JP2014109760A - 撮像装置及びその制御方法、レンズ装置 - Google Patents

撮像装置及びその制御方法、レンズ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】撮像装置本体に装着されたレンズ装置から取得した光学情報を用いて、精度良く高速な合焦動作を実現する。
【解決手段】撮像光学系を構成するレンズユニット100がカメラ本体部150に装着され、レンズCPU104とカメラCPU167とが通信部103,170を介して情報を送受する。撮像素子158は撮像光学系の異なる瞳領域を通過する光を光電変換する複数の焦点検出用画素を有する。露光量決定部160はレンズユニット100の第1記憶部107から周辺光量情報を取得して露光量補正を行う。AF信号補正部164は周辺光量情報を取得して補正係数を算出し、焦点検出用画素の信号強度変化を補正する。カメラCPU167はAF信号補正部164により補正された信号を用いてデフォーカス量を算出し、フォーカス駆動量決定部169はデフォーカス量からフォーカス駆動量を算出してレンズCPU104に送信し、焦点調節動作を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像素子内の複数の焦点検出用画素を用いて位相差方式の焦点検出を行う技術に関するものである。
静止画や動画の撮影時に、ユーザが被写体像をリアルタイムに観察しながら撮影を行える、いわゆるライブビュー撮影が知られている。焦点検出方式には、被写体に投光された像を受光して被写体距離を判断するアクティブ測距方式や、撮像光学系の焦点状態変化に対するコントラスト変化を検出して合焦状態を判断するコントラスト方式がある。アクティブ測距方式の問題点は遠方の被写体や広範囲の被写体位置を選択して測距を行えないことである。また、コントラスト方式の問題点は素早いフォーカス駆動が困難なことである。
近年、ライブビュー撮影時においても高速で正確な焦点検出を行える位相差方式の焦点検出装置が提案されている。特許文献1には、撮影光学系の口径食によって制限された場合に、像信号間に生じるアンバランスを効率的に補正する方法が開示されている。これは焦点検出精度を得るために撮影光学系の光線周辺光量変化の情報を用いる補正方法である。また、特許文献2には、光学系によるケラレが生じる場合であっても、操作者が較正動作を特に意識することなく、像ずれ量をデフォーカス量に換算する換算係数の較正を行う焦点調節装置が開示されている。位相差の相関結果から基線長情報を用いてデフォーカス量への換算を行う換算係数について、撮影光学系の光線ケラレによって生じる誤差をフィードバックすることで換算係数を較正できる。
特開2004−191629号公報 特開2010−25997号公報
従来の装置では、焦点検出精度や合焦に要する時間に関して以下の課題がある。
焦点検出精度を充分得るために撮像光学系の周辺光量変化の情報を用いる場合、撮像光学系毎に絞り径変化に伴う周辺光量変化のデータをカメラ本体側で全て保存しておくことは困難である。すなわち撮像光学系に応じた各種データ量を如何に低減させるかが問題となる。また、許容される焦点検出精度内で合焦状態が得られるまでに極力少ない回数のフォーカスレンズ駆動を行うことが必要である。合焦速度の低下は、コントラスト方式の場合と同様の問題をもたらすからである。
本発明の目的は、撮像装置本体に装着されたレンズ装置から取得した光学情報を用いて、精度良く高速な合焦動作を実現することである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の側面に係る装置は、撮像光学系を構成するレンズ装置が装着される本体部と、前記撮像光学系の異なる瞳領域を通過する光を光電変換する複数の焦点検出用画素を有する撮像素子を備える撮像装置であって、前記本体部に装着された前記レンズ装置と通信する通信手段と、前記通信手段により前記撮像光学系の周辺光量情報を前記レンズ装置から取得して露光量補正を行う露光量決定手段と、前記周辺光量情報を取得して補正係数を算出し、前記焦点検出用画素の信号強度変化を補正する信号補正手段と、前記信号補正手段により補正された信号を用いてデフォーカス量を算出する焦点検出手段と、前記デフォーカス量からフォーカス駆動量を算出して焦点調節動作を制御する制御手段を備える。
本発明の第2の側面に係る装置は、撮像光学系を構成するレンズ装置が装着される本体部と、前記撮像光学系の異なる瞳領域を通過する光を光電変換する複数の焦点検出用画素を有する撮像素子を備える撮像装置であって、前記本体部に装着された前記レンズ装置と通信する通信手段と、前記通信手段により前記撮像光学系の周辺光量情報を前記レンズ装置から取得して露光量補正を行う露光量決定手段と、前記複数の焦点検出用画素の信号から得られる位相差情報から基線長情報を用いてデフォーカス量を算出する焦点検出手段と、前記周辺光量情報を取得して前記基線長情報を補正する基線長補正手段と、前記デフォーカス量からフォーカス駆動量を算出して焦点調節動作を制御する制御手段を備える。
本発明によれば、レンズ装置から取得した周辺光量情報を用いて、精度良く高速な合焦動作を行うことができる。
図2ないし図13と併せて本発明の第1実施形態を説明するために、撮像装置の構成例を示すブロック図である。 撮像素子の画素配列構造例を示す図である。 撮像素子の光電変換部を2分割した方式の画素配列構造例を示す図である。 撮像素子の光電変換部を4分割して2信号加算を行う方式の画素配列構造例を示す図である。 周辺像高の焦点検出用画素の像高変化による瞳投影と、信号波形及び相関状態の変化を説明する図である。 撮像画素の入射角変化による出力信号強度比の分布例を示すグラフである。 撮像素子中心部における焦点検出用画素の入射角度変化に対する出力信号強度比の関係を例示する図である。 撮像素子周辺部における焦点検出用画素の入射角度変化に対する出力信号強度比の関係を例示する図である。 撮像光学系の光線ケラレ発生時に、撮像素子周辺部における焦点検出用画素の入射角度変化に対する出力信号強度比の関係を例示する図である。 均一照度被写体を撮影した場合において、焦点検出用画素A及びBの撮像素子位置のX座標変化における出力信号変化比を例示したグラフである。 撮像光学系の周辺光量変化曲線V及び周辺光量変化を補正する特性曲線Hを示す(A)図、及び焦点検出用画素の光線ケラレ補正を行った例を示す(B)図である。 焦点検出用画素の出力信号状態を例示した図である。 焦点検出及び焦点調節動作を説明するフローチャートである。 図15ないし図18と併せて本発明の第2実施形態を説明するために、撮像装置の構成例を示すブロック図である。 検出画素信号と受光角度範囲の重心位置と基線長の関係を表した図であり、光線ケラレが無い状態(A)と光線ケラレが生じた状態(B)を示す。 撮像光学系の光線ケラレを生じていない軸上光線と、光線ケラレを生じている軸外(周辺)光線と射出瞳面(絞り面)での光線通過範囲の関係を示した概略図である。 焦点検出用画素の受光角変化による出力信号強度比を例示するグラフである。 焦点検出及び焦点調節動作を説明するフローチャートである。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。尚、位相差検出方式の焦点検出用画素を有する撮像素子を備えたカメラ本体部と、これに装着されるレンズ装置からなる撮像システムを例示する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。撮像光学系を構成するレンズユニット100が装着されたカメラ本体部150は、動画及び静止画を記録することができる。尚、画像記録や表示駆動、操作部材等の、本発明の要旨と技術的な関わりの少ない箇所に関しては説明を省略する。またカメラ本体部150は撮像素子を用いたコントラスト評価方式の焦点検出手段を備えてもよい。
