JP2014116271A - セパレータ、電極素子、蓄電デバイスおよび前記セパレータの製造方法 - Google Patents

セパレータ、電極素子、蓄電デバイスおよび前記セパレータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無機繊維をセパレータに使用した場合に、電極素子等の製造工程でのセパレータの位置ずれを防止し、それによって電極素子等の生産性を向上させ、かつ、電極間の短絡を防止する。
【解決手段】セパレータ13は、正極12と負極11とを対向配置させた電極素子10において、正極12と負極11との短絡を防止するために使用される。セパレータ13は、無機繊維によって筒状に形成された筒状体を有し、その中に正極12または負極11を収納することで、正極12と負極11とはセパレータ13を介して対向配置される。
【選択図】図2

Description

本発明は、電極を収容できるように筒状に加工されたセパレータ、このセパレータを用いた電極素子および蓄電デバイスに関する。本発明はまた、上記セパレータの製造方法に関する。
ノート型パソコン、携帯電話、電気自動車などの急速な市場拡大に伴い、キャパシタや二次電池などの蓄電デバイスが盛んに研究されている。中でも二次電池は、より多くのエネルギーを蓄えることができる点で、魅力的である。現在は更に高エネルギー密度の二次電池が求められており、その候補としてスズやシリコンなどの金属あるいはそれらの合金や酸化物を負極活物質として利用することが提案されている。また、リチウム空気電池などの理論容量の大きな電池を用いることも提案されている。しかし、より高エネルギー密度の電池ほど、放出できるエネルギーが大きくなるため、安全性についての配慮がより必要になる。
例えばリチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスにおいて、セパレータは、正極と負極の短絡を防ぎ、リチウムイオンを効果的に移動させる役割を果たす。これまで、ポリプロピレンやポリエチレン材料からなるポリオレフィン系の微多孔質セパレータが主として用いられてきた。その理由は、これらの材料がもつシャットダウン効果が、電池の発熱時の安全性に寄与するためである。しかしながら、高エネルギー密度の電池にポリエチレン材料を用いると、シャットダウン効果が得られる前にセパレータが溶融してしまい、広い面積で電極間の短絡が発生する可能性がある。
このような有機高分子セパレータに代えて、無機材料または有機高分子−無機複合材料をリチウムイオン電池において使用することも提案されている。無機材料は、上述のシャットダウン効果は有しないものの、有機高分子に比べて圧倒的に融点が高いので、むしろ安全性に優れる場合がある。
特許文献1(特許第4831937号公報)には、ガラスクロスを基材として用い、その表裏に、バインダとして有機高分子からなる層が一体化されたセパレータが記載されている。有機高分子として、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体またはポリフッ化ビニリデンなどが例示されている。これにより、補強と過充電防止機能が付与できるとしている。
特許文献2(国際公開第2006/095579号)には、袋状に加工されたセパレータを用いた積層型電池が開示されている。セパレータは、熱可塑性樹脂からなる2枚のシートを重ね合わせ、その外周縁を連続的または間欠的に熱融着することによって形成される。正極または負極がセパレータの中に収納され、これによって、運搬時の振動等でセパレータがずれて正極と負極との短絡を防止できる。
特許文献3(特開2002−324571号公報)も、電極板を収納した袋状のセパレータを用いた電池を開示する。特許文献3に記載されたセパレータは、電極板の四辺に沿ってセパレータの全周を熱融着することによって袋状に加工され、これによって、セパレータ内への異物の混入を防止するとともに、電極材料の飛散を防止している。
特許第4831937号公報 国際公開第2006/095579号 特開2002−324571号公報
ポリオレフィン系の微多孔質セパレータでは、ポリプロピレンやポリエチレン材料で形成されたセパレータ自身のイオン伝導性が無いため、リチウムイオン伝導度を高めるためには、セパレータの空隙や穴のサイズを大きくする必要がある。また、ポリプロピレンやポリエチレン材料の融点は、110〜160℃であるため、高温時に熱収縮が起き、短絡が生じる可能性が指摘されていた。
一方、特許文献1に記載されたような。ガラス繊維などの無機材料を基材とするセパレータでは、高温時の熱収縮の問題は小さいと考えられる。しかし、無機材料を基材とするセパレータを使用した場合は、特許文献2、3に記載されたセパレータのように熱融着によって袋状とする加工ができない。結果的に、電池の組み立て時や電池の運搬時にセパレータがずれ、正極と負極が短絡する可能性がある。また、ガラス繊維からなる基材が不織布でなく織物または編み物である場合は、端部にほつれが生じることにより正極と負極が短絡する可能性がある。さらに、ガラス繊維は柔らかく自己支持性に劣るため、正極および負極と重ね合わせる際に、折れ曲がったり、しわができたりし易い。そのため、電極間を絶縁できるように正確に重ね合わせることが難しい。
そこで本発明は、無機繊維をセパレータに使用した場合に、電極素子や蓄電デバイスの製造工程でのセパレータの位置ずれを防止し、それによって、電極素子や蓄電デバイスの生産性を向上させ、かつ、電極間の短絡を防止することを目的とする。
本発明のセパレータは、正極と負極とを対向配置させた電極素子用のセパレータであって、正極または負極を収納するための、無機繊維によって筒状に形成された筒状体を有する。
