JP2014117480A - 非木製バットとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な打球能力を有する打球部分と、打球中に飛距離の大きいバット速度を有する胴部とテーパー部とハンドル部とからなる金属製バットとその製造方法を提供する。
【解決手段】胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットにおいて、テーパー部のハンドル部寄りに溝部43を設け、溝部43にゴム状部材431が埋設し、打球部21に規定重量を付加した場合に撓り量が頂点になる位置に溝部43を配置する。
【選択図】図2
【解決手段】胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットにおいて、テーパー部のハンドル部寄りに溝部43を設け、溝部43にゴム状部材431が埋設し、打球部21に規定重量を付加した場合に撓り量が頂点になる位置に溝部43を配置する。
【選択図】図2
Description
本発明は胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バット、更に詳細には、所望の飛距離を有するように製造された非木製バットとその製造方法に関するものである。
木製バットは、一般に中実であるから、重量があり、破損しやすい。即ち、耐久性、重量、飛距離において劣る。一方、非木製バットは、アルミ合金、繊維強化プラスチック(FRP)材料、及びこれらの組み合わせからなり、耐久性、重量、飛距離において、木製バットより優れており、特に、中空管状の金属製バットは木製バットに比較して飛距離が伸びるといわれている。これは金属製バットがボールに力を有効に移転させることができるからである。このようなボールに力を有効に移転させる技術は、バットの金属材料の改良により、野球用バットにおいて競技者にボールの飛距離を伸ばさせることができる。
上述のように、現在の中空管状の非木製バットはボールの飛距離を伸ばすことができるが、ソフトボールや軟式野球ボールにおいても、バットにはより飛距離を大きくする打撃能力が要求されている。それには、バットがボールを打撃するときに、ボールがバットに接触し始めるときから、ボールがバットから離れるときまでの時間の間に、撓っていたバットが元に戻るという動作が完了する、即ち、打球時にボールが変形し始め、ボールがもっとも大きく変形した時点から、ボールが元の形状に復元するまでの間に、撓ったバットが元の形状に復元するという動作を行わせることにより、バットにはより大きい飛距離が得られるのであり、より大きいバット速度を提供することができるのである。
それゆえ、バットの飛距離性能は、バットの重量、重量分布、打撃面積の大きさ及びグリップ部材と打撃用胴体部材間の力の移転有効性が一定であればバットの撓り量−戻り時間の応答性に大きく影響される。勿論、バットの耐久性であるバットの打撃部分の強度と剛性は十分大きいものとする。
打撃部材に連結された取っ手部材を有するバットにおいて、打撃部材と取っ手部材を強固に連結し、打撃部材と取っ手部材で完全な打撃エネルギーの移転をなすように構成したバットは、特許第4294982号に開示されている。
特許第4294982号公報
しかしながら、上記特許公報には、これら2つの部材間のエネルギーの移転を最大限となすバットが開示されているものの、このバットは、図9に示すように、グリップ部を中心GにバットVが回転し、腕が同時に体の軸の周りに回転するだけであって、バットVの打球部の撓り速度を増大させることができないので、このバットではより大きい飛距離能力が得られない。
本発明の目的は、飛距離が大きくなるバット速度を有する胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットとその製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、 胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットにおいて、前記テーパー部の外側に環状の溝部を設け、前記溝部にゴム状部材を埋設し、前記胴部の打球部に規定以上の力が加えられた場合に前記溝部が撓りの中心となることにより、当該バットに大きい飛距離能力が得られることを特徴とする非木製バットを構成するものである。
また、胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットにおいて、前記胴部は打球部と第1テーパー部とからなり、前記ハンドル部はグリップ部とその一部が前記第1テーパー部の内側に配設される第2テーパー部とからなり、前記テーパー部は前記第1テーパー部と前記第2テーパー部とで構成され、前記第2テーパー部の前記第1テーパー部と重ならない部分の外側に環状の溝部を設け、前記溝部にゴム状部材を埋設し、前記第1テーパー部と前記第2テーパー部との間の重なる部分に接着剤を塗布し、前記第1テーパー部の内側に前記第2テーパー部を嵌合し、前記打球部に規定以上の力が加えられた場合に前記溝部が撓りの中心となることにより、当該バットに大きい飛距離能力が得られることを特徴とする非木製バットを構成するものである。。
前記非木製バットは、アルミニウム合金、マグネシウム合金若しくはチタニウム合金のいずれかからなる金属製バット、炭素繊維、ガラス繊維からなる短繊維、フィラメント或いは織物にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂を含浸させた複合材料のいずれかからなるFRP製バット、または熱可塑性樹脂材料或いは熱硬化性樹脂材料のいずれかからなる樹脂製バット、ないしはこれらの組み合わせからなるバットであることが望ましい。
前記溝部は、前記第1テーパー部の端部の外側に設けること形成することが望ましい。
前記溝部は、単数または複数設けることが望ましい。
前記溝部は、幅が10乃至
50mmの範囲内にあることが望ましい。
50mmの範囲内にあることが望ましい。
前記溝部は、深さが0.3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
前記ゴム状部材は、弾性合成樹脂及び剛性ゴムからなることが望ましい。