先ず、レンズユニット100の構成を説明する。
レンズユニット100はレンズ群101と、光彩絞り102を備える。撮影時の光量調節を行う光彩絞り102の開口径調整は絞り径駆動部106により制御される。レンズ群101はフォーカス駆動部105による光軸方向の移動により焦点調節を行う。フォーカス駆動部105及び絞り径駆動部106はレンズCPU(中央演算処理装置)104からの制御命令を受信して駆動制御を行う。詳細については後述するが、カメラ側通信部170とレンズ側通信部103との間で行われる通信により、カメラ本体部150での測光情報及び焦点検出結果等に応じて光学部材の駆動制御が行われる。
レンズユニット100は、第1記憶部107及び第2記憶部108を備える。第1記憶部107は、撮像光学系の周辺光量変化特性に則した周辺光量情報を記憶している。また第2記憶部108は、レンズユニット100の射出瞳位置情報、絞り径制御で設定可能なF値範囲情報、撮像光学系の焦点距離(ズームレンズの場合には焦点距離範囲)等の光学特性情報、及び撮像光学系の識別情報を記憶している。周辺光量情報と光学系諸情報はレンズ側通信部103とカメラ側通信部170を介してカメラ本体部150に伝達される。
次にカメラ本体部150の構成を説明する。以下では焦点検出結果に基づく自動焦点調節を「AF」と略記する。
カメラ本体部150はレンズ交換式の一眼レフレックスカメラの形態を有しており、レンズユニット100を介した被写体光線については跳ね上げ式の反射部材155の駆動により偏向の有無が切り替えられる。反射部材155が跳ね上がっていない基準状態においては、ピント板154に被写体像が結像され、ペンタゴナル形状の反射プリズム151を介して接眼レンズ152によりユーザが目視観察を行う。また被写体光は測光用の光学ユニット153に取り込まれ、測光部159は被写体の照度を検出して露光量決定部160に出力する。必要に応じてレンズユニット100内の第1記憶部107から取得した周辺光量情報を用いて、画面周辺部の減光状態に応じた露光量補正が露光量決定部160で行われる。露光量決定部160によって決定された適正な露光量に基づき、撮像素子駆動部161によりゲイン量を調整する信号やレンズユニット100の絞り径制御用の信号が生成される。
反射部材155は一部が半透過特性を有しており、透過光線は副反射部材156で偏向して焦点検出ユニット157に入射する。尚、反射部材155が跳ね上がった退避状態(破線参照)では、連動して副反射部材156が折り畳まれて、撮像素子158へ入射する被写体光線を妨げない状態となる。焦点検出ユニット157に入射した光線については、位相差の相関が行えるように対となる像信号としてAF信号出力部168がAF選択部165に送る。AF選択部165は、2つの焦点検出方式のどちらで検出するかを判断する。第1の検出方式は焦点検出ユニット157を使用した位相差検出方式である。また第2の検出方式は、撮像光学系の異なる瞳領域を通過する光を光電変換する複数の焦点検出用画素を有する撮像素子158を用いる位相差検出方式である。
撮像素子158はCMOS(相補型金属酸化膜半導体)センサとその周辺回路で構成される。撮像素子158には横方向にM個、縦方向にN個のM×N画素の受光ピクセルをアレイ状に配置し、ベイヤー配列の原色カラーモザイクフィルタをオンチップで形成した、2次元単板カラーセンサが用いられる。その詳細な構成については後述するが、撮像素子158は撮像画素中に焦点検出用画素を配置した構造を有する。反射部材155の退避状態(破線参照)にて撮像素子158は被写体光を受光し、画素信号出力部162は光電変換された信号を出力する。次にAF信号抽出部163は位相差の相関演算を行うための焦点検出用信号を抽出する。抽出された信号はAF信号補正部164に送られ、焦点検出用画素の入射角状態に応じて光電変換された信号強度変化と、撮像光学系固有の周辺光量情報に基づいて焦点検出用信号の補正が行われる。補正処理の詳細については後述する。出力信号変化に対する補正係数のデータは、補正係数記憶部166に保存されている。また周辺光量情報は、カメラ本体部150に装着されたレンズユニット100から伝達される情報である。AF選択部165は、前記した複数の焦点検出方式から使用すべき検出方法を判断して選択を行う。ここで焦点検出方式の選択に係る判断方法としては、反射部材155の位置状態の監視結果を用いる方法や、ライブビュー時におけるコントラスト評価方式の焦点検出機能からの自動切り替え設定による方法、ユーザの手動設定による方法等がある。
カメラCPU167は、ROM(読み出し専用メモリ)に記憶された所定のプログラムに従って、各種回路の駆動、演算処理、撮影処理、画像データ生成処理や記録処理等の一連の動作を実行する。例えば、カメラCPU167による焦点検出の演算結果に基づいてフォーカス駆動量決定部169はフォーカス駆動量を算出し、カメラ側通信部170からレンズ側通信部103を介してレンズCPU104に送信する。レンズCPU104はフォーカス駆動部105への制御命令を出力してフォーカスレンズが駆動され、焦点調節動作が行われる。
以上に説明した一連の動作に従って、焦点検出及びフォーカス駆動制御が実行される。本実施形態では、画面周辺部分の露出補正を行うための周辺光量情報をAF信号の補正に用いることで、データ量の増加を伴わずに合焦制御精度を向上させることができる。
次に、撮像素子158に用いる焦点検出用画素(以下、「検出画素」という)の構造及び受光特性を説明する。図2は撮像素子の画素配列構造を例示する。左右のX方向及び上下のY方向は画素配列の方向をそれぞれ示す。
画素200は撮像画素を示す。画素201から204は検出画素を示し、公知技術を利用して遮光構造を配した焦点検出用画素群を構成する。Y方向に沿って同一列に配置された検出画素201、202の出力信号は、対をなす光電変換信号波形を一対の位相差情報として、横縞パターン形状の被写体に関する合焦位置の検出に用いる。また縦縞パターン形状の被写体については、図2中にてX方向に沿って同一行に配置した検出画素203、204を用いて、光電変換信号波形に係る相関演算を行って合焦位置が検出される。これらの検出画素群によって得られる像信号は位相差検出に使用される。
図3は撮像素子の画素配列構造の別例として、1つのマイクロレンズに対し2つの光電変換部を配置した構造例を示す。図3の上下方向をY方向、左右方向をX方向とする。各画素はX方向とY方向の縞パターンの被写体についての焦点検出をそれぞれ行う2種類の画素群を構成する。
第1の画素群を構成する画素300はY方向にて2分割された副画素302、303を備える。副画素302及び303の各出力信号(光電変換信号)は、一対の画素信号として相関演算を行うことにより像ずれ量(位相差情報)が算出される。また第2の画素群を構成する画素301はX方向にて2分割された副画素304、305を備える。副画素304、305の各出力信号は一対の相関演算用信号として用いる。各画素群はX方向とY方向の縞パターンの被写体についての焦点検出をそれぞれ行う。
画素300が出力する撮像画素信号は、副画素302と303の出力を加算した信号であり、同様に画素301が出力する撮像画素信号は、副画素304と305の出力を加算して信号である。つまり、各画素は撮像画素の機能と検出画素の機能を併せもつ。
図4は、撮像素子の画素配列構造のさらに別例として、1つのマイクロレンズに対し4つの光電変換部を配置した画素配列構造を示す。4つの光電変換部がそれぞれ出力する電気信号の加算方式を変更することにより、検出画素と撮像画素の両機能を実現できる。図4の上下方向をY方向、左右方向をX方向とする。
