JP2014108716A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの適切な動作を確保しつつ、消費電力を低減できるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】モータ制御装置27は、モータ21に三相交流電圧を供給する駆動回路40、駆動回路40を介して、モータ21の駆動を制御するマイコン41、及びマイコン41から出力されるPWM駆動信号を増幅するプリドライバ回路46を備える。ここでは、プリドライバ回路46への電力の供給、及び遮断を切り替えるリレー48を設ける。そして、マイコン41は、モータ21を駆動する必要がない場合、リレー48によりプリドライバ回路46への電力供給を遮断する。
【選択図】図2
【解決手段】モータ制御装置27は、モータ21に三相交流電圧を供給する駆動回路40、駆動回路40を介して、モータ21の駆動を制御するマイコン41、及びマイコン41から出力されるPWM駆動信号を増幅するプリドライバ回路46を備える。ここでは、プリドライバ回路46への電力の供給、及び遮断を切り替えるリレー48を設ける。そして、マイコン41は、モータ21を駆動する必要がない場合、リレー48によりプリドライバ回路46への電力供給を遮断する。
【選択図】図2
Description
本発明は、モータの駆動を制御するモータ制御装置に関する。
車両の操舵機構に、モータのアシストトルクを付与することにより、運転者のステアリング操作を補助する、電動パワーステアリング装置が知られている。この電動パワーステアリング装置には、運転者のステアリング操作に伴い、操舵機構に付与される操舵トルクを検出するトルクセンサ、及びトルクセンサの検出操舵トルクに基づいて、モータの駆動を制御するモータ制御装置が設けられている。
モータ制御装置は、モータに駆動電流を供給する駆動回路、及び駆動回路の動作を制御する制御部(マイコン)を備えている。マイコンは、トルクセンサの検出操舵トルクに基づいて、モータの駆動電流の目標値となる電流指令値を演算する。そして、モータの実際の駆動電流値を電流指令値に一致させるべく、それらの偏差に応じた駆動信号を生成し、信号増幅部(プリドライバ回路)によって駆動信号を増幅し、ゲート信号に変換する。これを駆動回路に出力することにより、モータの駆動を制御する。こうしたモータ駆動制御により、操舵トルクに応じたアシストトルクがモータから操舵機構に付与され、運転者のステアリング操作が補助される。
このため、従来は、特許文献1に見られるように、プリドライバ回路に昇圧回路から常時電力を供給し、プリドライバ回路は、マイコンを含む通電ロジック生成回路から生成されたPWM駆動信号を受信するとともに、後段の駆動回路のMOSFETに、ゲート信号を送信している。
しかしながら、上記モータ制御装置のように、プリドライバ回路に常時電力を供給し続けることは、消費電力を不要な場合でも消費続ける懸念がある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、モータの適切な動作を確保しつつ、消費電力を低減できるモータ制御装置を提供することにある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、モータの適切な動作を確保しつつ、消費電力を低減できるモータ制御装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載のモータ制御装置は、モータに駆動電力を供給する駆動回路に駆動信号を出力することにより前記モータの駆動を制御する制御手段と、前記制御手段が出力する信号を増幅する信号増幅手段と、前記信号増幅手段の電力の供給、及び遮断を切り替える切り替え手段と、を備え、前記モータは車両に搭載されており、前記制御手段は、前記車両のイグニッションスイッチがオン操作されてから、前記制御手段が前記モータの駆動制御を開始するまでの間、前記モータを駆動する必要がないと判断し、前記切り替え手段により前記信号増幅手段への電力供給を遮断すること、を要旨とする。
