JP2014114191A - 合わせガラス用中間膜および合わせガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】高い遮熱性を有し、低ヘイズで、可視光透過率にも優れる合わせガラスおよびそれに用いる合わせガラス用中間膜の提供。
【解決手段】ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%含むことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
【選択図】図1
【解決手段】ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%含むことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
【選択図】図1
Description
本発明は、高い遮熱性を有し、低ヘイズで、可視光透過率にも優れる合わせガラス用中間膜および合わせガラスに関する。
合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車等の車輌、航空機、建築物等の窓ガラス等として広く使用されている。これらの用途に用いられる合わせガラスは、低ヘイズであり、可視光透過率にも優れ、視認性がよいことが求められている。
上記合わせガラスとしては、少なくとも一対のガラスの間に、合わせガラス用中間膜が使用される。合わせガラス用中間膜としては、例えば、ポリビニルブチラール中間膜、エチレン−酢酸ビニル共重合体中間膜が一般に知られており、塩化ビニル樹脂中間膜の検討も行なわれている。
しかし、このような合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスは、安全性に優れているものの、遮熱性に劣るという問題があった。光線の中でも可視光より長い780nm以上の波長を持つ赤外線は、紫外線と比較するとエネルギー量が小さいものの、熱的作用が大きく、一度物質に吸収されると熱として放出され温度上昇をもたらすことから、一般に熱線と呼ばれている。従って、例えば、自動車のフロントガラスやサイドガラスから入射してくる光線のうち、熱的作用の大きな赤外線(熱線)を遮断できるようにすれば、遮熱性が高まり、自動車内部の温度上昇を抑えることができるので、エアコンの負荷を減らすことができる省エネ効果が期待されている。特に、今後市場の拡大が見込まれる電気自動車では、1回の充電で走ることができる走行距離を改善できることから、注目されている。近年の傾向として、自動車等におけるガラス開口部面積が増大しており、合わせガラスの遮熱性を高くし、ガラス開口部に熱線カット機能を付与する必要性が増大している。
これに対して、例えば特許文献1や特許文献2では、遮熱性能を有する錫ドープ酸化インジウム微粒子(以下ITO微粒子ともいう)や、アンチモンドープ酸化錫微粒子等の金属酸化物である遮熱粒子をポリビニルアセタール樹脂に分散させてなる遮熱合わせガラス用中間膜が開示されている。このような遮熱合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスは、遮熱性、電磁波透過性に優れたものとなるとの記載がある。
また、特許文献3には、2枚のガラス板中に、ポリビニルブチラールなどの樹脂中間膜と遮熱フィルムの積層体を、合わせガラス用中間膜として挿入した合わせガラスが記載されている。特許文献3では、遮熱フィルムとして、任意の支持体上にコレステリック液晶相を固定してなる液晶膜を設けた構成のものが用いられている。さらに特許文献4の[0020]〜[0023]には、このようなポリビニルブチラールなどの樹脂中間膜と、コレステリック液晶相を固定してなる液晶膜との積層体とした合わせガラス用中間膜において、樹脂中間膜中に金属粒子や金属酸化物粒子などの熱線遮蔽微粒子、顔料などの遮光材を添加できることが記載されている。
本発明者が特許文献1および2に記載の遮熱合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスの特性を検討したところ、ITO微粒子やアンチモンドープ酸化錫微粒子等の金属酸化物である遮熱粒子の含有量を低くすればヘイズや可視光透過率を高めることができるものの、700〜1100nmの近赤外の遮蔽効率が低いため、遮熱性に不満が残ることがわかった。一方で、ITO微粒子やアンチモンドープ酸化錫微粒子等の金属酸化物である遮熱粒子だけで遮熱性能を高めようとした場合、700〜1100nmの近赤外の遮蔽効率が低いために、沢山の量の金属酸化物である遮熱粒子を添加する必要があり、そのような構成としたときは、ヘイズが上昇したり、日射下に長期間放置すると粒子の周囲の樹脂を劣化させ、可視光透過率が低下したりすることがあるという問題があった。さらに、金属酸化物の含有量によらず、金属酸化物だけで遮熱性を高める問題として、“熱割れ”が生じやすくなるという問題もあった。“熱割れ”は一枚のガラスの中に日射が当たるところと日陰のところができることで発生する温度分布の差による割れのことを言う。金属酸化物は日射を反射せずに吸収することによって遮熱するため、金属酸化物だけで遮熱性を高めた合わせガラスはガラス内の温度分布の差が大きくなりやすく、“熱割れ”が生じやすい。
また、特許文献3や4に記載のポリビニルブチラールなどの樹脂中間膜と、コレステリック液晶相を固定してなる液晶膜との積層体とした合わせガラス用中間膜は、遮熱性、ヘイズおよび可視光透過率の性能はある程度良好であるが、液晶膜を挟むために必ず2枚の樹脂中間膜を用いるために設計の自由度が少なく、また、これらの文献中に記載されているように液晶膜のシワやワレが生じることもある。そのため、これらの文献に記載の合わせガラス用中間膜とは異なる構成で、遮熱性、ヘイズおよび可視光透過率の性能に優れる合わせガラス用中間膜を提供したいとの要望があった。
また、特許文献3や4に記載のポリビニルブチラールなどの樹脂中間膜と、コレステリック液晶相を固定してなる液晶膜との積層体とした合わせガラス用中間膜は、遮熱性、ヘイズおよび可視光透過率の性能はある程度良好であるが、液晶膜を挟むために必ず2枚の樹脂中間膜を用いるために設計の自由度が少なく、また、これらの文献中に記載されているように液晶膜のシワやワレが生じることもある。そのため、これらの文献に記載の合わせガラス用中間膜とは異なる構成で、遮熱性、ヘイズおよび可視光透過率の性能に優れる合わせガラス用中間膜を提供したいとの要望があった。
本発明は上記の問題を改善することや要望を満たすことを目的とするものである。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、高い遮熱性を有し、低ヘイズで、可視光透過率にも優れる合わせガラスおよびそれに用いる合わせガラス用中間膜を提供することにある。
一方、特許文献5には、液晶干渉顔料を使用した、自動車車体に特に適した塗料が開示されており、コレステリック秩序を有している液晶ポリマーを粉砕した微粒子を顔料として用いた塗料で塗装することで、光の入射方向や見る角度に応じて色彩の変化を呈することが可能になるとの記載がある。しかしながら、特許文献5には、このような液晶干渉顔料によって赤外光を反射させることについて記載がなく、また、得られた塗料は色付きの自動車の車体に用いられているために可視光透過率を高めることができるかについての示唆もなく、また遮熱性についても開示も示唆もなかった。さらに、特許文献5では、ポリウレタンを主成分とする塗料に液晶ポリマーを粉砕した微粒子を用いており、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂に液晶ポリマーを粉砕した微粒子を用いることについての開示も示唆もなかった。
このような状況のもと、上記課題を解決することを目的に本発明者が鋭意検討した結果、本発明者はポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂に、波長700nm以上赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%添加することで、合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスは、高い遮熱性を有し、低ヘイズで、可視光透過率にも優れるものとすることができることを見出し、本発明に至った。
上記課題を解決するための手段である本発明は以下のとおりである。
[1] ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%含むことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
[2] [1]に記載の合わせガラス用中間膜は、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を5〜30質量%含むことが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の合わせガラス用中間膜は、さらに前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を含むことが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の合わせガラス中間膜は、第1の中間膜と、第2の中間膜が積層された少なくとも2層構造の合わせガラス用中間膜であり、前記第1の中間膜がポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、前記第2の中間膜がポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を含むことが好ましい。
[5] [3]または[4]に記載の合わせガラス用中間膜は、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子が、ITO微粒子またはアンチモンドープ酸化錫微粒子であることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜は、前記樹脂が、ポリビニルブチラールまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜は、前記赤外光干渉粒子の平均円相当直径が1〜70μmであることが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜は、前記赤外光干渉粒子が、重合性液晶化合物のコレステリック液晶相を固定してなる波長700nm以上の赤外線を反射するフィルムを粉砕して製造されてなることが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜は、膜厚が100〜3000μmであることが好ましい。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜と、少なくとも2枚のガラス板を有し、前記2枚のガラス板中に前記合わせガラス用中間膜が挿入されたことを特徴とする合わせガラス。
[1] ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%含むことを特徴とする合わせガラス用中間膜。
[2] [1]に記載の合わせガラス用中間膜は、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を5〜30質量%含むことが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の合わせガラス用中間膜は、さらに前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を含むことが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の合わせガラス中間膜は、第1の中間膜と、第2の中間膜が積層された少なくとも2層構造の合わせガラス用中間膜であり、前記第1の中間膜がポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、前記第2の中間膜がポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を含むことが好ましい。
[5] [3]または[4]に記載の合わせガラス用中間膜は、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子が、ITO微粒子またはアンチモンドープ酸化錫微粒子であることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜は、前記樹脂が、ポリビニルブチラールまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜は、前記赤外光干渉粒子の平均円相当直径が1〜70μmであることが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜は、前記赤外光干渉粒子が、重合性液晶化合物のコレステリック液晶相を固定してなる波長700nm以上の赤外線を反射するフィルムを粉砕して製造されてなることが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜は、膜厚が100〜3000μmであることが好ましい。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜と、少なくとも2枚のガラス板を有し、前記2枚のガラス板中に前記合わせガラス用中間膜が挿入されたことを特徴とする合わせガラス。
本発明によれば、高い遮熱性を有し、低ヘイズで、可視光透過率にも優れる合わせガラスおよびそれに用いる合わせガラス用中間膜を提供することができる。
することができる。
することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書中において、液晶性化合物を含む固形物は、液晶性化合物の結晶からなる場合もあるし、結晶でないアモルファス状の場合もある。また、重合開始剤やキラル剤など他の成分も含んでいる場合もある。また、これら全てもしくは一部が混合したものの場合もある。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書中において、液晶性化合物を含む固形物は、液晶性化合物の結晶からなる場合もあるし、結晶でないアモルファス状の場合もある。また、重合開始剤やキラル剤など他の成分も含んでいる場合もある。また、これら全てもしくは一部が混合したものの場合もある。
[合わせガラス用中間膜]
本発明の合わせガラス用中間膜は、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%含むことを特徴とする。
このような構成とすることにより、高い遮熱性を有し、低ヘイズで、可視光透過率にも優れる合わせガラスとすることができる、合わせガラス用中間膜を得ることができる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%含むことを特徴とする。
このような構成とすることにより、高い遮熱性を有し、低ヘイズで、可視光透過率にも優れる合わせガラスとすることができる、合わせガラス用中間膜を得ることができる。
<赤外光干渉粒子>
波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%含む。
合わせガラス用中間膜中において、前記赤外光干渉粒子は、前記樹脂に分散された構造であることが好ましい。