また、本発明は、上記目的を達成するために、胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットにおいて、前記テーパー部の外側に環状の溝部を設け、前記溝部にゴム状部材を埋設し、前記胴部の打球部に規定以上の力が加えられた場合に前記溝部が撓りの中心となることにより、当該バットに大きい飛距離能力が得られることを特徴とする非木製バットの製造方法を構成するものである。
また、本発明は、胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットにおいて、前記胴部は打球部と第1テーパー部とからなり、前記ハンドル部はグリップ部とその一部が前記第1テーパー部の内側に配設される第2テーパー部とからなり、前記テーパー部は前記第1テーパー部と前記第2テーパー部とで構成され、前記第2テーパー部の前記第1テーパー部と重ならない部分の外側に環状の溝部を設け、前記溝部にゴム状部材を埋設し、前記第1テーパー部と前記第2テーパー部との間の重なる部分に接着剤を塗布し、前記第1テーパー部の内側に前記第2テーパー部を嵌合し、前記打球部に規定以上の力が加えられた場合に前記溝部が撓りの中心となることにより、当該バットに大きい飛距離能力が得られることを特徴とする非木製バットの製造方法を構成するものである。
前記非木製バットは、アルミニウム合金、マグネシウム合金若しくはチタニウム合金のいずれかからなる金属製バット、炭素繊維、ガラス繊維からなる短繊維、フィラメント或いは織物にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂を含浸させた複合材料のいずれかからなるFRP製バット、または熱可塑性樹脂材料或いは熱硬化性樹脂材料のいずれかからなる樹脂製バット、ないしはこれらの組み合わせからなるバットであることが望ましい。
前記溝部は、前記第1テーパー部の端部の外側に設けることがのぞましい。
前記溝部は、単数または複数設けることが望ましい。
前記溝部は、幅が10乃至 50mmの範囲内にあることが望ましい。
前記溝部は、深さが0.3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
前記溝部に埋設されたゴム状部材は、弾性合成樹脂及び剛性ゴムからなることが望ましい。
本発明は、飛距離が大きくなるバット速度を有する胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットとその製造方法を提供することができる。
本発明は、胴部の打球部に規定以上の力が加えられた場合に前記溝部が撓りの中心となることにより、大きい飛距離能力が得られる非木製バットとその製造方法を提供することができる。
本発明は、第2テーパー部の外側に単数または複数の溝部を設け、前記溝部にゴム状部材が埋設されているので、バットの打球部の撓り戻り速度を増大させ、ハンドル部から胴部へ効果的にエネルギーを伝達させることができ、打球時にバットからボールに伝わる力を増大することができる。
次に本発明の非木製バットとその製造方法について実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示す非木製バットの断面図、図2は、溝部が単数の非木製バットの一部拡大断面図、図3は、溝部が2本の非木製バット1の一部拡大断面図、図4は、溝部が3本の非木製バットの一部拡大断面図である。図5は、胴部とハンドル部とが一体の非木製バットの断面図、図6は、非木製バットのバットがボールに当たった状態を示す概略図、図7は、非木製バットが後方に撓りボールが変形した状態を示す回転した状態を示す概略図、図8は、非木製バットが前方に撓り、ボールが飛び出す状態を示す概略図、図9は従来の金属製バット1のバットが回転した状態を示す概略図である。
図1、図2に示すように、本実施例1の金属製バット1は、胴部2とテーパー部3とハンドル部4とからなる。前記胴部2は中空円柱形状をなす打球部21と打球部21に連なる直径が漸次減少する第1テーパー部22とからなり、前記ハンドル部4は中空円柱形状をなすグリップ部41とグリップ部41に連なる直径が漸次増大し、その一部が前記第1テーパー部22の内側に配設される第2テーパー部42とからなる。これにより、前記テーパー部3は、前記第1テーパー部22と前記第2テーパー部42とで構成されることになる。前記第2テーパー部42の前記第1テーパー部22と重ならない部分の外側に環状の溝部43を設け、この溝部43にゴム状部材431が埋設される。前記第1テーパー部22と第2テーパー部42との間の重なる部分に接着剤432が塗布される。
ここで、金属製バット1とは、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタニウム合金等が使用されるが、加工性、コストの点でアルミニウム合金が好適である。
ここで、金属製バット1とは、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタニウム合金等が使用されるが、加工性、コストの点でアルミニウム合金が好適である。
前記第2テーパー部42の外側に設けた溝部43は、前記第1テーパー部22の端部の外側に設けられる。
前記溝部43は、幅が5乃至 50mmの範囲内にあることが望ましい。また、前記溝部43は、深さが0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
図3に示すように、第2テーパー部の外側に設けた環状の溝部43は、バット軸に直交して2本形成してもよい。その際、幅が5乃至
30mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
30mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
図4に示すように、第2テーパー部の外側に設けた環状の溝部43は、バット軸に直交して3本形成してもよい。その際、幅が5乃至
20mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
20mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
前記溝部43に埋設されたゴム状部材431は、弾性合成樹脂及び剛性ゴムからなることが好適である。
グリップ部41の端部には栓体411が内挿される。また、栓体411はグリップ部41の端部に固着されても良い。栓体411の材質は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ポリアセタール樹脂等のものが採用される。
