JP2014111917A - フリーピストンエンジン駆動リニア発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】より効率的に発電でき得るフリーピストンエンジン駆動リニア発電機を提供する。
【解決手段】可動子が組み込まれたピストン14が、固定子が組み込まれたシリンダ12内で直線往復運動することで発電するフリーピストンエンジン駆動リニア発電機10は、前記運動方向に延びるガイド穴24に挿通されるガイド軸26と、前記ガイド穴24の内周面および前記ガイド軸26の外周面の間に介在して前記ガイド軸26およびガイド穴24の径方向への相対移動を規制する軸受60と、を有し、前記ガイド穴24およびガイド軸26の一方がピストン14と一体化された1以上のガイド機構を備え、前記ガイド穴24およびガイド軸26は、互いに干渉することで前記ピストン14の周方向への回転を規制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、可動子が組み込まれたピストンが、固定子が組み込まれたシリンダ内で直線往復運動することで発電するフリーピストンエンジン駆動リニア発電機に関する。
従来から、ピストンに隣接して配置された燃焼室での燃焼圧力でピストンを直線往復運動させて発電を行う、フリーピストンエンジン駆動リニア発電機が知られている。例えば、特許文献1には、同一直線上に対向して配置して運転される左右一対のフリーピストンエンジンと、該エンジンのピストン同士を連結して往復移動する磁石部(可動子)を備えたシャフト部と、磁石部が往復移動することで発電する固定子部分と、を備えた発電機が開示されている。この特許文献1では、ピストンを収容するシリンダが、ピストンの運動方向をガイドし、当該シリンダによりピストンの径方向の変位が規制されている。
また、特許文献2にも、フリーピストンエンジンのピストンに連結されたシャフトに永久磁石を設けるとともに、当該シャフトに板ばねを接続した発電機が開示されている。この特許文献2では、ピストンに隣接する燃焼室での燃焼圧力、および、シャフトに接続された板ばねの弾性力を利用して、ピストンを往復運動させている。
特開2001−241302号公報 特開2005−155345号公報
ところで、フリーピストンエンジン駆動リニア発電機において、効率的に発電を行うためには、可動子と固定子との間のギャップ量(クリアランス)を常に、設計された値に保つことが要求される。また、エンジンの熱効率を向上させるために、ピストンの燃焼室側端部にキャビティ(凹み)を設けることがある。このキャビティ形状は、エンジンの燃料インジェクタや点火プラグの位置を考慮して決定されており、通常、非対称な形状になっている。したがって、ピストンが周方向に回転(自転)し、インジェクタや点火プラグに対するキャビティの相対角度が変化すると、熱効率を十分に向上できない。そのため、ピストンの端面にキャビティを設ける場合には、ピストンの周方向への回転も防止することも求められる。
上述した特許文献1の発電機は、シリンダの内径を、ピストンの外径とほぼ同じにすることで、ピストンの径方向の変位、ひいては、可動子と固定子とのギャップ量を規制している。しかし、ピストンをシリンダ内で摺動させる特許文献1の技術では、ピストンおよびシリンダの摩耗が生じやすく、可動子と固定子のギャップ量を長期に亘り、一定に保つことは困難であった。また、特許文献1では、ピストンの周方向への回転が何ら規制されていない。したがって、ピストンの先端部を、インジェクタや点火プラグの位置に応じた特殊な非対称形状にして、エンジンの熱効率を向上させるという技術を適用できなかった。
特許文献2の発電機では、板ばねにより、ピストンおよび可動子の径方向への移動および周方向への回転が規制される。しかし、かかる板ばねを用いる発電機では、ピストンが、当該板ばねの弾性変形範囲内でしかストロークできず、フリーピストンエンジンの熱効率が低下する。また、ストロークを増加させるために、板ばねの弾性変形範囲を大きくすることも考えられるが、この場合、ピストンの径方向への変位も大きくなる。その結果、可動子と固定子との間のギャップ量を一定に保てなくなり、発電量の低下、発電効率の低下を招く。
そこで、本発明では、より効率的に発電でき得るフリーピストンエンジン駆動リニア発電機を提供することを目的とする。
