JP2014114970A - 製錬工程における脱硫方法 - Google Patents

製錬工程における脱硫方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014114970A
JP2014114970A JP2012267296A JP2012267296A JP2014114970A JP 2014114970 A JP2014114970 A JP 2014114970A JP 2012267296 A JP2012267296 A JP 2012267296A JP 2012267296 A JP2012267296 A JP 2012267296A JP 2014114970 A JP2014114970 A JP 2014114970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
desulfurization
gas
smelting
desulfurization treatment
auxiliary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012267296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5884715B2 (ja
Inventor
Kazunori Takeda
和典 武田
Naoki Kubota
直樹 窪田
Shintaro Komori
慎太郎 小森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2012267296A priority Critical patent/JP5884715B2/ja
Publication of JP2014114970A publication Critical patent/JP2014114970A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5884715B2 publication Critical patent/JP5884715B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】鉄及び非鉄金属の製錬工程における脱硫方法であって、製錬工程内において濃度や濃度変位の状態が異なる複数のSOガスが発生し、且つ、いずれかのSOガスの濃度変化が極めて急激である場合であっても、十分な脱硫処理を低コストで効率よく行うことができる脱硫方法を提供すること。
【解決手段】製錬排ガス11由来のSOガスを処理する主脱硫処理工程ST61と、高濃度系SOガス11よりもSO濃度の低い、環境回収ガス12由来のSOガスを処理する補助脱硫処理工程とST62、を備え、主脱硫処理工程ST61は、NaOHを含む溶液を用いて製錬排ガス11由来のSOガスの脱硫処理を行う工程であり、補助脱硫処理工程ST62は、NaSOを含む主脱硫処理工程廃液20を補助脱硫処理中に供給することにより、環境回収ガス12由来のSOガスとNaSOとを反応させて、脱硫処理を行う工程である、脱硫方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄及び非鉄金属の製錬工程における脱硫方法に関する。更に詳しくは、銅製錬工程等において発生し、環境保護のために回収される環境回収ガスのSO濃度の急激な変動にも安定的に且つ低コストで対応することができる非鉄製錬工程における脱硫方法に関する。
例えば、銅製錬においては、精鉱として広く用いられている銅精鉱に銅の他に、硫黄成分が多く含まれており、銅製錬で発生する排出ガスには、一般的にSOが10〜15%程度含有されている。このSOガスは、大気中に未処理のまま放出されると環境に悪影響を与える恐れがあり、極めて高い除去率での脱硫処理が必須となっている。
そこで、銅製錬の各工程で発生する排ガス(以下、「製錬排ガス」と言う)は、転化器等からなる硫酸製造工程に投入され、硫黄成分が分離回収されて、環境に悪影響を与えない程度の極微量のSO濃度となるまでに精製される。具体的には、最終的に脱硫処理を終えて排出される出口ガスのSO濃度が、10ppm未満となるように、pHを調整しアルカリ中和を行っている。
しかし、銅製錬の各工程において発生するSOガスはその濃度が必ずしも一定ではなく、工程毎にそれぞれ濃度の異なるSOガスが発生する。このため、例えば単一の脱硫手段によっては、銅製錬の全体工程で発生する濃度の異なる全てのSOガスについて効率よく脱硫処理を行うことは困難である。
この問題に対しては、脱硫処理を行う脱硫手段を、自熔炉又は転炉等の熔炉で発生しSO濃度が10〜15%程度である高濃度のSOガス(製錬排ガス)由来の相対的に高濃度のSOを含むガスの脱硫処理を行う処理系統と、自熔炉から転炉へ熔体を移送する際の漏洩ガス等、通常時のSO濃度が50〜400ppm程度である低濃度のSOガス(環境回収ガス)の処理を行う二つの処理系統に分けて、これらの濃度の異なるSOガスを、それぞれ別途処理することによって脱硫処理の効率を高めることができる。