また、本発明の電極素子は、上記本発明のセパレータと、対向配置された正極および負極と、を有し、前記正極および負極の少なくとも一方が前記セパレータに収納されている。
また、本発明の蓄電デバイスは、上記本発明の電極素子と、電解液と、前記電極素子および前記電解液を内包する外装体と、を有する。
本発明は、セパレータの製造方法をさらに提供する。本発明のセパレータの製造方法は、正極と負極とを対向配置させた電極素子用のセパレータの製造方法であって、無機繊維によって筒状体を形成する工程と、前記筒状体を、正極または負極を収納できる長さに切断する工程と、を有する。
本発明によれば、セパレータに無機繊維を用いつつも、正極または負極に対するセパレータの位置ずれが良好に防止され、それにより正極と負極との短絡を効果的に防止することができるとともに、電極素子および蓄電デバイスの生産性を向上させることができる。特に、筒状体をシームレスに形成することにより、正極と負極との短絡をより効果的に防止できることに加え、熱融着部や縫い目といった接合部が不要であることにより、電極素子、さらには蓄電デバイスの小型化が達成される。
本発明の一実施形態による蓄電デバイスの分解斜視図である。 図1に示す電極素子の分解斜視図である。 図2に示す負極がセパレータに挿入される前の状態の、負極およびセパレータの斜視図である。 筒状体にバインダを含浸させた、本発明の他の形態によるセパレータの模式的平面図(A)および模式的断面図(B)である。
本発明の一実施形態は、正極と負極とを対向配置させた電極素子用のセパレータであって、正極または負極を収納するための、無機繊維によって筒状に形成された筒状体を有するセパレータに関する。また、本発明の他の形態は、このセパレータを有する電極素子および蓄電デバイスに関する。また、本発明の他の形態は、正極と負極とを対向配置させた電極素子用のセパレータの製造方法であって、無機繊維によって筒状体を形成する工程と、この筒状体を、正極または負極を収納できる長さに切断する工程と、を有するセパレータの製造方法に関する。
以下、上述した各構成部材および構成材料について説明する。
<セパレータ>
セパレータは、正極または負極を収納するための、無機繊維によってシームレスな筒状に形成された筒状体(繊維集合体、繊維アセンブリ)を有する。この筒状体がそのままセパレータとして使用されてもよいし、筒状体に他の構造を付加したものをセパレータとして使用してもよい。他の構造を付加した場合であっても、本発明においては、セパレータは筒状である。正極または負極がセパレータに収納されることで、正極と負極との間に存在する筒状体の部分を介して正極と負極とが対向配置され、これによって正極と負極との短絡が防止される。無機繊維は電気伝導性がないが、筒状体を、イオン伝導性を有し、かつ正極と負極との短絡を防止できるように構成することができるものであれば、任意の無機繊維を用いることができる。
無機繊維を構成する材料としては、セラミックやガラスなどが挙げられる。これらの中でも、アルミナ繊維またはガラス繊維を好ましく用いることができ、特にガラス繊維が好ましい。ガラス繊維は、プリント基板をはじめとする電子材料用途や船舶などに用いるFRP樹脂用途など、工業的に広く普及しており、容易に得られる材料であるからである。ガラス繊維としては、例えば、マイクロファイバーウールや、グラスウールグラスファイバー等が挙げられる。
一般に、リチウムイオン電池で使用されているセパレータとしては、有機高分子材料であるポリエチレンやポリプロピレン、耐熱性の高いポリイミド、セルロース、PVdF等で形成される多孔質膜や、不織布が広く用いられている。本発明のセパレータは、これらのセパレータを組み合わせて使用することができる。組み合わせの方法としては、本発明による筒状のセパレータの中に従来の多孔質膜や不織布からなるシート状のセパレータを挿入したり、本発明による筒状のセパレータの外側に従来のシート状のセパレータを重ね合わせたりするなど、任意の方法であってよい。
無機繊維は、長繊維であってもよいし短繊維であってもよい。無機繊維が長繊維の場合は、長繊維をそのまま織るまたは編んで筒状の織物または編物とすることができる。無機繊維が短繊維の場合は、その短繊維を撚って糸状とし、それを織るまたは編んで筒状の織物または編物とすることができる。
上記のように、無機繊維は織物または編物であることができるが、それらの中でも、織物であることが好ましい。これは、50μm以下の厚みの薄いセパレータを容易に得ることができるからである。また、織物は、後述するように基材がバインダをさらに含む場合に、バインダの使用量を少なくすることができる。セパレータの厚みは、電池エネルギーの重量密度や体積密度に影響するため、できるだけ薄いほうが好ましい。織り方としては、例えば、平織、綾織、朱子織、からみ織、模紗織、破れ斜紋織、二重織等が挙げられ、これらの中でも、薄く軽いセパレータが得られるという観点からは、特に平織が好ましい。また、織目が小さく密なものほど絶縁機能に優れるため、この観点からは、平織、綾織、朱子織が好ましい。また同様の理由から、無機繊維は細いものの方がよく、繊維径は、20μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。一方、無機繊維の強度および製造の容易性の点から、繊維径は1μm以上であることが好ましい。繊維径が1μm未満の無機繊維は製造が困難であり、結果的に基材の高コスト化を招くおそれがある。
