JP2014117694A - 農産物集出荷システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ランク選別装置でもって大量に処理される農産物であっても、袋詰めや箱詰めにされた最終製品の生産者を確実に特定できるようにする。
【解決手段】生産者単位で集合された複数のコンテナ内の農産物を選別コンベアへ移し替えるコンテナ反転工程と、移し替えられた一群の農産物に対して固有の識別情報を付与するる工程と、一群の農産物を個々の重量に応じてランク選別するランク選別工程と、ランク選別された個々の農産物をランク別に所定重量の製品に形成する工程と、前記製品を収納する袋や箱に前記識別情報を印字する工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生産者(農家)から持ち込まれる農産物を等級別、階級別に選別した後、一定重量に計量して袋詰めや箱詰めにして出荷する集出荷システムにおいて、袋詰めや箱詰めにされた個々の製品に生産者や栽培履歴等を照会する識別情報を表示するようにしたシステムに関する。
市場に出回った農産物に不具合が発生した場合の迅速な回収や食の安心・安全をアピールする手段として、最近では、数多くの農産物にトレーサビリティが導入されている。このトレーサビリティを農産物に導入するには、農産物を収納する袋や箱に生産者名や栽培履歴を直接表示したり、それらが照会できるコード(以下、これらの生産者名や栽培履歴、照会コード等を総称して識別情報という。)を表示する。そのため、各農家が手作業で箱詰めにする高級な果物には、比較的容易にトレーサビリティを導入することができる。しかし、ピーマンやみかん等の農産物は、収穫期に多数の農家から持ち込まれる大量の農産物を選果場に集め、そこで選別装置に掛けて等級別、階級別に選別し、それらをさらに自動計量装置で一定重量に計量してから袋詰めや箱詰めにするので、このような機械的に処理される農産物には、トレーサビリティの導入は、困難と考えられていた。
ところが、下記特許文献1では、この問題を解決するために、複数の生産者から持ち込まれた「みかん」を生産者別に連続的に処理するようにし、その際に、各処理工程を時間管理することによって、生産者毎に処理される「みかん」を他の生産者の「みかん」と区別して、箱詰めされた最終製品の生産者が特定できるようにしている。
例えば、この特許文献1では、生産者Aの「みかん」の入荷処理が終了して生産者Bの入荷処理に切り替わった時刻が8時17分00秒とすると、生産者Aの「みかん」の最後尾は、8時17分00秒までに下流側処理ラインへ搬送されたことになる。そして、選別処理を経て下流側の1号機(箱詰装置)に「みかん」が到達するまでに3分掛かるとすると、生産者Aの「みかん」の最後尾が1号機に到達する時刻は、8時20分00秒となり、生産者Bの先頭の「みかん」が1号機に到達する時刻は、8時20分00秒以降となる。したがって、1号機において、8時20分までに箱詰めが完了すれば、その箱には、生産者Aだけの「みかん」が収納されていることになる(特許文献1の0054欄参照)。
また、1号機での箱詰め作業が、例えば8時19分40秒から開始し、8時20分10秒に終了したとすると、その箱詰め作業は、生産者Aの最後尾の「みかん」が1号機に到達する時刻から次の生産者Bの先頭が1号機に到達する時刻に跨っているから、この箱には、生産者Aの「みかん」と生産者Bの「みかん」とが混在していることになる(特許文献1の0025欄参照)。
同様にして、ある号機での箱詰め作業が生産者A、B、Cのそれぞれに割り当てられた「みかん」到達時刻に跨っている場合には、その箱には、生産者A、B、Cの「みかん」が混在していると推定することができる(特許文献1の0055欄参照)。
特開2005−103512号公報
しかし、こうした時間管理では、次のような問題が生じる。例えば、この特許文献1の管理システムでは、重量別にL,M,S等にランク付けされた「みかん」をランク毎に設けられた箱詰装置(自動秤量機)にコンベアで搬送するが、その搬送途中で「みかん」が一時的に滞留して遅延するようなことが起きれば、当初の予定時刻を過ぎて箱詰め作業が完了することになる。そうすると、供給が一時途切れた箱には、先の生産者のものと後の生産者のものとが混在していると、誤って認識されてしまう問題がある。
また、あるランクの「みかん」の量が少なく、そのランクの箱詰めがなかなか完了しないために、そのランクの箱詰め作業が、生産者A、B、Cのそれぞれの「みかん」到達時刻に跨った場合には、その箱には、生産者A、B、Cの「みかん」が混在していることになる。しかし、生産者Bには、このランクの「みかん」がなく、生産者Cの「みかん」で始めて箱詰めが完了することもある。そうした場合でも、生産者Bの「みかん」が混在していると、誤って推定されてしまう問題がある。
本発明は、このような問題を解決しようとするもので、ランク選別装置でもって大量に処理される農産物であっても、袋詰めや箱詰めにされた最終製品の生産者を確実に特定することのできる新たな農産物集出荷システムを提供することを課題とする。
ここで扱う農産物は、例えば、重量別にランク選別されるピーマンやみかん等のように大量に集荷されて処理される農産物である。このような農産物は、産地によって扱いは異なるが、例えば、高知県産のピーマンでは、作型、等級、階級別に区分けされて出荷される。ここで作型とは、化学合成農業に頼らないエコ栽培によって生産された物と、化学肥料を慣行レベルの50%以下に抑える特別栽培によって生産された物との区分けをいう。また、等級とは、見栄えが良く高値で取引されるA級品とそうでないB級品との区分けをいう。また、階級とは、重量による区分けであって、ピーマンであれば、150gの袋詰めにされるL,M大、M小、S等のランクと、バラのまま箱詰めにされるL、M等のランクとがある。