打球部21の端部にはプラグ211が内挿される。また、プラグ211は打球部21の端部に固着されても良い。プラグ211の材質は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ポリアセタール樹脂等の合成樹脂またはアルミニウム、ステンレス等の金属が採用される。
胴部2とテーパー部3とハンドル部4とからなる金属製バット1は、管状金属材料から製造することができ、この金属はアルミニウム、鋼、チタン、その他の適宜の金属材料で製造することができる。
胴部2とテーパー部3とハンドル部4とからなる金属製バット1の製造方法において、
胴部2を形成する工程は、所定の断面厚みと長さ及び直径を有するアルミニウム管を、第1テーパー部22に向かって所定の直径を有するアルミニウム管より直径の小さな内径を有する端部開口まで内側に収斂させる。
胴部2とテーパー部3とハンドル部4とからなる金属製バット1の製造方法において、
胴部2を形成する工程は、所定の断面厚みと長さ及び直径を有するアルミニウム管を、第1テーパー部22に向かって所定の直径を有するアルミニウム管より直径の小さな内径を有する端部開口まで内側に収斂させる。
ハンドル部4を形成する工程は、胴部2を形成する工程と同様に、所定の断面厚みと長さ及び直径を有する大きな内径であって、胴部2を形成する第1テーパー部22の端部開口の直径より小さな直径を有する端部開口まで外側に拡張させ第2テーパー部42を形成する。
次いで、前記第2テーパー部42の前記第1テーパー部22と重ならない部分の外側に環状の溝部43を形成し、この溝部43にゴム状部材431を埋設する。
次いで、前記第2テーパー部42の前記第1テーパー部22と重ならない部分の外側に環状の溝部43を形成し、この溝部43にゴム状部材431を埋設する。
次に、前記第1テーパー部22と前記第2テーパー部42との間の重なる部分に接着剤を塗布する。接着剤は、アクリル変成シリコン樹脂を成分とするような弾性接着剤が望ましいが、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用することができる。
最後に、前記第1テーパー部22の内側に第2テーパー部42を嵌合し、これらの間に介在する接着剤の層が第1テーパー部22と第2テーパー42を固着する。
図1、図2に示すように、本実施例2のFRP製バット1は、胴部2とテーパー部3とハンドル部4とからなる。前記胴部2は中空円柱形状をなす打球部21と打球部21に連なる直径が漸次減少する第1テーパー部22とからなり、前記ハンドル部4は中空円柱形状をなすグリップ部41とグリップ部41に連なる直径が漸次増大し、前記第1テーパー部22の内側に配設される第2テーパー部42とからなる。これにより、前記テーパー部3は、前記第1テーパー部22と前記第2テーパー部42とで構成されることになる。前記第2テーパー部42の前記第1テーパー部22と重ならない部分の外側に環状の溝部43を設け、この溝部43にゴム状部材431が埋設される。前記第1テーパー部22と第2テーパー部42との間の重なる部分に接着剤432が塗布される。
ここで、FRP製バット1とは、炭素繊維、ガラス繊維からなる短繊維、フィラメント、織物等にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を含浸させた複合材料からなるバットで、単層または複数層で形成される。なお、FRP製バットに代えて熱可塑性樹脂材料、熱硬化性樹脂材料のバットであってもよい。
前記第2テーパー部42の外側に設けた溝部43は、前記第1テーパー部22の端部の外側に設けられる。
前記溝部43は、幅が5乃至 50mmの範囲内にあることが望ましい。また、前記溝部43は、深さが0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
図3に示すように、第2テーパー部の外側に設けた環状の溝部43は、バット軸に直交して2本形成してもよい。その際、幅が5乃至
30mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
30mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
図4に示すように、第2テーパー部の外側に設けた環状の溝部43は、バット軸に直交して3本形成してもよい。その際、幅が5乃至
20mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
20mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
前記溝部43に埋設されたゴム状部材431は、弾性合成樹脂及び剛性ゴムからなることが好適である。
グリップ部41の端部には栓体411が内挿される。また、栓体411はグリップ部41の端部に固着されても良い。栓体411の材質は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ポリアセタール樹脂等のものが採用される。
打球部21の端部にはプラグ211が内挿される。また、プラグ211は打球部21の端部に固着されても良い。プラグ211の材質は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ポリアセタール樹脂等の合成樹脂が採用される。
胴部2とテーパー部3とハンドル部4とからなるFRP製バット1は、管状FRP材料から製造することができる。
胴部2とテーパー部3とハンドル部4とからなるFRP製バットの製造方法において、 胴部2を形成する工程は、所定の断面厚みと長さ及び直径を有するFRP製管を、第1テーパー部22に向かって所定の直径を有するハンドル部4を形成するFRP製管より直径の大きな内径を有する端部開口まで内側に収斂させる。
ハンドル部4を形成する工程は、胴部2を形成する工程と同様に、所定の断面厚みと長さ及び直径を有する大きな内径であって、胴部2を形成する第1テーパー部22の端部開口の直径より小さな直径を有する端部開口まで外側に拡張させ第2テーパー部42を形成する。
次いで、前記第2テーパー部42の前記第1テーパー部22と重ならない部分の外側に環状の溝部43を形成し、この溝部43にゴム状部材431を埋設する。
