JP2014112147A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の観視者に対して、表示パネルに簡易な光学系で立体画像を表示させる。
【解決手段】画像を表示する表示パネルと、表示パネルにおける表示方向に対する裏面側において水平方向に並んで配置され、当該裏面側から入射される光を水平方向に発散させる複数のシリンドリカルレンズを有するレンズアレイと、レンズアレイの表示パネルとは反対側に設けられ、複数のシリンドリカルレンズのそれぞれ毎に複数の観視位置のそれぞれに対応した複数の発光領域を有するバックライト部と、を備え、複数の発光領域のそれぞれは、対応するシリンドリカルレンズにおける水平方向の一部の領域ずつを通過して観視位置へと向かう光を出射する表示装置を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】画像を表示する表示パネルと、表示パネルにおける表示方向に対する裏面側において水平方向に並んで配置され、当該裏面側から入射される光を水平方向に発散させる複数のシリンドリカルレンズを有するレンズアレイと、レンズアレイの表示パネルとは反対側に設けられ、複数のシリンドリカルレンズのそれぞれ毎に複数の観視位置のそれぞれに対応した複数の発光領域を有するバックライト部と、を備え、複数の発光領域のそれぞれは、対応するシリンドリカルレンズにおける水平方向の一部の領域ずつを通過して観視位置へと向かう光を出射する表示装置を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、表示装置に関する。
透過型表示モニタおよびレンズを用いて立体画像を視認させる技術として、透過型表示モニタの裏面側から右眼用光源および左眼用光源で照射して、右眼用光源からの光および左眼用光源からの光をレンズによりそれぞれ観視者の右眼上および左眼上に結像させる技術が知られている。例えば、下記特許文献には立体視に関連する技術が記載されている。
特許文献1 特開2009−98589号公報
特許文献1 特開2009−98589号公報
ところで、立体視用のレンズとして、レンチキュラレンズが知られている。レンチキュラレンズは、垂直方向に延伸する断面が半月形状の複数の微小レンズを水平方向に並べて配列したものである。従来の表示装置では、複数の微小レンズの境界線が直線状なので観視者に見えてしまっていた。また、複数の観視者に対して当該立体画像を視認させるべく、観視位置を増加させると、光学系が複雑になり、設計および製造が困難になっていた。
本発明の第1の態様においては、画像を表示する表示パネルと、表示パネルにおける表示方向に対する裏面側において水平方向に並んで配置され、裏面側から入射される光を水平方向に発散させる複数のシリンドリカルレンズを有するレンズアレイと、レンズアレイの表示パネルとは反対側に設けられ、複数のシリンドリカルレンズのそれぞれ毎に複数の観視位置のそれぞれに対応した複数の発光領域を有するバックライト部と、を備え、複数の発光領域のそれぞれは、対応するシリンドリカルレンズにおける水平方向の一部の領域ずつを通過して観視位置へと向かう光を出射する表示装置を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る表示装置10の構成を示す。表示装置10は、複数の観視位置に向けて画像を表示する。
より詳しくは、表示装置10は、一または複数の右眼用画像を表示して複数の観視者のそれぞれの右眼に与え、一または複数の左眼用画像を表示して複数の観視者のそれぞれの左眼に与える。このような表示装置10は、画像分離用の専用メガネを装着しない複数の観視者、即ち、裸眼の複数の観視者に対して立体像を提供することができる。
表示装置10は、表示パネル20と、バックライト部22と、レンズアレイ24と、垂直方向拡散板26と、光学部28と、検出部30と、光出力制御部32と、表示制御部34とを備える。表示パネル20は、一方の面に画像を表示する。一例として、表示パネル20は、右眼用画像および左眼用画像を観視者の方向である表示方向に表示する。表示パネル20は、当該表示パネル20における表示方向に対する裏面側から照射された光を透過させることにより、表示した画像を観視者に与える透過型パネルである。
本実施例において、表示パネル20は、一方の面に画像を表示し、他方の面側から光が照射される例を説明するが、これに代えて、表示パネル20は、一方の面に画像を表示し、当該一方の面側に光が照射されてもよい。この場合、表示パネル20は、他方の面側を観視者の方向である表示方向とする。
バックライト部22は、表示パネル20の裏面側に設けられる。バックライト部22は、一例として、表示パネル20の他方の面である裏面に対して平行光(ほぼ平行な光)を出力する。バックライト部22は、複数の観視者の複数の観視位置のそれぞれに対応した複数の発光領域を有し、表示パネル20の裏面に向けて光を照射する。表示パネル20の裏面に照射される複数の発光領域のそれぞれからの光は、表示パネル20を透過して複数の観視者のそれぞれに与えられるための光である。
レンズアレイ24は、表示パネル20とバックライト部22との間の光路上に設けられる。レンズアレイ24は、バックライト部22から入力された光を、予め定められた複数の方向に屈折させて表示パネル20へと出力する。
垂直方向拡散板26は、表示パネル20とバックライト部22との間の光路上に設けられる。垂直方向拡散板26は、バックライト部22から出射する光を表示パネル20の垂直方向に拡散させる。
光学部28は、表示パネル20と垂直方向拡散板26との間の光路上に設けられる。光学部28は、垂直方向拡散板26を通過した光を、複数の観視位置のそれぞれの方向へと集光する。
例えば、第1の観視者および第2の観視者のそれぞれに立体像を提供する場合には、光学部28は、第1の観視者の右眼に対応する観視位置、第1の観視者の左眼に対応する観視位置、第2の観視者の右眼に対応する観視位置、および、第2の観視者の左眼に対応する観視位置のそれぞれに、それぞれの観視位置に対応する光を集光する。これにより、複数の観視者のそれぞれは、表示パネル20に表示された画像を見ることができる。
