JP2014118604A - 対向電極型プラズマ発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成膜スピードの向上を図る対向電極型プラズマ発生装置を提供する。
【解決手段】対向電極型プラズマ発生装置14において、一対の電極50、52間の距離が第1距離L1に設定された第1経路80と、一対の電極54、56間の距離が第1距離L1より短い第2距離L2に設定された第2経路82と、を備え、第1経路80には、不活性ガス、又は、気相原材料及び不活性ガスを有する混合ガスが供給され、第2経路82には、気相原材料及び不活性ガスを有する混合ガスが供給され、第2経路82に供給される気相原材料の濃度は、第1経路80に供給される気相原材料の濃度より高い。
【選択図】図2
【解決手段】対向電極型プラズマ発生装置14において、一対の電極50、52間の距離が第1距離L1に設定された第1経路80と、一対の電極54、56間の距離が第1距離L1より短い第2距離L2に設定された第2経路82と、を備え、第1経路80には、不活性ガス、又は、気相原材料及び不活性ガスを有する混合ガスが供給され、第2経路82には、気相原材料及び不活性ガスを有する混合ガスが供給され、第2経路82に供給される気相原材料の濃度は、第1経路80に供給される気相原材料の濃度より高い。
【選択図】図2
Description
本発明は、成膜スピードの向上を図る対向電極型プラズマ発生装置に関する。
下記特許文献1に示すように、不活性ガスと気相原材料との混合気をプラズマノズルに向けて送気し、プラズマノズルは、プラズマ発生機構の作用下にプラズマ化して混合気を出力することで、プラズマ化した不活性ガスにより液相原材料を活性化させ、更にプラズマ化した気相原材料により液相原材料の主成分が結合されることによって、成膜を行うことが知られている。
しかしながら、誘電体を被覆しない対向電極により構成されるプラズマ発生機構ではプラズマ化できる気相原材料の含有量には限界があり、それ以上に成膜スピードの向上を図ることはできない。また、気相原材料の含有量を増加させることで、不活性ガスの活性化度が大幅に低下してしまうため、気相原材料を限界まで増加させることのみによっては成膜スピードの向上を図ることができない。
そこで、本発明は、成膜スピードの向上を図る対向電極型プラズマ発生装置を提供することを目的とする。
本発明は、対向電極型プラズマ発生装置において、一対の電極間の距離が第1距離に設定された第1経路と、一対の電極間の距離が前記第1距離より短い第2距離に設定された第2経路と、を備え、前記第1経路には、不活性ガス、又は、気相原材料及び不活性ガスを有する混合ガスが供給され、前記第2経路には、気相原材料及び不活性ガスを有する混合ガスが供給され、前記第2経路に供給される気相原材料の濃度は、前記第1経路に供給される気相原材料の濃度より高いことを特徴とする。
前記対向電極型プラズマ発生装置において、前記第2経路は、少なくとも一方の電極を被覆する誘電体を有してもよい。
前記対向電極型プラズマ発生装置において、前記第1距離、前記第2距離、前記第1経路を通過する気相原材料の量、及び、前記第2経路を通過する気相原材料の量は、以下の関係式を有してもよい。
((前記第2経路を通過する気相原材料の量)/(前記第1経路を通過する気相原材料の量))×((前記第2距離)/(前記第1距離))>1
((前記第2経路を通過する気相原材料の量)/(前記第1経路を通過する気相原材料の量))×((前記第2距離)/(前記第1距離))>1
前記対向電極型プラズマ発生装置において、前記第1経路でプラズマ化された不活性ガス又は混合ガスと、前記第2経路でプラズマ化された混合ガスとを噴出する噴出口を有してもよい。
本発明によれば、対向電極型プラズマ発生装置は、一対の電極間の距離が第1距離に設定された第1経路と、一対の電極間の距離が第1距離より短い第2距離に設定された第2経路を備え、第2経路に供給される気相原材料の濃度を、電極間距離を短く設定することにより第1経路に供給される気相原材料の濃度より高く設定できる。このため、第1経路と第2経路の電極間距離、及び気相原材料の濃度を同一にするよりも、第1経路によって、プラズマ化される不活性ガスの量を増やすことができ、第2経路によってプラズマ化される気相原材料の量を高く維持又は増やすことができ、その結果、成膜速度を向上させることができる。
第2経路は、少なくとも一方の電極を被覆する誘電体を有することができるので、第2経路によってプラズマ化される気相原材料の量を更に増やすことができ、成膜速度を向上させることができる。
また、第1距離、第2距離、第1経路を通過する気相原材料の量、及び、第2経路を通過する気相原材料の量は、((前記第2経路を通過する前記気相原材料の量)/(前記第1経路を通過する前記気相原材料の量))×((前記第2距離)/(前記第1距離))>1、の関係式を有するので、第1経路によって、プラズマ化される不活性ガスの量を高く維持することができ、第2経路によってプラズマ化される気相原材料の量を増やすことができ、その結果、成膜速度を向上させることができる。
第1経路でプラズマ化された不活性ガス又は混合ガスと、第2経路でプラズマ化された混合ガスとを噴出する噴出口を有するので、プラズマ化されたガスが失活する前に、両プラズマ化された混合ガスを混合又は整流して噴出することができる。
また、第1経路及び第2経路に供給される混合ガスの気相原材料が酸素の場合は、酸素濃度が高くなることで、第2経路でプラズマ化された混合ガスは高温になり易いが、第1経路に供給される混合ガスは、酸素が含まれないか又は酸素濃度が低いので第1経路でプラズマ化された混合ガスは高温になり難い。従って、第1経路でプラズマ化された不活性ガス又は混合ガスと、第2経路でプラズマ化された混合ガスとが混合又は整流されて、噴出口から放出されることで、噴出口から放出されるプラズマ化された混合ガスが高温になることを抑制することができ、樹脂等の溶融温度が低い基材に対しても成膜することができる。