プリドライバ回路は、モータの駆動を制御する部分であるため、モータを駆動する必要のない状況では、プリドライバ回路を停止しても問題はない。即ち、プリドライバ回路は、最低限モータの駆動中に動作していればよい。これを利用し、上記構成のように、プリドライバ回路の電力の供給、及び遮断を切り替える切り替え部を設け、運転者がイグニッションスイッチをオン操作した後、マイコンがモータの駆動制御を開始するまでの間、プリドライバ回路への電力供給を遮断することで、プリドライバ回路に電力を常時供給している場合と比較して、エンジン始動時の消費電力を低減できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータ制御装置において、前記制御手段は、前記車両のイグニッションスイッチがオン操作された後、イニシャルチェックで前記モータの駆動系の正常な動作が確認できて、且つ、車載エンジンの始動を検知することをもって、前記モータの駆動制御が開始されたと判断すること、を要旨とする。
マイコンの制御対象であるモータが車載モータの場合、車両のイグニッションスイッチがオン操作された後、イニシャルチェックでモータの駆動系の正常な動作が確認できて、且つ、車載エンジンの始動を検知することをもって、モータの駆動制御が開始されることが多い。このため、上記構成によれば、マイコンは、モータ駆動制御が開始されたか否かを容易に判断できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置において、前記制御手段は、前記制御手段が前記モータの駆動制御を開始して以降、前記モータを駆動源とする装置に異常が生じるか、あるいは、車両のイグニッションスイッチがオフ操作されることをもって、前記モータを駆動する必要がないと判断し、前記切り替え手段により、前記信号増幅手段への電力供給を遮断すること、を要旨とする。
マイコンの制御対象であるモータが車載モータの場合、マイコンがモータ駆動制御を開始して以降、モータを駆動源とする装置に異常が生じた時、あるいは、車両のイグニッションスイッチがオフ操作された時には、モータを駆動する必要がない。よって上記構成によれば、マイコンがモータ駆動制御を開始して以降に、モータを駆動する必要のない状況となった場合、プリドライバ回路への電力供給が遮断されるため、消費電力を低減できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ制御装置において、前記モータは、車両の電動パワーステアリング装置に設けられ、車両の操舵機構にアシストトルクを付与するものであり、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、前記モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、前記モータ回転角検出手段から検出したモータの回転角から操舵角速度を演算する操舵角速度演算手段と、前記制御手段は、前記制御手段が前記モータの駆動制御を開始して以降、前記操舵角速度演算手段が演算した操舵角速度の絶対値が、操舵角速度所定値未満、かつ、前記操舵トルク検出手段が検出した操舵トルクの絶対値が、操舵トルク所定値未満の場合には、前記モータを駆動する必要がないと判断し、前記切り替え手段により、前記信号増幅手段への電力供給を遮断すること、を要旨とする。
車両の電動パワーステアリング装置では、操舵角速度の絶対値が、操舵角速度所定値未満、かつ、操舵トルクの絶対値が、操舵トルク所定値未満の場合、運転者が操舵機構を操作していない状況であると考えられるため、ステアリングシャフトにアシストトルクを付与する必要がない。すなわち、モータを駆動する必要がない。よって上記構成によれば、特に電動パワーステアリング装置において、プリドライバ回路への電力供給が遮断されるため、消費電力を的確に低減できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ制御装置において、前記モータは、車両のステアリングシャフトにおいて、ステアリングホイール側の第1シャフトと、転舵輪側の第2シャフトとの間の伝達比を可変とする伝達比可変装置に設けられ、自身の駆動に基づく回転を、前記第1シャフトの回転に上乗せして前記第2シャフトに伝達することにより、前記伝達比を可変とするものであり、
前記制御手段は、前記制御手段が前記モータの駆動制御を開始して以降、前記ステアリングホイールが保舵状態であるか、あるいは、前記ステアリングホイールが中立位置であることをもって、前記モータを駆動する必要がないと判断し、前記切り替え手段により、前記信号増幅手段への電力供給を遮断すること、を要旨とする。
前記制御手段は、前記制御手段が前記モータの駆動制御を開始して以降、前記ステアリングホイールが保舵状態であるか、あるいは、前記ステアリングホイールが中立位置であることをもって、前記モータを駆動する必要がないと判断し、前記切り替え手段により、前記信号増幅手段への電力供給を遮断すること、を要旨とする。
