JP2014112408A - 非接触icカード - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時において非接触ICチップの損傷を防止でき、また、表面の平坦性を向上し、携行時等において非接触ICチップの損傷を防止できる非接触ICカードを提供する。
【解決手段】ICカード1は、ICチップ22が設けられたモジュール基材21と、モジュール基材21の下側に積層され、ICチップ22に対応する領域に孔部112aを有するスペーサ層112と、モジュール基材21よりも上側に配置された上層110と、モジュール基材21よりも下側に配置された下層130とを備え、各シートが軟化するまで加熱後、加圧をすることにより、スペーサ層と112と下層130との層間のうちモジュール基材21よりも外形の大きい領域が溶着され、上層110は、加熱により軟化した状態で徐々に加圧を増加されることにより、ICチップ22を埋め込むように形成されたICチップ収容部110aを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、外部との間で非接触により通信可能な非接触ICカードに関するものである。
従来から、外部との間で非接触で情報通信可能なICカードがあった(例えば特許文献1)。このICカードは、複数の層を積層して、加圧して製造する方法があった。
しかし、従来のICカードは、総厚みを薄く形成しようとすると、製造時において、非接触ICチップに加圧する場合に、非接触ICチップが損傷してしまうことがあった。
また、従来のICカードは、非接触ICチップに対応する部分が、膨らんでしまうため、平坦性が十分ではなく、携行時等において、非接触ICチップに負荷がかかりやすく、非接触ICチップが損傷してしまう場合があった。
特開2006−18362号公報
本発明の課題は、製造時において非接触ICチップの損傷を防止でき、また、表面の平坦性を向上し、携行時等において非接触ICチップの損傷を防止できる非接触ICカードを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
第1の発明は、非接触ICチップ(22)が実装され、前記非接触ICチップに電気的に接続され外部との間で非接触により情報の授受を行うアンテナ(23)が設けられたモジュール基材と、熱可塑性樹脂シートにより形成され、カード表面を法線方向から見たときに、前記モジュール基材よりも外形が大きく、前記モジュール基材の一方の面側に配置された第1シート層(10)と、熱可塑性樹脂シートにより形成され、カード表面を法線方向から見たときに、前記第1シート層と外形が同等であり、前記モジュール基材の前記一方の面とは異なる面である他方の面側に配置された第2シート層(30)とを備え、前記第1シート層、前記モジュール基材及び前記第2シート層は、積層された状態で、前記各シートが軟化するまで加熱後、加圧をすることにより、前記第1及び第2シート層のうち前記モジュール基材よりも外形の大きい領域である縁部(10b,30b)が溶着され、前記第1及び第2シート層のうち少なくとも1つは、前記加熱により軟化した状態で徐々に前記加圧を増加されることにより、前記非接触ICチップを埋め込むように形成された非接触ICチップ収容部(10a)を有すること、を特徴とする非接触ICカードである。
第2の発明は、熱可塑性樹脂シートにより形成され、非接触ICチップ(22)が実装され、前記非接触ICチップに電気的に接続され外部との間で非接触により情報の授受を行うアンテナ(23)が設けられたモジュール基材(21)と、熱可塑性樹脂シートにより形成され、前記モジュール基材の一方の面側に配置された第1シート層(10)と、熱可塑性樹脂シートにより形成され、前記モジュール基材の前記一方の面とは異なる面である他方の面側に配置された第2シート層(30)とを備え、前記第1シート層、前記モジュール基材及び前記第2シート層は、積層された状態で、前記各シートが軟化するまで加熱後、加圧をすることにより、前記第1シート層及び前記モジュール基材の層間部が溶着され、前記モジュール基材及び前記第2シート層の層間部が溶着され、前記第1及び第2シート層のうち少なくとも1つは、前記加熱により軟化した状態で徐々に前記加圧を増加されることにより、前記非接触ICチップを埋め込むように形成された非接触ICチップ収容部(10a)を有すること、を特徴とする非接触ICカードである。