以下、本発明に用いられる前記赤外光干渉粒子について説明する。
波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%含む。
合わせガラス用中間膜中において、前記赤外光干渉粒子は、前記樹脂に分散された構造であることが好ましい。
以下、本発明に用いられる前記赤外光干渉粒子について説明する。
(赤外光干渉粒子の含有量)
本発明の合わせガラス用中間膜は、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%含み、5〜30質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましく、15〜30質量%含むことが特に好ましい。さらに、ヘイズよりも遮熱性を重視する場合は、20〜30質量%含むことが好ましい。
前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を5質量%以上含むことが、日射熱取得率を低くして遮熱性を高める観点から好ましい。前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を30質量%以下含むことが、ヘイズを低減する観点から好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%含み、5〜30質量%含むことが好ましく、10〜30質量%含むことがより好ましく、15〜30質量%含むことが特に好ましい。さらに、ヘイズよりも遮熱性を重視する場合は、20〜30質量%含むことが好ましい。
前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を5質量%以上含むことが、日射熱取得率を低くして遮熱性を高める観点から好ましい。前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を30質量%以下含むことが、ヘイズを低減する観点から好ましい。
(赤外光干渉粒子の形成方法)
前記赤外光干渉粒子は、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する。
前記赤外光干渉粒子の形成方法の形成方法としては特に制限はないが、本発明では前記赤外光干渉粒子が、重合性液晶化合物のコレステリック液晶相を固定してなる波長700nm以上の赤外線を反射するフィルムを粉砕して製造されてなることが好ましい。
前記赤外光干渉粒子は、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する。
前記赤外光干渉粒子の形成方法の形成方法としては特に制限はないが、本発明では前記赤外光干渉粒子が、重合性液晶化合物のコレステリック液晶相を固定してなる波長700nm以上の赤外線を反射するフィルムを粉砕して製造されてなることが好ましい。
(1)コレステリック液晶構造を有する膜の形成方法
波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子の形成方法は特に制限はないが、例えば、コレステリック液晶材料を含む液をガラスもしくはプラスチックフィルム、金属等の基板の上に塗布し、溶剤を蒸発させた後、加熱して液晶を配向させ紫外線を照射する工程を複数回繰り返すことで作製した波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する膜を基板より剥離し、剥離したフィルムを破砕してフレーク状にし、更に粉砕し微粒子のサイズまで砕くことで作製することができる。
コレステリック液晶構造を有する膜の作製方法の詳細について以下述べる。
波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子の形成方法は特に制限はないが、例えば、コレステリック液晶材料を含む液をガラスもしくはプラスチックフィルム、金属等の基板の上に塗布し、溶剤を蒸発させた後、加熱して液晶を配向させ紫外線を照射する工程を複数回繰り返すことで作製した波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する膜を基板より剥離し、剥離したフィルムを破砕してフレーク状にし、更に粉砕し微粒子のサイズまで砕くことで作製することができる。
コレステリック液晶構造を有する膜の作製方法の詳細について以下述べる。
前記コレステリック液晶構造を有する膜は、高分子フィルムやガラスなどの固体上に、必要に応じて配向膜を形成し、その表面に後述の溶媒を含有したコレステリック液晶組成物塗布液を塗布、乾燥、配向させ固定化して形成する。塗布はコレステリック液晶組成物塗布液を公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。また、インクジェット装置を用いて吐出して形成してもよい。
前記「固定化した」という状態は、コレステリック液晶構造を有する膜に含まれる液晶化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様ではあるが、それだけには限定されず、具体的には、通常0℃〜50℃、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の温度範囲において、該コレステリック液晶構造を有する膜に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を指すものである。
本発明における配向状態を固定化する方法としては、前記コレステリック液晶材料を含む液(液晶組成物)を一旦、液晶相形成温度まで加熱し、次にその配向状態を維持したまま冷却することにより、その液晶状態における配向形態を損なうことなく固定化することで形成できる。また、重合開始剤を添加した前記液晶組成物を液晶相形成温度まで加熱し配向した後、重合することによって液晶状態の配向状態を固定化することで形成できる。後者の重合反応により行うことが好ましい。なお、本発明においては、コレステリック液晶構造を有する膜が最終的に形成された際に、その光学的性質が保持されていれば液晶化合物はもはや液晶性である必要はない。例えば、低分子の液晶化合物が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合又は架橋し、高分子量化して液晶性を失ってもよい。
コレステリック液晶組成物塗布液は液晶化合物と光学活性化合物(カイラル剤)と重合開始剤と溶媒とを混合することにより得られることが好ましい。液晶化合物は単独又は複数使用してもよい。例えば、重合性の液晶化合物と非重合性の液晶化合物との併用が可能である。また、低分子液晶化合物と高分子液晶化合物との併用も可能である。更に、配向の均一性や塗布適性、膜強度を向上させるために水平配向剤やムラ防止剤、ハジキ防止剤、重合性モノマーなどを添加してもよい。コレステリック液晶性組成物塗布液は、必要に応じてさらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等を光学的性能を低下させない範囲で添加できる。
液晶組成物の液晶温度範囲は、製造適性等の面から10〜250℃の範囲内に存在することが好ましく、10〜150℃の範囲内に存在することがより好ましい。10℃未満であると液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるために冷却工程等が必要となることがある。また200℃を超えると一旦液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にするために高温を要し熱エネルギーの浪費、基板の変形、変質等からも不利になる。
−液晶化合物−
前記液晶化合物としては、棒状液晶化合物が好ましい。
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
棒状液晶化合物を重合によって配向を固定することがより好ましく、前記棒状液晶化合物は、重合性棒状液晶化合物であることが好ましく、重合性棒状ネマチック液晶化合物であることがより好ましい。
重合性棒状液晶化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、および特願2001−64627号などに記載の化合物を用いることができる。また、重合性棒状液晶化合物として好ましくは、下記一般式(X)にて表される化合物である。
一般式(X) Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3)n−Cy3−L4−Q2
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基であり、L1、およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3は二価の環状基であり、nは0、1、2、または3である。
前記液晶化合物としては、棒状液晶化合物が好ましい。
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
棒状液晶化合物を重合によって配向を固定することがより好ましく、前記棒状液晶化合物は、重合性棒状液晶化合物であることが好ましく、重合性棒状ネマチック液晶化合物であることがより好ましい。
重合性棒状液晶化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、および特願2001−64627号などに記載の化合物を用いることができる。また、重合性棒状液晶化合物として好ましくは、下記一般式(X)にて表される化合物である。
一般式(X) Q1−L1−Cy1−L2−(Cy2−L3)n−Cy3−L4−Q2
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基であり、L1、およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基であり、L2およびL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy1、Cy2およびCy3は二価の環状基であり、nは0、1、2、または3である。
以下にさらに一般式(X)で表される重合性棒状液晶化合物について説明する。
前記一般式(X)中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基である。重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
前記一般式(X)中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に重合性基である。重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
前記一般式(X)中、L1およびL4はそれぞれ独立に二価の連結基である。L1およびL4はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−C=N−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記Rは炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子である。
組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。ここで、左側がQ(Q1またはQ2)に、右側がCy(Cy1またはCy3)に結合する。
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−O−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−8:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−14:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基を意味する。アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基およびアルケニレン基がさらに好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが上げられる。
二価の環状基の定義および例は、後述するCy1、Cy2およびCy3の定義および例と同様である。
組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。ここで、左側がQ(Q1またはQ2)に、右側がCy(Cy1またはCy3)に結合する。
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−O−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−8:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−14:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基を意味する。アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基およびアルケニレン基がさらに好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2乃至12であることが好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃至8であることがもっとも好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、2−メチル−テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが上げられる。
二価の環状基の定義および例は、後述するCy1、Cy2およびCy3の定義および例と同様である。
前記一般式(X)中、R2は、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることがもっとも好ましい。
前記一般式(X)中、L2またはL3はそれぞれ独立に単結合または二価の連結基である。L2およびL3はそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−C=N−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基または単結合であることが好ましい。上記Rは炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることがもっとも好ましい。二価の鎖状基、および二価の環状基についてはL1およびL4の定義と同義である。
L2またはL3として好ましい二価の連結基としては、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−OCONR−、−COS−、−SCO−、−CONR−、−NRCO−、−CH2CH2−、−C=C−COO−、−C=N−、−C=N−N=C−、等が挙げられる。
L2またはL3として好ましい二価の連結基としては、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−OCONR−、−COS−、−SCO−、−CONR−、−NRCO−、−CH2CH2−、−C=C−COO−、−C=N−、−C=N−N=C−、等が挙げられる。