車両のステアリングシャフトに設けられる伝達比可変装置では、ステアリングホイールが保舵状態である場合、あるいは、前記ステアリングホイールが中立位置である場合、ステアリングシャフトが回転していない状況であると考えられるため、モータを駆動する必要がない。よって上記構成によれば、特に伝達比可変装置において、プリドライバ回路への電力供給が遮断されるため、消費電力を的確に低減できる。
本発明のモータ制御装置によれば、モータの適切な動作を確保しつつ、消費電力を低減できる。
以下、コラム型の電動パワーステアリング装置(以下、EPSという)に具体化した本発明の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角が変更されるようになっている。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド11を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪12の舵角が変更されるようになっている。
また、EPS1は、モータ21を駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ24(操舵力補助装置)と、EPSアクチュエータ24の作動を制御するモータ制御装置27とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ24は、コラム型のEPSアクチュエータであり、その駆動源であるモータ21は、減速機構23を介してコラムシャフト8と駆動連結されている。そして、同モータ21の回転を減速機構23により減速してコラムシャフト8に伝達することによって、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成となっている。
一方、モータ制御装置27には、車速センサ25(車速検出手段)、トルクセンサ26(操舵トルク検出手段)、及びモータ回転角センサ22(モータ回転角度検出手段)が接続されており、モータ制御装置27は、これら各センサの出力信号に基づいて、車速V、操舵トルクTh、及びモータ回転角θmを検出する。
図2に示すように、モータ制御装置27は、モータ21に三相交流電圧を供給する駆動回路40、駆動回路40を介して、モータ21の駆動を制御するマイコン41、及びマイコン41から出力されるPWM駆動信号を増幅するプリドライバ回路46を備えている。
駆動回路40は、複数のMOSFETをブリッジ状に接続した、周知の構成からなる。駆動回路40は、マイコン41からプリドライバ回路46を介して入力されるゲート信号に基づいて、複数のMOSFETがオン/オフすることにより、車載バッテリBTから、リレー45を介して供給される直流電圧を、三相(U相、V相、W相)の交流電圧に変換する。変換された三相交流電圧がモータ駆動電圧として、給電線W1を介して、モータ21に供給されることにより、モータ21が駆動する。
給電線W1には、U相、V相、及びW相の各相電流値Iを検出する電流センサ47が設けられている。電流センサ47の出力は、マイコン41に取り込まれている。又、トルクセンサ26、モータ回転角センサ22、及び車速センサ25のそれぞれの出力も、マイコン41に取り込まれている。
更に、マイコン41はCANなどの車載ネットワークCNを介して、エンジン制御装置28と接続されており、マイコン41と、エンジン制御装置28との間で、各種データのシリアル通信を行うことが可能となっている。エンジン制御装置28は、例えば、車載エンジン(図示略)を始動させた時に、その旨の通知(エンジン始動通知)をマイコン41に行う。すなわちマイコン41は、エンジン制御装置28からのエンジン始動通知により、車載エンジンが始動したことを知ることができる。
マイコン41は、モータ回転角センサ22、車速センサ25、トルクセンサ26、及び電流センサ47を通じて、それぞれ検出されるモータ回転角θm、車速V、操舵トルクTh、及び各相電流値Iに基づいて、モータ21の駆動を制御する。詳しくは、マイコン41は、操舵トルクTh、及び車速Vに基づいて、ステアリングシャフト3に付与すべきアシストトルクの目標値を設定し、その値に基づいて、モータ21の駆動電流の目標値(電流指令値)を算出する。