検出部30は、複数の観視位置に対応する観視者をそれぞれ検出する。光出力制御部32は、バックライト部22における光を出力する位置およびタイミングを制御する。これに加えて、光出力制御部32は、バックライト部22における光の点灯および消灯を制御してもよい。表示制御部34は、右眼用画像および左眼用画像の表示タイミングを制御する。
図2は、本実施形態に係る表示パネル20、バックライト部22、レンズアレイ24、垂直方向拡散板26および光学部28のそれぞれの構成を示す。
バックライト部22は、発光部36と、液晶シャッター部38とを有する。発光部36は、表示パネルの裏面の全面に対して光を出射する。発光部36は、観視者毎に対応する光源部40を有する。本例においては、発光部36は、第1の観視者に対応する複数の光源部40−1と、第2の観視者に対応する複数の光源部40−2とを有する。
複数の光源部40のそれぞれは、表示パネル20の水平方向に伸びた帯状に配置される。また、第1の観視者に対応する複数の光源部40−1および第2の観視者に対応する複数の光源部40−2は、垂直方向に並べて配置される。本例においては、第1の観視者に対応する光源部40−1と第2の観視者に対応する光源部40−2とが垂直方向に並んで交互に配置される。
複数の光源部40のそれぞれは、予め定められた微小なピッチで表示パネル20の水平方向に配列された複数の光源50を有する。複数の光源50のそれぞれは、一例として、それぞれの発光領域から表示パネル20に向けて平行光を出力する。
ここで、複数の観視者に対応する複数の光源50は、複数の観視者のそれぞれの右眼に対応して設けられた複数の複数の右眼光源グループと、複数の観視者のそれぞれの左眼に対応して設けられた複数の左眼光源グループと、を有する。複数の右眼光源グループのそれぞれは、レンズアレイ24を通過して対応する観視位置に存在する観視者の右眼に向かう光を出力する複数の右眼用光源を含む。複数の左眼光源グループのそれぞれは、レンズアレイ24を通過して対応する観視位置に存在する観視者の左眼に向かう光を出力する複数の左眼用光源を含む。
一例として、図2において、第1の観視者の右眼光源グループ50−1−Rおよび第1の観視者の左眼光源グループ50−1−Lを示す。同様に、第2の観視者の右眼光源グループ50−2−Rおよび第2の観視者の左眼光源グループ50−2−Lを示す。
液晶シャッター部38は、発光部36とレンズアレイ24との間の光路上に設けられる。液晶シャッター部38は、複数の発光領域のそれぞれに対応する発光部36からの光を、通過または遮断する複数のシャッターを含む。また、液晶シャッター部38は、複数の観視者のそれぞれに対応して、それぞれが複数のシャッターを有する複数のシャッター部42を有する。複数のシャッター部42のそれぞれは、一例として、対応する光源部40と同様の形状であり、対応する光源部40から出力された光を透過および遮断可能な位置に配置される。
レンズアレイ24は、表示パネル20の裏面側において水平方向に並んで配置され、裏面側から入射される光を水平方向に発散させる複数のシリンドリカルレンズ52を有する。複数のシリンドリカルレンズ52のそれぞれは、バックライト部22の複数の観視位置のそれぞれに対応した複数の発光領域に、それぞれ対応して配置される。即ち、バックライト部22の複数の発光領域のそれぞれは、対応するシリンドリカルレンズ52における水平方向の一部の領域ずつを通過して観視位置へと向かう光を出射する。
レンズアレイ24は、複数の行のそれぞれにおいて複数のシリンドリカルレンズ52が行方向に予め定められたピッチで配列される。ここで、ピッチとは、シリンドリカルレンズ52の行方向の幅を指す。レンズアレイ24は、一例として、複数のシリンドリカルレンズ52が配置されたレンチキュラレンズである。
複数のシリンドリカルレンズ52のそれぞれは、複数の観視者のそれぞれに対応する右眼光源グループおよび左眼光源グループが照射する光をそれぞれ異なる方向に射出する。ここで、シリンドリカルレンズ52が配置されるピッチは、一例として、右眼光源グループに含まれる右眼用光源の配置間隔と、左眼光源グループに含まれる左眼用光源の配置間隔との和に等しい。
レンズアレイ24において、第1の行および第2の行における複数のシリンドリカルレンズ52は、行方向の位置が予め定められた間隔だけずらして配列される。複数のシリンドリカルレンズ52が列方向においてずれて設けられるので、複数の光源50の輝度ムラを低減させることができる。
垂直方向拡散板26は、光源部40から出射する光を表示パネル20の垂直方向に拡散させる。これにより、垂直方向拡散板26は、水平方向に伸びた帯状の光源部40のそれぞれから出力された光を、表示パネル20に対して垂直方向に均一に照射することができる。
光学部28は、表示パネル20とレンズアレイ24との間の光路上に設けられる。光学部28は、複数のシャッター部42のそれぞれを通過した複数の光源部40からの光を、それぞれの光源部40に対応する観視位置へと集光する。本例においては、光学部28は、第1の観視者に対応する光源部40−1からの光を第1の観視者に対応する観視位置へと集光し、第2の観視者に対応する光源部40−2からの光を第2の観視者に対応する観視位置へと集光する。光学部28は、一例として、水平方向の入力光を屈折させて出力する一次元フレネルレンズである。
図3は、本実施形態に係る表示装置10の構成および表示装置10から二人の観視者のそれぞれに与えられる光の一例を示す。図3において、発光部36、液晶シャッター部38、およびレンズアレイ24は、第1観視者および第2観視者にそれぞれ対応して光源部40、シャッター部42、および複数のシリンドリカルレンズ52をそれぞれ2つ有する例を示す。ここで、光源部40、シャッター部42、および複数のシリンドリカルレンズ52は、図2で説明した配置で形成されるが、二人の観視者にそれぞれ向かう光路を説明する目的で、図3においては、これらの部品を並べて配置して説明する。
図3に示されるように、第1の観視者に対応する右眼光源グループ50−1−Rおよび左眼光源グループ50−1−Lに含まれる複数の光源50は、水平方向に予め定められたピッチで配置される。第1の観視者に対応して水平方向に並んだ複数の光源50のそれぞれから出力された光は、液晶シャッター部38、レンズアレイ24、垂直方向拡散板26、光学部28および表示パネル20を順次通過して、第1の観視者の観視位置に集光される。