第3の発明は、熱可塑性樹脂シートにより形成され、非接触ICチップ(22)が実装され、前記非接触ICチップに電気的に接続され外部との間で非接触により情報の授受を行うアンテナ(23)が設けられたモジュール基材(21)と、熱可塑性樹脂シートにより形成され、カード表面を法線方向から見たときに、前記モジュール基材よりも外形が大きく、前記モジュール基材の一方の面側に配置された第1シート層(10)と、熱可塑性樹脂シートにより形成され、カード表面を法線方向から見たときに、前記第1シート層と外形が同等であり、前記モジュール基材の前記一方の面とは異なる面である他方の面側に配置された第2シート層(30)とを積層して配置する積層工程と、前記第1シート層、前記モジュール基材及び前記第2シート層を積層した状態で、前記第1及び前記第2シート層が軟化するまで加熱する加熱工程と、前記加熱工程で前記第1及び前記第2シート層が軟化した状態で、徐々に加圧を増加することにより、前記第1及び第2シート層のうち少なくとも1つに、前記非接触ICチップを埋め込む非接触ICチップ収容部(10a)を形成する非接触ICチップ収容部形成工程と、前記非接触ICチップ収容部を形成後、又は前記非接触ICチップ収容部を形成しながら、加熱及び加圧をすることにより、前記第1及び第2シート層のうち前記モジュール基材よりも外形の大きい領域である縁部(10b,30b)を溶着する接着工程と、を備える非接触ICカードの製造方法である。
第4の発明は、熱可塑性樹脂シートにより形成され、非接触ICチップ(22)が実装され、前記非接触ICチップに電気的に接続され外部との間で非接触により情報の授受を行うアンテナ(23)が設けられたモジュール基材(21)と、熱可塑性樹脂シートにより形成され、前記モジュール基材の一方の面側に配置された第1シート層(10)と、熱可塑性樹脂シートにより形成され、前記モジュール基材の前記一方の面とは異なる面である他方の面側に配置された第2シート層(30)とを積層して配置する積層工程と、前記第1シート層、前記モジュール基材及び前記第2シート層を積層した状態で、前記第1及び前記第2シート層が軟化するまで加熱する加熱工程と、前記加熱工程で前記第1及び前記第2シート層が軟化した状態で、徐々に加圧を増加することにより、前記第1及び第2シート層のうち少なくとも1つに、前記非接触ICチップを埋め込む非接触ICチップ収容部(10a)を形成する非接触ICチップ収容部形成工程と、前記非接触ICチップ収容部を形成後、又は前記非接触ICチップ収容部を形成しながら、加熱及び加圧をすることにより、前記第1シート層及び前記モジュール基材の層間部を溶着し、前記モジュール基材及び前記第2シート層の層間部を溶着する接着工程と、を備える非接触ICカードの製造方法である。
第5の発明は、第3又は第4の発明の非接触ICカードの製造方法において、前記非接触ICチップ収容部形成工程は、前記加熱工程終了後、待機時間経過してから、加圧を開始すること、を特徴とする非接触ICカードの製造方法である。
第6の発明は、第3から第5までのいずれかの発明の非接触ICカードの製造方法において、接着工程及び非接触ICチップ収容部形成工程は、平坦性を有する面(31,32)で前記第1及び第2シート層の表面を加圧すること、を特徴とする非接触ICカードの製造方法である。
第7の発明は、第3から第6までのいずれかの発明の非接触ICカードの製造方法において、前記第1シート層(110,210)及び前記第2シート層(130,230)のうち少なくとも1つは、厚みが前記非接触ICチップ(22)よりも薄く、前記非接触ICチップに対応する領域に孔部を有するスペーサ層(112,212,232)を有し、前記積層工程は、前記スペーサ層の前記孔部に前記非接触ICチップを収容するように、前記第1シート層、前記モジュール基材(21)及び前記第2シート層を積層すること、を特徴とする非接触ICカードの製造方法である。
第8の発明は、第3から第7までのいずれかの発明の製造方法により製造された非接触ICカードである。