又、マイコン41は、モータ回転角θmを利用して、各相電流値Iをd/q座標系における電流値(実電流値)に変換する。そして、マイコン41は、実電流値を電流指令値に追従させるべく、それらの偏差に基づく電流フィードバック制御を実行することで、d/q座標系における電圧指令値を算出する。また、演算したd/q座標系の電圧指令値を、モータ回転角θmを利用して、各相の電圧指令値に変換し、これをPWM変換することで、PWM駆動信号を生成する。マイコン41は、生成したPWM駆動信号をプリドライバ回路46に出力する。
プリドライバ回路46は、マイコン41からのPWM駆動信号を増幅して、ゲート信号を生成し、これを駆動回路40に設けられた複数のMOSFETのゲート端子に印加する。これにより、複数のMOSFETがPWM駆動信号に応じて、オン/オフすることで駆動回路がPWM駆動し、モータ21が電流指令値に応じた動作を行う。こうしたマイコン41による、モータ21の駆動制御により、ステアリングシャフト3にアシストトルクが付与され、ステアリング操作を補助するアシスト制御が実行される。
また、モータ制御装置27は、マイコン41に電力を供給する電源IC43を備えている。マイコン41用の電源IC43は、ダイオードD1、及びエンジン始動スイッチであるイグニッションスイッチIGSWを介して車載バッテリBTに接続されている。また、電源IC43は、リレー45と、駆動回路40とを接続する配線の途中に、ダイオードD2を介して接続されている。即ち、イグニッションスイッチIGSW、または、リレー45のいずれか一方がオンされると、車載バッテリBTから電源IC43を介して、マイコン41に電力が供給される。
プリドライバ回路46用の電源も、マイコン41用の電源IC43と同様の供給経路を介して、車載バッテリBTに接続されている。但し、ダイオードD1、D2と、プリドライバ回路46とを接続する配線の途中には、リレー48が設けられている。即ち、イグニッションスイッチIGSW、または、リレー45のいずれか一方がオンされ、かつリレー48がオンされることを条件に、車載バッテリBTから、プリドライバ回路46に電力が供給される。本実施形態では、リレー48がプリドライバ回路46への電力の供給、及び遮断を切り替える切り替え手段となっている。
一方、モータ制御装置27では、リレー45、48のオン/オフの切り替えがマイコン41により実行される。次に、マイコン41がリレー45のオン/オフを切り替える手順について説明する。
まず、運転者により、イグニッションスイッチIGSWがオン操作されると、車載バッテリBTからイグニッションスイッチIGSW、ダイオードD1、及び電源IC43を介して、マイコン41に電力が供給され、マイコン41が作動する。作動したマイコン41は、CPUやメモリなどの自身に搭載された電子部品、モータ回転角センサ22、車速センサ25、トルクセンサ26、電流センサ47、及び駆動回路40などを含む、電動パワーステアリング装置全体の正常な動作を確認する、いわゆるイニシャルチェックを行う。
そして、イニシャルチェックを通じて、電動パワーステアリング装置全体が正常であることを確認できた場合、リレー45をオンさせる。これにより、車載バッテリBTから、駆動回路40に直流電圧が供給され、モータ21が駆動可能な状態となる。その後、マイコン41は、エンジン制御装置28から送信される、エンジン始動通知に基づいて、車載エンジンが始動したことを検知した時、モータ駆動制御を開始する。
また、運転者により、イグニッションスイッチIGSWがオフ操作されると、イグニッションスイッチIGSWを介した、マイコン41への電力供給は遮断されるが、マイコン41は、リレー45を介した電力供給により、動作状態を維持することができる。この時、マイコン41は、イグニッションスイッチIGSWのオフ操作を検知すると、モータ回転角センサ22、車速センサ25、トルクセンサ26、及び電流センサ47の出力や、エンジン制御装置28から逐次通知されるエンジン状態などに基づいて、モータ駆動制御を停止する条件が成立したか否かを判断する。そして、モータ駆動制御を停止する条件が成立した場合、リレー45をオフする。これにより、車載バッテリBTから、駆動回路40への駆動電流の供給が遮断されるとともに、マイコン41が停止する。
一方、マイコン41は、自身が動作状態にある時、リレー48のオン/オフを切り替えることにより、プリドライバ回路46への電力の供給、及び遮断を切り替える。
次に、この処理について詳述する。
まず、プリドライバ回路46は、マイコン41からのPWM駆動信号を増幅して、ゲート信号を生成し、これを駆動回路40に設けられた複数のMOSFETのゲート端子に印加する部分であるため、その目的に鑑みれば、プリドライバ回路46は、最低限モータ21の駆動中に動作していればよい。換言すれば、モータ21を駆動する必要のない状況では、プリドライバ回路46への電力供給を遮断しても問題はない。
