JP2014118577A - 銀を主体とした貴金属磁石およびその製造方法 - Google Patents

銀を主体とした貴金属磁石およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】銀を主体とする貴金属磁石において、50重量%以上の銀を含有し、家庭用永久磁石磁気治療器としても使用可能な磁束密度を得ることができ、しかも様々な形態の装飾製品とすることができ、表面が平滑でかつ耐腐食性の高い銀を主体とした貴金属磁石およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の銀を主体とした貴金属磁石は、一次粒子径が0.5〜5μmの銀微粉末と一次粒子径が1〜40μmの希土類磁石の微粉末に、樹脂を混練してプレス成形し、該プレス成形体を着磁してなり、少なくとも50重量%の銀を含有し、35mT以上の磁束密度を得たことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、銀を主体とする貴金属磁石において、50重量%以上の銀を含有し、家庭用永久磁石磁気治療器としても使用可能な磁束密度を得ることができ、しかも様々な形態の装飾品とすることができ、表面が平滑でかつ耐腐食性の高い銀を主体とした貴金属磁石およびその製造方法に関する。
腕時計ベルト、又はネックレスやブレスレット等の装身具、或いは絆創膏類に永久磁石を添設させることにより、その磁気の力で疾病の予防、改善、治療の役に立てることを意図されている磁気健康器具が数多く商品化されている。
これらの磁気健康器具のうち、特に金(Au)や白金(Pt)、銀(Ag)等の貴金属と組み合わせることにより、装飾品としての付加価値を高めることがなされている。
既に商品化されている貴金属を含有する磁気健康器具としては、腕時計ベルト、又はネックレスやブレスレット等の装身具であって、貴金属部分と永久磁石部分とを別々に成形し、貴金属部分の裏面側には永久磁石を嵌め付けることができる凹状部を設けた構造のものが一般的に広く知られている。
これらの腕時計ベルトや装身具では、貴金属部分の裏面側(皮膚側)に設けた凹状部に永久磁石を嵌め付けた表裏を有する環状形態であるから、永久磁石は、首や腕の皮膚に接触する部分に位置するものであり、表面側の貴金属部分を大きくする、即ち貴金属部分の割合を多くできる。したがって、全体の50重量%以上を貴金属とすることも容易であった。
また、複数の貴金属パーツを組み合わせて装身具とする製品もあり、貴金属パーツの端部に永久磁石を一体的に取り付けることにより、永久磁石を連結用として用いる構成となっている。
一方、白金に限っては、白金含有量が約70重量%にも及ぶ白金磁石が古くから知られている。この白金磁石は、鋳造にて精密加工ができ、環状形態にも限定されず、耐食性に優れた商品とできる。
また、金に関しても、50〜75重量%の金を含み、白金及びコバルト(Co)を含む磁石が特許文献1に提案されている。この金−白金−コバルトからなる磁石は、合金磁石であるため、環状形態にも限定されないので、表裏の区別もなく装飾品を作製できるという利点がある。
特開昭62−185846号公報
しかしながら、前述の貴金属部分の裏面側に永久磁石を取り付けた環状形態の貴金属磁気健康器具では、永久磁石が表面側に廻ってしまった場合には、黒色の永久磁石が露出してしまい見栄えを著しく低下させるという問題があった。そのため、表裏が逆にならないような工夫や形状制限を必要とするものであった。
また、前述のように、金や白金を主体とする貴金属磁石は既に提案され、含有量が半分以上にも及ぶことも知られているが、銀の含有量が半分以上に及ぶ貴金属磁石は知られておらず、当然のことながら、前述の白金磁石の白金に代えて銀を用いても磁石とはならないし、前述の金−白金−コバルト合金磁石の金に代えて銀を用いても磁石とはならない。また、材料として金や白金を用いると銀よりもコスト高になるという課題もあった。
そこで、本発明では、銀を主体とする貴金属磁石において、50重量%以上の銀を含有し、家庭用永久磁石磁気治療器としても使用可能な磁束密度を得ることができ、しかも様々な形態の装飾製品とすることができ、表面が平滑でかつ耐腐食性の高い銀を主体とした貴金属磁石およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、一次粒子径が0.5〜5μmの銀微粉末と一次粒子径が1〜40μmの希土類磁石の微粉末に、樹脂を混練してプレス成形し、該プレス成形体を着磁してなり、少なくとも50重量%の銀を含有し、35mT以上の磁束密度を得たことを特徴とする銀を主体とする貴金属磁石に関するものである。