これらの農産物は、予め作型と等級別に仕分けられた状態でコンテナに収納されて集出荷場に持ち込まれる。したがって、集出荷場のコンテナプールラインには、エコ栽培されたA級品の集荷ラインとB級品の集荷ライン、特別栽培されたA級品の集荷ラインとB級品の集荷ラインとが設けられ、それらの集荷ラインに、作型、等級別に仕分けられたコンテナが生産者毎に一まとめにして載置される。
<第1の発明>
こうした作型、等級別に分けられた農産物を対象として、第1の発明に係る農産物集出荷方法は、生産者単位で集合された複数のコンテナ内の農産物を選別ラインへ移し替えるコンテナ反転工程と、移し替えられた一群の農産物に対して固有の識別情報を付与する工程と、前記一群の農産物を個々の重量に応じてランク選別するランク選別工程と、ランク選別された個々の農産物をランク別に所定重量の製品に形成する工程と、前記製品を収納する袋や箱に前記識別情報を付す工程とを有することを特徴とする。
この集出荷方法によれば、選別ラインに移し替えられた一群の農産物に対して固有の識別情報が付与され、その後は、一群の農産物に対して個別のランク選別と、ランク別の所定重量の製品形成を行い、そうした製品の袋や箱に識別情報を付与するから、袋詰めや箱詰めにされた製品の生産者を、そこに付された識別情報から特定することができる。
<第2の発明>
また、第2の発明に係る農産物集出荷システムは、農産物の収納されたコンテナが生産者毎に一まとめにして載置されるコンテナプールラインと、前記コンテナに付された生産者コードを読み取る読取器と、読み取られた生産者コードが同一であるコンテナを反転させて、そこに収納された農産物を選別コンベアへ移し替える反転装置と、移し替えられた一群の農産物に対して固有の識別情報を付与する管理装置と、前記識別情報が付与された一群の農産物に対して処理を指示する操作手段と、前記操作手段の指示に基づいて前記選別コンベアに移し替えられた一群の農産物を個々にランク選別するランク選別装置と、ランク選別された個々の農産物をランク別に所定重量の袋詰め製品や箱詰め製品に形成する処理装置と、前記製品の袋や箱に前記識別情報を印字する印字装置とを備えたことを特徴とする。
図1は、この第2の発明に係る農産物集出荷システム100を説明するための機能ブロック図を示したものである。この図において、集出荷場に持ち込まれた図示しないコンテナには、それぞれに生産者コードが付されている。そして、集出荷場のコンテナプールライン1には、指定された作型・等級の農産物がコンテナに収納された状態で生産者毎に一まとめにして載置される。これらのコンテナは、指定された作型・等級のコンテナから順次下流の反転装置2に搬出される。その搬送途上で各コンテナに付された生産者コードが1番目の読取器3aによって読み取られる。また、コンテナが段積みされている場合は、段バラシ装置4によって1段ずつにばらされる。1段ずつにばらされた各コンテナは、コンテナ計量器5で計量され、その計量値が管理装置20に送信されてコンテナ重量(内容物重量)と生産者が紐付けにされる。管理装置20は、コンテナ重量を生産者別に集計して、生産者別の指定された作型・等級の入荷量として登録する。ただし、ここで用いる段バラシ装置4やコンテナ計量器5は、この発明においては、必須の構成ではない。
次に、反転装置2は、2番目の読取器3bで読み取られた生産者コードが先の生産者コードと同一である間は、1段ずつにばらされたコンテナを次々と反転させて、そこに収納された農産物を選別コンベア16へ移し替える。2番目の読取器3bで読み取られた生産者コードが1番目の読取器3aで読み取られた生産者コードと異なれば、反転装置2は、作業を中断して、既に移し替えられた農産物が下流側へ搬送されるまで待機する。そして、後述の操作手段6が操作されると、選別コンベア16に移し替えられた一群の農産物は、下流のランク選別装置7へ搬送される。
管理装置20は、選別コンベア16に移し替えられた一群の農産物に対して固有の識別情報を付与する。この識別情報によって一群の農産物と生産者とが紐付けにされる。そして、操作手段6が操作されて選別処理(荷口開始)が指示されると、選別コンベア16に移し替えられた一群の農産物は、一列縦隊に整列されてランク選別装置7に搬送される。その搬送過程で手選別が加えられることもある。この手選別は、目視により病害虫に犯された農産物や明らかに品質の異なる別等級の農産物などを取り除く作業である。また、取り除かれた農産物は、規格外品計量器8で計量され、その計量値が管理装置20に送信され、そこでコンテナ計量器5で計量された入荷量から差し引かれて入荷実績として管理装置20に記録される。ただし、この手選別工程と規格外品計量器8は、この発明においては、必須の構成ではない。
こうした工程を経て、一群の農産物がランク選別装置7に搬入されると、そこで個々の農産物の重量ランクが判定され、それに基づいて個々の農産物がランク別のコンベア9に振り分けられる。このランク選別装置7には、種々の形式のものがあるが、ここでは、特開2010−145135号公報に開示されたX線検査装置と振分装置とで構成されるランク選別装置を使用している。これにより、農産物のランク選別ととともに、農産物内の害虫検出も併せて行うことができる。