第9の発明は、第1、第2及び第8のいずれかの発明の非接触ICカードにおいて、前記非接触ICチップ(22)の厚みが75μm以上160μm以下であり、カード表面のうち前記非接触ICチップを収容している部分の段差が10μm以下であり、このカードの総厚みが450μm以下であること、を特徴とする非接触ICカードである。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、第1及び第2シート層をモジュール基材よりも大きく構成し、これらを積層した状態で、各シートが軟化するまで加熱をし、加圧をすることにより、第1及び第2シート層の縁部を溶着し、かつ、非接触ICチップ収容部を形成するので、製造時に、非接触ICチップにかかる負荷を低減して、非接触ICチップの損傷を防止できる。
また、本発明は、各シートを軟化させて、非接触ICチップ収容部を形成するので、カード表面の平坦性を向上できる。つまり、非接触ICチップが収容している部分の膨らみを低減できる。このため、例えば、カードを重ねて携行する場合等に、この部分ばかりに外力がかかることを防止できるので、非接触ICチップの損傷やこの部分の表面の損傷を防止でき、また、印字特性を向上できる。
さらに、本発明は、層構成を簡単にでき、薄型化を図ることができる。
(2)本発明は、第1シート層、モジュール基材及び第2シート層を積層した状態で、各シートが軟化するまで加熱をし、加圧をすることにより、各層間を溶着し、かつ、非接触ICチップ収容部を形成するので、上記(1)と同様な効果を奏することができる。
また、本発明は、第1及び第2シート層の縁部を溶着しなくても各層間を溶着できるので、第1及び第2シート層をモジュール基材と同様な外形にでき、カードの外形を小さくできる。
(3)本発明は、平坦性を有する面で第1及び第2シート層の表面を押圧するので、カード表面の平坦性をより向上できる。これにより、非接触ICチップの損傷防止の効果を向上できる。
(4)本発明は、非接触ICチップに対応する領域に孔部を有するスペーサ層を有するので、加圧時において、非接触ICチップにかかる負荷を低減できる。これにより、接触ICチップに対してより大きな圧力で加圧でき、製造時間を短縮できる。また、非接触ICチップ収容部を収容するために、非接触ICチップに押し出された樹脂を、孔部に収容できるので、非接触ICチップ収容部周囲の樹脂のひずみを低減できる。
(5)本発明は、前述したように、軟化させてから加圧するので、非接触ICチップの厚みが75μm以上160μm以下としても、製造時に非接触ICチップが損傷すること防止できる。また、非接触ICチップ収容部を形成し、非接触ICチップを第1又は第2シート層に埋め込むので、カード表面のうち非接触ICチップを収容している部分の段差を10μm以下に形成し、かつ、総厚みが450μm以下の薄型のカードを製造できる。
第1実施形態のICカード1の平面図及び断面図である。 第1実施形態のICカード1の製造方法を説明する図である。 第2実施形態のICカード101,201の層構成を示す断面図である。 第2実施形態のICカード101,201の製造条件を説明するグラフ及び表である。 第3実施形態のICカード301の接着前及び接着後の層構成を示す断面図である。
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のICカード1の平面図及び断面図である。
図1(a)は、ICカード1の平面図であり、図1(b)は、ICカード1の断面図(図1(a)に示すB−B部矢視断面図)である。
なお、以下、図1(b)に示す方向Z1を上側、その反対側の方向Z2を下側として説明する。
ICカード1(非接触ICカード)は、上層10(第1シート層)と、個片インレット層20と、下層30(第2シート層)とを備えている。
上層10は、ICカード1の上側に配置されたシートである。上層10は、ICカード1の表面をその法線方向から見たときの形状(以下、「平面形状」という)が、長方形である。上層10は、単一のシート材により形成されていても、複数のシート材が積層されて形成されていてもよい。上層10は、ICチップ22を収容するために、下面を窪ませるように形成したICチップ収容部10a(非接触ICチップ収容部)を有している。
個片インレット層20は、基材21(モジュール基材)と、ICチップ22(非接触ICチップ)と、アンテナコイル23とを備えている。