次に、この処理について詳述する。
まず、プリドライバ回路46は、マイコン41からのPWM駆動信号を増幅して、ゲート信号を生成し、これを駆動回路40に設けられた複数のMOSFETのゲート端子に印加する部分であるため、その目的に鑑みれば、プリドライバ回路46は、最低限モータ21の駆動中に動作していればよい。換言すれば、モータ21を駆動する必要のない状況では、プリドライバ回路46への電力供給を遮断しても問題はない。
ここでモータ21を駆動する必要のない状況としては、まず、イグニッションスイッチIGSWがオン操作された後、マイコン41がモータ駆動制御を開始するまでの間が考えられる。この間、マイコン41はモータ駆動制御を実行しないため、モータ21を駆動する必要がない。また、マイコン41がモータ駆動制御を開始して以降、モータ21を駆動する必要のない状況としては、以下の(a1)〜(a3)の状況が考えられる。
(a1)モータ回転角センサ22の検出モータ回転角θmから演算される操舵角速度Vhの絶対値が、操舵角速度所定値Vh1未満の場合、且つ、トルクセンサ26の検出操舵トルクThの絶対値が、操舵トルク所定値Th1未満の場合。この場合、運転者がステアリングホイール2を操作していない状況である、と考えられるため、ステアリングシャフト3に、アシストトルクを付与する必要がない。即ち、モータ21を駆動する必要がない。尚、操舵角速度所定値Vh1、及び操舵トルク所定値Th1は、ステアリングシャフト3に、アシストトルクを付与すべき状況であるか否かを、判定できる値に設定する。
(a2)電動パワーステアリング装置を構成する、いずれかの要素が故障したり、その配線系に異常が生じるなど、電動パワーステアリング装置に何らかの異常が生じて、その動作を停止しなければならない場合。この場合、モータ21を駆動する必要がない。
(a3)イグニッションスイッチIGSWがオフ操作された場合。この場合、アシスト制御を実行する必要がないため、モータ21を駆動する必要がない。
以上の(a1)〜(a3)のように、モータ21を駆動する必要がない状況では、マイコン41が、リレー48をオフすることで、プリドライバ回路46への電力の供給を遮断し、それ以外の状況では、リレー48をオンすることで、プリドライバ回路46に電力を供給する。
次に、図3を参照して、マイコン41により行われる、プリドライバ回路46への電力の供給、及び遮断を切り替える処理について、その作用とともに説明する。尚、図3に示す処理は、マイコン41に電力が供給された時、即ち、イグニッションスイッチIGSWがオン操作された時に開始され、マイコン41への電力供給が遮断された時に中断される。また、この処理の開始時、リレー48はオフ状態に、即ち、プリドライバ回路46への電力供給は遮断された状態になっている。
図3に示すように、マイコン41は、始めに、イニシャルチェックで電動パワーステアリング装置全体が正常であることが確認できたか否かを判断し(ステップS101)、その正常を確認できた場合には(ステップS101:YES)、車載エンジンが始動したか否かを判断する(ステップS102)。
マイコン41は、エンジン制御装置28からのエンジン始動通知に基づいて、車載エンジンの始動を検知した場合(ステップS102:YES)、モータ駆動制御を開始する。この間、即ち、イグニッションスイッチIGSWがオン操作されてから、モータ駆動制御が開始されるまでの間、リレー48はオフ状態に維持され、プリドライバ回路46への電力供給は遮断されたままとなるため、エンジン始動時の消費電力を低減できる。
次に、マイコン41は、モータ駆動制御を開始した後、モータ回転角センサ22の検出モータ回転角θmから演算される操舵角速度Vhの絶対値が、操舵角速度所定値Vh1以上であるか、または、トルクセンサ26の検出操舵トルクThの絶対値が、操舵トルク所定値Th1以上であるか否かを監視する(ステップS103)。
そして、モータ回転角センサ22の検出モータ回転角θmから演算される操舵角速度Vhの絶対値が、操舵角速度所定値Vh1以上であるか、または、トルクセンサ26の検出操舵トルクThの絶対値が、操舵トルク所定値Th1以上である場合(ステップS103:YES)、マイコン41は、運転者がステアリング操作を行ったと判断して、モータ21の駆動を実行する状況となる。
次に、マイコン41は、電動パワーステアリング装置が正常であって(ステップS104:YES)、且つ、イグニッションスイッチIGSWがオン状態であることを条件に(ステップS105:YES)、リレー48をオンして、プリドライバ回路46に電力を供給する(ステップS106)。
