JP2014108150A - 血管挿入型デバイス - Google Patents

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一郎 平原
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淳一 小林
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【課題】血管内膜に形成されたプラークを除去する際の、血管壁の、プラーク周辺の組織への損傷の発生を最小限にすることのできる血管挿入型デバイスを提供する。
【解決手段】本発明の血管挿入型デバイス1は、血管に挿入可能であり、長手方向の両端のそれぞれに基端および先端を有する中空管状の挿入管3と、該挿入管3の先端部3aに配置されるとともに、該挿入管3の内部に延在する振動伝達軸部材4を介して振動発生器5に連結されて、超音波振動を発する振動部6とを具えてなるものであって、血管に挿入された前記挿入管3の先端部3aで、前記振動部6を血管壁の内面に押し当てる押当て手段7を有することを特徴とするものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、血管に挿入可能であり、長手方向の両端のそれぞれに基端および先端を有する中空管状の挿入管と、該挿入管の先端部に配置されるとともに、該挿入管の内部に延在する振動伝達軸部材を介して振動発生器に連結されて、超音波振動を発する振動部とを具えてなる血管挿入型デバイスに関するものである。
循環器系疾病である心筋梗塞や脳梗塞を招くおそれのあるアテローム性動脈硬化は一般に、コレステロールその他の脂質を貪食し泡沫化したマクロファージによって、動脈の血管内膜に形成されるアテローム性プラーク(以下、「プラーク」と称す)の成長により進行することが知られている。したがって、このようなプラークを退縮させ、または除去することは、動脈硬化の進行を食い止め、ひいては、心筋梗塞や脳梗塞などの循環器系疾病の予防ないし治療につながる。
ここで、上述したような、血管内膜に形成されたプラークを除去するに当たり、従来においては、例えば、方向性冠動脈内アテローム切除術という、冠動脈内のアテロームを刃で削り取る方法が試みられてきた。しかし、この方法では、血管を削りすぎて血管壁を穿孔することによる出血のリスクがあり、該リスクを回避するためには熟練した技術を要する。このため、近年では、方向性冠動脈内アテローム切除術は、冠動脈におけるプラーク除去治療に使われなくなった。そこで、特許文献1に記載されたようなカテーテルを血管内に挿入して、そのカテーテルの先端部分をプラーク形成箇所の近傍まで移動させ、そして、該先端部分に設けた振動子を、プラークから所定の距離だけ離れた位置で振動させて超音波を発生させることにより、血液中にキャビテーションを生じさせ、そのキャビテーションをもって、プラークを融除または微細化させる方法が検討されている。
特表2004−525737号公報
ところで、特許文献1に記載のような、プラークを融除または微細化するためのカテーテルは、その先端部分の振動子の周囲に、血液中で微小な気泡を発生および消滅させるものであるが、そのような微小な気泡の発生および消滅による組織の微細化作用等を、血管内膜のプラークだけに及ぼすことは困難であり、それ故に、このカテーテルは、血管壁の、プラークの周辺の組織を損傷させるおそれがある。
本発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、その目的とするところは、血管内膜に形成されたプラークを除去する際の、血管壁の、プラーク周辺の組織への損傷の発生を最小限にすることのできる血管挿入型デバイスを提供することにある。
本発明の血管挿入型デバイスは、血管に挿入可能であり、長手方向の両端のそれぞれに基端および先端を有する中空管状の挿入管と、該挿入管の先端部に配置されるとともに、該挿入管の内部に延在する振動伝達軸部材を介して振動発生器に連結されて、超音波振動を発する振動部とを具えてなるものであって、血管に挿入された前記挿入管の先端部で、前記振動部を血管壁の内面に押し当てる押当て手段を有することを特徴とするものである。
ここで、本発明の血管挿入型デバイスは、前記振動部を、横波を発生可能なものとすることが好ましい。
またここで、本発明の血管挿入型デバイスは、前記押当て手段を、前記振動部の、血管壁内面に接触させる前方側部分とは逆側の後方側に配置されて、流体の供給により、前記挿入管の径方向外側への前記振動部の変位をもたらす膨張変形を可能とした押当てバルーンで構成してなることが好ましい。
さらに、本発明の血管挿入型デバイスは、前記押当て手段を、前記振動伝達軸部材の、前記振動部に隣接する一部を構成するとともに、該振動部を前記挿入管の径方向外側に向けて付勢する弾性シャフト部分で構成してなることが好ましい。
ところで、本発明の血管挿入型デバイスでは、前記挿入管の先端部の側壁に、該先端部の内部に配置した前記振動部の少なくとも一部の、該先端部の外側への進出を可能にする貫通孔を設けることが好ましい。
また、本発明の血管挿入型デバイスでは、前記振動部および前記押当て手段のそれぞれを、前記挿入管に対し、該挿入管の軸線方向に進退変位可能とし、前記振動部および前記押当て手段の前進位置で、該振動部および該押当て手段のそれぞれが、前記挿入管の先端から外部に突出して位置するとともに、前記振動部および前記押当て手段の後退位置で、該振動部および該押当て手段のそれぞれが、前記挿入管の先端部の内部に収容されるものとしてなることが好ましい。
ここで、本発明の血管挿入型デバイスでは、該血管挿入型デバイスを、治療部位を加熱する加熱機能を具えるものとすることが好ましい。
また、この場合においては、前記振動部が、前記加熱機能を具えるヒーターを有することが好ましい。
またここで、本発明の血管挿入型デバイスは、前記押当て手段を、加熱機能を具えるものとすることが好ましい。