また、本発明は、前記貴金属磁石において、希土類磁石の微粉末として、サマリウム鉄窒素(SmFeN)磁石の微粉末を用い、銀微粉末85〜50重量%と前記サマリウム鉄窒素磁石の微粉末15〜50重量%とを混練することを特徴とする銀を主体とする貴金属磁石をも提案する。
また、本発明は、前記貴金属磁石において、希土類磁石の微粉末として、サマリウムコバルト(SmCo)磁石の微粉末を用い、銀微粉末80〜50重量%と前記サマリウムコバルト磁石の微粉末20〜50重量%とを混練することを特徴とする銀を主体とする貴金属磁石をも提案する。
また、本発明は、前記貴金属磁石において、プレス成形体の表面に銀メッキ層を形成することを特徴とする銀を主体とする貴金属磁石をも提案する。
さらに、本発明は、一次粒子径が0.5〜5μmの銀微粉末と一次粒子径が1〜40μmの希土類磁石の微粉末とを混合する第1の工程と、この微粉末の混合物に樹脂を混練してプレス成形する第2の工程と、このプレス成形体を着磁する第3の工程とを経ることにより、少なくとも50重量%の銀を含有し、35mT以上の磁束密度を得たことを特徴とする銀を主体とする貴金属磁石の製造方法をも提案するものである。
本発明の銀を主体とした貴金属磁石は、50重量%以上の銀を含有し、家庭用永久磁石磁気治療器としても使用可能な35mT以上の磁束密度を有するものであって、しかも銀微粉末のマトリックス中に希土類磁石の微粉末が分散する構造であるため、表裏を有する環状形態に限らず、例えば各種形態のペンダントやイヤリング等にも適用することができる。さらに、銀及び希土類磁石の混合微粉末に少量の樹脂を加えてプレス成形した後、着磁したので、表面が平滑でかつ耐腐食性の優れた貴金属磁石が作製でき、各種の装身具や装飾品などとして利用することができる。
特に希土類磁石の微粉末として、サマリウム鉄窒素磁石又はサマリウムコバルト磁石の微粉末を用いる場合には、例えばネオジム(Nd)磁石に比べて磁力そのものは劣るものの、自動車のEV化と生産国からの輸出規制によるレアアースの入手困難といった問題点もなく、しかも絶縁性に優れ、防錆性にも優れているという特性を有しているため、例えば装身具としても見映えのよいものとすることができる。
また、プレス成形体の表面に銀メッキ層を形成した場合には、耐腐食性が著しく高くなり、特に装身具として好適に利用することができ、長期間に亘って美麗な状態を維持するものとなる。
さらに、本発明の銀を主体とする貴金属磁石の製造方法は、銀微粉末と希土類磁石の微粉末を混合する第1の工程も、この微粉末混合物に樹脂を混練してプレス成形する第2の工程も、このプレス成形体を着磁する第3の工程も極めて容易に実施できるため、実用的価値が高いものである。
本発明の銀を主体とした貴金属磁石は、50重量%以上の銀を含有し、家庭用永久磁石磁気治療器としても使用可能な35mT以上の磁束密度を有するものであって、しかも銀微粉末のマトリックス中に希土類磁石の微粉末が分散する構造であり、少量の樹脂を加えてプレス成形した後、このプレス成形体を着磁したので、表面が平滑でかつ耐腐食性の優れた貴金属磁石が作製できる。
本発明に用いる銀微粉末は、一次粒子径0.5〜5μm程度の純銀又は銀合金の微粉末であって、二次粒子径、即ち混練物中の二次粒子径が1〜10μmのものを用いる。これらの銀粉末としては、アトマイズ粉、還元粉など製造方法は特に指定はないが、粒子が球状に近い形状であることが好適に使用される。また、二次粒子径が前記範囲より大きな粒径のものを用いた場合には、プレス後の表面平滑性が保たれない、即ち表面が凹凸になり易く、必要に応じてメッキ層を形成した後にもその凹凸が残存してしまって商品価値を損ね易い。
本発明に用いる希土類磁石は、希土類元素の持つ強力な磁気異方性を生かしているため、磁気エネルギーが大きいという特徴がある。なお、磁気異方性とは、磁化し易い方向を持っているということであり、その方向に着磁することにより、強力な磁石を得ることができる。
この希土類磁石としては、専らネオジム系磁石とサマリウム系磁石との2種類が知られ、特にサマリウム系磁石の中でもサマリウム鉄窒素磁石は、サマリウムコバルト磁石に比べて高い磁力特性を備え、またその微粉末は、前記銀微粉末と混練してプレス成形、着磁を経た本発明の貴金属磁石製品が、高い耐腐食性を有していることが見出された。