次いで、前記第2テーパー部42の前記第1テーパー部22と重ならない部分の外側に環状の溝部43を形成し、この溝部43にゴム状部材431を埋設する。
次に、前記第1テーパー部22と前記第2テーパー部42との間の重なる部分に接着剤を塗布する。接着剤は、アクリル変成シリコン樹脂を成分とするような弾性接着剤が望ましいが、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用することができる。
最後に、前記第1テーパー部22の内側に第2テーパー部42を嵌合し、これらの間に介在する接着剤の層が第1テーパー部22と第2テーパー42を固着する。
本実施例3の非木製バット1は、図1、図2に示すように、胴部2とテーパー部3とハンドル部4とからなり、前記胴部2は金属製中空円柱形状をなす打球部21と打球部21に連なる直径が漸次減少する第1テーパー部22とからなり、前記ハンドル部4はFRP製中空円柱形状をなすグリップ部41とグリップ部41に連なる直径が漸次増大し、その一部が前記第1テーパー部22の内側に配設される第2テーパー部42とからなる。これにより、前記テーパー部3は、前記第1テーパー部22と前記第2テーパー部42とで構成されることになる。前記第2テーパー部42の前記第1テーパー部22と重ならない部分の外側に環状の溝部43を設け、この溝部43にゴム状部材431が埋設される。前記第1テーパー部22と第2テーパー部42との間の重なる部分に接着剤432が塗布される。なお、FRP製ハンドル部4に代えて熱可塑性樹脂材料、熱硬化性樹脂材料のハンドル部であってもよい。
前記第2テーパー部42の外側に設けた溝部43は、前記第1テーパー部22の端部の外側に設けられる。
前記溝部43は、幅が5乃至 50mmの範囲内にあることが望ましい。また、前記溝部43は、深さが0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
図3に示すように、第2テーパー部の外側に設けた環状の溝部43は、バット軸に直交して2本形成してもよい。その際、幅が5乃至
30mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
30mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
図4に示すように、第2テーパー部の外側に設けた環状の溝部43は、バット軸に直交して3本形成してもよい。その際、幅が5乃至
20mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
20mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
前記溝部43に埋設されたゴム状部材431は、弾性合成樹脂及び剛性ゴムからなることが好適である。
グリップ部41の端部には栓体411が内挿される。また、栓体411はグリップ部41の端部に固着されても良い。栓体411の材質は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ポリアセタール樹脂等のものが採用される。
打球部21の端部にはプラグ211が内挿される。また、プラグ211は打球部21の端部に固着されても良い。プラグ211の材質は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ポリアセタール樹脂等の合成樹脂が採用される。
胴部2とテーパー部3とハンドル部4とからなり、胴部2は金属製からなり、ハンドル部4はFRP製からなるバット1の製造方法において、 胴部2を形成する工程は、所定の断面厚みと長さ及び直径を有する金属製管を、第1テーパー部22に向かって所定の直径を有するFRP製管より直径の小さな内径を有する端部開口まで内側に収斂させる。
ハンドル部4を形成する工程は、胴部2を形成する工程と同様に、所定の断面厚みハンドル部4と長さ及び直径を有する大きな内径であって、胴部2を形成する第1テーパー部22の端部開口の直径より小さな直径を有する端部開口まで外側に拡張させ第2テーパー部42を形成する。
次いで、前記第2テーパー部42の前記第1テーパー部22と重ならない部分の外側に環状の溝部43を形成し、この溝部43にゴム状部材431を埋設する。
次いで、前記第2テーパー部42の前記第1テーパー部22と重ならない部分の外側に環状の溝部43を形成し、この溝部43にゴム状部材431を埋設する。
次に、前記第1テーパー部22と前記第2テーパー部42との間の重なる部分に接着剤を塗布する。接着剤は、アクリル変成シリコン樹脂を成分とするような弾性接着剤が望ましいが、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂も使用することができる。
最後に、前記第1テーパー部22の内側に第2テーパー部42を嵌合し、これらの間に介在する接着剤の層が第1テーパー部22と第2テーパー42を固着する。
本実施例4の非木製バット1は、胴部2とテーパー部3とハンドル部4とからなり、前記胴部2はFRP製中空円柱形状をなす打球部21と打球部21に連なる直径が漸次減少する第1テーパー部22とからなり、前記ハンドル部4は金属製中空円柱形状をなすグリップ部41とグリップ部41に連なる直径が漸次増大し、その一部が前記第1テーパー部22の内側に配設される第2テーパー部42とからなる。これにより、前記テーパー部3は、前記第1テーパー部22と前記第2テーパー部42とで構成されることになる。前記第2テーパー部42の前記第1テーパー部22と重ならない部分の外側に環状の溝部43を設け、溝部43にゴム状部材431が埋設される。前記第1テーパー部22と第2テーパー部42との間に接着剤432が塗布される。なお、FRP製胴部2に代えて熱可塑性樹脂材料、熱硬化性樹脂材料のハンドル部であってもよい。
前記溝部43の幅及び深さは実施例3と同様である。前記溝部43に埋設されたゴム状部材431も実施例3と同様である。
グリップ部41の端部に内挿される栓体411及び打球部21の端部に内挿されるプラグ211も実施例3と同様である。
グリップ部41の端部に内挿される栓体411及び打球部21の端部に内挿されるプラグ211も実施例3と同様である。
本実施例5の非木製バット1は、金属製で胴部2とテーパー部3とハンドル部4とが一体に形成されたものからなり、胴部2の先端にプラグ211が固着される。打球部21を有する胴部2と、端部に固着された栓体411を有するグリップ部41との間に、胴部2に向かって漸次拡径したテーパー部3が形成されている。
