JP2014112159A - 電子広告媒体 - Google Patents

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勢二 野中
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Abstract

【課題】本発明は、認知率が良好で、コスト的にも有利な電子広告媒体を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、透明基材および上記透明基材上に形成された透明電極を有する透明電極基材、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極を有する対向電極基材、ならびに、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に配置され、ツイストボールおよび低極性溶媒を含む低極性溶媒層を有するツイストボール層を有するツイストボール型電子ペーパーと、上記ツイストボール型電子ペーパーの上記透明電極基材側表面上の表示領域の一部に、交換可能に配置された固定絵柄層と、上記ツイストボール型電子ペーパーの駆動を制御する制御部と、を有することを特徴とする電子広告媒体を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、認知率が良好で、コスト的にも有利な電子広告媒体に関する。
車両、駅構内、コンビニエンスストア(C.V.S.)、スーパーマーケット(S.M.)などの店頭等に設置される広告媒体としては、紙媒体に広告の情報内容(コンテンツ)が印刷されたポスター、ステッカー等の紙広告媒体が広く用いられている。このような紙広告媒体は、一定期間、特定の場所に設置されることにより、客等に広告の情報内容を認知させることを目的とするものである。しかしながら、上記紙広告媒体が一定期間、特定の場所に設置されている場合であっても、上記紙広告媒体が客等から注目されず、広告の情報内容が十分に認知されていない場合があるという問題がある。
上記問題に対して、より広告媒体の認知率を向上させるため、可変な表示を行うことが可能な表示装置を用いた電子広告媒体として、電子ペーパーを用いた電子広告媒体(例えば、特許文献1〜2参照)が提案されている。
特開2003−162245号公報 特開2009−14954号公報 特開2011−112802号公報
ところで、電子ペーパーのなかでも、ツイストボール型電子ペーパー(例えば、特許文献3等)は、発色が良好である等の利点を有するものである。しかしながら、ツイストボール型電子ペーパーは、通常、1つのツイストボール型電子ペーパーに対して、1つの情報内容が対応するように形成される場合が多い。一方で、広告媒体は比較的短いサイクルで広告内容が更新されるものである。そのため、上記ツイストボール型電子ペーパーを上記電子広告媒体に適用した場合は、短期間の広告内容の更新の都度、新たなツイストボール型電子ペーパーが必要となることから、電子広告媒体にかかるコストが非常に高くなるという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、認知率が良好で、コスト的にも有利な電子広告媒体を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、透明基材および上記透明基材上に形成された透明電極を有する透明電極基材、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極を有する対向電極基材、ならびに、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に配置され、ツイストボールおよび低極性溶媒を含む低極性溶媒層を有するツイストボール層を有するツイストボール型電子ペーパーと、上記ツイストボール型電子ペーパーの上記透明電極基材側表面上の表示領域の一部に、交換可能に配置された固定絵柄層と、上記ツイストボール型電子ペーパーの駆動を制御する制御部と、を有することを特徴とする電子広告媒体を提供する。
本発明によれば、上記ツイストボール型電子ペーパーおよび上記固定絵柄層を有することから、上記ツイストボール型電子ペーパーにより可変の表示を行うことができ、安価に形成可能な上記固定絵柄層を交換することにより広告の情報内容の変更を行うことができるため、認知率が良好でコスト的にも有利な電子広告媒体とすることができる。
本発明においては、上記電子広告媒体が、上記ツイストボール型電子ペーパーの上記透明電極基材側表面上に配置され、透明保護基材および上記透明保護基材の一方の表面上に形成された収納部を有する透明保護部を有し、上記固定絵柄層が上記収納部に収納されて交換可能に配置されていることが好ましい。上記固定絵柄層の交換を容易に行うことができるため、汎用性の高い電子広告媒体とすることができる。
本発明の電子広告媒体は、認知率が良好で、コスト的にも有利であるとった作用効果を奏する。
本発明の電子広告媒体の一例を示す概略斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の電子広告媒体による広告方法の一例を説明する説明図である。 本発明の電子広告媒体の他の例を示す概略斜視図である。 図4のB−B線断面図である。 本発明の電子広告媒体の他の例を示す概略断面図である。 本発明に用いられる透明保護部の一例を示す概略図である。
以下、本発明の電子広告媒体について説明する。
本発明の電子広告媒体は、透明基材および上記透明基材上に形成された透明電極を有する透明電極基材、対向基材および上記対向基材上に形成された対向電極を有する対向電極基材、ならびに、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に配置され、ツイストボールおよび低極性溶媒を含む低極性溶媒層を有するツイストボール層を有するツイストボール型電子ペーパー(以下、単に電子ペーパーと称して説明する場合がある。)と、上記ツイストボール型電子ペーパーの上記透明電極基材側表面上の表示領域の一部に、交換可能に配置された固定絵柄層と、上記ツイストボール型電子ペーパーの駆動を制御する制御部と、を有することを特徴とするものである。
本発明の電子広告媒体について、図を用いて説明する。
図1は本発明の電子広告媒体の一例を示す概略斜視図であり、図2は図1のA−A線断面図である。図1および図2に例示するように、本発明の電子広告媒体100は、透明基材11aおよび透明基材11a上に形成された透明電極11bを有する透明電極基材11、対向基材12aおよび対向基材12a上に形成された対向電極12bを有する対向電極基材12、ならびに、透明電極基材11および対向電極基材12の間に配置され、ツイストボール13aおよび低極性溶媒を含む低極性溶媒層13bを有するツイストボール層13を有するツイストボール型電子ペーパー10と、ツイストボール型電子ペーパー10の透明電極基材11側表面上の表示領域Xの一部に、交換可能に配置された固定絵柄層20と、ツイストボール型電子ペーパー10の駆動を制御する制御部30と、を有することを特徴とするものである。また、図2においては、ツイストボール型電子ペーパー10が、透明電極基材11および対向電極基材12の間に配置されたシール剤14を有し、固定絵柄層20が、固定絵柄層用基材21上に形成されている例について示している。
また、ツイストボール型電子ペーパー10の表示領域Xとは、ツイストボール型電子ペーパー10により表示が行われる領域をいい、具体的には、ツイストボール型電子ペーパー10において、ツイストボール層13が配置されている平面視上の領域をいう。
また、図1、図2においては、電子広告媒体100が、ツイストボール型電子ペーパー10の透明電極基材11側表面上に配置され、透明保護基材41および透明保護基材41の一方の表面上に形成された収納部42を有する透明保護部40を有し、固定絵柄層20が収納部42に収納されて交換可能に配置されている例について示している。
また、本発明の電子広告媒体100は、ツイストボール型電子ペーパー10の対向電極基材12側に、ツイストボール型電子ペーパー10の電源部50を有していてもよい。また、電子広告媒体100は、各構成を保持するためのフレーム60を有することが好ましい。図1においては、フレーム60が透明保護部を取り外し可能とするための挿入口61を有する例について示している。