より具体的には、光学部28は、第1の観視者の右眼に対応して設けられた右眼光源グループ50−1−Rからの光を、第1の観視者の右眼に対応する観視位置へと集光する。また、光学部28は、第1の観視者の左眼に対応して設けられた左眼光源グループ50−1−Lからの光を、第1の観視者の左眼に対応する観視位置へと集光する。
同様に、光学部28は、第2の観視者の右眼に対応して設けられた右眼光源グループ50−2−Rからの光を、第2の観視者の右眼に対応する観視位置へと集光する。また、光学部28は、第2の観視者の左眼に対応して設けられた左眼光源グループ50−2−Lからの光を、第2の観視者の左眼に対応する観視位置へと集光する。
ここで、表示パネル20は、当該表示パネル20を観視位置から観視する観視者毎の、右眼に対応するべき右眼位置に向けて表示する複数の右眼用画像と、左眼に対応するべき左眼位置に向けて表示する複数の左眼用画像とを、時分割で表示する。そして、複数のシャッターのそれぞれは、表示パネル20がそれぞれの右眼用画像を表示するタイミングにおいて、当該右眼用画像に対応する観視者の右眼位置に向かう光が入射するシャッターを開き、左眼位置に向かう光が入射するシャッターを閉じる。
同様に、複数のシャッターのそれぞれは、表示パネル20がそれぞれの左眼用画像を表示するタイミングにおいて、当該左眼用画像に対応する観視者の右眼位置に向かう光が入射するシャッターを閉じ、左眼位置に向かう光が入射するシャッターを開く。
図3の例において、表示パネル20は、第1の観視者および第2の観視者のそれぞれに表示すべき右眼用画像と左眼用画像とを時分割で表示する。そして、第1の観視者に対応するシャッター部42−1は、右眼用画像が表示されている期間において、右眼光源グループ50−1−Rに含まれる複数の光源50のそれぞれに一対一に対応して、複数の右眼用の開口70−1−Rを形成する。即ち、複数の右眼用の開口70−1−Rのそれぞれは、対応する右眼光源グループ50−1−Rから第1の観視者の右眼の観視位置へと与えられる光のみをそれぞれ透過させる。
また、第1の観視者に対応するシャッター部42−1は、左眼用画像が表示されている期間において、左眼光源グループ50−1−Lに含まれる複数の光源50のそれぞれに一対一に対応して複数の左眼用の開口70−1−Lを形成する。即ち、複数の左眼用の開口70−1−Lのそれぞれは、対応する左眼光源グループ50−1−Lから第1の観視者の左眼の観視位置へと与えられる光のみをそれぞれ透過させる。
これにより、第1の観視者に対応するシャッター部42−1は、右眼用画像が表示されている期間において、第1の観視者の右眼へと向かう光を透過させ、他の光を遮断することができる。また、第1の観視者に対応するシャッター部42−1は、左眼用画像が表示されている期間において、第1の観視者の左眼へと向かう光を透過させ、他の光を遮断することができる。従って、表示装置10は、右眼用画像を第1の観視者の右眼のみに与え、左眼用画像を第1の観視者の左眼のみに与えることができる。
同様に、第2の観視者に対応するシャッター部42−2は、右眼用画像が表示されている期間において、第2の観視者の右眼へと向かう光を透過させ、他の光を遮断することができる。また、第2の観視者に対応するシャッター部42−2は、左眼用画像が表示されている期間において、第2の観視者の左眼へと向かう光を透過させ、他の光を遮断することができる。従って、表示装置10は、右眼用画像を第2の観視者の右眼のみに与え、左眼用画像を第2の観視者の左眼のみに与えることができる。
以上のように、本実施形態に係る表示装置10によれば、複数の観視位置のそれぞれに向けて、個別の画像を表示することができる。従って、表示装置10によれば、画像分離用の専用メガネを装着しない複数の観視者、即ち、裸眼の複数の観視者に対して立体像を提供することができる。
ここで、本実施形態に係る表示装置10は、一例として、複数の観視位置に対応する観視者の存在を検出して、検出結果に応じて対応する光源50の点灯または消灯を制御する。この場合、検出部30は、複数の観視位置に対応する観視者を検出して、検出結果を光り光出力制御部32に送信する。光出力制御部32は、受信した検出結果に応じて、対応する光源50を点灯または消灯させる。検出部30は、一例として、カメラにより撮像した画像に基づき、それぞれの観視者を検出する。
例えば、光出力制御部32は、検出部30が観視者を検出しなかった結果に応じて、対応する観視者が検出されなかった観視位置に向かう右眼用光源および左眼用光源を消灯する。また、光出力制御部32は、検出部30が観視者を検出した結果に応じて、対応する観視者が検出された観視位置に向かう右眼用光源および左眼用光源を点灯してもよい。
ここで、表示装置10は、右眼用光源および左眼用光源を消灯および点灯させる目的で、液晶パネル部を発光部36と液晶シャッター部38の間に設けてよい。これに代えて、光出力制御部32は、右眼用光源および左眼用光源の電源供給を切り替えてもよい。
図4は、本実施形態に係る液晶シャッター部38の構成の一例を示す。液晶シャッター部38が有する複数のシャッター部42のそれぞれは、表示パネル20の水平方向の各位置において光を通過または遮断する複数のシャッター60を有する。複数のシャッター60は、一例として、水平方向に配列された液晶シャッター群である。
複数の光源50のそれぞれは、一例として、平行光を出力する。例えば、複数の光源50は、コリメータ等の光学レンズをそれぞれ含み、平行光をそれぞれ出力する。また、複数のシャッター60のそれぞれは、1つの光源50の発光領域の大きさよりも十分に小さい。これにより、複数のシャッター60のそれぞれは、1つの光源50から出力された光のうちの一部を透過して、他を遮断することができる。
このような複数のシャッター60は、複数の光源50のそれぞれに対応して水平方向に並んだ複数の開口70を形成する。複数の開口70のそれぞれは、複数のシャッター60をそれぞれ含む。例えば、一の開口70は、複数のシャッター60のうち、透過状態とされた少なくとも1つのシャッター60と、遮断状態とされた残りの複数のシャッター60により形成される。