織物の筒状体である筒状織物は、環状織機(サーキュラー)を使用して製造することができる。環状織機を使用することにより、環状に配置された複数の縦糸と、これら複数の縦糸にスパイラル状に織り込まれた1本の横糸からなる筒状織物を容易に大量生産することができる。一方、編物の筒状体である筒状編物は、筒状織物に比べて目が粗くなるが、製造装置の機構が簡易であり、生産性の観点から好ましい。上記のようにして得られた筒状織物および筒状編物は、正極または負極を収納できる所定の長さに切断され、これを用いてセパレータが製造される。
セパレータは、無機繊維を補強する目的で、筒状体の他にバインダを有していてもよい。バインダは、筒状体に含浸されて筒状体と一体化されることができる。筒状体にバインダを含浸させることにより、無機繊維が緩みにくくなり、自己支持性も増すため、電池を組み立てる際の生産性が向上する。バインダは、無機材料からなる無機バインダであってもよいし、有機材料からなる有機バインダであってもよい。
無機バインダとしては、特に限定はされないが、シリカ系材料、アルミナ系材料、シリカアルミナ系材料、アルミニウム系、リン酸アルミニウム系材料、銀系等が挙げられる。有機バインダであれば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)及びこれらの高分子の共重合体を好適に用いることができる。これらのバインダは、単独の材料が用いられてもよいし、2種以上の材料を混合したものが用いられてもよい。
セパレータは、不燃性であるほうが、電池の安全性に有利である。そのことから、セパレータを構成する材料の50質量%以上が、無機材料(即ち、無機繊維、無機粒子および無機バインダ等)であることが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましく、90質量%以上含むことが特に好ましい。
ただし、有機材料であっても、ポリイミドやポリアミドイミドなど耐熱性に優れる樹脂であれば、上記無機材料の割合にかかわらず、好適に用いることができる。
セパレータの厚みは、特に限定されるものではないが、電池のエネルギー密度を高くできるという観点から薄い方が好ましい。また、セパレータの厚みが薄い方が、電池の内部抵抗を低減することができることから、エネルギーを有効利用することができる。一方、セパレータの強度や電極間の絶縁能力の観点からは、厚い方が好ましい。これは、厚さ方向の強度が向上し、内部短絡の発生率を抑えることができるからである。したがって、セパレータの厚みの上限は、200μm以下とすることが好ましく、100μm以下とすることがより好ましく、更に好ましくは、50μm以下である。また、セパレータ厚みの下限は、5μm以上とすることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。
セパレータの空隙率は、30%以上99%以下とすることが望ましい。空隙率を30%以上とすることにより、セパレータの抵抗値が低減し、電池性能が向上するからである。この効果を高めるためには、空隙率は50%以上であることが望ましく、より好ましくは60%以上である。また、空隙率の上限値は99%とすることにより、内部短絡の発生を抑制できる。空隙率は、例えば、セパレータの原料となる材料の真密度や総体積、セパレータの重量および体積とから求めることができる。さらに、内部短絡の発生を抑制するという観点から、セパレータの厚み方向における突刺し強度は高い値であることが望ましい。突刺し強度は、例えば、テクスチャーアナライザー等の強度試験機を用いて、測定対象となる微多孔膜に金属針(直径1〜2mm、先端部r=0.5mm)を一定速度で突き刺した際の荷重で評価することができる。
セパレータのイオン伝導度の値は、電池の内部抵抗値に大きく影響するため、大きいほうが好ましい。たとえば、リチウム2次電池の電解液としてイオン伝導度が10-3S/cmである電解液を用いた場合、これを浸漬した状態で、セパレータのイオン伝導度は10−3〜10−6S/cmであることが望ましい。
<電極素子および蓄電デバイスの構成>
本発明は、上述した本発明によるセパレータと、対向配置された正極および負極と、を有し、正極および負極の少なくとも一方がセパレータに収納されている電極素子に関する。また、本発明は、上記電極素子と、電解液と、これら電極素子および電解液を内包する外装体と、を有する蓄電デバイスに関する。
本発明の電極素子および蓄電デバイスは、電荷を蓄積できるものであれば、種々のデバイスに適用できる。代表的なデバイスとしては、リチウムイオン二次電池が挙げられるが、その他の二次電池、さらには電気二重層キャパシタ等のキャパシタに適用することが可能である。以下の説明ではリチウムイオン二次電池を例に説明するが、これに限定されるものではなく、本発明が適用されるデバイスの種対に応じて、形状、構成および材料を適宜変更することができる。
二次電池は、電極の構造や形状等により、円筒型、扁平捲回角型、積層角型、コイン型、扁平捲回ラミネート型および積層ラミネート型等、種々のタイプがある。本発明はこれらの何れのタイプにも適用可能である。これらのうち、本発明が適用される二次電池の形状は、セパレータが破れ難い観点から、積層ラミネート型であることが好ましい。以下、積層ラミネート型の二次電池について説明する。
図1を参照すると、電極素子10と、外装材21、22によって電極素子10をその厚み方向両側から包囲することによって、電極素子10を電解液とともに内包する外装体とを有する、本発明の一実施形態による二次電池1の分解斜視図が示されている。電極素子10には負極端子31および正極端子32が、それぞれ一部を外装体から突出させて接続されている。