前記一般式(X)において、nは0、1、2、または3である。nが2または3の場合、二つのL3は同じであっても異なっていても良く、二つのCy2も同じであっても異なっていてもよい。nは1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。
前記一般式(X)において、Cy1、Cy2およびCy3は、それぞれ独立に、二価の環状基である。
環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。
環状基に含まれる環は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。
環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジンー2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジンー2,5−ジイルが好ましい。
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1乃至5のアルキル基、炭素原子数が1乃至5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至5のアルコキシ基、炭素原子数が1乃至5のアルキルチオ基、炭素原子数が2乃至6のアシルオキシ基、炭素原子数が2乃至6のアルコキシカルホ゛ニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2乃至6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2乃至6のアシルアミノ基が含まれる。
環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。
環状基に含まれる環は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。
環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジンー2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジンー2,5−ジイルが好ましい。
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1乃至5のアルキル基、炭素原子数が1乃至5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至5のアルコキシ基、炭素原子数が1乃至5のアルキルチオ基、炭素原子数が2乃至6のアシルオキシ基、炭素原子数が2乃至6のアルコキシカルホ゛ニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2乃至6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2乃至6のアシルアミノ基が含まれる。
以下に、前記一般式(X)で表される重合性液晶化合物の例を示す。本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明の棒状液晶化合物としては、前記一般式(X)で表される重合性棒状液晶化合物に加え、少なくとも一種の下記一般式(V)で表される化合物を混合することが好ましい。
一般式(V) M1−(L1)p−Cy1−L2−(Cy2−L3)n−Cy3−(L4)q−M2
式中、M1、および、M2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ハロゲン、−SCN、−CF3、ニトロ基、または、Q1を表すが、M1、および、M2の少なくとも一つは、Q1以外の基を表す。
ただし、Q1、L1、L2、L3、L4、Cy1、Cy2、Cy3およびnは前記一般式(X)で表される基と同義である。また、pおよびqは0、または1である。
M1、および、M2が、Q1を表さない場合、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基であることが好ましく、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、もしくは、フェニル基であり、pおよびqは0であることが好ましい。
一般式(V) M1−(L1)p−Cy1−L2−(Cy2−L3)n−Cy3−(L4)q−M2
式中、M1、および、M2はそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ハロゲン、−SCN、−CF3、ニトロ基、または、Q1を表すが、M1、および、M2の少なくとも一つは、Q1以外の基を表す。
ただし、Q1、L1、L2、L3、L4、Cy1、Cy2、Cy3およびnは前記一般式(X)で表される基と同義である。また、pおよびqは0、または1である。
M1、および、M2が、Q1を表さない場合、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基であることが好ましく、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基、もしくは、フェニル基であり、pおよびqは0であることが好ましい。
また、前記一般式(X)で表される重合性液晶化合物と、一般式(V)で表される化合物の混合物中における、前記一般式(V)で表される化合物の好ましい混合比率としては、0.1%〜40%であり、より好ましくは、1%〜30%であり、更に好ましくは、5%〜20%である。
以下に、前記一般式(V)で表される化合物の好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、前記一般式(V)で表される化合物の好ましい例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
−光学活性化合物−
光学活性化合物としては公知のカイラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)を用いることができる。光学活性化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。光学活性化合物(カイラル剤)は、重合性基を有していてもよい。光学活性化合物が重合性基を有する場合は、重合性棒状ネマチック液晶性化合物の重合反応により、棒状ネマチック液晶性繰り返し単位と光学活性構造とを有するポリマーを形成することができる。光学活性化合物の重合性基は、重合性棒状ネマチック液晶性化合物の重合性基と同様の基であることが好ましい。従って、光学活性化合物の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが最も好ましい。
また、カイラル剤は、液晶性を有していてもよい。
カイラル剤の使用量は、液晶化合物の量の1〜30モル%であることが好ましい。カイラル剤の使用量は、より少なくした方が液晶性に影響を及ぼさないことが多いため好まれる。従って、カイラル剤は、ねじり力の強い方が好ましい。このような捻れ力の強いカイラル剤としては、例えば、特開2003−287623号公報、特許4287599号に記載のカイラル剤を用いることが可能である。
光学活性化合物としては公知のカイラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)を用いることができる。光学活性化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。光学活性化合物(カイラル剤)は、重合性基を有していてもよい。光学活性化合物が重合性基を有する場合は、重合性棒状ネマチック液晶性化合物の重合反応により、棒状ネマチック液晶性繰り返し単位と光学活性構造とを有するポリマーを形成することができる。光学活性化合物の重合性基は、重合性棒状ネマチック液晶性化合物の重合性基と同様の基であることが好ましい。従って、光学活性化合物の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが最も好ましい。
また、カイラル剤は、液晶性を有していてもよい。
カイラル剤の使用量は、液晶化合物の量の1〜30モル%であることが好ましい。カイラル剤の使用量は、より少なくした方が液晶性に影響を及ぼさないことが多いため好まれる。従って、カイラル剤は、ねじり力の強い方が好ましい。このような捻れ力の強いカイラル剤としては、例えば、特開2003−287623号公報、特許4287599号に記載のカイラル剤を用いることが可能である。
−重合開始剤−
前記コレステリック液晶構造を有する膜形成用の液晶組成物は、硬化性組成物であるのが好ましく、そのためには、重合開始剤を含有しているのが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応と電子線照射による重合反応が含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応と電子線照射による重合反応が好ましい。
前記コレステリック液晶構造を有する膜形成用の液晶組成物は、硬化性組成物であるのが好ましく、そのためには、重合開始剤を含有しているのが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応と電子線照射による重合反応が含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応と電子線照射による重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、液晶組成物(塗布液の場合は固形分)の0.1〜20質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがさらに好ましい。液晶化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、50mJ/cm2〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。
重合の反応率は前記コレステリック液晶構造を有する膜の機械的強度の保持や未反応物が液晶層等に流出するのを抑える等の観点から、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがよりさらに好ましい。重合反応率を向上させるためには照射する紫外線の照射量を増大する方法や窒素雰囲気下あるいは加熱条件下での重合が効果的である。また、一旦重合させた後に、重合温度よりも高温状態で保持して熱重合反応によって反応をさらに推し進める方法や、再度紫外線を照射する方法も用いることができる。重合反応率の測定は重合反応性の結合基の赤外振動スペクトルの吸収強度を重合前後で比較することによって行うことができる。
−配向制御剤−
前記液晶性組成物中に、含フッ素(メタ)アクリレートもしくは下記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物の少なくとも一種を含有させることで、空気界面において液晶性化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。尚、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。液晶性化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が出にくいため可視光領域での透明性が高くなり、また赤外領域での反射率が増大する。一方、液晶性化合物のチルト角が大きい場合には、コレステリックの螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生しヘイズの増大や回折性を示すため好ましくない。
配向制御剤として利用可能な前記含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーの例は、特開2007−272185号公報の[0018]〜[0043]等に記載がある。
前記液晶性組成物中に、含フッ素(メタ)アクリレートもしくは下記一般式(X1)〜(X3)で表される化合物の少なくとも一種を含有させることで、空気界面において液晶性化合物の分子のチルト角を低減若しくは実質的に水平配向させることができる。尚、本明細書で「水平配向」とは、液晶分子長軸と膜面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が20度未満の配向を意味するものとする。液晶性化合物が空気界面付近で水平配向する場合、配向欠陥が出にくいため可視光領域での透明性が高くなり、また赤外領域での反射率が増大する。一方、液晶性化合物のチルト角が大きい場合には、コレステリックの螺旋軸が膜面法線からずれるため、反射率が低下したり、フィンガープリントパターンが発生しヘイズの増大や回折性を示すため好ましくない。
配向制御剤として利用可能な前記含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーの例は、特開2007−272185号公報の[0018]〜[0043]等に記載がある。
以下、下記一般式(X1)〜(X3)でそれぞれ表される化合物について、順に説明する。
前記一般式(X1)〜(X3)のいずれかで表される化合物の添加量としては、液晶性化合物の質量の0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。なお、前記一般式(X1)〜(X3)にて表される化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる配向制御剤については、特願2003−331269号明細書(特開2005−099258号公報)に記載の化合物を用いることができ、それら化合物の合成法も該明細書に記載されている。
−その他の成分−
前記コレステリック液晶材料を含む液は、前記棒状液晶化合物、光学活性化合物、重合開始剤、配向制御剤に加えて、必要に応じて溶媒や他の添加剤(例えば、セルロースエステル)を含むことができる。
前記コレステリック液晶材料を含む液は、前記棒状液晶化合物、光学活性化合物、重合開始剤、配向制御剤に加えて、必要に応じて溶媒や他の添加剤(例えば、セルロースエステル)を含むことができる。
前記コレステリック液晶材料を含む液の溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
−塗布膜の形成方法−
前記コレステリック液晶材料を含む液を塗布等の方法により製膜することによりコレステリック液晶構造を有する膜を形成することができる。前記コレステリック液晶材料を含む液を配向膜の上に塗布し、液晶層を形成することによりコレステリック液晶構造を有する膜を作製することもできる。コレステリック液晶構造を有する膜は、光学異方性を示すことが好ましい。
前記コレステリック液晶材料を含む液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法)により実施できる。液晶化合物は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶化合物に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。
重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
液晶化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。液晶層の厚さは、0.1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがさらに好ましく、2〜20μmであることが最も好ましい。