こうしてランク別に振り分けられた個々の農産物は、ランク別に設けられた複数の処理装置10に搬送され、そこで所定重量の袋詰めや箱詰めの製品に形成される。例えば、ピーマンの場合では、150gに計量されて袋詰めにされる袋詰めライン9aと、4.5kgに計量されてバラ状態で箱詰めにされる箱詰めライン9bとが設けられる。こうして処理された一群の農産物には、固有の識別情報が付与されているため、印字装置11は、管理装置20から送信されたその識別情報を袋や箱に印字する。これにより、袋や箱に印字された識別情報とそこに収納される農産物とが符合することになる。
処理装置10としては、袋詰めの場合は、個々の農産物の重量を組み合わせて一定重量(例えば、150g)の農産物を選択して排出する組合せ計量装置10aと、その組合せ計量装置10aから排出された一定重量の農産物を袋詰めにする包装装置12とで構成される。また、段ボール箱に農産物をバラ詰めにするときは、計量皿に載置された段ボール箱に農産物を供給しながら計量して、計量値が所定重量(例えば、4.5kg)になれば、農産物の供給を止める自動計量装置10bで構成される。この場合の段ボール箱の計量皿への供給と排出は、手動で行っても良いし、自動化しても良い。また、自動計量装置10bで4.5kgに合わせ込むことは難しいから、この装置10bの下流に微調整用の計量器13を設け、そこに農産物が満杯になった段ボール箱を載せて内容量を微調整する。もちろん、自動計量装置10bを静止させて微調整しても良い。その微調整は、計量器13の再計量値、あるいは、静止安定時の自動計量装置10bの計量値が4.5kgを超えるときは、箱の中の大きい目の農産物を取り出し、それに代えて、小さ目の農産物を加えて4.5kgに合わせ込む。
また、袋詰めや箱詰めにされる袋や箱には、そこに収納される農産物の識別情報が印字装置11によって印字される。袋詰めの場合は、印字装置11を包装装置12に組み込んで、農産物が袋に充填される前の包装フイルムに印字する。その場合の印字装置11としては、例えば、包装フイルムに識別情報を直接印字するインクジェットプリンターやインクリボン式のサーマルスタンパ等を用いる。また、箱詰めの場合は、箱に直接印字するインクジェットプリンターや、ラベルに印字するラベルプリンター等を用いる。ラベルプリンターを用いる場合は、手動でラベルを箱に貼付しても良いし、ラベル自動貼付機を用いて箱に自動的に貼付しても良い。こうして、識別情報の印字された袋詰め製品や箱詰め製品が完成する。
以上の説明は、袋詰め製品や箱詰め製品に一つの識別情報を印字する場合であったが、次に、一つの製品に複数の識別情報を印字する場合について説明する。
袋や箱に印字される固有の識別情報は、同一の生産者から持ち込まれた特定の作型、等級の一群の農産物に対して付与されるものである。したがって、作型や等級が異なれば、識別情報も異なる。しかし、作型や等級の異なる農産物は、同じ袋や箱には収納されないから、袋詰めや箱詰めにされる製品に複数の識別情報が付与されるケースは、作型、等級が同じで、専ら生産者のみが異なる場合である。
ランク選別装置7は、一つの識別情報の下でタクト運転されるから、その装置7で、識別情報の異なる農産物が混在することはない。しかし、処理装置10では、農産物を所定重量に計量しなければならないから、農産物が不足する場合は、後続の生産者の農産物を補充しなければならない。そのため、先の生産者の農産物から後の生産者の農産物に切り替わる過渡期においては、両生産者の識別情報を一つの袋や箱に印字することになる。
<第3の発明>
そのために、第3の発明に係る農産物集出荷システムでは、前記農産物集出荷システム100において、先の一群の農産物と後の一群の農産物との混在を知らせる第2操作手段14をさらに備え、この第2操作手段14が操作されると、前後する農産物の識別情報が管理装置20から印字装置11へ送信され、印字装置11は、処理装置10において、先の一群の農産物と後の一群の農産物とが入れ替わるまで、袋や箱に、異なる生産者のそれぞれが特定できる識別情報を印字することを特徴とする。
前述のように、ランク選別装置7は、一つの識別情報の下でタクト運転されるから、一群の農産物に対するランク選別が終了すると、次の一群の農産物は、ランク選別装置7の上流側にある選別コンベア16上で待機している。作業者は、農産物がランク選別装置7を抜けたことを確認してから操作手段6を操作する。すると、ランク選別装置7の上流側にある選別コンベア16が駆動されて、次の一群の農産物がランク選別装置7に搬入される。同時にランク選別装置7の下流側にあるランク別コンベア9がそれまでよりも速い速度に切り替えられて、ランク選別装置7から送り出された先の一群の農産物の最後尾を処理装置10側へ素早く送り込む。これにより、先の一群の農産物と後の一群の農産物とのコンベア9上での引き離しが行われる。このコンベア9は、暫くすると、元の速度に戻される。
続いて、後の一群の農産物がランク選別装置7を抜けて処理装置10の手前まで到達する。作業者は、それを確認してから第2操作手段14を操作する。すると、管理装置20は、先の農産物の識別情報に加えて、後の農産物の識別情報を印字装置11へ送信する。そして、処理装置10が組合せ計量装置10aであるときは、装置内部に蓄えられた先の一群の農産物が後の一群の農産物と完全に入れ替わるまでに所定時間を必要とするから、その間は、先の一群の農産物と後の一群の農産物とが混在しているとして、印字装置11は、異なる生産者のそれぞれが特定できる識別情報を包装フイルムに印字する。例えば、両方の生産者の識別情報をそのまま印字したり、先行する生産者の識別情報の後に、後続する生産者の農産物が混在することを知らせるコードを付加したりして特定する。