基材21は、平面形状が上層10及び下層30よりも一回り小さくなるように、形成されている。
ICチップ22は、半導体集積回路素子であり、ICカード1の使用目的に応じた識別情報等が記憶されている。ICチップ22は、基材21の上側の面に金バンプ等により実装される。
ICチップ22は、アンテナコイル23と電気的に接続され、これから必要な電力が供給される。そして、ICチップ22は、外部のリーダライタ(図示せず)と通信して、識別情報の認証や書き換え等を行う。
アンテナコイル23は、ICチップ22が外部のリーダライタと通信を行なうためのアンテナである。アンテナコイル23は、基材21の上側の面に形成された導体であり、エッチング等の方法により形成される。アンテナコイル23は、リーダライタにICカード11をかざしたときに、リーダライタが形成する磁界により電流が発生して、ICチップ22に電力を供給する。これにより、ICチップ22は、外部のリーダライタとの間で無線で非接触により情報の授受を行い、ICチップ22の識別情報の認証等を行なう。また、このとき必要な情報は、この磁界に乗せられる。
下層30は、ICカード1の下側に配置されたシートである。下層30は、平面形状が上層10と同等である。
上層10、基材21及び下層30は、全てPET系の熱可塑性樹脂シートにより形成される。上層10及び下層30は、PET−Gシートであり、基材21は、PETシートである。
各層の厚みは、以下の通りである。
上層10: 125μm
個片インレット層20:
ICチップ22:120μm(実装状態の厚み)
基材21:70μm
下層30:105μm
ICカード1の総厚み(上層10、基材21、下層30を合計した厚み):300μm
なお、上記各層の厚みは、一例であり、用途等に応じて、自由に設定できる。例えば、ICチップ22の上面からシート表面までの長さd3(図1参照)は、本実施形態では、5μm(=上層10の厚み−ICチップ22の厚み)であるが、50μm以下であれば、総厚みが450μm以下の薄型のICカードを製造できる。
例えば、基材21が70μm、ICチップ22が120μmであり、上層10及び下層30がそれぞれ130μmである場合には、長さd3は、10μmになり、総厚み330μmの薄型のICカード1を製造できる。
ICチップ22は、厚み75μm程度の薄型のものであっても、後述するようにICチップ収容部形成工程において、上層10を軟化させてから加圧するので、集中応力が緩和されて破損の可能性が低くなる。
一方、ICチップ22は、160μm程度の厚型のものであっても、後述するようにICチップ収容部形成工程において上層10にICチップ収容部10aを形成し、上層10に埋め込まれるので、また、ICチップ22上部の樹脂を周囲に押し退けるので、ICカード1は、薄型化が可能となる。
また、ICチップ22が薄型、厚型のものいずれであっても、後述するように、上層10の上面及び下層30の下面は、膨らんで盛り上ったりすることがなく、段差(窪みの谷及び膨らみの山の頂点の差)を10μm以下にして、平坦に形成できる。
図2は、第1実施形態のICカード1の製造方法を説明する図である。
図2(a)は、積層工程及び低圧加熱工程のICカード1の断面図である。
図2(b)は、接着工程から加圧停止工程までのICカード1の断面図である。
図2(c)は、ICカード1の製造時における加熱、加圧及び各工程時間の関係を説明するグラフである。
図2(d)は、ICカード1の製造条件を変更した場合のICチップの損傷を説明する表である。
ICカード1は、以下の手順で製造する。
(1)積層工程(図2(c)に示す時間T0)
図2(a)に示すように、熱プレス機の下台31上に、上側から上層10、個片インレット層20、下層30の順に積層する。
(2)低圧加熱工程(図2(c)に示す時間T0〜T2)
熱プレス機の上板32を、上層10の上面に接するまで降下して、低圧P1をかけながら、上層10及び下層30を加熱する。
低圧P1は、上層10の上面及び上板32の面接触を維持でき、上板32の熱を上層10に熱伝達でき、一方、下層30の下面及び下台31の面接触を維持でき、下台31の熱を上層10に熱伝達できればよい程度の低い圧力である。このため、低圧P1は、ICチップ22が破損しない程度の圧力である。