本発明に係る対向電極型プラズマ発生装置及び対向電極型プラズマ発生装置を用いてプラズマ成膜方法を実施するプラズマ成膜装置について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、プラズマ成膜装置10の要部正面断面図である。プラズマ成膜装置10は、基材11に対して成膜を行うものであり、原料供給部12と、原料供給部12に連結される対向電極型プラズマ発生装置14とを有する。成膜対象である基材11は、プラスチック、金属、セラミック等からなる。なお、基材11の材質は、木材や石等であってもよい。基材11の好適な具体例としては、ポリカーボネート樹脂やガラス、アルミニウム等が挙げられる。
図1は、プラズマ成膜装置10の要部正面断面図である。プラズマ成膜装置10は、基材11に対して成膜を行うものであり、原料供給部12と、原料供給部12に連結される対向電極型プラズマ発生装置14とを有する。成膜対象である基材11は、プラスチック、金属、セラミック等からなる。なお、基材11の材質は、木材や石等であってもよい。基材11の好適な具体例としては、ポリカーボネート樹脂やガラス、アルミニウム等が挙げられる。
対向電極型プラズマ発生装置14には、ガスライン16a、16bを介して、不活性ガス、又は、気相原材料及び不活性ガスを有する混合ガスが送気される。対向電極型プラズマ発生装置14は、不活性ガス又は混合ガスをプラズマ化し、プラズマ化混合ガスとして噴出口14aから放出する。この対向電極型プラズマ発生装置14については、後で詳しく述べる。
原料供給部12は、対向電極型プラズマ発生装置14の噴出口14aから基材11の成膜部位に向かう合流供給路18と、合流供給路18の経路の途中に設けられた原料供給路20とを有する。対向電極型プラズマ発生装置14の噴出口14aから原料供給路20までの距離D1は、例えば、1mmに設定される。
原料供給路20の外部側の開口端には、液相原材料を供給するための供給装置22が連結される。詳しくは、供給装置22から供給された液相原材料は、供給装置22と原料供給路20とに接続された供給管24を経由して、合流供給路18に導入される。
供給装置22には、公知の供給量制御器26が介装される。この供給量制御器26により液相原材料の供給量を適宜調整することができる。液相原材料は、例えば、モノマー、オリゴマー又はポリマーであり、且つ、常温・常圧下で液相である物質(シロキサン)であり、液相のまま、又は気化されることで気相に相変化されて、合流供給路18に供給される。
次に、プラズマ成膜方法について簡単に説明する。まず、対向電極型プラズマ発生装置14は、送気された不活性ガス、又は、気相原材料及び不活性ガスを有する混合ガスをプラズマ化して、プラズマ化混合ガスとして噴出口14aから放出し、放出されたプラズマ化混合ガスは、合流供給路18に導入される。気相原材料は、原料供給路20から導入される常温・常圧下で液相である原材料に含まれるSi原子やC原子と結合し得る原子を含む気体であり、例えば、酸素、窒素、又は空気が挙げられる。本実施の形態では、気相原材料として酸素を用いる。また、不活性ガスは、ヘリウムやアルゴン等が挙げられ、本実施の形態では、不活性ガスとしてアルゴンを用いる。
液相原材料は、プラズマ化混合ガスに含まれる活性化された気相原材料又は不活性ガスや、プラズマ化混合ガスのエネルギー準位が低下することで発生したラジカル等によって、分解又は活性化され、分解又は活性化された気相原材料の原子と結合することで、成膜部位に結合堆積する。なお、堆積の後も、成膜部位に到達するプラズマ化混合ガスやラジカル等によって、転移結合や活性化が継続される。
図2は、第1の実施の形態における、図1に示す対向電極型プラズマ発生装置14の概略構成図である。対向電極型プラズマ発生装置14は、一対の第1電極50及び第2電極52と、一対の第3電極54及び第4電極56を有する。第1電極50と第3電極54との間には、絶縁性の仕切板58が設けられている。第1電極50及び第4電極56間の距離は、第1電極50及び第2電極52間の距離より十分に大きくなっており、第3電極54及び第2電極52間の距離は、第3電極54及び第4電極56間の距離より十分に大きくなっている。
第1電極50及び第3電極54には、それぞれ高周波電源60a、60bに接続され、第2電極52及び第4電極56はアースされている。第2電極52及び第4電極56との間には、噴出口14aが設けられている。第2電極52及び第4電極56は、連接して形成された1つの電極62であってもよく、その場合、該1つの電極62にスリットを設けることで、該スリットが噴出口14aとして機能する。また、第2電極52及び第4電極56は、別個に形成された電極であってもよい。
なお、2つの高周波電源60a、60bを設けるようにしたが、1つの高周波電源を用いてもよい。この場合は、第1電極50及び第3電極54に1つの高周波電源が接続される。また、第1電極50及び第3電極54を1つの電極で構成してもよい。
この第1電極50及び第2電極52で第1経路80が形成され、第3電極54及び第4電極56で第2経路82が形成される。第1電極50及び第2電極52間の距離は、第1距離L1(例えば、1mm)に設定され、第3電極54及び第4電極56間の距離は、第1距離L1より短い第2距離L2(例えば、0.5mm)に設定されている。ここでは、第4電極56の厚みを第2電極52より厚くすることで、第2距離L2を第1距離L1より短く設定する。なお、第3電極54の厚みを第1電極50より厚くすることで、第2距離L2を第1距離L1より短く設定してもよい。