前記コレステリック液晶材料を含む液を塗布等の方法により製膜することによりコレステリック液晶構造を有する膜を形成することができる。前記コレステリック液晶材料を含む液を配向膜の上に塗布し、液晶層を形成することによりコレステリック液晶構造を有する膜を作製することもできる。コレステリック液晶構造を有する膜は、光学異方性を示すことが好ましい。
前記コレステリック液晶材料を含む液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法)により実施できる。液晶化合物は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶化合物に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。
重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。
液晶化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。液晶層の厚さは、0.1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがさらに好ましく、2〜20μmであることが最も好ましい。
製造方法の一例は、
(A)透明可塑性樹脂フィルム等の支持体の表面に、配向制御剤と重合性(硬化性の)液晶化合物を含む前記コレステリック液晶材料を含む液を塗布して、コレステリック液晶相の状態にすること、
(B)前記コレステリック液晶材料を含む液に紫外線を照射して硬化反応を進行させ、コレステリック液晶相を固定して光反射層を形成すること、
を少なくとも含む製造方法である。
(A)及び(B)の工程を支持体の一方の表面上で4回繰り返すことで、図3に示した構成のコレステリック液晶構造を有する膜(図3では支持体は不図示)を支持体上に製造することができ、さらに繰り返すことでさらに積層数を増やしたコレステリック液晶構造を有する膜(光反射層)を形成することができる。
(A)透明可塑性樹脂フィルム等の支持体の表面に、配向制御剤と重合性(硬化性の)液晶化合物を含む前記コレステリック液晶材料を含む液を塗布して、コレステリック液晶相の状態にすること、
(B)前記コレステリック液晶材料を含む液に紫外線を照射して硬化反応を進行させ、コレステリック液晶相を固定して光反射層を形成すること、
を少なくとも含む製造方法である。
(A)及び(B)の工程を支持体の一方の表面上で4回繰り返すことで、図3に示した構成のコレステリック液晶構造を有する膜(図3では支持体は不図示)を支持体上に製造することができ、さらに繰り返すことでさらに積層数を増やしたコレステリック液晶構造を有する膜(光反射層)を形成することができる。
(A)工程
前記(A)工程では、まず、支持体又は下層の光反射層の表面に、本発明の液晶性混合物を塗布する。前記コレステリック液晶材料を含む液は、溶媒に材料を溶解及び/又は分散した、塗布液として調製されるのが好ましい。前記塗布液の塗布は、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、前記コレステリック液晶材料を含む液をノズルから吐出して、塗膜を形成することもできる。
前記(A)工程では、まず、支持体又は下層の光反射層の表面に、本発明の液晶性混合物を塗布する。前記コレステリック液晶材料を含む液は、溶媒に材料を溶解及び/又は分散した、塗布液として調製されるのが好ましい。前記塗布液の塗布は、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等の種々の方法によって行うことができる。また、インクジェット装置を用いて、前記コレステリック液晶材料を含む液をノズルから吐出して、塗膜を形成することもできる。
次に、表面に塗布され、塗膜となった前記コレステリック液晶材料を含む液を、コレステリック液晶相の状態にすることが好ましい。前記コレステリック液晶材料を含む液が、溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗膜を乾燥し、溶媒を除去することで、コレステリック液晶相の状態にすることができる場合がある。また、コレステリック液晶相への転移温度とするために、所望により、前記塗膜を加熱してもよい。例えば、一旦等方性相の温度まで加熱し、その後、コレステリック液晶相転移温度まで冷却する等によって、安定的にコレステリック液晶相の状態にすることができる。前記コレステリック液晶材料を含む液の液晶相転移温度は、製造適性等の面から10〜250℃の範囲内であることが好ましく、10〜150℃の範囲内であることがより好ましい。10℃未満であると液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるために冷却工程等が必要となることがある。また200℃を超えると、一旦液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にするために高温を要し、熱エネルギーの浪費、基板の変形、変質等からも不利になる。
(B)工程
次に、(B)の工程では、コレステリック液晶相の状態となった塗膜に、紫外線を照射して、硬化反応を進行させる。紫外線照射には、紫外線ランプ等の光源が利用される。この工程では、紫外線を照射することによって、前記コレステリック液晶材料を含む液の硬化反応が進行し、コレステリック液晶相が固定されて、光反射層が形成される。
紫外線の照射エネルギー量については特に制限はないが、一般的には、100mJ/cm2〜800mJ/cm2程度が好ましい。また、前記塗膜に紫外線を照射する時間については特に制限はないが、硬化膜の充分な強度及び生産性の双方の観点から決定されるであろう。
次に、(B)の工程では、コレステリック液晶相の状態となった塗膜に、紫外線を照射して、硬化反応を進行させる。紫外線照射には、紫外線ランプ等の光源が利用される。この工程では、紫外線を照射することによって、前記コレステリック液晶材料を含む液の硬化反応が進行し、コレステリック液晶相が固定されて、光反射層が形成される。
紫外線の照射エネルギー量については特に制限はないが、一般的には、100mJ/cm2〜800mJ/cm2程度が好ましい。また、前記塗膜に紫外線を照射する時間については特に制限はないが、硬化膜の充分な強度及び生産性の双方の観点から決定されるであろう。
硬化反応を促進するため、加熱条件下で紫外線照射を実施してもよい。また、紫外線照射時の温度は、コレステリック液晶相が乱れないように、コレステリック液晶相を呈する温度範囲に維持するのが好ましい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達せず、膜強度が不十分の場合には、窒素置換等の方法により、雰囲気中の酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。紫外線照射によって進行される硬化反応(例えば重合反応)の反応率は、層の機械的強度の保持等や未反応物が層から流出するのを抑える等の観点から、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがよりさらに好ましい。反応率を向上させるためには照射する紫外線の照射量を増大する方法や窒素雰囲気下あるいは加熱条件下での重合が効果的である。また、一旦重合させた後に、重合温度よりも高温状態で保持して熱重合反応によって反応をさらに推し進める方法や、再度紫外線を照射する(ただし、本発明の条件を満足する条件で照射する)方法を用いることもできる。反応率の測定は反応性基(例えば重合性基)の赤外振動スペクトルの吸収強度を、反応進行の前後で比較することによって行うことができる。
上記工程では、コレステリック液晶相が固定されて、光反射層が形成される。ここで、液晶相を「固定化した」状態は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様である。それだけには限定されず、具体的には、通常0℃〜50℃、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の温度範囲において、該層に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を意味するものとする。本発明では、紫外線照射によって進行する硬化反応により、コレステリック液晶相の配向状態を固定する。
なお、本発明においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に光反射層中の液晶性混合物がもはや液晶性を示す必要はない。例えば、液晶性混合物が、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
なお、本発明においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、最終的に光反射層中の液晶性混合物がもはや液晶性を示す必要はない。例えば、液晶性混合物が、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
(2)コレステリック液晶構造を有する膜の構造
上述のとおり、前記コレステリック液晶構造を有する膜はコレステリック液晶相を固定してなる液晶膜(以下、液晶膜と省略することがある)を有する。
本発明では、前記コレステリック液晶構造を有する膜が、4層以上の積層体であることが好ましい。すなわち、前記液晶膜は、前記コレステリック液晶構造を有する膜が4層以上積層されていることが好ましい。図3は、コレステリック液晶構造を有する膜1の積層構成の一例を示したものであって、15a、15b、16a及び16bは、各光反射層をそれぞれ示している。
光反射層15a、15b、16a及び16bは、コレステリック液晶構造を有する膜であることが好ましく、当該コレステリック液晶相の螺旋ピッチに基づいて、特定の波長の光を反射する光選択反射性を示すことが好ましい。本発明の1つの実施形態では、隣接する光反射層15aと15bは、それぞれのコレステリック液晶相の螺旋方向が互いに逆であるとともに、その反射中心波長λ15が同一である。また、同様に、隣接する光反射層16aと16bは、それぞれのコレステリック液晶相の螺旋方向が互いに逆であるとともに、その反射中心波長λ16が同一である。本実施形態では、λ15≠λ16を満足するので、光反射層15aと15bによって所定の波長λ15の左円偏光及右円偏光を選択反射するとともに、光反射層16aと16bによって、波長λ15とは異なる波長λ16の左円偏光及び右円偏光を選択反射しており、全体として、反射特性の広帯域化が図れている。
上述のとおり、前記コレステリック液晶構造を有する膜はコレステリック液晶相を固定してなる液晶膜(以下、液晶膜と省略することがある)を有する。
本発明では、前記コレステリック液晶構造を有する膜が、4層以上の積層体であることが好ましい。すなわち、前記液晶膜は、前記コレステリック液晶構造を有する膜が4層以上積層されていることが好ましい。図3は、コレステリック液晶構造を有する膜1の積層構成の一例を示したものであって、15a、15b、16a及び16bは、各光反射層をそれぞれ示している。
光反射層15a、15b、16a及び16bは、コレステリック液晶構造を有する膜であることが好ましく、当該コレステリック液晶相の螺旋ピッチに基づいて、特定の波長の光を反射する光選択反射性を示すことが好ましい。本発明の1つの実施形態では、隣接する光反射層15aと15bは、それぞれのコレステリック液晶相の螺旋方向が互いに逆であるとともに、その反射中心波長λ15が同一である。また、同様に、隣接する光反射層16aと16bは、それぞれのコレステリック液晶相の螺旋方向が互いに逆であるとともに、その反射中心波長λ16が同一である。本実施形態では、λ15≠λ16を満足するので、光反射層15aと15bによって所定の波長λ15の左円偏光及右円偏光を選択反射するとともに、光反射層16aと16bによって、波長λ15とは異なる波長λ16の左円偏光及び右円偏光を選択反射しており、全体として、反射特性の広帯域化が図れている。
図3では、光反射層15aと15bによる選択反射の中心波長λ15が、例えば1010〜1070nmの範囲にあり、光反射層16aと16bによる選択反射の中心波長λ16が、例えば1190〜1290nmの範囲にあるなど、異なっていてもよい。選択反射波長がそれぞれ前記範囲である2組の光反射層を利用することで、赤外線の反射効率を改善できる。太陽光エネルギー強度のスペクトル分布は、短波長であるほど高エネルギーであるという一般的傾向を示すが、赤外光波長域のスペクトル分布には、波長950〜1130nm、及び波長1130〜1350nmに、2つのエネルギー強度のピークが存在する。選択反射の中心波長が、1010〜1070nm(より好ましくは1020〜1060nm)の範囲にある少なくとも一組の光反射層と、選択反射の中心波長が、1190〜1290nm(より好ましくは1200〜1280nm)の範囲にある少なくとも一組の光反射層とを利用することにより、該2つのピークに相当する光をより効率的に反射することができ、その結果、遮熱性をより改善することができる。
前記コレステリック液晶構造を有する膜の選択反射波長としては700nm以上であることが好ましいが、後述する粉砕などの過程において得られる赤外光干渉粒子の選択反射波長が一般的に短くなることを考慮して、選択反射波長は700〜2000nmとすることがより好ましく、800〜1500nmとすることが特に好ましく、900〜1400nmとすることがより特に好ましい。
上記赤外領域に反射中心波長を示すコレステリック液晶相の螺旋ピッチは、一般的には、波長λ15が上記の1010〜1070nmの範囲にある場合で650〜690nm程度、波長λ16が上記の1190〜1290nmの範囲にある場合で760nm〜840nm程度である。
また、各光反射層の厚みは、1μm〜8μm程度(好ましくは3〜7μm程度)である。但し、これらの範囲に限定されるものではない。層の形成に用いる材料(主には重合性液晶化合物及びキラル剤)の種類及びその濃度等を調整することで、所望の螺旋ピッチの光反射層を形成することができる。また層の厚みは、塗布量を調整することで所望の範囲とすることができる。
上記した通り、隣接する光反射層15aと15bは、それぞれのコレステリック液晶相の螺旋方向が互いに逆であり、同様に、隣接する光反射層16aと16bは、それぞれのコレステリック液晶相の螺旋方向が互いに逆であることが好ましい。このように、逆向きのコレステリック液晶相からなり、選択反射の中心波長が同一の光反射層を近くに配置することで、同波長の左円偏光及び右円偏光の双方を反射することができる。
例えば、光反射層16bを通過した光(波長λ16の右円偏光が反射され、左円偏光のみが透過した光)が、次に通過するのが16bではなく15aや15bのように、選択反射の中心波長がλ16ではない場合、波長λ16の左円偏光成分は螺旋ピッチのサイズが異なるコレステリック液晶層を通過することになる。この場合、波長λ16の左円偏光成分は、他の光反射層中のコレステッリツク液晶相の旋光性の影響を僅かではあるが受けることになり、左円偏光成分の波長がシフトするなどの変化が生じる。当然のことながら、この現象は、「波長λ16の左円偏光成分」に限って起こるわけではなく、ある波長のある円偏光が、異なる螺旋ピッチのコレステリック液晶相を通過する場合に生じる変化である。経験則的なデータではあるが、所定の螺旋ピッチのコレステリック液晶層によって反射されなかった一方の円偏光成分が、反射されないまま、螺旋ピッチが異なる他のコレステリック液晶層を通過する場合、通過する当該層の数が3以上になると、通過する円偏光成分への悪影響が顕著になり、その後に、当該円偏光を反射可能なコレステリック液晶層に到達しても、当該層による反射率が顕著に低下することがわかった。選択反射の中心波長が互いに同一であり、且つ螺旋方向が互いに異なる一組の光反射層は、隣接させて配置しなくても、本発明の効果が得られるが、当該一組の光反射層の間に配置される、他の光反射層(螺旋ピッチが異なるコレステリック液晶相を固定して形成された、選択反射の中心波長が異なる光反射層)は、2以下であるのが好ましい。勿論、当該一組の光反射層が隣接しているのが好ましい。