ところで、本発明の血管挿入型デバイスは、前記挿入管の先端部の内部に配置されるとともに、血管および/または血管壁内の組織をモニタリングする機構を有することが望ましい。前記モニタリングする機構として、モニタリング用超音波を発生可能な振動子を具えることが好ましい。
本発明の血管挿入型デバイスによれば、血管に挿入された挿入管の先端部で、振動部を血管壁の内面に押し当てる押当て手段を有するものとしたことにより、例えば、血管内膜に形成されたプラークを除去する際に、血管挿入デバイスの挿入管の先端部を、血管内の、治療するプラークが存在する位置の近傍に移動させた後、先端部に配置した振動部を、押当て手段によって、プラークが存在する部位の血管壁に押し当てることができる。そして、このように該振動部をプラークに押し当てた状態で、プラークを除去するため、超音波発生装置から伝達軸部材を介して伝達されて振動部で発生させる超音波振動を直接的に、プラークに作用させることができるので、プラーク周辺の組織の損傷の発生を最小限にすることができる。
本発明の血管挿入型デバイスの第一の実施形態を、挿入管の先端部を血管に挿入して押当て手段を作動させた状態で示す、全体図である。 図1の血管挿入型デバイスの挿入管の先端部を、押当て手段の作動前および作動後のそれぞれの状態で示す、挿入管の軸線方向に沿う部分拡大断面図である。 図1の血管挿入型デバイスにおける押当て手段の変形例のそれぞれを、押当て手段の作動前後のそれぞれの状態で示す、図2と同様の部分拡大断面図である。 本発明の挿入型デバイスの第二の実施形態の挿入管先端部を、押当て手段の作動前後のそれぞれの状態で示す、挿入管の軸線方向に沿う部分拡大断面図である。 図4の血管挿入型デバイスの挿入管先端部の変形例を、押当て手段の作動前後のそれぞれの状態で示す部分拡大断面図である。 本発明の挿入型デバイスの第三の実施形態の挿入管先端部を、押当て手段の作動前の状態で示す、挿入管の軸線方向に沿う部分拡大断面図である。 本発明の挿入型デバイスの第四の実施形態の挿入管先端部およびその変形例を、押当て手段の作動後の状態で示す、挿入管の軸線方向に沿う部分拡大断面図である。 本発明の挿入型デバイスの第五の実施形態の挿入管先端部を、押当て手段の作動前後のそれぞれの状態で示す、挿入管の軸線方向に沿う部分拡大断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に例示説明する。
図1に例示する、本発明の第1の実施形態に係る血管挿入型デバイス1は、生体内の血管2、特に動脈の血管内膜に形成されるアテローム性プラーク2aを除去するための血管挿入型デバイス1であって、血管2に挿入可能で、長手方向の両端のそれぞれに、生体外に位置させる基端および、血管2に挿入する先端を有する中空管状の挿入管3と、挿入管3の先端部3aに配置されるとともに、図2に、その先端部3aの拡大断面図で示すように、該挿入管3の内部に延在する振動伝達軸部材4を介して、基端側の振動発生器5に連結されて、超音波振動を発する振動部6とを具えてなる。
ここで、図1に示す、血管2内に挿入される血管挿入型デバイス1の、外周側部分を形成する挿入管3は、図示は省略するが、例えば、一本または複数本のワイヤ部材を、軸線方向に向けて螺旋状に、略隙間なく巻回し、該ワイヤ部材の周囲を全長にわたって、ポリエチレン;ポリプロピレン;ナイロン;ポリエチレンテレフタレート;ポリウレタン;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系ポリマー;熱可塑性エラストマー;などの可撓性を有する材料で被覆して形成されている。前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリアミドエラストマー等のナイロン系;ポリエチレンテレフタレートエラストマー等のポリエステル系;ポリエチレンエラストマー、ポリプロピレンエラストマー等のオレフィン系;などが挙げられる。前記ワイヤ部材の被覆材料としては、ポリイミド等の熱硬化性材料;ステンレス(SUS);などを用いることもできる。
また、血管挿入型デバイス1の挿入管3の内部には、図2に示すように、該挿入管3の基端から先端まで延在する一もしくは複数のルーメン3bを設けることができ、図2に示すこの実施形態では、挿入管3の内部に、二つのルーメン3bが設けられている。なお、図2に示す挿入管3は、先端が閉口させているが、先端を開口させることもできる。
そしてまた、図1および2に示すように、血管挿入型デバイス1の挿入管3の、血管2内に挿入される先端部3aには、横波、縦波を含む超音波振動を発する振動部6が設けられ、この一方で、挿入管3の基端側には、超音波振動を発生する振動発生器5が設けられており、そして、振動伝達軸部材4は、振動部6と振動発生器5とを連結するべく挿入管3の内部の一つのルーメン3b内に先端から基端まで延在している。これにより、基端部3cに設けた振動発生器5によって生成された振動は、振動伝達軸部材4を経て、先端部3aに設けた振動部6に伝達し、振動部6が超音波振動を発することになる。
このような血管挿入型デバイス1は、図1および2に例示する実施形態のように、血管2に挿入された挿入管3の先端部3aで、振動部6を血管壁の内面に押し当てる押当て手段7を有する。これにより、例えば、血管内膜に形成されたプラーク2aを除去する際に、血管挿入型デバイス1の挿入管3の先端部3aを、血管2内の、プラーク2aが存在する位置の近傍に移動させた後、先端部3aに配置した振動部6を、図1に示すように、押当て手段7によって、プラーク2aが存在する部位の血管壁に押し当てることができる。そして、このように振動部6を、プラーク2aが存在する部位の血管壁に押し当てた状態で、振動部6が発する超音波振動を直接的に、プラーク2aが存在する部位の血管壁に作用させ、それにより、例えば、プラーク2a内の細胞を破壊することができるので、従来技術のような、血管壁に押し当てない振動部6が発する超音波振動により血液中に生じ得る微小な気泡の発生および消滅に起因する、プラーク2a周辺の組織の損傷を最小限にすることができる。その結果として、プラーク2a周辺の組織の損傷を最小限にしつつ、プラーク2a内のコレステロールその他の脂質等(以下、コレステロール等と称す)が、血管2内の組織もしくは血液等、または血管2外の組織もしくはリンパ液等の、プラーク2a外の組織または体液(以下、プラーク外の組織等と称す)へ溶出し、プラーク2aを除去することができる。