ここで、本明細書においては、上記の通り、製錬工程の各熔炉で発生したガスであり、発生時のSO濃度が10〜15%程度である高濃度のSOガスのことを「製錬排ガス」と言い、熔炉間の熔体の移送経路からの漏洩ガス等、通常時のSO濃度が50〜400ppm程度である低濃度のSOガスのことを「環境回収ガス」と言うものとする。
尚、環境回収ガスの通常時のSO濃度は上記範囲程度であるが、転炉への酸素吹き込み吹錬の開始時等、製錬工程進捗の特定段階においては、SO濃度が、上記範囲を大きく超えて、一時的に2,000〜3,000ppmにまで急上昇する場合がある。
環境回収ガスの上記のようなSO濃度の一時的、且つ、急激な変動に対しては、例えば、脱硫処理系統を、高濃度用と低濃度用のSO濃度別に複数設けたとしても、十分に対応することはできず、十分な脱硫処理を行うことはできない。
このような環境回収ガスのSO濃度の急激な変動に対応するためには、例えば、環境回収ガスを処理するための処理系統についても、一時的に処理能力を上昇させる必要があった。このための方法として、例えば、環境回収ガスを処理するための脱硫系統を2系統に分けて、アルカリ系の処理液を、それら2系統の間で適宜混合循環させて、環境回収ガスのSO濃度の急激な変動に対応する脱硫装置(特許文献1参照)が開示されている。
特開2008−286413号公報
しかしながら、特許文献1に記載の脱硫方法は、環境回収ガスを処理するための処理系統を新たに増設する必要がありコスト面で不利である。又、混合循環の循環量を、SO濃度の変動の都度、最適値範囲内に調整する必要があるため、弁操作の頻度が多く作業性にも問題がある。
本発明は、鉄及び非鉄金属の製錬工程における脱硫方法であって、それらの製錬工程内において濃度や濃度変位の状態が異なる複数のSOガスが発生し、それらを複数の処理系統で脱硫処理する場合において、特に一方の処理系統で処理するSOガスの濃度変化が極めて急激である場合であっても、充分な脱硫処理を低コストで効率よく行うことができる脱硫方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような複数の処理系統によって脱硫処理を行う方法において、特に一方の処理系統で処理するSOガスの濃度変化が極めて急激である場合であっても、製錬排ガス由来の硫酸製造排ガスを処理する主たる脱硫設備において発生するNaSOや未反応NaOHを含む吸収廃液を、環境回収ガスを処理する補助的な脱硫設備において用いる処理液中に供給して、pH3.0〜7.0の範囲でSOと反応させることにより、新たな処理系等の増設等を要せず、系内処理液に含有されるアルカリ成分の有効活用により、追加コストを抑えて、十分な脱硫処理を効率よく行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 製錬工程で排出されるSOガスの脱硫方法であって、製錬排ガス由来のSOガスを処理する主脱硫処理工程と、SOを含む環境回収ガスを処理する補助脱硫処理工程と、を備え、前記主脱硫処理工程は、NaOHを含む溶液を用いて前記製錬排ガス由来のSOガスの脱硫処理を行う工程であり、前記補助脱硫処理工程は、NaSOを含む主脱硫処理工程廃液を補助脱硫処理液中に供給することにより、前記環境回収ガスとNaSOとを反応させて、脱硫処理を行う工程である脱硫方法。
(2) 前記補助脱硫処理工程は、前記主脱硫処理工程廃液を前記補助脱硫処理液中に連続的に供給することを特長とする(1)に記載の脱硫方法。
(3) 前記補助脱硫処理液がMg(OH)溶液である(1)又は(2)に記載の脱硫方法。
(4) 前記補助脱硫処理工程において前記補助脱硫処理液のpHを3.0〜7.0の範囲として脱硫処理を行う(1)から(3)のいずれかに記載の脱硫方法。
(5) 更に硫酸製造工程を備え、前記製錬排ガス由来のSOガスを、硫酸製造工程を経た後に、前記主脱硫処理工程に投入する(1)から(4)のいずれかに記載の脱硫方法。
(6) 前記製錬工程が銅製錬工程である(1)から(5)のいずれかに記載の脱硫方法。
本発明によれば、鉄及び非鉄金属の製錬工程において発生する、濃度やその変動態様が異なるSOガスの脱硫処理を、複数のSOガス処理系統によって脱硫処理を行う脱硫方法において、特に一方のSOガスの濃度変化が極めて急激である場合であっても、十分な脱硫処理を低コストで行うことができる脱硫方法を提供することができる。
本発明に係る脱硫方法、及び、その脱硫方法を好ましく適用することのできる一般的な乾式工程による銅製錬方法のフローを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る脱硫方法を好ましく適用することのできる鉄及び非鉄金属の製錬工程のうち、代表的な具体例として、一般的な乾式工程による銅製錬方法への適用について説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。SOガスが発生する工程を含む金属の製錬工程において、本発明の構成要件を備える方法で脱硫処理を行う方法である限り全て本発明の範囲である。