ここで、金属製バット1とは、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタニウム合金等が使用されるが、加工性、コストの点でアルミニウム合金が好適である。
ここで、金属製バット1とは、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタニウム合金等が使用されるが、加工性、コストの点でアルミニウム合金が好適である。
なお、プラグ211の材質は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ポリアセタール樹脂等の合成樹脂が採用され、栓体411の材質は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ポリアセタール樹脂等のものが採用される。
テーパー部3の外側であって胴部2に隣接した部分に環状の溝部43を設け、前記溝部にゴム状部材432が埋設される。溝部43は、幅が5乃至
50mmの範囲内にあることが望ましい。
50mmの範囲内にあることが望ましい。
図3に示すように、テーパー部3の外側に設けた環状の溝部43は、バット軸に直交して2本形成してもよい。その際、幅が5乃至
30mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
30mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
図4に示すように、テーパー部3の外側に設けた環状の溝部43は、バット軸に直交して3本形成してもよい。その際、幅が5乃至
20mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
20mmの範囲内にあることが望ましい。また、溝部43の深さは0・3ないし1.0mmの範囲内にあることが望ましい。
前記溝部43に埋設されたゴム状部材431は、弾性合成樹脂及び剛性ゴムからなることが好適である。
本実施例6の非木製バット1は、FRP製で胴部2とテーパー部3とハンドル部4とが一体に形成されたものからなり、胴部2の先端にプラグ211が固着される。打球部21を有する胴部2と、端部に固着された栓体411を有するグリップ部41との間に、胴部2に向かって漸次拡径したテーパー部3が形成されている。
ここで、ここで、FRP製バット1とは、炭素繊維、ガラス繊維からなる短繊維、フィラメント、織物等にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を含浸させた複合材料からなるバットで、単層または複数層で形成される。なお、FRP製バットに代えて熱可塑性樹脂材料、熱硬化性樹脂材料のバットであってもよい。
ここで、ここで、FRP製バット1とは、炭素繊維、ガラス繊維からなる短繊維、フィラメント、織物等にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を含浸させた複合材料からなるバットで、単層または複数層で形成される。なお、FRP製バットに代えて熱可塑性樹脂材料、熱硬化性樹脂材料のバットであってもよい。
前記テーパー部3の外側に環状の溝部43を設け、幅及び深さは実施例3と同様である。溝部43に埋設されたゴム状部材431も実施例3と同様である。
グリップ部41の端部に内挿される栓体411及び打球部21の端部に内挿されるプラグ211も実施例3と同様である。
速度vB,質量mBのバット1が速度vbで投げられた質量mbのボールbに衝突してボールbが飛び出す挙動をみると、衝突後のバット1の速度をVB,ボールbの速度をVbとすると、運動量保存の法則により衝突の前後でバット1とボールbの運動量(質量と速度の積)の和は一定である。
即ち、 mBvB+mbvb=mBVB+mbVb………(1)
ここでバット1がボールbに衝突したときはボールbの速度は0である。
一方、反発係数eを次式で定義する。
(VB−Vb)/(vB−vb)=−e………(2)
式(1)と式(2)から衝突後のバットの速度VBは次式のようになる。
VB=(mB−mbe)vB/mB+mb………(3)
また、式(1)と式(2)から衝突後のボールの速度Vbは次式のようになる。
Vb=[mB(1+e)]vB/(mB+mb)………(4)
式(4)から分かるように、バットの質量mBが大きいと衝突後のボールbの速度Vbが大きくなる。また、バット1の速度vBが大きくなれば、衝突後のボールbの速度Vbが大きくなる。
即ち、 mBvB+mbvb=mBVB+mbVb………(1)
ここでバット1がボールbに衝突したときはボールbの速度は0である。
一方、反発係数eを次式で定義する。
(VB−Vb)/(vB−vb)=−e………(2)
式(1)と式(2)から衝突後のバットの速度VBは次式のようになる。
VB=(mB−mbe)vB/mB+mb………(3)
また、式(1)と式(2)から衝突後のボールの速度Vbは次式のようになる。
Vb=[mB(1+e)]vB/(mB+mb)………(4)
式(4)から分かるように、バットの質量mBが大きいと衝突後のボールbの速度Vbが大きくなる。また、バット1の速度vBが大きくなれば、衝突後のボールbの速度Vbが大きくなる。
速度vB,質量mBのバット1が速度vbで投げられた質量mbのボールbに衝突してボールbが飛来方向とは反対方向に速度Vbで飛んで行く挙動について説明する。
先ず、図9に示す従来のものについて説明する。
飛来したボールbがバットBに接触し始めると、ボールbは変形し始め、その変形は時間が経つ程大きなものとなるが、この変形によって、ボールbには反発エネルギーが蓄えられることになる。反発エネルギーはボールbの変形が大きいほど大きなものとなる。
この反発エネルギーによって、ボールbには最初に飛来した方向とは逆の方向、つまり、バット1から離れる方向の力が働く。
ボールbとバットBとの接触が進行して、ボールbが十分に変形し、この変形により生じた反発エネルギーによる力、つまり、ボールbを飛来した方向とは逆の方向に進ませようとする力が、速度vbで飛来したボールbがバッBに対してなお飛来方向に進もうとする力よりも大きくなると、ボールbは原形に回復し始めて飛来した方向とは逆の方向に進み始め、これにより、ボールbは急速にバットBから離れる方向に動くが、これは、ボールbがバット1から離れる瞬間まで行われる。