画素400を構成する副画素401ないし404のうち、Y方向の縞パターンの被写体の焦点検出する際には、X方向に並んだ副画素401と402の出力が加算され、副画素403と404の出力が加算される。得られた各光電変換信号は、一対の画素信号の位相差情報として相関演算に用いる。また、X方向の縞パターンの被写体の焦点検出を行う際には、Y方向に並んだ副画素401と403の出力が加算され、副画素402と404の出力が加算される。得られた各光電変換信号は、一対の画素信号の位相差情報として相関演算に用いる。
上記した焦点検出のための2通りの加算方法については、撮像素子上のブロックに分けて変えてもよい。また、千鳥格子配列に従って互い違いに加算方法を変更することにより、図3の場合と等価な画素配列構造を実現することもできる。この場合には縦縞パターンと横縞パターンの被写体を同時に評価できるので、焦点検出に際してパターン方向の依存性をなくすことができる。この他、撮影状態に応じて加算方法を変更し、または時系列的もしくは全画素にて加算方法を適宜に切り替えることで、同じパターン方向の被写体を焦点検出する検出画素を密に配置させることができる。これにより、検出画素が疎に配置される場合において、細い線分を有する被写体が合焦近傍において検出できなくなるという問題を解決できる。
撮像画素信号については、画素400を構成する副画素401から404の出力信号を加算すればよい。
以上のような撮像素子の画素配列構造を用いることで、従来の位相差方式の焦点検出のように撮像光学系を介した被写体像の一部を焦点検出専用の光学系にて分離する必要がなくなる。そのため、リアルタイムに撮像素子が受光して画像記録を行いつつ、被写体像を監視しながらライブビュー撮影を行える。
ところで、周辺像高での焦点検出処理を行うに当たって、撮像面に結像する光線束は像高が高くなるにつれて、撮像光学系の有限なレンズ外径に起因する光線ケラレの影響が大きくなる。以下、光線ケラレが原因となる、合焦位置検出精度に対する影響について図5及び図6を参照して説明する。
図5は撮像光学系の射出瞳と各検出画素との関係を例示する。画素500はA像用の検出画素を示し、画素504はB像用の検出画素を示す。A像とB像の位相ずれが相関演算により検出される。被写体からの光はマイクロレンズ501に入射し、遮光部材502の開口部を介して光電変換部503に到達する。画素500の光電変換部は図5の右寄りに偏倚し、画素504の光電変換部は図5の左寄りに偏倚している。図5(A)には光線ケラレの無い状態での射出瞳EP0を模式的に示す。図5(B)には光線ケラレが発生している状態での射出瞳EP2を示す。
各検出画素は所定の方向に配置されており、各検出画素の光電変換信号には必要に応じて隣接画素の信号を用いて線形補間処理が施され、相関演算用の信号が生成される。図5(A)のEPa0、EPb0は、A像用及びB像用の焦点検出にて相関演算を行う際に一対となる瞳投影像をそれぞれ示す。また、図5(B)のEPa1、EPb2は光線ケラレが発生している場合において、同様に一対となる瞳投影像をそれぞれ示す。比較のため、光線ケラレの無い状態での射出瞳EP0と、EPb0に対応する射出瞳EPb1を破線で示す。
図5(C)、(D)はA像とB像に関する各検出画素群の出力波形を例示する。図5(C)は図5(A)の状態に対応し、図5(D)は図5(B)の状態に対応する。検出方向をX方向とする。
図5(C)では、検出画素が配置される像高位置が低い(撮像面中心に近い)状態であり、出力波形AI0、BI0はA像用及びB像用検出画素群の各出力信号を補間合成した信号をそれぞれ示す。L0は各波形の信号強度について重心位置の隔たりを相関量に代用して示すものである。
図5(D)に示す各検出画素の出力波形AI0、BI1はA像用及びB像用検出画素群の各出力信号を補間合成したものである。L1は各波形の信号強度について重心位置の隔たりを相関量に代用して示す。図5(B)の状態においては、光線ケラレの影響によって撮像光学系の射出瞳形状が偏りを持って小径化するため、A像用とB像用の各検出画素へ入射する光量に差が生じる。図5(D)では、B像用の検出画素群に入射する光線の減光状態を例示する。出力波形BI1の信号は画面の周辺位置になる程、AI0に対して非対称な形状となっている。
位相差方式の焦点検出では、A像波形とB像波形との相対位置をずらして互いの波形を重ね合わせ、差異部分の面積量が最小となる状態を相関が最も取れている状態として扱う。A像とB像の相対的な像ズレ量からデフォーカス量への換算処理が行われる。図5(C)は相関が取れていると判断されるのに対し、図5(D)ではB像の出力波形BI1に変形が生じている。このため、図5(D)の像ズレ量L1は、図5(C)の像ズレ量L0よりも短い(L1<L0)。すなわち、図5(C)と(D)とで像ズレ量から求まるデフォーカス量は、光線ケラレの影響に応じて異なる値になるため、焦点検出精度の低下が問題となる。
図6は撮像画素の入射角度に対する光電変換信号強度の関係を例示し、画素中心に近づくほど信号強度比が大きくなる特性を示す。同図は横軸にX方向の光線入射角度をとり、縦軸にY方向の光線入射角度をとって、各方向から撮像画素への入射角度に対する出力信号強度比の分布を例示したものである。これは、図2の検出画素200、図3の検出画素301、図4の検出画素400の受光特性に相当する。但し、検出画素301や400のように、複数の光電変換部を1つの撮像画素内に有する場合には、当該複数の光電変換部の加算出力を用いるものとする。また、以下では説明を簡略化するため、X方向における2像の位相差を検出することを前提として説明を行う。
図6中に示すSPは、撮像画素全体での入射角−信号強度分布を示し、PLは焦点検出処理時における有効光線の角度範囲を示す。XLは左右方向に延びるX軸を表し、PXは撮像画素におけるX軸上の有効光線範囲を示す。
図7ないし図9は入射角度に応じた光電変換信号強度の関係をグラフ化した図である。図6の特性をもつ画素内で焦点検出を行うため、入射角度特性がY軸対称に分離するように設定された画素構成や信号処理により得られる特性を例示する。
図7は撮像素子中心部における検出画素の出力信号強度比を例示する。図8は撮像素子周辺部における検出画素の出力信号強度比を例示する。図9は撮像光学系の周辺光量の低下(光線ケラレ)が発生している時の、撮像素子周辺部における検出画素の出力信号強度比を例示する。図7ないし図9の(A)図には、左側に検出画素Aの入射角−信号強度分布PAを示し、右側に検出画素Bの入射角−信号強度分布PBを示す。PXは検出用画素におけるX軸上の有効光線範囲を示す。また図7ないし図9の(B)図にはX方向の光線入射角度に対する信号強度特性を示す。WTは、X軸断面での撮像画素の入射角−信号強度特性を示す。WAはX軸断面での検出画素Aの入射角−信号強度特性を示し、WBはX軸断面での検出画素Bの入射角−信号強度特性を示す。
以下では、図7ないし図9で左側に分離された信号をA信号とし、右側に分離された信号をB信号とする。例えば、図2の画素構成の場合、A信号は検出画素201の出力信号、B信号は検出画素202の出力信号にそれぞれ相当する。また、図3の画素構成の場合、A信号は副画素304の出力信号、B信号は副画素305の出力信号にそれぞれ相当する。図4の画素構成の場合、A信号は副画素401と403の各出力の加算合成信号、B信号は副画素402と404の各出力の加算合成信号にそれぞれ相当する。A信号を出力する画素を検出画素Aとし、B信号を出力する画素を検出画素Bとする。
図10は、均一な照度の被写体を撮像した状態において、各検出画素の出力信号波形を例示する。検出画素がX方向に配列され、各画素位置における光電変換出力を連続信号波形として示している。AWは検出画素Aの信号強度比を示し、BWは検出画素Bの信号強度比を示す。
図10(A)は、撮像光学系の周辺光量変化が無い状態での各信号強度比を例示する。例えば、小絞り状態に設定して撮像光学系の周辺光量変化が無いようにした場合の強度比特性を示す。AWはX軸切片が1であって、X座標値の増加につれて左から右に下る線形特性を示す。これとは逆に、BWはX軸切片が1であって、X座標値の増加につれて左から右に増加する線形特性を示す。