第1経路80には、不活性ガス、又は、気相原材料と不活性ガスとを有する混合ガスが供給され、第2経路82には、気相原材料と不活性ガスとを有する混合ガスが供給される。以下、第1経路80に供給される不活性ガスを第1不活性ガスと、第1経路80に供給される混合ガスを第1混合ガスと、第2経路82に供給される混合ガスを第2混合ガスと呼ぶ場合がある。第1不活性ガス及び第1混合ガスは、ガスライン16aによって供給され、第2混合ガスは、ガスライン16bによって供給される。
第1電極50及び第3電極54に高周波電圧を印加することで、第1経路80及び第2経路82を通過する第1不活性ガス又は第1混合ガスと、第2混合ガスとがプラズマ化される。このプラズマ化された第1不活性ガス又は第1混合ガスと、プラズマ化された第2混合ガスとが失活する前に、プラズマ化された第1不活性ガス又は第1混合ガスと、第2混合ガスとが混合又は整流されて、プラズマ化混合ガスとして噴出口14aから放出する。
[第2の実施の形態]
図3は、第2の実施の形態における、図1に示す対向電極型プラズマ発生装置14の概略構成図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。
図3は、第2の実施の形態における、図1に示す対向電極型プラズマ発生装置14の概略構成図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。
第1の実施の形態においては、第4電極56の厚みを第2電極52より厚くすることで、第2距離L2(第3電極54と第4電極56との間の距離)を、第1距離L1(第1電極50と第2電極52との間の距離)より短くしたが、図3においては、第2電極52と第4電極56の厚みを同じにし、第4電極56の位置を、第2電極52より高く、つまり、第3電極54に近づけることで、第2距離L2を第1距離L1より短くしている。なお、第3電極54の位置を、第1電極50より低く、つまり、第4電極56に近づけることで、第2距離L2を第1距離L1より短くしてもよい。
[第3の実施の形態]
図4は、第3の実施の形態における、図1に示す対向電極型プラズマ発生装置14の概略構成図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。
図4は、第3の実施の形態における、図1に示す対向電極型プラズマ発生装置14の概略構成図である。なお、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。
第3の実施の形態においては、第2電極52と第4電極56の厚みを同じにし、第4電極56の第3電極54が設けられた側に、第4電極56を被覆する誘電体90を設けることで、第2距離L2を第1距離L1より短くしている。なお、第3電極54の第4電極56が設けられた側に、第3電極54を被覆する誘電体90を設けることで、第2距離L2を第1距離L1より短くしてもよい。また、第3電極54及び第4電極56に誘電体90をそれぞれ設けるようにしてもよい。誘電体90としては、樹脂やガラス等を用いることができる。
図5は、実施例1〜実施例5、及び、比較例1〜比較例4において得られた成膜速度等を示す図表である。
(実施例1)
実施例1では、図2又は図3の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。実施例1では、比較例1と比較して、第2距離L2を第1距離L1より短くしたので、詳しくは、第2距離L2を0.5(mm)にしたので、第2経路82に供給する酸素の濃度及び量を、比較例1の第2距離L2=1.0(mm)の場合に第2経路82に供給する酸素の濃度及び量より多くしても、第2混合ガスをプラズマ化することができる。つまり、酸素は、プラズマ化をし難くする性質を有するが、第2距離L2を短くすることで、酸素の濃度及び量を増やしても、第2混合ガスをプラズマ化することができる。従って、活性化された成膜用原材料の酸化結合を促進するプラズマ化酸素(プラズマ化された酸素)の量を多くすることができ、CVD反応速度が大幅に向上する。
実施例1では、図2又は図3の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。実施例1では、比較例1と比較して、第2距離L2を第1距離L1より短くしたので、詳しくは、第2距離L2を0.5(mm)にしたので、第2経路82に供給する酸素の濃度及び量を、比較例1の第2距離L2=1.0(mm)の場合に第2経路82に供給する酸素の濃度及び量より多くしても、第2混合ガスをプラズマ化することができる。つまり、酸素は、プラズマ化をし難くする性質を有するが、第2距離L2を短くすることで、酸素の濃度及び量を増やしても、第2混合ガスをプラズマ化することができる。従って、活性化された成膜用原材料の酸化結合を促進するプラズマ化酸素(プラズマ化された酸素)の量を多くすることができ、CVD反応速度が大幅に向上する。
また、第1距離L1を比較例1と同じにしたので、詳しくは、第1距離L1を1.0(mm)にしたので、第1経路80に供給するアルゴンの濃度及び量を維持したままでプラズマ化することができる。従って、成膜用原材料の分子の分解(成膜原材料の活性化)を促進することができるプラズマ化アルゴン(プラズマ化されたアルゴン)の量を維持することができる。
プラズマ化酸素の量を多くすることができ、また同時に、プラズマ化アルゴンの量の低下を抑えることができるので、成膜速度が約170(nm/min)となり、成膜速度が向上する。実施例1では放電状態の均一性が保たれる。