なお、図1においては、説明を容易にするため、透明保護基材については省略して示している。
本発明によれば、上記電子ペーパーおよび固定絵柄層を有することから、上記電子ペーパーにより可変の表示を行うことができ、安価に形成可能な上記固定絵柄層を交換することにより情報内容の変更を行うことができるため、認知率が良好でコスト的にも有利な電子広告媒体とすることができる。
より具体的には、本発明によれば、経時的に可変の表示を行うことが可能な電子ペーパーと、情報内容が示されている固定絵柄層を併用することにより、電子ペーパーの表示の変化によって電子広告媒体をより人目を引きやすいものとすることができ、固定絵柄層に示されている情報内容についても認知されやすい、すなわち認知率を良好なものとすることができる。
また、電子広告媒体に示される情報内容の変更については、安価に形成可能な固定絵柄層を交換することにより行うことができ、高価な電子ペーパーについては変更せずに用いることができるため、電子広告媒体を低コストで提供することができる。
本発明の電子広告媒体による広告方法について、図を用いて説明する。
図3は、本発明の電子広告媒体による広告方法の一例について説明する説明図である。図3(a)、(b)に例示するように、本発明の電子広告媒体100においては、所定の広告の情報内容が示された固定絵柄層20Aが電子ペーパー10の表示領域Xの一部に配置されている。電子パーパー10に表示される色が所定の時間毎に変化するように、電子ペーパー10を駆動させることにより、電子広告媒体100に示される表示に変化を持たせることができる。
また、所定の期間経過後には、図3(c)に例示するように、固定絵柄層20Aを異なる広告の情報内容が示された固定絵柄層20Bと交換する。この場合も、図3(d)、(e)に例示するように、上記の説明と同様に電子ペーパー10を駆動させることにより、電子ペーパー10については変更しなくても、広告の情報内容については変更することができる。
図3(a)〜(e)に例示するように、本発明の電子広告媒体100においては、電子ペーパー10による表示の変化により、人目を引きつけることができ、具体的な情報内容については、所定の期間毎に、固定絵柄層20A、20Bを変更することにより変化させることができるため、比較的短いサイクルで変化する広告について認知率を良好なものとし、低コストで対応することができる。
なお、図3(a)〜(e)においては、説明を容易にするため、透明保護基材については省略して示している。また、図3(a)〜(e)においては、電子ペーパーの表示領域全体の色が変化する例について説明したが、これに限定されず、例えば、ストライプや所定の形状の色が所定の時間毎に変化したり、所定の時間毎に点滅する等の表示であってもよい。
また、本発明によれば、広告の情報内容については変化のない固定絵柄層を用いているため、例えば、可変の表示のみを用いて広告の情報内容を示す液晶表示装置等を利用した電子広告媒体に比べて、広告の情報内容について読み取りやすいものとすることができる。
以下、本発明の電子表示媒体の詳細について説明する。
1.固定絵柄層
本発明に用いられる固定絵柄層は、上記ツイストボール型電子ペーパーの上記透明電極基材側表面上の表示領域の一部に、交換可能に配置されているものである。
固定絵柄層は、文字、絵図、写真等の広告の情報内容が示されている層であり、より具体的には、印刷等により広告の情報内容が表現されている層である。また、固定絵柄層自体は、経時的な絵柄の変化を示さない層である。
また、固定絵柄層が、電子ペーパーの透明電極基材側表面上の表示領域の一部に配置されているとは、上記透明電極基材側表面上であって、平面視上ツイストボール層が配置されている領域と重なるように配置されていることをいう。また、上記表示領域の一部が観察可能なように固定絵柄層が配置されていることをいい、例えば、図1、図2に例示するように、電子ペーパー10の表示領域X内の一部に固定絵柄層20全体が配置される場合だけではなく、図4、図5に例示するように、表示領域X全体を覆う大きさを有する固定絵柄層20の一部に透過部を設けて、表示領域Xを観察することができるように配置される場合も含まれる。また、図示はしないが、固定絵柄層が表示領域を完全に覆い、電子ペーパーによる表示の変化が観察できない場合は除かれる。
なお、図4は本発明の電子広告媒体の一例を示す概略斜視図であり、図5は図4のB−B線断面図である。また、図4、図5において説明していない符号については、図1、図2等で説明した符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(1)固定絵柄層の配置方法
本発明における固定絵柄層の配置方法について説明する。
固定絵柄層の配置方法としては、上記電子ペーパーの透明電極基材側表面上の表示領域(以下、「電子ペーパーの透明電極基材側表面上の表示領域」を「電子ペーパーの表示領域上」と称して説明する場合がある。)の一部に、交換可能に配置することができれば特に限定されない。具体的な固定絵柄層の配置方法としては、固定絵柄層を、直接、電子ペーパーの表示領域上の一部に配置する方法(第1態様)と、固定絵柄層を、後述する透明保護部を用いて電子ペーパーの表示領域上の一部に配置する方法(第2態様)とを挙げることができる。以下、各態様について説明する。
(a)第1態様
本態様の固定絵柄層の配置方法は、固定絵柄層を、直接、電子ペーパーの表示領域上の一部に配置する方法である。本態様においては、通常、図4、図5に例示するように、固定絵柄層20は、後述する固定絵柄層用基材21上に形成され、固定絵柄層用基材21と電子ペーパーの透明電極基材11との間に、剥離可能な接着剤等で構成される剥離可能層22を介することにより配置される。剥離可能層の説明については後述する。
(b)第2態様
本態様の固定絵柄層の配置方法は、固定絵柄層を、透明保護部を用いて電子ペーパーの表示領域上の一部に配置する方法である。本態様の固定絵柄層の配置方法は、より具体的には、透明保護部の一方の表面上に固定絵柄層を固定し、固定絵柄層が固定された透明保護部を電子ペーパーの表示領域上に配置する方法である。
透明保護部は、通常、電子ペーパーの表示領域上の全面に配置されるため、上記固定絵柄層の透明保護部への固定方法としては、透明保護部の一方の表面上の一部に固定絵柄層を固定し、上記透明保護部を電子ペーパーの表示領域上に配置した場合に、固定絵柄層を所望の位置に配置することができる方法であれば特に限定されない。例えば、図示はしないが、透明保護部として透明保護基材を用い、透明保護基材の一方の表面上に、固定絵柄層を形成して固定する方法や、図1、図2に例示するように、上記透明保護部40として、透明保護基材41および透明保護基材41上に形成された収納部42を有するものを用い、上記収納部42に固定絵柄層20を収納して固定する方法が挙げられる。これらの固定方法は併用してもよい。
本態様における固定絵柄層の透明保護部への固定方法としては、なかでも、上記収納部に固定絵柄層を収納して固定する方法であることが好ましい。固定絵柄層の交換を容易に行うことができるからである。また、透明保護部については繰り返し使用することができるため、より低コストな電子広告媒体とすることができる。
上記固定絵柄層を固定した透明保護部を電子ペーパーの表示領域上に配置する配置方法としては、透明保護部の固定絵柄層側表面が電子ペーパー側を向くように配置されてもよく、透明保護部の固定絵柄層側とは反対側の表面が電子ペーパー側を向くように配置されてもよい。上記固定絵柄側表面が電子ペーパー側を向くように、透明保護部を配置した場合は、透明保護部により固定絵柄層を保護することができる。また、図1、図2に例示するように、透明保護部40が透明保護基材41および収納部42を有する場合は、収納された固定絵柄層20の盗難等、電子広告媒体100による広告掲載期間中における固定絵柄層20の欠落を防止することができる。一方、透明保護部の固定絵柄層側とは反対側の表面が電子ペーパー側を向くように配置した場合、図6に例示するように、透明保護部40が透明保護基材41および収納部42を有する場合は、固定絵柄層20の交換を容易に行うことができる。
なお、図6は本発明の電子広告媒体の他の例を示す概略断面図であり、説明していない符号については、図2等で説明した符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、透明保護部が透明保護基材および収納部を有する場合、収納部における固定絵柄層用基材および固定絵柄層の配置としては、固定絵柄層が電子広告媒体の観察者側を向くように配置され、上述した透明保護部の配置により、適宜決定される。