図10(B)は、撮像光学系の周辺光量変化が生じている状態での各信号強度比を例示する。例えば撮像光学系の絞りが開放近辺であり、周辺光量変化を生じている場合の強度比特性を示す。AWはX軸切片が1であって、X<0の範囲で上に凸の曲線部をもち、X>0の範囲ではX座標値の増加につれて左から右に下る特性を示す。これとは逆に、BWはX軸切片が1であって、X>0の範囲で上に凸の曲線部をもち、X<0の範囲ではX座標値の減少につれて右から左に減少する特性を示す。
図11(A)は撮像光学系の周辺光量変化曲線Vと、周辺光量変化を補正する特性曲線Hを例示する。曲線Vは、X座標の原点を撮像素子中心としたときにX座標変化(像高変化)による周辺光量変化を示す、上に凸の特性曲線(実線参照)である。これを補正するための曲線H(破線参照)は、下に凸の曲線である。
撮像素子のX座標に対する検出画素の光電変換信号強度変化を補正する第1補正係数について説明する。X座標は像高を表し、各補正係数を以下に定義する。
CS1:検出画素の1次補正係数
CS2:検出画素の2次補正係数
KA :A信号用補正係数
KB :B信号用補正係数
ここで、
[数式1]
KA = 1+CS1・X+CS2・X^2 …(式1)
KB = 1−CS1・X+CS2・X^2 …(式2)
である。「^2」は2乗を意味する。
また、各信号を以下に定義する。
HA:X座標での補正されたA信号
HB:X座標での補正されたB信号
SA:X座標での補正前のA信号
SB:X座標での補正前のB信号
KA及びKBを用いた補正により、以下の信号HA、HBが算出される。
[数式2]
HA = SA・KA …(式3)
HB = SB・KB …(式4)
上記(式1)、(式2)にて、補正対象となる検出画素のX座標を代入すれば、各補正係数が算出される。これらの補正係数と同X座標値におけるA信号とB信号の各出力とを乗算することにより信号強度補正が行われる。
図11(B)は、図10(A)及び(B)に示した特性に対して、(式1)ないし(式4)により補正を行った後の特性を示す。W1は、図10(A)で示した特性、つまり撮像光学系の周辺光量変化が無い状態での信号強度比に対して補正を行った結果を示す。A信号及びB信号は重なっており、信号強度比が1の水平直線である。すなわち、X座標変化に依存した信号強度変化が無くなるように補正されたものである。一方、W2は、図10(B)で示した特性にて、図11(A)中の曲線Vに示す、撮像光学系の周辺光量変化が加わった信号強度比に対して補正を行った結果を示す。W2でもA信号及びB信号は重なっているが、X座標の周辺ほど信号強度比が低下している。これは、撮像光学系の周辺光量変化が補正されていないためである。
次に(式1)及び(式2)に対して、撮像光学系の周辺光量変化を補正する第2補正係数を加えた数式例を説明する。
各補正係数を以下に定義する。
CL1:周辺光量変化の1次補正係数
CL2:周辺光量変化の2次補正係数
これらの補正係数を加味した下式を使用する。
[数式3]
KA = 1+(CS1+CL1)・X+(CS2+CL2)・X^2 …(式5)
KB = 1−(CS1+CL1)・X+(CS2+CL2)・X^2 …(式6)
上記(式5)、(式6)を用いて前記と同様に、(式3)、(式4)により信号補正を行うことで、さらに撮像光学系の周辺光量変化が補正される。従って、図10(B)に示す特性の場合でも補正後の信号は、図11(B)のW1と同様に、X座標変化に対する依存性が補正されることになる。
次に図12を参照して前記補正による効果について説明する。図12(A)は、画面中心よりも左寄りに配置した白い縦棒の被写体と、灰色の背景を含む画像例を示す。本例は、合焦状態からやや外れたピント状態で焦点検出処理を行った場合を示す。補正前の信号強度比を図12(B)、(C)に示す。図12(B)は、検出画素の光線ケラレが発生している場合の検出信号波形A及びBを示す。図12(C)は、検出画素の光線ケラレ及び撮像光学系の周辺光量変化が発生している場合の検出信号波形A及びBを示す。補正後の信号強度比を図12(D)及び(E)に示す。A信号の信号強度比を実線で表し、B信号の信号強度比を破線で表している。
図12(B)は、撮像光学系の周辺光量変化が生じていない状態での、信号補正前の検出画素の信号強度比を示す。この場合、検出画素の光線ケラレが発生している。図12(C)は検出画素の光線ケラレと、さらに撮像光学系の周辺光量変化が加わった状態での、信号補正前の検出画素の信号強度比を示す。
図12(D)は、図12(C)の検出画素信号に対して光線ケラレ補正を行った後の信号強度比を示す。つまり、(式1)、(式2)から算出した補正係数を用いて補正処理を行った後の状態である。
図12(E)は、図12(B)の検出画素信号に対して光線ケラレ補正を行った後の信号強度比と、図12(C)の検出画素信号に対して光線ケラレ補正及び撮像光学系の周辺光量変化の補正を行った後の信号強度比をまとめて示す。つまり、図12(B)の検出画素信号に対する光線ケラレ補正については、(式1)、(式2)から算出した補正係数を用いて補正処理を行った後の状態を示す。また、図12(C)の検出画素信号に対する光線ケラレ補正及び撮像光学系の周辺光量変化の補正については、(式5)、(式6)から算出した補正係数を用いて補正処理を行った後の状態を示す。図12(E)に示すA信号とB信号との位相ずれを相関演算にて算出する際に信号波形の一致度が良好となり、焦点検出精度が高くなることが分かる。
以上に説明したように、撮像光学系の周辺光量変化を生じる、絞り開放近辺のF値状態での検出画素信号については、入射角変化に関わる出力信号変化に対する補正に加えて、撮像光学系の周辺光量変化に対する出力信号変化の補正が行われる。これにより、焦点検出用信号(A信号及びB信号)の相似性が高まるので、相関演算により位相差から導き出される合焦位置の精度が向上する。
次に、撮像装置での焦点検出から撮像光学系の合焦動作までの処理の流れを説明する。図13は、合焦処理の概要を説明するフローチャートである。尚、レンズユニット100がカメラ本体部150に装着されていない状態を初期状態とする。
先ず撮影者がカメラの電源スイッチをオン操作すると、カメラCPU167はカメラ内の各アクチュエータや撮像素子158の動作確認を行い、メモリ内容や実行プログラムの初期化と撮影準備動作を実行する。
S100では撮影者が交換レンズをカメラ本体部に装着する操作を行った際、カメラCPU167はカメラ本体部150にレンズユニット100が装着されたことを判断する。次のS101でカメラCPU167は通信部170、103を介して、装着されたレンズユニット100の第2記憶部108から射出瞳距離を取得する処理を行う。レンズCPU104は、第2記憶部108からレンズユニット100の射出瞳距離の情報を読み出してカメラCPU167に送信する。S102でカメラCPU167は通信部170、103を介して、レンズユニット100の周辺光量情報を取得する処理を行う。レンズCPU104は、第1記憶部107から撮像光学系の周辺光量変化特性に則した周辺光量情報を読み出してカメラCPU167に送信する。
S103は焦点検出信号を取得するステップである。AF信号抽出部163は、画素信号出力部162から検出画素群による焦点検出用信号(A信号及びB信号)を抽出する。次のS104でカメラCPU167は焦点検出時のF値情報を露光量決定部160から取得する。S105にてAF信号補正部164は、焦点検出用信号の検出画素周辺光量変化成分を補正するための第1補正係数を補正係数記憶部166から取得する([数式1]参照)。S101で得たレンズユニット100の射出瞳距離と、S104で得たF値情報から補正係数値を適応的に選択する処理が実行される。