組合せ計量装置10aは、周知のように、複数の計量ホッパに1個ないし2個の農産物を投入して各計量ホッパの計量値を求め、求めた各計量値を組み合わせて合計重量が所定重量となる計量ホッパの組を選択し、選択した組の計量ホッパから農産物を排出することによって所定重量の農産物を得る装置である。したがって、先行の農産物と後続の農産物がそれぞれ異なった計量ホッパに収納されている場合に、どちらが先に選ばれるかは、確率の問題となるから、組合せ計量装置10aを使用する場合は、第2操作手段14が操作されてから所定時間が経過すれば、或いは、全ての計量ホッパが所定回数選択されれば、組合せ計量装置10a内に残留していた先の農産物が、後の農産物と入れ替わったと見なせる。そこで、この入れ替わり期間中は、先の農産物と後の農産物とが混在しているとして、印字装置11は、設定された期間、あるいは、設定回数の間、両方の生産者の識別情報を、あるいは、異なる生産者のそれぞれが特定できる識別情報を包装フイルムに印字する。これにより、農産物が市場に出回っても、袋に印字された識別情報から二人の生産者を特定することができる。
一方、処理装置10が自動計量装置10bである場合は、ランク選別装置7から搬出された農産物は、コンベア9の排出端に設けられた供給コンベア10cから段ボール箱Bに直接供給される(図4参照)。その段ボール箱Bは、自動計量装置10bに載荷されているから、自動計量装置10bは、その重量変化から供給開始を管理装置20に知らせる。あるいは、供給コンベア10cを手動運転とする場合は、段ボール箱Bを載置して供給コンベア10cを始動させる信号で供給開始を管理装置20に知らせる。管理装置20は、操作手段6が操作されたときに、次の一群の農産物に対して識別情報を付与しているから、次の一群の農産物が段ボール箱Bに供給されると、管理装置20は、その段ボール箱Bに対してその識別情報を紐付けて記憶する。そして、その段ボール箱Bが満杯になって自動計量装置10bによって供給コンベア10cが停止させられると、管理装置20は、その段ボール箱Bに紐付けした識別情報を印字装置11へ送信する。印字装置11は、それに基づいて微調整工程から搬出された段ボール箱Bに識別情報を直接印字する。あるいは、ラベルL等に識別情報を印字し、それを段ボール箱に貼付する。これにより、その段ボール箱Bに付与された識別情報と、そこに収納された農産物の生産者とが符合することになる。
しかし、段ボール箱Bが満杯になる前に先の生産者の農産物が無くなると、自動計量装置10bは、その状態で待機し、供給コンベア10cも停止する。そして、操作手段6が操作されて、次の一群の農産物が再びその段ボール箱Bに供給されるようになると、管理装置20は、自動計量装置10bからの供給再開信号によって、あるいは、供給コンベア10cが手動運転される場合は、その操作によって再供給された段ボール箱Bに対して先の生産者の識別情報と後の生産者の識別情報とを紐付ける。そして、段ボール箱Bが満杯になって自動計量装置10bによって供給コンベア10cが停止させられると、管理装置20は、先の生産者の識別情報と後の生産者の識別情報、あるいは、その両方を特定することのできる態様の識別情報を印字装置11へ送信する。印字装置11は、それに基づいて、微調整が終了した段ボール箱に、先の識別情報と後の識別情報、あるいは、その両方を特定する態様の識別情報を直接印字する。あるいは、ラベルに印字し、それを段ボール箱に貼付する。これにより一つの段ボール箱に生産者の異なる農産物が混在していても、そこに印字された識別情報から各生産者を特定することができる。
したがって、例えば、生産者アの農産物を段ボール箱に供給しているときに、その生産者アの農産物がなくなると、その段ボール箱への供給は中断するが、次の生産者イの農産物がその段ボール箱に供給されない場合は、管理装置20は、生産者イの識別情報と段ボール箱とを紐付けにしない。そして、次の生産者ウの農産物に切り替わって、中断中の段ボール箱に生産者ウの農産物が再供給されるようになると、その生産者ウの識別情報と先の生産者アの識別情報とが、その段ボール箱に対して紐付けにされる。したがって、この場合の段ボール箱には、紐付けにされた生産者アの識別情報と生産者ウの識別情報が付与されることになる。
本発明によれば、複数の生産者から持ち込まれた大量の農産物が選別処理によって袋詰めや箱詰めにされても、それらの製品に印字された識別情報からその製品に収納された農産物の生産者を確実に特定することができる。また、一つの段ボール箱への供給時間が、例え、複数の生産者の選別処理時間帯に跨っていたとしても、その段ボール箱に実際に供給された農産物の識別情報のみが紐付けにされて印字されるから、前述した特許文献1に見られたような問題は発生しない。
第2の発明に係る農産物集出荷システムを説明する機能ブロック図。 前記農産物集出荷システムにおけるコンテナプール工程からコンテナ反転工程までの状態遷移とデータフローを示す図。 前記農産物集出荷システムにおける手選別工程から袋詰め製品の梱包出荷工程までの農産物の状態遷移とデータフローを示す図。 前記農産物集出荷システムにおけるバラ状態での箱詰工程から梱包出荷工程までの農産物の状態遷移とデータフローを示す図。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
<コンテナプールライン>