なお、上板32の下面、及び、下台31の上面は、ICカード1の上面及び下面を平坦に形成するために、十分な平坦性を有している。
(3)定温維持工程(図2(c)に示す時間T1〜T4)
上層10及び下層30の温度が温度A1に達し、上層10及び下層30が軟化したら、加熱を停止して(図2(c)に示す時間T1)、その後、加熱停止工程(後述する)まで、上層10及び下層30の温度が一定になるように、熱プレス機を調整する。
(4)加圧開始工程(図2(c)に示す時間T2)
熱プレス機の圧力を、圧力P1から増加する。
(5)ICチップ収容部形成工程(図2(c)に示す時間T2〜T3)
熱プレス機の圧力を、圧力P1から圧力P2まで徐々に増加する。上層10は、軟化、加圧されるので、ICチップ22に当接している部分10bが徐々に変形し、ICチップ22よりも上部の樹脂を周囲に押し退け、また、ICチップ22が徐々に上層10に埋め込まれて、ICチップ22を収容するICチップ収容部10aが形成される。これにより、ICチップ22にかかる負荷を低減して、ICチップ22の損傷を防止できる。
また、ICチップ収容部10aが形成されることにより、上層10及び下層30の隙間dは、徐々に小さくなっていく。
(6)加圧停止工程(図2(c)に示す時間T3)
圧力P2に達したら、熱プレス機の圧力増加を停止する。
図2(b)に示すように、このときには、上層10の下面が基材21の上面に当接し、上層10及び下層30の隙間dは、ゼロになっている。
また、上層10が軟化して、ICチップ収容部10aが形成されるので、上層10の上面及び下層30の下面は、膨らんで盛り上ったりすることがなく、平坦に形成できる。
(7)定圧定温接着工程(接着工程,図2(c)に示す時間T3〜T4)
定圧の圧力P2、定温の温度A1の状態を維持する。
この工程では、上層10及び下層30の隙間dが既にゼロになっているので、以下のように各層が接着される。
上層10及び下層30は、上層10の下面の縁部10b、及び下層30の上面の縁部30bが当接しているので、熱溶着される。なお、上層10及び下層30は、同一のPET−Gにより形成されているので、熱溶着の相性がよりよく、より強固に接着できる。
また、前述したように、上層10の上面は、平坦に形成され凹凸が少なく形成されているので、全面に渡って上板32にほぼ均等な圧力で面接触する。これにより、上層10の上面のうちICチップ22を収容している部分に、大きな圧力がかかることを防止して、ICチップ22の破損を防止できる。
(8)加熱停止工程(図2(c)に示す時間T4)
上記各層が接着されたら、加熱を停止する。
(9)冷却工程(図2(c)に示す時間T4〜T5)
継続して加熱を停止して、各層を十分に冷却する。
なお、上層10の厚みは、120μmであり、下層30の厚みは、105μmであり、両者は、ほぼ同等の厚みである。
この厚みの設定と、冷却工程により、ICカード1は、反りや、変形を防止でき、製造後にも形態が維持できる。
(10)加圧停止工程(図2(c)に示す時間T5)
各層が十分に冷却されたら、熱プレス機の圧力増加を停止して、一連の工程を終了する。製造されたICカード1は、熱プレス機から取り出す。
なお、上記工程は、その工程における主な作用を説明するものであり、上記説明は、各工程が、完全に分離していることを限定するものでない。例えば、ICチップ収容部形成工程(時間T2〜T3)と、接着工程(時間T3〜T4)とは、一部が重複するようにしてもよい。つまり、ICチップ収容部10aが完全に形成されていない状態で、接着工程が開始されて、各層間の接着が開始されてもよい。
ICカード1の製造における加熱及び加圧条件について説明する。
図2(d)は、A1=120℃、P2=200N/cmを固定条件とし、低圧加熱工程における低圧P1及び加圧時間T0〜T2、定圧定温接着工程における定圧P2及び時間T3〜T4の条件を変更してICカード1を製造した場合に、ICチップ22の損傷を調べたものである。つまり、PETの溶着条件を、A1=120℃、圧力P2=200N/cmとして、これを固定条件にして、他の条件を変更したものである。
条件1では、P1=30N/cmの圧力であり、T0〜T2=15分であり、高圧力かつ長時間の加圧により、ICチップが損傷してしまったと考えられる。