また、本発明の血管挿入型デバイス1は、振動部6を、該振動部6を押し当てたプラーク2aに伝達させる振動の進行方向に垂直な方向へ振動する横波を発生可能なものとすることが好ましい。血管内膜に形成したプラークは、コレステロール等を貪食することで巨大化した、血管内皮細胞や線維芽細胞等より大きいサイズのマクロファージによって形成されるが、血管挿入型デバイス1の振動部6を、横波を発生可能なものとすることにより、振動部6を、プラーク2aが存在する部位の血管壁に押し当てた状態で、振動部6が発する横波による超音波振動を、固体であるプラーク表面からその内部に、より確実に伝達させることができ、それ故に、血液中でのキャビテーションの発生によらずに、プラークを形成する巨大化したマクロファージを破壊することができる。
また、上記のように、横波を発生可能なものとした振動部6は、周波数が20〜100kHzの横波を発生可能なものとすることが好ましい。コレステロール等を貪食することで巨大化したマクロファージは、通常の細胞が10〜20μmであるのに対し、20〜80μmとサイズが大きいことにより、周波数が20〜100kHzの横波の超音波振動に対して固有振動を起こして共振するので、振動部6を、周波数が20〜100kHzの横波を発生可能なものとすることにより、振動部6をプラークに押し当てた状態で、振動部6で発生した上記範囲内の周波数域の横波による超音波振動を、他の細胞と比して大きなマクロファージに効果的に作用させ、その細胞膜を破壊することができる。
さらに、プラークを構成するマクロファージをより確実に共振させて破壊させるとの観点から、振動部6により発生可能な横波振動の周波数を、より好ましくは50〜90kHz、さらに好ましくは60〜70kHzとする。
なお、振動部6の、血管壁内面に接触させる前方側部分6aの表面形状は、限定されるものではないが、例えば、血管内面の曲面と略同じ曲面形状にすることができ、このような形状にすることで、振動部6を、血管壁により密着させることができるので、振動部6が発した超音波振動をより効率的に作用させることができる。
ここで、本発明の血管挿入型デバイス1の第一の実施形態では、図2に示すように、挿入管3の先端部3aの側壁に、先端部3aの内部に配置した振動部6の少なくとも一部の、先端部3aの外側への進出を可能にする貫通孔3dを設けることが好ましい。このように、挿入管3の先端部3aの内部に、振動部6を配置するとともに、その振動部6の少なくとも一部、例えば、血管壁内面に接触させる前方側部分6aが先端部3aの外側へ進出するための貫通孔3dを、先端部3aの側壁に設けることにより、振動部6の前方側部分6aを、押当て部手段7によるバックアップの下で、血管壁に直接押し当てることができる。
またここで、押当て手段7は、振動部6を血管壁の内面に押し当てるべく機能するものであれば、後述の具体的態様に限定されるものではなく、押当て手段7の作動に際する、押当て手段7と振動部6との接触もしくは非接触のいかんは問わない。例えば、押当て手段7は、図2に示す第一の実施形態のように、振動部6の、血管壁内面に接触させる前方側部分6aとは逆側の後方側に配置されて、流体の供給により、挿入管3の径方向外側への振動部6の変位をもたらす膨張変形を可能とした押当てバルーン71で構成することが好ましい。押当て手段7を、上記のような押当てバルーン71とすることにより、血管壁への障害を最小限にして振動部6の前方側部分6aを確実に血管壁に密着させることができる。
なお、押当て手段7を押当てバルーン71で構成した場合は、該押当てバルーン71を、挿入管3の先端部3aの側壁の、振動部6を挟んで貫通孔3dと対向する周方向位置に、該側壁の一部を形成するものとして配置することにより、該押当てバルーン71が、その内部への流体の供給によって、振動部6側に膨張変形して振動部6を挿入管3の径方向外側へ変位させるとともに、挿入管3の先端部3aの側壁から径方向外側に拡がって、少なくとも、振動部6の変位方向とは逆方向に膨張変形し得るものとすることが好ましい。これによれば、振動部6の、血管内壁面への押し当てに際し、振動部6および押当てバルーン71が、血管壁の内面に対して挿入管3の先端部3aを固定するので、例えば、振動部6により超音波振動を発生させた際の、振動部6の位置ずれを防止して、その超音波振動を、血管内膜のプラークに対してより確実に作用させることができる。
ここで、押当て手段7を押当てバルーン71で構成する場合、挿入管3の内部には、押当てバルーン71を膨張させるための液体を該バルーン71の内部に供給するバルーン膨張用ルーメン3eを設けることができる。
なお、押当てバルーン71は、ポリエチレン、ナイロン、ポリウレタン等で形成され、また、押当てバルーン71を膨張させるために用いることができる流体としては、例えば、生理食塩水やリンゲル液等の液体が挙げられる。
なお、第一の実施形態のような先端部構造を有する血管挿入型デバイス1の押当て手段7としては、上述した押当てバルーン71に代えて、図3(a)に示すような、振動部6の前方側部分6aとは逆側の後方側に配置されて、挿入管3の基端側からの通電により磁力を発生するコイルおよび巻芯からなる電磁石72aと、振動部6の後方側部分6bの一部を形成するとともに、電磁石72aが発生する磁力による振動部6側の磁極とは異なる磁極を、電磁石72a側に有し、挿入管3の径方向外側への振動部6の変位をもたらす第一永久磁石72bとで構成されるものとすることができ、この場合、コイルへの通電に起因する第一永久磁石72bの、電磁石72aに対する斥力により、振動部6を血管壁の内面に押し当てることができる。