評価値は、評価値=((第2経路82を通過する酸素の量)/(第1経路80を通過する酸素の量))×((第2距離L2)/(第1距離L1))、の関係式で求めることができる。実施例1では、第2経路82を通過する酸素の量は、160(ml/min)、第2距離L2は、0.5(mm)、第1経路80を通過する酸素の量は、40(ml/min)、第1距離L1は、1.0(mm)なので、評価値は、(160/40)×(0.5/1.0)=2.000、となり、評価値は1より大きい値となる。
なお、第2経路82でプラズマ化された第2混合ガスは、酸素の量が多いため高温になり易いが、第1経路80でプラズマ化された第1混合ガスは、酸素の量が少ないので、第1経路80でプラズマ化された第1混合ガスと第2経路82でプラズマ化された第2混合ガスとが混合されて、プラズマ化混合ガスとして噴出口14aから放出されることで、プラズマ化混合ガスが高温になることを抑制することができ、樹脂等の溶融温度が低い基材11に対しても成膜することができる。このことは、以下に述べる実施例2〜4でも同様のことが言える。
(実施例2)
実施例2では、図2又は図3の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。実施例2では、図5に示すように、第1距離L1は、1.5(mm)に設定され、第1経路80に供給される第1混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第1経路80に供給されるアルゴンの量は、15(l/min)、酸素の量は、5(ml/min)であり、第1混合ガスの酸素濃度は、約0.03(%)である。また、第2距離L2は、第1距離L1より短い0.5(mm)に設定され、第2経路82に供給される第2混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第2経路82に供給されるアルゴンの量は、5(l/min)、酸素の量は、160(ml/min)であり、第2混合ガスの酸素濃度は、約3.10(%)である。
実施例2では、図2又は図3の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。実施例2では、図5に示すように、第1距離L1は、1.5(mm)に設定され、第1経路80に供給される第1混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第1経路80に供給されるアルゴンの量は、15(l/min)、酸素の量は、5(ml/min)であり、第1混合ガスの酸素濃度は、約0.03(%)である。また、第2距離L2は、第1距離L1より短い0.5(mm)に設定され、第2経路82に供給される第2混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第2経路82に供給されるアルゴンの量は、5(l/min)、酸素の量は、160(ml/min)であり、第2混合ガスの酸素濃度は、約3.10(%)である。
従って、第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの総量は、20(l/min)、酸素の総量は、165(ml/min)となる。
実施例2では、第2距離L2を第1距離L1より短くしたので、詳しくは、第2距離L2を0.5(mm)にしたので、第2経路82に供給する酸素の濃度及び量を第1経路80に供給する酸素の濃度及び量より多くしても、第2混合ガスをプラズマ化することができる。従って、活性化された成膜用原材料の酸化結合を促進するプラズマ化酸素の量を多くすることができる。
また、第1距離L1を第2距離L2より長くしたので、詳しくは、第1距離L1を1.5(mm)にしたので、第1経路80に供給するアルゴンの濃度及び量を、第2経路82に供給するアルゴンの濃度及び量より多くしても、アルゴンをプラズマ化することができる。従って、成膜用原材料の分子の分解(成膜原材料の活性化)を促進することができるプラズマ化アルゴンの量を多くすることができる。また、実施例2においては、第1距離L1を実施例1より長くしたので、実施例1に比べプラズマ化されるアルゴンの量を更に多くすることが可能となる。
プラズマ化酸素の量及びプラズマ化アルゴンの量を多くすることができるので、成膜速度が約280(nm/min)となり、成膜速度が向上する。また、実施例2においては、プラズマ化されるアルゴンの量が実施例1より多くなるので、成膜速度は実施例1より速くなる。実施例2では放電状態の均一性が保たれる。
実施例2では、第2経路82を通過する酸素の量は、160(ml/min)、第2距離L2は、0.5(mm)、第1経路80を通過する酸素の量は、5(ml/min)、第1距離L1は、1.5(mm)なので、評価値は、(160/5)×(0.5/1.5)≒10.667となり、評価値は1より大きい値となる。
(実施例3)
実施例3では、図4の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。実施例3では、図5に示すように、第1距離L1は、1.0(mm)に設定され、第1経路80に供給される第1不活性ガス又は第1混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第1経路80に供給されるアルゴンの量は、10(l/min)、酸素の量は、40(ml/min)であり、第1混合ガスの酸素濃度は、約0.40(%)である。また、第2距離L2は、第1距離L1より短い0.5(mm)に設定され、第2経路82に供給される第2混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第2経路82に供給されるアルゴンの量は、5(l/min)、酸素の量は、240(ml/min)であり、第2混合ガスの酸素濃度は、約4.58(%)である。