また、透明保護部の配置方法としては、電子ペーパーの表示領域上に後述する剥離可能層を介して貼り合わせてもよく、本発明の電子広告媒体が後述するフレームを有する場合は、フレームに透明保護部を固定することにより、電子ペーパーの表示領域上に配置してもよい。
透明保護部が収納部を有する場合は、上記透明保護部はフレームに固定されていることが好ましい。
(c)固定絵柄層の配置方法
本発明における固定絵柄層の配置方法としては、上述した第1態様及び第2態様の配置方法のなかでも、第2態様の配置方法を用いることが好ましい。また、本発明においては、特に、上記電子広告媒体が、上記ツイストボール型電子ペーパーの上記透明電極基材側表面上に配置され、透明保護基材および上記透明保護基材の一方の表面上に形成された収納部を有する透明保護部を有し、上記固定絵柄層が上記収納部に収納されて交換可能に配置されていることが好ましい。
本発明においては、電子ペーパーの表示領域に少なくとも固定絵柄層が1つ配置されていれば特に限定されず、複数の固定絵柄層が配置されていてもよい。
(2)固定絵柄層の構成
(a)固定絵柄層
固定絵柄層は、上述したように文字、絵図、写真等の広告の情報内容が示されている層である。
このような固定絵柄層は、通常、後述する固定絵柄層用基材または後述する透明保護部の透明保護基材のいずれかの表面上に形成される。
上記固定絵柄層としては、所望の広告の情報内容を示すことができれば特に限定されず、従来の紙広告媒体に用いられる固定絵柄層と同様のものを用いることができる。具体的には広告の情報内容を固定絵柄層用基材または透明保護基材の一方の表面上に印刷したものを挙げることができる。
また、上記固定絵柄層20は、図1、図2に例示するように、連続的に形成されている層であってもよく、図4、図5に例示するように、部分的に透過部を有する層であってもよい。
固定絵柄層が部分的に透過部を有する層である場合は、透過部から固定絵柄層の下層に位置する電子ペーパーの表示の変化を観察することができるため、本発明の電子広告媒体における広告の情報内容をより効果的に表示することができる。また、図5においては、固定絵柄層20の透過部に合わせて固定絵柄層用基材21が部分的に除去されている例について示しているが、図示はしないが、固定絵柄層用基材が透明性を有する場合は、固定絵柄層の透過部部分に固定絵柄層用基材が存在していてもよい。
上記固定絵柄層に用いられる材料としては、一般的な印刷物に用いられるインク等が挙げられる。また、上記固定絵柄層の厚みとしては、所望の広告の情報内容を表現することができれば特に限定されず、一般的な印刷物における印刷層の厚みと同等とすることができ、広告の情報内容の種類、電子広告媒体の用途等に応じて適宜選択することができる。具体的な上記固定絵柄層の厚みとしては、1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。固定絵柄層の厚みが上記範囲に満たない場合、または上記範囲を超える場合は、固定絵柄層に剥がれ、ひび、かすれ等が生じやすくなる可能性があるからである。
上記固定絵柄層の形成方法としては、公知の印刷法により形成することができるため、ここでの説明は省略する。
(i)固定絵柄層用基材
上述したように、固定絵柄層は、固定絵柄層用基材または後述する透明保護部の透明保護基材のいずれかの表面上に形成されるものである。以下、固定絵柄層用基材について説明する。
上記固定絵柄層用基材としては、上述した固定絵柄層を支持することができれば特に限定されない。例えば、紙基材、樹脂フィルム等を挙げることができる。
樹脂フィルムを用いる場合、上記樹脂フィルムとしては、透明性を有していてもよく、透明性を有していなくてもよい。また、上記樹脂フィルムは無色であってもよく、着色されていてもよい。例えば、固定絵柄層用基材として、光透過性を有し、所定の色に着色されている樹脂フィルムを用いた場合は、固定絵柄層用基材の一方の表面上に透過部を有する固定絵柄層を形成し、透過部部分から電子ペーパーの表示を観察できるものとすることにより、電子ペーパーの2色とは異なる色の表示を行うことができる。
紙基材としては、一般的な紙広告媒体に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
樹脂フィルムに用いられる樹脂については、後述する樹脂製透明基材に用いられる樹脂と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記固定絵柄層用基材の厚みとしては、所望の固定絵柄層を形成することができ、電子ペーパーの表示領域上に配置することができる程度であれば特に限定されず、広告の情報内容の種類、電子広告媒体の用途等に応じて適宜選択することができる。
具体的な固定絵柄層用基材の厚みとしては、100μm〜1mmの範囲内であることが好ましい。上記固定絵柄層用基材の厚みが上記範囲に満たない場合は、固定絵柄層用基材の強度を十分なものとすることが困難となる可能性があるからであり、固定絵柄層用基材の厚みが上記範囲を超える場合は、電子広告媒体の厚みが大きくなるため、取り扱いが困難となる可能性があるからである。
(ii)剥離可能層
上記固定絵柄層用基材を有する場合、上記固定絵柄層用基材の固定絵柄層側とは反対側の表面上に剥離可能な接着剤等から構成される剥離可能層を有していてもよい。
「剥離可能」とは、固定絵柄層用基材と電子ペーパーの透明電極基材とを剥離可能層を用いて貼り合わせた後、両者を剥離した場合に固定絵柄層用基材と透明電極基材とが破損することなく、剥離できることをいう。
剥離可能な接着剤等とは、アクリル系の粘着剤または接着剤、シリコーン系の粘着剤または接着剤、天然ゴム系の粘着剤または接着剤、エチレン-酢酸ビニル(EVA)系の粘着剤または接着剤、ウレタン系の粘着剤または接着剤等を挙げることができる。
剥離可能層の厚みとしては、固定絵柄層用基材を電子ペーパーの表示領域上に剥離可能層を介して固定することができ、電子ペーパーを損傷することなく、固定絵柄層用基材を剥離することにより、固定絵柄層を交換することができる程度の厚みであれば特に限定されず、電子広告媒体の用途に応じて適宜選択することができる。
具体的な剥離可能層の厚みとしては、1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。上記剥離可能層の厚みが上記範囲に満たない場合は、剥離可能層を介して電子ペーパーの透明電極基材と固定絵柄層用基材とを貼り合わせて固定することが困難となる可能性があるからであり、上記剥離可能層の厚みが上記範囲を超える場合は、電子広告媒体の厚みが厚くなり、所望の規格に沿わなくなる可能性があるからである。
2.ツイストボール型電子ペーパー
本発明に用いられるツイストボール型電子ペーパーは、透明電極基材と、対向電極基材と、ツイストボール層とを有するものである。
本発明における電子ペーパーの表示領域とは、ツイストボール層が配置されている平面視上の領域をいう。
ツイストボール型電子ペーパーは、良好な発色を示すことができる。また、ツイストボール層において低極性溶媒層中のエラストマーシートに分散されたツイストボールを回転させることにより表示を行うものである。そのため、表示媒体であるツイストボールはツイストボール層中である程度固定されているため、例えば、表示媒体である帯電粒子を表示媒体層中で移動させることにより表示を行う電気泳動方式等を用いた電子ペーパーに比べて、表示媒体の凝集による不具合が起こりにくいという利点がある。
また、ツイストボール層は、シリコーン等の水分を寄せ付けない構成材料が用いられることから、大気中の水分による電荷の変化が起こりにくいため、本発明の電子広告媒体を汎用性の高いものとすることができるといった利点がある。また、ツイストボール型電子ペーパーは、駆動可能な温度範囲が広く、太陽光による退色や駆動への影響も少なく、良好な耐候性を示すことができる。
以下、ツイストボール型電子ペーパーの各構成について説明する。
(1)透明電極基材
まず、透明電極基材について説明する。上記透明電極基材は、透明基材と、透明基材上に形成された透明電極とを有するものである。また、電子ペーパーにおいては、透明電極基材側の面が表示面として用いられる。
(a)透明基材
上記透明電極基材に用いられる透明基材について説明する。