図1は、一般的な乾式工程による銅製錬方法P1、及び銅製錬方法P1において発生するSOガスに脱硫処理を行う本発明に係る脱硫方法P2を示すフローチャートである。
以下、まずは脱硫方法P2を好ましく用いることのできる一般的な乾式工程による銅製錬方法P1の概要を説明した上で、本発明の一実施態様である脱硫方法P2の詳細について説明する。
<銅製錬方法>
図1に示す通り、銅精鉱から銅を製錬する銅製錬方法P1は、一般に、自熔炉工程ST10、転炉工程ST20、精製炉工程ST30、電解精製工程ST40とからなる。各工程を経る毎に銅品位を向上させてゆき、電解精製工程ST40によって、銅品位を概ね99.99%にまで高めた電解銅とする。
銅製錬方法P1においては、まず、自熔炉工程ST10において、銅精鉱を自熔炉で酸化熔融することにより銅品位が60%程度となるまで濃縮する。自熔炉工程ST10では、硫黄成分を含む原料が連続的に炉内に装入されるため、SO濃度が高い製錬排ガス11が連続的に発生する。
続いて、自熔炉で熔融し、スラグを分離した熔体(マット)を転炉に装入し転炉工程ST20を行う。転炉工程ST20では、転炉内に反応用空気を吹き込み、銅品位が98%以上となるまで製錬を行い粗銅とする。転炉工程ST20では、処理能力に応じた量のマットが装入されてバッチ処理されるため、SO濃度の高い製錬排ガス11が間欠的に発生する。
一方、自熔炉及び転炉間の熔体の移送経路等の周辺設備からは、上記の製錬排ガス11よりも相対的にSO濃度が低い環境回収ガス12が漏出する。環境回収ガス12は、上述の通り、通常時は相対的にSO濃度が低いガスであるが、工程進捗の特定段階においては、濃度が急上昇する場合がある。本発明の脱硫方法の主たる特長は、この環境回収ガス12の急激な濃度変動にもかかわらず、十分に好ましい程度の脱硫処理を従来方法よりも低コストで行える点にある。
転炉工程ST20によって得た上記の粗銅を、その後、精製炉工程ST30、電解精製工程ST40を経て、その後の電解精製工程ST40によって上記の通り、銅品位を99.99%にまで高めた電解銅とする。
<脱硫方法>
図1に示すように、本発明に係る脱硫方法P2は、硫酸製造システムS5と、脱硫処理システムS6を備える。脱硫処理システムS6は、硫酸製造システムS5において発生する製錬排ガス11由来の硫酸製造排ガス111を脱硫処理する主脱硫処理工程ST61と、低濃度系SOガス12を脱硫処理する補助脱硫処理工程ST62とを備える。
ここで、本明細書においては、上記の通り、硫酸製造システムS5において発生する製錬排ガス11由来のガスのことを「硫酸製造排ガス」と言うものとする。この硫酸製造排ガス111のSO濃度は、一般に、500〜2000ppm程度である。
自熔炉工程ST10、或いは、転炉工程ST20等の各工程において発生する製錬排ガス11は、自熔炉、或いは転炉に接続された専用煙道から回収され、一般的には、硫酸製造システムS5に投入される。
硫酸製造システムS5においては、ガス冷却・洗浄工程、精製工程、乾燥工程、転化工程、吸収工程が施されることにより硫酸が製造される。上記各工程を経て発生する製錬排ガス11由来の硫酸製造排ガス111は、主脱硫処理工程ST61へと送気される。製錬排ガス11の発生時のSO濃度が、10〜15%程度であるのに対し、製錬排ガス11由来の硫酸製造排ガス111のSO濃度は、通常500〜2000ppm程度まで低下している。尚、製錬排ガス11由来のガスのSO濃度をこの程度の値まで下げる手段としては、製錬排ガス11を硫酸製造システムS5へ投入する工程は必須ではなく、他の公知の脱硫手段を用いて製錬排ガス11由来のガスのSO濃度を適当な濃度にまで低下させてもよい。
一方、環境回収ガス12は、上記の製錬排ガス11とは別途の処理系統で処理される。環境回収ガス12は、銅製錬設備の各所に設けられた集煙フード等によって回収される。そして、環境回収ガス12は、硫酸製造システムS5を経ずに、直接、補助脱硫処理工程ST62へと投入される。
硫酸製造排ガス等の製錬排ガス11由来の高濃度のSOガスは、主脱硫処理工程ST61にて、環境回収ガス12は補助脱硫処理工程ST62において、それぞれ最終的な脱硫処理が施される。
(主脱硫処理工程)
製錬排ガス11由来のガスの最終的な脱硫処理を行う主脱硫処理工程ST61では、処理液として苛性ソーダ(NaOH)を含む溶液を用いて中和処理を行う。ここで、一般に、SOガスの脱硫設備にてNaOHによる中和処理を行うと下記のような反応が進行する。
(反応式1)
2NaOH+SO→NaSO+H
まず反応式1に示す反応にて、NaOHが、SOを吸収し、亜硫酸ナトリウム(NaSO)等の亜硫酸塩が生成する。主脱硫処理工程ST51においては、主にこの反応を進行させることにより、脱硫処理が行われる。