図1、図2において、コンテナプールライン1は、規模によって異なるが、このラインでは、作型、等級別に分けられたコンベアラインが十数ライン設けられている。生産者は、作型、等級別に仕分けた農産物をコンテナCに収納し、それを指定された作型、等級のコンベアラインに搬入する。その際、生産者は、図2の操作卓1aを操作して、生産者名と農産物の作型、等級、コンベア数を入力する。入力された情報は、管理装置20に日付とともに登録される。また、同種のコンテナCが複数ある場合は、図2に示すように、3段重ねを上限として重ねる。また、このコンテナCの側面には、生産者コードを付したバーコードラベルが貼り付けられている。
なお、図2のコンテナCに付した数字は、何段目のコンテナであるかを示している。
前記操作卓1aは、タッチパネル形式の入力表示装置であって、コンテナプールライン1の図示しないコントローラと接続されている。そして、この操作卓1aから各コンベアラインの作型と等級を割り付けることができるようになっている。したがって、入荷されたコンテナCの作型と等級は、それが載置されたコンベアラインから判別される。
また、各コンベアラインに入荷されたコンテナCは、一つのコンベアに搬出集合されて段バラシ装置4へ搬送される。その際の搬送順序は、予めプログラムされており、それに従って各コンベアラインのコンテナCが順次段バラシ装置4へ搬出される。したがって、管理装置20には、どの作型、等級の農産物が段バラシ装置4へ送り出されたかが、前記コントローラから、あるいは、操作卓1aから知らされるようになっている。
また、プログラムされた搬送順序に加えて、操作卓1aからコンベアラインの搬送順序を指定することもできる。その場合には、指定された順序で各コンベアラインが駆動されて、そこに載置されたコンテナCが順次搬出されるようになっている。こうして、コンテナCを搬出したコンベアライン1b(図2参照)から作型と等級が特定され、それが管理装置20に伝達されて作型と等級が登録される(図2の20a)。
コンベアライン1bから搬出されたコンテナCは、段バラシ装置4に搬送されるが、その前段で1番目の読取器3aによって1段目のコンテナCに付された生産者コードが読み取られ、そのコードから生産者が特定される。また、段数センサ3cでコンテナCの段数が検出されてコンテナ数が特定される。こうして特定された生産者とコンテナ数が、既に設定された作型、等級と合わせて、その生産者の入荷情報として管理装置20に登録される(図2の20b)。この1番目の読取器3aは、バーコードリーダで構成され、また、段数センサ3cは、段積みされたコンテナCの高さから段数を検出する。
<段バラシ装置>
段バラシ装置4は、段積みされたコンテナCを下から1段ずつ引き抜いて、搬送方向に縦列に置き替えるもので、作業開始前に、まずコンテナCの作型、等級、生産者を管理装置20に問い合わせる(図2の4a)。問い合わせた結果、1番目の読取器3aで検出された生産者であれば、段バラシ作業を継続する(図2の4b)。例えば、図2に示す生産者ウの場合には、6つのコンテナCが連続してばらされることになる。しかし、生産者が異なれば、作業を中止して、下流のコンテナCが次工程に排出されるまで待機する。また、引き抜いた段数が問い合わせ結果と異なる場合は、エラーとして中断する。
こうして1段ずつにばらされたコンテナCは、2番目の読取器3bで再び生産者コードが読み取られて、段バラシ装置4で生産者コードの同一性が確認される。そして、1番目の読取器3aで読み取られた生産者コードと不一致の場合は、エラーとして作業を中断する。これは、1番目の読取器3aは、段積みされたコンテナCに対し、1段目のコンテナCに付された生産者コードしか読み取らないので、誤って他の生産者のコンテナCが2段目や3段目に積まれた場合を排除する措置である。
<コンテナ計量器>
続いて、1段ずつにばらされたコンテナCは、1個ずつコンテナ計量器5に搬送され、そこで総重量が計量される。コンテナ計量器5は、計量コンベアで構成され、得られた総重量からコンテナの風袋重量(同一形状のコンテナを使用するため、風袋重量は一定値)を減算して、収納された農産物重量を算出し、それを管理装置20に送信する。管理装置20は、その農産物重量をその生産者が入荷した特定の作型、等級の入荷量として集計する(図2の20c)。
<反転装置>
こうして各コンテナCは、反転装置2に搬送される。反転装置2は、各コンテナCを順次反転させて、そこに収納された農産物を選別コンベア16へ移し替える。その作業は、作型、等級、生産者が同一である間は、連続して繰り返される(図2の2a)。こうして作型、等級、生産者が同一であるコンテナ群の農産物が選別コンベア16へ移されると、その反転実績が管理装置20に送信される(図2の2b)。また、空コンテナCは、図示しない回収コンベアへ戻される。
<管理装置>
管理装置20は、こうして反転された一群の農産物に対して固有の識別情報を付与する(図2の20d)。この識別情報により、この一群の農産物と生産者とが紐付けにされる。管理装置20は、コンピュータで構成され、主に各処理工程で発生するデータを一元管理する。そのため、図示しないが、コンテナプールライン1のコントローラと各処理工程の主要装置2〜8、10〜15とネットワークを介して接続されている。そして、各装置から送信される作業実績に基づいて、生産者別の入荷実績と出荷実績とが登録され、それに基づいて、生産者に対する対価清算が行われる。
<操作手段>