本発明のフリーピストンエンジン駆動リニア発電機は、可動子が組み込まれたピストンが、固定子が組み込まれたシリンダ内で直線往復運動することで発電するフリーピストンエンジン駆動リニア発電機であって、前記運動方向に延びるガイド穴に挿通されるガイド軸と、前記ガイド穴の内周面および前記ガイド軸の外周面の間に介在して前記ガイド軸およびガイド穴の径方向への相対移動を規制する軸受と、を有し、前記ガイド穴およびガイド軸の一方がピストンと一体化された1以上のガイド機構を備え、前記ガイド穴およびガイド軸は、互いに干渉することで前記ピストンの周方向への回転を規制する、ことを特徴とする。
好適な態様では、前記ガイド穴およびガイド軸は、その横断面形状が非円形である。他の好適な態様では、前記軸受は、前記ガイド軸の外周面または前記ガイド穴の内周面を転動しながら進む転動体を備えており、前記転動体が転動する転動部には、前記ガイド軸の外周面または前記ガイド穴の内周面の摩耗を低減する補強材料が配される。他の好適な態様では、前記ガイド穴は、前記ピストンに形成された穴であり、前記ガイド穴および前記可動子は、前記運動方向における範囲が少なくとも一部重複する。
本発明によれば、よりピストンの径方向移動、および、周方向回転がともに阻害されるため、より効率的な発電が可能となる。
本発明の実施形態であるフリーピストンエンジン駆動リニア発電機の構成を示す図である。 図1のA−A断面図である。 ガイド軸の一部破断斜視図である。 他のフリーピストンエンジン駆動リニア発電機の構成を示す図である。 他のフリーピストンエンジン駆動リニア発電機の構成を示す図である。 図5のB−B断面図である。 他のフリーピストンエンジン駆動リニア発電機の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態であるフリーピストンエンジン駆動リニア発電機10(以下「リニア発電機10」と略す)の構成を示す図である。また、図2は、図1のA−A断面図であり、図3は、ガイド軸26の一部破断斜視図である。このリニア発電機10は、固定子一体型のシリンダ12、可動子一体型のピストン14、および、ピストン14の両側に配置された燃焼室16および空気バネ室18を含んで構成される。
シリンダ12は、筒形状の部材であり、内部にピストン14、燃焼室16、空気バネ室18等を備えることができる。シリンダ12は、燃焼室16での燃焼に起因する高温環境に耐え得る部材から構成されていることが望ましく、例えばアルミ等の金属材料から構成される。また、シリンダ12の内周面には、発電機の固定子として機能する発電コイル20が設けられている。発電コイル20は図示しないバッテリー等の蓄電手段に接続されている。
ピストン14の外周面、すなわち、微小ギャップを介して発電コイル20と対向する位置には、可動子磁石として機能する永久磁石22が埋め込まれている。ピストン14も、高温環境に耐え得る部材から構成されていることが望ましく、例えばアルミ等の金属材料から構成される。このピストン14の往復運動に伴い、発電コイル20に対して永久磁石22が移動し、これにより、永久磁石22周囲の磁界が移動する。そして、この磁界の移動に応じて発電コイル20に誘導起電力が発生し、発電する。
ピストン14の燃焼室側端部には、非対称形状のキャビティ15(凹み)が設けられている。かかるキャビティ15は、エンジンの熱効率をより向上させるために、エンジンの燃料インジェクタ48や点火プラグ50の位置を考慮して決定されている。
ピストン14の空気バネ室側の端面からは、燃焼室側に向かって(ピストン14の運動方向に)延びる、非貫通のガイド穴24が形成されている。このガイド穴24には、シリンダ12の空気バネ室側の端面から燃焼室側に向かって(ピストン14の運動方向に)延びるガイド軸26が挿入されている。ガイド軸26の外径は、ガイド穴24の内径よりも僅かに小さくなっている。本実施形態では、このガイド軸26の外周面とガイド穴24の内周面との間に、軸受60を介在させ、これらガイド軸26、ガイド穴24、軸受60でガイド機構を構成しているが、これについては、後に詳説する。
