通路である吸気通路2)を流れる吸入空気(吸気)の流量(吸気流量)に対応したセンサ出力信号を、外部回路であるエンジン制御ユニット(電子制御装置:ECU)に対して出力する熱式の空気流量計(エアフロメータ:以下AFM3)を備えている。
ここで、ECUは、制御処理や演算処理を行うCPU、制御プログラムまたは制御ロジックや各種データ(マップ等)を保存する記憶装置(ROMやRAM等のメモリ)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路、タイマー回路等の機能を含んで構成される周知のマイクロコンピュータが設けられている。
ECUは、AFM3より出力されるセンサ出力信号に基づいて吸気流量や流速を計測(算出)し、この算出した流量測定値をエンジン制御(例えば空燃比制御、燃料噴射制御等)に使用する。
また、ECUは、AFM3より出力されるセンサ出力信号に基づいて吸気流量だけでなく、吸気の流れ方向も検出する。
ここで、エンジン制御では、例えば検出した流量測定値に基づいて、インジェクタの噴孔からエンジンに噴射供給する燃料噴射量を演算する。そして、この演算された燃料噴射量に応じてインジェクタの通電時間(開弁期間)を可変制御する。
エンジンのダクト1とは、エアクリーナのアウトレットダクトまたはこれに接続する吸気ダクトのことである。
ここで、エアクリーナは、インレットダクトの上流端で開口した外気導入口より空気導入通路(吸気通)に導入される空気(外気)を濾過するフィルタエレメント(濾過エレメント)を有している。このフィルタエレメントは、吸気ダクトの上流端に接続されるエアクリーナケースの内部に収容保持されている。このエアクリーナケースは、アウトレットダクトやパイプ(またはホース)を介して、スロットルバルブを収容するスロットルボディに接続している。このスロットルボディは、サージタンクおよびインテークマニホールドを介して、エンジンの吸気ポートに接続している。
AFM3は、プラグイン方式によってダクト1に着脱自在に取り付けられている。このAFM3は、空気流量センサアセンブリ(以下流量センサ4)と、この流量センサ4を収容保持する合成樹脂製のハウジング(センサケース)とを備えている。
AFM3のセンサケースは、中空角筒状のバイパスハウジング5と、このバイパスハウジング5の上部にモールド成形されたコネクタハウジング6とを備えている。
バイパスハウジング5の内部には、ダクト1の吸気通路2を流れる吸気の一部が流入するバイパス流路8、9が形成されている。このバイパスハウジング5は、ダクト1の外部から、ダクト1の所定の位置に形成された取付孔を貫通してダクト1の内部に、しかも吸気通路2内に突き出すように挿し込まれている。
バイパス流路8、9の上流端には、ダクト1の吸気通路2の上流側に臨むようにバイパスハウジング5の上流側端面(先端面)で開口し、吸気通路2を流れる吸気の一部を取り込むためのバイパス入口部(バイパス入口:以下流路入口)10が設けられている。
また、バイパス流路8の下流端には、ダクト1の吸気通路2の下流側に臨むようにバイパスハウジング5の下流側端面(後端面)で開口し、バイパス流路8を通り抜けて吸気通路2の下流側へ向けて吸気を排出する第1バイパス出口部(バイパス出口:以下流路出口)11が設けられている。
また、バイパス流路9の下流側は、2つに分岐して分岐流路となっており、これらの分岐流路の出口端には、バイパス流路9を通り抜けて吸気通路2の下流側へ向けて吸気を排出する一対の第2バイパス出口部(バイパス出口:以下流路出口)12が設けられている。また、バイパス流路8の流路出口側には、吸気主流方向の下流側に向かう程、流路断面積が減少するテーパ状の流路絞り部13が設けられている。
なお、バイパスハウジング5の詳細は、後述する。
コネクタハウジング6は、バイパスハウジング5の上部開口部を閉塞するヘッドキャップである。コネクタハウジング6には、流量センサ4の回路チップと外部回路(ECU)との電気的な接続を行うコネクタが設けられている。
コネクタハウジング6には、取付ネジ等のスクリューによってダクト1の取付孔(開口部)14の開口周縁15に螺子締結されるフランジ16が一体的に形成されている。
このコネクタは、相手側コネクタとの嵌合方向(コネクタ接続方向)へ向けて延設された角筒状のコネクタケースと、コネクタハウジング6の成形材料であるモールド樹脂材によるインサート成形によりコネクタハウジング6の内部に固定(埋設保持)された複数のターミナルとを備えている。
複数のターミナルは、コネクタケースの内部空間内に突出して露出した外部接続端子であって、複数の電線(ワイヤハーネス)を介して、ECUにそれぞれ電子接続(導通接合)されている。
流量センサ4は、バイパスハウジング5に支持固定されるセンサ支持体21と、このセンサ支持体21の表面上に搭載されるセンサチップ22と、このセンサチップ22と電気接続される回路チップと、周囲の温度(吸気温度)を検出する吸気温度検出抵抗体(吸気温度センサ抵抗体:RK)とを備えている。
なお、回路チップ、この回路チップ上に搭載される回路部、および吸気温度検出抵抗体(RK)は、いずれも図示を省略している。
センサ支持体21は、センサチップ22の流量検出部がバイパス流路9内に露出するように、センサチップ22を収容する収容凹部を有している。このセンサ支持体21は、センサチップ22を搭載するだけでなく、回路チップも搭載している。また、センサ支持体21は、センサチップ22および回路チップを搭載した状態で、バイパスハウジング5の所定の取付箇所に取り付けられている。
センサチップ22は、バイパス流路9を流れる吸気の流れ方向(バイパス流れ方向)と平行な平板状のシリコン半導体基板を含んで構成されている。このシリコン半導体基板の先端側の表面上には、絶縁膜を介して、流量測定素子である流量検出部が所定のパターンで形成されている。なお、センサチップ22には、シリコン半導体基板を裏面からエッチングすることによってメンブレン(薄肉部)が形成されている。
センサチップ22の基端側(流量検出部以外の部位)には、ボンディングワイヤ(図示せず)を介して、回路チップの電極部(電極パッド群)と電気接続するための電極部(電極パッド群)が形成されている。
流量検出部は、バイパス流路9を流れる吸気流量に対応したアナログ電圧信号を回路部に対して出力するセンサ素子を構成するもので、センサチップ22のメンブレンの中央に発熱抵抗体(RH)を配置し、この発熱抵抗体を中心にしてバイパス流れ方向に沿った上下流側に空気温度検出抵抗体(空気温度センサ抵抗体:RU、RD)を配置している。この流量検出部は、バイパス流路9内に露出(突出)するように配置されている。
センサチップ22のメンブレン上において発熱抵抗体(RH)の発熱の影響を受け易い場所には、一対の空気温度検出抵抗体(RU、RD)が配置されている。また、センサチップ22上において、発熱抵抗体(RH)の発熱の影響を受けない場所(メンブレン以外の場所)には、吸気温度検出抵抗体(RK)が配置されている。