実施例3では、図4の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。実施例3では、図5に示すように、第1距離L1は、1.0(mm)に設定され、第1経路80に供給される第1不活性ガス又は第1混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第1経路80に供給されるアルゴンの量は、10(l/min)、酸素の量は、40(ml/min)であり、第1混合ガスの酸素濃度は、約0.40(%)である。また、第2距離L2は、第1距離L1より短い0.5(mm)に設定され、第2経路82に供給される第2混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第2経路82に供給されるアルゴンの量は、5(l/min)、酸素の量は、240(ml/min)であり、第2混合ガスの酸素濃度は、約4.58(%)である。
従って、第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの総量は、15(l/min)、酸素の総量は、280(ml/min)となる。
実施例3では、第2距離L2を第1距離L1より短くしたので、詳しくは、第2距離L2を0.5(mm)にしたので、第2経路82に供給する酸素の濃度及び量を第1経路80に供給する酸素の濃度及び量より多くしても、酸素をプラズマ化することができる。また、実施例3では、第4電極56を被覆する誘電体90を設けたので、第2距離L2が同じ実施例1及び実施例2に比べ、第2経路82に供給する酸素の濃度及び量を多くしても、酸素をプラズマ化することができる。従って、活性化された成膜用原材料の酸化結合を促進するプラズマ化酸素の量を実施例1及び実施例2より多くすることができ、CVD反応速度が大幅に向上する。
図6は、電極間距離と、プラズマ化することができる酸素の量との関係を示すグラフである。横軸xは、電極間距離を示し、縦軸yは、プラズマ化することができる酸素の量を示す。実線で示すグラフは、x×y<80の関数を表すグラフであり、電極間距離が長くなる程、プラズマ化することができる酸素の量は減少する。x×y<80の関係式を満たすように、第3電極54及び第4電極56間の距離である第2距離L2と、第2経路82に供給される酸素の量とを設定することで、第2経路82に供給される酸素をプラズマ化することができる。
破線で示すグラフは、電極間に誘電体90を設けたときの、電極間距離と、プラズマ化することができる酸素の量との関係を示すものである。図6に示すように、誘電体90を設けると、同じ電極間距離であっても、プラズマ化することができる酸素の量が上昇する。従って、実施例3においては、第4電極56に誘電体90を設けることで、より多くの酸素を第2経路82に供給しても、酸素をプラズマ化することが可能となる。
また、実施例3では、第1距離L1を第2距離L2より長くしたので、詳しくは、第1距離L1を1.0(mm)にしたので、第1経路80に供給するアルゴンの濃度及び量を、第2経路82に供給するアルゴンの濃度及び量より多くしても、アルゴンをプラズマ化することができる。従って、成膜用原材料の分子の分解(成膜原材料の活性化)を促進することができるプラズマ化アルゴンの量を多くすることができる。
プラズマ化酸素の量及びプラズマ化アルゴンの量を多くすることができるので、成膜速度が約210(nm/min)となり、成膜速度が向上する。また、実施例3においては、プラズマ化される酸素の量が実施例1より多くなるので、成膜速度は実施例1より速くなる。実施例3では放電状態の均一性が保たれる。なお、成膜速度をより向上させるためには、プラズマ化酸素の量とプラズマ化アルゴンの量を共に多くする必要があるため、プラズマ化アルゴンの量が多い実施例2の方が実施例3より成膜速度が速い。
実施例3では、第2経路82を通過する酸素の量は、240(ml/min)、第2距離L2は、0.5(mm)、第1経路80を通過する酸素の量は、40(ml/mm)、第1距離L1は、1.0(mm)なので、評価値は、(240/40)×(0.5/1.0)=3.00、となり、評価値は1より大きい値となる。
(実施例4)
実施例4では、図4の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。実施例4では、図5に示すように、第1距離L1は、1.5(mm)に設定され、第1経路80に供給される第1混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第1経路80に供給されるアルゴンの量は、15(l/min)、酸素の量は、5(ml/min)であり、第1混合ガスの酸素濃度は、約0.03(%)である。また、第2距離L2は、第1距離L1より短い0.5(mm)に設定され、第2経路82に供給される第2混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第2経路82に供給されるアルゴンの量は、5(l/min)、酸素の量は、240(ml/min)であり、第2混合ガスの酸素濃度は、約4.58(%)である。
実施例4では、図4の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。実施例4では、図5に示すように、第1距離L1は、1.5(mm)に設定され、第1経路80に供給される第1混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第1経路80に供給されるアルゴンの量は、15(l/min)、酸素の量は、5(ml/min)であり、第1混合ガスの酸素濃度は、約0.03(%)である。また、第2距離L2は、第1距離L1より短い0.5(mm)に設定され、第2経路82に供給される第2混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第2経路82に供給されるアルゴンの量は、5(l/min)、酸素の量は、240(ml/min)であり、第2混合ガスの酸素濃度は、約4.58(%)である。