なお、図1では、ピストン14として、燃焼室側が小径、空気バネ室側が大径となる段付形状のピストンを図示しているが、ピストン14の形状は、特に限定されない。したがって、例えば、ピストン14は、段のない、ストレート形状であってもよいし、図1に示すような段付形状のピストン14でもよい。また、図4に示すように、小径部と大径部の境界に位置する段差面を、空気バネ室側に大きくえぐったような断面略「E」字状のピストン14を用いてもよい。図1、図4に示すピストン14のように、燃焼室側に位置する小径部と、空気バネ室18側に位置する大径部と、を有するピストン14の場合、永久磁石22が配置されるピストン14の外周面積が広くとれるため、燃焼室16の容積当たりの磁石表面積を大きくできる。また、燃焼圧力を受けて移動したピストン14を燃焼室側に押し戻す力として「空気バネ」を利用する場合、空気バネ室18内の空気を圧縮するのに伴い、温度上昇が発生し、熱損失が生じるという問題がある。しかし、燃焼室側に位置する小径部と、空気バネ室側に位置する大径部と、を有するピストン14の場合、空気バネ室側の受圧面積が、燃焼室側の受圧面積より大きいため、空気バネ室18の圧力が比較的小さくてもピストン14を押し戻すことができる。その結果、熱損失を低減でき、ひいては、リニア発電機10のシステム効率(エンジンの熱効率×発電機の発電効率)を向上できる。
シリンダ12内には、ピストン14を挟んで対向する様に、燃焼室16及び空気バネ室18が設けられる。燃焼室16は、燃焼圧力を生じさせてピストン14を移動させる。燃焼室16は、例えば、シリンダ12内部の端部側に設けるようにしてもよい。
燃焼室16には、掃気孔40、排気口44、排気バルブ46、インジェクタ48、及び点火プラグ50が設けられている。掃気孔40は、燃焼室16内に新気を導入する。新気の導入に際して、図示しない掃気ポンプを駆動させることによって、外部から掃気孔40に新気を導入するようにしてもよい。掃気孔40は、例えば、シリンダ12の内壁面に開口されていてよく、ピストン14が上死点に位置しているときにはピストン14によって塞がれるとともに、ピストン14が下死点に位置しているときには開放されるような位置に形成されていてよい。なお、上死点とは、ピストン14が最も燃焼室側に位置したときを指し、また、下死点とは、ピストン14が最も空気バネ室側に位置したときを指す。なお、掃気孔40に替えて図4に示すように、掃気バルブ54により開閉される掃気口52を設けてもよい。排気口44は、排気バルブ46により開閉される開口で、燃焼室16で新気と燃料との混合気を燃焼させた後の排気を、外部に導く。なお、排気口44が無く、掃気孔40のみで掃気・排気を行うループフロー式であってもよい。インジェクタ48は、燃料を噴射する噴射手段である。燃料は、掃気孔40より前のポートにて供給してもよい。点火プラグ50は、混合気に点火して燃焼圧力を生じさせる。例えば、排気バルブ46の開放タイミング、インジェクタ48の噴射タイミング、及び、点火プラグ50の点火タイミングは、ピストン14の位置に応じて決定するようにしてもよい。また、点火プラグ50の無い、圧縮自着火方式によって燃焼圧力を生じさせてもよい。
空気バネ室18は、ピストン14を燃焼室側に押し戻す、いわゆる「空気バネ」として機能する。ピストン14が燃焼室側から空気バネ室側に移動する際に、空気バネ室18が圧縮される。この圧縮に対する反発力により、ピストン14が燃焼室側に押し戻される。ここで、空気バネ室18には、内圧を一定範囲に収めるための調圧弁(図示せず)が設けられていてもよい。なお、燃焼圧力によりピストン移動に対して反発力を生じさせるのであれば、空気バネに限らず、他のバネ、例えば、コイルバネ、板バネ等を用いてもよい。
以上のような構成のリニア発電機10において、ピストン14は、燃料と空気との混合気を燃焼(爆発)した際に生じる燃焼圧力により空気バネ室18側に移動し、ピストン14により圧縮された空気バネ室18内の圧縮空気の膨張力(反発力)により燃焼室側に移動する。そして、この移動に伴い生じる磁界の移動により、発電コイル20に誘導起電力が発生し、発電する。
ここで、より効率的に発電するためには、可動子と固定子との間のギャップ量(クリアランス)を、設計値に保つことが重要となる。すなわち、通常、リニア発電機10の設計時には、可動子および固定子の間のギャップ量を想定し、発電量および発電効率が最大になるように、永久磁石22、発電コイル20、電磁鋼板等の形状、位置を決定している。したがって、ギャップ量が、設計値から乖離すると、想定していた磁界分布が得られず、発電量、発電効率の低下を招く。
そこで、本実施形態では、ガイド穴24およびガイド軸26の少なくとも一方に、ガイド穴24およびガイド軸26の運動方向への相対移動を許容しつつ、ガイド軸26を前記ガイド穴24内で支持する軸受60を設けている。より具体的には、本実施形態では、図2、図3に示すように、ガイド軸26の外周面近傍にローラ(転動体)を有した軸受60を設けている。各ローラの回転軸は、ガイド軸26の外周面の接線方向に延びており、ガイド穴24の運動方向への移動を助ける。軸受60は、周方向に間隔を開けて複数(図示例では三つ)設けられており、各軸受60は、ガイド穴24の内周面に当接して、ガイド軸26をガイド穴24内で支持している。