発熱抵抗体(RH)は、温度により抵抗値が変化する感温抵抗体であり、自身を流れる加熱電流により高温に発熱する薄膜状のヒータ抵抗体である。この発熱抵抗体(RH)は、センサチップ22のメンブレン上に所定のパターンで薄膜形成されている。また、発熱抵抗体は、自身の配線部、自身の電極部(電極パッド)およびボンディングワイヤを介して、回路チップの電極パッドに電気接続されている。
吸気温度検出抵抗体(RK)は、自身の抵抗値が周囲の温度により変化する薄膜状の感温抵抗体である。
空気温度検出抵抗体(RU、RD)は、自身の抵抗値が周囲の温度により変化する薄膜状の感温抵抗体である。この空気温度検出抵抗体(RU、RD)は、自身の配線部、自身の電極部(電極パッド)およびボンディングワイヤを介して、回路チップの電極パッドに電気接続されている。
空気温度検出抵抗体(RU)は、発熱抵抗体(RH)よりもバイパス流れ方向の上流側に配置されている。
空気温度検出抵抗体(RD)は、発熱抵抗体(RH)よりもバイパス流れ方向の下流側に配置されている。
回路チップは、平板状のシリコン半導体基板を含んで構成されている。このシリコン半導体基板の表面上には、回路部が搭載されている。
回路部は、発熱抵抗体(RH)の駆動を制御するヒータ駆動回路部、およびセンサチップ22から出力される信号(例えばアナログ電圧信号)に各種の処理を施して出力する信号処理回路部(集積回路部)等を備えている。
ヒータ駆動回路部は、発熱抵抗体(RH)の加熱温度と吸気温度検出抵抗体(RK)で検出される吸気温度との温度偏差が一定値になるように、発熱抵抗体(RH)に供給する電力(加熱電流)を制御している。つまりヒータ駆動回路部は、発熱抵抗体(RH)を通電(電流)制御するヒータ制御回路である。
ここで、発熱抵抗体(RH)の加熱温度は、吸気温度検出抵抗体(RK)の抵抗値に基づいて決定され、ヒータ駆動回路部により周囲の温度(吸気温度検出抵抗体(RK)によって検出される吸気温度)に対してほぼ一定の温度差(ΔT)となるように通電制御される。具体的には、例えば温度差ΔTが150度に制御されている場合、周囲の温度(吸気温度)が20℃のとき、発熱抵抗体(RH)の温度が約170℃となるように通電制御され、また、周囲の温度(吸気温度)が40℃のとき、発熱抵抗体(RH)の温度が約190℃となるように通電制御される。
信号処理回路部は、センサチップ22から出力される信号(例えばアナログ電圧信号)をデジタル値に変換するADC(アナログ・デジタル・コンバータ)、デジタル化された電圧に各種の演算処理を施すDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、このDSPから出力されるデジタル値をアナログ値に変換してECUへ出力するDAC(デジタル・アナログ・コンバータ)、DSPによる演算処理に必要な各種の数値等を記憶するメモリ(EEPROM)等を有している。EEPROMには、流量センサ4の感度やオフセットの調整値、工場出荷時のセンサ出力特性値等が記憶されている。
なお、本実施例では、DSPから出力されるデジタル値をアナログ値に変換してECUへ出力する例を示しているが、DACに代えて、デジタル値をパルス信号の周波数に変換して出力するDFC(デジタル・フリークエンシー・コンバータ)を採用することもできる。また、デジタル値をそのままECUへ出力するようにしても構わない。
次に、本実施例のバイパスハウジング5の詳細を図1ないし図6に基づいて簡単に説明する。
バイパスハウジング5は、合成樹脂によって一体的に形成されている。このバイパスハウジング5の内部には、ダクト1の吸気通路2を流れる吸気流の一部が取り込まれるバイパス流路8、9が形成されている。
バイパス流路8は、ダクト1の吸気通路2を流通する吸気主流方向に平行となるように形成され、ダクト1の吸気通路2を迂回する空気流路(直線流路)である。
バイパス流路9は、バイパス流路8を流れる吸気(バイパス流れ)の一部が流入し、且つダクト1の吸気通路2を迂回する空気流路(旋回流路)である。
バイパス流路9には、バイパス流路8の流路絞り部13よりもバイパス流れ方向の上流側でバイパス流路8から分岐する第1分岐部、およびこの第1分岐部よりもバイパス流れ方向の下流側で、且つ流路出口12よりもバイパス流れ方向の上流側で2つのバイパス分岐流路31に分岐する第2分岐部が設けられている。
バイパス分岐流路31は、バイパスハウジング5の両側面と後述する各凸曲面部41の内面との間に形成されている。なお、流路出口12は、バイパス分岐流路31の下流端(バイパスハウジング5の下流端)で開口している。
また、バイパス流路9の第1分岐部と第2分岐部との間には、バイパス流れ方向が180度変化(Uターン)するUターン部32が設けられている。このUターン部32の中央部には、流量センサ4がセンサチップ22の流量検出部を露出するように設置されている。つまりバイパス流路9は、流量センサ4のセンサチップ22を通過する内側吸気が流れるセンサ流路である。
バイパスハウジング5の内部には、主にバイパス流路8の全体(流路入口10から流路出口11まで)、およびバイパス流路9の一部(Uターン部32等)が形成されている。 バイパス流路8、9の流路入口10は、楕円形状に形成されて、バイパスハウジング5の上流端面(先端面)で開口している。この流路入口10は、円筒状のダクト1の中心付近で開口している。
バイパス流路8の流路出口11は、流路入口10の開口面積よりも小さい円形状に形成されて、バイパスハウジング5の下流端面(後端面)で開口している。この流路出口11は、円筒状のダクト1の中心付近で開口している。そして、流路出口11から吸気通路2の下流側へ排出される吸気流れ方向(第1バイパス出口流れ方向)は、バイパス流路8の外側を通過する吸気主流の流れ方向に対して略平行な方向に設定されている。
なお、本実施例のAFM3においては、バイパス流路9における流路長L2を、バイパス流路9を通らずに吸気通路2を直進した場合の流路長L1よりも長くすることで、L2/L1の数値に応じた流量測定値の嵩上げ幅を設定して流量測定値のマイナス側誤差の解消を図っている。
バイパス流路9の流路出口12は、半楕円形状に形成されて、バイパスハウジング5の下流端で開口している。これらの流路出口12は、流路出口11よりも図示上方側で開口している。そして、流路出口12から吸気通路2の下流側へ排出される吸気流れ方向(第2バイパス出口流れ方向)は、バイパス流路9の外側を通過する吸気主流の流れ方向に対して略平行な方向に設定されている。
バイパスハウジング5の上流部には、図5および図6(a)に示したように、平面形状の前面部(平面部)33および平面形状の側面部(平面部)34が設けられている。なお、バイパスハウジング5の上流端に、図6(b)に示したように、凸曲面(流線)形状の先端部35を設けても良い。