従って、第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの総量は、20(l/min)、酸素の総量は、245(ml/min)となる。
実施例4では、実施例3と同様に、第2距離L2を第1距離L1より短くしたので、詳しくは、第2距離L2を0.5(mm)にしたので、第2経路82に供給する酸素の濃度及び量を第1経路80に供給する酸素の濃度及び量より多くしても、酸素をプラズマ化することができる。また、実施例4では、第4電極56を被覆する誘電体90を設けたので、第2距離L2が同じ実施例1及び実施例2に比べ、第2経路82に供給する酸素の濃度及び量を多くしても、酸素をプラズマ化することができる。従って、活性化された成膜用原材料の酸化結合を促進するプラズマ化酸素の量をより多くすることができ、CVD反応速度が大幅に向上する。
また、第1距離L1を第2距離L2より長くしたので、詳しくは、第1距離L1を1.5(mm)にしたので、第1経路80に供給するアルゴンの濃度及び量を、第2経路82に供給するアルゴンの濃度及び量より多くしても、アルゴンをプラズマ化することができる。従って、成膜用原材料の分子の分解(成膜原材料の活性化)を促進することができるプラズマ化アルゴンの量を多くすることができる。また、実施例4においては、第1距離L1を実施例1及び実施例3より長くしたので、実施例1及び実施例3に比べプラズマ化されるアルゴンの量を更に多くすることができる。
プラズマ化酸素の量及びプラズマ化アルゴンの量を多くすることができるので、成膜速度が約390(nm/min)となり、成膜速度が向上する。また、実施例4においては、プラズマ化されるアルゴンの量が実施例1及び実施例3より多くなり、プラズマ化される酸素の量が実施例1及び実施例2より多くなるので、成膜速度は実施例1〜実施例3より速くなる。実施例4では放電状態の均一性が保たれる。
実施例4では、第2経路82を通過する酸素の量は、240(ml/min)、第2距離L2は、0.5(mm)、第1経路80を通過する酸素の量は、5(ml/min)、第1距離L1は、1.5(mm)なので、評価値は、(240/5)×(0.5/1.5)=16.000、となり、評価値は1より大きい値となる。
(実施例5)
実施例5では、図2又は図3の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。実施例5では、図5に示すように、第1距離L1は、1.0(mm)に設定され、第1経路80に供給される第1混合ガスのガス種は、第1不活性ガスとしてのアルゴンである。第1経路80に供給されるアルゴンの量は、10(l/min)であり、酸素の量は、0(ml/min)であり、第1混合ガスの酸素濃度は0.00(%)である。また、第2距離L2は、第1距離L1より短い0.5(mm)に設定され、第2経路82に供給される第2混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第2経路82に供給されるアルゴンの量は、5(l/min)、酸素の量は、160(ml/min)であり、第2混合ガスの酸素濃度は、約3.10(%)である。
実施例5では、図2又は図3の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。実施例5では、図5に示すように、第1距離L1は、1.0(mm)に設定され、第1経路80に供給される第1混合ガスのガス種は、第1不活性ガスとしてのアルゴンである。第1経路80に供給されるアルゴンの量は、10(l/min)であり、酸素の量は、0(ml/min)であり、第1混合ガスの酸素濃度は0.00(%)である。また、第2距離L2は、第1距離L1より短い0.5(mm)に設定され、第2経路82に供給される第2混合ガスのガス種は、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第2経路82に供給されるアルゴンの量は、5(l/min)、酸素の量は、160(ml/min)であり、第2混合ガスの酸素濃度は、約3.10(%)である。
従って、第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの総量は、15(l/min)、酸素ガスの総量は、160(ml/min)となる。
実施例5では、実施例1と同様の第1距離L1及び第2距離L2であるが、第1経路80に酸素を供給していない。しかしながら、第2距離L2を第1距離L1より短くしたので、詳しくは、第2距離L2を0.5(mm)にしたので、第2経路82に供給する酸素の濃度及び量を第1経路80に供給する酸素の濃度及び量より多くしても、酸素をプラズマ化することができる。従って、第2経路82では、活性化された成膜用原材料の酸化結合を促進するプラズマ化酸素の量を、第1経路80より多く生成できる。言い換えれば安定的に放電できる。
また、第1距離L1を第2距離L2より長くしたので、詳しくは、第1距離L1を1.0(mm)にしたので、第1経路80に供給するアルゴンの濃度及び量を多くしても、アルゴンをプラズマ化することができる。言い換えれば安定的に放電できる。つまり、成膜用原材料の分子の分解(成膜原材料の活性化)を促進することができるプラズマ化アルゴンの量を多くすることができる。
実施例5においては、第1経路80への酸素供給を行わないことで、実施例1に比べアルゴンのプラズマ密度を更に高くすることが可能となり、また実施例1に比べプラズマ化される酸素の量が減少する。これにより成膜速度は、190(nm/min)となり、実施例1と比べ殆ど変らないが、成膜速度は比較例1より速くなり、放電状態の均一性が保たれる。