電極素子10は、図2および図3に示すように、複数の負極11と複数の正極12とが交互に位置するように対向配置された構成を有する。セパレータ13は、前述したとおり無機繊維によって筒状に形成された筒状体を有している。図に示す例では、セパレータ13は筒状に形成された筒状織物または筒状編物そのものであることができ、このようなセパレータ13の中に正極12が挿入されている。これによって、負極11と正極12とはセパレータ13を介して対向配置され、負極11と正極12は、セパレータ13によって互いに絶縁状態を保っている。
負極11は、金属箔で形成することができる負極集電体11aと、負極集電体11aの両面に形成された負極活物質11bとを有する。負極集電体11aは、セパレータ13と対向する部分から延長した延長部を有して形成され、この延長部には負極活物質11bは形成されていない。
正極12も、負極11と同様、金属泊で形成することができる正極集電体12aと、正極集電体12aの両面に形成された正極活物質12bとを有する。正極集電体12aは、セパレータ13に収納された部分から延長した延長部を有して形成され、この延長部には正極活物質12bは形成されていない。
負極11および正極12は、それらの延長部が互いに反対方向に向かって延びるように配置されている。複数の負極11は、その延長部同士が溶接によって電気的に接続されて、図1に示す負極タブ10aを形成する。複数の正極12も、その延長部同士が溶接によって電気的に接続されて、図1に示す正極タブ10bを形成する。負極端子31は負極タブ10aに電気的に接続され、正極端子32は正極タブ10bに電気的に接続される。
このような平面的な積層構造を有する電極素子10は、曲率半径の小さい部分(捲回構造の巻き芯に近い領域)がないため、捲回構造を持つ電極素子に比べて、充放電に伴う電極の体積変化に対する影響を受けにくいという利点がある。すなわち、体積膨張を起こしやすい活物質を用いた電極素子として有効である。
本発明の電極素子および蓄電デバイスでは、セパレータ13として、前述した、無機繊維から筒状に作られた筒状体を有するものを使用し、その中に正極または負極を収納することによって正極と負極との間の絶縁性を保っている。セパレータ13は、筒状体のみからなるものであってもよいし、図4に示すように、例えば無機繊維13aの織物として形成された筒状体にバインダ13bを含浸させてもよい。バインダ13bを含浸させることにより、無機繊維13aがバインダ13bによって拘束され、無機繊維13aのほつれが防止される。無機繊維13aの織物または編物は、網目(織目または編目)が比較的大きい。そのため、バインダ13bは、編目には入り込まず、編目の部分に開口部を有した状態で無機繊維13aの織物または編物に含浸している。
図2に示した例では、正極12をセパレータ13に収納しているが、負極11と正極12がセパレータ13を介して対向する構成とすることができれば、正極12ではなく負極11をセパレータ13に収納することもできる。さらには、負極11および正極12をそれぞれセパレータ13に収納し、セパレータ13に収納された負極11と、セパレータ13に収納された正極12とを対向配置してもよい。
上記のとおり、無機繊維を筒状に形成し、その中に負極または正極を収納することで、セパレータに無機繊維を用いながらも、電極素子や蓄電デバイスの製造時における負極または正極に対するセパレータの位置ずれを防止できる。その結果、正極と負極との短絡が防止される。特に、無機繊維を筒状織物または筒状編物として構成した場合は、筒状体がシームレスなものとなり繊維端の数が少なくなるため、繊維末端のほぐれによる正極と負極との短絡が発生する確率を減少させることができる。
しかも、筒状体がシームレスに形成されることにより、熱融着や縫い合わせのように複数の部材を接合した接合部が存在せず、接合部での剥がれの問題は全く生じない。セパレータを複数の部材の接合により構成した場合、接合部での剥がれは、製造工程での歩留りを低下させ、また、正極と負極との短絡を招く場合がある。さらに、セパレータは、熱融着代や縫い代が必要なく、かつ、位置ずれも生じないため、セパレータを最小限のサイズとすることができ、その結果、電極素子、さらには蓄電デバイスのサイズを小型化することができる。
<負極>
本実施形態のリチウム二次電池は、負極活物質を有する負極を備える。負極活物質は負極用結着材によって負極集電体上に結着されることができる。
本実施形態における負極活物質は、特に制限されるものではなく、例えば、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る炭素材料(a)、リチウムと合金可能な金属(b)、およびリチウムイオンを吸蔵、放出し得る金属酸化物(c)等が挙げられる。
炭素材料(a)としては、例えば、炭素、非晶質炭素、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブ、またはこれらの複合物等が挙げられる。ここで、結晶性の高い炭素は、電気伝導性が高く、銅などの金属からなる負極集電体との接着性および電圧平坦性が優れている。一方、結晶性の低い非晶質炭素は、体積膨張が比較的小さいため、負極全体の体積膨張を緩和する効果が高く、かつ結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する劣化が起きにくい。
金属(b)としては、例えば、Al、Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La、またはこれらの2種以上の合金等が挙げられる。また、これらの金属又は合金は2種以上混合して用いてもよい。また、これらの金属又は合金は1種以上の非金属元素を含んでもよい。本実施形態では、負極活物質としてスズ若しくはシリコンを含むことが好ましく、シリコンを含むことがより好ましい。その理由として、本実施形態の蓄電デバイス用セルロースに含まれるリン酸残基はスズやシリコンと反応し難いため、不可逆容量が増大するのを抑制することができるからである。