本発明における透明電極基材に用いられる透明基材としては、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的な電子ペーパーに用いられている透明基材と同様のものを用いることができる。中でも、本発明に用いられる透明基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透過率が上記範囲であることにより、上記電子ペーパーの表示輝度が低下すること等を防止することができるからである。
ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
本発明に用いられる透明基材は、リジットな透明基材であってもよく、あるいは、フレキシブル性を有する透明な基材であってもよい。
中でも、本発明においては、フレキシブル性を有する透明な基材を用いることが好ましい。フレキシブル性を有する透明な基材を用いることにより、上記電子ペーパーにフレキシブル性を付与することが可能となり、加工性を向上させることが可能となるからである。
このような透明基材としては、無機物製透明基材や、樹脂製透明基材を挙げることができる。
無機物製透明基材としては、ガラス基材を挙げることができる。また、ガラスとしては、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等を用いることができ、中でも、無アルカリガラスが好ましい。
一方、樹脂製透明基材に用いられる樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等を挙げることができる。
また、樹脂製透明基材を用いる場合は、ラミネート加工が可能なものであることが好ましい。透明基材を後述するツイストボール層用基材と兼用させる場合や、ツイストボール層と積層させる場合、ラミネート加工を用いることができ、簡便な工程で電子ペーパーを形成することが可能となるからである。
ラミネート加工が可能な透明基材としては、ラミネート加工可能なベースフィルム材料とシーラントフィルム材料が積層された基材を挙げることができる。
ラミネート加工可能なベースフィルム材料としては、ラミネート加工時の加熱圧着による耐熱性の観点からポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
また、シーラントフィルム材料としては無延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。また、ポリウレタン、ポリアクリル、エポキシ樹脂、シリコーン等の熱シール性のある材料からなる塗膜等を用いることも可能である。
なお、ラミネート加工時には、透明基材と対向基材とは積層したベースフィルム材料とシーラントフィルム材料とのうち、シーラントフィルム材料側が対向するように配置されて接着される。
また、ラミネート加工可能なベースフィルム材料とシーラントフィルム材料が積層された透明基材および後述する対向基材を用いてラミネート加工する場合、上記透明基材および後述する対向基材の材料が同一のベースフィルム材料及びシーラントフィルム材料であることがさらに好ましい。上記透明基材および後述する対向基材の材料が同一のベースフィルム材料及びシーラントフィルム材料であることにより、ラミネート加工を行う際の透明基材および対向基材の密着性を向上させることが可能となるからである。
このような透明基材の厚みとしては、後述する透明電極を形成することができれば特に限定されるものではない。このような透明基材の厚みとしては、10μm〜300μmの範囲内、なかでも15μm〜100μmの範囲内、特に25μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。上記透明基材の厚みが上記範囲に満たない場合は、後述する透明電極を透明基材上に形成することが困難になるからである。また、上記透明基材の厚みが上記範囲を超える場合は、後述する透明電極とは反対側にツイストボール層を配置した場合には、ツイストボールを駆動させることが困難となる場合があるからである。
(b)透明電極
次に、上記透明電極基材に用いられる透明電極について説明する。本発明においては、通常、透明電極は透明基材上の全面に形成される。
本発明に用いられる透明電極の材料としては、透明電極を形成することができる導電性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム亜鉛(AZO)等の導電性酸化物、Au、Ni、Ag等の金属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアルキルチオフェン誘導体、ポリシラン誘導体のような導電性高分子、カーボンナノチューブやグラフェン等を用いることができ、中でも、ITOが好適に用いられる。
本発明に用いられる透明電極の厚みとしては、透明電極として機能することができれば特に限定されるものではないが、15nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。
透明電極の厚みが上記範囲に満たない場合は、透明電極を均一な厚みで形成することが困難であるからであり、透明電極の厚みが上記範囲を超える場合は、透明電極の成膜に用いられる時間や材料が多くなるため、製造コストが高くなるからである。
本発明に用いられる透明電極の形成方法としては、所望の厚みで透明電極を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような透明電極の形成方法としては、一般的な電極の成膜方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のPVD法や、CVD法、導電ペーストを塗布する方法等が挙げられる。
(c)その他の構成
本発明における透明電極基材は、上述した透明電極、および透明基材を有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
このような構成としては例えば補助電極、配線等を挙げることができる。
ここで、補助電極とは、導電性材料を用いてメッシュ状に形成された電極であり、透明電極に積層させて形成されるものである。上記補助電極を透明電極とともに用いることで、上記透明電極基材の導電性を向上させることが可能となる。
なお、補助電極については、一般的な電子ペーパーの透明電極基材に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、透明電極基材に用いられる配線については、一般的な電子ペーパーに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(d)その他
上記電子ペーパーにおける透明電極基材の配置としては、ツイストボール層中のツイストボールを駆動させることが可能な配置であれば特に限定されず、透明電極基材の透明電極側がツイストボール層と対向するように配置されていてもよく、透明基材側がツイストボール層と対向するように配置されていてもよい。透明基材側がツイストボール層と対向するような配置とすることにより、透明電極がツイストボール層と直接接触しないため、透明電極の材料がツイストボール層の低極性溶媒中に溶出しないことから、上記電子ペーパーの表示品質の低下を防止することが可能となる。また、透明電極側がツイストボール層と対向するように配置されているような配置とすることにより、駆動電圧を下げることが可能となる。
(2)対向電極基材
本発明における対向電極基材は、対向基材と、対向基材上に形成された対向電極とを有するものである。
(a)対向基材
本発明における対向基材は、対向電極を支持するものである。
また、本発明における対向基材は通常、絶縁性を有するものである。
本発明に用いられる対向基材は、上記対向基材上に対向電極を形成することができれば特に限定されるものではない。また、上記対向基材としては透明性を有していてもよいし、透明性を有していなくてもよいが、透明性を有していないものがより好ましい。本発明における電子ペーパーは、通常、透明電極基材側を表示面側として用いるものである。よって本発明において、透明電極基材側から電子ペーパーを観察した場合、対向基材は、情報の表示を行うツイストボール層の下層側に配置されるものであることから、対向基材が透明性を有する場合は、対向基材の下層に配置される層が観察され、電子ペーパーの表示が見にくくなる可能性があるからである。