ボールbの原形への回復により生じる速度は、ボールbのバットBに対する相対速度となるが、これをVrとすると、バット1は速度vBを有するので、結局、ボールbは最初の飛来方向とは逆の方向に速度Vb=vB+Vrで飛んで行くことになる。
なお、実際上は、バットBは完全剛性体ではないことから、ボールbの衝突時には、その表面が若干変形すると共にボールbとの衝突でスイング速度が若干落ち、また、ボールbが大きく変形するだけでなく、バットBとボールbとの衝突開始時、接触中更には接触終了時におけるバットBとボールbとの角度の違いもあることから、ボールの飛び去る速度Vbは、“vB+Vr”よりも若干小さなものとなる。
先ず、図9に示す従来のものについて説明する。
飛来したボールbがバットBに接触し始めると、ボールbは変形し始め、その変形は時間が経つ程大きなものとなるが、この変形によって、ボールbには反発エネルギーが蓄えられることになる。反発エネルギーはボールbの変形が大きいほど大きなものとなる。
この反発エネルギーによって、ボールbには最初に飛来した方向とは逆の方向、つまり、バット1から離れる方向の力が働く。
ボールbとバットBとの接触が進行して、ボールbが十分に変形し、この変形により生じた反発エネルギーによる力、つまり、ボールbを飛来した方向とは逆の方向に進ませようとする力が、速度vbで飛来したボールbがバッBに対してなお飛来方向に進もうとする力よりも大きくなると、ボールbは原形に回復し始めて飛来した方向とは逆の方向に進み始め、これにより、ボールbは急速にバットBから離れる方向に動くが、これは、ボールbがバット1から離れる瞬間まで行われる。
ボールbの原形への回復により生じる速度は、ボールbのバットBに対する相対速度となるが、これをVrとすると、バット1は速度vBを有するので、結局、ボールbは最初の飛来方向とは逆の方向に速度Vb=vB+Vrで飛んで行くことになる。
なお、実際上は、バットBは完全剛性体ではないことから、ボールbの衝突時には、その表面が若干変形すると共にボールbとの衝突でスイング速度が若干落ち、また、ボールbが大きく変形するだけでなく、バットBとボールbとの衝突開始時、接触中更には接触終了時におけるバットBとボールbとの角度の違いもあることから、ボールの飛び去る速度Vbは、“vB+Vr”よりも若干小さなものとなる。
次に、本発明のものについて説明するが、先ず、図6ないし図8について概略説明する。
図6は、バットBに投げられたボールbが接触し始める初期の段階を示し、図7は、高速で投げられたボールbがバットBに当たって、ボールbが変形し始め、これにより、バットBに規定以上の力が加わると、バットBが撓り始め、このとき変形したボールbと撓ったバットBに反発エネルギーが蓄積される中間の段階を示し、図8は、ボールbに蓄積された反発エネルギーによって、変形したボールbが急速に原形に回復することによりボールbに蓄積された反発エネルギーが短時間で開放されると共に、ボールbの原形への回復に伴ってバットBに蓄積された反発エネルギーも短時間で開放される最終の段階を示す。
以下、より具体的に説明する。
飛来したボールbがバットBに接触し始めると、ボールbが変形し始めることは、従来のものと同じであるが、本発明のものでは、更に、バットBに力が加わる時点からバット1が環状の溝部43を撓りの中心として撓り始め、この撓りによって、環状の溝部43に撓りを戻そうとする反発エネルギーが蓄えられることになる。反発エネルギーは撓りが大きいほど大きなものとなる。
この反発エネルギーによって、バットBの撓りを戻そうとする力が働く。
ボールbとバットBとの接触が進行して、ボールbが十分に変形し、この変形により生じた反発エネルギーによる力、つまり、ボールbを飛来した方向とは逆の方向に進ませようとする力が、速度vbで飛来したボールbがバットBに対してなお飛来方向に進もうとする力よりも大きくなると、ボールbは原形に回復し始めて飛来した方向とは逆の方向に進み始め、これにより、ボールbは急速にバット1から離れる方向に動き、これが、ボールbがバットBから離れる瞬間まで行われることは、従来のものと同じであるが、本発明のものでは、更に、ボールbが飛来した方向とは逆の方向に進み始めると、バット1を撓らせる力が弱くなり、これによって環状の溝部43に蓄えられた反発エネルギーによる撓りを戻そうとする力がバット1を撓らせる力より大きくなり、バットBは急速に撓りから戻り始める。
ボールbがバットBから離れる瞬間における撓りの戻り速度をVfとすると、胴部2の打球部21は速度vBという固有の速度を有するので、結局、胴部2の打球部21はVB=vB+Vfという速度を有することになる。
この結果、ボールbは最初の飛来方向とは逆の方向に速度Vb=VB+Vr=vB+Vf+Vrで飛んで行くことになる。
このとおり、従来のものと同様に、ボールの飛び去る速度vbは、“vB+Vf+Vr”よりも若干小さなものとなるが、少なくとも、本発明によれば、バット1に従来のものより大きな飛距離能力が得られることは明らかである。
図6は、バットBに投げられたボールbが接触し始める初期の段階を示し、図7は、高速で投げられたボールbがバットBに当たって、ボールbが変形し始め、これにより、バットBに規定以上の力が加わると、バットBが撓り始め、このとき変形したボールbと撓ったバットBに反発エネルギーが蓄積される中間の段階を示し、図8は、ボールbに蓄積された反発エネルギーによって、変形したボールbが急速に原形に回復することによりボールbに蓄積された反発エネルギーが短時間で開放されると共に、ボールbの原形への回復に伴ってバットBに蓄積された反発エネルギーも短時間で開放される最終の段階を示す。
以下、より具体的に説明する。
飛来したボールbがバットBに接触し始めると、ボールbが変形し始めることは、従来のものと同じであるが、本発明のものでは、更に、バットBに力が加わる時点からバット1が環状の溝部43を撓りの中心として撓り始め、この撓りによって、環状の溝部43に撓りを戻そうとする反発エネルギーが蓄えられることになる。反発エネルギーは撓りが大きいほど大きなものとなる。
この反発エネルギーによって、バットBの撓りを戻そうとする力が働く。
