JP2014113555A - 塗布装置 - Google Patents

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Hiroyuki Kikuchi
浩之 菊地
Shiro Kondo
士朗 近藤
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Abstract

【課題】基板の外側から塗布材料を塗布することができる塗布装置を提供する。
【解決手段】本発明の塗布装置は、基板10の上方を移動しつつ塗布液を塗布する長尺状の塗布ノズル11と、基板から外れた塗布液を受けることが可能なドレインパンと、基板を複数個所で支持してドレインパンから離間させた状態に支持する支持部材13と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、塗布装置に関する。
従来、スリットノズルを用いて基板上に塗布液を塗布する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−75746号公報
従来の塗布方法では基板とスリットノズルを近接させて、塗布液を吐出することで、基板とスリットノズル間を連結させ、塗布膜を維持したまま基板上に膜を形成していた。しかしながら、この場合、塗布膜を基板とスリットノズル間で連結させる際に、膜厚が厚くなってしまう可能性がある。また、基板とスリットノズルとを近接させるため、基板端部からの塗布膜を形成するのではなく、1mmから30mm内側より塗布膜を形成するため、基板端部に塗布膜を形成することができなかった。
そこで、基板の外側から塗布を開始することが考えられるが、基板の外側から塗布液を塗布するとステージ上にも塗布液が塗布されてステージが汚れてしまう。そこで、基板の外側から塗布材料の塗布を開始することができる新たな技術の提供が望まれている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、基板の外側から塗布材料を塗布することができる塗布装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る塗布装置は、基板の上方を移動しつつ塗布液を塗布する長尺状の塗布ノズルと、前記基板から外れた前記塗布液を受けることが可能なドレインパンと、前記基板を複数個所で支持して前記ドレインパンから離間させた状態に支持する支持部材と、を備えることを特徴とする。
本発明の塗布装置によれば、例えば基板から外れた塗布液をドレインパンにより受けて回収することができる。よって、基板の種類によらず、当該基板の外側から塗布液を塗布することができる。また、基板は支持部材によりドレインパンと離間した状態とされるので、ドレインパンに排出された塗布液によって基板が汚れるといった不具合の発生が防止される。
塗布液を貯留する貯留タンクと前記塗布ノズルとの間で前記塗布液を循環させる循環機構をさらに備える構成としてもよい。
この構成によれば、循環機構により塗布液を循環させることができるので、当該塗布液として沈降性の高い材料を用いることができる。
前記循環機構は、前記塗布ノズルの待機時のみに動作する構成としてもよい。
この構成によれば、循環機構の駆動を最小限に抑えることができるので、装置の駆動時に要する消費電力を抑えることができる。
前記循環機構は、前記貯留タンク内で前記塗布液を撹拌させる撹拌部材を含む構成としてもよい。
この構成によれば、例えば塗布液として沈降性が高い材料を用いた場合に、当該塗布液を撹拌することで貯留タンク内での沈降の発生を防止することができる。
前記循環機構は、前記塗布ノズルと前記貯留タンクとの間で前記塗布液を循環させる循環ポンプを含み、前記循環ポンプは、前記塗布液を前記貯留タンクから前記塗布ノズルに充填する充填ポンプの機能を兼ねる構成としてもよい。
この構成によれば、循環ポンプが充填ポンプの機能を兼ねるので、装置全体の部品点数を減らすことで低コスト化を実現できる。
前記循環機構は、前記塗布ノズルから吐出された前記塗布液を受ける循環用ドレインを含み、前記塗布液は、前記循環用ドレインから前記貯留タンクへと戻される構成としてもよい。
この構成によれば、塗布液の無駄を無くし、結果的にコスト低減を図ることができる。
前記塗布液の塗布に先立ち、前記基板に前処理液を塗布する前処理液塗布部をさらに備える構成としてもよい。
この構成によれば、前処理を施した基板に対して塗布液を良好に塗布できる。
前記塗布ノズルは、前記前処理液塗布部の塗布動作に連動して前記基板に前記塗布液を塗布する構成としてもよい。
この構成によれば、塗布液を塗布した際に気泡が生じるおそれのあるポーラス状の基板に対し、前処理液を塗布した後に続けて塗布液を塗布することができる。よって、気泡の発生を抑えて塗布液を基板上に塗布することができる。
前記前処理液が水である構成としてもよい。
この構成によれば、上述したような気泡の発生を良好に抑えることができる。また、処理液のコストを抑えることができる。
前記支持部材は、前記基板を少なくとも3箇所で支持する支持ピンから構成される構成としてもよい。
この構成によれば、基板を簡便且つ確実に支持することができる。また、装置構成を簡便化することで低コスト化を実現できる。
前記支持ピンは、高さ調整が可能である構成としてもよい。
この構成によれば、基板の水平度を容易に調整することができる。
前記塗布液がスラリー状である構成としてもよい。