また、第2経路82を通過する酸素の量は、160(ml/min)、第1経路80を通過する酸素の量は、0(l/min)、第1距離L1は、1.0(mm)、第2距離L2は、0.5(mm)なので、評価値は、(160/0)×(0.5/1.0)=+∞となり、評価値は1より大きい値となる。
(比較例1)
比較例1では、図2及び図3に示すような対向電極型プラズマ発生装置14を用いたが、実施例1及び実施例2とは異なり、第1距離L1と第2距離L2との長さは同一である。つまり、比較例1では、従来からある対向電極型プラズマ発生装置を用いた。また、第1経路80及び第2経路82には、同一の混合ガスが供給される。
比較例1では、図2及び図3に示すような対向電極型プラズマ発生装置14を用いたが、実施例1及び実施例2とは異なり、第1距離L1と第2距離L2との長さは同一である。つまり、比較例1では、従来からある対向電極型プラズマ発生装置を用いた。また、第1経路80及び第2経路82には、同一の混合ガスが供給される。
図5に示すように、第1距離L1及び第2距離L2は、共に1.0(mm)であり、第1経路80及び第2経路82に供給される混合ガスは、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの量は、10(l/min)、酸素の量は、40(ml/min)であり、混合ガスの酸素濃度は、約0.40(%)である。
従って、第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの総量は、20(l/min)、酸素の総量は、80(ml/min)となる。比較例1では、放電状態の均一性が保たれ、成膜速度は、約110(nm/min)となる。
比較例1では、第1距離L1及び第2距離L2が共に1.0(mm)であり、実施例1〜4と比べ、プラズマ化される酸素の量が低いので、比較例1の成膜速度は、実施例1〜実施例5に比べ遅い。
比較例1では、第1経路80及び第2経路82を通過する酸素の量は、40(ml/min)、第1距離L1及び第2距離L2は、1.0(mm)なので、評価値は、(40/40)×(1.0/1.0)=1となり、評価値は1より大きな値とならない。
(比較例2)
比較例2では、比較例1と同様の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。また、第1経路80及び第2経路82には、同一の混合ガスが供給される。
比較例2では、比較例1と同様の対向電極型プラズマ発生装置14を用いた。また、第1経路80及び第2経路82には、同一の混合ガスが供給される。
図5に示すように、第1距離L1及び第2距離L2は、共に0.5(mm)であり、第1経路80及び第2経路82に供給される混合ガスは、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの量は、5(l/min)、酸素の量は、160(ml/min)であり、混合ガスの酸素濃度は、約3.10(%)である。
従って、第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの総量は、10(l/min)、酸素の総量は、320(ml/min)となる。比較例2では、放電状態の均一性が保たれ、成膜速度は、比較例1と同じ約110(nm/min)となる。
比較例2では、第1距離L1及び第2距離L2の長さを比較例1より短くして、プラズマ化される酸素の量を増やしたが、それに伴い供給されるアルゴンの量が減少したので、プラズマ化アルゴンの量が少なくなり、成膜速度が向上しなかった。
比較例2では、第1経路80及び第2経路82を通過する酸素の量は、160(ml/min)、第1距離L1及び第2距離L2は、0.5(mm)なので、評価値は、(160/160)×(0.5/0.5)=1となり、評価値は1より大きな値とならない。
(比較例3)
比較例3は、比較例1に対して第1経路80及び第2経路82に供給される酸素の量のみを2倍に増やしたものであり、それ以外は、比較例1と同様である。
比較例3は、比較例1に対して第1経路80及び第2経路82に供給される酸素の量のみを2倍に増やしたものであり、それ以外は、比較例1と同様である。
詳しくは、図5に示すように、第1距離L1及び第2距離L2は、共に1.0(mm)であり、第1経路80及び第2経路82に供給される混合ガスは、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの量は、10(l/min)、酸素の量は、80(ml/min)であり、混合ガスの酸素濃度は、約0.79(%)である。
従って、第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの総量は、20(l/min)、酸素の総量は、160(ml/min)となる。
比較例3では、第1経路80及び第2経路82を通過する酸素の量が多いため、酸素がプラズマ化されなかった。従って、成膜ができず、成膜速度の測定は不能であった。
なお、比較例3では、第1経路80及び第2経路82を通過する酸素の量は、80(ml/min)、第1距離L1及び第2距離L2は、1.0(mm)なので、評価値は、(80/80)×(1.0/1.0)=1となり、評価値は1より大きな値とならない。
(比較例4)
比較例4は、比較例2に対して第1経路80及び第2経路82に供給される酸素の量のみを2倍に増やしたものであり、それ以外は、比較例2と同様である。
比較例4は、比較例2に対して第1経路80及び第2経路82に供給される酸素の量のみを2倍に増やしたものであり、それ以外は、比較例2と同様である。