なおここにおいては、先端部3aの側壁で、振動部6の、先端部3aの外部への進出を許容する貫通孔3dと対向する周方向位置に貫通孔3fを形成し、この貫通孔3fの形成箇所に、電磁石72aが発生する磁力による図の下側の磁極とは異なる磁極を、電磁石72a側(図の上側)に有する第二永久磁石72cと、第二永久磁石72cに重ね合わせて配置されて、血管壁に接触させる表面を有し、軟質材料からなる板状接触部8aとを有する先端固定部材8を配設することができる。この構成によれば、電磁石72aと、第一永久磁石72bおよび第二永久磁石72cとのそれぞれの間に生じ得る斥力により、振動部6および先端固定部材8のそれぞれが、径方向外側に変位して血管壁の内面に当接することで、血管壁に対して挿入管3の先端部3aを固定することができる。
図示は省略するが、上述した第一永久磁石72bおよび/または第二永久磁石72cを、挿入管3の基端側からの通電により磁力を発生する電磁石に変えることができ、また、図示の電磁石72aと、永久磁石72b、72cとのそれぞれの配設位置を相互に入れ替えることも可能である。
また、押当て手段7として電磁石を用いると、上述の押当てバルーン71を膨張変形させるための液体を用いずに、押当て手段7を機能させることができる。
また、押当て手段7は、先述したものの他、図3(b)に示すように、挿入管3の内部、図では一つのルーメン3bに配置され、挿入管3の先端側の少なくとも一部に、複数箇所が屈曲変形するように癖付けされた屈曲部73aを有する弾性棒状部材73で構成することができる。この押当て手段7によれば、振動部6を血管壁の内面に押し当てる前の状態では、挿入管3内で、弾性棒状部材73は、その屈曲部73aが挿入管3の軸線方向に引き延ばされて配置されているが、振動部6を血管壁の内面に押し当てる際には、挿入管3の基端部から挿入管3の先端側に押された弾性棒状部材73の先端が、挿入管3の先端の内壁に当接することで、屈曲部73aが、自身の復元力の作用によって挿入管3の軸線方向に折り畳まれることになり、折り畳まれたその屈曲部73aは、振動部6の配置空間への開口箇所で、振動部6を後方側から押して、振動部6を挿入管3の径方向外側へ変位させるように機能する。
このように、押当て手段7を、屈曲部73aを有する弾性棒状部材73で構成する場合は、弾性棒状部材73の屈曲部73aが、挿入管3の軸線方向へ折り畳まれた際に、その屈曲部73aに押されて、振動部6の変位方向とは逆方向に変位する、外表面が軟質材料からなる先端固定部材8を、挿入管3の先端部3aの側壁に設けることができる。これによれば、振動部6と先端固定部材8とのそれぞれにより、血管壁の内面に対して挿入管3の先端部3aを固定することができる。
また、押当て手段7として図3(b)に示すような弾性棒状部材を用いると、液体や電気を用いずに、押当て手段7を機能させることができる。
また、さらに他の押当て手段7としては、図3(c)に示すように、挿入管3の内部、図示では一つのルーメン3bに配置され、挿入管3の先端側に固定した、一端側の少なくとも一部に、複数回巻き回されてなるコイル状部分74aを有する弾性ワイヤ74で構成したものを用いることができる。そして、この押当て手段7によれば、振動部6を血管壁の内面に押し当てる前の状態では、挿入管3内で、コイル状部分74aが、挿入管3の軸線方向に引き延ばされて配置されている弾性ワイヤ74は、振動部6を血管壁の内面に押し当てる際に、引き延ばされたコイル状部分74aを緩めるべく、弾性ワイヤ74を挿入管3の基端側から操作することで、コイル状部分74aが挿入管3の軸線方向に縮まるとともに元の径まで拡径しようと、そのコイル状部分74aにより、挿入管3の先端部3aに配置された振動部6を、挿入管3の径方向外側へ変位させるように機能する。
なお、この場合もまた、先端固定部材8を、挿入管3の先端部3aの側壁に設けることで、弾性ワイヤ74のコイル状部分74aが先端固定部材8を変位させて、振動部6と先端固定部材8とのそれぞれにより、血管壁の内面に対して挿入管3の先端部3aを固定することができる。
また、押当て手段7として図3(c)に示すような弾性ワイヤを用いると、液体や電気を用いることなく、また、弾性棒状部材73よりも確実に振動部6を押し当てることができる。
押当て手段7のさらなる変形例としては、図3(d)に示すように、挿入管3の先端部3aの内部に配置した回動板75と、挿入管3内に延在するとともに、回動板75の略中央域に、相互に間隔をおいてそれぞれの端部で取り付けた二本の操作用ワイヤ75a、75bとで構成されるものとすることができる。この押当て手段7では、振動部6を血管壁の内面に押し当てる前の状態では、回動板75が、挿入管3の軸線方向に略平行に配置されており、そして、振動部6を血管壁の内面に押し当てる際には、挿入管3の基端側から、二本の操作用ワイヤ75a、75bのうち一方のワイヤ75aを、挿入管3内に押し込むとともに、他方のワイヤ75bを引くことによって、回動板75が、挿入管3の軸線方向に沿った方向から立ち上がる向きに回動変位することになり、それにより、回動板75の一端が、振動部6の後方側部分6bに当接して、振動部6を、挿入管3の径方向外側へ変位させることができる。
なおここでも、先述したような先端固定部材8を配設することにより、上記のように回転変位した回動板75の他端が、先端固定部材8に当接して、先端固定部材8を、挿入管3の径方向外側に、血管壁の内面に向けて変位させることができるので、血管壁の内面に対して挿入管3の先端部3aを固定することができる。
また、押当て手段7として、図3(d)に示すような回動板および二本の操作用ワイヤから構成されるものを用いると、振動部6の変位量を適切に調整することができる。
ところで、本発明の血管挿入型デバイス1の第一の実施形態では、挿入管3の二つのルーメン3bのうち、振動伝達軸部材4が延在するルーメン3b内に、図2に示すように、挿入管3の先端部3aの側壁に設けた貫通孔3dより基端側の側壁部分から、突出する支持板9を設けることができる。この支持板9を設けることにより、押当て手段を作動させた際に、振動部6に連結した振動伝達軸部材4が、支持板9との接触箇所で折れ曲るとともに、支持板9よりも先端側の部分で、貫通孔3dに向く方向へ傾くことになって、振動伝達軸部材4と挿入管3の側壁とが直接接触することなしに、振動部6を進出変位させることができる。