また、本発明においては、必要に応じて対向基材を、後述するツイストボール層の一方の色と同色に着色してもよい。
このような対向基材としては、フレキシブル性を有する基材であってもよく、リジットな基材であってもよいが、フレキシブル性を有する基材であることが好ましい。本発明における電子ペーパーを加工性に優れたものとすることができるからである。
このような対向基材としては、無機物製基材であってもよく、樹脂製基材であってもよい。無機物製基材および樹脂製基材の材料については、具体的には、上述した透明基材の項で説明した無機物材料、樹脂材料等を挙げることができる。
また、本発明においては、対向基材としては、ラミネート加工可能な基材を用いることもできる。ラミネート加工可能な基材については、上述した透明基材の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(b)対向電極
本発明に用いられる対向電極は、対向基材上に形成されるものである。
上記対向電極は、対向基材上全面に形成されていてもよく、電子ペーパーにおいて表示される情報に応じたパターン形状を有していてもよい。この場合、電子ペーパーは、通常、固定の情報を表示する、いわゆるセグメント用電子ペーパーとして用いられ、上記対向電極は表示電極として用いられる。
ここで、「電子ペーパーにおいて表示される情報に応じたパターン形状」とは、電子ペーパーの表示面に表示される個々の情報と同様の形状だけではなく、背景に対応する形状を含むものをいう。
また、上記対向電極のパターン形状としては、1つの対向電極を用いて1つの情報を表示することが可能となるようなパターン形状であってもよく、複数の対向電極を用いて1つの情報を表示することが可能となるようなパターン形状であってもよい。
このような対向電極のパターン形状としては、特に限定されず、本発明の看板の用途等に応じて適宜選択されるものである。具体的には、幾何学形状、文字、数字、符号、標章、絵柄等、および背景に対応する形状を挙げることができる。また、ストライプ形状や格子形状等の模様であってもよい。また、対向電極の形状としては、デジタル表示に用いられる7セグメントを構成する形状を挙げることができる。また、背景に対応する形状を有する対向電極としては、一の対向電極を用いてもよく、複数の対向電極で分割されたものであってもよい。
上記対向電極としては、導電性を有する材料からなり、対向電極に電圧を印加することにより、後述するツイストボール層を用いて情報表示を行うことができるものであれば特に限定されるものではない。このような対向電極としては、対向電極のみからなるものであってもよく、対向電極および対向電極用絶縁層を有するものであってもよい。
このような対向電極に用いられる材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、例えばAu、Al、Ag、Ni、Cu等の金属、ITO、SnO、ZnO:Al等の透明導電体、導電剤を溶媒あるいは合成樹脂バインダに混合した導電性ペースト等を挙げることができる。上記導電剤としてはポリメチルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリアリルポリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等のアニオン性高分子電解質や電子伝導性の酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、カーボン微粉末、カーボンナノチューブ、Ag微粉末等が用いられる。
対向電極が対向電極用絶縁層を有する場合、対向電極用絶縁層としては、樹脂層や、接着剤層等を用いることができる。樹脂層に用いられる樹脂材料については、上述した透明基材に用いられる樹脂材料と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
一方、接着剤層に用いられる接着剤については公知のものを用いることができる。
また、上記対向電極の形成方法としては、対向基材上に対向電極を直接形成する場合は、上述した金属、および透明導電体等を金属マスク等を用いてスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で対向基材上に薄膜をパターン状に形成する方法、上記導電性ペーストを用いて対向基材上にパターン状に塗布する方法等を挙げることができる。
一方、対向基材上に対向電極用絶縁層を有する対向電極を形成する場合は、例えば、金属箔を所望のパターン状に切り取り、接着剤を用いて対向基材上に接着する方法や、樹脂層として樹脂製基材を準備し、樹脂製基材上に対向電極として金属膜を形成したのち、所望のパターン状に切り取り、接着剤を用いて対向基材上に接着する方法等を挙げることができる。
上記対向電極の厚みとしては、上記電子ペーパーにより画像表示を行うことができる程度の厚みであれば特に限定されるものではないが、具体的には、50nm〜500μmの範囲内、なかでも100nm〜100μmの範囲内、特に300nm〜50μmの範囲内であることが好ましい。上記対向電極の厚みが上記範囲に満たない場合は、均一な厚みの対向電極を形成することが困難になるからであり、上記範囲を超える場合は、対向電極を形成するために時間がかかり、また、対向電極の材料も多く必要となるため、製造コストが高くなるからである。
(c)その他の構成
本発明における対向電極基材は、上述した対向電極、および対向基材を有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
このような構成としては例えば配線等を挙げることができる。
上記配線は対向電極と後述する制御部とを接続させるために形成されるものである。上記対向電極が表示に応じたパターン形状を複数有する場合、上記配線としては、個々の対向電極をそれぞれ制御部で制御することが可能となるように形成してもよく、複数の対向電極を一括して制御部で制御することができるように形成してもよい。
また、上記配線は対向基材上に形成してもよく、配線用絶縁層上に形成して対向基材上に配置してもよい。なお、配線用絶縁層の材料については上述した対向電極用絶縁層に用いられる材料と同様とすることができる。
配線の材料、形状、形成方法等については、一般的な電子ペーパーに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(d)その他
上記電子ペーパーにおける対向電極基材の配置としては、ツイストボール層中のツイストボールを駆動させることが可能な配置であれば特に限定されず、対向電極基材の対向電極側がツイストボール層と対向するように配置されていてもよく、対向基材側がツイストボール層と対向するように配置されていてもよい。なかでも、対向基材側がツイストボール層と対向するように配置されていることが好ましい。このような配置とすることにより、対向電極がツイストボール層と直接接触しないため、対向電極の材料がツイストボール層の低極性溶媒中に溶出しないことから、本発明における電子ペーパーの表示品質の低下を防止することが可能となる。
また、対向電極が上述したパターン形状を有する場合は、対向電極基材の対向電極側は表面凹凸を有する。したがって、対向電極基材の対向基材側とツイストボール層とが対向するように配置することにより、上記表面凹凸による電子ペーパーの表示の劣化を防止することができる。
(3)ツイストボール層
本発明に用いられるツイストボール層は、上記透明電極基材および上記対向電極基材の間に配置され、ツイストボールおよび低極性溶媒を含む低極性溶媒層を有するものである。
(a)ツイストボール
本発明に用いられるツイストボールは、異なる帯電特性を有する2色相を有するものである。
本発明に用いられるツイストボールとしては、球状であり、有色彩相と白色相あるいは有色彩相と有色彩相の異なる2色相を有し、異なる2色相が互いに異なる帯電特性を有するものであれば特に限定されるものではない。
このようなツイストボールとしては、例えば、特開2004−197083号公報で提案されているマイクロチャンネル製造方法で製造されるツイストボールと同様とすることができる。
ここで、マイクロチャンネル製造方法は、着色連続相と球状粒子化相とが互いにO/W型又はW/O型の関係にあるものを用い、着色連続相が移送される第1マイクロチャンネルから、第2マイクロチャンネルに流れる流動媒体の球状粒子化相内に、2色の着色連続相を順次吐出させることにより、2色相球状ポリマー粒子で、かつ、電荷的に(±)の極性を有する帯電特性球状粒子であるツイストボールを製造する製造方法である。