例えば、光反射層16bを通過した光(波長λ16の右円偏光が反射され、左円偏光のみが透過した光)が、次に通過するのが16bではなく15aや15bのように、選択反射の中心波長がλ16ではない場合、波長λ16の左円偏光成分は螺旋ピッチのサイズが異なるコレステリック液晶層を通過することになる。この場合、波長λ16の左円偏光成分は、他の光反射層中のコレステッリツク液晶相の旋光性の影響を僅かではあるが受けることになり、左円偏光成分の波長がシフトするなどの変化が生じる。当然のことながら、この現象は、「波長λ16の左円偏光成分」に限って起こるわけではなく、ある波長のある円偏光が、異なる螺旋ピッチのコレステリック液晶相を通過する場合に生じる変化である。経験則的なデータではあるが、所定の螺旋ピッチのコレステリック液晶層によって反射されなかった一方の円偏光成分が、反射されないまま、螺旋ピッチが異なる他のコレステリック液晶層を通過する場合、通過する当該層の数が3以上になると、通過する円偏光成分への悪影響が顕著になり、その後に、当該円偏光を反射可能なコレステリック液晶層に到達しても、当該層による反射率が顕著に低下することがわかった。選択反射の中心波長が互いに同一であり、且つ螺旋方向が互いに異なる一組の光反射層は、隣接させて配置しなくても、本発明の効果が得られるが、当該一組の光反射層の間に配置される、他の光反射層(螺旋ピッチが異なるコレステリック液晶相を固定して形成された、選択反射の中心波長が異なる光反射層)は、2以下であるのが好ましい。勿論、当該一組の光反射層が隣接しているのが好ましい。
コレステリック液晶構造を有する膜の態様は、上記態様に限定されるものではない。基板の一方の表面上に、5層以上光反射層を積層した構成であってもよいし、また、基板の双方の表面上に、1組以上ずつ(合計で5層以上)光反射層を積層した構成であってもよい。また、同一の反射中心波長を示す2組以上の光反射層を有する態様であってもよい。
前記コレステリック液晶構造を有する膜を構成する各光反射層の厚さは、それぞれ、1〜10μmであることが好ましく、2〜7μmであることがより好ましい。前記コレステリック液晶構造を有する膜全体の厚さは、10〜50μmであることが好ましく、20〜40μmであることがより好ましい。
前記コレステリック液晶構造を有する膜を構成する各光反射層の厚さは、それぞれ、1〜10μmであることが好ましく、2〜7μmであることがより好ましい。前記コレステリック液晶構造を有する膜全体の厚さは、10〜50μmであることが好ましく、20〜40μmであることがより好ましい。
(3)コレステリック液晶構造を有する膜の粒子化
前記赤外光干渉粒子の製造方法としては特に制限はないが、例えば、コレステリック液晶材料を含む液をガラスもしくはプラスチックフィルム、金属等の基板の上に塗布し、溶剤を蒸発させた後、加熱して液晶を配向させ紫外線を照射する工程を複数回繰り返すことで作製した波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する膜を基板より剥離し、剥離したフィルムを破砕してフレーク状にし、更に粉砕し微粒子のサイズまで砕くことで作製することができる。前記赤外光干渉粒子の粉砕は、固定化したコレステリック液晶構造を乾燥又は湿式粉砕することができる。
前記赤外光干渉粒子の粒子サイズは、ふるいやサイクロン等を用いて分級し、1〜100μmの平均円相当直径、より好ましくは1〜70μm、特に好ましくは5〜50μmの平均円相当直径のものを選別して用いることが、赤外光の反射性能と中間膜に添加して用いた際のヘイズなどの光学性能や膜の物理性能の観点で望ましい。
前記赤外光干渉粒子の製造方法としては特に制限はないが、例えば、コレステリック液晶材料を含む液をガラスもしくはプラスチックフィルム、金属等の基板の上に塗布し、溶剤を蒸発させた後、加熱して液晶を配向させ紫外線を照射する工程を複数回繰り返すことで作製した波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する膜を基板より剥離し、剥離したフィルムを破砕してフレーク状にし、更に粉砕し微粒子のサイズまで砕くことで作製することができる。前記赤外光干渉粒子の粉砕は、固定化したコレステリック液晶構造を乾燥又は湿式粉砕することができる。
前記赤外光干渉粒子の粒子サイズは、ふるいやサイクロン等を用いて分級し、1〜100μmの平均円相当直径、より好ましくは1〜70μm、特に好ましくは5〜50μmの平均円相当直径のものを選別して用いることが、赤外光の反射性能と中間膜に添加して用いた際のヘイズなどの光学性能や膜の物理性能の観点で望ましい。
(赤外光干渉粒子の形状)
前記赤外光干渉粒子の形状は、特に制限されず、球状、楕円形状、多角形状、ロッド又は繊維状であってもよいが、通常、扁平又は鱗片状であることが好ましく、円状の平板状であることがより好ましい。
扁平状又は鱗片状粒子において、厚みは、例えば、1〜50μm(好ましくは3〜30μm)、幅は、例えば、10〜1000μm(好ましくは50〜1000μm)程度であってもよい。
前記赤外光干渉粒子の形状は、特に制限されず、球状、楕円形状、多角形状、ロッド又は繊維状であってもよいが、通常、扁平又は鱗片状であることが好ましく、円状の平板状であることがより好ましい。
扁平状又は鱗片状粒子において、厚みは、例えば、1〜50μm(好ましくは3〜30μm)、幅は、例えば、10〜1000μm(好ましくは50〜1000μm)程度であってもよい。
(赤外光干渉粒子の特性)
前記赤外光干渉粒子の選択反射波長としては700nm以上であることが好ましく、750〜1350nmであることがより好ましく、800〜1200nmであることが特に好ましい。
前記赤外光干渉粒子の選択反射波長の測定方法としては、以下の方法を挙げることができる。
2枚の石英ガラス板の間に、赤外光干渉粒子と屈折率が同じ液体((株)モリテックス社製、カーギル標準屈折液シリーズA)と一緒に封入することで測定できる。
前記赤外光干渉粒子の選択反射波長を直接できない場合は、前記赤外光干渉粒子と前記樹脂を添加した合わせガラス用中間膜の選択反射波長を測定することによって、間接的に求めてもよい。
前記赤外光干渉粒子の選択反射波長としては700nm以上であることが好ましく、750〜1350nmであることがより好ましく、800〜1200nmであることが特に好ましい。
前記赤外光干渉粒子の選択反射波長の測定方法としては、以下の方法を挙げることができる。
2枚の石英ガラス板の間に、赤外光干渉粒子と屈折率が同じ液体((株)モリテックス社製、カーギル標準屈折液シリーズA)と一緒に封入することで測定できる。
前記赤外光干渉粒子の選択反射波長を直接できない場合は、前記赤外光干渉粒子と前記樹脂を添加した合わせガラス用中間膜の選択反射波長を測定することによって、間接的に求めてもよい。
<樹脂>
本発明の合わせガラス用中間膜は、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂を含む。以下、合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂のことを、マトリックス樹脂とも言う。また、前記樹脂は、合わせガラス用中間膜の主成分であることが好ましい。なお、主成分であるとは、前記合わせガラス用中間膜の50質量%以上の割合を占める成分のことをいう。
本発明の合わせガラス用中間膜は、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂を含む。以下、合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂のことを、マトリックス樹脂とも言う。また、前記樹脂は、合わせガラス用中間膜の主成分であることが好ましい。なお、主成分であるとは、前記合わせガラス用中間膜の50質量%以上の割合を占める成分のことをいう。
前記樹脂は、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれ、ポリビニルブチラールまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましく、ポリビニルブチラールがより好ましい。
また、前記樹脂は、合成樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールをブチルアルデヒドによりアセタール化して得られる。
上記ポリビニルブチラールのアセタール化度の好ましい下限は40%、好ましい上限は85%であり、より好ましい下限は60%、より好ましい上限は75%である。
また、前記樹脂は、合成樹脂であることが好ましい。
上記ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールをブチルアルデヒドによりアセタール化して得られる。
上記ポリビニルブチラールのアセタール化度の好ましい下限は40%、好ましい上限は85%であり、より好ましい下限は60%、より好ましい上限は75%である。
上記ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールをブチルアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。
上記原料となるポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。
また、上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。200未満であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下することがあり、3000を超えると、樹脂膜の成形性が悪くなり、しかも樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎ、加工性が悪くなることがある。より好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。
上記原料となるポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。
また、上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は200、好ましい上限は3000である。200未満であると、得られる合わせガラスの耐貫通性が低下することがあり、3000を超えると、樹脂膜の成形性が悪くなり、しかも樹脂膜の剛性が大きくなり過ぎ、加工性が悪くなることがある。より好ましい下限は500、より好ましい上限は2000である。
<赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子>
本発明の合わせガラス用中間膜は、更に、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を含んでいてもよい。前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子としては、前記赤外光干渉粒子以外の熱線遮蔽微粒子や遮光材などを挙げることができる。
また、熱線遮蔽微粒子としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、錫ドープ酸化亜鉛、珪素ドープ酸化亜鉛、アンチモン酸亜鉛、6ホウ化ランタン、6ホウ化セリウム、金微粉、銀微粉、白金微粉、アルミニウム微粉、鉄、ニッケル、銅、ステンレス、スズ、コバルト及びこれらを含む合金粉末等が挙げられる。
遮光剤としては、カーボンブラック、赤色酸化鉄等が挙げられる。顔料としては、黒色顔料カーボンブラックと赤色顔料(C.I.Pigment red)と青色顔料(C.I.Pigment blue)と黄色顔料(C.I.Pigment yellow)の4種を混合してなる暗赤褐色の混合顔料等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、更に、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を含んでいてもよい。前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子としては、前記赤外光干渉粒子以外の熱線遮蔽微粒子や遮光材などを挙げることができる。
また、熱線遮蔽微粒子としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、錫ドープ酸化亜鉛、珪素ドープ酸化亜鉛、アンチモン酸亜鉛、6ホウ化ランタン、6ホウ化セリウム、金微粉、銀微粉、白金微粉、アルミニウム微粉、鉄、ニッケル、銅、ステンレス、スズ、コバルト及びこれらを含む合金粉末等が挙げられる。
遮光剤としては、カーボンブラック、赤色酸化鉄等が挙げられる。顔料としては、黒色顔料カーボンブラックと赤色顔料(C.I.Pigment red)と青色顔料(C.I.Pigment blue)と黄色顔料(C.I.Pigment yellow)の4種を混合してなる暗赤褐色の混合顔料等が挙げられる。
これらの中でも、本発明の合わせガラス用中間膜は、前記赤外光干渉粒子以外の熱線遮蔽微粒子を含むことが好ましく、その中でも金属酸化物微粒子を含むことが、日射熱取得率を低くして遮熱性を高める観点からはより好ましい。但し、本発明の合わせガラス用中間膜が前記遮熱粒子を含む場合は、可視光透過率が低くなる傾向および/またはヘイズが高くなる傾向があるため、可視光透過率やヘイズよりも遮熱が優れることが求められる場合に添加することが好ましい。前記金属酸化物微粒子は、ITO微粒子またはアンチモンドープ酸化錫微粒子であることがより好ましく、ITO微粒子であることが特に好ましい。
このようなITO微粒子またはアンチモンドープ酸化錫微粒子としては、国際公開WO 01/25162 A1号や特開2006−21951号公報に記載のものを用いることができ、本発明における好ましい平均粒子径についてはこれらの文献に記載の好ましい範囲を採用することができる。
このようなITO微粒子またはアンチモンドープ酸化錫微粒子としては、国際公開WO 01/25162 A1号や特開2006−21951号公報に記載のものを用いることができ、本発明における好ましい平均粒子径についてはこれらの文献に記載の好ましい範囲を採用することができる。
前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を0〜30質量%含むことが好ましく、0〜15質量%含むことがより好ましく、0〜5質量%含むことが特に好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の合わせガラス用中間膜は、更に、可塑剤を含有していてもよい。
上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げられる。