図1と図3において、この操作手段6は、手選別工程に設置される。そして、作業者が操作手段6を操作して荷口開始を指示すると(図3の6a参照)、選別コンベア16が駆動されて(図3の16a)、そこに移し替えられた一群の農産物が一列縦隊に整列されながらランク選別装置7に搬送される。その搬送過程で、作業者によって不良品や規格外品の手選別が行われる。手選別で取り出された農産物は、回収ボックスEに投入される。回収ボックスEは、規格外品計量器8に載荷されており、操作手段6から荷口開始が指示されると、その時の計量器8の計量値が管理装置20に送信される(図3の8a)。また、一群の農産物の全てがランク選別装置7を抜けたことを確認すると、作業者は、操作手段6から荷口終了を指示する(図3の6b)。すると、その時点の計量器8の計量値が管理装置20に送信される(図3の8b)。管理装置20は、荷口開始時と荷口終了時の計量値の差分から、回収ボックスEに投入された農産物の重量を求め、その重量をコンテナ計量器5で集計した入荷量から差し引いて、その生産者の最終的な総入荷量とし、それを指定された作型、等級の入荷実績として、その生産者ファイルに記録する(図3の20e)。
なお、手選別において、農産物を別等級として回収ボックスEに回収するときは、操作手段6の「評価選択」ボタンを押して、その等級を指定するようになっている。これにより、管理装置20は、その生産者に別等級のものが何個混在していたかを記録する。
荷口開始と荷口終了を指示する操作手段6は、タッチパネルで構成され、反転装置2が停止して、指定された生産者の農産物が全て選別コンベア16に移し替えられたことを確認してから、作業者は、操作手段6で荷口開始を指示する。また、選別コンベア16の農産物が全てランク選別装置7を抜けたことを確認してから、作業者は、操作手段6から荷口終了を指示する。この荷口終了が指示されると、選別コンベア16は、停止する(図3の16b)。
<ランク選別装置>
ランク選別装置7は、この実施形態では、X線検査装置とその下流に設けられた振分装置とで構成される。このX線検査装置は、一列縦隊で搬送される農産物の透過X線画像の濃淡情報からその農産物の重量を推定し、推定した重量がどのランクに属するかを判定して下流の振分装置に引き渡す。振分装置は、その農産物が該当ランクに到達すると、農産物を搬送していたキャリヤを転倒させてそれと直交する方向のランク別コンベア9に農産物を排出する。このランク選別装置7は、操作手段6から荷口開始が指示されると選別動作を開始し(図3の7a)、荷口終了が指示されると選別を終了する(図3の7b)。また、選別が終了すると、その選別結果を管理装置20に送信する(図3の7c)。管理装置20は、その選別結果に基づいて、処理したランク別個数とその総重量、規格外個数とその総重量、害虫混入個数などを選別実績として生産者別ファイルに記録する(図3の20f)。
<ランク別コンベア>
この実施形態では、ランク別コンベア9のラインは、150gに計量して袋詰めにするL、M大、M小、Sの4つの袋詰めライン9aと、4.5kgに計量して箱詰めにするL,Mの2つの箱詰めライン9bとを設けているが、その他にも、規格外品を回収する図示しないラインも設けられる。
図1、図3に示すように、先行する一群の農産物の全てがランク選別されてランク別コンベア9に排出される頃には、次の一群の農産物が選別コンベア16に移し替えられてそこで待機している。その状態で操作手段6が操作されると、荷口開始が指示されて、選別コンベア16が駆動され、それと同期してランク別コンベア9がそれまでの中速運転から高速運転に切り替わって、ランク別コンベア9に残った最後尾の農産物を処理装置10へ素早く送り込む(図3の9a)。これにより、先の一群の農産物と後の一群の農産物とのコンベア9上での引き離しが行われる。また、管理装置20は、選別コンベア16に移し替えられた次の一群の農産物に対して識別情報を付与しているから(図2の20d)、それを印字装置11へ送信する(図3の20g)。
<処理装置>
処理装置10は、ランク別に振り分けられた個々の農産物を所定重量に計量して袋詰めや箱詰めにする装置である。袋詰めにする処理装置10は、組合せ計量装置10aと包装装置12とで構成され、箱詰めにする処理装置10は、自動計量装置10bと微調整用の計量器13とで構成される。
<組合せ計量装置>
組合せ計量装置10aは、複数の計量ホッパに1個ないし2個の農産物を投入して各計量ホッパの計量値を求め、求めた各計量値を組み合わせて合計重量が所定重量となる計量ホッパの組を選択し、選択された組の計量ホッパから農産物を排出して所定重量、ピーマンの場合は、150gの農産物とする装置である。したがって、この装置を使用すれば、ピーマンのように単体重量が大きく異なる農産物であっても効率よく所定重量の農産物に形成することができる。そして、最近では、袋詰めにされるピーマンは、大きさの揃ったものが好まれる傾向にあるため、一つの袋に6個入りとなるものをSランク、5個入りとなるものをM小ランク、4個入りとなるものをM大ランク、3個入りとなるものをLランクと分け、それぞれのランクのラインに組合せ計量装置10aを設けている。また、必要に応じて一袋に3〜6個入るラインが設けられる。そして、各ランクの重量区分を適正に設定すると、組合せ計量装置10aで得られる最終製品の歩留まりが極めて良くなることが確かめられている。
<包装装置>
包装装置12は、組合せ計量装置10aの下段に配置されて、組合せ計量装置10aから排出された所定重量の農産物を袋に充填して包装する整袋包装装置で構成される。このタイプの包装装置12は、包装フイルムに印字してから袋に成型するのが一般的であるから、印字装置11は、袋を成型するホーマの前段に配置される。しかし、このタイプの包装装置に代えて、給袋式の包装装置を用い、その袋にインクジェットプリンター等で印字するようにしても良い。