更には、レンズユニット100の周辺光量変化補正を行うために、以下の処理が実行される。S106にてカメラCPU167は現状のF値が、撮像光学系の周辺光量変化補正を行う必要性があるF値領域であるか否かを判断する。補正の必要がないと判断された場合にはS109に移行し、補正の必要があると判断された場合にはS107に処理を進める。S107でカメラCPU167は、現在の焦点距離やF値条件に則したレンズユニット100の周辺光量変化の補正係数を取得する。周辺光量変化に係る第2補正係数(CL1,CL2)はS102で得た周辺光量情報から算出される。
S108では、カメラ本体部150が備える撮像素子158に固有の第1補正係数(検出画素周辺光量変化の補正係数)と、レンズユニット100の周辺光量変化の第2補正係数との合成処理が行われる([数式3]参照)。この処理はカメラCPU167の制御下で実行され、AF信号補正部164は前記の補正処理を行う。つまり、S109では、合成後の補正係数を用いて、焦点検出を行う検出画素位置座標を変数として演算した結果から補正値が算出される。焦点検出信号の補正値はAF選択部165を介してカメラCPU167に送られる。S110でカメラCPU167はS109で得た補正値を用いて演算処理を行い、位相ずれ量からデフォーカス量を算出する。次のS111でカメラCPU167は、S110で得たデフォーカス量が合焦したとみなされる範囲内に入っているか否かを判定する。合焦状態であることが判定された場合、一連の処理を終える。他方、合焦状態でないと判定された場合にはS112に処理を進める。S112では、S110で算出したデフォーカス量に基づき、合焦状態が得られるようにフォーカス駆動量決定部169がフォーカスレンズの移動量を算出する。算出した移動量分の駆動を行うための制御命令がレンズCPU104に送信され、フォーカス駆動部105により焦点調節動作が行われる。そしてS103に戻り、合焦状態になるまで焦点検出信号の取得処理及び合焦処理を繰り返す。
以上に説明したように第1実施形態によれば、位相差検出方式の焦点検出手段を有する撮像素子を用いた装置において、撮像光学系の周辺光量変化を補正して合焦制御精度を向上させることができる。撮像光学系の周辺光量変化の補正係数については、その基礎情報である周辺光量情報がレンズユニット100の第1記憶部107に格納されている。カメラ本体部150はレンズユニット100から周辺光量情報を取得して信号補正処理を実行する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態にて前記第1実施形態と同様の構成については既に使用した符号を用いることにより、それらの詳細な説明を省略し、主に相違点を説明する。
図14は本実施形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。
カメラ本体部150の基線長情報取得部171は、露光量決定部160から得られるAF動作時のF値情報と、AF信号抽出部163から得られる検出画素の位置情報に基づいて対象となる基線長情報をメモリ(不図示)から取得する。この基線長情報は基線長補正情報取得部172に送られる。
基線長補正情報取得部172は、基線長情報取得部171からの基線長情報と、レンズユニット100内の第1記憶部107からの周辺光量情報を取得する。周辺光量情報は、AF動作時の撮像光学系のズーム位置やフォーカス位置に対応した情報であり、レンズ側通信部103とカメラ側通信部170を介してカメラ本体部150に伝達される。この情報は、基線長補正部173が基線長の補正に使用する。画面周辺部の露光量補正に使用する撮像光学系の周辺光量情報は、基線長補正に共用されるので、データ量の増加を防止しつつ高速な合焦制御を実現できる。基線長補正処理の詳細は後述する。補正後の基線長情報は基線長補正部173からカメラCPU167へ伝達される。
カメラCPU167はROMに記憶された所定のプログラムを読み出して実行し、AF演算処理、撮影処理、画像処理と記録処理等の制御を行う。例えば、AF制御にて、AF選択部165により焦点検出ユニット157の出力を使用する際には焦点検出ユニット157に固有値となる規定の基線長情報を用いて焦点検出処理が行われる。また、撮像素子158内の検出画素信号を用いるAF方式が選択された場合には、基線長補正部173からの補正後の基線長情報を用いて焦点検出処理が行われる。いずれも場合もカメラCPU167は像信号の相関演算によりデフォーカス量を求め、フォーカス駆動量決定部169はフォーカスレンズ駆動量を算出する。フォーカスレンズ駆動量を指示する制御命令がレンズCPU104に送信されてフォーカス駆動部105により焦点調節動作が行われる。
撮像素子158の画素配列構造は図2ないし図4を参照して説明した通りである。位相差検出方式では対をなすA像とB像の各信号波形の相対位置をずらして互いの波形を重ね合わせ、例えば波形の差異部分の面積量が最小となる状態を相関演算で算出する処理が行われる。A像とB像との相対的な像ズレ量(位相差情報)からデフォーカス量が求まる。デフォーカス量の算出にあたっては、瞳位置における像ズレ量から検出画素群中で対をなす画素の瞳分離幅を基線長情報として撮像装置に記憶しておく必要がある。合焦状態では瞳位置の像ズレ量は基線長とほぼ一致しているが、合焦状態から外れた状態の場合、像ズレ量はデフォーカス量にほぼ比例した変化を生ずる。よって、デフォーカス量は像ズレ量を基線長量で除算することで求められる。これに関して図15(A)を用いて説明する。
図15中のPは撮像光学系の射出瞳位置を示し、A,B,Cは焦点位置をそれぞれ例示する。焦点位置Bは撮像素子面(撮像面)の位置に一致する。焦点位置AはBよりも被写体側に位置し、いわゆる前ピン状態を示しており、その時のデフォーカス量をDEF1(マイナス値)とする。焦点位置CはBよりも後方に位置する、いわゆる後ピン状態を示しており、その時のデフォーカス量をDEF2(プラス値)とする。また、以下の焦点検出用信号波形は図2ないし4で説明した検出画素構造により得られるものである。
POは、射出瞳位置Pと焦点位置Bとの距離を示す。図15(A)に示すZAは前ピン状態において検出画素群の光電変換信号である一対の画素信号の位相差情報から相関を得る際に必要とする像ズレ量である。ZBは合焦状態であるため対をなす検出波形が重なっており、像ズレが起きていない。ZCは後ピン状態での像ズレ量である。ZAの場合に対して各検出信号の位置関係が交替した状態になっている。
R1及びR2は、検出画素から撮像光学系の射出瞳位置Pの平面に、一対の検出画素の受光角度に対する出力信号強度特性を逆投影したものをそれぞれ示す。R1とR2の各信号強度分布から重心位置をそれぞれ求め、重心間の隔たり量を基線長Lとする。ここで基線長Lについては、撮像光学系のF値情報及び距離POによって射出瞳径が変化するため、これらの情報により決定される。
以上の関係を数式で表わすと、LとPO及びZA、ZCとDEF1、DEF2は下式のようになる。
[数式4]
L:PO=ZA:DEF1
L:PO=ZC:DEF2
よって、デフォーカス量は、下式から求められる。
[数式5]
DEF1=ZA・PO/L ・・・ (式7)
DEF2=ZC・PO/L ・・・ (式8)
基線長Lは、検出画素の受光角による信号出力特性を用いて算出できる。基線長情報は、像ズレ量を求めるのと同様に、任意のF値情報と射出瞳距離POを設定した仮想的撮像光学系を用いて、瞳位置で対となる分離領域の各重心位置計算で算出される。つまり、2つの重心位置の隔たり量Lを基準基線長とすればよい。検出画素の受光角に対する出力信号強度が既知である場合、予め撮像光学系のF値情報と射出瞳位置POの値に対する基線長Lの関係については、近似式の係数や2次元配列データをメモリに保持する。この基線長情報をもとに前記した像ズレ量からデフォーカス量を算出して合焦制御を行える。しかしながら周辺像高での焦点検出処理を行う際、撮像面に結像する光線束は像高が高くなるにつれて、撮像光学系の有限なレンズ外径に起因する光線ケラレが大きく発生してくる。そのため、事前に記憶した基線長情報をそのまま使用すると、正確な合焦制御が行えなくなる場合が生じ得る。以下に、その事情を説明する。