上記一塩基性有機酸エステル系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコール系エステルが挙げられる。なかでも、トリエチレングリコール−ジカプロン酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキシル酸エステル等のトリエチレングトリエチレングリコール等が好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜は、更に、可塑剤を含有していてもよい。
上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げられる。
上記一塩基性有機酸エステル系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等の一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコール系エステルが挙げられる。なかでも、トリエチレングリコール−ジカプロン酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキシル酸エステル等のトリエチレングトリエチレングリコール等が好適である。
上記多塩基性有機酸エステル系可塑剤としては特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と炭素数4〜8の直鎖状又は分枝状アルコールのエステル等が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適である。
上記有機リン酸系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
その他、特開2012−101999号公報に記載の可塑剤も用いることができる。
上記有機リン酸系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
その他、特開2012−101999号公報に記載の可塑剤も用いることができる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、更に、接着力調整剤を含有していてもよい。
上記接着力調整剤としては特に限定されないが、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が好適に用いられる。上記アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩としては特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。上記塩を構成する酸としては特に限定されず、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸の有機酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。
上記接着力調整剤としては特に限定されないが、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩が好適に用いられる。上記アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩としては特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。上記塩を構成する酸としては特に限定されず、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸の有機酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。
上記アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩のなかでも、炭素数2〜16の有機酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好ましく、炭素数2〜16のカルボン酸マグネシウム塩及び炭素数2〜16のカルボン酸カリウム塩がより好ましい。
上記炭素数2〜16の有機酸のカルボン酸マグネシウム塩又はカリウム塩としては特に限定されないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が好適に用いられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記炭素数2〜16の有機酸のカルボン酸マグネシウム塩又はカリウム塩としては特に限定されないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2−エチルブタン酸マグネシウム、2−エチルブタン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等が好適に用いられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、更に、紫外線吸収剤を含有していてもよい。
上記紫外線吸収剤としては、Propanedioc acid[(4−methoxyphenyl)−methylene]−dimethyl ester(Clariant社製:Hostavin・PR−25)等のマロン酸エステル系紫外線吸収剤及び/又は2−Ethyl,2’−ethoxy−oxalanilide(Clariant社製:Sanduvor・VSU)等のシュウ酸アニリド系紫外線吸収剤が好適である。
上記紫外線吸収剤としては、この他にも、従来公知のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ベンゾエート系の紫外線吸収剤を併用してもよい。
上記紫外線吸収剤としては、Propanedioc acid[(4−methoxyphenyl)−methylene]−dimethyl ester(Clariant社製:Hostavin・PR−25)等のマロン酸エステル系紫外線吸収剤及び/又は2−Ethyl,2’−ethoxy−oxalanilide(Clariant社製:Sanduvor・VSU)等のシュウ酸アニリド系紫外線吸収剤が好適である。
上記紫外線吸収剤としては、この他にも、従来公知のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ベンゾエート系の紫外線吸収剤を併用してもよい。
上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin P、チバガイギー社製)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin 320、チバガイギー社製)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(Tinuvin 326、チバガイギー社製)、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin 328、チバガイギー社製)等や、LA−57(アデカアーガス社製)等のヒンダードアミン系のものが挙げられる。
上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、オクタベンゾン(Chimassorb81、チバガイギー社製)が挙げられる。
上記トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシトフェノール(Tinuvin1577FF、チバガイギー社製)が挙げられる。
上記ベンゾエート系としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(Tinuvin 120、チバガイギー社製)等が挙げられる。
上記トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシトフェノール(Tinuvin1577FF、チバガイギー社製)が挙げられる。
上記ベンゾエート系としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(Tinuvin 120、チバガイギー社製)等が挙げられる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、更に必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、接着力調整剤として変性シリコーンオイル、難燃剤、帯電防止剤、接着力調整剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
<合わせガラス用中間膜の構成、特性>
(膜厚、層構成)
本発明の合わせガラス用中間膜の膜厚としては特に限定されないが、100〜3000μmであることが好ましく、200〜800μmであることがより好ましく、300〜500μmであることが特に好ましい。合わせガラスとしたときに耐貫通性や耐候性を考慮すると、実用的な好ましい下限は0.3mm、好ましい上限は0.8mmである。ただし、耐貫通性の向上等、必要に応じて本発明の合わせガラス用中間膜を積層して使用してもよい。
(膜厚、層構成)
本発明の合わせガラス用中間膜の膜厚としては特に限定されないが、100〜3000μmであることが好ましく、200〜800μmであることがより好ましく、300〜500μmであることが特に好ましい。合わせガラスとしたときに耐貫通性や耐候性を考慮すると、実用的な好ましい下限は0.3mm、好ましい上限は0.8mmである。ただし、耐貫通性の向上等、必要に応じて本発明の合わせガラス用中間膜を積層して使用してもよい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、単層構造の合わせガラス用中間膜であっても、第1の中間膜と、第2の中間膜が積層された少なくとも2層構造の合わせガラス用中間膜であってもよい。本発明の合わせガラス用中間膜の積層数は、1〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1または2であることが特に好ましい。
本発明の合わせガラス用中間膜は、中間膜を製造する際に遮熱機能を持たない通常の中間膜の工程をそのまま使用できる観点からは、単層構造の合わせガラス用中間膜であることが好ましい。積層で一括で製膜する場合には、積層で製膜する設備が必要となる。なお、単層構造の合わせガラス用中間膜に、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を添加してもよい。前記赤外光干渉粒子と、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を同じ層に入れることは、吸収層と反射層を分割しないことで、日射が当たった際に中間膜厚み方向での温度分布が生じにくく変形が起こりにくい観点から好ましい。吸収層と反射層を2層に分割すると、反射層に対して吸収層が圧倒的に熱くなりやすいためである。
本発明の合わせガラス用中間膜は、入射する熱線を反射する層と吸収する層を分けて積層することで、効率的に遮熱効果を高める観点からは、第1の中間膜と、第2の中間膜が積層された少なくとも2層構造の合わせガラス用中間膜であることが好ましい。本発明の合わせガラス用中間膜が、第1の中間膜と、第2の中間膜が積層された少なくとも2層構造の合わせガラス用中間膜である場合、前記第1および第2の中間膜の厚さが異なる態様であってもよい。また、前記第1および第2の中間膜の組成についても、同じであっても異なっていてもよい。その中でも、前記第1の中間膜がポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、前記第2の中間膜がポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を含むことが好ましい。このように、前記赤外光干渉粒子と、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を異なる中間膜に入れることは、入射する熱線を反射する層と吸収する層を分けて積層することで、効率的に遮熱効果を高める観点から好ましい。
ただし、本発明の合わせガラス用中間膜が、第1の中間膜と、第2の中間膜が積層された少なくとも2層構造の合わせガラス用中間膜である場合にも、前記赤外光干渉粒子と、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を同じ層に入れてもよい。
前記第1および第2の中間膜の合計厚みは、100〜1000μmであることが好ましく、200〜800μmであることがより好ましく、300〜500μmであることが特に好ましい。また、前記第1および第2の中間膜は複数のシートを重ねることによって厚膜化してもよい。
ただし、本発明の合わせガラス用中間膜が、第1の中間膜と、第2の中間膜が積層された少なくとも2層構造の合わせガラス用中間膜である場合にも、前記赤外光干渉粒子と、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を同じ層に入れてもよい。
前記第1および第2の中間膜の合計厚みは、100〜1000μmであることが好ましく、200〜800μmであることがより好ましく、300〜500μmであることが特に好ましい。また、前記第1および第2の中間膜は複数のシートを重ねることによって厚膜化してもよい。
<合わせガラス用中間膜の形成方法>
上記合わせガラス用中間膜を作製する方法としては特に限定されず、例えば、前記赤外光干渉粒子を上記樹脂に添加して混練し、成形する方法等が挙げられる。
上記混練の方法としては特に限定されず、例えば、押出機、プラストゲラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等を用いる方法が挙げられる。なかでも、連続的な生産に適することから、押出機を用いる方法が好適である。また、成形の方法としては特に限定されず、押し出し法、カレンダー法、プレス法等が挙げられる。なかでも、2軸同方向による押し出し法は、ヘイズ値を更に低減できることから好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜が少なくとも2層構造の合わせガラス用中間膜である場合、前記第1および第2の中間膜は、逐次で作製しても、同時に作製してもよい。
上記合わせガラス用中間膜を作製する方法としては特に限定されず、例えば、前記赤外光干渉粒子を上記樹脂に添加して混練し、成形する方法等が挙げられる。
上記混練の方法としては特に限定されず、例えば、押出機、プラストゲラフ、ニーダー、バンバリーミキサー、カレンダーロール等を用いる方法が挙げられる。なかでも、連続的な生産に適することから、押出機を用いる方法が好適である。また、成形の方法としては特に限定されず、押し出し法、カレンダー法、プレス法等が挙げられる。なかでも、2軸同方向による押し出し法は、ヘイズ値を更に低減できることから好適である。
本発明の合わせガラス用中間膜が少なくとも2層構造の合わせガラス用中間膜である場合、前記第1および第2の中間膜は、逐次で作製しても、同時に作製してもよい。
<合わせガラス用中間膜の用途>
本発明の合わせガラス用中間膜は、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス;航空機や電車等の乗り物のガラス部位、建築用ガラス等に用いる合わせガラスに好適に用いることができる。