通常、製錬排ガス11由来のガスの脱硫処理を行う際のNaOHによる中和反応は、pH3.0〜7.0で行う。このような処理を行う主脱硫処理工程ST61を経た主脱硫処理工程廃液20にはNaSOが50〜100g/L程度含有されている。又、主脱硫処理工程廃液20には、その他、未反応のNaOH成分も含まれている。脱硫方法P2においては、この主脱硫処理工程廃液20を補助脱硫処理工程に用いられる補助脱硫処理中に供給する。
尚、この主脱硫処理工程廃液20の供給は連続的に行われることが好ましい。補助脱硫処理の脱硫効果を補助促進する追加溶液として、別工程の廃液を再利用する本発明の方法においては、追加溶液の特段の供給量の制御や制御手段を必要としない連続的な供給によって、十分な脱硫を低コストで実現することができる。
尚、一般に、中和処理を行う処理液としては、NaOHの他にも、水酸化マグネシウムMg(OH)2溶液が広く用いられている。
しかし、例えば、主脱硫処理工程ST61に用いる中和処理液としてMg(OH)溶液を選択した場合には、脱硫処理能力を高く維持するために、中和処理液中のMg(OH)濃度を高濃度で維持し続ける必要がある。そうすると、生成する亜硫酸マグネシウムは溶解度が低いため、その一部は結晶化してしまい配管の閉塞や循環ポンプの詰まり等が発生し、処理液の循環に支障をきたす場合があり、最悪の場合は設備破損に繋がる恐れもある。本発明の製造方法は、少なくとも中和処理液の一部として、NaOHを含む溶液を用いるものであるため、処理液中のMg(OH)濃度を低減し、高濃度のMg(OH)溶液の使用に起因する上記問題も解消することができる。
(補助脱硫処理工程)
環境回収ガス12を脱硫処理する補助脱硫処理工程ST62では、脱硫処理を行う補助脱硫処理液中に、主脱硫処理工程ST61で発生した主脱硫処理工程廃液20を供給しながら中和処理を行う。この主脱硫処理工程廃液20の供給は、上記の通り、連続的に行われることが好ましい。
補助脱硫処理液としては、一般に、Mg(OH)溶液が用いられる。又、主脱硫処理工程廃液20には、上記の通り、NaSOが50〜100g/L含有されている。
ここで、NaSOは、従来最も一般的な中和処理液として用いられてきたMg(OH)を使用した場合に生成する亜硫酸マグネシウムに比べて、非常に溶解度が高く、且つ、下記の反応式2に示すように、SOガスを吸収する能力を持っている。
(反応式2)
NaSO+HO+SO→2NaHSO
脱硫方法P2においては、NaSOが50〜100g/L含有されている主脱硫処理工程廃液20を補助脱硫処理工程ST62の処理液に供給することで、未反応のNaSOがSOの吸収反応を発生させることで、環境回収ガス12の急激なSO濃度の変動にも対応することができる。
そして、脱硫方法P2においては、このNaSOの供給源は、主脱硫処理工程ST61の廃液であるため、補助脱硫処理工程ST62の処理液にNaSOを供給するための系内処理液の増量は不要である。又、反応効率の向上にともない、補助脱硫処理工程ST62におけるアルカリ使用量を低減することもできる。
上記の脱硫方法P2によれば、工程の進捗に応じて、発生する排ガスのSO濃度が急激に変動する場合であっても、脱硫処理後の排ガスのSO濃度を、安定的に10ppm未満とすることができる。又、この方法は、特段の追加設備の設置、追加の処理液の投入を要さない方法であるため、コスト面でも極めて有利な方法である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
上記において説明した銅製錬方法P1及び脱硫方法P2を実施可能な設備において、NaSOを100g/L含有する主脱硫処理工程廃液を2m/時で、環境回収ガスの脱硫処理を行う補助脱硫処理工程の水酸化マグネシウム(Mg(OH))を含む処理液に供給し、pHを3.0〜7.0の範囲に調整しながら脱硫処理を進行させる操業をそれぞれ24時間行った。操業は3回実施し、それぞれの操業毎に、銅製錬方法P1において発生した環境回収ガスのSO濃度が急上昇してピーク値を示した際において、ガス回収時のSO濃度(表1において、「ピーク発生時の入口濃度」とする。)と、ピーク値を示した上記ガスが、脱硫方法P2から排出される際のSO濃度(表1において「ピーク発生時の排出濃度」とする。)について、それぞれ測定した。結果を表1に示す。
(比較例)
実施例と同様の設備において脱硫処理を行ったが、但し、補助脱硫処理工程の処理液には、上記の主脱硫処理工程廃液の供給は行わず、水酸化マグネシウムの供給量の調整により、pHを3.0〜7.0の範囲に調整しながら脱硫処理を進行させた。操業は実施例同様に3回行い、実施例同様に各SO濃度のピーク値を測定した。結果を表1に示す。
実施例と比較例の各設備において、それぞれ操業1〜3における環境回収ガスの回収時のSO濃度を、24時間にわたって補助脱硫工程入口で測定し、環境回収ガスの1日における回収時の平均SO濃度(表1において「補助脱硫工程入り口部の1日平均値」とする。)を算出した。