上記マイクロチャンネル製造方法においては、重合性樹脂成分を含有する油性又は水性の流動性媒体中に、この媒体に不溶性の着色染顔料を含有する2色に分相させた着色連続相中の重合性樹脂成分を、互いに異なる正負に帯電する重合性モノマーで形成させて、第1マイクロチャンネルに移送させ、次いで、この着色連続相を、第2マイクロチャンネル内を流れる水性又は油性の球状粒子化相中に、連続又は間欠的に順次吐出させる。次いで、球状粒子化相中に吐出させた吐出物は、マイクロチャンネル内での一連の吐出・分散・移送中に球状粒子化されながら、球状粒子化相中に順次球状物化されるので、この球状粒子化相中の重合性樹脂成分をUV照射下及び/又は加熱下に重合硬化させることによりツイストボールが適宜調製される。
上記着色連続相は、2色相に分相されている連続色相であって、例えば、黒色と白色、赤色と白色、黄色と白色、青色と白色、緑色と白色、紫色と白色等の何れかの「有彩色相と白色相」から選ばれる何れかの2色の分相色相、あるいは「有色彩相と有色彩相」の異なる2色の分相色相を挙げることができる。このような色相を形成させる着色剤としては、後述する重合性樹脂成分を含有する流動性分散媒体に不溶性又は均一に分散されるのであれば特に限定することなく、適宜選んで用いられる。上記着色剤としては、染料および顔料を用いることができる。
このような染料および顔料としては、例えば、特開2004−197083号公報に記載されたものを用いることができるので、ここでの記載は省略する。
これら着色剤としての染顔料の添加量は、特に限定されるものではなく、また、その着色粒子の用途等によっても所望される色調が異なり、また、上述する着色連続相中での分散性等から、本発明においては、着色連続相中の重合硬化成分である全重合性樹脂成分100重量部当たり、0.1重量部〜80重量部で、好ましくは2重量部〜10重量部の範囲で適宜好適に添加することができる。
上記ツイストボールに用いられる重合性樹脂成分又は重合性モノマーとしては、ツイストボールに用いられる重合性モノマーの官能基又は置換基の種類によって、上記ツイストボールの帯電性が、それぞれ(−)帯電性と(+)帯電性を示す傾向にあるモノマー種を挙げることができる。従って、少なくとも2種以上の複数種のモノマーを本発明における重合性樹脂成分として使用する場合には、その(+)及び(−)帯電性を示す傾向を周知のうえで、好ましくは、同種帯電性の傾向にあるモノマー同士を複数組み合わせて適宜好適に使用することもできる。
一方、少なくとも1種の官能基及び/又は置換基を分子内に有する重合性樹脂成分又は重合性モノマーにおいて、その官能基又は置換基としては、例えば、カルボニル基,ビニル基,フェニル基,アミノ基,アミド基,イミド基,ヒドロキシル基,ハロゲン基,スルホン酸基,エポキシ基及びウレタン結合等を挙げることができる。本発明においては、このような重合性モノマーにおける官能基又は置換基を有するモノマー種の単独又は2種以上の複数種を組み合わせて適宜好適に使用することができる。
(−)帯電性の傾向にある重合性モノマーおよび(+)帯電性の傾向にある重合性モノマーとしては、例えば、特開2004−197083号公報に記載されたものを用いることができるので、ここでの記載は省略する。
本発明において、既に上述した第2マイクロチャンネルに着色連続相として吐出された後の重合性樹脂成分の重合時におけるこのような重合性モノマーを他の共重合モノマーに組み合わせて使用する場合には、着色樹脂微粒子に託される所望する帯電性又は電気泳動性にもよるが、重量基準で表して、帯電性の傾向にあるモノマーが、好ましくは全モノマー中1%〜100%の範囲で、更に好ましくは5%〜100%で、特に好ましくは10%〜100%の範囲にある重合性モノマーとの共重合体粒子であれば適宜好適に使用されて、所望するツイストボールを提供することができる。
また、上記ツイストボールは、球状の単分散粒子で、その平均粒子径が体積基準で表して1.0μm〜400μmの範囲内で、好ましくは、20μm〜200μmの範囲内で、更に好ましくは50μm〜120μmの範囲内に適宜調製することができる。また、その平均粒子径のバラツキが著しく低い均斉な粒子を適宜調製される。本発明においては、その均斉度をCv値で表して、20%以下、好ましくは、5%以下、更に好ましくは3%以下の単分散粒子のツイストボールとして適宜好適に用いられる。
(b)低極性溶媒層
本発明における低極性溶媒層は、ツイストボールとともにツイストボール層を構成するものである。
本発明に用いられる低極性溶媒層は、低極性溶媒を含むものであれば特に限定されるものではない。上記低極性溶媒層としては、通常、低極性溶媒と、上記低極性溶媒を膨潤させる、エラストマー材料からなるエラストマーシートとから構成されるものである。
以下、上記低極性溶媒層に用いられる低極性溶媒、およびエラストマーシートについてそれぞれ説明する。
(i)低極性溶媒
本発明に用いられる低極性溶媒は、上述したツイストボールの回転が円滑となるようにするために用いられるものである。また、通常は後述するエラストマーシートを膨潤させて用いられるものである。
このような低極性溶媒としては、上記ツイストボールの回転を妨げることなく、円滑に回転させることができるものであれば特に限定されるものではない。このような低極性溶媒としては、ジメチルシリコーンオイル、イソパラフィン系溶媒、および直鎖パラフィン系溶媒、ドデカン、トリデカン等の直鎖アルカンを挙げることができる。
(ii)エラストマーシート
本発明に用いられるエラストマーシートは、上記低極性溶媒で膨潤させることができるエラストマー材料からなるものである。また、上記エラストマーシートは、上記ツイストボールが分散されたシート状部材であり、これに上記低極性溶媒で膨潤させることによって用いられるものである。
このようなエラストマーシートに用いられる材料としては、上記ツイストボールを分散可能であり、かつ、上記低極性溶媒で膨潤することが可能であれば特に限定されるものではない。
このようなエラストマーシートの材料としては、シリコーン樹脂、微架橋したアクリル樹脂、微架橋したスチレン樹脂、およびポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。
また、上記エラストマーシートの厚みとしては、本発明における電子ペーパーがエラストマーシート中に分散されたツイストボールによって情報表示を行うことが可能であれば特に限定されるものではないが、50μm〜1000μmの範囲内、なかでも100μm〜700μmの範囲内、特に200μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。上記エラストマーシートの厚みが上記範囲に満たない場合は、上記ツイストボールが均一に分散されたエラストマーシートとすることが困難であるからであり、上記エラストマーシートの厚みが上記範囲を超える場合は、ツイストボールの回転を妨げるおそれがあるから
である。
(c)その他の部材
また、本発明におけるツイストボール層は、上記ツイストボールと、上記低極性溶媒層とを有するものであれば特に限定されず、他にも必要な部材を追加することができる。
以下、このような部材について説明する。
(i)ツイストボール層用基材
本発明においては、ツイストボール層を支持するためのツイストボール層用基材を有していてもよい。ツイストボール層用基材は、ツイストボール層と透明電極基材との間、およびツイストボール層と対向電極層との間の少なくとも一方に配置することができる。
上記ツイストボール用基材を有することにより、ツイストボール層の強度を向上させることができるため、電子ペーパーの耐久性を向上させることができる。
ツイストボール層用基材については、上述した透明基材の項で説明したものと同様のものを用いることができる。なかでも、ラミネート加工が可能なものであることが好ましい。
なお、ツイストボール層用基材としてラミネート加工が可能なもの以外を用いる場合は、通常、後述するシール剤を用いてツイストボール層が密封される。
なお、ツイストボール層用基材を有する場合、ツイストボール層用基材および透明電極基材またはツイストボール層用基材および対向電極基材は粘着層等を用いて貼り合わされてもよく、ラミネート加工で積層されてもよい。
(ii)シール剤