そして、本発明に用いる希土類磁石の微粉末は、一次粒子径が1〜40μmのものを用いる。この希土類磁石の微粉末においても、一次粒子径が前記範囲より大きな粒径のものを用いた場合には、プレス後の表面平滑性が保たれず、表面が凹凸になり易く、必要に応じてメッキ層を形成した後にもその凹凸が残存してしまって商品価値を損ね易い。
本発明に用いる樹脂としては、一液性のものでも二液性(=主剤と硬化剤の混合タイプ)のものでもよく、アクリル系でも、アミド系でも、エポキシ系でも、フェノール系でもよいが、本発明ではプレス成形するので、エポキシ系やフェノール系等の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。本発明では、この樹脂(及び必要に応じて硬化剤)を、前記の銀微粉末と希土類磁石の微粉末の混合微粉末に対して1〜5重量部添加(混練)することが好ましいが、この樹脂(及び必要に応じて硬化剤)は、前記混合微粉末を結合(一体化)するために添加するものであるから、添加量が1重量部に満たないと結合(一体化)効果が低く、逆に5重量部より多くなると磁力の低下をまねくだけで無駄になる。
本発明に用いる原材料としては、前記銀微粉末、前記希土類磁石の微粉末、前記樹脂(及び必要に応じて硬化剤)を用いるが、本発明の貴金属磁石の製造方法では、まず第1の工程として、前記銀微粉末と前記希土類磁石の微粉末を十分に混練する。ここで、希土類磁石の微粉末として、サマリウム鉄窒素磁石の微粉末を用いる場合には、銀微粉末85〜50重量%と前記サマリウム鉄窒素磁石の微粉末15〜50重量%とを混練することが好ましく、希土類磁石の微粉末として、サマリウムコバルト磁石の微粉末を用いる場合には、銀微粉末80〜50重量%と前記サマリウムコバルト磁石の微粉末20〜50重量%とを混練することが好ましい。
銀の微粉末の割合が50重量%に満たない場合には、その分だけ希土類磁石の微粉末の割合が増えるために磁力特性は高くなるが、貴金属製品としての品位が低いものとなり商品価値も低くなる。
また、サマリウム鉄窒素磁石の微粉末を用いる場合、銀の微粉末の割合が85重量%を超えると、貴金属製品としての品位は高くなるものの、サマリウム鉄窒素磁石の微粉末の割合が15重量%に満たないものになるため、磁力特性が低くなり、目標とした磁束密度35mTを得ることができない。同様に、サマリウムコバルト磁石の微粉末を用いる場合、銀の微粉末の割合が80重量%を超えると、貴金属製品としての品位は高くなるものの、サマリウムコバルト磁石の微粉末の割合が20重量%に満たないものになるため、磁力特性が低くなり、目標とした磁束密度35mTを得ることができない。
なお、上記磁束密度の目標値の根拠は、JIS T2007の家庭用永久磁石磁気治療器に明記されている磁気性能の最大磁束密度の範囲が35mT〜200mTと規定されているため、磁束密度の目標値を35mT以上とした。
次に、第2の工程として、前記銀微粉末と前記希土類磁石の微粉末に前記樹脂を加えて所望の形状にプレス成形する。
このプレス成形は機械プレスや油圧プレス等の圧縮成形機を用いた圧縮成形により行うことができる。具体的には前記銀微粉末と前記希土類磁石の微粉末に前記樹脂を加えて作製したコンパウンドを金型内に充填した後、上下のパンチで挟んで加圧することにより、所定形状に成形することができる。形状や大きさ等については特に限定するものではなく、所望の最終製品の形状に応じて作製する。
このプレス成形によって得られた成形体は、架橋タイプの樹脂を用いた場合に硬化させるために加熱乾燥を行うことが望ましい。加熱乾燥は酸化を防ぐため不活性雰囲気ガス下が好ましいが、大気中で行ってもよい。この加熱乾燥温度は、60〜200℃で行うのが好ましく、加熱乾燥時間は1〜12時間保持させて成形体を硬化させることが好ましい。
その後、第3の工程として、プレス成形体を着磁する。
必要に応じて着磁以前に各種の表面加工を施してもよく、一般的に表面加工としては、メッキ、化学処理、イオンプレーティング、蒸着、塗装、溶射、コーティング等が知られているが、耐腐食性、装飾価値、製造コストの面からメッキを、特に銀メッキを行うことが望ましい。また、化学処理等を、必要に応じて銀メッキ処理に先立って行うようにしてもよい。