ここで、挿入管3の内部に延在する振動伝達軸部材4および振動部6を形成する材料としては、例えば、チタニウム、アルミニウム、ニッケルチタン合金(例えば、ニチノール)、コバルトクロム合金、コバルトクロム鉄合金(例えば、エルジロイ合金)、ニッケルクロム合金(例えば、インコネル合金)、鉄クロム合金(例えば、少なくとも50%の鉄と少なくとも11.5%のクロムを含有するステンレス鋼)、などが挙げられ、振動伝達軸部材4及び振動部6の硬さの観点、および、振動伝達軸部材4の血管追従性の観点から、ニッケルチタン合金および鉄クロム合金が好ましい。
ここで、本発明の血管挿入型デバイス1は、血管内膜のプラーク等の治療部位を加熱する加熱機能を有することが好ましい。また、挿入管3の先端部3aに該加熱機能を配置することがより好ましい。先端部3aの中でも、振動部6を、加熱機能をさらに具えるものとすること、および/または、押当て手段7を、加熱機能をさらに具えるものとすることがさらに好ましい。これによれば、振動部6が発生する、例えば横波による超音波振動を、押当て手段7によって振動部6を押し当てた血管内膜のプラークに作用させて、プラークを形成するマクロファージを破壊し、加熱機能で、プラークを加熱することにより、マクロファージが破壊されてプラーク内に存在するコレステロール等の、時間に伴って生じるプラーク外の組織等への溶出を促進させることができる。また、振動部6および/または押当て手段7を、加熱機能をさらに具えるものとすることにより、振動部6を押し当てた状態で、振動部6が超音波振動を発するのと同時に、またはその前後に、プラークを効率的に加熱することができる。
なお、上記の加熱機能は、振動部6を血管内膜のプラークに押し当てた状態で、プラークを加熱できるものであれば限定されるものではないが、加熱による血管内壁の、細胞の死滅その他の損傷を防ぐとの観点からは、プラークを、50℃未満で加熱できるものが好ましい。
また、振動部6が具える加熱機能としては、例えば、電気抵抗により自身が熱を発生させる抵抗加熱を利用するもの(例えば、電熱線等のヒーター)、液体や気体その他の熱媒体の供給により加熱するもの、マイクロ波等の電磁波の作用により加熱する誘電加熱を利用するもの、超音波による発熱を利用するもの(例えば、超音波振動子等のヒーター)、血液中の溶存酸素等と反応して発生する酸化熱を利用するもの、または血液中の水分等を吸収して発生する溶解熱を利用するもの等が挙げられる。特に、マクロファージの破壊によって細胞外に流出したコレステロール等の脂質除去の観点から、振動部6が、自身が発生した熱によって対象物を加熱する電熱線や超音波振動子等のヒーターを有することが好ましい。これによれば、マクロファージの破壊とコレステロール等の溶出の促進(脂質の除去)とを同時に行うことができる。
なお、これらの加熱機能は、例えば、振動部6の内部に配置すること、または振動部6の外周面を覆って配置することもできる。
さらになお、振動部6自身が発する超音波振動により自身が発生する超音波加熱を、振動部6が具える加熱機能とすることもできる。
さらに、押当て手段7が具える加熱機能としては、振動部6と同様なものを利用することができ、例えば、押当て手段7としての押当てバルーン71に加熱された液体を供給し膨張変形させることによる加熱を利用するもの、および、押当てバルーン71の、振動部6の後方側部分6bと接触する位置に配置された、電気抵抗により自身が熱を発生させる抵抗加熱を利用するもの等が挙げられる。なお、押当て手段7が具える加熱機能は、振動部6を押し当てることで、振動部6に伝熱して、その機能を発揮するもののほか、振動部6を介さずにプラークを加熱することもできる。
ところで、本発明の血管挿入型デバイス1は、図示は省略するが、挿入管3の先端部3aの内部に配置されるとともに、血管および/または血管壁内の組織をモニタリングする機構、例えば、モニタリング用超音波を発生可能な振動子を具えることが好ましい。これによれば、振動子が発生したモニタリング用超音波により血管および/血管の周辺の組織をモニタリングすることで、挿入管3の先端部3aを血管内に挿入した際に、例えば、血管内におけるプラークの、存在位置、性状、硬さ等を検出することができ、また、振動部6が発生した超音波振動を作用させたプラークの状態を確認することができるので、そのモニタリング結果を利用することで、押当て手段7による、振動部6の、プラークへの押し当てを、より的確に行うことができるとともに、超音波振動をより有効に作用させることができる。なお、振動部6が接する部位の硬さは、例えば、振動伝達部材4を伝わる振動を解析することによって検出することができる。
以上に述べたような、図1および2に示す第一の実施形態の血管挿入型デバイス1を用いて、血管内膜のプラークを除去する方法を以下に説明する。
はじめに、血管挿入型デバイス1の挿入管3の挿通が可能なガイディングカテーテルおよび、ガイドワイヤを、予め血管内に挿入し、それらを用いて、挿入管3を、血管の、血管内膜にプラークが形成された位置に移動させる。次いで、挿入管3の先端部3aに配置した振動部6を、血管内膜のプラークが形成された位置の、血管の径方向内側に位置させ、そして、挿入管3の先端部3aの押当て手段7を作動させることで、振動部6を血管内膜のプラークが形成された位置に押し当てる(図2(a)の状態から図2(b)の状態になる)。
そしてその後、挿入管3の内部に延在する振動伝達軸部材4を介して振動発生器5に連結された振動部6により超音波振動を発生させ、その超音波振動をプラークに作用させる。このとき、振動部6を、プラークが存在する部位の血管壁に押し当てているので、振動部6による超音波振動を直接的に、プラークだけに作用させることができ、それ故に、プラーク周辺の組織への、意図しない損傷の発生を最小限にすることができる。