金属酸化物(c)としては、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化リチウム、またはこれらの複合物等が挙げられる。本実施形態では、負極活物質として酸化スズ若しくは酸化シリコンを含むことが好ましく、酸化シリコンを含むことがより好ましい。これは、酸化シリコンは、比較的安定で他の化合物との反応を引き起こしにくいからである。また、金属酸化物(c)に、窒素、ホウ素およびイオウの中から選ばれる一種または二種以上の元素を、例えば0.1〜5質量%添加することもできる。こうすることで、金属酸化物(c)の電気伝導性を向上させることができる。
金属酸化物(c)は、その全部または一部がアモルファス構造を有することが好ましい。アモルファス構造の金属酸化物(c)は、他の負極活物質である炭素材料(a)や金属(b)の体積膨張を抑制することができる。このメカニズムは明確ではないが、金属酸化物(c)がアモルファス構造であることにより、炭素材料(a)と電解液の界面への皮膜形成に何らかの影響があるものと推定される。また、アモルファス構造は、結晶粒界や欠陥といった不均一性に起因する要素が比較的少ないと考えられる。なお、金属酸化物(c)の全部または一部がアモルファス構造を有することは、エックス線回折測定(一般的なXRD測定)にて確認することができる。具体的には、金属酸化物(c)がアモルファス構造を有しない場合には、金属酸化物(c)に固有のピークが観測されるが、金属酸化物(c)の全部または一部がアモルファス構造を有する場合が、金属酸化物(c)に固有ピークがブロードとなって観測される。
金属(b)はシリコンであり、金属酸化物(c)は酸化シリコンであることが好ましい。つまり、負極活物質は、シリコン、酸化シリコン及び炭素材料の複合体(以下、Si/SiO/C複合体とも称す)からなることが好ましい。また、あらかじめ、負極活物質が、リチウムを化学的・熱的にドープした材料を用いることも可能である。例えば、化学的ドープは、リチウム金属あるいはリチウム化合物を含んだ溶媒と還元剤を用いて、活物質に強制的にリチウムをドープする方法で得られることが出来る。また、熱ドープは、負極活物質とリチウム金属を接触させ、全体を温めることによって、負極活物質にリチウムをドープさせることが出来る。
Si/SiO/C複合体において、例えば、酸化シリコンの全部または一部がアモルファス構造であり、シリコンはその全部または一部が酸化シリコン中に分散している。このようなSi/SiO/C複合体は、例えば、特開2004−47404号公報で開示されているような方法で作製することができる。すなわち、Si/SiO/C複合体は、例えば、酸化シリコンをメタンガスなどの有機物ガスを含む雰囲気下でCVD処理を行うことで得ることができる。このような方法で得られるSi/SiO/C複合体は、シリコンを含む酸化シリコンからなる粒子の表面がカーボンで被覆された形態となる。また、シリコンは酸化シリコン中にナノクラスター化している。
Si/SiO/C複合体において、炭素材料、シリコンおよび酸化シリコンの割合は、特に制限はない。炭素材料は、Si/SiO/C複合体に対し、2質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは2質量%以上30質量%以下である。シリコンは、Si/SiO/C複合体に対し、5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、20質量%以上50質量%以下とすることがより好ましい。酸化シリコンは、Si/SiO/C複合体に対し、5質量%以上90質量%以下とすることが好ましく、40質量%以上70質量%以下とすることがより好ましい。
また、Si/SiO/C複合体は、炭素材料、シリコンおよび酸化シリコンの混合物からなることができる。例えば、Si/SiO/C複合体は、それぞれの炭素材料、シリコンおよび酸化シリコンが粒子状のものを混合して得ることができる。例えば、シリコンの平均粒子径は、炭素材料の平均粒子径および酸化シリコンの平均粒子径よりも小さい構成とすることができる。このようにすれば、充放電時に伴う体積変化の大きいシリコンが相対的に小粒径となり、体積変化の小さい炭素材料や酸化シリコンが相対的に大粒径となるため、デンドライト生成および合金の微粉化がより効果的に抑制される。また、充放電の過程で大粒径の粒子、小粒径の粒子、大粒径の粒子の順にリチウムが吸蔵、放出されることとなり、この点からも、残留応力、残留歪みの発生が抑制される。シリコンの平均粒子径は、例えば20μm以下とすることができ、15μm以下とすることが好ましい。
負極用結着剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル酸等を用いることができる。中でも、結着性が強いことから、ポリイミドまたはポリアミドイミドが好ましい。使用する負極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、負極活物質100質量部に対して、5〜25質量部が好ましい。
負極集電体としては、電気化学的な安定性から、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、クロム、銅、銀、およびそれらの合金が好ましい。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。