この構成によれば、スラリー状のように沈降性の高い材料を基板上に良好に塗布可能な塗布装置を提供できる。
前記塗布液が塗布された前記基板を減圧乾燥する乾燥部をさらに備える構成としてもよい。
この構成によれば、基板上に塗布した塗布液を乾燥することで良質な塗布膜を得ることができる。
前記塗布ノズルを洗浄するノズル洗浄部をさらに備える構成としてもよい。
この構成によれば、ノズル洗浄部により塗布ノズルの状態を良好に保つことができるので、常に基板上に塗布液を良好に塗布することができる。
本発明によれば、基板の外側から塗布材料を塗布することができる。
本実施形態に係る塗布装置の概略構成を示す図。 塗布部の概略構成を示す図。 ノズル洗浄部の概略構成を示す図。 循環機構の概略構成及び塗布液タンクの周辺構成を示す図。 減圧乾燥室の構成を示す模式図。 塗布部における動作手順を示すフロー図。 塗布ノズルによる塗布液の塗布処理を説明するための図。 変形例に係る塗布ノズルの塗布処理を説明するための図である。 塗布装置の変形例に係る概略構成を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
以下の各図において、本実施形態に係る塗布装置の構成を説明するにあたり、表記の簡単のため、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。当該XYZ座標系においては、床面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面において塗布装置100の各構成要素が並べられた方向をX方向と表記し、XY平面上でX方向に直交する方向をY方向と表記する。XY平面に垂直な方向はZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
図1は本実施形態に係る塗布装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、塗布装置100は、基板搬入部1と、塗布部2と、減圧乾燥室3と、搬送ロボット4と、基板搬出部8と、を有する。
基板搬入部1は、基板10が外部から搬入される領域である。塗布部2は、基板上に塗布材料を塗布するためのものである。減圧乾燥室3は、塗布部2で塗布液が塗布された基板10を減圧乾燥するためのものである。搬送ロボット4は、基板搬入部1と塗布部2との間での基板の受け渡し、塗布部2と減圧乾燥室3との基板の受け渡しを行うためのものである。搬送ロボット4は、例えば基板を支持可能なアーム部と、該アーム部を駆動させる駆動部とを含み、基板の搬送位置精度が例えば1.0mm以内に設定されたものが用いられる。基板搬出部8は、減圧乾燥室3内で塗布液が乾燥された基板10を塗布装置100内から外部装置に対して搬出するためのものである。
本実施形態において、塗布処理を行う対象である基板10は、例えば縦横が600mm×600mmのもの、或いは縦横が600mm×900mmのものが用いられる。また、基板の厚さは、例えば10mmに設定されている。また、本実施形態に用いる基板10は、例えば表面がポーラス状のものである。
基板搬入部1は、基板10を支持するための支持面1aと、該支持面1aに設けられた支持ピン1bを有している。支持ピン1bは、支持面1aに収容された状態から突出した状態に移動可能とされている。これにより、支持ピン1bは、基板10を基板搬入部1の支持面1aから離間させた状態に保持可能とされている。搬送ロボット4は、支持ピン1bに支持された基板10と支持面1aとの間に入り込むことで基板10を受け取る。これにより、搬送ロボット4と基板搬入部1との間における基板10の受渡しが行われるようになっている。
図2は塗布部2の概略構成を示す図である。図2に示すように、塗布部2は、塗布ノズル11と、ドレインパン12と、基板支持部材13と、ノズル洗浄部14と、循環機構15と、前処理液塗布部16と、を有する。
塗布ノズル11は、一方向(Y方向)が長手の長尺状に構成されており、不図示のフレーム部材に取り付けられている。フレーム部材は、例えば、ドレインパン12の上方を幅方向(Y方向)に跨ぐような門柱状に構成され、塗布ノズル11の上面を支持している。塗布ノズル11のうち−Z方向の先端には、自身の長手方向に沿ってスリット状の開口部11aが設けられており、当該開口部11aから塗布液が吐出されるようになっている。すなわち、塗布ノズル11は、所謂スリットノズルから構成されている。
塗布ノズル11が取り付けられる上記フレーム部材は、例えばドレインパン12上をX方向に沿って移動可能に構成されている。これにより、塗布ノズル11は、X方向に沿って基板10上を移動し、該基板10の全面に塗布液を塗布することが可能とされている。
ここで、塗布ノズル11は、先端の開口部11aと基板10との距離(塗布ギャップ)が例えば600μmに設定されている。なお、基板10の面精度が出ていない場合において、上記塗布ギャップは1000μm程度に設定される。また、上記フレーム部材は、塗布ノズル11をX方向に沿って移動させる際の高さ方向の位置精度が例えば3〜5μm以内に設定されている。
本実施形態に係る塗布ノズル11は、塗布液として沈降性の高いスラリーを塗布する。具体的に本実施形態に係る塗布ノズル11は、塗布液として、塗料などの沈降性の高い材料を基板10上に塗布するためのものである。