ここで、振動部6を、例えば、20〜100kHzの横波を発生可能なものとする場合には、振動部6を、プラークが存在する部位の血管壁に押し当てた状態で、振動部6で発生した横波の超音波振動が、血管内皮細胞や線維芽細胞等の細胞へ殆ど傷害を与えることなく、プラークを形成する巨大化したマクロファージに選択的に作用して共振を生じさせ、その細胞膜を破壊することができる。
またここで、振動部6および/または押当て手段7を、加熱機能を具えるものとする場合には、上記のように、振動部6で発生させる超音波振動をプラークに作用させることにより、マクロファージの細胞外に漏出したコレステロール等が、プラーク外の組織または体液に溶出するのを促進することができる。
なお、挿入管3の先端部3aの内部に配置されるとともに、血管および/または血管壁内の組織をモニタリングするモニタリング用超音波を発生可能な振動子を具える場合には、挿入管3の先端部3aを血管内に挿入した際に、振動部6での超音波振動の発生に先立って、振動子からモニタリング用超音波を発生させて、例えば、血管内の、プラークが存在する位置を検出し、そこに、先端部3aを位置させる。また、振動子からモニタリング用超音波を発生させて、超音波振動を作用させたプラークの状態を確認する。それらの結果として、押当て手段7により振動部6をプラークにより的確に押し当てることができるとともに、超音波振動をより有効に作用させることができる。
続いて、本発明の血管挿入型デバイス101の第二の実施形態について、以下に例示説明するが、ここでは、第一の実施形態と同様の構成についての説明は省略する。
図4に例示する血管挿入型デバイス101は、先端が開口した中空管状の挿入管103と、挿入管103の先端部103aに配置される振動部106と、振動部106を押し当てる押当て手段107とを具えるとともに、図4(a)および(b)に示すように、振動部106および押当て手段107のそれぞれを、挿入管103に対し、該挿入管103の軸線方向に進退変位可能としてなる。なお、振動部106は、様々な任意の形状とすることができるが、図4に示すところでは、挿入管103の軸線方向に延びる、平面輪郭形状が長方形の平板形状をなす。
ここで、図4に例示する血管挿入型デバイス101の挿入管103の先端が、開口していなくてもよく、その場合には、図5(c)に示すように、挿入管103の先端部103aの側壁に、互いに対向する貫通孔103d、103fを形成して、振動部106および/または押当てバルーン171を、挿入管103に対し、該挿入管103の軸線方向に進退変位させることにより、該貫通孔103d、103fを経て、挿入管103の外部へ位置させることもできる。
具体的には、図4(a)に示す、振動部106および押当て手段107の後退位置では、振動部106および押当て手段107のそれぞれが、挿入管103の先端部103aの内部に収容される状態となり、それにより、この状態で、例えば、挿入管103の先端部103aを血管内に挿入して、血管内の、プラークが存在する位置に移動させる際に、血管壁の内面を傷つけることがない。また、上記の後退位置に対し、図4(b)に示す、振動部106および押当て手段107の前進位置では、振動部106および押当て手段107のそれぞれが、挿入管103の先端から外部に突出して位置する状態となり、この状態で、押当て手段107を作動させることによって、例えば、先端部103aに配置した振動部106を、プラークが存在する位置の血管壁に押し当てることができる。
本発明の血管挿入型デバイス101の第二の実施形態においても、押当て手段107は、第一の実施形態で先述したような様々な態様とすることができる。
ここで、押当て手段107を、図4(a)および(b)に示すように、振動部106の、血管壁内面に接触させる前方側部分106aとは逆側の後方側(振動部106より挿入管103の半径方向内側)に配置するときは、作動させた押当て手段107が、振動部106のその後方側部分106bに当接して、振動部106を変位させることができる。
またここで、上記のように、押当て手段107を、振動部106の後方側に配置した場合には、挿入管103の内部に中空管状の内管110を設けるとともに、押当て手段107を内管110の先端側に配置させることができる。なおここでは、挿入管103の内部に設けた内管110は、振動部106および押当て手段107とともに、挿入管103に対し、該挿入管103の軸線方向に進退変位可能に配置されており、また、振動伝達軸部材104は、内管110の内部に延びて、内管110の側壁に設けた貫通孔110aを経て内管110の先端部110bの外部に配置した振動部106に連結されている。
そして、押当て手段107は、振動部106の後方側に配置した膨張変形な押当てバルーン171で構成することが好ましい。押当て手段107を、上記のような押当てバルーン171とすることにより、振動部106および血管の内面に、適切な圧力を与えることができ、血管壁への傷害を最小限にして、振動部106を血管壁に密着させることができる。
なお、押当て手段107としての、押当てバルーン171は、内管110の先端部110bで振動部106との間だけに配置した場合であっても、振動部106を変位させることができるが、図4に示すように、内管110の先端部110bの周囲を全周にわたって覆って配置することが、流体の供給により、内管110の径方向外側へ振動部106を変位させつつ、振動部106への当接箇所以外の箇所で血管壁の内面に当接して、内管110の先端部110bを、血管壁の内面に対して、固定できる点で好ましい。それにより、振動部106が超音波振動を発生する際の、超音波振動を作用させるプラークからの位置ずれを防止することができる。
また、押当て手段107を押当てバルーン171とする場合は、図4に示すように、内管110の外周側に、環状の押当てバルーン171に液体を供給するためのバルーン膨張用ルーメン110cを、内管110の周囲を覆って設けることができる。あるいは、図5(a)に示すように、内管110の内部を、押当てバルーン171を膨張させるための液体を通過させるバルーン膨張用ルーメンとして用いることができ、ここでは、振動伝達軸部材104を、内管110の略全長にわたって、その内管110の外面に沿って配置することで、図4に示すような、内管110の側壁への貫通孔110aの形成は不要となる。