なお、銀メッキとしては、下地銀メッキの後に仕上げ金メッキを行うことが望ましい。耐食性のある金属メッキ層を形成するには、金メッキを行って防錆性に優れた磁石とすることが好ましいが、この場合にも銀メッキ層が金メッキの下地層となるので、層間の密着性に優れたものとなる。なお、当初から金メッキを前提とする場合には、銀メッキの他にCu,Ni,Sn等を下地メッキする方法が知られているが、前記プレス成形体が銀を主体としている成形体である点からも、密着性に優れた銀メッキが好ましい。具体的には、浄化した成形体に電解或いは無電解の下地銀メッキ処理を行い、仕上げメッキとしては、AuCo、AuCu、AuIr,AuAg,AuNi,AuFe,AuZn等から所望する色等にて選択される金メッキを行うようにすればよい。このような銀メッキ、或いはそれに加えて金メッキを行うことにより、高い耐食性を有し、装飾品としての価値の面からも優れた貴金属磁石とすることができる。
その後、得られた成形体を着磁する。この着磁には、静磁場を発生する電磁石着磁、パルス磁場を発生するコンデンサー着磁等を用いることができる。十分着磁を行わしめるための、磁場強度は好ましくは30KOe以上、さらに好ましくは40KOe以上である。
〔実施例1〕
銀85重量%、サマリウム鉄窒素15重量%となるように、一次粒子径が0.5〜5μmの銀微粉末と 一次粒子径が1〜10μmのサマリウム鉄窒素微粉末を混合混練する。この混合微粉末にエポキシ樹脂(株式会社ADEKA製ビスフェノールA汎用タイプ「アデカレジンEP−4100」)と硬化剤(株式会社ADEKA製汎用ポリアミドアミン系硬化剤「アデカグランマイドGM−665」)を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い熱硬化させた。
なお、前記各微粉末の配合量、及び樹脂、硬化剤の添加量については、表1中に記載するとおりであり、使用したサマリウム鉄窒素はSm2Fe173である。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキを行った後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして銀85重量%の貴金属磁石の成形体を得た。
〔実施例2〕
前記実施例1において、下地銀メッキ及び仕上げ金メッキを行わなかった以外は全く同様にして貴金属磁石の成形体を得た。
〔実施例3〕
前記実施例1と同様の原材料を用い、銀80重量%、サマリウム鉄窒素20重量%となるように銀微粉末とサマリウム鉄窒素微粉末を混合混練し、この混合微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキ後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして銀80重量%の貴金属磁石の成形体を得た。
〔実施例4〕
前記実施例1と同様の原材料を用い、銀75重量%、サマリウム鉄窒素25%重量となるように銀微粉末とサマリウム鉄窒素微粉末を混合混練し、この混合微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキ後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして銀75重量%の貴金属磁石の成形体を得た。
〔実施例5〕
前記実施例1と同様の原材料を用い、銀50重量%、サマリウム鉄窒素50重量%となるように銀微粉末とサマリウム鉄窒素微粉末を混合混練し、この混合微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキ後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして銀50重量%の貴金属磁石の成形体を得た。
〔参考例1〕
前記実施例1と同様の原材料を用い、銀25重量%、サマリウム鉄窒素75重量%となるように銀微粉末とサマリウム鉄窒素微粉末を混合混練し、この混合微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキ後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして銀25重量%の貴金属磁石の成形体を得た。
〔比較例1〕
銀を全く用いない以外は、前記実施例1と同様の原材料を用い、サマリウム鉄窒素微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキをしようとしたが、メッキできず、サマリウム鉄窒素100重量%の希土類磁石の成形体を得た。
〔参考例2〕