塗布液は、塗布液タンク(貯留タンク)5から塗布経路6を介して塗布ノズル11に供給される。塗布経路6は、例えばチューブ状の部材から構成されるものであり、途中に塗布ポンプ(充填ポンプ)7が設けられている。塗布ポンプ(充填ポンプ)7は、塗布液タンク5内の塗布液を塗布ノズル11側に供給(充填)するためのものである。
ドレインパン12は、塗布ノズル11から塗布された塗布液のうち、基板10から外れた塗布液及び後述する前処理液(以下、これらを総称して廃液と称す)を受けるためのものであり、少なくとも基板10よりも平面形状が大きく設定されている。ドレインパン12は、板状の部材から構成されており、上面に後述する基板支持部材13を取り付けるための取り付け穴(不図示)が設けられている。
また、ドレインパン12は、例えば、基板10上から外れた塗布液を排出するための排出溝12aが端部に設けられている。排出溝12aは、例えば、底面がXY平面内においてZ方向に傾斜した状態に形成されている。これにより、排出溝12aに入り込んだ廃液は、底面に沿ってZ方向の高さが相対的に低い方向に向かって流れるようになっている。よって、廃液の流れる先に廃液回収タンクを設けることでドレインパン12上から廃液を良好に回収することができる。また、吸引ポンプによる吸引力を用いることで、排出溝12aに入り込んだ廃液を強制的に排出する構成を採用してもよい。これによれば、吸引力によって排出溝12a内の廃液を簡便且つ確実に排出することができる。
基板支持部材13は、基板10を複数個所で支持してドレインパン12から離間させた状態に支持するためのものである。本実施形態において、基板支持部材13は、例えば3本以上の支持ピン17から構成されている。これにより、基板支持部材13は、基板10を少なくとも3箇所で支持することが可能とされている。
各支持ピン17は、ベース部17aと、支持部17bとを含む。ベース部17aは、例えば筒状の部材から構成されており、内面に雌ねじが形成されている。支持部17bは、一端側がベース部17aの雌ねじ部に螺合する雄ねじが形成されており、他端側は基板10を支持する支持面17b1が形成されている。支持面17b1は丸みを帯びた形状に加工されている。支持面17b1は、例えばポリプロピレンなどの樹脂材料から構成されており、基板10を支持した際に該基板10にダメージを与えないようになっている。支持部17bは、一端側の雄ねじをベース部17aの雌ねじに捩じ込むことで支持面17b1のZ方向における位置を調整可能とされている。この構成によれば、各支持ピン17の支持面17b1の高さを適宜調整することで基板10を水平状態で保持したり、所定角度傾斜させた状態で保持することが可能となる。よって、種々の形態で保持される基板10に対し、塗布液を塗布することが可能となる。
なお、支持ピン17の数は、3本に限定されることはなく、4本以上に設定しても構わない。これによれば、基板10が少なくとも4カ所以上で支持されることとなるので、基板10を安定して保持することができる。
ノズル洗浄部14は、塗布ノズル11の先端の開口部11aの洗浄を行うことで塗布液の塗布特性を回復或いは維持するためのものである。
図3はノズル洗浄部14の概略構成を示す図である。図3に示すように、ノズル洗浄部14は、塗布ノズル11の先端の開口部11aに洗浄液を吹き付ける洗浄部18と、廃液トレイ19とを有する。洗浄部18は、塗布ノズル11の開口部11aの長さ方向に沿って配置される棒状部材から構成され、該開口部11aを挟持するように2つの棒状部材が配置されている。この棒状部材には、開口部11aの長さ方向(Y方向)に沿って洗浄液を吹き出す複数の吹き出し穴が形成されている。なお、洗浄部18は、洗浄液として、例えば水を吹き出す。なお、洗浄液の種類はこれに限定されることはなく、塗布液の種類に応じて適宜変更可能であることは当然である。
また、洗浄部18は不図示の駆動制御部に電気的に接続されることで自動的に洗浄液を吹き出す構成であっても良いし、作業者が必要に応じて手動動作で洗浄液を吹き出す構成であっても良い。手動動作で洗浄液を吹き出す構成を採用すれば、ノズル洗浄部14の構成を簡略化することができ、結果的に塗布装置100のコストを低減することができる。
廃液トレイ19は、塗布ノズル11の開口部11aを洗浄した洗浄水(廃液)を回収するためのものであり、半円筒状の部材から構成される。廃液トレイ19の底面には、排出口19aが設けられ、該排出口19aには廃液経路20を介して廃液を回収するための廃液タンク21が接続されている。なお、上記搬送ロボット4は、ノズル洗浄部14による塗布ノズル11の洗浄処理が行われるタイミングに合わせて、基板10を基板搬入部1から塗布部2に搬入する搬入動作、或いは、基板10を塗布部2から減圧乾燥室3に搬出する搬出動作を行う。
循環機構15は、塗布液を貯留する塗布液タンク5と塗布ノズル11との間で塗布液を循環させるためのものである。循環機構15は、詳細については後述するように、塗布ノズル11の待機時のみに動作するように設定されている。これにより、循環機構15の駆動を最小限に抑えることができるので、装置の駆動時に要する消費電力を抑えることができる。
図4は循環機構15の概略構成及び塗布液タンク5の周辺構成を示す図である。図4に示すように、循環機構15は、循環用ドレイン22と、循環ポンプ23と、撹拌機構24と、を有する。
循環用ドレイン22は、塗布ノズル11から排出された塗布液を回収するためのものであり、半円筒状の部材から構成される。循環用ドレイン22の底面には、排出口22aが設けられ、該排出口22aには排出経路25を介して鉛直下方に配置された塗布液タンク5に接続されている。これにより、循環用ドレイン22に排出された塗布液は、排出経路25を介して塗布液タンク5内に自然落下するようになっている。