バイパスハウジング5には、バイパス流路9の流路出口12の開口周縁近傍およびバイパス流路9の各バイパス分岐流路31の両側方を覆うと共に、バイパス流路8、9の入口端からバイパス流路9の出口端まで延びる凸曲面(流線)形状の膨出部(以下サイドボディ)37が一体的に設けられている。
バイパスハウジング5の下流部には、図5および図6に示したように、平面形状の後面部(平面部)38および平面形状の側面部(平面部)39が設けられている。
バイパスハウジング5の幅方向(吸気主流方向に対して垂直な幅方向)の両側面、つまりサイドボディ37には、凸曲面(流線)形状の凸曲面部41が設けられている。
一対の凸曲面部41は、バイパス流路9の外側を通過し、且つ自身の外面(凸曲面)に沿って流れる外側吸気を凸曲面から剥離させることなく、下流側の突条フィン42の跳ね上げ部43へ送る。
一対の凸曲面部41は、バイパス流路8、9の入口端またはその近傍からバイパス流路9の出口端近傍へ向けて徐々にバイパスハウジング5の外側に膨らむように湾曲した膨出部(第1、第2凸曲面部)である。これらの凸曲面部41は、バイパス流路8、9の入口端またはその近傍からバイパス流路9の出口端近傍まで延設されている。
一対の凸曲面部41は、バイパス流路9の入口端またはその近傍からバイパス流路9の出口端近傍に渡って徐々に曲率半径が大きくなるように滑らかな連続曲面で形成されている。
一対の凸曲面部41は、バイパス分岐流路31の周囲を部分的に取り囲むように設定されている。なお、一対の凸曲面部41を、バイパス分岐流路31の周囲近傍およびバイパス流路9の出口端の周囲近傍に少なくとも一方向(例えば図示左右方向)にのみ設定しても良い。
ここで、図6(a)に示したように、凸曲面形状の凸曲面部41が突条フィン42の上流端からバイパス流路8、9の入口端近傍(側面部34の下流端)まで延びている場合、バイパスハウジング5の上流端、つまり凸曲面部41の上流端(前面部33と側面部34との交差稜線のR面取り部)の曲率半径は、R=0.5以上に設定されている。
また、図6(b)に示したように、凸曲面形状の凸曲面部41が突条フィン42の上流端からバイパス流路8、9の入口端まで延びている場合、バイパスハウジング5のの上流端、つまりバイパス流路8、9の入口端(先端部35のR面取り部のアール)の曲率半径は、R=0.5以上に設定されている。
バイパスハウジング5の外面、つまりサイドボディ37において各凸曲面部41の下流端からは、突条形状の突条フィン42が段差無く、滑らかに連続して設けられている。つまりバイパスハウジング5の下流端部には、凸曲面部41の下流端よりもバイパスハウジング5の外側へ所定の突出量分だけ張り出した一対の突条フィン42がそれぞれ形成されている。
一対の突条フィン42は、凸曲面部41の下流端からバイパス流路9の出口端まで延設されている。これらの突条フィン42は、凸曲面部41の外面に沿って流れる外側吸気をバイパスハウジング5の外側へ跳ね上げることで、バイパス流路9の出口端で外側吸気をバイパスハウジング5の外面から剥離させる跳ね上げ部43を有している。
一対の突条フィン42の表面(上流側面)は、凸曲面部41の下流端からバイパス流路9の出口端へ向けて徐々にバイパスハウジング5の外側への突き出し量が大きくなる(上り勾配となる)ように傾斜したテーパ面で形成されている。
一対の突条フィン42は、流路出口12の周囲を部分的に取り囲むように設定されている。なお、一対の突条フィン42を、バイパス流路9の出口端の周囲近傍に少なくとも一方向(例えば図示左右方向)にのみ設定しても良い。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例のAFM3においては、バイパスハウジング5の外面に、凸曲面部41および突条フィン42を設けることにより、例えばエアクリーナのフィルタエレメントの組付誤差、フィルタエレメントの個体差やフィルタエレメントの目詰まり等の経時変化等に起因して、バイパスハウジング5よりも上流側の吸気流れの流速分布の変化(吸気偏流)が発生した場合でも、バイパスハウジング5よりも上流側の吸気の流速分布のばらつき(吸気偏流)に対する流量センサ4の流量検出部における流量測定値の影響(変化)を低減することができる。
これによって、バイパスハウジング5よりも上流側の吸気流れの流速分布の変化(吸気偏流)が発生した場合でも、バイパス流路8、9の外側を通過する外側吸気(例えば吸気主流)が、凸曲面部41の外面に沿って流れる。そして、凸曲面部41の外面に沿って流れる外側吸気は、バイパス流路9の流路出口12よりも離れた位置で剥離することがなく、バイパス流路9の出口端に到達する。
この結果、流路出口12の下流直後の圧力が安定するため、流路出口12から吸い出されるバイパス流れの吸い出し効果が安定する。したがって、バイパス流路9を流れる吸気流量が安定するので、バイパスハウジング5よりも吸気流れ方向の上流側(吸気通路2の上流側)で発生した吸気偏流に対する流量センサ4の流量検出部における流量測定値の変化を低減することができる。
また、吸気通路2の上流側の吸気流れの流速分布のばらつき(例えばエアクリーナのフィルタエレメントの組付誤差、フィルタエレメントの個体差やフィルタエレメントの目詰まり等の経時変化)による流量センサ4の出力特性の変化を低減することができる。
また、本実施例のAFM3においては、バイパスハウジング5の外面(サイドボディ37)に、凸曲面形状の凸曲面部41および突条形状の突条フィン42を設けている、つまり凸曲面部41と突条フィン42の合わせ技のため、凸曲面部41の肉厚を従来の技術よりも薄肉化できるので、バイパスハウジング5を構成する成形材料である合成樹脂の成形収縮量を小さくすることができる。
また、バイパスハウジング5の外面からの突条フィン42の突き出し量を従来の技術よりも小さくできるので、吸気通路2の通路断面積を狭くする側に張り出す突条フィン42を設けた場合であっても、バイパス流路9の外側を通過する吸気の流れの通気抵抗(例えば吸気主流の吸気抵抗)の増大を抑えることができる。
ところで、仮にバイパスハウジング5の外面に凸曲面形状の凸曲面部41のみを設けた場合、凸曲面部41の下流側で、つまりバイパス流路9の出口端に到達する前に、凸曲面部41の外面に沿って流れる外側吸気が剥離する懸念がある。
しかし、凸曲面部41の下流端からバイパス流路9の出口端まで延びる突条フィン42に、バイパス流路9の外側を流れる外側吸気が再付着するため、吸気偏流が大きい場合であっても、バイパス流路9の外側を流れる外側吸気の剥離点がバイパス流路9の出口端に固定されるため、流路出口12から吸気通路2の下流側に排出される吸気の流れを安定させることができる。
また、バイパス流路9の出口端の周囲近傍に少なくとも一方向に凸曲面部41および突条フィン42が設定されていることにより、バイパス流路9の出口端でバイパスハウジング5の凸曲面部41の外面に沿って流れる外側吸気を剥離させることができ、且つ流路出口12近傍で外側吸気を剥離させることができるので、流路出口12の下流直後の圧力が安定する。これにより、バイパスハウジング5よりも吸気流れ方向の上流側(吸気通路2の上流側)で発生した吸気偏流に対する流量センサ4の流量検出部における流量測定値の変化を低減する耐偏流性能が良好となる。