本発明の合わせガラス用中間膜は、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス;航空機や電車等の乗り物のガラス部位、建築用ガラス等に用いる合わせガラスに好適に用いることができる。
[合わせガラス]
本発明の合わせガラスは、本発明の合わせガラス用中間膜と、少なくとも2枚のガラス板を有し、前記2枚のガラス板中に前記合わせガラス用中間膜が挿入されたことを特徴とする。
このような本発明の合わせガラスは、2枚のガラス板中に液晶膜を挟む特開2011−158750号公報や特開2012−101999号公報に記載の構成と比べて、2枚のガラス板中に液晶膜(樹脂中間膜以外の液晶膜)が挿入されていない点が異なっている。
以下、図面を用いつつ、本発明の合わせガラスの好ましい態様を説明する。
本発明の合わせガラスは、本発明の合わせガラス用中間膜と、少なくとも2枚のガラス板を有し、前記2枚のガラス板中に前記合わせガラス用中間膜が挿入されたことを特徴とする。
このような本発明の合わせガラスは、2枚のガラス板中に液晶膜を挟む特開2011−158750号公報や特開2012−101999号公報に記載の構成と比べて、2枚のガラス板中に液晶膜(樹脂中間膜以外の液晶膜)が挿入されていない点が異なっている。
以下、図面を用いつつ、本発明の合わせガラスの好ましい態様を説明する。
図1および図2は、本発明の合わせガラスの構造の一例を示す概略図である。図1中、3は本発明の合わせガラス中間膜を、4は第1のガラス板を、4’は第2のガラス板をそれぞれ示す。図1において、前記ガラス板4および4’の端部と、本発明の合わせガラス中間膜3端部は、同じ位置であっても、いずれかが突出していてもよい。
図2中、3は本発明の合わせガラス中間膜における第1の中間膜を、3’は本発明の合わせガラス中間膜における第2の中間膜を、4は第1のガラス板を、4’は第2のガラス板をそれぞれ示す。図2において、前記ガラス板4および4’の端部と、前記第1の中間膜3および第2の中間膜3’の端部は、同じ位置であっても、いずれかが突出していてもよい。また、第1の中間膜3と第2の中間膜3’は、隣接していてもよいし、他の構成層を有していてもよい。
図2中、3は本発明の合わせガラス中間膜における第1の中間膜を、3’は本発明の合わせガラス中間膜における第2の中間膜を、4は第1のガラス板を、4’は第2のガラス板をそれぞれ示す。図2において、前記ガラス板4および4’の端部と、前記第1の中間膜3および第2の中間膜3’の端部は、同じ位置であっても、いずれかが突出していてもよい。また、第1の中間膜3と第2の中間膜3’は、隣接していてもよいし、他の構成層を有していてもよい。
<ガラス板>
上記ガラス板としては特に限定されず、従来公知の透明板ガラス等を用いることができる。
本発明の合わせガラスに用いられる前記ガラス板のヘイズは、好ましくは0.5%以下であり、より好ましくは0.1%以下であり、特に好ましくは0.05%以下である。
なかでも、900〜1300nmの全波長域において日射透過率が65%以下である熱線吸収ガラスが好適である。錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子やアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子の赤外線カット性が1300nmより長波長側で大きく、900nm〜1300nmの領域では比較的小さいことから、このような熱線吸収ガラスと組み合わせることにより高い日射カット効果を得ることができる。
上記ガラス板としては特に限定されず、従来公知の透明板ガラス等を用いることができる。
本発明の合わせガラスに用いられる前記ガラス板のヘイズは、好ましくは0.5%以下であり、より好ましくは0.1%以下であり、特に好ましくは0.05%以下である。
なかでも、900〜1300nmの全波長域において日射透過率が65%以下である熱線吸収ガラスが好適である。錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子やアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子の赤外線カット性が1300nmより長波長側で大きく、900nm〜1300nmの領域では比較的小さいことから、このような熱線吸収ガラスと組み合わせることにより高い日射カット効果を得ることができる。
また、本発明の合わせガラスにおける「ガラス」とは、ガラス(いわゆる無機ガラス)のみを意味するものではなく、公知のガラス代替材料を含む。すなわち、本発明の合わせガラスには、ガラスのかわりに、ガラス代替樹脂形成体、もしくはガラス代替樹脂形成体とガラスの組み合わせたものを用いることができる。ガラス代替樹脂の例としては、ポリカーボネート樹脂やアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂などがあげられる。こうしたガラス代替樹脂上にハードコート層をコーティングしたものを用いることもできる。ハードコート層の例としては、アクリル系ハードコート材、シリコーン系ハードコート材、メラミン系ハードコート材や、これらのハードコート材の中にシリカやチタニア、アルミナ、ジルコニアなどの無機微粒子を分散させたものがあげられる。
本発明の合わせガラスは、前記ガラス板が曲率を有していてもよい。
また、前記2枚のガラス板は厚みが異なっていてもよく、着色されていてもよい。特に、遮熱性を目的として自動車のフロントガラス等に用いる場合は、合わせガラス状態の可視光透過率がJIS−R3211で定められている70%を下回らない程度にガラス板中に金属などの着色成分を混入させてもよく、一般的にはグリーンガラスを用いることで効果的に遮熱性を向上させることができる。グリーンガラスの色濃度については、添加する金属成分の量を調整したり、厚みを調整したりすることで目的に合った濃度に調節することが好ましい。
また、前記2枚のガラス板は厚みが異なっていてもよく、着色されていてもよい。特に、遮熱性を目的として自動車のフロントガラス等に用いる場合は、合わせガラス状態の可視光透過率がJIS−R3211で定められている70%を下回らない程度にガラス板中に金属などの着色成分を混入させてもよく、一般的にはグリーンガラスを用いることで効果的に遮熱性を向上させることができる。グリーンガラスの色濃度については、添加する金属成分の量を調整したり、厚みを調整したりすることで目的に合った濃度に調節することが好ましい。
<合わせガラスを製造する方法>
本発明の合わせガラスを製造する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
例えば、本発明の合わせガラス用中間膜を、公知の方法により2枚のガラス板の間に挿入して、積層体とすることができる。このようにして得られた前記積層体は、ガラス板/本発明の合わせガラス用中間膜/ガラス板の順に積層された構成となる。前記積層体をそのまま合わせガラスとして用いてもよいし、2枚のガラス板と本発明の記合わせガラス用中間膜を貼り合わせてから合わせガラスとして用いてもよい。
前記2枚のガラス板と本発明の記合わせガラス用中間膜を貼り合わせる場合は、後述する加熱しながら圧着する工程で貼り合わせてもよく、粘着材等を用いて貼り合わせてもよい。
本発明の合わせガラスを製造する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
例えば、本発明の合わせガラス用中間膜を、公知の方法により2枚のガラス板の間に挿入して、積層体とすることができる。このようにして得られた前記積層体は、ガラス板/本発明の合わせガラス用中間膜/ガラス板の順に積層された構成となる。前記積層体をそのまま合わせガラスとして用いてもよいし、2枚のガラス板と本発明の記合わせガラス用中間膜を貼り合わせてから合わせガラスとして用いてもよい。
前記2枚のガラス板と本発明の記合わせガラス用中間膜を貼り合わせる場合は、後述する加熱しながら圧着する工程で貼り合わせてもよく、粘着材等を用いて貼り合わせてもよい。
本発明の合わせガラスを製造する方法は、前記積層体を加熱しながら圧着する工程を含むことが好ましい。
前記積層体における本発明の合わせガラス用中間膜とガラスとの貼りあわせは、例えば、真空バッグなどで減圧下において、温度80〜120℃、時間30〜60分で予備圧着した後、オートクレーブ中、1.0〜1.5MPaの加圧下で120〜150℃の温度で貼り合せ、2枚のガラス板に本発明の記合わせガラス用中間膜が挟まれた合わせガラスとすることができる。
このとき、1.0〜1.5MPaの加圧下で120〜150℃の温度での加熱圧着の時間は、20〜90分であることが好ましい。
加熱圧着終了後、放冷の仕方については特に制限はなく、適宜圧力を開放しながら放冷して、合わせガラス体を得てもよい。
前記積層体における本発明の合わせガラス用中間膜とガラスとの貼りあわせは、例えば、真空バッグなどで減圧下において、温度80〜120℃、時間30〜60分で予備圧着した後、オートクレーブ中、1.0〜1.5MPaの加圧下で120〜150℃の温度で貼り合せ、2枚のガラス板に本発明の記合わせガラス用中間膜が挟まれた合わせガラスとすることができる。
このとき、1.0〜1.5MPaの加圧下で120〜150℃の温度での加熱圧着の時間は、20〜90分であることが好ましい。
加熱圧着終了後、放冷の仕方については特に制限はなく、適宜圧力を開放しながら放冷して、合わせガラス体を得てもよい。
前記ガラスと積層体とを熱圧着させる範囲は、前記ガラス板の全面積にわたる範囲でもよいが、前記ガラスの周縁部のみでもよい。
<合わせガラスの特性>
(可視光透過率)
本発明の合わせガラスは、波長380〜780nmの可視光透過率Tvisが80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、87%以上であることが特に好ましい。
この範囲内であると、例えば、外光からの明るさが重視される建材用途に非常に好ましく、またグリーンガラスのような緑色を加えて色味を調整しつつ高い視認性も要求される車輌用フロントガラス用途に好ましく用いることができる。
(可視光透過率)
本発明の合わせガラスは、波長380〜780nmの可視光透過率Tvisが80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、87%以上であることが特に好ましい。
この範囲内であると、例えば、外光からの明るさが重視される建材用途に非常に好ましく、またグリーンガラスのような緑色を加えて色味を調整しつつ高い視認性も要求される車輌用フロントガラス用途に好ましく用いることができる。
(日射熱取得率)
本発明の合わせガラスは、日射熱取得率Ttsが80%以下であることが好ましく、72%以下であることがより好ましく、70%以下であることが特に好ましい。
本発明の合わせガラスは、日射熱取得率Ttsが80%以下であることが好ましく、72%以下であることがより好ましく、70%以下であることが特に好ましい。
(ヘイズ)
本発明の合わせガラスは、ヘイズが0.5%以下であることが好ましく、0.45%以下であることがより好ましく、0.4%以下であることが特に好ましい。
本発明の合わせガラスは、ヘイズが0.5%以下であることが好ましく、0.45%以下であることがより好ましく、0.4%以下であることが特に好ましい。
<合わせガラスの用途>
本発明の合わせガラスは、高い遮熱性を有し、低ヘイズで、可視光透過率にも優れる合わせガラスであり、長期間日射にさらされる自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス;航空機や電車等の乗り物のガラス部位、建築用ガラス等として好適に用いられる。
本発明の合わせガラスは、高い遮熱性を有し、低ヘイズで、可視光透過率にも優れる合わせガラスであり、長期間日射にさらされる自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラス;航空機や電車等の乗り物のガラス部位、建築用ガラス等として好適に用いられる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[製造例1]
(塗布液の調製)
下記表に示す塗布液(A)、(B)、(C)、および(D)をそれぞれ調製した。
(塗布液の調製)
下記表に示す塗布液(A)、(B)、(C)、および(D)をそれぞれ調製した。
(波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有するフィルムの作製)
(1) 調製した塗布液(A)、を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の乾膜の厚みが6μmになるように基板(富士フイルム製PETフィルム)上に、室温にて塗布した。
(2) 室温にて30秒間乾燥させた後、125℃の雰囲気で2分間加熱し、その後95℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、コレステリック液晶層膜を作製した。
コレステリック液晶層膜を室温まで冷却した後、(1)において基板の代わりに下層のコレステリック液晶層膜上に各塗布液を塗布する以外は同様にして、(1)および(2)を繰り返し、基板上に塗布液(A)、(B)、(C)および(D)由来のコレステリック液晶層膜がこの順に積層された4層積層フィルムを作製した。
(1) 調製した塗布液(A)、を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の乾膜の厚みが6μmになるように基板(富士フイルム製PETフィルム)上に、室温にて塗布した。
(2) 室温にて30秒間乾燥させた後、125℃の雰囲気で2分間加熱し、その後95℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、コレステリック液晶層膜を作製した。
コレステリック液晶層膜を室温まで冷却した後、(1)において基板の代わりに下層のコレステリック液晶層膜上に各塗布液を塗布する以外は同様にして、(1)および(2)を繰り返し、基板上に塗布液(A)、(B)、(C)および(D)由来のコレステリック液晶層膜がこの順に積層された4層積層フィルムを作製した。
(赤外光干渉粒子の作製)
作製した波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する4層積層フィルムを基板より剥離した。
剥離したフィルムを破砕してフレーク状にし、更に粉砕し微粒子のサイズまで砕くことで赤外光干渉粒子を作製した。赤外光干渉粒子の粒子サイズは、ふるいを使い分級した。得られた赤外光干渉粒子300個の形状を光学顕微鏡を用いて観察した結果、平均厚みが10μm、平均円相当直径が20μmであった。
また、得られた赤外光干渉粒子は、コレステリック液晶構造を有していることを、偏光顕微鏡を用いて確認した。さらに、得られた赤外光干渉粒子の選択反射波長を、紫外可視近赤外分光光度計V−670(日本分光(株)製)を用いて確認したところ、約700〜950nmであった。
作製した波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する4層積層フィルムを基板より剥離した。
剥離したフィルムを破砕してフレーク状にし、更に粉砕し微粒子のサイズまで砕くことで赤外光干渉粒子を作製した。赤外光干渉粒子の粒子サイズは、ふるいを使い分級した。得られた赤外光干渉粒子300個の形状を光学顕微鏡を用いて観察した結果、平均厚みが10μm、平均円相当直径が20μmであった。
また、得られた赤外光干渉粒子は、コレステリック液晶構造を有していることを、偏光顕微鏡を用いて確認した。さらに、得られた赤外光干渉粒子の選択反射波長を、紫外可視近赤外分光光度計V−670(日本分光(株)製)を用いて確認したところ、約700〜950nmであった。