循環ポンプ23は、塗布ポンプ7と塗布液タンク5とを結ぶ第2経路6aに設けられている。第2経路6aは、循環ポンプ23が駆動する場合にのみ、塗布液が供給される経路である。循環ポンプ23は、塗布液タンク5内から第2経路6aを介して塗布液を吸い上げるとともに塗布ポンプ7に塗布液を充填する。塗布ポンプ7は、循環ポンプ23により充填された塗布液を塗布ノズル11に供給する。
撹拌機構24は、塗布液タンク5内に設けられた撹拌子(撹拌部材)27と、該撹拌子27を回転駆動する駆動モーター28と、を含む。塗布液タンク5は、図4に示すように、上面が開口した有底状の円筒部材から構成されており、内部に撹拌子27が挿入されている。塗布液タンク5の容量は、例えば60リットルに設定される。
撹拌子27は、駆動モーター28からの駆動力によって回転され、塗布液タンク5内の塗布液を撹拌することができる。本実施形態においては、上述のように塗布液として沈降性の高い塗料を用いている。そのため、撹拌機構24は、塗布液を良好に撹拌させることで塗布液タンク5内での沈降の発生を抑制するようにしている。
なお、塗布液の粘度が相対的に低い場合においては、上記撹拌機構24に代えて、マグネチックスタラーを採用するようにしてもよい。
また、塗布液タンク5には、フロートセンサー9が設けられている。フロートセンサー9は、塗布液タンク5内の塗布液の量を検出するためのものである。フロートセンサー9は、塗布液タンク5内の塗布液の残量が所定値よりも少なくなると、例えばアラームを発する。これにより、塗布液の補充を作業者に対して通知することができる。よって、塗布液タンク5内の塗布液が途中で無くなることで基板10に対する塗布処理が正常に終了しない不具合が発生するリスクを低減させている。
ところで、本実施形態においては、基板10として表面がポーラス状のものを用いている。このようなポーラス状の表面を有する例えば多結晶体からなる基板10に塗布液が直接塗布されると、基板10のポーラス部(多孔質部)内に塗布液が入り込む際に気泡が生じ、塗布液内に気泡が混入した状態となってしまう。このような気泡が混入した塗布膜が乾燥すると、塗布膜の膜質が低下するといった問題が生じてしまう。
このような問題を解消すべく、本実施形態においては上記前処理液塗布部16を備えることで基板10に塗布液を塗布するに先立ち、基板10に前処理液を塗布するようにしている。具体的に、塗布ノズル11は、前処理液塗布部16の前処理液の塗布動作に連動して基板10上に塗布液を塗布するようになっている。
このような背景から本実施形態に係る塗布部2では、基板10の外側から少なくとも塗布液の塗布を開始する可能性があり、基板10から外れた塗布液による汚染を防止する必要があった。これに対し、本実施形態においては、上述したようなドレインパン12上に基板10を支持ピン17で支持する構成を採用したのである。
前処理液塗布部16は塗布スプレー26を含む。塗布スプレー26は、基板10上に前処理液として、例えば水を供給する。塗布スプレー26は、塗布ノズル11を保持する不図示のフレーム部材に取り付けられている。すなわち、前処理液塗布部16は、塗布ノズル11とともに基板10上を移動可能とされている。
塗布スプレー26は、フレーム部材の一方向(Y方向)に沿って複数配置されている。すなわち、塗布スプレー26は、塗布ノズル11の開口部11aの長さ方向に沿って複数配置され、これにより各塗布スプレー26から塗布された前処理液が基板10のY方向に沿う幅方向の全域をカバーすることが可能となっている。
本実施形態において、塗布スプレー26は塗布ノズル11に対し、+X方向に配置されている。すなわち、塗布スプレー26は、塗布ノズル11よりも先に基板10上を通過することが可能となっている。これにより、前処理液塗布部16は、基板10のX方向に移動することで、塗布液が塗布される前に基板10の全面に前処理液を塗布することが可能となる。そのため、塗布ノズル11は、基板10上には前処理液が塗布された後に塗布液を塗布することが可能である。
なお、前処理から塗布液の塗布までに時間をおく必要が無い場合においては、塗布スプレー26を塗布ノズル11に設置するようにしてもよい。
図1に戻って、減圧乾燥室3は、基板10上に塗布された塗布液を乾燥させる。
減圧乾燥室3は、チャンバー30、ゲートバルブGB1、GB2を有している。チャンバー30は、直方体の箱状に形成され、第一開口部32及び第二開口部33を有している。チャンバー30の内部には、処理室30aが形成されている。第一開口部32及び第二開口部33は、処理室30aとチャンバー30の外部とを連通する。第一開口部32及び第二開口部33は、ゲートバルブGB1、GB2により閉塞可能とされている。
第一開口部32は、チャンバー30の−X側の面に形成されている。第二開口部33は、チャンバー30の+X側の面に形成されている。第一開口部32及び第二開口部33は、基板10が通過可能な寸法に形成されている。基板10は、第一開口部32及び第二開口部33を介してチャンバー30に出し入れされる。
処理室30aには、基板搬送部34及び気体供給部35、排気部36及び加熱部37が設けられている。
基板搬送部34は、複数のローラー34aを有している。ローラー34aは、Y方向に一対配置されており、当該一対のローラー34aがX方向に複数並んでいる。複数のローラー34aは、第一開口部32を介して処理室30aに配置された基板10を支持する。