図4は、一の開口70が、4つのシャッター60を含み、そのうち少なくとも1つのシャッター60が透過状態とされることで、対応する光源50の光を透過させる開口70を形成する例を示す。このように、複数のシャッター60は、観視位置に応じて少なくとも1つのシャッター60を透過状態にすることで、発光領域からの平行光のうち観視位置に到達する光のみを透過させることができる。これによって、シリンドリカルレンズ52等の光学系が収差を有していても、当該光学系に応じたシャッター60を透過状態にすることで、正しく観視位置に到達する光のみを透過させることができる。
複数の開口70のそれぞれは、対応する光源50に対する水平方向の位置が、対応する観視位置によって異なる。本例においては、第1の観視者の右眼に照射する光を透過する右眼用の開口70−1−R、第1の観視者の左眼に照射する光を透過する左眼用の開口70−1−L、第2の観視者の右眼に照射する光を透過する右眼用の開口70−2−R、および、第2の観視者の左眼に照射する光を透過する左眼用の開口70−2−Lは、対応する光源50に対する水平方向の位置がそれぞれ異なる。
また、このような複数の開口70のそれぞれの水平方向の位置は、光出力制御部32により制御される。そして、光出力制御部32は、複数の観視者のそれぞれの位置に応じて、それぞれの観視者の右眼および左眼へと照射する光を透過する複数の開口70を適切な位置に形成する。光出力制御部32は、一例として、予め登録された情報および観視位置に基づいて、複数の開口70の位置を変更する。
このように複数の開口70が形成されることにより、表示装置10は、複数の観視位置のそれぞれに、対応する光のみを照射し、他の光を照射させないことができる。これにより、本実施形態に係る表示装置10は、複数の観視位置のそれぞれに光を正確に集光して、他の観視位置への漏れを無くすことができる。これにより、表示装置10は、例えば観視位置の数を増やした場合であっても、それぞれの観視位置に鮮明な画像を提供することができる。
図5は、本実施形態に係る発光部36の正面図の一例を示す。第1の観視者に対応する右眼光源グループ50−1−Rおよび左眼光源グループ50−1−Lは、一例として、行方向において交互に設けられる。同様に、第2の観視者に対応する右眼光源グループ50−2−Rおよび左眼光源グループ50−2−Lは、行方向において交互に設けられる。
ここで、第1の観視者に対応する右眼光源グループ50−1−Rおよび第2の観視者に対応する左眼光源グループ50−2−Lは、一例として、列方向において交互に設けられる。同様に、第1の観視者に対応する左眼光源グループ50−1−Lおよび第2の観視者に対応する右眼光源グループ50−2−Rは、列方向において交互に設けられる。
図6は、本実施形態に係るレンズアレイ24の正面図の一例を示す。レンズアレイ24は、発光部36に対向して設けられ、行方向において、シリンドリカルレンズ52が予め定められたピッチP1で設けられる。また、レンズアレイ24は、列方向において、行方向の位置が第1の位置となるシリンドリカルレンズ52と、行方向の位置が第1の位置に対して予め定められた間隔P2だけずれた第2の位置となるレンズとが交互に設けられたレンズアレイであってよい。
例えば、レンズアレイ24において、隣接する第1の行および第2の行の複数のシリンドリカルレンズ52は、行方向の位置がシリンドリカルレンズの行方向のピッチP1の1/n(nは正の整数)ずらして配置される。ここで、nは2であってよく、この場合、複数のシリンドリカルレンズ52が第1の行と同一の配置の行と、複数のシリンドリカルレンズ52が第1の行に対して1/2ピッチずれて配置される第2の行と同一の配置の行とが、互い違いに設けられる。
表示装置10は、このようにシリンドリカルレンズ52の配列を構成することにより、観視者に対してシリンドリカルレンズ52の縦方向の境界線を認識しにくくさせることができる。図6は、nが2の場合のレンズアレイ24の例を示す。
図7は、本実施形態に係る複数の光源50の発光領域とレンズアレイ24とを重ね合わせた場合の正面図の一例を示す。本例において、発光部36が有する複数の観視者のそれぞれの右眼および左眼に対応する一組の光源50の行方向および列方向に配置されるピッチと、シリンドリカルレンズ52の行方向および列方向に配置されるピッチとが、略同一なマトリクス状の配列である。
即ち、本例の発光部36において、右眼用光源および左眼用光源によるそれぞれの発光領域は、行方向においてシリンドリカルレンズ52の予め定められたピッチP1の半分のピッチで交互に配置される。また、右眼用光源および左眼用光源によるそれぞれの発光領域は、列方向において、シリンドリカルレンズ52の列方向のピッチP3と略同一に配置される。
これによって、複数の光源50のうち、複数の観視者のそれぞれの右眼および左眼に対応する隣り合う2つの発光領域は、1つのシリンドリカルレンズ52に対応し、当該シリンドリカルレンズ52の光路と重なって配置される。即ち、1つのシリンドリカルレンズ52は、2つの発光領域から入力された平行光のうち、一方の発光領域からの光を対応する観視者の右眼に達する光路へと屈折させ、他方の発光領域からの光を対応する観視者の左眼に達する光路へと屈折させる。
ここで、複数のシリンドリカルレンズ52のそれぞれは、行方向におけるそれぞれの断面が半月形状であってよく、これに代えて、行方向の断面が非球面であってもよい。複数のシリンドリカルレンズ52のそれぞれは、平行光を屈折させる角度がより緩やかになるように、断面形状が半月形状よりも緩やかな曲線となる非球面形状としてよい。これによって、シリンドリカルレンズ52の設計精度を緩和させること、および設計自由度を増加させることができる。
図8は、本実施形態に係る複数の光源50の発光領域と、レンズアレイ24と、液晶シャッター部38のシャッターとを重ね合わせた場合の正面図の一例を示す。複数の観視者それぞれの右眼または左眼に照射する光を透過する右眼用または左眼用の開口は、対応する光源50の発光領域内に配置される。