前記実施例1と同様の原材料を用い、銀90重量%、サマリウム鉄窒素10重量%となるように銀微粉末とサマリウム鉄窒素微粉末を混合混練し、この混合微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキ後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして銀90重量%の貴金属磁石の成形体を得た。
〔実施例6〕
銀80重量%、サマリウムコバルト20重量%となるように、一次粒子径が0.5〜5μmの銀微粉末と 一次粒子径が1〜40μmのサマリウムコバルト微粉末を混合混練する。この混合微粉末に、前記実施例1と同様の樹脂と硬化剤を用いて混合混練し、その後も同様にプレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い熱硬化させた。
なお、前記各微粉末の混合量、及び樹脂、硬化剤の添加量については、表1中に記載するとおりであり、使用したサマリウムコバルトはSm2Co17である。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキを行った後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして銀80重量%の貴金属磁石の成形体を得た。
〔実施例7〕
前記実施例6と同様の原材料を用い、銀75重量%、サマリウムコバルト25重量%となるように銀微粉末とサマリウムコバルト微粉末を混合混練し、この混合微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキ後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして銀75重量%の貴金属磁石の成形体を得た。
〔実施例8〕
前記実施例6と同様の原材料を用い、銀50重量%、サマリウムコバルト50重量%となるように銀微粉末とサマリウムコバルト微粉末を混合混練し、この混合微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキ後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして銀50重量%の貴金属磁石の成形体を得た。
〔参考例3〕
前記実施例6と同様の原材料を用い、銀25重量%、サマリウムコバルト75重量%となるように銀微粉末とサマリウムコバルト微粉末を混合混練し、この混合微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキ後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして銀25重量%の貴金属磁石の成形体を得た。
〔比較例2〕
銀を全く用いない以外は、前記実施例6と同様の原材料を用い、サマリウムコバルト微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキをしようとしたが、メッキできず、サマリウムコバルト100重量%の希土類磁石の成形体を得た。
〔参考例4〕
前記実施例6と同様の原材料を用い、銀85重量%、サマリウムコバルト15重量%となるように銀微粉末とサマリウムコバルト微粉末を混合混練し、この混合微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキ後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして銀85重量%の貴金属磁石の成形体を得た。
〔比較例3〕
サマリウムコバルトを全く用いない以外は、前記実施例6と同様の原材料を用い、銀微粉末にエポキシ樹脂と硬化剤を入れて混合混練し、プレス機により圧縮成形を行った後、φ6mm×t5mmの円柱形状の成形体を作製し、熱風乾燥機で100℃×12時間の加熱乾燥を行い、熱硬化させた。
次に、熱硬化後の成形体に下地銀メッキ後、仕上げメッキとして金メッキを施し、メッキ後の成形体に着磁装置を用いて着磁をして、銀100重量%の貴金属成形体を得た。
〔外観及び磁束密度〕
以上のようにして得られた実施例1〜8、及び参考例1〜4の貴金属磁石の成形体、比較例1,2の希土類磁石の成形体、比較例3の貴金属成形体のそれぞれの外観を目視にて判定し、さらに磁束密度計で磁束密度測定を行い、それらの結果を表1に併記した。なお、比較例1,2の希土類磁石の成形体については磁束密度測定を行わなかった。