また、流路出口12から吸気通路2の下流側へ排出される吸気の流れ方向(第2バイパス出口流れ方向)は、バイパス流路9の外側を通過する吸気流れ方向(例えば吸気主流方向)に対して略平行な方向に設定されている。つまり流路出口12からの噴き出し方向(第2バイパス出口流れ方向)が、バイパス流路9の外側を通過する吸気主流方向に対して垂直な横方向や下方向ではない。
これによって、バイパス流路9の外側を通過する吸気の流れ方向と略同じ方向にバイパス出口流が噴き出されるため、バイパス出口流とバイパスハウジング5の凸曲面部41の外面に沿って流れる外側吸気の流れがスムーズに合流し、流路出口12よりも下流側での吸気の流れが乱れ難くなる。これにより、流量センサ4の計測安定性が良好となる。
また、バイパス流路8、9の入口端またはその近傍に位置する、凸曲面部41の上流端の曲率半径(R)は、R=0.5以上に設定されている。
これによって、バイパス流路8、9の入口端での、バイパス流路9の外側を通過し、且つバイパスハウジング5の凸曲面部41の外面に沿って流れる吸気流れの剥離を防ぐことができる。
また、低流量または中流量時よりも吸気通路2を多くの吸気が流れる高流量時における、バイパス流路9の外側を通過し、且つバイパスハウジング5の凸曲面部41の外面に沿って流れる吸気の流れの通気抵抗(例えば吸気主流の吸気抵抗)の増大を抑えることができる。
また、バイパスハウジング5の上流端の曲率半径は、R=0.5以上に設定されている。
これによって、バイパスハウジング5の上流端での外側吸気の流れの剥離を防ぐことができる。
また、低流量または中流量時よりも吸気通路2を多くの吸気が流れる高流量時(スロットルバルブの全開時等)における、バイパスハウジング5の上流端での外側吸気の流れの通気抵抗(例えば吸気主流の吸気抵抗)の増大を抑えることができる。
また、AFM3においては、エンジンの燃焼室に導入する吸気主流が流れる吸気通路2に直接的に流量センサ4のセンサチップ22の流量検出部(流量測定素子)を配置するのではなく、吸気通路2を流れる吸気の一部を取り込むバイパスハウジング5のバイパス流路9にセンサチップ22の流量検出部を配置することにより、吸気通路2における吸気主流の乱れの影響を直接的に受けることなく、ばらつきの少ない流量測定値を外部回路(ECU等)に対して出力することができる。
[実施例2の構成]
図7は、本発明を適用した流量測定装置(実施例2)を示したものである。
ここで、実施例1と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例の突条フィン42aは、流路出口12の周囲(開口周縁)を部分的に取り囲むように設定されている。具体的には、図7(b)に示したように、バイパス流路9の出口端の周囲近傍に少なくとも一方向(例えば図示左方向および図示右方向)に突条フィン42aが設定されている。これにより、凸曲面部41の左右面(凸曲面)に沿って流れる外側吸気の剥離を防止することができる。
また、本実施例の突条フィン42bは、流路出口12の周囲(開口周縁)を部分的に取り囲むように設定されている。具体的には、図7(c)に示したように、バイパス流路9の出口端の周囲近傍に少なくとも三方向(例えば図示上下方向、図示左方向および図示右方向)に突条フィン42bが設定されている。これにより、凸曲面部41の上側面、下側面および左側面または右側面に沿って流れる外側吸気の剥離を防止することができる。
以上のように、本実施例のAFM3においては、実施例1と同様な効果を奏する。
すなわち、流路出口12の開口周縁近傍に少なくとも一方向に突条フィン42(42a、42b)が設定されていることにより、バイパス流路9の出口端でバイパスハウジング5の外面に沿って流れる外側吸気を剥離させることができ、且つ流路出口12近傍で外側吸気を剥離させることができる。
これによって、バイパス流路9の流路出口12の下流直後の圧力が安定する。これにより、バイパスハウジング5よりも吸気流れ方向の上流側(吸気通路2の上流側)で発生した吸気偏流に対する流量センサ4の流量検出部における流量測定値の変化を低減する耐偏流性能が良好となる。
[実施例3の構成]
図8ないし図12は、本発明を適用した流量測定装置(実施例3)を示したものである。
ここで、実施例1及び2と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例のAFM3のセンサケースは、両側面に凸曲面(流線)形状の凸曲面部44を有する中空角筒状のバイパスハウジング5と、このバイパスハウジング5の上部にモールド成形されたコネクタハウジング6と、バイパスハウジング5の側方および凸曲面部44の外面を覆う凸曲面(流線)形状のアウトレットカバー7とを備えている。
バイパスハウジング5の両側面(外面)の一部には、バイパス流路9の外側を通過し、且つ自身の外面(凸曲面)に沿って流れる外側吸気を凸曲面から剥離し難くする一対の凸曲面部(膨出部、サイドボディ)44がそれぞれ設けられている。
一対の凸曲面部44は、バイパス流路8、9の入口端またはその近傍からバイパス流路9の出口端へ向けて徐々にバイパスハウジング5の外側へ膨らむように湾曲している。これらの凸曲面部44は、バイパス流路8、9の入口端またはその近傍からバイパス流路9の出口端まで延設されている。
一対の凸曲面部44は、バイパス流路8、9の入口端またはその近傍からバイパス流路9の出口端に渡って徐々に曲率半径が大きくなるように滑らかな連続曲面で形成されている。
一対のアウトレットカバー7は、バイパスハウジング5の両側面、一対のバイパスハウジング5の外面、およびバイパス流路9の流路出口12の開口周縁近傍を覆うと共に、バイパスハウジング5の外面(凸曲面部44の凸曲面)との間に外側流路45を隔てて対向する半楕円(アーチ)形状の出口蓋である。
これらのアウトレットカバー7は、所定の距離を隔てて対向して配置される一対の出口蓋取り付け整流板46、47をそれぞれ備えている。そして、一対のアウトレットカバー7は、バイパスハウジング5の両側面から外側へ突出する各凸曲面部44を跨ぐように、しかも一対の出口蓋取り付け整流板46、47の先端部分を繋ぐように架設されている。
外側流路45は、バイパス流路9の外側を通過し、且つバイパスハウジング5およびバイパスハウジング5の外面に沿うように外側吸気が流れる流路である。
出口蓋取り付け整流板46、47は、バイパスハウジング5の外面にそれぞれ1組ずつ設けられて、バイパスハウジング5の両側面からバイパスハウジング5の外側へ向けて突出する突出壁である。これらの出口蓋取り付け整流板46、47は、凸曲面部44を挟み込んだ状態で、所定の距離を隔てて対向するように配置されて、凸曲面部44の最大突出部分よりも出口蓋取り付け整流板46、47の先端部分がバイパスハウジング5の外側へ突き出している。