基板10を支持した状態で各ローラー34aをY軸周りに時計回り又は反時計回りに回転させることにより、各ローラー34aによって支持される基板10がX方向(+X方向又は−X方向)に搬送される。なお、基板10を浮上させて搬送する不図示の浮上搬送部を用いても構わない。
図5は減圧乾燥室3の構成を示す模式図である。
図5に示すように、気体供給部35は、処理室30aに窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを供給する。気体供給部35は、第一供給部35a及び第二供給部35bを有している。第一供給部35a及び第二供給部35bは、ガスボンベやガス管などのガス供給源35cに接続されている。処理室30aへのガスの供給は主として第一供給部35aを用いて行われる。第二供給部35bは、第一供給部35aによる気体の供給量を微調整する。
排気部36は、処理室30aを吸引し当該処理室30aの気体をチャンバー30の外部に排出して、処理室30aを減圧させる。処理室30aを減圧させることにより、基板10の塗布液に含まれる溶媒の蒸発を促進させ、塗布液を乾燥させる。排気部36は、第一吸引部36a及び第二吸引部36bを有している。第一吸引部36a及び第二吸引部36bは、ポンプなどの吸引源36c及び36dに接続されている。処理室30aからの吸引は主として第一吸引部36aを用いて行われる。第二吸引部36bは、第一吸引部36aによる吸引量を微調整する。
加熱部37は、処理室30aに配置された基板10上の塗布液を加熱する。加熱部37としては、例えば赤外線装置やホットプレートなどが用いられる。加熱部37の温度は、例えば室温〜100℃程度に調整可能である。加熱部37を用いることにより、基板10上の塗布液に含まれる溶媒の蒸発を促進させ、減圧下での乾燥処理をサポートする。
なお、上記減圧乾燥室3では、処理室30a内に不活性ガスを供給する構成を例に挙げたが、不活性ガスを供給しないで真空ポンプによる真空引きのみによって処理室30a内を減圧して基板10上の塗布液を乾燥させるようにしても構わない。
続いて、塗布装置100の動作について説明する。
はじめに外部装置から基板10が基板搬入部1内に搬入される。
基板10が基板搬入部1内に搬入された後、搬送ロボット4は基板搬入部1内に基板10を受け取りに行く。搬送ロボット4は、基板搬入部1から受け取った基板10を塗布部2に搬入する。
搬送ロボット4は、塗布部2内に搬入した基板10を支持ピン17上に載置する。そして、搬送ロボット4は、アームを塗布部2内から退避させる。これにより、塗布部2内への基板10の搬入動作が終了する。支持ピン17に支持された基板10は、裏面がドレインパン12に非接触状態で保持される。
基板10を搬入するに先立ち、作業者はドレインパン12上に少なくとも3本以上の支持ピン17を設置しておく。作業者は、支持ピン17の高さを適宜調整して、基板10の水平度を調整する。支持ピン17の高さは、支持部17bの雄ねじをベース部17aの雌ねじに捩じ込むことで行われる。なお、基板10と塗布ノズル11との距離(塗布ギャップ)は、塗布ノズル11が昇降することで調整される。
続いて、塗布装置100は、塗布部2による塗布処理を行う。
図6は、塗布部2における動作手順を示すフロー図である。
図6に示すように、塗布装置100は、ノズル待機(ステップS1)、塗布開始(ステップS2)、塗布終了(ステップS3)、ノズル先端洗浄(ステップS4)の順に各処理を行う。
塗布部2は、基板10が搬入されるまでの間、塗布ノズル11が待機状態となっている(ステップS1)。
ここで、本実施形態において、ノズル待機状態とは、塗布液の塗布を開始できる準備が完了し、塗布ノズル11の先端の開口部11aから塗布液が循環用ドレイン22に排出されている状態を意味する。すなわち、後述のノズル先端洗浄は、開口部11aから塗布液が塗布されないことから上記ノズル待機状態に含まれないものとする。
上述のようにノズル待機において、塗布部2は、循環機構15を駆動させる。また、塗布部2は、塗布ポンプ7も駆動させる。循環機構15は、循環ポンプ23及び撹拌機構24を駆動させる。
循環ポンプ23は、塗布液タンク5内から塗布液を吸い上げるとともに塗布ポンプ7に塗布液を充填する。塗布ポンプ7は、循環ポンプ23により充填された塗布液を塗布ノズル11に供給する。
これにより、塗布ノズル11は、先端の開口部11aから塗布液を排出する。塗布ノズル11から排出された塗布液は、循環用ドレイン22内に排出される。このように塗布ノズル11は、待機状態において、開口部11aから塗布液を排出させることで、沈降性の高い塗布液であっても塗布経路6の内部及びノズル内部で固着が生じることで詰りが生じるといった不具合の発生が抑制されたものとなる。
循環用ドレイン22に排出された塗布液は、該循環用ドレイン22の底面に設けられた排出口22a及び該排出口22aに接続される排出経路25を経由して鉛直下方に配置された塗布液タンク5に自然落下して戻る。
撹拌機構24は、駆動モーター28により塗布液タンク5内に設けられた撹拌子27を回転させる。撹拌機構24は、撹拌子27により循環用ドレイン22及び排出経路25を経由して塗布ノズル11から排出された塗布液を再度撹拌させることで沈降の発生を抑制することができる。
以上のようにして、循環機構15は、塗布ノズル11から排出された塗布液を撹拌させた後、再度塗布ノズル11に循環させる構成を実現している。これによれば、本実施形態のように沈降性の高い塗料を塗布液として採用した場合であっても、沈降を生じさせることを防止することができる。