ボールbとバットBとの接触が進行して、ボールbが十分に変形し、この変形により生じた反発エネルギーによる力、つまり、ボールbを飛来した方向とは逆の方向に進ませようとする力が、速度vbで飛来したボールbがバットBに対してなお飛来方向に進もうとする力よりも大きくなると、ボールbは原形に回復し始めて飛来した方向とは逆の方向に進み始め、これにより、ボールbは急速にバット1から離れる方向に動き、これが、ボールbがバットBから離れる瞬間まで行われることは、従来のものと同じであるが、本発明のものでは、更に、ボールbが飛来した方向とは逆の方向に進み始めると、バット1を撓らせる力が弱くなり、これによって環状の溝部43に蓄えられた反発エネルギーによる撓りを戻そうとする力がバット1を撓らせる力より大きくなり、バットBは急速に撓りから戻り始める。
ボールbがバットBから離れる瞬間における撓りの戻り速度をVfとすると、胴部2の打球部21は速度vBという固有の速度を有するので、結局、胴部2の打球部21はVB=vB+Vfという速度を有することになる。
この結果、ボールbは最初の飛来方向とは逆の方向に速度Vb=VB+Vr=vB+Vf+Vrで飛んで行くことになる。
このとおり、従来のものと同様に、ボールの飛び去る速度vbは、“vB+Vf+Vr”よりも若干小さなものとなるが、少なくとも、本発明によれば、バット1に従来のものより大きな飛距離能力が得られることは明らかである。
(実施例1)
最初ボールの飛行方向は、バットのスイング方向と逆方向に飛んで、バットに衝突してバットのスイング方向と同方向に飛んでゆくので、ボールがバットに衝突するとき、ボールはひどくつぶれている。即ち、ボールの反発係数は小さくなる。ボールの反発係数はボールに加わる力の大小によって変化するが、反発係数は0.75とする。軟式金属バットの質量を720gとし、軟式ボールの質量を136gとすると、(3)式から、金属バットの衝突後の速度VB=0.96vBとなる。即ち、衝突後の金属バットの速度は、衝突前のバットの速度の96%におちる。
一方、(4)式から、ボールの衝突後の速度Vb=1.47vbとなる。即ち、衝突後のボールの速度は、衝突前のバットの速度に比べて47%早くなる。
前述のように、衝突後の金属バットの速度は、衝突前のバットの速度の96%におちる。一方、衝突後のボールの速度は、衝突前のバットの速度に比べて47%早くなる。ボールがバットに衝突するとき、ボールはつぶれており、ボールがバットにしばらくくっついて、この間バットがボールと一緒に動いているが、やがて、衝突後のボールは、金属バットから離れてゆく。
然るに、本願の発明は、図6ないし図8に示すように、本発明の実施例を示すバットと投げられたボールがバット打撃される各段階の挙動については、図6に示すように、バットに投げられたボールが接触される初期の段階から、図8に示すように、高速で投げられたボールがバットに当たり、バットが前記第2テーパー部42の外側に設けた溝部43を中心にバットが撓り、同時にボールが変形する。このとき撓ったバットと変形したボールに反発エネルギーが蓄積される。
その後、撓ったバットと変形したボールに蓄積された反発エネルギーによって、バットが逆方向に撓り、変形したボールが原形に回復することによってボールに短時間で反発エネルギーが開放され、反発エネルギーがボールに速度Vfを加え、ボールが飛距離を増大させられるのである。
最初ボールの飛行方向は、バットのスイング方向と逆方向に飛んで、バットに衝突してバットのスイング方向と同方向に飛んでゆくので、ボールがバットに衝突するとき、ボールはひどくつぶれている。即ち、ボールの反発係数は小さくなる。ボールの反発係数はボールに加わる力の大小によって変化するが、反発係数は0.75とする。軟式金属バットの質量を720gとし、軟式ボールの質量を136gとすると、(3)式から、金属バットの衝突後の速度VB=0.96vBとなる。即ち、衝突後の金属バットの速度は、衝突前のバットの速度の96%におちる。
一方、(4)式から、ボールの衝突後の速度Vb=1.47vbとなる。即ち、衝突後のボールの速度は、衝突前のバットの速度に比べて47%早くなる。
前述のように、衝突後の金属バットの速度は、衝突前のバットの速度の96%におちる。一方、衝突後のボールの速度は、衝突前のバットの速度に比べて47%早くなる。ボールがバットに衝突するとき、ボールはつぶれており、ボールがバットにしばらくくっついて、この間バットがボールと一緒に動いているが、やがて、衝突後のボールは、金属バットから離れてゆく。
然るに、本願の発明は、図6ないし図8に示すように、本発明の実施例を示すバットと投げられたボールがバット打撃される各段階の挙動については、図6に示すように、バットに投げられたボールが接触される初期の段階から、図8に示すように、高速で投げられたボールがバットに当たり、バットが前記第2テーパー部42の外側に設けた溝部43を中心にバットが撓り、同時にボールが変形する。このとき撓ったバットと変形したボールに反発エネルギーが蓄積される。
その後、撓ったバットと変形したボールに蓄積された反発エネルギーによって、バットが逆方向に撓り、変形したボールが原形に回復することによってボールに短時間で反発エネルギーが開放され、反発エネルギーがボールに速度Vfを加え、ボールが飛距離を増大させられるのである。
本発明の金属製バットは、軟式野球、ソフトボール用としての需要の展開も期待できる。
1 金属製バット
2 胴部
3 テーパー部
4 ハンドル部
21 打球部
22 第1テーパー部
211 プラグ
41 グリップ部
411 栓体
42 第2テーパー部
43 溝部
431 ゴム状部材
432 接着剤
b ボール
B バット
2 胴部
3 テーパー部
4 ハンドル部
21 打球部
22 第1テーパー部
211 プラグ
41 グリップ部
411 栓体
42 第2テーパー部
43 溝部
431 ゴム状部材
432 接着剤
b ボール
B バット
Claims (14)
- 胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットにおいて、前記テーパー部の外側に環状の溝部を設け、前記溝部にゴム状部材を埋設し、前記胴部の打球部に規定以上の力が加えられた場合に前記溝部が撓りの中心となることにより、当該バットに大きい飛距離能力が得られることを特徴とする非木製バット。