2つのアウトレットカバー7の外面(外側面)には、凸曲面(流線)形状の凸曲面部51がそれぞれ設けられている。
一対の凸曲面部51は、バイパス流路9の外側を通過し、且つ自身の外面(凸曲面)に沿って流れる外側吸気を凸曲面から剥離させることなく、突条フィン52の跳ね上げ部53へ送る。
一対の凸曲面部51は、アウトレットカバー7の上流端またはその近傍からアウトレットカバー7の下流端近傍へ向けて徐々にアウトレットカバー7の外側に膨らむように湾曲した膨出部(第3、第4凸曲面部)である。これらの凸曲面部51は、アウトレットカバー7の上流端またはその近傍からアウトレットカバー7の下流端近傍まで延設されている。
一対の凸曲面部51は、アウトレットカバー7の上流端またはその近傍からアウトレットカバー7の下流端近傍に渡って徐々に曲率半径が大きくなるように滑らかな連続曲面で形成されている。
ここで、図10に示したように、凸曲面形状の凸曲面部44がバイパス流路9の出口端からバイパス流路8、9の入口端近傍(側面部34の下流端)まで延びている場合、バイパスハウジング5の上流端、つまり凸曲面部44の上流端(前面部33と側面部34との交差稜線のR面取り部)の曲率半径は、R=0.5以上に設定されている。
また、アウトレットカバー7の上流端の曲率半径(アウトレットカバー7の上流部の内側のR面取り部のアール、外側のR面取り部のアール)は、R=0.5以上に設定されている。
アウトレットカバー7の外面において凸曲面部51の下流端からは、突条形状の突条フィン52が段差無く、滑らかに連続して設けられている。つまりアウトレットカバー7の下流端部には、凸曲面部51の下流端よりもアウトレットカバー7の外側へ所定の突出量分だけ張り出した一対の突条フィン52がそれぞれ形成されている。
一対の突条フィン52は、凸曲面部51の下流端からアウトレットカバー7の下流端まで延設されている。これらの突条フィン52は、凸曲面部51の外面に沿って流れる外側吸気をアウトレットカバー7の外側へ跳ね上げることで、アウトレットカバー7の下流端で外側吸気をアウトレットカバー7の外面から剥離させる跳ね上げ部53を有している。 一対の突条フィン52の表面(上流側面)は、凸曲面部51の下流端からアウトレットカバー7の下流端へ向けて徐々にアウトレットカバー7の外側への突き出し量が大きくなる(上り勾配となる)ように傾斜したテーパ面で形成されている。
以上のように、本実施例のAFM3においては、バイパス流路9の流路出口12よりも外側に設置されたアウトレットカバー7の外面に凸曲面部51および突条フィン52を設けたことにより、アウトレットカバー7の下流端で流路出口12から吸気通路2の下流側へ排出される吸気の流れ(バイパス出口流)が安定する。これにより、バイパスハウジング5よりも吸気流れ方向の上流側(吸気通路2の上流側)で発生した吸気偏流に対する流量センサ4の流量検出部における流量測定値の変化を低減する耐偏流性能が良好となる。
また、バイパスハウジング5のバイパスハウジング5やバイパスハウジング5の上流端の曲率半径は、R=0.5以上に設定されている。
これによって、バイパスハウジング5の上流端での、バイパス流路9の外側を通過し、且つバイパスハウジング5の凸曲面部41の外面に沿って流れる外側吸気の流れの剥離を防ぐことができる。
また、低流量または中流量時よりも吸気通路2を多くの吸気が流れる高流量時(スロットルバルブの全開時等)における、バイパス流路9の外側を通過し、且つバイパスハウジング5の凸曲面部41の外面に沿って流れる外側吸気の流れの通気抵抗(例えば吸気主流の吸気抵抗)の増大を抑えることができる。
また、アウトレットカバー7の上流端の曲率半径は、R=0.5以上に設定されている。
これによって、アウトレットカバー7の上流端での外側吸気流れの剥離を防ぐことができる。
また、低流量または中流量時よりも吸気通路2を多くの吸気が流れる高流量時(スロットルバルブの全開時等)における、アウトレットカバー7の上流端での外側吸気の流れの通気抵抗(例えば吸気主流の吸気抵抗)の増大を抑えることができる。
[実施例3の実験結果]
次に、図11(a)、(b)に示したように、アウトレットカバー7の吸気主流方向に平行な長さ(L)と、アウトレットカバー7の軸線からの突条フィン52の突き出し量(H)との比率(H/L)を種々変化させて、AFM特性変化(%)および吸気主流の通気抵抗(kPa)がどのように変化するかについて調査した複数の実験について説明する。 第1の実験は、H/Lを変化させ、AFM特性変化について調査したもので、その実験結果を図12(a)のグラフに示した。
この図12(a)のグラフからも確認できるように、H/Lが設計範囲の下限値よりも小さくなると、急激にAFM特性変化が悪化し、AFM3(AFM)よりも上流側で発生した偏差に対するセンサ出力特性の変化を低減する効果が出ない傾向にあることが分かる。
また、H/Lが設計範囲の上限値よりも大きくなると、流路出口12が突条フィン52の吸気流れ跳ね上げ部から離れるため、急激にAFM特性変化が悪化し、上記の効果が出ない傾向にあることが分かる。
そして、H/Lが設計範囲内では、センサ出力特性の変化を低減する効果が良好となる傾向にあることが分かる。
また、第2の実験は、H/Lを変化させ、吸気主流の通気抵抗について調査したもので、その実験結果を図12(b)のグラフに示した。
この図12(b)のグラフからも確認できるように、H/Lが大きくなる程、吸気主流の通気抵抗が悪化する傾向にあることが分かる。このため、H/Lを適正化することで、吸気主流の通気抵抗の悪化を抑えることができる。したがって、上記の設計範囲内にH/Lを設定することで、AFM特性変化の低減効果および吸気主流の通気抵抗の低減効果を満足することができる。
以上のように、本実施例のAFM3においては、実施例1及び2と同様な効果を奏する。
[実施例4の構成]
図13は、本発明を適用した流量測定装置(実施例4)を示したものである。
ここで、実施例1〜3と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例のアウトレットカバー7の内面には、凸曲面(流線)形状の凸曲面部61が設けられている。
一対の凸曲面部61は、バイパス流路9の外側を通過し、且つ自身の内面(凸曲面)に沿って流れる外側吸気を凸曲面から剥離させることなく、突条フィン62の跳ね上げ部63へ送る。
一対の凸曲面部61は、アウトレットカバー7の上流端またはその近傍からアウトレットカバー7の下流端近傍へ向けて徐々にアウトレットカバー7の外側へ膨らむように湾曲した膨出部(第5、第6凸曲面部)である。これらの凸曲面部61は、アウトレットカバー7の上流端またはその近傍からアウトレットカバー7の下流端近傍まで延設されている。