こうした包装装置12で袋詰めにされた製品P(図3参照)は、下流の重量チェッカー15で袋の内容量が再検査される。そして、内容量が不適正であれば、下流の図示しない振分装置でライン外へ排出されるが、適正であれば、そのまま下流へ搬送されて、箱に梱包され、出荷ラインへ送り出される。
<自動計量装置>
図4において、自動計量装置10bは、その前段に設けられた供給コンベア10cと接続され、計量皿に段ボール箱Bを載せると、図示しないセンサがそれを検知して供給コンベア10cを駆動させ、それによって段ボール箱Bに農産物が供給される。自動計量装置10bは、供給中の計量値を監視しながら、その値が所定重量、例えば、4.5kgになれば、供給コンベア10cを停止させるようになっている。計量皿は、通常はコンベアで構成され、その上に段ボール箱Bが供給されると、センサがそれを検知して供給コンベア10cを駆動させ、それによって段ボール箱Bに農産物が供給されるようになっている。あるいは、これに代えて、供給コンベア10cを駆動させる操作パネル10dを設け、それを操作すると、供給コンベア10cが駆動されるようにしても良い。そして、供給コンベア10cが駆動されて段ボール箱Bの重量が所定重量になれば、自動計量装置10bが供給コンベア10cを停止させる。
微調整用の計量器13は、自動計量装置10bの下流に配置される計量コンベアで構成され、その上に満杯になった段ボール箱Bを載置すると、重量が表示される。作業者は、それを見ながら内容量を調整する。その調整は、手作業で行われるが、この計量器13を用いずに、自動計量装置10b上で微調整するようにしても良い。例えば、計量値が所定重量になると、供給コンベア10cを停止させるが、その段階で操作パネル10dに計量値を表示させ、作業者がそれを見ながら段ボール箱Bの農産物を加減して、所定重量になれば、段ボール箱Bを自動計量装置10bから排出するようにする。
<印字装置>
印字装置11は、管理装置20から送信された識別情報を袋や箱に印字する。そのために、この実施形態では、サーマルスタンパを用いて袋詰め用の包装フイルムに印字し、箱に対しては、ラベルプリンターでラベルに印字してから、そのラベルを箱に貼付するようにしている。管理装置20は、前述のように、処理装置10が一人の生産者の農産物を計量している間は、その生産者の識別情報を印字装置11に送信し、処理装置10が、異なる生産者の農産物を同時に計量処理している間は、これらの生産者の識別情報、あるいは、それらの生産者を特定できる態様の識別情報を印字装置11に送信するから、印字装置11は、受信した印字情報をそのまま印字する。
<第2操作手段>
第2操作手段14は、特に管理装置20と組合せ計量装置10aに対して生産者の異なる農産物が混在することを知らせるものである。そのため、この実施形態では、第2操作手段14を組合せ計量装置10aの操作パネルで兼用している。
図3に示すように、一群の農産物に対するランク選別が終了すると、次の一群の農産物が選別コンベア16で待機しているから、作業者は、操作手段6を操作して選別コンベア16上の一群の農産物をランク選別装置7に送り込む。その時には、ランク選別装置7から排出された先の一群の農産物は、組合せ計量装置10aに取り込まれている。そして、暫くすると、次の一群の農産物がランク選別装置7から排出されて組合せ計量装置10aに搬入されるようになる。作業者は、その搬入を確認してから第2操作手段14を操作する。すると、管理装置20は、先の農産物の識別情報と後の農産物の識別情報、あるいは、その両方を特定することのできる態様の識別情報を印字装置11へ送信する(図3の20h)。組合せ計量装置10aは、装置内部に蓄えられた先の一群の農産物が後の一群の農産物と完全に入れ替わるまでに所定時間あるいは所定回数を必要とするから、その間は、先の一群の農産物と後の一群の農産物が混在しているとして、印字装置11は、包装フイルムに両方の識別情報、あるいは、その両方を特定することのできる態様の識別情報を印字する(図3の11a)。
これに対し、自動計量装置10bの場合は、段ボール箱Bに対して識別情報を紐付けにするから、この第2操作手段14は不要となる。すなわち、図4において、ランク別コンベア9に搬出された農産物は、その終端の供給コンベア10cから段ボール箱Bに直接供給されるが、その段ボール箱Bを載荷した自動計量装置10bは、計量値変化から供給開始を管理装置20に知らせる。あるいは、供給コンベア10cが手動運転されるときは、操作パネル10dからの信号でもって管理装置20に供給開始を知らせる。そして、新たな一群の農産物がランク選別装置7を抜けて供給コンベア10cに到達する頃には、管理装置20は、その一群の農産物に対して識別情報を付与しているから、管理装置20は、その識別情報を段ボール箱Bに紐付けにする(図4の20i)。そして、その段ボール箱Bが満杯になって管理装置20へ計量完了が知らされると、管理装置20は、その段ボール箱Bに付与した識別情報を印字装置11へ送信する(図4の20j)。印字装置11は、それに基づいてラベルLに識別情報を印字し(図4の11b)、作業者がそのラベルLを段ボール箱Bに貼付する。これにより、その段ボール箱Bに付与された識別情報と、そこに収納された農産物の生産者とが符合することになる。