図8の例において、第1の観視者の右眼に照射する光を透過する右眼用の開口70−1−R、第1の観視者の左眼に照射する光を透過する左眼用の開口70−1−L、第2の観視者の右眼に照射する光を透過する右眼用の開口70−2−R、および、第2の観視者の左眼に照射する光を透過する左眼用の開口70−2−Lは、それぞれ対応する光源50の発光領域内に配置される。
これによって、光源50は、平行光を出力するだけで、複数の観視者のそれぞれに対して、右眼および左眼に照射すべき光を切り替えて出力することができる。即ち、発光部36の設計精度を緩和させること、および設計自由度を増加させることができる。
図9は、本例におけるレンズアレイ24の変形例の正面図を示す。本例において、複数のシリンドリカルレンズ52は、表示パネル20の垂直方向に対して斜め方向に延伸して設けられる。即ち、レンズアレイ24は、発光部36に対向して設けられ、列方向に対して予め定められた角度θを有する方向に延伸して設けられるシリンドリカルレンズ52が、行方向に沿って複数設けられるレンズアレイを構成して良い。レンズアレイ24は、断面が半月形状のシリンドリカルレンズ52を複数斜めに配列したレンチキュラレンズであってよい。
図10は、本実施形態に係る複数の光源50の発光領域とレンズアレイ24の変形例とを重ね合わせた場合の正面図を示す。それぞれのシリンドリカルレンズ52は、列方向に配列された複数の光源ユニットにおけるレンズとして機能する。
つまり、本例において、斜め方向に延伸するシリンドリカルレンズ52と行方向に配列される右眼用光源および左眼用光源とにより、平行四辺形の発光領域が形成される。レンズアレイ24は、これらの発光領域を行方向及び列方向にマトリクス状に配列して構成してよい。このようにシリンドリカルレンズ52の形状を変えて構成することにより、観視者は、シリンドリカルレンズ52の縦方向の境界線を認識しにくくさせることができる。
図11は、複数の観視者に対して同一の立体像を提供する場合の制御タイミングを示す。表示装置10は、図11に示されるように、シャッター部42の開閉タイミングおよび表示パネル20の表示タイミングを制御する。
まず、表示パネル20は、当該表示パネル20を観視位置から観視する複数の観視者の、右眼に対応するべき右眼位置に向けて表示する右眼用画像と、左眼に対応するべき左眼位置に向けて表示する左眼用画像とを、時分割で表示する。より具体的には、表示パネル20は、右眼用画像と左眼用画像とを交互に表示する。
そして、複数のシャッター部42のそれぞれは、表示パネル20が右眼用画像を表示するタイミングにおいて、それぞれのシャッター部42に対応する複数の観視者のそれぞれの右眼位置に向かう光が入射するシャッター60を開き、左眼位置に向かう光が入射するシャッター60を閉じる。これにより、複数のシャッター部42のそれぞれは、右眼用画像を複数の観視者のそれぞれの右眼のみに与え、左眼には与えないことができる。
また、複数のシャッター部42のそれぞれは、表示パネル20が左眼用画像を表示するタイミングにおいて、それぞれのシャッター部42に対応する複数の観視者のそれぞれの右眼位置に向かう光が入射するシャッター60を閉じ、左眼位置に向かう光が入射するシャッター60を開く。これにより、複数のシャッター部42のそれぞれは、左眼用画像を複数の観視者のそれぞれの左眼のみに与え、右眼には与えないことができる。
以上のようなタイミングによりシャッター60の開閉および表示を制御することにより、表示装置10は、専用のメガネを装着していない複数の観視者に対して同一の立体像を提供することができる。
図12は、複数の観視者に対してそれぞれ異なる立体像を提供する場合の制御タイミングを示す。それぞれ異なる立体像を提供する場合、表示装置10は、図12に示されるように、シャッター部42の開閉タイミングおよび表示パネル20の表示タイミングを制御する。
まず、表示パネル20は、当該表示パネル20を観視位置から観視する観視者毎の、右眼に対応するべき右眼位置に向けて表示する複数の右眼用画像と、左眼に対応するべき左眼位置に向けて表示する複数の左眼用画像とを、時分割で表示する。
例えば、表示パネル20は、第1から第N(Nは2以上の整数)の観視者に対して異なる立体像を表示する場合、一例として、まず、第1観視者の右眼用画像を表示し、続いて、第1観視者の左眼用画像を表示し、続いて、第2観視者の右眼用画像を表示し、続いて、第2観視者の左眼用画像を表示する。以後、表示パネル20は、同様に、それぞれの観視者の右眼用画像および左眼用画像を表示する。そして、表示パネル20は、第N観視者の右眼用画像および左眼用画像まで表示した後に、第1観視者の右眼用画像および左眼用画像の表示に戻す。
そして、複数のシャッター部42のそれぞれは、表示パネル20がそれぞれのシャッター部42に対応する観視位置に向けた右眼用画像を表示するタイミングにおいて、それぞれのシャッター部42に対応する観視者の右眼位置に向かう光が入射するシャッター60を開き、左眼位置に向かう光が入射するシャッター60を閉じる。これにより、複数のシャッター部42のそれぞれは、対応する観視位置の観視者に対して表示するべき右眼用画像を、その観視者の右眼のみに与え、その観視者の左眼には与えないことができる。
また、複数のシャッター部42のそれぞれは、表示パネル20がそれぞれのシャッター部42に対応する観視位置に向けた左眼用画像を表示するタイミングにおいて、それぞれのシャッター部42に対応する観視者の右眼位置に向かう光が入射するシャッター60を閉じ、左眼位置に向かう光が入射するシャッター60を開く。これにより、複数のシャッター部42のそれぞれは、対応する観視位置の観視者に対して表示するべき左眼用画像を、その観視者の左眼のみに与え、その観視者の右眼には与えないことができる。
さらに、複数のシャッター部42のそれぞれは、表示パネル20が他のシャッター部42に対応する観視位置に向けた右眼用画像および左眼用画像を表示するタイミングにおいて、それぞれのシャッター部42に対応する観視者の右眼位置および左眼位置に向かう光が入射するシャッター60を閉じる。これにより、複数のシャッター部42のそれぞれは、対応する観視位置の観視者以外に表示するべき右眼用画像および左眼用画像を、その観視者の右眼および左眼には与えないことができる。