[実施例1]
(中間膜の作製)
得られた赤外光干渉粒子0.1質量部をポリビニルブチラール樹脂100質量部と混練し、押出機により金型よりシート状に押し出して、厚さ760μmの膜状体を得た。
得られた膜状体を、実施例1の合わせガラス用中間膜とした。
(中間膜の作製)
得られた赤外光干渉粒子0.1質量部をポリビニルブチラール樹脂100質量部と混練し、押出機により金型よりシート状に押し出して、厚さ760μmの膜状体を得た。
得られた膜状体を、実施例1の合わせガラス用中間膜とした。
[実施例2〜5、比較例1および2]
実施例1において、赤外光干渉粒子の添加量を下記表5に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして膜状体を作製した。なお、比較例2では赤外光干渉粒子を添加しなかった。
得られた膜状体を、それぞれ実施例2〜5、比較例1および2の合わせガラス用中間膜とした。
実施例1において、赤外光干渉粒子の添加量を下記表5に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にして膜状体を作製した。なお、比較例2では赤外光干渉粒子を添加しなかった。
得られた膜状体を、それぞれ実施例2〜5、比較例1および2の合わせガラス用中間膜とした。
[実施例6および7]
錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を追加して用いる方法として、以下の2つの方法を用いた。
実施例6では、錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子平均粒子径70nm)10質量部を赤外光干渉粒子15質量部と混合して実施例1と同様のポリビニルブチラール樹脂100質量部と混練し、押出機により金型よりシート状に押し出して、厚さ760μmの膜状体を得た。
実施例7では、別の方法として、赤外光干渉粒子30質量部を実施例1と同様のポリビニルブチラール樹脂100質量部と混練し、押出機により金型よりシート状に押し出して、厚さ380μmのシートを得た。次に、錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子平均粒子径70nm)10質量部を実施例1と同様のポリビニルブチラール樹脂と混練し、押出機により上記の赤外光干渉粒子を混練して押し出したシートの上に2層になるように押し出して膜厚みを調整し、2層合計の厚さ760μmの膜状体を得た。
得られた膜状体を、それぞれ実施例6および7の合わせガラス用中間膜とした。
錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を追加して用いる方法として、以下の2つの方法を用いた。
実施例6では、錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子平均粒子径70nm)10質量部を赤外光干渉粒子15質量部と混合して実施例1と同様のポリビニルブチラール樹脂100質量部と混練し、押出機により金型よりシート状に押し出して、厚さ760μmの膜状体を得た。
実施例7では、別の方法として、赤外光干渉粒子30質量部を実施例1と同様のポリビニルブチラール樹脂100質量部と混練し、押出機により金型よりシート状に押し出して、厚さ380μmのシートを得た。次に、錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子平均粒子径70nm)10質量部を実施例1と同様のポリビニルブチラール樹脂と混練し、押出機により上記の赤外光干渉粒子を混練して押し出したシートの上に2層になるように押し出して膜厚みを調整し、2層合計の厚さ760μmの膜状体を得た。
得られた膜状体を、それぞれ実施例6および7の合わせガラス用中間膜とした。
[実施例8]
実施例1において、ポリビニルブチラールをエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)に置き換えた以外は、同じ方法にて膜状体を作製した。
得られた膜状体を、実施例8の合わせガラス用中間膜とした。
実施例1において、ポリビニルブチラールをエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)に置き換えた以外は、同じ方法にて膜状体を作製した。
得られた膜状体を、実施例8の合わせガラス用中間膜とした。
[実施例9]
追加実施例2
実施例1において、ポリビニルブチラールをポリ塩化ビニリデン(塩素含有樹脂)に置き換えた以外は、同じ方法にて膜状体を作製した。
得られた膜状体を、実施例9の合わせガラス用中間膜とした。
追加実施例2
実施例1において、ポリビニルブチラールをポリ塩化ビニリデン(塩素含有樹脂)に置き換えた以外は、同じ方法にて膜状体を作製した。
得られた膜状体を、実施例9の合わせガラス用中間膜とした。
[比較例3]
実施例1において、赤外光干渉粒子の代わりに、実施例6および7で用いた錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を下記表5に記載の添加量で用いた以外は実施例1と同様にして、膜状体を作製した。
得られた膜状体を、それぞれ比較例3の合わせガラス用中間膜とした。
実施例1において、赤外光干渉粒子の代わりに、実施例6および7で用いた錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を下記表5に記載の添加量で用いた以外は実施例1と同様にして、膜状体を作製した。
得られた膜状体を、それぞれ比較例3の合わせガラス用中間膜とした。
(合わせガラスの作製)
得られた各実施例および比較例の合わせガラス用中間膜を、その両端から透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm、ヘイズ0.02%)で挟み込み、ガラス/各実施例および比較例の合わせガラス用中間膜/ガラスの構成である、合わせガラス用の積層体を得た。
この合わせガラス用の積層体をゴムバック内に入れ、20torrの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブンに移し、さらに90℃で30分間保持しつつ真空プレスした(予備圧着)。
このようにして予備圧着された合わせガラス用の積層体をオートクレーブ中で130℃、圧力1150kPaの条件で20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
得られた合わせガラスを、各実施例および比較例の合わせガラスとした。
得られた各実施例および比較例の合わせガラス用中間膜を、その両端から透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚さ2.5mm、ヘイズ0.02%)で挟み込み、ガラス/各実施例および比較例の合わせガラス用中間膜/ガラスの構成である、合わせガラス用の積層体を得た。
この合わせガラス用の積層体をゴムバック内に入れ、20torrの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブンに移し、さらに90℃で30分間保持しつつ真空プレスした(予備圧着)。
このようにして予備圧着された合わせガラス用の積層体をオートクレーブ中で130℃、圧力1150kPaの条件で20分間圧着を行い、合わせガラスを得た。
得られた合わせガラスを、各実施例および比較例の合わせガラスとした。
[評価]
(可視光透過率Tvis、日射熱取得率Tts)
評価は合わせガラスにしたサンプルの分光を紫外可視近赤外分光光度計V−670(日本分光(株)製)を使って測定し、JIS3106(板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法)及びJIS3107(板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定方法)に従い、可視光透過率(以下、Tvis)及び日射熱取得率(以下、Tts)を算出した。
得られた結果を、下記表5に記載した。
本発明を使用しない合わせガラス用中間膜を用いたものと遮熱性能を比較する目的でTtsを評価指標とした。
なお、赤外光干渉粒子を混合した層と錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を混合した層の2層構成の場合には、赤外光干渉粒子を混合した層が日射側(光を当てる側)になるように配置して評価した。
(可視光透過率Tvis、日射熱取得率Tts)
評価は合わせガラスにしたサンプルの分光を紫外可視近赤外分光光度計V−670(日本分光(株)製)を使って測定し、JIS3106(板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法)及びJIS3107(板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定方法)に従い、可視光透過率(以下、Tvis)及び日射熱取得率(以下、Tts)を算出した。
得られた結果を、下記表5に記載した。
本発明を使用しない合わせガラス用中間膜を用いたものと遮熱性能を比較する目的でTtsを評価指標とした。
なお、赤外光干渉粒子を混合した層と錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子を混合した層の2層構成の場合には、赤外光干渉粒子を混合した層が日射側(光を当てる側)になるように配置して評価した。
(ヘイズ)
合わせガラスのヘイズを、積分式濁度計(東京電色社製)を使用し、JIS K 7105「プラスチックの光学特性試験方法」に準拠して、波長340〜1800nmの光線に対する合わせガラスのヘイズを測定した。
得られた結果を、下記表5に記載した。
合わせガラスのヘイズを、積分式濁度計(東京電色社製)を使用し、JIS K 7105「プラスチックの光学特性試験方法」に準拠して、波長340〜1800nmの光線に対する合わせガラスのヘイズを測定した。
得られた結果を、下記表5に記載した。
上記表5に示すように、実施例1〜9より、本発明の合わせガラス用中間膜を用いて製造した合わせガラスは、日射熱取得率が低いことから高い遮熱性を有し、低ヘイズで、可視光透過率にも優れるものであった。
一方、赤外光干渉粒子を添加しなかった比較例1の合わせガラス用中間膜を用いて製造した合わせガラスは、日射熱取得率が高いことから遮熱性が低いものであった。
赤外光干渉粒子を本発明で規定する上限値を超えて添加した比較例2の合わせガラス用中間膜を用いて製造した合わせガラスは、ヘイズが高いものであった。
ITO粒子のみを添加した比較例3の合わせガラス用中間膜を用いて製造した合わせガラスは、ITO粒子の添加量が多いときは可視光透過率が低い上、ヘイズが高いものであった。
一方、赤外光干渉粒子を添加しなかった比較例1の合わせガラス用中間膜を用いて製造した合わせガラスは、日射熱取得率が高いことから遮熱性が低いものであった。
赤外光干渉粒子を本発明で規定する上限値を超えて添加した比較例2の合わせガラス用中間膜を用いて製造した合わせガラスは、ヘイズが高いものであった。
ITO粒子のみを添加した比較例3の合わせガラス用中間膜を用いて製造した合わせガラスは、ITO粒子の添加量が多いときは可視光透過率が低い上、ヘイズが高いものであった。
なお、各実施例の合わせガラス用中間膜の可視光透過率の測定と同様にして、反射スペクトルをもとに選択反射波長を算出した。各実施例の合わせガラス用中間膜の選択反射波長は約700〜950nmであった。
1 コレステリック液晶相を固定してなる液晶膜(支持体を含んでいてもよい)
3 合わせガラス用中間膜(第1の中間膜)
3’ 合わせガラス用中間膜(第2の中間膜)
4、4’ ガラス板
6 合わせガラス
15a コレステリック液晶相を固定してなる光反射層
15b コレステリック液晶相を固定してなる光反射層
16a コレステリック液晶相を固定してなる光反射層
16b コレステリック液晶相を固定してなる光反射層
3 合わせガラス用中間膜(第1の中間膜)
3’ 合わせガラス用中間膜(第2の中間膜)
4、4’ ガラス板
6 合わせガラス
15a コレステリック液晶相を固定してなる光反射層
15b コレステリック液晶相を固定してなる光反射層
16a コレステリック液晶相を固定してなる光反射層
16b コレステリック液晶相を固定してなる光反射層
Claims (10)
- ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、
波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、
前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を0.1〜50質量%含むことを特徴とする合わせガラス用中間膜。 - 前記樹脂に対して、前記赤外光干渉粒子を5〜30質量%含むことを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
- さらに前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の合わせガラス用中間膜。
- 第1の中間膜と、第2の中間膜が積層された少なくとも2層構造の合わせガラス用中間膜であり、
前記第1の中間膜がポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、波長700nm以上の赤外線を反射するコレステリック液晶構造を有する赤外光干渉粒子を含み、
前記第2の中間膜がポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩素含有樹脂の群から選ばれる合わせガラス用中間膜の基材となる樹脂と、前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の合わせガラス中間膜。 - 前記赤外光干渉粒子以外の遮熱粒子が、ITO微粒子またはアンチモンドープ酸化錫微粒子であることを特徴とする請求項3または4に記載の合わせガラス用中間膜。
- 前記樹脂が、ポリビニルブチラールまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜。
- 前記赤外光干渉粒子の平均円相当直径が1〜70μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜。
- 前記赤外光干渉粒子が、重合性液晶化合物のコレステリック液晶相を固定してなる波長700nm以上の赤外線を反射するフィルムを粉砕して製造されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜。
- 膜厚が100〜3000μmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の合わせガラス用中間膜と、少なくとも2枚のガラス板を有し、前記2枚のガラス板中に前記合わせガラス用中間膜が挿入されたことを特徴とする合わせガラス。
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---|---|---|---|
JP2012270634A JP2014114191A (ja) | 2012-12-11 | 2012-12-11 | 合わせガラス用中間膜および合わせガラス |
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