条件2では、P1=10N/cmであり、T0〜T2=5分であり、条件1よりも各条件を緩和したが十分ではないために、ICチップが損傷しまったと考えられる。
条件3では、P1=0.5N/cmであり、T0〜T2=5分であり、条件2よりも加圧条件を緩和することにより、ICチップが損傷することがなかった。
以上のように、上記工程及び条件3に従ってICカード1を製造することにより、ICチップ22が損傷しないことを確認できた。
なお、実際に条件3で製造したICカード1は、上面及び下面のうちICチップ22を収容している部分の段差(凹凸の差)を測定し、段差を10μm以下にできることを確認済みである。
また、条件3で製造したICカード1は、ISO/IEC14443 TypeAの規格を満足できることを確認済みである。
以上説明したように、簡単の層構成、簡単な工程により、ICチップ22を損傷させることなく、薄型のICカード1を製造できる。
また、ICカード1は、その上面及び下面を、ICチップが収容している部分の膨らみを低減して、平坦に形成できる。このため、例えば、カードを重ねて携行する場合等に、この部分ばかりに外力がかかることを防止できるので、ICチップ22の損傷を防止できるし、カード表面の亀裂等の損傷を防止できる。さらに、上面及び下面を平坦に形成できるので、印刷特性を向上できる。
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図3は、第2実施形態のICカード101,201の層構成を示す断面図である。
図3(a)は、ICカード101の接着前及び接着後の層構成を示す断面図である。
図3(b)は、ICカード201の接着前及び接着後の層構成を示す断面図である。
図3(a−1)に示すように、上層110は、上シート111と、スペーサ層112とを備えている。上シート111及びスペーサ層112は、PET−Gにより形成される。
上シート111の厚みは、120μmである。
スペーサ層112の厚みは、80μmであり、ICチップ22よりも薄い。スペーサ層112は、ICチップ22に対応する領域に、孔部112aを有している。孔部112aの開口径は、ICチップ22の平面形状の外形よりも大きい。
このため、スペーサ層112の孔部112aにICチップ22を収容するように、上層110、個片インレット層20、下層30を積層すると、上シート111の下面が、ICチップ22に当接することになる。
ICカード101の製造時には、上シート111及びICチップ22が当接して、上シート111にICチップ収容部110aが形成される。
図3(a−2)に示すように、このとき、その部分の樹脂は、ICチップ22に押し出されるようにして、孔部112aに収容される。
これにより、上シート111のうちICチップ収容部110aの周囲の樹脂のひずみを低減できる。
図3(b−1)に示すように、ICカード201は、上層210だけではなく、下層230もスペーサ層232及び下シート231の2層構成である。
下層230のスペーサ層232は、上層210のスペーサ層212の孔部212aと同様な、孔部232aを備えている。
各層の厚みは、以下の通りである。
上層210:
上シート211:70μm
スペーサ層212:40μm
個片インレット層(第1実施形態と同様):
ICチップ22:120μm
基材:70μm
下層230:
スペーサ層232:40μm
下シート231:80μm
図3(b−2)に示すように、ICカード201は、以上の層構成により、ICチップ収容部210aを形成するときに、個片インレット層20が下側にも変形して、ICチップ収容部210aが下層230側にも形成される。このため、ICカード201は、上層210を薄く形成できるので、カードの総厚みをより薄くできる。
図4は、第2実施形態のICカード101,201の製造条件を説明する表である。
図4(a)は、製造工程における熱プレス機の圧力の変化を説明するグラフである。
図4(b)は、ICカード101,201の製造条件を説明する表である。
ICカード101,201の製造条件は、第1実施形態のICカード1の条件3と比較すると、低圧P1がP1=15N/cmであり、第1実施形態よりも大きい。