以上のようなタイミングによりシャッター60の開閉および表示を制御することにより、表示装置10は、専用のメガネを装着していない複数の観視者のそれぞれに対して、互いに異なる立体像を提供することができる。
図13は、本実施形態の変形例に係る表示装置10の構成および観視者が左右に移動した場合における複数の開口70の移動方向を示す。本変形例に係る表示装置10は、図1から図12を参照して説明した表示装置10と略同一の構成および機能を採るので、略同一の構成および機能の部材に同一の符号を付け、以下相違点を除き説明を省略する。
本変形例に係る表示装置10は、特定部80を更に備える。特定部80は、観視者の位置を検出して観視位置を特定する。より詳しくは、特定部80は、観視者の表示パネル20に対する水平方向の位置を特定する。
特定部80は、一例として、当該表示装置10を観視している観視者が移動した場合、当該観視者の表示パネル20に対する位置を検出する。特定部80は、一例として、カメラにより撮像した画像に基づき、それぞれの観視者の表示パネル20に対する位置を検出する。ここで、表示装置10は、特定部80と、図3で説明した検出部30とをそれぞれ備えてよく、これに代えて、特定部80の動作を実行する検出部30を備えてもよい。
そして、複数のシャッター部42のそれぞれは、特定された観視位置に応じて、複数のシャッター60のそれぞれを、観視者の右眼に対応するべき右眼位置に向かう光を通過または遮断する右眼対応のシャッター60、または、観視者の左眼に対応するべき左眼位置に向かう光を通過または遮断する左眼対応のシャッター60のいずれとするかとを切り換える。この場合、光出力制御部32は、特定部80により特定された観視者の位置に応じて、観視者に対応して形成される複数の右眼用の開口70−Rおよび複数の左眼用の開口70−Lの水平方向における位置を制御する。
例えば、観視者が標準位置(例えば、水平方向の中央の位置)から表示パネル20を観視する場合、光出力制御部32は、右眼用画像を透過させるための複数の右眼用の開口70−Rおよび左眼用画像を透過させるための複数の左眼用の開口70−Lを、予め設定された位置に形成するように複数のシャッター60の状態を制御する。そして、観視者が標準位置から右側または左側に移動した場合には、光出力制御部32は、右眼用画像を透過させるための複数の右眼用の開口70−Rおよび左眼用画像を透過させるための複数の左眼用の開口70−Lのそれぞれを、観視者の移動量およびそれぞれの開口70の水平方向の位置に応じて、観視者の移動方向とは逆方向にずらす。
例えば観視者が標準位置から右側に移動した場合には、光出力制御部32は、複数の開口70のそれぞれを左側にずらす。また、例えば観視者が標準位置から左側に移動した場合には、光出力制御部32は、複数の開口70のそれぞれを右側にずらす。より具体的には、標準位置で観視者が観視している場合に開けていた複数のシャッターを閉め、当該観視者が右側に移動した距離に応じた位置の当該閉めたシャッターよりも左側の複数のシャッターを開ける。
このような変形例に係る表示装置10は、観視者が左右に移動した場合であっても、複数の開口70を透過した光をそれぞれ対応する観視位置に正確に集光することができる。これにより、表示装置10によれば、鮮明な立体像を観視させることができる。
図14は、本実施形態の変形例に係る表示装置10の構成および観視者が前後に移動した場合における複数の開口70の移動方向を示す。本変形例に係る特定部80は、観視者の位置として、表示パネル20から観視者までの距離を検出する。
そして、複数のシャッター部42のそれぞれは、特定された距離に応じて、複数のシャッター60のそれぞれを、観視者の右眼に対応するべき右眼位置に向かう光を通過または遮断する右眼対応のシャッター60、または、観視者の左眼に対応するべき左眼位置に向かう光を通過または遮断する左眼対応のシャッター60のいずれとするかとを切り換える。この場合、光出力制御部32は、特定部80により特定された観視者の距離に応じて、観視者に対応して形成される複数の開口70の水平方向における位置を制御する。
例えば、観視者が標準距離(例えば、表示パネル20から予め定められた距離)から表示パネル20を観視する場合、光出力制御部32は、右眼用画像を透過させるための複数の右眼用の開口70−Rおよび左眼用画像を透過させるための複数の左眼用の開口70−Lを、予め設定された位置に形成するように複数のシャッター60の状態を制御する。そして、観視者が標準距離から後側に移動した場合には、光出力制御部32は、右眼用画像を透過させるための複数の右眼用の開口70−Rおよび左眼用画像を透過させるための複数の左眼用の開口70−Lのそれぞれを、観視者の移動量に応じて、表示パネル20の中心から外側に向かう方向に移動させる。また、観視者が標準距離から前側に移動した場合には、光出力制御部32は、右眼用画像を透過させるための複数の右眼用の開口70−Rおよび左眼用画像を透過させるための複数の左眼用の開口70−Lのそれぞれを、観視者の移動量に応じて、表示パネル20の中心から内側に向かう方向に移動させる。
この場合において、光出力制御部32は、表示パネル20の周縁部に近い開口70ほど移動量を大きくする。例えば、光出力制御部32は、観視者が表示パネル20の水平方向の中央に位置している場合において、前後に移動した場合には、水平方向の中央に位置する開口70の位置は移動させず、表示パネル20の周縁部に近づくにつれて移動量を大きくする。
このような変形例に係る表示装置10は、観視者が前後に移動した場合であっても、複数の開口70を透過した光をそれぞれ対応する観視位置に正確に集光することができる。これにより、表示装置10によれば、鮮明な立体像を観視させることができる。
なお、観視者の移動位置と複数の開口70の形成位置との関係は例えば工場出荷時等に予め測定しておき、メモリ等に記憶させていてもよい。この場合、光出力制御部32は、観視者の水平方向の位置および距離の特定結果に基づきメモリ等から情報を読み出して、複数の開口70の形成位置を制御する。
以上の図13および図14の例において、本実施形態の変形例に係る表示装置10が、一人の観視者の移動に応じて開口70の位置を変更して、当該観視者に対して鮮明な立体像を観視させることを説明した。これに加えて、本実施形態の変形例に係る表示装置10は、複数の観視者がそれぞれ移動する場合においても、それぞれの観視者に対して鮮明な立体像を観視させてよい。