このように、ガイド軸26とガイド穴24の間に軸受60を介在させることで、軸方向への移動が許容されつつ、ガイド穴24、ひいては、ピストン14の径方向位置が規制され、可動子と固定子間のギャップ量が一定に保たれる。また、ガイド穴24が、軸受60を介してガイド軸26に対してスライド移動するため、スライド移動時に生じる摩擦を小さく抑えることができる。そして、結果として、摩擦による損失を大幅に低減でき、効率を向上できる。また、摩擦が小さいため、ガイド穴24の内周面の摩耗も少なくなる。その結果、摩耗に伴う機械的ガタの増大を防止でき、ひいては、可動子と固定子の間のギャップ量の変動を長期にわたり、防止できる。
なお、ガイド穴24の内周面の摩耗をより効果的に防止するために、ガイド穴24の内周面のうち、少なくとも、軸受60のローラが転動する転動部には、補強材料を配置することが望ましい。補強材料は、例えば、転動部に補強材料62からなる薄板を配したり、転動部に補強材料62のメッキを施したりすることで配される。配置される補強材料62は、少なくとも、保護対象であるピストン14の硬度以上の硬度を有することが望ましく、例えば、ニッケルボロン等の高硬度メッキ、もしくは、焼き入れ鋼等の高硬度金属からなることが望ましい。
ところで、本実施形態では、図2に示すように、ガイド穴24の内周面のうち、軸受60のローラが転動して進む転動部を、当該ローラの全幅が当たるような平坦面としている。換言すれば、本実施形態では、ガイド穴24の横断面形状を非円形としている。また、軸受60をガイド軸26の一部と考えた場合、ガイド軸26の横断面形状も、非円形であるといえる。このように、ガイド穴24およびガイド軸26の横断面形状を、非円形とするのは、ピストン14の周方向への回転を禁止し、燃焼室に対するピストン14の相対角度を常に一定に保つためである。
すなわち、フリーピストンエンジンでは、エンジンの熱効率を向上するために、ピストン14の燃焼室側端部に、特殊な形状のキャビティ15を形成することがある。かかるキャビティ15は、熱効率が少しでも高くなるように、インジェクタ48や点火プラグ50等の燃焼室に配置される部品の位置・形状に応じて設計されており、通常、非対称形である。かかるキャビティ15が設けられたフリーピストンエンジンにおいて、ピストン14が周方向に回転し、キャビティ15のインジェクタ48等に対する相対位置が変化すると、熱効率が低下してしまう。
本実施形態では、かかるピストン14の周方向への回転を防止し、キャビティ15のインジェクタ48等に対する相対位置を一定に保つために、ガイド穴24およびガイド軸26の横断面形状を、非円形としている。かかる構成とした場合、ピストン14が周方向に回転しようとしても、ガイド軸26の一部(例えば軸受60)が、ガイド穴24の内周面に干渉するため、ピストン14の周方向回転が禁止される。そして、これにより、エンジンの熱効率を高く保つことが可能となる。
なお、これまで説明した構成は、いずれも一例であり、ガイド軸26とガイド穴24の間に軸受60が介在し、かつ、ガイド軸26およびガイド穴24がピストン14の周方向への回転を禁止し得る構成であれば、他の構成であってもよい。
例えば、上述の説明では、ガイド軸26に軸受60を組み込んだが、ガイド穴24に軸受60を組み込んでもよい。この場合であっても、軸受60により、ピストン14の径方向移動が禁止されるため、可動子・固定子間のギャップ量を一定に保つことができる。この場合、ガイド軸26の外周面に、転動体の転動による摩耗を防止するための補強を施せばよい。
また、軸受60の種類は、直進運動を許容しつつ軸を支持できるリニア軸受であれば、その構成は限定されず、例えば、転動体として球体を用いる玉軸受や、油や空気などの流体で軸を支持する滑り軸受であってもよい。転動体を有する軸受を用いる場合は、少なくとも2以上の転動体が周方向に間隔を開けて配置されるように、軸受の個数や位置を設定する。滑り軸受を用いた場合には、薄板やメッキによる補強を省略してもよい。
また、ガイド穴24およびガイド軸26は、ピストン14の周方向の回転を禁止できるのであれば、他の形状でもよい。したがって、例えば、ガイド穴24の内周面に、平坦面に替えて、軸受60の一部が嵌り込む溝を形成してもよい。また、ガイド穴24およびガイド軸26の横断面形状を、矩形や多角形、楕円形、レモン形などのような形状にしてもよい。また、ガイド軸26の外周面およびガイド穴24の内周面に、互いに係合し合う溝およびリブを形成してもよい。