図16は、光線ケラレ状態を説明するための撮像光学系の概略図である。図16(A)は撮像光学系の斜視図であり、図16(B)は、光線通過状態を解り易くするため、平面図で示している。第1レンズLN1及び第2レンズLN2を備え、それらの間に射出瞳面である絞り面SPを有する光学系を例示する。
光線RY0は、撮像素子面IPの中心位置に結像する軸上光線を示す。また、光線RY1は、撮像素子面IPの中心位置から横方向にずれた周辺像高位置Hに結像する軸外光線(以下、周辺光線という)を示している。ここで撮像素子面IP上の結像位置には検出画素が配置されているものとする。
軸上光線RY0の光線束範囲は、撮像光学系の絞り位置(以下、射出瞳位置ともいう)SPでの絞り径(射出瞳径)によって決定される。よって、図15の射出瞳面Pが図16に示す絞り面SPと等価であるとした場合、図16(A)の撮像光学系の軸上光線RY0は基線長Lの補正を行わずに使用できる。一方、周辺光線RY1については、射出瞳位置SPの後方に配置された第2レンズLN2の光線有効径の規制に阻まれて光線ケラレが生じている。そのため、射出瞳位置SP上で図16(B)に記号Vで示した範囲において光線ケラレが生じている。尚、第1レンズLN1の光線有効径を狭めれば周辺光線RY1は図16(B)で光線束の下側方向の光線ケラレが発生する。この場合、射出瞳位置SP上では上方部の光線ケラレ範囲(V参照)に、下方部の光線ケラレ範囲が加わった状態になる。
図15(B)は、図15(A)で説明した撮像光学系の構成にて射出瞳位置Pにおいて範囲Vに光線ケラレが生じた場合を示す。za,zcは図15(A)のZA、ZCにそれぞれ対応する像ズレ量を示す。r1,r2は図15(A)のR1,R2にそれぞれ対応する信号強度特性を示す。
光線ケラレが生じることで検出画素に入射する光線角度範囲が狭まるため、信号強度特性はr1で示すように非対称に変化する。r1とr2の重心間隔はl(<L)となる。また、検出画素群が受光する被写体像の信号波形(ここでは簡略化のため被写体は一本の縦線形状とする)にも、片側の波形部分に光線ケラレの影響が生じる。例えば、像ズレ量za及びzcは、光線ケラレが生じていない場合(図15(A)のZA及びZC参照)よりも小さくなる。
基線長lと像ズレ量za及びzcは共に光線ケラレの影響を受けて相似関係にあるため、前記[数式5]と同様に以下の関係が成り立つ。
[数式6]
DEF1=za・PO/l ・・・ (式9)
DEF2=zc・PO/l ・・・ (式10)
よって、算出されるデフォーカス量は、前記(式7)及び(式8)から算出されるDEF1,DEF2と同値となる。つまり、光線ケラレが生じたとしても、その状態に適合した基線長lを得ることができれば、像ズレ量から正しいデフォーカス量を導出できる。
光線ケラレの状態は撮像光学系に固有であり、F値変化によって変化する。更に撮像光学系が変倍系である場合、焦点距離変化によっても光線ケラレの変化が生じる。F値と焦点距離の双方の変化に応じて光線ケラレ量が複雑に変化するため、以下の問題が発生する。
例えば、撮像光学系を構成するレンズユニット100が交換可能であって、これをカメラ本体部150に装着して使用する場合、撮像光学系に固有の光線ケラレに配慮した膨大な基線長情報が必要である。以下では、交換可能なレンズユニット100が保持する周辺光量情報を用いて基線長を補正することで、撮像光学系の光線ケラレに対処する処理例を説明する。この場合、カメラ本体部150が保持している光線ケラレの無い状態での基線長を補正する処理が実行される。補正前の基線長は図14の基線長情報取得部171により得られる。撮像光学系の周辺光量情報は、レンズユニット100の第1記憶部107に格納されており、画面周辺部の測光を行う際に適正露光量になるように露光補正の目的で露光量決定部160が取得する。この周辺光量情報を用いることで、データ量の増加を伴わずに基線長補正を行うことができる。
次に、撮像光学系の周辺光量情報から適合する基線長補正係数を算出する処理について説明する。尚、開放F値が1.2である撮像光学系を例にして説明を行う。
図17は、横軸に検出画素の受光角度(単位:°)をとり、縦軸に光電変換信号出力強度比をとって例示したグラフである。破線のグラフAは、一対の検出画素において、第1の光電変換部に入射する光線に対して光電変換を行って得られるA信号の強度比を示す。2点鎖線のグラフBは第2の光電変換部に入射する光線に対して光電変換を行って得られるB信号の強度比を示す。実線のグラフCはA信号とB信号を加算合成した場合の出力信号強度比を示し、被写体の撮像信号に相当する。F値が1.2の撮像光学系の射出角度範囲Rは、逆正弦関数SIN-1(1/F値)で求められ、図17の例では約56.4°となる。尚、図17の説明は、A像とB像を個別の検出画素の光電変換部で検出する場合、図2の画素配列構造にも適用できる。
検出画素の受光角度に対する出力信号強度比の分布は、図15(B)で示したように撮像光学系の射出瞳距離POのP面上にて、F値情報で決定される受光角度範囲の光線強度を逆投影した状態とする。計算の簡略化のため、1次元的な焦点検出の走査方向のみについて信号強度情報から重心位置を求めている。前記したようにA像とB像にそれぞれ対応する信号特性の重心位置を求めて両者のズレ量を算出する処理が行われる。これにより得られる基線長情報は、光線ケラレが発生していない状態での情報である。下表1は、F値とPO値に応じた基線長情報テーブルを例示する。
Figure 2014109760

表1の第1列にF値を示し、第2列以降に射出瞳距離50から300mmにおける瞳面Pでの基線長データを離散的に示す。テーブルデータはカメラ本体部150のメモリ(不図示)に記憶されている。尚、表1ではF値が2以降の基線長データを省略する。
撮像光学系の焦点検出時における絞り状態(F値情報)と、射出瞳距離POの情報を取得し、データテーブルから近似した範囲の基線長情報を求めることができる。この基線長値をそのまま用いるか、または、F値とPO値のデータから補間処理で得た基線長値が用いられる。光線ケラレが発生していない状態では、基線長情報を補正せずにそのまま用いて像ズレ量からデフォーカス量への換算処理が行われる。
光線ケラレが発生している場合には前記したように、補正無しの基線長値から換算されるデフォーカス量では誤差が生じてしまう。以下では、基線長補正処理を説明する。
光線ケラレが発生した状態においては、図17で説明した検出画素の受光角度による光電変換出力信号強度の関係を用いる。図17にて受光角度範囲Rは光線ケラレが発生していない場合の範囲を示す。光線ケラレが発生している状態では、受光角度範囲Rから光線ケラレ分に相当する範囲Vを除いた、残りの受光角度範囲「R−V」の出力信号強度情報を用いる。そして前記と同様に、射出瞳位置Pに出力信号強度分布を逆投影し、2像の重心間隔から基線長情報を得ることができる。この場合、光線ケラレ量変化(周辺光量比変化)に対して重心位置計算を行い、2像の重心間隔から求められる基線長の変化情報が前もって計算されるものとする。
下表2は、光線ケラレの無い状態(周辺光量比100%)での基線長情報に対して周辺光量が減少した状態における基線長の変化率を例示する。表2では周辺光量比(V)を百分率で表し、対応する基線長補正係数(H)をそれぞれ示している。これらはデータテーブルとして撮像装置内のメモリに記憶しておくものとする。
Figure 2014109760