一方、運転者がステアリング操作を行わなくなって、モータ回転角センサ22の検出モータ回転角θmから演算される操舵角速度Vhの絶対値が、操舵角速度所定値Vh1未満、かつ、トルクセンサ26の検出操舵トルクThの絶対値が、操舵トルク所定値Th1未満の場合(ステップS103:NO)、マイコン41は、リレー48をオフして、プリドライバ回路46への電力供給を遮断する(ステップS107)。
また、電動パワーステアリング装置に異常が生じた場合(ステップS104:NO)、あるいは、イグニッションスイッチIGSWがオフ操作された場合にも(ステップS105:NO)、マイコン41は、リレー48をオフして、プリドライバ回路46への電力供給を遮断する(ステップS107)。これにより、マイコン41がモータ駆動制御を開始して以降に、モータ21を駆動する必要がない状況となった場合には、プリドライバ回路46への電力供給が遮断されるため、消費電力を低減できる。
以上説明したように、本実施形態のモータ制御装置27によれば、以下の効果が得られる。
(1)モータ制御装置27には、プリドライバ回路46への電力供給を遮断するリレー48を設けた。そして、マイコン41では、イグニッションスイッチIGSWがオン操作されてから、モータ21の駆動制御を開始するまでの間、モータ21を駆動する必要がないと判断し、リレー48により、プリドライバ回路46への電力供給を遮断することとした。これにより、プリドライバ回路に電力を常時供給している場合と比較して、エンジン始動時の消費電力を低減できる。
(1)モータ制御装置27には、プリドライバ回路46への電力供給を遮断するリレー48を設けた。そして、マイコン41では、イグニッションスイッチIGSWがオン操作されてから、モータ21の駆動制御を開始するまでの間、モータ21を駆動する必要がないと判断し、リレー48により、プリドライバ回路46への電力供給を遮断することとした。これにより、プリドライバ回路に電力を常時供給している場合と比較して、エンジン始動時の消費電力を低減できる。
(2)マイコン41では、モータ21の駆動制御を開始して以降、上記(a1)〜(a3)のいずれかの条件が成立した時、電動パワーステアリング装置において、モータ21を駆動する必要がないと判断し、リレー48により、プリドライバ回路46への電力供給を遮断することとした。これにより、マイコン41がモータ21の駆動制御を開始して以降に、モータ21を駆動する必要がない状況となった場合、プリドライバ回路46への電力供給が遮断されるため、特に、電動パワーステアリング装置において、消費電力を的確に低減できる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した、以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態の図3に例示した処理では、ステップS103〜S105の全ての処理を省略してもよい。この場合、マイコン41はステップS102の処理で、車載エンジンの始動を検知した後(ステップS102:YES)、リレー48をオンさせて、プリドライバ回路46に電力を供給する(ステップS106)。このような構成でも、イグニッションスイッチIGSWがオン操作されてから、マイコン41が、モータ駆動制御を開始するまでの間、プリドライバ回路46への電力供給が遮断されるため、消費電力を低減できる。
・上記実施形態の図3に例示した処理では、ステップS103〜S105の全ての処理を省略してもよい。この場合、マイコン41はステップS102の処理で、車載エンジンの始動を検知した後(ステップS102:YES)、リレー48をオンさせて、プリドライバ回路46に電力を供給する(ステップS106)。このような構成でも、イグニッションスイッチIGSWがオン操作されてから、マイコン41が、モータ駆動制御を開始するまでの間、プリドライバ回路46への電力供給が遮断されるため、消費電力を低減できる。
・上記実施形態の図3に例示した処理では、ステップS101、S102のいずれかの処理を省略してもよい。この場合、マイコン41は、モータ駆動制御の開始時に、図3に示した処理のステップS103〜S107の処理を実行する。このような構成でも、マイコン41がモータ21の駆動制御を開始して以降、モータ21を駆動する必要のない状況では、プリドライバ回路46への電力供給が遮断されるため、消費電力を低減できる。