塗布ノズル11は、ノズル待機状態から塗布を開始する(ステップS2)。
塗布部2は、塗布ノズル11を支持するフレーム部材を+X方向(基板10側)に移動させ、塗布ノズル11を循環用ドレイン22の直上から離間させる。このとき、塗布部2は、循環機構15(循環ポンプ23及び撹拌機構24)の駆動を停止するとともに塗布ポンプ7の駆動も停止させる。そして、塗布ノズル11を基板10の手前又は−X側の基板端部まで移動し、再び塗布ポンプ7を駆動させる。
ところで、本実施形態に係る基板10は、表面がポーラス状となっている。このように表面がポーラス状の基板10に塗布液を直接塗布すると塗布液中に気泡が混入するおそれがある。これに対し、本実施形態においては、塗布部2が基板10上に前処理液を塗布し、続けて前処理液上に塗布液を塗布することで塗布液内への気泡の混入を防止するようにしている。塗布部2は、基板10の外側から前処理液及び塗布液の塗布を行い、基板10が端部から前処理液及び塗布液が連続的に塗布されるようにしている。
まず塗布部2は、前処理液塗布部16を駆動させる。前処理液塗布部16は、塗布スプレー26から前処理液を塗布する。塗布部2は、塗布スプレー26の前処理液の塗布動作に連動して基板10上に塗布液を塗布する。
塗布スプレー26は、上述のように塗布ノズル11とともに基板10上を移動可能とされるため、前処理液塗布部16は、基板10のX方向に移動することで、該基板10の全面に亘って前処理液を塗布することができる。
ここで、塗布スプレー26は、塗布ノズル11に対して+X方向に配置されているため、塗布ノズル11よりも先に基板10上を通過し、塗布液の塗布に先立ち基板10上に前処理液を塗布することができる。塗布スプレー26は、前処理液として水を基板10上に塗布する。
また、塗布スプレー26は、塗布ノズル11の開口部11aの長さ方向に複数配置されており、これにより基板10のY方向に沿う幅方向の全域に亘って前処理液を塗布することができる。なお、前処理液としては、上述した水の他、イソプロピルアルコール、メタノール水溶液等を使用してもよい。
図7は塗布ノズル11による塗布液の塗布処理を説明するための図である。
本実施形態において、塗布ノズル11は、基板10の手前(外側)、基板端部から塗膜が形成できるように、塗布ポンプ7及び塗布スプレー26を駆動させ、前処理液及び塗布液の塗布を開始する。ここで、基板10と塗布ノズル11との距離(塗布ギャップ)は、例えば600μmに設定され、塗布ノズル11の走行速度は100mm/secに設定される。
従って、基板10の端部に到達するまでの間、基板10の外に前処理液及び塗布液が排出されてしまう。このとき、基板10から外れた前処理液及び塗布液は、ドレインパン12に排出される。なお、図7(a)においては、前処理液のみがドレインパン12上に排出された状態を示している。
ここで、基板10は、ドレインパン12上に支持ピン17により上方に持ち上げられた状態に保持されている。よって、基板10の裏面(支持ピン17に支持される側の面)がドレインパン12に排出された前処理液及び塗布液によって汚染されるといった不具合が生じることを防止できる。
このように本実施形態に係る塗布部2によれば、基板10の外側から塗布液の塗布を開始した構成を採用した場合に起因する問題(基板10の汚染)を解消することができる。
なお、ドレインパン12に排出された前処理液及び塗布液(廃液)は、ドレインパン12に設けられた排出溝12aに入り込む。排出溝12aは、上述のように底面が傾斜する方向に設けられた不図示の廃液回収タンク内に回収される。なお、廃液回収タンクに回収された廃液について塗布液及び前処理液を分離する処理を行った後、それぞれ塗布ノズル11及び塗布スプレー26に供給することで再利用するようにしても構わない。
このような構成に基づき、塗布部2は、図7(b)に示されるように基板10の端部から前処理液が塗布された上に続けて塗布液を塗布することができる。基板10上に前処理液が塗布されると、該前処理液によってポーラス部上に薄膜が形成される。前処理液に続いて塗布ノズル11から塗布された塗布液は、前処理液により形成されている薄膜上に重ねて塗布されることとなる。前処理液による薄膜は、ポーラス部側からの塗布液内への気泡の入り込みを防止する。よって、塗布ノズル11は、気泡の入り込みを防止した状態に基板10上に塗布液を塗布することができる。
このようにして、塗布部2は、塗布ノズル11を基板10の他端(+X方向の端部)まで移動させることで気泡を混入させることなく、基板10の全面に亘って塗布液を良好に塗布することができる。以上により、塗布ノズル11による塗布処理が終了する(ステップS3)。
塗布部2は、基板10に対する塗布液の塗布処理が終了すると、塗布ノズル11の先端の開口部11aの洗浄処理を行う。具体的に塗布部2は、図7(c)に示すように、塗布ノズル11をノズル洗浄部14に移動させる。ノズル洗浄部14は、洗浄部18により塗布ノズル11の先端の開口部11aに洗浄液(例えば、水)を吹き付けて洗浄を行う(図3参照)。洗浄部18は、塗布ノズル11の開口部11aを挟持するように配置されているため、開口部11aに対して洗浄液を効率よく吹き付けることで開口部11aについて高い洗浄性を得ることができる。
塗布装置100は、ノズル洗浄部14による塗布ノズル11に対する洗浄処理が行われるタイミングに合わせて、塗布部2内から塗布処理済みの基板10の搬出を行う。具体的に搬送ロボット4は、基板10を塗布部2から減圧乾燥室3に搬出する搬出動作を行う。