一対の凸曲面部61は、アウトレットカバー7の上流端またはその近傍からアウトレットカバー7の下流端近傍に渡って徐々に曲率半径が大きくなるように滑らかな連続曲面で形成されている。
2つのアウトレットカバー7の内面において各凸曲面部61の下流端からは、突条形状の突条フィン62が段差無く、滑らかに連続して設けられている。つまりアウトレットカバー7の下流端部には、凸曲面部61の下流端よりもアウトレットカバー7の内側へ所定の突出量分だけ張り出した一対の突条フィン62がそれぞれ形成されている。
一対の突条フィン62は、凸曲面部61の下流端からアウトレットカバー7の下流端まで延設されている。これらの突条フィン62は、凸曲面部61の内面に沿って流れる外側吸気をアウトレットカバー7の内側へ跳ね上げることで、アウトレットカバー7の下流端で外側吸気をアウトレットカバー7の内面から剥離させる跳ね上げ部63を有している。 一対の突条フィン62の表面(上流側面)は、凸曲面部61の下流端からアウトレットカバー7の下流端へ向けて徐々にアウトレットカバー7の外側への突き出し量が大きくなる(上り勾配となる)ように傾斜したテーパ面で形成されている。
これによって、アウトレットカバー7の内面においても、アウトレットカバー7の内面に沿って流れる吸気の流れの剥離を抑制することができるので、アウトレットカバー7の下流端でバイパス流路9の流路出口12から吸気通路2の下流側へ排出される吸気の流れ(バイパス出口流)が安定する。これにより、アウトレットカバー7の内側で渦流が発生する不具合を防止することができる。
以上のように、本実施例のAFM3においては、実施例1〜3と同様な効果を奏する。
[実施例5の構成]
図14は、本発明を適用した流量測定装置(実施例5)を示したものである。
ここで、実施例1〜4と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例の出口蓋取り付け整流板46、47の上下壁面には、実施例3の凸曲面部51と同様な形状の凸曲面部71、および実施例3の突条フィン52と同様な形状の突条フィン72の跳ね上げ部73が設けられている。これによって、ダクト1の吸気通路2に生じた上下方向の吸気偏流に対する流量センサ4の流量検出部における流量測定値の変化を低減する耐偏流性能が良好となる。
以上のように、本実施例のAFM3においては、実施例1〜4と同様な効果を奏する。
[実施例6の構成]
図15は、本発明を適用した流量測定装置(実施例6)を示したものである。
ここで、実施例1〜5と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例のアウトレットカバー7は、出口蓋取り付け整流板46、47の下流側に、出口流路74の流路断面積を絞る一対の流路絞り部75がそれぞれ設けられている。
一対の流路絞り部75は、流路出口12および出口流路74よりも下流側で開口した吸気(流体)出口76またはその上流側近傍に設けられている。これらの流路絞り部75は、出口蓋取り付け整流板46、47の下流側を内側に円弧状に湾曲させることで、出口流路74の流路断面積を徐々に絞るように構成されている。
出口流路74は、バイパス流路9を通り抜けて流路出口12から排出される内側吸気の流れ(第2バイパス出口流れ)とバイパス流路9の外側を通過する外側吸気の流れとの混合流体が流れる流路である。
以上のように、本実施例のAFM3においては、実施例1〜5と同様な効果を奏する。 ところで、例えば自動車等の車両に搭載されるエンジンにおいては、ターボチャージャのコンプレッサやエンジンの吸気弁の作動に起因する吸気の圧力脈動(吸気脈動の圧力波)が吸気ダクトの吸気通路内を伝播している。
このため、ダクト1の吸気通路2を流れる吸気流量は、吸気脈動の圧力波の大側ピーク値と小側ピーク値との間で振動しながら経時変化する。これにより、ダクト1に設置されるAFM3の流量センサ4により検出される流量測定値は、真値としての吸気脈動の中心値よりも低くなって、マイナス側の誤差が発生する。
そこで、本実施例のAFM3においては、実施例1と同様にして、バイパス流路9における流路長L2を、バイパス流路9を通らずに吸気通路2を直進した場合の流路長L1よりも長くすることで、L2/L1の数値に応じた流量測定値の嵩上げ幅を設定して流量測定値のマイナス側誤差の解消を図っている。
ところで、流量測定値のマイナス側誤差は、吸気通路2を流れる吸気主流の吸気量に応じて変動するものであり、吸気量が大きい程マイナス側誤差が大きくなる傾向にある。これにより、吸気量が特定値であるときに関してマイナス側誤差がゼロになるようにL2/L1を設定しても、例えば吸気量が特定値から小側に変動すると、L2/L1による流量測定値の嵩上げ幅が過大となって、逆にプラス側誤差を含んだ流量測定値をAFM3からECUに対して出力してしまう。
すなわち、熱式の流量センサ4を備えたAFM3により圧力脈動を伴う吸気量を測定する場合、L2/L1の設定によりマイナス側誤差およびプラス側誤差を過不足なく解消できる流量の測定範囲(誤差解消可能範囲)から吸気量が小側に変動すると、流量測定値にプラス側誤差が発生してしまう。
そこで、バイパス流路9の流路出口12の開口周縁近傍を覆うアウトレットカバー7の下流側に、流路出口12から排出される内側吸気とバイパス流路9の外側を通過する外側吸気との混合流体が流れる出口流路74の流路断面積を絞る一対の流路絞り部75を設けている。
これによって、メカニズムは定かではないものの、流量測定値の嵩上げ幅(第1調整量)が、流量の誤差解消可能範囲から小側への変動幅に応じて低減される。このため、バイパス流路9の外側を通過し、且つバイパスハウジング5の凸曲面部44の外面に沿って流れる外側吸気の脈動を伴う吸気流量を計測するAFM3においても、吸気量が誤差解消可能範囲から小側へ変動してもプラス側誤差の発生を抑制することができる。
[実施例7の構成]
図16は、本発明を適用した流量測定装置(実施例7)を示したものである。
ここで、実施例1〜6と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例のアウトレットカバー7は、肉厚が厚い部分よりも薄い部分の方が成形収縮量を小さくなる合成樹脂の性質を利用するために、実施例3の突条フィン52の一部に肉盗み部としてのスリット凹部81、82を設けている。
これによって、アウトレットカバー7の成形材料である合成樹脂の成形収縮量を小さくすることができる。
以上のように、本実施例のAFM3においては、実施例1〜6と同様な効果を奏する。
[実施例8の構成]
図17は、本発明を適用した流量測定装置(実施例8)を示したものである。
ここで、実施例1〜7と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例のバイパス流路8、9の入口端の曲率半径(前面部33と側面部34との交差稜線のアール、前面部33とバイパス流路8、9の流路壁面との交差稜線のアール)は、R=0.5以上に設定されている。