負極は、負極集電体上に、負極活物質と負極用結着剤を含む負極活物質層を形成することで作製することができる。負極活物質層の形成方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法、CVD法、スパッタリング法などが挙げられる。予め負極活物質層を形成した後に、蒸着、スパッタ等の方法でアルミニウム、ニッケルまたはそれらの合金の薄膜を形成して、負極としてもよい。
<正極>
正極は、例えば、正極活物質が正極用結着剤によって正極集電体を覆うように結着されてなる。
正極活物質としては、LiMnO、LixMn(0<x<2)、LiMnO、LixMn1.5Ni0.5(0<x<2)等の層状構造を持つマンガン酸リチウムまたはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム;LiCoO、LiNiOまたはこれらの遷移金属の一部を他の金属で置き換えたもの;LiNi1/3Co1/3Mn1/3などの特定の遷移金属が半数を超えないリチウム遷移金属酸化物;これらのリチウム遷移金属酸化物において化学量論組成よりもLiを過剰にしたもの;LiFePOなどのオリビン構造を有するもの等が挙げられる。また、これらの金属酸化物に、Al、Fe,P,Ti,Si、Pb、Sn、In、Bi、Ag、Ba、Ca、Hg、Pd、Pt、Te、Zn、La等により一部置換した材料も使用することができる。特に、LiαNiβCoγAlδ(1≦α≦2、β+γ+δ=1、β≧0.7、γ≦0.2)またはLiαNiβCoγMnδ(1≦α≦1.2、β+γ+δ=1、β≧0.6、γ≦0.2)が好ましい。正極活物質は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
また、ラジカル材料等を正極活物質として用いることも可能である。
正極用結着剤としては、負極用結着剤と同様のものと用いることができる。中でも、汎用性や低コストの観点から、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。使用する正極用結着剤の量は、トレードオフの関係にある「十分な結着力」と「高エネルギー化」の観点から、正極活物質100質量部に対して、2〜15質量部が好ましい。
正極集電体としては、負極集電体と同様のものを用いることができる。
正極活物質を含む正極活物質層には、インピーダンスを低下させる目的で、導電補助材を添加してもよい。導電補助材としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子が挙げられる。
<電解液>
本実施形態で用いる電解液は、リチウム塩(支持塩)と、この支持塩を溶解する非水溶媒を含む非水電解液を用いることができる。
非水溶媒としては、炭酸エステル(鎖状又は環状カーボネート)、カルボン酸エステル(鎖状又は環状カルボン酸エステル)、リン酸エステル等の非プロトン性有機溶媒を用いることができる。
炭酸エステル溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類;プロピレンカーボネート誘導体が挙げられる。
カルボン酸エステル溶媒としては、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
これらの中でも、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(MEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の炭酸エステル(環状または鎖状カーボネート類)が好ましい。
リン酸エステルとしては、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル等が挙げられる。
また、非水電解液に含有できる溶媒としては、その他にも、例えば、エチレンサルファイト(ES)、プロパンサルトン(PS)、ブタンスルトン(BS)、Dioxathiolane−2,2−dioxide(DD)、スルホレン、3−メチルスルホレン、スルホラン(SL)、無水コハク酸(SUCAH)、無水プロピオン酸、無水酢酸、無水マレイン酸、ジアリルカーボネート(DAC)、2,5−ジオキサヘキサンニ酸ジメチル、2,5−ジオキサヘキサンニ酸ジメチル、フラン、2,5−ジメチルフラン、ジフェニルジサルファイド(DPS)、ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン、クロロエチレンカーボネート、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、ジエチルエーテル、フェニルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)、テトラヒドロピラン(THP)、1,4−ジオキサン(DIOX)、1,3−ジオキソラン(DOL)、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、ブチルアセテート、メチルジフルオロアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、メチルフォルメイト、エチルフォルメイト、エチルブチレート、イソプロピルブチレート、メチルイソブチレート、メチルシアノアセテート、ビニルアセテート、ジフェニルジスルフィド、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、アジポニトリル、バレロニトリル、グルタロニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、イソブチロニトリル、ビフェニル、チオフェン、メチルエチルケトン、フルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、カーボネート電解液、グライム、エーテル、アセトニトリル、プロピオンニトリル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)イオン液体、ホスファゼン、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、又は、これらの化合物の一部の水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられる。