シール剤はツイストボール層を密封する際に用いられるものであり、通常、ツイストボール層に隣接する基材の端部に配置されるものである。
このようなシール剤については、ツイストボール層中の低極性溶媒の漏れ等を防止することができるようにツイストボール層に隣接する基材とともにツイストボール層を密封することが可能であれば特に限定されない。具体的には、一般的な電子ペーパーに用いられるシール剤と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、「ツイストボール層に隣接する基材」とは、具体的には、透明基材、対向基材、または必要に応じて用いられるツイストボール層用基材のいずれかを指す。
(d)ツイストボール層
本発明に用いられるツイストボール層の厚みとしてはツイストボールを用いて情報表示を行うことが可能であれば特に限定されるものではないが、50μm〜1000μmの範囲内、なかでも100μm〜700μmの範囲内、特に200μm〜500μmの範囲内であることが好ましい。上記ツイストボール層の厚みが上記範囲に満たない場合は、上記ツイストボールおよび各基材間の距離が小さいことから、ツイストボールが所望する方向へ回転するのが困難である可能性があるからであり、上記ツイストボール層の厚みが上記範囲を超える場合は、上記対向電極および透明電極間に駆動電圧を印加したとしても、上記ツイストボールおよび各基材間の距離が大きすぎることにより、上記電子ペーパーにおいて、ツイストボールを用いて情報表示を行うことが困難であるからである。
また、本発明に用いられるツイストボール層の密封方法としては、ツイストボール層から低極性溶媒の液漏れ等が発生しないように密封することが可能な方法であれば特に限定されず、例えばツイストボール層に隣接する基材の端部にシール剤を配置することによって密封する方法や、隣接する基材にラミネート加工が可能なものを用い、ラミネート加工することにより密封する方法を挙げることができる。
本発明においては、ラミネート加工によりツイストボール層を密封することがより好ましい。
シール剤を用いた密封方法に比べて、より好適にツイストボール層からの低極性溶媒の液漏れ等を防止することが可能となり、また、表示領域についても広範囲なものとすることが可能となる。
(4)その他の構成
本発明に用いられる電子ペーパーは、上述した透明電極基材、対向電極基材、およびツイストボール層を有するものであれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
3.制御部
本発明に用いられる制御部は、ツイストボール型電子ペーパーの駆動を制御するものである。上記制御部は、通常、ツイストボール型電子ペーパーの対向電極基材側に配置され、透明電極や対向電極と配線電極を介して接続される。
上記制御部としては、ツイストボール型電子ペーパーの表示領域における表示を経時的に変化させることができれば特に限定されず、具体的には、所定の時間毎にツイストボールの2色相を反転させることができれば特に限定されない。
このような制御部の構成については、一般的な電子ペーパーに用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
4.その他の構成
本発明の電子表示媒体は、上述した固定絵柄層、電子ペーパー、および制御部を有していれば特に限定されず、必要に応じて、上記以外の構成についても適宜選択して追加することができる。
以下、このような構成について説明する。
(1)透明保護部
本発明の電子広告媒体は、電子ペーパーの透明電極基材側表面上に、透明保護部が配置されていてもよい。透明保護部を有することにより、電子ペーパーを保護することができる。また、固定絵柄層が透明保護部よりも電子ペーパー側に配置されている場合は、固定絵柄層を保護することもできる。
また、透明保護層に固定絵柄層を固定することにより、電子ペーパーの表示領域上に固定絵柄層を交換可能に配置することができる。
このような透明保護部としては、電子ペーパーを保護することができ、電子ペーパーの表示を透明保護部を介して観察することができるものであれば特に限定されず、透明保護基材を少なくとも有する。
本発明においては、透明保護部を上述した固定絵柄層を形成するための基材としても用いることができる。
また、本発明における透明保護部としては、透明保護基材を有していれば特に限定されず、透明保護基材のみであってもよく、透明保護基材および透明保護基材の一方の表面上に形成された収納部を有していてもよい。本発明の透明保護部としては、なかでも、透明保護基材および収納部を有するものであることが好ましい。固定絵柄層を収納部に収納することにより、電子ペーパーの表示領域上に交換可能に配置することが容易となるからである。
以下、透明保護部が透明保護基材および収納部を有する場合について説明する。
図7(a)は、本発明における透明保護部の一例を示す概略斜視図であり、図7(b)は図7(a)における収納部を透明保護基材側から見た図である。図7(a)、(b)に例示する透明保護部40は、透明保護基材41と、透明保護基材41の一方の表面上に形成された収納部42とを有する。
まず、透明保護基材41について説明する。上記透明保護基材は、フレキシブル性を有するものである。
上記透明保護基材としては、電子ペーパーの透明電極基材上全面に配置することができれば特に限定されない。ここで、本発明における透明保護部が後述するフレームに固定される場合は、図7(a)に示すように、透明保護基材41の一部に、フレームからの外れを抑制するストッパー41aが形成されていることが好ましい。
上記ストッパー41aとしては、図7(a)に示すように、透明保護基材41の一部に切り込みを設けて形成されたものや、図示はしないが、透明保護基材の一部に突出部を設けて形成されたものを挙げることができる。
上記ストッパーの形成位置については、フレームからの透明保護部の外れを抑制することができれば特に限定されず、フレームの形態、電子広告媒体の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、電子広告媒体100を所定の場所に設置した場合、図1に例示するように、フレーム60における透明保護部40の挿入口61が電子表示媒体100の右サイドに位置する場合には、図7(a)に例示するように、透明保護基材41のストッパー41aが電子表示媒体の上部の左端に位置するように、透明保護基材41の一部にストッパー41aを好適に形成することができる。
上記透明保護基材としては、透明性およびフレキシブル性を有するものであれば特に限定されず、一般的な透明樹脂フィルムを用いることができる。より具体的には、PET等を挙げることができる。
また、透明保護基材の大きさおよび厚みについては、電池広告媒体の用途等に応じて適宜決定することができる。
次に、収納部について説明する。
上記収納部としては、透明保護基材の一方の表面上に形成され、固定絵柄層を収納するものである。このような収納部は、通常、図7(a)、(b)に例示するように、収納部用基材42aを透明保護基材41の一方の表面上に接着層(図示せず)を用いて貼り合わせることにより形成されるものである。上記収納部としては、図示はしないが、収納部用基材の透明保護基材側表面上に接着層を形成して、透明保護基材と貼り合わされていてもよく、図7(a)、(b)に例示するように、収納部用基材42aの透明保護基材41側表面とは反対側の表面上に接着層(図示せず)を配置し、接着層が配置された収納部用のシール部42bを透明保護基材41側に折り込んで透明保護基材41と貼り合わされていてもよい。
本発明においては、なかでも、上記シール部を折り込んで透明保護基材と貼り合わせて形成されていることが好ましい。固定絵柄層をより容易に収納することができ、また、収納部の強度をより良好なものとすることができるからである。
また、この場合、図7(a)、(b)に例示するように、収納部42の開口部側に位置するシール部42bの端辺が、収納部42の開口部の辺に対して、傾斜を有していることが好ましい。収納部への固定絵柄層の出し入れがより容易となるからである。
上記収納部としては、透明保護基材の一方の表面上に形成され、固定絵柄層を収納することができれば特に限定されず、図7(a)、(b)に例示するように、収納部42が透明保護基材41の一方の表面上の一部に形成されてもよく、図示はしないが透明保護基材の一方の表面上全面に形成されてもよい。本発明においては、なかでも、収納部が透明保護基材の一方の表面上の一部に形成されていることが好ましい。固定絵柄層を透明保護部の所定の位置に固定して、電子ペーパーの表示領域上の所望の位置に好適に配置することができるからである。