・上記実施形態では、本発明を車両の電動パワーステアリング装置に適用したが、例えば、車両のステアリングシャフト3において、ステアリング2側の第1シャフトと、転舵輪12側の第2シャフトとの間の伝達比を可変とする伝達比可変装置に本発明を適用してもよい。詳しくは、伝達比可変装置は、周知のように、第1シャフトの回転に、モータ21の駆動に基づく回転を上乗せして、第2シャフトに伝達することにより、第1シャフトと第2シャフトとの間の伝達比を可変とする構成からなるため、そのモータ21の駆動を制御するモータ制御装置に、本発明を適用してもよい。ところで、伝達比可変装置では、マイコン41がモータ駆動制御を開始して以降、モータ21を駆動する必要のない状況としては、上記(a2)、(a3)の状況に加え、上記(a1)に代わる状況として、以下の(c1)、(c2)に示す状況が考えられる。
(c1)ステアリング2が保舵状態である場合。この場合、ステアリングシャフト3が回転していない状況であると考えられるため、モータ21を駆動する必要がない。尚、ステアリング2が保舵状態であることの検出は、例えば、ステアリングシャフト3の角速度(回転速度)が所定値以下であることに基づいて行えばよい。
(c2)ステアリング2が中立位置である場合。この場合も、ステアリングシャフト2が回転していない状況であると考えられるため、モータ21を駆動する必要がない。尚、ステアリング2が中立位置であることの検出は、例えば、ステアリング2の操舵角を検出する操舵角センサの検出値を利用して行えばよい。
(c2)ステアリング2が中立位置である場合。この場合も、ステアリングシャフト2が回転していない状況であると考えられるため、モータ21を駆動する必要がない。尚、ステアリング2が中立位置であることの検出は、例えば、ステアリング2の操舵角を検出する操舵角センサの検出値を利用して行えばよい。
・上記実施形態及びその変形例では、本発明を車両の電動パワーステアリング装置、及び伝達比可変装置に適用する場合について例示したが、本発明の適用対象は、これに限らない。本発明は、車両に搭載されたモータ制御装置に限らず、マイコン、及びプリドライバ回路46を有する任意のモータ制御装置に適用可能である。
・本実施形態では、本発明をコラムアシストEPSに具体化したが、本発明をラックアシストEPSやピニオンアシストEPSに適用してもよい。
1:電動パワーステアリング装置(EPS)、2:ステアリング、
3:ステアリングシャフト、4:ラックアンドピニオン機構、5:ラック軸、
8:コラムシャフト、9:インターミディエイトシャフト、10:ピニオンシャフト、11:タイロッド、12:転舵輪、21:モータ、
22:モータ回転角センサ(モータ回転角度検出手段)、23:減速機構、
24:EPSアクチュエータ(操舵力補助装置)、
25:車速センサ(車速検出手段)、26:トルクセンサ(操舵トルク検出手段)、27:モータ制御装置、28:エンジン制御装置、
40:駆動回路、41:マイコン(制御手段)、43:電源IC、
46:プリドライバ回路(信号増幅手段)、47:電流センサ、
45、48:リレー(切り替え手段)、
V:車速、Th:操舵トルク、Th1:操舵トルク所定値、θm:モータ回転角、
Vh:操舵角速度、Vh1:操舵角速度所定値、I:各相電流値、
IGSW:イグニッションスイッチ、BT:車載バッテリ、
D1、D2:ダイオード、W1:給電線
3:ステアリングシャフト、4:ラックアンドピニオン機構、5:ラック軸、
8:コラムシャフト、9:インターミディエイトシャフト、10:ピニオンシャフト、11:タイロッド、12:転舵輪、21:モータ、
22:モータ回転角センサ(モータ回転角度検出手段)、23:減速機構、
24:EPSアクチュエータ(操舵力補助装置)、
25:車速センサ(車速検出手段)、26:トルクセンサ(操舵トルク検出手段)、27:モータ制御装置、28:エンジン制御装置、
40:駆動回路、41:マイコン(制御手段)、43:電源IC、
46:プリドライバ回路(信号増幅手段)、47:電流センサ、
45、48:リレー(切り替え手段)、
V:車速、Th:操舵トルク、Th1:操舵トルク所定値、θm:モータ回転角、
Vh:操舵角速度、Vh1:操舵角速度所定値、I:各相電流値、
IGSW:イグニッションスイッチ、BT:車載バッテリ、
D1、D2:ダイオード、W1:給電線
Claims (5)
- モータに駆動電力を供給する駆動回路に駆動信号を出力することにより前記モータの駆動を制御する制御手段と、
前記制御手段が出力する信号を増幅する信号増幅手段と、
前記信号増幅手段の電力の供給、及び遮断を切り替える切り替え手段と、を備え、
前記モータは車両に搭載されており、