本実施形態における支持塩としては、LiPF、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiC(CFSO3、LiN(CFSO等の通常のリチウムイオン電池に使用可能なリチウム塩を用いることができる。支持塩は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
非水溶媒は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
フッ素化カーボネートの含有量は、非水電解液中、0.01質量%以上50質量%以下であることが好ましい。フッ素化カーボネートは電解液中に含まれていると放電容量が大きくなるが、多すぎると電解液中の粘度が上がり抵抗が上がる傾向がある。そのため、フッ素化カーボネートの含有量は、非水電解液中、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。また、フッ素化カーボネートの含有量は、非水電解液中、30質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
更に難燃効果を上げるため、Rv1−O−Rv2(Rv1,Rv2はそれぞれアルキル基あるいはフッ素アルキル基)構造をもつフッ素化エーテル、イオン液体、ホスファゼン等を混合させてもよい。
<外装体>
外装体としては、電解液に安定で、かつ十分な水蒸気バリア性を持つものであれば、適宜選択することができる。例えば、積層ラミネート型の二次電池の場合、外装体としては、アルミニウム、シリカをコーティングしたポリプロピレン、ポリエチレン等のラミネートフィルムを用いることができる。特に、体積膨張を抑制する観点から、アルミニウムラミネートフィルムを用いることが好ましい。また、外装体は、単一の部材で構成してもよいし、図1に示したように複数の部材(外装材21、22)を組み合わせて構成してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
<実施例1>
<電池の作製>
(正極作製方法)
正極活物質として、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)材料を85質量%、導電助剤としてアセチレンブラックを7質量%、バインダとしてポリフッ化ビニリデン8質量%とを混合し、これをN−メチルピロリドン(NMP)に分散させてスラリーとした後、正極集電体としてのアルミニウム箔(15μm)に塗布し、乾燥させた。その後、電極をプレス処理し、処理後の厚さが80μmになるように作製した。活物質塗布部分は幅100mm、長さ200mmとした。
(負極作製方法)
負極活物質として、黒鉛材料を90質量%、バインダとしてポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合し、N−メチルピロリドン(NMP)に分散させてスラリーとした後、負極集電体として10μmの銅箔に塗布し、乾燥させた。その後、電極をプレス処理し、処理後の厚さが65μmになるように作製した。
(筒状織物セパレータの作製)
無機繊維としてガラス繊維(直径4μm)50本を一束とし、これを縦糸および横糸として、サーキュラーを用いて平織りにより筒状織物を作製した。作製した筒状織物は、厚みが15μm、円周が210mmであった。作製した筒状織物を215mmの長さに切断し、これをセパレータとした。
(電極素子の作製)
得られた正極を、上記の筒状織物からなるセパレータに挿入し、4層の負極と、セパレータを被せた3層の正極とを交互に重ねた。正極活物質に覆われていない正極集電体および負極活物質に覆われていない負極集電体の端部をそれぞれ溶接し、さらにその溶接箇所に、アルミニウム製の正極端子およびニッケル製の負極端子をそれぞれ溶接して、平面的な積層構造を有する電極素子を得た。
(電解液)
EC/PC/DMC/EMC/DEC=20/20/20/20/20(体積比)からなるカーボネート系非水電解液を調製し、さらに、支持塩としてのLiPFを1モル/lの濃度で溶解して、電解液を形成した。
(電池の組み立て)
上記電極素子を外装体としてのアルミニウムラミネートフィルムで包み、内部に電解液を注液した後、0.1気圧の減圧雰囲気下で封止することで、二次電池を作製した。
上述のように作製した二次電池について、正極と負極が短絡しているものの数をカウントした。これらは、組み立て時にガラス繊維がほつれることによって、電極間が短絡したものであると考えられる。次に、短絡していなかった電池に対して振動を与えた。振動は、15分間で振動数7Hzから200Hzを経由して7Hzに復帰する掃引振動とし、これを、X,Y,Zの3方向についてそれぞれ12セットずつ実施した。電池に振動を与えた後、初回放電容量を測定した。初回充放電の条件は、0.05Cの電流、20℃環境下、4.2V上限、2.5V下限とした。このとき、短絡により充電できなかったものを、振動試験後の短絡としてカウントした。