減圧乾燥室3は、第一開口部32を閉塞するゲートバルブGB1を開くことで処理室30a内と外部とを連通させる。搬送ロボット4は、第一開口部32を介して基板10をチャンバー30内に搬入する。搬送ロボット4は、チャンバー30内に設けられた基板搬送部34(複数のローラー34a)に基板10を受け渡す。
減圧乾燥室3は、処理室30aに基板10を搬入した後、ゲートバルブGB1を閉じる。その後、減圧乾燥室3は排気部36及び加熱部37を駆動させる。排気部36は、処理室30aを吸引し当該処理室30aの気体をチャンバー30の外部に排出して、処理室30aを減圧する。加熱部37は、処理室30aに配置された基板10上の塗布液を加熱する。このようにして、減圧乾燥室3は、処理室30aを減圧させた状態で加熱部37による加熱を行うことで塗布液に含まれる溶媒の蒸発を促進させ、基板10上の塗布液を乾燥させることで良質な塗布膜(塗装膜)を形成することができる。
なお、基板10は上述のように表面がポーラス状であることから塗布液中に気泡が入り込むおそれがあるものの、本実施形態に係る塗布装置100によれば、基板10の外側から前処理液の塗布及び塗布液の処理を行うことで塗布液中への気泡の混入を防止することができる。よって、気泡の混入がない塗布膜を減圧乾燥することで得た塗布膜は、良質な膜質を備えた信頼性の高いものとなる。
減圧乾燥室3は、基板10上の塗布液を乾燥させた後、第二開口部33を閉塞するゲートバルブGB2を開くことで処理室30a内と外部とを連通させる。減圧乾燥室3は、基板搬送部34(複数のローラー34a)を駆動させる。具体的に複数のローラー34aをY軸周りに時計回りに回転させることにより、基板10を第二開口部33を介して処理室30aから基板搬出部8へと搬送する。
塗布装置100は、基板搬出部8に搬送された基板10を不図示の外部装置(例えば、塗布工程の後に行われる加工処理を行う加工装置)に受け渡す。
搬送ロボット4は、減圧乾燥室3に基板10を搬入した後、新しい別の基板10を塗布部2内に搬入する。
このように塗布装置100は、搬送ロボット4により塗布部2内に基板10を順次搬入するとともに、塗布処理済みの基板10を搬出して減圧乾燥室3内に搬入することで良質な塗布膜が形成された基板10を効率よく得ることができる。
以上説明したように本実施形態に係る塗布装置100によれば、基板10から外れた塗布液がドレインパン12により回収されるので、基板10の種類によらず、当該基板10の外側から塗布液を塗布することができる。また、基板10は支持ピン17によりドレインパン12と離間した状態とされるので、ドレインパン12に排出された塗布液によって基板10が汚れるといった不具合の発生が防止される。また、支持ピン17が高さ調整可能に構成されているので、基板10の水平度を容易に調整することができる。
また、塗布装置100は、塗布液を塗布した際に気泡が生じるおそれのあるポーラス状の基板10に対し、前処理液を塗布した後に続けて塗布液を塗布することができる。よって、気泡の発生を抑えて塗布液を基板10上に塗布することができる。また、前処理液として水を用いることで上述した気泡の発生を抑えつつ、処理液としてのコストを抑えることができる。
また、塗布装置100は、循環機構15により塗布ノズル11と塗布液タンク5との間で塗布液を循環させることができるので、当該塗布液として沈降性の高い材料を用いることができる。
また、循環機構15は、撹拌機構24(撹拌子27)を備えるので、塗布液タンク5内に貯留した沈降性の高い塗布液を良好に撹拌して沈降の発生を抑制できる。
さらに、循環機構15は、塗布ノズル11から排出された塗布液を循環用ドレイン22により塗布液タンク5に戻すので、塗布液の無駄を無くし、コスト低減を実現できる。
また、塗布装置100は、循環機構15をノズル待機時のみに動作させるので、循環機構15の駆動が最小限に抑えられることとなり、装置全体としての消費電力を抑えることができる。
また、塗布装置100は、ノズル洗浄部14を備えるので、塗布ノズル11の状態を良好に保つことができるので、常に基板10上に塗布液を良好に塗布することができる。
以上、本発明に係る一実施形態について説明したが、本発明の構成は上記説明に限定されることはなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜置き換え可能である。
例えば、上記実施形態では、塗布液を塗布する基板10として、ポーラス状のものを例示したが、例えばガラス基板、樹脂基板等の非ポーラスのものに塗布液を塗布するようにしても構わない。この場合、前処理として基板を洗浄する洗浄液を塗布し、洗浄処理後の基板10に対して塗布液を塗布することが可能となる。よって、基板10に付着した異物やゴミ等を除去した状態で塗布液を塗布することが可能となるので、基板10上に塗布液を均一に塗布することができる。
或いは、ガラス基板の場合、塗布液を直接塗布した場合であっても、上述したような気泡の発生が問題とならないため、基板の洗浄は不要である。この場合、前処理液塗布部16を省略することができ、これによれば、装置構成が簡略化され、装置のコスト低減を図ることができる。
また、上記実施形態では、基板10の外側から塗布液を塗布する場合を例に挙げたが、基板10の端部から塗布液の塗布を開始するようにしても構わない。
図8は変形例に係る塗布ノズル11の塗布処理を説明するための図である。