前記制御手段は、前記車両のイグニッションスイッチがオン操作されてから、前記制御手段が前記モータの駆動制御を開始するまでの間、前記モータを駆動する必要がないと判断し、前記切り替え手段により前記信号増幅手段への電力供給を遮断すること、
を特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1に記載のモータ制御装置において、
前記制御手段は、前記車両のイグニッションスイッチがオン操作された後、イニシャルチェックで前記モータの駆動系の正常な動作が確認できて、且つ、車載エンジンの始動を検知することをもって、前記モータの駆動制御が開始されたと判断すること、
を特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置において、
前記制御手段は、前記制御手段が前記モータの駆動制御を開始して以降、前記モータを駆動源とする装置に異常が生じるか、あるいは、車両のイグニッションスイッチがオフ操作されることをもって、前記モータを駆動する必要がないと判断し、前記切り替え手段により、前記信号増幅手段への電力供給を遮断すること、
を特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ制御装置において、
前記モータは、車両の電動パワーステアリング装置に設けられ、車両の操舵機構にアシストトルクを付与するものであり、
操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
前記モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、
前記モータ回転角検出手段から検出したモータの回転角から操舵角速度を演算する操舵角速度演算手段と、
前記制御手段は、前記制御手段が前記モータの駆動制御を開始して以降、前記操舵角速度演算手段が演算した操舵角速度の絶対値が、操舵角速度所定値未満、かつ、前記操舵トルク検出手段が検出した操舵トルクの絶対値が、操舵トルク所定値未満の場合には、前記モータを駆動する必要がないと判断し、前記切り替え手段により、前記信号増幅手段への電力供給を遮断すること、
を特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ制御装置において、
前記モータは、車両のステアリングシャフトにおいて、ステアリングホイール側の第1シャフトと、転舵輪側の第2シャフトとの間の伝達比を可変とする伝達比可変装置に設けられ、自身の駆動に基づく回転を、前記第1シャフトの回転に上乗せして前記第2シャフトに伝達することにより、前記伝達比を可変とするものであり、
前記制御手段は、前記制御手段が前記モータの駆動制御を開始して以降、前記ステアリングホイールが保舵状態であるか、あるいは、前記ステアリングホイールが中立位置であることをもって、前記モータを駆動する必要がないと判断し、前記切り替え手段により、前記信号増幅手段への電力供給を遮断すること、
を特徴とするモータ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012263949A JP2014108716A (ja) | 2012-12-03 | 2012-12-03 | モータ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012263949A JP2014108716A (ja) | 2012-12-03 | 2012-12-03 | モータ制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014108716A true JP2014108716A (ja) | 2014-06-12 |
Family
ID=51029609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012263949A Pending JP2014108716A (ja) | 2012-12-03 | 2012-12-03 | モータ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014108716A (ja) |
-
2012
- 2012-12-03 JP JP2012263949A patent/JP2014108716A/ja active Pending
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