この場合、特定部80は、複数の観視者の位置および/または距離をそれぞれ検出して観視位置をそれぞれ特定する。本変形例に係る表示装置10は、図1から図12を参照して説明したように、複数の観視者のそれぞれに対して、対応する複数のシャッターをそれぞれ観視者毎に独立して制御することができる。したがって、当該複数の観視者がそれぞれ移動しても、対応する複数のシャッターを複数の観視者のそれぞれの移動方向および移動距離に応じてそれぞれ制御することで、それぞれの観視者に対して鮮明な立体像を観視させることができる。
即ち、液晶シャッター部は、特定されたそれぞれの観視位置および/または距離に応じて、複数のシャッターのそれぞれを、複数の観視者のそれぞれの右眼に対応するべき右眼位置に向かう光を通過または遮断するそれぞれの右眼対応のシャッター、または、複数の観視者のそれぞれの左眼に対応するべき左眼位置に向かう光を通過または遮断するそれぞれの左眼対応のシャッターのいずれとするかを切り換える。
この場合、光出力制御部32は、特定部80により特定された複数の観視者の位置に応じて、それぞれの観視者に対応して形成される複数の右眼用の開口および複数の左眼用の開口の水平方向における位置をそれぞれ制御してよい。また、光出力制御部32は、特定部80により特定された観視者の距離に応じて、それぞれの観視者に対応して形成される複数の開口70の水平方向における位置をそれぞれ制御してよい。
このような変形例に係る表示装置10は、複数の観視者のそれぞれが左右および/または前後に移動した場合であっても、それぞれの観視者に対応する複数の開口を透過した光をそれぞれ対応する観視位置に正確に集光することができる。これにより、表示装置10によれば、鮮明な立体像を複数の観視者に観視させることができる。
以上の本実施形態に係る表示装置10は、発光部36が出力する平行光を対応する複数の観視者にそれぞれ集光する光学系の光路上に液晶シャッター部38を設け、複数の観視者のそれぞれの右眼および左眼に対応する光のみを透過させて、鮮明な立体像を観視させることを説明した。これに代えて、バックライト部22は、複数の観視者のそれぞれの右眼および左眼に対応する光として、それぞれ異なる偏光成分を含む光をそれぞれ照射させてもよい。
例えば、液晶シャッター部38は、観視者の右眼に対応する光を第1の偏光成分を含む光として出力し、観視者の左眼に対応する光を第2の偏光成分を含む光として出力する。ここで、第1および第2の偏光成分の光は、一例として、互いに直交する直線偏光(S偏光およびP偏光)である。
例えば、発光部36の複数の右眼光源グループが第1の偏光成分を含む光を出力し、複数の左眼光源グループが第2の偏光成分を含む光を出力する。このような光源は、一例として、光源と偏光板とを組み合わせて形成される。
これに代えて、液晶シャッター部38は、複数の右眼光源グループにそれぞれ対応する複数のシャッター60が第1の偏光成分を含む光のみを透過させ、複数の左眼光源グループにそれぞれ対応する複数のシャッター60が第2の偏光成分を含む光のみを透過させてもよい。このような液晶シャッター部38は、液晶と当該液晶を挟む2枚の偏光フィルタとを有する液晶シャッター部のうち、出力側の偏光フィルタを取り外すことで形成することができる。
表示パネル20は、入射光の第1の偏光成分を透過する複数の第1の表示領域と、第2の偏光成分を透過する複数の第1の表示領域とが交互に配列される。即ち、表示パネル20は、観視者の右眼に向けて表示すべき右眼用画像を第1の表示領域に表示し、観視者の左眼に向けて表示すべき左眼用画像を第2の表示領域に表示する。ここで、第1の表示領域とおよび第1の表示領域は、一例として、偏光板等で形成される。
これによって、観視者の右眼に対応する第1の偏光成分を含む光を、第1の表示領域を通過させて観視者の右眼に対応する観視位置へと集光させ、観視者の左眼に対応する第2の偏光成分を含む光を、第2の表示領域を通過させて観視者の左眼に対応する観視位置へと集光させることができる。このように、表示装置10は、発光部36が出力する平行光を対応する複数の観視者にそれぞれ集光する光学系の光路上に液晶シャッター部38を設け、複数の観視者のそれぞれの右眼および左眼に対応する偏光成分のみを透過させることで、鮮明な立体像を観視させることができる。
以上の本実施形態に係る表示装置10は、様々な大きさのパネルサイズにして観視者に立体像を観視させることができる。ここで、表示装置10が、46インチ(光源ピッチ0.171mm、5940×1080画素)の表示パネル20を備える例を説明する。
一例として、幅12.5mmで焦点距離12.5mmのシリンドリカルレンズ52を82×46個有するレンズアレイ24を用い、表示パネル20から2m離れた位置を観視位置とすると、シリンドリカルレンズ倍率は略160倍となる。これにより、観視位置の光源像のピッチは、略27.4mm(=0.171mm×160倍)となり、光源像の数は略73(12.5mm/0.171mm)となる。即ち、表示装置10は、観視者に対して、略2000mm(27.4mm×73)の視域を与えることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 表示装置、20 表示パネル、22 バックライト部、24 レンズアレイ、26 垂直方向拡散板、28 光学部、30 検出部、32 光出力制御部、34 表示制御部、36 発光部、38 液晶シャッター部、40 光源部、42 シャッター部、50 光源、52 シリンドリカルレンズ、60 シャッター、70 開口、80 特定部
Claims (16)
- 画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルにおける表示方向に対する裏面側において水平方向に並んで配置され、当該裏面側から入射される光を水平方向に発散させる複数のシリンドリカルレンズを有するレンズアレイと、
前記レンズアレイの前記表示パネルとは反対側に設けられ、前記複数のシリンドリカルレンズのそれぞれ毎に複数の観視位置のそれぞれに対応した複数の発光領域を有するバックライト部と、