図8(a)において、塗布ノズル11は、基板10の端部上から塗膜が形成できるように、塗布ポンプ7及び塗布スプレー26を駆動させ、前処理液及び塗布液の塗布を開始する。なお、基板10の種類によっては前処理液を塗布せず、塗布液のみを塗布するようにしてもよい。
塗布部2は、図8(b)に示されるように基板10の端部上から前処理液および塗布液を順に塗布することができる。塗布部2は、塗布ノズル11を基板10の他端(+X方向の端部)まで移動させることで気泡を混入させることなく、基板10の全面に亘って塗布液を良好に塗布することができる。
塗布部2は、基板10に対する塗布液の塗布処理が終了すると、図8(c)に示すように、塗布ノズル11をノズル洗浄部14に移動させ、先端の開口部11aを洗浄する(図3参照)。
本変形例に係る塗布処理によれば、前処理液及び塗布液が概ね基板10に塗布されるので、ドレインパン12が受ける前処理液及び塗布液の量を抑えることができる。よって、前処理液及び塗布液の無駄を少なくすることができ、結果的に塗布処理を低コストで行うことができる。
また、上記実施形態においては、塗布液を塗布液タンク5から塗布ノズル11に充填する塗布ポンプ7と、塗布ノズル11から排出された塗布液を再度塗布ノズル11に循環させる循環ポンプ23とを別個に設ける場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、循環ポンプ23において、塗布ポンプ7の機能を兼ねるようにしてもよく、この場合、図9に示すように塗布ノズル11と塗布液タンク5との間の塗布経路6には循環ポンプ23のみが設けられることとなる。このように循環ポンプ23によって塗布ポンプ7の機能を兼用することで、装置全体の部品点数を減らすことができ、結果的に低コスト化を図ることができる。
3…減圧乾燥室、5…塗布液タンク(貯留タンク)、7…塗布ポンプ(充填ポンプ)、10…基板、11…塗布ノズル、12…ドレインパン、13…基板支持部材、14…ノズル洗浄部、15…循環機構、16…前処理液塗布部、17…支持ピン、23…循環ポンプ、27…撹拌子(撹拌部材)、100…塗布装置

Claims (14)

  1. 基板の上方を移動しつつ塗布液を塗布する長尺状の塗布ノズルと、
    前記基板から外れた前記塗布液を受けることが可能なドレインパンと、
    前記基板を複数個所で支持して前記ドレインパンから離間させた状態に支持する支持部材と、
    を備えることを特徴とする塗布装置。
  2. 塗布液を貯留する貯留タンクと前記塗布ノズルとの間で前記塗布液を循環させる循環機構をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記循環機構は、前記塗布ノズルの待機時のみに動作することを特徴とする請求項2に記載の塗布装置。
  4. 前記循環機構は、前記貯留タンク内で前記塗布液を撹拌させる撹拌部材を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の塗布装置。
  5. 前記循環機構は、前記塗布ノズルと前記貯留タンクとの間で前記塗布液を循環させる循環ポンプを含み、
    前記循環ポンプは、前記塗布液を前記貯留タンクから前記塗布ノズルに充填する充填ポンプの機能を兼ねることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の塗布装置。
  6. 前記循環機構は、前記塗布ノズルから吐出された前記塗布液を受ける循環用ドレインを含み、
    前記塗布液は、前記循環用ドレインから前記貯留タンクへと戻されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の塗布装置。
  7. 前記塗布液の塗布に先立ち、前記基板に前処理液を塗布する前処理液塗布部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗布装置。
  8. 前記塗布ノズルは、前記前処理液塗布部の塗布動作に連動して前記基板に前記塗布液を塗布することを特徴とする請求項7に記載の塗布装置。
  9. 前記前処理液が水であることを特徴とする請求項7又は8に記載の塗布装置。
  10. 前記支持部材は、前記基板を少なくとも3箇所で支持する支持ピンから構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の塗布装置。
  11. 前記支持ピンは、高さ調整が可能であることを特徴とする請求項10に記載の塗布装置。
  12. 前記塗布液がスラリー状であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の塗布装置。
  13. 前記塗布液が塗布された前記基板を減圧乾燥する乾燥部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の塗布装置。
  14. 前記塗布ノズルを洗浄するノズル洗浄部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の塗布装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016213313A (ja) * 2015-05-08 2016-12-15 東京エレクトロン株式会社 塗布処理装置および塗布処理方法

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