ここで、第二の実施形態では、押当て手段107を、上述した押当てバルーン171に代えて、図5(b)に示すように、振動伝達軸部材104の、振動部106に隣接する一部を構成するとともに、振動部106を挿入管103の径方向外側に向けて付勢する弾性シャフト部分104bで構成してなることが好ましい。これによれば、振動部106および、押当て手段107としての弾性シャフト部分104bの後退位置で、振動部106の、挿入管103の内面への当接によって弾性変形した弾性シャフト部分104bは、振動部106を先端部103aから突出させた前進位置で復元して、振動部106を径方向外側へ変位させることができる。
またここでは、押当て手段107を、振動伝達軸部材104の、振動部106に隣接する変位軸部分104a周辺の一部を構成するとともに、加熱により、振動部106を挿入管103の径方向外側に向けて変位させるよう変形する形状記憶部分で構成することもできる。
押当て手段107として、図5(b)に示すような弾性シャフト部分104bを用いると、振動部106の、挿入管106の径方向外側への変位量を適切に調整することができる。
ところで、第二の実施形態において、振動部106および押当て手段107のそれぞれの、挿入管103に対する、該挿入管103の軸線方向の進退変位は、例えば、挿入管103の先端部103aの外周に設けられたガイドワイヤルーメン111の内部に延在して、挿入管103を血管内のプラークが存在する位置に導くための、図示しないガイドワイヤを、挿入管103の基端側に向かってプルバックして、ガイドワイヤルーメン111とともに挿入管103をスライドさせることで、実現しても構わない。
以下に、本発明の血管挿入型デバイス201の第三の実施形態について例示説明する。
図6に示す血管挿入型デバイス201は、図4に示す第二の実施形態と略同様の構成を有するものであるが、図4でいう挿入管103としての外管を除去し、図4でいう内管110を挿入管203とするとともに、挿入管203の先端部203aの内部に、軸線方向で、押当て手段207としての押当てバルーン271の配設領域を超える範囲に延びる血流確保用ルーメン211を設けた点で、図4に示すものとは相違する。
この血流確保用ルーメン211により、押当てバルーン271を膨張変形させて、振動部206および押当てバルーン271を血管壁内面に全周にわたって当接させた場合であっても、そこでの血流を確保することができる。なお、血流確保用ルーメン211は、挿入管203を血管内の所期した箇所に導くためのガイドワイヤを通すことにも用いることが可能である。
また、振動部206を挿入管203の軸線方向に進退変位させることにより、振動部206を挿入管203の内部に収容することが可能である。振動部206を挿入管203の内部に収容することにより、例えば、挿入管203を、血管内に挿入して、血管内の、治療標的部位であるプラークが存在する位置に移動させる際に、振動部206が血管壁の内面を傷つけるのを防止することができる。
続いて、本発明の血管挿入型デバイス301の第四の実施形態について例示説明する。
図7に例示する血管挿入型デバイス301は、特に、押当て手段307の構成を、図6に示す押当てバルーン271とは異なるものとしたことを除いて、図6に示すデバイス201と略同様の構成を有するものである。
より詳細には、図7(a)に示すところでは、押当て手段307は、振動伝達軸部材304の、振動部306に隣接する一部をなす変位軸部分304aと、挿入管303の内部、例えば、一つのルーメン303b内で基端側から延びて、前記変位軸部分304aの中間部に連結した操作部材376とで構成されてなる。そして、この押当て手段307によれば、操作部材376を、挿入管303の基端側に引っ張ることにより、操作部材376を連結した変位軸部分304aを、挿入管303の軸線方向から立ち上がる向きに変位させ、それにより、振動部306を、挿入管303の半径方向外側に変位させることができる。
なお、押当て手段307を構成する操作部材376は、例えば、金属または樹脂製のワイヤ等から形成される。
また、図7(b)に示すところでは、変位軸部材304aを、振動伝達軸部材304とは別個の部材とするとともに、その中間部で、振動伝達軸部材304に回動可能に連結し、また、変位軸部材の一端側に振動部306を取り付ける一方で、他端側に先端固定部材308を取り付け、そして、変位軸部分304aに、前記振動伝達軸部材304との連結部から所定の間隔をおいた位置で、先述したような操作部材376を連結している。操作部材376の引張り操作により、変位軸部分304aが振動伝達軸部材304との連結部周りに回動変位して、振動部306が図の上方側に変位するとともに、先端固定部材308が図の下方側に変位することになる。それにより、振動部306および先端固定部材308のそれぞれが、血管壁の内面に当接して、挿入管303の先端部303aを固定することができる。
また、先端固定部材308の、少なくとも、血管壁の内面に接する部分は、振動部306が発生する超音波振動を吸収する材料、例えば、フェライト粉末、タングステン粉末、アルミナ粉末等を含むエポキシ樹脂;フェライト粉末、タングステン粉末、アルミナ粉末等を含むブチルゴム;フェライト粉末、タングステン粉末、アルミナ粉末等を含むシリコーン樹脂;などで構成することができる。
なお、図7(b)に示す血管挿入型デバイス301では、図7(a)に示すものとは異なり、挿入管303の先端部303aに、先述のガイドワイヤを通すためのガイドワイヤルーメン311を設けていないが、血管挿入型デバイス301の使用目的に応じて、ガイドワイヤルーメン311を設けてもよい。
また、図7(a)および(b)に示す血管挿入型デバイス301は、図6に示す血管挿入型デバイス101と同様に、振動部306を、挿入管303の内部に収容することが可能である。振動部306を挿入管303の内部に収容することにより、例えば、挿入管303を血管内に挿入して、血管内の、治療標的部位であるプラークが存在する位置に移動させる際に、振動部306が血管壁の内面を傷つけるのを防止することができる。