〔中性塩水噴霧試験〕
実施例1〜8、及び参考例1〜4の貴金属磁石の成形体、比較例3の貴金属成形体のそれぞれについて、JIS H8502 7.1に準じて中性塩水噴霧試験を行った。なお、比較例1,2の希土類磁石の成形体については試験の必要がないと判断した。
〈結果〉
Figure 2014118577
〔考察〕
表1より明らかなように実施例1〜8の貴金属磁石の成形体は、外観については何れも表面が平滑であって美麗であり、磁束密度も37mT以上であって、目標値とした35mTを上回るものであった。そのため、これらの実施例1〜8の貴金属磁石の成形体は、高い磁束密度を有し、外観も美麗であるため、磁気治療に貢献する各種の銀装飾具、又は銀装飾効果を有する磁気治療具とできることが確認された。
また、サマリウム鉄窒素を用いた実施例1〜5貴金属磁石の成形体は、塩水噴霧4時間という条件でも、錆の発生が認められず、良好な結果が得られた。実施例2の結果より、必ずしもメッキを施さなくても良好な結果が得られることがあることも確認された。即ち銀の割合が高い場合には、メッキをしなくても磁力と耐食性に問題のない貴金属磁石ができることが確認された。一方、サマリウムコバルトを用いた実施例6〜8の貴金属磁石の成形体は、塩水噴霧0.5時間という条件では良かったが、塩水噴霧4時間という条件ではメッキをしていても錆の発生が認められた。したがって、サマリウム鉄窒素を用いた実施例1〜5の方が、皮膚に接触する各種の銀装身具又は磁気治療具として好適であることが確認された。
これに対し、参考例2,4の貴金属磁石の成形体と比較例3の貴金属成形体は、外観については表面が平滑で優れていたが、磁束密度が21mT、25mT、0mTと低く、到底満足できなかった。
また、比較例1,2の希土類磁石の成形体は、表面が凸凹の性状であって外観不良と判断され、前述のようにメッキ加工もできなかった。
なお、参考例1,3については、外観で‘やや不良’と判断したものの、‘良好’との差は極めて僅かであった。特に参考例1については、高い磁束密度を有し、しかも塩水噴霧試験でも優れた結果を得られ、特性的には決して実施例に劣るものではなく、またメッキを厚くすることで見かけの向上も図れるが、本発明では銀を主体とする貴金属磁石の商品価値を重んじたため、これを比較例とした。
したがって、実施例1〜8の貴金属磁石の成形体は、高い磁束密度を有し、外観も美麗で、耐腐食性も有するため、磁気治療に貢献する各種の銀装飾具、又は銀装飾効果を有する磁気治療具とできることが確認された。
特に希土類磁石としてサマリウム鉄窒素を用いた実施例1〜5の貴金属磁石の成形体は、より耐腐食性が優れ、より継続的に美観を維持するものとなることが確認された。

Claims (5)

  1. 一次粒子径が0.5〜5μmの銀微粉末と一次粒子径が1〜40μmの希土類磁石の微粉末に、樹脂を混練してプレス成形し、該プレス成形体を着磁してなり、少なくとも50重量%の銀を含有し、35mT以上の磁束密度を得たことを特徴とする銀を主体とする貴金属磁石。
  2. 希土類磁石の微粉末として、サマリウム鉄窒素磁石の微粉末を用い、銀微粉末85〜50重量%と前記サマリウム鉄窒素磁石の微粉末15〜50重量%とを混練することを特徴とする請求項1に記載の銀を主体とする貴金属磁石。
  3. 希土類磁石の微粉末として、サマリウムコバルト磁石の微粉末を用い、銀微粉末80〜50重量%と前記サマリウムコバルト磁石の微粉末20〜50重量%とを混練することを特徴とする請求項1に銀を主体とする貴金属磁石。
  4. プレス成形体の表面に銀メッキ層を形成することを特徴とする銀を主体とすることを特徴とする請求項1〜3に記載の銀を主体とする貴金属磁石。
  5. 一次粒子径が0.5〜5μmの銀微粉末と一次粒子径が1〜40μmの希土類磁石の微粉末とを混合する第1の工程と、この微粉末の混合物に樹脂を混練してプレス成形する第2の工程と、このプレス成形体を着磁する第3の工程と、を経ることにより、少なくとも50重量%の銀を含有し、35mT以上の磁束密度を得たことを特徴とする銀を主体とする貴金属磁石の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019069139A (ja) * 2017-08-23 2019-05-09 学校法人東京理科大学 宝飾品及びその製造方法

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