このように、本実施形態が低圧P1を第1実施形態よりも大きくできる理由は、P1=16N/cmという高い圧力で加圧することにより、ICチップ22が変形しても、スペーサを有しているために、各層が面接触する。このため、ICチップ22がある程度以上変形せず、ICチップ22が破損するまで、ICチップ22に圧力がかかることがない。
以上説明したように、第2実施形態のICカード101,201は、スペーサ層を備えることにより、第1実施形態よりも大きな圧力がかかっても、ICチップ22が損傷することがないので、製造時におけるICチップ22の損傷を防止できる。
(第3実施形態)
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
図5は、第3実施形態のICカード301の接着前及び接着後の層構成を示す断面図である。
図5(a)に示すように、下層330には、予め、上面に窪み330aが設けられている。
このため、ICカード301は、製造工程において、加圧されると、個片インレット層20が下側にも変形して、ICチップ収容部310aが下層330側にも形成される。
これによっても、ICカード301は、第2実施形態のICカード201と同様に、上層310を薄く形成できるので、カードの総厚みをより薄く形成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)実施形態において、上層及び下層の縁部を溶着して、カードを形成する例を示したがこれに限定されない。例えば、上層、下層及びモジュール基材を全てPET−Gとして、上層及びモジュール基材を溶着可能とし、モジュール基材及び下層を溶着可能としてもよい。この場合、接着(溶着)面積を大きくできるので、各層間を強固に接着でき、また、縁部を設ける必要ないので、カード外形を小さくできる。なお、異なる樹脂同士でも、熱溶着可能で接着できるものであれば、種々の樹脂シートを選択できる。
また、例えば、上層及びモジュール基材の間に接着シートを配置して溶着可能とし、モジュール基材及び下層の間に接着シートを配置して溶着可能としてもよい。
(2)実施形態において、ICチップは、基材の上面に実装されている例を説明したが、これに限定されない。例えば、ICチップは、基材の両面に実装していてもよい。この場合には、前述した工程により、上層及び下層の両層にICチップ収容部を設けることができる。
1,101,201,301 ICカード
10,110,210,310 上層
10a,110a,210a,310a ICチップ収容部
20 個片インレット層
21 基材
22 ICチップ
23 アンテナコイル
30,230,330 下層
111 上シート
112 スペーサ層
112a 孔部
231 下シート
232 スペーサ層
232a 孔部
330a 窪み

Claims (1)

  1. 非接触ICチップが実装され、前記非接触ICチップに電気的に接続され外部との間で非接触により情報の授受を行うアンテナが設けられたモジュール基材と、
    前記モジュール基材の前記非接触ICチップが設けられている側の面に積層され、前記非接触ICチップに対応する領域に孔部を有するスペーサ層と、
    熱可塑性樹脂シートにより形成され、カード表面を法線方向から見たときに、前記モジュール基材よりも外形が大きく、前記モジュール基材の一方の面側に配置された第1シート層と、
    熱可塑性樹脂シートにより形成され、カード表面を法線方向から見たときに、前記第1シート層と外形が同等であり、前記モジュール基材の前記一方の面とは異なる面である他方の面側に配置された第2シート層とを備え、
    前記スペーサ層、前記第1シート層、前記モジュール基材及び前記第2シート層は、積層された状態で、前記各シートが軟化するまで加熱後、加圧をすることにより、前記スペーサ層と、前記第1又は第2シート層との層間のうち前記モジュール基材よりも外形の大きい領域である縁部が溶着され、
    前記第1及び第2シート層のうち少なくとも1つは、前記加熱により軟化した状態で徐々に前記加圧を増加されることにより、前記非接触ICチップを埋め込むように形成された非接触ICチップ収容部を有すること、
    を特徴とする非接触ICカード。
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