次いで、本発明の血管挿入型デバイス401の第五の実施形態について例示説明する。
図8に例示する血管挿入型デバイス401は、先端部403aの側壁に貫通孔403dを設けた中空管状の挿入管403と、挿入管403の先端部403aに配置される振動部406と、挿入管内面と振動伝達軸部材404の変位軸部分404aとの間に配設したコイル状のねじりばねとしての、振動部406の押当て手段407とを具える。この実施形態では、図8(a)および(b)で示すように、振動部406および押当て手段407のそれぞれが、挿入管403に対し、該挿入管403の軸線方向に進退変位可能に配置されている。
具体的には、振動部406および押当て手段407の後退位置では、振動部406が、先端部403aの貫通孔403dの配置箇所からずれた位置、例えば、挿入管403の軸線方向で貫通孔403dより基端側の位置に配置され、振動部406および押当て手段407のそれぞれが、挿入管403の先端部403aの内部に収容される状態となる。一方、上記の後退位置から、振動部406および押当て手段407のそれぞれを軸線方向に相対変位させた後の、図8(b)に示す、振動部406および押当て手段407の前進位置では、振動部406および押当て手段407のうち、少なくとも振動部406が、押当て手段としてのねじりばね477による付勢力に基づき、貫通孔403dを介して、挿入管403の先端部403aの外側に進出して位置する状態となる。
なお、図8に示すこの実施形態でもまた、挿入管403の先端部403aに、ガイドワイヤを通すためのガイドワイヤルーメン411を設けることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の血管挿入型デバイスは、上記の例に限定されることは無く、本発明の血管挿入型デバイスには、適宜変更を加えることができる。
本発明によれば、血管内膜に形成されたプラークを除去する際の、血管壁の、プラーク周辺の組織への損傷の発生を最小限にすることのできる血管挿入型デバイスを提供することができる。
1、101、201、301、401 血管挿入型デバイス
2 血管
2a プラーク
3、103、203、303、403 挿入管
3a、103a、203a、303a、403a 先端部
3b、303b ルーメン
3c 基端部
3d、103d、403d 貫通孔
3e バルーン膨張用ルーメン
3f、103f 貫通孔
4、104、304、404 振動伝達軸部材
104a、304a、404a 変位軸部分
104b 弾性シャフト部分
5 振動発生器
6、106、206、306、406 振動部
6a、106a 前方側部分
6b、106b 後方側部分
7、107、207、307、407 押当て手段
71、171、271 押当てバルーン
72a 電磁石
72b 第一永久磁石
72c 第二永久磁石
73 弾性棒状部材
73a 屈曲部
74 弾性ワイヤ
74a コイル状部分
75 回動板
75a、75b 操作用ワイヤ
376 操作部材
477 バネ
8、308 先端固定部材
8a 板状接触部
9 支持板
110 内管
110a 貫通孔
110b (内管の)先端部
110c (内管の)バルーン膨張用ルーメン
111、311、411 ガイドワイヤルーメン
211 血流確保用ルーメン

Claims (10)

  1. 血管に挿入可能であり、長手方向の両端のそれぞれに基端および先端を有する中空管状の挿入管と、該挿入管の先端部に配置されるとともに、該挿入管の内部に延在する振動伝達軸部材を介して振動発生器に連結されて、超音波振動を発する振動部とを具えてなる血管挿入型デバイスであって、
    血管に挿入された前記挿入管の先端部で、前記振動部を血管壁の内面に押し当てる押当て手段を有することを特徴とする血管挿入型デバイス。
  2. 前記振動部を、横波を発生可能なものとすることを特徴とする請求項1に記載の血管挿入型デバイス。
  3. 前記押当て手段を、前記振動部の、血管壁内面に接触させる前方側部分とは逆側の後方側に配置されて、流体の供給により、前記挿入管の径方向外側への前記振動部の変位をもたらす膨張変形を可能とした押当てバルーンで構成してなることを特徴とする請求項1に記載の血管挿入型デバイス。
  4. 前記押当て手段を、前記振動伝達軸部材の、前記振動部に隣接する一部を構成するとともに、該振動部を前記挿入管の径方向外側に向けて付勢する弾性シャフト部分で構成してなることを特徴とする請求項1に記載の血管挿入型デバイス。
  5. 前記挿入管の先端部の側壁に、該先端部の内部に配置した前記振動部の少なくとも一部の、該先端部の外側への進出を可能にする貫通孔を設けたことを特徴とする請求項3または4に記載の血管挿入型デバイス。
  6. 前記振動部および前記押当て手段のそれぞれを、前記挿入管に対し、該挿入管の軸線方向に進退変位可能とし、
    前記振動部および前記押当て手段の前進位置で、該振動部および該押当て手段のそれぞれが、前記挿入管の先端から外部に突出して位置するとともに、前記振動部および前記押当て手段の後退位置で、該振動部および該押当て手段のそれぞれが、前記挿入管の先端部の内部に収容されるものとしてなることを特徴とする請求項3または4に記載の血管挿入型デバイス。
  7. 前記血管挿入型デバイスを、治療部位を加熱する加熱機能を具えるものとすることを特徴とする請求項2に記載の血管挿入型デバイス。
  8. 前記振動部が、前記加熱機能を具えるヒーターを有することを特徴とする請求項7に記載の血管挿入型デバイス。
  9. 前記押当て手段を、加熱機能を具えるものとすることを特徴とする請求項2に記載の血管挿入型デバイス。
  10. 前記挿入管の先端部の内部に配置されるとともに、血管および/または血管壁内の組織をモニタリングするモニタリング用超音波を発生可能な振動子を具えることを特徴とする請求項1に記載の血管挿入型デバイス。
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