これによって、バイパス流路8、9の入口端での外側吸気の流れの剥離を防ぐことができる。
また、低流量または中流量時よりも吸気通路2を多くの吸気が流れる高流量時(スロットルバルブの全開時等)における、バイパス流路8、9の入口端での外側吸気の流れの通気抵抗(例えば吸気主流の吸気抵抗)の増大を抑えることができる。
以上のように、本実施例のAFM3においては、実施例1〜7と同様な効果を奏する。
[実施例9の構成]
図18および図19は、本発明を適用した流量測定装置(実施例9)を示したものである。
ここで、実施例1〜8と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例のAFM3のセンサケースは、両側面に凸曲面(流線)形状の凸曲面部41を有する中空角筒状のバイパスハウジング5と、このバイパスハウジング5の上部にモールド成形されたコネクタハウジング6とを備えている。
このバイパスハウジング5のサイドボディ37には、図18に示したように、凸曲面部41の下流端から突条形状の突条フィン42が段差無く、滑らかに連続して設けられている。そして、一対の突条フィン42には、凸曲面部41の外面に沿って流れる外側吸気をバイパスハウジング5の外側へ跳ね上げることで、バイパス流路9の出口端で外側吸気をバイパスハウジング5の外面から剥離させるテーパ形状の跳ね上げ部43が設けられている。
また、図19(a)に示したサイドボディ37の突条フィン42には、外側吸気の流れが剥離しないように滑らかな連続曲面とされた凹曲面形状の跳ね上げ部48が設けられている。
また、図19(b)に示したサイドボディ37の突条フィン42には、外側吸気の流れが剥離しないように滑らかな連続曲面で、凹曲面形状の立ち上がり部49と、この立ち上がり部49の下流端に接続する凸曲面形状の跳ね上げ部50とが設けられている。
なお、バイパスハウジング5のサイドボディ37の外側を流れる外側吸気の流れの通気抵抗(例えば吸気主流の吸気抵抗)は、突条フィン42の高さが同じ場合、図19(a)の突条フィン42>図18(b)の突条フィン42>図19(b)の突条フィン42の順で低減する。
以上のように、本実施例のAFM3においては、実施例1〜8と同様な効果を奏する。
[実施例10の構成]
図20および図21は、本発明を適用した流量測定装置(実施例10)を示したものである。
ここで、実施例1〜9と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
本実施例のAFM3のセンサケースは、両側面に凸曲面(流線)形状の凸曲面部44を有する中空角筒状のバイパスハウジング5と、このバイパスハウジング5の上部にモールド成形されたコネクタハウジング6と、バイパスハウジング5の側方および凸曲面部44の外面を覆う凸曲面(流線)形状のアウトレットカバー7とを備えている。
このアウトレットカバー7には、図20に示したように、凸曲面部51の下流端から突条形状の突条フィン52が段差無く、滑らかに連続して設けられている。そして、一対の突条フィン52には、凸曲面部51の外面に沿って流れる外側吸気をアウトレットカバー7の外側へ跳ね上げることで、アウトレットカバー7の下流端で外側吸気をアウトレットカバー7の外面から剥離させるテーパ形状の跳ね上げ部53が設けられている。
また、図21(a)に示したアウトレットカバー7の突条フィン52には、外側吸気の流れが剥離しないように滑らかな連続曲面とされた凹曲面形状の跳ね上げ部54が設けられている。
また、図21(b)に示したアウトレットカバー7の突条フィン52には、外側吸気の流れが剥離しないように滑らかな連続曲面で、凹曲面形状の立ち上がり部55と、この立ち上がり部55の下流端に段差無く、滑らかに連続して接続される凸曲面形状の跳ね上げ部56とが設けられている。
なお、アウトレットカバー7の外側を流れる外側吸気の流れの通気抵抗(例えば吸気主流の吸気抵抗)は、突条フィン52の高さが同じ場合、図21(a)の突条フィン52>図20(b)の突条フィン52>図21(b)の突条フィン52の順で低減する。
以上のように、本実施例のAFM3においては、実施例1〜9と同様な効果を奏する。
[変形例]
本実施例では、本発明の流量測定装置を、内燃機関(エンジン)の燃焼室に供給される空気の流量や空気の流れ方向を検出する流量測定装置に適用しているが、本発明の流量測定装置を、ガス器具に供給されるガスや内燃機関(エンジン)の燃焼室に供給される気体燃料または液体燃料等の吸気の流量を検出する流量測定装置に適用しても良い。
なお、空気温度検出抵抗体を発熱抵抗体(RH)の熱の影響を受けず、周囲の空気の温度を検出する場所に配置しているが、温度センサ抵抗体を発熱抵抗体(RH)の熱により発生する温度分布を検出できるように発熱抵抗体(RH)の下流側または上下流両側に位置するようにセンサチップ22のメンブレン上に形成しても良い。
本実施例では、一対の突条フィン42、52、72の表面がテーパ面(平面状の傾斜面)で形成されているが、一対の突条フィン42、52、72の表面が凸曲面部41、51、71の下流端からバイパス流路9の出口端またはアウトレットカバー7の下流端へ向けて徐々にバイパスハウジング5またはアウトレットカバー7の外側への突き出し量が大きくなる(上り勾配となる)ように湾曲した連続曲面(凸曲面または凹曲面)で形成されていても良い。
また、一対の突条フィン42、52、72の表面に連続曲面(凸曲面または凹曲面)を有するテーパ面を形成しても良い。
本実施例では、一対の突条フィン62の表面がテーパ面(平面状の傾斜面)で形成されているが、一対の突条フィン62の表面が凸曲面部61の下流端からアウトレットカバー7の下流端へ向けて徐々にアウトレットカバー7の内側への突き出し量が大きくなる(上り勾配となる)ように湾曲した連続曲面(凸曲面または凹曲面)で形成されていても良い。
また、一対の突条フィン62の表面に連続曲面(凸曲面または凹曲面)を有するテーパ面を形成しても良い。
本実施例では、流量検出部(流量センサ4の流量測定素子)として、シリコン基板の表面上に所定のパターンで形成される発熱抵抗体(RH)および空気温度抵抗体を用いたが、流量センサ4の流量測定素子として、円筒状のボビン、このボビンの両端に挿入される一対のリードワイヤ、ボビンの外周に巻き付けられてリードワイヤに接続される抵抗線、この抵抗線およびリードワイヤを保護する保護膜等によって構成される発熱抵抗体(RH)および空気温度抵抗体を用いても良い。
なお、空気温度抵抗体を発熱抵抗体(RH)の熱の影響を受けず、周囲の空気の温度を検出する場所に配置しているが、空気温度抵抗体を発熱抵抗体(RH)の熱により発生する温度分布を検出できるように発熱抵抗体(RH)の下流側または上下流両側にそれぞれ2つずつ位置するようにセンサチップ22のメンブレン上に形成しても良い。
2 ダクトの吸気通路(流体通路)