又、実施例と比較例の各設備において、それぞれ操業1〜3における補助脱硫処理工程での1日当りの水酸化マグネシウムMg(OH)の使用量について測定し、水酸化マグネシウムMg(OH)の1日当りの平均使用量を算出した。
Figure 2014114970
表1より、本発明の脱硫方法を採用した実施例において、それぞれのピーク発生時の入口濃度とピーク発生時の排出濃度は、ほぼ同等であり、同レベルのピーク発生時の入口濃度に対し、同等のピーク発生時の排出濃度に抑制できていることが分かる。又、表1より、実施例は、よりアルカリ使用量を低減できる。これにより、操業コストを低減させることができる。又、Mg(OH)使用量の低減は、上述した結晶化による配管の閉塞等のリスクも低減させることができる点においても好ましい。
本発明の脱硫方法を採用した実施例において、溶解度の高いNaSOを100g/L程度含有する主脱硫処理工程廃液20の一部をMg(OH)溶液を用いて脱硫する補助脱硫処理工程ST62に供給することで、主脱硫処理工程廃液20に含まれるNaSO或いは未反応のNaOHが、(反応式1、2)により、補助脱硫処理工程ST62に用いられているMg(OH)溶液の一部の代替となり、Mg(OH)使用量が低減できたと考えられる。
尚、実施例での検証は困難であったが、溶解度の高いNaSO或いは、未反応のNaOHを補助脱硫処理工程ST62で循環使用することで、即応性の高いNaOH溶液の代替となり、ピーク発生時の出口SO濃度抑制に効果があると考えられる。
以上より、本発明の脱硫方法によれば、鉄及び非鉄金属の製錬工程において発生する、濃度やその変動態様が異なるSOガスの脱硫処理を、複数のSOガス処理系統によって脱硫処理を行う脱硫方法において、特に一方のSOガスの濃度変化が極めて急激である場合であっても、他方の脱硫処理廃液に残留する反応性に優れたNaOHやNaSOを有効活用する事によって、十分な脱硫処理を行うことができるものであり、且つ、低コストで処理を行うことができる方法であることが分る。
P1 銅製錬方法
ST10 自熔炉工程
ST20 転炉工程
ST30 精製炉工程
ST40 電解精製工程
P2 脱硫方法
S5 硫酸製造システム
S6 脱硫処理システム
ST61 主脱硫処理工程
ST62 補助脱硫処理工程
11 製錬排ガス
111 硫酸製造排ガス
12 環境回収ガス
20 主脱硫処理工程廃液

Claims (6)

  1. 製錬工程で排出されるSOガスの脱硫方法であって、
    製錬排ガス由来のSOガスを処理する主脱硫処理工程と、
    SOを含む環境回収ガスを処理する補助脱硫処理工程と、を備え、
    前記主脱硫処理工程は、NaOHを含む溶液を用いて前記製錬排ガス由来のSOガスの脱硫処理を行う工程であり、
    前記補助脱硫処理工程は、NaSOを含む主脱硫処理工程廃液を補助脱硫処理液中に供給することにより、前記環境回収ガスとNaSOとを反応させて、脱硫処理を行う工程である脱硫方法。
  2. 前記補助脱硫処理工程は、前記主脱硫処理工程廃液を前記補助脱硫処理液中に連続的に供給することを特長とする請求項1に記載の脱硫方法。
  3. 前記補助脱硫処理液がMg(OH)溶液である請求項1又は2に記載の脱硫方法。
  4. 前記補助脱硫処理工程において前記補助脱硫処理液のpHを3.0〜7.0の範囲として脱硫処理を行う請求項1から3のいずれかに記載の脱硫方法。
  5. 更に硫酸製造工程を備え、前記製錬排ガス由来のSOガスを、硫酸製造工程を経た後に、前記主脱硫処理工程に投入する請求項1から4のいずれかに記載の脱硫方法。
  6. 前記製錬工程が銅製錬工程である請求項1から5のいずれかに記載の脱硫方法。
JP2012267296A 2012-12-06 2012-12-06 製錬工程における脱硫方法 Active JP5884715B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012267296A JP5884715B2 (ja) 2012-12-06 2012-12-06 製錬工程における脱硫方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012267296A JP5884715B2 (ja) 2012-12-06 2012-12-06 製錬工程における脱硫方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014114970A true JP2014114970A (ja) 2014-06-26
JP5884715B2 JP5884715B2 (ja) 2016-03-15

Family