ここでは周辺光量の減少につれて基線長が短くなる光電変換信号強度特性を有する撮像素子に関して説明を行う。周辺光量比(V)に対する基線長補正係数(H)については、後述する絞り込み時にも適用可能なように補間係数を用いて算出することができる。周辺光量比から基線長補正係数を算出する場合の計算式を以下に例示する。
[数式7]
基線長補正係数(H)= C0 + C1・V + C2・V^2 ・・・(式11)
C0,C1,C2はそれぞれ0次、1次、2次の定係数である。
次に下表3を参照して、撮像光学系の周辺光量比情報を用いて行う基線長補正について説明する。
一例として、開放F値1.2で射出瞳距離(PO)が60mmの撮像光学系を使用して焦点検出を行う場合を説明する。
Figure 2014109760

表3の焦点検出位置には、撮像中心と像高1ないし5を示す。像高1の位置が撮像中心位置に近く、像高5の位置が撮像中心位置から最も遠い。尚、丸枠内の数字1ないし5は行番号を示すとともに処理順序に相当する。第1行には開放F値を示す。
第2行には、表1の基線長データテーブルから取得した、F値1.2でPOが60mmである場合の、光線ケラレの無い基線長情報を示す。第3行には、各像高における開放周辺光量比を示す。周辺光量情報は、レンズユニット100の第1記憶部107から取得され、撮像中心での光量を100%とした相対比率で表されている。第4行目の基線長補正係数は、上表2で説明したように、一対の焦点検出画素の受光角度に対する出力信号強度比の分布から求められる基線長情報を、光線ケラレが生ずる受光角度範囲に規制を掛けて算出されるものである。つまり、補正係数は周辺光量比の変化に対する基線長の変化率を示している。周辺光量比の値が表2のデータテーブルに登録されている値の中間値を取る場合には、より正確な基線長補正係数を算出するために(式11)で演算すればよい。
第5行では、第2行に示す光線ケラレが無い状態での基線長と、第4行に示す基線長補正係数とが列毎に乗算され、補正された基線長値が得られる。これは図15(B)で説明した基線長lに相当し、この情報を用いてデフォーカス量が算出される。光線ケラレの影響を考慮して算出した精度の高いデフォーカス量に基づいて、正確なフォーカス駆動量が求められるので、フォーカスレンズを少ない駆動回数で移動させて高速な合焦動作を行える。
撮像光学系の周辺光量情報は開放時の情報であり、絞り込み時には絞り値情報(F値)に則した周辺光量情報が必要である。以下では、基線長補正係数を取得する処理について説明する。具体例としてF値が1.4になった場合を想定して表3を参照して説明を行う。
以下では、「開放F値情報:開放での周辺光量比 = 絞り込み時のF値情報:絞り込み時の周辺光量比」の比率関係を想定する。これを変形すると、以下の関係式が得られる。
[数式8]
「絞り込み時の周辺光量比=(開放での周辺光量比 × 絞り込み時のF値情報)/開放F値情報」(但し、上限値は100%)・・・(式12)
(式12)から求められる周辺光量比を「換算周辺光量比」とする。尚、換算周辺光量比は100%を上限値としており、計算結果が100%を超える場合には、一律に100%として取り扱うものとする。
表3に示す丸枠内の数字6ないし10は行番号を示すとともに処理順序に相当する。第6行には、絞り込み時のF値1.4を示す。第7行目には、F値1.4でPOが60mmである場合の、光線ケラレの無い状態での基線長情報を示す。第8行には、換算周辺光量比を示す。これは(式12)で示したように、第3行目の開放周辺光量比に第6行目のF値を乗算し、第1行目の開放F値で除算したものであり、F値1.4での周辺光量比に変換した値である。第8行目の換算周辺光量比の値に則した基線長補正係数は、(式11)に示す近似計算により得られ、第9行目に配置されている。そして、第7行目の基線長値に対し、第9行目の基線長補正係数を乗算した値が、補正された基線長値であり、第10行目に配置されている。この基線長情報を用いてデフォーカス量が算出される。よって、光線ケラレの影響に配慮し、換算周辺光量比を算出することにより、使用データ量を低減しつつ、高精度で高速な合焦動作を行える。
以上の例では、上表2に示すように周辺光量比の減少につれて基線長補正係数の値が増加する場合を説明した。以下では、周辺光量比の減少につれて基線長が長くなる光電変換信号強度特性を有する撮像素子の場合を説明する。
表4は光線ケラレの無い状態(周辺光量比100%)での基線長情報に対して周辺光量比が減少した状態における基線長の変化率を基線長補正係数として例示する。
Figure 2014109760

ここでは検出画素の光電変換信号強度特性にて撮像光学系に光線ケラレを生じることで、重心間隔が大きくなる傾向を有する例を示す。周辺光量比から基線長補正係数を導出するための多項式は(式11)と同じであるが、定係数C0,C1,C2の値が異なる。
Figure 2014109760

上表5は、表1と表4の値を用いて撮像光学系の開放時と絞り込み時について、撮像中心と各像高位置における焦点検出結果(像ズレ量の算出結果)から基線長補正を行った場合の計算過程を例示する。補正後の基線長は周辺位置ほど長くなっている。表5の構成は表3の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上のように、撮像光学系の光線ケラレによって基線長が変化することにより正確なデフォーカス量が得られなくなるという問題に関し、本実施形態では撮像光学系毎の膨大な基線長情報をメモリに保存することなく、少ない情報量で基線長補正が行える。補正された基線長から正確なデフォーカス量を算出でき、その結果、高速な合焦動作が可能となる。
次に焦点位置検出及び合焦制御の処理例について、図18のフローチャートを参照して説明する。図18はAF処理に関する概要を示しており、レンズユニット100がカメラ本体部150に装着されていない状態を初期状態とする。カメラCPU167がメモリからプログラムを読み出して実行することにより以下の処理が行われる。
撮影者がカメラの電源スイッチをオン操作すると、カメラCPU167はカメラ内の各アクチュエータや撮像素子158の動作確認を行い、メモリ内容や実行プログラムの初期化を行うと共に、撮影準備動作を実行する。
S1100でカメラCPU167は撮影者がレンズユニット100をカメラ本体部150に装着したことを判断する。S1101で基線長情報取得部171は、基線長情報をデータテーブル(表1参照)から取得する。当該情報は撮像光学系の光線ケラレが発生していない状態において、F値情報で開口径が定義される円形開口における基線長情報である。S1102は、カメラ本体部150に装着されたレンズユニット100の第1記憶部107から周辺光量情報を取得するステップである。周辺光量情報は基線長補正情報取得部172、基線長補正部173、露光量決定部160に送られる。
S1103ではAF信号抽出部163により焦点検出信号が取得され、基線長情報取得部171とAF選択部165に出力される。S1104では焦点検出時の撮像光学系のF値情報と、撮像素子158の検出画素位置座標情報の取得処理が行われる。F値情報は露光量決定部160から取得され、検出画素の位置座標情報はAF信号抽出部163から取得される。S1105でカメラCPU167はS1104で取得したF値情報及び焦点検出画素位置座標情報に基づき、現在の焦点検出状態にて基線長補正を行う必要があるか否かを判断する。基線長補正が不要な場合として、例えば光彩絞りが絞り込み状態である場合や、焦点検出位置が撮像素子の中心近傍であると判断された場合等がある。この場合、基線長補正を行わずにS1109に移行する。他方、S1105で基線長補正が必要であると判断された場合にはS1106に処理を進める。
S1106ではS1102で得た撮像光学系の周辺光量データと、S1104で得たF値情報及び検出位置座標情報のうち、基線長補正情報取得部172は基線長補正に使用する補正情報を取得する(表3、表5参照)。次のS1107は基線長補正係数の算出処理(表2、表4、(式11)参照)であり、基線長補正情報取得部172は、算出した補正係数を基線長補正部173に出力する。S1108にて基線長補正部173は、S1107で取得した基線長の補正係数を用いて基線長の補正処理を行う。