上記収納部としては、固定絵柄層を収納して透明保護基材に固定することができれば特に限定されないが、図7(a)、(b)に例示するように、収納部42の開口部分の一部をくぼませて形成された指かかり部42bを有していることが好ましい。固定絵柄層を出し入れしやすいものとすることができるからである。
上記指かかり部の形成位置としては、収納部の開口部分の任意の位置に設けることができるが、なかでも、中央であることが好ましい。収納部への出し入れの際に固定絵柄層に加わる負荷を少なくすることができるからである。
指かかり部の平面視上の形状としては、特に限定されず、例えば、半円状、半楕円状、四辺形状等を挙げることができるが、なかでも半円形状、半楕円形状であることが好ましい。指かかり部からの収納部の裂け等を抑制することができるからである。
収納部の大きさ、また必要に応じて設けられる指かかり部の大きさ、およびシール部の幅等については、本発明の電子広告媒体の用途等に応じて適宜決定することができる。
収納部に用いられる透明樹脂フィルムについては、上述した透明保護基材に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、収納部と透明保護基材とを貼り合わせる接着層に用いられる接着剤、粘着剤等については、一般的な接着剤、粘着剤を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
一方、透明保護部が透明保護基材のみから構成される場合、透明保護基材としては、リジットな基材であってもよく、フレキシブル性を有する基材であってもよい。また、この場合も、透明保護部をフレームに固定する場合は、透明保護基材の一部に上述したストッパーを有することが好ましい。
透明保護部の配置方法については、上述した「1.固定絵柄層」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
(2)電源部
本発明の電子広告媒体は、電源部を内蔵していてもよい。この場合、電源部は、電子ペーパーの対向電極基材側に配置される。
このような電源部としては、電子ペーパーの駆動電源を供給することができれば特に限定されない。このような電源部としては、電池電源部を好適に用いることができる。電池電源部に用いられる電池としては、例えば、乾電池、蓄電池、太陽電池等の一般的な電池を用いることができる。
(3)フレーム
本発明の電子広告媒体は、通常、上述した各構成を支持するためのフレームを有する。このようなフレームとしては、電子ペーパーの表示部および固定絵柄層を支持することができ、上記電子ペーパーの表示および固定絵柄層の観察することができるものであれば特に限定されない。通常は、電子ペーパーの表示領域に対応する大きさの窓を有する。本発明においては、上記フレームが上述した透明保護部を固定できるものであることが好ましい。また、上記フレームから透明保護部が取り外し可能なものであることが好ましい。このようなフレームとしては、例えば、フレームの一部に透明保護部の挿入口を有するものが好適に用いられる。
フレームの構成、材質等については、本発明の電子広告媒体の用途等に応じて適宜選択することができる。
また、上記フレームとしては、本発明の電子広告媒体を設置場所に固定する固定部を有していることが好ましい。上記固定部としては、本発明の電子広告媒体を所望の設置場所に固定することができれば特に限定されず、本発明の電子広告媒体の用途等に応じて適宜選択することができる。上記固定部としては、例えば、磁石で構成されるもの、ボルトおよびナットで構成されるもの、上述した剥離可能層で構成されるもの、接着剤を用いて構成されるもの等を挙げることができる。
5.電子広告媒体の製造方法
本発明の電子広告媒体の製造方法としては、例えば、上述した固定絵柄層、電子ペーパー、および制御部をそれぞれ準備し、電子ペーパーの透明電極基材側表面に固定絵柄層を交換可能に配置し、電子ペーパーの対向電極基材側表面に制御部を配置して、組み立てることにより製造する方法が挙げられるが、これに限定されない。
6.用途
本発明の電子広告媒体は、例えば、電車の車両、駅構内、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等の店頭、売り場での広告または告知等、食料品店、衣料品店等の小売店店頭での広告または告知等に用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を挙げて説明する。
黒色でプラスに帯電した黒色相と、白色でマイナスに帯電した白色相とを有する平均粒子径が約90μmのツイストボールを準備した。これを熱硬化型シリコーン樹脂中に分散し、コーターによりガラス上に塗布し、熱処理することで、厚み300μmのツイストボールが分散されたシートを作製した。次いで、上記シートをシリコーンオイル中に24時間浸漬し、膨潤させてツイストボール層を得た。
次に、ITO膜がPET面に形成されたラミネートフィルム(CPPおよびPETの積層フィルム)(透明電極基材)を準備した。
次に、アルミニウム膜(対向電極)がPET面に形成されたラミネートフィルム(CPPおよびPETの積層フィルム)(対向電極基材)を準備した。
次に、透明電極基材のCPP面と、対向電極基材のCPP面が対向するようにしてツイストボール層を挟みこみラミネートを行い、ツイストボール型電子ペーパーを得た。なお、得られた電子ペーパーの大きさはA4版であった。その後、電子ペーパーの透明電極および対向電極と制御部とを導電テープおよびリード線を用いて配線した。また、電子ペーパーの対向電極基材側に乾電池を有する電源部を配置した。
次に、透明保護基材として、400μm厚のA4版のPETフィルムを準備し、透明基材の一方の表面上に、収納部用基材を図7(a)、(b)に例示するように透明粘着材を用いて貼り合わせることにより、収納部を形成し透明保護部を作製した。収納部の大きさは、164mm×200mmとし、貼り合わせに用いたシール部の幅は2mmとした。200μm厚の紙基材に所定の情報を印刷して固定絵柄層を形成し、上記固定絵柄層を上述した収納部に収納した。
フレーム幅10mmのA4版のフレームを準備し、上述した電子ペーパー、制御部、および電源部を収納し、電子ペーパーの透明電極基材側表面上に上記透明保護部を上記収納部が電子ペーパーと対向するように配置して固定することにより、電子広告媒体を得た。
10 …ツイストボール型電子ペーパー
11 …透明電極基材
11a …透明基材
11b …透明電極
12 …対向電極基材
12a …対向基材
12b …対向電極
13 …ツイストボール層
13a …ツイストボール
13b …低極性溶媒層
20 …固定絵柄層
30 …制御部
100 …広告表示媒体

Claims (2)

  1. 透明基材および前記透明基材上に形成された透明電極を有する透明電極基材、対向基材および前記対向基材上に形成された対向電極を有する対向電極基材、ならびに、前記透明電極基材および前記対向電極基材の間に配置され、ツイストボールおよび低極性溶媒を含む低極性溶媒層を有するツイストボール層を有するツイストボール型電子ペーパーと、
    前記ツイストボール型電子ペーパーの前記透明電極基材側表面上の表示領域の一部に、交換可能に配置された固定絵柄層と、
    前記ツイストボール型電子ペーパーの駆動を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする電子広告媒体。
  2. 前記電子広告媒体が、前記ツイストボール型電子ペーパーの前記透明電極基材側表面上に配置され、透明保護基材および前記透明保護基材の一方の表面上に形成された収納部を有する透明保護部を有し、前記固定絵柄層が前記収納部に収納されて交換可能に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子広告媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020139996A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 大日本印刷株式会社 電子表示体

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