3 AFM(エアフロメータ)
4 流量センサ
5 バイパスハウジング
7 アウトレットカバー(出口蓋)
9 バイパス流路
41 凸曲面部
42 突条フィン
51 凸曲面部
52 突条フィン

Claims (15)

  1. (a)流体通路(2)を流れる流体の一部を取り込むバイパス流路(8、9)を有するハウジング(5〜7)と、
    (b)このハウジング(5〜7)の内部に配置されて、前記バイパス流路(9)を流れる流体の流量に対応した信号を外部に対して出力する流量測定素子を有するセンサ(4)と
    を備えた流量測定装置において、
    前記バイパス流路(9)は、前記流体通路(2)の流体流れ方向の上流側に臨むように開口した流路入口(10)を有し、
    前記ハウジング(5、7)は、前記バイパス流路(9)の入口端またはその近傍から前記バイパス流路(9)の出口端近傍へ向けて徐々に前記ハウジング(5、7)の外側へ膨らむように湾曲した凸曲面形状の凸曲面部(41、51)、およびこの凸曲面部(41、51)の下流端に連続して設けられて、前記凸曲面部(41、51)の下流端よりも前記ハウジング(5、7)の外側へ張り出した突条形状の突条フィン(42、52)を有していることを特徴とする流量測定装置。
  2. 請求項1に記載の流量測定装置において、
    前記凸曲面部(41)は、前記バイパス流路(9)の入口端またはその近傍から前記バイパス流路(9)の出口端近傍に渡って徐々に曲率半径が大きくなるように滑らかな連続曲面で形成されていることを特徴とする流量測定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流量測定装置において、
    前記突条フィン(42)は、前記凸曲面部(41)の下流端から前記バイパス流路(9)の出口端へ向けて徐々に前記ハウジング(5、7)の外側への突き出し量が大きくなる(上り勾配となる)ように傾斜したテーパ面で形成されていることを特徴とする流量測定装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の流量測定装置において、
    前記凸曲面部(41)および前記突条フィン(42)は、前記バイパス流路(9)の出口端の周囲近傍に少なくとも一方向に設定されていることを特徴とする流量測定装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の流量測定装置において、
    前記バイパス流路(9)は、前記流体通路(2)の流体流れ方向の下流側へ向けて流体を排出する流路出口(12)を有し、
    前記流路出口(12)から前記流体通路(2)へ排出される流体流れ方向は、前記バイパス流路(9)の外側を通過する外側流体流れ方向に対して略平行な方向に設定されていることを特徴とする流量測定装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の流量測定装置において、
    前記凸曲面部(41、51)の上流端の曲率半径または前記ハウジング(5、7)の上流端の曲率半径または前記バイパス流路(9)の入口端の曲率半径は、R=0.5以上に設定されていることを特徴とする流量測定装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1つに記載の流量測定装置において、
    前記ハウジング(5、7)は、前記バイパス流路(9)の入口端またはその近傍から前記バイパス流路(9)の出口端へ向けて徐々に前記ハウジング(5、7)の外側へ膨らむように湾曲した凸曲面形状の凸曲面部(44)と、
    前記ハウジング(5)の側方および前記凸曲面部(44)の外面を覆うと共に、前記ハウジング(5)の外面との間に、前記バイパス流路(9)の外側を通過し、前記ハウジング(5)の外面に沿って流れる外側流体の流路を隔てて対向する出口蓋(7)を有していることを特徴とする流量測定装置。
  8. 請求項7に記載の流量測定装置において、
    前記凸曲面部(51)および前記突条フィン(52)は、前記出口蓋(7)の外面に設けられていることを特徴とする流量測定装置。
  9. 請求項8に記載の流量測定装置において、
    前記出口蓋(7)の内面には、前記出口蓋(7)の上流端またはその近傍から前記出口蓋(7)の下流端近傍へ向けて徐々に前記出口蓋(7)の内側へ膨らむように湾曲した凸曲面形状の凸曲面部(61)、およびこの凸曲面部(61)の下流端に連続して設けられて、前記凸曲面部(61)よりも前記出口蓋(7)の内側へ張り出す突条形状の突条フィン(62)が設けられていることを特徴とする流量測定装置。
  10. 請求項7ないし請求項9のうちのいずれか1つに記載の流量測定装置において、
    前記出口蓋(7)の上流端の曲率半径は、R=0.5以上に設定されていることを特徴とする流量測定装置。
  11. 請求項7ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の流量測定装置において、
    前記出口蓋(7)は、前記バイパス流路(9)を通り抜けて前記流路出口(12)から排出される内側流体と前記バイパス流路(9)の外側を通過する外側流体との混合流体の流路(74)を絞る絞り部(75)を有し、
    前記絞り部(75)は、前記流路出口(12)および前記流路(74)よりも流体流れ方向の下流側で開口した流体出口(76)またはその上流側近傍に設けられていることを特徴とする流量測定装置。
  12. 請求項7ないし請求項11のうちのいずれか1つに記載の流量測定装置において、
    前記凸曲面部(51、61)は、前記出口蓋(7)の上流端またはその近傍から前記出口蓋(7)の下流端近傍に渡って徐々に曲率半径が大きくなるように滑らかな連続曲面で形成されていることを特徴とする流量測定装置。
  13. 請求項7ないし請求項12のうちのいずれか1つに記載の流量測定装置において、
    前記突条フィン(52、62)は、前記凸曲面部(51、61)の下流端から前記出口蓋(7)の下流端へ向けて徐々に前記ハウジング(5、7)の外側または内側への突き出し量が大きくなるように傾斜したテーパ面で形成されていることを特徴とする流量測定装置。
  14. 請求項1ないし請求項13のうちのいずれか1つに記載の流量測定装置において、
    前記ハウジング(5、7)は、前記突条フィン(42、52、62)の一部に肉盗み部としてのスリット凹部(81、82)を有していることを特徴とする流量測定装置。
  15. 請求項1ないし請求項14のうちのいずれか1つに記載の流量測定装置において、
    前記突条フィン(42、52)は、凹形状のみ、あるいは凹形状と凸形状を滑らかに接続した曲面で形成されていることを特徴とする流量測定装置。
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