- 胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットにおいて、前記胴部は打球部と第1テーパー部とからなり、前記ハンドル部はグリップ部とその一部が前記第1テーパー部の内側に配設される第2テーパー部とからなり、前記テーパー部は前記第1テーパー部と前記第2テーパー部とで構成され、前記第2テーパー部の前記第1テーパー部と重ならない部分の外側に環状の溝部を設け、前記溝部にゴム状部材を埋設し、前記第1テーパー部と前記第2テーパー部との間の重なる部分に接着剤を塗布し、前記第1テーパー部の内側に前記第2テーパー部を嵌合し、前記打球部に規定以上の力が加えられた場合に前記溝部が撓りの中心となることにより、当該バットに大きい飛距離能力が得られることを特徴とする非木製バット。
- 前記非木製バットは、アルミニウム合金、マグネシウム合金若しくはチタニウム合金のいずれかからなる金属製バット、炭素繊維、ガラス繊維からなる短繊維、フィラメント或いは織物にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂を含浸させた複合材料のいずれかからなるFRP製バット、または熱可塑性樹脂材料或いは熱硬化性樹脂材料のいずれかからなる樹脂製バット、ないしはこれらの組み合わせからなるバットであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非木製バット。
- 前記溝部は、単数または複数設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の非木製バット。
- 前記溝部は、幅が10乃至
50mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の非木製バット。 - 前記溝部は、深さが0.3ないし1.0mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の非木製バット。
- 前記ゴム状部材は、弾性合成樹脂及び剛性ゴムからなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の非木製バット。
- 胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットにおいて、前記テーパー部の外側に環状の溝部を設け、前記溝部にゴム状部材を埋設し、前記胴部の打球部に規定以上の力が加えられた場合に前記溝部が撓りの中心となることにより、当該バットに大きい飛距離能力が得られることを特徴とする非木製バットの製造方法。
- 胴部とテーパー部とハンドル部とからなる非木製バットにおいて、前記胴部は打球部と第1テーパー部とからなり、前記ハンドル部はグリップ部とその一部が前記第1テーパー部の内側に配設される第2テーパー部とからなり、前記テーパー部は前記第1テーパー部と前記第2テーパー部とで構成され、前記第2テーパー部の前記第1テーパー部と重ならない部分の外側に環状の溝部を設け、前記溝部にゴム状部材を埋設し、前記第1テーパー部と前記第2テーパー部との間の重なる部分に接着剤を塗布し、前記第1テーパー部の内側に前記第2テーパー部を嵌合し、前記打球部に規定以上の力が加えられた場合に前記溝部が撓りの中心となることにより、当該バットに大きい飛距離能力が得られることを特徴とする非木製バットの製造方法。
- 前記非木製バットは、アルミニウム合金、マグネシウム合金若しくはチタニウム合金のいずれかからなる金属製バット、炭素繊維、ガラス繊維からなる短繊維、フィラメント或いは織物にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂を含浸させた複合材料のいずれかからなるFRP製バット、または熱可塑性樹脂材料或いは熱硬化性樹脂材料のいずれかからなる樹脂製バット、ないしはこれらの組み合わせからなるバットであることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の非木製バットの製造方法。
- 前記溝部は、単数または複数設けたことを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の非木製バットの製造方法。
- 前記溝部は、幅が10乃至
50mmの範囲内にあることを特徴とする請求項8ないし請求項11にいずれかに記載の非木製バットの製造方法。 - 前記溝部は、深さが0.3ないし1.0mmの範囲内にあることを特徴とする請求項8ないし請求項12にいずれかに記載の非木製バットの製造方法。
- 前記ゴム状部材は、弾性合成樹脂及び剛性ゴムからなることを特徴とする請求項8ないし請求項13のいずれかに記載の非木製バットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012275162A JP2014117480A (ja) | 2012-12-17 | 2012-12-17 | 非木製バットとその製造方法 |
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JP2012275162A JP2014117480A (ja) | 2012-12-17 | 2012-12-17 | 非木製バットとその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=51172868
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JP2012275162A Pending JP2014117480A (ja) | 2012-12-17 | 2012-12-17 | 非木製バットとその製造方法 |
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JP (1) | JP2014117480A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016035815A1 (ja) * | 2014-09-02 | 2016-03-10 | 豊治 深江 | 複合型バット構造 |
-
2012
- 2012-12-17 JP JP2012275162A patent/JP2014117480A/ja active Pending
Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
WO2016035815A1 (ja) * | 2014-09-02 | 2016-03-10 | 豊治 深江 | 複合型バット構造 |
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