次に、供給コンベア10cに農産物がなくなって段ボール箱Bへの供給が中断すると、自動計量装置10bは、その状態で待機し、供給コンベア10cも停止する。そして、次の一群の農産物が供給コンベア10cに到達して供給が再開されると、その一群の農産物に対する識別情報は、既に管理装置20に登録されているから、供給コンベア10cに到達した農産物が再び段ボール箱Bに供給されるようになると、管理装置20は、供給を中断した段ボール箱Bに付与する識別情報として、先の識別情報と後の識別情報とを紐付けにする(図4の20k)。そして、その段ボール箱Bが満杯になって管理装置20に計量完了が知らされると、管理装置20は、先の識別情報と後の識別情報、あるいは、その両方を特定する識別情報を印字装置11へ送信する(図4の20m)。印字装置11は、それをラベルLに印字し(図4の11c)、作業者がそれを段ボール箱Bに貼付する。これにより一つの段ボール箱Bに異なる生産者の農産物が混在していても、そこに付された識別情報から各生産者を特定することができる。
なお、ランク別コンベア9は、操作手段6が操作されると、中速運転から高速運転に切り替わって(図3の9a)、先の一群の農産物と後の一群の農産物とのコンベア9上での引き離しが行われる。それから一定時間経過すると、高速運転から低速運転に切り替えられる(図3の9b)。また、第2操作手段14が操作されると、低速運転から中速運転に切り替わって通常運転に戻されるように構成されている(図3の9c)。
以上、この発明の一実施形態を説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、その他の形態も採用可能である。例えば、出荷されたハウス栽培の農産物に病害虫が見つかれば、その袋に付された識別情報からハウスが特定できれば、早期に被害を食い止めることができる。そこで、ハウス別に仕分けられた農産物を収納したコンテナに圃場マークを付ける。そして、その圃場マークの付されたコンテナが反転装置に到達すると、反転作業を中断して、それまでに反転した同一生産者の農産物に対して固有の識別情報を付与する。そして、その一群の農産物を先にランク選別装置に送ってから、圃場マークの付されたコンテナを反転させていく。そして、反転された一群の農産物に対しては、改めて固有の識別情報を付与し、それを先の一群の農産物と分けて、下流の工程へ搬送するようにする。この圃場マークは、例えば、バーコードラベルをコンテナに貼付することによって特定する。あるいは、コンテナを色分けすることによって特定する。
また、この実施形態では、主にピーマンを対象とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、「みかん」や「なすび」等の青果物であっても同様に適用できる。
特に、「なすび」等の場合には、害虫の果肉内への侵入を外観からは発見し難いが、この実施形態では、ランク選別装置としてX線検査装置を用いるので、内部に侵入した害虫の発見も可能となる。
さらに、この実施形態では、組合せ計量装置を連続運転し、その間に前後の農産物が組合せ計量装置に取り込まれると、一定時間、あるいは、一定計量回数の間は、両農産物が混在しているとして扱ったが、これに代えて、各計量ホッパに農産物を供給する上段のプールホッパ、あるいは、さらにその上段の分散供給部に先行の農産物がなくなるのを待ってから、次の農産物を組合せ計量装置に投入するようにしてもよい。そうすれば、異なる生産者の混在期間をより短縮することができる。
1 コンテナプールライン
2 反転装置
3 読取器
3a 読取器
3b 読取器
4 段バラシ装置
5 コンテナ計量器
6 操作手段
7 ランク選別装置
8 規格外品計量器
9 ランク別コンベア
10 処理装置
10a 組合せ計量装置
10b 自動計量装置
11 印字装置
12 包装装置
13 微調整用計量器
14 第2操作手段
15 重量チェッカー
16 選別コンベア
100 農産物集出荷システム

Claims (3)

  1. 生産者単位で集合された複数のコンテナ内の農産物を選別ラインへ移し替えるコンテナ反転工程と、移し替えられた一群の農産物に対して固有の識別情報を付与するる工程と、前記一群の農産物を個々の重量に応じてランク選別するランク選別工程と、ランク選別された個々の農産物をランク別に所定重量の製品に形成する工程と、前記製品を収納する袋や箱に前記識別情報を付す工程とを有することを特徴とする農産物集出荷方法。
  2. 農産物の収納されたコンテナが生産者毎に一まとめにして載置されるコンテナプールラインと、前記コンテナに付された生産者コードを読み取る読取器と、読み取られた生産者コードが同一であるコンテナを反転させて、そこに収納された農産物を選別コンベアへ移し替える反転装置と、移し替えられた一群の農産物に対して固有の識別情報を付与する管理装置と、前記識別情報が付与された一群の農産物に対して処理を指示する操作手段と、前記操作手段の指示に基づいて前記選別コンベアに移し替えられた一群の農産物を個々にランク選別するランク選別装置と、ランク選別された個々の農産物をランク別に所定重量の袋詰め製品や箱詰め製品に形成する処理装置と、前記製品の袋や箱に前記識別情報を印字する印字装置とを備えたことを特徴とする農産物集出荷システム。
  3. 前記農産物集出荷システムが、先の一群の農産物と後の一群の農産物との混在を知らせる第2操作手段をさらに備え、この第2操作手段が操作されると、前後する農産物の識別情報が管理装置から印字装置へ送信され、印字装置は、処理装置において、先の一群の農産物と後の一群の農産物とが入れ替わるまで、袋や箱に、異なる生産者のそれぞれが特定できる識別情報を印字することを特徴とする請求項2に記載の農産物集出荷システム。
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