また、上述の説明では、ガイド軸26およびガイド穴24を、その中心軸が、ピストン14の中心軸Oと一致する同心位置に設けたが、例えば、図5、図6に示すように、ピストン14と非同心の位置にガイド軸26およびガイド穴24を設けてもよい。なお、図6は、図5のB−B断面図である。この場合であっても、ピストン14が周方向に回転しようとすると、ガイド軸26およびガイド穴24が互いに干渉するため、ピストン14の周方向回転が禁止される。また、ガイド軸26およびガイド穴24で構成されるガイド機構は、一つに限定されず、図5、図6に示すように複数、設けられてもよい。
さらに、本実施形態では、ピストン14にガイド穴24を設け、ガイド穴24をピストン14と一体化しているが、ガイド軸26をピストン14と一体化してもよい。例えば、図7に示すように、ピストン14の空気バネ室側の端部から軸方向に延びるガイド軸26を形成し、当該ガイド軸26が挿通されるガイド穴24をシリンダ12に設けてもよい。ただし、ギャップ量の変化を極力小さく抑えるためには、ガイド軸26およびガイド穴24の運動方向(軸方向)位置は、可動子の運動方向(軸方向)位置に近いことが望ましい。したがって、ピストン14に可動子が設けられている場合には、ピストン14内部にガイド穴24を形成し、可動子の運動方向(軸方向)の範囲とガイド穴24の運動方向(軸方向)の範囲とを、少なくとも一部重複させることがより望ましい。また、ピストン14の内部にガイド穴24を形成し、ピストン14の内部を中空化した場合、ピストン14が軽量化できるという利点も得られる。
いずれにしても、本明細書で説明したように、ピストン14の往復運動をガイドするガイド穴24およびガイド軸26の間に軸受60を介在させ、かつ、ガイド穴24およびガイド軸26を、ピストン14の周方向回転を禁止する構成とすることで、発電機の発電効率や、エンジンの熱効率を向上できる。
10 フリーピストンエンジン駆動リニア発電機、12 シリンダ、14 ピストン、15 キャビティ、16 燃焼室、18 空気バネ室、20 発電コイル、22 永久磁石、24 ガイド穴、26 ガイド軸、40 掃気孔、44 排気口、46 排気バルブ、48 燃料インジェクタ、50 点火プラグ、52 掃気口、54 掃気バルブ、60 軸受、62 補強材料。

Claims (4)

  1. 可動子が組み込まれたピストンが、固定子が組み込まれたシリンダ内で直線往復運動することで発電するフリーピストンエンジン駆動リニア発電機であって、
    前記運動方向に延びるガイド穴に挿通されるガイド軸と、前記ガイド穴の内周面および前記ガイド軸の外周面の間に介在して前記ガイド軸および前記ガイド穴の径方向への相対移動を規制する軸受と、を有し、前記ガイド穴およびガイド軸の一方がピストンと一体化された1以上のガイド機構を備え、
    前記ガイド穴およびガイド軸は、互いに干渉することで前記ピストンの周方向への回転を規制する、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン駆動リニア発電機。
  2. 請求項1に記載のフリーピストンエンジン駆動リニア発電機であって、
    前記ガイド穴およびガイド軸は、その横断面形状が非円形である、ことを特徴とするフリーピストンエンジン駆動リニア発電機。
  3. 請求項1または2に記載のフリーピストンエンジン駆動リニア発電機であって、
    前記軸受は、前記ガイド軸の外周面または前記ガイド穴の内周面を転動しながら進む転動体を備えており、
    前記転動体が転動する転動部には、前記ガイド軸の外周面または前記ガイド穴の内周面の摩耗を低減する補強材料が配される、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン駆動リニア発電機。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のフリーピストンエンジン駆動リニア発電機であって、
    前記ガイド穴は、前記ピストンに形成された穴であり、
    前記ガイド穴および前記可動子は、前記運動方向における範囲が少なくとも一部重複する、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン駆動リニア発電機。
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