詳しくは、図5に示すように、第1距離L1及び第2距離L2は、共に0.5(mm)であり、第1経路80及び第2経路82に供給される混合ガスは、不活性ガスとしてのアルゴンと、気相原材料としての酸素である。第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの量は、5(l/min)、酸素の量は、320(ml/min)であり、混合ガスの酸素濃度は、約6.02(%)である。
従って、第1経路80及び第2経路82に供給されるアルゴンの総量は、10(l/min)、酸素の総量は、640(ml/min)となる。
比較例4では、第1経路80及び第2経路82を通過する酸素の量が多いため、酸素がプラズマ化されなかった。従って、成膜ができず、成膜速度の測定は不能であった。
なお、比較例4では、第1経路80及び第2経路82を通過する酸素の量は、320(ml/min)、第1距離L1及び第2距離L2は、0.5(mm)なので、評価値は、(320/320)×(0.5/0.5)=1となり、評価値は1より大きな値とならない。
このように、本実施の形態の対向電極型プラズマ発生装置14は、第1電極50及び第2電極52間の距離が第1距離L1に設定された第1経路80と、第3電極54及び第4電極56間の距離が第1距離L1より短い第2距離L2に設定された第2経路82を備え、第2経路82に供給される気相原材料の濃度を、第1経路80に供給される気相原材料の濃度より高くしたので、第1経路80によって、プラズマ化される不活性ガスの量を増やすことができ、第2経路82によってプラズマ化される気相原材料の量を増やすことができ、その結果、成膜速度を向上させることができる。
また、第2経路82は、第3電極54又は第4電極56を被覆する誘電体90を有するので、第2経路82によってプラズマ化される気相原材料の量を更に増やすことができ、成膜速度を向上させることができる。
また、第1距離L1、第2距離L2、第1経路80を通過する気相原材料の量、及び、第2経路82を通過する気相原材料の量は、(第2経路82を通過する気相原材料の量×第2距離L2)/(第1経路80を通過する気相原材料の量×第1距離L1)>1、の関係式を有するので、第1経路80によって、プラズマ化される不活性ガスの量を増やすことができ、第2経路82によってプラズマ化される気相原材料の量を増やすことができ、その結果、成膜速度を向上させることができる。
第1経路80でプラズマ化された第1不活性ガス又は第1混合ガスと、第2経路82でプラズマ化された第2混合ガスとを噴出する噴出口14aを有するので、プラズマ化されたエネルギーが失活する前に、プラズマ化された第1不活性ガス又は第1混合ガスと、第2混合ガスとを混合して噴出することができる。
また、第2経路82に供給される第2混合ガスは、酸素濃度が高いので、第2経路82でプラズマ化された第2混合ガスは高温になり易いが、第1経路80に供給される第1不活性ガス又は第1混合ガスは、酸素濃度が低い乃至酸素を含まないので第1経路80でプラズマ化された第1不活性ガス又は第1混合ガスは高温になり難い。従って、第1経路80でプラズマ化された第1不活性ガス又は第1混合ガスと、第2経路82でプラズマ化された第2混合ガスとが混合されて、噴出口14aから放出されることで、噴出口14aから放出されるプラズマ化混合ガスが高温になることを抑制することができ、樹脂等の溶融温度が低い基材11に対しても成膜することができる。
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10…プラズマ成膜装置 11…基材
12…原料供給部 14…対向電極型プラズマ発生装置
14a…噴出口 50…第1電極
52…第2電極 54…第3電極
56…第4電極 58…仕切板
60a、60b…高周波電源 80…第1経路
82…第2経路 90…誘電体
12…原料供給部 14…対向電極型プラズマ発生装置
14a…噴出口 50…第1電極
52…第2電極 54…第3電極
56…第4電極 58…仕切板
60a、60b…高周波電源 80…第1経路
82…第2経路 90…誘電体
Claims (4)
- 対向電極型プラズマ発生装置において、
一対の電極間の距離が第1距離に設定された第1経路と、
一対の電極間の距離が前記第1距離より短い第2距離に設定された第2経路と、
を備え、
前記第1経路には、不活性ガス、又は、気相原材料及び不活性ガスを有する混合ガスが供給され、
前記第2経路には、気相原材料及び不活性ガスを有する混合ガスが供給され、
前記第2経路に供給される気相原材料の濃度は、前記第1経路に供給される気相原材料の濃度より高い
ことを特徴とする対向電極型プラズマ発生装置。 - 請求項1に記載の対向電極型プラズマ発生装置において、
前記第2経路は、少なくとも一方の電極を被覆する誘電体を有する
ことを特徴とする対向電極型プラズマ発生装置。 - 請求項1又は2に記載の対向電極型プラズマ発生装置において、
前記第1距離、前記第2距離、前記第1経路を通過する気相原材料の量、及び、前記第2経路を通過する気相原材料の量は、以下の関係式を有することを特徴とする対向電極型プラズマ発生装置。
((前記第2経路を通過する気相原材料の量)/(前記第1経路を通過する気相原材料の量))×((前記第2距離)/(前記第1距離))>1 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の対向電極型プラズマ発生装置において、
前記第1経路でプラズマ化された不活性ガス又は混合ガスと、前記第2経路でプラズマ化された混合ガスとを噴出する噴出口を有する
ことを特徴とする対向電極型プラズマ発生装置。
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