ID=51171171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012267296A Active JP5884715B2 (ja) 2012-12-06 2012-12-06 製錬工程における脱硫方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5884715B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5373476A (en) * 1976-12-14 1978-06-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Removing method for sulfur dioxide contained in exhaust gas
JP2001179048A (ja) * 1999-12-28 2001-07-03 Kawasaki Steel Corp 水酸化マグネシウム方式による排ガス脱硫方法
JP2004275895A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 硫酸製造工程からの排ガスの処理方法
JP2008286413A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 銅製錬工程の脱硫処理装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5373476A (en) * 1976-12-14 1978-06-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Removing method for sulfur dioxide contained in exhaust gas
JP2001179048A (ja) * 1999-12-28 2001-07-03 Kawasaki Steel Corp 水酸化マグネシウム方式による排ガス脱硫方法
JP2004275895A (ja) * 2003-03-17 2004-10-07 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 硫酸製造工程からの排ガスの処理方法
JP2008286413A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 銅製錬工程の脱硫処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5884715B2 (ja) 2016-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4427234B2 (ja) 湿式ガス精製方法およびシステム
JP2022513182A (ja) アルカリ性の製造業廃棄物又は副産物からカルシウムを抽出及び炭酸化する方法
CN104909507A (zh) 一种污酸浓缩回收利用的方法
CN110846514A (zh) 一种再生铝高效回收方法
CN110116991A (zh) 一种冶炼烟气制酸净化污酸的回收工艺
CN111826526A (zh) 废电路板、铜精矿、脱硫石膏联合冶炼环保回收废电路板中贵金属的方法及其装置
JP2012245467A (ja) 排ガス処理装置、及び排ガス処理方法
CN104208990B (zh) 一种低二氧化硫浓度铅锌冶炼烟气脱硫的方法
JP4647642B2 (ja) 脱硫廃液処理装置および脱硫廃液処理方法
JP5884715B2 (ja) 製錬工程における脱硫方法
WO2019225256A1 (ja) 直接還元鉄の製造設備及び製造方法
CN105152138A (zh) 一种铜火法冶炼烟气的处理方法
JP5320861B2 (ja) 亜鉛・鉛製錬法の排水処理工程の操業方法
KR101429980B1 (ko) 고로 드라이피트 슬래그로부터 발생되는 황화수소의 저감 방법 및 장치
CN113480123A (zh) 一种酸洗污泥无害化处理方法
WO2014084129A1 (ja) 中和処理方法及び中和剤
JPH06145764A (ja) 溶鋼の取鍋電極加熱精錬法
CN108996744A (zh) 一种冶炼污酸中有价金属回收的方法及系统
JP2020089804A (ja) 二酸化硫黄を含む排ガスの除害化方法
JP4854933B2 (ja) 反応効率の高い精錬方法
TW201402827A (zh) 煉鋼用脫磷劑及降低磷含量的煉鋼方法
CN103134336B (zh) 处理阳极炉烟气的系统及方法
JP2011212530A (ja) フッ素含有廃棄物からのフッ素除去処理方法および処理装置
CN103668269A (zh) 一种消除废酸再生装置冒红烟的工艺
CN102676804A (zh) 一种硫化锌精矿粉的处理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5884715

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150