S1109にてカメラCPU167はデフォーカス量の算出処理を行う。S1105(判定結果がNO)からS1109に進む場合、補正無しの基線長情報を用いて演算処理が行われる。また、S1108からS1109に進む場合には、補正された基線長情報を用いて演算処理が行われる。基線長情報は撮像光学系の光線ケラレについて補正されているため、正確なデフォーカス量が算出されることになる。次のS1110にてカメラCPU167は合焦判定を行う。S1109で得たデフォーカス量が合焦したとみなされる範囲内に入っているか否かについて判定される。合焦状態と判定された場合、前記した一連の処理を終える。他方、合焦状態でないと判定された場合にはS1111に処理を進める。S1111でフォーカス駆動量決定部169は、S1109で得られたデフォーカス量を用いて、合焦状態にするための駆動量を決定する。この駆動量はフォーカスレンズの移動量を指示する制御命令に含まれ、通信部170,103を介してレンズCPU104に送信される。S1112でレンズCPU104は制御命令を受信し、フォーカスレンズの移動量分の駆動を行うようにフォーカス駆動部105を制御する。S1103に戻って焦点検出信号の取得及び合焦処理を続行する。
以上説明したように本実施形態によれば、カメラ本体部150内のメモリに保有する、光線ケラレが無い場合の基線長情報をもとに、撮像光学系の周辺光量情報を取得して補正処理を行う。これにより光線ケラレが発生している場合でも正確なデフォーカス量を算出し、高速な合焦制御を行うことができる。
100:レンズユニット
104:レンズCPU
105:フォーカス駆動部
107:第1記憶部
150:カメラ本体部
158:撮像素子
160:露光量決定部
164:AF信号補正部
167:カメラCPU
169:フォーカス駆動量決定部
171:基線長情報取得部
172:基線長補正情報取得部
173:基線長補正部

Claims (10)

  1. 撮像光学系を構成するレンズ装置が装着される本体部と、前記撮像光学系の異なる瞳領域を通過する光を光電変換する複数の焦点検出用画素を有する撮像素子を備える撮像装置であって、
    前記本体部に装着された前記レンズ装置と通信する通信手段と、
    前記通信手段により前記撮像光学系の周辺光量情報を前記レンズ装置から取得して露光量補正を行う露光量決定手段と、
    前記周辺光量情報を取得して補正係数を算出し、前記焦点検出用画素の信号強度変化を補正する信号補正手段と、
    前記信号補正手段により補正された信号を用いてデフォーカス量を算出する焦点検出手段と、
    前記デフォーカス量からフォーカス駆動量を算出して焦点調節動作を制御する制御手段を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記信号補正手段は、焦点検出時に前記露光量決定手段から取得した絞り値情報と、前記焦点検出用画素の位置情報を用いて前記補正係数を算出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記信号補正手段は、前記撮像光学系の瞳位置と前記絞り値情報を用いて第1補正係数を算出するとともに、前記撮像光学系の周辺光量変化に係る補正を行う場合には前記周辺光量情報からさらに第2補正係数を算出し、前記第1補正係数及び第2補正係数を用いて前記焦点検出用画素の信号強度変化を補正することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 撮像光学系を構成するレンズ装置が装着される本体部と、前記撮像光学系の異なる瞳領域を通過する光を光電変換する複数の焦点検出用画素を有する撮像素子を備える撮像装置であって、
    前記本体部に装着された前記レンズ装置と通信する通信手段と、
    前記通信手段により前記撮像光学系の周辺光量情報を前記レンズ装置から取得して露光量補正を行う露光量決定手段と、
    前記複数の焦点検出用画素の信号から得られる位相差情報から基線長情報を用いてデフォーカス量を算出する焦点検出手段と、
    前記周辺光量情報を取得して前記基線長情報を補正する基線長補正手段と、
    前記デフォーカス量からフォーカス駆動量を算出して焦点調節動作を制御する制御手段を備えることを特徴とする撮像装置。
  5. 前記基線長補正手段は、焦点検出時に前記露光量決定手段から取得した絞り値情報と、前記焦点検出用画素の位置情報を用いて前記基線長情報を補正することを特徴とする請求項4の記載の撮像装置。
  6. 前記基線長補正手段は、前記レンズ装置から絞り開放時の周辺光量情報を取得し、前記絞り値情報に従って前記周辺光量情報を補正し、補正された周辺光量情報から補正係数を算出して前記基線長情報を補正することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記焦点検出用画素は、1つのマイクロレンズに対して複数の光電変換部を配置した画素配列構造を有しており、
    前記焦点検出用画素の出力する信号から複数の焦点検出用信号を抽出する信号抽出手段をさらに備え、
    前記焦点検出手段は前記複数の焦点検出用信号に係る位相差情報の相関演算を行って前記デフォーカス量を算出することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の撮像装置の本体部に装着されるレンズ装置であって、
    前記撮像光学系の周辺光量情報を記憶する記憶手段と、
    前記撮像装置と通信する通信手段と、
    前記記憶手段から周辺光量情報を読み出し、前記通信手段を介して前記撮像装置に送信する制御を行う制御手段を備えることを特徴とするレンズ装置。
  9. 撮像光学系を構成するレンズ装置が装着される本体部と、前記撮像光学系の異なる瞳領域を通過する光を光電変換する複数の焦点検出用画素を有する撮像素子を備える撮像装置にて実行される制御方法であって、
    前記本体部に装着された前記レンズ装置と通信する通信手段により、前記撮像光学系の周辺光量情報を前記レンズ装置から取得して露光量補正を行う露光量決定ステップと、
    前記周辺光量情報を取得して補正係数を算出し、前記焦点検出用画素の信号強度変化を補正する信号補正ステップと、
    前記信号補正ステップで補正された信号を用いてデフォーカス量を算出する焦点検出ステップと、
    前記デフォーカス量からフォーカス駆動量を算出して焦点調節動作を制御する制御ステップを有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  10. 撮像光学系を構成するレンズ装置が装着される本体部と、前記撮像光学系の異なる瞳領域を通過する光を光電変換する複数の焦点検出用画素を有する撮像素子を備える撮像装置にて実行される制御方法であって、
    前記本体部に装着された前記レンズ装置と通信する通信手段により、前記撮像光学系の周辺光量情報を前記レンズ装置から取得して露光量補正を行う露光量決定ステップと、
    前記複数の焦点検出用画素の信号から得られる位相差情報及び前記周辺光量情報を取得して基線長情報を補正する補正ステップと、
    前記補正ステップで補正された前記基線長情報を用いてデフォーカス量を算出する焦点検出ステップと、
    前記デフォーカス量からフォーカス駆動量を算出して焦点調節動作を制御する制御ステップを有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
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