<実施例2>
実施例1と同様にして作製したセパレータの上に、リン酸アルミ無機バインダ含有水溶液(タキアルファWR−100B、多木化学社製、pH=1.5)と水を2:8の割合で混合させたものを塗布した。これを100℃の雰囲気中にて10分間保持してバインダを乾燥させ、筒状織物に無機材料のバインダを含浸させたセパレータを得た。こうして得られたセパレータを用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製し、得られた電池に対して実施例1と同様の評価を行なった。
<比較例1>
厚み15μmの平織りガラスクロスを、幅105mm、長さ215mmのサイズに裁断し、これを6層重ね合わせたものをセパレータとして用いた。このセパレータを正極と負極との間に配置し、正極と負極とがセパレータを介して交互に重ね合わせられるようにしたこと以外は実施例1と同様にして電池を作製し、得られた電池に対して実施例1と同様の評価を行なった。
<比較例2>
比較例1と同様にして作製したセパレータの上に、リン酸アルミ無機バインダ含有水溶液(タキアルファWR−100B、多木化学社製、pH=1.5)と水を2:8の割合で混合させたものを塗布した。これを100℃の雰囲気中にて10分間保持してバインダを乾燥させ、ガラスクロスに無機材料のバインダを含浸させたセパレータを得た。こうして得られたセパレータを用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製し、得られた電池に対して実施例1と同様の評価を行なった。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2014116271
ガラスクロスは平織りからなる織物であるため、周辺部分は糸と糸の間の隙間が広がることにより正極と負極間にて短絡を引き起こしやすくなる。また、電解液をガラスクロスに浸み込ませると糸のほつれも生じやすく、正極と負極間の絶縁性を保つための機能が損なわれやすい。シート状のガラスクロスからなるセパレータを用いた電池の約80%は、振動試験後、充電ができなかった(比較例1)。一方、無機繊維からなる筒状織物をセパレータに用いることにより、シート状のセパレータと比較して振動試験後の短絡が大幅に低減されることが確認できた(実施例1)。これは、無機繊維を筒状織物とすることにより、糸のほつれが無くなり、縦糸と横糸の隙間部分での短絡が起き難くなるためであると考えられる。
本発明は、電源を必要とするあらゆる産業分野、ならびに電気的エネルギーの輸送、貯蔵および供給に関する産業分野にて利用することができる。具体的には、携帯電話、ノートパソコンなどのモバイル機器の電源;電気自動車、ハイブリッドカー、電動バイク、電動アシスト自転車などの電動車両を含む、電車や衛星や潜水艦などの移動・輸送用媒体の電源;UPSなどのバックアップ電源;太陽光発電、風力発電などで発電した電力を貯める蓄電設備;などに、利用することができる。
1 二次電池
10 電極素子
11 負極
12 正極
13 セパレータ
21、22 外装材
31 負極端子
32 正極端子

Claims (12)

  1. 正極と負極とを対向配置させた電極素子用のセパレータであって、
    正極または負極を収納するための、無機繊維によって筒状に形成された筒状体を有するセパレータ。
  2. 前記筒状体はシームレスである請求項1に記載のセパレータ。
  3. 前記筒状体は筒状織物である請求項1または2に記載のセパレータ。
  4. 前記筒状織物は、環状に配置された複数の縦糸と、前記複数の縦糸にスパイラル状に織り込まれた1本の横糸とを有する請求項3に記載のセパレータ。
  5. 前記筒状体は筒状編物である請求項1または2に記載のセパレータ。
  6. 前記無機繊維はガラス繊維である請求項1から5のいずれか一項に記載のセパレータ。
  7. 前記筒状体に含浸されたバインダをさらに有する請求項1から6のいずれか一項に記載のセパレータ。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のセパレータと、
    対向配置された正極および負極と、
    を有し、
    前記正極および負極の少なくとも一方が前記セパレータに収納されている電極素子。
  9. 請求項8に記載の電極素子と、
    電解液と、
    前記電極素子および前記電解液を内包する外装体と、
    を有する蓄電デバイス。
  10. 正極と負極とを対向配置させた電極素子用のセパレータの製造方法であって、
    無機繊維によって筒状体を形成する工程と、
    前記筒状体を、正極または負極を収納できる長さに切断する工程と、
    を有するセパレータの製造方法。
  11. 前記筒状体を形成する工程は、前記筒状体をシームレスに形成することを含む請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記筒状体にバインダを含浸させる工程をさらに有する請求項10または11に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022113855A1 (ja) * 2020-11-30 2022-06-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 二次電池

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