を備え、
前記複数の発光領域のそれぞれは、対応するシリンドリカルレンズにおける水平方向の一部の領域ずつを通過して観視位置へと向かう光を出射する表示装置。 - 前記バックライト部は、前記表示パネルの裏面に対して平行光を出力する請求項1に記載の表示装置。
- 前記レンズアレイは、複数の行のそれぞれにおいて前記複数のシリンドリカルレンズが行方向に配列されたものであり、第1の行および第2の行における前記複数のシリンドリカルレンズは、行方向の位置が予め定められた間隔だけずらして配列される請求項1または2に記載の表示装置。
- 前記レンズアレイにおいて、隣接する第1の行および第2の行の前記複数のシリンドリカルレンズは、行方向の位置がシリンドリカルレンズの行方向のピッチの1/n(nは正の整数)ずらして配置される請求項3に記載の表示装置。
- 前記nは2であり、前記複数のシリンドリカルレンズが前記第1の行と同一の配置の行と、前記複数のシリンドリカルレンズが前記第1の行に対して1/2ピッチずれて配置される前記第2の行と同一の配置の行とが、互い違いに設けられる請求項4に記載の表示装置。
- 前記複数のシリンドリカルレンズは、前記表示パネルの垂直方向に対して斜め方向に延伸して設けられる請求項1から5のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記複数のシリンドリカルレンズのそれぞれは、行方向の断面が非球面である請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記表示パネルと前記バックライト部との間に設けられ、前記バックライト部から出射する光を前記表示パネルの垂直方向に拡散させる垂直方向拡散板を更に備える請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
- 前記バックライト部は、
前記表示パネルの裏面の全面に対して光を出射する発光部と、
前記発光部と前記レンズアレイとの間に設けられ、前記複数の発光領域のそれぞれに対応する前記発光部からの光を、通過または遮断する複数のシャッターを含む液晶シャッター部と、
を有する請求項1から8のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記発光部は、
複数の観視者のそれぞれの右眼に対応して設けられた複数の右眼光源グループと、
複数の観視者のそれぞれの左眼に対応して設けられた複数の左眼光源グループと、
を有し、
前記複数の右眼光源グループのそれぞれは、前記レンズアレイを通過して対応する前記観視位置に存在する観視者の右眼に向かう光を出力する複数の右眼用光源を含み、
前記複数の左眼光源グループのそれぞれは、前記レンズアレイを通過して対応する前記観視位置に存在する観視者の左眼に向かう光を出力する複数の左眼用光源を含む
請求項9に記載の表示装置。 - 前記複数の観視位置に対応する観視者をそれぞれ検出する検出部と、
対応する観視者が検出されなかった観視位置に向かう右眼用光源および左眼用光源を消灯する光出力制御部と
を更に備える請求項9または10に記載の表示装置。 - 前記表示パネルは、当該表示パネルを観視位置から観視する観視者の、右眼に対応するべき右眼位置に向けて表示する右眼用画像と、左眼に対応するべき左眼位置に向けて表示する左眼用画像とを、時分割で表示し、
前記複数のシャッターのそれぞれは、
前記表示パネルが右眼用画像を表示するタイミングにおいて、観視者の右眼位置に向かう光が入射するシャッターを開き、左眼位置に向かう光が入射するシャッターを閉じ、
前記表示パネルが左眼用画像を表示するタイミングにおいて、観視者の右眼位置に向かう光が入射するシャッターを閉じ、左眼位置に向かう光が入射するシャッターを開く、
請求項9から11のいずれか一項に記載の表示装置。 - 前記表示パネルは、当該表示パネルを観視位置から観視する観視者毎の、右眼に対応するべき右眼位置に向けて表示する複数の右眼用画像と、左眼に対応するべき左眼位置に向けて表示する複数の左眼用画像とを、時分割で表示し、
前記複数のシャッターのそれぞれは、
前記表示パネルがそれぞれの右眼用画像を表示するタイミングにおいて、当該右眼用画像に対応する観視者の右眼位置に向かう光が入射するシャッターを開き、左眼位置に向かう光が入射するシャッターを閉じ、
前記表示パネルがそれぞれの左眼用画像を表示するタイミングにおいて、当該左眼用画像に対応する観視者の右眼位置に向かう光が入射するシャッターを閉じ、左眼位置に向かう光が入射するシャッターを開く、
請求項9から12のいずれか一項に記載の表示装置。 - 観視者の位置を検出して観視位置を特定する特定部を更に備え、
前記液晶シャッター部は、特定された観視位置に応じて、前記複数のシャッターのそれぞれを、観視者の右眼に対応するべき右眼位置に向かう光を通過または遮断する右眼対応のシャッター、または、観視者の左眼に対応するべき左眼位置に向かう光を通過または遮断する左眼対応のシャッターのいずれとするかを切り換える
請求項12または13に記載の表示装置。 - 前記特定部は、前記観視者の位置として、前記表示パネルから観視者までの距離を検出し、
前記液晶シャッター部は、特定された距離に応じて、前記複数のシャッターのそれぞれを、観視者の右眼に対応するべき右眼位置に向かう光を通過または遮断する右眼対応のシャッター、または、観視者の左眼に対応するべき左眼位置に向かう光を通過または遮断する左眼対応のシャッターのいずれとするかを切り換える
請求項14に記載の表示装置。 - 前記特定部は、複数の観視者の位置をそれぞれ検出して観視位置をそれぞれ特定し、
前記液晶シャッター部は、特定されたそれぞれの観視位置に応じて、前記複数のシャッターのそれぞれを、前記複数の観視者のそれぞれの右眼に対応するべき右眼位置に向かう光を通過または遮断するそれぞれの右眼対応のシャッター、または、前記複数の観視者のそれぞれの左眼に対応するべき左眼位置に向かう光を通過または遮断するそれぞれの左眼対応のシャッターのいずれとするかを切り換える
請求項14または15に記載の表示装置。
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